JP2024014707A - 光硬化性樹脂組成物及び立体物の製造方法 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物及び立体物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024014707A
JP2024014707A JP2023071495A JP2023071495A JP2024014707A JP 2024014707 A JP2024014707 A JP 2024014707A JP 2023071495 A JP2023071495 A JP 2023071495A JP 2023071495 A JP2023071495 A JP 2023071495A JP 2024014707 A JP2024014707 A JP 2024014707A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
polymerizable compound
photocurable resin
radically polymerizable
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023071495A
Other languages
English (en)
Inventor
千晶 西浦
Chiaki Nishiura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to US18/353,730 priority Critical patent/US20240026163A1/en
Publication of JP2024014707A publication Critical patent/JP2024014707A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

【課題】靱性及び摺動特性が高い物品の造形が可能な、立体造形用の光硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】多官能ラジカル重合性化合物(A)と、単官能ラジカル重合性化合物(B)と、硬化剤(D)と、を含む立体造形用の光硬化性樹脂組成物において、多官能ラジカル重合性化合物(A)のエチレン性不飽和基当量を700g/eq以上7,000g/eq以下とし、多官能ラジカル重合性化合物(A)と単官能ラジカル重合性化合物(B)の合計100質量部に対して、フッ素樹脂粒子(C)を5質量部以上30質量部以下の範囲で添加する。【選択図】なし

Description

本発明は、立体造形用の光硬化性樹脂組成物、及びそれを用いた立体物の製造方法に関する。
液状の硬化性樹脂組成物の用途の一例として、光硬化性樹脂組成物を紫外線等の光によって層毎に硬化させ、それを順次積層することにより、所望の立体物を作製する光学的立体造形法(光造形法)が鋭意研究されている。光造形法は、他の方式に比べて高い精度で造形することができるため、形状確認のための試作品の造形(ラピッドプロトタイピング)にとどまらず、機能性検証のためのワーキングモデルの造形や型の造形(ラピッドツーリング)へと用途が広がってきている。さらに、実製品の造形(ラピッドマニュファクチャリング)にまで広がりつつある。
このような背景から、光硬化性樹脂組成物に対する要求は高度化してきている。例えば、汎用のエンジニアリングプラスチックに匹敵する、高い剛性や靭性などの機械特性を有する物品を造形することができる、光硬化性樹脂組成物が求められている。
特許文献1には、イソシアヌル酸環を有する(メタ)アクリレート化合物と、ポリテトラフルオロエチレンを固体潤滑剤として含む光硬化性樹脂が開示されている。そして、該光硬化性樹脂をステンレス製の円筒スリーブに塗布し、硬化してなるマシナブルライナーにおいて、低い摩擦係数と、耐摩耗性を実現する技術が開示されている。特許文献2には、(メタ)アクリレート化合物と非水溶性界面活性剤を含む光硬化性樹脂を光硬化することで、高い破断伸度と、高いPTFEシートからの離型性を実現する技術が開示されている。
特許5882451号公報 特開2014-159556号公報
光硬化性樹脂組成物を光硬化してなる硬化物においても、用途に応じて、実製品としての適度な靭性だけでなく、低い摩擦係数と高い耐摩耗性を示す摺動特性が望まれる場合がある。しかし、これらの物性を同時に満足する光硬化性樹脂組成物を実現できているとは言い難い。
特許文献1には、高い耐摩耗性を示しているものの、硬化膜の靭性については考慮されておらず、何ら開示がない。また、特許文献2には、離型性が高いことから低い摩擦係数を持つことが推測されるが、耐摩耗性については考慮されておらず、何ら開示がない。
上述の課題を解決するために、本発明では、靱性及び摺動特性が高い物品の造形が可能な、立体造形用の光硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、多官能ラジカル重合性化合物(A)と、単官能ラジカル重合性化合物(B)と、硬化剤(D)と、を含む立体造形用の光硬化性樹脂組成物であって、
前記多官能ラジカル重合性化合物(A)のエチレン性不飽和基当量は700g/eq以上7,000g/eq以下であり、
前記多官能ラジカル重合性化合物(A)と前記単官能ラジカル重合性化合物(B)との合計100質量部中、前記多官能ラジカル重合性化合物(A)の含有量が20質量部以上75質量部以下であり、
前記多官能ラジカル重合性化合物(A)と前記単官能ラジカル重合性化合物(B)の合計100質量部に対して、フッ素樹脂粒子(C)を5質量部以上30質量部以下含有し、
前記フッ素樹脂粒子(C)の平均粒子径は、50μm以下であることを特徴とする。
また、本発明の硬化物は、上記本発明の光硬化性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とし、本発明の立体物の製造方法は、光造形法を用いた立体物の製造方法であって、
光硬化性樹脂組成物を層状に配置する工程と、
造形モデルのスライスデータに基づいて、層状の前記光硬化性樹脂組成物に光エネルギーを照射して硬化させる工程と、を含み、
前記光硬化性樹脂組成物が、上記本発明の光硬化性樹脂組成物であることを特徴とする。
光造形法を用いた立体物の製造方法において、本発明にかかる光硬化性樹脂組成物を用いることにより、靱性及び摺動特性に優れた立体物を提供することができる。
光造形装置の構成例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。尚、以下に説明する実施形態は、本発明の実施形態の一つに過ぎず、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
<多官能ラジカル重合性化合物(A)>
本発明の立体造形用の光硬化性樹脂組成物(単に「硬化性樹脂組成物」或いは「樹脂組成物」と記述する場合がある)に含まれる多官能ラジカル重合性化合物(A)は、分子内に2個以上のラジカル重合性官能基を有する化合物である。ラジカル重合性官能基としては、例えば、エチレン性不飽和基が挙げられ、具体的には、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、などが挙げられる。よって、多官能ラジカル重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリレート系化合物、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物、(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート系化合物、(メタ)アクリルアミド系化合物、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、マレイミド系化合物、ビニルエーテル系化合物、芳香族ビニル系化合物などが挙げられる。中でも、入手容易性と硬化性の観点から、(メタ)アクリレート系化合物、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物が好ましい。
また、本発明の多官能ラジカル重合性化合物(A)としては、合成が容易であり入手し易く、得られる硬化物の靭性が高いという点で、ウレタン構造を有するウレタン(メタ)アクリレート系化合物が好ましく用いられる。
また、ポリエーテル構造を有する多官能ラジカル重合性化合物(A)は、粘度が低く、造形時における液切れが良く、精度の高い硬化物が得られるという点で好ましい。また、ポリエステル構造、或いは、ポリカーボネート構造を有する多官能ラジカル重合性化合物は、靱性の高い硬化物が得られるという点で好ましい。よって、多官能ラジカル重合性化合物(A)としては、ポリエーテル構造、ポリエステル構造、ポリカーボネート構造のいずれかを有する、(メタ)アクリレート系化合物又はウレタン(メタ)アクリレート系化合物が好ましい。
多官能ラジカル重合性化合物(A)は、上記の化合物から選択される1種類の化合物であっても良いし、2種類以上を含有するものであっても良い。本発明における多官能ラジカル重合性化合物(A)とは、光硬化性樹脂組成物に含まれる1種或いは複数種の多官能ラジカル重合性化合物を、まとめて指す呼称である。
