JP2024019048A - 静的シールおよび該静的シールを組み込んだ駆動輪ハブアセンブリ - Google Patents

Abstract

【課題】組付が簡単で、フェイススプライン式の連結部とフェイススプライン式でない連結部のいずれにも使用されるように意図された静的シールを提供する。【解決手段】ハブ輪（１２）、トルク変換器（１４）、およびハブ輪（１２）に焼き嵌めされているとともにハブ輪（１２）の後側端部（４２）を形成する鍔部（３２）によって軸方向に保持された内輪（３０）を具備する駆動輪ハブアセンブリ（１０）用の、環状の静的シール（４８）は、取付位置において、ハブ輪（１２）とハブ輪（１２）の後側端部（４２）に設置されたトルク変換器（１４）との連結部における環状の外周縁部（４６）を覆うように構成されている。静的シール（４８）は、基準軸心（２００）側に径方向に突出しているとともに当該静的シール（４８）をハブ輪（１２）に弾性的に留め固定する、弾性変形可能な環状の留め固定部（５０）を備える。【選択図】図２

Description

本発明は、ハブ輪とトルク変換器とを備える駆動輪ハブアセンブリに関し、より詳細には、ハブ輪とトルク変換器との連結部の保護に関する。

駆動輪ハブアセンブリでは、ハブ輪が、車輪支持体に機械的に固定された転がり軸受によって回転案内される。自動車の伝動装置に由来する回転運動を駆動輪に伝えるため、ハブは、大概の場合、２組のスプライン同士の相互貫通によってトルク変換器とともに回転するように拘束されている。

以降、本明細書では、車輪ハブアセンブリの回転軸心および該軸心に沿った向きについて前、後という言い方をするが、それぞれ、ハブ輪に車輪が装着されている側（車外側）、伝動装置がトルク変換器に接続されている側（車内側）に相当する。

駆動輪ハブ－トルク変換器同士は、連結部、すなわち、相互接触領域にて回転固定で接続されるものであり、同連結部は、長手方向に延びる部位、および車輪ハブアセンブリの回転軸心を基準として径方向に延びる部位を有し得る。同連結部は、ハブ輪およびトルク変換器のうちの、互いに突き合わされる各々の部分に形成された、フェイススプライン一式または径方向スプライン一式からなり得る。スプラインの歯面がスプラインの歯底から径方向に突出したものである場合には「径方向」スプラインと称され、各スプラインの歯底が共通の円筒上に略位置して長手方向に延在しているものが良いとされる。スプラインの歯面がスプラインの歯底から軸方向に突出したものである場合には「フェイス」スプラインと称され、各スプラインの歯底が回転軸心と直交する共通の平面上または回転軸心を中心とした略円錐台形状もしくは略トロイド状の共通の面上に略位置して径方向に延在しているものが良いとされる。ハブ輪は、トルク変換器側の「後側」輪と言われる内輪を含む単列または複列以上の転動体付きの転がり軸受によって車輪支持体に機械的に連結される。

説明するどの形態においても、トルク変換器と環状のハブとの連結部における径方向の外周縁部は、トルク変換器の長手方向後側端部のうちの、転がり軸受の後側内輪近傍の箇所に位置しているのが好ましいとともに、例えば圧造加工等でハブの長手方向インナ側端部に形成されたビーズ状の肉厚部により、当該後側内輪から隔てられている場合がある。連結部がフェイススプラインを含むものである場合、同スプラインはこの径方向の外周縁部にまで延在し得ることとなり、その場合、当該径方向の外周縁部はスプライン付きの外形となる。フェイススプラインがない場合の連結部における径方向の外周縁部は、円形状となり得る。フェイススプラインがある場合の周縁部は、スプライン同士の収まり合いが不完全になって隙間を生じることがある。

ところが、駆動輪ハブアセンブリは極めて露出した場所となることから、車輪や道路からの飛散物に駆動輪ハブアセンブリの構成品が曝されてしまう。そのため、フェイススプライン式の連結部に関連する先行技術では、連結部における外周縁部を覆ってスプラインを汚染物の侵入から保護するための静的シールを設けることが推奨されている。先行技術でのこのような静的密封装置は、後側転がり軸受の内輪に機械的に接続された静的シールによって構成される。この後側転がり軸受は、さらに、その内輪と外輪との間のトルク変換器側に挿設された例えばカセットシール等の動的シールによって保護される。また、この後側軸受の内輪には、通常、アキシャル型のエンコーダが取り付けられる。

この構成では、狭い領域に多数の部品を取り付けることになるだけでなく、複雑な形状の金属製の補強材に大抵オーバーモールド成形されて組み付けられてなる可撓性の部品を備える、複雑な形状の静的シールが必要となる。

このような複合型の静的密封装置として、EP 2 042 755 A1（特許文献１）およびUS 2011/077089 A1（特許文献２）には、ハブ輪の後側端部のフェイススプラインとトルク変換器の前面のフェイススプラインとの間に形成された隙間を覆うことが可能な静的密封装置が記載されている。これら複合型の静的密封装置は、ハブ輪の転がり軸受の内輪の後面に圧接することが可能な軸方向密封面、およびトルク変換器の球根状延設部の周縁部に圧接することが可能な径方向密封面を有している。

