JP2024014873A - 内部ヒューズを有するリチウムエネルギー貯蔵デバイス - Google Patents

内部ヒューズを有するリチウムエネルギー貯蔵デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】リチウム電池内において、内部短絡等により発生する熱障害の発生を防止、抑制可能なエネルギー貯蔵デバイスを提供する。【解決手段】薄い金属化集電体(一例として、アルミニウム及び/または銅)、高収縮率材料、高温にさらされたときに非導電性になる材料、及びそれらの組み合わせにより、対象のリチウム電池自体内に内部ヒューズを配することにより、標的であるリチウム電池内の特定の欠点(樹状突起、予期しない電気サージなど)に耐える能力が付与され、これにより、短絡回路の結果生じる望ましくない高温を防止する。こうした改善を含む電池製品及びその使用方法もまた、本開示に包含される。【選択図】図4

Description

本明細書の技術は、リチウム電池製品の構造部品及び物理的特性の改善に関する。例えば、標準的なリチウムイオン電池は、短絡回路に関連する特定の現象が発生しやすく、その結果、高温の発生及び最終的な発火を経験している。電池構成部品に関する構造上の懸念が、このような問題の原因であることが判明している。本明細書でもたらされる改善としては、薄い金属化集電体(一例として、アルミニウム及び/または銅)、高収縮率材料、高温にさらされたときに非導電性になる材料、及びそれらの組み合わせの利用が挙げられる。こうした改善により、対象のリチウム電池自体内に表面的な内部ヒューズを提供することにより、標的であるリチウム電池内の特定の欠点(樹状突起、予期しない電気サージなど)に耐える能力が付与され、これにより、短絡回路の結果生じる望ましくない高温を防止する。こうした改善を含む電池製品及びその使用方法もまた、本開示に包含される。
リチウム電池は、無数の製品内において電源として世界中で普及している。充電式電動工具から電気自動車、ユビキタス携帯電話(及びタブレット、ハンドヘルドコンピュータなど)まで、信頼性、上記の再充電可能性、及び使用の寿命により、リチウム電池(様々な種類のイオン)が主電源として利用されている。しかし、このように幅広く利用されている電源には、いくつかの問題があり、そのいくつかはより深刻になることが証明されている。特に、安全性の問題が明らかになっており、このようなリチウム電池内での特定の欠点は、初期の製造上の問題または時間に関連する分解の問題のいずれであっても、短絡回路事象中に発火の可能性による影響を受けやすい。基本的に、導電性材料の内部欠陥により、このような電池構造内に望ましくない高熱が発生し、最終的には発火することが判明している。その結果、ハンドヘルドコンピュータデバイス(Samsung Galaxy Note 7、評判の良くない状況の1つ)から飛行機全体(Boeing 787)まで、リチウム電池を利用する特定の製品は、その中で及びそれと共に使用されているリチウム電池を含むための解決法が提供される(また、Samsung Galaxy Note 7が特定の地域でのあらゆる飛行機から禁止されている場合であって)まで、販売及び/または使用が禁止されている。テスララインの電気自動車でさえ、リチウム電池構成部品に関する顕著な問題を呈しており、電池の問題により、こうした高価な自動車が火の玉のように爆発する一大ニュースになるような話が生じる。したがって、このようなリチウム電池の問題に関連して、広範囲にわたるリコールまたは全面禁止が現在も依然としてあり、こうした問題を克服するための大きい必要性となっている。
これらの問題は主に、製造された個々の電池構成部品の観点から、またはそのような構成部品が個々の電池自体として構築されているため、製造上の問題が原因で存在する。より詳細に見ると、リチウム電池は現在、6つの主要構成部品、カソード材料、カソード材料がコーティングされたカソード集電体(アルミニウム箔など)、アノード材料、アノード材料がコーティングされたアノード集電体(銅箔など)、各アノード層とカソード層との間に位置し、典型的にはプラスチック材料でできているセパレータ、及び他の材料を飽和させて、これによりイオンをアノードとカソードとの間で伝導させるメカニズムを提供する導電性有機溶媒としての電解質から構成される。これらの材料は、典型的には、先行技術の図1に示すように、一緒に缶に巻かれるか、または積み重ねられる。ポーチ型セル、角型セル、ボタン型セル、円筒型セル、巻回角型、巻回ポーチ型セルなど、このような電池製造目的で利用されているか、利用され得る他の多くの構成があり、さらに他の構成もある。これらの電池セルは、正しく作られ、穏やかに取り扱われた場合には、認識できるほどの安全上のいかなる問題もなく、何千回もの充放電サイクルに対して様々な用途のエネルギーを提供できる。しかし、上記で示唆したように、特定の事象、特に特定の欠陥は、内部導電性材料間の内部短絡を引き起こし得、これにより発熱及び内部熱暴走を引き起こし得る。これらは、このようなリチウム電池内の発火の危険の最終的な原因として知られている。こうした事象は、上記のように、電池内の金属粒子の存在、集電体材料のバリ、セパレータの薄い斑点または穴(これらが含まれているか、またはその後の処理中に発生したものである)、電池の層の位置ずれ(不要な導電性が発生するため「開口」したままである)、外部の破片(移動中の車両に衝突する道路の破片など)による電池の貫通、セル自体の破砕及び/または不安定化(例えば、事故による)、閉鎖空間でのセルの充電などの内部欠陥によってさらに引き起こされ得る。一般的に、これらのタイプの欠陥では、アノードとカソードとの間に小さい電子導電経路が生じることが知られている。このような事象が発生した場合、次にセルが充電されると、こうした導電経路によってそこからのセルの放電が引き起こされ得、最終的に過剰な熱が発生し、それにより電池構造が損なわれ、電力が供給されている下層のデバイスが危険にさらされる。電池の電解質(電池の動作性に一般的に必要である)としての可燃性有機溶剤材料の存在と組み合わされて、こうした過度の熱により電池へ点火が生じ、最終的に非常に危険な状況となることが示されている。このような問題は、いったん始まると、少なくとも制御することが困難であり、消費者に重大な傷害をもたらす。こうした潜在的な破壊的状況は、このような方法で可燃性有機電解質を損なうことなく、電気エネルギーを供給する電池を提供することによって確実に回避されるべきである。
内部で過剰な熱が発生することにより、プラスチックセパレータのさらなる収縮が生じ、これにより、プラスチックセパレータから離れる、外れる、または電池内の短絡面積が増大し得る。このような状況では、電池内の曝露された短絡領域が大きくなると、その中で電流が流れ続けて熱が上昇し、破裂、通気、さらには炎及び火など、セルに重大な損傷を引き起こす高温事象が生じる。こうした損傷は、発火及び悪化の可能性が急速に起こり、結果として電池及び潜在的に下層にあるデバイスの爆発を引き起こし得、ユーザーを重大な危険にさらす可能性もあるため、特に問題である。
(多くの様々な型の)リチウム電池は、短絡回路に関する問題の影響を特に受けやすい。典型的な電池は、高温に曝露されることにより放電率の上昇を呈する傾向を有し、上記のように、制御されていない(暴走)フレア及び発火につながることがある。これらの可能性があるため、このような電池製品の実際の利用、保管、さらには輸送までを管理するために、特定の規制が施行されている。短絡回路に関連するそのような暴走事象を防ぐために適切なプロトコルを実行する能力は、確かに非常に重要である。しかし、特に無数の供給業者及び世界中の多くの様々な場所から構成部品の製造が行われている場合に、このような問題を実際に解決する方法については、問題が残っている。
そのようなリチウム電池の発火の可能性を軽減するのを助ける手段として、適切であり、かつ/または改善されたセパレータを提供する試みに焦点を合わせている場合もある。融点及び/または収縮率が低いプラスチック膜では、このような電池の発火が生じる可能性がより高くなり得る。一般的な考えでは、実際の利用中にその電解質分離能力を低下させることなく、こうしたセパレータ材料に特定のコーティングを含める。したがって、例えば、セラミック粒子は、こうしたフィルムの寸法安定性を高める(例えば、融点を上げる)手段として、ポリプロピレン及び/またはポリエチレンフィルムコーティングとして利用されている。バインダーポリマーは、セラミック粒子間の凝集力及びプラスチック膜(フィルム)への接着力を向上させる構成成分としても含まれている。しかし、実際には、セラミック粒子コーティングによって全体的なフィルム構造に付与される熱の増加は比較的少ないことがわかっており、そのため、こうしたセパレータの問題の主な要因は、実際のセパレータ材料(複数可)自体であるとされる。
その結果、そのような典型的なセラミックコーティングされたセパレータのベース層を構成するポリエチレン及びポリプロピレン多孔質フィルムよりもはるかに熱的に安定なセパレータ材料が、少なくともある程度、設計及び実装されている。これらの低収縮であり、寸法安定性のあるセパレータは、少なくとも200℃(250℃、300℃及びそれ以上の温度まで)の温度に曝露された場合に5%未満の収縮を呈し、裸のポリマーフィルムによって呈される高収縮率(150℃で約40%の収縮率)、及びセラミックコーティングされたフィルムの収縮率(180℃で20%以上)よりかなり高い(このような収縮率測定の比較は、先行技術の図2に示している)。このような低収縮率材料では、短絡が生じた際に標的セル内の熱分解メカニズムが変化し得る。このような電池セル内で短絡が発生したときに、常に熱が発生する。セパレータがこうした短絡回路事象に関連して収縮することがない場合、電池内の別の材料が分解するまで、熱が生成され、「蓄積」し続ける。この現象は、業界標準の釘刺し試験でシミュレーションされている。例えば、パラアラミド繊維を含み、550℃以下の収縮安定性を呈するセパレータを使用した場合でも、対象の試験電池は、独自の内部結果と共に、回路が短絡する傾向を示した。こうしたセルは、セルが開かれ、過剰な電解質が蒸発され、セルがエポキシで満たされ、次にセル内に残された釘に対して垂直に切断された処理の後に、より綿密に調査された。走査型電子顕微鏡の画像は、後方散乱電子イメージング(BEl)を使用して撮影され、これにより、様々な電池要素のマッピングが可能になり、釘の貫通活動の効果を示すことができた。これらは、先行技術図3A及び3Bに示す。
