JP2024015533A - エレベータ遠隔制御システム - Google Patents

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Abstract

Figure 2024015533000001
【課題】一般の利用者が乗りかごの事前呼出を行う場合に、乗りかごが来ない場合でも違和感やストレス等を与え難い制御が実現可能なエレベータ遠隔制御システムを提供する。
【解決手段】エレベータ遠隔制御システムは、センターシステムと、エレベータ制御盤と、を備える。センターシステムは、端末装置と無線通信可能で、端末装置からエレベータの乗りかごの呼び要求を受付け可能である。エレベータ制御盤は、センターシステムと通信可能な遠隔監視装置を含み、乗りかごの運行制御を行う。そして、センターシステムと前記遠隔監視装置の少なくとも一方は、端末装置からの前記呼び要求に対して呼び要求が未実施となる場合、未実施の原因を前記端末装置に通知する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、エレベータ遠隔制御システムに関する。
従来、エレベータの運行管理や保守点検管理を遠隔地から行う遠隔監視装置が提案されている。例えば、監視装置が監視対象装置の信号変化を監視することによって、保守点検後の点検用スイッチの切り忘れを検出する監視システムや保守員の携帯端末によるアクセスが通信エラーを起こした際に、他の端末に情報を送信するシステム等が提案されている。
特開2012-206800号公報 特許第6658442号公報
上述したような遠隔監視装置の場合、運行管理者や保守点検管理者は、エレベータの状態が遠隔地においても把握可能であるため、例えば、乗りかごが運行されないときの原因を把握することが可能である。ところで、近年では、スマートフォン等の端末装置の普及に伴い、エレベータの一般の利用者が端末装置から乗りかごを指定階に事前に呼び出しておく、「乗りかご呼び」、「スマホ呼び」等と称されるサービスが提案されている。しかしながら、このようなサービスの実施時に、乗りかごを事前に呼び出したにも拘わらず、乗りかごが呼出階に来ない場合がある。このような場合、利用者に違和感やストレス、混乱等を与えてしまう場合があるという問題があった。したがって、一般の利用者が乗りかごの事前呼出を行う場合に、乗りかごが来ない場合でも違和感やストレス、混乱等を与え難い制御が実現できれば、サービス性の向上が図れて有意義である。
実施形態のエレベータ遠隔制御システムは、センターシステムと、エレベータ制御盤と、を備える。センターシステムは、端末装置と無線通信可能で、前記端末装置からエレベータの乗りかごの呼び要求を受付け可能である。エレベータ制御盤は、前記センターシステムと通信可能な遠隔監視装置を含み、前記乗りかごの運行制御を行う。そして、前記センターシステムと前記遠隔監視装置の少なくとも一方は、前記端末装置からの前記呼び要求に対して前記呼び要求が未実施となる場合、前記未実施の原因を前記端末装置に通知する。
図1は、第1実施形態のエレベータ遠隔制御システムの構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。 図2は、第1実施形態のエレベータ遠隔制御システムの通知制御の前半部分の処理の流れを示す例示的なフローチャートである。 図3は、第1実施形態のエレベータ遠隔制御システムの通知制御の後半部分の処理の流れを示す例示的なフローチャートである。 図4は、第1実施形態のエレベータ遠隔制御システムの通知制御の分岐後の処理の流れを示す例示的なフローチャートである。 図5は、第1実施形態のエレベータ遠隔制御システムの通知制御の他の分岐後の処理の流れを示す例示的なフローチャートである。 図6は、第2実施形態のエレベータ遠隔制御システムの構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。 図7は、第2実施形態のエレベータ遠隔制御システムの通知制御の後半部分の処理の流れを示す例示的なフローチャートである。 図8は、第2実施形態のエレベータ遠隔制御システムの通知制御の分岐後の処理の流れを示す例示的なフローチャートである。 図9は、第3実施形態のエレベータ遠隔制御システムの構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。 図10は、第3実施形態のエレベータ遠隔制御システムの通知制御の分岐後の処理の流れを示す例示的なフローチャートである。
