JP2024010280A - 耐火物煉瓦およびその製造方法 - Google Patents

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圭佑 吉田
Keisuke Yoshida
久宏 松永
Hisahiro Matsunaga
尚士 冨谷
Naoshi Tomitani
敦久 飯田
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Abstract

【課題】アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の耐火物煉瓦であって、耐火物屑を多く配合し、且つ粒径が比較的小さい耐火物屑を多く配合しても、バージン原料のみを使用した耐火物煉瓦に劣らない優れた耐用性を有する緻密質な耐火物煉瓦を提供する。【解決手段】粒径8mm以下の耐火物屑xを、全耐火物原料中で17質量%以上90質量%以下、好ましくは60質量%超90質量%以下含有し、さらに、耐火物屑xのうちの粒径2.36mm超の耐火物屑を、全耐火物原料中で3質量%以上含有し、且つ耐火物屑xのうちの粒径2.36mm超の耐火物屑と粒径2.36mm以下1mm超の耐火物屑の含有比率(質量比)を1:1~1:20とするか、若しくは、耐火物屑xのうちの粒径2.8mm超の耐火物屑を、全耐火物原料中で1質量%以上含有し、且つ耐火物屑xのうちの粒径2.8mm超の耐火物屑と粒径2.8mm以下1mm超の耐火物屑の含有比率(質量比)を1:6~1:69とする。【選択図】図1

Description

本発明は、使用済み耐火物(耐火物屑)を原料の一部に利用した耐火物煉瓦およびその製造方法に関する。
製鉄所では、製銑工程や製鋼工程において溶解物(溶銑、溶鋼、溶融スラグ)を処理する各種の設備や溶解物の搬送容器に耐火物が使用されている。これらの耐火物には、高温の溶解物と接触しても安定であり、且つ搬送中の温度低下が少ないという機能が要求されるが、使用を継続する間に経時劣化することは避けられない。これらの耐火物は、高温下での長期間にわたる使用によって次第に損傷が進み、安定した操業が不可能と判断された場合には解体され、耐火物屑となる。この耐火物屑は用途が限られ、多くは産業廃棄物として処理されているが、近年では、耐火物屑の発生量を抑制することが求められ、耐火物屑を耐火物原料として再利用することが望まれている。
使用済み耐火物を原料の一部として再利用した煉瓦に関して、例えば、特許文献1には、アルミナ・シリカ(ろう石)・炭化珪素・カーボン質の使用済み耐火物を3mm以下の粒度に粉砕した粉砕物をそのまま原料の一部として10~60質量%配合したリサイクル煉瓦は、未使用の耐火物原料であるバージン原料のみを使用した煉瓦と同等以上の耐スポール性を有するが、使用済み耐火物の粉砕物を60質量%を超えて配合すると耐スポール性が低下することが記載されている。
また、特許文献2には、アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の使用済み耐火物を粉砕して得られた耐火物屑を原料の一部として利用した耐火物煉瓦について、耐火物屑の粒度分布、バージン原料の粒度分布、耐火物屑ならびにバージン原料の成分量を最適化することにより、バージン原料のみを使用した耐火物と同等の耐用性を有することが記載されている。
特開2010-155764号公報 特開2018-62459号公報
しかし、特許文献1の知見では、耐火物屑を60質量%を超えて配合した場合、耐スポール性や耐溶損性が低下するとしており、耐火物屑を60質量%を超えて配合できない。
また、特許文献2の耐火物煉瓦は、粒径2.8mm超という比較的大きい耐火物屑を多く配合することが必要であり、耐火物屑の中で多く発生する粒径が2.8mm以下のものを多く配合できない。また、耐火物屑ならびにバージン原料を合わせた全耐火物原料の粒度分布や成分量を最適化しない場合、十分な成形圧を加えないと、耐火物煉瓦を緻密化できない。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の耐火物煉瓦であって、耐火物屑を多く配合し、且つ粒径が比較的小さい(粒径2.8mm以下又は粒径2.36mm以下)耐火物屑を多く配合しても、バージン原料のみを使用した耐火物煉瓦に劣らない優れた耐用性、すなわち耐スポール性(耐割れ性)と耐食性(耐溶損性)を有する緻密質な耐火物煉瓦を提供することにある。また、本発明の他の目的は、そのような耐火物煉瓦を安定して製造することができる製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するための本発明の特徴は、以下の通りである。
[1]アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質耐火物煉瓦において、
アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の使用済み耐火物の粉砕物である粒径8mm以下の耐火物屑(x)を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で17質量%以上90質量%以下含有し、
耐火物屑(x)のうちの粒径2.36mm超の耐火物屑を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で3質量%以上含有し、
耐火物屑(x)のうちの粒径2.36mm超の耐火物屑と粒径2.36mm以下1mm超の耐火物屑の含有比率(質量比)が1:1~1:20であることを特徴とする耐火物煉瓦。
[2]上記[1]の耐火物煉瓦において、耐火物屑(x)のうちの粒径2.36mm以下の耐火物屑を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で42質量%以上含有することを特徴とする耐火物煉瓦。
[3]アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質耐火物煉瓦において、
アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の使用済み耐火物の粉砕物である粒径8mm以下の耐火物屑(x)を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で17質量%以上90質量%以下含有し、
耐火物屑(x)のうちの粒径2.8mm超の耐火物屑を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で1質量%以上含有し、
耐火物屑(x)のうちの粒径2.8mm超の耐火物屑と粒径2.8mm以下1mm超の耐火物屑の含有比率(質量比)が1:6~1:69であることを特徴とする耐火物煉瓦。
[4]上記[3]の耐火物煉瓦において、耐火物屑(x)のうちの粒径2.8mm以下の耐火物屑を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で42質量%以上含有することを特徴とする耐火物煉瓦。
[5]上記[1]~[4]のいずれかの耐火物煉瓦において、耐火物屑(x)を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で60質量%超90質量%以下含有することを特徴とする耐火物煉瓦。
[6]上記[1]~[5]のいずれかの耐火物煉瓦において、未使用の耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)のうちの粒径1mm以下の耐火物原料の割合が10質量%以上40質量%以下であることを特徴とする耐火物煉瓦。
[7]上記[1]~[6]のいずれかの耐火物煉瓦において、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中のアルミナ含有量が50質量%以上70質量%以下、シリカ含有量が10質量%以上30質量%以下であることを特徴とする耐火物煉瓦。
[8]上記[1]~[7]のいずれかの耐火物煉瓦において、粒径1mm以下の耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中のアルミナ含有量が10質量%以上30質量%以下であることを特徴とする耐火物煉瓦。
[9]上記[1]~[8]のいずれかの耐火物煉瓦において、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中の遊離カーボン含有量が12質量%以下であることを特徴とする耐火物煉瓦。
