JP2024015617A - 切削工具 - Google Patents

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誠 安田
Makoto Yasuda
泰之 所
Yasuyuki Tokoro
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Abstract

【課題】切屑処理性を安定して高めることができる切削工具を提供する。【解決手段】チップブレーカ4は、左右方向において外側を向くブレーカ壁面41と、ブレーカ壁面41とすくい面1との間に配置されるブレーカ底面42と、を有し、ブレーカ壁面41は、後側へ向かうに従い左右方向において外側に延びる第1壁面43と、第1壁面43よりも後側に配置され、後側へ向かうに従い左右方向において外側に延びる第2壁面44と、第1壁面43の後端部と第2壁面44の前端部とに接続される凹曲面状の接続壁面45と、を有し、平面視で、第1壁面43と2等分線Bとの間に形成される第1開き角α1に対して、第2壁面44と2等分線Bとの間に形成される第2開き角α2が大きくされ、第1壁面43が上下方向に対して傾斜する第1傾斜角が、第2壁面44が上下方向に対して傾斜する第2傾斜角よりも大きい。【選択図】図6

Description

本発明は、切削工具に関する。
従来、金属などの被削材を切削加工する際に用いられる切削インサート等の切削工具が知られている(例えば特許文献1、2)。
この種の切削工具は、すくい面と、逃げ面と、すくい面と逃げ面とが接続される稜線部に配置され、すくい面を正面に見た平面視でV字状をなす切刃と、平面視ですくい面の内側に配置されるチップブレーカと、を備える。チップブレーカの形状を工夫することにより、切屑の分断性や排出性など(以下、切屑処理性と呼ぶ)を良好なものとする試みがなされている。
国際公開第2016/035490号 国際公開第2019/189406号
従来の切削工具では、例えば切込み量が変化した場合などに切屑処理性が不安定になることがあり、切屑処理性をより安定して高める点に改善の余地があった。
本発明は、切屑処理性を安定して高めることができる切削工具を提供することを目的の一つとする。
〔本発明の態様1〕
すくい面と、逃げ面と、前記すくい面と前記逃げ面とが接続される稜線部に配置され、前記すくい面を正面に見た平面視でV字状をなす切刃と、前記平面視で前記すくい面の内側に配置されるチップブレーカと、を備え、前記切刃は、凸曲線状をなすコーナ刃と、前記コーナ刃の両端に接続され、それぞれ直線状に延びる一対の直線刃と、を有し、前記平面視において前記一対の直線刃の2等分線が延びる方向を前後方向とし、前記平面視において前記2等分線と直交する方向を左右方向とし、前記前後方向及び前記左右方向と直交する方向を上下方向として、前記チップブレーカは、前記左右方向において外側を向くブレーカ壁面と、前記ブレーカ壁面と前記すくい面との間に配置されるブレーカ底面と、を有し、前記ブレーカ壁面は、後側へ向かうに従い前記左右方向において外側に延びる第1壁面と、前記第1壁面よりも後側に配置され、後側へ向かうに従い前記左右方向において外側に延びる第2壁面と、前記第1壁面の後端部と前記第2壁面の前端部とに接続される凹曲面状の接続壁面と、を有し、前記平面視で、前記第1壁面と前記2等分線との間に形成される第1開き角に対して、前記第2壁面と前記2等分線との間に形成される第2開き角が大きくされ、前記第1壁面及び前記第2壁面は、それぞれ、下側へ向かうに従い前記左右方向において外側に向けて傾斜しており、前記第1壁面が前記上下方向に対して傾斜する第1傾斜角が、前記第2壁面が前記上下方向に対して傾斜する第2傾斜角よりも大きい、切削工具。
本発明の切削工具は、例えばターニング(旋削)加工に用いられる刃先交換式バイトの切削インサート等である。この切削工具では、チップブレーカが、ブレーカ壁面と、ブレーカ底面と、を有する。切削時に切刃で生じた切屑は、すくい面上を流れ、ブレーカ底面及びブレーカ壁面に接触させられることでカールされたり分断されたりして、工具上から好適に排出される。
具体的に、例えば切削時の切込み量が小さい場合には、切屑が、ブレーカ壁面のうち前側に位置する第1壁面に接触させられる。第1壁面は、平面視で2等分線との間に形成される第1開き角が小さくされており、第1壁面と切刃との間には切屑を受け入れるためのスペースが大きく確保される。このため、切屑が第1壁面と切刃との間で詰まるような不具合が抑制される。
また第1壁面は、上下方向に対して傾斜する第1傾斜角が大きくされている。言い換えると、第1壁面は、上下方向と垂直な仮想平面に対しては傾斜角が小さくされている(傾斜が寝ている)。このため、第1壁面に接触させられた薄い切屑は、第1壁面によって分断されながら第1壁面の上側へと安定して流出させられ、工具上から排出される。
また、例えば切削時の切込み量が大きい場合には、切屑が、ブレーカ壁面のうち第1壁面よりも後側に位置する第2壁面に接触させられる。第2壁面は、平面視で2等分線との間に形成される第2開き角が大きくされている。このため、第2壁面を切刃(例えば直線刃)と略平行に配置することが可能となり、切削時に切刃で生じた切屑は、第2壁面に対して略垂直に接触させられる。これにより、厚い切屑の切屑処理性が安定して高められる。
また第2壁面は、上下方向に対して傾斜する第2傾斜角が小さくされている。言い換えると、第2壁面は、上下方向と垂直な仮想平面に対しては傾斜角が大きくされている(傾斜が立っている)。このため、第2壁面に接触させられた厚い切屑は、第2壁面によって安定してカールされ、分断される。
以上より本発明によれば、例えば切込み量が変化した場合であっても、切屑処理性が良好に維持される。すなわち、切屑処理性を安定して高めることができる。
〔本発明の態様2〕
前記平面視で、前記接続壁面と前記2等分線との間に形成される第3開き角は、後側へ向かうに従い徐々に大きくなり、前記接続壁面は、下側へ向かうに従い前記左右方向において外側に向けて傾斜しており、前記接続壁面が前記上下方向に対して傾斜する第3傾斜角は、後側へ向かうに従い徐々に小さくなる、態様1に記載の切削工具。
この場合、接続壁面がねじれた凹曲面状をなすため、この接続壁面によって、第1壁面と第2壁面とを滑らかに段差なく接続することが可能になる。互いに開き角及び傾斜角が異なる第1壁面と第2壁面とを、接続壁面によって滑らかに連結することができるため、各壁面同士の接続部分などにおいて切屑が引っ掛かったり、流出方向が不安定になったりするような不具合を抑制できる。
〔本発明の態様3〕
前記すくい面は、前記コーナ刃に接続されるコーナすくい面を有し、前記第1壁面の前端部は、前記コーナすくい面と接続される、態様1または2に記載の切削工具。