ウレタン構造を有する(メタ)アクリレート系化合物には、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物と、多価イソシアネート系化合物との反応によって得られるものが挙げられる。他に、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物と、多価イソシアネート系化合物と、ポリオール系化合物との反応によって得られるものが挙げられる。中でも、高い靱性を実現できる点から、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物と、多価イソシアネート系化合物と、ポリオール系化合物とを反応させてなるものが特に好ましい。
前記水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、脂肪酸変性-グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイル-オキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合せて用いてもよい。
前記多価イソシアネート系化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環式系ポリイソシアネート、或いはこれらポリイソシアネートの3量体化合物又は多量体化合物、アロファネート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、水分散型ポリイソシアネート等が挙げられる。これら多価イソシアネート系化合物は単独で用いても、2種以上を組み合せて用いてもよい。
前記ポリオール系化合物としては、例えば、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、(メタ)アクリル系ポリオール、ポリシロキサン系ポリオール等が挙げられる。これらのポリオール系化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合せて用いてもよい。
ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等のアルキレン構造含有ポリエーテル系ポリオールや、これらポリアルキレングリコールのランダム或いはブロック共重合体等が挙げられる。
ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物、環状エステル(ラクトン)の開環重合物、多価アルコール、多価カルボン酸及び環状エステルの3種類の成分による反応物などが挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4-テトラメチレンジオール、1,3-テトラメチレンジオール、2-メチル-1,3-トリメチレンジオール、1,5-ペンタメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサメチレンジオール、3-メチル-1,5-ペンタメチレンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタメチレンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、シクロヘキサンジオール類(1,4-シクロヘキサンジオールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、糖アルコール類(キシリトールやソルビトールなど)などが挙げられる。
前記多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
前記環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、β-メチル-δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトンなどが挙げられる。
ポリカーボネート系ポリオールとしては、例えば、多価アルコールとホスゲンとの反応物、環状炭酸エステル(アルキレンカーボネートなど)の開環重合物などが挙げられる。
前記多価アルコールとしては、前記ポリエステル系ポリオールの説明中で例示した多価アルコール等が挙げられる。前記アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、ヘキサメチレンカーボネートなどが挙げられる。
尚、ポリカーボネート系ポリオールは、分子内にカーボネート結合を有し、末端がヒドロキシル基である化合物であればよく、カーボネート結合と共にエステル結合を有していてもよい。
ポリエーテル構造、ポリエステル構造、及び、ポリカーボネート構造のいずれか1つを有する多官能ラジカル重合性化合物(A)は、例えば前記のポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、及びポリカーボネート系ポリオールのいずれか1つと、(メタ)アクリル酸塩化物或いは(メタ)アクリル酸化合物と反応させてなるもの等が挙げられる。
本発明では、光硬化性樹脂組成物に含まれる多官能ラジカル重合性化合物(A)のエチレン性不飽和基当量を700g/eq以上7,000g/eq以下とする。光硬化性樹脂組成物に含まれる多官能ラジカル重合性化合物(A)が単一の化合物である場合は、エチレン性不飽和基当量が700g/eq以上7,000g/eq以下の多官能ラジカル重合性化合物を用いる。ここで言うエチレン性不飽和基当量とは、多官能ラジカル重合性化合物の重量平均分子量(Mw)を一分子中のエチレン性不飽和基の数で除した値である。エチレン性不飽和基当量が大きいほど、光硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の架橋密度が小さくなり、得られる硬化物の靭性は向上する。光硬化性樹脂組成物が複数種類の多官能ラジカル重合性化合物を含む場合、多官能ラジカル重合性化合物(A)のエチレン性不飽和基当量は、それぞれの多官能ラジカル重合性化合物のエチレン性不飽和基当量を光硬化性樹脂組成物に含有される質量比で加重平均して算出することができる。そして、その値が700g/eq以上7,000g/eq以下となる比率で、複数種類の多官能ラジカル重合性化合物を混合して用いる。光硬化性樹脂組成物が複数種類の多官能ラジカル重合性化合物を含む場合、エチレン性不飽和基当量が700g/eq以上7,000g/eq以下の多官能ラジカル重合性化合物と、エチレン性不飽和基当量が700g/eq未満の多官能ラジカル重合性化合物との混合物であることが好ましい。
多官能ラジカル重合性化合物(A)のエチレン性不飽和基当量が大きいほど、靭性に優れた硬化物が得られるが、架橋密度は低下し、耐熱性や弾性率の低下を招く。よって、エチレン性不飽和基当量を7,000g/eq以下とすることで、架橋密度を適度な範囲とし、耐熱性、弾性率が良好な硬化物を得ることができる。本発明に係る硬化物は、光硬化性樹脂組成物を硬化した後、加熱処理を施す場合もあり、エチレン性不飽和基当量を7,000g/eq以下とすることで、係る加熱処理の際に変形を起こしにくい。また、硬化物に力が加わっても変形が起こりにくく、高い形状安定性が得られる。
一方、多官能ラジカル重合性化合物(A)のエチレン性不飽和基当量を700g/eq以上とすることで、光硬化後の硬化物の架橋密度を適度な範囲に抑えることができる。その結果、良好な靭性が得られ、硬化物を他の部品に嵌合させたりねじ止めしたりする際や、ねじ穴を設けるなどの機械加工の際に硬化物が割れにくくなる。
従って、多官能ラジカル重合性化合物(A)のエチレン性不飽和基当量は700g/eq以上7,000g/eq以下であり、得られる硬化物の靭性と形状安定性に優れる点で、700g/eq以上4,000g/eq以下が好ましい。
尚、本発明に係る多官能ラジカル重合性化合物(A)の重量平均分子量(Mw)は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量である。重量平均分子量は、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定することができる。例えば、東ソー社製、高速GPC装置「HLC-8220GPC」に、カラム:Shodex GPCLF-804(排除限界分子量:2×106、分離範囲:300乃至2×106)2本を直列に接続して、測定することができる。
本発明にかかる光硬化性樹脂組成物に含まれる多官能ラジカル重合性化合物(A)の量は、多官能ラジカル重合性化合物(A)と後述する単官能ラジカル重合性化合物(B)との合計100質量部中、20質量部以上75質量部以下である。多官能ラジカル重合性化合物(A)の含有量が20質量部以上であれば、光硬化性樹脂組成物の硬化性と良好な靭性を有する硬化物を得ることができる。一方、多官能ラジカル重合性化合物(A)の含有量が75質量部以下であれば、光造形法に適した粘度の光硬化性樹脂組成物を得ることができる。好ましくは、多官能ラジカル重合性化合物(A)と後述する単官能ラジカル重合性化合物(B)との合計100質量部中、多官能ラジカル重合性化合物(A)は30質量部以上75質量部以下、さらに好ましくは40質量部以上65質量部以下である。
<単官能ラジカル重合性化合物(B)>
単官能ラジカル重合性化合物(B)は、分子内に1つのラジカル重合性官能基を有する化合物である。本発明にかかる光硬化性樹脂組成物が単官能ラジカル重合性化合物(B)を含有することで、光硬化性樹脂組成物を立体造形に好適な粘度範囲に調整することが可能となる。また、単官能ラジカル重合性化合物(B)の添加量を調整したり種類を適切に選択したりすることで、光硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の機械特性を、所望の範囲に調整することもできる。
