JP2024008643A - 第1コネクタおよびコネクタアセンブリ - Google Patents

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佑多 兼松
Yuta Kanematsu
ソンヒョン ビョン
Sung-Hyun Byun
宣和 廣脇
Nobukazu Hirowaki
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01RELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
    • H01R13/00Details of coupling devices of the kinds covered by groups H01R12/70 or H01R24/00 - H01R33/00
    • H01R13/62Means for facilitating engagement or disengagement of coupling parts or for holding them in engagement
    • H01R13/621Bolt, set screw or screw clamp

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Abstract

【課題】締結ボルトを長くすることなく、端子同士の接触圧力が加わる前の締結ボルトとナットにおけるねじ山の係合長さを増大することができる、第1コネクタを開示する。【解決手段】第1コネクタ12であって、第1端子16と第1ハウジング20と締結ボルト22と第1ハウジング20を貫通するボルト挿通孔74を有し、締結ボルト22は、初期位置と嵌合開始位置の間でボルト挿通孔74に対して変位可能であり、第1コネクタ12が第2コネクタ14に対して仮固定され、且つ第1端子16と第2端子18の接触圧力が発生していない状態で、締結ボルト22は、ボルト側ねじ部176の先端がナット184の開口部218に当接することで初期位置に配置され、締結ボルト22のボルト側ねじ部176がナット184に設けられたナット側ねじ部212に螺合されることで嵌合開始位置まで変位される。【選択図】図7

Description

本開示は、第1コネクタおよびコネクタアセンブリに関する。
従来から、高圧バッテリやインバータ等の車載機器間の送電に用いられるコネクタアセンブリでは、端子間の微摺動摩耗を防止するために、第1コネクタと第2コネクタのそれぞれに収容された端子同士の接触圧力を大きくすることが行われている。近年の大電流化・高電圧化に対応して、端子の大型化や端子金具に接続される電線の大径化が進んでおり、端子同士の接触圧力も増大している。それゆえ、第1コネクタと第2コネクタを嵌合する際に要求される嵌合力も増大して、作業者の手によって第1コネクタと第2コネクタの嵌合操作をすることが難しくなる場合がある。
そこで、特許文献1には、第1コネクタを第2コネクタに対してボルト締めすることにより、ボルトの締結力を利用してコネクタ同士の嵌合を可能にする、所謂、ボルトアシストタイプのコネクタアセンブリが提案されている。
特開2018-41635号公報
ところが、特許文献1のコネクタアセンブリでは、第1コネクタを第2コネクタにボルト締めする際に、第1コネクタに設けた締結ボルトの1つ目のねじ山が第2コネクタに設けられたナットの1つ目のねじ山に係合すると同時に、第1コネクタの端子と第2コネクタの端子との端子同士の接触圧力が加わるため、ねじ山の剛性が接触圧力に耐えられず、ねじ山が破壊されるおそれがあった。
これに対して、単に締結ボルトを長くして、端子同士の接触圧力が加わる際の締結ボルトとナットのねじ山の係合長さを増大しておくことも考えられるが、長く突出した締結ボルトは、コネクタ同士の嵌合時に他部材と干渉して嵌合作業自体に支障をきたすおそれがあるため、より適切な対応が求められていた。