以下に、実施形態に係るエレベータ遠隔制御システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれ、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態のエレベータ遠隔制御システムMの構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
エレベータ遠隔制御システムMは、エレベータ制御盤1と、センターシステム100とで構成される。
センターシステム100は、携帯端末1000(スマートフォンやタブレット等の端末装置)と無線通信可能である。センターシステム100は、携帯端末1000からエレベータの乗りかごの呼び要求(昇降機の呼び要求ともいう)を受付け可能である。センターシステム100は、エレベータの設置場所(建物)とは別の位置に設置されたシステムであり、例えば、複数のエレベータを一括管理する管理センター等に設置され、一般的なコンピュータ等の情報処理装置で実現可能である。
エレベータ制御盤1は、エレベータが設置された建物等に設けられる。エレベータ制御盤1はエレベータの乗りかごの昇降路の例えば最上部等に設けられた機械室に配置される。エレベータ制御盤1は、乗り場に設けられた乗り場ボタンまたは乗りかご内に設置されたかごボタンの操作に基づき、乗りかごを指定された階床に移動させるとともに、かご扉及び乗り場扉の開閉制御を行い、利用者の乗降を許容し目的階床に運ぶ。また、エレベータ制御盤1は、遠隔監視装置10を備え、センターシステム100からの要求に応じてエレベータ制御盤1と連携して乗りかごの運行及び運行監視を行う。
携帯端末1000は、専用のアプリケーションがインストールされた、例えばスマートフォンやタブレット等であり、センターシステム100に対して乗りかごの呼び要求を行うことができる。センターシステム100は、携帯端末1000から乗りかごの呼び要求を受け付けると、遠隔監視装置10に乗りかごの呼び要求を公衆回線や無線回線等の通信手段を用いて送信する。遠隔監視装置10は、乗りかごの呼び要求を受け取ると、エレベータ制御盤1の制御により、乗りかごを呼び要求に対応する階床に移動させる。
したがって、エレベータ遠隔制御システムMは、利用者が、乗りかごを利用する前のタイミング、すなわち、乗り場に到着する前のタイミングで、携帯端末1000から乗りかごの呼び要求を行うことが可能となり、乗り場に到着した際には、既に乗り場に到着している乗りかごにスムーズに乗り込み利用することが可能になる。例えば、エレベータ遠隔制御システムMが自宅マンションに適用されている場合、利用者は、携帯端末1000を用いて、自宅から乗りかごの呼び要求(呼び登録)を行うことで、自宅を出て、乗り場に移動する間に呼び要求した階床に移動を完了した乗りかごに、スムーズに乗り込み、利用することができる。また、乗りかごが呼び要求した階床に到着していない場合でも、乗りかごは、既に呼び要求した階床に移動を開始しているため、利用者は、乗り場で乗りかごを長時間待つことなく乗り込みが可能となり、利用することができる。エレベータ遠隔制御システムMがオフィスビルや商業施設に適用されている場合でも同様に、事前に乗りかごの呼び要求を行うことで、スムーズに乗りかごに乗り込み利用することができる。
続いて、エレベータ制御盤1、遠隔監視装置10、センターシステム100、携帯端末1000の構成の詳細を説明する。
エレベータ制御盤1は、遠隔監視装置10に加え、指令受信部2、走行制御部3を備える。指令受信部2は、遠隔監視装置10から携帯端末1000側から送信された呼び要求に応じた運行指令、及び、図示を省略した乗り場に設けられた乗り場ボタンまたは乗りかご内に設置されたかごボタンの操作に応じた運行指令を受信する。走行制御部3は、指令受信部2が受信した運行指令に基づき乗りかごの乗降運転制御やかご扉及び乗り場扉の開閉制御等を行う。
エレベータ制御盤1に含まれる遠隔監視装置10は、公衆回線通信部11、要求受付部12、エレベータ制御指令部13、機能動作確認部14、機能故障判定部15等の詳細モジュールを備える。
公衆回線通信部11は、センターシステム100と通信を行う。要求受付部12は、公衆回線通信部11を介してセンターシステム100から送信されてきた乗りかごの呼び要求を受信する。エレベータ制御指令部13は、要求受付部12が受信した乗りかごの呼び要求に従い、指令受信部2にエレベータ(乗りかご)の制御要求を行う。機能動作確認部14は、エレベータ制御盤1に対して、乗りかごの運行制御等を行うソフトウェアが正常に機能しているか否か等の動作確認を逐次行う。機能故障判定部15は、乗りかごの運行制御等を行うソフトウェアが壊れていないかの解析を行う。
