JP2023137660A - 油脂及び油溶性機能性成分用酸化防止剤の製造方法 - Google Patents

油脂及び油溶性機能性成分用酸化防止剤の製造方法 Download PDF

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Ryoko Tateishi
茂樹 麻生
Shigeki Aso
大輔 雑賀
Daisuke Saiga
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Abstract

【課題】製造工程が簡便であり、油脂や油溶性機能性成分に十分な酸化防止性を付与できる酸化防止剤の製造方法を提供する。【解決手段】HLBが2.1以上7.0未満のグリセリン脂肪酸エステルにカテキン類を加えて加熱及び混合する、油脂及び油溶性機能性成分用酸化防止剤の製造方法。グリセリン脂肪酸エステルのHLBがかかる範囲内であることにより、入手が容易な粉末状のカテキン類をそのまま該グリセリン脂肪酸エステルに加えて加熱及び混合するだけで、該カテキン類が該グリセリン脂肪酸エステルに溶解した混合物が得られるため、酸化防止剤の製造工程が簡便になる。また、該製造工程により得られる酸化防止剤を油脂又は油溶性機能性成分に添加することにより十分な酸化防止効果が得られる。【選択図】 なし

Description

本発明は、油脂及び油溶性機能性成分用酸化防止剤の製造方法に関する。
カテキン類は、中国南部を原産地とするツバキ科の植物であるチャ(Camellia sinensis var sinensis、var assamica等)の葉及びその加工品(例えば、緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶、プアール茶、紅茶等)に含まれる植物ポリフェノールである。カテキン類は、酸化や微生物の増殖を抑制する効果があるため、食品の日持ち向上や酸化防止の目的に使用されている。しかし、カテキン類は、油に対する溶解性に乏しいため、例えば、揚げ油やチョコレート等の油性食品へそのまま使用しても該食品中でカテキン類の結晶物が溶解せずに十分な効果が得られない。そこで、カテキン類を各種の油性食品に広く適用可能にするため、様々な製剤化方法が検討されている。
そのような方法としては、例えば、親油性乳化剤を用いてカテキン類が溶解した水相を油相に乳化させた親油性抗酸化物(特許文献1及び2)、カテキン類を水や有機溶媒に溶解させた水相を乳化剤を用いて油脂中に溶解させ、その後、水や有機溶媒を除去する方法(特許文献3及び4)、カテキン類をジグリセリン脂肪酸エステルとともに加温させながら混合することで溶解させる技術(特許文献5)等が知られている。
しかし、これら方法により得られる製剤は、製造工程が複雑であることや、油脂へ添加して使用しても十分な酸化防止効果が得られない等の課題があり、これらに替わり得る新規な酸化防止剤の製造方法が求められていた。
特開昭63-135483号公報 国際公開第2017/150558号 特開2008-163202号公報 国際公開第2013/172348号 特開2016-145309号公報
本発明は、製造工程が簡便であり、油脂や油溶性機能性成分に十分な酸化防止性を付与できる酸化防止剤の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を行った結果、特定の乳化剤にカテキン類を加えて加熱及び混合する製造方法により、上記課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明を成すに至った。
即ち、本発明は、下記の(1)及び(2)からなっている。
(1)HLBが2.1以上7.0未満のグリセリン脂肪酸エステルにカテキン類を加えて加熱及び混合する、油脂及び油溶性機能性成分用酸化防止剤の製造方法。
(2)前記カテキン類が粉末状である、前記(1)に記載の油脂及び油溶性機能性成分用酸化防止剤の製造方法。
本発明の酸化防止剤の製造方法は、製造工程が簡便である。
本発明の酸化防止剤の製造方法により得られる酸化防止剤は、油脂や油溶性機能性成分に十分な酸化防止性を付与できる。
本発明では、HLBが2.1以上7.0未満のグリセリン脂肪酸エステルが用いられる。グリセリン脂肪酸エステルのHLBがかかる範囲内であることにより、入手が容易な粉末状のカテキン類をそのまま該グリセリン脂肪酸エステルに加えて加熱及び混合するだけで、該カテキン類が該グリセリン脂肪酸エステルに溶解した混合物が得られるため、酸化防止剤の製造工程が簡便になる。また、該製造工程により得られる酸化防止剤は、油脂又は油溶性機能性成分に対し、十分な酸化防止効果を発揮する。
