JP2024020667A - 4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの製造方法 - Google Patents

4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールを選択的に合成することができる4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの製造方法の提供。【解決手段】4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの製造方法は、ゼオライトを含む触媒の存在下でm‐クレゾール及びプロピレンを反応させる工程を備え、m‐クレゾール及びプロピレンの反応が、液相反応であり、ゼオライトの最大の細孔径が、0.55nm以上0.70nm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの製造方法に関する。
イソプロピルメチルフェノール(以下チモール類とも称する)には10種の異性体がある。この10種の異性体のうち4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノール(チモール)が産業上有用である。例えば、4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールは、防腐剤、殺菌剤、調製液の原料、分析用の発色試薬、又は有機合成用の原料として用いられる。
チモール類は、m‐クレゾールのプロピル化によって製造されることが知られている。例えば、下記特許文献1は、固体リン酸触媒の存在下でm‐クレゾール及びプロピレンを反応させることにより、チモール類を合成する方法を開示している。
特開昭60‐139635号公報
従来のチモール類の製造方法の場合、チモール類のうち4種の異性体が生成するため、目的とする4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの選択率(収率)が低い。
本発明の目的は、4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールを選択的に合成することができる4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの製造方法を提供することである。
本発明の一側面に係る4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの製造方法は、ゼオライトを含む触媒の存在下でm‐クレゾール及びプロピレンを反応させる工程を備え、m‐クレゾール及びプロピレンの反応が、液相反応であり、ゼオライトの最大の細孔径が、0.55nm以上0.70nm以下である。ここで、一種の細孔のみを有するゼオライトの場合、最大の細孔径とは、その一種の細孔の最大の細孔径を意味する。複数種の細孔を有するゼオライトの場合、最大の細孔径とは、複数種の細孔それぞれの最大の細孔径のうち最大の細孔径を意味する。最大の細孔径は、酸素原子のイオン半径を0.315nmとして算出した値である。
ゼオライトが、MTW型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及びモルデナイトからなる群より選ばれる少なくとも一種のゼオライトを含んでよい。
ゼオライトが、少なくとも一種のMTW型ゼオライトを含んでよい。
本発明によれば、4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールを選択的に合成することができる4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの製造方法が提供される。
図1は、本発明の実施例における反応温度、各生成物の選択率及びプロピレンの転化率を示す。
以下、本発明の好適な実施形態が説明される。本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの製造方法は、ゼオライトを含む触媒の存在下でm‐クレゾール及びプロピレンを反応させる工程を備える。つまり、m‐クレゾールをプロピレンでアルキル化することにより、m‐クレゾール及びプロピレンから4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールが合成される。m‐クレゾール及びプロピレンの反応は、液相反応であり、ゼオライトの最大の細孔径は、0.55nm以上0.70nm以下である。
従来のm-クレゾールを原料とするチモール類の製造方法の場合、下記化学式A、B、C及びDで表される4種の異性体がいずれも生成し易く、特定の異性体を選択的に合成することは困難である。下記化学式Aで表される異性体は、4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノールである。下記化学式Bで表される異性体は、2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールである。下記化学式Cで表される異性体は、3‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールである。下記化学式Dで表される異性体は、2‐イソプロピル‐3‐メチルフェノールである。



