JP2024018136A - 加熱変色抑制用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 油脂中における、油脂難溶性の酸化防止剤と金属イオンとの加熱変色を抑制することを課題とする。【解決手段】 有機酸モノグリセリドを含有することを特徴とする、油脂難溶性の酸化防止剤と金属イオンとの加熱変色抑制用組成物は、上記課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、油脂難溶性の酸化防止剤の金属イオンによる加熱変色抑制用組成物、当該組成物の製造方法又は使用に関する。
食品の製造に用いられる油脂には、賞味期限の延長などの目的で、多くは、酸化防止剤が添加される。食品に使用可能な天然の酸化防止剤として、例えば、没食子酸やポリフェノール類などが知られているが、これらの酸化防止剤は、分子内に複数の水酸基やカルボキシ基を有するため、油脂難溶性であり、油脂へ高配合することが難しい。油脂難溶性の酸化防止剤を油脂に配合するために、従来から、様々な方法が検討されてきた(特許文献1、2)。
また、没食子酸やポリフェノール類などは、製造工程などで鉄や銅製の機器と接触する際に、金属イオンと反応して青黒く変色するという問題がある。本願発明者らは、乳化剤として知られる有機酸モノグリセリドに、これまで知られていなかった、金属イオンを捕捉(キレート)する新たな作用があることを見出した。そして、有機酸モノグリセリドによって、油脂難溶性の酸化防止剤の金属イオンによる加熱変色が抑制出来ることを見出し、本発明を完成させた。
国際公開WO01/96506号公報 特開平9-235584号公報
本発明は、上記した課題の解決のために、有機酸モノグリセリドを含む、油脂難溶性の酸化防止剤の金属イオンによる加熱変色抑制用組成物、該組成物の製造方法及びその使用などを提供する。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の各発明を包含する。
[1] 有機酸モノグリセリドを含有することを特徴とする、油脂難溶性の酸化防止剤と金属イオンとの加熱変色抑制用組成物。
[2] さらに、油脂を含有する、前記[1]に記載の組成物。
[3] 有機酸モノグリセリドが、クエン酸モノグリセリド、及びジアセチル酒石酸モノグリセリドからなる群から選ばれる1種以上である、前記[1]又は[2]に記載の組成物。
[4] 油脂難溶性の酸化防止剤が、ポリフェノール類、及び没食子酸又はそのC1-12アルキルエステルからなる群から選ばれる1種以上である、前記[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5] さらに、レシチン、有機酸モノグリセリド以外のグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステル、からなる群から選ばれる1種以上の乳化剤を含有する、前記[1]~[4]のいずれかに記載の組成物。
[6] 前記[1]~[5]のいずれかに記載の組成物を含有する食品。
[7] 麺類、米飯類、パン類または菓子類である、前記[6]に記載の食品。
[8] 有機酸モノグリセリドによる、加熱時の金属イオンと油脂難溶性の酸化防止剤との変色反応を抑制する方法。
[9] 有機酸モノグリセリドの、加熱時の金属イオンと油脂難溶性の酸化防止剤との変色反応抑制剤製造のための使用。
[10] 有機酸モノグリセリド、油脂難溶性の酸化防止剤、及び油脂を混合することを特徴とする、金属イオンとの加熱時の変色抑制用組成物の製造方法。
[11] さらに、レシチン、有機酸モノグリセリド以外のグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種以上の乳化剤を混合することを特徴とする、前記[10]に記載の製造方法。
本発明によれば、有機酸モノグリセリドを含む、油脂難溶性の酸化防止剤の金属イオンによる加熱変色抑制用組成物を提供出来る。また、本発明によれば、油脂難溶性の酸化防止剤を組成物に十分な量配合出来る。
図1は、実施例1、5及び比較例1の組成物を加熱変色試験に供した後のサンプルの写真である。 図2は、実施例8、9及び比較例2の組成物を加熱変色試験に供した後のサンプルの写真である。 図3は、実施例10及び比較例3及び参考例3の組成物を加熱変色試験に供した後のサンプルの写真である。
[油脂難溶性の酸化防止剤と金属イオンとの加熱変色抑制用組成物]
[有機酸モノグリセリド]
本発明の組成物は、有機酸モノグリセリドを含有する。本発明で用いられる有機酸モノグリセリドは、好ましくは、クエン酸モノグリセリド及び/又はジアセチル酒石酸モノグリセリドであり、より好ましくは、クエン酸モノグリセリドであるが、これらに限定されない。例えば、コハク酸モノグリセリドなどの他の有機酸モノグリセリドも用いることが出来る。
好ましい有機酸モノグリセリドであるクエン酸モノグリセリドは、モノグリセリドが有する水酸基に、クエン酸がエステル結合した化合物である。また、別の好ましい有機酸モノグリセリドであるジアセチル酒石酸モノグリセリドは、モノグリセリドの水酸基に、酒石酸の水酸基がアセチル化した化合物がエステル結合したものをいう。下記の構造式において、Rは構成脂肪酸(以下、単に「脂肪酸」とも呼ぶこともある)を表す。
組成物中の有機酸モノグリセリドの量は特に限定されないが、例えば、0.001質量%~99.999質量%が好ましく、0.01質量%~99.99質量%がより好ましく、0.1質量%~99.9質量%がさらに好ましい。
クエン酸モノグリセリド及びジアセチル酒石酸モノグリセリドを構成する脂肪酸としては、好ましくは、例えば、カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等の炭素数8~22の飽和又は不飽和の脂肪酸の1種又は2種以上の混合物で構成され、脂肪酸は、1種又は2種以上の混合物が用いられてもよい。