センターシステム100は、不動作判定通信部101、指令部102、通信状況判定部103等の詳細モジュールを備える。
不動作判定通信部101は、エレベータが動作しなかったことを判定するとともに、携帯端末1000と遠隔監視装置10との通信を行う。指令部102は、携帯端末1000からの乗りかごの呼び要求に応じて、乗りかご(昇降機)の呼び指令を出力する。通信状況判定部103は、通信回線を監視し、通信状態が混雑しているか否かを監視する。
携帯端末1000は、昇降機呼び要求部1001、通信部1002、判定結果表示部1003等の詳細モジュールを備える。なお、上述したように、携帯端末1000は、専用のアプリケーションをインストール可能なスマートフォンやタブレット等である。
昇降機呼び要求部1001は、アプリケーションによりエレベータを指定した階床まで呼び要求する。昇降機呼び要求部1001は、乗りかごを呼ぶ階床の指定の他、例えば、到着予定時刻の指定等が可能であってもよい。また、呼び要求は、利用のたびに指定可能としてもよいし、毎日や毎週等の連続指定や特定日の指定等のようにスケジュール指定できるようにしてもよい。通信部1002は、センターシステム100との間で通信を実現する。判定結果表示部1003は、乗りかご(乗りかご呼び)の要求結果を表示する。なお、判定結果表示部1003には、昇降機呼び要求部1001で指定する内容や操作手順等が表示されてもよい。携帯端末1000において、通信部1002や判定結果表示部1003は、携帯端末1000に備えられている機能を流用してもよい。
このように構成される実施形態1のエレベータ遠隔制御システムMによる通知制御の処理の流れを図2~図5のフローチャートを用いて説明する。図2は、通知制御の前半部分の処理の流れを示す例示的なフローチャートである。図3は、通知制御の後半部分の処理の流れを示す例示的なフローチャートである。図4は、通知制御の分岐後の処理の流れを示す例示的なフローチャートである。図5は、通知制御の他の分岐後の処理の流れを示す例示的なフローチャートである。
まず、携帯端末1000の昇降機呼び要求部1001は、利用者の操作により昇降機(乗りかご)の呼び登録(要求)を行う(S101)。なお、ここで利用者とは、乗りかご呼びを利用するために事前に登録して、携帯端末1000に専用のアプリケーションをインストール済みのものであるとする。
昇降機呼び要求部1001は、要求フォーマット(例えば、階床の指定等)を正常に受けると、通信部1002を介して、センターシステム100(不動作判定通信部101)と通信(呼び要求を送信)する(S102)。通信状況判定部103は、不動作判定通信部101を介して携帯端末1000とセンターシステム100の間の通信状況(第1通信状態)が良好か否か確認する(S103)。携帯端末1000とセンターシステム100の間の通信状況が良好の場合(S103のYes)、センターシステム100は携帯端末1000とセンターシステム100の間の通信は良好に可能であると判定する(S104)、さらに、通信状況判定部103は不動作判定通信部101を介して、センターシステム100と遠隔監視装置10の間の通信状況(第2通信状態)が良好であるか否かを確認する(S105)。センターシステム100と遠隔監視装置10の間の通信状況が良好である場合(S105のYes)、センターシステム100の指令部102は、携帯端末1000から受信した昇降機の呼び要求を不動作判定通信部101を介して、遠隔監視装置10の公衆回線通信部11に送信する(S106)。要求受付部12は公衆回線通信部11を介して、昇降機の呼び要求を受信すると、エレベータ制御指令部13を介してエレベータ制御盤1の指令受信部2に昇降機の運行指令、すなわち、呼び要求に対応する運行指令を出力する(S107)。指令受信部2において、携帯端末1000からの呼び要求に対応する運行指令が受付けられた場合(S108のYes)、図3のフローチャートに移行する。
エレベータ制御盤1は、走行制御部3により指定された乗りかごを呼び(S109)、乗りかごを指定された階床まで運ぶ(S110)。乗りかごが指定された階床に移動を開始すると、エレベータ制御盤1は遠隔監視装置10の公衆回線通信部11及びセンターシステム100の不動作判定通信部101を介して携帯端末1000の通信部1002に、正常に呼び登録が成功した(乗りかごが指定された階床に移動することに成功した)ことを通知する。そして、判定結果表示部1003は、昇降機呼び要求部1001を介して利用者が登録した呼び登録が成功したことを表示する(S111)。例えば、「呼び登録完了」や「乗りかごの呼び登録に成功し、乗りかごが指定階床に移動します」等の結果メッセージを報知する。なお、この報知は、表示部によるメッセージ表示に加え、音声等で報知してもよい。そして、エレベータ制御盤1は、エレベータ(乗りかご)の到着処理を行い(S112)、このフローを一旦終了する。例えば、乗りかごが指定階床に到着したらかご扉及び乗り場扉の開放制御を行い、利用者の乗車を待つ。