この場合、チップブレーカの第1壁面の前端部がコーナすくい面と接続されるため、コーナ刃近傍の刃先強度が高められる。切刃の耐欠損性が向上する。また、第1壁面の前端部がコーナすくい面上に配置されるため、切込み量が小さい切削時においても、コーナ刃によって生成された切屑が、第1壁面に安定して接触させられ、良好に切屑処理される。
〔本発明の態様4〕
前記ブレーカ底面は、前記ブレーカ底面上を延びる複数のクーラント溝を有し、前記複数のクーラント溝は、前記平面視で、前記左右方向と交差する向きに延びる、態様1から3のいずれか1つに記載の切削工具。
本発明の切削工具を用いた切削時においては、切刃により生成された切屑が、例えば、略左右方向に向けて流出する。上記構成のように、ブレーカ底面に設けられる複数のクーラント溝が、左右方向と交差する向きに延びていれば、クーラント溝を流れるクーラントが切屑の影響を受けにくくなる。このため、ブレーカ底面においてクーラントを広範囲に行き渡らせやすくなり、かつ、液の膜厚も大きく確保されやすくなる。クーラントによる潤滑性が増し、切削抵抗が小さく抑えられる。また、溶着の発生についても抑制することができる。
〔本発明の態様5〕
前記すくい面は、前記切刃に沿って延び、前記平面視で前記切刃と直交する方向において前記切刃から離れるに従い、下側へ向けて傾斜する第1すくい面と、前記切刃に沿って延び、前記第1すくい面よりも前記切刃から離れて配置され、前記平面視で前記切刃と直交する方向において前記切刃から離れるに従い、下側へ向けて傾斜する第2すくい面と、を有し、前記第1すくい面のすくい角が、前記第2すくい面のすくい角よりも小さくされている、態様1から4のいずれか1つに記載の切削工具。
この場合、切刃に近い第1すくい面のすくい角が小さくされているため、切刃と垂直な断面視において、すくい面と逃げ面との間に形成される刃物角が大きく確保される。このため、切刃の刃先強度が高められ、切刃の耐欠損性が向上する。
また、第2すくい面のすくい角が大きくされているため、すくい面上を流れる切屑を、安定してブレーカ底面及びブレーカ壁面に案内することができ、切屑処理性がより高められる。
〔本発明の態様6〕
前記ブレーカ壁面は、前記平面視で前記2等分線を対称軸として左右対称に一対設けられ、前記チップブレーカは、一対の前記ブレーカ壁面の各前記第1壁面の上端縁同士が接続されることで形成されるブレーカ稜線を有し、前記ブレーカ稜線は、後側へ向かうに従い上側に向けて延びる、態様1から5のいずれか1つに記載の切削工具。
この場合、ブレーカ稜線の高さ(上下方向の位置)が後側へ向かうに従い高くなるのに応じて、第1壁面の高さも後側へ向かうに従い高くなる。切削時の切込み量が大きくなるに従い、切屑が接触させられる第1壁面の高さも大きくなるので、切屑処理性が安定して高められる。
また、ブレーカ稜線の高さが前側へ向かうに従い低くなるのに応じて、第1壁面の高さも前側へ向かうに従い低くなる。切削時の切込み量が十分に小さい場合などには、切屑が第1壁面に過剰に当てられることを抑えて、切屑排出性を良好に維持できる。
〔本発明の態様7〕
前記すくい面、前記逃げ面、前記切刃及び前記チップブレーカが配置される刃部を備え、前記刃部は、cBN焼結体またはダイヤモンド焼結体により構成される、態様1から6のいずれか1つに記載の切削工具。
この場合、刃部の硬度が高められているため、例えば高硬度の硬脆材料等の被削材を切削加工する場合であっても、切刃やチップブレーカの摩耗や損傷等が抑えられ、安定した切削加工を行うことが可能である。
本発明の前記態様の切削工具によれば、切屑処理性を安定して高めることができる。
図1は、本実施形態の切削工具を示す斜視図である。 図2は、本実施形態の切削工具を示す上面図(平面図)である。 図3は、本実施形態の切削工具を示す側面図である。 図4は、本実施形態の切削工具を示す前面図(正面図)である。 図5は、切削工具の刃部の一部を示す斜視図である。 図6は、切削工具の刃部を示す上面図である。 図7は、図6のVII-VII断面を示す断面図である。 図8は、図6のVIII-VIII断面を示す断面図である。 図9は、図6のIX-IX断面を示す断面図である。 図10は、図6のX-X断面を示す断面図である。 図11は、本実施形態の切削工具を用いた切削加工によって生成された切屑の画像を表す。 図12は、従来の切削工具を用いた切削加工によって生成された切屑の画像を表す。 図13は、本実施形態の第1変形例の切削工具の刃部を示す上面図である。 図14は、本実施形態の第2変形例の切削工具の刃部を示す上面図である。 図15は、本実施形態の第3変形例の切削工具の刃部を示す上面図である。 図16は、切削工具の工具姿勢と切込み量との関係を説明する図である。
本発明の一実施形態の切削工具10について、図面を参照して説明する。本実施形態の切削工具10は、例えば金属製等の被削材を旋削加工(切削加工)する刃先交換式バイトに用いられる切削インサートである。なお本実施形態では、切削工具10を単に工具などと呼ぶ場合がある。
特に図示しないが、刃先交換式バイトは、ホルダと、切削工具(切削インサート)10と、を備える。ホルダは、例えば鋼材製である。ホルダは、ホルダの先端部に配置される凹状のインサート取付座を有する。切削工具10は、インサート取付座に着脱可能に取り付けられる。
図1~図4に示すように、切削工具10は、板状である。本実施形態では切削工具10が、多角形板状であり、具体的には、菱形板状等の四角形板状である。より詳しくは、本実施形態の切削工具10は、例えば、一般的なISO規格に準ずる菱形インサート(切削インサート)である。ただしこれに限らず、切削工具10は、例えば三角形板状、五角形板状、六角形板状などの多角形板状等であってもよい。
切削工具10は、インサート中心軸Cを中心とする多角形板状であり、その一対の板面(表面及び裏面)が、インサート中心軸Cが延びる方向(インサート軸方向)を向く。なお、本明細書においては、インサート中心軸Cと直交する方向をインサート径方向と呼び、インサート中心軸C回りに周回する方向をインサート周方向と呼ぶ場合がある。インサート径方向のうち、インサート中心軸Cに近づく方向はインサート径方向の内側であり、インサート中心軸Cから離れる方向はインサート径方向の外側である。
切削工具10は、台金部11と、刃部12と、を備える。
台金部11は、例えば超硬合金製である。台金部11は、多角形板状をなしており、本実施形態では菱形板状等の四角形板状をなす。台金部11は、刃部取付部11aと、取付孔11bと、を有する。
刃部取付部11aは、凹状をなしている。刃部取付部11aは、台金部11の一対の板面(表面及び裏面)のうち一方の板面(表面)、及び、外周面から窪む。刃部取付部11aは、台金部11の複数の角部のうち、所定の角部に配置される。本実施形態では刃部取付部11aが、三角形凹状をなしている。
取付孔11bは、台金部11をインサート軸方向に貫通し、台金部11の一対の板面(表面及び裏面)に開口する。取付孔11bは、インサート中心軸Cを中心とする円孔状である。取付孔11bには、切削工具10をホルダのインサート取付座に固定するための図示しないクランプ駒やクランプネジ等が挿入される。
