JP2024021590A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で、静電オフセットの発生を低減する。【解決手段】ニップ部において定着部材及び加圧部材の間に記録材を挟持して搬送しながら、定着部材により記録材上の画像を加熱して記録材に定着させる定着装置であって、定着部材と接触する接点部材を有し、定着部材から電荷を除去するように構成された回路部を更に備え、加圧部材の表層は、定着部材の表層を介して回路部と電気的に接続されており、加圧部材の表層の表面抵抗率をX(Ω/□)とし、定着部材の表層の表面抵抗率をY(Ω/□)とするとき、4.0≦logX≦13.0、5.0≦logY≦14.0、logY≧13.0-logX、且つ、logY≦23.0-logX、である。【選択図】図6

Description

本発明は、記録材に画像を定着させる定着装置、及び、記録材に画像を形成する画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、現像剤としてトナーを用いて記録材上に画像を形成した後、定着装置により画像を記録材に定着させる。熱定着方式の定着装置は、定着部材と加圧部材との間に記録材を挟持して搬送しながら、記録材上の画像を加熱することで画像の定着を行う。この種の定着装置において、加圧部材が摩擦帯電等により電荷を帯びると、記録材上のトナーが斥力を受けて定着部材に付着し、定着部材が1回転した後にトナーが記録材に付着することで記録材のトナー汚れが発生する場合がある。このように、定着装置のニップ部においてトナーに作用する静電気力が適切な範囲を外れることで発生する画像不良は、静電オフセットとして知られる。
特許文献1は、定着フィルムに導電性を有する導電層を設け、長手方向のフィルム端部に露出させた導電層に給電ブラシを接触させて電圧を印加すると共に、定着フィルムと対向する加圧ローラを接地することで静電オフセットを抑制する技術を開示している。特許文献2は、定着フィルムの導電層を加圧ローラの端部に設けた導電性ゴムリングと接触させ、且つ、加圧ローラの芯金を接地することで、静電オフセットを抑制する技術を開示している。
特開2002-132072号公報 特開2009-042303号公報
画像形成装置の小型化、低コスト化の要請から、より簡易な構成で、静電オフセットの発生を低減することが望まれていた。
そこで、本発明は、簡易な構成で、静電オフセットの発生を低減可能な構成を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、回転可能な定着部材と、ニップ部において前記定着部材と当接する回転可能な加圧部材と、前記定着部材を加熱する加熱手段と、を備え、前記ニップ部において前記定着部材及び前記加圧部材の間に記録材を挟持して搬送しながら、前記定着部材により前記記録材上の画像を加熱して前記記録材に定着させる定着装置であって、前記定着部材と接触する接点部材を有し、前記定着部材から電荷を除去するように構成された回路部を更に備え、前記加圧部材の表層は、前記定着部材の表層を介して前記回路部と電気的に接続されており、前記加圧部材の前記表層の表面抵抗率をX(Ω/□)とし、前記定着部材の前記表層の表面抵抗率をY(Ω/□)とするとき、4.0≦logX≦13.0、5.0≦logY≦14.0、logY≧13.0-logX、且つ、logY≦23.0-logX、であることを特徴とする定着装置である。
本発明によれば、簡易な構成で、静電オフセットの発生を低減することができる。
第1実施形態に係る画像形成装置の概略図。 第1実施形態に係る定着装置の断面を示す概略図。 第1実施形態に係る定着装置の概略図。 第1実施形態に係る定着フィルムの層構成を示す図。 第1実施形態に係る加圧ローラ及び定着フィルムの除電構成を示す図。 第1実施形態に係る加圧ローラ表面及び定着フィルム表面。 静電オフセットの発生態様を示す図。 第2実施形態の変形例1に係る定着装置の概略図。 第2実施形態の変形例2に係る定着装置の概略図。
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。
≪第1実施形態≫
以下、第1実施形態に係る画像形成装置及び定着装置の構成を説明する。なお、「画像形成装置」とは、例えば単機能プリンタ、複写機、複合機等、記録材であるシート材に画像を形成する装置を指す。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタ100を示す概略図である。プリンタ100は、外部から受信した画像情報に基づいて電子写真プロセスによって記録材Pに画像を形成する、モノクロレーザービームプリンタである。なお、記録材P(記録媒体)としては、普通紙及び厚紙等の紙、プラスチックフィルム、布、コート紙のような表面処理が施されたシート材、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート材など、サイズ及び材質の異なる多様なシート材を使用可能である。
プリンタ100は、現像剤としてのトナーを用いて記録材Pに画像(トナー像)を形成する画像形成部101と、画像を記録材Pに定着させる定着装置6と、記録材Pの搬送機構と、を備える。画像形成部101は、像担持体としての感光ドラム1と、帯電装置2と、露光装置33と、現像装置4と、転写ローラ5と、クリーニング装置7と、を含む。
感光ドラム1は、円筒状の基体の外周部に有機感光体等で感光層を形成した電子写真感光体である。画像形成時には、感光ドラム1は図中矢印r1方向に所定の周速度をもって回転駆動される。帯電装置2は、例えば接触帯電式の帯電ローラである。帯電装置2は、不図示の電気回路から電圧を印加されることで、感光ドラム1の表面を所定の極性と電位に一様に帯電させる。本実施形態の帯電装置2は、プリンタ100の基準電位(フレームグランド)である0Vを基準として感光ドラム1の表面を-700Vの表面電位まで帯電させる。基準電位の詳細は後述するが、以下に記述する電位値や電圧値は、基準電位0Vを基準として表す。
露光装置33は、レーザビームスキャナである。プリンタ100のビデオコントローラ31は、外部から画像形成の実行指示と共に受信する画像情報を作像情報に変換し、露光装置33の制御部32に送信する。制御部32は、作像情報に基づいて露光装置33を駆動し、露光装置33にレーザ光Lを出力させる。感光ドラム1の表面にレーザ光Lが照射されて露光部の電荷が除電されることにより、感光ドラム1の表面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。本実施形態では感光ドラム1の露光部の表面電位(明部電位)を-200Vとするよう、レーザ光Lの出力を調整する。
現像装置4は、現像ローラ等の現像剤担持体に現像剤としてのトナーを担持して感光ドラム1に供給することにより、感光ドラム1上の静電潜像をトナー像に現像する。本実施形態では現像剤として負の帯電極性を有するトナーを用いる。また、現像ローラは、不図示の電気回路により-400Vの電圧を印加される。これにより、感光ドラム1の表面の非露光部(表面電位が-700Vの領域)にはトナーが付着せず、露光部(表面電位が-200Vの領域)にトナーが付着する。現像装置4により現像されたトナー像は、感光ドラム1に担持され、感光ドラム1と転写ローラ5との間に形成される転写部に向かう。
画像形成部101によるトナー像の作成に並行して、プリンタ100の下部に設けられたカセットCに収納された記録材Pが給送ローラ10により1枚ずつ給送される。記録材Pの転写部への搬送タイミングは、センサ8が記録材Pの先端を検知したタイミングに基づいて調整される。これにより、シート搬送方向(画像形成時の副走査方向)における記録材Pに対する画像の位置合わせが行われる。
転写装置としての転写ローラ5は、不図示の電気回路により正極性の電圧を印加される。これにより、感光ドラム1から記録材Pにトナー像が転写され、記録材Pに未定着の画像が形成される。転写ローラ5に印加される電圧の値は、プリンタ100の使用環境や記録材Pの電気抵抗で変化するが、凡そ+0.5kVから+3.0kVまでの範囲である。転写部を通過した感光ドラム1の表面に残留した転写残トナーは、クリーニング装置7により除去され、感光ドラム1の表面は再び帯電以降のプロセスに適した状態となる。
転写部を通過した記録材Pは定着装置6へと搬送される。定着装置6は、回転体対の間に記録材Pを挟持して搬送しながら記録材P上の画像を加熱することで、画像を記録材Pに定着させる。定着装置6の詳細は後述する。定着装置6を通過した記録材Pは、排出ローラ対9により機外に排出され、プリンタ100の上面部に設けられた排出トレイに成果物として積載される。