単官能ラジカル重合性化合物(B)としては、アクリルアミド系化合物、(メタ)アクリレート系化合物、マレイミド系化合物、スチレン系化合物、アクリロニトリル系化合物、ビニルエステル系化合物、N-ビニル系化合物、共役ジエン系化合物、ビニルケトン系化合物、ハロゲン化ビニル系化合物、ハロゲン化ビニリデン系化合物などが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。中でもアクリルアミド系化合物、(メタ)アクリレート系化合物、マレイミド系化合物、N-ビニル系化合物は、光硬化性樹脂組成物の硬化性と得られる硬化物の機械特性とが優れる点で、特に好ましい。
アクリルアミド系化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-tert-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-フェニル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジブチル(メタ)アクリルアミド、N-(メタ)アクリロイルモルフォリン、N-(メタ)アクリロイルピペリジン、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N-tert-オクチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、i-オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-1-アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5-ジヒドロキシ-1-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-イソプロピル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3-メチル-3-オキセタニル-メチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェニルグリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、フェニルセロソルブ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルフォスフェート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H,オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレートエピクロロヒドリン変性ブチル(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン変性フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性フタル酸(メタ)アクリレート、EO変性コハク酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸(メタ)アクリレート、アリルオキシアクリル酸メチル(製品名:AO-MA、日本触媒社製)、イミド基を有する(メタ)アクリレート類(製品名:M-140、東亞合成社製)、シロキサン構造を有する単官能(メタ)アクリレート類、などが挙げられる。
マレイミド系化合物としては、例えば、マレイミド、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、N-プロピルマレイミド、N-ブチルマレイミド、N-ヘキシルマレイミド、N-オクチルマレイミド、N-ドデシルマレイミド、N-ステアリルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられる。
N-ビニル系化合物としては、例えば、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルイミダゾール、N-ビニルモルフォリン、N-ビニルアセトアミドなどが挙げられる。
その他の単官能ラジカル重合性化合物として、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩、などのスチレン誘導体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどのビニルエステル類、(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物などが挙げられる。
これらの単官能ラジカル重合性化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合せて用いてもよい。
本発明にかかる光硬化性樹脂組成物が含有する単官能ラジカル重合性化合物(B)の量は、多官能ラジカル重合性化合物(A)と単官能ラジカル重合性化合物(B)との合計100質量部中、25質量部以上80質量部以下である。好ましくは25質量部以上70質量部以下であり、さらに好ましくは35質量部以上60質量部以下である。単官能ラジカル重合性化合物(B)の割合が25質量部以上であれば、立体造形に好適な粘度を得ることができる。また、単官能ラジカル重合性化合物(B)の割合が80質量部以下であれば、光硬化性樹脂組成物の硬化性として得られる硬化物の靭性が、実製品として利用し得る範囲を満たすことができる。
<フッ素樹脂粒子(C)>
フッ素樹脂粒子(C)は、粒子の全体或いは一部にフッ素樹脂を有し、光硬化性樹脂組成物中で粒子の形状を維持するものを用いる。フッ素樹脂粒子(C)は、多官能ラジカル重合性化合物(A)と単官能ラジカル重合性化合物(B)の混合物に実質溶解しないものが特に好ましい。溶解しないものは摺動特性の高いフッ素樹脂粒子(C)を固体潤滑剤として硬化物中に含有させることができるため、得られる硬化物は、高い耐摩耗性と低い摩擦係数を示す。ここで、「実質溶解しない」とは、フッ素樹脂粒子(C)の平均粒子径が、多官能ラジカル重合性化合物(A)と単官能ラジカル重合性化合物(B)に混合して時間が経過しても減少しないことを表す。
フッ素樹脂粒子(C)は、粒子の一部にフッ素樹脂を含有していればよいが、摺動特性向上の観点では、粒子に含まれるフッ素樹脂を、粒子の表面に有しているものが、特に好ましい。具体的には、全体がフッ素樹脂で構成されている粒子や、シェルがフッ素樹脂で構成されているコアシェル型粒子である。
フッ素樹脂以外の材料を含むフッ素樹脂粒子(C)のフッ素樹脂含有量は、粒子の表面にフッ素樹脂が露出すれば、硬化物は高い耐摩耗性と低い摩擦係数を示すと推測されることより、粒子全体の50質量%以上が好ましく、80%質量以上が特に好ましい。
本発明に係るフッ素樹脂粒子(C)は、フッ素を含むオレフィンを重合したものであり、単独のオレフィンの単独重合体(ホモポリマー)であっても、複数のオレフィンの共重合体(コポリマー)であっても構わない。共重合体としては、フッ素を含まないオレフィンとフッ素を含むオレフィンの共重合体と、フッ素を含む複数のオレフィンの共重合体に分類されるが、重合体中のフッ素の数が多いほど摺動特性に優れることから、フッ素を含む複数のオレフィン共重合体が好ましい。また、単独重合体としては、オレフィン中の水素が部分的に残る部分フッ素樹脂と、完全にフッ素で置換した完全フッ素樹脂に分類されるが、重合体に含まれるフッ素の数が多いほど摺動特性に優れることから、完全フッ素樹脂のほうが好ましい。
本発明のフッ素樹脂粒子(C)の例として、四フッ化エチレン重合体、三フッ化塩化エチレン重合体、フッ化ビニリデン重合体、フッ化ビニル重合体、三フッ化塩化エチレン-エチレン共重合体、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン-パーフルオロジオキシソール共重合体、四フッ化エチレン-パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン-六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレン-パーフルオロ[2-(フルオロスルホニルエトキシ)プロピルビニルエーテル]共重合体、四フッ化エチレン-エチレン共重合体、四フッ化エチレン-プロピレン共重合体などが挙げられる。分子内に含むフッ素の数が多いほど摺動特性に優れることから、四フッ化エチレン重合体、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体が好ましい。本発明では、単独のフッ素樹脂粒子を使用しても、2種類以上のフッ素樹脂粒子を併用してもよい。
本発明にかかる光硬化性樹脂組成物に含まれるフッ素樹脂粒子(C)の平均粒子径は、50μm以下である。光造形法では、200μm以下の層厚単位で積層されることが多いため、平均粒子径50μm以下であれば、層内のフッ素樹脂粒子(C)の分布にムラが生じる可能性が少ない。また、フッ素樹脂粒子(C)平均粒子径が0.5μm以上であれば、光硬化性樹脂組成物の粘度の著しい上昇が生じにくい。従って、フッ素樹脂粒子(C)の平均粒子径は、0.5μm以上50μm以下が好ましく、入手が容易であることから、0.5μm以上20μm以下がより好ましい。
ここで、フッ素樹脂粒子(C)の平均粒子径は、光散乱法(レーザー回折/散乱法)による球相当径の体積頻度累積が50%の値をいう。光散乱法の具体的な測定原理は、次の通りである。
光散乱法(レーザー回折/散乱法)は、溶液、又は気体中に分散された粒子試料中をレーザー光が通過する際に散乱する光の強度の角度依存性を測定することで、球相当径の分布を測定できる。例えば、大きい粒子であるほど、レーザー光に対して小さい角度で光が散乱し、小さい粒子であるほど大きな角度で光が散乱する。