先行技術の図3Aでは、銅層が一貫してアルミニウム層よりも釘に近づいていることに留意されたい。また、高安定性セパレータは電極間で無傷であることに留意されたい。先行技術の図3Bは、1つのアルミニウム層の端がより高い倍率であることを示し、亀裂の入った灰白質の層で終了していることを示している。これをBElにより調査し、その結果、得られた物質は実際には、絶縁セラミックであるアルミニウム酸化物であることが判明した。このような証拠により、セパレータ自体が熱的に安定している場合、アルミニウム集電体が酸化し、回路を効果的に遮断する(一旦絶縁アルミニウム酸化物が形成されると、いずれの短絡回路も停止する)との結論が提唱された。一旦回路が遮断されると、電流の流れが停止し、熱が発生しなくなり、セパレータの安定性が低下し、熱暴走につながるプロセスが逆転する。
しかし、こうした考えられる解決策では、セパレータのみをより高い収縮率特性に単に置き換えることに限定されている。こうした単純な決断は、非常に価値が高いように見えるが、幅広く利用され、承認されている電池製品から置き換えるのが困難であり得る他の製造手順及び特定の構成部品(セラミックコーティングセパレータタイプなど)が依然として残っている。したがって、熱的に安定したセパレータを利用すること、及び包含することが明らかな利点であるにもかかわらず、特にしたがって、熱的に安定したセパレータを利用すること、及び包含することの明らかな利点にもかかわらず、特に、こうした目的のためにセラミックコーティングされたセパレータ製品が安全であると考えられる場合、望ましくない電池の発火が依然として発生し得る。したがって、こうした非常に熱安定性の高いセパレータ材料の利用に加えて、内部短絡による発熱の機会を改善し得るかまたは少なくとも低減させ得る、少なくとも別の内部電池セルのみの構造メカニズムが存在することが判明した。こうした状況では、そのような電池セル内で短絡が発生すると、事実上、内部ヒューズが形成されることにより、完全に内部回路が停止するため、これにより有害な高温損傷となることはない。しかし、これまで、リチウム電池の技術では、これらの問題を簡単に解決するいかなる提示もなかった。本開示では、こうした非常に望ましい改善法を提供し、複数の市場においてリチウム電池セルを非常に安全かつ信頼できるものにする。
したがって、対象のリチウム電池自体に、短絡回路の結果生じる望ましくない高温を防ぐ表面的な内部ヒューズを提供することにより、標的のリチウム電池内の特定の欠点に耐えるために使用できる内部ヒューズを備えた、新しい改良されたリチウムエネルギー貯蔵デバイスが必要とされる。これに関して、本技術はこの必要性を実質的に満たしている。この点で、本技術による内部ヒューズを備えたリチウムエネルギー貯蔵デバイスは、先行技術の従来の概念及び設計から実質的に逸脱し、そうすることで、対象のリチウム電池自体内に、短絡回路の結果生じる望ましくない高温を防ぐ表面的な内部ヒューズを提供することにより、標的のリチウム電池内の特定の欠点に耐える目的で主に開発された装置を提供する。
現在、先行技術に存在する既知のタイプのリチウム電池に固有の前述の欠点を考慮して、本技術は、内部ヒューズを備えた改善されたリチウムエネルギー貯蔵デバイスを提供し、かつ先行技術の上述の不都合な点及び不利益な点を克服する。したがって、以下でより詳細に記載する本技術の一般的な目的は、これまでに言及された先行技術の利点及び多くの新規の特徴をすべて有し、内部ヒューズを備えた新しい、改良されたリチウムエネルギー貯蔵デバイス及び方法を提供することである。その結果、単独またはそれらの任意の組み合わせのいずれかで、先行技術によって予想されること、明らかにされること、示唆されること、または暗示されることさえなかった内部ヒューズを備えたリチウムエネルギー貯蔵デバイスとなる。
本開示の明確な利点は、内部短絡が発生したときに導電経路を遮断するメカニズムを構造部品を通じて提供できることであり、これにより、標的電池セル内で熱を発生し得る電流の流れを停止させるか、または大幅に低減させる。別の利点は、リチウム電池セル内にこのような保護構造形式を提供できることであり、これにより、セル全体の製造、輸送、及び利用に有益な重量及びコストの改善ももたらされる。したがって、別の利点は、その起動が必要とされるまで、標的電池セル内の内部ヒューズ構造が形成され、保持されることである。別の利点は、短絡回路または同様の事象中の熱暴走を防止する薄膜ベースの集電体を利用することによる、より重量の軽い電池を提供することである。さらに別の利点は、短絡回路または同様の事象の際に、その明らかな点火傾向はいずれもなく、電池内で可燃性有機電解質材料を利用できることである。
したがって、本発明の開示は、アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間に存在する少なくとも1つのポリマーまたは繊維セパレータと、アノードまたはカソードのうちの少なくとも一方と接触している少なくとも1つの集電体であって、アノードまたはカソードが、集電体の少なくとも一部分とセパレータとの間に配置されている集電体とを備え、集電体は、ポリマー材料基板上にコーティングされた導電性材料を含み、かつ集電体により、エネルギー貯蔵デバイスの動作電圧で短絡回路に曝されたときに、接触点で導電を停止させ、この動作電圧が少なくとも2.0ボルトである、エネルギー貯蔵デバイスを包含する。一例は、0.1アンペア/平方ミリメートルの接触点での電流密度であり、先端サイズは1平方ミリメートル以下である。当然のことながら、より大きいセルの場合、必要な電流密度しきい値はより高くなり得、このセルでは、少なくとも0.3アンペア/平方ミリメートル、例えば、少なくとも0.6アンペア/平方ミリメートル、またはさらには少なくとも1.0アンペア/平方ミリメートルの電流密度でのみ導電が停止され得る。エネルギー貯蔵デバイス内でこうした有益な集電体構成部品(リチウムイオン電池などの電池、コンデンサなど)を利用する方法も、本開示に含まれる。
さらに、非常に大きい電流密度が非常に短い期間、または非常に小さい先端のプローブ内で保持され得る。こうした状況では、5アンペア、10アンペア、さらには15アンペアなどのより大きい電流が、非常に短い時間(例えば、1秒未満、あるいは0.1秒未満、あるいはさらに1ミリ秒(0.001秒)未満)接続され得る。本開示内では、より大きい電流を測定することが可能であり得るが、こうした電流の送達時間は、送達される総エネルギーが非常に小さく、かつ標的電池セル内で熱暴走事象を引き起こすのに十分な熱を発生させるのに十分でないように、十分に短い。例えば、従来のアーキテクチャセル内での短絡により、4.2ボルト、30秒間で10アンペアが生成されることがわかっており、その結果、こうした電池内の小さい局所領域に1200ジュールのエネルギーが送達される。この結果の測定により、対象の電池の1グラム部位の温度が約300℃上昇する。この温度は、内部に存在する従来のセパレータ材料を溶融させるのみでなく、セル全体を熱暴走状況に至らせるのに十分に高い(これは、上記のように、その中に存在する電解質材料が前述のように損なわれ得、対象の電池のみでなく、それが存在するデバイス/実装及び周囲環境の潜在的な破壊も引き起こし得る)。したがって、完全に防止できない場合であっても、短絡期間の時間を短縮する能力、こうした短絡内で低ジュールの測定に関連する、結果としてもたらされるエネルギーレベル、熱暴走(及びそれに伴う潜在的な災害)を回避され得る可能性は確かにある。例えば、集電体内の短絡回路滞留時間を1ミリ秒以下に短縮することで、その後、送達されるエネルギーの量が0.04ジュールほどに低下させることができる(上記の1200ジュールとは対照的であり、例えば、対象の電池の1グラムの局所領域内で過度の300℃以上となる)。したがって、このような低レベルでは、電池のこのような1グラム局所領域内で0.01℃の温度上昇のみが生じ、これにより、標的セル内、したがって電池全体での熱暴走が防止される。
したがって、本開示の別の重要な利点は、プローブ先端(内部の製造欠陥、樹状突起、または対象の電池内で内部短絡を引き起こす外部事象の影響を制御可能にエミュレートするため)を介して標的集電体表面に適用される電流レベルの送達時間を、特に非常に大きい電流の場合、1秒未満、好ましくは0.01秒未満、より好ましくは1ミリ秒未満、最も好ましくはおそらく100マイクロ秒未満にさえも、大幅に制限する集電体を電池に提供することである。当然のことながら、こうした電流は、セルの内部電圧に制限され、5.0V、4.5V、または4.2V、またはそれ以下、例えば4.0Vまたは3.8Vなどであり得るが、最低は2.0Vである。
こうした新しい集電体構成部品は、現在の電池及びエネルギー貯蔵デバイスのリチウム(及び他のタイプ)内で典型的に利用され、見出される構成部品に対して実際に反直観的なものである。提供される標準的集電体は、電池全体などの構造に何らかの型の保護をもたらすと考えられている厚さのアルミニウム及び/または銅のパネルなどの導電性金属構造である。これらの典型的な集電体の構造は、重量及びスペースの制約内で最大限可能な導電率となるように設計されている。しかし、特に今日のエネルギー貯蔵デバイスで普及している厚パネルは、実際には短絡が発生したときにアークするのみでなく、そのような状況が発生した場合に暴走温度に大きく寄与するため、このような考えは実際には誤解されていると考えられる。こうした短絡は、例えば、セパレータ内の樹状形成によって引き起こされ得る。このような変形(製造時もしくは製造中、または長期間の使用の結果、分解の可能性の有無)により、電圧が予期せずにアノードからカソードに通過し、これにより電流の増大が生じ、その結果、これらが生じる場所で温度が上昇し得る。実際に、欠陥を引き起こす可能性のある1つの短絡回路の発生源は、(現在、一般的である)複数の製品の繰り返し製造プロセス中に摩耗ブレードによりスリットをいれるか、または切断されたときに、これらの厚い典型的な集電体の端に形成されるバリである。しかしながら、標準的集電体材料は、単に火花を発生させて温度上昇を可能にする傾向を呈し、そのような発生中に存在する電流がデバイスを介して継続することがさらに可能になり、それにより自由な発生及び移動が可能になる。そのため、電流及び温度レベルの上昇を断ち切る手段がないままであることが繰り返し分析され、理解されている。この問題は、暴走する高温結果を直接もたらし、このような状況を阻止するための何らかの内部手段がない場合には、通常、火災の発生、並びに最終的にはデバイスの焼失及び破壊の可能性が差し迫る。さらに、標準的集電体の電流経路(電荷方向)は、短絡回路事象の前及び短絡回路事象の間の両方においてかなり静的なままであり、基本的には、カソードからアノード、次に特定の方向に集電体に沿って水平に移動した場合に予測されるのと同じ電荷の潜在的な移動を呈する。しかし、短絡回路では、この電流経路では、そのような電荷の動きを防止するか、または少なくとも断ち切るか、または遅延させることができず、換言すると、電池自体全体が暴走する方法で、急速な放電が可能になる。こうした急速な放電に伴う高温と相まって、上記の壊滅的な問題(火災、爆発など)となる。