刃部12は、刃部取付部11aに所定の接合手段などにより固定(接合)される。すなわち、刃部12は、切削工具10の複数の角部のうち、所定の角部に配置される。刃部12は、cBN(cubic boron nitride)焼結体またはダイヤモンド焼結体(Polycrystalline diamond,PCD)により構成される。cBN焼結体は、cBNと結合材とを含む焼結体である。ダイヤモンド焼結体は、ダイヤモンドと結合材とを含む焼結体である。
刃部12がcBN焼結体製の場合、刃部12のcBN含有量は、例えば20体積%以上80体積%以下である。好ましくは、刃部12のcBN含有量は、40体積%以上である。結合材としては、周期律表の第4、第5、第6族元素の窒化物、炭化物、硼化物、酸化物及びこれらの固溶体からなる群から選択される少なくとも一種と、アルミニウムの窒化物、硼化物、酸化物及びこれらの固溶体からなる群から選択される少なくとも一種とからなる組成の結合材を用いることができる。
刃部12がダイヤモンド焼結体製の場合、刃部12のダイヤモンド含有量は、例えば80体積%以上である。
刃部12は、多角形板状であり、本実施形態では三角形板状である。図5に示すように、刃部12は、すくい面1と、逃げ面2と、すくい面1と逃げ面2とが接続される稜線部に配置される切刃3と、チップブレーカ4と、を有する。すなわち、刃部12には、すくい面1、逃げ面2、切刃3及びチップブレーカ4が配置される。このため、切削工具10は、すくい面1と、逃げ面2と、切刃3と、チップブレーカ4と、を備える。
図6は、刃部12をインサート軸方向から見た平面図(上面図)を表している。図6に示すように、切刃3は、すくい面1を正面に見た平面視でV字状をなしている。具体的に、切刃3は、凸曲線状をなすコーナ刃3aと、コーナ刃3aの両端に接続され、それぞれ直線状に延びる一対の直線刃3bと、を有する。またチップブレーカ4は、この平面視ですくい面1の内側に配置されている。
〔方向の定義〕
本実施形態では、各図に適宜XYZ直交座標系(3次元直交座標系)を設定し、各構成について説明する。
図6に示す刃部12(切削工具10)の平面視において、一対の直線刃3bの2等分線Bが延びる方向を、前後方向と呼ぶ。前後方向は、各図においてY軸方向に相当する。本実施形態において2等分線Bは、インサート中心軸Cと直交する。すなわち、2等分線Bは、所定のインサート径方向に沿って延びる。前後方向のうち、インサート中心軸Cからコーナ刃3aへ向かう方向を前側(-Y側)と呼び、コーナ刃3aからインサート中心軸Cへ向かう方向を後側(+Y側)と呼ぶ。
また、図6に示す刃部12(切削工具10)の平面視において、2等分線Bと直交する方向を、左右方向と呼ぶ。左右方向は、各図においてX軸方向に相当する。左右方向のうち、図6に示すようにすくい面1を正面に見て、2等分線Bから左側へ向かう方向を左側(-X側)と呼び、2等分線Bから右側へ向かう方向を右側(+X側)と呼ぶ。また左右方向において、2等分線Bに近づく方向を内側(中央側)と呼び、2等分線Bから離れる方向を外側と呼ぶ。
また、前後方向及び左右方向と直交する方向を、上下方向と呼ぶ。上下方向は、各図においてZ軸方向に相当する。上下方向のうち、すくい面1が向く方向を上側(+Z側)と呼び、これとは反対の方向を下側(-Z側)と呼ぶ。本実施形態において、上下方向は、インサート軸方向に相当する。
なお本実施形態において、前側、後側、左側、右側、上側及び下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、工具使用時などにおける実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係以外の配置関係等であってもよい。
〔すくい面〕
図5及び図6に示すように、すくい面1は、刃部12の一対の板面(表面及び裏面)のうち、上側を向く一方の板面(表面)に配置される。すくい面1は、切刃3のインサート径方向の内側に、切刃3と隣接して配置される。すくい面1は、ランド15と、第1すくい面16と、第2すくい面17と、を有する。
ランド15は、すくい面1のうち切刃3に直接接続される部分である。ランド15は、切刃3に沿って延びており、図6に示す平面視で、全体としてV字状をなす。本実施形態ではランド15が、上下方向と垂直な方向に広がる平面状である。詳しくは、ランド15は、図7~図10に示すように、上下方向と垂直でかつ切刃3を通る仮想平面(以下、基準面Prと呼ぶ)の面方向に沿って延びる。このため、ランド15のすくい角は、本実施形態では0°である。なお、本実施形態において「すくい角」とは、基準面Prに対するすくい面1の各部での傾きを表す角度である。
図5及び図6に示すように、第1すくい面16は、すくい面1のうちランド15の内側に配置される部分である。すなわち、第1すくい面16は、ランド15よりも切刃3から離れて配置される。第1すくい面16は、ランド15と接続される。第1すくい面16は、切刃3に沿って延びており、図6に示す平面視で、全体としてV字状をなす。なお本実施形態では、第1すくい面16の前端部に、チップブレーカ4の前端部(具体的には、後述するブレーカ壁面41の前端部)が達している。
第1すくい面16は、この平面視で切刃3と直交する方向において切刃3から離れるに従い、下側へ向けて傾斜する。このため、第1すくい面16のすくい角は、ポジティブ角(正角)とされている。
第2すくい面17は、すくい面1のうち第1すくい面16の内側に配置される部分である。すなわち、第2すくい面17は、第1すくい面16よりも切刃3から離れて配置される。第2すくい面17は、第1すくい面16と接続される。第2すくい面17は、切刃3に沿って延びており、図6に示す平面視で、全体として略V字状をなす。なお本実施形態では、第2すくい面17の前端部が、チップブレーカ4の前端部(具体的には、後述するブレーカ壁面41の前端部)によって左右方向に分断されている。
第2すくい面17は、この平面視で切刃3と直交する方向において切刃3から離れるに従い、下側へ向けて傾斜する。このため、第2すくい面17のすくい角は、ポジティブ角(正角)とされている。
図8~図10に示すように、第2すくい面17のすくい角は、第1すくい面16のすくい角よりも正角側に大きくされている。言い換えると、第1すくい面16のすくい角は、第2すくい面17のすくい角よりも小さくされている。第1すくい面16のすくい角と第2すくい面17のすくい角との差(角度差)は、例えば5°程度である。
また図5及び図6に示すように、すくい面1は、コーナすくい面18と、コーナすくい面18の両端に接続される一対の直線すくい面19と、を有する。