先行技術の静的シールは、一般的に、内輪やトルク変換器に焼き嵌めされるものであり、製造公差や取付公差が狭いために製造・組付コストが高くなる。

また、フェイススプラインがない場合のトルク変換器－ハブ輪間の連結部の保護については、恐らく、このような保護が不要と思われるとの理由から何ら推奨されていない。しかし、フェイススプラインや径方向スプラインのどちらであるのかにかかわらず、あらゆる連結部において腐食のリスクは確認されており、車両が稼働している最中の微小摩擦や異音の原因になると疑われている。

欧州特許出願公開第２０４２７５５号明細書 米国特許出願公開第２０１１／０７７０８９号明細書

本発明の目的は、特に、組付が簡単で、フェイススプライン式の連結部とフェイススプライン式でない連結部のいずれにも使用されるように意図された静的シールを提案することによって先行技術の短所の一部または全部を改善することである。

この目的のため、本発明は、第１の態様において、ハブ輪、トルク変換器、および前記ハブ輪に焼き嵌めされているとともに前記ハブ輪の後側端部を形成する鍔部によって軸方向に保持された内輪を具備する駆動輪ハブアセンブリ用の、取付位置において前記ハブ輪と前記ハブ輪の前記後側端部に設置された前記トルク変換器との連結部における環状の外周縁部を覆うように構成されて基準軸心を規定する、環状の静的シールであって、前記取付位置において、前記トルク変換器に形成された後側の静的シール座部に環状で継続的に圧接するように構成された、少なくとも１つの後側密封面と、前記取付位置において、前記ハブ輪の前記鍔部、前記内輪または前記内輪に取り付けられたデフレクタもしくはエンコーダに形成された前側の静的シール座部に環状で継続的に圧接するように構成された、少なくとも１つの前側密封面と、を備える、環状の静的シールに関する。本発明に係る静的シールは、さらに、弾性変形可能な環状の留め固定部、を備え、同留め固定部は、前記基準軸心側に径方向に突出しており、当該静的シールを前記内輪に向かって軸方向に動かして前記ハブ輪の前記鍔部を通過させた際に弾性的に押し潰れることによって前記取付位置へと移行し、前記取付位置において前記内輪の横方向面と前記ハブ輪の前記鍔部のうちの前記内輪に向いた面との軸方向の間に配置されるとともに、当該静的シールを前記ハブ輪に弾性的に留め固定することが可能である。

前記取付位置において、前記留め固定部の径方向内側端部は、前記基準軸心からみて、前記ハブ輪の前記鍔部の径方向外側端部よりも近くにあり、前記静的シールが確実に軸方向に形状係止されるとともに周方向に圧入係止される。

好ましくは（請求項２）、取付前の前記基準軸心が、前記留め固定部から距離Ｄ１のところに位置するとともに、前記取付位置において前記ハブ輪の前記鍔部中の当該基準軸心から最も遠くにある部分と径方向に対向して配置されるように意図された、前記静的シール中の遷移部から距離Ｄ２のところに位置しており、Ｄ２－Ｄ１＞２ｍｍ；Ｄ２－Ｄ１＞５ｍｍ；Ｄ２－Ｄ１＜８ｍｍ；およびＤ２－Ｄ１＜１０ｍｍ；のうちの１つ以上の寸法的特徴が実現されている。

これらの寸法により、簡単な取付および効果的な留め固定が確実なものになる。定められた範囲中の下限値では、取付力を抑えることが可能になるとともに、前記静的シールの成形が容易になる場合がある。値を大きくすることで、取付や係止がより効果的なものになるとは限らない。

一実施形態において、前記静的シールは、さらに、前記留め固定部と前記後側密封面のうちの一つの後側密封面とを繋ぎ、かつ、前記取付位置において前記ハブ輪と前記トルク変換器との前記連結部における前記外周縁部を覆うように構成された、中間部、を備える。

極めて有利な一実施形態において、前記中間部は、スリーブであり得て、かつ、前記前側密封面と前記後側密封面とを機械的に分断させることで、稼働時の動的応力により引き起こされる前記トルク変換器－前記ハブ輪間の相対運動によって前記留め固定部の接触が失われるようなことが確実になくなるように、前記留め固定部よりも著しく低い曲げ・ねじり剛性を有する。同じ理由で、前記中間部は、前記後側密封面が形成されている後側密封部よりも著しく低い曲げ・ねじり剛性を有する。

一実施形態において、前記中間部は、前記取付位置において、前記前側密封面のうちの一つの前側密封面または前記後側密封面のうちの一つの後側密封面と共同で、前記ハブ輪と前記トルク変換器との前記連結部における前記外周縁部を取り囲む環状の密封空間を画定しており、当該環状の密封空間が、例えば３００ｍｍ^３超、好ましくは１０００ｍｍ^３超、かつ、例えば２０００ｍｍ^３未満、好ましくは１５００ｍｍ^３未満である。