[10]上記[1]~[9]のいずれかの耐火物煉瓦において、未使用のシリカ原料を全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で2質量%以上30質量%以下含有することを特徴とする耐火物煉瓦。
[11]上記[1]~[10]のいずれかの耐火物煉瓦において、シリカ原料がろう石またはムライトからなり、粒径2.8mm以下1mm超のシリカ原料と、粒径1mm以下のシリカ原料の含有比率(質量比)が2:1~2:4であることを特徴とする耐火物煉瓦。
[12]上記[1]~[11]のいずれかの耐火物煉瓦において、未使用のアルミナ原料を全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で6質量%以上45質量%以下含有することを特徴とする耐火物煉瓦。
[13]上記[1]~[12]のいずれかの耐火物煉瓦において、未使用の炭化珪素原料を全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で2質量%以上8質量%以下含有することを特徴とする耐火物煉瓦。
[14]アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質耐火物煉瓦の製造方法において、
アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の使用済み耐火物を粉砕して得られた粒径8mm以下の耐火物屑であって、粒径2.36mm超の耐火物屑と粒径2.36mm以下1mm超の耐火物屑の含有比率(質量比)が1:1~1:20である耐火物屑(x)を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での耐火物屑(x)の割合が17質量%以上90質量%以下、耐火物屑(x)のうちの粒径2.36mm超の耐火物屑の全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が3質量%以上となるように、未使用の耐火物原料に配合することを特徴とする耐火物煉瓦の製造方法。
[15]上記[14]の製造方法において、耐火物屑(x)のうちの粒径2.36mm以下の耐火物屑の全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が42質量%以上となるように、耐火物屑(x)を未使用の耐火物原料に配合することを特徴とする耐火物煉瓦の製造方法。
[16]アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質耐火物煉瓦の製造方法において、
アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の使用済み耐火物を粉砕して得られた粒径8mm以下の耐火物屑であって、粒径2.8mm超の耐火物屑と粒径2.8mm以下1mm超の耐火物屑の含有比率(質量比)が1:6~1:69である耐火物屑(x)を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での耐火物屑(x)の割合が17質量%以上90質量%以下、耐火物屑(x)のうちの粒径2.8mm超の耐火物屑の全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が1質量%以上となるように、未使用の耐火物原料に配合することを特徴とする耐火物煉瓦の製造方法。
[17]上記[16]の製造方法において、耐火物屑(x)のうちの粒径2.8mm以下の耐火物屑の全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が42質量%以上となるように、耐火物屑(x)を未使用の耐火物原料に配合することを特徴とする耐火物煉瓦の製造方法。
[18]上記[14]~[17]のいずれかの製造方法において、耐火物屑(x)の全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が60質量%超90質量%以下となるように、耐火物屑(x)を未使用の耐火物原料に配合することを特徴とする耐火物煉瓦の製造方法。
[19]上記[14]~[18]のいずれかの製造方法において、未使用の耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)のうちの粒径1mm以下の耐火物原料の割合が10質量%以上40質量%以下であることを特徴とする耐火物煉瓦の製造方法。
[20]上記[14]~[19]のいずれかの製造方法において、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中のアルミナ含有量が50質量%以上70質量%以下、シリカ含有量が10質量%以上30質量%以下となるように、耐火物屑(x)を未使用の耐火物原料に配合することを特徴とする耐火物煉瓦の製造方法。
[21]上記[14]~[20]のいずれかの製造方法において、粒径1mm以下の耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中のアルミナ含有量が10質量%以上30質量%以下となるように、耐火物屑(x)を未使用の耐火物原料に配合することを特徴とする耐火物煉瓦の製造方法。
[22]上記[14]~[21]のいずれかの製造方法において、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中の遊離カーボン含有量が12質量%以下となるように、耐火物屑(x)を未使用の耐火物原料に配合することを特徴とする耐火物煉瓦の製造方法。
[23]上記[14]~[22]のいずれかの製造方法において、未使用のシリカ原料を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が2質量%以上30質量%以下となるように配合することを特徴とする耐火物煉瓦の製造方法。
[24]上記[14]~[23]のいずれかの製造方法において、シリカ原料がろう石またはムライトからなり、粒径2.8mm以下1mm超のシリカ原料と、粒径1mm以下のシリカ原料の含有比率(質量比)が2:1~2:4であることを特徴とする耐火物煉瓦の製造方法。
[25]上記[14]~[24]のいずれかの製造方法において、未使用のアルミナ原料を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が6質量%以上45質量%以下となるように配合することを特徴とする耐火物煉瓦の製造方法。
[26]上記[14]~[25]のいずれかの製造方法において、未使用の炭化珪素原料を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が2質量%以上8質量%以下となるように配合することを特徴とする耐火物煉瓦の製造方法。
本発明の耐火物煉瓦は、アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の使用済み耐火物を相当量含有し、且つ粒径が比較的小さい使用済み耐火物を相当量含有するにも拘わらず、バージン原料のみを使用した耐火物煉瓦に劣らない優れた耐用性、すなわち耐スポール性(耐割れ性)と耐食性(耐溶損性)を有する。
溶銑予備処理に使用される高炉鍋は天井に蓋がなく開かれた構造であり、受銑と溶銑払い出しが繰り返されるため操業中の温度変化が大きいことから、長期間における加熱と冷却の繰り返しによる脆化が少ないことなどを理由に、アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の耐火煉瓦が使用される。製鉄所では、このような高炉鍋などから大量の使用済み耐火物が発生するが、本発明によれば、使用済み耐火物の配合比率の高い耐火物煉瓦とすることができるので、耐火物の原料費削減に大きな効果をもたらす。
実施例での耐火物煉瓦の製造プロセスを示す説明図
本発明者らは、以下に述べるように、アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の使用済み耐火物を比較的多く含有し、且つ粒径が比較的小さい使用済み耐火物を比較的多く含有しても、未使用の耐火物原料のみを使用した耐火物煉瓦に劣らない優れた耐用性(耐割れ性、耐溶損性)を有する耐火物煉瓦とその製造方法を開発した。