散乱光の角度ごとのデータを測定し、得られた散乱パターンから、光散乱のMie理論を使用して球相当径の体積頻度分布を得ることができる。
具体的な測定方法は、例えば、次の通りである。先ず、フッ素樹脂粒子1mgを、イソプロパノール20mlに加える。その後、超音波分散器で約3分間分散処理を行い、試料を調製する。光散乱法(レーザー回折/散乱法)の粒子径分布測定装置として、例えば堀場製作所製Partica LA-950を用いることができる。光散乱法(レーザー回折/散乱法)の測定装置でフッ素樹脂粒子の球相当径の体積頻度を測定し、体積頻度の累積が50%の値(一般的にメディアン径やD50と呼ばれる)を求める。
光硬化性樹脂組成物は、単一種類のフッ素樹脂粒子(C)を含んでいてもよいし、平均粒子径や材料が互いに異なる複数種類のフッ素樹脂を含有する粒子(C)を含んでいてもよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物においては、フッ素樹脂粒子(C)を、多官能ラジカル重合性化合物(A)と単官能ラジカル重合性化合物(B)の合計100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下含有する。好ましくは10質量部以上20質量部以下である。フッ素樹脂粒子(C)の含有量がこの範囲にあれば、光造形法に好適な粘度が得られ、光硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の摩擦係数と耐摩耗性も良好である。
<硬化剤(D)>
硬化剤(D)としては、光ラジカル重合開始剤を用いることが好ましく、該光ラジカル重合開始剤に加えて熱ラジカル重合開始剤を含有してもよい。光硬化性樹脂組成物が熱ラジカル重合開始剤を含有することで、光照射による硬化後に熱処理を施すことで重合反応を進め、硬化物の機械特性をより高めることができる。
[光ラジカル重合開始剤]
光ラジカル重合開始剤は、主に分子内開裂型と水素引抜き型に分類される。分子内開裂型では、特定波長の光を吸収することで、特定の部位の結合が切断され、その切断された部位にラジカルが発生し、それが重合開始剤となり多官能ラジカル重合性化合物(A)と単官能ラジカル重合性化合物(B)の重合が始まる。水素引き抜き型では、特定波長の光を吸収し励起状態になり、その励起種が周囲にある水素供与体から水素引き抜き反応を起こし、ラジカルが発生する。そして、発生したラジカルが重合開始剤となって、多官能ラジカル重合性化合物(A)と単官能ラジカル重合性化合物(B)の重合が始まる。本発明では、光ラジカル重合開始剤を2種類以上併用してもよいが、単独で用いてもよい。
分子内開裂型光ラジカル重合開始剤としては、アルキルフェノン系光ラジカル重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤、オキシムエステル系光ラジカル重合開始剤が知られている。これらはカルボニル基に隣接した結合がα開裂して、ラジカル種を生成するタイプのものである。
アルキルフェノン系光ラジカル重合開始剤としては、ベンジルメチルケタール系光ラジカル重合開始剤、α-ヒドロキシアルキルフェノン系光ラジカル重合開始剤、アミノアルキルフェノン系光ラジカル重合開始剤等がある。具体的な化合物としては、例えば、ベンジルメチルケタール系光ラジカル重合開始剤としては、2,2’-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(イルガキュア(R)651、BASF社製)等があり、α-ヒドロキシアルキルフェノン系光ラジカル重合開始剤としては、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン(ダロキュア(R)1173、BASF社製)、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア(R)184、BASF社製)、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(イルガキュア(R)2959、BASF社製)、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン(イルガキュア(R)127、BASF社製)等があり、アミノアルキルフェノン系光ラジカル重合開始剤としては、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(イルガキュア(R)907、BASF社製)、2-ベンジルメチル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-1-ブタノン(イルガキュア(R)369、BASF社製)等があるが、これに限定されることはない。
アシルホスフィンオキサイド系光ラジカル重合開始剤としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(ルシリン(R)TPO、BASF社製)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド(Omnirad(R)819、IGM Resins社製)等があるが、これに限定されることはない。
オキシムエステル系光ラジカル重合開始剤としては、(2E)-2-(ベンゾイルオキシイミノ)-1-[4-(フェニルチオ)フェニル]オクタン-1-オン(イルガキュア(R)OXE-01、BASF社製)等が挙げられるが、これに限定されることはない。
水素引き抜き型光ラジカル重合開始剤としては、2-エチル-9,10-アントラキノン、2-t-ブチル-9,10-アントラキノン等のアントラキノン誘導体、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体が挙げられるが、これに限定されることはない。
光硬化性樹脂組成物に含まれる光ラジカル重合開始剤の添加量としては、多官能ラジカル重合性化合物(A)と単官能ラジカル重合性化合物(B)の合計100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上15質量部以下である。係る範囲で添加することにより、十分な重合を均一に行うことができ、光透過性の高い硬化物を得ることができる。より好ましくは0.1質量部以上10質量部以下である。
[熱ラジカル重合開始剤]
熱ラジカル重合開始剤としては、加熱によりラジカルを発生するものであれば特に制限されず従来既知の化合物を用いることが可能であり、例えば、アゾ系化合物、過酸化物及び過硫酸塩等を好ましいものとして例示することができる。
アゾ系化合物としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(メチルイソブチレ-ト)、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、1,1’-アゾビス(1-アセトキシ-1-フェニルエタン)等が挙げられる。
過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシピバレート及びジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
過硫酸塩としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤の添加量としては、多官能ラジカル重合性化合物(A)と単官能ラジカル重合性化合物(B)の合計100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上15質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上10質量部以下である。係る範囲で熱ラジカル重合開始剤を用いることにより、適度な分子量で良好な物性の硬化物を得ることができる。
<その他の成分>
本発明の光硬化性樹脂組成物には、本発明の目的、効果を損なわない範囲において、その他の任意成分として各種の添加剤が含有されていてもよい。添加剤の例としては、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリエステル、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、ポリシロキサン、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂などの樹脂、或いはポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニルスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのエンジニアリングプラスチック、フッ素系オリゴマー、シリコン系オリゴマー、ポリスルフィド系オリゴマー、フッ素含有モノマー、シロキサン構造含有モノマーなど反応性モノマー、金、銀、鉛などの軟質金属、黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化リチウム、窒化ケイ素、セレン化モリブデンなどの層状結晶構造物質、フェノチアジン、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール等の重合禁止剤、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物、3級アミン化合物、及びキサントン化合物などの光増感剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、無機充填剤、顔料、染料、酸化防止剤、難燃剤、増粘剤、消泡剤等を挙げることができる。
