JP2024020869A - サンバイザ - Google Patents

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朋也 小原
Tomoya Obara
浩 久保田
Hiroshi Kubota
進 三浦
Susumu Miura
健太 南
Kenta Minami
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Abstract

【課題】従来のサンバイザは、乗員に対して空調風を供給するものであり、キャビン全体の温度を速やかに下げるものではなかった。【解決手段】ルーフパネルRpとルーフトリムRtとの間に空気流路1を備えた車両Aにおいて、空気流出口1Bの前方に取り付けるサンバイザSVであって、バイザ本体V1と、車両前方向へ引き出し可能な補助バイザV2とを備え、バイザ本体V1が、格納部材11と、弾性部材12と、固定部材13と、中空部4とを有し、固定部材13とキャビン内面との間に介在する第1ジョイントJ1により取り付けてあり、補助バイザV2が、送風空間15と、送風空間15を外部に開放する送風口6を有する構造にし、日除けとしての本来の機能に加え、空気流路1内の空気をキャビン50に流出あせて、高温になったキャビン50全体の温度を速やかに低減する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両のウインドシールドの上部に配置するサンバイザに関し、とくに、送風機能を備えたサンバイザに関するものである。
従来、上記したようなサンバイザとしては、例えば、特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に記載のサンバイザは、車両天井部に格納される格納位置と、車室内側に引き出される引出位置との間で回動可能に支持してある。車両天井部の内部には、空調風を流通させる通気ダクトが配置してある。通気ダクトは格納位置にあるサンバイザに向いた開口部を有する。
これに対して、サンバイザは、中空状を成すと共に、通気ダクトの開口部に相対向する通気部を有し、格納位置では、通気部から内部に取り入れた空調風を下向きに流出させる。つまり、乗員に向けて空調風を流出させる。また、サンバイザは、引出位置では、開口部から流出した空調風を受けて、その流れを車両後方側である乗員側へ向ける。
特開2010-269706号公報
ところが、上記したような従来のサンバイザは、主に、乗員に対して空調風を供給するものである。これに対して、近年では、駐車中に、日射によりキャビン内が高温になり、乗車した際に不快感を与えることがあるため、キャビン全体の温度を速やかに下げることが要望されていた。
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたもので、ルーフパネルとルーフトリムとの間に空気流路を備えた車両において、日除けとしての本来の機能に加え、高温になったキャビン全体の温度を速やかに低減することができるサンバイザを提供することを目的としている。
本発明に係わるサンバイザは、ルーフパネルとルーフトリムとの間に、車両前方端に空気流出口を有する空気流路を備えた車両において、空気流出口の前方に取り付けるサンバイザである。このサンバイザは、中空状のバイザ本体と、バイザ本体に対して車両前方向へ引き出し可能に格納される補助バイザとを備えている。バイザ本体は、補助バイザを格納する格納部材と、空気流出口の開口縁に当接する弾性部材と、格納部材と弾性部材との間に介在する固定部材と、これらの部材により形成され且つ車両後方端から車両前方端に至る中空部とを有すると共に、固定部材とキャビン内面との間に介在する第1ジョイントにより空気流出口の前方に取り付けてある。そして、サンバイザは、補助バイザが、その内部に、バイザ本体の中空部に連通する送風空間を有すると共に、少なくとも車両前方端に、送風空間を外部に開放する送風口を有することを特徴としている。
自動車等の車両では、駐車中に直射日光を受けた場合、ダッシュボードや計器パネルの上面が最も高温になり、キャビンの前方領域の温度が上昇し易いと共に、ダッシュボードや計器パネルの上面からの熱放射が乗員に不快感を与えることがある。これに対して、上記のサンバイザは、バイザ本体に格納した補助バイザを車両前方側に引き出すことにより、日除けとして面積を拡大し得る。また、上記のサンバイザは、空気流路の空気流出口から流出する空気をバイザ本体の中空部を通して補助バイザの送風空間に導入し、補助バイザの送風口からキャビンの前方領域に流出させる。この空気の流出は、補助バイザをバイザ本体に格納した状態、又は引き出した状態のいずれの状態でも可能である。