それに反して、ここでも非常に予想外であり、リチウム電池の典型的な構造及び構成に反しているが、少なくとも、本開示の集電体を利用することで、非常に高い電流密度測定値となり(導電性要素の厚さが減少するため)、短絡回路事象時の(例えば、電荷がない方向への)電荷の移動を防止する。換言すれば、本明細書の開示された集電体構成部品に付与される特定の構造上の制限により、抵抗レベルは非常に高いが、短絡回路に対する高温の発生を抑制する程度まで電流密度が増加する。したがって、この抵抗レベルにより、導電性材料(例えば、一例として、アルミニウム及び/または銅)は短絡回路電荷を受け取るが、本明細書で提供される構造形成により、導電性材料はこうした高温の局所的な電荷に対して即座に反応する。こうした集電体構成部品の他の構造上の考慮事項、すなわち、こうした導電性材料層と接触する寸法安定性ポリマー材料が実際に欠如していることと組み合わせると、導電性材料は、その電荷点で即座に酸化し、例えば、アルミニウムまたは酸化第二銅など、いずれも非導電性材料のままとなる。こうして非導電性材料が瞬間的に作られることにより、その移動に利用できる方向が存在しないため、短絡回路電荷が消散すると考えられる。したがって、本明細書に記載する集電体では、内部短絡回路が発生することにより、電流を即座に停止させ、こうした短絡により即時に生じる高温結果を効果的に利用して、さらなる電荷の移動に対する障壁を作製する。そのため、エネルギー貯蔵デバイスの本体全体においてさらなる電流が不足すると(当然ながら、短絡回路に関連して)、短絡が完全に抑制される程度まで望ましくない事象が消失し、その後、暴走電流または高温の結果が発生することがない。またおそらく最も重要なことは、局部的な非導電性材料が存在しても、エネルギー貯蔵デバイス(電池など)が意図したとおりに動作するときには、それにより電流のいかなる大幅な減少も生じることはないため、集電体は初期の目的及び保護目的で実行可能なままである。さらに、比較的小さい領域の非導電性材料が作製されることにより、いかなる修復、交換、または他の改善作用も必要とすることなくさらに利用するために、集電体に有意な表面積などは依然としてある。常にそうであるとは限らないが、当然のことながら、確実にこうした状況にする必要性はあるが、本明細書で開示されているように、特定の予防策及び修正なく、こうした高温に晒され、かつ破壊する事象が生じる可能性は、通常許容できるよりも実際にはるかに高いままである。したがって、集電体全体は、短絡回路条件下での不安定性のために、2次元電気ヒューズとなり、その大電流の瞬間的な影響を使用して、短絡回路点で電流を伝導する集電体の能力を破壊することにより、短絡回路に関連する潜在的に壊滅的な高電流を防止する。
こうした利点は、複数の異なる代替案を介して、同様の最終結果が提供され得る、こうした新規の結果得られる集電体に関して可能となる。これらの代替的構成のいずれにおいても、本明細書に記載されるこうした集電体は、表面上、標的のエネルギー貯蔵デバイス(例えば、リチウム電池、コンデンサなど)内の内部ヒューズとして機能する。しかし、それぞれの場合(代替)では、片側または両側が金属化されており、少なくとも一方の金属化側が標的のエネルギー貯蔵デバイスのアノードまたはカソードと接触している、ポリマー層を含む集電体がある。1つの代替案は、集電体の全体が金属化(コーティング)されたポリマー基板の総厚が20ミクロン未満であり、抵抗測定値が1オーム/平方未満である場合である。典型的な集電体は、強化ポリマー基質で作られ、かつ本発明の開示の固有の安全性の利点を有さないものよりもはるかに重い重量であっても、これらの特徴を呈し得る。しかし、この代替的構造では、構成要素が非常に薄いため、金属コーティングに反応して、及び全体的な抵抗レベルとの関係で反応して、過度に高い温度を有する短絡が生じ得る。これは、こうした短絡の間の、そこからのさらなる任意の電流移動を即座に防止する金属酸化物の局部的な領域の電流スパイクが原因である。
こうした新規集電体の別の考えられる代替策は、温度依存金属(または金属化)材料を提供することである。この材料は、短絡中に熱源から収縮するか、または特定の材料位置で簡単に分解して非導電性材料(一例として、アルミニウム集電体からのアルミニウム酸化物など)(異なる方法で上記に言及したように)になる。このようにして、高温に対して非常に熱的に安定である現在使用されているアルミニウム及び銅の集電体とははっきりと対照的に、集電体は熱的に弱くなっている。その結果、固有の溶融温度が低い金属の合金では、短絡電流密度が低い場合には分解し得、比較的低い温度で比較的高い収縮率を呈する繊維またはフィルムに、例えば、銅やアルミニウムなどの導電性材料の層をコーティングすることにより、集電体の製造安全性が改善する。こうした結果を達成する別の考えられる方法は、セルの動作温度と比較して比較的高温であるが、熱暴走を引き起こし得る温度と比較すると低い温度まで材料が加熱されたときに、電解質内で膨潤するかまたは溶解し得る、繊維またはフィルム上に導電性材料、例えば上記の銅またはアルミニウムの層をコーティングすることにより集電体を製造することである。リチウムイオン電解質内で膨潤し得るこうしたポリマーの例としては、ポリフッ化ビニリデン及びポリアクリロニトリルが含まれるが、当業者に公知である他のものもある。こうした代替的な内部電気ヒューズ生成プロセスを達成するさらに別の方法は、リチウム電池に通常使用されるよりもはるかに薄い総金属厚で、加熱下で酸化し得る金属、例えばアルミニウムを基板上にコーティングすることである。例えば、今日使用されている非常に薄いアルミニウム集電体は、厚さ20ミクロンであり得る。コーティングの厚さが合計5ミクロン未満である場合は、回路がより速く遮断され、2ミクロン未満の場合、または1ミクロン未満の場合でさえも、回路がより速く遮断される。さらに、導電経路内の遮断を得る別の方法は、今日の商用ヒューズで見られる分解と同様に、短絡を取り囲む高電流密度で分解する導電性が制限されている集電体を提供することである。これは、5ミリオーム/平方、または10ミリオーム/平方、または潜在的に好ましくは20ミリオーム/平方以上、または潜在的により好ましくは50ミリオーム/平方以上の抵抗率を有する集電体を提供することによって達成され得る。低電力及び高エネルギー用に設計されたセルと比較して比較的低い抵抗を使用し得る、かつ/または比較的高い抵抗を使用し得る、高電力用に設計されている電池については、異なる抵抗率の集電体の使用がさらに別に選択され得る。導電経路の遮断を達成するさらに別の方法は、アルミニウムよりもはるかに低い温度で酸化して非導電性材料になる集電体を提供することであり、それにより、セパレータが分解する前に、集電体が短絡領域内で不活性になり得る。アルミニウムの特定の合金は、アルミニウム自体よりも速く酸化し、またこれらの合金は、より速くまたはより低温で導電経路の分解を引き起こす。可能な代替案として、これらに限定されないが、金、銀、バナジウム、ルビジウム、イリジウム、インジウム、プラチナなどが導電性を呈する、あらゆる種類の金属がこのような薄層容量で使用され得る(基本的に、非常に薄い層では、導電性を犠牲にすることなく、そのような金属の使用に関連するコストが大幅に削減され得、さらに、短絡回路などの事象中の熱暴走の可能性から保護できるようになる)。同様に、異なる金属の層が使用され得、あるいは別個の層構成部品内にまたは別個の層構成部品として堆積させた金属の個別の領域でさえ利用され得る。確かに、このようなコーティングされた集電体基板の片側は、反対側とは異なる金属種を含み得、同様に比較した際に異なる層厚を有し得る。
セルの電気的特性を改善する1つの方法は、コーティングされた集電体に2つの導電性のコーティングされた側が確実に含まれるようにすることである。これにより、片側でのコーティングから反対側でのコーティングへの導電性が表面上可能になる。このような結果は、例えば、コーティングされていないポリマーフィルムでは不可能である。しかし、そのような両面伝導性スループットは、非限定的な一例として、特定の割合の導電性繊維などの不織布、または導電性材料が添加されている不織布、または導電性材料(炭素繊維もしくは金属繊維など)から作られた不織布、または上記のように、導電性材料でコーティングされた繊維(表面に金属コーティングが施された繊維など)を含む不織布によって達成できることが認識されている。上部から下部への導電性を呈する別の種類の新規の薄い集電体材料は、固有の導電性材料(例えば、ポリアセチレン、ポリアニリン、またはポリビニルピロリジンなどの導電性ポリマーなど))を使用すること、またはフィルム製造中もしくは製造後の導電性材料(グラファイトもしくはグラフェン、または金属粒子もしくは繊維など)を添加することによるなど、導電性にされたフィルムであり得る。さらに、別の考えられる薄い両面集電体材料は、金属化プロセス中に金属(アルミニウムまたは銅)により側面がコーティングされた小さい貫通穴を有するポリマー基板である。片側から反対側に対して得たこうした導電性は、導電性コーティングほど導電性である必要はない。
したがって、表面上同じ集電体の結果及び物理的特性を獲得するそのような代替的構成は、以下を含む。a)コーティングされたポリマー基板の総厚が20ミクロン未満であり、抵抗が1オーム/平方未満である、b)ポリマー材料を含む基板上にコーティングされた導電性材料を含む集電体を備え、ポリマー材料は、225℃で少なくとも5%の熱収縮を呈する、c)集電体の金属化ポリマー材料が電池の電解質中で膨潤し、そのような膨潤はポリマー材料が加熱されるにつれて増加する、d)集電体の導電性材料の総厚は、ポリマー基板に適用されたときに5ミクロン未満であり、e)集電体の導電率が10ミリオーム/平方~1オーム/平方であり、f)集電体の金属化ポリマー基板が、最大60%の多孔度を呈する。225℃で1時間後に5%未満の熱収縮を呈するセパレータを備えたエネルギー貯蔵デバイス内のこれらの代替的構成のいずれを利用しても、本開示の範囲内である。このタイプのエネルギー貯蔵デバイス(電池、コンデンサなど)の全体的な利用(使用方法)も本明細書に含まれる。
