JP2024019192A - Rfidリーダ装置及びrfidタグ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で、衝突を回避しながら質問波に対して応答すること。【解決手段】実施形態に係るRFIDリーダ装置は、送信部と、受信部と、を備える。送信部は、搬送波を周期性信号で変調した質問波を送信し、受信部は、質問波の復調信号から特定の周波数範囲の信号を検出した場合にバックスキャッタ変調で応答するRFIDタグからの応答波を受信する。【選択図】 図8
Description
本発明は、RFID(Radio Frequency Identification)技術を用いたRFIDリーダ装置及びRFIDタグに関する。
RFIDリーダ装置からRFIDタグへ、最低でも3つのコマンド、即ちSelect、Query、Ackを送信する。そして、各RFIDタグがこれらのコマンドを認識してRFIDリーダ装置に対して応答する。これにより、各RFIDタグの応答が衝突する状況を回避し、RFIDリーダ装置は、個別に応答、認識することを可能としていた。このような応答衝突の回避のため、RFIDタグは、プロセッサとファームウェアを実装した半導体チップが必要であった。
ところで近時、プリントエレクトロニクス(PE)技術が注目されている。PE技術では、高集積化が困難であり、上述したような半導体チップを実装することが困難であった。このため、PE技術を採用したRFIDタグがリーダ装置の質問に対して、衝突を回避しながら個別に応答することは困難であった。
本発明の目的は、RFIDリーダ装置とRFIDタグとの間でコマンドを使用しなくても、RFIDタグ間の応答衝突を抑制することが可能なRFIDリーダ装置およびRFIDタグを提供することにある。
実施形態に係るRFIDリーダ装置は、送信部と、受信部と、を備える。送信部は、搬送波を周期性信号で変調した質問波を送信し、受信部は、質問波の復調信号から特定の周波数範囲の信号を検出した場合にバックスキャッタ変調で応答するRFIDタグからの応答波を受信する。
以下、図面を参照して、一実施形態に係わるRFIDシステムについて説明する。このRFIDシステムは、RFIDリーダ装置とRFIDタグを備える。
(RFIDリーダ装置の構成)
図1は、一実施形態に係わるRFIDリーダ装置の構成例を示す回路ブロック図である。このRFIDリーダ装置は、制御部1、ベースバンド信号処理部2、D/A変換器(D/A)3、直交変調器4、局部発振器5、送信アンプ6、サーキュレータ7、アンテナ8、ローノイズアンプ(LNA)9、直交検波器10、A/D変換器(A/D)11、外部インターフェイス回路12を備える。これらの構成により、制御系、送信系(送信部)、受信系(受信部)などをそれぞれ構成している。
図1は、一実施形態に係わるRFIDリーダ装置の構成例を示す回路ブロック図である。このRFIDリーダ装置は、制御部1、ベースバンド信号処理部2、D/A変換器(D/A)3、直交変調器4、局部発振器5、送信アンプ6、サーキュレータ7、アンテナ8、ローノイズアンプ(LNA)9、直交検波器10、A/D変換器(A/D)11、外部インターフェイス回路12を備える。これらの構成により、制御系、送信系(送信部)、受信系(受信部)などをそれぞれ構成している。
具体的には、送信系は、ベースバンド信号処理部2、D/A変換器3、直交変調器4、局部発振器5、送信アンプ6、サーキュレータ7、アンテナ8で主に構成される。受信系は、アンテナ8、サーキュレータ7、ローノイズアンプ9、直交検波器10、局部発振器5、A/D変換器11、ベースバンド信号処理部2で主に構成される。
制御部1は、CPUやメモリ(記憶部)を備え、送信系および受信系を統括して制御する。したがって、制御部1は、送信系や受信系に含まれる。具体的には、制御部1は、例えば、外部インターフェイス回路12を通じた指示に応じて、RFIDタグに宛てた質問波の送信制御やRFIDタグから送信される応答波の受信制御などを行う。
なお、制御部1は、後述するD/A変換器3が出力するベースバンド信号が、周期性を有する信号(以下、周期性信号と称する)となるように、ベースバンド信号処理部2を制御するが、詳細については後述する(質問波送信処理R-T1などを参照のこと)。