(定着装置)
本実施形態における定着装置6の構成を説明する。図2は、定着装置6の断面構成を示す概略図である。図3は、定着装置6の主な部材の長手方向の配置を示す概略図である。
図2及び図3に示すように、定着装置6は、フィルムユニット18(フィルムアセンブリ)と、加圧ローラ17と、を有する。フィルムユニット18は、定着フィルム13、ヒータ11、ヒータホルダ12、及び端部フランジ14によって構成される。
定着フィルム13は、記録材Pの画像面(未定着トナーTを担持する面)と接触する回転可能な定着部材(第1回転体)の例である。加圧ローラ17は、記録材Pの画像面とは反対側の面と接触する回転可能な加圧部材(第2回転体、対向部材)の例である。ヒータ11は、記録材Pに画像を定着させるために定着部材を加熱する加熱手段の例である。
ヒータ11は、保持部材としてのヒータホルダ12の下面(定着ニップ側の面)に支持される。ヒータ11及びヒータホルダ12は、筒状の定着フィルム13の内部空間に配置される。端部フランジ14は、ヒータホルダ12の長手方向両端部に装着される。端部フランジ14は、定着フィルム13の内側でヒータホルダ12を支持する支持部と、支持部からフランジ状に広がって定着フィルム13の両端部を規制するフランジ部と、を有する。
加圧ローラ17は、ヒータ11及びヒータホルダ12からなるニップ形成ユニットに対し、定着フィルム13を挟んで当接される。端部フランジ14は、加圧バネ15によって加圧ローラ17の側に付勢される。これにより、フィルムユニット18と加圧ローラ17との間に、所定幅の定着ニップNが形成される。定着ニップNにおいては、加圧バネ15の加圧力により、定着フィルム13はヒータ11と加圧ローラ17に密着した状態になる。
なお、ニップ形成ユニットは、ヒータ11が定着フィルム13の内面と接触するものに限らない。例えば、ヒータ11と定着フィルム13との間に熱伝導率の高い薄板又はシート材を設けてヒータ11の熱が該薄板又はシート材を介して定着フィルム13に伝わる構成としてもよい。
以下の説明において、「定着装置6の長手方向」又は単に「長手方向」とは、加圧ローラ17の回転軸線方向を表す。定着装置6の長手方向は、定着フィルム13の母線方向、又は、定着ニップNにおけるシート搬送方向と直交するシート幅方向と言い換えることができる。
本実施形態において、ヒータ11と定着フィルム13の内面との間には耐熱性グリス等の潤滑剤が塗布され、低摩擦状態にある。そのため、定着フィルム13と加圧ローラ17の表面同士の摩擦力の方が大きい。そのため、加圧ローラ17が矢印r17方向に回転駆動されると、定着フィルム13はヒータ11と密着しつつも、ヒータホルダ12に対して矢印r13方向に回転する。
加圧ローラ17は、後述する芯金17cを軸受16によって保持され、回転以外の移動を規制される。軸受16には、加圧ローラ17の回転時の摩擦抵抗を小さくするための潤滑剤が塗布される。
ヒータ11は、例えば、アルミナ(酸化アルミ)、AlN(窒化アルミ)等の高絶縁性の細長いセラミックス基板や、ポリイミド、PPS、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂基板を有する。ヒータ11は、この基板の表面に、例えばAg/Pd(銀パラジウム)、RuO、TaN等の発熱ペースト層を印刷した発熱体と、この発熱体の保護と絶縁性を確保するためのガラスコート層等を、順次形成したものである。本実施形態では、アルミナ基板上にAg/Pdの発熱ペースト層とガラスコート層を形成したヒータ11を用いる。
ヒータ11の長手方向端部には、発熱体と電気的に接続された給電端子が設けられる。プリンタ100に設けられた給電回路のコネクタが給電端子と接続されることで、給電回路から発熱に電力が供給され、ジュール熱により発熱体が発熱される。ヒータ11の背面(定着ニップNとは反対側の面)には、ヒータ11の温度を検知するためのサーミスタ等の温度検知素子が配置される。プリンタ100の制御部は、この温度検知素子の信号に応じて、発熱体に印加される電圧のデューティー比や波数等を適切に制御することで、ヒータ11及び定着ニップNの温度を目標温度に保つことができる。
ヒータホルダ12は、ヒータ11を支持し、定着ニップNの加圧力を生じさせ、且つ、ヒータ11の熱が定着ニップNとは反対側に逃げるのを低減する(断熱作用)機能を有する。ヒータホルダ12は、剛性、耐熱性、断熱性を有する材料で形成する。これら特性を達成するには、例えば液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEKが適する。本実施形態ではヒータホルダ12の材料として液晶ポリマーを使用する。
加圧ローラ17は、ステンレス、快削鋼(SUM)又はAl等の金属製の芯金17cと、芯金17cの外周にシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコーンゴムを発泡して形成された弾性層17bと、を有する。さらに加圧ローラ17は、ローラ表面の離型性と耐磨耗性を向上させるため、弾性層17bを覆うようにPFA、PTFE若しくはFEP等のフッ素樹脂、又はこれらフッ素樹脂の混合物で形成された表層17aを有する。加圧ローラ17の芯金17cは、上記のように軸受16に保持される。本実施形態では、Alの芯金17cと、シリコーンゴムの弾性層17bと、PFAの表層17aと、を備えた外径25mmの加圧ローラ17を使用する。
図4に定着フィルム13の層構成を示す。定着フィルム13は、ヒータ11からの熱に耐えうる耐熱性と、表面に未定着トナー像を溶着させない離型性と、記録材Pの定着ニップN通過や加圧ローラ17との圧接によっても破損しない堅牢性及び表面強度と、が求められる。これらの特性は単一の材料で達成しても構わないが、複数の材料を用いて機能を分担することもできる。
例えば、図4に示すように、耐熱性と堅牢性を達成するため、定着フィルム13の基層13cは、ステンレス、Al、Ni、Cu若しくはZnなどの金属又はポリイミド若しくはポリアミドなどの耐熱性樹脂、からなる薄膜チューブとする。基層13cの外周に形成される表層13aは、離型性や表面強度を備えるフッ素樹脂とする。
基層13cは、筒状に形成された凡そ200μm以下の薄膜である。本実施形態では基層13cとして75μmのポリイミドチューブを用いる。表層13aに用いられるフッ素樹脂は、PFA、PTFE、FEP、ETFE、CTFE若しくはPVDF等のフッ素樹脂、又は、これらフッ素樹脂の混合物から選ばれる。本実施形態では、基層13cの外周側に塗工によって製膜した10μmのPFAを表層13aとする。
また、本実施形態の定着フィルム13は、基層13cと表層13aを構造的に安定して一体化させるため、上記層間にポリイミド系樹脂とフッ素樹脂の混合物からなる接着層13bを5μmの厚さで備える。
定着装置6の動作を説明する。画像形成時には、加圧ローラ17が図2の矢印r17方向に回転駆動され、定着フィルム13は加圧ローラ17に追従して矢印r13方向に回転する。また、ヒータ11への通電により、ヒータ11が所定の目標温度まで加熱される。この状態で、未定着トナーTを担持する記録材Pが、図2の搬送方向p0に搬送されてくる。すると、定着装置6は、記録材Pを定着ニップNにおいて定着フィルム13及び加圧ローラ17の間に挟持して搬送しながら、ヒータ11からの熱(非放射熱)により加熱された定着フィルム13によって記録材P上の未定着トナーTを加熱する。これにより、未定着トナーTが溶融し、画像が記録材Pに対して定着される。
このフィルム加熱方式は、熱容量の非常に小さい定着フィルム13を用いて画像を加熱するので、クイックスタート性及び省エネ性に優れる利点がある。
なお、図3に示すように、長手方向の定着ニップNの長さは、プリンタ100が画像形成可能な記録材Pの最大幅wを超える長さに設定される。そのため、記録材Pのサイズに関わらず、定着ニップNを記録材Pが通過している期間中であっても、定着フィルム13と加圧ローラ17の表面同士が、記録材Pの通過領域の外側の第1端領域v1及び第2端領域v2において接触した状態が維持される。以下、最大幅wの記録材Pが通過する長手方向の範囲を、「通紙領域」とする。
(加圧ローラの帯電電位の制御構成)
次に本実施形態の定着装置6の帯電電位の制御構成について説明する。図5は、本実施形態に係る定着フィルム13及び加圧ローラ17の帯電電位の制御に関する構成を模式的に表す概略図である。
図5に示すように、定着装置6は、定着フィルム13の表面と接触する接点部材21を有する。接点部材21は、定着フィルム13の表面を損傷させずに、定着フィルム13に追従して変形できるように、例えば柔軟性の高い導電性シートや導電性ブラシを用いると好ましい。本実施形態では、導電ブラシを接点部材21として用いる。