ここで、HLBは、乳化剤における親水基と親油基のバランスに応じて0から20までの値をとり、これが0に近いほど親油性が高く、20に近いほど親水性が高いことを表す。本発明では、HLBは、アトラス法により計算した数値を用いることができる。アトラス法による計算式を以下に示す。
HLB=20×(1-S/A)
S:多価アルコール脂肪酸エステルのけん化価
A:原料脂肪酸の中和価
尚、けん化価及び中和価は、例えば「基準油脂分析試験法(1)」((社)日本油化学協会、1996年)に記載の方法等に基づき測定できる。
本発明で用いられるHLBが2.1以上7.0未満のグリセリン脂肪酸エステルとしては、より具体的には、例えば、HLBが2.1以上7.0未満のモノグリセリン脂肪酸エステル、HLBが2.1以上7.0未満のポリグリセリン脂肪酸エステル、HLBが2.1以上7.0未満のグリセリン有機酸脂肪酸エステルが挙げられる。以下、各成分について説明する。
本発明で用いられるHLBが2.1以上7.0未満のモノグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンと脂肪酸とのエステル化生成物であって、HLBが2.1以上7.0未満、好ましくは2.5以上6.5未満、より好ましくは、2.7以上6.0未満のものである。該エステルは、モノエステル体(モノグリセリド)、ジエステル体(ジグリセリド)のいずれであってもよく、あるいはそれらの混合物であってもよく、トリエステル体(トリグリセリド)を含んでいても良い。
HLBが2.1以上7.0未満のモノグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6~24の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等)又は不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ-リノレン酸、α-リノレン酸、アラキドン酸等)が挙げられる。これら脂肪酸の中でも、炭素数12~22の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等)又は炭素数16~20の直鎖の不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ-リノレン酸、α-リノレン酸、アラキドン酸等)が好ましく、ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸がより好ましく、ラウリン酸、オレイン酸が特に好ましい。これら脂肪酸は、一種類のみを単独で用いてもよく、二種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。
HLBが2.1以上7.0未満のモノグリセリン脂肪酸エステルとしては、ポエムM-300(商品名;モノグリセリンラウリン酸エステル;HLB5.4;理研ビタミン社製)、エマルジーMH(商品名;モノグリセリンステアリン酸エステル;HLB4.3;理研ビタミン社製)、ポエムB-100(商品名;モノグリセリンべヘン酸エステル;HLB4.2;理研ビタミン社製)、ポエムB-200(商品名;モノグリセリンべヘン酸エステル;HLB2.8;理研ビタミン社製)、エマルジーOL-100H(商品名;モノグリセリンオレイン酸エステル;HLB4.3;理研ビタミン社製)、ポエムOL-200VM(商品名;モノグリセリンオレイン酸エステル;HLB3.1:理研ビタミン社製)、等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
本発明で用いられるHLBが2.1以上7.0未満のポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化生成物であって、HLBが2.1以上7.0未満、好ましくは3.0以上6.0未満、より好ましくは4.0以上5.0未満のものである。
HLBが2.1以上7.0未満のポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度に特に制限はないが、例えば平均重合度が2~10のもの、具体的にはジグリセリン(平均重合度2)、トリグリセリン(平均重合度3)、テトラグリセリン(平均重合度4)、ペンタグリセリン(平均重合度5)、ヘキサグリセリン(平均重合度6)、オクタグリセリン(平均重合度8)、デカグリセリン(平均重合度10)等が挙げられる。これらポリグリセリンの中でも、平均重合度が3~10のものが好ましく、平均重合度が5~10のものがより好ましく、平均重合度が6~10のものが特に好ましい。