ベースバンド信号処理部2は、例えばDSP(Digital Signal Processor)で構成することができる。そして、ベースバンド信号処理部2は、制御部1からの指示に従って、制御部1から与えられる送信データに対応したデジタル・ベースバンド信号(以下、送信デジタル・ベースバンド信号と称する)を生成したり、後述する受信デジタル・ベースバンド信号を復号して受信データを取得する。
D/A変換器3は、上記送信デジタル・ベースバンド信号をアナログ・ベースバンド信号(以下、送信アナログ・ベースバンド信号と称する)に変換する。この送信アナログ・ベースバンド信号は、前述の周期性信号である。前述したように詳細については、RFIDリーダ装置の送信動作の説明で詳述する。
直交変調器4は、局部発振器5にて生成された搬送波を上記送信アナログ・ベースバンド信号で変調して、振幅変調波を生成する。なお、局部発振器5にて生成される搬送波の周波数は、例えば、900MHz帯である。この周波数は、制御部1から与えられる周波数制御信号によって制御される。
送信アンプ6は、上記振幅変調波をRF増幅する。このRF増幅された信号は、RFIDタグに対し質問波として、サーキュレータ7を介してアンテナ8より空間に放射される。
一方、アンテナ8は、後述するRFIDタグより送信される応答波(上記質問波に対する応答信号)を受信し、サーキュレータ7を介してローノイズアンプ9に出力する。
一方、アンテナ8は、後述するRFIDタグより送信される応答波(上記質問波に対する応答信号)を受信し、サーキュレータ7を介してローノイズアンプ9に出力する。
ローノイズアンプ9は、上記応答信号を低雑音増幅し、直交検波器10に出力する。
直交検波器10は、局部発振器5にて生成された局部発振信号を用いて、低雑音増幅された応答信号をアナログ・ベースバンド信号にダイレクトコンバージョンする。
直交検波器10は、局部発振器5にて生成された局部発振信号を用いて、低雑音増幅された応答信号をアナログ・ベースバンド信号にダイレクトコンバージョンする。
A/D変換器11は、上記ダイレクトコンバージョンによって復調されたアナログ・ベースバンド信号をA/D変換して、上記受信デジタル・ベースバンド信号を得る。この受信デジタル・ベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部2によってRFIDタグから送られた情報に復号され、制御部1に出力される。
外部インターフェイス回路12は、種々の機器が接続可能であり、これらの機器と制御部1との間のインターフェースとしての役割を担う。例えば、機器を通じてオペレータが入力した情報や、機器から発せられる指示信号を制御部1に与えたり、制御部1から与えられた情報を外部に出力する。
なお、ここでは、変調方式の一例として、直交型を例に挙げているが、これに限定されるものではない。RFIDリーダ装置とRFIDタグの間で通信が可能なものであれば、他の変調方式であってもよい。例えば、シングル・ミキサー型を適用することも可能である。
(RFIDタグの構成)
図2は、一実施形態に係わるRFIDタグの構成例を示す回路ブロック図である。このRFIDタグは、アンテナ21、検波器22、ローパスフィルタ(LPF1)23、PLL回路24、ID送出回路29、高周波スイッチ(SW)30、平滑回路(LPF2)31を備える。これらの構成により、電波整流式電源部、周期性信号検出部、バックスキャッタ送信部などをそれぞれ構成している。
図2は、一実施形態に係わるRFIDタグの構成例を示す回路ブロック図である。このRFIDタグは、アンテナ21、検波器22、ローパスフィルタ(LPF1)23、PLL回路24、ID送出回路29、高周波スイッチ(SW)30、平滑回路(LPF2)31を備える。これらの構成により、電波整流式電源部、周期性信号検出部、バックスキャッタ送信部などをそれぞれ構成している。
具体的には、電波整流式電源部は、アンテナ21、検波器22、平滑回路31で主に構成される。周期性信号検出部は、検波器22、ローパスフィルタ23、PLL回路24で主に構成される。バックスキャッタ送信部は、ID送出回路29、高周波スイッチ30、アンテナ21で主に構成される。
