JP2022527140A - 内部ヒューズを有する蓄電装置のバッテリ接続および金属化膜部品 - Google Patents

内部ヒューズを有する蓄電装置のバッテリ接続および金属化膜部品 Download PDF

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Abstract

内部ヒューズ部品と、必要なタブとを備えるリチウム電池を提供する。タブにより、装置内部と外部との間で電気伝導が行われ、対象装置が充電される。ここにおいて、上述の特徴を有する内部ヒューズと組み合わせることで、充分な安全性レベルをクリアするタブを開示する。同時に、タブにより、使用時にその場にとどまることのできる引き抜き強度を実現し、薄膜状の金属化集電体を完全に覆うことで、電気伝導による効果を発揮する。さらに、こうしたタブにおいて、必要な接続部には、効果的な溶接が施されており、驚異的なレベルのアンペア数および温度耐性が実現されることで、上述の外部装置への充分な導電率といった、基本的な内部ヒューズ効果を実現できる。こうしたタブリード部品および溶接構造により、リチウムバッテリ分野に関するさらなる技術向上を、同業界にもたらすことが可能となった。【選択図】図13

Description

本開示は、構成部品およびリチウムバッテリの物理的特性における技術改善に関する。標準的なリチウムイオンバッテリは、例えば、短絡に起因する特定の現象を引き起こす傾向にあり、バッテリ自体が高温になったり、最終的には、発火したりすることがある。バッテリ部品における構造上の懸念が、このような問題を引き起こしていることが分かっている。ここで提示する技術改善には、薄い金属化集電体(例えば、アルミニウムおよび/または銅)、高収縮率材料、高温にさらされると非伝導性となる材料、そしてこれらを組み合わせたものを活用することが含まれる。こうした技術改善により、当該リチウムバッテリにおける、ある種の欠陥(デンドライト、予期しない電気サージ等)に耐えうる性能が付与され、また、当該リチウムバッテリ自体に内部ヒューズを設けることで、短絡に起因する、望ましくない高温が防がれる。こうした技術改善を含む、バッテリおよび同バッテリの使用方法は、本開示に含まれるものとする。
特に、本開示の目的および重要性は、必要なタブリードを備えるリチウム電池を提供することにある。タブリードにより、その内部と外部との間で電気伝導が行われ、対象装置が充電される。電極が薄型で、電極材の両側が互いに導通していない可能性もあるため、タブリードを設けることは、重要である。本開示において、上述の特徴を有する内部ヒューズと組み合わせることで、充分な安全性レベルをクリアするタブを開示する。同時に、タブにより、使用時にその場にとどまることのできる引き抜き強度を実現し、薄膜状の金属化集電体を完全に覆うことで、電気伝導による効果を発揮する。さらに、こうしたタブにおいて、必要な接続部には、効果的な溶接が施されており、驚異的なレベルのアンペア数および温度耐性が実現されることで、上述の外部装置への充分な導電率といった、基本的な内部ヒューズ効果を実現できる。こうしたタブリード部品および溶接構造により、リチウムバッテリ分野に関するさらなる技術向上を、同業界にもたらすことが可能となった。
本開示における内部ヒューズの改善により、超薄型集電体構造が実現され、さらに、単一電池内で、集電体を複数回折りたたむことが可能になった。折りたためない場合、二枚の導電層の間にある重合体層によって、集電体の両側同士は、電気的に絶縁されてしまっていたが、このように折りたためることで、過剰な内部重量および/またはバッテリ体積を必要とすることなく、集電体の両側同士が接触できる。折りたたまれた集電体は、上述した過剰な重量および体積を必要とすることなく、同時に充電容量を増加させ、さらに、いかなるサイズのバッテリであっても、充電容量を増加させつつ、内部ヒューズ特性を保持する。これにより、目標とする高い電力レベルおよび可能な限り高い安全性を実現する、多目的に使用可能な新規のバッテリが実現される。
リチウムバッテリは、多種多様な製品の電力源として、広く世界で使用されている。(多種多様なイオン型の)リチウムバッテリは、その信頼性や、上記したように充電が可能であること、そして、耐用年数に鑑みて、充電式電動工具から、伝導自動車、一般的な携帯電話(タブレット、ハンディパソコン等)に至るまで、1次電源として使用されている。しかしながら、世界で広く使用されている電力源でありながら、ある種の問題を引き起こすことが報告されており、場合によって、非常に深刻なものも含まれている。特に、初期不良や経年劣化に問わず、リチウムバッテリ内のある種の欠陥により、短絡時において発火の危険性があることから、安全性が疑問視されている。基本的に、導電材の内部欠陥は、望ましくない高温の原因となり、ひいては、バッテリ構造内での発火につながることが分かっている。その結果、ハンディタイプのコンピュータデバイス(不名誉な例として、サムスン社製のGalaxyNote7)から航空機全体(ボーイング787)にいたるまで、リチウムバッテリを使用した特定の製品は、使用されているリチウムバッテリに対して、解決策が確立されるまで、その販売および/または使用が禁止されている(サムスン社製のGalaxyNote7にいたっては、特定の地域において、いかなる航空機器への持ち込みも禁止されている)。テスラ社の電動自転車においても、リチウムバッテリ部品にかかわるこうした問題が散見され、バッテリの問題により、高級車でさえ火の玉と化してしまうことが、大きなニュースとなってしまった。リチウムバッテリによる広範囲のリコールや即時使用禁止は、今日でも問題であり、早急に解決策が求められている。
これらの問題は、主に、個々のバッテリ部品あるいは、個々のバッテリとして組み上げる際の製造上の問題が原因である。より詳細には、リチウムバッテリは、現在、カソード材、カソード材で被覆されるカソード集電体(例えば、アルミニウム箔)、アノード材、アノード材で被覆されるアノード集電体(例えば、銅箔)、アノード層およびカソード層の間に設けられ、一般的にはプラスチック材からなるセパレーター、そして、電解物の、主に6種の部品からなる。電解物は、導電性を有する有機溶媒であり、他の材料を飽和することで、イオンがアノードおよびカソードの間を導通させるメカニズムを構築する。これらの材料は、一般的に、図1に示す先行技術のように、缶の中にともに巻き付けられるか、積層される。他にも、こうしたバッテリ製造においては、パウチ型電池、角柱型電池、ボタン型電池、円柱型電池、角柱型巻き付け電池、パウチ型巻き付け電池といった、様々な構成が考えられる。これらの電池は、正確に製造され、丁寧に取り扱われる限りは、危険な事故を引き起こすことなく、種々の用途において電力を供給し、充電/放電サイクルを何千回と繰り返すことができる。しかしながら、上述のように、特定の事態、特に、特定の欠陥により、内部導電材間の内部ショートが引き起こされる。これにより、熱が生成され、内部熱暴走が引き起こされる。これがリチウムバッテリ内の最終的な発火原因として知られている。こうした事態は、上述したように、内部欠陥によって引き起こされる。内部欠陥としては、バッテリ内における金属粒子の残留、集電体材料のバリ、セパレーターのかすれや穴(元から存在している場合と、後工程で形成されてしまう場合を含む)、バッテリ層のずれ(「開口部」が不要箇所に形成されてしまうことで、不必要な導通の原因となる)、バッテリ内に進入した外部異物(例えば、移動車両に影響する道路の破片など)、電池自体への衝撃および/または振動(事故等によるもの)、狭い空間の充電、等が含まれる。一般的に、こうした欠陥は、アノードおよびカソードの間に、微細な電気伝導経路を形成する原因となることが知られている。こうした事態が起こり、その上で電池が充電されると、伝導経路を通して、電池から放電が起こる。これにより、最終的には、過剰な熱が生成され、バッテリ構造が損なわれて、電力を供給される基盤装置を危険にさらすことになる。バッテリ電解物(バッテリの実用性には欠かすことのできないもの)等の、可燃性の有機溶剤材料があれば、過剰な熱がこの電解物に引火し、最終的に、非常に危険な状況が作り出される。こうした問題は、少なくとも一度起きてしまうと、制御することが困難であり、消費者に重大な障害を負わせかねない。このような潜在的に危険な状況は、可燃性の有機電解物を上述のように損なうことなく、電気エネルギーを供給するバッテリを設けることにより、確実に避けなければならない。
内部で過剰に発熱した場合、プラスチック製のセパレーターが縮んでしまう。これにより、セパレーターが移動してしまう、外れてしまう、あるいは、バッテリ内の短絡領域を広げてしまうことになる。こうした状況において、バッテリ内の短絡エリアの露出が進むと、継続的に電流が流れ、さらに発熱が進む。そして、高温に達すると、破裂、噴出、さらには、出火、炎上といった、電池の重大なダメージにつながる。こうしたダメージは、発火を引き起こすおそれがあり、さらに悪状況を招く危険性があることからも、特に深刻な問題である。例えば、バッテリ、ひいては基盤装置まで爆発の危険性があり、その結果、ユーザーを重大な危険にさらすことになる。
(多種多様な)リチウムバッテリは、特に、短絡によって引き起こされる問題の影響を受けやすい。一般的なバッテリは、高温にさらされると、放電率の上昇を示す傾向にある。これにより、上述のように、時として、制御不能(暴走)の発火・炎上が起こる。こうした危険性により、バッテリに対し、実際の利用、保管、輸送にまでも、ある一定の規制が施行されている。短絡に起因するこうした暴走を防ぐために、上述のような適切な規制を敷くことは、非常に重要なことではあるものの、依然として問題は残る。特に、世界中の多くの異なる地域から、無数のサプライヤによって、部品が生産され供給される場合、事態の収拾・把握は困難である。
リチウムバッテリの発火の可能性を低減する手段として、適切な、および/または、改善されたセパレーターを提供しようと試みている者もいる。低融点および/または収縮率を有するプラスチック製膜の場合、バッテリ発火の可能性がより高まる。そこで、一般的な着想として、実際の使用時に、電解物分離機能を下げることなく、セパレーター材に特定のコーティングを施すことが盛り込まれた。つまり、例えば、ポリプロピレンおよび/またはポリエチレン膜コーティングとして、セラミック粒子を使用することで、こうした膜の寸法安定性(例えば、融点を高める)に寄与する。セラミック粒子の凝集性とプラスチック製膜(フィルム)への接着力とを高めるため、構成要素として、バインダーポリマーも含まれる。実際、セラミック粒子コーティングを有する膜構造に対し、全体的に熱が加えられることが比較的少なくなり、セパレーターの課題における支配的な要因は、実際のセパレーター材自体にあったことが分かる。
その結果、少なくともある程度、通常の、セラミックでコーティングされたセパレーターの下地層を形成するポリエチレンおよびポリプロピレンの多孔質膜よりも、はるかに熱に対して安定性を有するセパレーター材が設計・実現されてきた。こうした低収縮率を有し、寸法安定性のあるセパレーターは、少なくとも200度(摂氏)のの温度下(250度(摂氏)、300度(摂氏)、あるいはそれ以上の温度まで)で、収縮率が5%未満となっている。これは、むき出しの重合体フィルム(150度(摂氏)で、およそ40%の収縮率)、およびセラミックでコーティングされた膜(180度(摂氏)で20%を上回る)における高い収縮率と比較しても、はるかに優れている(先行技術を示す図2において、収縮率測定比較を示す)。このように低い収縮率を有する材料は、ショートが起こった場合において、当該電池内部の熱劣化のメカニズムを変更する。一般的に、電池内でこのようなショートが起こった場合、必ず発熱が起こる。セパレーターにおいて、短絡に起因する収縮が起こらなかった場合、熱は発生し続け、バッテリ内の他の材質が劣化するまで発生し続ける。この現象は、業界において標準的な、釘刺し試験によって、シミュレーションされる。例えば、パラ系アラミド繊維を有し、550度(摂氏)まで収縮安定性を発揮するセパレーターであっても、試験対象のバッテリは、固有の内部結果とともに、短絡傾向を示す。試験後、電池を開き、余剰電解物を蒸発させ、電池をエポキシで満たし、電池内に残っていた釘に対して垂直に切断する。この処理の後、試験対象の電池をより詳しく調べた。まず、反射電子撮像(BEI)を用いて、電子顕微鏡画像を撮影した。これにより、異なるバッテリ要素のマッピングが可能になり、釘刺し動作の結果が示された。上記については、先行技術を示す図3Aおよび図3Bにおいて説明されている。
なお、先行技術の図3Aにおいて、銅層は、一貫して、アルミニウム層よりも釘に近い位置にある。また、高い安定性を有するセパレーターは、電極の間で、ダメージを受けずにいる。先行技術の図3Bは、一枚のアルミニウム層の端部を拡大したもので、ひび割れた灰色の物質の層で終端していることを示している。これは、BEIを用いた調査によって明らかになったもので、得られた物質が、酸化アルミニウムや絶縁セラミックであることを示している。これにより、セパレーター自体が熱に対して耐性を有していても、アルミニウム集電体は酸化し、その結果、回路を破壊する(そして、破壊が止まった後も、その結果、いかなる短絡によっても、絶縁酸化アルミニウムが形成される)という結論が導き出される。回路が破壊されると、電流の流れが止まり、熱も発生しなくなり、セパレーターの安定性が低下して、熱暴走を引き起こすプロセスが逆進する。
