JP2024015629A - 柱脚構造 - Google Patents

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泰輝 川口
Yasuteru Kawaguchi
英二 望月
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Abstract

【課題】H型鋼のブレースに作用した軸力を柱脚部に効果的に伝達することができる柱脚構造を得ることである。
【解決手段】柱脚構造は、断面矩形筒状で、鋼管柱の下端部が上端部に接合される本体部と、前記本体部の上端部分に設けられたダイヤフラムと、前記本体部の下端部に取り付けられ、前記本体部を介して前記鋼管柱を支持するベースプレートと、H型鋼で、上側のフランジの一端部が前記ダイヤフラムに接合され、下側のフランジの一端部が前記ベースプレートに接合され、ウェブの一端部が、前記ベースプレート及び前記本体部の少なくとも一方に接合され、他端部にH型鋼のブレースが連結されるブラケットと、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、柱の脚部構造に関する。
特許文献1に記載の柱と基礎の接合構造は、ブレースの一端が柱脚に取り付けられている柱と、コンクリート製の基礎とが接合される柱と基礎の接合構造であり、基礎の天端には、基礎の端部側であって柱の直下にある第一アンカーボルトとブレース側にある第二アンカーボルトとが配設され、柱脚が接合されているベースプレートには第一アンカー孔と第二アンカー孔が開設され、第一アンカーボルトと第一アンカー孔の第一クリアランスよりも第二アンカーボルトと第二アンカー孔の第二クリアランスが小さい。
特開2020-100978号公報
従来の柱脚構造では、鉄骨柱において下端のベースプレートから離れた部分に、H型鋼のブレースの端部が連結されていた。このような構成では、ブレースに作用した軸力をベースプレートに効果的に伝達することができない。
本開示の課題は、H型鋼のブレースに作用した軸力をベースプレートに効果的に伝達することである。
第1態様に記載の柱脚構造は、断面矩形筒状で、鋼管柱の下端部が上端部に接合される本体部と、前記本体部の上端部分に設けられたダイヤフラムと、前記本体部の下端部に取り付けられ、前記本体部を介して前記鋼管柱を支持するベースプレートと、H型鋼で、上側のフランジの一端部が前記ダイヤフラムに接合され、下側のフランジの一端部が前記ベースプレートに接合され、ウェブの一端部が、前記ベースプレート及び前記本体部の少なくとも一方に接合され、他端部にH型鋼のブレースが連結されるブラケットと、を備えることを特徴とする。
第1態様に係る構成によれば、地震等の発生によって、H型鋼のブレースには、ブレースを圧縮する軸力、又はブレースを引っ張る軸力が作用する。
ここで、他端部にブレースが連結されているブラケットは、H型鋼を用いて形成されている。また、ブラケットのウェブの一端部は、ベースプレート及び本体部の少なくとも一方に接合されている。このため、ブラケットが1枚の板部材で構成されている場合と比して、H型鋼のブレースに作用した軸力をベースプレートに効果的に伝達することができる。
第2態様に記載の柱脚構造は、第1態様に記載の柱脚構造において、前記ウェブの一端部は、前記ベースプレート及び前記本体部の両方に接合されていることを特徴とする。
第2態様に係る構成によれば、ウェブの一端部は、ベースプレート及び本体部の両方に接合されている。これにより、ウェブの一端部が、ベースプレート及び本体部の何方か一方のみ接合されている場合と比して、ブレースに作用した軸力をベースプレートに効果的に伝達することができる。
第3態様に記載の柱脚構造は、第1又は2態様に記載の柱脚構造において、上側の前記フランジと下側の前記フランジとの距離は、他端部から一端部にかけて同様とされていることを特徴とする。
第3態様に係る柱脚構造によれば、上側のフランジと下側のフランジとの距離が他端部から一端部にかけて変化する場合と比して、簡易な構成とすることができる。
本開示によれば、H型鋼のブレースに作用した軸力をベースプレートに効果的に伝達することができる。
本開示の第1実施形態に係る柱脚構造が採用された柱梁架構を示した正面図である。 本開示の第1実施形態に係る柱脚構造を示した拡大正面図である。 本開示の第1実施形態に係る柱脚構造を示した斜視図である。 本開示の第2実施形態に係る柱脚構造を示した拡大正面図である。
<第1実施形態>