前記後側密封面の構成としては、様々なものが想定され得る。好ましくは、下記の構成のうちの少なくとも一つが実現されている：
－前記後側密封面のうちの一つの後側密封面が、前記取付位置において前記トルク変換器に形成された円筒状の後側の静的シール座部に径方向に圧接するように構成されている；
－前記後側密封面のうちの一つの後側密封面が、前記取付位置において前記トルク変換器に形成された平坦な後側の静的シール座部に軸方向に圧接するように構成されている；
－前記後側密封面のうちの一つの後側密封面が、前記取付位置において前記トルク変換器に形成された円錐台形状の後側の静的シール座部に圧接するように構成されている；
－前記後側密封面のうちの一つの後側密封面が、前記取付位置において前記トルク変換器に形成された後側の静的シール座部に圧接するように構成された密封リップによって形成されており、好ましくは、当該密封リップが、前記トルク変換器側に向けて収束する外形部を有する。

前記静的シールの少なくとも１種の構成材料は、特に、留め固定だけでなく前記前側密封面および後側密封面のシール形成のためにも、弾性変形が可能なものである必要がある。一実施形態において、前記静的シールは、さらに、本体部、を備え、同本体部は、プラスチック系材料、例えば、エラストマー系材料、熱可塑性材料等からなり、かつ、前記留め固定部、好ましくは、前記留め固定部と前記前側密封面のうちの少なくとも一つの前側密封面および／または前記後側密封面のうちの一つの後側密封面と、を少なくとも部分的に形成している。

必要に応じて、前記本体部よりも高剛性の材料からなる補強材が設けられ得る。特には、下記の配置構成のうちの一つが設けられ得る：
－前記高剛性の補強材が、前記取付位置において前記トルク変換器に焼き嵌めされるように構成されている；
－前記高剛性の補強材が、前記後側密封面を囲繞している；
－前記高剛性の補強材が、前記留め固定部を囲繞している；
－前記高剛性の補強材が、エンコーダ、特には、磁気式または光学式のエンコーダを構成している；
－前記高剛性の補強材が、エンコーダ、特には、磁気式または光学式のエンコーダを保持している。

前記静的シールには、さらなる機能が振り当てられていてもよい。具体的に述べると、前記静的シールは、さらに、
－径方向外方に突出しており、かつ、車輪支持体に強固に連結して前記取付位置において当該静的シール近傍に配置される相補的な要素と突き合わされることが可能な、バッフル装置、および／または
－エンコーダ、特には、磁気式もしくは光学式のエンコーダ、
を備えることが可能である。

前記前側シールには、様々な変形例が想定される：
－前記前側密封面のうちの一つの前側密封面が、前記留め固定部に形成されており、かつ／あるいは
－前記前側密封面のうちの一つの前側密封面が、前記取付位置において、前記鍔部のうちの前記内輪側に向いた面に環状で連続的に圧接するように構成されており、かつ／あるいは
－前記前側密封面のうちの一つの前側密封面が、前記取付位置において、前記鍔部のうちの前記基準軸心とは反対側に向いた面に環状で連続的に圧接するように構成されている。

また、前側のシールによって前記内輪と前記ハブ輪の前記鍔部との接触連結部を保護するのが望ましい場合もある。したがって、本発明の一実施形態では、前記前側密封面のうちの一つの前側密封面が、前記取付位置において、前記内輪または前記内輪に取り付けられたデフレクタもしくはエンコーダに環状で継続的に圧接するように構成されており、好ましくは、下記の構成のうちの一つ以上が実現されている：
－前記前側密封面のうちの一つの前側密封面が、前記取付位置において、前記内輪または前記内輪に取り付けられたデフレクタもしくはエンコーダに形成された円筒状の前側の静的シール座部に径方向に圧接するように構成されている；
－前記前側密封面のうちの一つの前側密封面が、前記取付位置において、前記内輪または前記内輪に取り付けられたデフレクタもしくはエンコーダに形成された平坦な前側の静的シール座部に軸方向に圧接するように構成されている；
－前記前側密封面のうちの一つの前側密封面が、前記取付位置において、前記内輪または前記内輪に取り付けられたデフレクタもしくはエンコーダに形成された尖ったまたは尖っていない縁部に圧接するように構成されている；
－前記前側密封面のうちの一つの前側密封面が、前記取付位置において前記輪または前記内輪に取り付けられたデフレクタもしくはエンコーダに形成された前側の静的シール座部に圧接するように構成された前側の密封リップによって形成されている。

当然ながら、前記内輪のシールと前記ハブ輪の鍔部のシールは合体されてもよい。つまり、一実施形態では、前記前側密封面のうちの一つ以上の前側密封面が、前記取付位置において前記内輪または前記内輪に取り付けられたデフレクタもしくはエンコーダに形成された第１の前側の静的シール座部に圧接するように構成された少なくとも１つの第１の前側密封面と、前記取付位置において前記ハブ輪の前記鍔部に形成された前側の静的シール座部に圧接するように構成された第２の前側密封面と、を含む。

本発明は、他の態様において、ハブ輪と、トルク変換器と、前記ハブ輪に焼き嵌めされているとともに前記ハブ輪の後側端部を形成する鍔部によって軸方向に保持された内輪と、取付位置に配置されており、基準軸心が前記ハブ輪の回転軸心と合致している上述の静的シールと、を備え、前記ハブ輪と前記トルク変換器が、前記ハブ輪の前記後側端部に、環状の外周縁部を含む連結部を有している、駆動輪ハブアセンブリに関する。