本発明の耐火物煉瓦は、アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の耐火物、すなわちアルミナ、シリカ、炭化珪素およびカーボンを主成分とする耐火物からなる煉瓦であって、使用済み耐火物のリサイクルを図るために、耐火物原料としてアルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の使用済み耐火物(以下、「リサイクル原料」という場合がある)の粉砕物を所定の割合で含有する耐火物煉瓦である。
耐火物原料の残部は、未使用の新規の耐火物原料(以下「バージン原料」という)であり、通常、バージン原料として、酸化物系原料(アルミナ原料、シリカ原料など)、カーボン原料、炭化珪素、金属Siなどを含有する。ここで、酸化物系原料としては、例えば、バン土頁岩、ブラウンアルミナ、ホワイトアルミナ、ろう石、ムライトなどが挙げられ、これらの1種以上を配合することができる。カーボン原料としては、例えば、鱗状黒鉛などが挙げられ、これらの1種以上を配合することができる。なお、本願では、バン土頁岩、ブラウンアルミナ、ホワイトアルミナなど、アルミナ含有量が50質量%超であり且つシリカ含有量が15質量%以下であるものをアルミナ原料といい、ろう石、ムライトなど、シリカ含有量が15質量%超のものをシリカ原料という。
本発明においてリサイクル原料とするのは、アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の使用済み耐火物の粉砕物である粒径8mm以下の耐火物屑(以下、耐火物屑(x)」という)である。このような粒度の耐火物屑(x)を用いることにより、成形する際に煉瓦組織中の気孔を少なくでき、必要な充填密度を得ることができる。粒径8mmを超える耐火物屑(x)が含まれると、成形体の充填密度を高くすることができず、煉瓦組織中の気孔の割合が増加するため、成形し難くなる恐れがある。また、バージン原料も、耐火物屑と同様、粒径8mm以下が好ましい。
ここで、粒径8mm以下の材料(耐火物屑など)とは、篩目8mm(呼び寸法)の篩で篩った篩下の材料を意味し、粒径8mm超の材料(耐火物屑など)とは、同じく篩上の材料を意味する。また、以下の説明において、粒径2.8mm以下の材料(耐火物屑など)とは、篩目2.8mm(呼び寸法)の篩で篩った篩下の材料を意味し、粒径2.8mm超の材料(耐火物屑など)とは、同じく篩上の材料を意味する。また、粒径2.36mm以下の材料(耐火物屑など)とは、篩目2.36mm(呼び寸法)の篩で篩った篩下の材料を意味し、粒径2.36mm超の材料(耐火物屑など)とは、同じく篩上の材料を意味する。また、粒径1mm以下の材料(耐火物屑など)とは、篩目1mm(呼び寸法)の篩で篩った篩下の材料を意味し、粒径1mm超の材料(耐火物屑など)とは、同じく篩上の材料を意味する。また、粒径4.7mm以下の材料とは、篩目4.7mm(呼び寸法)の篩で篩った篩下の材料を意味し、粒径5.15mm以下の材料(耐火物屑など)とは、篩目5.15mm(呼び寸法)の篩で篩った篩下の材料を意味する。
本発明の耐火物煉瓦は、全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中において、耐火物屑(x)の含有量が17質量%以上90質量%以下、好ましくは60質量%超90質量%以下であり、残部がバージン原料である。このような割合で耐火物屑(x)を配合することにより、高度の耐スポール性(耐割れ性)と耐食性(耐溶損性)を両立でき、低熱伝導化(特に耐火物屑(x)の含有量が60質量%超の場合)も実現できる。その理由としては、リサイクル原料はバージン原料と比較して純度が低いが、リサイクル原料とバージン原料を併用することにより、リサイクル原料中のアルミナ成分が有する耐食性の大幅な低下を抑制できることが挙げられる。さらに、リサイクル原料とバージン原料の併用により、全てバージン原料で製作した煉瓦(以下、「バージン煉瓦」という)と比較して嵩密度が低下し、熱伝導率も低下することが挙げられる。
本発明では、耐火物屑(x)の粒度分布(所定粒度の耐火物屑の割合、粒度毎に分けられた耐火物屑の配合比率)、所定粒度のバージン原料の割合、耐火物原料のアルミナ及びシリカ含有量などを以下に述べるような条件で最適化するものであり、これにより耐用性に優れた低熱伝導率の耐火物煉瓦とすることができる。なお、本発明で規定する耐火物屑の含有量や含有比率(質量比)、バージン原料の含有量、耐火物原料の成分含有量(遊離カーボン量、アルミナやシリカの含有量)などの数値は、小数点以下を四捨五入した数値である。
また、本願の第1の発明の耐火物煉瓦は、耐火物屑(x)のうちの粒径2.36mm超の耐火物屑(粗粒の耐火物屑)を、全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で3質量%以上、好ましくは5質量%以上含有する。このように粒径2.36mm超の耐火物屑の全耐火物原料中での割合を3質量%以上、好ましくは5質量%以上とすることで、耐割れ性および耐溶損性の低下を抑えることができる。なお、粒径2.36mm超の耐火物屑の割合がある程度多くても、他の条件を満足し且つ成形できる範囲であればよいため、粒径2.36mm超の耐火物屑の割合の上限については特に規定しない。
さらに、耐火物屑(x)のうち、粒径2.36mm超の耐火物屑(粗粒の耐火物屑)と、粒径2.36mm以下1mm超の耐火物屑(中粒の耐火物屑)の含有比率(質量比)を1:1~1:20とする。粗粒の耐火物屑と中粒の耐火物屑の含有比率を上記の範囲内とすることにより、煉瓦の緻密化が進行し過ぎないため動弾性率が大幅に上昇することがなく、且つ煉瓦組織内の気孔部分へのスラグ浸透が抑えられ、耐割れ性および耐溶損性を向上させることができる。
また、耐火物屑(x)のうちの粒径2.36mm以下の耐火物屑(中粒および細粒の耐火物屑)の全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合を42質量%以上とすることが好ましい。これは、全耐火物原料中での中粒および細粒の耐火物屑の割合を42質量%以上とすることにより、高い耐割れ性および耐溶損性を確保しつつ、成形性が向上するため煉瓦が緻密化し易くなり、量産化が可能となるためである。なお、粒径2.36mm以下の耐火物屑の割合がある程度多くても、他の条件を満足し且つ成形できる範囲であればよいため、粒径2.36mm以下の耐火物屑の割合の上限については特に規定しない。
まず、本願の第2の発明の耐火物煉瓦は、耐火物屑(x)のうちの粒径2.8mm超の耐火物屑(粗粒の耐火物屑)を、全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で1質量%以上、好ましくは5質量%以上含有する。このように粒径2.8mm超の耐火物屑の全耐火物原料中での割合を1質量%以上、好ましくは5質量%以上とすることで、耐割れ性および耐溶損性の低下を抑えることができる。なお、粒径2.8mm超の耐火物屑の割合がある程度多くても、他の条件を満足し且つ成形できる範囲であればよいため、粒径2.8mm超の耐火物屑の割合の上限については特に規定しない。
さらに、耐火物屑(x)のうち、粒径2.8mm超の耐火物屑(粗粒の耐火物屑)と、粒径2.8mm以下1mm超の耐火物屑(中粒の耐火物屑)の含有比率(質量比)を1:6~1:69とする。粗粒の耐火物屑と中粒の耐火物屑の含有比率を上記の範囲内とすることにより、煉瓦の緻密化が進行し過ぎないため動弾性率が大幅に上昇することがなく、且つ煉瓦組織内の気孔部分へのスラグ浸透が抑えられ、耐割れ性および耐溶損性を向上させることができる。
また、耐火物屑(x)のうちの粒径2.8mm以下の耐火物屑(中粒および細粒の耐火物屑)の全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合を42質量%以上とすることが好ましい。これは、全耐火物原料中での中粒および細粒の耐火物屑の割合を42質量%以上とすることにより、高い耐割れ性および耐溶損性を確保しつつ、成形性が向上するため煉瓦が緻密化し易くなり、量産化が可能となるためである。なお、粒径2.8mm以下の耐火物屑の割合がある程度多くても、他の条件を満足し且つ成形できる範囲であればよいため、粒径2.8mm以下の耐火物屑の割合の上限については特に規定しない。
以下、本願の第1および第2の発明に共通の最適条件について説明する。