そこで、締結ボルトを長くすることなく、端子同士の接触圧力が加わる前の締結ボルトとナットにおけるねじ山の係合長さを増大することができる、第1コネクタおよびコネクタアセンブリを開示する。
本開示の第1コネクタは、第2コネクタに着脱可能に嵌合される第1コネクタであって、前記第2コネクタに設けられた第2端子に接続される第1端子と、前記第1端子を収容して保持する第1ハウジングと、前記第1ハウジングに保持されて、前記第2コネクタに設けられたナットに締結される締結ボルトと、を備え、前記第1ハウジングは、前記第1ハウジングを、前記第1コネクタの前記第2コネクタへの嵌合方向に貫通するボルト挿通孔を有し、前記締結ボルトは、ボルト頭部と前記ボルト頭部から前記嵌合方向の前方に突出して前記ボルト挿通孔に挿通される挿通軸部と、前記挿通軸部の先端から前記嵌合方向の前方に突出するボルト側ねじ部と、前記挿通軸部の前記先端側に位置して前記締結ボルトの外周側に突出する係合凸部と、を有し、前記ボルト挿通孔は、前記嵌合方向の前方に向かって開口する前方開口部と、前記嵌合方向の後方に向かって開口する後方開口部と、を有し、前記締結ボルトは、前記前方開口部の周縁部である前方周縁部に前記係合凸部が係合することで、前記嵌合方向の後方への変位が規制された初期位置と、前記後方開口部の周縁部である後方周縁部に前記ボルト頭部が係合することで、前記嵌合方向の前方への変位が規制された嵌合開始位置の間で、前記ボルト挿通孔に対して前記嵌合方向に所定寸法の変位が可能であり、且つ離脱不能に組み付けられており、前記第1コネクタが前記第2コネクタに対して仮固定され、且つ前記第1端子と前記第2端子の接触圧力が発生していない状態で、前記締結ボルトは、前記ボルト側ねじ部の先端が前記ナットの開口部に当接することで前記初期位置に配置され、前記締結ボルトの前記ボルト側ねじ部が前記ナットに設けられたナット側ねじ部に螺合されることで前記嵌合開始位置まで変位される、ものである。
本開示のコネクタアセンブリは、本開示の第1コネクタと、前記第1コネクタが着脱可能に嵌合される第2コネクタとを備え、前記第2コネクタは、前記第1端子と接続される第2端子と、前記第2端子を収容して保持する第2ハウジングと、前記締結ボルトが締結されるナットと、を有している、ものである。
本開示によれば、第1コネクタおよびコネクタアセンブリによれば、締結ボルトを長くすることなく、端子同士の接触圧力が加わる前の締結ボルトとナットにおけるねじ山の係合長さを増大することができる。
図1は、実施形態1に係るコネクタアセンブリを第1コネクタと第2コネクタとの嵌合状態で示す斜視図である。 図2は、図1に示されたコネクタアセンブリにおける平面図である。 図3は、図2におけるIII-III断面の要部を拡大して示す縦断面図である。 図4は、図2におけるIV-IV断面の要部を拡大して示す縦断面図である。 図5は、図4におけるV-V断面の要部を拡大して示す縦断面図である。 図6は、図1に示されたコネクタアセンブリを第1コネクタと第2コネクタとの分離状態で示す斜視図である。 図7は、図1に示されたコネクタアセンブリにおいて締結ボルトが初期位置にある状態を示す縦断面図であって、図3に対応する図である。 図8は、図1に示されたコネクタアセンブリにおいて締結ボルトが嵌合開始位置にある状態を示す縦断面図であって、図3に対応する図である。 図9は、締結ボルトが嵌合開始位置にある状態を示す縦断面図であって、図4に対応する図である。 図10は、図1に示されたコネクタアセンブリを構成する第1コネクタを示す底面図である。 図11は、図1に示されたコネクタアセンブリを構成する第2コネクタを示す斜視図である。 図12は、実施形態2に係る第1コネクタを示す縦断面図であって、図3に対応する図である。
<本開示の実施形態の説明>
最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の第1コネクタは、