また、本発明で用いられる有機酸モノグリセリドは、構成脂肪酸に不飽和脂肪酸を含むものが好ましいが、含まないものも好ましい。本発明で用いられるクエン酸モノグリセリドの全構成脂肪酸に占める不飽和脂肪酸の割合は、特に限定されない。このような不飽和脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸又はエルシン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、クエン酸モノグリセリドや、ジアセチル酒石酸モノグリセリドとしては市販品を用いることも出来る。このような市販品として、例えば、ポエムK-37V(理研ビタミン株式会社)、ポエムW-60(理研ビタミン株式会社)等を用いることが出来るが、これらに限定されない。
[温度]
本発明の組成物又は方法が用いられる温度は、油脂難溶性の酸化防止剤が金属イオンによって加熱変色されることがある温度の範囲、例えば、30℃~250℃が好ましく、100℃~200℃がより好ましく、130℃~180℃がさらに好ましいが、これらの範囲に限定されない。これらの温度範囲であれば、本願発明の加熱変色抑制効果がより効率的に確認出来る。
[油脂難溶性の酸化防止剤]
本発明の組成物は、好ましくは、さらに、油脂難溶性の酸化防止剤を含有する。油脂難溶性の酸化防止剤は、金属イオンと加熱されることにより変色(特に、黒色又は黒色に近い色に着色)することを特徴とする。金属イオンは、好ましくは、鉄、銅、銀、金、アルミニウム、鉛、チタンの他、ステンレス鋼のような合金も含み、より好ましくは、鉄又は銅等であるが、これらに限定されない。
なお、酸化防止剤が「油脂難溶性」の指標としては、例えば、厚生労働省の「食品添加物公定書解説書」に記載の「溶けにくい」以下であることなどが挙げられるが、本発明が属する食品の分野において、通常、油脂難溶性であることが知られる酸化防止剤であれば、本発明に用いることが出来る。
好ましくは、油脂難溶性の酸化防止剤は、ポリフェノール類、没食子酸又はそのエステルである。本発明において、ポリフェノール類は、好ましくは、同一分子内に複数のフェノール性水酸基(ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香族環に結合した水酸基)をもつ化合物群の総称であり、より好ましくは、ベンゼン環に2以上の水酸基が結合した化合物群の総称であるが、上記したいずれかの定義に当てはまらなくとも、例えば、フラボン類やイソフラボン類のように、食品分野において、通常、ポリフェノールとして分類される化合物も含まれる。
なお、本発明のポリフェノール類には、没食子酸又はそのエステルは含まれない。
本発明のポリフェノール類には、天然物も合成品も両方含まれる。好ましくは、ポリフェノール類として、例えば、フラボノイド類、タンニン、クロロゲン酸類(例えば、カフェ酸、フェルラ酸など)及びエラグ酸類などが挙げられるが、これらに限定されない。フラボノイド類としては、カテキン類、フラボン類、イソフラボン類、フラボノール類、フラバノン類、アントシアニジン類、フラバノール類、スチルベノイド類、及びカルコン類などが挙げられるが、これらに限定されない。タンニンは、縮合型タンニン(例えば、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキンなど)と加水分解性タンニン(ガロタンニン類、エラジタンニン類)とが挙げられるが、これらに限定されない。
好ましいポリフェノール類の由来としては、例えば、茶(例えば、緑茶、紅茶、中国茶など)抽出物、ローズマリー抽出物、コーヒー抽出物、ターメリック抽出物、ブルーベリー抽出物、ブドウ抽出物、ブドウ種抽出物及び大豆抽出物などが挙げられるが、これらに限定されない。
没食子酸又はそのエステルについて、没食子酸は、一水和物又は無水物を用いることが出来る。好ましくは、一水和物であるが、これに限定されない。没食子酸エステルは、好ましくは、直鎖又は分枝の、没食子酸のC1-12アルキルエステルであり、より好ましくは、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシルなどであり、さらに好ましくは、没食子酸のC1-6アルキルエステル、特に好ましくは、没食子酸プロピルであるが、これらに限定されない。アルキルエステルは、さらに任意で、ハロゲン、直鎖又は分枝したC1-12アルキル、アミノ基、水酸基などで置換されていてもよい。没食子酸又はそのエステルはいずれも、市販品を用いることが出来るが、市販品に限定されない。
また、本発明において、没食子酸又はそのC1-12アルキルエステル以外に、さらに、これらの類似体及び誘導体が含まれていてもよい。直鎖又は分枝したC1-12アルキルオキシエステル、C1-12アルキルチオエステル又はC2-12アルケニルエステルが挙げられる。これらのエステルは、さらに任意で、ハロゲン、直鎖又は分枝したC1-12アルキル、アミノ基、水酸基などで置換されていてもよい。また、本発明において、別の好ましい油脂難溶性の酸化防止剤は、緑茶抽出物由来のカテキン及び/又は没食子酸プロピルである。なお、本発明の組成物においては、例えば、ビタミンCパルミテート、トコフェロール、ローズマリー抽出物などの、油脂可溶性の酸化防止剤がさらに含まれていてもよい。
本発明の組成物又は方法において、用いられる有機酸モノグリセリドと油脂難溶性の酸化防止剤の比率は、好ましくは、約1:1~約1000:1、より好ましくは、約1:1~約500:1、さらに好ましくは、約1:1~約100:1であるが、これらに限定されない。上記の比率の範囲であれば、本願発明の所望の効果がより効率的に得られる。
なお、上記の好ましい比率は、用いられる有機酸モノグリセリドと油脂難溶性の酸化防止剤の種類や量などに応じ、適宜変更することが可能である。
本発明の組成物又は方法において、用いられる有機酸モノグリセリドと金属イオンの比率は、好ましくは、約2:1~約10000:1、より好ましくは、約5:1~約5000:1、さらに好ましくは、約10:1~約2000:1であるが、これらに限定されない。上記の比率の範囲であれば、本願発明の所望の効果がより効率的に得られる。
なお、上記の好ましい比率は、用いられる有機酸モノグリセリドと油脂難溶性の酸化防止剤の種類や量などに応じ、適宜変更することが可能である。
[油脂(食用油脂)]