本発明の耐火物煉瓦は、バージン原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)を、全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で10質量%以上83質量%以下、好ましくは10質量%以上40質量%未満含有することになるが、このバージン原料のうちの粒径1mm以下のバージン原料の割合を10質量%以上40質量%以下とすることが好ましい。これにより、耐溶損性がさらに高められ、高い残存膨張率も維持できる。その理由としては、粒径1mm以下のバージン原料の割合が上記範囲内であれば、煉瓦組織内のマトリックス中に粒径1mm以下のバージン原料が加わるため、マトリックス中へのスラグ浸透をさらに抑制でき、且つ煉瓦の緻密化が進行し過ぎないため、高い残存膨張率を維持できることが挙げられる。
全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中のアルミナ含有量は50質量%以上70質量%以下、シリカ含有量は10質量%以上30質量%以下であることが好ましく、これにより、耐割れ性と耐溶損性を高く維持できる。その理由は次のとおりである。アルミナは2000℃以上の高融点物質であり、比較的広い組成範囲のスラグに対して耐溶損効果があり、アルミナ含有量が50質量%以上となると耐溶損性効果が顕著に出現する。しかし、アルミナ含有量が70質量%を超えると、シリカ含有量が30質量%未満となるため、耐割れ性が低下する。また、シリカは、高温下で相転移反応する際、膨張により微細亀裂を生成させ、これらの微細亀裂が弾性率を低下させることにより、強度/弾性率比に比例する熱衝撃破壊抵抗が大きくなる。シリカ含有量を10質量%以上とすると熱衝撃破壊抵抗が増大するが、10質量%未満では膨張量が少なく微細亀裂が生成しないため、熱衝撃破壊抵抗も大きくならず耐割れ性が低下する。しかし、シリカ含有量が30質量%を超えると、高温下で低融点物質が生成され易く、且つ液相生成量も増加するため、耐溶損性が低下する。
また、粒径1mm以下の耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中のアルミナ含有量は10質量%以上30質量%以下であることが好ましく、これにより耐溶損性および耐割れ性を高く維持できる。その理由としては、煉瓦の耐溶損性の優劣に大きく影響するマトリックス中へのスラグ浸透を抑制できることなどが挙げられる。
また、全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中の遊離カーボン含有量が12質量%以下であることが好ましい。すなわち、全耐火物原料中の遊離カーボン含有量が12質量%以下となるように、バージンのカーボン原料を添加することにより、煉瓦の熱伝導率を10~12W/mK程度でほぼ一定にでき、低熱伝導化を実現できる。
アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の耐火物煉瓦の遊離カーボン量と熱伝導率との関係を調べるため、鱗状黒鉛量を1質量%、6質量%、9質量%、12質量%、15質量%の5水準とした表1に示すような耐火物原料(バージン原料)からなる煉瓦を図1に示すプロセスで製造し、この耐火物煉瓦について、レーザーフラッシュ法により熱伝導率を測定した。表1に示す通り、熱伝導率は遊離カーボン量の低下に伴い低下したが、遊離カーボン量が12質量%以下では10~12W/mK程度でほぼ一定であった。この結果から、遊離カーボン量を12質量%以下にすればアルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質耐火物煉瓦を低熱伝導化できることが判る。
Figure 2024010280000002
バージン原料の少なくとも一部として、シリカ原料を全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で2質量%以上30質量%以下含有することが好ましい。全耐火物原料中でのバージンのシリカ原料の含有量を2質量%以上30質量%以下とすることにより、高耐割れ性と高耐溶損性を両立できる。全耐火物原料中でのバージンのシリカ原料の含有量が2質量%未満では、原料に含まれる石英(SiO)が高温下で相転移する際の膨張量が少なく微細亀裂が生成しないため、弾性率が低下しない結果、熱衝撃破壊抵抗も大きくならず、耐割れ性が低下しやすい。また、全耐火物原料中でのバージンのシリカ原料の含有量が30質量%を超えると、スラグ成分を多く含んだ高温溶融物が浸透し易くなるため耐溶損性が低下しやすい。
バージンのシリカ原料としては、ろう石またはムライトが好ましく、その場合のシリカ原料(ろう石またはムライト)は、粒径2.8mm以下1mm超のシリカ原料と、粒径1mm以下のシリカ原料の含有比率(質量比)が2:1~2:4であることが好ましい。これにより、特に耐割れ性と耐溶損性を向上させることができる。その理由としては、上記粒径範囲内であれば、スラグが浸透する粒界面積を小さくでき、且つ煉瓦組織内のマトリックス中に粒径1mm以下の骨材が存在するため、マトリックス中へのスラグ浸透を抑制できるからである。また、煉瓦の緻密化が進行し過ぎず、且つクリープ変形が付与されるため、煉瓦間の目地開きを抑制できることに加え、動弾性率の大幅な上昇を抑制でき、耐割れ性が向上することにより亀裂の発生および剥離を抑制できる。
バージン原料の少なくとも一部として、アルミナ原料を全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で6質量%以上45質量%以下含有することが好ましい。全耐火物原料中でのバージンのアルミナ原料の含有量を6質量%以上45質量%以下とすることにより、スラグの侵食を抑制でき、耐溶損性を高く維持できる。全耐火物原料中でのバージンのアルミナ原料の含有量が6質量%未満では、スラグの侵食を抑制できなくなり耐溶損性が低下しやすい。理由としては、アルミナは高融点物質であり、2000℃以上において比較的広い組成範囲のスラグに対して優れた耐溶損効果を示すが、アルミナ原料の含有量が6質量%未満となると原料中に占めるアルミナ量が少なくなり、耐溶損効果が低下するからである。一方、全耐火物原料中でのバージンのアルミナ原料の含有量が45質量%を超えると、アルミナ原料中の不純物成分が多くなり、溶融物が浸透し易くなるため耐溶損性が低下しやすい。
バージン原料の少なくとも一部として、炭化珪素原料を全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で2質量%以上8質量%以下含有することが好ましい。全耐火物原料中でのバージンの炭化珪素原料の含有量を2質量%以上8質量%以下とすることにより、カーボンの酸化防止効果ならびに高耐溶損性を維持できる。全耐火物原料中でのバージンの炭化珪素原料の含有量が2質量%未満では、カーボンの酸化防止効果が小さく、カーボンの酸化が進行するため耐割れ性が低下しやすい。一方、全耐火物原料中でのバージンの炭化珪素原料の含有量が8質量%を超えると、SiCの酸化反応が進行してSiOに変化するため、耐溶損性が低下しやすい。
本発明においてリサイクル原料となる使用済み耐火物には、スラグなどの不純物が含まれることがあり、不純物の混入量が多くなると耐火物煉瓦の品質が低下するおそれがあるので、使用済み耐火物に含まれるスラグなどの不純物量は3.5mass%以下とすることが好ましい。
本発明の耐火物煉瓦において、特に耐火物屑(x)の含有量を全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で60質量%超90質量%以下とする場合、上記の条件を全て満たすように耐火物原料を配合することが好ましく、これにより、特に優れた耐割れ性および耐溶損性を有し、緻密質で熱伝導率の低い耐火物屑再利用煉瓦とすることができる。
次に、本発明の耐火物煉瓦の製造方法について説明する。
本発明の耐火物煉瓦を製造する場合、まず、回収されたアルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質使用済み耐火物を粉砕した後、分級することにより、リサイクル原料となる粒径が8mm以下の耐火物屑であって、粒径2.36mm超の耐火物屑と粒径2.36mm以下1mm超の耐火物屑の含有比率(質量比)が1:1~1:20である耐火物屑(x)、若しくは粒径2.8mm超の耐火物屑と粒径2.8mm以下1mm超の耐火物屑の含有比率(質量比)が1:6~1:69である耐火物屑(x)を調製する。具体的な調製方法としては、回収されたアルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の使用済み耐火物を粉砕機によって例えば粒径8mm以下に粉砕した後、篩分けし、耐火物屑を粒径2.36mm超(8mm以下)の耐火物屑、粒径2.36mm以下1mm超の耐火物屑、粒径1mm以下の耐火物屑という3つの粒度区分、若しくは耐火物屑を粒径2.8mm超(8mm以下)の耐火物屑、粒径2.8mm以下1mm超の耐火物屑、粒径1mm以下の耐火物屑という3つの粒度区分に分別する。そして、これら3つの粒度区分の耐火物屑を所定の割合で配合(混合)することにより、上記条件を満足する耐火物屑(x)を調製する。