(1)第2コネクタに着脱可能に嵌合される第1コネクタであって、前記第2コネクタに設けられた第2端子に接続される第1端子と、前記第1端子を収容して保持する第1ハウジングと、前記第1ハウジングに保持されて、前記第2コネクタに設けられたナットに締結される締結ボルトと、を備え、前記第1ハウジングは、前記第1ハウジングを、前記第1コネクタの前記第2コネクタへの嵌合方向に貫通するボルト挿通孔を有し、前記締結ボルトは、ボルト頭部と前記ボルト頭部から前記嵌合方向の前方に突出して前記ボルト挿通孔に挿通される挿通軸部と、前記挿通軸部の先端から前記嵌合方向の前方に突出するボルト側ねじ部と、前記挿通軸部の前記先端側に位置して前記締結ボルトの外周側に突出する係合凸部と、を有し、前記ボルト挿通孔は、前記嵌合方向の前方に向かって開口する前方開口部と、前記嵌合方向の後方に向かって開口する後方開口部と、を有し、前記締結ボルトは、前記前方開口部の周縁部である前方周縁部に前記係合凸部が係合することで、前記嵌合方向の後方への変位が規制された初期位置と、前記後方開口部の周縁部である後方周縁部に前記ボルト頭部が係合することで、前記嵌合方向の前方への変位が規制された嵌合開始位置の間で、前記ボルト挿通孔に対して前記嵌合方向に所定寸法の変位が可能であり、且つ離脱不能に組み付けられており、前記第1コネクタが前記第2コネクタに対して仮固定され、且つ前記第1端子と前記第2端子の接触圧力が発生していない状態で、前記締結ボルトは、前記ボルト側ねじ部の先端が前記ナットの開口部に当接することで前記初期位置に配置され、前記締結ボルトの前記ボルト側ねじ部が前記ナットに設けられたナット側ねじ部に螺合されることで前記嵌合開始位置まで変位される、ものである。
本開示の第1コネクタによれば、第1ハウジングが第2コネクタに対して仮固定され、且つ第1端子と第2端子の接触圧力が発生していない状態で、第1コネクタに設けられた締結ボルトは、初期位置から嵌合開始位置まで、ボルト挿通孔に対して変位可能に構成されている。初期位置では、ボルト頭部がボルト挿通孔の後方開口部から第1コネクタの第2コネクタへの嵌合方向の後方へ所定寸法離隔している。そして、嵌合開始位置では、締結ボルトのボルト側ねじ部がナット側ねじ部に螺合されて、ボルト頭部が後方周縁部に向かって所定寸法移動している。すなわち、第1端子と第2端子の接触圧力が発生する以前の嵌合開始位置において、既に、締結ボルトのボルト側ねじ部を第2コネクタのナット側ねじ部に螺合させて所定寸法だけ締結ボルトを嵌合方向の前方に移動させることができる。これにより、締結ボルトが所定寸法だけ嵌合方向に移動する間、ボルト側ねじ部のねじ山がナット側ねじ部のねじ山に係合することができ、第1端子と第2端子の接触圧力が及ぼされる前の、締結ボルトとナットにおけるねじ山の係合長さを増大することができる。それゆえ、第1端子と第2端子の接触圧力が及ぼされた場合であっても、締結ボルトのねじ山が破損されることが抑制され、第1コネクタの耐久性が向上されている。
さらに、締結ボルトを、ボルト挿通孔に対して、嵌合方向とその反対方向に所定寸法だけ変位可能にするという構成を採用することで、締結ボルトとナットにおけるねじ山の係合長さを増大することができる。それゆえ、締結ボルト自体を長くする必要がないことから、第1コネクタの第2コネクタに対する組付性を悪化することも抑制または防止されている。
なお、第1ハウジングは、絶縁性の第1コネクタハウジングによって構成されてもよいし、さらに第1コネクタハウジングを覆って固定的に組み付けられる金属製のシールドシェルを含んで構成されていてもよい。さらに、締結ボルトが挿通されるボルト挿通孔は、第1ハウジングに設けられていればよいことから、第1コネクタハウジングに設けられてもよいし、第1コネクタハウジングがシールドシェルで覆われている場合には、シールドシェルに設けられていてもよい。
また、「第1コネクタが第2コネクタに対して仮固定される」ための構成は、第1コネクタと第2コネクタが嵌合方向に相互に嵌合可能なように位置決めされるものであれば、任意の構成が採用可能である。