本発明の主要な利点は、セルの安全性が向上することであるが、上記に示唆したように、そのような集電体構成部品に関連する金属重量が低減することにより、エネルギー貯蔵デバイス全体の重量が低減することなどの他の利点がある。この場合も、このような電池製品内の集電体に、特に寸法安定性の低い、金属コーティングされた薄いポリマー層を利用することは完全に直観に反している。この業界内の現在の考え方は、(特に潜在的な短絡回路事象からの)望ましい保護結果を実現するためには、実際の金属及び/または絶縁体の構成部品が大量に必要であると考えている。予想外にも、現在、このようなパラダイムが正しくないのみでなく、リチウム電池内の短絡回路問題などに対する効果的な対策は、金属の量を増加させるのではなく減少させることであり、また金属を熱的に不安定なベース層と結合させることであることが認識されている。したがって、非常に予期せぬことではあるが、このような不安定なベース層を備えた薄い金属層が、短絡回路中の放電事象に対抗して効果的に停止させる機能となることがここでも理解されるのみでなく、全体的な効果が、このはるかに安全で信頼できる結果となり、こうした構成部品の全体的な重量及び体積が大幅に少なくなる。したがって、エネルギー貯蔵製品(電池など)内の重量及び体積の要件が低くなり、特性が改善されるという予期せぬ利点は、当初理解されていたよりもはるかに多くのことが業界に認められる。
さらなる説明として、厚さ20ミクロンの密度2.7g/cm3のアルミニウムの重量は、54g/m2である。しかし、厚さ10ミクロンのポリプロピレンフィルム(密度0.9g/cm3)に1ミクロンでコーティングされた同じ金属の重量は、11.7g/m2である。この集電体の重量を減少させることにより、対象のエネルギー貯蔵デバイス(例えば、電池)全体の重量を減少させることができ、これにより移動性が高まり、燃費または電気範囲を増大させ、一般にモバイル電気用途の価値が高まる。
さらに、フィルムの強度が高いため、上記の例ではより薄くすることもでき、例えば、総厚が20ミクロンと比較して11ミクロンになると、セルの体積が減少し、これによりエネルギー密度が効果的に増加する。このようにして、15ミクロン未満、好ましくは12ミクロン未満、より好ましくは10ミクロン未満、最も好ましくは8ミクロン未満の総厚の集電体を作製し、そのような目的及び機能に利用され得る。
アルミニウムのバルク抵抗率が2.7x10-8ohm-mであり、銅の抵抗率が1.68x10-8ohm-mである場合、薄いコーティングが、1オーム/平方未満、または0.5オーム/平方未満、またはさらに0.1オーム/平方未満、または0.05オーム/平方未満で行われ得る。これらの導電性コーティングの厚さは、5ミクロン未満、好ましくは3ミクロン未満、より好ましくは2ミクロン未満、潜在的に最も好ましくは1ミクロン未満でさえあり得る。市場で一般的に使用されている標準的材料に10ミクロン以上の金属が含まれている場合、はるかに少ない金属を使用して好適な性能を得ることができるのは非常に直観に反している。実際に、典型的な貯蔵デバイスに存在する金属のほとんどは、高速で自動化される処理に好適である機械的特性を付与するために含まれている。より低い密度のポリマー材料を使用して機械的特性をもたらすことは、本発明の利点の1つであり、これにより、金属の厚さを、セルの安全性が改善されるレベルまで低減できるようになる。これは、集電体が、内部の電気的短絡が原因で、その結果熱暴走、煙、火災を引き起こす、危険なほど高い電流密度を支持できないためである。
さらに、これらの導電層は、複数の層で作製されてもよい。例えば、アルミニウムの層は、銅の薄い層でコーティングされたベース層であり得る。このようにして、バルク導電率は、軽量で高価なアルミニウムによって提供され得、気相蒸着技術によって容易に堆積され得る。銅は、追加の導電性及びパッシベーションをアノードに提供できるが、大幅な追加的コスト及び重量が加わることはない。この例は単に例示するために与えられており、当業者は他の多くの多層導電性構造を提供でき、そのいずれもが、本発明の優良な例である。
これらの薄い金属コーティングは一般に、通常の実施されているアルミニウムまたは銅の集電体内よりも高い抵抗をもたらし、比較の際に本発明の明らかな特徴となる。そのような新規の好適な集電体は、10ミリオーム/平方を超え、好ましくは20ミリオーム/平方を超え、より好ましくは50ミリオーム/平方を超え、最も好ましくは100ミリオーム/平方を超えて作られ得る。
さらに、セパレータが高い熱安定性を有する場合、例えば、200℃の温度で1時間曝露後、好ましくは、250℃で1時間曝露後、及びより好ましくは300℃の温度で1時間曝露後の収縮が5%未満であるなど、高温で低い収縮率を呈する可能性がある、上記の熱的に弱い集電体で作られたセルがより安全であり得る。既存のセパレータは、溶融温度が138℃のポリエチレン及び溶融温度が164℃のポリプロピレンから作製されており、これらの材料は、図2に示すように、150℃で50%超の収縮を示す。こうした結果は、本明細書に記載のとおり、薄い集電体で利用するには高すぎる。このような問題を解決するために、NASA TM-2010-216099セクション3.5により測定すると、150℃で50%未満、さらには30%未満、または10%未満収縮する特定のセパレータを利用する必要があることがわかっている。セラミックコーティングされたセパレータでさえ、比較的適度な温度で有意な収縮を示し、完全に遮断するか、または180℃で20%以上まで収縮する。したがって、同じ試験標準で測定した場合、試験中に破壊することなく、また180℃(少なくとも)で20%以上まで、より好ましくは10%以上まで収縮しないセパレータを使用することが望ましい。最も好ましい実施形態では、200℃、または250℃、さらには300℃の温度に曝されたときに10%未満収縮するセパレータを利用する。
これらの金属化基板のいずれについても、セルのエネルギー密度の増加が容易になるように、薄い厚さを有することが望ましい。カレンダ加工、圧縮、ホットプレス、さらには総厚さを減少させる方法で表面から材料をアブレーションすることなど、任意の手段を使用してそのような厚さを得ることができる。これらの厚さ減少プロセスは、金属化の前または後に実施され得る。したがって、25ミクロン未満、好ましくは20ミクロン未満、より好ましくは16ミクロン未満、潜在的に最も好ましくは14ミクロン未満の金属化基板の総厚を有することが望ましい。市販のポリエステルフィルムは、最大で3ミクロン、さらにはより薄い1.2ミクロンの厚さが実現されている。これらのタイプは、適切な基板として機能し、集電体の総厚を10ミクロン未満、好ましくは6ミクロン未満、より好ましくは4ミクロン未満にできる。このような超薄型の集電体(上記及び全体を通して記載したとおり適切な導電性を有している)は、はるかに高いエネルギー密度及び改善された安全性能が可能になる。これらは、これまで探究されていなかった結果である。
これらの金属化基板については、軽量を有することも望ましい。これは、単なる例として、ポリオレフィン、またはポリエチレン、ポリプロピレン及びポリメチルペンテンなどの他の低密度ポリマーなどの低密度ポリマー材料を使用することによって達成できる。それはまた、基板中に開孔構造を有することによって、または低坪量の基板を利用することによってさえも達成され得る。したがって、基板材料に使用されるポリマーの密度は、1.4g/cm3未満、好ましくは1.2g/cm3未満、潜在的にさらに好ましくは1.0g/cm3未満であり得る。また、基板材料の面密度は、20g/m2未満、好ましくは16g/m2未満、及び最も好ましくは14g/m2未満であり得る。さらに、金属コーティングされたポリマー基板材料の面密度は、40g/m2未満、好ましくは30g/m2未満、より好ましくは25g/m2未満、及び最も好ましくは20g/m2未満であり得る。
多孔性ポリマー基板でも軽量を達成することができる。しかし、多孔度が、これらの材料にとって高すぎてはならない。多孔度が高いことにより、強度が低く、かつ厚さが厚くなり、関係する目標の目的が事実上に無効になる。したがって、そのような基材材料は、約60%未満、好ましくは50%未満、及び潜在的にはより好ましくは40%未満の多孔度を呈する。このタイプの金属コーティングされた集電体には固体材料を使用できるため、多孔度の下限はない。
材料を高速で電池に加工できるようにするには、高強度を必要とする。これは、延伸繊維から、または一軸もしくは二軸延伸フィルムからのいずれかからの伸長ポリマーの使用によって達成できる。
添付図面で以下に、及びその詳細な説明で示すように、電池、コンデンサ、スーパーコンデンサなどのエネルギー貯蔵デバイスは、本開示に従って製造され、提供される。ここで、短絡がカソード、アノード、またはその両方に接触する2つの個別の集電体、ならびにセパレータ及び電解質(これらは、すべて標準の(好適な)エネルギー貯蔵デバイス容器内に存在し、密封されている)に接触した後、感知できるほどの電流の移動がないことに関連する特性を呈する少なくとも1つの集電体が提供される。ほとんどの部品において、カソード、アノード、容器、電解質、及び状況によっては、セパレータ、構成部品は、すべて標準である。しかし、本明細書と共に、かつ本明細書内で利用される集電体は、開示されているように、この技術の範囲内では新しく、探索されておらず、また、実際のエネルギー貯蔵デバイス構成部品とは直観に反する。これについても、以下で詳しく説明する。
上記のように、その機会を減らすために、電池セル内での熱暴走(特にリチウムイオン充電型であるが、当然のことながら他の型も可能である)が完全に防止されない場合、その中で何らかの短絡回路を具体的に引き起こして短時間内に基本的に存在するようにし、対象の集電体内または集電体上での滞留時間を短縮させ、結果的に得られる最小ジュールレベルのエネルギーレベル(すなわち、10未満、好ましくは1未満、及び最も好ましくは0.01未満)を最終的には呈するようにする手段が必要である。このような状況では、前述のとおり、アノードからカソードへ、及びセパレータを介し、薄い導電性集電体が配置され、可燃性有機電解質が存在する電気経路については、低重量の薄い集電体は、特に集電体表面での良くない電荷の消散、及び電解質構成部品の発火が差し迫っているような、明らかな温度上昇がないという点で、こうした望ましい結果となり得ることが観察されている。驚くべきことに、任意の特定の科学的説明または理論に束縛されることではないが、薄い集電体材料の導電性により、短絡回路電荷が薄い導電性集電体に到達するのみであり、かつ集電体表面の金属と電荷自体との間で反応する短時間の高エネルギー事象が即座に発生すると考えられる。これにより、金属酸化物が作製されて、集電体表面での特定の点に形成される。金属酸化物は、さらなる電気的活性に対する絶縁をもたらし、加えられた電流が瞬時に消散し、集電体内自体が変形する可能性が依然としてあるが、前述の金属酸化物はその特定の場所での任意のさらなる電荷活性から保護するために存在する。したがって、他の集電体は、無傷であり、これまでと同じ機能を提供でき、したがって、このような保護をさらに潜在的なあらゆる短絡回路または同様の現象に提供する。先行技術の電池製品における熱暴走の場合、アノード、カソード、集電体及びセパレータは、一例として、熱を発生させてスパークが生じ、短絡回路に反応してセルを点火するための電気経路が構成される。したがって、イオン輸送可燃性電解質がさらに存在することにより、こうした予期しない電荷に関連する高温の結果による効果的な危険が生じる。本質的に、先行技術の集電体で生成された熱により、電解質材料内で初期の電気化学反応が引き起こされ、最終的に、電解質材料自体の制御されない点火となる。したがって、本明細書において開示される本発明の集電体は、こうした可燃性電解質などの電池セル内で利用される場合に特に価値がある。例として、こうした電解質としては、一般に、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチルなどの炭酸塩などの有機溶媒が挙げられる。これらの電解質は通常、上記材料の混合物として存在し、おそらく様々な種類の添加剤など、他の溶媒材料と共に存在する。これらの電解質はまた、リチウム塩成分を有し、その例は、ヘキサフルオロリン酸リチウム、LiPF6である。こうした電解質は、電池業界では好ましいが、上記のとおり、潜在的に危険な状況の一因となる。ここでも、本発明の集電体は、他の電池構成部品と連携して、これらの懸念を大幅にかつ驚くほど改善する。
