JP2024019291A - レーザ溶接方法 - Google Patents

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Tomomichi Yasuoka
新治 佐藤
Shinji Sato
暢康 松本
Nobuyasu Matsumoto
紗世 菅
Sayo Suga
史香 西野
Fumika NISHINO
淳 寺田
Atsushi Terada
和行 梅野
Kazuyuki Umeno
昌充 金子
Akimitsu Kaneko
孝 繁松
Takashi Shigematsu
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Abstract

【課題】レーザ溶接をより簡素な手順で実施することを可能とするような、改善された新規なレーザ溶接方法を提供する。【解決手段】レーザ溶接方法は、第一部材の第一方向の第一端部と、第一部材に隣り合う第二部材の第一方向の第二端部であって第一端部の当該第二端部からの第一方向に沿った距離が0以上となるように配置された第二端部と、をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、第一端部に向けてレーザ光を照射することにより、第一端部の少なくとも第二端部側に張り出した第一溶融池を形成する工程と、第一溶融池を形成する工程以降に、少なくとも第一端部に向けてレーザ光を照射することにより、第一溶融池に含まれる流動性の金属材料を含み第一端部と第二端部との間で掛け渡された架設溶融池を形成する工程と、架設溶融池にレーザ光を照射する工程と、架設溶融池にレーザ光を照射した後、当該架設溶融池を固化する工程と、を有する。【選択図】図7

Description

本発明は、レーザ溶接方法に関する。
平角線のような複数の金属部材をレーザ溶接する前に、当該複数の金属部材の端部の段差や隙間を補正する前処理を行う技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特許第6551961号公報
このような前処理は、製造の手間や、所要時間、製造コストの増大の一因となる。
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、レーザ溶接をより簡素な手順で実施することを可能とするような、改善された新規なレーザ溶接方法を得ること、である。
本発明のレーザ溶接方法は、例えば、金属材料で作られた第一部材の第一方向の第一端部と、前記第一部材に対して前記第一方向と交差した第二方向に隣り合うように配置され金属材料で作られた第二部材の前記第一方向の第二端部であって前記第一端部の当該第二端部からの前記第一方向に沿った距離が0以上となるように配置された第二端部と、をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、前記第一端部に向けてレーザ光を照射することにより、当該第一端部の少なくとも前記第二端部側に張り出した第一溶融池を形成する工程と、前記第一溶融池を形成する工程以降に、少なくとも前記第一端部に向けてレーザ光を照射することにより、前記第一溶融池に含まれる流動性の金属材料を含み前記第一端部と前記第二端部との間で掛け渡された架設溶融池を形成する工程と、前記架設溶融池を固化する工程と、を有する。
前記レーザ溶接方法にあっては、前記第一溶融池を形成する工程では、レーザ光を、前記第一端部の前記第二方向の中央よりも前記第二端部に近い領域に向けて照射してもよい。
前記レーザ溶接方法にあっては、前記架設溶融池を形成する工程では、前記第一溶融池が前記第二端部側に倒れ込むように移動することにより前記架設溶融池を形成してもよい。
前記レーザ溶接方法は、前記第一溶融池を形成する工程の後かつ前記架設溶融池を形成する工程の前に、前記第二端部に向けてレーザ光を照射する工程を有してもよい。
前記レーザ溶接方法にあっては、前記第二端部に向けてレーザ光を照射する工程では、レーザ光を、前記第一端部の前記第二方向の中央よりも前記第一端部に近い領域に向けて照射してもよい。
前記レーザ溶接方法にあっては、前記第二端部に向けてレーザ光を照射する工程において、前記第二端部の少なくとも前記第一端部側に、第二溶融池を形成し、前記架設溶融池を形成する工程では、前記第一溶融池と前記第二溶融池とが一体化することにより前記架設溶融池が形成されてもよい。
前記レーザ溶接方法にあっては、前記架設溶融池を形成する工程では、前記架設溶融池に、複数箇所でレーザ光を照射してもよい。
前記レーザ溶接方法にあっては、前記第一溶融池を形成する工程では、前記レーザ光を前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向に掃引してもよい。
前記レーザ溶接方法にあっては、前記第一溶融池を形成する工程では、前記レーザ光を前記第三方向に複数回掃引してもよい。
前記レーザ溶接方法にあっては、前記第一溶融池を形成する工程では、前記レーザ光を、少なくとも1箇所において定点照射してもよい。
前記レーザ溶接方法は、前記第一溶融池を形成する工程の後かつ前記架設溶融池を形成する工程の前に、前記第二端部に向けてレーザ光を照射する工程として、当該レーザ光を前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向に掃引する工程を有してもよい。
前記レーザ溶接方法にあっては、前記レーザ光を前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向に掃引する工程では、当該レーザ光を前記第三方向に複数回掃引してもよい。
前記レーザ溶接方法は、前記第一溶融池を形成する工程の後かつ前記架設溶融池を形成する工程の前に、前記第二端部に向けてレーザ光を照射する工程として、当該レーザ光を少なくとも1箇所において定点照射する工程を有してもよい。
前記レーザ溶接方法にあっては、前記第一端部は、前記第一方向に突出した突出部を有し、前記第一溶融池を形成する工程では、前記レーザ光を前記突出部に向けて照射してもよい。
前記レーザ溶接方法にあっては、前記突出部は、前記第一端部の前記第二方向の中央よりも前記第二端部に近い側で突出してもよい。
前記レーザ溶接方法にあっては、前記第一溶融池を形成する工程では、前記レーザ光を前記第一方向の反対方向に向かうにつれて前記第二端部に近づく方向に照射してもよい。
前記レーザ溶接方法にあっては、前記第一溶融池を形成する工程では、前記レーザ光を前記第一方向の反対方向に向かうにつれて前記第二端部から遠ざかる方向に照射してもよい。
前記レーザ溶接方法にあっては、前記第一溶融池を形成する工程では、前記レーザ光を前記第一端部の前記第一方向の先端よりも前記第一方向の反対方向にずれた位置に向けて照射してもよい。
前記レーザ溶接方法にあっては、前記第一部材は、前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向に延びるとともに前記第一方向に延びた第一側面を有し、前記第二部材は、前記第三方向および前記第一方向に延びて前記第一側面と面した第二側面を有してもよい。
前記レーザ溶接方法にあっては、前記第一部材および前記第二部材は、平角線の導体であってもよい。
前記レーザ溶接方法にあっては、前記第二端部は、前記第一方向において前記第一端部と異なる位置に配置されてもよい。
また、本発明のレーザ溶接方法は、例えば、金属材料で作られた第一部材の第一方向の第一端部と、前記第一部材に対して前記第一方向と交差した第二方向に隣り合うように配置され金属材料で作られた第二部材の前記第一方向の第二端部であって、前記第一端部から前記第一方向の反対方向にずれて位置した第二端部と、をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、前記第一端部に向けてレーザ光を照射することにより、当該第一端部の少なくとも前記第二端部側に、第一溶融池を形成する工程と、前記第一溶融池を形成する工程以降に、少なくとも前記第一端部に向けてレーザ光を照射することにより、前記第一溶融池に含まれる流動性の金属材料を含み前記第一端部と前記第二端部との間で掛け渡された架設溶融池を形成する工程と、前記架設溶融池を固化する工程と、を有する。
