JP2024019055A - 耐火被覆構造体、建物および外装材取付工法 - Google Patents

耐火被覆構造体、建物および外装材取付工法 Download PDF

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有吾 中村
Yugo Nakamura
智之 永吉
Tomoyuki Nagayoshi
舞人 栗田
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Abstract

【課題】木質の耐火被覆柱に対し、十分な取付部強度を確保しながら、外装材を取り付けることができる、耐火被覆構造体、建物および外装材取付工法を提供すること。【解決手段】木質柱と、木質柱の外周を覆う耐火被覆材と、耐火被覆材の外側に配された胴縁と、胴縁の外側に配された外装材と、を備え、胴縁が釘またはビスで木質柱に固定されており、外装材が釘またはビスで胴縁に固定されていることを特徴とする耐火被覆構造体。【選択図】図2

Description

本発明は、耐火被覆構造体、建物および外装材取付工法に関するものである。
近年、環境問題に対する関心の高まりに伴い、これまで鉄骨造や鉄筋コンクリート造で建設されてきた中高層ビルを木造で建設したいという要望が増えている。木造建築部材は、我が国の気候風土に適したものである一方、鉄筋コンクリートや煉瓦などに比べて耐火性能が劣るという特性がある。
特に、4階建以上の建築物は、建築基準法により耐火建築物としなければならないと規定されているため、主要構造部を耐火構造にすることが求められる。
例えば、特許文献1には、荷重を受ける長尺かつ矩形横断面の構造部と、該構造部の横断面の四方をその全長に亘って被覆する被覆部と、前記構造部と被覆部との間に層状に介在し、前記構造部に作用した荷重が被覆部に伝達されないようにする石膏ボードと、を含んで構成される木質の耐火被覆柱が提案されている。
特許第4359275号公報
しかしながら、このような耐火被覆柱に、ビス等の取付部材を用いて外装材を取り付けようとする場合、図6に示すように、特に柱の角部部分において、ビスが石膏ボード部分で行き止まり、中心の木質柱に届かず十分に固定できないという問題があった。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、本発明の目的は、木質の耐火被覆柱に対し、十分な取付部強度を確保しながら、外装材を取り付けることができる、耐火被覆構造体、建物および外装材取付工法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、耐火被覆柱に対し外装材を直接取り付けるのではなく、耐火被覆柱に固定した胴縁を介して取り付けることで上記課題を解決できることに想到し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
木質柱と、
前記木質柱の外周を覆う耐火被覆材と、
前記耐火被覆材の外側に配された胴縁と、
前記胴縁の外側に配された外装材と、を備え、
前記胴縁が釘またはビスで前記木質柱に固定されており、前記外装材が釘またはビスで前記胴縁に固定されていることを特徴とする耐火被覆構造体。
[2]
前記木質柱が角柱状であり、
前記胴縁は、前記木質柱の角部の第一の方向に沿って配される第一の胴縁と、前記第一の方向に直交する第二の方向に沿って配される第二の胴縁とを有し、
前記第一の胴縁と前記第二の胴縁とが、それらの当接部においてビスにより固定されている、[1]に記載の耐火被覆構造体。
[3]
前記木質柱が角柱状であり、
前記外装材は、前記木質柱の角部に対応して略L字形状に配されるパネルを有し、
前記胴縁が前記木質柱の角部に対応して配され、
前記パネルが釘またはビスで前記胴縁に固定されている、[1]に記載の耐火被覆構造体。
[4]
前記外装材は、前記木質柱の角部に対応して配される横断面が略L字形状のコーナーパネルと、前記木質柱の平面部に対応して配される平パネルとを有し、