アンテナ21は、RFIDリーダ装置のアンテナ8との間で無線信号をやりとりするためのものである。その構成の一例としては、例えば2つのエレメントを有するダイポールアンテナである。そして、ダイポールアンテナの各エレメントの長さは、RFIDリーダ装置が送信する無線信号(質問波)のおおむね1/4波長に相当し、全体で1/2波長に相当する。
検波器22は、所望の無線信号、すなわちRFIDリーダ装置から送信される質問波を検波して信号波を復調して取り出す。
検波器22は、所望の無線信号、すなわちRFIDリーダ装置から送信される質問波を検波して信号波を復調して取り出す。
平滑回路31は、例えばローパスフィルタであって、上記信号波を直流信号に変換する。この直流信号は、後述するPLL回路24、ID送出回路29、高周波スイッチ30などの当該RFIDタグの各部の動作電流として利用される。
ローパスフィルタ23は、上記信号波の高周波成分を濾波し、RFIDリーダ装置で変調に用いられた周期性信号を出力する。
ローパスフィルタ23は、上記信号波の高周波成分を濾波し、RFIDリーダ装置で変調に用いられた周期性信号を出力する。
PLL回路24は、上記周期性信号の周波数がキャプチャレンジに入ることを監視する。そして、PLL回路24は、上記周期性信号の周波数がキャプチャレンジに入ると、内部で発振される局部発振信号の発振周波数が引き込まれてロックし、Lock信号を出力する。なお、上記キャプチャレンジは、内蔵するVCO(電圧制御発振器)の自走周波数を中心とした狭い特定の範囲に設定する。この特定の範囲は、当該RFIDタグの製造精度や運用環境などを考慮して設定される。
PLL回路24の具体的な構成例としては、例えば、位相比較器25、VCO26、ループフィルタ27、ロック判定回路28を主として備える。なお、以下の説明では、VCO26は、分周器を含むものとして説明する。
位相比較器25は、上記周期性信号と、VCO26から与えられる、分周された局部発振信号との位相を比較し、この比較結果をループフィルタ27に出力する。
VCO26は、後述するループフィルタ27から与えられるVCO制御信号の電圧に応じた周波数の局部発振信号を発振する。またVCO26は、分周器を備える(図示しない)。この分周器は、上記局部発振信号を分周したのち、位相比較器25に出力する。
ループフィルタ27は、位相比較器25の比較結果に応じた電圧値を有するVCO制御信号を生成する。そして、ループフィルタ27は、このVCO制御信号でVCO26の局部発振信号の周波数を制御する。
ロック判定回路28は、上記VCO制御信号の電圧値を観察する。そして、ロック判定回路28は、予め設定された範囲の電圧値になると、位相比較器25の比較結果が位相ロック状態になったと判定して上記Lock信号を出力する。
ロック判定回路28は、上記VCO制御信号の電圧値を観察する。そして、ロック判定回路28は、予め設定された範囲の電圧値になると、位相比較器25の比較結果が位相ロック状態になったと判定して上記Lock信号を出力する。
ID送出回路29は、当該RFIDタグに固有に設定されたID情報などを記憶するシフトレジスタを備える。そして、ID送出回路29は、上記Lock信号が与えられるとEnable状態となり、上記VCO26の出力を上記シフトレジスタを駆動させるClock信号として用いて、上記ID情報を、例えばFM0方式あるいはミラーサブキャリア方式などで符号化する。この符号化の結果は、ID信号として出力される。図3は、上記ID信号の一例を示すもので、例えば、同期信号、識別コード、誤り検出符号を備える。
高周波スイッチ30は、上記ID信号を用いて、アンテナ21をON/OFF制御し、これによるバックスキャッタ変調で、RFIDリーダ装置に宛てた応答波を送信する。
高周波スイッチ30は、上記ID信号を用いて、アンテナ21をON/OFF制御し、これによるバックスキャッタ変調で、RFIDリーダ装置に宛てた応答波を送信する。
(動作の説明)
次に、上記構成のRFIDシステムの動作について説明する。
実際の運用では、1つのRFIDリーダ装置に対して、複数のRFIDタグが存在する場合が一般的である。以下の説明では、動作を簡明にするために、2つのRFIDタグTa、Tbが存在する場合を例に挙げて説明する。