本発明の組成物は、好ましくは、さらに、油脂を含有する。本発明において用いられる油脂は、好ましくは食用油脂であり、より好ましくは、食品のフライ(油ちょう)に用いられる油脂であるが、これらに限定されない。なお、フライとは、比較的多くの食用油脂を熱媒として使用する加熱調理法であり、食品分野で汎用のものである。油脂は特に限定されず、一般的に知られている食用の植物油脂、動物油脂、水産動物油脂、微生物由来油脂等を好適に用いることができる。また、中鎖脂肪酸トリグリセリド、水素添加油脂、エステル交換油、分別油脂なども適宜使用することができる。
植物油脂としては、例えば、アマニ油、アーモンドナッツ油、エゴマ油、オリーブ油、オレンジ種子油、かぼちゃ種子油、共役リノール酸含有油脂、小麦胚芽油、コメ油、コメ糠油、コーン油、ごま油、サフラワー油、サラダ油、シア脂、シソ油、大豆油、茶油、椿油、なたね油、パーム油、ひまわり油、ピーナツ油、ブドウ種子油、ホウセンカ種子油、マカダミアナッツ油、綿実油、落花生油、やし油、ローズヒップ油等が挙げられる。動物油脂としては、例えば、牛脂、豚脂、卵黄油等が挙げられる。水産動物油脂としては、例えば、イワシ、サケ、サバ、サンマ、ニシン、マグロ等から得られる魚体油、イカ、スケソウダラの肝油等、カツオ、マグロ等の眼窩油、アザラシ油、オキアミ油等が挙げられる。微生物由来の油脂としては、例えば、Schizochytrium sp.由来オイル、Nitzschia sp.由来オイル、Nannochloris sp.由来オイル、Mortierella sp.由来オイル等が挙げられる。これらの油脂を2種以上ブレンドしたものや、中鎖脂肪酸トリグリセリド、水添油、分別油、エステル交換油等も用いることができる。
[有機酸モノグリセリド以外の乳化剤]
本発明の組成物は、任意で、さらに、レシチン、有機酸モノグリセリド以外のグリセリン脂肪酸エステル(例えば、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなど)、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の有機酸モノグリセリド以外の乳化剤を含んでもよいが、乳化剤は、これらに限定されない。好ましくは、レシチン、有機酸モノグリセリド以外のグリセリン脂肪酸エステルのいずれか又はこれらの2種以上を含むが、これらに限定されない。また、本発明の組成物は、これら以外にも、食品分野で公知又は汎用の乳化剤をさらに含んでいてもよい。
レシチンは、植物、動物、水産生物由来原料から得られるリン脂質を主成分とする混合物の総称であり、種類としては、粗製レシチン、精製レシチン、分別レシチン、酵素分解レシチン、酵素処理レシチン等が挙げられる。また、これらの混合物や、リン脂質を主成分とした混合物からなるレシチンを用いてもよいが、これらに限定されない。
植物由来のレシチンとしては、アマニ、アーモンドナッツ、エゴマ、オリーブ、オレンジ種子、かぼちゃ種子、小麦胚芽、米、米ぬか、コーン、ごま、サクランボ種子、サフラワー、ザクロ種子、シソ、大豆、茶、椿、なたね、パーム、ひまわり、ピーナツ、ブドウ種子、ホウセンカ種子、マカダミアナッツ、綿実、落花生、やし、ローズヒップ等の植物油精製時の副産物から得られるレシチンが挙げられる。動物由来のレシチンとしては、卵黄レシチン等が挙げられる。水産生物由来のレシチンとしては、イワシ、サケ、サバ、サンマ、ニシン、マグロ、イカ、スケソウダラ、カツオ、アザラシ、魚卵、ユーグレナ、オキアミ等から得られるレシチンが挙げられる。
本発明の組成物中のレシチンの量は、特に限定されないが、例えば、0.01質量%~10質量%が好ましく、0.05質量%~5質量%がより好ましく、0.1質量%~1質量%がさらに好ましいが、これらに限定されない。レシチンは、市販品を用いることも出来、例えば、SLP-PC70(辻製油株式会社)、SLP-ペースト(辻製油株式会社)等や、これらの市販品を混合して用いることが出来るが、これらに限定されない。
有機酸モノグリセリド以外のグリセリン脂肪酸エステルは、例えば、ジグリセリンラウレート、ジグリセリンステアレート、ジグリセリンオレート、蒸留モノグリセリド(例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノオレート、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレートなど)、テトラグリセリンステアレート、デカグリセリンラウレート、デカグリセリンステアレート、デカグリセリンオレート、ポリグリセリンポリリシノレート等が挙げられるが、これらに限定されない。有機酸モノグリセリド以外のグリセリン脂肪酸エステルは市販品を用いることも出来、例えば、ポエムDO-100V(理研ビタミン株式会社)、リケマールJV-2681(理研ビタミン株式会社)等を用いることが出来るが、これらに限定されない。
ショ糖脂肪酸エステル(ショ糖エステル)は、例えば、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、又はこれらの混合物であるショ糖混合脂肪酸エステル等が挙げられるが、これらに限定されない。ショ糖エステルは市販品を用いることも出来、例えば、リョートーシュガーエステルER-290(三菱ケミカル株式会社)等を用いることが出来るが、これらに限定されない。
ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンエステル)は、例えば、ソルビタンラウレート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタントリベヘネート、ソルビタンステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンカプリレート等であるが、これらに限定されない。ソルビタンエステルは市販品を用いることも出来、例えば、ポエムS-65V(理研ビタミン株式会社)等を用いることが出来るが、これらに限定されない。
プロピレングリコール脂肪酸エステル(PGエステル)は、通常、モノエステルであり、モノエステル含量により、分子蒸留品(モノエステル90%以上)と反応品(モノエステル約70%)に分類されるが、本発明では、どちらも用いることが出来る。これらの混合品を用いてもよい。PGエステルは、例えば、プロピレングリコールモノオレート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノベヘネート等であるが、これらに限定されない。PGエステルは市販品を用いることも出来、例えば、リケマールPO-100V(理研ビタミン株式会社)等を用いることが出来るが、これらに限定されない。