前記コーナーパネルが釘またはビスで前記胴縁に固定されている、[3]に記載の耐火被覆構造体。
[5]
前記胴縁は、前記木質柱の角部の第一の方向に沿って配される第一の胴縁と、前記第一の方向に直交する第二の方向に沿って配される第二の胴縁とを有し、
横断面において、前記第一の胴縁および前記第二の胴縁は、前記コーナーパネルの一辺よりも長い、[4]に記載の耐火被覆構造体。
[6]
前記当接部は、前記第一の胴縁の表面と前記第二の胴縁の小口面とが当接して配置されており、前記当接部がビスにより固定される、[2]に記載の耐火被覆構造体。
[7]
前記外装材は軽量気泡コンクリートパネルである、[1]~[6]のいずれかに記載の耐火被覆構造体。
[8]
前記胴縁の厚みが20mm以上である、[1]~[7]のいずれかに記載の耐火被覆構造体。
[9]
[1]~[8]のいずれかに記載の耐火被覆構造体を備えた建物。
[10]
木質柱と、前記木質柱の外周を覆う耐火被覆材とを有する耐火被覆柱に外装材を取り付ける工法であって、
前記耐火被覆材の外側に胴縁を配し、該胴縁を釘またはビスで前記木質柱に固定する工程と、
前記胴縁の外側に外装材を配し、該外装材を釘またはビスで前記胴縁に固定する工程と、を有することを特徴とする耐火被覆柱への外装材取付工法。
本発明によれば、木質の耐火被覆柱に対し、十分な取付部強度を確保しながら、外装材を取り付けることができる、耐火被覆構造体、建物および外装材取付工法を提供することができる。
図1は、本発明の耐火被覆構造体の一構成例を示す写真である。 図2は、本発明の耐火被覆構造体の一構成例を示す横断面図である。 図3は、耐火被覆柱の一構成例を示す斜視図である。 図4は、耐火被覆構造体の角部を拡大して示す横断面図である。 図5は、本発明の耐火被覆構造体の他の構成例を示す横断面図である。 図6は、耐火被覆柱に外装材を取り付ける様子を示す断面図である。
以下、本発明の例示の実施の形態(以下、「本実施形態」と略記する。)について、詳細に説明する。本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。本願明細書において、各数値範囲の上限値および下限値は任意に組み合わせることができる。
なお、本明細書において、「木材」とは、木製の材料のことをいい、木材繊維を加工して形成される木質材料も含まれる。
また、本明細書において「耐火性能」の用語の意義は、建築基準法第2条および建築基準法施行令第107条に定めるものと同義である。
図1は、本発明の耐火被覆構造体の一構成例を示す写真である。図2は、本発明の耐火被覆構造体の一構成例を示す横断面図である。また、図3は、耐火被覆柱の一構成例を示す斜視図である。図4は、耐火被覆構造体の角部を拡大して示す横断面図である。
本発明の耐火被覆構造体1は、木質柱11と、木質柱11の外周を覆う耐火被覆材12と、耐火被覆材12の外側に配された胴縁2と、胴縁2の外側に配された外装材3と、を備え、胴縁2が釘またはビス5で木質柱11に固定されており、外装材3が釘またはビス6で胴縁2に固定されていることを特徴とする。
本発明の耐火被覆構造体1は、木質柱11と耐火被覆材12とを有する耐火被覆柱10に、胴縁2を介して外装材3を取り付けたものである。
本発明の耐火被覆構造体1によれば、十分な耐火性能を有する耐火被覆柱10に対し、十分な取付部強度を確保しながら、外装材3が取り付けられたものとなる。
図3は、耐火被覆柱10の一構成例を示す斜視図である。
耐火被覆柱10は、木質柱11と、木質柱11の外周を覆う耐火被覆材12とを有する。耐火被覆柱10は、さらに、耐火被覆材12の外周の少なくとも一部を覆う被覆部13を有していてもよい。
木質柱11は、荷重を支持する心部であり、柱に作用する各種荷重に応じた横断面積を有する、長尺かつ矩形横断面の角柱状に形成されている。