この解決法は、可能ではあるものの、高い収縮率を有するセパレーターのみを、単純に取り換えることに限定されている。解決策はシンプル、かつ大きな価値を持つように思えるが、依然として、製造後工程があり、また、広く一般に使用され、既存のバッテリ製品から取って替わることが困難な特定の部品(例えば、セラミックでコーティングされたタイプのセパレーター)もある。したがって、特に、防火において安全性が高いとされる、セラミックで被覆されたセパレーター製品の場合であっても、熱に対して安定性を有するセパレーターを設けて使用することの明らかな利点があるにも関わらず、望まないバッテリ発火が起こる可能性がある。そこで、熱に対して高い安定性を有するセパレーター材を利用することに加え、内部ショートによる発熱の確率を排除、あるいは、少なくとも低減するような、電池の内部構造メカニズムそのものに関する、少なくとも別の解決策を模索することとした。こうした状況において、電池内部でショートが起こったとしても、実際の内部ヒューズ作製において、内部回路を完成させないことによって、即、深刻な高温ダメージにつながるわけではない。しかしながら、これまで、リチウムバッテリ技術の分野において、こうした問題を容易に解決できる方法は提案されてこなかった。本開示は、いかなる市場においても、安全性・信頼性が非常に高いリチウム電池を、最も望ましい解決策として提示するものである。
特に、本開示のさらなる関心事項としては、当該リチウムイオンバッテリから、外部ソースに対して、適切に電荷が移動するよう検討することが挙げられる。これは、一般的には、タブを利用することによって実現される。タブは、集電体に接触し、貼り付けられるものだが、何らかの方法で、アノード集電体およびカソード集電体の両方に接触し、貼り付けられていてもよい。これにより、外部ソースに対して、必要な導電特性を与えることが可能となる。タブは、表層において、バッテリ内部の部品との接続部として機能し、導電目的を達成するため、その接触点が電池ケーシングの外に延びている。そのため、タブは、所定の位置に留まり、集電体から外れないようになっていなければならない。さらに、また、集電体に対して、内部・外部において外れることなく、外部ソースと常に接触していなければならない。リチウムイオンバッテリに関する分野において、こうした薄膜状の集電体に関する開示はなく、同様に、タブ接続におけるこうした問題を改善、最適化しようとした試みも見受けられない。無論、標準的なタイプのタブには、既知のものがあり、標準的な電池の大型集電体と接続する。しかしながら、構造的妥協によるバッテリ欠陥の影響を受けずに、全体的な寸法の安定性を実現しつつ、薄膜状の集電体(例えば、内部ヒューズ)の効果を維持するための検討は、行われてこなかった。このように、現在のリチウムイオンバッテリに関する分野や、それに関連する産業において、議論または開示されているものはない。そこで、本開示は、こうした現状を打開し、未だかつてない、および/または、関連産業において理解されうる成果を提示する。
本開示の明確な利点としては、ショートが起こった際、当該電池内において、発熱を誘発し得る電流を停止あるいは大幅に減少させることで、伝導経路を遮断する機構を、構成部品によって、提供できるところにある。さらなる利点としては、電池製造、輸送、使用のいずれの段階においても有利な重量およびコストを実現可能な、リチウム電池内の保護構造フォーマットを提供できるところにある。したがって、さらなる利点としては、当該電池の内部ヒューズ構造の作製と、それが起動するまでの保存が挙げられる。別の利点は、短絡等が起こった際の熱暴走を防止する、薄膜状の集電体を使用することにより、軽量化されたバッテリを提供できるところにある。さらに別の利点は、短絡等が起こった際、あらゆる発火要因を排除しつつ、バッテリ内に、可燃性の有機電解物材料を使用できるところにある。さらなる特異な利点としては、内部ヒューズ集電体、特に、その上面および下面の両方に、同時に溶接、あるいは、接触しつつ、充分な導電性を有するタブ部品を提供できるところにある。またさらなる利点としては、ここに開示される薄型の集電体部品において、折り目を形成できるところにある。これにより、電流伝導性を有する、複数の内部構造において、発電が連続してできるようになり、重量や測定寸法を必要とすることなく、成果物として、堅牢かつ望ましいバッテリを提供することができる。
したがって、本開示の発明は、蓄電装置を包含可能であり、該蓄電装置は、アノードと、カソードと、アノードおよびカソードの間に設けられた少なくとも一つの重合体または布製セパレーターと、電解物と、アノードおよびカソードのうち、少なくとも一方と接触する、少なくとも一つの集電体と、を備える。アノードおよびカソードのうち、いずれか一方は、少なくとも集電体の一部およびセパレーターの間に介在する。集電体は、高分子材料基材を覆う導電材を備える。集電体は、蓄電装置の動作電圧において、露出した短絡部分と接触した時点で、導電を停止する。その電圧は、少なくとも2.0ボルトである。一例として、接触点の電流密度は、0.1アンペア/mmであり、先端寸法は1mm以下である。もちろん、より大型の電池の場合は、電流密度に対する必要な閾値を高くしてもよく、電流密度が、少なくとも0.3アンペア/mm、例えば、少なくとも0.6アンペア/mm、さらに言えば、少なくとも1.0アンペア/mmのときにのみ、導電を停止してもよい。以下に詳細に説明するように、被覆された高分子材料基材の全体の厚さは、最大でも25ミクロンでなければならない。蓄電装置の有利な集電体部品(リチウムイオンバッテリ等のバッテリ、コンデンサ等)の使用方法もまた、本開示の範囲に含まれる。さらに、薄膜状の集電体バッテリには、少なくとも一つのタブが設けられていてもよい。このタブは、均一のサイズを有し、一定の間隔をあけて、集電体の長辺に沿って存在する、2個~50個の溶接点を介して、薄膜状の集電体と接触する。少なくとも一つのタブは、薄膜上に配置され、これにより、少なくとも一つのタブは、露出した上面と、薄膜状の集電体の被覆面と接触する下面とを有する。溶接点により、タブを通って、その露出した上面から薄膜状の集電体の被覆面にいたるまで、導電材が配置される。さらに、上述した複数の集電体を使用することも、ここに包含される。集電体は、折りたたまれ、一つのバッテリ内に直列接続された、独立した発電領域を形成する。
本発明の別の形態は、蓄電システムであり、該蓄電システムは、アノードと、カソードと、アノードおよびカソードの間に設けられた、少なくとも一つのセパレーターと、電解物と、を備える。少なくとも一つの、薄膜状の集電体は、アノードおよびカソードのうち、少なくとも一方と接触してもよい。集電体は、非導電材料基材を覆う導電材を備えていてもよい。集電体は、蓄電装置の動作電圧において、露出した短絡部分と接触した時点で、導電を停止してもよい。その電圧は、少なくとも2.0ボルトであってもよい。少なくとも一つのタブは、少なくとも一つの薄膜状の集電体に取り付けられていてもよい。接続手段は、タブをに集電体取り付けるよう、構成されていてもよい。接続手段により、タブの露出面と薄膜状の集電体とが、互いに電気的に接触してもよい。アノードおよびカソードのうち、いずれか一方は、薄膜状の集電体の少なくとも一部およびセパレーターの間に介在してもよい。
本発明の一部の実施形態、あるいは、全ての実施形態において、接続手段は、溶接、テープ、U字くぎ止め、介在金属帯板、Z字状に折られた金属帯板、導電性接着剤、締め金からなる群より選択されてもよい。
本発明の一部の実施形態、あるいは、全ての実施形態において、接続手段は、2個~50個の接続部からなり、該接続部は、電極材からタブへ、それぞれ、均一に電流が流れるよう、集電体の全体にわたって設けられていてもよい。
本発明の一部の実施形態、あるいは、全ての実施形態において、集電体は、集電体の向かい合う面同士が接触するよう、折りたたまれていてもよい。
本発明の一部の実施形態、あるいは、全ての実施形態において、セパレーターは、重合体の、不織布またはセラミックであってもよい。
本発明の一部の実施形態、あるいは、全ての実施形態において、非導電材料基材は、重合体フィルムであってもよい。
本発明の一部の実施形態、あるいは、全ての実施形態において、電解物は、可燃性の有機電解物であってもよい。
本発明の一部の実施形態、あるいは、全ての実施形態において、タブは、集電体の上面に接触する第1タブと、集電体の下面に接触する第2タブであってもよく、第1タブおよび第2タブは、互いに平行であってもよい。
本発明の一部の実施形態、あるいは、全ての実施形態において、タブは、タブの第1プロングが、集電体の上面に接触し、タブの第2プロングが、集電体の下面に接触するよう、集電体に折り重ねられてもよい、第1プロングおよび第2プロングは、互いに平行であってもよい。
本発明の一部の実施形態、あるいは、全ての実施形態において、集電体は、二枚の電気絶縁層を形成するよう、二重折構造を有していてもよい。
本発明の一部の実施形態、あるいは、全ての実施形態において、集電体は、直列接続された複数の集電体であってもよく、複数の集電体のうち、最後の集電体は、タブに取り付けられていてもよい。
本発明の一部の実施形態、あるいは、全ての実施形態において、複数の集電体のうち、第1集電体に取り付けられた、第2タブがさらに設けられていてもよい。タブおよび第2タブは、互いに平行であってもよい。
さらに、ごく短時間で、または、極小先端を有するプローブで、より高い電流密度を支持してもよい。こうした状況において、5アンペア、10アンペア、あるいは15アンペアといった、より強い電流が、ごく短時間(例えば、1秒未満、あるいは0.1秒未満、さらには、0.001秒未満)、接続されてもよい。本開示では、強い電流を許容しつつも、伝わる総エネルギーが非常に小さく、当該電池で熱暴走事象を引き起こすほどの熱を発生させない程度となるよう、そうした電流の伝達時間を短くしている。例えば、従来の構造を有する電池でショートが起こった場合、10アンペアの電流が、4.2ボルトの電圧で30秒間生じることが知られている。その結果、同バッテリ内の局地的な狭い範囲に、1,200ジュールのエネルギーが伝わることになる。その結果、当該バッテリにおいて、1グラムに相当する部分の温度を、約300度(摂氏)上昇させてしまう。この温度は、内在する、従来のセパレーター材を溶かすほどの高温であるだけでなく、電池全体を熱暴走状態に陥らせるものである(つまり、上述した通り、内在する上記電解物材料が損なわれ、当該バッテリだけでなく、当該バッテリを実装する装置や、周辺環境さえも破壊してしまう可能性がある)。そのため、短絡の持続期間を短縮させるとともに、こうしたショートによって伝達されるエネルギーレベルを、低ジュール値に抑えることで、完全ではないにしろ、熱暴走(および熱暴走に付随する潜在的な危険)を、ほぼ防ぐことができる。例えば、集電体内での短絡の持続期間を、1ミリ秒以下に短縮することで、伝達されるエネルギー量も、0.04ジュールにまで下げることができる(この値は、前述した、当該バッテリの1グラムに相当する局所部内において、300度(摂氏)以上かつ1,200ジュールといった過剰な値を示す場合とは、正反対のものである)。ここまで低減することで、バッテリの1グラムに相当する局所部内における発熱は、0.01度(摂氏)程度に抑えられる。よって、対象電池内、ひいては、バッテリ全体の熱暴走を防ぐことができる。
したがって、本開示のさらなる重要な利点としては、プローブの先端を介して、対象となる集電体表面に印加される電流レベルの伝達時間を、大幅に制限できるバッテリおよび集電体を提供できることが挙げられる。この伝達時間は、1秒未満、好ましくは、0.01秒未満、さらに好ましくは、1ミリ秒未満、特に、より大きな電流の場合、最も好ましくは、100マイクロ秒にまで制限される(これにより、当該バッテリにおいて内部ショートを引き起こす、製造上の内部欠陥、デンドライト、または外部要因の影響を、制御可能に対処できる)。もちろん、こうした電流は、電池の内部電圧に制限される。内部電圧は、5.0V、4.5V、4.2V、あるいは、それ以下であって、2.0Vを最小とする値、例えば、4.0Vまたは3.8Vであってもよい。
このような新規の集電体部品は、実際は、今日における、リチウム(およびその他の種類の)バッテリおよび蓄電装置で一般的に使用され、散見されるものと全く異なるものである。標準的な集電体は、アルミニウムおよび/または銅パネル等の導電性を有する金属構造として設けられ、バッテリ等の全体構造を保護するような厚さを有する。一般的な集電体構造は、重量およびスペースの制約のなかで、最大限可能な電気伝導率を実現するよう設計されている。しかしながら、特に、実際にショートが起こった場合、今日の蓄電装置によく見られるような厚みのあるパネルによって、アークが発生するだけでなく、同様の状況で熱暴走に大きく寄与してしまうため、こうした構造は実情に即していないように思われる。例えば、デンドライトがセパレーター内で形成されることにより、ショートが発生してしまう。こうした奇形部分(製造時や長時間の利用によって形成されたもので、劣化を招くもの)により、意図せず、電圧がアノードからカソードに伝わり、電流が強まって、局地的に温度上昇が起こってしまう。実際に短絡を引き起こすとされる欠陥の一例として、一般的な厚みのある集電体の端部に形成されるバリが挙げられる。バリは、複数製品に対し、繰り返し製造工程を行う間に(今日では一般的)、摩耗した刃で切り目を入れたり、切断したりすることにより、形成されるものである。分析が繰り返された結果、標準的な集電体材料には、単にスパークを発生させる傾向があり、温度を上昇させるにとどまることが分かってきた。さらに、発生した電流が装置内を流れ続けるが、ここで、電流の発生・動きは制御できず、また、電流を弱め、温度上昇を防ぐような手立てもない。こうした問題は、直接、高温の熱暴走を引き起こす。こうした状況を打破できるような、いかなる内部手段も持たないため、発火の危険性、ひいては、装置の全損は避けられない。さらに、標準的な集電体の電流経路(充電方向)は、短絡事象が起こる前、そして最中の両方において、ある程度静電状態にある。基本的には、カソードからアノードへ、集電体に沿って、特定の方向に横に向かって移動する、という、予測通りの電荷の電位移動を示す。しかしながら、短絡が引き起こされると、電流経路において、こうした電荷の動きを防ぐこと、あるいは、少なくとも低減または遅延させることができなくなってしまう。換言すれば、制御不能になり、バッテリ全体にわたって、急速に放電が進む。こうした急速な放電と高温が相まって、上記のような深刻な事態(出火、破裂等)が生じる。