HLBが2.1以上7.0未満のポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6~24の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等)又は不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ-リノレン酸、α-リノレン酸、アラキドン酸等)が挙げられる。これら脂肪酸の中でも、後述の混合物の融点を下げる必要がある場合においては、炭素数16~20の直鎖の不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ-リノレン酸、α-リノレン酸、アラキドン酸等)が好ましく、オレイン酸がより好ましい。これら脂肪酸は、一種類のみを単独で用いてもよく、二種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。
HLBが2.1以上7.0未満のポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、SYグリスターPO-5S(商品名;ヘキサグリセリンオレイン酸エステル;HLB4.7;阪本薬品工業社製)、サンソフトQ-175S(商品名;デカグリセリンオレイン酸エステル;HLB4.5;太陽化学社製)等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
本発明で用いられるHLBが2.1以上7.0未満のグリセリン有機酸脂肪酸エステルは、グリセリンと有機酸と脂肪酸とのエステル化生成物であって、HLBが2.1以上7.0未満、好ましくは4.0以上7.0未満、より好ましくは5.0以上7.0未満、更に好ましくは5.5以上6.5未満のものである。
HLBが2.1以上7.0未満のグリセリン有機酸脂肪酸エステルを構成する有機酸としては、食用可能なものであれば特に制限はないが、例えばコハク酸、ジアセルチル酒石酸、乳酸、クエン酸、酢酸等が挙げられ、中でも、クエン酸が好ましい。
HLBが2.1以上7.0未満のグリセリン有機酸脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6~24の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等)又は不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ-リノレン酸、α-リノレン酸、アラキドン酸等)が挙げられる。これら脂肪酸の中でも、後述の混合物の融点を下げる必要がある場合においては、炭素数16~20の直鎖の不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ-リノレン酸、α-リノレン酸、アラキドン酸等)が好ましく、オレイン酸がより好ましい。これら脂肪酸は、一種類のみを単独で用いてもよく、二種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。
HLBが2.1以上7.0未満のグリセリン有機酸脂肪酸エステルとしては、ポエムK-37V(商品名;グリセリンクエン酸オレイン酸エステル;HLB6.0;理研ビタミン社製)等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
本発明で用いられるカテキン類は、中国南部を原産地とするツバキ科の植物であるチャ(Camellia sinensis var sinensis、var assamica等)の葉及びその加工品(例えば、緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶、プアール茶、紅茶等)に含まれるポリフェノールであり、例えば、エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、カテキンガレート、テアフラビン、テアフラビンガレートA、テアフラビンガレートB、テアフラビンジガレート等が挙げられる。
カテキン類としては、上記ポリフェノール成分を含む粗製品、精製品又はこれらを含有する製剤等が挙げられ、いずれも好ましく用いることができるが、ポリフェノール含有量が50質量%以上のものがより好ましく、同含有量が70質量%以上のものが更に好ましい。
カテキン類のポリフェノール含有量は、一般社団法人 日本食品添加物協会編「第5版 既存添加物自主規格」、2021年4月、第103頁に記載の酒石酸鉄を用いた比色定量法(酒石酸鉄試薬法)により測定した値を用いることができる。