コーナすくい面18は、すくい面1のうち、コーナ刃3aに接続される部分である。コーナすくい面18は、すくい面1の前端部に配置されており、図6に示す平面視で、前側に向けて凸となる曲線状をなしている。コーナすくい面18は、コーナ刃3aに沿って延びる。
コーナすくい面18は、ランド15のうち前端部に位置する凸曲線状の部分と、第1すくい面16のうち前端部に位置する凸曲線状の部分と、第2すくい面17のうち前端部に位置する凸曲線状の部分と、を含む。すなわち、コーナすくい面18は、ランド15、第1すくい面16及び第2すくい面17の各前端部に配置される各凸曲線状の部分により構成される。
直線すくい面19は、すくい面1のうち、直線刃3bに接続される部分である。
一対の直線すくい面19のうち、一方の直線すくい面19は、2等分線Bよりも左側(-X側)に配置されている。一方の直線すくい面19は、一対の直線刃3bのうち、2等分線Bよりも左側に位置する一方の直線刃3bに接続される。一方の直線すくい面19は、一方の直線刃3bに沿って延びる。具体的に、一方の直線すくい面19は、図6に示す平面視で、後側へ向かうに従い左側に向けて直線状に延びる。
一方の直線すくい面19は、ランド15のうち2等分線Bよりも左側に位置する直線状の部分と、第1すくい面16のうち2等分線Bよりも左側に位置する直線状の部分と、第2すくい面17のうち2等分線Bよりも左側に位置する直線状の部分と、を含む。すなわち、一方の直線すくい面19は、ランド15、第1すくい面16及び第2すくい面17の2等分線Bよりも左側の各直線状の部分により構成される。
一対の直線すくい面19のうち、他方の直線すくい面19は、2等分線Bよりも右側(+X側)に配置されている。他方の直線すくい面19は、一対の直線刃3bのうち、2等分線Bよりも右側に位置する他方の直線刃3bに接続される。他方の直線すくい面19は、他方の直線刃3bに沿って延びる。具体的に、他方の直線すくい面19は、図6に示す平面視で、後側へ向かうに従い右側に向けて直線状に延びる。
他方の直線すくい面19は、ランド15のうち2等分線Bよりも右側に位置する直線状の部分と、第1すくい面16のうち2等分線Bよりも右側に位置する直線状の部分と、第2すくい面17のうち2等分線Bよりも右側に位置する直線状の部分と、を含む。すなわち、他方の直線すくい面19は、ランド15、第1すくい面16及び第2すくい面17の2等分線Bよりも右側の各直線状の部分により構成される。
〔逃げ面〕
図5及び図7~図10に示すように、逃げ面2は、刃部12の外周面のうち、前側、左側及び右側を向く部分に配置される。逃げ面2は、切刃3の下側に、切刃3と隣接して配置される。逃げ面2は、インサート周方向に延びる。本実施形態では逃げ面2に、インサート周方向の全域にわたって逃げ角が付与されている。
逃げ面2は、コーナ逃げ面21と、コーナ逃げ面21のインサート周方向の両端に接続される一対の直線逃げ面22と、を有する。
コーナ逃げ面21は、逃げ面2のうち、コーナ刃3aに接続される部分である。コーナ逃げ面21は、逃げ面2の前端部に配置されており、前側に向けて凸となる曲面状をなしている。コーナ逃げ面21は、コーナ刃3aから下側へ向かうに従い、インサート径方向の内側に向けて傾斜する。すなわち、コーナ逃げ面21には逃げ角が付与されている。
直線逃げ面22は、逃げ面2のうち、直線刃3bに接続される部分である。
一対の直線逃げ面22のうち、一方の直線逃げ面22は、逃げ面2のうち左側(-X側)を向く部分に配置されている。一方の直線逃げ面22は、一対の直線刃3bのうち、2等分線Bよりも左側に位置する一方の直線刃3bに接続される。一方の直線逃げ面22は、一方の直線刃3bに沿って延びる。一方の直線逃げ面22は、一方の直線刃3bから下側へ向かうに従い、インサート径方向の内側に向けて傾斜する。一方の直線逃げ面22は、傾斜した平面状である。すなわち、一方の直線逃げ面22には逃げ角が付与されている。
一対の直線逃げ面22のうち、他方の直線逃げ面22は、逃げ面2のうち右側(+X側)を向く部分に配置されている。他方の直線逃げ面22は、一対の直線刃3bのうち、2等分線Bよりも右側に位置する他方の直線刃3bに接続される。他方の直線逃げ面22は、他方の直線刃3bに沿って延びる。他方の直線逃げ面22は、他方の直線刃3bから下側へ向かうに従い、インサート径方向の内側に向けて傾斜する。他方の直線逃げ面22は、傾斜した平面状である。すなわち、他方の直線逃げ面22には逃げ角が付与されている。
〔切刃〕
図5~図10に示すように、本実施形態では切刃3が、上下方向と垂直な基準面Prの面方向に沿って延びている。詳しくは、切刃3の全体が、基準面Prの面内に含まれる。切刃3は、コーナ刃3aと、一対の直線刃3bと、を有する。
図5及び図6に示すように、コーナ刃3aは、前側(-Y側)に向けて凸となる曲線状をなしており、具体的には、凸円弧状をなす。本実施形態では、コーナ刃3aの曲率半径(ノーズR)が、例えば0.4mm程度である。
一対の直線刃3bは、コーナ刃3aが延びる刃長方向の両端に、それぞれ段差なく滑らかに接続される。具体的に、各直線刃3bは、コーナ刃3aの両端に接する各接線に沿うように延びる。
一対の直線刃3bのうち、一方の直線刃3bは、コーナ刃3aの刃長方向の一端(左端)に接続される。一方の直線刃3bは、コーナ刃3aとの接続部分から後側(+Y側)へ向かうに従い、左側(-X側)に向けて直線状に延びる。
一対の直線刃3bのうち、他方の直線刃3bは、コーナ刃3aの刃長方向の他端(右端)に接続される。他方の直線刃3bは、コーナ刃3aとの接続部分から後側(+Y側)へ向かうに従い、右側(+X側)に向けて直線状に延びる。
〔チップブレーカ〕
チップブレーカ4は、図6に示す平面視で切刃3の内側に配置されており、本実施形態では、V字状をなす切刃3の形状にならって延びる略V字状をなしている。
チップブレーカ4は、ブレーカ壁面41と、ブレーカ底面42と、を有する。ブレーカ壁面41は、左右方向において外側(切刃3側)を向く。ブレーカ底面42は、ブレーカ壁面41とすくい面1との間に配置される。
本実施形態では、刃部12が、2等分線Bを対称軸として左右対称形状に形成されている。このため、ブレーカ壁面41は、平面視で2等分線Bを対称軸として左右対称に一対設けられる。また、ブレーカ底面42は、平面視で2等分線Bを対称軸として左右対称に一対設けられる。
図5に示すように、本実施形態では、ブレーカ壁面41の上端の上下方向の位置が、刃部12の上側を向く一方の板面(表面)の上下方向の位置と同じであり、また切刃3の上下方向の位置と同じである。このため、ブレーカ壁面41のうち上端以外の部分は、切刃3よりも下側に位置する。
図5及び図6に示すように、ブレーカ壁面41は、第1壁面43と、第2壁面44と、接続壁面45と、第1補助壁面46と、第1段部47と、を有する。