木質柱11は、無垢材、集成材等の木質材によって形成されている。なお、集成材は、所定寸法に切断された木材板を平行に積み重ね、合成樹脂接着剤により接着して一体化されたものである。
耐火被覆材12は、木質柱11の外周に沿って配置されており、木質柱11の側面(側周面)を全面に亘って被覆している。この耐火被覆材12は、火災時における外装材3および被覆部13等の燃焼を停止(自然鎮火)させ、木質柱11の燃焼を抑制する燃え止まり部として機能する。
耐火被覆材12は、建築基準法で規定された不燃材料、準不燃材料または難燃材料から構成されることが好ましい。
ここで、「不燃材料」としては、厚さが12mm以上の石膏ボード(ボード用原紙の厚さが0.6mm以下のもの)、厚さが5mm以上の繊維混入ケイ酸カルシウム板、厚さが3mm以上のガラス繊維混入セメント板、繊維強化セメント板などが挙げられる。
また、「準不燃材料」としては、厚さが9mm以上の石膏ボード(ボード用原紙の厚さが0.6mm以下のもの)、厚さが15mm以上の木毛セメント板、厚さが9mm以上の硬質木片セメント板(かさ比重が0.9以上のもの)、厚さが30mm以上の木片セメント板(かさ比重が0.5以上のもの)、厚さが6mm以上のパルプセメント板などが挙げられる。
また、「難燃材料」としては、厚さが5.5mm以上の難燃合板,厚さが7mm以上の石膏ボード(ボード用原紙の厚さが0.5mm以下のもの)などが挙げられる。
なお、不燃材料、準不燃材料または難燃材料として石膏ボードを用いることが好ましい。石膏ボードは、建築物で広く利用されている安価かつ耐火上信頼性の高い素材であり、耐火被覆材12を構成する材料として好適である。
耐火被覆材12の層数は、耐火被覆柱10に求められる耐火性能によって異なり、一般的に2層~4層とされる。
具体的には、例えば、耐火被覆柱10が1時間耐火構造仕様の場合、厚さ21mmの強化石膏ボード×2枚が必要とされ、2時間耐火構造仕様の場合、厚さ21mmの強化石膏ボード×3枚が必要とされ、3時間耐火構造仕様の場合、厚さ21mmの強化石膏ボード×4枚が必要とされる。
図3では、耐火被覆材12を3層有する場合を例として示しているが、耐火被覆材12の層数は、これに限定されず、1層であってもよいし、5層以上であってもよい。
耐火被覆材12は、木質柱11に作用する各種荷重が伝達されない程度の弱接合方式、具体的には、釘打、合成樹脂接着剤などで木質柱11の周囲に固定または半固定される。
被覆部13は、例えば、無垢材、集成材等の木質材によって形成されている。この被覆部13は、耐火被覆材12の外周に沿って配置されており、耐火被覆材12の側面(側周面)を一部または全面に亘って被覆している。この被覆部13によって耐火被覆材12を覆い隠すことにより、耐火被覆柱10の意匠性が高められている。
上記のような構成を有することにより、耐火被覆柱10は、十分な耐火性能を有するものとなる。
このような耐火被覆柱10としては、具体的には、例えば、株式会社シェルター製、製品名「木質耐火部材 COOL WOOD」として市販されているものが挙げられる。
そして、本発明の耐火被覆構造体1は、耐火被覆柱10に、胴縁2を介して外装材3が取り付けられたものである。 外装材3としては、軽量気泡コンクリート(以下、「ALC(autoclaved lightweight concrete)」と記載する。)のパネルを用いることができるが、外装材3として、例えば、耐火性を有する金属系や窯業系のサイディング、押出成形セメント板、木質パネル材などを用いることも可能である。
外装材3は、角柱状の耐火被覆柱10の角部に対応して略L字形状に配されるパネルを有する。
図2に示す耐火被覆構造体1では、外装材3は、角柱状の耐火被覆柱10の角部に対応して配されるコーナーパネル3aと、耐火被覆柱10の平面部に対応して配される平パネル3bとを有する。コーナーパネル3aは横断面形状が略L字形状であり、互いの辺の長さは同一であってもよいし異なっていてもよい。また、その表面は平滑であってもよいし、凹凸を有する形状であってもよい。平パネル3bは、耐火被覆柱10などと接する面(屋内側の面)が平らであればよく、屋外側の面の形状は特に限定されない。