商業的に製造・販売されているカテキン類は、粉末状のものが一般的であるが、本発明を実施することにより、入手が容易な粉末状のカテキン類をそのまま該グリセリン脂肪酸エステルに加えて加熱及び混合するだけで、該カテキン類が該グリセリン脂肪酸エステルに溶解した混合物が得られるため、酸化防止剤の製造工程が簡便になる。
カテキン類としては、サンフェノン90S(商品名;ポリフェノール含有量80質量%;粉末状;太陽化学社製)、サンフェノン90LB-OP(商品名;ポリフェノール含有量80質量%;粉末状;太陽化学社製)、サンフェノン90MB-OP(商品名;ポリフェノール含有量80質量%;粉末状;太陽化学社製)、サンフェノンEGCg-OP(商品名;粉末状;太陽化学社製)、ポリフェノン70S(商品名;ポリフェノール含有量80質量%;粉末状;三井農林社製)、ポリフェノン70A(商品名;ポリフェノール含有量80質量%;粉末状;三井農林社製)等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
本発明の油脂及び油溶性機能性成分用酸化防止剤の製造方法(以下、「本発明の製造方法」という)は、HLBが2.1以上7.0未満のグリセリン脂肪酸エステルにカテキン類を加えて加熱及び混合する工程を含む方法であれば特に制限はないが、例えば、該グリセリン脂肪酸エステルをその融点以上(例えば、60~100℃)に加温して溶融及び混合することにより、カテキン類が該グリセリン脂肪酸エステルに溶解した混合物である酸化防止剤が得られる。
上記方法において、カテキン類は、グリセリン脂肪酸エステルに直接加えることができるが、カテキン類がグリセリン脂肪酸エステルに溶解せずにいわゆる「ダマ」となって残ることを防止するため、予めカテキン類を油脂に分散させたものを加えても良い。
上記混合では、例えば、攪拌機、加熱用のジャケット、邪魔板等を備えた通常の攪拌・混合槽を用いることができる。攪拌機に装備する攪拌翼の形状はプロペラ型、かい十字型、ファンタービン型、ディスクタービン型又はいかり型等のいずれを用いても良いが、好ましくはプロペラ型である。
上記混合物中のカテキン類とグリセリン脂肪酸エステルの比率(カテキン類/グリセリン脂肪酸エステル)は、製造工程での粘度増加を制御できる観点から、1/99~30/70が好ましく、2/98~15/85がより好ましい。
また、本発明の製造方法では、上記混合物を冷却固化及び粉末化又は粉砕することにより、粉末状又はフレーク状の酸化防止剤を調製しても良い。より具体的には、例えば、(1)上記混合物を-196~30℃の温度条件で噴霧冷却し、粉末状の酸化防止剤として回収する方法、(2)上記混合物を例えば-196℃~常温の温度条件で1~72時間静置して冷却固化した後、自体公知の方法により粉砕し、粉末状又はフレーク状の酸化防止剤とする方法等を実施することができる。
本発明の製造方法により得られる酸化防止剤には、本発明の目的・効果を阻害しない範囲で、例えば、HLBが2.1以上7.0未満のグリセリン脂肪酸エステル以外の食品用乳化剤、カテキン類以外の抗酸化物質等を加えることができる。
上記食品用乳化剤としては、HLBが2.1未満又は7.0を超えるグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられる。ここで、該グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸とのエステルの他、グリセリン酢酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノール酸エステル等が含まれる。また、レシチンには、分別レシチン、酵素分解レシチン及び酵素処理レシチン等が含まれる。本発明の製造方法により得られる酸化防止剤がこれら食品用乳化剤を含有することにより、該酸化防止剤が油脂又は油溶性機能性成分へ容易に分散し、より効果的に機能を発揮することが可能となる。
上記抗酸化物質としては、例えば、抽出トコフェロール、ローズマリー抽出物、L-アスコルビン酸又はその塩類若しくは脂肪酸エステル、酵素処理ルチン、ヒマワリ種子抽出物、ブドウ種子抽出物、酵素分解リンゴ抽出物、BHA、BHT、TBHQ、EDTA等が挙げられる。
本発明の製造方法により得られる酸化防止剤(以下、「本発明に係る酸化防止剤」ともいう)は、油脂又は油溶性機能性成分に添加して使用することができる。添加方法としては、例えば、油脂又は油溶性機能性成分に本発明に係る酸化防止剤を加え、60~100℃に加温して溶融及び混合する方法が挙げられる。その添加量は、所望の酸化防止効果の程度に応じて適宜設定することができる、例えば、10~30000ppm、好ましくは50~20000ppm、より好ましくは100~15000ppmとすることができる。