第1壁面43は、ブレーカ壁面41のうち前端部に配置される。第1壁面43は、後側へ向かうに従い左右方向において外側に延びる。具体的に、一対のブレーカ壁面41のうち、2等分線Bの左側に位置する一方のブレーカ壁面41の第1壁面43は、後側へ向かうに従い左側に向けて延びる。また、一対のブレーカ壁面41のうち、2等分線Bの右側に位置する他方のブレーカ壁面41の第1壁面43は、後側へ向かうに従い右側に向けて延びる。各第1壁面43は、平面状をなす。
図6に符号α1で示す角度は、この平面視で、第1壁面43と2等分線Bとの間に形成される第1開き角α1を表す。
図7及び図8に示すように、第1壁面43は、下側へ向かうに従い左右方向において外側に向けて傾斜している。具体的に、一方(左側)のブレーカ壁面41の第1壁面43は、下側へ向かうに従い左側に向けて傾斜している。また、他方(右側)のブレーカ壁面41の第1壁面43は、下側へ向かうに従い右側に向けて傾斜している。
図8に符号β1で示す角度は、第1壁面43が上下方向(Z軸方向)に対して傾斜する第1傾斜角β1を表す。
図5及び図6に示すように、各第1壁面43の前端部は、コーナすくい面18と接続される。本実施形態では、第1壁面43の前端部が、コーナすくい面18に位置する第1すくい面16の前端部及び第2すくい面17の前端部と接続される。すなわち、第1壁面43の前端部は、コーナすくい面18上に配置される。
またチップブレーカ4は、ブレーカ稜線48をさらに有する。ブレーカ稜線48は、一対のブレーカ壁面41の各第1壁面43の上端縁同士が接続されることにより形成されている。ブレーカ稜線48は、図6に示す平面視で2等分線B上に位置しており、すなわち2等分線Bに沿って前後方向に延びている。
詳しくは、ブレーカ稜線48は、後側へ向かうに従い上側に向けて延びる。ブレーカ稜線48は、切刃3よりも下側に位置している。このようなブレーカ稜線48が形成されることで、図7に示すように、チップブレーカ4の前端部の断面形状(2等分線Bと垂直な断面の形状)は、上側に向けて凸となるV字状(三角形状)をなす。
図5及び図6に示すように、第2壁面44は、第1壁面43よりも後側に配置される。第2壁面44は、後側へ向かうに従い左右方向において外側に延びる。具体的に、一対のブレーカ壁面41のうち、2等分線Bの左側に位置する一方のブレーカ壁面41の第2壁面44は、後側へ向かうに従い左側に向けて延びる。また、一対のブレーカ壁面41のうち、2等分線Bの右側に位置する他方のブレーカ壁面41の第2壁面44は、後側へ向かうに従い右側に向けて延びる。各第2壁面44は、平面状をなす。
図6に符号α2で示す角度は、この平面視で、第2壁面44と2等分線Bとの間に形成される第2開き角α2を表す。第1壁面43の第1開き角α1に対して、第2壁面44の第2開き角α2は、大きくされている。具体的に、本実施形態において第2開き角α2は、ISO規格に準ずる菱形インサート(切削工具10)の刃部12の刃先菱角(本実施形態の例では平面視で55°)の1/2に相当する。このため第2壁面44は、直線刃3bと平行に延びている。また本実施形態において、第1開き角α1は、第2開き角α2の半分以下とされている。
図10に示すように、第2壁面44は、下側へ向かうに従い左右方向において外側に向けて傾斜している。具体的に、一方(左側)のブレーカ壁面41の第2壁面44は、下側へ向かうに従い左側に向けて傾斜している。また、他方(右側)のブレーカ壁面41の第2壁面44は、下側へ向かうに従い右側に向けて傾斜している。
図10に符号β2で示す角度は、第2壁面44が上下方向(Z軸方向)に対して傾斜する第2傾斜角β2を表す。図8及び図10に示すように、第1壁面43の第1傾斜角β1は、第2壁面44の第2傾斜角β2よりも大きい。
図5及び図6に示すように、接続壁面45は、前後方向において、第1壁面43と第2壁面44との間に配置される。接続壁面45は、第1壁面43の後端部と第2壁面44の前端部とに接続される。接続壁面45は、後側へ向かうに従い左右方向において外側に延びる。具体的に、一対のブレーカ壁面41のうち、2等分線Bの左側に位置する一方のブレーカ壁面41の接続壁面45は、後側へ向かうに従い左側に向けて延びる。また、一対のブレーカ壁面41のうち、2等分線Bの右側に位置する他方のブレーカ壁面41の接続壁面45は、後側へ向かうに従い右側に向けて延びる。
図6に符号α3で示す角度は、この平面視で、接続壁面45と2等分線Bとの間に形成される第3開き角α3を表す。第3開き角α3は、第1壁面43に接続される接続壁面45の前端部では、第1開き角α1と略等しい。第3開き角α3は、接続壁面45の前端部から後側へ向かうに従い徐々に大きくなる。第3開き角α3は、第2壁面44に接続される接続壁面45の後端部では、第2開き角α2と略等しい。
図9に示すように、接続壁面45は、下側へ向かうに従い左右方向において外側に向けて傾斜している。具体的に、一方(左側)のブレーカ壁面41の接続壁面45は、下側へ向かうに従い左側に向けて傾斜している。また、他方(右側)のブレーカ壁面41の接続壁面45は、下側へ向かうに従い右側に向けて傾斜している。
図9に符号β3で示す角度は、接続壁面45が上下方向(Z軸方向)に対して傾斜する第3傾斜角β3を表す。第3傾斜角β3は、第1壁面43に接続される接続壁面45の前端部では、第1傾斜角β1と略等しい。第3傾斜角β3は、接続壁面45の前端部から後側へ向かうに従い徐々に小さくなる。第3傾斜角β3は、第2壁面44に接続される接続壁面45の後端部では、第2傾斜角β2と略等しい。
上記構成により、各接続壁面45は、ねじれた凹曲面状をなしている。
図5及び図6に示すように、第1補助壁面46は、第2壁面44よりも後側に配置される。本実施形態では第1補助壁面46が、ブレーカ壁面41のうち後端部に配置される。第1補助壁面46は、後側へ向かうに従い左右方向において外側に延びる。具体的に、一対のブレーカ壁面41のうち、2等分線Bの左側に位置する一方のブレーカ壁面41の第1補助壁面46は、後側へ向かうに従い左側に向けて延びる。また、一対のブレーカ壁面41のうち、2等分線Bの右側に位置する他方のブレーカ壁面41の第1補助壁面46は、後側へ向かうに従い右側に向けて延びる。各第1補助壁面46は、平面状をなす。
第1補助壁面46は、直線刃3bと平行に延びている。第1補助壁面46と直線刃3bとの間の距離は、第2壁面44と直線刃3bとの間の距離よりも小さい。
第1補助壁面46は、下側へ向かうに従い左右方向において外側に向けて傾斜している。具体的に、一方(左側)のブレーカ壁面41の第1補助壁面46は、下側へ向かうに従い左側に向けて傾斜している。また、他方(右側)のブレーカ壁面41の第1補助壁面46は、下側へ向かうに従い右側に向けて傾斜している。
第1段部47は、前側を向く壁面であり、第2壁面44の後端部と第1補助壁面46の前端部とに接続される。具体的に、一方(左側)のブレーカ壁面41の第1段部47は、一方(左側)の第2壁面44の後端部と、一方(左側)の第1補助壁面46の前端部とに接続される。また、他方(右側)のブレーカ壁面41の第1段部47は、他方(右側)の第2壁面44の後端部と、他方(右側)の第1補助壁面46の前端部とに接続される。