一実施形態において、前記トルク変換器は、前記ハブ輪に形成されて前記ハブ輪の前記後側端部から軸方向に距離を空けて設けられたスプライン・径方向リブ一式と突き合わされたスプライン・径方向リブ一式を含む。好ましくは、前記ハブ輪は、前記トルク変換器における平坦、トロイド状または円錐台形状である環状の接触面と面接触する平坦、トロイド状または円錐台形状である環状の後側接触面を有しており、前記ハブ輪の前記後側接触面と前記トルク変換器の前記環状の接触面の外周に、前記外周縁部が形成されている。一実施形態では、前記トルク変換器が、前記ハブ輪の前記後側端部に形成されたフェイススプライン一式に突き合わされたフェイススプライン・リブ一式を含む。

適宜、前述した環状の密封空間には、少なくとも部分的に液体またはペースト状である製品、例えば、潤滑剤、液体またはペースト状の潤滑剤を含有した多孔質高分子マトリクスを含む物質等、が充填されている。

本発明のさらなる他の態様では、上述の静的シールを取り付ける方法が、次のようにして行われる：まず、前記密封スリーブが前記トルク変換器の球根状延設部に嵌合させられた後、当該密封スリーブの前側端部が前記内輪の後面に圧接するまで、前記トルク変換器が前記ハブ輪に近付けられる。

本発明のさらなる他の態様では、上述の静的シールを取り付ける方法が、次のようにして行われる：まず、前記シールの前記環状の留め固定部が前記ハブ輪に取り付けられた後、前記トルク変換器が前記ハブ輪に近付けられて前記シールに嵌め付けられる。

本発明のその他の特徴および利点は、本発明の各種態様の、本発明を限定しない例示的な実施形態についての以下の説明で、はっきりする。

本説明では添付の図面を参照するが、同図面も、本発明の、本発明を限定しない例示的な実施形態により与えられるものである。

本発明の第１の実施形態に係る静的シールが備え付けられた駆動輪ハブアセンブリの長手方向断面図である。 図１の詳細図である。 本発明の第２の実施形態に係る静的シールが備え付けられた駆動輪ハブアセンブリの詳細図である。 本発明の第３の実施形態に係る静的シールが備え付けられた駆動輪ハブアセンブリの詳細図である。 本発明の第４の実施形態に係る静的シールが備え付けられた駆動輪ハブアセンブリの詳細図である。 本発明の第５の実施形態に係る静的シールが備え付けられた駆動輪ハブアセンブリの詳細図である。 本発明の第６の実施形態に係る静的シールが備え付けられた駆動輪ハブアセンブリの詳細図である。

分かり易くするために、同一または同様の構成要素には、全ての図をとおして同一の参照符号を付している。

図１に、いずれも鋼製であるハブ輪１２とトルク変換器１４とを備えた駆動輪ハブアセンブリ１０を示す。ハブ輪１２は、車輪のリムおよびブレーキディスク（図示せず）を留め固定するためのフランジ１６を有しているとともに、転がり軸受２０により、回転軸心１００を中心として車輪支持体１８に対して回転案内される。車輪支持体１８は、サスペンション（図示せず）を介して自動車のシャーシの一部に接続されている。再度述べるが、前、後とは、慣習に従い、それぞれ、回転軸心１００に沿った車外側（図１の左側）、車内側（図１の右側）のことを指す。

図面に例示する転がり軸受２０は、複列２２の転動体２４（本例では、ボール）を含むものであるのが好ましく、単一の外輪２７に２つの外側軌道２６が形成されているとともに、２つある内側軌道２８のうち、一方が本例ではハブ輪１２に直接形成されているのに対し、他方が内輪３０に形成されている。内輪３０は、ハブ輪１２に取り付けられている（本例では、ハブ輪１２に焼き嵌めされている）ほか、当該ハブ輪のうちの、例えば圧造加工等によって形成された鍔部３２により、軸方向が固定されている。図示しない変形例として、前側の内輪軌道２８は、付設された輪に形成されたものであってもよい。外側軌道２６は、２つの別々の輪に形成されたものであってもよい。軌道２６，２８の配置形態は、例えば、「Ｏ」形態であっても「Ｘ」形態であってもよい。転動体２４は、円錐状の又は円筒状のボール又はころであり得て、また、列２２ごとに寸法や形状が異なっていてもよい。好ましくは、転がり軸受２０に、密封装置３３が備え付けられている。密封装置３３は、適宜、カセットシールであり得て、また、内輪３０に取り付けられたデフレクタ３３２を含み得る。同デフレクタは、場合によって、適宜、車輪支持体１８に対して固定されているセンサ（図示せず）に角度方向の又は絶対的な位置又は変位の信号を供給するように構成されたエンコーダ３３４、好ましくは、磁気式または光学式のエンコーダを組み込んでなるものとされる。