定着装置6の長手方向における接点部材21の当接位置は、紙粉やトナーなどによる接点部材21の汚損を低減するため、通紙領域外とすることが望ましい。
接点部材21は、通電回路22を介して、プリンタ100の電気的グランド23と接続される。接点部材21及び通電回路22は、定着フィルム13から電荷を除去するように構成された回路部を構成する。プリンタ100の電気的グランド23とは、前述のプリンタ100の基準電位0Vとなる部分である。電気的グランド23は、画像形成部101のプロセスを実行するための電気回路や、感光ドラム1及び搬送ローラ等の回転体を駆動するモータに電力を供給する電気回路や、ヒータ11に給電するための電気回路など、各電気回路のグランドとなる。プリンタ100の筐体を形作るフレームを金属とする場合には、該フレームをプリンタ100の電気的グランド23とすることができる。
定着フィルム13の表面に当接させた接点部材21を、通電回路22を経由してプリンタ100の電気的グランド23に接続することにより、定着フィルム13の表面電荷を電気的グランド23へ流すことができる。これにより、定着装置6の使用時(画像形成時)における定着フィルム13の帯電電位が制御される。
一方、本実施形態では、加圧ローラ17の側には接点部材21や通電回路22に相当する構成を設けない。本実施形態では、以下で説明するように、定着装置6の使用時における加圧ローラ17の帯電電位を、加圧ローラ17と定着フィルム13の表面同士の接触を用いて制御する。
加圧ローラ17の表面は、定着ニップNにおいて定着フィルム13の表面と電気的に接続され、加圧ローラ17の表面電荷が定着フィルム13、接点部材21及び通電回路22を介して電気的グランド23に流れるように構成される。加圧ローラ17の表面電荷は、上記の経路以外の経路(例えば弾性層17b及び芯金17cを介して軸受16に流れる経路)には実質的に流れないように構成される。
具体的に、本実施形態では、加圧ローラ17表面から加圧ローラ17の軸受を介して電気的グランドに至る経路(経路1)の抵抗値が、加圧ローラ17表面から定着フィルム13を介して電気的グランド23に至る経路(経路2)の抵抗値よりもはるかに大きい。上記経路1は、加圧ローラ17表面から、加圧ローラ17の弾性層17b、芯金17c、加圧ローラ17の軸受を経由して、電気的グラントとしての定着装置6のフレームに至る経路である。経路1の合成抵抗は、経路2の合成抵抗に対して例えば10倍以上の値である。
上記経路1の抵抗値を高くする方法としては、例えば加圧ローラ17の軸受として高抵抗のものを用いることができる。一例として、軸受の内面(芯金17cとの嵌合部)から軸受の外面(定着装置フレームとの嵌合部)までの抵抗値が、定着ニップNから接点部材21までの定着フィルム13の表層13aの抵抗値より大きい軸受を使用する。軸受の上記抵抗値は、例えばディジタル絶縁抵抗計MY600(横川測定社製)で測定することができる。
なお、経路1の抵抗値を高くする方法として、加圧ローラ17の弾性層17bを高抵抗とすることも考えられる。ただし、その場合、弾性層17bがコンデンサとして作用し定着ニップNにおける電位に影響を与える可能性があることに留意する。上記のように加圧ローラ17の軸受を高抵抗とする構成にすれば、例えば弾性層17bにカーボンブラックなどの導電材を分散させて低抵抗化し、弾性層17bのコンデンサ的な振舞いを排除できる。
以上の構成により、本実施形態では、接点部材21により電気的グランド23と接続される定着フィルム13の表面を介して、加圧ローラ17の表面電荷を除電する。言い換えると、摩擦帯電により加圧ローラ17表面に生じた電荷を、定着フィルム13表面、接点部材21及び通電回路22を経由して電気的グランド23に流すことで、加圧ローラ17の表面電荷を除電する構成とする。すなわち、本実施形態では、加圧ローラ17表面、定着フィルム13表面、接点部材21、通電回路22、及び電気的グランド23が、実質的に直列回路を構成する。
なお、定着ニップNにおける加圧ローラ17の表面と定着フィルム13の表面との電気的接続は、これらの表面同士が物理的に接触していることを指す。具体的には、定着ニップNを記録材Pが通過していない期間においては、定着ニップNの全域に亘って加圧ローラ17及び定着フィルム13の表面同士が接触することにより、これらの表面同士が電気的に接続される。定着ニップNを記録材Pが通過している期間中は、定着ニップNにおいて通紙領域の外側の第1端領域v1及び第2端領域v2(図3)で加圧ローラ17及び定着フィルム13の表面同士が接触することにより、これらの表面同士が電気的に接続される。
上記構成によれば、加圧ローラ17の表面電荷を除電するための構成として、特許文献2のようなゴムリングを加圧ローラ17の芯金17cに設ける必要がない。そのため、芯金17cにゴムリングを取り付けた場合に懸念される、ゴムリングの弾性変形による接触不良や、長期間の使用によるゴムリングの塑性変形による接触不良を回避することができる。つまり、本実施形態では、加圧ローラ17と定着フィルム13の表面同士は常に接触するため、加圧ローラ17の表面電荷を除電する経路となる加圧ローラ17と電気的グランド23との間の電気的接続をより安定して確保することができる。
(加圧ローラ表面及び定着フィルム表面の表面抵抗率)
ここで、加圧ローラ17の表面の帯電電位を適切な範囲に制御するための、加圧ローラ17及び定着フィルム13の表層17a,13aの条件設定を説明する。
本実施形態の加圧ローラ17の表面を成す表層17aと、定着フィルム13の表面を成す表層13aとは、いずれもフッ素樹脂(具体的にはPFA)で形成される。これらの表層17a,13bの表面抵抗率(シート抵抗とも呼ばれる)は、基材である樹脂に導電性フィラーを添加することで調整可能である。導電性フィラーの例は、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、金属又は金属酸化物の粒子などである。
以下、加圧ローラ17表面の表面抵抗率(表層17aの表面抵抗率)をX(Ω/□)とし、定着フィルム13の表面の表面抵抗率(表層13aの表面抵抗率)をY(Ω/□)とする。本実施形態では、表面抵抗率X,Yが、以下の数式(1)~(4)をいずれも満たすように構成する。図6に数式(1)~(4)で定まる領域(網掛け領域及びドットパターン領域)を図示する。
4.0≦logX≦13.0 ・・・(1)
5.0≦logY≦14.0 ・・・(2)
logY≧13.0-logX ・・・(3)
logY≦23.0-logX ・・・(4)
なお、表面抵抗率の測定は、ハイレスターUX・MCP-HT800(日東電工アナリテック社製)とリングプローブUR-SS・MCP-HTP15を用い、1Vから1000Vのいずれかの設定電圧・計測時間30秒の設定で行うものとする。
加圧ローラ17表面及び定着フィルム13表面の表面抵抗率X,Yを上記範囲に設定する理由について、図6を基に説明する。図6は、横軸を加圧ローラ17表面の表面抵抗率Xを常用対数で表示し、縦軸を定着フィルム13表面の表面抵抗率Yを常用対数で表示する。例えば、Y=1.0E+4(Ω/□)の場合、横軸の値は4.0である。
(表面抵抗率X,Yの組合せによらないX,Yの数値設定)
上記の数式(1)~(4)により加圧ローラ17表面及び定着フィルム13表面の表面抵抗率X,Yの範囲を定める理由について説明するため、まず、表面抵抗率X,Yの組合せを考慮しない場合の表面抵抗率X,Yの数値設定を説明する。この場合、表面抵抗率X,Yの好ましい範囲は、次の数式(5)及び(6)で表される(図6の網掛け領域)。
6.0≦logX≦11.0 ・・・(5)
7.0≦logY≦12.0 ・・・(6)
加圧ローラ17表面の表面抵抗率Xは、1.0E+11Ω/□以下(logXが11.0以下)とすると好ましい。定着フィルム13表面の表面抵抗率Yは、1.0E+12Ω/□以下(logYが12.0以下)とすると好ましい。表面抵抗率X,Yが上記の値以下であれば、定着フィルム13を介して加圧ローラ17表面の電荷を除去することで、加圧ローラ17表面の過帯電による静電オフセットの発生を抑制することができる。
「加圧ローラ17表面の過帯電による静電オフセット」とは、定着フィルム13又は記録材との摺擦により、加圧ローラ17の表面がトナーの正規帯電極性と同極性の電荷を帯び、その電荷量が許容範囲を超えることで発生する静電オフセットである。
図6の点UUは、X=1.0E+11Ω/□、Y=1.0E+12Ω/□の場合を示す。この場合、加圧ローラ17表面には電荷が蓄積するものの、過帯電状態とはならず、静電オフセットの発生は抑制される。