一方、本実施形態の場合、最大の細孔径が0.55nm以上0.70nm以下であるゼオライトの形状選択性に因り、m‐クレゾール及びプロピレンから4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールが選択的に且つ並行して合成される。最大の細孔径が0.55nm以上0.70nm以下であるゼオライトの細孔内では、3‐イソプロピル‐5‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐3‐メチルフェノールは拡散し難いからである。m‐クレゾール及びプロピレンから4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノールが合成される反応は、下記化学反応式Eによって表される。m‐クレゾール及びプロピレンから2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールが合成される反応は、下記化学反応式Fによって表される。以下に記載の「アルキル化反応」とは、最大の細孔径が0.55nm以上0.70nm以下であるゼオライトを含む触媒の存在下で、m‐クレゾール及びプロピレンから4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールが合成される反応を意味する。ゼオライトの最大の細孔径が0.55nm未満である場合、ベンゼン環を有するm‐クレゾールがゼオライトの細孔内へ導入され難く、4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールが合成され難い。ゼオライトの最大の細孔径が0.70nmよりも大きい場合、3‐イソプロピル‐5‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐3‐メチルフェノールもゼオライトの細孔内を拡散することできる。その結果、4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールだけではなく、3‐イソプロピル‐5‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐3‐メチルフェノールも合成され易い。上記のゼオライトの選択性は、必ずしも最大の細孔径のみに起因するわけでなく、後述される各ゼオライトの細孔構造にも起因してよい。

最大の細孔径が0.55nm以上0.70nm以下であるゼオライトは、MTW型ゼオライト、ベータ型ゼオライト(BEA型ゼオライト)、及びモルデナイト(MOR型ゼオライト)からなる群より選ばれる少なくとも一種のゼオライトを含んでよい。MTW型ゼオライトは、酸素の12員環から構成される1次元の細孔構造を有するゼオライトである。ベータ型ゼオライトは、12員環から構成される3次元の細孔構造を有するゼオライトである。モルデナイトは、12員環及び8員環から構成される2次元の細孔構造を有するゼオライトである。複数種のゼオライトを含む触媒が用いられてよい。
ゼオライトがMTW型ゼオライトである場合に上記のような選択性が得られ易いので、ゼオライトは少なくとも一種のMTW型ゼオライトを含んでよい。つまり、選択性に優れている点において、MTW型ゼオライトはベータ型ゼオライト及びモルデナイトよりも好ましい。上記のような選択性は、MTW型ゼオライトがZSM‐12型ゼオライトである場合に更に得られ易い。つまり、4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールを高い選択率で合成し易いことから、ZSM‐12型ゼオライトは他のMTW型ゼオライトよりも好ましい。ただし、MTW型ゼオライトはZSM‐12型ゼオライトに限定されない。MTW型ゼオライトは、ZSM‐12型ゼオライト、CZH‐5型ゼオライト、NU‐13型ゼオライト、TPZ‐12型ゼオライト、Theta‐3型ゼオライト及びVS‐12型ゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも一種のゼオライトであってよい。複数種のMTW型ゼオライトを含む触媒が用いられてよい。
ゼオライトは、プロトン(H)でイオン交換されていてよい。つまり、ゼオライトは、固体酸であってよい。固体酸であるゼオライト内では、プロピレンによるm‐クレゾールのアルキル化が促進され易く、4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールが選択的に合成され易い。ゼオライトは、金属イオン等のカチオンでイオン交換されていてもよい。ゼオライトを含む触媒は、ゼオライトのみからなっていてよい。つまり、活性金属がゼオライトに担持されていなくてよく、ゼオライトが担体に担持されていなくてもよい。ゼオライトは、それ単独で十分な触媒活性を有しているので、触媒としてゼオライトのみを用いることにより、4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールを選択的に合成することができる。ただし、活性金属がゼオライトに担持されてよい。ゼオライト(及び活性金属)が担体に担持されていてよい。