(2)前記第1ハウジングは、絶縁性の第1コネクタハウジングと、前記第1コネクタハウジングを覆って前記第1コネクタハウジングに固定的に組み付けられる金属製のシールドシェルを含んでおり、前記ボルト挿通孔は、前記シールドシェルに設けられている、ことが好ましい。締結ボルトの締結力が及ぼされるボルト挿通孔の後方周縁部を、金属製のシールドシェルを利用して構成できることから、後方周縁部に特別な補強を行う必要性を低減でき、後方周縁部の剛性の確保を少ない部品点数で実現できるからである。
(3)前記締結ボルトの前記係合凸部は、変位不能に設けられており、前記ボルト挿通孔の前記前方周縁部には、前記嵌合方向に開口する凹所が設けられており、前記凹所の深さ寸法が前記所定寸法に設定され、前記凹所の底面に前記係合凸部が当接することで、前記締結ボルトが前記初期位置に配置され、前記凹所の開口側に前記係合凸部が変位して前記ボルト頭部が前記後方周縁部に当接することで、前記締結ボルトが前記嵌合開始位置に配置される、ことが好ましい。
締結ボルトに対して係合凸部を固定的に設け、ボルト挿通孔の前方周縁部において、嵌合方向に開口する凹所を設けることで、締結ボルトをボルト挿通孔に対して嵌合方向と反対方向に変位可能に挿通することができる。そして、凹所の深さ寸法を所定寸法に設定して、凹所の底面に係合凸部を当接させることで、締結ボルトを初期位置に簡単且つ確実に配置することができる。また、凹所の開口側に係合凸部が変位して、ボルト頭部が後方周縁部に当接することで、締結ボルトが嵌合開始位置に配置されることから、締結ボルトを嵌合開始位置に簡単且つ確実に配置することができる。しかも、嵌合開始位置において、ボルト頭部が後方周縁部に当接していることから、嵌合開始位置から締結ボルトをさらに締結する際には、ボルトの締結力を速やかにコネクタハウジング側に伝達して、第1コネクタと第2コネクタをボルトの締結力を利用して有利に嵌合させることができる。
(4)前記締結ボルトの前記挿通軸部の前記先端側には、外周側に向かって開口する環状のリング装着溝が設けられており、前記リング装着溝に対して周方向の一か所が切り欠かれた金属製のリング部材が、前記嵌合方向で変位可能に装着されて前記係合凸部が構成されており、前記第1コネクタが前記第2コネクタに対して仮固定され、前記ボルト側ねじ部の前記先端が前記ナットの前記開口部に当接することで前記初期位置に配置された前記締結ボルトでは、前記リング装着溝の前記嵌合方向の前方の端面に前記リング部材が係止されており、前記締結ボルトが前記ナットに螺合されて前記嵌合開始位置に配置された前記締結ボルトでは、前記リング部材が前記リング装着溝の前記嵌合方向の後方の端面側に移動して、前記ボルト頭部が前記後方周縁部に当接している、ことが好ましい。
締結ボルトの挿通軸部の先端側にリング装着溝を設け、リング装着溝に金属製のリング部材を嵌合方向で変位可能に組み付けるだけで、初期位置から嵌合開始位置までボルト挿通孔に対して所定寸法だけ変位が許容された締結ボルトを離脱不能に組み付けることができる。それゆえ、第1コネクタ側に形状の変更を必要とすることなく、本開示の構成を実現することができ、製造性の向上やコストの低減を図ることができる。
なお、金属製のリング部材は、周方向の一か所が切り欠かれてリング装着溝に組み付け可能なものであれば何れでもよく、例えば、公知のCリングやEリング等を有利に採用できる。
(5)前記締結ボルトは、前記嵌合開始位置から前記ボルト側ねじ部を前記ナット側ねじ部にさらに螺合させることで、前記嵌合方向の前方に位置する嵌合完了位置まで変位され、前記締結ボルトが前記嵌合完了位置に配置された状態で、前記第1コネクタが前記第2コネクタに対して本固定される、ことが好ましい。締結ボルトを、嵌合開始位置から嵌合完了位置まで、さらにナットに螺合することで、ボルト締結によりアシスト力を利用して第1コネクタと第2コネクタを本嵌合できる。特に、嵌合開始位置で既に締結ボルトとナットの螺合が、嵌合方向への締結ボルトの所定寸法の変位分だけ完了していることから、第1コネクタと第2コネクタの嵌合時に生じる第1端子と第2端子の接触圧力を、締結ボルトとナットにより安定して受け止めることができ、締結ボルトのねじ山が破損が抑制され、第1コネクタの耐久性が向上されている。