次に、上記構成のRFIDシステムの動作について説明する。
実際の運用では、1つのRFIDリーダ装置に対して、複数のRFIDタグが存在する場合が一般的である。以下の説明では、動作を簡明にするために、2つのRFIDタグTa、Tbが存在する場合を例に挙げて説明する。
なお、RFIDタグTaとTbは、同一の生産ラインで製造されたものであってもよいし、そうでなくてもよい。また同一の規格に基づいて製造されたものであってもよいし、そうでなくてもよい。両者が同一の製造ラインで同一の規格に基づいて製造されたものであっても、両者の受信特性を完全に一致させることは非常に困難であり、製造時期、原材料の差、製造精度、経年変化などの諸条件により、受信特性に誤差が生じうる。
また例えば、RFIDリーダ装置からの搬送波の受信レベルやRFIDタグのアンテナ姿勢によってVCO26の電源電圧などが変化する。このため、VCO26の自走周波数がRFIDタグ間で一致する確率は低く、さらに前述したような諸条件も加わると、さらに自走周波数が一致する確率は低いのが実際である。
図4は、RFIDリーダ装置が質問波を送信してから、2つのRFIDタグTa、Tbが応答波を送信するまでの動作を説明するためのシーケンス図である。以下、この図を参照してRFIDシステムの動作について説明する。
(RFIDリーダ装置による質問波の送信)
まず、RFIDリーダ装置による質問波送信処理R-T1について説明する。質問波送信処理R-T1は、例えばRFIDリーダ装置において、外部インターフェイス回路12を通じた送信指示を制御部1が認識することにより開始される。
まず、RFIDリーダ装置による質問波送信処理R-T1について説明する。質問波送信処理R-T1は、例えばRFIDリーダ装置において、外部インターフェイス回路12を通じた送信指示を制御部1が認識することにより開始される。
質問波送信処理R-T1において、RFIDリーダ装置は、周期性信号を用いて搬送波を振幅変調した質問波を送信する。またこの質問波を送信するにあたり、上記周期性信号の周波数が所定の範囲を掃引するように変化させる。これにより、RFIDリーダ装置は、RFIDタグTaおよびTbに対して、上記掃引に応じて包絡線が変化する質問波を送信することになる。なお、RFIDリーダ装置は、質問波送信処理R-T1において、質問波を送信する一方で、RFIDタグからの応答波の到来を監視している。応答波の受信動作については、後述する。
以下、RFIDリーダ装置内の各部の動作について説明する。
制御部1は、D/A変換器3が出力する送信アナログ・ベースバンド信号が、例えば図5(c)に示すような正弦波の周期性信号となるようにベースバンド信号処理部2を制御する。なお、正弦波は一例であって、周期性を有するものであれば矩形波などの他の波形であってもよく、正弦波に限定されるものではない。
制御部1は、D/A変換器3が出力する送信アナログ・ベースバンド信号が、例えば図5(c)に示すような正弦波の周期性信号となるようにベースバンド信号処理部2を制御する。なお、正弦波は一例であって、周期性を有するものであれば矩形波などの他の波形であってもよく、正弦波に限定されるものではない。
一方、局部発振器5によって生成された搬送波は、例えば図5(a)に示すようなものである。この搬送波を直交変調器4が上記周期性信号を用いて変調することで、図5(b)に示すような振幅変調された質問波が得られる。なお、変調度は、概ね30%以下とすることが望ましい。
また、制御部1は、ベースバンド信号処理部2を制御して、上記周期性信号の周波数を所定の範囲を掃引するように変化させる(以下、掃引処理と称する)。この掃引処理により、直交変調器4が出力する質問波の包絡線が変化することになる。
ここで、制御部1による掃引処理は、例えば図6(a)に示すように、時間に対してリニアに周波数が変化するように連続掃引を行ってもよいし、図6(b)に示すように、時間に対して階段状に周波数が変化するように階段状掃引を行ってもよい。この階段状掃引の場合、例えば、5kHzから6kHzまでの間を2Hzステップで変化させる。
また例えば、図6(c)に示すように、特定の周波数を除外して掃引を行うようにしてもよい(以下、除外掃引と称する)。ここでいう特定の周波数とは、RFIDタグから応答波が得られた周波数である。このような除外を伴う掃引は、連続掃引に限らず、階段状掃引に適用してもよい。なお、以下の説明では、除外掃引を行う場合を例に挙げて説明する。