また、本発明のレーザ溶接方法は、例えば、金属材料で作られた第一部材の第一方向の第一端部と、前記第一部材に対して前記第一方向と交差した第二方向に隣り合うように配置され金属材料で作られた第二部材の前記第一方向の第二端部と、をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、前記第一端部および前記第二端部の前記第一方向における相対的な位置関係を検出する工程と、前記第一端部および前記第二端部のうち一方の端部からの前記第一方向に沿った距離が0以上である他方の端部に向けてレーザ光を照射することにより、当該他方の端部に第一溶融池を形成する工程と、前記第一溶融池を形成する工程以降に、少なくとも前記他方の端部に向けてレーザ光を照射することにより、前記第一溶融池に含まれる流動性の金属材料を含み前記第一端部と前記第二端部との間で掛け渡された架設溶融池を形成する工程と、前記架設溶融池を固化する工程と、を有する。
また、本発明のレーザ溶接装置は、金属材料で作られた第一部材の第一方向の第一端部と、前記第一部材に対して前記第一方向と交差した第二方向に隣り合うように配置され金属材料で作られた第二部材の前記第一方向の第二端部と、をレーザ溶接するレーザ溶接装置であって、レーザ光を出射する光源と、前記光源からの前記レーザ光を照射する光学ヘッドと、を備え、前記光学ヘッドが、前記第一端部および前記第二端部のうち一方の端部からの前記第一方向に沿った距離が0以上である他方の端部の前記第二方向の中央よりも前記一方の端部に近い領域に向けてレーザ光を照射することにより、当該他方の端部の少なくとも前記一方の端部側に、当該一方の端部側に張り出した第一溶融池を形成し、前記第一溶融池を形成した後に、少なくとも前記他方の端部に向けてレーザ光を照射することにより、前記第一溶融池に含まれる流動性の金属材料を含み前記第一端部と前記第二端部との間で掛け渡された架設溶融池を形成する。
前記レーザ溶接装置は、前記第一端部と前記第二端部との前記第一方向における相対的な位置関係を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記第一端部および前記第二端部に対して前記一方の端部および前記他方の端部を決定し、前記第一溶融池および前記架設溶融池が形成されるよう被制御対象を制御する制御部と、を備えてもよい。
本発明によれば、例えば、レーザ溶接をより簡素な手順で実施することを可能とするような、改善された新規なレーザ溶接方法を得ることができる。
図1は、第1実施形態のレーザ溶接装置の例示的な概略構成図である。 図2は、実施形態のレーザ溶接方法の対象物の溶接前における例示的かつ模式的な側面図である。 図3は、実施形態のレーザ溶接方法の対象物の溶接後における例示的かつ模式的な側面図である。 図4は、実施形態のレーザ溶接方法の対象物としての部材を含む平角線の例示的かつ模式的な斜視図である。 図5は、実施形態のレーザ溶接方法による対象物の経時変化の一段階における例示的かつ模式的な側面図である。 図6は、実施形態のレーザ溶接方法による対象物の経時変化の図5よりも後の段階における例示的かつ模式的な側面図である。 図7は、実施形態のレーザ溶接方法による対象物の経時変化の図6よりも後の段階における例示的かつ模式的な側面図である。 図8は、実施形態のレーザ溶接方法による対象物の経時変化の図5よりも後に図6とは異なる状態に変化した場合の一段階における例示的かつ模式的な側面図である。 図9は、実施形態のレーザ溶接方法における端部上の掃引経路の一例を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図10は、実施形態のレーザ溶接方法における端部上の掃引経路の一例を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図11は、実施形態のレーザ溶接方法における端部上の掃引経路の一例を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図12は、実施形態のレーザ溶接方法における端部上の掃引経路の一例を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図13は、実施形態のレーザ溶接方法における端部上の掃引経路の一例を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図14は、実施形態のレーザ溶接方法による対象物の経時変化の一段階における例示的かつ模式的な側面図である。 図15は、実施形態のレーザ溶接方法による対象物の経時変化の図14よりも後の段階における例示的かつ模式的な側面図である。 図16は、実施形態のレーザ溶接方法による対象物の経時変化の図15よりも後の段階における例示的かつ模式的な側面図である。 図17は、実施形態のレーザ溶接方法による対象物としての部材の変形例を示す斜視図である。 図18は、実施形態のレーザ溶接方法による対象物としての部材の別の変形例を示す斜視図である。 図19は、実施形態のレーザ溶接方法による対象物としての部材のさらに別の変形例を示す斜視図である。 図20は、実施形態のレーザ溶接方法による対象物としての部材へのレーザ光の照射方向および照射位置の変形例を示す側面図である。 図21は、実施形態のレーザ溶接方法による対象物としての部材へのレーザ光の照射方向および照射位置の別の変形例を示す側面図である。 図22は、実施形態のレーザ溶接装置の例示的なブロック図である。 図23は、実施形態のレーザ溶接装置による処理手順を示す例示的なフローチャートである。 図24は、第2実施形態のレーザ溶接装置の例示的な概略構成図である。
以下、本発明の例示的な実施形態および変形例が開示される。以下に示される実施形態および変形例の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態および変形例に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
以下の実施形態および変形例は、同様の構成要素を有している。以下では、それら同様の構成要素については、共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する場合がある。
また、各図において、方向Xを矢印Xで表し、方向Yを矢印Yで表し、方向Zを矢印Zで表している。方向X、方向Y、および方向Zは、互いに交差するとともに直交している。Z方向は、対象物Wとなる複数の部材が延びる方向である。なお、Z方向は、略鉛直上方であるが、鉛直上方に対して傾いていてもよい。
また、本明細書において、序数は、部品や、部位、方向等を区別するために便宜上付与されており、優先度や順番を示すものではない。
[第1実施形態]
[レーザ溶接装置およびレーザ溶接の概要]
図1は、実施形態のレーザ溶接装置100の概略構成を示す図である。図1に示されるように、レーザ溶接装置100は、レーザ装置110と、光学ヘッド120と、光ファイバ130と、駆動機構140と、センサ150と、コントローラ200と、を備えている。
レーザ溶接装置100は、レーザ溶接の対象物Wの表面にレーザ光Lを照射する。レーザ光Lのエネルギによって、対象物Wが部分的に溶融し、冷却されて固化することにより、当該対象物Wが溶接される。対象物Wは、複数の部材を有しており、レーザ溶接によって、当該複数の部材が接合される。
対象物Wとなる複数の部材は、それぞれ、例えば、銅や銅合金のような銅系の金属材料や、アルミニウムやアルミニウム合金のようなアルミニウム系の金属材料等で、作られうる。複数の部材は、同じ金属材料で作られてもよいし、互いに異なる金属材料で作られてもよい。なお、対象物Wとなる複数の部材は、導体であってもよいし、導体で無くてもよい。