上記油脂としては、食用可能な油脂であれば特に制限はなく、例えば、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ヒマワリ油、米糠油、コーン油、椰子油、パーム油、パーム核油、落花生油、オリーブ油、ゴマ油、ハイオレイック菜種油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックコーン油、ハイオレイックヒマワリ油等の植物油脂、牛脂、ラード、魚油、乳脂等の動物油脂、これら動植物油脂に分別、水素添加、エステル交換等の処理を施した加工油脂、又は中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)等が挙げられる他、グリセリンジ脂肪酸エステル及びプロピレングリコールジ脂肪酸エステルもこれらに含まれる。
上記油溶性機能性成分に特に制限はなく、例えば、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、亜麻仁油、シソ油、魚油等の多価不飽和脂肪酸含有油脂、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK等の油溶性ビタミン類、β-カロテン、α-カロテン、γ-カロテン、β-アポ-8′-カロテナール、β-アポ-10′-カロテナール、β-アポ-8′-カロテン酸、シトラナキサンチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、エキネノン、3-ヒドロキシ-β-カロテン、フコキサンチン、ルテイン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、カプサンチン、カプソルビン、ビキシン、クロセチン等のカロテノイド類、クロロフィルa、クロロフィルb、クロロフィルc1、クロロフィルc2、クロロフィルd、クロロフィルf等のクロロフィル類等が挙げられる。
また、本発明に係る酸化防止剤を油脂又は油溶性機能性成分に添加して使用する際には、該酸化防止剤とは別に、任意の抗酸化物質をこれらに添加することができる。該抗酸化物質としては、例えば、抽出トコフェロール、ローズマリー抽出物、L-アスコルビン酸又はその塩類若しくは脂肪酸エステル、酵素処理ルチン、ヒマワリ種子抽出物、ブドウ種子抽出物、酵素分解リンゴ抽出物、BHA、BHT、TBHQ、EDTA等が挙げられる。
本発明に係る酸化防止剤を添加した油脂及び油溶性機能性成分は、酸化(光による酸化を含む)、過酸化物価の上昇、風味劣化が抑制されているため、飲食品、飲食品材料、医薬部外品、医薬品、医薬品材料、医薬部外品材料として好適に使用することができる。
上記飲食品に特に制限はないが、例えば、パン、クッキー、クラッカー、ビスケット、ケーキ、ピザ、パイ等のベーカリー類、スパゲティー、マカロニ等のパスタ類、うどん、そば、ラーメン等の麺類、おかき、ポテトチップス、スナック等のスナック菓子類、ケーキドーナツ、イーストドーナツ、揚げパン、かりんとう、麻花、サーターアンダギー、チュロス、揚げまんじゅう、アメリカンドッグ、ピロシキ、フリッター、天ぷら、カツレツ、揚げピザ等の油ちょう食品類、饅頭、ういろ、もち、おはぎ等の和菓子類、チョコレート、ナッツ等の洋菓子素材類、豆乳、こうや豆腐等の大豆食品類、牛乳、チーズ、バター、アイスクリーム、クリーム、プリン、ヨーグルト、発酵乳飲料、乳成分含有飲料等の乳飲食品類、ハンバーグ、ソーセージ、魚肉ソーセージ、つみれ、煮干し等の畜肉・水産加工食品、マーガリン、ショートニング等の可塑性油脂組成物、ドレッシング、つゆ、たれ等の調味料類、レトルトカレー、インスタントシチュー、まぜご飯の素、米飯加工品等の調理品類等が挙げられる。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[酸化防止剤の製造及び評価]
(1)原材料
1)モノグリセリンオレイン酸エステルA(商品名:エマルジーOL-100H;HLB4.3;理研ビタミン社製)
2)モノグリセリンオレイン酸エステルB(商品名:ポエムOL-200VM;HLB3.1:理研ビタミン社製)
3)モノグリセリンラウリン酸エステル(商品名:ポエムM-300;HLB5.4;理研ビタミン社製)
4)ヘキサグリセリンオレイン酸エステル(商品名:SYグリスターPO-5S;HLB4.7;阪本薬品工業社製)