(RFIDタグによる質問波の受信と応答波の送信)
次に、RFIDタグTa、Tbによる質問波受信処理T-RaおよびT-Rbと、応答波受信処理T-TaおよびT-Tbについて説明する。
次に、RFIDタグTa、Tbによる質問波受信処理T-RaおよびT-Rbと、応答波受信処理T-TaおよびT-Tbについて説明する。
まず、質問波受信処理T-RaおよびT-Rbは、RFIDタグTaおよびTbが、RFIDリーダ装置から無線信号を受信することで、それぞれ開始される。具体的には、無線信号の受信により平滑回路31から各部に駆動するための直流電流が供給されることに応動して、それぞれ受信を開始し、上記質問波の受信が行われる。
この受信におけるRFIDタグTa、Tb内の各部の動作は以下の通りである。
PLL回路24は、ローパスフィルタ23から出力される信号の周波数がキャプチャレンジに入ったか否かを監視する。なお、ループフィルタ27およびVCO26の感度は、VCO26の自走周波数を分周器で分周した周波数を中心とした約2Hz幅のキャプチャレンジを持つようにそれぞれ設定する。
PLL回路24は、ローパスフィルタ23から出力される信号の周波数がキャプチャレンジに入ったか否かを監視する。なお、ループフィルタ27およびVCO26の感度は、VCO26の自走周波数を分周器で分周した周波数を中心とした約2Hz幅のキャプチャレンジを持つようにそれぞれ設定する。
上記ローパスフィルタ23から出力される信号がRFIDリーダ装置から送信された周期性信号の場合、図7(a)に示すように、周期性信号の周波数が前述の掃引処理によって変化し、その過程でやがてキャプチャレンジに入ることになる。なお、このキャプチャレンジは、他のRFIDタグとの応答タイミングの差を顕著にするために、できるだけ狭く設定することが好ましい。
ここで、RFIDタグTaとTbが有する各VCO自走周波数の差や受信条件の差により、RFIDタグTaがRFIDタグTbよりも先に、質問波を検出したものとする。
RFIDタグTaでは、上記信号がキャプチャレンジに入った、すなわち、RFIDリーダ装置からの質問波を検出すると、質問波受信処理T-Raが続けられる一方で、応答波送信処理T-Taを開始する。
RFIDタグTaでは、上記信号がキャプチャレンジに入った、すなわち、RFIDリーダ装置からの質問波を検出すると、質問波受信処理T-Raが続けられる一方で、応答波送信処理T-Taを開始する。
応答波送信処理T-Taでは、上記信号がキャプチャレンジに入ったことにより、PLL回路24(ロック判定回路28)はLock信号をID送出回路29に出力する。これによりEnable状態となったID送出回路29がバックスキャッタ変調により、自身のIDを含むID信号をRFIDリーダ装置に宛てた応答波として送信する。
なお、このとき、RFIDリーダ装置からの質問波を検出していないRFIDタグTbは、質問波受信処理T-Rbを継続している。後に、RFIDタグTbが質問波を検出すると、応答波送信処理T-Tbを開始する。応答波送信処理T-Tbは、応答波送信処理T-Taと同様の送信処理であるが、RFIDタグTaとTbが有する各VCO自走周波数の差や受信条件の差により、応答波送信処理T-Taとは異なるタイミングで開始され、そのタイミングが一致することはまれである。
(RFIDリーダ装置による応答波の受信)
次に、RFIDリーダ装置による応答波の受信動作について説明する。
受信信号が直交検波器10によって直交検波される。この検波結果はA/D変換器11によって受信デジタル・ベースバンド信号に変換される。この受信デジタル・ベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部2にとって復号される。この復号結果から制御部1がRFIDタグTaからの応答波(ID信号)を検出すると、制御部1が、図7(b)に示すように、周期性信号の掃引をいったん停止する。なお、このとき掃引は停止しているが、送信は行っているため、RFIDタグの動作電流は確保される。
次に、RFIDリーダ装置による応答波の受信動作について説明する。