一方、本開示の集電体は、一般的な構造・構成を有する、これまでのリチウムバッテリとは、真逆である。少なくとも、本開示の集電体を利用することで、非常に高い電流密度(導電性を有する要素の厚さを減少することで実現)と、短絡事象時の、電荷の動き(例えば、充電方向ではない動き)に対する制御と、が実現する。換言すれば、本開示の集電体部品に、特定の構造上の制約をもたせることで、電流密度が高くなり、その抵抗レベルにより、非常に高い温度ではあるものの、短絡による発熱が、ある程度抑えられたものになる。したがって、この抵抗レベルにより、導電材(例えば、一例ではあるが、アルミニウムおよび/または銅)が、短絡時の電荷を受容しつつ、同時に、ここに設けられた構造形成により、導電材が、高温かつ局所的な電荷に対して、すぐに反応する。集電体部品に対する、その他の構造上の考慮事項、つまり、実際に導電材層に接触する、寸法的な安定性を有する高分子材料を設けない点により、導電材が有する充電ポイントにおいて、即座に酸化し、例えば、アルミニウムまたは酸化第二銅を非導電材へと変化させる。このように、瞬間的に非導電材を形成することで、電荷の動きを可能とする経路が断たれ、短絡時の電荷を逃がすことができる。よって、このような集電体を使用した場合、内部で短絡が起きても、即座に電流が遮断される。さらに、ショートによる高温での発熱を、即座に、かつ効率的に活用し、さらなる電荷の動きに対して、バリアを形成する。これにより、蓄電装置本体をさらに流れる電流(無論、短絡によって生じる電流)が存在しなくなるため、望ましくない事象が発生しない。つまり、ショートが完全に抑制され、暴走電流や暴走熱がその後も発生することがない。また、集電体が、初期状態のまま、保護機能を損なうことなく、利用可能な状態を維持できることが、おそらく最も重要なポイントである。これは、蓄電装置(バッテリ等)を意図した通りに稼働させた際、局所的に非導電材が存在していても、電流フローが減少しないためである。さらに、集電体において非導電材が形成される領域は、比較的小さい面積に留まるため、継続利用をするうえで、充分な表面積が残されており、修繕、交換、その他の修復行為は必要ない。無論、常に起こることではないものの、一定の予防措置や補正がなければ、こうした状況を確実に実現することはできない。つまり、一定の予防措置や補正がなければ、実際、上述のような、高温にさらされるリスクや破壊事象の可能性が、一般よりもかなり高くなってしまう。そこで、短絡が起こった状況下では不安定になるため、集電体全体を2次元的な電気ヒューズにする。これにより、短絡によって引き起こされ、潜在的な危険性をはらむ高電流を防ぐことができる。この電流は、短絡箇所に通電してしまう集電体の機能を破壊するほど強く、その効果が瞬間的に利用される。
こうした利点は、ここで提供される新規の集電体によって実現される。集電体は、多数の代替手段をもってしても、同様の利点・結果を生み出すことができる。いかなる代替構成を有していても、ここに記載される集電体は、対象の蓄電装置(例えば、リチウムバッテリ,コンデンサ等)における、内部ヒューズとして機能する。各例(各代替案)において、重合体の層を備える集電体が設けられる。該層は、その一面、あるいは両面が金属化されており、少なくとも一方の金属化側面が、対象の蓄電装置のアノードまたはカソードと接触する。一つの代替構成としては、集電体の金属化(被覆)高分子基材全体の総厚みを、20ミクロン未満、可能であれば、好ましくは、15ミクロン未満、さらに可能であれば、好ましくは、10ミクロン未満にし、抵抗値は、1オーム/スクエア未満、可能であれば、好ましくは、0.1オーム/スクエア未満、さらに可能であれば、好ましくは、50オーム/スクエア未満とする。一般的な集電体も、こうした特性を有しているものの、強化高分子基材からなるものよりも、はるかに重量があり、さらに、ここに開示する変形例の特性でもある、安全面での利点が疎かになっている。例えば、10ミクロンの厚みを有する銅箔の重量は、90グラム/mである。しかしながら、銅化された箔の重量は、50グラム/m程度、または30グラム/m程度、または20グラム/m未満であってもよく、いずれの場合でも、電池が機能するにあたって必要とされる電気性能は、充分に発揮される。こうした代替構造においては、部品の厚みを非常に薄くすることで、ショートが起きた場合、金属コーティングが全ての抵抗レベルにおいて反応する。その結果、ショート発生時の電流スパイクによる過度な高温により、金属酸化物が局所的に形成され、そこからのいかなる電流の動きも、即座に遮断される。
こうした新規の集電体における、別の代替構成として、温度依存型の金属(あるいは金属化)材料を使用する。該材料は、ショート時に熱源により収縮するか、もしくは、容易に劣化し、特定の材料領域が非導電材(例えば、別観点として提示した一例にあるような、アルミニウム集電体から変化した酸化アルミニウム)へと変化する。このようにして、今日使用される集電体であって、高温であっても、熱に対して非常に高い安定性を有する、アルミニウムおよび銅製の集電体とは真逆の、熱に耐性のない集電体を得る。その結果、もともと融点の低い金属の合金が、ショート時の低い電流密度下で劣化する。これにより、本開示の、リチウムを電力源とした装置の安全性に関する利点が向上する。別の代替構成は、導電材の層をコーティングすることで、集電体を作製することである。例えば、比較的低い温度で、比較的高い収縮率を有する繊維または膜上に、銅またはアルミニウムでコーティングを施す。こうした例において、融点が250度(摂氏)あるいは200度(摂氏)を下回る熱可塑性膜を使用する。熱可塑性膜には、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエチレン、またはポリプロピレンが非制限的に含まれる。同様の結果を得るため、別の方法で、導電材の層をコーティングすることで、集電体を作製してもよい。例えば、繊維または膜上に、上述の銅またはアルミニウムでコーティングを施す。ここでの繊維または膜は、電池の動作温度よりは高く、熱暴走を引き起こしうる温度よりは低い、比較的高い温度で熱せられた場合、電解物中で膨潤あるいは溶解する。リチウムイオン電解物内で膨潤するこうしたポリマーの例としては、フッ化ポリビニリデンやポリアクリロニトリルが含まれるが、当技術分野において既知である、他のポリマーを使用してもよい。内部電気ヒューズ形成プロセスにおける、代替構造を実現するための別の方法としては、基材を、金属、例えば、アルミニウムでコーティングすることが挙げられる。アルミニウムは、熱せられると酸化し、一般的にリチウムバッテリに使用される金属と比べて、総厚みがかなり薄くなる。例えば、今日、非常に薄型のアルミニウム集電体であれば、その薄さは、20ミクロン程度である。コーティングの合計の厚さが、5ミクロン未満の場合、回路が素早く遮断され、2ミクロン未満あるいは1ミクロン未満の場合は、それ以上に早く回路が遮断される。伝導経路の遮断を実現する、さらに別の方法としては、導電率が制限された集電体を設けることが挙げられる。こうした集電体は、今日手に入るような市販のヒューズと同じように、ショート箇所周辺の高い電流密度によって劣化する。5ミリオーム/スクエアより高く、あるいは、10ミリオーム/スクエアより高く、可能であれば、好ましくは、20ミリオーム/スクエアより高く、またさらに可能であれば、好ましくは、50ミリオーム/スクエアより高い電気抵抗値を有する集電体を設けることにより、実現可能である。これらの値は、被覆材料の片面あるいは両面で測定されたものであってもよい。高出力を意図して設計されたバッテリに対して、異なる電気抵抗値を有する集電体を選択的に設けてもよい。こうしたバッテリは、低出力かつ高エネルギーを意図して設計された電池と比較した際、それよりも比較的低い電気抵抗値を有する、および/または、比較的高い電気抵抗値を有する。伝導経路の遮断を実現する、さらに別の方法としては、アルミニウムよりもさらに低い温度で酸化して非導電材に変化する集電体を設けることが挙げられる。これにより、セパレーターが劣化する前に、ショートが発生した領域において、集電体の機能が停止する。特定のアルミニウム合金は、アルミニウム自体と比較して、酸化速度が速く、こうした合金により、伝導経路がより低い温度で劣化する。考えられる代替構成として、薄層には、電気を通す金属であれば、いかなる種類のものでも使用でき、その種類としては、金、銀、バナジウム、ルビジウム、イリジウム、インジウム、白金等を非制限的に含む(基本的に、層の厚さが極めて薄いため、導電性を犠牲にすることなく、また、短絡等が起こった際の熱暴走リスクから保護しつつ、金属を使用する際にかかるコストを、大幅に下げることができる)。また、異なる金属からなる層が採用されていてもよく、また、別体の層部材に金属を分散的に配置したものを使用してもよい。また、もちろん、被覆集電体基材において、一方の面に対し、もう一方の面とは異なる種類の金属を使用してもよく、また、それぞれが異なる厚さの層を有していてもよい。
電池の電気特性を向上させる方法の一つとして、被覆集電体の両面に対して、導電性を有するコーティングを確実に施すことが挙げられる。つまり、一方の面から他方の面へのコーティングに電気が通るようにする。これは、例えば、被覆のされない重合体フィルムでは、実現しえないものである。しかしながら、非制限的な例として、こうした両面導電スループットは、導電繊維をある一定の割合で含む不織布、導電材を有する不織布、導電材(例えば、炭素繊維または金属繊維)からなる不織布、または、上述した、導電材でコーティングされた繊維、(例えば、表面に金属コーティングがされた繊維)を含む不織布等によって実現可能であることが分かっている。上面から底面に電気を通す、新規の薄型集電体材の、他の例としては、導電性を有するよう形成された膜が挙げられる。これは、導電材(例えば、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリビニルピロリジンといった、導電性を有するポリマー)自体を使用するか、膜の作製時、あるいは作製後に、導電材(例えば、グラファイト、グラフェン、金属粒子、または金属繊維)を追加することにより、実現できる。さらに、両面タイプの薄型集電体材としては、小さい孔を有する多孔性であって、金属化プロセスによって、金属(アルミニウムまたは銅)で両面をコーティングされた高分子基材が挙げられる。一面から他方面への導電性は、導電性を有するコーティングと同レベルの導電性である必要はない。
よって、これらの代替構成によって、以下の物理特性を有する、同様の集電体を得ることができる。
a.被覆された高分子基材の厚さ合計が、20ミクロン未満であって、電気抵抗値が1オーム/スクエア未満である
b.集電体が導電材を備え、該導電材は、高分子材料からなる基材をコーティングし、高分子材料は、225度(摂氏)で、少なくとも5%の収縮率を有する
c.集電体の金属化された高分子材料は、バッテリの電解物において膨潤し、高分子材料が熱せられるにつれ、膨潤が進む
d.高分子基材に塗布された際、集電体の導電材の厚さ合計が5ミクロン未満である
e.集電体の導電率が、10ミリオーム/スクエア~1オーム/スクエアである
f.集電体における、金属化された高分子基材は、最大で60%の孔隙率を有する
こうした代替構成を、225度(摂氏)で1時間経過した後の熱収縮率が5%未満であるセパレーターとともに、蓄電装置で使用することもまた、本開示の範囲に含まれる。このタイプの蓄電装置(バッテリ、コンデンサ等)の全体的な使用(使用方法)もまた、本開示の範囲に含まれる。
本発明の第一の利点は、電池の安全性が確保される点ではあるが、既に少し触れたように、他の利点も提供される。例えば、集電体部品に使用される金属重量を抑えたことにより、蓄電装置全体の重量が抑えられる。また、こうしたバッテリ内に使用される集電体としては、金属でコーティングされた、薄い重合体層であって、特に、寸法的な安定特性が低いものを使用することは、従来とは全く異なり、類をみない。同産業における発想として、望ましい保護効果(特に、短絡事象のリスクからの保護効果)を得るには、実際の金属および/または絶縁体部品の重量を大きくしなければならない、というものが根強かった。しかしながら、こうしたパラダイムが不正確だったことに加え、リチウムバッテリ等における短絡に関する問題への効果的な解決策は、金属量を増やすことではなく、むしろ、金属量を減らすことであり、それを熱安定性の低い基層と組み合わせることであることが分かってきた。また、さらに予想外なことに、こうした不安定な基層とともに、薄い金属層を設けることで、短絡時の放電事象を効果的に中断させ、対処することができるだけでなく、安全性・信頼性の高さに加えて、部品全体の重量や体積を大幅に押さえることができるという効果が期待できることも分かった。したがって、蓄電製品(バッテリ等)が軽量化・小型化することで、特性が改善され、また、それにより得られた利点は、当初想定されていたよりも、業界の需要に合致するものであった。