5)デカグリセリンオレイン酸エステル(商品名:サンソフトQ-175S;HLB4.5;太陽化学社製)
6)グリセリンクエン酸オレイン酸エステル(商品名:ポエムK-37V;HLB6.0;理研ビタミン社製)
7)モノグリセリンステアリン酸エステル(商品名:エマルジーMH;HLB4.3;理研ビタミン社製)
8)モノグリセリンベヘン酸エステルA(商品名:ポエムB-100;HLB4.2;理研ビタミン社製)
9)モノグリセリンベヘン酸エステルB(商品名:ポエムB-200;HLB2.8;理研ビタミン社製)
10)モノグリセリンカプリル酸エステル(商品名:ポエムM-100;HLB7.0;理研ビタミン社製)
11)ジグリセリンオレイン酸エステル(商品名:ポエムDO-100V;HLB7.4;理研ビタミン社製)
12)ジグリセリンラウリン酸エステル(商品名:ポエムDL-100:HLB9.4;理研ビタミン社製)
13)デカグリセリンオレイン酸エステル(商品名:ポエムJ-0381V;HLB14.0;理研ビタミン社製)
14)グリセリン酢酸ラウリン酸エステル(商品名:ポエムG-002;HLB2.0;理研ビタミン社製)
15)ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(商品名:ポエムPR-300;理研ビタミン社製)
16)レシチン(商品名:SLP-ペースト;辻製油社製)
17)ソルビタンオレイン酸エステル(商品名:ポエムO-80V;HLB4.9;理研ビタミン社製)
18)プロピレングリコールオレイン酸エステル(商品名:リケマールPO-100V;HLB3.6;理研ビタミン社製)
19)ジグリセリンステアリン酸エステル(商品名:ポエムDS-100A;HLB7.4;理研ビタミン社製)
20)ショ糖ステアリン酸エステル(商品名:リョートーシュガーエステルS-570;HLB5;三菱ケミカル社製)
21)カテキン類A(商品名:サンフェノン90S;粉末状;太陽化学社製)
22)カテキン類B(商品名:サンフェノン90LB-OP;粉末状;太陽化学社製)
23)カテキン類C(商品名:サンフェノンEGCg-OP;粉末状;太陽化学社製)
24)カテキン類D(商品名:ポリフェノン70S;粉末状;三井農林社製)
25)カテキン類E(商品名:ポリフェノン70A;粉末状;三井農林社製)
(2)酸化防止剤の配合
上記原材料を用いて製造した酸化防止剤1~24について、乳化剤とカテキン類の組合せ及び乳化剤のHLBを表1に示す。このうち、酸化防止剤1~13の製造方法は本発明に係る実施例であり、酸化防止剤14~24の製造方法はそれらに対する比較例である。
Figure 2023137660000001
(3)酸化防止剤の製造方法
(3-1)酸化防止剤1~10について
100mL容ガラス製ビーカー(内径50mm;高さ70mm)に乳化剤47.5gを仕込み、ウォーターバスで80℃に加温した。同温度条件下にて、攪拌機(商品名:スリーワンモータ;型式:BL-600;新東科学社製;38mm径3枚羽根型撹拌翼1段装着)を用いて500rpmで撹拌しているところにカテキン類2.5gを少量ずつ仕込み、10分間撹拌して酸化防止剤1~10を得た。
(3-2)酸化防止剤11~13について
100mL容ガラス製ビーカー(内径50mm;高さ70mm)に乳化剤47.5gを仕込み、ウォーターバスで95℃に加温した。同温度条件下にて、ガラス棒を用いて撹拌しているところにカテキン類2.5gを少量ずつ仕込み、10分間撹拌した。得られた混合物をステンレス製のトレイに流し込み室温で2時間冷却して固化したものを粗く粉砕し、フレーク状の酸化防止剤11~13を得た。
(3-3)酸化防止剤14~22について
100mL容ガラス製ビーカー(内径50mm;高さ70mm)に乳化剤47.5gを仕込み、ウォーターバスで80℃に加温した。同温度条件下にて、攪拌機(商品名:スリーワンモータ;型式:BL-600;新東科学社製;38mm径3枚羽根型撹拌翼1段装着)を用いて500rpmで撹拌しているところにカテキン類2.5gを少量ずつ仕込み、10分間撹拌して酸化防止剤14~22を得た。
(3-4)酸化防止剤23及び24について
100mL容ガラス製ビーカー(内径50mm;高さ70mm)に乳化剤47.5gを仕込み、ウォーターバスで95℃に加温した。同温度条件下にて、ガラス棒を用いて撹拌しているところにカテキン類2.5gを少量ずつ仕込み、10分間撹拌した。得られた混合物をステンレス製のトレイに流し込み室温で2時間冷却して固化したものを粗く粉砕し、フレーク状の酸化防止剤23及び24を得た。
(4)カテキン類の溶解性評価