受信信号が直交検波器10によって直交検波される。この検波結果はA/D変換器11によって受信デジタル・ベースバンド信号に変換される。この受信デジタル・ベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部2にとって復号される。この復号結果から制御部1がRFIDタグTaからの応答波(ID信号)を検出すると、制御部1が、図7(b)に示すように、周期性信号の掃引をいったん停止する。なお、このとき掃引は停止しているが、送信は行っているため、RFIDタグの動作電流は確保される。
このとき、応答波を送信したRFIDタグTaでは、PLL回路24で位相をロックした状態にある。そして、制御部1は、応答波が得られた時の周期性信号の周波数を特定し、この周波数を特定周波数としてメモリに記録する。その後、制御部1は、復号結果から応答波の受信が終了したことを判定すると、RFIDタグTa以外のRFIDタグを捜索するために、停止していた掃引を再開して、質問波送信処理R-T2を開始する。
質問波送信処理R-T2は、質問波送信処理R-T1とほぼ同一であるが、除外掃引を行う点が異なる。すなわち、制御部1がメモリに記録した特定周波数を参照し、上記特定周波数を除いて掃引を行うように、ベースバンド信号処理部2を制御する点が異なる。これにより、RFIDリーダ装置では、例えば図6(c)に示すように、特定周波数を除外して掃引を行うことになる。なお、この図では、複数の特定周波数を除外した場合を例示している。
一方、このときRFIDタグTbは、質問波受信処理T-Rbを継続して行っている。やがて、除外掃引が開始されて、質問波を受信すると、応答波送信処理T-Tbを開始し、応答波(ID信号)を送信する。なお、動作は、応答波送信処理T-Taと同様であることより、各部の詳細な動作の説明は省略する。
これに対して、RFIDリーダ装置では、RFIDタグTbからの応答波(ID信号)を受信すると、前述のRFIDタグTaの場合と同様に、制御部1が掃引(除外掃引)をいったん停止し(送信は継続)、応答波が得られた時の周期性信号の周波数を特定し、この周波数を特定周波数としてメモリに記録する。その後、制御部1は、応答波の受信が終了すると、RFIDタグTa、Tb以外のRFIDタグを捜索するために、停止していた掃引を再開して、質問波送信処理R-T3を開始する。
以後、同様にして、特定周波数を除外した掃引を行って、他のRFIDタグの探索を継続する。
以後、同様にして、特定周波数を除外した掃引を行って、他のRFIDタグの探索を継続する。
(まとめ)
以上のように、上記構成のRFIDシステムでは、図8に示すように、RFIDリーダ装置がRFIDタグに対して、搬送波を周期性信号で変調した質問波を送信し、これに対して、RFIDタグは、上記質問波を復調して周期性信号を検出するとバックスキャッタ変調で応答波(ID信号)を送信する。なお、実際に運用される複数のRFIDタグの間には受信性能や受信環境に差があり、例えばVCO26の自走周波数に差があるため、複数のRFIDタグの間で周期性信号の検出タイミング(応答波の送信タイミング)が完全に一致することは極めてまれである。
以上のように、上記構成のRFIDシステムでは、図8に示すように、RFIDリーダ装置がRFIDタグに対して、搬送波を周期性信号で変調した質問波を送信し、これに対して、RFIDタグは、上記質問波を復調して周期性信号を検出するとバックスキャッタ変調で応答波(ID信号)を送信する。なお、実際に運用される複数のRFIDタグの間には受信性能や受信環境に差があり、例えばVCO26の自走周波数に差があるため、複数のRFIDタグの間で周期性信号の検出タイミング(応答波の送信タイミング)が完全に一致することは極めてまれである。
したがって、上記構成のRFIDシステムによれば、RFIDリーダ装置がRFIDタグへコマンドを送信したり、RFIDタグが上記コマンドを解釈しなくても、複数のRFIDタグが互いに異なるタイミングで応答波をRFIDリーダ装置に送信することができる。すなわち、RFIDタグを例えばプリントエレクトロニクス技術を採用してCPUを搭載しない比較的簡易な回路で構成しても、複数のRFIDタグの応答波が衝突することを抑制したシステム運用が可能である。