このようにして、本発明に係わるサンバイザは、キャビン内で最も高温になり易いダッシュボードや計器パネルの上面に空気を供給することとなり、ルーフパネルとルーフトリムとの間に空気流路を備えた車両において、日除けとしての本来の機能に加え、高温になったキャビン全体の温度を速やかに低減することができる。
本発明に係わるサンバイザの一実施形態を車両とともに示す側面図である。 上段に補助バイザを収納した状態を示すと共に、下段に補助バイザを引き出した状態を示すサンバイザの断面説明図である。 左側に補助バイザの内部を示し、右側に風向を左右に変化させた状態を示す平面説明図である。 補助バイザの内部を示す斜視図である。 第2ジョイントを外した状態を示す側面図である。 第1ジョイントを外した状態を示す側面図である。
<第1実施形態>
図1に示すサンバイザSVは、外側のルーフパネルRpと内側のルーフトリムRtとの間に、車両前方端(図中で左端)に空気流出口1Bを有する空気流路1を備えた車両Aにおいて、空気流出口1Bの前方に取り付けられる。
図示の車両Aは、図中で左方向が前方であり、ウインドシールドWSを備えると共に、キャビン50内に、前席FS及び後席RS、並びにダッシュボードD及びハンドルH等々を備える。この実施形態の車両Aは、ルーフパネルRpに配置され且つキャビン50の温度よりも低温を維持する放射冷却機能を有する冷源Cと、空気流路1の車両後方端に設けた空気流入口1Aと、空気流路1内に空気流入口1Aから空気流出口1Bに至る方向の空気流を発生させる気流発生器3とを備えている。
空気流路1は、車両Aの左右両側で閉塞されていると共に、車両後方端及び車両前方端に隔壁を有し、これらの隔壁に、空気流入口1Aや空気流出口1Bが形成してある。運転席及び助手席に対して夫々のサンバイザSBを配置する場合には、車両前方端の隔壁の左右2カ所に空気流出口1Bを形成する。冷源Cは、移動体や建築物等の各種分野において冷却用のシート類や構造体として公知のものであり、それ自体が放射冷却機能を有する。気流発生器3は、代表的にはファンである。
上記のサンバイザSVは、図2に示すように、中空状のバイザ本体V1と、バイザ本体V1に対して車両前方向へ引き出し可能に格納される補助バイザV2とを備えている。バイザ本体V1は、補助バイザV2を格納する格納部材11と、空気流出口1Bの開口縁に当接する弾性部材12と、格納部材11と弾性部材12との間に介在する固定部材13と、これらの部材11~13により形成され且つ車両後方端から車両前方端に至る中空部14とを有する。補助バイザV2は、図示しないストッパにより引き出し位置が規制される。
上記のバイザ本体V1は、固定部材13とキャビン内面との間に介在する第1ジョイントJ1により空気流出口1Bの前方に取り付けてある。第1ジョイントJ1は、例えば、球面状の凹部を有するボール受けと、その凹部に係合するボールとから成るボールジョイントである。この第1ジョイントJ1は、バイザ本体V1を回動可能に支持するものであって、回動可能であり且つ着脱可能であるものがより望ましい。
格納部材11は、例えばプラスチック製であって、バイザ本体V1の大半を構成するものであり、補助バイザV2の格納空間が中空部14の一部を形成している。弾性部材12は、例えばゴム製であって、中空部14を形成するために枠状を成しており、空気流出口の開口縁に弾性的に当接する。固定部材13は、例えばプラスチック製であって、弾性部材12と同様に枠状を成している。これらの部材11~13は、その材料がとくに限定されるものではない。
補助バイザV2は、図3及び図4に示すように、その内部に、バイザ本体V1の中空部14に連通する送風空間15を有すると共に、少なくとも車両前方端に、送風空間15を外部に開放する送風口16を有する。図示例の補助バイザV2は、車両前方端と車両左右端に送風口16を有している。なお、図2~図4は、便宜上、サンバイザSVの各構成を模式的に示すもので、各構成の正確な位置や大きさ等は図示の限りでない。
また、この実施形態のサンバイザSVは、バイザ本体V1が、固定部材13と格納部材11との間に、角度調整可能な可変管体17を有する。可変管体17は、例えば、多数の環状部材を回動可能に順次連結したものや、蛇腹状の管部材を採用することができ、適当な力により自在に曲げることが可能であると共に、曲げた状態を維持ことができる。可変管体17は、その内部が上記中空部14の一部を形成する。
さらに、上記のサンバイザSVは、格納部材11の車両前方端とキャビン内面とを連結する第2ジョイントJ2を備えている。この第2ジョイントJ2は、第1ジョイントJ1と同様に、ボールジョイントであって、バイザ本体V1を回動可能に支持しており、回動可能であり且つ着脱可能であるものがより望ましい。