さらに、上記した以外に、食品分野で公知又は汎用の乳化剤が本発明の組成物に含まれていてもよい。
組成物中の有機酸モノグリセリド以外の乳化剤の量は特に限定されないが、例えば、合計して、1質量%~90質量%が好ましく、5質量%~70質量%がより好ましく、5質量%~50質量%がさらに好ましい。
有機酸モノグリセリド以外の乳化剤が含まれる場合、本発明の組成物のHLBは、有機酸モノグリセリドを含めて、組成物全体として、0~20の範囲であることが好ましく、0~15の範囲であることがより好ましく、0~12の範囲であることがさらに好ましいが、これらに限定されない。なお、組成物中に、乳化剤が複数含まれる場合、組成物全体のHLBは、例えば、加重平均で算出することが出来る。
[麺類、米飯類、パン類、菓子類など]
本発明の組成物を含有する食品は、麺類、米飯類、パン類、菓子類などであってよいが、これらに限定されない。なお、本発明には、本発明の組成物を配合した油脂を用いて製造した食品も包含される場合がある。
麺類には、製麺類、茹麺類、蒸麺類、乾麺類、即席麺類、冷凍麺類等が含まれ、例えば、そば、うどん、そうめん、冷麦、中華麺、スパゲティー、マカロニ、ラザニア等が挙げられるが、これらに限定されない。
米飯類には、炊飯した白米、赤飯、炊き込みご飯、麦飯、もち米を炊飯又は蒸して得たおこわ、茶飯、酢飯、栗又は豆等の具材入りご飯等の調理加工米飯等(例えば、ピラフ、ドリア、炒飯、おにぎり、寿司)等が挙げられるが、これらに限定されない。
パン類には、例えば、食パン、ロールパン、菓子パン、惣菜パン、クロワッサン、デニッシュ、ブリオッシュ、フランスパン、ライ麦パン、フォカッチャ、パネトーネ(パン生地やパン粉などを含む)等が挙げられるが、これらに限定されない。
菓子類には、スコーン、ワッフル、クッキー、ビスケット、サブレ、クラッカー、おかき、煎餅、ボーロ、スポンジケーキ、シフォンケーキ、カステラ、チーズケーキ、パンケーキ、バターケーキ、カステラ、バームクーヘン、マフィン、ドーナツ、シュークリーム、クレープ等の焼き菓子、クランキータイプスナック、パフタイプスナック、ポテトチップス、コーンチップ、プレッツェル、ポップコーン等のスナック菓子やビスケット菓子、チョコレート菓子(被覆チョコレート、マーブルチョコレートなど)、どら焼、饅頭等の和菓子、ナッツ類、又は揚げ米菓等の米菓等が挙げられるが、これらに限定されない。また、上記以外の食品として、例えば、コロッケ、唐揚げ、とんかつ、天ぷら、フライ、フリッター等の揚げ物又はこれらの冷凍食品(油ちょう済み冷凍食品)等が含まれるが、これらに限定されない。
[その他の添加剤など]
本発明の組成物は、上記した以外に、溶剤、酵素、酵母、pH調整剤、保存料、殺菌料、油脂易溶性の酸化防止剤、防カビ剤、日持向上剤、着色料、発色剤、漂白剤、光沢剤、香料、香辛料、甘味料、酸味料、調味料、苦味料、乳化剤、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊料、膨張剤、ガムベース、イーストフード、軟化剤、栄養強化剤等の食品添加物や、脂質、炭水化物、加工デンプン、タンパク質、ペプチド等や水などの、通常、食品分野で使用される化合物(合成品又は天然物)を含んでいてもよいが、これらに限定されない。また、これらの1種または2種以上を混合して使用することができる。
組成物の形状は、特に限定されず、液状、固体状、粉末状、ペースト状など、どのような形態であってもよい。
[変色(着色)抑制と金属イオンの捕捉]
本発明はまた、有機酸モノグリセリドによる、加熱時の金属イオンと油脂難溶性の酸化防止剤との変色(着色)反応を抑制する方法を提供する。
本発明において、金属イオンを捕捉(キレート)することによる、油脂難溶性の酸化防止剤の変色(着色)反応及びその抑制については、例えば、日本食品工業学会誌 第17巻, 第6号, 1970年, p.231-236に記載の方法により、また、後述の実施例で述べるように、標準条件(25度、常圧)において、有機酸モノグリセリドの非添加時と、有機酸モノグリセリドの添加時との吸光度を測定し、発色率及び有機酸モノグリセリド濃度との関係を確認する方法や、写真又は目視により、変色度を確認する方法などが挙げられるが、方法は特に限定されず、当分野で公知の方法を用いることが出来る。
本発明はまた、有機酸モノグリセリドの、加熱時の金属イオンと油脂難溶性の酸化防止剤との変色反応抑制剤製造のための使用を提供する。変色反応抑制剤としては、上記した油脂難溶性の酸化防止剤と金属イオンとの加熱変色抑制用組成物と同様のものを用いることが出来る。
[製造方法]
本発明はまた、有機酸モノグリセリド、油脂難溶性の酸化防止剤、油脂及び1種以上の乳化剤を混合することを特徴とする、金属イオンとの加熱変色抑制用組成物の製造方法を提供する。
酸化防止剤と有機酸モノグリセリド及び油脂の混合順序などは特に限定されないが、油脂と有機酸モノグリセリドを混合した後に、酸化防止剤を添加することがより好ましい。
なお、本発明の組成物は、好ましくは、油脂難溶性の酸化防止剤と有機酸モノグリセリドとを油脂中に混合させること、より好ましくは、油脂難溶性の酸化防止剤と有機酸モノグリセリドとを油脂中に均一に溶解または分散させることにより製造されるが、これらに限定されない。
上記溶解に用いる溶剤は、食品に用いることが出来る溶剤であればよい。例えば、カルボン酸エステル、脂肪族化合物、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルコール等の有機溶剤が挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されない。
上記分散に用いる分散剤は、食品に用いることが出来る分散剤であればよい。例えば、植物、動物、水産動植物、微生物等由来の食用油脂等が挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されない。
食用油脂は、フライ用油脂が好ましく、上記したものを好ましく用いることが出来る。溶剤および分散剤のなかでも食品への使用とコストの観点から、油脂を用いることが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実験材料・使用機器など