<光硬化性樹脂組成物の製造>
本発明の光硬化性樹脂組成物は、必須成分である多官能ラジカル重合性化合物(A)、単官能ラジカル重合性化合物(B)、フッ素樹脂粒子(C)、及び硬化剤(D)に、必要に応じてその他の任意成分を適量添加して製造される。具体的には、これらの成分を攪拌容器に仕込み、通常、30℃以上120℃以下、好ましくは50℃以上100℃以下で攪拌することにより製造することができる。その際の攪拌時間は、通常1分以上6時間以下、好ましくは10分以上2時間以下である。多官能ラジカル重合性化合物(A)、単官能ラジカル重合性化合物(B)、フッ素樹脂粒子(C)の合計の含有量は、硬化剤(D)を除いた光硬化性樹脂組成物100質量部中、25質量部以上100質量部以下が好ましい。
さらに好ましくは75質量部以上100質量部以下である。即ち、硬化剤(D)を除いた光硬化性樹脂組成物100質量部中、75質量部以下、好ましくは25質量部以下の範囲で、上記必須成分以外の、その他の成分を含有しても良い。
本発明の光硬化性樹脂組成物の25℃における粘度は、好ましくは50mPa・s以上30,000mPa・s以下であり、より好ましくは50mPa・s以上10,000mPa・s以下である。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光造形法の造形用材料として好適に使用される。即ち、本発明の光硬化性樹脂組成物に、造形する物品(造形モデル)の三次元形状データから生成されたスライスデータに応じて光エネルギー線を照射し、硬化に必要なエネルギーを供給することにより、所望の形状の物品を製造することができる。
<硬化物>
本発明の硬化物は、前述の光硬化性樹脂組成物を、光エネルギー線照射を用いて硬化せしめることで得ることができる。光エネルギー線としては、紫外線・赤外線などを挙げることができる。中でも、汎用性があるため入手が容易で、光ラジカル重合開始剤にエネルギーが吸収されやすいことから、300nm以上450nm以下の波長を有する光線を好ましく用いることができる。光エネルギー線の光源として、紫外線又は赤外線レーザー(例えばArレーザー、He-Cdレーザーなど)、水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯などを使用することができる。中でも、レーザー光源が、エネルギーレベルを高めることで造形時間を短縮することができ、しかも集光性に優れるため、照射径を小さくして高い造形精度を得ることができるため、好ましく採用される。光エネルギー線は、光硬化性樹脂組成物が含有するラジカル重合開始剤の種類に合わせて適宜選択することができ、複数組み合わせて用いることもできる。
<光硬化性樹脂組成物の機能>
本発明の光硬化性樹脂組成物は、多官能ラジカル重合性化合物(A)のエチレン性不飽和基当量が700g/eq以上7,000g/eq以下であるため、硬化後の硬化物が良好な靭性と形状安定性を有する。本発明において、JIS K 7111に従って測定したシャルピー衝撃強さが1.0kJ/m2以上の場合を良好な靭性とし、シャルピー衝撃強さが3.0kJ/m2以上の場合を優れた靭性とする。試験片の靭性が1.0kJ/m2以上であれば、硬化物を他の部材にはめ込んだり、二次加工を施したりする際に、硬化物が破損しにくい。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物は、フッ素樹脂粒子(C)を含んでいるため、摩擦係数が低く、高い耐摩耗性を有する。硬化物の比摩耗量は、1.0mm3・N-1・Km-1未満であることが好ましく、0.5mm3・N-1・Km-1未満であることがより好ましい。また、硬化物の摩擦係数は、1.0未満であることが好ましく、0.5未満であることがより好ましい。
<立体物の製造方法>
本発明の光硬化性樹脂組成物は、硬化剤(D)として光ラジカル重合開始剤等の光重合開始剤を含有することで、光造形法に用いる造形用材料として好適である。言い換えると、本発明にかかる光硬化性樹脂組成物からなる硬化物は、公知の光造形法を使用して立体物として製造することができる。光造形法を用いた立体物の製造方法は、光硬化性樹脂組成物を所定の厚さの層状に配置する工程と、造形モデルのスライスデータに基づいて、前記光硬化性樹脂組成物に光エネルギーを照射して硬化させる工程とを含む。光造形法を用いた立体物の製造方法は、光エネルギーの照射によって得られた硬化物に、熱処理を施す工程をさらに含むことが好ましい。照射に用いる光エネルギーは、レーザー光又はプロジェクターから照射される光が好ましい。好ましい光造形法の代表例には、大きく分けて自由液面法と規制液面法の2種類がある。
図1に、自由液面法を用いた光造形装置100の構成例を示す。光造形装置100は、液状の光硬化性樹脂組成物10を満たした槽11を有している。槽11の内側には、造形ステージ12が、駆動軸13によって鉛直方向に駆動可能に設けられている。光源14から射出された光エネルギー線15は、スライスデータに従って制御部18によって制御されるガルバノミラー16で照射位置が変更され、槽11の表面を走査することが可能である。図1では、光エネルギー線15の走査範囲を太い破線で示している。
光エネルギー線15によって硬化される光硬化性樹脂組成物10の厚さdは、スライスデータの生成時の設定に基づいて決まる値で、得られる立体物17の精度(造形する物品の三次元形状データの再現性)に影響を与える。厚さdは、制御部18が駆動軸13の駆動量を制御することによって達成される。
先ず、制御部18が設定に基づいて駆動軸13を制御し、造形ステージ12の上に厚さdの光硬化性樹脂組成物が供給される。造形ステージ12上の液状の光硬化性樹脂組成物に、スライスデータに基づいて光エネルギー線が選択的に照射され、所望のパターンを有する硬化層が形成される。次いで、造形ステージ12を白抜きの矢印の方向に移動させることによって、硬化層の表面に厚さdの未硬化の光硬化性樹脂組成物が供給される。そして、スライスデータに基づいて光エネルギー線15が照射され、先に形成した硬化層と一体化した硬化物が形成される。このように所定の厚さdで硬化された硬化層を積層する工程を繰り返すことによって立体的な立体物17を得ることができる。
このようにして得られる立体物17を槽11から取り出し、その表面に残存する未反応の光硬化性樹脂組成物を除去した後、必要に応じて洗浄や後加工が施される。洗浄に用いられる洗浄剤には、イソプロピルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類に代表されるアルコール系有機溶剤を用いることができる。他に、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等に代表されるケトン系有機溶剤や、テルペン類に代表される脂肪族系有機溶剤を用いても良い。洗浄剤で洗浄した後に、必要に応じて後加工が行われる。例えば、光照射及び/又は熱照射によるポストキュアを行っても良い。ポストキュアは、硬化物の表面及び内部に残存する未反応の光硬化性樹脂組成物を硬化させることができ、立体物の表面のべたつきを抑えることができる他、立体物の初期強度を向上させることができる。後加工として、サポート体の除去、表面の研磨、ねじ穴を設けるなどの形状加工などを行っても良い。
製造に用いる光エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、放射線などを挙げることができる。中でも、300nm以上450nm以下の波長を有する紫外線は汎用性が高く比較的安価に入手が可能であるため、好ましく用いられる。紫外線を発生させる光源としては、紫外線レーザー(例えばArレーザー、He-Cdレーザーなど)、水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯などを使用することができる。なかでも、レーザー光源は、集光性に優れ、エネルギーレベルを高めて造形時間を短縮することができ、高い造形精度を得ることができるため好ましく採用される。
所定の厚みになるように配置された光硬化性樹脂組成物に光エネルギー線を照射するに当たっては、前述したように、点状或いは線状に絞られた光エネルギー線を使用して、点描方式又は線描方式で樹脂を硬化させることができる。他に、液晶シャッター又はデジタルマイクロミラーシャッターなどのような微小光シャッターを複数配列して形成した面状描画マスクを通して、光エネルギー線を面状に照射して樹脂を硬化させてもよい。
自由液面法と同様に、規制液面法による造形も好ましい。規制液面法を用いる光造形装置は、図1の光造形装置100の造形ステージ12に相当する支持ステージが立体物を液面の上方に引き上げるように設けられ、光照射手段が槽11の下方に設けられた構成となる。規制液面法の代表的な造形例は、次の通りである。先ず、昇降自在に設けられた支持ステージの支持面と光硬化性樹脂組成物を収容した槽の底面とが所定の距離となるように設置され、支持ステージの支持面と槽の底面との間に所定の厚さdで光硬化性樹脂組成物が供給される。次いで、光硬化性樹脂組成物を収容した槽の底面側から、レーザー光源或いは、プロジェクターによって、ステージ支持面と槽の底面との間の光硬化性樹脂組成物のスライスデータに応じた領域に、選択的に光が照射される。光の照射により、ステージ支持面と槽の底面との間の光硬化性樹脂組成物が硬化し、光硬化性樹脂組成物の硬化層が形成される。その後、支持ステージを上昇させて、硬化層を槽の底面から引き剥がす。