この調製された耐火物屑(x)を、全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での耐火物屑(x)の割合が17質量%以上90質量%以下となり、且つ耐火物屑(x)のうちの粒径2.36mm超の耐火物屑の全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が3質量%以上となるように、若しくは耐火物屑(x)のうちの粒径2.8mm超の耐火物屑の全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が1質量%以上となるように、バージン原料に配合し、煉瓦に成形するための耐火物原料とする。
また、好ましくは下記(i)~(x)の1つ以上の条件で原料配合を行う。
(i)耐火物屑(x)のうちの粒径2.36mm以下の耐火物屑若しくは粒径2.8mm以下の耐火物屑の全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が42質量%以上となるように、耐火物屑(x)をバージン原料に配合する。
(ii)耐火物屑(x)の全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が60質量%超90質量%以下となるように、耐火物屑(x)をバージン原料に配合する。
(iii)バージン原料(但し、金属Siを含有する場合はこれを除く。)のうちの粒径1mm以下のバージン原料の割合を10質量%以上40質量%以下とする。
(iv)全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中のアルミナ含有量が50質量%以上70質量%以下、シリカ含有量が10質量%以上30質量%以下となるように、耐火物屑(x)をバージン原料に配合する。
(v)粒径1mm以下の耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中のアルミナ含有量が10質量%以上30質量%以下となるように、耐火物屑(x)をバージン原料に配合する。
(vi)全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中の遊離カーボン含有量が12質量%以下となるように、耐火物屑(x)をバージン原料に配合する。
(vii)未使用のシリカ原料を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が2質量%以上30質量%以下となるように配合する。
(viii)シリカ原料がろう石またはムライトからなり、粒径2.8mm以下1mm超のシリカ原料と、粒径1mm以下のシリカ原料の含有比率(質量比)を2:1~2:4とする。
(ix)未使用のアルミナ原料を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が6質量%以上45質量%以下となるように配合する。
(x)未使用の炭化珪素原料を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が2質量%以上8質量%以下となるように配合する。
以上のような耐火物屑の粒度、配合量、配合比率(質量比)、遊離カーボン量、バージン原料の粒度、アルミナやシリカの含有量などの限定理由は、さきに述べた通りである。
以上のように調製された耐火物原料にバインダーを加えて混練し、次いで、煉瓦の形状に成形(プレス成型)した後、通常、キュアリング(乾燥)を施して製品煉瓦(不焼成煉瓦)とする。また、キュアリング(乾燥)後、さらに還元焼成(コーキング処理)を施して製品煉瓦(焼成煉瓦)としてもよい。バインダーとしては、例えば、フェノールレジン(主剤)+ヘキサミン(硬化剤)、カーボンボンド、セラミックボンドなどが用いられる。バインダーの添加量は、例えばフェノールレジン(主剤)+ヘキサミン(硬化剤)の場合では、通常、耐火物原料に対する外掛けでフェノールレジンを3質量%、ヘキサミンを0.3質量%程度とする。
耐火物原料を成形(プレス成型)する際の成形圧は、緻密な煉瓦を得るために150MPa以上とすることが好ましい。
通常、キュアリング(乾燥)は200~230℃で18~48時間程度行われ、また、還元焼成(コーキング処理)を行う場合は1400~1500℃で3~5時間程度行われる。
本発明の耐火物煉瓦は、種々の設備や容器の耐火物として使用できるが、なかでも、製鉄所の精錬設備や溶解物(溶銑、スラグ)の搬送容器の内張り耐火物として好適であり、特に、溶銑予備処理に使用される高炉鍋用の耐火物として好適である。
以下の説明では、リサイクル原料として用いる耐火物屑のなかで、粒径2.8mm超(5.15mm以下)の耐火物屑を「+2.8mmの耐火物屑」と、粒径2.8mm以下1mm超の耐火物屑を「2.8-1mmの耐火物屑」と、粒径2.36mm超(5.15mm以下)の耐火物屑を「+2.36mmの耐火物屑」と、粒径2.36mm以下1mm超の耐火物屑を「2.36-1mmの耐火物屑」と、粒径1mm以下の耐火物屑を「-1mmの耐火物屑」という。また、粒径1mm以下のバージン原料を「-1mmのバージン原料」と、粒径1mm以下の耐火物原料を「-1mmの耐火物原料」という。
回収されたアルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の使用済み耐火物(煉瓦)を粉砕機で5.15mm以下の粒径に粉砕した後、篩分けし、粗粒(+2.8mm又は+2.36mm)の耐火物屑、中粒(2.8-1mm又は2.36-1mm)の耐火物屑、細粒(-1mm)の耐火物屑という3つの粒度区分に分別した。バージン原料としては、酸化物系耐火物原料である-1mmのバン土頁岩、同じく2.8-1mmまたは2.36-1mmのろう石、SiC(微粉)、鱗状黒鉛(微粉)、金属Si(微粉)を用いた。以上の耐火物屑とバージン原料を表2~表9、表11~表14に示す割合で配合した耐火物煉瓦を、図1に示す製造プロセスで製造した。耐火物原料を混練・成型するにあたり、バインダーとして、耐火物原料に対する外掛けでフェノールレジンを3質量%、ヘキサミンを0.3質量%配合した。
ここで、表2の実施例は、+2.36mmの耐火物屑の含有量(配合量)と、+2.36mmの耐火物屑と2.36-1mmの耐火物屑の含有比率(配合比率)を検討したもの、表3の実施例は、+2.8mmの耐火物屑の含有量(配合量)と、+2.8mmの耐火物屑と2.8-1mmの耐火物屑の含有比率(配合比率)を検討したもの、表4の実施例は、-2.36mmの耐火物屑の含有量(配合量)を検討したもの、表5の実施例は、耐火物屑の含有量(配合量)を検討したもの、表6の実施例は、-1mmのバージン原料の含有量(配合量)を検討したもの、表7の実施例は、耐火物原料中のアルミナ含有量とシリカ含有量を検討したもの、表8の実施例は、-1mmの耐火物原料中のアルミナ含有量を検討したもの、表9の実施例は、耐火物原料を成形(プレス成型)する際の成形圧を検討したものである。また、表11の実施例は、耐火物原料中のバージンシリカ原料(ろう石)の含有量を検討したもの、表12の実施例は、バージンシリカ原料(ろう石)の粒径範囲の影響を検討したもの、表13の実施例は、耐火物原料中のバージンアルミナ原料の含有量を検討したもの、表14の実施例は、耐火物原料中のバージン炭化珪素原料の含有量を検討したものである。なお、説明の便宜上、表3に記載した発明例2-3は表5、表7、表9にも記載してある。
製造された耐火物煉瓦について、嵩密度、見掛け気孔率、熱伝導率、曲げ強度、動弾性率、残存膨張率、遊離カーボン量を測定するとともに、耐割れ性と耐溶損性を評価した。これらの測定方法と評価方法は以下の通りである。
嵩密度と見掛け気孔率はJIS R2205に示された方法で測定し、熱伝導率はレーザーフラッシュ法により測定し、曲げ強度はJIS R2213に示された方法で測定し、動弾性率は音速測定法に準拠して測定した。また、遊離カーボン量はJIS R2011に示された化学分析法で測定した。