また、2.7グラム/cmの密度で、20ミクロンの厚さを有するアルミニウムの場合、その重量は、54グラム/mである。しかしながら、厚さ10ミクロンのポリプロピレン膜(密度:0.9グラム/cm)を、厚さ1ミクロンのアルミニウムでコーティングした場合、その重量は、11.7グラム/mである。集電体を軽量化することで、対象の蓄電装置(例えば、バッテリ)全体も軽量化されるため、機動性が改善され、燃費や電動式レンジが向上し、また、一般的には、モバイル式電気機器の価値が向上する。
さらに、膜の強度が高いため、例に挙げた膜をより薄くすることができる。例えば、全体の厚さを、20ミクロンから11ミクロンにまで薄くすることができる。これにより、電池を小型化することができ、エネルギー密度を効率的に高めることができる。このようにして、全体の厚さが、15ミクロン未満、好ましくは、12ミクロン未満、より好ましくは、10ミクロン未満,そして最も好ましくは、8ミクロン未満の集電体を作製・使用することができ、上述の目的・機能を果たすことができる。
アルミニウムのバルク電気抵抗値が2.7×10-8オーム/m、銅のバルク電気抵抗値が1.68×10-8オーム/mであるため、薄いコーティングが、1オーム/スクエア未満、0.5オーム/スクエア未満、0.1オーム/スクエア未満、あるいは、0.05オーム/スクエア未満で形成できる。導電性を有するコーティングの厚さは、5ミクロン未満、好ましくは、3ミクロン未満、より好ましくは、2ミクロン未満、可能であれば、最も好ましくは、1ミクロン未満である。市販されている標準的なものは、10ミクロン以上の厚さを有する金属を含んでいることが多いため、これほどまでの薄さで適切な性能が実現できるというのは非常に革新的である。確かに、標準的な蓄電装置に使用されている金属の大半は、高速で自動処理を実行するのに必要な機械特性を得るために使用されている。本発明における利点の一つは、より低密度の高分子材料を使用できる点である。これにより、電池の安全性が向上する程度まで、金属の厚さを抑えることができる、という機械特性を実現できる。内部の電気ショートによって引き起こされ、さらに、熱暴走、発煙、発火を引き起こし得る、危険な高電流密度を、集電体が支持しきれないからである。
さらに、導電層は、複数の層からなるものであってもよい。例えば、アルミニウム層を基層として、銅からなる薄層でコーティングしてもよい。このようにして、バルク導電性が、軽量かつ安価で、蒸着技術によって容易に蒸着可能なアルミニウムによって、実現する。また、銅によって、コストや重量を大幅に上乗せすることなく、さらなる導電性およびアノードに対するパッシベーションを実現できる。本例は、あくまで一例に過ぎず、当業者であれば、多層構造を有する導電体を多数提供でき、そのいずれも、本発明における優れた例とみなすことができる。
薄い金属コーティングは、アルミニウムまたは銅からなる、通常の集電体よりも、一般的に高い電気抵抗値を有し、これが本発明に際立った特徴をもたらしている。こうした新規の集電体は、10ミリオーム/スクエアを上回り、好ましくは、20ミリオーム/スクエアを上回り、より好ましくは、50ミリオーム/スクエアを上回り、さらに可能であれば、最も好ましくは、100ミリオーム/スクエアを上回るよう、適切に構成される。
さらに、上述した、熱に弱い集電体からなる電池は、セパレーターが高い熱安定性を有している場合、さらに高い安全性を実現できる。高い安定性とは、高温で低い収縮率を示す場合、例えば、200度(摂氏)の温度で1時間、好ましくは、250度(摂氏)の温度で1時間、そして可能であれば、より好ましくは、300度(摂氏)の温度で1時間経過した後の収縮率が5%未満である場合をいう。既存のセパレーターは、融点が138度(摂氏)のポリエチレンと、融点が164度(摂氏)ポリプロピレンと、からなる。こうした材質は、図2に示す通り、150度(摂氏)で50%の収縮率を有するが、この値は、ここで開示するような新規の薄型集電体で使用するには、高すぎる。この問題の対処法として、NASA TM-2010-216099セクション3.5により測定すると、150度(摂氏)で50%未満、30%未満、10%未満収縮する特定のセパレーターを利用する必要があることが明らかとなっている。セラミックコーティングされたセパレーターでさえ、比較的低温で著しい収縮を示し、完全に破損するか、または180度(摂氏)で20%以上まで収縮する。したがって、同じ試験標準で測定した場合、試験中に破損することなく、また180度(摂氏)(少なくとも)で20%、より好ましくは10%を上回るほどは収縮しないセパレーターを使用することが望ましい。最も好ましい実施形態では、200度(摂氏)、または250度(摂氏)、さらには300度(摂氏)にさらされたときの収縮率が10%未満のセパレーターを利用する。
これらの金属化基板のいずれについても、電池のエネルギー密度が容易に増加する程度の薄さを有していることが望ましい。カレンダ処理、圧縮、ホットプレス、さらには、表面から材料を切除する等の任意の方法で、全体の厚さを低減させることで、そのような薄さを実現することができる。こうした厚さを削る処理は、金属化の前後に実施してもよい。したがって、金属化基材の全体の厚さは、25ミクロン未満、好ましくは、20ミクロン未満、より好ましくは、16ミクロン未満、さらに可能であれば、最も好ましくは、14ミクロン未満であることが望ましい。市販のポリエステル膜は、最大で3ミクロン、さらにはより薄い1.2ミクロンの薄さが実現されている。これらの種類のポリエステル膜は、適切な基材として機能し、集電体全体の厚みを10ミクロン未満、好ましくは6ミクロン未満、より好ましくは4ミクロン未満とすることができる。このような超薄型の集電体(上記及び全体を通して記載したとおり適切な導電性を有している)は、はるかに高いエネルギー密度及び改善された安全性能が可能になる。これらは、これまで探究されていなかった結果である。このような超薄型の集電体(前述および明細書全体を通して記載される適切な導電性を有する)は、より高い安全性能を確保しつつ、非常に高いエネルギー密度を実現することができる。こうした結果は、これまで明らかにされてこなかったものである。
また、金属化基材を軽量化することが望ましい。これは、ポリオレフィンといった低密度の高分子材料や、あくまで例示ではあるが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンといった、その他の低密度のポリマーを使用することで、実現することができる。また、基材中に開孔構造を設けることによって、あるいは、軽量基材を利用することによっても実現することができる。したがって、基材におけるポリマー密度は、1.4グラム/cm未満、好ましくは、1.2グラム/cm未満、そして可能であれば、より好ましくは、1.0グラム/cm未満であってもよい。また、基材の面密度は、20グラム/m未満、好ましくは、16グラム/m未満、さらに可能であれば、最も好ましくは、14グラム/m未満であってもよい。さらに、金属でコーティングされた高分子基材の面密度は、40グラム/m未満、好ましくは、30グラム/m未満、より好ましくは、25グラム/m未満、さらに可能であれば、最も好ましくは、20グラム/m未満であってもよい。
多孔性の高分子基板によっても、軽量化を実現することができる。しかし、これらの材料に対し、多孔度が高すぎる場合、強度が低下し、さらに、厚さが増加してしまうため、目的を達成することができない。したがって、基礎となる材料の多孔度は、約60%未満、好ましくは、50%未満、そして可能であれば、より好ましくは、40%未満とする。この種の金属コーティングされた集電体には、固体の材料を使用できるため、多孔度の下限は設けられていない。
材料を高速で加工してバッテリを得るには、ある程度高い強度が必要となる。これは、繊維から、または、一軸もしくは二軸に膜から延伸する、伸長ポリマーを使用することによって実現される。
添付図面およびその説明を参照して説明するように、バッテリ、コンデンサ、スーパーコンデンサ等の蓄電装置は、本開示に従って製造され、提供される。ここで、ショート発生後、明らかな電流の動きがない、少なくとも一つの集電体は、カソード、アノード、またはその両方と接触する二つの別個の集電体と接触し、セパレーターおよび電解物は、両方とも、標準的(かつ適切な)蓄電装置容器内に設けられ、密閉される。カソード、アノード、容器、電解物、そして、場合によっては、セパレーター、そして、構成部品は、ほぼ全てにおいて、標準的なものである。しかしながら、ここで記載される集電体は、開示の通り、当技術分野においては、未だに明らかにされていない、新規のものであり、実際の蓄電装置の構成部品とは全く異なる。これについても、また、以下でさらに詳述する。
上記のように、電池(特に、ここでは、リチウムイオン充電型のものではあるが、無論、その他の種類の電池であってもよい)内の熱暴走を、完全に防ぐことはできなくても、そのリスクを低減するため、内部におけるいかなる短絡も、基本的に短時間の発生にとどめる具体的な手段が必要となる。この手段は、対象となる集電体内、あるいは集電体上における、短絡の滞留時間を抑制し、最終的に、結果的に得られるエネルギーレベルを、最小限のジュールレベル(つまり、10未満、好ましくは、1未満、最も好ましくは、0.01未満)に抑える。前述の通り、こうした状況において、セパレーターを介した、アノードからカソードへの電気経路であって、薄い導電性集電体が配置され、可燃性を有する有機電解物が存在する経路では、軽量かつ薄型の集電体によって、望ましい結果がもたらされることが観察された。特に、集電体表面における、好ましくない電荷消散や、電解物構成要素の発火が誘発されるような、目立った温度上昇がないとうい点で、望ましい結果となった。驚くべきことに、また、いかなる特定の科学的説明あるいは証明に限定されないが、薄型の集電体材の導電特性により、短絡電荷が、ただ、薄い導電性集電体に到達し、集電体表面の金属と、電荷自体との間で反応する、短い持続期間かつ高エネルギーの事象を、即座に発生させると考えられる。これにより、集電体表面上の特定の箇所に、金属酸化物が形成される。金属酸化物が、絶縁性を発揮し、さらなる電気的活動および印加された電流が瞬時に消散する。依然として、集電体自体の変形リスクはあるものの、上述の金属酸化物が存在することで、その位置は、いかなる電荷の動きからも保護される。したがって、残りの集電体は、ダメージを受けず、短絡発生前と同様の機能を提供することができ、さらに短絡や同種の現象が起こる可能性があったとしても、同様の保護機能を発揮することができる。従来技術のバッテリ製品で熱暴走が起こった場合を考える。例えば、こうした製品では、アノード、カソード、集電体、そしてセパレーターが、電気経路を形成しており、これにより、短絡に反応して、熱を発生させ、スパークによって、電池が発火してしまった。さらに、イオンを輸送する、可燃性を有する電解質も設けられていたため、こうした予期しない電荷によって発生した高温を、さらに危険なものにしていた。本質的に、従来技術集電体で発生した熱により、電解物材料内で、初期の電気化学反応が引き起こされ、最終的には、電解物材料自体の制御不能な発火が引き起こされてしまっていた。したがって、ここで開示する、進歩性を有する集電体は、こうした可燃性を有する電解物を備える電池内で使用された際に、特にその価値を発揮する。例として、一般的に、こうした電解物としては、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチルや、炭酸ジメチルといった炭酸塩などの有機溶媒が挙げられる。これらの電解質は通常、上記材料の混合物として使用され、種々の添加剤など、他の溶媒材料と共に使用されることもある。これらの電解質はまた、リチウムヘキサフルオロホスフェートやLiPF等のリチウム塩成分を有する。こうした電解物は、バッテリ関連の分野においては好ましいものではあるが、前述のように、危険な状況を引き起こし得る潜在要因である。ここでも、進歩性を有する集電体は、その他のバッテリ部品とともに使用されることで、こうした問題点を、大幅にかつ驚くほど改善することができる。
集電体の有用性を発揮する方法の一つとして、以下の試験がある。電圧制限および電流制限の両方を有する電流源について、その電圧制限を、当該蓄電装置の動作電圧と同様に設定することができる。その後、電流を調節し、二つの構成で集電体の試験を行うことができる。最初の構成において、既知の幅の集電体からなる、短い片を、試料の全幅に接触する、二つの金属コネクタを介して接触させる。電流源の電流制限を上昇させることで、その材料の電流を運ぶ能力に限界があるかどうかを調べることができる。これは、合計電流を幅で割ったものとして測定することができ、水平電流密度として、A/cmの単位で結果が示される。二番目の構成では、電流源の接地を、全幅の金属接点のうちの一つに接触させ、さらに、約0.25mmのプローブの先端を、集電体片に沿った位置に接触させる。電流が高すぎる場合、局所領域が焼損し、電流が流れなくなる。電流が、集電体に対して高すぎない場合、電流源の制限いっぱいの全電流が流れる。その結果が、A/mmの単位で示される電流の制限であり、ここでは、垂直電流密度と呼ぶ。このようにして、両方の構成で高電流に到達可能な集電体は、先行技術と同様であり、全幅で接触した際、水平電流を保持できるが、点接触において、同様の垂直電流を保持しない集電体が、ここに記載する本発明の一例に該当する。