次いで、支持ステージの上に形成された硬化層と槽の底面との間が所定の距離dとなるように支持ステージの高さを調整して、支持ステージの支持面と槽の底面との間に所定の厚さdで光硬化性樹脂組成物を供給する。そして、先ほどと同様に選択的に光を照射することによって、硬化層と槽の底面との間に、先に形成した硬化層と接合した硬化層を新たに形成する。そして、光照射されるパターンをスライスデータに応じて変化させながら或いは変化させずに、この工程を所定回数繰り返すことにより、複数の硬化層が一体的に積層されてなる立体物が形成される。
<用途>
本発明に係る光硬化性樹脂組成物及びその硬化物である立体物の用途は特に限定はされない。例えば、光硬化性樹脂組成物は光造形法の3Dプリンターの造形用材料として、硬化物はスポーツ用品、医療・介護用品、義肢・義歯・義骨などの特注品、産業用機械・機器、精密機器、電気・電子機器、電気・電子部品、建材用品等の様々な製品に利用可能である。
<含まれる構成>
本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
(構成1)多官能ラジカル重合性化合物(A)と、単官能ラジカル重合性化合物(B)と、硬化剤(D)と、を含む立体造形用の光硬化性樹脂組成物であって、
前記多官能ラジカル重合性化合物(A)のエチレン性不飽和基当量は700g/eq以上7,000g/eq以下であり、
前記多官能ラジカル重合性化合物(A)と前記単官能ラジカル重合性化合物(B)との合計100質量部中、前記多官能ラジカル重合性化合物(A)の含有量が20質量部以上75質量部以下であり、
前記多官能ラジカル重合性化合物(A)と前記単官能ラジカル重合性化合物(B)の合計100質量部に対して、フッ素樹脂粒子(C)を5質量部以上30質量部以下含有し、
前記フッ素樹脂粒子(C)の平均粒子径は、50μm以下であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
(構成2)前記多官能ラジカル重合性化合物(A)は、単一の多官能ラジカル重合性化合物であることを特徴とする構成1に記載の光硬化性樹脂組成物。
(構成3)前記多官能ラジカル重合性化合物(A)は、複数種類の多官能ラジカル重合性化合物を含む混合物であり、且つそれぞれのエチレン性不飽和基当量を質量比で加重平均したエチレン性不飽和基当量が700g/eq以上7,000g/eq以下であることを特徴とする構成1又は2に記載の光硬化性樹脂組成物。
(構成4)前記多官能ラジカル重合性化合物(A)が、エチレン性不飽和基当量が700g/eq以上7,000g/eq以下の多官能ラジカル重合性化合物と、エチレン性不飽和基当量が700g/eq未満の多官能ラジカル重合性化合物との混合物であることを特徴とする構成3に記載の光硬化性樹脂組成物。
(構成5)前記多官能ラジカル重合性化合物(A)が、ポリエーテル構造、ポリエステル構造、ポリカーボネート構造のいずれかを有する、(メタ)アクリレート系化合物又はウレタン(メタ)アクリレート系化合物であることを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
(構成6)前記フッ素樹脂粒子(C)の平均粒子径は、0.5μm以上であることを特徴とする構成1乃至5のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
(構成7)前記フッ素樹脂粒子(C)の平均粒子径は、0.5μm以上20μm以下であることを特徴とする構成6に記載の光硬化性樹脂組成物。
(構成8)前記単官能ラジカル重合性化合物(B)が、アクリルアミド系化合物、(メタ)アクリレート系化合物、マレイミド系化合物、N-ビニル化合物の中から選ばれることを特徴とする構成1乃至7のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
(構成9)前記硬化剤(D)は、少なくとも光ラジカル重合開始剤であることを特徴とする構成1乃至8のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
(構成10)構成1乃至9のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする硬化物。
(構成11)比摩耗量が1.0mm3・N-1・Km-1未満であることを特徴とする構成10に記載の硬化物。
(構成12)摩擦係数が1.0未満であることを特徴とする構成10又は11に記載の硬化物。
(構成13)光造形法を用いた立体物の製造方法であって、
光硬化性樹脂組成物を層状に配置する工程と、
造形モデルのスライスデータに基づいて、層状の前記光硬化性樹脂組成物に光エネルギーを照射して硬化させる工程と、を含み、
前記光硬化性樹脂組成物が、構成1乃至9のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物であることを特徴とする立体物の製造方法。
(構成14)前記光硬化性樹脂組成物に光エネルギーの照射する工程の後に、熱処理を施す工程をさらに含むことを特徴とする構成13に記載の立体物の製造方法。
(構成15)前記光エネルギーは、レーザー光源又はプロジェクターから照射される光であることを特徴とする構成13又は14に記載の立体物の製造方法。
以下に本発明を詳しく説明するために実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<成分>
実施例、比較例で用いた成分は以下の通りである。
[多官能ラジカル重合性化合物(A)]
実施例、比較例で用いた多官能ラジカル重合性化合物(A)を表1に示す。尚、A-3は、ウレタンアクリレートが70質量部と、後述するB-3が30質量部の混合物であるが、表1では、ウレタンアクリレートのみについて記載した。
Figure 2024014707000001
[単官能ラジカル重合性化合物(B)]
実施例、比較例で用いた単官能ラジカル重合性化合物(B)を表2に示す。
Figure 2024014707000002
[フッ素樹脂粒子(C)]
実施例、比較例で用いたフッ素樹脂粒子(C)を表3に示す。
Figure 2024014707000003
(平均粒子径の測定方法)
先ず、フッ素樹脂粒子1mgを、イソプロパノール20mlに加えた。その後、超音波分散器で約3分間分散処理を行い、試料を調製した。光散乱法(レーザー回折/散乱式)の粒子径分布測定装置として、堀場製作所製Partica LA-950を用い、フッ素樹脂粒子の球相当径の体積頻度分布を測定した。得られた測定結果の体積頻度累積が50%の値(一般的にメディアン径やD50と呼ばれる)を平均粒子径とした。
[硬化剤(D)]
D-1:Omnirad819(IGM Resins社製、光ラジカル重合開始剤、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド)
[フッ素含有表面改質剤]
E-1:メガファックRS-76-NS(DIC株式会社性、UV硬化性表面改質剤)。これは、フッ素を含有したラジカル重合性化合物20質量部と、ジプロピレングリコールジアクリラート80質量部の混合物であり、フッ素を含有したラジカル重合性化合物は、溶解している状態である。
<実施例1>
[光硬化性樹脂組成物の調製]
表4に示す処方に従い各成分を配合し、70℃に加熱して1時間撹拌装置で撹拌し、光硬化性樹脂組成物を調製した。
表4に記載の多官能ラジカル重合性化合物(A)の含有量は、多官能ラジカル重合性化合物(A)と単官能ラジカル重合性化合物(B)との合計100質量部中の、多官能ラジカル重合性化合物(A)の含有量を質量部で示している。同様に、単官能ラジカル重合性化合物(B)の含有量は、多官能ラジカル重合性化合物(A)と単官能ラジカル重合性化合物(B)との合計100質量部中の、単官能ラジカル重合性化合物(B)の含有量を質量部で示している。また、フッ素樹脂粒子(C)の含有量は、多官能ラジカル重合性化合物(A)と単官能ラジカル重合性化合物(B)の合計100質量部に対するフッ素樹脂粒子(C)の含有量を質量部で示している。
実施例1は、多官能ラジカル重合性化合物(A)として一種類の多官能ラジカル重合性化合物を含む例である。多官能ラジカル重合性化合物(A)のエチレン性不飽和基当量は3,250g/eqである。
[試験片Xの作製]
調製した光硬化性樹脂組成物から、下記の方法で試験片を作製した。先ず、二枚の石英ガラスの間に長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの金型を挟み、ここに光硬化性樹脂組成物を流し込んだ。流し込んだ光硬化性樹脂組成物に対して紫外線照射機(HOYA CANDEO OPTRONICS社製、商品名「LIGHT SOURCE EXECURE3000」)で5mW/cm2の紫外線を金型の両面から360秒間ずつ照射し、硬化物を得た。光硬化性樹脂組成物を硬化させるために照射した総エネルギーは、3600mJ/cm2であった。得られた硬化物を50℃の加熱オーブン内に入れて1時間、100℃の加熱オーブン内に入れて2時間熱処理を行うことで、長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの試験片Xを得た。試験片Xは後述するシャルピー衝撃試験に使用した。
[試験片Yの作製]
調製した光硬化性樹脂組成物を用いて、3Dプリンター(3D Systems社製Figure4 Modular、規制液面法の光造形装置)を用い、30mm×30mm×4mmの大きさの直方体の三次元形状に基づくスライスデータに従って立体物を造形した。立体物は、30mm×4mm×厚さ50μmの硬化層を30mmの高さになるまで積層して作製した。得られた立体物を、3D Systems社製、LC-3DPrint Box UVポストキュアユニットを用いて90分間紫外光を照射して、試験片Yを作製した。試験片Yは後述する造形性、摩擦係数、耐摩耗性の評価に使用した。