なお、この場合、呼び登録した利用者以外の第三者が、到着している乗りかごに先に乗車して乗りかごを昇降させた場合、呼び登録した利用者が乗りかごを利用できなくなる。そこで、例えば、呼び登録した利用者が携帯する携帯端末1000を用いて認証を行った場合に、乗りかごが運行できるようにしてもよい。この場合、所定時間経過しても携帯端末1000の認証ができない場合、呼び登録をキャンセルして、第三者でも乗りかごを昇降できる(利用できる)ようにしてもよい。
図2のS103の処理で携帯端末1000とセンターシステム100の間の通信状況(第1通信状態)が良好でない場合(S103のNo)、例えば、携帯端末の通信会社の回線混雑や回線不具合等でセンターシステム100に対する通信が不安定な場合や通信不能な場合である。また、S105の処理で、センターシステム100と遠隔監視装置10の間の通信状況(第2通信状態)が良好でない場合(S105のNo)、例えば、複数の利用者が携帯端末1000を介して同時に乗りかごの呼び登録(要求)を行った結果、センターシステム100と遠隔監視装置10との間の通信が混雑し、通信状態が不安定になったり、通信不能になったりする場合がある。このような場合、図4のフローチャートに移行する。つまり、センターシステム100の通信状況判定部103は、通信状況が悪い箇所を解析し、原因が携帯端末1000とセンターシステム100との間であるか、センターシステム100と遠隔監視装置10との間であるかを判定し、判定結果を不動作判定通信部101に返す(S113)。続いて、不動作判定通信部101は、携帯端末1000の通信部1002に昇降機呼び要求部1001が要求した昇降機の呼び登録に失敗した旨を示す情報を返す(S114)。そして、判定結果表示部1003は、通信部1002が受け取った呼び登録に失敗した旨を示す情報を画面に表示し(S115)、一旦このフローを終了する。
通信状況判定部103が、例えば、今回の通信エラーが、携帯端末1000とセンターシステム100の間の通信状況の不良であると判定した場合、判定結果表示部1003には、「携帯端末の通信状態が良くないため、呼び登録に失敗しました。」や「携帯端末の通信状態が良くないため、呼び登録に失敗しました。しばらくたってからやり直してください。」、「携帯端末の通信状態が良くないため、呼び登録に失敗しました。直接、乗り場の乗り場ボタンを操作してください。」等の報知を行う。なお、この報知は音声で行ってもよい。
このように、携帯端末1000が行った乗りかごの呼び要求が未実施の原因が通信エラーと判定された場合、その旨を乗りかごの呼び要求を行った利用者に通知する。その結果、呼び要求が実施されなかった場合でも、使用者に違和感やストレス、混乱等を与え難くすることが可能となる。したがって、エレベータ遠隔制御システムMのサービスの向上に寄与することができる。なお、上述した例では、通信エラーの態様を第1の通信状態と第の2通信状態の両方を原因として判定したが、他の実施形態では、いずれか一方でもよい。この場合も未実施の原因が通知されるので、使用者に違和感やストレス、混乱等を与え難くすることが可能となる。
また、図2のS108において、携帯端末1000からの呼び要求に対応する運行指令が受付けられない場合(S108のNo)、すなわち、エレベータ制御指令部13からエレベータ制御盤1へ運行指令が通らなかった場合である。例えば、エレベータ制御盤1に対して、乗りかごの運行制御等を行うソフトウェアが正常に機能していない可能性がある。この場合、図5に示すフローチャートに移行する。すなわち、遠隔監視装置10は原因を特定する動作に入り、機能動作確認部14によりソフトウェアの動作の解析を行う(S116)。その後、機能故障判定部15により機能不動作の原因はソフトウェアの故障(バグ等)が原因であったのかを解析する(S117)。そして、機能故障判定部15は、解析結果を公衆回線通信部11に返す(S118)。そして、図4に示すフロー(S113~S115の処理)に移行し、携帯端末1000の判定結果表示部1003に乗りかごの呼び要求(登録)が未実施となった原因を表示する。この場合、例えば、「遠隔監視装置のソフトウェアが正常に動作しないため、呼び登録に失敗しました。」や「遠隔監視装置のソフトウェアが正常に動作しないため、呼び登録に失敗しました。直接、乗り場の乗り場ボタンを操作してください。」等の報知を行う。なお、この報知は音声で行ってもよい。