レーザ装置110は、レーザ発振器を備えており、一例としては、数kWのパワーのシングルモードのレーザ光を出力できるよう構成されている。なお、レーザ装置110は、例えば、内部に複数の半導体レーザ素子を備え、当該複数の半導体レーザ素子の合計の出力として数kWのパワーのマルチモードのレーザ光を出力できるよう構成されてもよい。レーザ装置110は、ファイバレーザ、YAGレーザ、ディスクレーザ等、様々なレーザ光源を備えてもよい。レーザ装置110は、レーザ光の連続波を出力してもよいし、レーザ光のパルスを出力してもよい。また、本実施形態では、レーザ装置110は、例えば、400[nm]以上かつ1200[nm]以下の波長のレーザ光を出力する。レーザ装置110が有するレーザ発振器は、光源の一例である。
光ファイバ130は、レーザ装置110と光学ヘッド120とを光学的に接続している。言い換えると、光ファイバ130は、レーザ装置110から出力されたレーザ光を光学ヘッド120に導く。レーザ装置110が、シングルモードレーザ光を出力する場合、光ファイバ130は、シングルモードレーザ光を伝播するよう構成される。この場合、シングルモードレーザ光のMビーム品質は、1.3以下に設定される。Mビーム品質は、Mファクタとも称されうる。
光学ヘッド120は、レーザ装置110から入力されたレーザ光を、対象物Wに向かって照射するための光学装置である。光学ヘッド120は、コリメートレンズ121と、集光レンズ122と、ミラー124と、ガルバノスキャナ126と、を有している。コリメートレンズ121、集光レンズ122、ミラー124、およびガルバノスキャナ126は、光学部品とも称されうる。
コリメートレンズ121は、それぞれ、光ファイバ130を介して入力されたレーザ光をコリメートする。コリメートされたレーザ光は、平行光になる。
ミラー124は、コリメートレンズ121で平行光となったレーザ光を反射し、ガルバノスキャナ126へ向かわせる。なお、光ファイバ130からのレーザ光の入力方向や、コリメートレンズ121の配置によっては、ミラー124は不要となる場合がある。
ガルバノスキャナ126は、複数のミラー126a,126bを有しており、当該複数のミラー126a,126bの角度を制御することで、光学ヘッド120からのレーザ光Lの出射方向を切り替え、これにより、対象物Wの表面上でレーザ光Lの照射位置を変更することができる。ミラー126a,126bの角度は、それぞれ、例えばコントローラ200によって制御された不図示のモータによって変更される。レーザ光Lを照射しながら、レーザ光Lの出射方向を変更することにより、対象物Wの表面上で、レーザ光Lを掃引することができる。
集光レンズ122は、ガルバノスキャナ126から到来した平行光としてのレーザ光を集光し、レーザ光L(出力光)として、対象物Wへ照射する。
なお、光学ヘッド120が有する光学部品は、これらには限定されず、光学ヘッド120は、他の光学部品を有してもよい。一例として、光学ヘッド120は、レーザ光のビームを成形するビームシェイパとして、DOE(diffractive optical element、回折光学素子)を有してもよい。
駆動機構140は、対象物Wに対する光学ヘッド120の相対的な位置を変更する。駆動機構140は、例えば、モータのような回転機構や、当該回転機構の回転出力を減速する減速機構、減速機構によって減速された回転を直動に変換する運動変換機構等を、有する。コントローラ200は、対象物Wに対する光学ヘッド120のX方向、Y方向、およびZ方向における相対位置が変化するよう、駆動機構140を制御することができる。駆動機構140は、支持機構(不図示)に支持されている複数の対象物Wのうち、レーザ溶接を行う対象物Wを変更する(切り替える)ことができる。また、駆動機構140は、対象物Wにおけるレーザ光Lの照射位置を変更することができる。また、駆動機構140は、対象物Wに対するレーザ光の照射方向を変更するのに伴って照射点を変更するのに利用されうる。さらに、駆動機構140は、レーザ光Lが対象物Wの表面上に照射されている状態で、当該照射位置を変更することができる。すなわち、駆動機構140は、対象物Wの表面上で、レーザ光Lを掃引することができる。
図2は、対象物Wの溶接する前の状態を示す側面図である。図2に示されるように、対象物Wは、二つの部材20(21,22)を有している。二つの部材20は、いずれも金属材料で作られている。
二つの部材20は、いずれもZ方向に延びており、Z方向の端部20a(21a,22a)を有している。端部20aは、Z方向と交差して広がっている。すなわち、端部20aは、X方向に延びるとともにY方向に延びている。Z方向は、第一方向の一例である。
二つの部材20は、Z方向と交差したX方向に互いに隣り合い、X方向に並んでいる。X方向において互いに面する側面21b,22b(20b)の間には、隙間gが形成されている。隙間gの大きさは、0以上である。すなわち、二つの部材20は、少なくとも部分的に接触していてもよい。X方向は、第二方向の一例である。
本実施形態では、部材21の端部21aの、部材22の端部22aに対するZ方向のずれδを、0以上であるとする。すなわち、このような相対的な位置関係にある二つの部材20のうち、Z方向において端部22aと同じ位置にあるかあるいは端部22aに対してZ方向にずれている端部21aが、第一端部の一例であり、端部21aに対してZ方向の反対方向にずれている端部22aが、第二端部の一例である。端部21aを有する部材21は第一部材の一例であり、端部22aを有する部材22は第二部材の一例である。部材21(第一部材)は、Z方向に相対的に出っ張った部材とも称され、部材22(第二部材)は、Z方向に相対的に引っ込んだ部材とも称されうる。
センサ150(図1参照)は、二つの端部20aのZ方向における相対的な位置関係を検出するための検出値やデータを取得する。センサ150は、例えば、2Dカメラや、RGB-Dカメラのような3Dカメラ、非接触変位計等である。
コントローラ200は、少なくとも一つのセンサ150から取得した検出値やデータに基づいて、端部22aに対する端部21aのZ方向のずれδ(≧0)を検出することができる。すなわち、コントローラ200は、他方の端部22aに対するZ方向のずれδが0以上となる端部21aを決定することができる。
対象物W、すなわち二つの部材20の溶接に際し、光学ヘッド120は、レーザ光Lを、端部20aに向けて照射する。レーザ光Lの照射方向は、Z方向の反対方向か、あるいはZ方向の反対方向に対して傾斜した方向である。
図3は、対象物Wの溶接された後の状態を示す側面図である。図3に示されるように、端部20aに対するレーザ光Lの照射により、端部20aにおいて二つの部材20は溶融し、二つの端部20a上に掛け渡された状態の溶接部23が形成される。溶接部23は、二つの端部20a間で掛け渡された状態に形成された溶融池が、冷却され、固化したものである。流動性を有した金属材料である溶融池は、表面張力によってZ方向に膨らんだ形状を有している。これに伴って、当該溶融池が固化した溶接部23もZ方向に膨らんだ形状を有している。溶接部23は、二つの部材21,22を機械的に接続する。また、二つの部材21,22が導電性を有する金属である場合、溶接部23は、当該二つの部材21,22を電気的に接続する。
図4は、部材20を含む平角線10の斜視図である。部材20は、一例として、図4に示されるような平角線10の芯線(内部導体)である。平角線10は、部材20と、部材20の被覆30と、を有している。部材20は、導電性を有した金属材料で作られている。部材20の、延び方向に対して直交する断面の形状は、略四角形状である。被覆30は、絶縁性を有しており、例えば、エナメルや、合成樹脂材料等で作られる。被覆30は、エナメル層と、当該エナメル層を取り囲む押出樹脂層と、を有してもよい。レーザ溶接装置100は、このような平角線10の芯線としての部材20の、端部20a同士の溶接に適用される。この場合、二つの平角線10の延び方向の端部の近傍において、被覆30が除去される。そして、図2に示されるように、同じ方向(延び方向)を向く姿勢で隣り合うように配置された二つの部材20の端部20aが、レーザ溶接装置100によって溶接される。