この集電体がその有用性を呈する1つの方法が、次の試験である。電圧制限及び電流制限の両方を備えた電流源は、課題のエネルギー貯蔵デバイスの動作電圧と同様の電圧制限に設定できる。その後、電流を調整し、2つの構成で集電体の試験を行うことができる。最初に、既知の幅の集電体の短いストリップを、試料の全幅に接触する2つの金属コネクタを介して接触させる。電流源の電流制限を上昇させて、材料が電流を運ぶ能力に制限があるかを確認できる。この能力は、合計電流を幅で割ったものとして測定でき、本明細書では水平電流密度として示される結果(A/cm)が得られる。2番目の構成では、電流源の接地を全幅の金属接点のうちの1つに接触させ、次にプローブの先端(約0.25mm2)を集電体のストリップに沿った場所に当てる。電流が高すぎる場合、局所領域が焼損し、電流が流れなくなる。電流が集電体に対して高すぎない場合、電流源の制限までの全電流が流れる。その結果は、電流の制限(A/mm2)であり、ここでは垂直電流密度と呼ばれる。このようにして、両方の構成で高電流に到達できる集電体は、先行技術と同様であり、全幅で接触したときに水平電流を保持できるが、同様の垂直電流は点接触で保持されない集電体は、本明細書に記載の本発明の一例である。
例えば、集電体が水平電流密度0.1A/cm、または0.5A/cm、または1A/cmまたは2A/cmまたは5A/cmさえも保持できることが望ましい場合があり得る。また、上記の水平電流密度を保持できる集電体では、垂直電流密度0.1A/mm2、または0.5A/mm2、または1A/mm2、または2A/mm2、または5A/mm2さえも保持しないことが望ましい。
このようなリチウムイオン電池の薄いフィルムでは、その固有の品質のために、特定の固有の処理ステップを必要とし得る。しかし、当技術分野で周知されている多くの処理ステップも使用され得る。一般に、本発明のフィルムを用いてリチウムイオン電池を製造するプロセスは、以下のステップを含む:
a.イオン貯蔵材料のコーティングを有する少なくとも1つの金属化基板を有する電極を提供するステップと、
b.対向電極を提供するステップと、
c.電極及び互いに反対側である対向電極と、電極と対向電極との間に介在されたセパレータ構成部品とを積層するステップと、
d.電気接点構成部品を含むパッケージ材料を提供するステップであって、接点は、パッケージ材料の内部に存在する部分と、パッケージ材料の外部に存在する部分とを含む、ステップと、
e.電気接点を金属化基板と電気的に接続するステップと、f.パッケージ材料の内部にイオンを含む少なくとも1つの液体電解質を導入するステップと、
g.上記のパッケージ材料を密封するステップと、を含む。
金属化基板は、本開示内で説明されている任意の基板であり得る。
イオン貯蔵材料は、例えば、当技術分野で周知されているように、リチウムイオン電池用のカソードまたはアノード材料であり得る。カソード材料としては、リチウムコバルト酸化物LiCo02、リチウム鉄リン酸塩LiFeP04、リチウムマンガン酸化物LiMn204、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物LiNixMnyCoz02、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物LiNixCOyAlz02、または当技術分野で公知である上記もしくは他の混合物が挙げられ得る。アノード材料としては、グラファイト、チタン酸リチウムLi4Ti50i2、ハードカーボン、スズ、シリコン、またはそれらの混合物、または当技術分野で知られている他のものが挙げられ得る。さらに、イオン貯蔵材料は、スーパーキャパシタなどの他のエネルギー貯蔵デバイス内で使用されるものを含むことができる。こうしたスーパーキャパシタでは、イオン貯蔵材料としては、活性炭、活性炭繊維、炭化物由来炭素、カーボンエアロゲル、グラファイト、グラフェン、グラフェン、及びカーボンナノチューブが挙げられる。
コーティングプロセスは、当技術分野で一般に知られている任意のコーティングプロセスであり得る。ナイフオーバーロール及びスロットダイは、リチウムイオン電池に一般的に使用されているコーティングプロセスであるが、無電解メッキなどの他のコーティングプロセスも使用され得る。コーティングプロセスでは、イオン貯蔵材料は一般に、ポリフッ化ビニリデンもしくはカルボキシメチルセルロースなどのバインダー、または他のフィルム形成ポリマーなどの他の材料と混合される。混合物への他の添加剤としては、カーボンブラック及び他の導電性添加剤が挙げられる。
対向電極には、イオン貯蔵材料とは異なる電気化学ポテンシャルを有する他の電極材料が含まれる。一般に、イオン貯蔵材料がリチウムイオンアノード材料である場合、対向電極はリチウムイオンカソード材料から作製される。イオン貯蔵材料がリチウムイオンカソード材料である場合、対向電極はリチウムイオンアノード材料であり得る。イオン貯蔵材料がスーパーキャパシタ材料である場合、対向電極は、スーパーキャパシタ材料から、または場合によってはリチウムイオンアノード材料またはリチウムイオンカソード材料から作製できる。いずれの場合にも、対向電極は、本発明におけるような金属箔または金属化フィルムであり得る集電体材料上にコーティングされたイオン貯蔵材料を含む。
積層プロセスにおいて、本発明の電極は、互いに向き合う電極材料及びそれらの間の多孔質セパレータを備えた対向電極と共に積層される。当技術分野で一般に知られているように、電極の両側がコーティングされ得、本発明の電極及び対向電極で形成された電極のスタックは、各層間のセパレータと交互になっている。あるいは、当技術分野でも公知であるように、電極材料のストリップを上記のように積み重ね、次に巻回して円筒状にし得る。
パッケージ材料としては、円筒型セル用の缶、平坦なハードケース、またはポリマーポーチなどのハードパッケージが挙げられ得る。いずれの場合も、異なる電圧で保持され得、電流を伝導できるケースを介して電気的接続を行う2つの手段が必要とされ得る。場合によっては、ケース自体の一部分が1つの手段を形成する一方で、別のケースは、最初の部分から電気的に絶縁されているケースの異なる部分である。他の例では、ケースは非導電性であり得るが、2つの金属導体がケースから突き出ることができ、これは、多くの場合タブと称される。
金属化基板と電気的接続させるための手段を接続することには、溶接、テーピング、クランプ、ステープル留め、リベット留め、または他の機械的手段などの一般的に使用される方法を挙げることができる。金属化基板の金属は非常に薄い場合があるため、大電流を流すことができるインターフェースを可能にするために、一般に面と面の接触が必要であり、ケースを介して電気的接続させる手段と金属化基板との間が大きい表面積となる。十分な電流を運ぶために、この表面積は1平方ミリメートル(10~12平方メートル)より大きくする必要があるが、3平方ミリメートル、さらには5平方ミリメートル、さらに好ましくは10平方ミリメートルより大きくする必要があり得る。
液体電解質は、典型的には、極性溶媒とリチウム塩との組み合わせ/混合物である。一般的に使用される極性溶媒には、上記のように、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルが挙げられるが、イオン液体または水さえも含む他の極性溶媒も使用され得る。この業界で一般的に利用されているリチウム塩としては、これらに限定されないが、LiPF6、LiPF4、LiBF4、LiCl04などが挙げられる。電解質は、当技術分野で知られている添加剤を含み得る。多くの場合、電解質は可燃性であり得、本発明の金属化基板の集電体の安全機能は、セル及びセルの外部の両方に火災及び損傷をもたらす危険な熱暴走事象の防止に有利であり得る。
本技術の一態様は、アノード、カソード、アノードとカソードとの間に介在する少なくとも1つのセパレータ、少なくとも1つの液体電解質、及びアノードとカソードの少なくとも一方と接触する少なくとも1つの集電体を含むエネルギー貯蔵デバイスであり得る。集電体は、上面及び底面を含むことができる。セパレータは、ポリマー、セラミック、または不織布構造のものであり得る。集電体は、その両面に導電性コーティングを有する非導電性材料であり得る。集電体は、集電体に沿って水平に電流経路に沿って正常に動作しているときに、有用な電流密度を運ぶ能力を呈することができる。NASA TM-2010-216099セクション3.5に記載されている収縮試験を受けた場合、ポリマーまたは繊維セパレータは180℃で破壊されるか、または20%以上収縮することはない。
本技術の別の態様は、アノード、カソード、アノードとカソードとの間に介在する少なくとも1つのセパレータ、少なくとも1つの液体電解質、及びアノードとカソードの少なくとも一方と接触する少なくとも1つの集電体を含むエネルギー貯蔵デバイスである。集電体は、上面及び底面を含むことができる。セパレータは、ポリマー、セラミック、または不織布構造のものであり得る。集電体は、その両面に導電性コーティングを有する非導電性材料の基板であり得る。集電体は、集電体に沿って水平に電流経路に沿って正常に動作しているときに、有用な電流密度を運ぶ能力を呈することができる。非導電性材料の基板は、片側にコーティングされた導電性材料から、その反対側にコーティングされた導電性材料まで導電性を有し得る。