本開示のコネクタアセンブリは、
(6)本開示の第1コネクタと、前記第1コネクタが着脱可能に嵌合される第2コネクタとを備え、前記第2コネクタは、前記第1端子と接続される第2端子と、前記第2端子を収容して保持する第2ハウジングと、前記締結ボルトが締結されるナットと、を有している、ものである。
本開示のコネクタアセンブリによれば、第2コネクタに嵌合される第1コネクタとして本開示の第1コネクタを採用していることから、前記第1コネクタと同様の作用効果を享受することができる、コネクタアセンブリを提供することができる。
<本開示の実施形態の詳細>
本開示の第1コネクタおよびコネクタアセンブリの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施形態1>
以下、本開示の実施形態1のコネクタアセンブリ10について、図1から図11を用いて説明する。コネクタアセンブリ10は、第1コネクタ12と、第1コネクタ12に着脱可能に嵌合される第2コネクタ14とを含んでいる。そして、第1コネクタ12と第2コネクタ14とが嵌合することで、第1コネクタ12における第1端子16と第2コネクタ14における第2端子18とが接続されて電気的に導通状態となるようになっている。なお、コネクタアセンブリ10は、任意の向きで配置することができるが、以下では、上方とは図3中の上方、下方とは図3中の下方、前方とは図2中の左方、後方とは図2中の右方、左方とは図2中の上方、右方とは図2中の下方として説明する。また、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
<第1コネクタ12>
図3から図5等にも示されるように、第1コネクタ12は、第2コネクタ14に設けられた第2端子18に接続される第1端子16と、第1端子16を収容して保持する第1ハウジング20と、第1ハウジング20に保持されて、第2コネクタ14に設けられた後述するナット184に締結される締結ボルト22と、を備えている。実施形態1では、後述するように一対の被覆電線40が設けられており、各被覆電線40の端末に第1端子16が固着されている。すなわち、第1コネクタ12には一対の第1端子16,16が設けられており、各第1端子16が左右方向で相互に離隔して配置されている。
<第1端子16>
実施形態1では、第2端子18がピン端子とされており、第1端子16は、第2端子18における後述する柱状接続部188が圧入される筒状接続部24を有していればその具体的な構造は限定されるものではないが、例えば特開2021-28899号公報に記載の雌端子(10)のような構造が採用され得る。より詳細には、実施形態1の第1端子16は、第1端子本体26と、第1端子本体26の先端部(前端部)に取り付けられる弾性部材としてのクリップばね28とを含んで構成されている。
<第1端子本体26>
第1端子本体26は、全体として略帯状とされた金属平板を所定の形状にプレス加工等することで形成されている。第1端子本体26は上述の筒状接続部24を有しており、実施形態1では、略円筒形状とされた筒状接続部24が上下方向両側に開口している。この筒状接続部24は、図5にも示されるように、それぞれ略半円筒形状とされた左方に位置する第1周壁部30と右方に位置する第2周壁部32とから構成されており、これら第1周壁部30と第2周壁部32とが左右方向で相互に対向している。
そして、第1周壁部30の内周面には、周方向中央部分において、周方向に延出しつつ径方向内方に突出する円弧状突部34が設けられている。また、第2周壁部32の内周面には、筒状接続部24の軸方向(上下方向)に延出しつつ径方向内方に突出する線状接触部36が、周方向に離隔した複数箇所(2箇所)に設けられている。これにより、図5にも示されるように、後述する柱状接続部188が筒状接続部24に圧入された際には、円弧状突部34の周方向中央部分および一対の線状接触部36,36における周上の3箇所において、柱状接続部188の外周面と筒状接続部24の内周面とが当接するようになっている。