各第1段部47は、下側へ向かうに従い前側に向けて傾斜している。
図5~図10に示すように、ブレーカ底面42は、上下方向と垂直な方向に広がる平面状である。ブレーカ底面42は、切刃3及び基準面Prよりも下側に配置されており、詳しくは、チップブレーカ4において最も下側に位置する。ブレーカ底面42は、ブレーカ壁面41と、第2すくい面17との間に配置される。ブレーカ底面42は、2等分線Bの左側と右側とに、一対設けられる。各ブレーカ底面42は、切刃3に沿って延びており、具体的には、各直線刃3bに沿って延びる。
ブレーカ底面42は、ブレーカ底面42上を延びる複数のクーラント溝42aを有する。複数のクーラント溝42aは、互いに平行に延びる。クーラント溝42aには、例えば外部給油によりクーラントが供給される。なお、図面の一部(図6等)においては、クーラント溝42aの図示を省略している。
複数のクーラント溝42aは、平面視で、左右方向(X軸方向)と交差する向きに延びる。本実施形態では複数のクーラント溝42aが、平面視で、ブレーカ壁面41の一部に沿って延びており、具体的には、第1壁面43に沿って延びる。ただしこれに限らず、複数のクーラント溝42aは、平面視において、第1壁面43に対して傾斜して延びていてもよい。クーラント溝42aが延びる向きは、例えば、切削時の切込み角度(図16の角度θを参照)等に応じて、適宜設定してよい。
クーラント溝42aは、ブレーカ底面42のうち、少なくとも第1段部47よりも前側に位置する部分に配置される。クーラント溝42aは、例えばレーザ加工等により形成される。隣り合うクーラント溝42a同士のピッチ(溝の中心間距離)は、例えば30μm程度である。また、クーラント溝42aの溝深さは、例えば10μm程度である。クーラント溝42aの断面形状は、例えばV字状である。クーラント溝42aの溝幅は、下側へ向かうに従い小さくなる。
〔本実施形態による作用効果〕
以上説明した本実施形態の切削工具10では、チップブレーカ4が、ブレーカ壁面41と、ブレーカ底面42と、を有する。切削時に切刃3で生じた切屑は、すくい面1上を流れ、ブレーカ底面42及びブレーカ壁面41に接触させられることでカールされたり分断されたりして、工具上から好適に排出される。
具体的に、例えば切削時の切込み量が小さい場合には、切屑が、ブレーカ壁面41のうち前側に位置する第1壁面43に接触させられる。第1壁面43は、平面視で2等分線Bとの間に形成される第1開き角α1が小さくされており、第1壁面43と切刃3との間には切屑を受け入れるためのスペースが大きく確保される。このため、切屑が第1壁面43と切刃3との間で詰まるような不具合が抑制される。
また第1壁面43は、上下方向に対して傾斜する第1傾斜角β1が大きくされている。言い換えると、第1壁面43は、上下方向と垂直な仮想平面(例えば基準面Pr)に対しては傾斜角が小さくされている(傾斜が寝ている)。このため、第1壁面43に接触させられた薄い切屑は、第1壁面43によって分断されながら第1壁面43の上側へと安定して流出させられ、工具上から排出される。
また、例えば切削時の切込み量が大きい場合には、切屑が、ブレーカ壁面41のうち第1壁面43よりも後側に位置する第2壁面44に接触させられる。第2壁面44は、平面視で2等分線Bとの間に形成される第2開き角α2が大きくされている。このため、第2壁面44を切刃3(例えば直線刃3b)と略平行に配置することが可能となり、切削時に切刃3で生じた切屑は、第2壁面44に対して略垂直に接触させられる。これにより、厚い切屑の切屑処理性が安定して高められる。
また第2壁面44は、上下方向に対して傾斜する第2傾斜角β2が小さくされている。言い換えると、第2壁面44は、上下方向と垂直な仮想平面(例えば基準面Pr)に対しては傾斜角が大きくされている(傾斜が立っている)。このため、第2壁面44に接触させられた厚い切屑は、第2壁面44によって安定してカールされ、分断される。
以上より本実施形態によれば、例えば切込み量が変化した場合であっても、切屑処理性が良好に維持される。すなわち、切屑処理性を安定して高めることができる。
また、本実施形態において第2開き角α2は、ISO規格に準ずる菱形インサート(切削工具10)の刃部12の平面視での刃先菱角の1/2に相当する。そして第2壁面44は、平面視で直線刃3bと平行に延びている。
この場合、直線刃3bから第2壁面44に向けて流れる切屑が、第2壁面44に対して略垂直に接触させられるため、特に切屑厚みが厚い場合の切屑処理性がより安定して高められる。
また本実施形態では、上下方向から見た平面視で、接続壁面45と2等分線Bとの間に形成される第3開き角α3が、後側へ向かうに従い徐々に大きくなる。また、接続壁面45は、下側へ向かうに従い左右方向において外側に向けて傾斜しており、接続壁面45が上下方向に対して傾斜する第3傾斜角β3は、後側へ向かうに従い徐々に小さくなる。
この場合、接続壁面45がねじれた凹曲面状をなすため、この接続壁面45によって、第1壁面43と第2壁面44とを滑らかに段差なく接続することが可能になる。互いに開き角α1,α2及び傾斜角β1,β2が異なる第1壁面43と第2壁面44とを、接続壁面45によって滑らかに連結することができるため、各壁面43~45同士の接続部分などにおいて切屑が引っ掛かったり、流出方向が不安定になったりするような不具合を抑制できる。
また本実施形態では、チップブレーカ4の第1壁面43の前端部がコーナすくい面18と接続されるため、コーナ刃3a近傍の刃先強度が高められる。切刃3の耐欠損性が向上する。また、第1壁面43の前端部がコーナすくい面18上に配置されるため、切込み量が小さい切削時においても、コーナ刃3aによって生成された切屑が、第1壁面43に安定して接触させられ、良好に切屑処理される。
また本実施形態では、第1開き角α1が、第2開き角α2の半分以下とされている。
この場合、第1壁面43が前側に向けて大きく延びることとなり、第1壁面43の前端部を安定してコーナすくい面18に接続することができる。また、第1壁面43を切刃3から適切に離して配置することができるため、第1壁面43と切刃3との間にスペースが確保され、切屑処理性が安定して高められる。
また本実施形態では、ブレーカ底面42が複数のクーラント溝42aを有し、複数のクーラント溝42aは、平面視で左右方向と交差する向きに延びる。
本実施形態の切削工具10を用いた切削時においては、切刃3により生成された切屑が、例えば、略左右方向の内側に向けて流出する。上記構成のように、ブレーカ底面42に設けられる複数のクーラント溝42aが、左右方向と交差する向きに延びていれば、クーラント溝42aを流れるクーラントが切屑の影響を受けにくくなる。このため、ブレーカ底面42においてクーラントを広範囲に(特に前端部にまで)行き渡らせやすくなり、かつ、液の膜厚も大きく確保されやすくなる。クーラントによる潤滑性が増し、切削抵抗が小さく抑えられる。また、溶着の発生についても抑制することができる。