本開示の第1実施形態に係る柱脚構造の一例について図1~図3に従って説明する。なお、図中に示す矢印Hは、鉛直方向であって高さ方向を示し、矢印Wは、水平方向であって幅方向示し、矢印Dは、水平方向であって、奥行き方向を示す。また、矢印H、矢印W、及び矢印Dは、互いに直交する。
先ず、柱脚構造10が採用された構造物100について説明する。
(構造物100)
構造物100は、柱梁架構を含んで構成されており、図1に示されるように、鋼管柱102と、鋼管柱102に対して幅方向に離間して配置された鋼管柱104と、鋼管柱102と鋼管柱104とに掛け渡されている梁110とを備えている。そして、鋼管柱102及び鋼管柱104は、断面矩形筒状とされている。
また、構造物100は、鋼管柱102の柱脚部分と、鋼管柱104と梁110との交差部分とに掛け渡されたブレース120を備えている。このブレース120は、H型鋼を用いて形成されている。
(柱脚構造10)
鋼管柱102の柱脚部分の柱脚構造10は、図2に示されるように、鋼管柱102の下端部が上端部に接合されている本体部12と、本体部12の上端部を覆うように設けられたダイヤフラム16とを備えている。つまり、鋼管柱102の下端部は、ダイヤフラム16を介して本体部12の上端部に接合されている。また、柱脚構造10は、本体部12の下端部に取り付けられ、本体部12を介して鋼管柱102を支持するベースプレート22を備えている。さらに、柱脚構造10は、本体部12、ダイヤフラム16、及びベースプレート22に接合されるブラケット30を備えている。
〔本体部12、ダイヤフラム16〕
本体部12は、図2、図3に示されるように、断面矩形状とされた鋼管であり、本体部12の外形は、鋼管柱102の外形と同様とされている。また、本体部12の厚さは、鋼管柱102の厚さ以上とされている。この構成において、本体部12の上端部と鋼管柱102の下端部とは、開先溶接又は隅肉溶接によって接合されている。
ダイヤフラム16は、所謂通しダイヤであって、本体部12の上端部を覆うように本体部12に対して溶接によって接合されている。
〔ベースプレート22〕
本体部12を介して鋼管柱102を支持しているベースプレート22は、図2、図3に示されるように、平面視で矩形状とされおり、本体部12の下端部に開先溶接又は隅肉溶接によって接合されている。
また、ベースプレート22には、基礎コンクリートCに下端部分が埋設されたアンカーボルト24の上端部分が挿入されている複数の貫通孔22aが形成されている。具体的には、複数の貫通孔22aは、平面視で鋼管柱102を囲むように形成されている。
この構成において、ベースプレート22の貫通孔22aにアンカーボルト24を挿入させた状態で、ナット26をアンカーボルト24に締め込むことで、ベースプレート22が基礎コンクリートCに取り付けられる。
〔ブラケット30〕
ブラケット30は、図2、図3に示されるように、H型鋼であって、奥行き方向から見て、ブレース120の下端部に向けて水平方向に対して傾斜する方向に延びている。このブラケット30は、一対のフランジ32と、ウェブ34とを含んで構成されている。以後の説明では、ウェブ34に対して上側に配置されたフランジ32をフランジ32aと称し、ウェブ34に対して下側に配置されたフランジ32をフランジ32bと称する。
ウェブ34は、板厚方向が奥行き方向となるように配置されており、ウェブ34の基端部分は、先端部分と比して広がっている。また、ウェブ34の基端部には、鉛直方向に延びる鉛直縁部34aと、水平方向に延びる水平縁部34bとが形成されている。基端部は、一端部の一例であって、先端部は、他端部の一例である。
そして、鉛直縁部34aは、本体部12の周面に接触しており、ウェブ34は、鉛直縁部34aで本体部12の周面に開先溶接又は隅肉溶接によって接合されている。また、水平縁部34bは、ベースプレート22の上面に接触しており、ウェブ34は、水平縁部34bでベースプレート22の上面に開先溶接又は隅肉溶接によって接合されている。
さらに、フランジ32aの基端部分は、奥行き方向から見て湾曲しており、フランジ32aの基端縁33aは、ダイヤフラム16の周面に接触しており、フランジ32aは、基端縁33aでダイヤフラム16の周面に開先溶接又は隅肉溶接によって接合されている。
また、フランジ32bの基端部分は、奥行き方向から見て湾曲しており、フランジ32bの基端縁33bは、ベースプレート22の外周部上面に接触しており、フランジ32bは、基端縁33bでベースプレート22の外周部上面に開先溶接又は隅肉溶接によって接合されている。
そして、ブレース120の下端部分が、ブラケット30の先端部分に図示せぬスプライスプレート及びボルト等、又は開先溶接、隅肉溶接等を用いて連結されている。