なお、外装材としてALCパネル(窯業系のサイディング、押出成形セメント板も同様)を用いた場合、これらのパネルの端部には、一般的に、シーリングの目地加工がなされている。そのため、コーナーパネル3aを用いず、平パネル3bのみで角部を構成した場合、出隅部分にシーリングの目地加工の凹凸が現しになってしまう。コーナーパネル3aを用いることで、木質の耐火被覆柱10に対し、十分な取付部強度や耐火性能を確保しながら、目地処理部分を現しにせず外観を美しく仕上げることが可能となる。
そして、外装材3(コーナーパネル3a、平パネル3b)と耐火被覆柱10との間には、木材などで構成された胴縁2が配置されている。
胴縁2は、釘またはビスで木質柱11に固定されている。図2では、ビス5を用いて、胴縁2を木質柱11に固定した例を示している。
耐火被覆柱10の角部に対応して配される胴縁2は、角部の第一の方向(図中縦方向)に沿って配される第一の胴縁2aと、第一の方向に直交する第二の方向(図中横方向)に沿って配される第二の胴縁2bとを有する。
そして、外装材3のうちコーナーパネル3aが、釘またはビスで第一の胴縁2aおよび第二の胴縁2bに固定されている。図2に示す例では、ビス6を用いて、コーナーパネル3aを第一の胴縁2aおよび第二の胴縁2bに固定した例を示している。
図4に示すように、耐火被覆柱10の角部に対応して配される第一の胴縁2a、第二の胴縁2bの長さt3は、耐火被覆柱10の表面から木質柱11表面までの長さt2を超える長さとされる。
第一の胴縁2a、第二の胴縁2bの長さt3が、前記長さt2よりも短いと、耐火被覆柱10の角部に第一の胴縁2a、第二の胴縁2bをビス5で取り付けようとすると、ビス5が到達するのは耐火被覆材12の部分であり、木質柱11には到達しない。
そのため、耐火被覆柱10の角部に対応して配される胴縁2(第一の胴縁2a、第二の胴縁2b)の長さt3は、耐火被覆柱10の表面から木質柱11表面(被覆部13)までの長さt2を超える長さとすることで、耐火被覆柱10の角部に対応して配される第一の胴縁2a、第二の胴縁2bをビス5で木質柱11に固定することができる。
さらに、第一の胴縁2aおよび第二の胴縁2bの長さt3は、コーナーパネル3aの一辺の長さt1よりも長いことが好ましい。なお、コーナーパネル3aの一辺の長さt1は、L字形状のコーナーパネル3aの内側における長さである。
例えば、耐火被覆柱10の角部に対応して配されるコーナーパネル3aを、直接、木質柱11に固定しようとする場合、コーナーパネル3aの一辺の長さt1は、耐火被覆柱10表面から木質柱11表面までの長さt2よりも長くすることが好ましい。
しかしながら、コーナーパネル3aは辺の長さが規格されたものが標準品とされており、標準品のコーナーパネル3aでは、一辺の長さt1が、木質柱11表面から耐火被覆柱10表面(被覆部13表面)までの長さt2よりも短い場合がある。そのため、耐火被覆柱10の角部にコーナーパネル3aをビス6で取り付けようとすると、ビス6が到達するのは耐火被覆材12の部分であり、木質柱11には到達しない。
上記長さt2よりも一辺の長さが長い特別仕様のコーナーパネル3aを別途作製しようとすると、余分なコストがかかってしまう。
そこで、耐火被覆柱10の角部に対応して、胴縁2(第一の胴縁2a、第二の胴縁2b)をビス5で木質柱11に固定し、固定した胴縁2(第一の胴縁2a、第二の胴縁2b)にコーナーパネル3aをビス6で固定することで、一辺の長さが短い標準品のコーナーパネル3aであっても、木質の耐火被覆柱10に対し、十分な取付部強度を確保しながら、コーナーパネル3aを取り付けることができる。
また、特別仕様のコーナーパネル3aを作製する必要が無く、標準品のコーナーパネル3aを使用することができ、コストの増加を抑えることができる。