以下の実験では、下記の材料を使用した。
有機酸モノグリセリド:
ポエムK-37V (クエン酸モノグリセリド、理研ビタミン株式会社)
ポエムW-60 (ジアセチル酒石酸モノグリセリド、理研ビタミン株式会社)
ポエムB-30 (コハク酸モノグリセリド、理研ビタミン株式会社)
油脂難溶性の酸化防止剤:
没食子酸プロピル (富士化学工業株式会社)
没食子酸 (富士化学工業株式会社)
PG-TP80C (カテキン (緑茶抽出物)、CHENGDU WAGOTT BIO-TECH CO., LTD)
油脂:なたね油 (辻製油株式会社)
その他の乳化剤:
ポエムDO-100V (ジグリセリン脂肪酸エステル、理研ビタミン株式会社)
リョートーシュガーエステルER-290 (ショ糖エステル、三菱ケミカル株式会社)
ポエムS-65V (ソルビタンエステル、理研ビタミン株式会社)
リケマールPO-100V (PGエステル、理研ビタミン株式会社)
SLP-PC70、SLP-ペースト (レシチン、辻製油株式会社)
その他:
ビタミンCパルミテート (油脂可溶性の酸化防止剤、DSM Nutritional Products)
塩化第二鉄 (和光純薬工業株式会社)
なお、下記の試験において、試料の吸光度は、いずれも、日立ハイテクサイエンス社製、レシオビーム分光光度計U-1900で測定した。
また、試料の攪拌には、ディスパーサー(KINEMATICA社製、ポリトロンホモジナイザーPT2100、10,000 rpm)又はプロペラ付き撹拌機(アズワン社製、STIRRER P-1、400 rpm)を用いた。
試験例1:本発明の有機酸モノグリセリド含有組成物による加熱変色抑制効果
実施例1~5、比較例1及び参考例1の組成物の配合は下記の表1の通りである。
実施例1:クエン酸モノグリセリド含有組成物
実験方法 (1) 30 mL容の瓶に、クエン酸モノグリセリド (9.90 g)、及び没食子酸プロピル (0.10 g) を計量後、混合し、80℃で加温溶解して組成物を得た。
(2) 20 mL容の瓶に、(1)の組成物 (0.20 g)、及びなたね油 (9.80 g) を計量後、混合してサンプルを調製した。
(3) 塩化第二鉄 (0.10 g)、及び精製水 (0.90 g) を計量して混合し、10%塩化第二鉄水溶液を調製した。
(4) 試験管に、(3)の10%塩化第二鉄水溶液 (0.001 g) と(2)のサンプル (3.00 g) とを添加し、150℃で15分間加熱した。加熱後のサンプルの吸光度を570 nmの波長で計測したところ、計測値は0.076であり、黒く変色していなかった。
本発明の組成物により、金属イオンによる、油脂難溶性の酸化防止剤の黒色変化を抑制出来たことがわかる(図1も参照)。
実施例2:ショ糖脂肪酸エステルをさらに配合した組成物
実施例1のクエン酸モノグリセリドの一部を、ショ糖脂肪酸エステルに変更して実験を行った。
実験方法 (1) 30 mL容の瓶に、クエン酸モノグリセリド (9.80 g)、ショ糖脂肪酸エステル (0.10 g)、及び没食子酸プロピル (0.10 g) を計量後、混合し、80℃で加温溶解して、実施例2の組成物を得た。
(2) 20 mL容の瓶に、(1)の組成物 (0.20 g)、及びなたね油 (9.80 g) を計量後、混合してサンプルを調製した。
(3) 試験管に実施例1で調製した10%塩化第二鉄水溶液 (0.001 g) と(2)のサンプル (3.00 g) とを添加し、150℃で15分間加熱した。加熱後のサンプルの吸光度を570 nmの波長で計測したところ、計測値は0.078であり、黒く変色していなかった。
本発明の組成物において、ショ糖脂肪酸エステルが含まれる場合も、金属イオンによる油脂難溶性の酸化防止剤の黒色変化を抑制出来た。
実施例3:ソルビタン脂肪酸エステルをさらに配合した組成物
実施例1のクエン酸モノグリセリドの一部を、ソルビタン脂肪酸エステルに変更して実験を行った。
実験方法 (1) 30 mL容の瓶に、クエン酸モノグリセリド (9.80 g)、ソルビタン脂肪酸エステル (0.10 g)、没食子酸プロピル (0.10 g) を計量後、混合し、80℃で加温溶解して組成物を得た。
(2) 20 mL容の瓶に、(1)の組成物 (0.20 g)、及びなたね油 (9.80 g) を計量後、混合してサンプルを調製した。
(3) 試験管に実施例1で調製した10%塩化第二鉄水溶液 (0.001 g) を計量後、(2)のサンプル (3.00 g) を添加し、150℃で15分間加熱した。加熱後のサンプルの吸光度を570 nmの波長で計測したところ、計測値は0.073であり、黒く変色していなかった。
本発明の組成物において、ソルビタン脂肪酸エステルが含まれる場合も、金属イオンによる油脂難溶性の酸化防止剤の黒色変化を抑制出来た。
実施例4:プロピレングリコール脂肪酸エステルをさらに配合した組成物
実施例1のクエン酸モノグリセリドの一部を、プロピレングリコール脂肪酸エステルに変更して実験を行った。
実験方法 (1) 30 mL容の瓶に、クエン酸モノグリセリド (9.80 g)、プロピレングリコール脂肪酸エステル (0.10 g)、没食子酸プロピル (0.10 g) を計量後、80℃で加温溶解して組成物を得た。
(2) 20 mL容の瓶に、(1)の組成物 (0.20 g)、なたね油 (9.80 g) を計量して混合することでサンプルを調製した。
(3) 試験管に実施例1で調製した10%塩化第二鉄水溶液 (0.001 g) を計量後、(2)のサンプル (3.00 g) を添加し、150℃で15分間加熱した。加熱後のサンプルの吸光度を570 nmの波長で計測したところ、計測値は0.075であり、黒く変色していなかった。
本発明の組成物において、プロピレングリコール脂肪酸エステルが含まれる場合も、金属イオンによる油脂難溶性の酸化防止剤の黒色変化を抑制出来た。
実施例5:有機酸モノグリセリドの含有量を低減した組成物
実施例5では、クエン酸モノグリセリドの量を実施例1~4の20分の1程度とし、さらに油脂や他の乳化剤を添加して、実際に使用する製品に近い組成例で実験を行った。