酸化防止剤1~24の製造において、10分間の撹拌終了時点におけるカテキン類の不溶物を目視で評価し、以下の基準に従って記号化した。結果を表2に示す。
[記号化基準]
◎:溶け残りなく溶解
〇:溶解するがわずかに溶け残りがある
△:溶解するが溶け残りがある
×:ほとんど溶解しない
Figure 2023137660000002
[菜種油に対する酸化防止剤の使用]
(1)油脂組成物の調製
20mL容ガラス製ビーカー(内径34mm;高さ45mm)に、菜種油(商品名:ナタネ白絞油;ボーソー油脂社製)10gを加え、これに酸化防止剤(1~24のうちいずれか)をその添加量が1000ppmとなるように加えた。これらをウォーターバスで80℃に加温し、ガラス棒で5分間撹拌して酸化防止剤を溶解させた。溶解後、菜種油中に沈殿したカテキン類の不溶物は、シリンジフィルター(商品名:DISMIC;型式:13HP045AN;東洋濾紙社製;孔径:0.45μm;材質:親水性PTFE)を用いて濾過処理することにより除去し、油脂組成物1~24を得た。
(2)酸化防止効果の評価及び総合評価
基準油脂分析法2.5.1.2-1996に記載されるCDM試験法に従い、油脂組成物1~24を測定セルに3gずつ入れ、110℃に設定したCDM試験機(商品名:743Rancimat;Metrohm社製)中に設置した。測定セル中に空気を20L/hで送り込み、CDM試験機で導電率を測定することによって油脂組成物の酸化誘導時間(h)を測定した。また、対照として、酸化防止剤を添加していない菜種油についても同様に酸化誘導時間(h)を測定した。ここで、酸化誘導時間は、その時間が延長するほど、酸化防止効果が発揮されていることを表す。また、前述の溶解性評価の結果と、酸化防止効果の評価の結果を総合評価するため、それぞれの評価の結果を下記基準に従って点数化してから合算し、合計点を求めた。結果を表3に示す。
[溶解性評価の結果の点数化基準]
◎:4点
〇:3点
△:2点
×:1点
[酸化防止効果の評価の点数化基準]
酸化誘導時間(h)が16以上 :6点
酸化誘導時間(h)が15以上16未満:5点
酸化誘導時間(h)が14以上15未満:4点
酸化誘導時間(h)が13以上14未満:3点
酸化誘導時間(h)が12以上13未満:2点
酸化誘導時間(h)が11以上12未満:1点
酸化誘導時間(h)が11未満 :0点
Figure 2023137660000003
表3の結果から明らかなように、本発明の実施例である酸化防止剤1~13の製造方法は、溶解性評価の結果と酸化防止効果の評価の結果を総合評価した合計点が6以上であった。これに対し、比較例の酸化防止剤14~24の製造方法は、同合計点が5以下であり、本発明のものに比べて劣っていた。
[DHA配合油に対する酸化防止剤の使用]
(1)酸化防止剤の添加
20mL容ガラス製ビーカー(内径34mm;高さ45mm)に、DHA配合油(商品名:DHA-46MK;マルハニチロ社製)を10g加え、これに酸化防止剤1をその添加量が400ppmとなるように加えた。これらをウォーターバスで80℃に加温し、ガラス棒で5分間撹拌して溶解させた。
(2)酸化防止効果の評価
基準油脂分析方法2.5.1.2に記載されるCDM試験法に従い、酸化防止剤1を添加したDHA配合油を測定セルに3g入れ、70℃に設定したCDM試験機(商品名:743Rancimat;Metrohm社製)中に設置した。測定セル中に空気を20L/hで送り込み、CDM試験機で導電率を測定することによってDHA配合油の酸化誘導時間(h)を測定した。また、対照として、酸化防止剤を添加していないDHA配合油についても同様に酸化誘導時間(h)を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2023137660000004
表4の結果から明らかなように、酸化防止剤1を添加したDHA配合油は、酸化防止剤を添加していないものに比べて酸化誘導時間(h)が延長していた。従って、本発明の製造方法を実施することにより得られる酸化防止剤は、DHA配合油に対しても酸化防止効果を発揮することが確認された。
[β-カロテンに対する酸化防止剤の使用]
(1)酸化防止剤の添加
200mL容ガラス製ビーカー(内径68mm;高さ91mm)にβ-カロテン粉末(商品名:β-カロテン和光特級;富士フイルム和光純薬社製)を0.05g、酸化防止剤1を0.05g、及び菜種油(商品名:ナタネ白絞油;ボーソー油脂社製)を100g加え、これらをウォーターバスで60℃に加温し、攪拌機(商品名:スリーワンモータ;型式:BL-600;新東科学社製;38mm径3枚羽根型攪拌翼1段装着)を用いて500rpmで30分撹拌し、β-カロテン粉末を溶解させ、酸化防止剤1を500ppm添加したβ-カロテン溶液を得た。また、対照として、酸化防止剤1を添加しないこと以外は上記と同様に実施し、酸化防止剤を添加していないβ-カロテン溶液を得た。