胴縁2(第一の胴縁2a、第二の胴縁2b)を木質柱11に固定するビス5としては、例えば、フィットビス等を用いることができる。また、外装材3(例えばコーナーパネル3a)を胴縁2に固定するビス6としては、例えば、丸ねじ等を用いることができる。
なお、第一の胴縁2aと第二の胴縁2bとは、角の部位では勝ち負けが生じる。即ち、第一の胴縁2aが、第二の胴縁2bの端部を覆うように配置される。
第一の胴縁2aと第二の胴縁2bとの勝ち負けは、この例に限定されず、出隅部において、第二の胴縁2bが、第一の胴縁2aの端部を覆うように配置されたものであってもよい。
ところで、柱の隅角部では一般部に比べ、壁を剥離させる風圧力(負圧)が強くなる。壁を剥離させる風圧力(負圧)が外装材3に作用すると、ビス等の取付け部材を介して胴縁2にもその力が作用する。その際、第一の胴縁2aと第二の胴縁2bとを引き離す力が作用する。胴縁同士が引き離されると、外装材3のL字形状のコーナーパネル3aの入隅部にひび割れが生じパネルの強度が低下することや、パネル間目地においてクリアランスを広げようとすることで、充填されているシーリング材に負荷が生じるおそれがある。
そこで、本実施形態においては、第一の胴縁2aと第二の胴縁2bとの当接部は、第一の胴縁2aの表面と第二の胴縁2bの小口面とが当接して配置されており、この当接部がビス8により固定される。このように一方の表面から他方の小口面に貫通するようにビス8により羅着されていることが好ましい。これにより、第一の胴縁2aと第二の胴縁2bとの一体性を高めて、胴縁同士が引き離されないようにすることができる。その結果、木質の耐火被覆柱10に対し十分な取付部強度を確保することができ、耐火被覆構造体1の耐火性能や耐風圧性能を向上することができる。
第一の胴縁2aと第二の胴縁2bとを羅着するビス8としては、例えば、頭径4mm程度、ネジ部長さ20mm以上のコーススレッドを用いることが好ましい。これにより、耐風圧性能を向上することができる。
また、胴縁2(第一の胴縁2a、第二の胴縁2b)の厚みは、20mm以上であることが好ましい。
これにより、耐火被覆構造体1の耐風圧性能を向上することができる。また、胴縁2の厚みを20mm以上にすることで、胴縁2を重ねることなく、外装材3を保持することが可能となる。胴縁2の厚みが20mm未満であると、外装材3を、石膏ボード4を介してあるいは直接に、胴縁2に固定している釘またはビス5の引き抜き力が弱くなり、耐風圧性能を十分に確保することができない。胴縁2の厚みの上限は特に限定されないが、例えば30mm以下であることが好ましい。
外装材3のうち平パネル3bは、釘またはビスで、木質柱11に固定されている。図2に示す例では、ビス7を用いて、平パネル3bを木質柱11に固定した例を示している。これにより、平パネル3bについての十分な固定強度を確保することができる。
なお、ビス7が木質柱11に到達していない場合でも、取付部の強度を得ることはできる。
外装材3(平パネル3b)を木質柱11に固定するビス6としては、例えば、コーススレッド等を用いることができる。
なお、図2に示す例では、胴縁2と外装材3との間に石膏ボード4が配されている。これにより、耐火被覆構造体1は、耐火性能により優れたものとなる。
また、胴縁2は、一枚板で構成されたものであってもよいが、複数枚に分割されたものを用いてもよい。これにより、胴縁2の構成材料を節約することができる。分割された胴縁2を用いる場合、胴縁2は、外装材3の取付位置に対応して配される。
また、分割された胴縁2を用いることで、胴縁2の隙間、すなわち、外装材3(石膏ボード4が配されている場合には、石膏ボード4)、耐火被覆柱10および胴縁2で囲まれた空間が通気層9となり、柱の鉛直方向への通気を確保することができる。
図5は、本発明の耐火被覆構造体の他の構成例を示す横断面図である。
上述した実施形態では、外装材3は、角柱状の耐火被覆柱10の角部に対応して配されるコーナーパネル3aと、耐火被覆柱10の平面部に対応して配される平パネル3bとを有していたが、図5に示す耐火被覆構造体1では、外装材3が、コーナーパネルがなく、角柱状の耐火被覆柱10の角部に対応して略L字形状に配された平パネル3bのみで構成されている。