トルク変換器１４は、球根状部片３４によって形成されている。球根状部片３４の前方には、突設部３６が延出している。突設部３６の円筒状の周縁部には、スプライン・径方向リブ３８一式が形成されており、ハブ輪１２における管状で且つ貫通した又は有底の凹入部の内周縁部に形成されたスプライン・相補的なリブ４０一式と係合している。これら径方向のスプライン３８は、トルク変換器１４からの駆動トルクを、ハブ輪１２およびハブ輪１２に保持された駆動輪に伝える機能を果たす。

ハブ輪１２の後側端部４２は、前記トルク変換器のうちの対応する肩部４４に圧接することになる、鍔部３２の後面（好ましくは、平坦である）で構成されている。

図示しない一変形例では、原動機のトルクが、さらに、鍔部３２の後面４２とトルク変換器１４のうちの対応する肩部４４とに形成された２組のフェイススプライン・リブ同士の協働によっても伝えられ得る。スプライン・径方向リブ３８，４０の一式同士が、必要に応じて、これら２組のフェイススプライン・リブと置き換えられていてもよい。トルク変換器１４－ハブ輪１２同士の恒久的な回転接続は、その他の手段で実現されてもよい。後面４２の形状と前記トルク変換器のうちの対応する面４４の形状は別のものに変更されてもよく、また、相補的であっても相補的でないものであってもよい。

想定されるどの構成においても、トルク変換器１４とハブ輪１２との接触連結部における外周縁部４６は、本発明に係る静的シール４８で保護されるのが望ましい。図２～図７に、静的シール４８の例示的な各種実施形態を示す。

図２に、第１の例示的な実施形態の静的シール４８を示す。静的シール４８は、基準軸心２００を中心として回転対称となっている。シール４８取付の時点で、基準軸心２００は、車輪ハブアセンブリ１０の回転軸心１００と合致する。車輪ハブアセンブリ１０に対して与えた前後の向きを当てはめると、シール４８は、当該シールが取り付けられた際に内側軌道２８側・ハブ輪１２のフランジ１６側の軸方向に向くことになる前側端部と、当該シールが取り付けられた際にトルク変換器１４の球根状部片３４に面することになる後側端部との間に配向される。この配向で、静的シール４８は、前部４８１、後部４８２、および前部４８１と後部４８２とを繋ぐ中間部４８３を備える。

とりわけ、静的シール４８の前部４８１は、弾性変形可能な環状の留め固定部５０を含む。留め固定部５０は、基準軸心２００側に径方向に突出しているとともに、取付位置において静的シール４８をハブ輪１２に弾性的に留め固定することで、内輪３０の横方向面５２と鍔部３２のうちの内輪３０側に向いた面５４との軸方向および径方向の間に配置される。

基準軸心２００－留め固定部５０間の最短距離Ｄ１を、留め固定部５０の後側に直に隣接するとともに鍔部３２のうちの同基準軸心から最も遠くにある部分を接触ありで又は好ましくは非接触で覆うように意図された静的シール４８中の遷移部５５－基準軸心２００間の最短距離Ｄ２と比較することで、留め固定部５０からなる径方向突出の規模の程度を表すことが可能である。適切な取付を確実なものにするには、Ｄ２－Ｄ１が２ｍｍ超または５ｍｍ超とされるのが好ましい。組付の妨げとならないようにするには、Ｄ２－Ｄ１が１０ｍｍ未満、実用的には８ｍｍ未満とされるのが好ましい。

静的シール４８は弾性を有しているため、当該静的シール４８を前方へと軸方向に動かしてハブ輪１２の鍔部３２を通過させると、留め固定部５０が基準軸心２００とは反対側に動いて弾性的に押し潰れることから、当該留め固定部５０を取付位置へと移行させることが可能となっている。

本例では、前記前部が、内輪３０またはハブ輪１２の鍔部３２に形成された静的シール座部にそれぞれ圧接するように意図された前側密封面を３つ含んでいる。第１の密封面５６は、内輪３０の外縁と準線接触し且つ／或いは密封装置３３のデフレクタ３３２またはエンコーダ３３４と適宜準線接触し得る密封リップにより形成されているのに対し、残りの２つの密封面５８，６０については、一方が内輪３０に面接触（平坦接触）して他方が鍔部３２に面接触（円錐台形状接触）する。

本例では、前記後部が、取付位置においてトルク変換器１４に形成された円筒状の静的シール座部に圧接する密封リップ６２を含んでいる。

取付位置において、中間部４８３は、前側密封面６０および後側密封面６２と共同で、ハブ輪１２とトルク変換器１４との連結部における外周縁部４６を取り囲む環状の密封空間３００を画定する。好ましくは、同空間は、５００ｍｍ^３超ないし２０００ｍｍ^３未満である。適宜、同空間には、ハブ輪１２の後面４２とトルク変換器１４の肩部４４での前記連結部の酸化を遅らせる目的で、あるいは、同酸化が外周縁部４６から径方向スプライン３８，４０側にも広がると考えた場合には、さらに広い範囲の酸化を遅らせる目的で、少なくとも部分的に液体または半固体である製品、例えば、潤滑剤、液体またはペースト状の潤滑剤を含有した多孔質高分子マトリクスを含む物質等、が充填され得る。