また、第1および第2周壁部30,32の後端部には、それぞれ後方に突出する一対の基端側板部38,38が設けられており、各基端側板部38が左右方向で相互に対向している。これら各基端側板部38は、それぞれの後端部において折り曲げられること等により相互に連結されている。さらに、第1端子本体26は、各基端側板部38よりも後方に延び出す部分を備えており、この後方への延出部分が、被覆電線40が固着される電線固着部42とされている。すなわち、被覆電線40は、芯線44と、芯線44を略全長にわたって被覆する合成樹脂製の絶縁被覆46とから構成されている。そして、被覆電線40の端末において絶縁被覆46が剥がされて芯線44が露出しているとともに、露出された芯線44が第1端子本体26の電線固着部42に固着されることで、第1端子本体26と被覆電線40とが接続されている。なお、電線固着部42と芯線44との固着方法は限定されるものではなく、接着や溶着等でもよいし、圧着片による圧着等であってもよい。
さらに、第1および第2周壁部30,32の前端部には、それぞれ前方に突出する一対の先端側板部48,48が設けられており、各先端側板部48が左右方向で相互に対向している。すなわち、第1端子本体26においては、第1周壁部30と第2周壁部32に対して後方側で各基端側板部38が相互に連結されており、第1周壁部30と第2周壁部32に対して前方側で各先端側板部48が相互に離隔して片持ち梁状に突出した自由端を構成している。これにより、各先端側板部48は、相互に接近または離隔する方向に弾性変形可能とされている。
各先端側板部48の前後方向中間部分において、幅方向(上下方向)中央部分には、板厚方向(左右方向)で貫通する略矩形の貫通孔50が形成されている。また、各先端側板部48の左右方向内面において、幅方向中央部分には、左右方向内方に突出するストッパ部52が設けられている。実施形態1では、各ストッパ部52が、各貫通孔50よりも後方に設けられている。これにより、第1端子本体26の先端部にクリップばね28が装着された際に各ストッパ部52が相互に当接することで、各先端側板部48の相互に接近する方向への変形量が制限されて、ひいては各先端側板部48の後方に接続された第1および第2周壁部30,32が接近し過ぎて筒状接続部24の内径寸法が小さくなり過ぎることも防止される。
<クリップばね28>
クリップばね28は、第1端子本体26の先端部に装着されることで、各先端側板部48を相互に接近する方向に付勢して、各先端側板部48の後方に接続された第1および第2周壁部30,32へ相互に接近する方向の付勢力を及ぼすようになっている。クリップばね28は、図5に示されるように、略板状とされた連結板54と、連結板54の左右方向両端部から後方に突出して互いに接近する方向に傾斜する一対の押さえ片56,56を有している。各押さえ片56の前後方向中間部分には屈曲部分58が設けられており、各押さえ片56の突出先端部は、各屈曲部分58から相互に離隔する方向に延び出している。したがって、各押さえ片56の対向距離は各屈曲部分58の形成部分において最も小さくされており、これら各屈曲部分58の間の隙間が、クリップばね28に対して第1端子本体26を挿し込むための挿込口60である。
また、各押さえ片56の屈曲部分58における幅方向(上下方向)中央部分には、各押さえ片56を板厚方向で貫通する略矩形の貫通窓62が形成されている。そして、各貫通窓62における後方の内周縁部において幅方向中央には、前方に突出する係止片64が設けられている。各係止片64は左右方向で相互に対向しており、それぞれ前方に向かうにつれて対向方向内方に突出している。これら各係止片64は板厚方向で弾性変形可能とされており、後述するようにクリップばね28が第1端子本体26に装着される際には、クリップばね28の挿込口60に対して第1端子本体26の先端部が挿入される。そして、第1端子本体26に対してクリップばね28を後方にスライド移動させることで、各係止片64が各先端側板部48における貫通孔50に入り込んで係止され、第1端子本体26に対してクリップばね28が固定されるようになっている。