例えば、0.1A/cm、0.5A/cm、1A/cm、2A/cm、または5A/cmの水平電流密度さえも保持することができる集電体が望ましい場合がある。さらに、上記の水平電流密度を保持できる集電体においては、0.1A/mm、0.5A/mm、1A/mm、2A/mm、または5A/mmの垂直電流密度さえも保持しないことが望ましい。
前述の通り、一般的に、リチウムイオン電池内には、タブも設けられており、このタブは、内部部品、特に、集電体に対して、溶接により接合されている。これにより、同時に、電荷を輸送するタブリードを、外部ソースに接続している。この状況下で、極薄型の集電体の場合、タブリードが効果的に内部箔集電体に接触し、その場所に充分にとどまることで、外部ソースとの接続も保てるようになっている点で、非常に優れている。さらに、予想され得る問題(デンドライト形成等)が引き起こされた際に暴走電流を防ぐ、内部ヒューズ特性を提供できることに加え、上述した、予想外に優れた薄膜状の集電体の有効性により、電池自体に求められている動作が可能になる。そのため、同様の潜在的な電荷暴走に関する問題自体に対処するにあたり、当該タブには、いかなる変位や無効性も許容されない。換言すれば、タブに問題が発生しても、内部ヒューズの有効性に影響があってはならない。意外なことに、このような必要とされる特性は、タブ部品において許容されると判断されてきた。
そこで、こうしたレベルにおいて、薄膜の集電体により、実際に、タブが有効かつ強固に溶接され、また、膜の両面において導電性を有することができることが分かった。実際、タブ自体は、個々の集電体よりも厚みがあり、互いに接触している場合、溶接自体の形や深さに対して、タブ材と部分的に重なる深さで、溶接が行われてもよい。しかしながら、予想外な結果として、実際、溶接は、薄く細長いタブ等を貫通していてもよく、これにより、溶接材からタブへの電気が通る。これにより、制限されつつも、有効な導電経路が形成される。溶接箇所に必要な、タブへの(さらに電池ケーシング外の外部ソースへの)導電性を確保するだけでなく、実際のアンペア数や、各溶接個所における電気の流れによって発生した熱を制限する手段を設けることができる。これにより、万が一、ショート(デンドライト形成等)が起こっても、金属化膜の集電体上での導電暴走を、上述のように制御することができる。これは、電荷が実際の集電体の表面上にとどまり、暴走電荷が移動できる経路が設けられていないためである。例えば、集電体に沿ったタブ部品の長さ方向に、最大5箇所、互いに均等に間隔を空けて、溶接をほどこしてもよい。これにより、バッテリケーシングを介し、箔集電体からタブに向かって、最終的には外部ソースに向かって、有効導電性が確立される。それぞれが呈するアンペア数は、制限されていたとしても、水準の倍あり、状況によっては、確実に、増加してしまうが、溶接の個数を制限することで、電荷が暴走し得る部位の数も制限することができる。ただし、高出力または強電流バッテリの場合は、タブ一つあたりの溶接箇所の数を増やしてもよく、それにより、バッテリがその用途において有用になるにあたり必要とされる高い電流量を保持してもよい。この場合、多数の溶接箇所、例えば、タブ1つあたり、10、20、あるいは50個の溶接箇所を設けることができる。稀な例ではあるが、非常に高い出力あるいは非常に強い電流を有する電池の場合、50個以上の溶接個所を設けてもよい。溶接箇所は、ベース強度を提供し、さらに、使用時のタブの移動を防止する。バッテリ全体の適切な動作を各自なものとするため、安定性および剛性が必要となる。この点において、溶接個所を制限すると、ある程度の信頼性が担保でき、また、プルテープをその上に追加し、集電体膜に設けることで、こうした電位による問題から保護するのに役立つ。
実際、薄膜状の集電体は、ショート時の暴走電荷を防止するのに、想定外に適している。しかしながら、電池の外部と有効な導電性を確立するため、タブリードを集電体と充分に接触させる必要がある。そのためには、標準的なタブ部品とともに、このような薄型の集電体膜を使用できる構造的状況を実現する必要がある。バッテリ動作を効果的に行えるよう、電流を流すには、配置および接触が有効になるよう、適切な溶接が必要である。しかし、暴走電荷に際し、適切な低電位を示しつつ、上記のように、適切な溶接をほどこし、集電体膜およびタブの両方に対し、寸法を適切に設定することは、困難である。今日当該技術において受容される、モノリシックで厚みのある、特定の集電体部品の場合は特に、困難である。予想外の有効性、特に、上記のように決定された、タブの接触および引き抜き強度特性により、バッテリ発電性能を犠牲にすることなく、重量を軽減し、あるいは他の部品が占有できる内部キャパシティを増加し、同時に、短絡時の暴走電荷から徹底的に保護された、完全なリチウムイオンバッテリを実現できる。
こうしたリチウムイオンバッテリの薄膜は、特有の性能を実現するために、ある特定の処理工程を必要とする。ただ、当該技術分野において既知である、種々の処理工程を採用可能である。一般的に、進歩性を有する膜を備えるリチウムイオンバッテリを製造する方法は、
a.イオン貯蔵材料でコーティングされた、少なくとも一つの金属化基材を有する電極を準備する工程と、
b.対電極を準備する工程と、
c.電極および対電極を、互いに向かい合わせになるようにし、さらに電極および対電極の間に介在するセパレーター部品を重ねる工程と、
d.包材の内部に存在する部分と、包材の外部に存在する部分とを有する電気接触部品を備える包材を準備する工程と、
e.電気接触部を金属化基材に電気的に接続する工程と、
f.イオンを含有する、少なくとも一つの液体電解物を包材内に導入する工程と、
g.包材を密閉する工程と、
を含む。
金属化基材は、本開示で説明した、任意の基材であってもよい。
例えば、イオン貯蔵材料は、当技術分野においては既知の、リチウムイオンバッテリ用のカソード材またはアノード材であってもよい。カソード材としては、コバルト酸リチウム(LiCoC)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リチウムマンガン酸化物(LiMn)、リチウムマンガンニッケルコバルト酸化物(LiNiMnCo)、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(LiNiCoAl)、または上記の混合、または当技術分野において既知のその他の材料が含まれる。アノード材としては、グラファイト、チタン酸リチウム(LiTi12)、硬質炭素、錫、シリコン、またはこれらの混合、または当技術分野において既知のその他の材料が含まれる。さらに、イオン貯蔵材料は、スーパーコンデンサ等、他の蓄電装置に使用されるような材料であってもよい。こうしたスーパーコンデンサにおいて、イオン貯蔵材料としては、活性炭、活性炭素繊維,カーバイド誘導炭素、カーボンエアロゲル、グラファイト、グラフェン、グラフェン、そして、カーボンナノチューブが挙げられる。
被覆工程は、当技術分野で一般に知られている任意の被覆工程であってもよい。通常、リチウムイオンバッテリの被覆工程では、ロール式ナイフ塗布機およびスロットダイが使用されるが、無電界めっき法等を含む、他の手法を利用してもよい。被覆工程において、イオン貯蔵材料は、一般的に、ポリフッ化ビニリデンもしくはカルボキシメチルセルロースなどのバインダー、または、その他の膜形成ポリマーなどの他の材料と混合される。混合物へのその他の添加物としては、カーボンブラック及び他の導電性を有する添加剤が挙げられる。
対電極には、イオン貯蔵材料とは異なる電気化学ポテンシャルを有する、その他の電極材が含まれる。一般的に、イオン貯蔵材料がリチウムイオンアノード材である場合、対電極は、リチウムイオンカソード材からなる。イオン貯蔵材料がリチウムイオンカソード材である場合、対電極は、リチウムイオンアノード材から形成されてもよい。イオン貯蔵材料がスーパーコンデンサ材である場合、対電極は、スーパーコンデンサ材、あるいは、場合によっては、リチウムイオンアノード材またはリチウムイオンカソード材から形成されてもよい。いずれの場合も、対電極は、本発明におけるような金属箔または金属化膜で有り得る、集電体材上に被覆されたイオン貯蔵材料を含む。
積層工程において、進歩性を有する電極は、互いに向き合う電極材を有する対電極と、両者の間に介在する多孔性セパレーターと共に積層される。当技術分野では一般的に知られているように、電極は、その両面が被覆されていてもよく、進歩性を有する電極および対電極で形成される電極束において、各層の間にセパレーターが設けられている。あるいは、当技術分野で知られているように、電極材片を上述のように積み重ね、巻回して円筒状にしてもよい。
包材としては、円筒型電池用の缶、平面上のハードケース、ポリマーパウチといった硬質のものが挙げられる。いずれの場合も、異なる電圧で保持され、電流を流すことができるケースを介して、電気接触を行う手段が二つ必要となる。場合によっては、ケース自体のある第1の部分が、一つ目の手段として機能し、一方で、ケースの他の一部であって、第1の部分と電気的に絶縁されている第2の部分が、二つ目の手段として機能してもよい。またある場合には、ケース自体を非導電性としつつ、二つの金属導体(多くの場合、タブと称される)をケースから突出させてもよい。
金属化基材と電気接触を行うため、これらの手段を接続する方法としては、溶接、テーピング、クランプ、ステープル留め、リベット留め、その他機械的手段等、一般的に使用される方法があげられる。金属化基材の金属は極めて薄い場合があるため、強電流フローを実現するためには、一般的に、面接触が必要とされる。これにより、ケースおよび金属化基材を介して電気接触を行う手段の間にある表面積を、大きく広げることができる。充分な電流を流すためには、この表面積は、1平方ミリメートル(10~12平方メートル)より大きくある必要があり、さらには、3平方ミリメートル、5平方ミリメートル、より好ましくは、10平方ミリメートルを上回る必要がある。
液体電解物は、一般的には、極性溶媒およびリチウム塩の組み合わせ/混合物である。一般的に使用される極性溶媒としては、上記のように、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルが挙げられるが、イオン溶液等のその他極性溶媒や、場合によっては水であってもよい。当産業分野内で一般的に用いられるリチウム塩は、LiPF、LiPF、LiBF、LiClO等であるが、それらには限定されない。電解物は、当技術分野では既知の添加物を含んでいてもよい。多くの場合、電解物は可燃性であるが、ここにおいて、火災や電池および電池外部の両方への損傷をもたらしうる危険な熱暴走事象を防止するのにあたり、進歩性を有する金属化基材の集電体における安全性特性が発揮される。
図1は、先行技術における、18650電池等の巻回型電池の構造を示した図である。 図2は、先行技術におけるいくつかのリチウムイオンバッテリセパレーターを動的機械分析にかけ、そこで測定した収縮を、温度との対応関係を明らかにしながら示した図である。ここでの測定は、NASA/TM-2010-216099「Battery Separator Characterization and Evaluation Procedures for NASA’s Advanced Lithium Ion Batteries」のセクション3.5に従ったもので、参照により、本明細書に組み込まれる。ここでは、第1世代のセパレーター(CelgardPP,Celgardtri-layer)、第2世代のセパレーター(セラミックPE),及び第3世代のセパレーター(Silver,Gold,SilverAR)が含まれる。 図3Aは、釘刺し試験を行った、先行技術におけるパウチ型電池の断面図を、走査型電子顕微鏡写真(SEM)で示す図である。層は、反射電子撮像(BEI)でマッピングされたように、アルミニウムおよび銅からなる。釘は、左側において垂直である。いずれの場合も、アルミニウム層は釘から後退し、絶縁体となった酸化アルミニウムが表皮として残る。 図3Bは、先行技術において、図3Aに示す層の一つを拡大して示す図である。酸化アルミニウム層が拡大され、セパレーターが全く収縮しておらず、電極の端まで分離させていることが分かる。 図4は、本発明を示す図であり、薄い導電材の層は外側にあり、中心基材は、熱暴走時の温度において、熱に対して不安定な層である。この基材は、100度(摂氏)~500度(摂氏)の温度で熱的不安定性を示す融解層、収縮層、溶解層、酸化層、およびその他の層であってもよい。 図5Aは、先行技術において、一般的に、12ミクロン~20ミクロンの厚さを有する、厚いアルミニウム集電体を示す図である。 図5Bは、本発明における、両側に1ミクロンのアルミニウムを有する、14ミクロンの厚さを有する基材を示す図である。厚みを持たせた、電流技術であれば、短絡による強電流を流すことができるが、進歩性を有する集電体の場合、短絡による強電流を流すことはできない。 