平角線10は、回転電気に設けられるコイルを構成してもよい。本実施形態のレーザ溶接装置100によるレーザ溶接方法は、ステータコアにセットされた互いに隣り合うコイルの端部の溶接に適用することができる。
ただし、対象物Wとなる部材20は、平角線10の芯線には限定されず、図2に示されるように、互いにZ方向に延び、X方向に隣り合い、端部20aが近接するとともに、互いにX方向に面した側面20bを有した部材であればよい。部材20は、板状の部材であってもよいし、線材であってもよい。
[レーザ溶接方法]
図5~7は、図2に示される初期状態にある二つの部材21,22に対するレーザ溶接における経時変化を示す図である。なお、以下では、説明の便宜上、端部21aに対して照射されるレーザ光Lをレーザ光L1と記し、端部22aに対して照射されるレーザ光Lをレーザ光L2と記しているが、これらレーザ光L1,L2は、いずれも同じ光学ヘッド120から出射されている。
まずは、図5に示されるように、部材21の端部21aに対して、レーザ光L1(L)が照射される。この際、レーザ光L1は、例えば、端部21aにおける端部22a側のエッジ21a1あるいはその近傍に向けて照射される。端部21aに対するレーザ光L1の照射により、端部21a上には、溶融池23W1が形成される。溶融池23W1は、部材21の金属材料が溶融して形成される。すなわち、溶融池23W1は、流動性を有した部材21の金属材料を含んでいる。
レーザ光L1の照射開始から、例えば、0.2[s]程度の時間が経過した段階において、溶融池23W1は、表面張力により、端部21a上でZ方向に膨らむとともに、エッジ21a1から端部22a側、すなわち部材22側に張り出した形状を有する。言い換えると、溶融池23W1は、端部22a側に張り出した張出部23aを有する。これは、レーザ光L1を、端部21aのX方向の中心C1よりも端部22a側の領域A1に照射することにより、当該領域A1上を中心とする溶融池23W1が形成されるためであると考えられる。また、端部21aが、端部22aに近いほどより大きく溶融することにより、当該端部21aが、端部22aに近い側が低く端部22aから遠い側が高くなるように傾斜するため、流動性を有した状態の溶融池23W1に、重力により傾斜を下る方向の力が作用するためであるとも考えられる。なお、部材21の幅がX方向により広い場合、溶融池23W1は、端部21aにおける端部22a側に形成される。すなわち、溶融池23W1は、端部21aの少なくとも端部22a側に形成される。溶融池23W1は、エッジ21a1上に形成されるとも言える。溶融池23W1は、第一溶融池の一例である。
図6は、図5の後の段階であって、レーザ光L1の照射開始から、例えば、0.3[s]程度の時間が経過した段階を示している。この段階において、溶融池23Wは、図5の段階よりも容積が増えて大きくなり、重力によって端部22a側に倒れ込むように変形し、当該端部22aと接する。すなわち、溶融池23Wは、端部21aと端部22aとの間で掛け渡される。ここで、溶融池23Wは、図5の溶融池23W1の容積が増大したものに相当するから、当該溶融池23W1に含まれる金属材料の成分、すなわち部材21の金属材料の成分を含んでいる。また、図6に示されるように、レーザ光L2(L)が端部22aの端部21a側のエッジ22a1またはその近傍に向けて照射されること、ならびに溶融池23Wの熱によって端部22aが溶融されることにより、溶融池23Wは、部材22の金属材料の成分をも含むことになる。なお、この段階において、レーザ光L2は、端部22aのX方向の中心C2よりも端部21a側の領域A2に照射されるのが好適である。端部21a,22a間で掛け渡された溶融池23Wは、架設溶融池の一例である。
図7は、図6の後の段階であって、レーザ光L1の照射開始から、例えば、0.4[s]程度の時間が経過した段階を示している。この段階において、溶融池23Wは、図6の段階よりも容積が増えてさらに大きくなっている。また、図6の段階よりも端部22aの溶融が進み、端部22aが下方へ移動し、端部21aおよび端部22aのZ方向の位置が図6の段階よりも近づいている。また、溶融池23Wは、図6の段階の後、ある程度の容積あるいは所定形状となるまでの間、当該溶融池23Wには、溶融状態を維持するため、あるいは所定形状に整えるためのレーザ光L1,L2(L)が照射されてもよい。
図7の段階の後、レーザ光Lの照射が停止されると、溶融池23Wは冷却され、図3に示されるような、溶接部23となる。
また、溶接部23の元となる溶融池23Wの形成方法は、図5~図7の方法には限定されず、図5の段階の後、図8の状態となるよう、レーザ光Lを照射してもよい。図8は、図5の後の段階でありかつ図7の前の、図6とは異なる段階を示す側面図である。この場合、図8に示されるように、図5と同様に、端部21a上に溶融池23W1が形成された後、部材22の端部22aに対して、レーザ光L2(L)が照射される。この際、レーザ光L2は、例えば、端部22aにおける端部21a側のエッジ22a1あるいはその近傍に向けて照射される。端部22aに対するレーザ光L2の照射により、端部22a上には、溶融池23W2が形成される。溶融池23W2は、部材22の金属材料が溶融して形成される。すなわち、溶融池23W2は、流動性を有した部材22の金属材料を含んでいる。
溶融池23W2は、表面張力により、端部22a上でZ方向に膨らむとともに、エッジ22a1から端部21a側、すなわち部材21側に張り出した形状を有する。言い換えると、溶融池23W2は、端部21a側に張り出した張出部23aを有する。これは、レーザ光L2を、端部22aのX方向の中心C2よりも端部21a側の領域A2に照射することにより、当該領域A2上を中心とする溶融池23W2が形成されるためであると考えられる。また、端部22aが、端部21aに近いほどより大きく溶融することにより、当該端部22aが、端部21aに近い側が低く端部21aから遠い側が高くなるように傾斜するため、流動性を有した状態の溶融池23W2に、重力により傾斜を下る方向の力が作用するためであるとも考えられる。なお、部材22の幅がX方向により広い場合、溶融池23W2は、端部22aにおける端部21a側に形成される。すなわち、溶融池23W2は、端部22aの少なくとも端部21a側に形成される。溶融池23W2は、エッジ22a1上に形成されるとも言える。なお、この場合、溶融池23W2は、必ずしも端部21a側に張り出していなくてもよい。溶融池23W2は、第二溶融池の一例である。
図8の段階の後、端部21a上に形成された溶融池23W1と、端部22a上に形成された溶融池23W2とが一体化して、図7に示されるような溶融池23Wが形成される。その後、溶融池23Wが冷却されて固化することにより、図3に示される溶接部23が形成される。
なお、図5~8には、部材21,22間に、0より大きい隙間gがある場合について例示したが、隙間gが0である場合、すなわち、部材21,22がX方向に接している場合にあっても、図5~8に示したものと同様の経時変化が生じうる。また、部材21,22が接するとともに、さらに端部21a,22aが近接している場合にあっては、溶融池23W1が形成された時点で、当該溶融池23W1が端部21a,22a間に掛け渡された溶融池23Wとなっているようなこともあり得る。
図9は、端部21a,22aにおけるレーザ光L1,L2の掃引経路の一例を示す説明図である。図5~8に示されたようなレーザ光L1,L2を照射する各段階において、図9に示されるように、レーザ光L1は、例えば、端部21aのX方向の中心C1よりも端部22a側の領域A1において、X方向と交差するY方向に直線状に掃引される。また、レーザ光L2は、例えば、端部22aのX方向の中心C2よりも端部21a側の領域A2において、X方向と交差するY方向に直線状に掃引される。領域A1,A2において、レーザ光L1,L2の掃引は、それぞれ、複数回行われてもよいし、Y方向の両端部間において往復してもよい。Y方向は、第三方向の一例である。