点UUは、最低限の除電能力(Yの上限)を有する定着フィルム13表面を用いる場合において、その定着フィルム13を用いて加圧ローラ17表面が過帯電とならないように除電できる加圧ローラ17表面の電荷の蓄積しやすさの上限(Xの上限)に相当する。そのため、点UUからXを大きくするか(図6で右方向に移動)、点UUからYを大きくすると(図6で上方向に移動)、加圧ローラ17表面における電荷の蓄積が定着フィルム13による除電能力を超えてしまう。結果として、加圧ローラ17表面の過帯電による静電オフセットを生じる。
加圧ローラ17表面の表面抵抗率Xは、1.0E+6Ω/□以下(logXが6.0以上)とすると好ましい。定着フィルム13表面の表面抵抗率Yは、1.0E+7Ω/□以上(logYが7.0以上)とすると好ましい。表面抵抗率X,Yが上記の値以上であれば、加圧ローラ17表面からの電荷流出による静電オフセットの発生を抑制することができる。
「加圧ローラ17表面からの電荷流出による静電オフセット」とは、次のような現象である。電子写真プロセスでは、転写ローラ5等の転写装置にトナーの正規帯電極性とは反対極性の電圧が印加される。相対湿度40%未満の環境下で放置された記録材など、電気抵抗が高い記録材にトナー像が転写されると、記録材は、画像を転写された面(画像面)がトナーと同じ極性に、画像面の反対面(非画像面)がトナーの反対極性に、表裏で分極する。加圧ローラ17表面の表面抵抗率Xが著しく低い場合等は、表裏で分極した記録材が定着ニップNを通過する際に、記録材の非画像面の電荷が加圧ローラ17表面から定着フィルム13表面に流出してしまう。その結果、記録材の非画像面の電荷量が減少し、トナーを記録材に拘束する静電気力が減少することで、静電オフセットが生じやすくなる。
図6の点DDは、X=1.0E+6Ω/□、Y=1.0E+7Ω/□の場合を示す。この場合、加圧ローラ17表面からは一定の電荷が流出するものの、過度の電荷流出が生じることは避けられるため、静電オフセットの発生は抑制される。
点DDは、電流が比較的流れやすい(Yの下限)を有する定着フィルム13表面を用いる場合において、その定着フィルム13を用いた場合に電荷流出による静電オフセットが生じない加圧ローラ17表面の表面抵抗率Xの下限に相当する。そのため、点DDからXを小さくするか(図6で左方向に移動)、点DDからYを小さくすると(図6で下方向に移動)、加圧ローラ17表面の電荷が定着フィルム13を介して過度に流出しやすくなる。その結果、加圧ローラ17表面からの電荷流出による静電オフセットが生じる場合がある。
(表面抵抗率X,Yの組合せを考慮したX,Yの数値設定)
ところで、本実施形態では加圧ローラ17表面と定着フィルム13表面とが直列的に接続される。そのため、表面抵抗率X,Yが上記の数式(5)及び(6)で定まる範囲の外側にある場合でも、表面抵抗率X,Yの組合せによっては、静電オフセットの発生を抑制できる場合があることが分かった。
例えば、図6の点ex(logX=12.0、logY=6.0)では、加圧ローラ17表面の表面抵抗率Xが数式(5)の上限より大きく、定着フィルム13表面の表面抵抗率Yが数式(6)の下限より小さい。この場合、Xの値が大きいことで加圧ローラ17の表面に電荷が蓄積しやすいものの、Yの値が小さいことで定着フィルム13表面の除電能力が高いため、加圧ローラ17及び定着フィルム13を含む直列回路全体のバランスはとれている。そのため、点exにおいても、加圧ローラ17表面の過帯電による静電オフセットの発生を抑制することができる。
このように、表面抵抗率X,Yが上記の数式(5)及び(6)で定まる範囲の外側にある場合においても、静電オフセットの発生を抑制できる表面抵抗率X,Yの組合せを検討した。その結果、上述した数式(1)~(4)で定まる領域(図6のドットパターン領域)であれば、静電オフセットの発生を十分に低減できることが分かった。
つまり、本実施形態によれば、表面抵抗率X,Yの組合せを考慮することで、X,Yを単独で評価した場合(図6の網掛け領域)に比べて広い範囲(ドットパターン領域)において静電オフセットの発生を十分に低減可能となる。そのため、静電オフセットによる画像不良の発生を抑制しながら、加圧ローラ17又は定着フィルム13の材質や構造等に関して定着装置の設計自由度を向上可能となる。
具体的には、数式(1)によれば、加圧ローラ17表面の表面抵抗率Xとして、数式(5)の上限より大きい値又は数式(5)の下限より小さい値を採用することができる。また、数式(2)によれば、定着フィルム13表面の表面抵抗率Yとして、数式(6)の上限より大きい値又は数式(6)の下限より小さい値を採用することができる。
ただし、X,Yの値が数式(1)又は(2)の範囲外である場合には、X,Yの組合せを考慮しても静電オフセットの発生を避けることは難しい。例えば表面抵抗率Xが1.0E+13Ω/□を超過すると、表面抵抗率Yを小さくしても(図6中、eUeDの右下)、静電オフセットが生じやすい。これは、加圧ローラ17表面の電荷量が容易に過大となり、定着フィルム13表面の表面抵抗率Yを低くしても除電しきれないためである。同様に、数式(1)又は(2)の範囲外となるX,Yの他の組合せについても、X,Yのいずれかが許容範囲を超えて大きく又は小さくなると、加圧ローラ17表面の過帯電による静電オフセット又は電荷流出による静電オフセットが顕在化する。
また、数式(1)及び(2)の範囲内であっても、表面抵抗率X,Yが比較的大きな値同士の組合せとなる場合(図6において点UUの右上)は、加圧ローラ17表面の過帯電による静電オフセットが顕在化しやすい。また、数式(1)及び(2)の範囲内であっても、表面抵抗率X,Yが比較的小さな値同士の組合せとなる場合(図6において点DDの左下)は、電荷流出による静電オフセットが顕在化しやすい。
そこで、数式(3)及び(4)により、表面抵抗率X,Yの大きな値同士の組合せ、及び、表面抵抗率X,Yの小さな値同士の組合せは、排除することにした。
以上をまとめると、図6に示すように、本実施形態における定着フィルム13表面と加圧ローラ17表面の表面抵抗率X,Yの設定条件は、左に傾いた6角形の範囲で規定される。
図6において、表面抵抗率X,Yの組合せを考慮しない場合に許容されるX,Yの範囲(網掛け領域)に比べて、本実施形態におけるX,Yの許容範囲(ドットパターン領域)は領域A及び領域Bの分だけ広がっている。領域Aは、数式(1)~(4)に加えて、logX>11又はlogY<7を満たす領域である。領域Bは、数式(1)~(4)に加えて、logX<6又はlogY>12を満たす領域である。
(表面抵抗率X,Yの数値例とその作用)
以上に説明した表面抵抗率X,Yと、各部材表面の帯電電荷及び静電オフセットの関係を説明する。
定着ニップNへの記録材Pの突入前又は排出後の期間(加圧ローラ17の回転中且つ記録材が通過していない期間)において、定着フィルム13と加圧ローラ17は、定着ニップNの長手方向全域に渡って直接接触して擦れ合う。すると、定着フィルム13及び加圧ローラ17表面が摩擦帯電し、特に相対湿度40%未満の環境下では摩擦帯電が進みやすい。加圧ローラ17の表面(表層17a)をPFA等のフッ素樹脂で形成すると、加圧ローラ17表面は摩擦帯電により負極性に(つまりトナーの正規帯電極性と同極性に)帯電する。
上記のように、本実施形態では、加圧ローラ17表面を起点とし、電気的グランド23を終点とする実質的な直列回路を構成する。加圧ローラ17表面は、定着フィルム13表面より起点側にあるので、通常、定着フィルム13表面より多くの負極性電荷を残留させ、負極性電位も大きくなる。このため、摩擦帯電による加圧ローラ17表面の電荷量が過大となると、記録材P上の負極性に帯電した未定着トナーTに対して斥力が作用し、静電オフセットが生じる。
ここで、図6において数式(4)より下側の領域では、上側の領域に比べて、加圧ローラ17表面及び定着フィルム13表面の表面抵抗率X,Yが過度に大きな値とならないので、摩擦帯電による電荷の発生が比較的穏やかになる。加えて、図6において数式(4)より下側の領域では、上側の領域に比べて、加圧ローラ17表面内及び定着フィルム13表面内の電荷移動が比較的容易である。そのため、摩擦帯電により加圧ローラ17の表面に生じた電荷を、加圧ローラ17と定着フィルム13の接触部を介して定着フィルム13表面に移動させ、更に定着フィルム13と接点部材21の接触部へとスムーズに移動させることができる。
そのため、図6において数式(4)より下側の領域では、加圧ローラ17表面の過帯電による静電オフセットの発生を十分に低減できる程度に、直列回路によって加圧ローラ17表面の電荷を除去することができる。