このように、携帯端末1000が行った乗りかごの呼び要求が未実施の原因が制御エラーと判定された場合、その旨を乗りかごの呼び要求を行った利用者に通知することにより、呼び要求が実施されなかった場合でも、使用者に違和感やストレス、混乱等を与え難くすることが可能となる。その結果、エレベータ遠隔制御システムMのサービスの向上に寄与することができる。
以上のように、携帯端末1000により乗りかご(昇降機)呼び要求(登録)を行なった場合に、要求成功時と、要求失敗とその原因(通信状況によるものであるか、または昇降機呼び機能(ソフトウェア)の故障が原因であるため失敗したのか)を特定することが可能となる。その結果、エレベータ遠隔制御システムMの動作状況が明確になり、エレベータ遠隔制御システムMに対する信頼性の向上にも寄与することができる。
<第2実施形態>
携帯端末1000により乗りかご(昇降機)呼び要求(登録)を行なった場合に、要求が未実施となる原因は、第1実施形態で説明したように、通信エラーによる場合、制御エラーによる場合の他、エレベータ自体の故障で乗りかごの呼び動作が実施されない場合がある。例えば、巻き上げ機の故障やエレベータ制御盤1の回路ショート等が発生している場合、エレベータの運行自体が不能となる場合がある。第2実施形態のエレベータ遠隔制御システムMは、エレベータ自体に故障が生じている場合に、その状況を適切に乗りかごの呼び要求を行った利用者に通知する機能を備える。
図6は、第2実施形態のエレベータ遠隔制御システムMの構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。なお、第2実施形態のエレベータ遠隔制御システムMは、エレベータ制御盤1にエレベータ停止判定部4が追加されている以外は、第1実施形態のエレベータ遠隔制御システムMと実質的に同じ構成である。したがって、同じ構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
エレベータ停止判定部4は、乗りかごが運行停止状態か否かを判定する。言い換えれば、エレベータの走行制御部3による走行制御(運行指令に基づく制御)が正常に行われている場合に、エレベータ自体が正常に動作(走行)できる状態であるか否かを判定するものである。
図7は、第2実施形態のエレベータ遠隔制御システムMの通知制御の後半部分の処理の流れを示す例示的なフローチャートであり、図2のフローチャートのS108で携帯端末1000からの呼び要求に対応する運行指令が受付けられた場合(S108のYes)、すなわち、運行指令に基づく走行指令を受け付けた場合に続くフローである。つまり、図3のフローチャートに代えて実行される。
エレベータ制御盤1は、走行制御部3により指定された乗りかごを呼ぶ(S200)。この場合、エレベータ停止判定部4は、エレベータの走行制御は正常に動作できたか否かの判定を行う(S201)。エレベータの走行制御が正常に動作できている場合(S201のYes)、図3のフローと同様に、正常動作を実行する。すなわち、乗りかごを指定された階床まで運ぶ(S202)。乗りかごが指定された階床に移動を開始すると、エレベータ制御盤1は遠隔監視装置10の公衆回線通信部11及びセンターシステム100の不動作判定通信部101を介して携帯端末1000の通信部1002に、正常に呼び登録が成功した(乗りかごが指定された階床に移動することに成功した)ことを通知する。そして、判定結果表示部1003は、昇降機呼び要求部1001を介して利用者が登録した呼び登録が成功したことを表示する(S203)。例えば、「呼び登録完了。」や「乗りかごの呼び登録に成功し、乗りかごが指定階床に移動します。」等の結果メッセージを報知する。なお、この報知は、表示部によるメッセージ表示に加え、音声等で報知してもよい。そして、エレベータ制御盤1は、エレベータ(乗りかご)の到着処理を行い(S204)、このフローを一旦終了する。例えば、乗りかごが指定階床に到着したらかご扉及び乗り場扉の開放制御を行い、利用者の乗車を待つ。
一方、S201の処理において、エレベータの走行制御が正常に動作できていない場合(S201のNo)、図8に示す、第2実施形態のエレベータ遠隔制御システムMの通知制御の分岐後の処理の流れを示す例示的なフローチャートに移行する。