このように、レーザ光L1,L2を領域A1,A2内でY方向に沿って直線状に掃引することにより、各エッジ21a1,22a1に沿ってY方向に延びた溶融池23W1,23W2を形成することができる。また、直線状に掃引した場合、溶接部23中のボイド等が少なくなることが判明している。これは、流動性を有した溶融池23W1,23W2,23W内で、流動性を有した金属材料の流れの乱れを抑制できることによるものと考えられる。また、直線状に往復掃引することにより、溶融池23W1,23W2,23Wのより広い範囲に対して随時熱エネルギを与えることができ、当該23W1,23W2,23Wが局所的に冷却されて固化するのを抑制することができる。
図10は、端部21a,22aにおけるレーザ光L1,L2の掃引経路の、図9とは別の例を示す説明図である。図10の例では、各領域A1,A2において、端部21a,22aに近い位置および遠い位置の双方において、レーザ光L1,L2がY方向に沿って直線状に掃引されている。また、レーザ光L1,L2の照射を途切れること無く行うため、領域A1,A2のY方向の端部近傍においては、X方向への掃引も含まれている。なお、掃引方向は、図10に示したものには限定されない。
図11は、端部21a,22aにおけるレーザ光L1,L2の掃引経路の、図9,10とは別の例を示す説明図である。図11の例では、領域A1では、レーザ光L1がY方向の反対方向に掃引され、領域A2では、レーザ光L2がY方向に掃引されている。領域A1でのY方向の反対方向への掃引と、領域A2でのY方向への掃引とは、複数回にわたって反復して行われてもよい。なお、各領域A1,A2における掃引方向は、図11とは逆方向であってもよいし、いずれもY方向であってもよいし、いずれもY方向の反対方向であってもよい。
また、図示されないが、レーザ光L1は、領域A1において、少なくとも1箇所において定点照射されてもよい。一例として、レーザ光L1は、領域A1内のY方向の両端部間の中央部に1回照射されてもよいし、複数回照射されてもよい。また、レーザ光L1は、領域A1内のY方向に間隔をあけた複数箇所において、照射されてもよいし、当該複数箇所のそれぞれにおいて複数回ずつ照射されてもよい。レーザ光L2は、領域A2において、少なくとも1箇所において定点照射されてもよい。一例として、レーザ光L2は、領域A2内のY方向の両端部間の中央部に1回照射されてもよいし、複数回照射されてもよい。また、レーザ光L2は、領域A2内のY方向に間隔をあけた複数箇所において、照射されてもよいし、当該複数箇所のそれぞれにおいて複数回ずつ照射されてもよい。
図12は、端部21a,22aにおけるレーザ光L1,L2の掃引経路の、図9~11とは別の例を示す説明図である。図12の例では、掃引経路は、領域A1,A2以外の領域、すなわち、端部21a,22aにおいてX方向の中心C1,C2よりも他の端部22a,21aから遠い領域も通っている。このような掃引経路でも、上述したような溶融池23W1,23W2ひいては溶融池23Wを形成することができる。また、図12のように、掃引経路は湾曲した区間を含んでもよい。この場合、掃引経路が折り返す区間あるいは屈曲した区間を含む場合に比べて、掃引速度の変化幅をより小さくすることができる。
また、図13に示されるように、端部21a,22aは、Y方向に互いにずれていてもよい。このような場合でも、上述したような溶融池23W1,23W2ひいては溶融池23Wを形成することができる。
図9~13に示されたレーザ光Lの掃引は、比較的高速であるため、主としてガルバノスキャナ126の作動によって実現される。ただし、これには限定されず、駆動機構140の作動によって実現されてもよいし、ガルバノスキャナ126と駆動機構140の作動の組み合わせによって実現されてもよい。
また、図14~16は、図5~8とは異なる状態を経て溶融池23W1,23W2および溶融池23Wが形成される場合の、経時変化を示す図である。
まずは、図14に示されるように、レーザ光L1,L2の照射により、端部21a,22aのそれぞれに、溶融池23W1,23W2が形成される。
次に、図15に示されるように、溶融池23W1,23W2が、それぞれ端部21a,22a上で成長し、他の端部22a,21aに近付く方向も含め、Z方向と交差する方向に張り出す。
そして、図16に示されるように、互いに張り出すことにより近接した溶融池23W1,23W2同士が一体化し、端部21a,22a間で掛け渡された溶融池23W、すなわち架設溶融池が形成される。
このように、溶融池23W1,23W2のうち一方が他方に向けて倒れることにより他方と一体化されるのではなく、溶融池23W1,23W2のうち少なくとも一方が他方に近付くように張り出すことにより溶融池23W1,23W2同士が一体化されてもよい。なお、図14,15では、レーザ光L1,L2は、端部21a,22aの略中心C1,C2(X方向における中心、中心線上)に向けて照射され、掃引されているが、これには限定されず、端部21a,22aのうち中心C1,C2よりも他方に近い領域に向けて照射されてもよいし、端部21a,22aのうち中心C1,C2よりも他方から遠い領域に向けて照射されてもよい。
[部材の変形例]
図17は、二つの部材20の変形例を示す斜視図である。図17に示されるように、部材20は、端部20aからZ方向、すなわち部材20の延び方向に突出した突出部20cを有してもよい。部材21の突出部21c(20c)は、端部21aのX方向の中央よりも端部22aに近い側に、エッジ21a1に沿って設けられ、当該エッジ21a1に近づくにつれてZ方向により高くなるよう突出している。他方、部材22の突出部22c(20c)は、端部22aのX方向の中央よりも端部21aに近い側に、エッジ22a1に沿って設けられ、当該エッジ22a1に近づくにつれてZ方向により高くなるよう突出している。
図18は、二つの部材20の別の変形例を示す斜視図である。図18に示されるように、図18の例でも、部材20は突出部20cを有している。部材21の突出部21c(20c)は、端部21aのX方向の中央よりも端部22aに近い側に設けられ、部材22の突出部22c(20c)は、端部22aのX方向の中央よりも端部21aに近い側に設けられている。ただし、本変形例では、突出部21cは、X方向に略一定の厚さを有しY方向に延びた壁状の形状を有している。
図19は、二つの部材20の別の変形例を示す斜視図である。図19に示されるように、図19の例でも、部材20は突出部20cを有している。ただし、本変形例では、突出部20cは、端部20aのX方向の中央を通る対称面を対称中心とする面対称形状を有している。すなわち、端部21aは、二つの突出部21c(20c)を有し、エッジ21a1側の突出部21cは、当該エッジ21a1に近づくにつれてZ方向により高くなるよう突出し、エッジ21a1とは反対側の突出部21cは、当該エッジ21a1から遠ざかるにつれてZ方向により高くなるよう突出している。また、端部22aは、二つの突出部22c(20c)を有し、エッジ22a1側の突出部22cは、当該エッジ22a1に近づくにつれてZ方向により高くなるよう突出し、エッジ22a1とは反対側の突出部22cは、当該エッジ22a1から遠ざかるにつれてZ方向により高くなるよう突出している。このような面対称形状により、平角線10の曲げ方向によらず、二つの端部20aが隣り合う部分において、互いに隣り合うエッジ21a1,22a1側が中央よりも突出した構造が得られる。なお、図19の突出部21cは、図17と同様の突出部21cをベースとした面対称形状を有しているが、これに替えて、図18と同様の突出部21cをベースとした面対称形状を有してもよい。
図17~19のような突出部21cが設けられている場合、突出部21cが設けられない場合に比べて、端部20aは、突出部21cへのレーザ光Lの照射によって、より短い時間で、端部21a,22aのそれぞれの相手側に近いエッジ21a1,22a1付近を効率よく溶融することができ、ひいては、溶接の所要時間をより短縮することができる。なお、突出部21cは、端部21aにおいては、当該端部21aのX方向の中央よりも端部22a側に、当該中央からZ方向にずれた部位(高い部位)を有していればよく、端部22aにおいては、当該端部22aのX方向の中央よりも端部21a側に、当該中央からZ方向にずれた部位(高い部位)を有していればよく、図17~19に示す例には限定されない。また、端部20aは、図19の突出部20cに替えて、端部20aのX方向の中央よりもX方向の両側に、当該中央からZ方向にずれた部位(高い部位)を有した、当該図19とは異なる形状の突出部20cを有してもよい。また、端部20aは、中央の周囲に当該中央からZ方向にずれた部位(高い部位)を有した形状を有してもよい。言い換えると、端部20aには、中央が凹んだ凹部が設けられてもよい。