ただし、図6において数式(4)より下側の領域であっても、X,Yの値が数式(1)又は(2)の範囲外である場合には静電オフセットの発生を避けることは難しい。例えば加圧ローラ17表面の表面抵抗率Xが1.0E+13Ω/□を超過すると、表面抵抗率Yを小さくしても、静電オフセットが生じやすい。これは、加圧ローラ17表面の電荷量が容易に過大となり、定着フィルム13表面の表面抵抗率Yを低くしても除電しきれないためである。同様に、定着フィルム13表面の表面抵抗率Yが1.0E+14Ω/□を超過すると、表面抵抗率Xを小さくしても、静電オフセットが生じやすい。これは、定着フィルム13表面による加圧ローラ17表面の除電能力が著しく不足するためである。
図6において数式(3)より上側の領域では、下側の領域に比べて、加圧ローラ17表面内及び定着フィルム13表面内の電荷移動が比較的穏やかになる。そのため、相対湿度40%未満の環境下で放置された記録材など、電気抵抗が高く表裏で分極した記録材が定着ニップNを通過する際に、記録材の非画像面の電荷が加圧ローラ17表面から定着フィルム13表面に流出するのを低減することができる。その結果、記録材の非画像面から加圧ローラ17表面を介して電荷が流出しトナーを記録材に拘束する静電気力が減少することによる静電オフセットの発生を抑制することができる。
ただし、図6において数式(3)より上側の領域であっても、X,Yの値が数式(1)又は(2)の範囲外である場合には静電オフセットの発生を避けることは難しい。例えば加圧ローラ17表面の表面抵抗率Xが1.0E+4Ω/□を下回ると、表面抵抗率Yを大きくしても記録材の非画像面からの電荷流出を十分に低減できず、静電オフセットが生じやすい。また、定着フィルム13表面の表面抵抗率Yが1.0E+5Ω/□を下回ると、表面抵抗率Xを大きくしても、定着フィルム13と加圧ローラ17の接触部における電荷移動が活発になり過ぎる場合がある。そのため、記録材の非画像面からの電荷流出を十分に低減できず、静電オフセットが生じる場合がある。
なお、表面抵抗率Xが非常に大きく表面抵抗率Yが非常に小さい場合(図6の点eUeDの右下)や、表面抵抗率Xが非常に小さく表面抵抗率Xが非常に大きい場合(図6の点eDeUの左上)には、以上の説明は必ずしも当てはまらない。しかしながら、これらの場合においては、加圧ローラ17表面の電荷量又は記録材の非画像面の電荷量の制御が難しくなるため、結果として静電オフセットが生じる可能性がある。
以上説明したように、本実施形態では、加圧ローラ17表面、定着フィルム13表面、接点部材21、通電回路22、電気的グランド23を直列に接続した直列回路を構成する。そして、加圧ローラ17表面及び定着フィルム13表面の表面抵抗率X,Yを、数式(1)~(4)で定まる所定範囲内に設定することで、静電オフセットの発生を十分低減できる程度に加圧ローラ17表面及び記録材の非画像面の電荷量を制御することができる。
すなわち、本実施形態に係る定着装置によれば、簡易な構成で、静電オフセットの発生を低減することができる。
(試験結果)
本実施形態のプリンタ100を用いて連続的に画像形成動作(連続プリント)を行った際の、静電オフセットの評価結果を説明する。用いた記録材Pは、A4サイズ紙・Office70(キヤノン製、坪量70g/m)である。このA4サイズ紙を、パッケージを開封後15℃,10%RH環境下に48時間放置した状態で試験に使用した。プリント環境も同一の環境条件とした。プリント条件は、50ppmのスループットで、記録材Pの片面のみに、50ページの連続プリントを行わせた。このときのトナーの電荷量は-20μC/gであり、転写ローラ5に印加する電圧は+1.5kVとした。
静電オフセットの評価には、図7に示すような画像を用いた。すなわち、記録材Pの搬送方向先端側に、定着フィルム13の1周回分に相当する長さ(13i)に亘って文字画像(TI)を印刷させた。そして、文字画像(TI)を印刷する領域より後端側の定着フィルム13の1周回分に相当する長さ(13i)のベタ白領域(非画像形成領域)に現れるトナー汚れ(TJ)の程度を評価した。静電オフセットが発生する場合、図7に示すように、本来の文字画像(TI)から定着フィルム13の1周回分に相当する長さだけずれた位置に、文字画像に対応したトナー汚れ(TJ)が発生する。
また、プリント中の定着フィルム13表面と加圧ローラ17表面の表面電位を計測した。計測手段としては、表面電位計Model347と測定プローブModel555P-1(いずれもアドバンスドエナジー社製)の組合せを用いた。
評価を行った各実施例の、加圧ローラ17表面と定着フィルム13表面の表面抵抗率X,Yは、表1のとおりである。
・実施例1-1は、図6の点CC(X=8.5、Y=9.5)に相当する。
・実施例1-2は、図6の点meU(X=9.0、Y=14.0)に相当する。
・実施例1-3は、図6の点eUm(X=13.0、Y=10.0)に相当する。
・実施例1-4は、図6の点eUeD(X=13.0、Y=5.0)に相当する。
・実施例1-5は、図6の点meD(X=8.0、Y=5.0)に相当する。
・実施例1-6は、図6の点eDm(X=4.0、Y=9.0)に相当する。
・実施例1-7は、図6の点eDeU(X=4.0、Y=14.0)に相当する。
・実施例1-8は、図6の点DU(X=6.0、Y=12.0)に相当する。
・実施例1-9は、図6の点UD(X=11.0、Y=7.0)に相当する。
また、比較例として、加圧ローラ17表面と定着フィルム13表面の表面抵抗率X,Yの組合せが、数式(1)~(4)で定まる範囲外となる構成について、上記各実施例と同様の評価試験を行った。
・比較例1-1は、図6の点Z1(X=12.0、Y=13.0)に相当する。
・比較例1-2は、図6の点Z2(X=13.5、Y=4.5)に相当する。
・比較例1-3は、図6の点Z3(X=5.0、Y=6.0)に相当する。
・比較例1-4は、図6の点Z4(X=3.5、Y=14.5)に相当する。
Figure 2024021590000002
表中の静電オフセット画像(TJ)評価の記号は、次のとおりである。
A:静電オフセット(TJ)の発生なし
B:静電オフセット(TJ)の発生あり(拡大観察しないと認知できないレベル)
C:静電オフセット(TJ)の発生あり(一見で認知できるレベル)
D:静電オフセット(TJ)の発生あり(文字として認知できるレベル)
表1に示すように、実施例1-1の場合、静電オフセット(TJ)は発生しなかった。実施例1-1において、記録材通過中の加圧ローラ17の表面電位は-300V、定着フィルム13の表面電位は-200Vであった。電位差は、加圧ローラ17が定着フィルム13に対して負極性の値(-100V)となるものの、加圧ローラ17表面の電荷は未定着トナーTを移動させるほどの斥力を生じさせない程度であるため、静電オフセットが発生しなかったと考えられる。また、電荷流出による静電オフセットが問題となるほど、記録材の非画像面の電荷が流出することもなかったと考えられる。
実施例1-2の場合、静電オフセット(TJ)が発生したがそのレベルは極軽微で、実使用上問題とならない程度であった。実施例1-2において、記録材通過中の加圧ローラ17と定着フィルム13の表面電位の差は、加圧ローラ17が定着フィルム13に対して負極性となり、その値(-150V)は実施例1-1より若干大きかった。そのため、未定着トナーTの極一部が加圧ローラ17表面の電荷から斥力を受けて定着フィルム13に付着し、軽微な静電オフセットが発生したと考えられる。
実施例1-3、1-4の場合も、静電オフセット(TJ)が発生したがそのレベルは極軽微で、実使用上問題とならない程度であった。実施例1-3、1-4においても、記録材通過中の加圧ローラ17と定着フィルム13の表面電位の差は、加圧ローラ17が定着フィルム13に対して負極性となり、その値(-150V)は実施例1-1より若干大きかった。そのため、未定着トナーTの極一部が加圧ローラ17表面の電荷から斥力を受けて定着フィルム13に付着し、軽微な静電オフセットが発生したと考えられる。
実施例1-5の場合、静電オフセット(TJ)が発生したがそのレベルは極軽微で、実使用上問題とならない程度であった。実施例1-5において、記録材通過中の加圧ローラ17と定着フィルム13の表面電位の差は、加圧ローラ17が定着フィルム13に対して負極性となり、その値(-70V)は実施例1-1より若干小さかった。そのため、記録材の非画像面の電荷が一部流出することで未定着トナーTの極一部が定着フィルム13に付着し、軽微な静電オフセットが発生したと考えられる。
実施例1-6、1-7の場合も、静電オフセット(TJ)が発生したがそのレベルは極軽微で、実使用上問題とならない程度であった。実施例1-6、1-7においても、記録材通過中の加圧ローラ17と定着フィルム13の表面電位の差は、加圧ローラ17が定着フィルム13に対して負極性となり、その値(-80V、-50V)は実施例1-1より若干小さかった。そのため、記録材の非画像面の電荷が一部流出することで未定着トナーTの極一部が定着フィルム13に付着し、軽微な静電オフセットが発生したと考えられる。