本発明のアルキル化反応は、液相反応として実施される。後述される実施例で実証されているように、液相反応における4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの選択率は、気相反応における4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの選択率よりも高い。またアルキル化反応が液相反応である場合、ゼオライトの劣化が抑制され易い。アルキル化反応の進行に伴って、副生成物であるコーク(炭素)がゼオライトの細孔の内部又はゼオライトの外表面に析出する可能性がある。その結果、細孔がコークで塞がれ、ゼオライトの触媒活性が劣化する。しかし、液相反応の場合、コークが反応物又は生成物によって洗い流されるので、ゼオライトの劣化が抑制され易い。液相反応の場合、m‐クレゾールは、ヘキサン等の有機溶媒で希釈して用いてもよい。
本発明のアルキル化反応(液相反応)の反応温度は、例えば、150℃以上500℃以下、好ましくは200℃以上350℃以下、より好ましくは250℃以上300℃以下であってよい。反応温度は、ゼオライトを含む触媒の温度と等しくてよい。反応温度が高過ぎる場合、ゼオライトの形状選択性が損なわれる。例えば、反応温度が高過ぎる場合、3‐イソプロピル‐5‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐3‐メチルフェノールがゼオライトの細孔内で生成及び拡散し易くなり、ゼオライトの形状選択性が損なわれる。また反応温度が高過ぎる場合、ゼオライトの外表面の酸点(形状選択性を有しない活性点)において、3‐イソプロピル‐5‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐3‐メチルフェノールが生成し易い。一方、反応温度が低過ぎる場合、4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノール其々の選択率、並びにプロピレンの転化率が低い。しかし、反応温度が上記範囲内である場合、ゼオライトの形状選択性が維持され易く、4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールが高い選択率で合成され易く、4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノール以外の副生成物の生成が抑制され易い。
本発明のアルキル化反応の反応器は、連続式反応器又は回分式(バッチ式)反応器であってよい。ゼオライトの劣化が抑制され易く、生産性が高いことから、アルキル化反応の反応器は連続式反応器であることが好ましい。連続式反応器としては、例えば固定床流通式反応器を用いることができる。アルキル化反応(液相反応)の反応圧力(反応器内の気圧)は、例えば、0.1MPa以上10.0MPa以下、好ましくは1.5MPa以上5.0MPa以下であってよい。アルキル化反応(液相反応)における重量空間速度(WHSV)は、例えば、0.1h-1以上20.0h-1以下であってよい、連続式の反応器内に充填されたゼオライトを含む触媒の質量はWと表され、1時間あたりに反応器内へ供給される原料(m‐クレゾール及びプロピレン)の質量(供給量/時間)はFと表され、WHSVはF/Wで表される。m‐クレゾール及びプロピレンの質量の合計が100質量%と表される場合、m‐クレゾールの質量は、10質量%以上99.5質量%以下であってよく、プロピレンの質量は、0.5質量%以上90質量%以下であってよい。4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノール等の生成物は、例えば、蒸留によって互いに分離されてよい。
本発明は必ずしも上述された実施形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、本発明の種々の変更が可能であり、これ等の変更例も本発明に含まれる。
以下の実施例及び比較例により、本発明が詳細に説明される。本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
MTW型ゼオライトを含む触媒として、プロトンでイオン交換されたZSM‐12型ゼオライトが用いられた。プロトンでイオン交換されたZSM‐12型ゼオライトは以下の方法で調製した。テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAOH)の水溶液(濃度20%)、アルミン酸ナトリウム、コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社スノーテックスNS、シリカ濃度20%)及びイオン交換水を、NaO:Al:SiO:TEAOH:HO=1:1:60:13:800となるように混合し、これらを均一になるまで攪拌した。この攪拌物をポリテトラフルオロエチレン(テフロン)製オートクレーブに入れ、160℃で120時間水熱合成を行った。得られた生成物の洗浄ろ過後、生成物を550℃で4時間焼成することにより、Na型のZSM‐12ゼオライトを得た。