[照射方向および照射位置の変形例]
図20は、レーザ光L1(L)の照射方向および照射位置の変形例を示す側面図である。図20に示されるように、端部21aに対して、レーザ光L1の照射方向は、Z方向の反対方向に向かうにつれて端部22aに近づく方向であってもよい。この場合、レーザ光L1のパワーにより、溶融池23W1は、端部22a側により迅速に移動しやすくなる。
図21は、レーザ光L1(L)の照射方向および照射位置の図20とは別の変形例を示す側面図である。図21に示されるように、端部21aに対して、レーザ光L1の照射方向は、Z方向の反対方向に向かうにつれて端部22aから遠ざかる方向(すなわち、レーザ光L1は、端部21a,22aが溶融する前の状態において、側面21bのうち端部22aから突出する領域を照射する)であってもよい。この場合、レーザ光L1のエネルギをよりエッジ21a1(端部22a)に近い側に与えることができ、溶融池23W1をより端部22aに近い側に位置するように形成でき、ひいては、より迅速に溶融池23W(架設溶融池)を形成することができる。また、この場合、レーザ光L1を、突出部21cの端部22a側の側面に、言い換えると、端部21aおよび突出部21cのZ方向の先端からZ方向の反対方向へずれた位置に、照射することにより、より短い時間で溶融池23W1を形成することができ、上述したZ方向の反対方向に向かうにつれて端部22aから遠ざかる方向にレーザ光L1を照射する効果と相俟って、溶接の所要時間をより一層短縮することができる。
[レーザ溶接装置のブロック図および処理手順]
図22は、レーザ溶接装置100のブロック図である。レーザ溶接装置100は、例えば、コントローラ200と、記憶部210と、センサ150と、レーザ装置110と、ガルバノスキャナ126と、駆動機構140と、を備えている。
コントローラ200は、コンピュータであって、CPU(central processing unit)のようなプロセッサ(回路)や、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)のような主記憶部を有している。コントローラ200は、例えばMCU(micro controller unit)である。記憶部210は、例えばSSD(solid state drive)やHDD(hard disk drive)のような不揮発性の記憶装置を有している。記憶部210は、補助記憶装置とも称されうる。
プロセッサは、ROMや記憶部210に記憶されたプログラムを読み出して各処理を実行することにより、検出制御部201、照射手順決定部202、移動制御部203、および照射制御部204として作動する。プログラムは、それぞれインストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されうる。記録媒体は、プログラムプロダクトとも称されうる。プログラムおよびプロセッサによる演算処理で用いられる値や、テーブル、マップ等の情報は、ROMや記憶部210に予め記憶されてもよいし、通信ネットワークに接続されたコンピュータの記憶部に記憶され、当該通信ネットワーク経由でダウンロードされることによって記憶部210に記憶されてもよい。記憶部210は、プロセッサによって書き込まれたデータを記憶する。また、コントローラ200による演算処理は、少なくとも部分的に、ハードウエアによって実行されてもよい。この場合、コントローラ200には、例えば、FPGA(field programmable gate array)や、ASIC(application specific integrated circuit)等が含まれてもよい。
図23は、レーザ溶接装置100による一箇所の対象物Wに対する処理手順のフローチャートである。図23に示されるように、まず、コントローラ200は、検出制御部201として作動し、センサ150による検出値やデータを取得する(S1)。さらに、このS1において、検出制御部201は、センサ150による検出値やデータに基づいて、端部21a,22aの相対的な位置関係を検出する。センサ150および検出制御部201は、検出部の一例である。
次に、コントローラ200は、照射手順決定部202として作動し、レーザ光Lの照射手順を決定する(S2)。このS2において、照射手順決定部202は、まず、Z方向における二つの端部20aの相対的な位置関係に基づいて、端部21a(第一端部)および端部22a(第二端部)を決定する。すなわち、照射手順決定部202は、二つの端部20aのうち一方の端部20aとZ方向の位置が同じであるかあるいは当該一方の端部20aよりもZ方向にずれた他方の端部20aを、端部21a、すなわち第一端部と決定し、当該一方の端部20aを、端部22a、すなわち第二端部と決定する。
次に、S2において、照射手順決定部202は、例えば、上述したレーザ光Lの照射手順、すなわち溶接方法を実行するための、レーザ装置110や、ガルバノスキャナ126、駆動機構140等の被制御対象に対する制御指令のシーケンスを作成する。レーザ光Lの照射手順は、例えば、まずは端部21aにレーザ光L1を照射し、次に端部22aにレーザ光L2を照射し、その後、溶融池23Wにレーザ光Lを照射するような手順である。照射手順決定部202は、作成した制御指令のシーケンスを、記憶部210に記憶する。照射手順は、レーザ溶接方法におけるレーザ光Lの照射に関するパラメータ、例えば、レーザ光Lの出力や、照射位置、照射方向、掃引速度、照射タイミング等の各パラメータが、端部21a,22aの相対的な位置関係等に応じて、適宜に変更されるよう、設定されうる。なお、被制御対象は、レーザ光の照射状態を変更可能な機構であり、可変機構とも称されうる。
次に、コントローラ200は、移動制御部203として作動し、記憶部210に記憶されたシーケンスを読み出し、当該シーケンスに従い、光学ヘッド120を照射手順によって定められた位置に移動するよう、駆動機構140を制御する(S3)。また、コントローラ200は、照射制御部204として作動し、記憶部210に記憶されたシーケンスを読み出し、当該シーケンスに従い、照射手順に従ったレーザ光Lの照射を実行するよう、レーザ装置110およびガルバノスキャナ126を制御する(S4)。なお、S3およびS4は、適宜繰り返し実行されてもよい。レーザ溶接装置100による、図23のフローによる処理手順は、複数箇所の対象物Wについて、順次実行される。照射手順決定部202、移動制御部203、および照射制御部204は、制御部の一例である。
以上、説明したように、本実施形態のレーザ溶接方法では、例えば、端部21a(第一端部)の中央よりも端部22a(第二端部)に近い領域A1に向けてレーザ光Lを照射することにより、端部21aの少なくとも端部22a側に、端部22a側に張り出した溶融池23W1(第一溶融池)を形成する。次に、少なくとも端部21aに向けてレーザ光Lを照射することにより、溶融池23W1に含まれる流動性の金属材料を含み端部21aと端部22aとの間で掛け渡された溶融池23W(架設溶融池)を形成する。次に、溶融池23Wを冷却して固化することにより、溶接部23を形成する。
このようなレーザ溶接方法および当該レーザ溶接方法を実行するレーザ溶接装置によれば、端部21a,22aの高さを合わせる等の前処理を省略することができ、かつより迅速にあるいはより効率よく端部21a,22aを溶接することができる。よって、例えば、溶接の手間や、所要時間、コストを低減することができ、ひいては、溶接部23を含む装置の製造の手間や、所要時間、製造コストを低減することができる。また、端部22aからのZ方向のずれが0以上である端部21aにレーザ光Lを照射して溶融池23Wを形成することにより、端部21a,22a間のZ方向のずれを小さくしやすいという利点もある。