さらに、上記のサンバイザSVは、補助バイザV2の送風空間15及び送風口16が、外部に向けて断面積を漸次減少させた構造であると共に、送風口16に、送風方向を変更する風向調整機構18を備えている。風向調整機構18は、図3及び図4に示すように、適当な角度を成す2枚の羽根板19,19をピン20で連結して成る回動羽根21を備えており、複数の回動羽根21を所定間隔で並べた構造を有する。各回動羽根21は、連接杆22により連結してあり、連接杆22に設けたツマミ23を左右に操作することで、その操作方向に一斉に回動する。
これにより、風向調整機構18は、補助バイザV2の車両前方端においては、風向を左右方向に変更し、補助バイザV2の左右端においては、サンバイザSVの姿勢に応じて、風向を車両上下方向又は車両前後方向に変更する。
さらに、上記のサンバイザSVは、バイザ本体V1及び補助バイザV2のいずれか一方の車両前方端に、ダッシュボードD側の放射熱を検知する放射温度センサ24を備えており、また、補助バイザV2の送風空間15内に、除湿膜25が配置してある。
上記構成を備えたサンバイザSVは、図1の上段に示すように、バイザ本V1に補助バイザV2を格納した状態から、図1の下段に示すように、バイザ本体V1の前方に補助バイザV2を引き出すことにより、日除けとして面積を拡大し得る。
また、上記のサンバイザは、車両Aにおける空気流路1の空気流出口1Bから流出する空気をバイザ本体V1の中空部を通して補助バイザV2の送風空間15に導入し、補助バイザV2の送風口16からキャビン50の前方領域に流出させる。この空気の流出は、補助バイザV2をバイザ本体V1に格納した状態(図2の上段)、又は引き出した状態(図2の下段)のいずれの状態でも可能である。
ここで、車両Aでは、駐車中に直射日光を受けた場合、ダッシュボードDや計器パネルの上面が最も高温になり、キャビン50の前方領域の温度が上昇し易いと共に、ダッシュボードDや計器パネルの上面からの熱放射が乗員に不快感を与えることがある。これに対して、上記のサンバイザSVは、補助バイザV2の送風口16から流出した空気をダッシュボードDや計器パネルの上面に吹き付け、キャビン50内の温度を低減させる。
また、この実施形態では、車両Aにおいて、気流発生器3により、空気流路1内に空気流入口1Aから空気流出口1Bに至る方向の空気流を発生させる。この際、車両Aでは、放射冷却機能を有する冷源Cにより、空気流入口1Aから空気流路1内に流入したキャビン50の空気を冷却するので、空気流出口1Bから流出する空気が冷気になる。
したがって、上記の空気流路1の出口に配置したサンバイザSVは、冷気流を流出させることになり、ダッシュボードDや計器パネルの上面を冷却する。この際、サンバイザSVは、補助バイザV2を引き出しておけば、送風口15がダッシュボードDや計器パネルの上面に近づき、冷却効果をより高めることができる。
また、サンバイザSVから流出した空気は、キャビン50内を後方に流れ、空気流入口1Aから空気流路1内に取り込まれて再び冷却される。これにより、キャビン50内には、循環気流が継続的に発生する。
上記実施形態で説明したサンバイザSVは、キャビン50内で最も高温になり易いダッシュボードDや計器パネルの上面に空気を供給することとなり、ルーフパネルRpとルーフトリムRtとの間に空気流路1を備えた車両Aにおいて、日除けとしての本来の機能に加え、高温になったキャビン50全体の温度を速やかに低減することができる。
また、上記のサンバイザSVは、車両Aが、キャビン50の温度よりも低温を維持する放射冷却機能を有する冷源Cや気流発生器3を備え、バイザ本体V1及び補助バイザV2の内部に流通する空気を冷気にし、補助バイザV2の送風口16から冷気流を流出させるので、少ないエネルギーでキャビン50の温度を効率的に低減し得る。
さらに、上記のサンバイザSVは、バイザ本体V1が、固定部材13と格納部材11との間に、角度調整可能な可変管体17を有する。これにより、サンバイザSVは、第2ジョイントJ2を外すことにより、図5に示すように、可変管体17を曲げて格納部材11を下向きにしたり、下向きの状態で補助バイザV2を引き出したりすることが可能である。つまり、サンバイザSVは、キャビン50内の温度や日照方向、乗員の希望等に応じて姿勢を自在に選択することができる。
さらに、上記のサンバイザSVは、第1ジョイントJ1を外して第2ジョイントJ2で支持することにより、図6に示すように、第2ジョイントJ2を中心にして回動させることができ、この場合には、図中に矢印で示すように、空気流路1の空気流出口1Bから流出した空気(冷気)をサンバイザSVで受けて車両後方への流れに変える。これにより、乗員側に空気(冷気)を供給することができる。