残存膨張率については、円柱型の試料を用いてJIS R2207に示される方法で熱膨張試験を実施し、試験前の寸法L、試験終了後の寸法Lの差ΔL=L-Lを算出し、下式によって残存膨張率Eを求めた。
残存膨張率E(%)=ΔL/L×100
耐火物原料のアルミナ含有量、シリカ含有量は、JIS R2011に記載の“炭素および炭化けい素含有耐火物の化学分析法”に準拠して成分分析することで求めた。
耐割れ性については、JIS R1605に示された超音波パルス法に準拠し、30×30×100mmの試料の長手方向の動弾性率Eを測定した後、1500℃-10分間の加熱、5分間の水冷、10分間の大気冷却を1サイクルとしたスポーリングを3サイクル繰り返し、スポーリング終了後に再度、動弾性率Eを測定し、試験前後での動弾性率の変化率E/Eを指標として評価した。
耐溶損性については、高周波誘導炉を用いた内張り張り分け法で評価した。試験温度を1500℃とし、表10に示す合成スラグを1時間毎に4回投入した。試験後に溶損量を測定し、表1中の参考例Aの溶損量を100として溶損指数を求めた。
以上の嵩密度、見掛け気孔率、熱伝導率、曲げ強度、動弾性率、残存膨張率、遊離カーボン量の測定値と、耐割れ性と耐溶損性の評価結果を、原料配合及び煉瓦構成とともに表2~表9、表11~表14に示す。
表2に示すように、+2.36mmの耐火物屑の含有量、ならびに+2.36mmの耐火物屑と2.36-1mmの耐火物屑の含有比率を検討したところ、発明例1-1~1-7が示す通り、+2.36mmの耐火物屑を3質量%以上含有し、+2.36mmの耐火物屑と2.36-1mmの耐火物屑の含有比率を1:1~1:20の範囲内とした耐火物煉瓦は、嵩密度、見掛け気孔率、残存膨張率、耐割れ性、耐溶損性がバージン煉瓦と同程度であった。これに対して、比較例1-1~1-3が示す通り、+2.36mmの耐火物屑の含有量が3質量%未満、または+2.36mmの耐火物屑と2.36-1mmの耐火物屑の含有比率が1:1~1:20の範囲外の場合、耐割れ性または耐溶損性が大幅に低下した。
これらの結果から、+2.36mmの耐火物屑の含有量を3質量%以上、+2.36の耐火物屑と2.36-1mmの耐火物屑の含有比率を1:1~1:20の範囲内とすればよいことが判った。
表3に示すように、+2.8mmの耐火物屑の含有量、ならびに+2.8mmの耐火物屑と2.8-1mmの耐火物屑の含有比率を検討したところ、発明例2-1~2-5が示す通り、+2.8mmの耐火物屑を1質量%以上含有し、+2.8mmの耐火物屑と2.8-1mmの耐火物屑の含有比率を1:6~1:69の範囲内とした耐火物煉瓦は、嵩密度、見掛け気孔率、残存膨張率、耐割れ性、耐溶損性がバージン煉瓦と同程度であった。これに対して、比較例2-1~2-3が示す通り、+2.8mmの耐火物屑の含有量が1質量%未満、または+2.8mmの耐火物屑と2.8-1mmの耐火物屑の含有比率が1:6~1:69の範囲外の場合、耐割れ性または耐溶損性が大幅に低下した。
これらの結果から、+2.8mmの耐火物屑の含有量を1質量%以上、+2.8mmの耐火物屑と2.8-1mmの耐火物屑の含有比率を1:6~1:69の範囲内とすればよいことが判った。
表4-1に示すように、粒径2.36mm以下の耐火物屑の含有量を検討したところ、発明例3-1が示す通り、粒径2.36mm以下の耐火物屑の含有量が42質量%未満の場合、粒径2.36mm以下の耐火物屑の含有量が42質量%以上の場合と比べて耐割れ性は同程度であるが、耐溶損性が僅かに劣った。但し、その劣化量は、実機での使用には大きな影響を及ぼさない程度のものである。
また、表4-2に示すように、粒径2.8mm以下の耐火物屑の含有量を検討したところ、発明例3-5が示す通り、粒径2.8mm以下の耐火物屑の含有量が42質量%未満の場合、粒径2.8mm以下の耐火物屑の含有量が42質量%以上の場合と比べて耐割れ性は同程度であるが、耐溶損性が僅かに劣った。但し、その劣化量は、実機での使用には大きな影響を及ぼさない程度のものである。
表5に示すように、耐火物屑の含有量を検討したところ、発明例2-3および発明例4-2~4-4が示す通り、耐火物屑の含有量が60質量%超90質量%以下の場合、バージン煉瓦と同程度の耐溶損性が得られた。一方、発明例4-1の通り、耐火物屑の含有量が60質量%未満の場合、嵩密度が高くて熱伝導率がかなり高い。また、比較例4-1が示す通り、耐火物屑の含有量が90質量%超の場合、耐溶損性が大幅に低下した。
表6に示すように、-1mmのバージン原料(但し、金属Siを除く。以下同様)の含有量を検討したところ、発明例5-2~5-5が示す通り、-1mmのバージン原料の含有量が10質量%以上40質量%以下の場合、嵩密度、見掛け気孔率、残存膨張率、耐割れ性、耐溶損性は、バージン煉瓦と同程度であった。一方、発明例5-1が示す通り、-1mmのバージン原料の含有量が10質量%未満の場合、-1mmのバージン原料の含有量が10質量%以上40質量%以下の場合と比べて、耐割れ性は同程度であるが、耐溶損性が僅かに劣った。但し、その劣化量は、実機での使用には大きな影響を及ぼさない程度のものである。また、発明例5-6が示す通り、-1mmのバージン原料の含有量が40質量%超の場合、-1mmのバージン原料の含有量が10質量%以上40質量%以下の場合と比べて、耐溶損性は同程度であるが、耐割れ性が僅かに劣った。但し、その劣化量は、実機での使用には大きな影響を及ぼさない程度のものである。
表7に示すように、リサイクル原料(耐火物屑)とバージン原料を合わせた全耐火物原料中のアルミナ含有量とシリカ含有量を検討したところ、発明例2-3および発明例6-2、6-3が示す通り、アルミナ含有量が50質量%以上70質量%以下、シリカ含有量が10質量%以上30質量%以下の場合、バージン煉瓦と同程度の耐割れ性と耐溶損性が得られた。一方、発明例6-1が示す通り、アルミナ含有量が50質量%未満、シリカ含有量が30質量%超の場合、アルミナ含有量が50質量%70質量%以下、シリカ含有量が10質量%以上30質量%以下の場合と比べて、耐溶損性が僅かに劣った。但し、その劣化量は、実機での使用には大きな影響を及ぼさない程度のものである。また、発明例6-4が示す通り、アルミナ含有量が70質量%超、シリカ含有量が10質量%未満の場合、アルミナ含有量が50質量%70質量%以下、シリカ含有量が10質量%以上30質量%以下の場合と比べて、耐割れ性が僅かに劣った。但し、その劣化量は、実機での使用には大きな影響を及ぼさない程度のものである。
表8に示すように、-1mmの耐火物原料中のアルミナ含有量を検討したところ、発明例7-2、7-3が示す通り、アルミナ含有量が10質量%以上30質量%以下の場合、バージン煉瓦と同程度の耐溶損性および耐割れ性が得られた。一方、発明例7-1が示す通り、アルミナ含有量が10質量%未満の場合、アルミナ含有量が10質量%以上30質量%以下の場合に較べて、耐溶損性が僅かに劣った。但し、その劣化量は、実機での使用には大きな影響を及ぼさない程度のものである。また、発明例7-3が示す通り、アルミナ含有量が30質量%超の場合、アルミナ含有量が10質量%以上30質量%以下の場合に較べて、耐割れ性が僅かに劣った。但し、その劣化量は、実機での使用には大きな影響を及ぼさない程度のものである。
表9に示すように、発明例2-3の配合の原料を成形圧の異なる装置で成形した場合、特に緻密な耐火物煉瓦を得るために、成形圧を150MPa以上とするのが好ましいことが判る。
表11に示すように、全耐火物原料中でのバージンのシリカ原料(ろう石)の含有量を検討したところ、発明例9-2~発明例9-5が示す通り、全耐火物原料中でのバージンのシリカ原料(ろう石)の含有量が2質量%以上30質量%以下の場合に、高耐割れ性と高耐溶損性を両立できた。これに対して、発明例9-1が示す通り、シリカ原料(ろう石)の含有量が2質量%未満の場合、耐溶損性を維持できたが、耐割れ性が僅かに劣った。また、発明例9-6が示す通り、シリカ原料(ろう石)の含有量が30質量%超の場合、耐割れ性を維持できたが、耐溶損性が僅かに劣った。但し、それらの劣化量は、実機での使用には大きな影響を及ぼさない程度のものである。
表12に示すように、バージンのシリカ原料(ろう石)の粒径範囲の影響を検討したところ、発明例10-3~発明例10-6が示す通り、2.8-1mmのシリカ原料(ろう石)と-1mmのシリカ原料(ろう石)の含有比率(質量比)が2:1~2:4の範囲内の場合に、高耐割れ性と高耐溶損性を両立できた。これに対して、2.8-1mmのシリカ原料(ろう石)と-1mmのシリカ原料(ろう石)の含有比率(質量比)が2:1~2:4の範囲外の場合には、マトリックス中へのスラグ浸透による耐溶損性の劣化、若しくは煉瓦が緻密になり過ぎたことによる耐割れ性の劣化が僅かに生じた。但し、その劣化量は、実機での使用には大きな影響を及ぼさない程度のものである。