本例では、中間部４８３がスリーブおよび鍔４８４を含み、鍔４８４は、径方向外方に突出しており、車輪支持体１８に対して固定されて静的シール４８近傍に配置された相補的な要素１８４（図１）と突き合わされることにより、バッフル、場合によっては、バッフルおよび非接触の動的シールを形成するように意図されたものである。図示しない変形例として、鍔４８４の場所は変更されてもよく、必要に応じて、シール４８の後部４８２および前部４８１のいずれに設置されてもよい。

図３の実施形態のシール４８は、密封鍔を有していないとともに、中間部４８３の肉厚が薄くなって曲げ剛性・ねじり剛性の低いスリーブを形成しているので、トルク変換器１４－ハブ輪１２間に相対動的微小運動が生じても、前側密封面５６，５８，６０や後側密封面６２に過剰な力が生じないよう当該シール４８の前部４８１を後部４８２から分離することが可能となっているという点で、前述のものと基本的に異なる。

本実施形態では、静的シール４８が、インサートを含まない単一物の本体部によって一体的に形成されている。

図４に示すシール４８は、当該シール４８の前記本体部の外表面に対して水平なリング状の磁気式または光学式のエンコーダ６４が追加されているという点で、前述のものと異なる。同エンコーダにより与えられる信号は、非回転側の部品、特には、車輪支持体１８に強固に連結したセンサにより読み取られて、例えば前記ハブ輪の相対的または絶対的な角度方向、角度方向変位または角度についての情報等を与えるように意図されている。

図５に示す静的シールは、当該シールに保持されたエンコーダリング６４と当該シールのエラストマー製の前記本体部に埋設された補強インサート６６とが重なり合っているという点で、前述のものと異なる。インサート６６による保持機能とエンコーダ６４により実現される角度情報の符号化機能とが切り離されていることから、適宜、補強インサート６６よりも高可撓性の材料から前記エンコーダを製作することが可能となる。

図６に示すシール４８は、留め固定部５０から軸方向に離間して当該シールのエラストマー製の前記本体部に埋設された高剛性の補強材６６（好ましくは、環状の補強材６６）が追加されているという点で、前述のものと異なる。

図７に示すシールは、補強材６６の位置が前述のものと異なり、留め固定部５０を囲繞している。

自動車の推進の種類に応じて、駆動輪ハブアセンブリ１０は、走行型車両の前輪一式、推進型車両の後輪一式、または統合走行型自動車の全車輪一式に設置される。

これまでの説明でも分かるように、本発明の各種態様は、場面に応じて、上述のものとは違った様々な構成で実施されてもよい。例えば、駆動トルクを前記ハブ輪の回転部品に伝えることのできる前記スプラインが、径方向スプライン、フェイススプラインまたは円錐台形状スプラインとされてもよいし、これらの実施形態の併用とされてもよい。

当然ながら、本発明についてのこれまでの説明は、例示に過ぎない。当業者であれば、本発明の範囲を逸脱しない範疇で、本発明の実施形態の様々な変形例を作り出すことができるという点を理解されたい。

Claims (16)