さらに、上記のサンバイザSVは、補助バイザV2の送風空間15及び送風口16が、外部に向けて断面積を漸次減少させた構造にすることで、送風口16から流出する風速を増加させることができ、キャビン50内の冷却機能のさらなる向上に貢献し得る。
さらに、上記のサンバイザSVは、補助バイザV2の送風口16が、送風方向を変更する風向調整機構18を備えているので、風向を自由に選択することができ、利便性のさらなる向上を実現する。
さらに、上記のサンバイザSVは、ダッシュボードD側の放射熱を検知する放射温度センサ24を備えているので、例えば、放射温度センサ24の検出値に基づいて気流発生器(ファン)3を駆動するようにし、キャビン50内の温度に応じて冷気の流量を自動的に制御することが可能になる。
さらに、上記のサンバイザSVは、送風空間15内に除湿膜25を配置することにより流出させる空気の湿度を低減してキャビン50内の快適性を高めることができる。
なお、本発明に係わるサンバイザは、その構成が上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能であり、例えば、バイザ本体V1や補助バイザV2のキャビン50側の面に送風口16を設けることも可能である。また、サンバイザSVは、第1ジョイントJ1を中心に回動させるようにすることも可能であり、この場合には、弾性部材12が変形することで、空気流出口1Bと中空部14との連通状態を維持する。
A 車両
C 冷源
D ダッシュボード
J1 第1ジョイント
J2 第2ジョイント
Rp ルーフパネル
Rt ルーフトリム
SV サンバイザ
V1 バイザ本体
V2 補助バイザ
1 空気流路
1A 空気流入口
1B 空気流出口
3 気流発生器
11 格納部材
12 弾性部材
13 固定部材
14 中空部
15 送風空間
16 送風口
17 可変管体
18 風向調整機構
24 放射温度センサ
25 除湿膜
50 キャビン

Claims (8)

  1. ルーフパネルとルーフトリムとの間に、車両前方端に空気流出口を有する空気流路を備えた車両において、前記空気流出口の前方に取り付けるサンバイザであって、
    中空状のバイザ本体と、前記バイザ本体に対して車両前方向へ引き出し可能に格納される補助バイザとを備え、
    前記バイザ本体が、前記補助バイザを格納する格納部材と、前記空気流出口の開口縁に当接する弾性部材と、前記格納部材と前記弾性部材との間に介在する固定部材と、これらの部材により形成され且つ車両後方端から車両前方端に至る中空部とを有すると共に、前記固定部材とキャビン内面との間に介在する第1ジョイントにより前記空気流出口の前方に取り付けてあり、
    前記補助バイザが、その内部に、前記バイザ本体の前記中空部に連通する送風空間を有すると共に、少なくとも車両前方端に、前記送風空間を外部に開放する送風口を有することを特徴とするサンバイザ。
  2. 前記バイザ本体が、前記固定部材と前記格納部材との間に、角度調整可能な可変管体を有することを特徴とする請求項1に記載のサンバイザ。
  3. 前記格納部材の車両前方端と前記キャビン内面とを連結する第2ジョイントを備え、
    前記第1ジョイント及び前記第2ジョイントの夫々が、回動可能であるとともに着脱可能な構造を有することを特徴とする請求項1に記載のサンバイザ。
  4. 前記補助バイザの前記送風空間及び前記送風口が、外部に向けて断面積を漸次減少させた構造であることを特徴とする請求項1に記載のサンバイザ。
  5. 前記補助バイザの前記送風口が、送風方向を変更する風向調整機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載のサンバイザ。
  6. 前記バイザ本体及び前記補助バイザのいずれか一方の車両前方端に、ダッシュボード側の放射熱を検知する放射温度センサを備えたことを特徴とする請求項1に記載のサンバイザ。
  7. 前記補助バイザの前記送風空間内に、除湿膜を配置したことを特徴とする請求項1に記載のサンバイザ。
  8. 前記車両が、
    前記ルーフパネルに配置され且つ前記キャビンの温度よりも低温を維持する放射冷却機能を有する冷源と、
    前記空気流路の車両後方端に設けた空気流入口と、
    前記空気流路内に前記空気流入口から前記空気流出口に至る方向の冷気流を発生させる気流発生器とを備えており、
    前記バイザ本体及び前記補助バイザの内部に上記冷気流を流通させて、前記補助バイザの送風口から上記冷気流を流出させることを特徴とする請求項1に記載のサンバイザ。
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