実験方法 (1) 70 mL容の瓶に、クエン酸モノグリセリド (1.00 g)、なたね油 (10.55 g)、ジグリセリン脂肪酸エステル (8.00 g)、及びレシチン (SLP-PC70、0.05 g) を計量して1時間プロペラ攪拌により80℃で加温溶解した。その後、没食子酸プロピル (0.20 g) を添加して15分間、ビタミンCパルミテート (0.20 g) を添加して30分間、プロペラ攪拌により80℃で加温溶解して、組成物を調製した。
(2) 20 mL容の瓶に、(1)の組成物 (0.20 g)、及びなたね油 (9.80 g) を計量して混合することでサンプルを調製した。
(3) 試験管に実施例1で調製した10%塩化第二鉄水溶液 (0.001 g) を計量後、(2)のサンプル (3.00 g) を添加し、150℃で15分間加熱した。加熱後のサンプルの吸光度を570 nmの波長で計測したところ、計測値は0.071であり、黒く変色していなかった。
本発明の組成物において、クエン酸モノグリセリドの量が低減された場合にも、金属イオンによる油脂難溶性の酸化防止剤の黒変が抑制出来た(図1も参照)。
比較例1:有機酸モノグリセリドを含有しない組成物
実施例5の組成物において、クエン酸モノグリセリドを全く含まない場合の、油脂難溶性の酸化防止剤の黒色変化について検討した。
実験方法 (1) 140 mL容の瓶に、なたね油 (57.75 g)、ジグリセリン脂肪酸エステル (40.00 g)、レシチン (SLP-PC70、0.25 g) を計量して2時間プロペラ攪拌により80℃で加温溶解後、没食子酸プロピル (1.00 g) を添加して1時間、ビタミンCパルミテート (1.00 g) を添加して30分間、プロペラ攪拌により80℃で加温溶解して組成物を調製した。
(2) 20 mL容の瓶に(1)の組成物 (0.20 g)、なたね油 (9.80 g)を計量して混合することでサンプルを調製した。
(3) 試験管に実施例1で調製した10%塩化第二鉄水溶液 (0.001 g) を計量後、(2)のサンプル (3.00 g) を添加し、150℃で15分間加熱した。加熱後のサンプルの吸光度を570 nmの波長で計測したところ、計測値は0.414であり、黒く変色した。
有機酸モノグリセリドを添加しない場合、金属イオンによる没食子酸プロピルの黒色変化を抑制することは出来なかった(図1も参照)。
参考例1:塩化第二鉄(鉄イオン(III))を含まない組成物(没食子酸プロピルの場合)
上記の参考として、塩化第二鉄が存在しない場合には、油脂難溶性の酸化防止剤が加熱されても、黒色変化が起こらないことを示すために、以下の実験を行った。
実験方法 (1) 140 mL容の瓶に、なたね油 (57.75 g)、ジグリセリン脂肪酸エステル (40.00 g)、レシチン (SLP-PC70, 0.25 g) を計量して2時間プロペラ攪拌により80℃で加温溶解後、没食子酸プロピル (1.00 g) を添加して1時間、ビタミンCパルミテート (1.00 g)を添加して30分間、プロペラ攪拌により80℃で加温溶解して組成物を調製した。
(2) 20 mL容の瓶に(1)の組成物 (0.20 g)、及びなたね油 (9.80 g) を計量して混合することでサンプルを調製した。
(3) 試験管に(2)のサンプル (3.00 g) を添加し、150℃で15分間加熱した。加熱後のサンプルの吸光度を570 nmの波長で計測したところ、計測値は0.063であり、黒く変色していなかった。
試験例1のまとめ:
実施例1~5及び比較例1の組成物について、変色抑制試験の結果をまとめると、下記の表2の通りである。有機酸モノグリセリドによって、油脂難溶性の酸化防止剤の金属イオンによる加熱による黒色変化を抑制出来ることが確認出来た。
試験例2:さらなる加熱変色抑制効果の検討(1)
試験例2では、クエン酸モノグリセリドの添加量、油脂難溶性の酸化防止剤及び金属イオンの比率を変えた場合について、検討を行った(実施例6、7)。また、クエン酸モノグリセリド以外の有機酸モノグリセリドを用いた場合の検討を行った(実施例8)。
実施例6~8の組成物の各組成は下記の表3の通りである。
実施例6:有機酸モノグリセリドと金属イオンの量の検討
実施例6では、上記試験例1の実施例5で行った変色試験において、塩化第二鉄の濃度を10倍程度とし、変色を抑制するために適切な有機酸モノグリセリドの量を検討した。
実験方法 (1) 70 mL容の瓶に、なたね油 (10.35 g)、ジグリセリン脂肪酸エステル (8.00 g)、クエン酸モノグリセリド (1.20 g)、及びレシチン (SLP-PC70, 0.05 g) を計量して1時間プロペラ攪拌により80℃で加温溶解した。その後、没食子酸プロピル (0.20 g) を添加して15分間、ビタミンCパルミテート (0.20 g) を添加して30分間、プロペラ攪拌により80℃で加温溶解し、組成物を調製した。
(2) 20 mL容の瓶に、(1)の組成物 (0.20 g)、及びなたね油 (9.80 g) を計量して混合することでサンプルを調製した。
(3) 塩化第二鉄 (0.10 g)、及び精製水 (0.90 g) を計量して混合し、10%塩化第二鉄水溶液を調製した。
(4) 試験管に(3)の10%塩化第二鉄水溶液 (0.01 g) を計量後、(2)のサンプル (3.00 g) を添加し、150℃で15分間加熱した。加熱後のサンプルの吸光度を570 nmの波長で計測したところ、計測値は0.074であり、黒く変色していなかった。
実施例7:有機酸モノグリセリドと油脂難溶性の酸化防止剤の量の検討
実施例7では、上記試験例1の実施例5で行った変色試験において、塩化第二鉄の濃度を半分程度とし、変色を抑制するために適切なクエン酸モノグリセリドの量を検討した。
実験方法 (1) 70 mL容の瓶に、なたね油 (11.274 g)、ジグリセリン脂肪酸エステル (8.000 g)、クエン酸モノグリセリド (0.276 g)、及びレシチン (SLP-PC70、0.050 g) を計量して1時間プロペラ攪拌により80℃で加温溶解した。その後、没食子酸プロピル (0.200 g)を添加して15分間、ビタミンCパルミテート (0.200 g) を添加して30分間、プロペラ攪拌により80℃で加温溶解し、組成物を調製した。
(2) 20 mL容の瓶に、(1)の組成物 (0.20 g)、なたね油 (9.80 g) を計量して混合することでサンプルを調製した。