そして、外装材3は、特に、耐火被覆柱10の角部では、胴縁2(第一の胴縁2a、第二の胴縁2b)をビス5で固定し、固定した胴縁2(第一の胴縁2a、第二の胴縁2b)に平パネル3bをビス6で固定することで、外装材3についての十分な固定強度を確保することができる。
また、第一の胴縁2aと第二の胴縁2bとが、それらの当接部においてビス8により羅着されていることで、第一の胴縁2aと第二の胴縁2bとの一体性を高めて、木質の耐火被覆柱10に対し十分な取付部強度を確保することができ、耐火被覆構造体1の耐火性能や耐風圧性能を向上することができる。
外装材3は、角の部位では勝ち負けが生じる。即ち、出隅部では、角部の第一の方向(図中縦方向)に沿って配される平パネル3bが、第一の方向に直交する第二の方向(図中横方向)に沿って配される平パネル3bの端部を覆うように配置される。
平パネル3bの勝ち負けは、この例に限定されず、出隅部において、第二の方向に沿って配される平パネル3bが、第一の方向に沿って配される平パネル3bの端部を覆うように配置されたものであってもよい。
なお、出隅部又は入隅部のパネル間目地等においてクリアランスを設ける場合には、目地に充填されるシーリング材、バックアップ材に加えて、バックアップ材の目地奥側に耐火目地材を充填するか、不燃系のバックアップ材を使用することが好ましい。
耐火目地材としては、次の(1)~(3)、またはそれらと同等の伸縮性及び防耐火性能を有する材料が挙げられる。
(1) JIS A9504:2017(人造鉱物繊維保温板)に適合するロックウール保温板
(2) JIS R3311:2008(セラミックファイバーブランケット)に適合するセラミックファイバーブランケット
(3) 上記(1)(2)と同等の防耐火性能を有するアルカリアースシリケートウール(AES)ブランケット
上述してきたような本実施形態の耐火被覆構造体1において、外装材3(コーナーパネル3a、平パネル3b)に、耐火柱の外装材として一般的な木材や木質材ではなく、より比重の高いALCパネルを使用した場合、木質柱11とビス6の取付部やビス自体が負担する荷重は大きくなる。特に、木質柱11から外装材3の面外方向の距離が長くなると、その傾向が大きくなる。
胴縁2を面外方向に重ねることなく、胴縁2の厚みを、ALCパネルを支持するための最低厚みで(例えば、20mm以上)、胴縁2を木質柱11に固定し、外装材3(コーナーパネル3a、平パネル3b)を胴縁2にビス6で固定する構成とすることで、可能な限り、木質柱11から外装材3の面外方向の距離を短くして、取付部やビスにかかる荷重を抑えることができる。また、耐火性能に優れるALCパネルを用いることで、防耐火1時間以上の優れた耐火被覆構造体を提供できる。
これにより、本実施形態の耐火被覆構造体1では、外装材3として、例えば、比重が350kg/m~700kg/mであり、厚みが35mm~75mmであるようなALCパネルを使用することができる。
上述した説明では、耐火被覆構造体1において、外装材3と胴縁2との間に石膏ボード4が配されている場合を例に挙げて説明したが、石膏ボード4は無くても構わない。
また、胴縁2と石膏ボード4との順番は逆であっても構わない。すなわち、耐火被覆柱10と外装材3との間に石膏ボード4が配され、石膏ボード4と外装材3との間に胴縁2が配された構成であってもよい。
上述してきたような本発明の耐火被覆構造体1は、建物の柱として用いられることは勿論のこと、壁面など建物の少なくとも一部を構成する構造体として用いられてもよい。
また、本発明の効力は、上述した耐火被覆構造体1を備えた建物にも及ぶものとする。
さらに、本発明は、耐火被覆柱10への外装材取付工法も提供する。
本発明の耐火被覆柱10への外装材取付工法は、木質柱11と、木質柱11の外周を覆う耐火被覆材12とを有する耐火被覆柱10に外装材3を取り付ける工法であって、