実施例1-8、1-9の場合、静電オフセット(TJ)は発生しなかった。実施例1-8、1-9において、記録材通過中の加圧ローラ17と定着フィルム13の表面電位の差は、加圧ローラ17が定着フィルム13に対して負極性となり、電位差の値(-90V、-110V)は実施例1-1と同程度であった。そのため、加圧ローラ17表面の電荷は未定着トナーTを移動させるほどの斥力を生じさせず、かつ、電荷流出による静電オフセットが問題となるほど記録材の非画像面の電荷が流出することもなかったと考えられる。
比較例1-1の場合、文字として認知できるレベルの静電オフセット(TJ)が発生した。比較例1-1では、記録材通過中の加圧ローラ17と定着フィルム13の表面電位の差は、加圧ローラ17が定着フィルム13に対して負極性となり、その値(-1300V)は実施例1-1に比べて極めて大きかった。そのため、未定着トナーTが加圧ローラ17表面の電荷から強い斥力を受けて、静電オフセットが発生したものと考えられる。
比較例1-2の場合、一見で認知できるレベルの静電オフセット(TJ)が発生した。比較例1-2では、記録材通過中の加圧ローラ17と定着フィルム13の表面電位の差は、加圧ローラ17が定着フィルム13に対して負極性となり、その値(-700V)は、比較例1-1程ではないが実施例1-1に比べて極めて大きかった。そのため、未定着トナーTが加圧ローラ17表面の電荷から強い斥力を受けて、静電オフセットが発生したものと考えられる。
比較例1-3の場合、文字として認知できるレベルの静電オフセット(TJ)が発生した。比較例1-3では、記録材通過中の加圧ローラ17と定着フィルム13の表面電位の差は、加圧ローラ17が定着フィルム13に対して負極性となり、その値(-5V)は実施例1-1に比べて極めて小さかった。そのため、記録材の非画像面の電荷が多量に流出することで未定着トナーTが定着フィルム13に付着し、静電オフセットが発生したと考えられる。
比較例1-4の場合、一見で認知できるレベルの静電オフセット(TJ)が発生した。比較例1-4では、記録材通過中の加圧ローラ17と定着フィルム13の表面電位の差は、加圧ローラ17が定着フィルム13に対して負極性となり、その値(-20V)は、比較例1-3程ではないが実施例1-1に比べて極めて小さかった。そのため、記録材の非画像面の電荷が多量に流出することで未定着トナーTが定着フィルム13に付着し、静電オフセットが発生したと考えられる。
このように、本実施形態の構成によれば、簡易な構成で、静電オフセットの発生を低減することができる。
また、実施例1-1、1-8、1-9では静電オフセットを特に効果的に低減できているように、静電オフセット抑制の点では図6の網掛け領域(数式(5)及び(6))の範囲が好ましい。一方、図6の領域A(logX>11又はlogY<7)及び領域B(logX<6又はlogY>12)を利用することで、静電オフセットを実用上問題ない程度に低減しつつ、定着装置の設計自由度を向上させられる。
(変形例)
第1実施形態のプリンタ100では、図5に示すように接点部材21から電気的グランド23までを導体(導線)からなる通電回路22によって直接接続する。これに代えて、通電回路22の途中に、回路素子や複数の回路素子によって構成される電気回路を設け、定着フィルム13表面及び加圧ローラ17表面の電位制御を積極的に行ってもよい。具体的には、電気抵抗やバリスタなどの電流制限手段や、ダイオードなどの電流の整流手段を通電回路22に設けることにより、定着フィルム13表面及び加圧ローラ17表面の電位を制御することができる。また、電流制御手段や整流手段を直列又は並列に複数配置してもよい。更には、通電回路22に電圧印加回路を設けて、接点部材21に電圧を印加して所定電位に保持することで定着フィルム13表面及び加圧ローラ17表面の電位制御を行ってもよい。
《第2実施形態》
第2実施形態に係る定着装置及びプリンタの構成を説明する。本実施形態は、定着フィルム13の表層以外の少なくとも1層を、表層よりも表面抵抗率が低い低抵抗層とする。以下、第1実施形態と共通の参照符号を付した要素は、第1実施形態で説明したものと実質的に同じ構成及び作用を有するものとし、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図4に示すように、第1実施形態の定着フィルム13は、表層13aと、接着層13bと、基層13cと、を有する。この場合、本実施形態では、接着層13b又は基層13cのいずれか又は両方を、表層13aよりも表面抵抗率が低い材質によって形成して低抵抗層とする。
低抵抗層は、カーボンブラックやカーボンナノチューブ、又は金属や金属酸化物の導電フィラーを基材樹脂に添加することで導電性を付与したものを用いることができる。また、低抵抗層は、例えば基層13cを金属等の導体で形成したものであってもよい。
低抵抗層の表面抵抗率は、表層13aの表面抵抗率よりも低いものとする。また、低抵抗層の表面抵抗率は、1.0E+5Ω/□以下とする。
なお、接着層13bの表面抵抗率の測定は、ロレスターGX・MCP-T700(日東電工アナリテック社製)とPSPプローブ・MCP-TP06Pを用い、0.1μAまたは1μA印加・計測時間30秒、で行うことができる。
上記のように表層13aの内側に低抵抗層を設けることで、長時間の連続プリントを行う場合でも定着フィルム13内での電位ムラを低減し、電位ムラによる静電オフセットの発生を低減することができる。
詳細を以下に説明する。第1実施形態では、図3及び図5に示したように、接点部材21は通紙領域外において定着フィルム13表面に接触するように配置される。ここで、通紙領域外に位置する加圧ローラ17の両端部の内、接点部材21とは反対側の端部領域を第1端領域v1とし、接点部材21と同じ側の端部領域を第2端領域v2とする。この場合、第2端領域v2に発生した加圧ローラ17表面の電荷は、定着フィルム13に移った後、定着フィルム13を長手方向に横断して接点部材21まで移動することになる。
したがって、接点部材21を定着フィルム13の一端部に接触させる構成では、接点部材21とは反対側の端部領域(ここでは第1端領域v1)における加圧ローラ17表面の電荷が除電されにくくなる。第1実施形態では、定着フィルム13表面の表面抵抗率を小さめの値とすることで、定着フィルム13内での電位ムラ(加圧ローラ17の除電ムラ)を低減することができる。
一方、長時間の連続プリントを行うと、定着ニップNの全域に亘って定着フィルム13と加圧ローラ17が接触している期間が短くなる。そのため、加圧ローラ17から定着フィルム13への電荷の移動は、主に第1端領域v1と第2端領域v2で行われる。この場合、定着フィルム13表面の表面抵抗率には前述した下限があるため、第1端領域v1側で加圧ローラ17表面の電荷を除去しきれずに静電オフセットが生じる可能性がある。
なお、プリンタ100に追加のカセットを接続して記録材の給送可能枚数を増やした場合や、連続プリントで非常に多くの画像を出力する場合に、上記の定着フィルム13の電位ムラに起因する静電オフセットが顕在化しやすくなる。また、加圧ローラ17表面と定着フィルム13表面の表面抵抗率が比較的大きいとき(例えばlogX≧6、logY≧12の範囲や、logXとlogYの和が23に近いとき)にも、定着フィルム13の電位ムラに起因する静電オフセットが顕在化しやすい。
定着フィルム13の電位ムラへの対策として、第1端領域v1側において追加の接点部材21を定着フィルム13に接触させ、定着フィルム13の長手方向両端で電荷を除去する構成とすることも考えられる。しかしながら、この方法では装置の構成が複雑になる。
そこで、本実施形態では、定着フィルム13表面の内側の少なくとも一層を低抵抗層とする。以下、本実施形態の構成の一例として、接着層13bを低抵抗層とする構成を説明する。
まず、電荷の移動について概念的に説明する。接着層13bを低抵抗層とした場合、定着フィルム13自身の表面電荷と加圧ローラ17から受け取った電荷は、定着フィルム13の表層13a内を厚み方向へ移動して接着層13bに到達する。電荷は、更に接着層13b内を周方向及び長手方向に移動し、接点部材21に向かって流れる。
接着層13bの表面抵抗率は、定着フィルム13表面の表面抵抗率Yの下限(1.0E+5Ω/□)よりも低い。そのため、接着層13b中では、定着フィルム13表面を成す表層13a中より、素早く接点部材21に向けて電荷を移動させることができる。また、接着層13b内で電荷が分散することで、定着フィルム13表面の帯電ムラを解消できる。一方、接着層13bの表面抵抗率を1.0E+5Ω/□以上とすると、表層13aの表面抵抗率との差が小さくなるため、上記の効果は減少する。