本技術の別の態様は、エネルギー貯蔵デバイスを製造するプロセスであり、以下のステップを含む:イオン貯蔵材料のコーティングを備えた少なくとも1つの金属化基板を有する電極を提供するステップと、対向電極を提供するステップと、電極及び互いに反対側である対向電極と、電極と対向電極との間に介在されたセパレータ構成部品とを積層するステップと、電気接点構成部品を含むパッケージ材料を提供するステップであって、接点は、パッケージ材料内の内部に存在する一部分と、パッケージ材料の外部に存在する一部分とを含むステップと、電気接点を金属化基板に電気的に接続するステップと、パッケージ材料内の内部にイオンを含む少なくとも1つの液体電解質を導入するステップと、パッケージ材料を密封するステップと、を含む。
これらは、本発明の他の目的と共に、本発明を特徴付ける新規性の様々な特徴と共に、本開示に添付され、その一部を形成する特許請求の範囲で詳細に指摘されている。本発明、その動作上の利点、及びその使用によって達成される特定の目的をよりよく理解するために、本発明の例示の実施形態が示されている添付の図面及び説明事項を参照されたい。
18650セルなどの巻回型セルのアーキテクチャの先行技術を描写した図である。 NASA/TM-2010-216099「Battery Separator Characterization and Evaluation Procedures for NASA’s Advanced Lithium Ion Batteries」(参照により本明細書に組み込まれる)に従って測定された、いくつかのリチウムイオン電池セパレータの動的機械分析によって測定された温度と対応させた収縮の先行技術を描写した図である。第1世代のセパレータ(Celgard PP、Celgard tri-layer)、第2世代のセパレータ(セラミックPE)、及び第3世代のセパレータ(Silver、Gold、Silver AR)が含まれる。 釘刺し試験を受けた先行技術のポーチ型セルの断面の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す図である。層は、BE1(後方散乱電子イメージング)によってマッピングされたアルミニウム及び銅である。釘は左側では垂直である。いずれの場合も、アルミニウム層は釘から後退し、絶縁体であるアルミニウム酸化物の「表皮」が残る。 先行技術の図3Aに示されている画像の層の1つを拡大した描写した図である。アルミニウム酸化物層のクローズアップが示され、セパレータの収縮をまったく有さず、電極を極限端まで分離していることが明らかである。 導電性材料の薄層が外側にあり、中央の基板が、熱暴走に必要な温度では熱的に不安定な層である、本発明の描写を示す図である。この基板は、溶融層、収縮層、溶解層、酸化層、または100℃と500℃の間の温度で熱的不安定性を受ける他の層であり得る。 一般に12~20ミクロンの厚さである、厚いアルミニウム集電体の先行技術の図である。 両側に1ミクロンのアルミニウムを有する14ミクロンの厚さの基板を示している、本発明を描写した図である。厚い電流技術では短絡回路に関連する大電流を運ぶが、本発明の集電体では、短絡回路に関連する大電流を運ぶことができない。 高温はんだごての先端に当てた後の比較例1の画像を示す図である。 高温はんだごての先端に当てた後の比較例2の画像を示す図である。比較例では、高温はんだごてを当てた後も変化がない。 高温はんだごての先端に当てた後の実施例1の画像を示す。 高温はんだごての先端に当てた後の実施例2の画像を示す。 高温はんだごての先端に当てた後の実施例3の画像を示す。実施例1~3はすべて、金属化基板について、本開示に記載されているような収縮を呈する。 高温はんだごての先端に当てた後の実施例4の画像を示している。 高温はんだごての先端に当てた後の実施例45の画像を示している。 高温はんだごての先端に当てた後の実施例6の画像を示している。高温はんだごての先端に当てた後の実施例4~6の画像を示している。実施例4は、金属化された基板について、本開示に記載されるような収縮を呈する。実施例5は、リチウムイオン電解質中に加熱下で溶解する繊維を有する。実施例6は、本発明として機能するために薄い導電層を必要とする熱的に安定な基板の例である。 2つの倍率での断面のSEMであり、1つは、実施例9に記載されているように現在開示されている1つの集電体の1つの可能な実施形態の金属化表面を示している図である。金属は、元の基板である20ミクロンの厚さよりも明らかにはるかに薄い。 短絡後の比較例3の光学顕微鏡写真である。 短絡後の比較例4の光学顕微鏡写真である。これらは、短絡しているが穴のない領域のアブレーションを示す図である。 短絡後の実施例14の2つの領域の光学顕微鏡写真である。 短絡後の実施例14の2つの領域の光学顕微鏡写真である。これらは、短絡の高電流密度によって引き起こされた材料内の透明な穴を示す図である。 下記の実施例で使用した集電体のサイズ及び形状を示した図である。
以下の説明及び例は、本開示の潜在的な実施形態を単に表示したものである。以下の特許請求の範囲に関するそのような開示の範囲及びその広さは、当該分野内の当業者によって十分に理解されるであろう。
上記のように、本開示は大きく変化したものであり、リチウム電池(及び他のエネルギー貯蔵デバイス)業界内でのすべてのこれらまでの理解及び改善から直観に反するものである。それに反して、本明細書に記載の新規のデバイスは、この領域内で、予想外であることは言うまでもなく、これまで探究されていない複数の有益な結果及び特性を提供する。しかし、最初に、比較として、以前のデバイスと現在開示され、ここで広く網羅しているデバイスとの間に含まれる明確な違いに注意することが重要である。
比較例1
リン酸鉄リチウム電池のカソードは、GB Systems(China)から入手した。市販の集電体の例として、アルミニウムタブを取り外し、厚さ、面密度、抵抗を測定した。その結果を下表1に示す。次に、アルミニウム箔に高温はんだごてを5秒間当てた。これは、赤外線温度計を使用して測定され、500~525°Fの温度を有していた。はんだごてを集電体に当てても影響はなかった。厚さ、面密度、及び抵抗を測定した。この材料を175℃のオーブンに30分間入れ、収縮を測定した。図6Aに例示すように写真を撮影した。図5Aには、このような比較電池内の従来の集電体を表したものを提供する。
比較例2
リン酸鉄リチウム電池のアノードは、GB Systems(China)から入手した。市販の集電体の例として銅タブを取り外し、厚さ、面密度、抵抗を測定し、その結果を下表1に示す。その後、実施例1と同様に、銅箔に高温はんだごてを当てた。はんだごてを集電体に当ててもいかなる影響もなかった。厚さ、面密度、及び抵抗を測定した。この材料を175℃のオーブンに30分間入れ、収縮を測定した。図6Aに例示するように写真を撮影した。比較例1と同様に、図5Aは、このような電池の内部構造の表示を示す。集電体の厚さは、現在開示されている薄い型ではなく、モノリシック金属構造であるため、重要である。
ポリプロピレンリチウム電池セパレータ材料は、MTI Corporationから入手した。材料(製品番号2500)が、Celgardによって製造された。厚さ、面密度、及び抵抗を測定し、その結果を下表1に示す。次に、実施例1と同様の方法で高温はんだごてをセパレータに当てた。温度計を集電体に当てると小さい穴が形成された。直径が測定され、表1に含まれている。厚さ、面密度、及び抵抗を測定した。この材料を175℃のオーブンに30分間入れ、収縮を測定した。図7Aに例示するように写真を撮影した。
セラミックコーティングされたポリエチレンリチウム電池セパレータ材料は、MTI Corporationから入手した。厚さ、面密度、及び抵抗を測定し、これらを下表1に示す。次に、実施例1と同様の方法で高温はんだごてをセパレータに当てた。
はんだごてを集電体に当てることにより小さい穴が形成された。直径が測定され、表1に含まれている。厚さ、面密度、及び抵抗を測定した。この材料を175℃のオーブンに30分間入れ、収縮を測定した。図7Aに例示するように写真を撮影した。
セラミックコーティングされたポリプロピレンリチウム電池セパレータ材料は、MTI Corporationから入手した。厚さ、面密度、及び抵抗を測定し、これらを下表1に示す。次に、実施例1と同様の方法で高温はんだごてをセパレータに当てた。はんだごてを集電体に当てることにより小さい穴が形成された。直径が測定され、表1に含まれている。厚さ、面密度、及び抵抗を測定した。この材料を175℃のオーブンに30分間入れ、収縮を測定した。図7Bに例示するように写真を撮影した。
アルミニウム化二軸配向ポリエステルフィルムは、All Foils Inc.から入手したものであり、ヘリウム充填パーティーバルーンに使用するために設計されている。アルミニウムコーティングはヘリウムをより長く保持し、パーティーバルーンのロフト(loft)をより長く持続させる。厚さ、面密度、及び抵抗を測定し、これらを下表1に示す。その後、フィルムは、実施例1と同様に、高温はんだごてに当てた。はんだごてを集電体に当てることにより小さい穴が形成された。直径が測定され、表1に含まれている。厚さ、面密度、及び抵抗を測定した。この材料を175℃のオーブンに30分間入れ、収縮を測定した。図8Aに例示するように写真を撮影した。市販のアルミニウム集電体の比較例1と比較して、本材料は、65%薄く、85%軽く、また、熱を後退させ、これにより、内部短絡を伴うリチウムイオンセルでは、内部短絡を遮断する効果を有する。
市販のリチウムイオン電池セパレータであるDreamweaver Silver 25を入手した。これは、製紙プロセスにおいて、セルロース、ポリアクリロニトリルのナノファイバ及びポリエステルのマイクロファイバをブレンドして作製され、薄い厚さにカレンダ加工されたものである。次に、実施例1と同様の方法で高温はんだごてをセパレータに当てた。温度計を集電体に当てても、穴は形成されなかった。厚さ、面密度、及び抵抗を測定した。この材料を175℃のオーブンに30分間入れ、収縮を測定した。先行技術の比較例3~5と比較すると、これらの材料は熱の存在下では溶融または収縮しないという利点を有するため、内部短絡を有するリチウムイオン電池内では、後退して均一なより大きい内部短絡が生じることはない。図8Bに示すとおりである。
市販のプロトタイプのリチウムイオン電池セパレータであるDreamweaver Gold20を入手した。これは、製紙プロセスにおいて、セルロース、パラアラミドのナノファイバ及びポリエステルのマイクロファイバをブレンドして作製され、薄い厚さにカレンダ加工されたものである。次に、実施例1と同様の方法で高温はんだごてをセパレータに当てた。温度計を集電体に当てても、穴は形成されなかった。厚さ、面密度、及び抵抗を測定した。この材料を175℃のオーブンに30分間入れ、収縮を測定した。先行技術のセパレータと比較したこのセパレータの利点は、実施例2と同じである。
比較例1~2は、既存の集電体の材料であり、非常に低い抵抗、高い面密度を示し、高温はんだ先端に曝露した場合に対して、または175℃でのあらゆる収縮に対しても反応はない。