(3) 試験管に実施例6で調製した10%塩化第二鉄水溶液 (0.0006 g) を計量後、(2)のサンプル (3.00 g) を添加し、150℃で15分間加熱した。加熱後のサンプルの吸光度を570 nmの波長で計測したところ、計測値は0.079であり、黒く変色していなかった。
実施例8:ジアセチル酒石酸モノグリセリド含有組成物
実施例8では、クエン酸モノグリセリドの代わりに、ジアセチル酒石酸モノグリセリドを用いた。
実験方法 (1) 70 mL容の瓶に、なたね油 (7.55 g)、ジグリセリン脂肪酸エステル (8.00 g)、ジアセチル酒石酸モノグリセリド (4.00 g)、レシチン (SLP-PC70、0.05 g) を計量して1時間プロペラ攪拌により80℃で加温溶解した。その後、没食子酸プロピル (0.20 g) を添加して15分間、ビタミンCパルミテート (0.20 g) を添加して30分間、プロペラ攪拌により80℃で加温溶解し、組成物を調製した。
(2) 20 mL容の瓶に、(1)の組成物 (0.20 g)、なたね油 (9.80 g) を計量して混合することでサンプルを調製した。
(3) 試験管に実施例6で調製した10%塩化第二鉄水溶液 (0.001 g) を計量後、(2)のサンプル (3.00 g) を添加し、150℃で15分間加熱した。加熱後のサンプルの吸光度を570 nmの波長で計測したところ、計測値は0.079であり、黒く変色していなかった(図2も参照)。
実施例6~8の組成物について、変色抑制試験の結果をまとめると、下記の表4の通りである。
試験例2のまとめ:
実施例6、7においては、油脂難溶性の酸化防止剤又は金属イオンに対し、少ない有機酸モノグリセリドの量であっても、酸化防止剤の金属イオンによる加熱による黒色変化を抑制出来た。また、実施例8においては、有機酸モノグリセリドとして、クエン酸モノグリセリドの代わりに、ジアセチル酒石酸モノグリセリドを用いても、同様の効果が得られた。
試験例3:さらなる加熱変色抑制効果の検討(2)
試験例3では、油脂難溶性の酸化防止剤が、没食子酸である場合の検討(実施例9、比較例2、参考例2)、及び油脂難溶性の酸化防止剤が、カテキンである場合の検討を行った(実施例10、比較例3、参考例3)。
実施例9~10、比較例2~3及び参考例2~3の組成物の各組成は下記の表5の通りである。
実施例9:没食子酸の場合の黒色変化の抑制
実施例9では、没食子酸プロピルの代わりに、没食子酸を用いた。
実験方法 (1) 140 mL容の瓶に、なたね油 (42.600 g)、ジグリセリン脂肪酸エステル (15.750 g) 、クエン酸モノグリセリド (40.000 g)、レシチン (SLP-ペースト、0.375 g)、レシチン (SLP-PC70、0.275 g) を計量して添加して1時間プロペラ攪拌により80℃で加温溶解した。その後、没食子酸 (1.000 g) を添加して15分間プロペラ攪拌により80℃で加温溶解して組成物を調製した。
(2) 20 mL容の瓶に、(1)の組成物 (0.20 g)、及びなたね油 (9.80 g) を計量して混合することでサンプルを調製した。
(3) 塩化第二鉄 (0.10 g)、及び精製水 (0.90 g) を計量して混合し、10%塩化第二鉄水溶液を調製した。
(4) 試験管に(3)の10%塩化第二鉄水溶液 (0.001 g) を計量後、(2)のサンプル (3.00 g) を添加し、150℃で15分間加熱した。加熱後のサンプルの吸光度を570 nmの波長で計測したところ、計測値は0.074であり、黒く変色していなかった(図2も参照)。
油脂難溶性の酸化防止剤が没食子酸の場合も、没食子酸プロピルと同様、有機酸モノグリセリドにより、油脂難溶性の酸化防止剤が金属イオンと加熱された場合の黒色変化が抑制出来た。
比較例2:有機酸モノグリセリドを含有しない組成物
上記の実施例9において、有機酸モノグリセリドを含まない場合を検討した。
実験方法 (1) 140 mL容の瓶に、なたね油 (15.20 g)、ジグリセリン脂肪酸エステル (31.50 g)、及びレシチン (SLP-ペースト、0.75 g、及びSLP-PC70、0.55 g) を計量して添加して1時間プロペラ攪拌により80℃で加温溶解した。その後、没食子酸 (2.00 g) を添加して15分間プロペラ攪拌により80℃で加温溶解して組成物を調製した。
(2) 20 mL容の瓶に(1)の組成物 (0.05 g)、なたね油 (9.95 g) を計量して混合することでサンプルを調製した。
(3) 試験管に実施例9で調製した10%塩化第二鉄水溶液 (0.001 g) を計量後、(2)のサンプル(3.00 g)を添加し、150℃で15分間加熱した。加熱後のサンプルの吸光度を570 nmの波長で計測したところ、計測値は0.529であり、黒く変色した(図2も参照)。
参考例2:塩化第二鉄を含まない組成物(酸化防止剤:没食子酸の場合)
上記の参考として、塩化第二鉄が存在しない場合には、没食子酸が加熱されても、黒色変化が起こらないことを示すために、以下の実験を行った。
実験方法 (1) 140 mL容の瓶に、なたね油 (15.20 g)、ジグリセリン脂肪酸エステル (31.50 g)、及びレシチン (SLP-ペースト、0.75 g、及びSLP-PC70、0.55 g) を計量して添加して1時間プロペラ攪拌により80℃で加温溶解した。その後、没食子酸 (2.00 g) を添加して15分間プロペラ攪拌により80℃で加温溶解して組成物を調製した。
(2) 20 mL容の瓶に(1)の組成物 (0.05 g)、及びなたね油 (9.95 g) を計量して混合することでサンプルを調製した。
(3) 試験管に(2)のサンプル (3.00 g) を添加し、150℃で15分間加熱した。加熱後のサンプルの吸光度を570 nmの波長で計測したところ、計測値は0.066であり、黒く変色していなかった。
実施例10:カテキンの場合の黒色変化の抑制
実施例10では、没食子酸プロピルの代わりに、カテキンを用いた。