1. ハブ輪（１２）と、トルク変換器（１４）と、前記ハブ輪（１２）に焼き嵌めされた内輪であって前記ハブ輪（１２）の後側端部（４２）を形成する鍔部（３２）によって軸方向に保持された内輪（３０）とを具備する駆動輪ハブアセンブリ（１０）用の、
   取付位置において前記ハブ輪（１２）と前記ハブ輪（１２）の前記後側端部（４６）に設置された前記トルク変換器（１４）との連結部における環状の外周縁部（４６）を覆うように構成されて基準軸心（２００）を規定する、環状の静的シール（４８）であって、
   前記取付位置において、前記トルク変換器（１４）に形成された後側の静的シール座部に環状で連続的に圧接するように構成された、少なくとも１つの後側密封面（６２）と、
   前記取付位置において、前記ハブ輪（１２）の前記鍔部（３２）、前記内輪（３０）または前記内輪（３０）に取り付けられたデフレクタ（３３１）もしくはエンコーダに形成された前側の静的シール座部に環状で連続的に圧接するように構成された、少なくとも１つの前側密封面（５６，５８，６０）と、
   前記基準軸心（２００）側に径方向に突出しており、当該環状の静的シール（４８）を前記内輪（３０）に向かって軸方向に動かして前記ハブ輪（１２）の前記鍔部（３２）を通過させた際に弾性的に押し潰れることによって前記取付位置へと移行し、前記取付位置において前記内輪（３０）の横方向面（５２）と前記ハブ輪（１２）の前記鍔部（３２）のうちの前記内輪（３０）側に向いた面（５４）との軸方向の間に配置されることで、当該環状の静的シール（４８）を前記ハブ輪（１２）に弾性的に留め固定するように構成された、弾性変形可能な環状の留め固定部（５０）と、
   を備える、環状の静的シール（４８）。
2. 請求項１に記載の環状の静的シール（４８）において、取付前の前記基準軸心は、前記留め固定部（５０）から距離Ｄ１のところに位置するとともに、前記取付位置において前記ハブ輪（１２）の前記鍔部（３２）中の当該基準軸心（２００）から最も遠くにある部分と径方向に対向して配置されるように意図された、当該環状の静的シール中の遷移部から距離Ｄ２のところに位置しており、
   Ｄ２－Ｄ１＞２ｍｍ、
   Ｄ２－Ｄ１＞５ｍｍ、
   Ｄ２－Ｄ１＜８ｍｍ、および
   Ｄ２－Ｄ１＜１０ｍｍ、
   のうちの１つ以上の寸法的特徴が実現されている、環状の静的シール（４８）。
3. 請求項１または２に記載の環状の静的シール（４８）において、さらに、
   前記留め固定部（５０）と前記後側密封面（６２）のうちの一つの後側密封面とを繋ぎ、かつ、前記取付位置において前記ハブ輪（１２）と前記トルク変換器（１４）との前記連結部における前記外周縁部（４６）を覆うように構成された、中間部（４８３）、
   を備える、環状の静的シール（４８）。
4. 請求項３に記載の環状の静的シール（４８）において、前記中間部（４８３）が、前記取付位置において、前記前側密封面（６０）のうちの一つの前側密封面または前記後側密封面（６２）のうちの一つの後側密封面と共同で、前記ハブ輪（１２）と前記トルク変換器（１４）との前記連結部における前記外周縁部（４６）を取り囲む環状の密封空間（３００）を画定しており、当該環状の密封空間（３００）が、例えば３００ｍｍ^３超、好ましくは１０００ｍｍ^３超、かつ、例えば２０００ｍｍ^３未満、好ましくは１５００ｍｍ^３未満である、環状の静的シール（４８）。
5. 請求項１から４のいずれか一項に記載の環状の静的シール（４８）において、
   前記後側密封面（６２）のうちの一つの後側密封面が、前記取付位置において前記トルク変換器（１４）に形成された円筒状の後側の静的シール座部に圧接するように構成されており、かつ／あるいは
   前記後側密封面（６２）のうちの一つの後側密封面が、前記取付位置において前記トルク変換器（１４）に形成された平坦な後側の静的シール座部に軸方向に圧接するように構成されており、かつ／あるいは
   前記後側密封面（６２）のうちの一つの後側密封面が、前記取付位置において前記トルク変換器（１４）に形成された円錐台形状の後側の静的シール座部に圧接するように構成されており、かつ／あるいは
   前記後側密封面（６２）のうちの一つの後側密封面が、前記取付位置において前記トルク変換器（１４）に形成された後側の静的シール座部に圧接するように構成された密封リップ（６２）によって形成されており、好ましくは、当該密封リップ（６２）が、前記トルク変換器（１４）側に向けて収束する外形部を有する、環状の静的シール（４８）。
6. 請求項１から５のいずれか一項に記載の環状の静的シール（４８）において、さらに、
   プラスチック系材料、例えば、エラストマー系材料、熱可塑性材料等からなり、かつ、前記留め固定部（５０）、好ましくは、前記留め固定部（５０）と前記前側密封面（５６，５８，６０）のうちの少なくとも一つの前側密封面（５６，５８，６０）および／または前記後側密封面（６２）のうちの一つの後側密封面と、を少なくとも部分的に形成している、本体部、
   を備える、環状の静的シール（４８）。
7. 請求項６に記載の環状の静的シールにおいて、さらに、
   前記本体部よりも高剛性の材料からなる補強材（６６）、
   を備え、好ましくは、
   前記高剛性の補強材（６６）が、前記取付位置において前記トルク変換器に焼き嵌めされるように構成されており、かつ／あるいは
   前記高剛性の補強材（６６）が、前記後側密封面（６２）を囲繞しており、かつ／あるいは
   前記高剛性の補強材（６６）が、前記留め固定部（５０）を囲繞しており、かつ／あるいは
   前記高剛性の補強材（６６）が、エンコーダ、特には、磁気式または光学式のエンコーダ（６４）を構成しており、かつ／あるいは
   前記高剛性の補強材（６６）が、エンコーダ、特には、磁気式または光学式のエンコーダ（６４）を保持している、環状の静的シール。
8. 請求項１から７のいずれか一項に記載の環状の静的シール（４８）において、さらに、