実施例1~3は、無限の抵抗を有し、低面密度を有し、175℃または高温はんだ先端のいずれかに曝露されると溶融する材料である。それらは、本発明による金属化のための優れた基板である。
実施例4は、中程度の抵抗、低面密度を示し、175℃または高温はんだ先端に曝露されたときに収縮するアルミニウム化ポリマーフィルムの例である。これは、本発明による潜在的なカソード集電体複合フィルムの例である。実際には、及びさらなる実施例に示されるように、より高出力の電池のためにより高いレベルの金属コーティングを付与することが望ましい場合があり得る。
実施例5~6は、無限の抵抗を有し、低面密度を有するが、175℃または高温はんだ先端に曝露されたときに、非常に小さい収縮を有する材料である。それらは、金属化コーティングの厚さが短絡に関連する高電流条件下で分解するほど金属化コーティングが十分に薄い場合の、本発明におけるポリマー基板の例である。さらに、セルロースナノファイバ及びポリエステルマイクロファイバは、現在実際に使用されている金属集電体の溶融温度よりもはるかに低い温度で、酸化、収縮、及びアブレートが行われる。
実施例5はさらに、繊維、ポリアクリロニトリルから作られ、従来のリチウムイオンカーボネート電解質に曝露されると膨潤する。これも本発明のポリマー基板の一例であり、膨潤が加熱下で増加し、これにより金属化コーティングに亀裂が生じる。その結果、導電経路が遮断され、電池内の熱に曝露されたときに集電体の均一な導電経路が消失するか、または大幅に削減することにより、セルの安全性が向上される。
実施例5で利用された材料は、金属間るつぼ及びアルミニウムペレットを使用して、MBraun真空蒸着システムの蒸着位置に入れた。チャンバを3x10-5mbarまで排気した。アルミニウムが溶融するまで電力を上げ、次に堆積速度が3オングストローム/秒になるように電力を設定した。蒸着は、1時間実行し、4つの試料を蒸着プレート上で回転させた。このプロセスは3回繰り返したため、総堆積時間は4時間であった。試料の重量、厚さ、抵抗(DC及び1kHz、1インチのストリップを1インチ離れた電極間で測定)を測定した。これらを以下の表2に示す。点抵抗も、プローブ先端を1インチ離して、Hioki 3555電池HiTesterを1kHzで使用して測定した。添加したアルミニウムの重量は、試料の面積で割ったプロセス中に追加された重量で算出した。これを材料の密度で割って、コーティングの平均厚さを求める。
不織ポリマー基板は、平らな断面を有するポリエチレンテレフタレートマイクロファイバを取り、Tappi T206のプロセスを使用して20g/mでハンドシートを作製することによって作られた。次に、これらのハンドシートを、250°Fの硬化鋼ロールを使用して10m/分、2000lbs/インチの圧力でカレンダ加工した。この材料は、実施例7のプロセスに従って金属化され、同じ測定が行われ、表2に報告する。
実施例5による材料は、コーティングが5オングストローム/秒の設定で60分間行われたことを除いて、実施例7のプロセスに従って堆積させた。試料を裏返し、同じ手順で裏側をコーティングした。これらの材料は、表面及び断面の両方の走査型電子顕微鏡(SEM)で画像化され、その画像を図9に提示する。
材料は、各側での堆積がわずか20分間であったことを除いて、実施例9の手順に従って調製した。
シートをカレンダ加工しなかったことを除いて、実施例8のポリマー基板を調製した。アルミニウムの堆積は、各側で20分間、5オングストローム/秒である。材料はカレンダ加工されていないため、多孔度が非常に高く、薄いコート重量で非常に高い抵抗値となる。実施例11を実施例8と比較すると、予想外に高いカレンダ加工の利点が示されている。
実施例9のアルミニウムコーティングポリマー基板を、97%NCMカソード材料(BASFから入手したNCM523)、1%カーボンブラック及び2%PVDFバインダーの混合物を含むN-メチル-2-ピロリドン溶液でコーティングした。コート重量は12.7mg/cm、厚さは71ミクロンであった。この材料は、2032ボタン型セルに適合するように切断され、銅箔集電体にコーティングされたグラファイトアノード(6mg/cm、96.75%グラファイト(BTR)、0.75%カーボンブラック、1.5%SBR及び1%CMC)とペアにした。アノード、セパレータ(Celgard2320)及びNCMコーティングされた材料をセルに配置し、電解質(60μL、1.0M LiPF6を含むEC:DEC:DMC=4:4:2vol+2w%VC)で満たして、シェルを圧着してセルを密封して、単層ボタン型セルを作製した。適切な導電性を得るために、実施例9からのアルミニウムコーティングポリマー基板の一部分をカソード材料でコーティングしないままとし、折り畳んでボタン型セルのシェルに接触させ、導電経路を完成させた。セルは、0.18mAの定電流で4.2Vまで充電し、その後、定電圧(4.2V)で電流が0.04mAに低下するまで充電して形成した。セルは、0.37mAで4.2Vと3.0Vとの間で3回サイクルされ、1.2mAhの平均放電容量を得た。
手順に従ってセルを作製し、使用したセパレータがDreamweaver Silver20であったことを除いて、実施例12の材料を使用した。セルは、0.18mAの定電流で4.2Vまで充電し、その後電流が0.04mAに低下するまで定電圧(4.2V)で充電することによって形成した。セルは、0.37mAで4.2Vと3.0Vとの間で3回サイクルされ、0.8mAhの平均放電容量を得た。したがって、この実施例及びその前の実施例では、動作可能な充電式リチウムイオンセルは、アルミニウムの厚さが1ミクロン未満で作製した。
比較例3
比較例1のアルミニウムタブは、試料の全幅に接触する金属コネクタを介して、約2cmx4cmを電流源の接地に接続した。電圧制限は4.0Vに設定し、電流制限は1.0Aに設定した。電流源の高電圧に接続させたプローブは、最初に試料の全幅に接触する金属コネクタに当て、次にアルミニウムタブに複数回当て、1.0Aで短絡回路を生じさせた。プローブの先端は約0.25mmの面積であった。全幅に接触させると、電流は正常に流れた。プローブをタブに最初に当てると、火花が発生し、非常に高い初期電流密度を示した。結果として集電体に生じる欠陥は、わずかながら穴となる場合があり、他の場合には、アブレーションがあったが、集電体は無傷のままであった。すべての場合において、回路は1.0Aの流れで短絡したままであった。穴のないアブレーションされた欠陥の顕微鏡写真を撮影し、図10Aに示す。電流源制限を5.0、3.0、0.6A、0.3A、及び0.1Aに設定して実験を繰り返し、すべての場合において、集電体の全幅に接触させた場合、及び先端サイズ約0.25mmのポイントプローブを使用した場合のいずれも、結果は、試験電流制限では、連続電流であった。
比較例4
同様の寸法の比較例2の銅タブを、比較例3と同じ方法で試験した。全幅に接触させると、電流は正常に流れた。プローブをタブに最初に当てると、火花が発生し、非常に高い初期電流密度を示した。結果として集電体に生じる欠陥は、わずかながら穴となる場合があり、他の場合には、アブレーションがあったが、集電体は無傷のままであった。すべての場合、回路は0.8Aの電流が流れて短絡したままである。穴のないアブレーションされた欠陥の顕微鏡写真を撮影し、図10Aに示す。電流源の制限を5.0、3.0、0.6A、0.3A、及び0.1Aに設定して実験を繰り返し、すべての場合において、集電体の全幅に接触させた場合、及び先端サイズ約0.25mmのポイントプローブを使用した場合のいずれも、結果は、試験電流制限では、連続電流であった。
同様の寸法の実施例7の本発明のアルミニウムコーティングポリマー基板材料を、比較例3~4と同じ方法を使用して試験した。全幅に接触させると、電流は正常に流れた。本発明の集電体にプローブを直接当てた場合はいずれも、発生するスパークがはるかに少なく、電流は最初のスパーク後に流れが停止し、開回路のままであった。すべての場合において、結果として生じた欠陥は穴であった。穴のいくつかの例の顕微鏡写真を図11A及び11Bに示す。電流源の制限を5.0、3.0、0.6A、0.3A、及び0.1Aに設定して実験を繰り返し、すべての場合において、全幅コネクタを介して接触させた場合、電流が連続して流れ、本発明の集電体の例にプローブから直接接触させた場合、本発明の例を介して電流が流れることはない。
示されている主要な発明は、比較例3~4及び実施例14のように短絡回路に曝された場合、先行技術では結果として継続的な短絡回路となるのに対して、発明材料では結果として開回路であり、継続的な電流はない(すなわち、感知できる電流の動きはない)。したがって、先行技術の短絡回路では、熱を発生させ、セパレータを溶融し、SEI層を溶解させ、結果としてセルの熱暴走となり得る。本発明の集電体の開回路では、熱を発生させないため、熱暴走、及びその結果生じる煙、熱、炎を許容することなく、内部短絡回路を保持できるセルを提供する。
実施例15及び16ならびに比較例5及び6
10ミクロンのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ロールツーロールプロセスで2つの金属化フィルムを製造した。このプロセスでは、フィルムのロールを真空金属化製造機(その一例は、Applied Materialsから入手可能なTop Met 4450である)に配置し、チャンバを減圧真空にした。ロールは、溶融アルミニウムを含む加熱されたボート上を高速、例えば50m/分で通過させた。溶融アルミニウムを含む加熱されたボートの上には、速度及びアルミニウム温度によって制御された堆積速度で、フィルム上に堆積するアルミニウムガスのプルームがある。長さ約500m、幅70cmのロールを、アルミニウムのコーティングが-300nmになるまで複数のパスで製造した。コーティングプロセスを繰り返してフィルムの反対側をコーティングし、得られた製品を本明細書で実施例15として使用した(図4の本発明の集電体は、この実施例で使用されたものを描写したものである)。このようにして、実施例16は、ボート内の金属が銅であったことを除いて、同じ方法で製造した(この発明の構造内で利用される集電体を表す図5Bの図を含む)。各フィルムの坪量、厚さ、及び導電率を測定し、下表3に報告する。コーティング重量は、10ミクロンのポリエチレンテレフタレートフィルムの坪量である13.8g/mを差し引いて計算した。「計算されたコーティングの厚さ」は、コーティング重量を材料の密度(アルミニウムでは2.7g/cm、銅では8.96g/cm)で除算し、各側のコーティングが等しいと仮定して計算した。
比較例5は、厚さ17ミクロンの市販のアルミニウム箔である。比較例6は、厚さ50ミクロンの市販の銅箔である。比較例7は、厚さ9ミクロンの市販の銅箔である。