また、本実施形態のように、溶融池23W1が重力によって端部22a側に倒れ込むように移動することにより溶融池23Wとなるようにしてもよい。
これにより、例えば、より迅速にあるいはより効率よく、端部21a,22aを溶融し、溶接部23を形成することができる。
また、本実施形態のように、溶融池23Wを形成する工程の前に、端部22aの中央よりも端部21aに近い領域A2に向けてレーザ光L2を照射する工程を有してもよい。
これにより、例えば、端部22aの領域A2上に溶融池23W2を形成してより迅速に溶融池23Wを形成できたり、領域A2を予熱して溶融池23Wが端部22aに接した際に端部22aをより迅速に溶融してより迅速に所期の溶融池23Wを得ることができたり、といった利点が得られる。
また、本実施形態のように、端部22aの少なくとも端部21a側に、溶融池23W2(第二溶融池)を形成し、溶融池23W1と溶融池23W2とを一体化して溶融池23Wを形成してもよい。
これにより、例えば、より迅速にあるいはより効率よく、端部21a,22aを溶融し、溶接部23を形成することができる。
なお、Z方向において端部21aと端部22aとの位置がずれている場合、当該ずれ量を、本実施形態において溶融池23W(架設溶融池)が固化した状態における、当該溶融池23Wのエッジ21a1またはエッジ22a1からのZ方向の突出量のいずれか高い方以下(例えば、1.5mm以下)となるように構成することで、迅速に部材21,22を溶接することができる点で好ましい。
[第2実施形態]
図24は、第2実施形態のレーザ溶接装置100Aの概略構成を示す図である。図24に示されるように、レーザ溶接装置100Aは、レーザ装置110として、二つのレーザ装置111,112を備えている。
レーザ装置111は、例えば、800[nm]以上かつ1200[nm]以下の波長のレーザ光を出力し、レーザ装置112は、例えば、550[nm]以下の波長のレーザ光を出力する。より好ましくは、レーザ装置112は、例えば、400[nm]以上かつ500[nm]以下の波長のレーザ光を出力する。ここで、レーザ装置111,112が有するレーザ発振器は、光源の一例である。また、レーザ装置111が出力するレーザ光は、第一レーザ光の一例であり、レーザ装置112が出力するレーザ光は、第二レーザ光の一例である。なお、レーザ装置111,112は、レーザ光の連続波を出力してもよいし、レーザ光のパルスを出力してもよい。
コントローラ200は、レーザ装置111,112のそれぞれの作動を制御することができる。例えば、コントローラ200は、レーザ光を出力したり、レーザ光の出力を停止したり、出力強度を変更したりするよう、レーザ装置111,112を制御することができる。
レーザ装置111,112から出力されたレーザ光は、それぞれ光ファイバ130を介して光学ヘッド120に入力される。
ミラー124は、コリメートレンズ121-1で平行光となった第一レーザ光を反射する。ミラー124で反射した第一レーザ光は、光学部品としての波長フィルタ125へ向かう。
波長フィルタ125は、レーザ装置111からの第一レーザ光を透過し、レーザ装置112からの第二レーザ光を透過せずに反射するハイパスフィルタである。第一レーザ光は、波長フィルタ125を透過してガルバノスキャナ126へ向かう。他方、波長フィルタ125は、コリメートレンズ121-2で平行光となった第二レーザ光を反射する。波長フィルタ125で反射した第二レーザ光は、ガルバノスキャナ126へ向かう。ガルバノスキャナ126は、上記第1実施形態と同様に作動する。
集光レンズ122は、ガルバノスキャナ126から到来した平行光としてのレーザ光を集光し、レーザ光L(出力光、照射光)として、対象物Wへ照射する。レーザ光Lは、第一レーザ光Laと、第二レーザ光Lbと、を含んでいる。
第二レーザ光Lbは、第一レーザ光Laよりも波長が短い分、銅系材料やアルミニウム系材料のような金属材料における吸収率がより高い。また、第一レーザ光Laは、第二レーザ光Lbよりも波長が長い分、収束性がより高く、パワー密度をより高くしやすい。このため、第一レーザ光Laおよび第二レーザ光Lbを含むレーザ光Lは、第一レーザ光Laのみまたは第二レーザ光Lbのみを含むレーザ光Lと比べて、第二レーザ光Lbの効果として溶融池23W1,23W2(23W)をより安定化することができるとともに、第一レーザ光Laの効果としてより効率良く金属材料を溶融することができる。したがって、本実施形態によれば、ボイドやスパッタの少ないより高品質なレーザ溶接をより効率良く実行することができる。
以上、本発明の実施形態および変形例が例示されたが、上記実施形態および変形例は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、型式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
例えば、レーザ光の照射に際し、公知のウォブリングや、ウィービング、出力変調等が行われ、溶融池の表面積が調節されてもよい。
また、レーザ光は、第一端部および第二端部の双方に同時並行的に照射されてもよい。
本発明は、レーザ溶接方法に利用することができる。
10…平角線
20…部材
20a…端部
20b…側面
20c…突出部
21…部材(第一部材)
21a…端部(第一端部)
21a1…エッジ
21b…側面
21c…突出部
22…部材(第二部材)
22a…端部(第二端部)
22a1…エッジ
22b…側面
22c…突出部
23…溶接部
23a…張出部
23W…溶融池(架設溶融池)
23W1…溶融池(第一溶融池)
23W2…溶融池(第二溶融池)
30…被覆
100,100A…レーザ溶接装置
110,111,112…レーザ装置(光源、被制御対象)
120…光学ヘッド
121,121-1,121-2…コリメートレンズ
122…集光レンズ
124…ミラー
125…波長フィルタ
126…ガルバノスキャナ(被制御対象)
126a,126b…ミラー
130…光ファイバ
140…駆動機構(被制御対象)
150…センサ(検出部)
200…コントローラ
201…検出制御部(検出部)
202…照射手順決定部(制御部)
203…移動制御部(制御部)
204…照射制御部(制御部)
210…記憶部
A1…領域
A2…領域
C1…中心
C2…中心
g…隙間
L,L1,L2…レーザ光
La…第一レーザ光
Lb…第二レーザ光
W…対象物
X…方向(第二方向)
Y…方向(第三方向)
Z…方向(第一方向)
δ…ずれ

Claims (22)

  1. 金属材料で作られた第一部材の第一方向の第一端部と、前記第一部材に対して前記第一方向と交差した第二方向に隣り合うように配置され金属材料で作られた第二部材の前記第一方向の第二端部であって前記第一端部の当該第二端部からの前記第一方向に沿った距離が0以上となるように配置された第二端部と、をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、
    前記第一端部に向けてレーザ光を照射することにより、当該第一端部の少なくとも前記第二端部側に張り出した第一溶融池を形成する工程と、
    前記第一溶融池を形成する工程以降に、少なくとも前記第一端部に向けてレーザ光を照射することにより、前記第一溶融池に含まれる流動性の金属材料を含み前記第一端部と前記第二端部との間で掛け渡された架設溶融池を形成する工程と、
    前記架設溶融池にレーザ光を照射する工程と、
    前記架設溶融池にレーザ光を照射した後、当該架設溶融池を固化する工程と、
    を有し、
    前記架設溶融池を形成する工程では、前記第一溶融池が前記第二端部側に倒れ込むように移動することにより前記架設溶融池を形成する、レーザ溶接方法。
  2. 金属材料で作られた第一部材の第一方向の第一端部と、前記第一部材に対して前記第一方向と交差した第二方向に隣り合うように配置され金属材料で作られた第二部材の前記第一方向の第二端部であって前記第一端部の当該第二端部からの前記第一方向に沿った距離が0以上となるように配置された第二端部と、をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、