(2)シャーレオーブン試験によるβ-カロテン残存率の評価
ガラスシャーレ(外径90mm;高さ20mm)にβ-カロテン溶液を25g量り取って加え、60℃恒温槽で11日間保管した。評価は、保存前後のβ-カロテン溶液についてβ-カロテン含有量を測定し、次式に基づきβ-カロテンの残存率(質量%)を求めることにより行った。結果を表5に示す。
残存率(質量%)=A/B×100
A:保存後のβ-カロテン含有量
B:保存前のβ-カロテン含有量
尚、β-カロテン溶液中のβ-カロテンの含有量は、「第9版 食品添加物公定書」(日本食品添加物協会)の「D.成分規格・保存基準各条」に記載された「β―カロテン」の「定量法」に従って測定した。
Figure 2023137660000005
表5の結果から明らかなように、酸化防止剤1を添加したβ-カロテン溶液は、酸化防止剤を添加していないものに比べて残存率が大幅に改善され、酸化によるβ-カロテン含有量の減少が明らかに抑制されていた。従って、本発明の製造方法を実施することにより得られる酸化防止剤は、β-カロテンに対しても酸化防止効果を発揮することが確認された。
[ビタミンAパルミチン酸エステルに対する酸化防止剤の使用]
(1)酸化防止剤の添加
200mL容ガラス製ビーカー(内径68mm;高さ91mm)にビタミンAパルミチン酸エステル(商品名:ビタミンAパルミチン酸エステル1.7Mio unstab;BASF SE社製)を50g、中鎖脂肪酸トリグリセリド(商品名:アクターM-1;理研ビタミン社製)を48.5g及び酸化防止剤1を1.5g加え、これらをウォーターバスで60℃に加温し、攪拌機(商品名:スリーワンモータ;型式:BL-600;新東科学社製;38mm径3枚羽根型攪拌翼1段装着)を用いて500rpmで10分撹拌し、ビタミンAパルミチン酸エステル溶液を得た。また、対照として、酸化防止剤1を添加しないこと以外は上記と同様に実施し、酸化防止剤を添加していないビタミンAパルミチン酸エステル溶液を得た。
(2)シャーレオーブン試験によるビタミンAパルミチン酸エステル残存率の評価
ガラスシャーレ(外径90mm;高さ20mm)にビタミンAパルミチン酸エステル溶液を25g量り取って加え、40℃恒温槽で2日間保管した。評価は、保存前後のビタミンAパルミチン酸エステル溶液についてビタミンAパルミチン酸エステル含有量を測定し、次式に基づきビタミンAパルミチン酸エステルの残存率(質量%)を求めることにより行った。結果を表6に示す。
残存率(質量%)=A/B×100
A:保存後のビタミンAパルミチン酸エステル含有量
B:保存前のビタミンAパルミチン酸エステル含有量
尚、ビタミンAパルミチン酸エステル溶液中のビタミンAパルミチン酸エステルの含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析を下記条件で行うことにより測定した。得られたHPLCチャートからビタミンAパルミチン酸エステルの面積を求め、ビタミンAパルミチン酸エステル標準品(商品名:ビタミンAパルミタート、油性;富士フイルム和光純薬社製)を測定して作成した検量線から試料中のビタミンAパルミチン酸エステル含有量(%)を算出した。
<HPLC分析条件>
移動相:メタノール
カラム:Inertsil ODS-3(5μm)
カラム径×長:4.6×150mm(GLScience社製)
流速:2.0mL/min
検出器:UV検出器(SPD-10AV UV-Vis検出器;島津製作所社製)
カラム温度:40℃
注入量:20μL
検出波長:325nm
Figure 2023137660000006
表6の結果から明らかなように、酸化防止剤1を添加したビタミンAパルミチン酸エステル溶液は、酸化防止剤を添加していないものに比べて残存率が大幅に改善され、酸化によるビタミンAパルミチン酸エステル含有量の減少が明らかに抑制されていた。従って、本発明の製造方法を実施することにより得られる酸化防止剤は、ビタミンAパルミチン酸エステルに対しても酸化防止効果を発揮することが確認された。

Claims (2)

  1. HLBが2.1以上7.0未満のグリセリン脂肪酸エステルにカテキン類を加えて加熱及び混合する、油脂及び油溶性機能性成分用酸化防止剤の製造方法。
  2. 前記カテキン類が粉末状である、請求項1に記載の油脂及び油溶性機能性成分用酸化防止剤の製造方法。
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