<第1ハウジング20>
第1ハウジング20は、図4,5にも示されるように、絶縁性を有する合成樹脂製の第1コネクタハウジング66と、第1コネクタハウジング66を覆って第1コネクタハウジング66に固定的に組み付けられる金属製のシールドシェル68とを含んでいる。また、シールドシェル68の前方部分には下方に開口する下方開口部70が設けられており、この下方開口部70には、合成樹脂製のフロントリテーナ72が取り付けられている。さらに、第1ハウジング20は、図3にも示されるように、第1ハウジング20を、第1コネクタ12の第2コネクタ14への嵌合方向である上下方向に貫通するボルト挿通孔74を有しており、実施形態1では、ボルト挿通孔74がシールドシェル68に設けられている。
<第1コネクタハウジング66>
第1コネクタハウジング66は、図4,5にも示されるように、各被覆電線40の前端部分および各被覆電線40の端末に固着される各第1端子16が収容される略矩形筒状の端子収容部76を有している。実施形態1では一対の各被覆電線40および各第1端子16が設けられていることから一対の第1コネクタハウジング66,66が設けられており、各第1コネクタハウジング66がそれぞれ端子収容部76を有している。各第1コネクタハウジング66(各端子収容部76)は左右方向で相互に離隔するとともに、それぞれ前後方向に延びている。すなわち、第1コネクタハウジング66は、各端子収容部76の上側の壁部を構成する上壁部78と、下側の壁部を構成する下壁部80と、左側の壁部を構成する左壁部82と、右側の壁部を構成する右壁部84と、を備えている。そして、各端子収容部76の前方は前壁部86によって閉塞されており、各端子収容部76に収容される各被覆電線40は、各端子収容部76の後方開口部を通じて外部空間へ引き出されている。したがって、各端子収容部76における後方開口部により第1コネクタハウジング66において各被覆電線40が引き出される電線引出口88が構成されている。
実施形態1では、図4にも示されるように、第1コネクタハウジング66が、第1コネクタハウジング本体90と、第1コネクタハウジング本体90に組み付けられる第1コネクタハウジング蓋部92とから構成されている。すなわち、第1コネクタハウジング本体90において下壁部80の前方部分には下方に開口する下側窓部94が設けられており、この下側窓部94を覆蓋するように第1コネクタハウジング蓋部92が組み付けられるようになっている。要するに、第1コネクタハウジング66における下壁部80の一部が第1コネクタハウジング蓋部92により構成されている。
第1コネクタハウジング蓋部92には、筒状接続部24、すなわち第2端子18における後述する柱状接続部188と対応する位置に、柱状接続部188が挿通される挿通孔96が形成されている。また、第1コネクタハウジング蓋部92において挿通孔96の左右方向両側には、第2コネクタ14において柱状接続部188の左右方向両側に位置する後述する湾曲板部198が挿通される図示しない挿通孔が形成されている。なお、第1コネクタハウジング蓋部92には、上方に突出して左右方向で相互に離隔する一対の支持突部97,97が設けられている。図5に示されるように、第1コネクタ12の組立時には、一対の支持突部97,97の左右方向間に各第1端子本体26における各基端側板部38が挿し入れられて支持されるようになっている。
これら第1コネクタハウジング本体90と第1コネクタハウジング蓋部92との固定方法は限定されるものではないが、実施形態1では、第1コネクタハウジング本体90と第1コネクタハウジング蓋部92とがロック機構により固定されている。すなわち、第1コネクタハウジング本体90における左壁部82および右壁部84には左右方向外方に突出するロック突部98が設けられているとともに、第1コネクタハウジング蓋部92における左右方向両側には上方に突出するロック枠体100が設けられている。そして、各ロック枠体100に対して各ロック突部98が係合することで、第1コネクタハウジング本体90における下側窓部94が第1コネクタハウジング蓋部92により覆蓋されて、第1コネクタハウジング66が構成されるようになっている。