[評価]
(造形性)
造形性の成否は、前記した試験片Yの寸法誤差として、30mm×30mm×4mmの形状に対する誤差を評価した。評価基準は下記の通りである。評価基準Bを満たしていれば良好な造形性が得られており、評価基準Aを満たしていれば優れた造形性が得られていると判断する。尚、各辺の寸法測定は、3Dプリンターで造形後、紫外線によるポストキュアをする前に行った。結果を表4に示す。
A:寸法誤差が±3%以内。
B:寸法誤差が±3%より大きく±20%以内。
C:造形ができない。
ここでいう「造形ができない」とは、試験片Yの造形中に立体物が造形ステージから脱落するなど、顕著な欠損が生じることを指す。
(比摩耗量と摩擦係数)
比摩耗量と摩擦係数の測定は、JIS K 7218 A法に準拠し、下記に示す条件で行った。
測定装置:エー・アンド・デイ製 摩擦摩耗試験機MODEL EMF-III-F
試験環境:23℃±2℃、湿度50%RH±5%RH
試験片:試験片Y(大きさ30mm×30mm、厚さ4mm)
相手材:S45C製、リング形状、表面粗さ約0.8μmRa、接触面積2cm2
荷重:50N
摺動速度:50cm/s
試験時間:100分
摺動距離:3Km
(1)比摩耗量
試験片Yの30mm×30mmの面に相手材を上記の荷重で押し付け、上記の速度で摺動させた。100分後に摺動を止め、摺動前後の試験片Yの質量から摩耗質量を測定した。測定した摩耗質量と、試験片Yの比重から摩耗体積を算出した。算出した摩耗体積を、摺動距離と荷重で除した値を比摩耗量(単位:mm3・N-1・Km-1)とし、これを耐摩耗性の指標とした。耐摩耗性の評価基準を以下に示す。尚、摺動開始後100分以内に摩耗深さが1.5mmを超えた場合、測定限界として評価をCとした。評価基準Bを満たしていれば良好な耐摩耗性が得られており、評価基準Aを満たしていれば優れた耐摩耗性が得られていると判断する。結果を表4に示す。
A:0.5mm3・N-1・Km-1未満。
B:0.5mm3・N-1・Km-1以上1.0mm3・N-1・Km-1未満。
C:1.0mm3・N-1・Km-1以上。
(2)摩擦係数
摩擦係数は、摺動開始後60分の前後10秒間の摩擦力の平均値を、荷重で除した値を摩擦係数とした。摩擦係数の評価基準を以下に示す。評価基準Bを満たしていれば良好な摩擦係数が得られており、評価基準Aを満たしていれば優れた摩擦係数が得られていると判断する。結果を表4に示す。
A:0.5未満。
B:0.5以上1.0未満。
C:1.0以上。
(シャルピー衝撃試験)
JIS K 7111に準じて、切欠き形成機(東洋精機製作所製、商品名「ノッチングツール A-4」)にて試験片Xの中央部に深さ2mm、45°の切欠き(ノッチ)を入れた。衝撃試験機(東洋精機製作所製、商品名「IMPACT TESTER IT」)を用い、試験片の切欠きの背面から0.5Jのエネルギーで破壊する。150°まで振り上げたハンマーが試験片破壊後に振り上がる角度から破壊に要したエネルギーを算出し、それをシャルピー衝撃強さとし靱性の指標とした。尚、ノッチを入れる際に試験片Xが破壊した場合は、シャルピー衝撃強さを0.0kJ/m2とした。靱性の評価基準を以下に示す。評価基準Bを満たしていれば良好な靭性が得られており、評価基準Aを満たしていれば優れた靭性が得られている、と判断する。結果を表4に示す。
A:3.0kJ/m2以上。
B:1.0kJ/m2以上3.0kJ/m2未満。
C:1.0kJ/m2未満。
<実施例2乃至6、比較例1乃至4>
各成分種類又は含有量を表4に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に評価した。結果を表4に示す。
実施例2乃至6、比較例1乃至4は、多官能ラジカル重合性化合物(A)として一種類の多官能ラジカル重合性化合物を含む例である。多官能ラジカル重合性化合物(A)のエチレン性不飽和基当量は3,250g/eqである。
Figure 2024014707000004
<実施例7乃至17、比較例5乃至9>
各成分の種類又は含有量を表5、表6に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に評価した。結果を表5に示す。
実施例10乃至16、比較例6は、多官能ラジカル重合性化合物(A)として複数種類の多官能ラジカル重合性化合物を含む例である。実施例10乃至13、15、16は、エチレン性不飽和基当量が700g/eq以上7,000g/eq以下の多官能ラジカル重合性化合物と、エチレン性不飽和基当量が700g/eq未満の多官能ラジカル重合性化合物との混合物である。実施例14は、エチレン性不飽和基当量が700g/eq以上7,000g/eq以下の多官能ラジカル重合性化合物と、エチレン性不飽和基当量が7,000g/eqを超える多官能ラジカル重合性化合物との混合物である。そして実施例10乃至16の混合比は、表5、表6に示す通り、エチレン性不飽和基当量が700g/eq以上7,000g/eq以下となるように調製されている。一方、比較例6は、多官能ラジカル重合性化合物(A)のエチレン性不飽和基当量が700g/eq未満のものを使用している。
尚、実施例8においては、「紫光UV-3550AC」を57.1質量部(ウレタンアクリレートが40質量部、B-3が17.1質量部)と、B-2を30質量部と、B-3をさらに12.9質量部用いた。表5中の樹脂組成では、A-3中のウレタンアクリレート成分を多官能ラジカル重合性化合物(A)の質量部として記載し、A-3中のB-3とさらに追加したB-3との合計量を単官能ラジカル重合性化合物(B)の質量部として記載した。
また、比較例5は、多官能ラジカル重合性化合物(A)として、エチレン性不飽和基当量が150g/eqの1種類のウレタンアクリレートを含んでいる。比較例7は、多官能ラジカル重合性化合物(A)として、エチレン性不飽和基当量が9,000g/eqの1種類のウレタンアクリレートを含んでいる。比較例8は、多官能ラジカル重合性化合物(A)と単官能ラジカル重合性化合物(B)との合計100質量部中、多官能ラジカル重合性化合物(A)の含有量が15質量部、比較例9は80質量部である。
Figure 2024014707000005
Figure 2024014707000006
表4乃至表6からわかるように、本発明に係る実施例1乃至17は、いずれも造形性が良好であった。また、本発明の光硬化性樹脂組成物を硬化して作製した、試験片Xのシャルピー衝撃強さは1.0KJ/m2以上、試験片Yの摩擦係数は1.0未満、比摩耗量は1.0mm3・N-1・Km-1未満であった。即ち、本発明にかかる光硬化性樹脂組成物を用いれば、良好な靭性と高い摺動特性を両立する硬化物が得られることが確認できた。
また、表4の結果において、フッ素樹脂粒子(C)を添加しなかった比較例1は、比摩耗量及び摩擦係数が評価基準Bを満たすことができなかった。また、フッ素樹脂粒子(C)の添加量が40質量部の比較例2は、粘度が上昇してしまったために硬化物を作製することができなかった。これらの結果と実施例1乃至6の結果により、フッ素樹脂粒子(C)の添加量は、多官能ラジカル重合性化合物(A)と単官能ラジカル重合性化合物(B)の合計100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下が好ましいと考えられる。
また、3Dプリンターを用いた造形において、添加したフッ素樹脂粒子(C)の平均粒子径が、積層の厚さに対して十分に小さくない場合、積層界面の接着性に影響を及ぼすことが予想される。フッ素樹脂粒子(C)としてC-4(200μm)を用いた比較例3は、造形性が基準Bを満たすことができなかった。造形に用いる装置の仕様や造形条件にもよるが、実施例1乃至6で良好な造形精度が得られたことを鑑みると、フッ素樹脂粒子(C)の平均粒子径は、20μm以下が好ましいと考えられる。
フッ素樹脂粒子(C)の代わりに、フッ素含有の表面改質剤E-1を用いた比較例4は、比摩耗量が評価基準Bを満たすことができなかった。この結果と実施例1乃至6の結果より、フッ素を含有しており、且つ多官能ラジカル重合体(A)と単官能ラジカル重合性化合物(B)の混合物に溶解しないフッ素樹脂粒子が好ましいことが確認された。
表4乃至表6の結果より、光硬化性樹脂組成物に含まれる多官能ラジカル重合性化合物(A)のエチレン性不飽和基当量が700g/eq以上7,000g/eq以下である実施例1乃至17は、いずれの項目も良好であった。しかし、光硬化性樹脂組成物に含まれる多官能ラジカル重合性化合物(A)のエチレン性不飽和基当量が700g/eq未満である比較例5及び6は、シャルピー衝撃強さが評価基準Bを満たさず、良好な靱性が得られなかった。また、エチレン性不飽和基当量が7,000g/eqより大きい比較例7は、造形性が悪く評価基準Bを満たさなかった。これらの結果より、ラジカル重合性化合物(A)のエチレン性不飽和基当量は、700g/eq以上7,000g/eq以下が好ましいことがわかった。
表4乃至表6の結果より、光硬化樹脂組成物に含まれる多官能ラジカル重合性化合物(A)と単官能ラジカル重合性化合物(B)の合計を100質量部とした時に、多官能ラジカル重合性化合物(A)が20質量部以上75質量部以下の時に、いずれの項目も良好であった。しかし、多官能ラジカル重合性化合物(A)が20質量部未満である比較例8は、シャルピー衝撃強さの基準値を満たさず良好な靭性が得られなかった。さらに、多官能ラジカル重合性化合物(A)が75質量部を超える比較例9は、粘度が高すぎるため造形が困難であった。これらの結果より、多官能ラジカル重合性化合物(A)は20質量部以上75質量部以下が好ましいことが分かった。