   径方向外方に突出しており、かつ、車輪支持体（１８）に強固に連結して前記取付位置において当該環状の静的シール（４８）近傍に配置される相補的な要素（１８４）と突き合わされることが可能な、バッフル装置（４８４）、および／または
   エンコーダ（６４）、特には、磁気式もしくは光学式のエンコーダ、
   を備える、環状の静的シール（４８）。
9. 請求項１から８のいずれか一項に記載の環状の静的シール（４８）において、
   前記前側密封面（５６，５８，６０）のうちの一つの前側密封面が、前記留め固定部に形成されており、かつ／あるいは
   前記前側密封面（５６，５８，６０）のうちの一つの前側密封面が、前記取付位置において、前記鍔部（３２）のうちの前記内輪側（３０）に向いた面（５４）に環状で連続的に圧接するように構成されており、かつ／あるいは
   前記前側密封面（５６，５８，６０）のうちの一つの前側密封面が、前記取付位置において、前記鍔部（３２）のうちの前記基準軸心（２００）とは反対側に向いた面（５４）に環状で連続的に圧接するように構成されている、環状の静的シール（４８）。
10. 請求項１から９のいずれか一項に記載の環状の静的シール（４８）において、前記前側密封面（５６，５８，６０）のうちの一つの前側密封面が、前記取付位置において、前記内輪（３０）または前記内輪（３０）に取り付けられたデフレクタ（３３２）もしくはエンコーダ（３３４）に環状で連続的に圧接するように構成されており、好ましくは、
    前記前側密封面（５６，５８，６０）のうちの一つの前側密封面が、前記取付位置において、前記内輪（３０）または前記内輪（３０）に取り付けられたデフレクタ（３３２）もしくはエンコーダ（３３４）に形成された円筒状の前側の静的シール座部に径方向に圧接するように構成されており、かつ／あるいは
    前記前側密封面（５６，５８，６０）のうちの一つの前側密封面が、前記取付位置において、前記内輪（３０）または前記内輪（３０）に取り付けられたデフレクタ（３３２）もしくはエンコーダ（３３４）に形成された平坦な前側の静的シール座部に軸方向に圧接するように構成されており、かつ／あるいは
    前記前側密封面（５６，５８，６０）のうちの一つの前側密封面が、前記取付位置において、前記内輪（３０）または前記内輪（３０）に取り付けられたデフレクタ（３３２）もしくはエンコーダ（３３４）に形成された尖ったまたは尖っていない縁部に圧接するように構成されており、かつ／あるいは
    前記前側密封面（５６，５８，６０）のうちの一つの前側密封面が、前記取付位置において前記内輪（３０）または前記内輪（３０）に取り付けられたデフレクタ（３３２）もしくはエンコーダ（３３４）に形成された前側の静的シール座部に圧接するように構成された前側の密封リップによって形成されている、環状の静的シール（４８）。
11. 請求項１から１０のいずれか一項に記載の環状の静的シール（４８）において、前記前側密封面（５６，５８，６０）のうちの一つ以上の前側密封面が、前記取付位置において前記内輪（３０）または前記内輪（３０）に取り付けられたデフレクタ（３３２）もしくはエンコーダ（３３４）に形成された第１の前側の静的シール座部に圧接するように構成された少なくとも１つの第１の前側密封面（５６，５８）と、前記取付位置において前記ハブ輪（１２）の前記鍔部（３２）に形成された前側の静的シール座部に圧接するように構成された第２の前側密封面（６０）と、を含む、環状の静的シール（４８）。
12. 車両の駆動輪ハブアセンブリ（１０）であって、
    ハブ輪（１２）と、
    トルク変換器（１４）と、
    前記ハブ輪（１２）に焼き嵌めされている内輪であって前記ハブ輪（１２）の後側端部（４２）を形成する鍔部（３２）によって軸方向に保持された内輪（３０）と、
    前記取付位置に配置されており、前記基準軸心（２００）が前記ハブ輪（１０）の回転軸心（１００）と合致している、請求項１から１１のいずれか一項に記載の環状の静的シール（４８）と、
    を備え、前記ハブ輪（１２）と前記トルク変換器（１４）が、前記ハブ輪（１２）の前記後側端部（４２）に、環状の外周縁部（４６）を含む連結部を有している、車両の駆動輪ハブアセンブリ（１０）。
13. 請求項１２に記載の車両の駆動輪ハブアセンブリ（１０）において、前記トルク変換器（１４）が、前記ハブ輪（１２）に形成されて前記ハブ輪（１２）の前記後側端部（４２）から軸方向に距離を空けて設けられたスプライン・径方向リブ（４０）一式と突き合わされたスプライン・径方向リブ（３８）一式を含む、車両の駆動輪ハブアセンブリ（１０）。
14. 請求項１３に記載の車両の駆動輪ハブアセンブリ（１０）において、前記ハブ輪（１２）が、前記トルク変換器（１４）における平坦、トロイド状または円錐台形状である環状の接触面（４４）と面接触する平坦、トロイド状または円錐台形状である環状の後側接触面（４２）を有しており、前記ハブ輪（１２）の前記後側接触面（４２）と前記トルク変換器（１４）の前記環状の接触面（４４）の外周に、前記外周縁部（４６）が形成されている、車両の駆動輪ハブアセンブリ（１０）。
15. 請求項１２から１４のいずれか一項に記載の車両の駆動輪ハブアセンブリ（１０）において、前記トルク変換器（１４）が、前記ハブ輪（１２）の前記後側端部（４２）に形成されたフェイススプライン一式に突き合わされたフェイススプライン・リブ一式を含む、車両の駆動輪ハブアセンブリ（１０）。
16. 請求項１２から１５のいずれか一項に記載の車両の駆動輪ハブアセンブリ（１０）において、前記静的シール（４８）が請求項４に記載の静的シールであり、前記環状の密封空間（３００）に、少なくとも部分的に液体またはペースト状である製品、例えば、潤滑剤、液体または半固体の潤滑剤を含有した多孔質高分子マトリクスを含む物質等、が充填されている、車両の駆動輪ハブアセンブリ（１０）。

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