    前記第一端部に向けてレーザ光を照射することにより、当該第一端部の少なくとも前記第二端部側に張り出した第一溶融池を形成する工程と、
    前記第一溶融池を形成する工程以降に、少なくとも前記第一端部に向けてレーザ光を照射することにより、前記第一溶融池に含まれる流動性の金属材料を含み前記第一端部と前記第二端部との間で掛け渡された架設溶融池を形成する工程と、
    前記架設溶融池にレーザ光を照射する工程と、
    前記架設溶融池にレーザ光を照射した後、当該架設溶融池を固化する工程と、
    を有し、
    前記第一溶融池を形成する工程の後かつ前記架設溶融池を形成する工程の前に、前記第二端部に向けてレーザ光を照射する工程を有した、レーザ溶接方法。
  3. 前記第二端部に向けてレーザ光を照射する工程では、レーザ光を、前記第一端部の前記第二方向の中央よりも前記第一端部に近い領域に向けて照射する、請求項2に記載のレーザ溶接方法。
  4. 前記第二端部に向けてレーザ光を照射する工程において、前記第二端部の少なくとも前記第一端部側に、第二溶融池を形成し、
    前記架設溶融池を形成する工程では、前記第一溶融池と前記第二溶融池とが一体化することにより前記架設溶融池が形成される、請求項2に記載のレーザ溶接方法。
  5. 金属材料で作られた第一部材の第一方向の第一端部と、前記第一部材に対して前記第一方向と交差した第二方向に隣り合うように配置され金属材料で作られた第二部材の前記第一方向の第二端部であって前記第一端部の当該第二端部からの前記第一方向に沿った距離が0以上となるように配置された第二端部と、をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、
    前記第一端部に向けてレーザ光を照射することにより、当該第一端部の少なくとも前記第二端部側に張り出した第一溶融池を形成する工程と、
    前記第一溶融池を形成する工程以降に、少なくとも前記第一端部に向けてレーザ光を照射することにより、前記第一溶融池に含まれる流動性の金属材料を含み前記第一端部と前記第二端部との間で掛け渡された架設溶融池を形成する工程と、
    前記架設溶融池にレーザ光を照射する工程と、
    前記架設溶融池にレーザ光を照射した後、当該架設溶融池を固化する工程と、
    を有し、
    前記第一溶融池を形成する工程の後かつ前記架設溶融池を形成する工程の前に、前記第二端部に向けてレーザ光を照射する工程として、当該レーザ光を前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向に掃引する工程を有した、レーザ溶接方法。
  6. 前記レーザ光を前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向に掃引する工程では、当該レーザ光を前記第三方向に複数回掃引する、請求項5に記載のレーザ溶接方法。
  7. 金属材料で作られた第一部材の第一方向の第一端部と、前記第一部材に対して前記第一方向と交差した第二方向に隣り合うように配置され金属材料で作られた第二部材の前記第一方向の第二端部であって前記第一端部の当該第二端部からの前記第一方向に沿った距離が0以上となるように配置された第二端部と、をレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、
    前記第一端部に向けてレーザ光を照射することにより、当該第一端部の少なくとも前記第二端部側に張り出した第一溶融池を形成する工程と、
    前記第一溶融池を形成する工程以降に、少なくとも前記第一端部に向けてレーザ光を照射することにより、前記第一溶融池に含まれる流動性の金属材料を含み前記第一端部と前記第二端部との間で掛け渡された架設溶融池を形成する工程と、
    前記架設溶融池にレーザ光を照射する工程と、
    前記架設溶融池にレーザ光を照射した後、当該架設溶融池を固化する工程と、
    を有し、
    前記第一溶融池を形成する工程の後かつ前記架設溶融池を形成する工程の前に、前記第二端部に向けてレーザ光を照射する工程として、当該レーザ光を少なくとも1箇所において定点照射する工程を有した、レーザ溶接方法。
  8. 前記第一溶融池を形成する工程の後かつ前記架設溶融池を形成する工程の前に、前記第二端部に向けてレーザ光を照射する工程を有した、請求項1に記載のレーザ溶接方法。
  9. 前記第一溶融池を形成する工程の後かつ前記架設溶融池を形成する工程の前に、前記第二端部に向けてレーザ光を照射する工程として、当該レーザ光を前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向に掃引する工程を有した、請求項1~4、8のうちいずれか一つに記載のレーザ溶接方法。
  10. 前記第一溶融池を形成する工程の後かつ前記架設溶融池を形成する工程の前に、前記第二端部に向けてレーザ光を照射する工程として、当該レーザ光を少なくとも1箇所において定点照射する工程を有した、請求項1~6、8、9のうちいずれか一つに記載のレーザ溶接方法。
  11. 前記第一端部は、前記第一方向に突出した突出部を有し、
    前記第一溶融池を形成する工程では、前記レーザ光を前記突出部に向けて照射し、
    前記突出部は、前記第一端部の前記第二方向の中央よりも前記第二端部に近い側で突出した、請求項1~10のうちいずれか一つに記載のレーザ溶接方法。
  12. 前記第一溶融池を形成する工程では、前記レーザ光を前記第一方向の反対方向に向かうにつれて前記第二端部から遠ざかる方向に照射する、請求項1~11のうちいずれか一つに記載のレーザ溶接方法。
  13. 前記第一溶融池を形成する工程では、レーザ光を、前記第一端部の前記第二方向の中央よりも前記第二端部に近い領域に向けて照射する、請求項1~12のうちいずれか一つに記載のレーザ溶接方法。
  14. 前記架設溶融池を形成する工程では、前記架設溶融池に、複数箇所でレーザ光を照射する、請求項1~13のうちいずれか一つに記載のレーザ溶接方法。
  15. 前記第一溶融池を形成する工程では、前記レーザ光を前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向に掃引する、請求項1~14のうちいずれか一つに記載のレーザ溶接方法。
  16. 前記第一溶融池を形成する工程では、前記レーザ光を前記第三方向に複数回掃引する、請求項15に記載のレーザ溶接方法。
  17. 前記第一溶融池を形成する工程では、前記レーザ光を、少なくとも1箇所において定点照射する、請求項1~16のうちいずれか一つに記載のレーザ溶接方法。
  18. 前記第一端部は、前記第一方向に突出した突出部を有し、
    前記第一溶融池を形成する工程では、前記レーザ光を前記突出部に向けて照射する、請求項1~17のうちいずれか一つに記載のレーザ溶接方法。
  19. 前記第一溶融池を形成する工程では、前記レーザ光を前記第一方向の反対方向に向かうにつれて前記第二端部に近づく方向に照射する、請求項1~18のうちいずれか一つに記載のレーザ溶接方法。
  20. 前記第一部材は、前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向に延びるとともに前記第一方向に延びた第一側面を有し、
    前記第二部材は、前記第三方向および前記第一方向に延びて前記第一側面と面した第二側面を有した、請求項1~19のうちいずれか一つに記載のレーザ溶接方法。
  21. 前記第一部材および前記第二部材は、平角線の導体である、請求項20に記載のレーザ溶接方法。
  22. 前記第二端部は、前記第一方向において前記第一端部と異なる位置に配置された請求項1~21のうちいずれか一つに記載のレーザ溶接方法。
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