また上記構成のRFIDシステムでは、RFIDリーダ装置がRFIDタグの検出のために周期性信号の周波数を掃引して質問波を送信し、そして応答波の受信を開始した場合には、いったん掃引を停止する。そして、RFIDリーダ装置は、応答波の受信が終了すると、応答波が得られた上記周波数を除外した掃引によって質問波を送信するようにしている。このように応答波が得られた周波数を除外した質問波の送信を行うので、すでに応答波を送信したRFIDタグを除外した探索が行え、まだ応答波を送信していないRFIDタグを効率的に探索することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
また、例えば、上記実施の形態では、応答波を受信し、その後、質問波の送信を再開した場合に、特定の周波数を除外して掃引を行うようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、応答波を受信し、その後、質問波の送信を再開した場合に、特定の周波数を含む所定の帯域を除外して掃引を行うようにしてもよい。
1…制御部
2…ベースバンド信号処理部
3…D/A変換器
4…直交変調器
5…局部発振器
6…送信アンプ
7…サーキュレータ
8…アンテナ
10…直交検波器
11…A/D変換器
12…外部インターフェイス回路
21…アンテナ
22…検波器
23…ローパスフィルタ
24…PLL回路
25…位相比較器
27…ループフィルタ
28…ロック判定回路
29…ID送出回路
30…高周波スイッチ
31…平滑回路
2…ベースバンド信号処理部
3…D/A変換器
4…直交変調器
5…局部発振器
6…送信アンプ
7…サーキュレータ
8…アンテナ
10…直交検波器
11…A/D変換器
12…外部インターフェイス回路
21…アンテナ
22…検波器
23…ローパスフィルタ
24…PLL回路
25…位相比較器
27…ループフィルタ
28…ロック判定回路
29…ID送出回路
30…高周波スイッチ
31…平滑回路
実施形態に係るRFIDリーダ装置は、送信部と、受信部と、記憶部と、を備える。送信部は、コマンドを使用せず、搬送波を送信データに対応する信号である周期性信号で変調した質問波を、周期性信号の周波数を段階的または連続的に掃引しながら送信し、受信部は、質問波の復調信号から特定の周波数範囲の信号を検出した場合に、コマンドを解釈することなくバックスキャッタ変調で応答する、プリントエレクトロニクス型のRFIDタグからの応答波を受信し、記憶部は、周期性信号の掃引を停止した周波数を記憶する。また、送信部は、受信部が応答波の受信を開始した場合に周期性信号の周波数の掃引を停止し、その後、受信部が応答波の受信が終了した場合に掃引を再開し、掃引を再開した場合に、記憶部が記憶する周波数を除外して掃引を行う。
また、例えば、上記実施の形態では、応答波を受信し、その後、質問波の送信を再開した場合に、特定の周波数を除外して掃引を行うようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、応答波を受信し、その後、質問波の送信を再開した場合に、特定の周波数を含む所定の帯域を除外して掃引を行うようにしてもよい。
なお、以下に本願の出願当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[C1]
搬送波を周期性信号で変調した質問波を送信する送信部と、
質問波の復調信号から特定の周波数範囲の信号を検出した場合にバックスキャッタ変調で応答するRFIDタグからの応答波を受信する受信部と、
を具備するRFIDリーダ装置。
[C2]
送信部は、周期性信号の周波数を段階的または連続的に掃引しながら質問波を送信する、請求項1に記載のRFIDリーダ装置。
[C3]
送信部は、受信部が応答波の受信を開始した場合に周期性信号の周波数の掃引を停止し、その後、受信部が応答波の受信が終了した場合に掃引を再開する、請求項2に記載のRFIDリーダ装置。
[C4]
周期性信号の掃引を停止した周波数を記憶する記憶部をさらに備え、
送信部は、掃引を再開した場合に、記憶部が記憶する周波数を除外して掃引を行う、請求項2または請求項3に記載のRFIDリーダ装置。
[C5]