耐火被覆柱10の外側に胴縁2を配し、胴縁2を釘またはビス5で木質柱11に固定する工程と、
胴縁2の外側に外装材3を配し、外装材3を釘またはビス6で胴縁2に固定する工程と、を有する。
本発明の工法によれば、十分な耐火性能を有する、木質の耐火被覆柱に対し、十分な取付部強度を確保しながら、外装材3を取り付けることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこのような実施形態に限定されるものでなく、一実施形態および各種の変形例を適宜組み合わせて用いてもよいし、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
本発明による耐火被覆構造体を用いることで、十分な強度で外装材が取り付けられたものとなり、耐火建築物における柱、壁等の構造体として広く利用することができる。
1 :耐火被覆構造体
2 :胴縁
2a :第一の胴縁
2b :第二の胴縁
3 :外装材
3a :コーナーパネル
3b :平パネル
4 :石膏ボード
5 :ビス
6 :ビス
7 :ビス
8 :ビス
9 :通気層
10 :耐火被覆柱
11 :木質柱
12 :耐火被覆材
13 :被覆部

Claims (10)

  1. 木質柱と、
    前記木質柱の外周を覆う耐火被覆材と、
    前記耐火被覆材の外側に配された胴縁と、
    前記胴縁の外側に配された外装材と、を備え、
    前記胴縁が釘またはビスで前記木質柱に固定されており、前記外装材が釘またはビスで前記胴縁に固定されていることを特徴とする耐火被覆構造体。
  2. 前記木質柱が角柱状であり、
    前記胴縁は、前記木質柱の角部の第一の方向に沿って配される第一の胴縁と、前記第一の方向に直交する第二の方向に沿って配される第二の胴縁とを有し、
    前記第一の胴縁と前記第二の胴縁とが、それらの当接部においてビスにより固定されている、請求項1に記載の耐火被覆構造体。
  3. 前記木質柱が角柱状であり、
    前記外装材は、前記木質柱の角部に対応して略L字形状に配されるパネルを有し、
    前記胴縁が前記木質柱の角部に対応して配され、
    前記パネルが釘またはビスで前記胴縁に固定されている、請求項1に記載の耐火被覆構造体。
  4. 前記外装材は、前記木質柱の角部に対応して配される横断面が略L字形状のコーナーパネルと、前記木質柱の平面部に対応して配される平パネルとを有し、
    前記コーナーパネルが釘またはビスで前記胴縁に固定されている、請求項3に記載の耐火被覆構造体。
  5. 前記胴縁は、前記木質柱の角部の第一の方向に沿って配される第一の胴縁と、前記第一の方向に直交する第二の方向に沿って配される第二の胴縁とを有し、
    横断面において、前記第一の胴縁および前記第二の胴縁は、前記コーナーパネルの一辺よりも長い、請求項4に記載の耐火被覆構造体。
  6. 前記当接部は、前記第一の胴縁の表面と前記第二の胴縁の小口面とが当接して配置されており、前記当接部がビスにより固定される、請求項2に記載の耐火被覆構造体。
  7. 前記外装材は軽量気泡コンクリートパネルである、請求項2に記載の耐火被覆構造体。
  8. 前記胴縁の厚みが20mm以上である、請求項1に記載の耐火被覆構造体。
  9. 請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の耐火被覆構造体を備えた建物。
  10. 木質柱と、前記木質柱の外周を覆う耐火被覆材とを有する耐火被覆柱に外装材を取り付ける工法であって、
    前記耐火被覆材の外側に胴縁を配し、該胴縁を釘またはビスで前記木質柱に固定する工程と、
    前記胴縁の外側に外装材を配し、該外装材を釘またはビスで前記胴縁に固定する工程と、を有することを特徴とする耐火被覆柱への外装材取付工法。
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