すなわち、エレベータ停止判定部4は、エレベータは走行できる状態であるか否か確認を行う(S205)。エレベータ停止判定部4は、エレベータが走行できる状態であると判定した場合(S205のYes)、S201の処理においてエレベータの走行制御が正常に動作しなかったのは、一時的な制御エラー等であると見なし、S202に移行し、乗りかごを指定された階床まで運ぶ制御を実行し、乗りかごの呼び要求(登録)の処理を継続する。
一方、エレベータ停止判定部4は、エレベータが走行できる状態ではないと判定した場合(S205のNo)、エレベータ自体の故障等により停止しているか否かを確認する(S206)。エレベータ制御盤1は遠隔監視装置10の公衆回線通信部11及びセンターシステム100の不動作判定通信部101を介して携帯端末1000の通信部1002に、エレベータが走行不能状態(エレベータ自体の故障)であることを通知する(S207)。そして、判定結果表示部1003は、昇降機呼び要求部1001を介して利用者が登録した呼び登録が失敗したことを表示し(S208)、このフローを一旦終了する。この場合、例えば、「エレベータ故障により呼び登録に失敗しました。」や「エレベータは故障中です。他の移動手段をご利用ください。」等の結果メッセージを報知する。なお、この報知は、表示部によるメッセージ表示に加え、音声等で報知してもよい。
このように、携帯端末1000が行った乗りかごの呼び要求が未実施の原因がエレベータの故障と判定された場合、その旨を乗りかごの呼び要求を行った利用者に通知する。その結果、呼び要求が実施されなかった場合でも、使用者に違和感やストレス、混乱等を与え難くすることが可能となる。したがって、エレベータ遠隔制御システムMのサービスの向上に寄与することができる。
<第3実施形態>
携帯端末1000により乗りかご(昇降機)呼び要求(登録)を行なった場合に、要求が未実施となる原因は、第1実施形態で説明したように、通信エラーによる場合、制御エラーによる場合の他、第2実施形態で説明したように、エレベータ自体の故障の場合がある。さらに、エレベータの保守点検等により、一時的に、運行を休止している場合がある。第3実施形態のエレベータ遠隔制御システムMは、エレベータが保守点検のため休止している場合に、その状況を適切に乗りかごの呼び要求を行った利用者に通知する機能を備える。
図9は、第3実施形態のエレベータ遠隔制御システムMの構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。なお、第3実施形態のエレベータ遠隔制御システムMは、第2実施形態のエレベータ制御盤1に点検モード判定部5が追加されている以外は、第2実施形態のエレベータ遠隔制御システムMと実質的に同じ構成である。したがって、同じ構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
点検モード判定部5は、走行制御部3による走行制御が正常に行われない場合に、エレベータが点検モードであるかを判定するものである。
図10は、第3実施形態のエレベータ遠隔制御システムMの通知制御の後半部分の処理の流れを示す例示的なフローチャートであり、図7のフローチャートのS201の処理において、エレベータの走行制御が正常に動作できていない場合(S201のNo)に図8のフローチャートに代えて実行される処理である。
図10のフローチャートに示すように、エレベータ停止判定部4は、エレベータは走行できる状態であるか否かの確認を行う(S300)。エレベータ停止判定部4は、エレベータが走行できる状態であると判定した場合(S300のYes)、S201の処理においてエレベータの走行制御が正常に動作しなかったのは、一時的な運行停止操作が原因であると見なし、S202に移行し、乗りかごを指定された階床まで運ぶ制御を実行し、乗りかごの呼び要求(登録)の処理を継続する。
一方、エレベータ停止判定部4は、エレベータが走行できる状態ではないと判定した場合(S300のNo)、エレベータは、例えば、運行停止ボタンや運行停止操作が行われて停止しているか否かを確認する(S301)。さらに、点検モード判定部5は、現在のエレベータ(呼び対象の乗りかご)の状態が保守点検中であるかの確認を行う(S302)。エレベータ制御盤1は遠隔監視装置10の公衆回線通信部11及びセンターシステム100の不動作判定通信部101を介して携帯端末1000の通信部1002に、エレベータ(呼び対象の乗りかご)が保守点検のため走行不能状態(エレベータ休止状態)であることを通知する(S303)。そして、判定結果表示部1003は、昇降機呼び要求部1001を介して利用者が登録した呼び登録が失敗したことを表示し(S304)、このフローを一旦終了する。この場合、例えば、「エレベータは保守点検中のため呼び登録に失敗しました。」や「エレベータは保守点検中です。他の移動手段をご利用ください。」等の結果メッセージを報知する。なお、この報知は、表示部によるメッセージ表示に加え、音声等で報知してもよい。