図6および図6Aは、比較例1および2の図を示し、それぞれは、高温はんだごての先端が接触した後のものである。比較例において、高温はんだごてを当てたあとも変化は見られない。 図7は実施例1の図を示し、高温はんだごての先端が接触した後のものである。実施例1において、金属化基材について、本開示に記載されているような収縮が見られた。 図7Aは実施例2の図を示し、高温はんだごての先端が接触した後のものである。実施例2において、金属化基材について、本開示に記載されているような収縮が見られた。 図7Bは実施例3の図を示し、高温はんだごての先端が接触した後のものである。実施例3において、金属化基材について、本開示に記載されているような収縮が見られた。 図8は実施例4の図を示し、高温はんだごての先端が接触した後のものである。実施例4において、金属化基材について、本開示に記載されているような収縮が見られた。 図8Aは実施例5の図を示し、高温はんだごての先端が接触した後のものである。実施例5は、リチウムイオン電解物中に、加熱下で溶解する繊維を有する。 図8Bは実施例6の図を示し、高温はんだごての先端が接触した後のものである。実施例6は、本発明として機能するにあたり、薄い導電層を必要とする、熱に対して安定性を有する基材の一例である。 図9は、異なる倍率における断面図を示すSEMである。一つは、実施例9に記載され、本発明で開示されるように、集電体の可能な一実施形態の金属化表面を表している。金属は、元々、20ミクロンの厚さを有していた基材よりも、明らかに、はるかに薄くなっている。 図9Aは、異なる倍率における断面図を示すSEMである。一つは、実施例9に記載され、本発明で開示されるように、集電体の可能な一実施形態の金属化表面を表している。金属は、元々、20ミクロンの厚さを有していた基材よりも、明らかに、はるかに薄くなっている。 図9Bは、異なる倍率における断面図を示すSEMである。一つは、実施例9に記載され、本発明で開示されるように、集電体の可能な一実施形態の金属化表面を表している。金属は、元々、20ミクロンの厚さを有していた基材よりも、明らかに、はるかに薄くなっている。 図10は、ショート発生後の、比較例3の光学顕微鏡写真である。ショートの周辺領域にアブレーションが見られるものの、穴はあいていない。 図10Aは、ショート発生後の、比較例4の光学顕微鏡写真である。ショートの周辺領域にアブレーションが見られるものの、穴はあいていない。 図11は、ショート発生後の、実施例14の光学顕微鏡写真である。ショート時の強電流密度により、金属に穴があいていることがはっきりと分かる。 図11Aは、ショート発生後の、実施例14の光学顕微鏡写真である。ショート時の強電流密度により、金属に穴があいていることがはっきりと分かる。 図12は、以下に示す実施例で使用される集電体の大きさおよび形を示す図である。 図13は、潜在的、かつ好ましい一実施形態において、溶接タブを有する単層集電体を示す、側面斜視図である。 図14は、潜在的、かつ好ましい他の実施形態において、テープ留めされたタブを有する単層集電体を示す、側面斜視図である。 図15は、潜在的、かつ好ましい他の実施形態において、ステープル留めされたタブを有する単層集電体を示す、側面斜視図である。 図16は、潜在的、かつ好ましい他の実施形態において、単層集電体を示す、側面斜視図である。ここで、単層集電体は、折り目が丸みを帯びるよう、一度折りたたまれており、テープ留めされたタブを有する。 図17は、潜在的、かつ好ましい他の実施形態において、単層集電体を示す、側面斜視図である。ここで、単層集電体は、折り目が丸みを帯びるよう、二度折りたたまれており、テープ留めされたタブを有する。 図18は、潜在的、かつ好ましい他の実施形態において、二つの平行溶接タブを有する単層集電体を示す、側面斜視図である。 図19は、潜在的、かつ好ましい他の実施形態において、一度折りたたまれて溶接されたタブを有する単層集電体を示す、側面斜視図である。 図20は、潜在的、かつ好ましい他の実施形態において、単層集電体を示す、側面斜視図である。ここで、単層集電体は、折り目が丸みを帯びるよう、二度折りたたまれており、タブが溶接されている。 図21は、潜在的、かつ好ましい他の実施形態において、複数の単層集電体を示す、側面斜視図である。複数の単層集電体は、それぞれが、折り目が丸みを帯びるよう、二度折りたたまれたおり、タブが溶接されている。 図22は、潜在的、かつ好ましい他の実施形態において、複数の単層集電体を示す、側面斜視図である。複数の単層集電体は、それぞれが、折り目が丸みを帯びるよう、二度折りたたまれたおり、二つの対向するタブが溶接されている。 図23、潜在的、かつ好ましい他の実施形態において、複数の単層集電体を示す、側面斜視図である。複数の単層集電体は、複数の単層集電体は、複数回Z字状に折りたたまれ、締め金留めされたタブと接触している。
以下の説明及び実施例は、本開示の潜在的な実施形態を示したにすぎず、以下の特許請求の範囲に関する、開示の範囲及びそれが及ぶ領域は、当該分野内の当業者によって十分に理解されるであろう。
上記のように、本開示は、リチウムバッテリ(及び他の蓄電装置)業界における、これまでの理解および対処法から大きく変化したものであり、それとは正反対のものである。本明細書に記載の新規のデバイスは、この分野において、予想外であることは言うまでもなく、そうでありながら、これまで探究されていない複数の有益な結果及び特性を提供する。最初に、従来の装置と、ここで広く開示されている装置との明確な違いについて、比較をもとに明らかにしていくことが重要と考える。
短絡事象に関する実施例等
比較例1
リン酸鉄リチウムバッテリ用のカソードを、GBSystems(中国)から入手した。アルミニウムタブを取外し、市販の集電体の例とした。そして、その厚み、面密度、および電気抵抗値を測定した。その結果を以下の表1に記載する。次に、アルミニウム箔に、高温はんだごてを5秒間当てた。この時、500度(華氏)~525度(華氏)の温度となるよう、赤外線温度計を用いて測定を行った。はんだごてを集電体に当てても、その影響はみられなかった。そして、厚み、面密度、および電気抵抗値を測定した。175度(摂氏)のオーブンに30分間、当該材料を入れ、その後、収縮率を測定した。図6に示すよう、写真を残した。図5には、比較対象となるバッテリ内の、従来の集電体を示す。
比較例2
リン酸鉄リチウムバッテリ用のアノードを、GBSystems(中国)から入手した。銅タブを取外し、市販の集電体の例とした。そして、その厚み,面密度、および電気抵抗値を測定した。その結果を以下の表1に記載する。次に、銅箔に、比較例1と同様に、高温はんだごてを当てた。はんだごてを集電体に当てても、その影響はみられなかった。そして厚み、面密度、および電気抵抗値を測定した。175度(摂氏)のオーブンに30分間、当該材料を入れ、その後、収縮率を測定した。図6に示すよう、写真を残した。比較例1と同様、図5にはバッテリの内部構造が示されている。開示されているような薄型ではなく、モノリシックな金属構造を有しているため、集電体の厚みが明らかである。
ポリプロピレンリチウムバッテリセパレーター材を、MTICorporationから入手した。該材料は、製品番号2500として、Celgardによって製造されたものである。厚み、面密度、および電気抵抗値を測定し、その結果を以下の表1に示した。比較例1と同様に、セパレーターに高温はんだごてを当てた。温度計を集電体に当てると、小さい穴が形成された。その直径を測定し、表1に記載した。厚み、面密度、および電気抵抗値を測定した。175度(摂氏)のオーブンに30分間、当該材料を入れ、その後、収縮率を測定した。図7に示すよう、写真を残した。
セラミックコーティングされたポリエチレンリチウムバッテリセパレーター材を、MTICorporationから入手した。厚み、面密度、および電気抵抗値を測定し、その結果を以下の表1に示した。実施例1と同様に、セパレーターに高温はんだごてを当てた。はんだごてを集電体に当てると、小さい穴が形成された。その直径を測定し、表1に記載した。厚み、面密度、および電気抵抗値を測定した。175度(摂氏)のオーブンに30分間、当該材料を入れ、その後、収縮率を測定した。図7Aに示すよう、写真を残した。
セラミックコーティングされたポリプロピレンリチウムバッテリセパレーター材を、MTICorporationから入手した。厚み、面密度、および電気抵抗値を測定し、その結果を以下の表1に示した。実施例1と同様に、セパレーターにはんだごてを当てた。はんだごてを集電体に当てると、小さい穴が形成された。その直径を測定し、表1に記載した。厚み、面密度、および電気抵抗値を測定した。175度(摂氏)のオーブンに30分間、当該材料を入れ、その後、収縮率を測定した。図7Bに示すよう、写真を残した。
アルミニウム化二軸配向ポリエステルフィルムを、AllFoilsInc.から入手した。これは、もともと、催し物用のヘリウム風船用に設計されたものである。アルミニウムでコーティングが施されていることで、ヘリウムを長く保持し、催し物用風船が長く浮かんでいられるようにしている。厚み、面密度、および電気抵抗値を測定し、その結果を以下の表1に示した。その後、実施例1と同様に、フィルムに高温はんだごてを当てた。はんだごてを集電体に当てると、小さい穴が形成された。その直径を測定し、表1に記載した。厚み、面密度、および電気抵抗値を測定した。175度(摂氏)のオーブンに30分間、当該材料を入れ、その後、収縮率を測定した。図8に示すよう、写真を残した。比較例1に示した市販のアルミニウム集電体と比較すると、この素材は65%薄く、85%軽く、さらに熱を遠ざける。これにより、内部ショートの危険を有するリチウムイオン電池に対して、内部ショートを遮断する効果を発揮する。
DreamweaverSilver25という名称の市販のリチウムイオンバッテリセパレーターを入手した。これは、セルロース、ポリアクリロニトリルのナノファイバおよびポリエステルのマイクロファイバを製紙工程の要領で混ぜ合わせ、カレンダリングにより、厚みを抑えることで製造されたものである。そして、実施例1と同様に、セパレーターに高温はんだごてを当てた。温度計を集電体に当てても、穴は形成されなかった。厚み、面密度、および電気抵抗値を測定した。175度(摂氏)のオーブンに30分間、当該材料を入れ、その後、収縮率を測定した。比較例3乃至5の先行技術と比較すると、これらの材料は、加熱されても溶けたり収縮したりしないという利点を有する。そのため、内部ショートの可能性を有するリチウムイオンバッテリにおいては、熱を退けず、内部ショートをより大きくしてしまう場合があるこうした事態は、図8Aから見てとれる。

市販のリチウムイオンバッテリセパレーターのプロトタイプである、DreamweaverGold20を入手した。これは、セルロース、パラアラミドナノファイバー、およびポリエステルのマイクロファイバを製紙工程の要領で混ぜ合わせ、カレンダリングにより、厚みを抑えることで製造されたものである。実施例1と同様に、セパレーターに高温はんだごてを当てた。図8Bに示すように、温度計を集電体に当てても、穴は形成されなかった。厚み、面密度、および電気抵抗値を測定した。175度(摂氏)のオーブンに30分間、当該材料を入れ、その後、収縮率を測定した。従来技術セパレーターと比較した際の当該セパレーターの利点は、実施例2と同様である。
Figure 2022527140000002
比較例1および2は、既存の集電体材料であり、非常に低い電気抵抗値と高い面密度を示し、高温はんだの先端に当てられても、全く反応せず、175度(摂氏)の温度下でも収縮をみせなかった。
実施例1乃至3は、無限の電気抵抗値および低い面密度を有し、175度(摂氏)において、あるいは高温のはんだ先端に当てると融解する材料である。これらは、本発明にかかわる金属化のための優れた基材である。
実施例4は、中程度の電気抵抗値および低い面密度を有し、175度(摂氏)で、あるいは高温のはんだ先端に当てられた際に収縮する、アルミニウム化重合体フィルムの例である。これは、本発明に係る、潜在的なカソード集電体複合膜の例である。実際には、さらなる実施例に示されるように、より高い出力のバッテリにするには、より高いレベルの金属コーティングを付与することが望ましい場合がある。
実施例5および6は、無限の電気抵抗値および低い面密度を有し、175度(摂氏)では、あるいは、高温のはんだ先端に当てられても、非常に低い収縮率を有する材料である。これらは、ショートによる強電流条件下で金属化被膜が劣化するほど、金属化被膜の厚みが充分に薄い場合の、本発明における高分子基材の実施例である。さらに、セルロースナノファイバーおよびポリエステルマイクロファイバーは、現在実際に使用されている金属集電体の融点よりも、はるかに低い温度で、酸化、収縮、およびアブレーションが行われる。
さらに、実施例5は、繊維、ポリアクリロニトリルから作られ、従来のリチウムイオンカーボネート電解質にさらされると膨潤する。これも本発明の高分子基材の一例であり、加熱下で膨潤が加速することで、金属化被膜に亀裂が生じる。その結果、導電経路が遮断され、バッテリ内の熱にさらされたときに、集電体の均一な導電経路が消失するか、または大幅に減少することにより、電池の安全性が向上する。