表13に示すように、全耐火物原料中でのバージンのアルミナ原料の含有量を検討したところ、発明例11-2~発明例11-5が示す通り、全耐火物原料中でのバージンのアルミナ原料の含有量が6質量%以上45質量%以下の場合、高耐溶損性を維持できた。一方、発明例11-1が示す通り、全耐火物原料中でのバージンのアルミナ原料の含有量が6質量%未満の場合、耐割れ性を維持できたが耐溶損性が僅かに劣った。一方、発明例11-6が示す通り、全耐火物原料中でのバージンのアルミナ原料の含有量が45質量%超の場合、耐溶損性を維持できたが耐割れ性が僅かに劣った。但し、それらの劣化量は、実機での使用には大きな影響を及ぼさない程度のものである。
表14に示すように、全耐火物原料中でのバージンの炭化珪素原料の含有量を検討したところ、発明例12-2~発明例12-5が示す通り、全耐火物原料中でのバージンの炭化珪素原料の含有量が2質量%以上8質量%以下の場合、カーボンの酸化防止効果が発現し、高耐割れ性と高耐溶損性を両立できた。これに対して、発明例12-1が示す通り、全耐火物原料中でのバージンの炭化珪素原料の含有量が2質量%未満の場合、カーボンの酸化防止効果が低下したため、耐割れ性が僅かに低下した。一方、発明例12-6が示す通り、全耐火物原料中でのバージンの炭化珪素原料の含有量が8質量%超の場合、炭化珪素原料の酸化反応が進行し過ぎたため耐溶損性が僅かに低下した。但し、それらの劣化量は、実機での使用には大きな影響を及ぼさない程度のものである。
以上の結果から、原料の一部として耐火物屑を再利用したアルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質耐火物煉瓦において、バージン煉瓦と同程度の耐割れ性と耐溶損性を有し、熱伝導率の低いアルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質耐火物煉瓦とするためには、アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の使用済み耐火物の粉砕物である粒径8mm以下の耐火物屑(x)を、全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で17質量%以上90質量%以下含有すること、さらに、耐火物屑(x)のうちの粒径2.36mm超の耐火物屑を、全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で3質量%以上含有し、耐火物屑(x)のうちの粒径2.36mm超の耐火物屑と粒径2.36mm以下1mm超の耐火物屑の含有比率(質量比)を1:1~1:20とすること、若しくは、耐火物屑(x)のうちの粒径2.8mm超の耐火物屑を、全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で1質量%以上含有し、耐火物屑(x)のうちの粒径2.8mm超の耐火物屑と粒径2.8mm以下1mm超の耐火物屑の含有比率(質量比)を1:6~1:69とすることが必要であることが判る。
また、上記耐火物煉瓦のより好ましい条件は、(i)耐火物屑(x)のうちの粒径2.8mm以下の耐火物屑を、全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で42質量%以上含有すること、(ii)耐火物屑(x)を、全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で60質量%超90質量%以下含有すること、(iii)バージン原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)のうちの粒径1mm以下の耐火物原料の割合が10質量%以上40質量%以下であること、(iv)全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中のアルミナ含有量が50質量%以上70質量%以下、シリカ含有量が10質量%以上30質量%以下であること、(v)粒径1mm以下の耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中のアルミナ含有量が10質量%以上30質量%以下であること、(vi)全耐火物原料(但し、バージン原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中の遊離カーボン含有量が12質量%以下であること、(vii)未使用のシリカ原料を全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で2質量%以上30質量%以下含有すること、(viii)シリカ原料がろう石またはムライトからなり、粒径2.8mm以下1mm超のシリカ原料と、粒径1mm以下のシリカ原料の含有比率(質量比)が2:1~2:4であること、(ix)未使用のアルミナ原料を全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で6質量%以上45質量%以下含有すること、(x)未使用の炭化珪素原料を全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で2質量%以上8質量%以下含有すること、であり、これらを満足することにより、特に優れた性能が得られることが判る。
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Claims (26)

  1. アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質耐火物煉瓦において、
    アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の使用済み耐火物の粉砕物である粒径8mm以下の耐火物屑(x)を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で17質量%以上90質量%以下含有し、
    耐火物屑(x)のうちの粒径2.36mm超の耐火物屑を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で3質量%以上含有し、
    耐火物屑(x)のうちの粒径2.36mm超の耐火物屑と粒径2.36mm以下1mm超の耐火物屑の含有比率(質量比)が1:1~1:20であることを特徴とする耐火物煉瓦。
  2. 耐火物屑(x)のうちの粒径2.36mm以下の耐火物屑を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で42質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の耐火物煉瓦。
  3. アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質耐火物煉瓦において、
    アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の使用済み耐火物の粉砕物である粒径8mm以下の耐火物屑(x)を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で17質量%以上90質量%以下含有し、
    耐火物屑(x)のうちの粒径2.8mm超の耐火物屑を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で1質量%以上含有し、
    耐火物屑(x)のうちの粒径2.8mm超の耐火物屑と粒径2.8mm以下1mm超の耐火物屑の含有比率(質量比)が1:6~1:69であることを特徴とする耐火物煉瓦。
  4. 耐火物屑(x)のうちの粒径2.8mm以下の耐火物屑を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で42質量%以上含有することを特徴とする請求項3に記載の耐火物煉瓦。
  5. 耐火物屑(x)を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で60質量%超90質量%以下含有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の耐火物煉瓦。