Claims (15)

  1. 多官能ラジカル重合性化合物(A)と、単官能ラジカル重合性化合物(B)と、硬化剤(D)と、を含む立体造形用の光硬化性樹脂組成物であって、
    前記多官能ラジカル重合性化合物(A)のエチレン性不飽和基当量は700g/eq以上7,000g/eq以下であり、
    前記多官能ラジカル重合性化合物(A)と前記単官能ラジカル重合性化合物(B)との合計100質量部中、前記多官能ラジカル重合性化合物(A)の含有量が20質量部以上75質量部以下であり、
    前記多官能ラジカル重合性化合物(A)と前記単官能ラジカル重合性化合物(B)の合計100質量部に対して、フッ素樹脂粒子(C)を5質量部以上30質量部以下含有し、
    前記フッ素樹脂粒子(C)の平均粒子径は、50μm以下であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
  2. 前記多官能ラジカル重合性化合物(A)は、単一の多官能ラジカル重合性化合物であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 前記多官能ラジカル重合性化合物(A)は、複数種類の多官能ラジカル重合性化合物を含む混合物であり、且つそれぞれのエチレン性不飽和基当量を質量比で加重平均したエチレン性不飽和基当量が700g/eq以上7,000g/eq以下であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. 前記多官能ラジカル重合性化合物(A)が、エチレン性不飽和基当量が700g/eq以上7,000g/eq以下の多官能ラジカル重合性化合物と、エチレン性不飽和基当量が700g/eq未満の多官能ラジカル重合性化合物との混合物であることを特徴とする請求項3に記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. 前記多官能ラジカル重合性化合物(A)が、ポリエーテル構造、ポリエステル構造、ポリカーボネート構造のいずれかを有する、(メタ)アクリレート系化合物又はウレタン(メタ)アクリレート系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  6. 前記フッ素樹脂粒子(C)の平均粒子径は、0.5μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  7. 前記フッ素樹脂粒子(C)の平均粒子径は、0.5μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項6に記載の光硬化性樹脂組成物。
  8. 前記単官能ラジカル重合性化合物(B)が、アクリルアミド系化合物、(メタ)アクリレート系化合物、マレイミド系化合物、N-ビニル化合物の中から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  9. 前記硬化剤(D)は、少なくとも光ラジカル重合開始剤であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする硬化物。
  11. 比摩耗量が1.0mm3・N-1・Km-1未満であることを特徴とする請求項10に記載の硬化物。
  12. 摩擦係数が1.0未満であることを特徴とする請求項10に記載の硬化物。
  13. 光造形法を用いた立体物の製造方法であって、
    光硬化性樹脂組成物を層状に配置する工程と、
    造形モデルのスライスデータに基づいて、層状の前記光硬化性樹脂組成物に光エネルギーを照射して硬化させる工程と、を含み、
    前記光硬化性樹脂組成物が、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物であることを特徴とする立体物の製造方法。
  14. 前記光硬化性樹脂組成物に光エネルギーの照射する工程の後に、熱処理を施す工程をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の立体物の製造方法。
  15. 前記光エネルギーは、レーザー光源又はプロジェクターから照射される光であることを特徴とする請求項13に記載の立体物の製造方法。
JP2023071495A 2022-07-20 2023-04-25 光硬化性樹脂組成物及び立体物の製造方法 Pending JP2024014707A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US18/353,730 US20240026163A1 (en) 2022-07-20 2023-07-17 Photocurable resin composition and method for manufacturing three-dimensional object

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022115655 2022-07-20
JP2022115655 2022-07-20

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024014707A true JP2024014707A (ja) 2024-02-01

Family

ID=89719022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023071495A Pending JP2024014707A (ja) 2022-07-20 2023-04-25 光硬化性樹脂組成物及び立体物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024014707A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6766287B1 (ja) 立体造形用の光硬化性樹脂組成物、及び、物品の製造方法
WO2020085166A1 (ja) 硬化性樹脂組成物、およびその硬化物
JP6907286B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、およびその硬化物
US20230242697A1 (en) Photocurable resin composition for three-dimensional modeling and method for producing three-dimensional object
US20220073669A1 (en) Curable resin composition and cured object thereof
WO2020246489A1 (ja) 硬化性樹脂組成物とその硬化物、及び立体物の製造方法
JP7289676B2 (ja) 立体造形用の硬化性樹脂組成物
JP2022099528A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
US20230287151A1 (en) Photocurable resin composition, cured product thereof, and method for producing three-dimensional object
JP2022065627A (ja) 立体造形用の光硬化性樹脂組成物及び立体物の製造方法
JP2024014707A (ja) 光硬化性樹脂組成物及び立体物の製造方法
US20240026163A1 (en) Photocurable resin composition and method for manufacturing three-dimensional object
JP2022135918A (ja) 硬化性樹脂組成物および物品の製造方法
US11787951B2 (en) Photocurable composition for three-dimensional molding, three-dimensional molded product, and method for producing three-dimensional molded product
JP7434745B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型組成物、硬化物、および硬化物の製造方法
JP2024014706A (ja) 立体造形用の光硬化性樹脂組成物、及び、立体物の製造方法
JP2020200450A (ja) 硬化性樹脂組成物とその硬化物、及び立体物の製造方法
WO2018230659A1 (ja) 光学的立体造形装置用の容器
CN117279965A (zh) 光固化性树脂组合物、其固化产品和用于生产三维物品的方法
US20240034824A1 (en) Photocurable resin composition and method for producing three-dimensional object
JP2022083414A (ja) 光硬化性樹脂組成物とその硬化物、および立体物の製造方法
JP2005082691A (ja) 硬化性組成物、硬化物及び物品
JP4228768B2 (ja) 注型重合用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物
JP2022047507A (ja) 光硬化性組成物及びその硬化物
JP2024015572A (ja) 成形体および硬化性組成物