金属間坩堝およびアルミニウムペレットを使用し、実施例5で利用した材料を、MBraun真空蒸着システムの蒸着位置に載置した。チャンバを3×10-5mbarになるまで脱気した。アルミニウムが融解するまで、出力を上げ、続いて、蒸着速度が3オングストローム/秒になるよう、出力を設定する。蒸着を1時間行い、4つの試料を蒸着プレート上で回転させた。このプロセスを3回繰り返し、総蒸着時間は4時間となった。試料の重量、厚み、および電気抵抗値を測定(直流かつ1kHz、1インチの片を1インチ離れた電極間で測定)し、その結果は以下の表2に示す。電気点抵抗値も、プローブの先端を1インチ離して、Hioki3555バッテリHiTesterを1kHzで使用して測定した。添加したアルミニウムの重量は、プロセスにおいて添加された重量を、試料の面積で割ることで算出した。これを、材料の密度でさらに割って、コーティングの平均厚みを求める。
平らな断面を有するポリエチレンテレフタレートマイクロファイバーを選択し、TappiT206のプロセスを使用し、20グラム/mのハンドシートを作製することで、不織布高分子基材を準備した。これらのハンドシートを、250度(華氏)の硬化鋼ロールを使用して、10m/分、2,000lbs/インチの圧力でカレンダリング加工した。実施例7のプロセスにしたがって、この材料を金属化し、同様の測定を行い、その値を表8に記載した。
実施例5の材料は、5オングストローム/秒の設定で60分間、コーティングが行われたことをのぞき、実施例7のプロセスに従って蒸着させた。試料を裏返し、同じ手順で裏側にコーティングを施した。これらの材料は、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像され、その画像は、図9、図9A、図9Bに示されている。
材料は、各面での蒸着がわずか20分間であったことを除き、実施例9の手順に従って準備された。
実施例8の高分子基材は、シートにカレンダリング加工をせずに、準備された。アルミニウムの蒸着は、5オングストローム/秒で20分間、片面ずつ行われた。ここで、材料はカレンダリング加工されていないため、多孔度が非常に高く、薄い被覆重量で、非常に高い電気抵抗値が測定される。実施例11を実施例8と比較すると、カレンダリング加工の、驚くほど高い有効性が示される。
Figure 2022527140000003
実施例9のアルミニウムでコーティングされた高分子基材を、97%のNCMカソード材(BASFから入手したNCM523)、1%のカーボンブラック、および2%のPVDFバインダーを含むN-メチル-2-ピロリドン溶液でコーティングした。被覆重量は、71ミクロンの厚みで、12.7mg/cm2であった。この材料を、2032ボタン型電池に合うように切断し、銅箔集電体(6mg/cm2、96.75%のグラファイト(BTR)、0.75%のカーボンブラック、1.5%のSBR、および1%のCMC)上にコーティングされたグラファイトアノードと組み合わせた。アノード、セパレーター(Celgard2320)、およびNCM被覆材を電池に入れ、電解物(60μL、1.0MのLiPF6を含む、EC:DEC:DMC=4:4:2vol+2w.%VC)で満たし、シェルを圧着して電池を密閉することで、単層ボタン型電池を作製した。導電性を得るためには、実施例9における、アルミニウムでコーティングされた高分子基材の一部を、カソード材でコーティングせずに、そのままの状態にし、ボタン型電池のシェルと接触させるよう折りたたむことで、伝導経路を形成する。電池は、0.18mAの定電流で4.2Vまで充電し、その後、一定電圧(4.2V)で電流が0.04mAに低下するまで充電した。電池は、4.2V~3.0Vの間を0.37mAで、3回繰り返され、1.2mAhの平均放電容量を得た。
使用したセパレーターがDreamweaverSilver20であることを除けば、実施例12の材料を使用して、手順通りに電池を作製した。電池は、0.18mAの定電流で4.2Vまで充電し、その後、一定電圧(4.2V)で電流が0.04mAに低下するまで充電した。電池は、4.2V~3.0Vの間を0.37mAで、3回繰り返され、0.8mAhの平均放電容量を得た。このようにして、本実施例およびその前の実施例において、アルミニウム厚みが1ミクロンの、充電型リチウムイオン電池を作製した。
比較例3
比較例1のアルミニウムタブを、約2cm×4cmの範囲で、試料の全幅に接触する金属コネクタを介して、電流源の接地に接続した。電圧制限を4.0Vに設定し、電流制限を1.0Aに設定した。電流源の高電圧に接続されたプローブは、まず、試料の全幅に接触する金属コネクタに当たり、次に、アルミニウムタブに複数回当たり、これにより、1.0Aで短絡が生じる。プローブの先端の面積は、約0.25mmである。全幅にわたって接触している場合、電流は正常に流れる。プローブがタブに当たった初期の状態において、火花が散り、非常に高い初期電流密度であることが分かった。結果的に集電体に生じる欠陥は、穴の形成にとどまる場合や、アブレーションが生じる場合などを引き起こすが、集電体自体はダメージを受けない。全ての場合において、回路は1.0Aの電流でショートしたままであった。穴が形成されなかったアブレーション欠陥を顕微鏡写真におさめ、図10に示す。電流源制限を、5.0、3.0、0.6A、0.3A、および0.1Aに設定し、実験を繰り返した。全ての事例において、集電体の全幅にわたって接触した場合、および、先端が約0.25mmの点プローブを使用した場合の両方とも、結果は、試験電流制限では、連続電流であった。
比較例4
同様の寸法を有する、比較例2の銅タブを、比較例3と同様に試験した。全幅にわたって接触している場合、電流は正常に流れる。プローブがタブに当たった初期の状態において、火花が散り、非常に高い初期電流密度であることが分かった。結果的に集電体に生じる欠陥は、穴の形成にとどまる場合や、アブレーションが生じる場合などを引き起こすが、集電体自体はダメージを受けない。全ての場合において、回路は0.8Aの電流でショートしたままであった。穴が形成されなかったアブレーション欠陥を顕微鏡写真におさめ、図10Aに示す。電流源制限を、5.0、3.0、0.6A、0.3A、および0.1Aに設定し、実験を繰り返した。全ての事例において、集電体の全幅にわたって接触した場合、および、先端が約0.25mmの点プローブを使用した場合の両方とも、結果は、試験電流制限では、連続電流であった。
同様の寸法を有する、実施例7の、進歩性を有するアルミニウムでコーティングされた高分子基材を、比較例3および4と同様の方法で試験した。全幅にわたって接触している場合、電流は正常に流れる。それぞれの場合において、プローブが進歩性を有する集電体に直接当たっても、発生する火花はかなり少なく、電流は、最初のスパークの後に停止し、回路は開回路のままであった。全ての場合において、結果として生じた欠陥は、穴であった。穴が形成された複数の実施例を顕微鏡写真におさめ、図11および図11Aに示す。電流源制限を、5.0、3.0、0.6A、0.3A、および0.1Aに設定し、実験を繰り返した。全ての事例において、コネクタの全幅を介して接触させた場合、電流が連続して流れた。進歩性を有する集電体の例に、プローブから直接接触させた場合、進歩性を有する実施例を介して、電流が流れることはなかった。
ここで示される主要な発明において、進歩性を有する材料の場合、開回路が結果として実現され、流れ続ける電流は見られない(つまり、明らかな電流の動きはない)。一方、比較例3および4、および実施例14のように短絡にさられた場合、従来技術では、結果として、短絡が継続した。したがって、従来技術短絡では、熱が発生し、セパレーターが融解し、SEI層が溶解し、結果として、電池の熱暴走が引き起こされ、電解物が発火する。進歩性を有する集電体の開回路では、熱は発生しない。そのため、熱暴走、および、それによって生じる煙、熱、炎を許容することなく、内部短絡を保持できる電池を提供する。
実施例15および16、比較例5および6
ロールツーロール法により、10ミクロンのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、二枚の金属化膜を作製した。この方法では、ロール状のフィルムを、真空金属化製造機(一例として、AppliedMaterialsから入手可能なTopMet4450)に載置し、チャンバを減圧真空にした。溶融アルミニウムを含有する加熱されたボート上を、ロールが、高速、例えば、50m/分で通過した。溶融アルミニウムを含有する加熱されたボート上には、アルミニウムガスの柱があり、これがフィルムに蒸着する。ここで、蒸着速度は、通過速度とアルミニウム温度によって制御される。アルミニウムコーティングが、約300nmの厚さになるまで、複数回通過させ、長さ約500m、幅約70cmのロールを作製した。被覆工程を繰り返し、フィルムの裏面もコーティングして、実施例15として使用する製品を作製した(図4の進歩性を有する集電体は、本実施例で使用されたものを示す)。実施例16は、ボートの金属が銅であるということ以外は、同様に作製されたものである(図5Bでの描写は、進歩性を有する構造内に使用される集電体を示す)。各フィルムの坪量、厚み、および導電性を測定し、その結果を表3に示す。被覆重量は、10ミクロンのポリエチレンテレフタレートフィルムの坪量である13.8グラム/mを減算して求めた。「算出された被覆厚み」は、両面とも、均一にコーティングがされていると仮定し、被覆重量を材料密度(アルミニウムの場合、2.7グラム/cm、銅の場合、8.96グラム/cm)で割ることで求めた。
比較例5は、厚さ17ミクロンの市販のアルミニウム箔である。比較例6は、厚さ50ミクロンの市販の銅箔である。比較例7は、厚さ9ミクロンの市販の銅箔である。
Figure 2022527140000004
実施例15、実施例16、比較例5、および比較例6に対し、非常に高い電流密度を運ぶ能力があるかを測る試験をさらに起こった。集電体膜または箔と接触させて、半径0.51mm(24AWGゲージ)の研磨された銅線を保持する試験装置を準備した。試験対象の膜または箔は、試験時の膜または箔との接触が保持されるアルミニウム接点と接地され、その接触面積は、1平方センチメートルである。プローブを、400Wの高出力であって、0.335オームの値を有する抵抗器と直列に接続し、さらにVolteqHY3050EX電源と接続し、これにより電流を制御した。ゼロ入力電流で集電体表面に接触する研磨線を使用し、測定対象となる集電体を設置した。電流を0.2アンペアずつ増加させ、増加する度に、抵抗器の両端の電圧を測定しながら、30秒間保持した。電圧がゼロまで低下し、電流がそれ以上流れていないことが分かると、試料が故障したことが分かる。実施例15、実施例16、比較例5、および比較例6のそれぞれに対し、試験を行った。実施例15は、7Aで故障した(2回の測定の平均値)。実施例16は、10.2Aで故障した(2回の測定の平均値)。比較例5および比較例6のどちらも、20A未満では故障しなかった。実施例15および実施例16の両方において、集電体に半径1mmを越える穴が形成されていたものの、比較例5および6においては、どちらも箔におけるダメージは見られなかった。この試験例において、20A、好ましくは、15A、より好ましくは、12Aを上回る電流を運ぶことができない集電体を有している場合、有利であった。
別の試験では、進歩性を有する集電体を、電池(電池の内部あるいは外部)の電極スタックを使用する電子機器に接続するタブとしてシミュレーションすることを意図しており、実施例15および16ならびに比較例5および6に対して、試験片に沿って電流容量試験を実施した。試験用の試料を準備するにあたり、図12に示す形に集電体を切断する。これにより、材料を、4cm×1cmの試験片に切断し、その端は、一部が切断された直角二等辺三角形(側辺4cm)の形状を有する。試験片のそれぞれの三角形は、接触長さが1cm未満のアルミニウム片を介して、接触している。片面を、400Wの出力および0.335オームの値を有する抵抗器を介して接続し、回路をVolteqHY3050EX電源と接続した。抵抗器の両端で電圧を測定し、これにより、電流を測定した。そして、電圧がゼロになったタイミングが、試験片が故障したタイミングとした。各試験において、片は、電源と接続し、電源は、ゼロ電流に設定され、その後、0.2Aずつ増加し、電圧が変わるたびに、30秒間その状態が保持された。これを、試料が故障し、電流フローがゼロになるまで続けた。金属化集電体の片面、あるいは、その両面に接触した状態で、金属化集電体の測定が行われるよう、試験を構成した。故障時の電流を、表4に示した。4cm×1cmの試験片として材料を試験する際、片面あるいは両面接触の状態で、20A、15A、より好ましくは、10A未満になるよう電流を制限することで、内部ヒューズを準備するとよい。
Figure 2022527140000005
実施例17乃至19および比較例8