実験方法 (1) 140 mL容の瓶に、なたね油 (46.45 g)、ジグリセリン脂肪酸エステル (12.00 g)、クエン酸モノグリセリド (40.00 g)、レシチン (SLP-ペースト、0.30 g、SLP-PC70、0.20 g) を計量し、15分間ディスパーサーにより80℃で加温溶解後、ビタミンCパルミテート (0.05 g) を添加して15分間、カテキン (1.00 g) を添加して3時間、ディスパーサーにより80℃で加温溶解して組成物を調製した。
(2) 20 mL容の瓶に(1)の組成物 (0.20 g)、及びなたね油 (9.80 g) を計量して混合することでサンプルを調製した。
(3) 試験管に実施例9で調製した10%塩化第二鉄水溶液 (0.001 g) を計量後、(2)のサンプル(3.00 g)を添加し、150℃で15分間加熱した。加熱後のサンプルの吸光度を570 nmの波長で計測したところ、計測値は0.312であり、赤い変色は見られたが、黒い変色はみられなかった(図3も参照)。
油脂難溶性の酸化防止剤がカテキンの場合も、没食子酸プロピル又は没食子酸と同様、有機酸モノグリセリドによって、油脂難溶性の酸化防止剤が金属イオンと加熱された場合の黒色変化が抑制出来た。なお、カテキンを用いた場合に、赤い変色が起こった理由は定かではないが、おそらく、無色のカテキン類が酸化し、橙色~赤色のテアフラビン類やテアルビジン類が生成したためであると考えられる。
比較例3:有機酸モノグリセリドを含有しない組成物
上記の実施例10において、クエン酸モノグリセリドを含まない場合を検討した。
実験方法 (1) 140 mL容の瓶に、なたね油 (32.25 g)、ジグリセリン脂肪酸エステル (60.00 g)、レシチン (SLP-ペースト、1.50 g、及びSLP-PC70、1.00 g) を計量し、15分間ディスパーサーにより80℃で加温溶解後、ビタミンCパルミテート (0.25 g) を添加して15分間、カテキン (5.00 g)を添加して3時間、ディスパーサーにより80℃で加温溶解して組成物を調製した。
(2) 20 mL容の瓶に(1)の組成物 (0.04 g)、及びなたね油 (9.96 g) を計量して混合することでサンプルを調製した。
(3) 試験管に実施例9で調製した10%塩化第二鉄水溶液 (0.001 g) を計量後、(2)のサンプル (3.00 g) を添加し、150℃で15分間加熱した。加熱後のサンプルの吸光度を570 nmの波長で計測したところ、計測値は0.828であり、黒く変色した(図3も参照)。
参考例3:塩化第二鉄を含まない組成物 (酸化防止剤:カテキンの場合)
上記の参考として、塩化第二鉄が存在しない場合には、カテキンが加熱されても、黒色変化が起こらないことを示すために、以下の実験を行った。
実験方法 (1) 140 mL容の瓶に、なたね油 (32.25 g)、ジグリセリン脂肪酸エステル (60.00 g)、及びレシチン (SLP-ペースト、1.50 g、SLP-PC70、1.00 g) を計量し、15分間ディスパーサーにより80℃で加温溶解後、ビタミンCパルミテート (0.25 g) を添加して15分間、カテキン (5.00 g) を添加して3時間、ディスパーサーで80℃により加温溶解して組成物を調製した。
(2) 20 mL容の瓶に(1)の組成物 (0.04 g)、及びなたね油 (9.96 g) を計量して混合することでサンプルを調製した。
(3) 試験管に(2)のサンプル (3.00 g) を添加し、150℃で15分間加熱した。加熱後のサンプルの吸光度を570 nmの波長で計測したところ、計測値は0.301であり、赤く変色したが、黒変は見られなかった(図3も参照)。
実施例9~10、比較例2~3及び参考例2~3の組成物について、変色抑制試験の結果をまとめると、下記の表6の通りである。
上記から、油脂難溶性の酸化防止剤の種類を変えても、所望の変色抑制効果が得られることがわかる。
参考例4:コハク酸モノグリセリド含有組成物
上記した以外に、実施例8の有機酸モノグリセリド(ジアセチル酒石酸モノグリセリド)をコハク酸モノグリセリドに代えた場合にも同様の効果が得られるか検討した。この場合、加熱した後のサンプルは黒く変色し、黒色変化の抑制は出来なかった。今回実験した範囲では、コハク酸モノグリセリドによって、油脂難溶性の酸化防止剤の金属イオンによる加熱変色を抑制出来なかったが、今後、金属イオン量及び/又は有機酸モノグリセリドとコハク酸モノグリセリドの量を調整するなど、さらに検討を行う。

Claims (11)

  1. 有機酸モノグリセリドを含有することを特徴とする、油脂難溶性の酸化防止剤と金属イオンとの加熱変色抑制用組成物。
  2. さらに、油脂を含有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 有機酸モノグリセリドが、クエン酸モノグリセリド、及びジアセチル酒石酸モノグリセリドからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 油脂難溶性の酸化防止剤が、ポリフェノール類、及び没食子酸又はそのC1-12アルキルエステルからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. さらに、レシチン、有機酸モノグリセリド以外のグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステル、からなる群から選ばれる1種以上の乳化剤を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物を含有する食品。
  7. 麺類、米飯類、パン類または菓子類である、請求項6に記載の食品。
  8. 有機酸モノグリセリドによる、加熱時の金属イオンと油脂難溶性の酸化防止剤との変色反応を抑制する方法。
  9. 有機酸モノグリセリドの、加熱時の金属イオンと油脂難溶性の酸化防止剤との変色反応抑制剤製造のための使用。
  10. 有機酸モノグリセリド、油脂難溶性の酸化防止剤、及び油脂を混合することを特徴とする、金属イオンとの加熱時の変色抑制用組成物の製造方法。
  11. さらに、レシチン、有機酸モノグリセリド以外のグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種以上の乳化剤を混合することを特徴とする、請求項10に記載の製造方法。
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