接着層13b内を接点部材21の位置まで移動した電荷は、表層13a内を厚み方向に移動し、接点部材21に到達する。これ以降の電荷の流れは、第1実施形態と同様である。
なお、変形例1として、図8に示すように接点部材21の位置に定着フィルム13の表層13aを設けずに接着層13bを露出させた露出部を設けてもよい。露出部において、接着層13bは定着フィルム13の表面(外表面)に露出する。接着層13bの露出部を設ける場合、露出部に接点部材21を接触させることで、接着層13bから直接電荷を除去することができる。
上記の露出部は、定着フィルム13の長手方向一方側の端部とする。これにより、接着層13bを加圧ローラ17及び記録材Pに接触させないようにすることができる。表面抵抗率の低い接着層13bが加圧ローラ17又は記録材Pと接触すると、想定した電位関係を実現できず、静電オフセット等の画像不良が発生する可能性がある。また、露出部は表層13aによって保護されておらず、離型性や耐摩耗性といった性能が表層13aのある部分よりも劣るため、接点部材21以外の物体を接触させないことが好ましい。
本実施形態において、定着フィルム13表面の表面抵抗率は、第1実施形態と同一の範囲で設定する。そのため、接着層13bの抵抗を低くしても、加圧ローラ17表面を経由して記録材Pの非画像面からの電荷流出が問題となることは避けられる。
変形例2として、接着層13b及び基層13cを低抵抗層としてもよい。この構成の場合、上記した接着層13bのみ低抵抗層とする場合と同様に、接点部材21を表層13aに接触させるか、又は部分的に表層13aから露出させた基層13cに接点部材21を接触させるとよい。定着フィルム13の電位ムラを低減する作用は、本実施形態と同様である。
また、上記変形例2においては、図9に示すように、筒状の定着フィルム13の内面に接点部材21を接触させてもよい。なお、図9では、定着フィルム13の内部空間に位置する接点部材21を図示するため、定着フィルム13の一部を透視している(破線部)。
定着フィルム13の表面又は低抵抗層の露出部に接点部材21を接触させる構成(図5、図8)では、接点部材21の紙粉やトナーによる汚損、低抵抗層の加圧ローラ17又は記録材Pとの接触等を回避することが望まれる。そのため、前述した例では、定着フィルム13を長手方向に長くして、定着フィルム13の長手方向端部付近に接点部材21を接触させていた。図9の構成ではそのような構成をとる必要がないため、部品の製造コストや装置の小型化の面で有利である。また、接点部材21と定着フィルム13との接触部が定着フィルム13の内側に隠れるため、定着装置の本来の動作とは異なる動作が行われる時でも、接点部材21の機械的破損が生じる可能性を低減できる。定着装置の本来の動作とは異なる動作とは、例えば記録材のジャムが発生し定着ニップNから記録材を引き抜く場合の動作である。
(試験結果)
本実施形態のプリンタ100を用いて連続的に画像形成動作(連続プリント)を行った際の、静電オフセットの評価結果を説明する。プリント条件は、50ppmのスループットで、記録材Pの片面のみに、1000ページの連続プリントを行わせた。また、静電オフセット(TJ)の評価は、記録材Pを幅方向(定着フィルム13の長手方向)に中央領域・第1端領域v1・第2端領域v2の3つに分割して、分割した領域ごとに評価を行った。評価方法のその他の部分は、第1実施形態で説明したものと同様である。
評価を行った各構成例において、加圧ローラ17表面の表面抵抗率Xは1.0E+11Ω/□、定着フィルム13表面の表面抵抗率Yは1.0E+12Ω/□(図6の点UUに相当)とした。
実施例2-1では、定着フィルム13の接着層13bの表面抵抗率を1.0E+5Ω/□とした。実施例2-1では、定着フィルム13の接着層13bの表面抵抗率を1.0E+7Ω/□とした。いずれの実施例も、定着フィルム13の長手方向端部における接着層13bの露出部に接点部材21を接触させた。
また、比較例2として、表面抵抗率X、Yについては実施例2-1、2-2と同様とし、定着フィルム13に低抵抗層を設けず、接点部材21を定着フィルム13表面に接触させたものを、実施例と同様に評価した。なお、表中の静電オフセット画像(TJ)評価の記号は、表1と同様である。
Figure 2024021590000003
まず、比較例2から説明する。比較例2の場合、記録材Pの中央部と第2端領域v2では、1000ページの連続プリントを行う本試験の条件でも、実用上問題とならない極軽微な静電オフセットが発生するのみであった。一方、接点部材21から遠い側の第1端領域v1では、一見して認知できるレベルの静電オフセットが発生した。
これに対し、実施例2-1の場合、記録材Pの幅方向全域において、極軽微な静電オフセットが発生するのみであった。実施例2-2の場合、静電オフセットの発生傾向は、比較例2と同様であった。
実施例2-1で第1端領域v1における静電オフセットの発生を低減できたのは、低抵抗層としての接着層13bを設けたことにより、連続プリント中の定着フィルム13の電位ムラを低減できたためと考えられる。一方、実施例2-2や比較例2では、接着層13bの表面抵抗率が実施例2-1よりも高いため、連続プリント中の定着フィルム13の電位ムラを十分に低減できなかったと考えられる。
このように本実施形態では、定着フィルム13を多層構成とし、定着フィルム13の表層より内側の少なくとも1層を低抵抗層とする。低抵抗層の表面抵抗率は、1.0E+5Ω/□以下とする。以上の構成により、例えば連続プリントを長時間にわたって行う条件においても、静電オフセットの発生を低減できる。
(その他の実施形態)
上述した実施形態では、定着部材として定着フィルム13を、加圧部材として加圧ローラ17と、加熱手段としてヒータ11を用いるフィルム加熱方式の構成を例示した。これに代えて、例えば定着部材として剛性を有する円筒状のローラ(定着ローラ)を用いてもよい。また、定着部材又は加圧部材として無端状のフィルム又はベルトを用いる場合、複数のローラに張架した構成としてもよい。また、加熱手段として、例えば放射熱を発するハロゲンランプを用いてもよい。
また、上述した実施形態では、画像形成手段として直接転写方式の画像形成部101を例示した。これに代えて、像担持体(感光ドラム1)に形成したトナー像を中間転写ベルト等の中間転写体に一次転写し、中間転写体から記録材に二次転写する中間転写方式の画像形成部を用いてもよい。また、画像形成部は、複数の像担持体及び複数色のトナーを用いてカラー画像を形成する構成としてもよい。
(本開示のまとめ)
本開示は、少なくとも以下の構成を含む。
(構成1)
回転可能な定着部材と、
ニップ部において前記定着部材と当接する回転可能な加圧部材と、
前記定着部材を加熱する加熱手段と、
を備え、前記ニップ部において前記定着部材及び前記加圧部材の間に記録材を挟持して搬送しながら、前記定着部材により前記記録材上の画像を加熱して前記記録材に定着させる定着装置であって、
前記定着部材と接触する接点部材を有し、前記定着部材から電荷を除去するように構成された回路部を更に備え、
前記加圧部材の表層は、前記定着部材の表層を介して前記回路部と電気的に接続されており、
前記加圧部材の前記表層の表面抵抗率をX(Ω/□)とし、
前記定着部材の前記表層の表面抵抗率をY(Ω/□)とするとき、
4.0≦logX≦13.0、
5.0≦logY≦14.0、
logY≧13.0-logX、且つ、
logY≦23.0-logX、
であることを特徴とする定着装置。
(構成2)
前記接点部材は、前記定着部材の前記表層の外面に接触している、
ことを特徴とする構成1に記載の定着装置。
(構成3)
前記定着部材は、前記定着部材の前記表層よりも内側に形成された低抵抗層を更に有し、
前記低抵抗層の表面抵抗率は、1.0E+5Ω/□以下、且つ、前記定着部材の前記表層の表面抵抗率Yよりも小さい、
ことを特徴とする構成1に記載の定着装置。
(構成4)
前記接点部材は、前記低抵抗層に接触している、
ことを特徴とする構成3に記載の定着装置。
(構成5)
前記低抵抗層は、前記低抵抗層の外面が前記表層から露出した露出部を有し、
前記接点部材は、前記露出部に接触している、
ことを特徴とする構成4に記載の定着装置。
(構成6)
前記定着部材は、筒状であり、
前記低抵抗層は、前記定着部材の内面を構成しており、
前記接点部材は、前記定着部材の前記内面に接触している、
ことを特徴とする構成4に記載の定着装置。
(構成7)
前記接点部材は、前記加圧部材の回転軸線方向において前記ニップ部を記録材が通過する領域の外側で、且つ、前記回転軸線方向における前記定着部材の一方側の端部にのみ設けられている、
ことを特徴とする構成3乃至6のいずれか1つに記載の定着装置。
(構成8)