搬送波を周期性信号で変調した質問波をRFIDリーダ装置から受信した場合に、応答波を送信するRFIDタグであって、
受信信号を復調する検波部と、
この検波部が復調した信号から特定の周波数範囲の信号を検出する検出部と、
この検出部が信号を検出した場合に、質問波をバックスキャッタ変調して応答波を送信する送信部と
を具備するRFIDタグ。
なお、以下に本願の出願当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[C1]
搬送波を周期性信号で変調した質問波を送信する送信部と、
質問波の復調信号から特定の周波数範囲の信号を検出した場合にバックスキャッタ変調で応答するRFIDタグからの応答波を受信する受信部と、
を具備するRFIDリーダ装置。
[C2]
送信部は、周期性信号の周波数を段階的または連続的に掃引しながら質問波を送信する、請求項1に記載のRFIDリーダ装置。
[C3]
送信部は、受信部が応答波の受信を開始した場合に周期性信号の周波数の掃引を停止し、その後、受信部が応答波の受信が終了した場合に掃引を再開する、請求項2に記載のRFIDリーダ装置。
[C4]
周期性信号の掃引を停止した周波数を記憶する記憶部をさらに備え、
送信部は、掃引を再開した場合に、記憶部が記憶する周波数を除外して掃引を行う、請求項2または請求項3に記載のRFIDリーダ装置。
[C5]
搬送波を周期性信号で変調した質問波をRFIDリーダ装置から受信した場合に、応答波を送信するRFIDタグであって、
受信信号を復調する検波部と、
この検波部が復調した信号から特定の周波数範囲の信号を検出する検出部と、
この検出部が信号を検出した場合に、質問波をバックスキャッタ変調して応答波を送信する送信部と
を具備するRFIDタグ。
Claims (5)
- 搬送波を周期性信号で変調した質問波を送信する送信部と、
質問波の復調信号から特定の周波数範囲の信号を検出した場合にバックスキャッタ変調で応答するRFIDタグからの応答波を受信する受信部と、
を具備するRFIDリーダ装置。 - 送信部は、周期性信号の周波数を段階的または連続的に掃引しながら質問波を送信する、請求項1に記載のRFIDリーダ装置。
- 送信部は、受信部が応答波の受信を開始した場合に周期性信号の周波数の掃引を停止し、その後、受信部が応答波の受信が終了した場合に掃引を再開する、請求項2に記載のRFIDリーダ装置。
- 周期性信号の掃引を停止した周波数を記憶する記憶部をさらに備え、
送信部は、掃引を再開した場合に、記憶部が記憶する周波数を除外して掃引を行う、請求項2または請求項3に記載のRFIDリーダ装置。 - 搬送波を周期性信号で変調した質問波をRFIDリーダ装置から受信した場合に、応答波を送信するRFIDタグであって、
受信信号を復調する検波部と、
この検波部が復調した信号から特定の周波数範囲の信号を検出する検出部と、
この検出部が信号を検出した場合に、質問波をバックスキャッタ変調して応答波を送信する送信部と
を具備するRFIDタグ。
Priority Applications (1)
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JP2023196902A JP2024019192A (ja) | 2019-09-10 | 2023-11-20 | Rfidリーダ装置及びrfidタグ |
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Family Applications Before (1)
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- 2019-09-10 JP JP2019164709A patent/JP2021043663A/ja active Pending
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2023
- 2023-11-20 JP JP2023196902A patent/JP2024019192A/ja active Pending
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