実施例15、実施例16、比較例5及び比較例6は、非常に高い電流密度を運ぶ能力の試験をさらに行った。集電体のフィルムまたは箔と接触させて、半径0.51mm(24AWGゲージ)の研磨された銅線を保持する試験装置を作製した。試験を行うフィルムまたは箔は、試験を行うフィルムまたは箔と接触して保持されるアルミニウム接点を使用して接地させ、接触面積は1平方センチメートル以上とした。プローブは、0.335オームの高出力400W抵抗器と直列に接続し、電流を制御するように設定されたVolteq HY3050EX電源に接続した。測定する集電体は、ゼロ入力電流で集電体の表面に接触する研磨線を使用して、組立て(setup)に配置された。電流は、0.2アンペアずつ増加させ、抵抗器の両端の電圧が測定される間、増分ごとに30秒保持した。電圧がゼロまで低下し、電流がそれ以上流れなくなったことが示されると、試料は故障したことが示された。実施例15、実施例16、比較例5及び比較例6のそれぞれの試験を行った。実施例15は、7Aで故障した(2つの測定の平均)。実施例16は、10.2Aで故障した(2つの測定の平均)。比較例5及び比較例6はいずれも20A未満で故障はなかった。実施例15及び実施例16は両方とも、集電体において半径1mm超の穴を示したが、比較例5または比較例6はどちらも、箔に対するいかなる損傷も示さなかった。この実施例の試験では、20Aを超える、好ましくは15Aを超える、より好ましくは12Aを超える電流を運ぶことができない集電体を有することが有利である。
別の試験では、これらの発明の集電体を、セルの電極スタックを使用中の電気デバイス(セルの内部または外部のいずれか)に接続するタブとしてシミュレートすることを意図しており、実施例15及び実施例16ならびに比較例5及び比較例6は、ストリップに沿って電流容量試験に供される。試験用の試料を調製するために、集電体を図12に示す形状に切断した。これは、4センチメートルx1センチメートル(4cmx1cm)の材料のストリップで構成され、ストリップの端は、側面4cmの切り取られた右の二等辺三角形である。試験片の三角形のそれぞれを、接触面積1cm超のアルミニウム片を介して接触させた。片側は400W、0.335オームの抵抗器を介して接続させ、この回路はVolteq HY3050EX電源に接続した。電流を測定するために抵抗器の両端で電圧が測定され、この電圧がゼロに低下したときに試験片が故障することが示された。各試験で、試験片は電源がゼロ電流に設定された状態で接続され、0.2Aずつ増加させ、試料が故障して電流の流れがゼロに低下するまで、新しい電圧ごとに30秒間置いた。この試験は、金属化された集電体が金属化された集電体の片側または両側のいずれかに接触して測定できるように構成された。故障時の電流を以下の表4に示す。4cmx1cmのストリップで試験を行った材料の場合、片側または両側接点のいずれも、20A未満、好ましくは15A未満、より好ましくは10A未満になるように流れ得る電流の量を制限することにより、内部ヒューズを提供することが有利である。
実施例17~19及び比較例8
セルは、標準的な箔集電体ならびに実施例15及び実施例16の金属化PETフィルム集電体を電極材料でコーティングすることによって作製した。NMC523カソード材料は、BASF NMC523(97%)、カーボンブラック(2%)、及びPVDF(1%)を含むNMP溶媒を使用して調製し、アルミニウム集電体(15ミクロンアルミニウム集電体)にコーティングした。実施例15は、坪量220g/mで、3.3mAh/cmのカソード装填密度に相当する。アノード材料は、グラファイトBTR-918S(94%)、カーボンブラック(5%)、PVDF(l%)を含むNMP溶媒を使用して調製し、銅集電体(18ミクロンの銅集電体)に118g/mでコーティングして、これは、アノード装填密度4.0mAh/cmに相当する。4つの両面カソード、3つの両面アノード、及び2つの片面アノードを調製した。これらをCelgard2500セパレータと積層して、小さいポーチ型セルを形成し、これに電解質を充填し、設計容量1Ahで密封した。4種類のセルは、箔材料の様々な組み合わせによって作製され、容量はC/10及びC/5(すなわち、0.1A及び0.2A)で測定された。セルは、100mAで4.2Vまで充電することによって形成され、電流が10mAまで低下するまで4.2Vで保持した。次に、完全に形成されたセルの重量を測定し、C/10で放電し、次にC/10で充電し、次にC/5で放電することによって容量の試験を行った。これらの結果を、下表5に示す。
したがって、上記の例は、電解質を含む電池内での熱暴走を防ぐために必要な望ましい厚さ、金属コーティング、及び導電率の結果を呈し、それによりはるかに安全で信頼性の高い種類のみでなく、安全性を犠牲にすることなく、実際には改善されており、必要とされる内部重量がこれまでよりもはるかに少ない構成部品を提供する。
本発明を詳細に説明してきたが、当業者が、本発明の範囲から逸脱することなく、変更及び修正を加えることができることは明らかである。したがって、本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲によってのみ決定されるべきである。
本発明を詳細に説明してきたが、当業者が、本発明の範囲から逸脱することなく、変更及び修正を加えることができることは明らかである。したがって、本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲によってのみ決定されるべきである。
本技術の一態様は、エネルギー貯蔵デバイスを製造するための方法またはプロセスであり、イオン貯蔵材料のコーティングを有する少なくとも1つの金属化基板を有する電極を提供するステップと、対向電極を提供するステップと、電極及び互いに反対側である対向電極と、電極と対向電極との間に介在されたセパレータ構成部品とを積層するステップと、電気接点構成部品を備えるパッケージ材料を提供するステップであって、接点は、パッケージ材料内の内部に存在する一部分と、パッケージ材料の外部に存在する一部分とを含むステップと、電気接点を金属化基板に電気的に接続するステップと、パッケージ材料内の内部にイオンを含む少なくとも1つの液体電解質を導入するステップと、パッケージ材料を密封するステップと、を含む。
本技術の実施形態は、エネルギー貯蔵デバイスがリチウムイオン電池であり得ることである。
本技術のいくつかの実施形態では、金属化基板が、少なくとも1つの金属コーティングを有するフィルムを含む集電体であり得、集電体が20ミクロン未満の総厚を有することを含む。金属は、これらに限定されないが、銅またはアルミニウムなどの遷移金属であり得る。
本技術のいくつかの実施形態は、50グラム/m未満の総面密度を有し得る。
本技術の実施形態は、金属化基板の少なくとも一方が5ミリオーム/平方より大きく、かつ1オーム/平方未満の抵抗、及び5ミクロン未満のコーティング厚さを有し得る。
本技術のいくつかの実施形態は、NASA TM-2010-216099のセクション3.5に記載されているとおり、200℃未満の収縮試験に曝されても破壊されないように、かつ200℃の前に10%未満の収縮率を呈するように構成されたセパレータを有することができる。
本技術の実施形態は、有機溶媒を含む電解質を有し得る。
本技術のいくつかの実施形態は、ポリマー、セラミック、または不織布構造のセパレータを有し得る。
本技術のいくつかの実施形態は、金属化基板の両側にコーティングされたイオン貯蔵材料を有し得る。
本技術の実施形態は、電気接点と1平方ミリメートルを超える表面積を有する金属化基板との間の電気的接続を有し得る。
内部ヒューズを備えたリチウムエネルギー貯蔵デバイスの実施形態を詳細に記載してきたが、それらに対する修正及び変形が可能であり、それらのすべてが本発明の真の趣旨及び範囲内にあることは明らかである。上記の説明に関して、様々なサイズ、材料、形状(shape)、型(form)、機能、及び操作方法、組立て方法、使用方法を含む、本発明の部品の最適な寸法関係は、当業者には容易に明らかであるように見なされ、図面に例解され、明細書に記載されているものとすべての同等の関係は、本技術に包含されることが意図されていることが理解されたい。
したがって、前述のものは、本発明の原理の単なる例示と見なされる。さらに、多数の修正及び変更が当業者には容易に生じるので、本発明を、図示し、記載した正確な構造及び動作に限定することは望ましくなく、したがって、すべての好適な修正及び均等物を使用でき、本発明の範囲の範囲内である。

Claims (6)

  1. エネルギー貯蔵デバイスであって、密封されたエネルギー貯蔵デバイス容器を備え、前記エネルギー貯蔵デバイス容器は、前記エネルギー貯蔵デバイス容器内に、アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に存在する少なくとも1つのポリマーまたは繊維セパレータと、前記アノードまたは前記カソードのうちの少なくとも一方と接触しているが、前記少なくとも1つのポリマーまたは繊維セパレータとは接触していない少なくとも1つの集電体と、少なくとも1つの液体電解質とを備え、
    前記少なくとも1つの集電体は、ポリマー材料基板にコーティングされた導電性材料を備え、前記集電体に沿って水平に電流経路に沿って正常に動作しているときには、前記集電体は、有用な電流密度を運ぶ能力を呈し、また短絡回路にさらされたときには、前記集電体は、前記集電体の表面上の点接触を介して同様の電流を保持することはできず、前記少なくとも1つの集電体は、60%未満の多孔度を呈する金属化多孔性基板を備え、かつ前記エネルギー貯蔵デバイスは、感知できる電流経路を呈さない、エネルギー貯蔵デバイス。
  2. 水平経路に沿った前記電流が少なくとも0.1A/cmであり、前記点接触を通る前記電流が多くとも5A/mmである、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス。
  3. コーティングされたポリマー基板の総厚が20ミクロン未満であり、1オーム/平方未満の抵抗を有する、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス。
  4. 前記導電性材料が5ミクロン未満の総厚を有する、請求項3に記載のエネルギー貯蔵デバイス。
  5. 前記集電体の導電率が、1ミリオーム/平方~1オーム/平方である、請求項3に記載のエネルギー貯蔵デバイス。
  6. 前記デバイスがセパレータをさらに備え、前記セパレータが200℃で1時間後に5%未満の熱収縮を呈する、請求項1に記載のエネルギー貯蔵デバイス。
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