前記定着部材は、前記表層よりも内側に形成された基層と、前記基層と前記表層とを接着する接着層と、を有し、
前記低抵抗層は、前記基層及び前記接着層のいずれか一方又は両方である、
ことを特徴とする構成3乃至7のいずれか1つに記載の定着装置。
(構成9)
7.0≦logY≦12.0、且つ、
6.0≦logX≦11.0、
であることを特徴とする構成1乃至8のいずれか1つに記載の定着装置。
(構成10)
logX>11又はlogY<7、
であることを特徴とする構成1乃至8のいずれか1つに記載の定着装置。
(構成11)
logX<6又はlogY>12、
であることを特徴とする構成1乃至8のいずれか1つに記載の定着装置。
(構成12)
前記加圧部材を回転可能に支持する軸受と、
前記軸受を支持するフレームと、
を更に有し、
前記加圧部材から前記軸受を介して前記フレームに至る回路における前記軸受の抵抗値は、前記ニップ部から前記接点部材までの前記定着部材の抵抗値よりも大きい、
ことを特徴とする構成1乃至11のいずれか1つに記載の定着装置。
(構成13)
前記回路部は、前記接点部材と前記定着装置の電気的グランドとを接続する導体を有する、
ことを特徴とする構成1乃至12のいずれか1つに記載の定着装置。
(構成14)
前記回路部は、前記接点部材と前記定着装置の電気的グランドとを接続する経路の途中に配置される回路素子によって構成され、前記接点部材から前記電気的グランドに流れる電流を制限する電流制限手段又は前記接点部材から前記電気的グランドに流れる電流を整流する整流手段を更に有する、
であることを特徴とする構成13に記載の定着装置。
(構成15)
前記回路部は、前記接点部材を所定電位に保持するように電圧を印加する電圧印加回路を有する、
ことを特徴とする構成1乃至12のいずれか1つに記載の定着装置。
(構成16)
前記定着部材は、筒状のフィルムであり、
前記加熱手段は、前記フィルムの内部空間に配置されたヒータであり、
前記加圧部材は、前記フィルムを挟んで前記ヒータと対向するローラであり、
前記定着装置は、前記ヒータが発する非放射熱によって加熱された前記フィルムにより、前記ニップ部において前記記録材上の前記画像を加熱する、
ことを特徴とする構成1乃至15のいずれか1つに記載の定着装置。
(構成17)
トナーを用いて記録材に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により形成された画像を前記記録材に定着させる、構成1乃至16のいずれか1項に記載の定着装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
11…加熱手段(ヒータ)/13…定着部材(定着フィルム)/17…加圧部材(加圧ローラ)/21…接点部材/22…回路部(通電回路)

Claims (17)

  1. 回転可能な定着部材と、
    ニップ部において前記定着部材と当接する回転可能な加圧部材と、
    前記定着部材を加熱する加熱手段と、
    を備え、前記ニップ部において前記定着部材及び前記加圧部材の間に記録材を挟持して搬送しながら、前記定着部材により前記記録材上の画像を加熱して前記記録材に定着させる定着装置であって、
    前記定着部材と接触する接点部材を有し、前記定着部材から電荷を除去するように構成された回路部を更に備え、
    前記加圧部材の表層は、前記定着部材の表層を介して前記回路部と電気的に接続されており、
    前記加圧部材の前記表層の表面抵抗率をX(Ω/□)とし、
    前記定着部材の前記表層の表面抵抗率をY(Ω/□)とするとき、
    4.0≦logX≦13.0、
    5.0≦logY≦14.0、
    logY≧13.0-logX、且つ、
    logY≦23.0-logX、
    であることを特徴とする定着装置。
  2. 前記接点部材は、前記定着部材の前記表層の外面に接触している、
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着部材は、前記定着部材の前記表層よりも内側に形成された低抵抗層を更に有し、
    前記低抵抗層の表面抵抗率は、1.0E+5Ω/□以下、且つ、前記定着部材の前記表層の表面抵抗率Yよりも小さい、
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記接点部材は、前記低抵抗層に接触している、
    ことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記低抵抗層は、前記低抵抗層の外面が前記表層から露出した露出部を有し、
    前記接点部材は、前記露出部に接触している、
    ことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記定着部材は、筒状であり、
    前記低抵抗層は、前記定着部材の内面を構成しており、
    前記接点部材は、前記定着部材の前記内面に接触している、
    ことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  7. 前記接点部材は、前記加圧部材の回転軸線方向において前記ニップ部を記録材が通過する領域の外側で、且つ、前記回転軸線方向における前記定着部材の一方側の端部にのみ設けられている、
    ことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  8. 前記定着部材は、前記表層よりも内側に形成された基層と、前記基層と前記表層とを接着する接着層と、を有し、
    前記低抵抗層は、前記基層及び前記接着層のいずれか一方又は両方である、
    ことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  9. 7.0≦logY≦12.0、且つ、
    6.0≦logX≦11.0、
    であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  10. logX>11又はlogY<7、
    であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  11. logX<6又はlogY>12、
    であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  12. 前記加圧部材を回転可能に支持する軸受と、
    前記軸受を支持するフレームと、
    を更に有し、
    前記加圧部材から前記軸受を介して前記フレームに至る回路における前記軸受の抵抗値は、前記ニップ部から前記接点部材までの前記定着部材の抵抗値よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  13. 前記回路部は、前記接点部材と前記定着装置の電気的グランドとを接続する導体を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  14. 前記回路部は、前記接点部材と前記定着装置の電気的グランドとを接続する経路の途中に配置される回路素子によって構成され、前記接点部材から前記電気的グランドに流れる電流を制限する電流制限手段又は前記接点部材から前記電気的グランドに流れる電流を整流する整流手段を更に有する、
    であることを特徴とする請求項13に記載の定着装置。
  15. 前記回路部は、前記接点部材を所定電位に保持するように電圧を印加する電圧印加回路を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  16. 前記定着部材は、筒状のフィルムであり、
    前記加熱手段は、前記フィルムの内部空間に配置されたヒータであり、
    前記加圧部材は、前記フィルムを挟んで前記ヒータと対向するローラであり、
    前記定着装置は、前記ヒータが発する非放射熱によって加熱された前記フィルムにより、前記ニップ部において前記記録材上の前記画像を加熱する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  17. トナーを用いて記録材に画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段により形成された画像を前記記録材に定着させる、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の定着装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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