また本実施形態では、複数のクーラント溝42aが、平面視で第1壁面43に沿って延びる。
この場合、クーラント溝42aを流れるクーラントが、切刃3から第1壁面43に向けて流出する切屑によって影響を受けることを、効果的に抑制できる。またこの場合、クーラント溝42aをブレーカ底面42に加工しやすいため、工具の製造が容易である。
また本実施形態では、クーラント溝42aが、ブレーカ底面42のうち少なくとも第1段部47よりも前側に位置する部分に配置される。
この場合、ブレーカ底面42のうち、切削時に切屑が確実に擦過する部分に対してクーラント溝42aが配置されるため、クーラントによる機能が安定して得られる。また、クーラント溝42aを広範囲に形成し過ぎることによる工具の強度低下や、製造工程の複雑化などを抑制することができる。
また本実施形態では、隣り合うクーラント溝42a同士のピッチ(中心間距離)が、例えば30μm程度である。また、クーラント溝42aの溝深さが、例えば10μm程度である。また、クーラント溝42aの断面形状は、例えばV字状である。すなわち、クーラント溝42aの溝幅は、下側へ向かうに従い小さくなる。
この場合、所期するクーラント溝42aの形状を、レーザ加工等により安定して付与することができる。なお本実施形態において、レーザ加工時のワーク表面(ブレーカ底面42)のスポット直径は、例えばφ25μm程度である。
また本実施形態では、すくい面1が、第1すくい面16と第2すくい面17とを有し、第1すくい面16のすくい角が、第2すくい面17のすくい角よりも小さくされている。
この場合、切刃3に近い第1すくい面16のすくい角が小さくされているため、切刃3が延びる刃長方向と垂直な断面視において、すくい面1と逃げ面2との間に形成される刃物角が大きく確保される。このため、切刃3の刃先強度が高められ、切刃3の耐欠損性が向上する。
また、第2すくい面17のすくい角が大きくされているため、すくい面1上を流れる切屑を、安定してブレーカ底面42及びブレーカ壁面41に案内することができ、切屑処理性がより高められる。
また本実施形態では、ブレーカ壁面41が、平面視で2等分線Bを対称軸として左右対称に一対設けられており、チップブレーカ4は、一対のブレーカ壁面41の各第1壁面43の上端縁同士が接続されることで形成されるブレーカ稜線48を有し、ブレーカ稜線48は、後側へ向かうに従い上側に向けて延びている。
この場合、ブレーカ稜線48の高さ(上下方向の位置)が後側へ向かうに従い高くなるのに応じて、第1壁面43の高さも後側へ向かうに従い高くなる。切削時の切込み量が大きくなるに従い、切屑が接触させられる第1壁面43の高さも大きくなるので、切屑処理性が安定して高められる。
また、ブレーカ稜線48の高さが前側へ向かうに従い低くなるのに応じて、第1壁面43の高さも前側へ向かうに従い低くなる。切削時の切込み量が十分に小さい場合などには、切屑が第1壁面43に過剰に当てられることを抑えて、切屑排出性を良好に維持できる。
また本実施形態では、すくい面1、逃げ面2、切刃3及びチップブレーカ4が配置される刃部12が、cBN焼結体またはダイヤモンド焼結体により構成される。
この場合、刃部12の硬度が高められているため、例えば高硬度の硬脆材料等の被削材を切削加工する場合であっても、切刃3やチップブレーカ4の摩耗や損傷等が抑えられ、安定した切削加工を行うことが可能である。
ここで、図11は、本実施形態の切削工具10を用いた旋削加工(切削加工)によって生成された切屑の画像を表しており、図12は、図示しない従来の切削工具を用いた旋削加工によって生成された切屑の画像を表している。なお、従来の切削工具としては、チップブレーカを備えていないものを用いた。被削材としては、円柱状のアルミニウム合金ダイカスト製のADC12-T6処理品を用いた。
図11に示すように、本実施形態の切削工具10は、被削材の直径方向への切込み量Ap:0.1~1.0mm、被削材の中心軸方向への送りFr:0.1~0.3mm/revの各種切削条件において、切屑が良好に分断されており、切屑処理性が顕著に高められることが確認された。なお、各切削時の切削速度vcについては、800m/minとし、クーラントは、エマルションAP-EX-E1[10%]を外部給油(1MPa)にて供給した。
一方、図12に示すように、従来の切削工具では、上記同様の切削条件において、切屑が適切に分断されておらず延びがちとなり、切屑処理性が悪かった。
〔本発明に含まれるその他の構成〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。なお、各変形例の図示においては、前述の実施形態と同じ構成要素には同一の符号を付し、下記では主に異なる点について説明する。
図13は、前述の実施形態で説明した切削工具10の第1変形例を示す。詳しくは、図13は、第1変形例の切削工具10の刃部12を示す平面図(上面図)である。この第1変形例では、コーナ刃3aの曲率半径(ノーズR)が前述の実施形態よりも小さくされており、例えば0.2mm程度である。また、この第1変形例では、ブレーカ壁面41の第1壁面43の前端部が、コーナすくい面18に位置する第2すくい面17の前端部と接続されている。また第1変形例では、第1壁面43の全長(長さ寸法)が、第2壁面44及び接続壁面45の各全長よりも大きくされている。なお図13においては、ブレーカ底面42に設けられるクーラント溝42aの図示を省略している。
図14は、前述の実施形態で説明した切削工具10の第2変形例を示す。詳しくは、図14は、第2変形例の切削工具10の刃部12を示す平面図(上面図)である。この第2変形例では、コーナ刃3aの曲率半径(ノーズR)が前述の実施形態よりも大きくされており、例えば0.8mm程度である。また第2変形例では、第1壁面43の全長(長さ寸法)が、第2壁面44及び接続壁面45の各全長よりも小さくされている。なお図14においては、ブレーカ底面42に設けられるクーラント溝42aの図示を省略している。
図15は、前述の実施形態で説明した切削工具10の第3変形例を示す。詳しくは、図15は、第3変形例の切削工具10の刃部12を示す平面図(上面図)である。この第3変形例では、コーナ刃3aの曲率半径(ノーズR)が前述の実施形態よりも大きくされており、例えば1.2mm程度である。また第3変形例では、接続壁面45の全長(長さ寸法)が、第1壁面43及び第2壁面44の各全長よりも大きくされている。
また第3変形例では、ブレーカ壁面41がさらに、第1補助壁面46よりも後側に配置され、後側へ向かうに従い左右方向において外側に延びる第2補助壁面49と、第1補助壁面46の後端部と第2補助壁面49の前端部とに接続され前側を向く第2段部50と、を有する。なお、第2補助壁面49の構成は第1補助壁面46の構成と同様であり、第2段部50の構成は第1段部47の構成と同様であるため、詳細な説明については省略する。また、図15においては、ブレーカ底面42に設けられるクーラント溝42aの図示を省略している。