なお、保守点検員が保守点検作業を行う場合、エレベータ遠隔制御システムMは、乗りかごの呼び要求(登録)を行った利用者に対し、乗りかごの呼び要求(登録)ができなかったことを通知する一方、保守点検員は、専用の携帯端末を操作することにより、保守点検対象の乗りかごを優先的に作業位置に移動させることができる。
このように、携帯端末1000が行った乗りかごの呼び要求が未実施の原因がエレベータの保守点検と判定された場合、その旨を乗りかごの呼び要求を行った利用者に通知することにより、呼び要求が実施されなかった場合でも、使用者に違和感やストレス、混乱等を与え難くすることが可能となる。その結果、エレベータ遠隔制御システムMのサービスの向上に寄与することができる。
なお、第3実施形態では、エレベータ停止判定部4と点検モード判定部5の両方を設ける例を示したが、点検モード判定部5のみを設けるようにしてもよく、乗りかごの呼び要求(登録)を行った利用者に対して、同様に呼び登録の未実施の原因を通知することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…エレベータ制御盤、2…指令受信部、3…走行制御部、4…エレベータ停止判定部、5…点検モード判定部、10…遠隔監視装置、11…公衆回線通信部、12…要求受付部、13…エレベータ制御指令部、14…機能動作確認部、15…機能故障判定部、100…センターシステム、101…不動作判定通信部、102…指令部、103…通信状況判定部、1000…携帯端末、1001…昇降機呼び要求部、1002…通信部、1003…判定結果表示部、M…エレベータ遠隔制御システム
実施形態のエレベータ遠隔制御システムは、センターシステムと、エレベータ制御盤と、を備える。センターシステムは、端末装置と無線通信可能で、前記端末装置からエレベータの乗りかごの呼び要求を受付け可能である。エレベータ制御盤は、前記センターシステムと通信可能な遠隔監視装置を含み、前記乗りかごの運行制御を行う。そして、前記センターシステムと前記遠隔監視装置の少なくとも一方は、前記端末装置からの前記呼び要求に対して前記呼び要求が未実施となる場合、前記未実施の原因を前記端末装置に通知する。そして、前記センターシステムは、当該センターシステムと前記端末装置との間の第1通信状態と、前記センターシステムと前記遠隔監視装置との間の第2通信状態と、の少なくとも一方が通信不良の場合、前記未実施の原因を通信エラーと判定し、前記端末装置に通知する。

Claims (5)

  1. 端末装置と無線通信可能で、前記端末装置からエレベータの乗りかごの呼び要求を受付け可能なセンターシステムと、
    前記センターシステムと通信可能な遠隔監視装置を含み、前記乗りかごの運行制御を行うエレベータ制御盤と、
    を備え、
    前記センターシステムと前記遠隔監視装置の少なくとも一方は、前記端末装置からの前記呼び要求に対して前記呼び要求が未実施となる場合、前記未実施の原因を前記端末装置に通知する、エレベータ遠隔制御システム。
  2. 前記センターシステムは、当該センターシステムと前記端末装置との間の第1通信状態と、前記センターシステムと前記遠隔監視装置との間の第2通信状態と、の少なくとも一方が通信不良の場合、前記未実施の原因を通信エラーと判定し、前記端末装置に通知する、請求項1に記載のエレベータ遠隔制御システム。
  3. 前記遠隔監視装置は、前記運行制御に制御エラーが存在する場合、前記未実施の原因を制御エラーと判定し、前記端末装置に通知する、請求項1に記載のエレベータ遠隔制御システム。
  4. 前記エレベータ制御盤は、前記乗りかごが運行停止状態か否かを判定するエレベータ停止判定部を備え、
    前記遠隔監視装置は、前記運行制御に制御エラーが存在しない場合で、前記乗りかごが運行停止状態の場合、前記未実施の原因を前記エレベータの故障と判定し、前記端末装置に通知する、請求項1に記載のエレベータ遠隔制御システム。
  5. 前記エレベータ制御盤は、前記エレベータが点検状態か否か判定する点検モード判定部を備え、
    前記遠隔監視装置は、前記点検状態の場合、前記未実施の原因を前記エレベータの点検と判定し、前記端末装置に通知する、請求項1に記載のエレベータ遠隔制御システム。
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