  6. 未使用の耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)のうちの粒径1mm以下の耐火物原料の割合が10質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の耐火物煉瓦。
  7. 全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中のアルミナ含有量が50質量%以上70質量%以下、シリカ含有量が10質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の耐火物煉瓦。
  8. 粒径1mm以下の耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中のアルミナ含有量が10質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の耐火物煉瓦。
  9. 全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中の遊離カーボン含有量が12質量%以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の耐火物煉瓦。
  10. 未使用のシリカ原料を全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で2質量%以上30質量%以下含有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の耐火物煉瓦。
  11. シリカ原料がろう石またはムライトからなり、粒径2.8mm以下1mm超のシリカ原料と、粒径1mm以下のシリカ原料の含有比率(質量比)が2:1~2:4であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の耐火物煉瓦。
  12. 未使用のアルミナ原料を全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で6質量%以上45質量%以下含有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の耐火物煉瓦。
  13. 未使用の炭化珪素原料を全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中で2質量%以上8質量%以下含有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の耐火物煉瓦。
  14. アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質耐火物煉瓦の製造方法において、
    アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の使用済み耐火物を粉砕して得られた粒径8mm以下の耐火物屑であって、粒径2.36mm超の耐火物屑と粒径2.36mm以下1mm超の耐火物屑の含有比率(質量比)が1:1~1:20である耐火物屑(x)を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での耐火物屑(x)の割合が17質量%以上90質量%以下、耐火物屑(x)のうちの粒径2.36mm超の耐火物屑の全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が3質量%以上となるように、未使用の耐火物原料に配合することを特徴とする耐火物煉瓦の製造方法。
  15. 耐火物屑(x)のうちの粒径2.36mm以下の耐火物屑の全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が42質量%以上となるように、耐火物屑(x)を未使用の耐火物原料に配合することを特徴とする請求項14に記載の耐火物煉瓦の製造方法。
  16. アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質耐火物煉瓦の製造方法において、
    アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の使用済み耐火物を粉砕して得られた粒径8mm以下の耐火物屑であって、粒径2.8mm超の耐火物屑と粒径2.8mm以下1mm超の耐火物屑の含有比率(質量比)が1:6~1:69である耐火物屑(x)を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での耐火物屑(x)の割合が17質量%以上90質量%以下、耐火物屑(x)のうちの粒径2.8mm超の耐火物屑の全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が1質量%以上となるように、未使用の耐火物原料に配合することを特徴とする耐火物煉瓦の製造方法。
  17. 耐火物屑(x)のうちの粒径2.8mm以下の耐火物屑の全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が42質量%以上となるように、耐火物屑(x)を未使用の耐火物原料に配合することを特徴とする請求項16に記載の耐火物煉瓦の製造方法。
  18. 耐火物屑(x)の全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が60質量%超90質量%以下となるように、耐火物屑(x)を未使用の耐火物原料に配合することを特徴とする請求項14~17のいずれかに記載の耐火物煉瓦の製造方法。
  19. 未使用の耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)のうちの粒径1mm以下の耐火物原料の割合が10質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項14~17のいずれかに記載の耐火物煉瓦の製造方法。
  20. 全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中のアルミナ含有量が50質量%以上70質量%以下、シリカ含有量が10質量%以上30質量%以下となるように、耐火物屑(x)を未使用の耐火物原料に配合することを特徴とする請求項14~17のいずれかに記載の耐火物煉瓦の製造方法。
  21. 粒径1mm以下の耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中のアルミナ含有量が10質量%以上30質量%以下となるように、耐火物屑(x)を未使用の耐火物原料に配合することを特徴とする請求項14~17のいずれかに記載の耐火物煉瓦の製造方法。
  22. 全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中の遊離カーボン含有量が12質量%以下となるように、耐火物屑(x)を未使用の耐火物原料に配合することを特徴とする請求項14~17のいずれかに記載の耐火物煉瓦の製造方法。
  23. 未使用のシリカ原料を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が2質量%以上30質量%以下となるように配合することを特徴とする請求項14~17のいずれかに記載の耐火物煉瓦の製造方法。
  24. シリカ原料がろう石またはムライトからなり、粒径2.8mm以下1mm超のシリカ原料と、粒径1mm以下のシリカ原料の含有比率(質量比)が2:1~2:4であることを特徴とする請求項14~17のいずれかに記載の耐火物煉瓦の製造方法。
  25. 未使用のアルミナ原料を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が6質量%以上45質量%以下となるように配合することを特徴とする請求項14~17のいずれかに記載の耐火物煉瓦の製造方法。
  26. 未使用の炭化珪素原料を、全耐火物原料(但し、未使用の耐火物原料として金属Siを含有する場合はこれを除く。)中での割合が2質量%以上8質量%以下となるように配合することを特徴とする請求項14~17のいずれかに記載の耐火物煉瓦の製造方法。
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