得られたNa型のZSM‐12を、20倍の質量の硝酸アンモニウム水溶液(1mol/L)中において95℃で2時間攪拌することにより、イオン交換処理を行った。このイオン交換処理を2回行った後、洗浄ろ過されたZSM‐12を550℃で4時間焼成することにより、プロトン型のZSM‐12ゼオライトを得た。このZSM‐12型ゼオライトに活性金属は担持しなかった。ZSM‐12型ゼオライトの最大の細孔径は、0.60nmであった。この細孔径は、酸素イオンの半径を0.135nmとして計算した値である。Alのモル数に対するSiOのモル数の比(ケイバン比:SiO/Al2O)は、60であった。10gのZSM‐12型ゼオライトが、流通式の反応器内に充填された。m‐クレゾール及びプロピレンからなる混合物(液状の原料)が、ZSM‐12型ゼオライトが充填された反応器内へ連続的に供給され、液状の生成物が反応器から連続的に排出された。反応温度は、300℃に維持された。反応器内の圧力は、1.2MPa‐Gに維持された。重量空間速度(WHSV)は、2.4h-1に維持された。原料中のm‐クレゾールの含有量は、95質量%であり、原料中のプロピレンの含有量は、5質量%であった。
反応開始から24時間後に得られた生成物の組成がFID検出器を備えたガスクロマトグラフで分析された。分析の結果は、生成物が、2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノール、3‐イソプロピル‐5‐メチルフェノール、4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール、未反応のプロピレン、及びその他の成分を含むことを示していた。この分析結果をもとに、2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノール、3‐イソプロピル‐5‐メチルフェノール、4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール其々の選択率、及びプロピレンの転化率が質量基準で算出された。
2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの選択率(単位:質量%)は、S‐2IP5MPと表される。S‐2IP5MPは、下記数式1で定義される。数式1中のM2IP5MPは、生成物中の2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの質量である。数式1中のMは、全生成物の質量である。数式1中のMmcは、生成物中の未反応のm‐クレゾールの質量である。数式1中のMprは、生成物中の未反応のプロピレンの質量である。
S‐2IP5MP={M2IP5MP/(M-Mmc-Mpr)}×100 (1)
3‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの選択率(単位:質量%)は、S‐3IP5MPと表される。S‐3IP5MPは、下記数式2で定義される。数式2中のM3IP5MPは、生成物中の3‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの質量である。数式2中のM、Mmc及びMpr其々の定義は、上述の通りである。
S‐3IP5MP={M3IP5MP/(M-Mmc-Mpr)}×100 (2)
4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノールの選択率(単位:質量%)は、S‐4IP3MPと表される。S‐4IP3MPは、下記数式3で定義される。数式3中のM4IP3MPは、生成物中の4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノールの質量である。数式3中のM、Mmc及びMpr其々の定義は、上述の通りである。
S‐4IP3MP={M4IP3MP/(M-Mmc-Mpr)}×100 (3)
プロピレンの転化率は、C3(単位:質量%)と表される。C3は、下記数式4で定義される。数式4中のmprは、原料中のプロピレンの質量である。数式4中のMprは、生成物中の未反応のプロピレンの質量である。
C3={(mpr-Mpr)/mpr}×100 (4)
実施例1のC3、S‐2IP5MP、S‐3IP5MP及びS‐4IP3MPは、下記表1に示される。下記表1中のS‐unknown(単位:質量%)は、その他の成分の合計の選択率であり、下記数式5で定義される。
S‐unknown=100-(S‐2IP5MP+S‐3IP5MP+S‐4IP3MP) (5)
(比較例1)
比較例1の触媒として、ZSM‐12型ゼオライトの代わりにシリカアルミナが用いられた。シリカアルミナは、日揮触媒化成株式会社製のN632Lであった。触媒の組成を除いて実施例1と同様の方法で、比較例1の液相反応が実施された。実施例1と同様の方法で、比較例1の生成物が分析された。比較例1のC3、S‐2IP5MP、S‐3IP5MP及びS‐4IP3MPは、下記表1に示される。
Figure 2024020667000008
(実施例2~4)