(作用、まとめ)
地震等によって、図1に示す構造物100に柱梁架構を変形させる荷重が作用すると、ブレース120には、ブレース120を圧縮する軸力、又はブレース120を引っ張る軸力が作用する。
ここで、ブレース120は、H型鋼を用いて形成されており、図2に示す柱脚構造10においてブレース120の下端部分が連結されるブラケット30は、H型鋼とされている。このため、ブラケットが1枚の板部材で構成されている場合と比して、H型鋼を用いて形成されたブレース120に作用した軸力をベースプレート22に効果的に伝達することができる。
また、ブラケット30のウェブ34は、鉛直縁部34aで本体部12の周面に開先溶接又は隅肉溶接によって接合され、かつ、水平縁部34bでベースプレート22の上面に開先溶接又は隅肉溶接によって接合されている。このため、ウェブがどちらか一方にのみに接合されている場合と比して、ブレース120に作用した軸力をベースプレート22に効果的に伝達することができる。
<第2実施形態>
本開示の第2実施形態に係る柱脚構造の一例について図4に従って説明する。なお、第2実施形態については、第1実施形態に対して異なる部分を主に説明する。
第2実施形態に係る柱脚構造60は、図4に示されるように、鋼管柱102の下端部が上端部に接合される本体部62と、本体部62の上端部を覆うように本体部62に対して溶接によって接合されたダイヤフラム16とを備えている。さらに、柱脚構造60は、本体部12の下端部に取り付けられ、本体部62を介して鋼管柱102を支持するベースプレート22と、本体部62、ダイヤフラム16、及びベースプレート22に接合されるブラケット80と、を備えている。
ブラケット80は、一対のフランジ82と、ウェブ84とを含んで構成されている。以後の説明では、ウェブ84に対して上側に配置されたフランジ82をフランジ82aと称し、ウェブ84に対して下側に配置されたフランジ82をフランジ82bと称する。
そして、フランジ82aとフランジ82bとの距離は、先端部分から基端部分にかけて同様とされている。換言すれば、H型鋼のブラケット80の断面は、先端部分から基端部分にかけて一定とされている。
これにより、フランジ82aとフランジ82bとの距離が先端部分から基端部分にかけて変化する場合と比して、簡易な構成とすることができる。
なお、本開示を特定の実施形態について詳細に説明したが、本開示は係る実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。特許請求の範囲、明細書および図面の記載から当業者が認識することができる技術的思想に反しない限り、変更、削除、付加、及び各実施形態の組み合わせが可能である。
また、上記実施形態では、ダイヤフラム16を通しダイヤとして説明したが、外ダイヤであってもよい。外ダイヤの場合には、ダイヤフラムは、本体部12、62の上端部分を囲むように設けられる。そして、鋼管柱102の下端部が本体部12、62の上端部に直接接合される。
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、ブラケット30、80が、本体部12、62の他3面何れかの面側に設けられてもよい。
10 柱脚構造
12 本体部
16 ダイヤフラム
22 ベースプレート
30 ブラケット
32 フランジ
32a フランジ
32b フランジ
60 柱脚構造
62 本体部
80 ブラケット
82 フランジ
82a フランジ
82b フランジ
102 鋼管柱
120 ブレース

Claims (3)

  1. 断面矩形筒状で、鋼管柱の下端部が上端部に接合される本体部と、
    前記本体部の上端部分に設けられたダイヤフラムと、
    前記本体部の下端部に取り付けられ、前記本体部を介して前記鋼管柱を支持するベースプレートと、
    H型鋼で、上側のフランジの一端部が前記ダイヤフラムに接合され、下側のフランジの一端部が前記ベースプレートに接合され、ウェブの一端部が、前記ベースプレート及び前記本体部の少なくとも一方に接合され、他端部にH型鋼のブレースが連結されるブラケットと、
    を備える柱脚構造。
  2. 前記ウェブの一端部は、前記ベースプレート及び前記本体部の両方に接合されている、
    請求項1に記載の柱脚構造。
  3. 上側の前記フランジと下側の前記フランジとの距離は、他端部から一端部にかけて同様とされている、
    請求項1又は2に記載の柱脚構造。
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