標準的な箔集電体および実施例15および16の金属化PET膜集電体を、電極材でコーティングすることで、電池を作製した。BASFNMC523(97%)、カーボンブラック(2%)、およびPVDF(1%)を含むNMP溶液を使用し、アルミニウム集電体(15ミクロンのアルミニウム集電体)を被覆することで、NMC523カソード材を準備した。実施例15は、坪量が220グラム/mであり、3.3mAh/cmのカソード充填密度に相当する。グラファイトBTR-918S(94%)、カーボンブラック(5%)、およびPVDF(1%)を含むNMP溶液を使用し、銅集電体(18ミクロンの銅集電体)に118グラム/mで被覆することで、アノード材を準備した。ここで、118グラム/mは、4.0mAh/cmのアノード充填密度に相当する。両面カソードを4つ、両面アノードを3つ、そして、片面アノードを2つ作製した。これらを、Celgard2500セパレーターとともに積層し、小型のパウチ電池を形成した。そして、電解物で満たし、1Ahの設計容量で密封した。箔材の組み合わせを異ならせることで、四種類の電池を作製し、容量をC/10およびC/5(つまり、0.1Aおよび0.2A)で測定した。電池は、100mAで4.2Vまで充電することによって形成され、電流が10mAまで低下するまで4.2Vで保持した。その後、完全に形成された電池の重量を測定し、C/10で放電し、次にC/10で充電し、次にC/5で放電することによって容量の試験を行った。結果を、以下の表5に示す。
Figure 2022527140000006
したがって、上記の実施例は、電解質を含むバッテリ内での熱暴走を防ぐために必要となる、望ましい厚み、金属コーティング、及び導電性の結果を示している。これにより、はるかに安全で信頼性が高いだけでなく、必要とされる内部重量がこれまでよりもはるかに小さく、安全性を犠牲にすることなく、むしろ、実際には、安全性がさらに改善されている構成部品を提供する。
上記のように、本開示によって、こうした薄型の集電体(リチウムバッテリ内の内部ヒューズ)を提供するだけでなく、タブ構造に必要とされる利点を提供し、発生した電圧が対象電池の外部へ確実に伝達するようにする。さらに、上述の集電体において、有利な薄型構造が利用できることで、当該バッテリ自体の範囲内における無数の構成が実現され、有利な内部ヒューズ部品の全てが、その場所にとどまりながら、累積された電力レベルを潜在的に発生することができる。こうした点については、図12乃至図22を参照して、より詳細に説明する。
図13は、金属化膜層614および非金属下層616を有する、単一薄膜電流タブ/集電体600を示す。導電タブ610(外部電力をバッテリの伝達部品につたえるためのもの)も、集電体と垂直になるよう設けられ、そこで溶接612と接触する。
図14は、同様の集電体620を示している。ここでは、タブ622が設けられ、テープ624が、電気を通すため、タブ622を集電体634に接続する。上記同様、タブ/集電体620は、金属化膜層626および非金属下層632を有する。テープ部品622が、タブの外側面628上から、集電体の非金属層626まで設けられる。これにより,タブの剪断強度および接着性能を高め、タブの導電性が安定した状態で保持される。
図15には、別のタブ/集電体640が示されている。ここでは、タブ642が、単一薄型の集電体648(金属化膜層644および非金属下層650を有する)に対して、異なる方法で接続されており、導電性を有するステープル部品646を介して、両部品が接続されている。
このような平面状の集電体構造により、一般的なバッテリ構造を、小型のバッテリ構造(例えば、図1参照)とすることができる。図16は、一重折り710およびタブ/集電体700を示す。ここで、単一テープタブ702が設けられ、金属化膜面712(上述の通り、非金属層708を被覆)に取り付けられている。このようにして、一重折り710および集電体704は、平面状構造からバッテリサイズを増加させることなく、電池内の発電容量を増加させている。
図17は、同様の薄型集電体724を使用した、二重折り732およびタブ/集電体720を示す。この二重折り732は、さらに、集電体724の二面726および728を接続できる。この二重折り732がなければ、二枚の導電層の間にある重合体フィルムによって、電気的に絶縁状態になってしまう。タブ722は、集電体表面730に取り付けられ、二重折り732に電気を通す。
同様に、図18は、上記と同様の種類の上面758および下面762を有する平面状タブ/集電体750を示す。この例において、タブ752および754は、二つの平行な構造として設けられ、集電体762の上面758および下面760の両方と接触している。タブ752および754は、溶接756を有し、両面758および760と接続している。
図19は、図16と同様の構造780を示しているが、ここで、一重折りタブ794が、所定位置において、折りたたまれたタブ794の、二つの延長プロング782および784を有する溶接786を介して、集電体792の両面788および790と接触する。
図20は、溶接804およびタブ802ならびに二重折り810およびタブ/集電体800を示す。上述の通り、電気的に絶縁された集電体806の層808,812を接続できるが、より安全な溶接804を所定位置に施し、より確実に、またより潜在的に、有効な電力伝達が可能になる。
図21は、複数(ここでは5つ)の折り目856(丸みを帯びるよう、二重に折られている)および集電体826,828,830,832,834(金属化膜層858,860,862,864,866および非金属下層846,848,850,852,854を有する)を有する、複合タブ/複数の集電体構造820示す。上記の層は、直列で接続されており、これにより、単一タブ822を介して、電気的に絶縁した層と接続して、導電性を確立することができる。単一タブ822は、上の集電体826(丸みを帯びるよう、二重に折られている)と導電するよう接続する、溶接824を有する。溶接タブ822は、その位置にとどまることで、信頼性をさらに向上させることができる。
複数の折り目938(丸みを帯びるよう、複数回折られている)および定位置にある集電体列908,910,912,914,916を有する、第2の別の溶接906およびタブ904が、図22に示されている。こうしたタブ/集電体構造900により、対象の電池の重量および体積を増加させる必要なく、上述のように、二つの外部集電体908,916と接続するよう構成された二つのタブ902,904を介して、発電を増加させることができる。上述の、他の集電体の例のように、金属化膜層940,942,944,946,948は、対向する非金属層928,930,932,934,936とともに設けられる。
図23を参照すると、さらにまた別の、非制限的な例として、タブ/集電体構造960、複数回Z字状に折りたたまれた折り目972、およびタブ962が設けられる。これらは(上述の通り)、平行かつ平面状の薄型集電体964,966,968,970(ここでは4つ)に、直列にクランプされる。また、平面上の薄型集電体964,966,968,970(複数の内部ヒューズとして機能)とともに、金属化膜層974,978,982,986および非金属下層976,980,982,984により、累積された直列電力を生成する、別の方法を提供できる。
したがって、図13乃至図23に示した構造により、既存のリチウムバッテリの内部ヒューズ部品に対して、異なる外部接続部を許容することができる。
本発明の詳細を説明したが、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、種々の変形・変更を加えることができるのは、明らかである。それに伴い、本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ、定義される。

Claims (24)

  1. アノードと、
    カソードと、
    前記アノードおよび前記カソードの間に設けられた、少なくとも一つのセパレーターと、
    電解物と、
    前記アノードおよび前記カソードのうち、少なくとも一方に接触する、少なくとも一つの薄膜状の集電体と、
    少なくとも一つの薄膜状の前記集電体に取り付けられた、少なくとも一つのタブと、
    を備え、
    a.前記タブは、接続手段を介して、前記集電体に取り付けられ、
    b.前記接続手段は、前記タブの露出面および薄膜状の前記集電体の間を、電気的に接続し、
    c.前記アノードおよび前記カソードのうち、いずれか一方は、薄膜状の前記集電体の少なくとも一部および前記セパレーターの間に介在し、
    d.前記集電体は、非導電材料基材を覆う導電材を備え;
    e.前記蓄電装置の動作電圧において、短絡時に、前記集電体は伝導を停止し、
    f.電圧は、少なくとも2.0ボルトである、
    ことを特徴とする、蓄電装置。
  2. 前記接続手段は、溶接、テープ、U字くぎ止め、金属帯板、Z字状に折られた金属帯板、導電性接着剤、締め金からなる群より選択される、ことを特徴とする、請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記接続手段は、2個~50個の接続部からなり、該接続部は、電極材から前記タブへ、それぞれ、均一に電流が流れるよう、前記集電体の全体にわたって設けられる、ことを特徴とする、請求項2に記載の蓄電装置。
  4. 前記集電体は、前記集電体の向かい合う面同士が接触するよう、折りたたまれている、ことを特徴とする、請求項1に記載の蓄電装置。
  5. 前記セパレーターは、重合体の、不織布あるいはセラミックである、ことを特徴とする、請求項1に記載の蓄電装置。
  6. 前記非導電材料基材は、重合体フィルムである、ことを特徴とする、請求項1に記載の蓄電装置。
  7. 前記電解物は、可燃性の有機電解物である、ことを特徴とする、請求項1に記載の蓄電装置。
  8. 前記タブは、前記集電体の上面に接触する第1タブと、前記集電体の下面に接触する第2タブとであり、前記第1タブおよび前記第2タブは、互いに平行である、ことを特徴とする、請求項1に記載の蓄電装置。
  9. 前記タブは、前記タブの第1プロングが、前記集電体の上面に接触し、前記タブの第2プロングが、前記集電体の下面に接触するよう、前記集電体に折り重ねられ、
    前記第1プロングおよび前記第2プロングは、互いに平行である、ことを特徴とする、請求項1に記載の蓄電装置。
  10. 前記集電体は、二枚の電気絶縁層を形成するよう、二重折構造を有する、ことを特徴とする、請求項1に記載の蓄電装置。
  11. 前記集電体は、直列接続された複数の集電体であり、前記複数の集電体のうち、最後の集電体は、前記タブに取り付けられている、ことを特徴とする、請求項10に記載の蓄電装置。
  12. 前記複数の集電体のうち、第1集電体に取り付けられた、第2タブをさらに備え、
    前記タブおよび前記第2タブは、互いに平行である、ことを特徴とする、請求項11に記載の蓄電装置。
  13. アノードと、
    カソードと、
    前記アノードおよび前記カソードの間に設けられた、少なくとも一つのセパレーターと、
    電解物と、
    前記アノードおよび前記カソードのうち、少なくとも一方に接触する、少なくとも一つの薄膜状の集電体であって、非導電材料基材を覆う導電材を備え、前記蓄電システムの動作電圧である、少なくとも2.0ボルトの電圧において、短絡時に、伝導を停止する集電体と、
    少なくとも一つの薄膜状の前記集電体に取り付けられた、少なくとも一つのタブと、
    前記タブを前記集電体に取り付けるよう構成された接続手段であって、前記タブの露出面および薄膜状の前記集電体の間を電気的に接続する接続手段と、
    を備え、
    前記アノードおよび前記カソードのうち、いずれか一方は、薄膜状の前記集電体の少なくとも一部および前記セパレーターの間に介在する、ことを特徴とする、蓄電システム。
  14. 前記接続手段は、溶接、テープ、U字くぎ止め、金属帯板、Z字状に折られた金属帯板、導電性接着剤、締め金からなる群より選択される、ことを特徴とする、請求項13に記載の蓄電システム。
  15. 前記接続手段は、電極材から前記タブへ、それぞれ、均一に電流が流れるよう、前記集電体の全体にわたって2個~50個の接続部からなる、ことを特徴とする、請求項14に記載の蓄電システム。
  16. 前記集電体は、前記集電体の向かい合う面同士が接触するよう、折られている、ことを特徴とする、請求項13に記載の蓄電システム。
  17. 前記セパレーターは、重合体の、不織布またはセラミックである、ことを特徴とする、請求項13に記載の蓄電システム。
  18. 前記非導電材料基材は、重合体フィルムである、ことを特徴とする、請求項13に記載の蓄電システム。
  19. 前記電解物は、可燃性の有機電解物である、ことを特徴とする、請求項13に記載の蓄電システム。
  20. 前記タブは、前記集電体の上面に接触する第1タブと、前記集電体の下面に接触する第2タブとであり、前記第1タブおよび前記第2タブは、互いに平行である、ことを特徴とする、請求項13に記載の蓄電システム。
  21. 前記タブは、前記タブの第1プロングが、前記集電体の上面に接触し、前記タブの第2プロングが、前記集電体の下面に接触するよう、前記集電体に折り重ねられ、
    前記第1プロングおよび前記第2プロングは、互いに平行である、ことを特徴とする、請求項13に記載の蓄電システム。
  22. 前記集電体は、二枚の電気絶縁層を形成するよう、二重折構造を有する、ことを特徴とする、請求項13に記載の蓄電システム。
  23. 前記集電体は、直列接続された複数の集電体であり、前記複数の集電体のうち、最後の集電体は、前記タブに取り付けられている、ことを特徴とする、請求項22に記載の蓄電システム。
  24. 前記複数の集電体のうち、第1集電体に取り付けられた、第2タブをさらに備え、
    前記タブおよび前記第2タブは、互いに平行である、ことを特徴とする、請求項23に記載の蓄電システム。
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