実施例2~4其々の反応温度は、下記表2に示される温度に維持された。以上の事項を除いて実施例1と同様の方法で、実施例2~4其々の液相反応が実施された。実施例1と同様の方法で、実施例2~4其々の生成物が分析された。実施例2~4其々のC3、S‐2IP5MP、S‐3IP5MP及びS‐4IP3MPは、下記表2に示される。実施例1~4其々の反応温度、C3、S‐2IP5MP、S‐3IP5MP及びS‐4IP3MP及びS‐unknоwnは、図1中にプロットされる。
Figure 2024020667000009
(実施例5)
実施例5のWHSVは、下記表3に示される値に維持された。WHSVを除いて実施例3と同様の方法で、実施例5の液相反応が実施された。実施例1と同様の方法で、実施例5の生成物が分析された。実施例5のC3、S‐2IP5MP、S‐3IP5MP及びS‐4IP3MPは、下記表3に示される。
Figure 2024020667000010
(比較例2)
比較例2の触媒として、ZSM‐12型ゼオライトの代わりにシリカアルミナが用いられた。シリカアルミナは、日揮触媒化成株式会社製のN632Lであった。比較例2の反応温度は、実施例2と同じであった。触媒の組成及び反応温度を除いて実施例1と同様の方法で、比較例2の液相反応が実施された。実施例1と同様の方法で、比較例2の生成物が分析された。比較例2のS‐2IP5MPは、実施例2のS‐2IP5MPよりも小さく、比較例2のS‐4IP3MPは、実施例2のS‐4IP3MPよりも小さかった。
(比較例3)
比較例3の触媒として、ZSM‐12型ゼオライトの代わりにシリカアルミナが用いられた。シリカアルミナは、日揮触媒化成株式会社製のN632Lであった。比較例3の反応温度は、実施例3と同じであった。触媒の組成及び反応温度を除いて実施例1と同様の方法で、比較例3の液相反応が実施された。実施例1と同様の方法で、比較例3の生成物が分析された。比較例3のS‐2IP5MPは、実施例3のS‐2IP5MPよりも小さく、比較例3のS‐4IP3MPは、実施例3のS‐4IP3MPよりも小さかった。
(比較例4)
比較例4の触媒として、ZSM‐12型ゼオライトの代わりにシリカアルミナが用いられた。シリカアルミナは、日揮触媒化成株式会社製のN632Lであった。比較例4の反応温度は、実施例4と同じであった。触媒の組成及び反応温度を除いて実施例1と同様の方法で、比較例4の液相反応が実施された。実施例1と同様の方法で、比較例4の生成物が分析された。比較例4のS‐2IP5MPは、実施例4のS‐2IP5MPよりも小さく、比較例4のS‐4IP3MPは、実施例4のS‐4IP3MPよりも小さかった。
(実施例6)
実施例6の反応温度は、下記表4に示される温度に維持された。実施例6の反応圧力は、下記表4に示される圧力に維持された。実施例6のWHSVは、下記表4に示される値に維持された。以上の事項を除いて実施例1と同様の方法で、実施例6の液相反応が実施された。実施例1と同様の方法で、実施例6の生成物が分析された。実施例6のC3、S‐2IP5MP、S‐3IP5MP及びS‐4IP3MPは、下記表4に示される。
(比較例5)
比較例5の反応圧力は、下記表4に示される圧力に維持された。比較例5の反応は、液相反応ではなく気相反応であった。以上の事項を除いて実施例6と同様の方法で、比較例5の反応が実施された。実施例1と同様の方法で、比較例5の生成物が分析された。比較例5のC3、S‐2IP5MP、S‐3IP5MP及びS‐4IP3MPは、下記表4に示される。
下記表4に示されるように、比較例5のプロピレンの転化率は、実施例6に比べて極めて低かった。また比較例5の生成物中のその他の成分の割合は、実施例6に比べて高かった。これらのことから、気相反応におけるZSM‐12型ゼオライトの活性(選択性)は、液相反応におけるZSM‐12型ゼオライトの活性よりも低い、と発明者らは推察する。または、気相反応の初期でのZSM‐12型ゼオライトの活性の劣化が大きい、と発明者らは推察する。
Figure 2024020667000011
本発明によれば、4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールを選択的に合成することができる。

Claims (3)

  1. ゼオライトを含む触媒の存在下でm‐クレゾール及びプロピレンを反応させる工程を備え、
    前記m‐クレゾール及び前記プロピレンの反応が、液相反応であり、
    前記ゼオライトの最大の細孔径が、0.55nm以上0.70nm以下である、
    4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの製造方法。
  2. 前記ゼオライトが、MTW型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、及びモルデナイトからなる群より選ばれる少なくとも一種のゼオライトを含む、
    請求項1に記載の4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの製造方法。
  3. 前記ゼオライトが、少なくとも一種のMTW型ゼオライトを含む、
    請求項1又は2に記載の4‐イソプロピル‐3‐メチルフェノール及び2‐イソプロピル‐5‐メチルフェノールの製造方法。
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