ここで、図16は、前述の実施形態、第1変形例、第2変形例及び第3変形例で説明した各切削工具10の刃部12の平面図を表している。より詳しくは、図16は、各切削工具10の工具姿勢と切込み量Ap(mm)との関係を示している。
図16に示す「工具姿勢1」とは、刃部12のすくい面1を正面に見た(上下方向から見た)平面視において、図示しない被削材の中心軸(回転軸)と、被削材に切り込む切刃3の直線刃3bとの間に形成される角度θが、例えば93°とされた工具姿勢を表す。また、「工具姿勢2」とは、前記角度θが、例えば107.5°とされた工具姿勢を表す。
工具姿勢1及び工具姿勢2の各図に示すように、被削材の直径方向への切込み量Apが1.0mm以下の切削条件においては、チップブレーカ4のうち第1段部47よりも前側に位置する部分(ブレーカ底面42、並びに、ブレーカ壁面41の第1壁面43、第2壁面44及び接続壁面45等)によって、切屑が適宜処理されることがわかる。
また、稀にではあるが、図16に示す「工具姿勢0」によって、被削材の旋削加工が行われる場合がある。この「工具姿勢0」とは、刃部12のすくい面1を正面に見た平面視において、図示しない被削材の中心軸と、切刃3の2等分線Bとの間に形成される角度が、例えば90°とされた工具姿勢を表す。この場合、工具姿勢0の各図に示すように、チップブレーカ4の第1段部47や第1補助壁面46等によっても、切屑が処理されることがある。
また前述の実施形態では、すくい面1のランド15のすくい角が、0°である例を挙げたが、これに限らない。ランド15のすくい角は、ネガティブ角(負角)とされていてもよく、あるいは、ポジティブ角(正角)とされていてもよい。また、すくい面1にランド15が設けられなくてもよい。
本発明は、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態及び変形例等で説明した各構成を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態等によって限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
本発明の切削工具によれば、切屑処理性を安定して高めることができる。したがって、産業上の利用可能性を有する。
1…すくい面
2…逃げ面
3…切刃
3a…コーナ刃
3b…直線刃
4…チップブレーカ
10…切削工具
12…刃部
16…第1すくい面
17…第2すくい面
18…コーナすくい面
41…ブレーカ壁面
42…ブレーカ底面
42a…クーラント溝
43…第1壁面
44…第2壁面
45…接続壁面
48…ブレーカ稜線
B…2等分線
α1…第1開き角
α2…第2開き角
α3…第3開き角
β1…第1傾斜角
β2…第2傾斜角
β3…第3傾斜角

Claims (7)

  1. すくい面と、
    逃げ面と、
    前記すくい面と前記逃げ面とが接続される稜線部に配置され、前記すくい面を正面に見た平面視でV字状をなす切刃と、
    前記平面視で前記すくい面の内側に配置されるチップブレーカと、を備え、
    前記切刃は、
    凸曲線状をなすコーナ刃と、
    前記コーナ刃の両端に接続され、それぞれ直線状に延びる一対の直線刃と、を有し、
    前記平面視において前記一対の直線刃の2等分線が延びる方向を前後方向とし、前記平面視において前記2等分線と直交する方向を左右方向とし、前記前後方向及び前記左右方向と直交する方向を上下方向として、
    前記チップブレーカは、
    前記左右方向において外側を向くブレーカ壁面と、
    前記ブレーカ壁面と前記すくい面との間に配置されるブレーカ底面と、を有し、
    前記ブレーカ壁面は、
    後側へ向かうに従い前記左右方向において外側に延びる第1壁面と、
    前記第1壁面よりも後側に配置され、後側へ向かうに従い前記左右方向において外側に延びる第2壁面と、
    前記第1壁面の後端部と前記第2壁面の前端部とに接続される凹曲面状の接続壁面と、を有し、
    前記平面視で、前記第1壁面と前記2等分線との間に形成される第1開き角に対して、前記第2壁面と前記2等分線との間に形成される第2開き角が大きくされ、
    前記第1壁面及び前記第2壁面は、それぞれ、下側へ向かうに従い前記左右方向において外側に向けて傾斜しており、
    前記第1壁面が前記上下方向に対して傾斜する第1傾斜角が、前記第2壁面が前記上下方向に対して傾斜する第2傾斜角よりも大きい、
    切削工具。
  2. 前記平面視で、前記接続壁面と前記2等分線との間に形成される第3開き角は、後側へ向かうに従い徐々に大きくなり、
    前記接続壁面は、下側へ向かうに従い前記左右方向において外側に向けて傾斜しており、
    前記接続壁面が前記上下方向に対して傾斜する第3傾斜角は、後側へ向かうに従い徐々に小さくなる、
    請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記すくい面は、前記コーナ刃に接続されるコーナすくい面を有し、
    前記第1壁面の前端部は、前記コーナすくい面と接続される、
    請求項1または2に記載の切削工具。
  4. 前記ブレーカ底面は、前記ブレーカ底面上を延びる複数のクーラント溝を有し、
    前記複数のクーラント溝は、前記平面視で、前記左右方向と交差する向きに延びる、
    請求項1または2に記載の切削工具。
  5. 前記すくい面は、
    前記切刃に沿って延び、前記平面視で前記切刃と直交する方向において前記切刃から離れるに従い、下側へ向けて傾斜する第1すくい面と、
    前記切刃に沿って延び、前記第1すくい面よりも前記切刃から離れて配置され、前記平面視で前記切刃と直交する方向において前記切刃から離れるに従い、下側へ向けて傾斜する第2すくい面と、を有し、
    前記第1すくい面のすくい角が、前記第2すくい面のすくい角よりも小さくされている、
    請求項1または2に記載の切削工具。
  6. 前記ブレーカ壁面は、前記平面視で前記2等分線を対称軸として左右対称に一対設けられ、
    前記チップブレーカは、一対の前記ブレーカ壁面の各前記第1壁面の上端縁同士が接続されることで形成されるブレーカ稜線を有し、
    前記ブレーカ稜線は、後側へ向かうに従い上側に向けて延びる、
    請求項1または2に記載の切削工具。
  7. 前記すくい面、前記逃げ面、前記切刃及び前記チップブレーカが配置される刃部を備え、
    前記刃部は、cBN焼結体またはダイヤモンド焼結体により構成される、
    請求項1または2に記載の切削工具。
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