なお、第1コネクタハウジング66の左壁部82および右壁部84における長さ方向(前後方向)中間部分には、左右方向で弾性変形可能な弾性片102が設けられているとともに、各弾性片102には左右方向外方に突出する係止爪104が設けられている。またシールドシェル68の内面には後述する係止凹部117が設けられており、各係止爪104が各係止凹部117に係止されることで、第1コネクタハウジング66がシールドシェル68に固定されるようになっている。
<シールドシェル68>
シールドシェル68は、一対の第1コネクタハウジング66,66の略全体を覆う形状とされている。すなわち、シールドシェル68は、各第1コネクタハウジング66の上方を覆う上方壁部106と、各第1コネクタハウジング66の下方を覆う下方壁部108と、左側の第1コネクタハウジング66を左方から覆う左方壁部110と、右側の第1コネクタハウジング66を右方から覆う右方壁部112と、各第1コネクタハウジング66の前方を覆う前方壁部114と、を備えている。また、シールドシェル68の内部には、各第1コネクタハウジング66(各端子収容部76)の左右方向間に設けられて、シールドシェル68の内部空間を左右方向で仕切る仕切部116を備えている。さらに、図5に示されるように、シールドシェル68における左方壁部110や右方壁部112、仕切部116の内面には、第1コネクタハウジング66における各係止爪104と係合可能な係止凹部117が形成されている。
また、シールドシェル68の下方壁部108における前方部分には、下方壁部108を厚さ方向(上下方向)で貫通する貫通孔122が形成されている。この貫通孔122は、前後方向寸法に比して左右方向寸法の大きな略長円形状であり、左右方向で相互に離隔する各第1コネクタハウジング66にまたがって設けられている。すなわち、各第1コネクタハウジング66において後述する柱状接続部188が挿通される各挿通孔96および後述する各湾曲板部198が挿通される図示しない各挿通孔が、共通の貫通孔122を通じて下方の外部空間に連通されている。
この貫通孔122の周縁部には下方に突出する内側筒部124が設けられており、内側筒部124の下端部によりフロントリテーナ72が取り付けられる下方開口部70が構成されている。そして、各端子収容部76に収容される各第1端子16の各筒状接続部24が、シールドシェル68における下方開口部70を通じて外部に露出するようになっている。さらに、下方壁部108において内側筒部124の外周側には下方に突出する外側筒部126が設けられている。そして、コネクタアセンブリ10の組立時には、外側筒部126の下端における後方部分を除く領域の略全体が第2コネクタ14における後述する筐体186に当接するようになっている。なお、内側筒部124には、防水ゴム128が外挿されて取り付けられており、コネクタアセンブリ10の組立時において、シールドシェル68と後述する第2ハウジング182との間からの水の浸入が防止されている。
ここで、シールドシェル68の仕切部116において外側筒部126の後方部分よりも後方には、上下方向で貫通するボルト挿通孔74が設けられている。すなわち、ボルト挿通孔74は、第1コネクタ12における第2コネクタ14への嵌合方向の前方となる下方に向かって開口する前方開口部としての下方開口部130と、嵌合方向の後方となる上方に向かって開口する後方開口部としての上方開口部132と、を有している。そして、シールドシェル68の仕切部116において、下方開口部130の周縁部分が前方周縁部としての下方周縁部134であるとともに、上方開口部132の周縁部分が後方周縁部としての上方周縁部136である。実施形態1では、下方周縁部134において、嵌合方向前方(下方)に開口する略円形の凹所138が形成されており、この凹所138が所定の深さ寸法(上下方向寸法)を有している。特に、シールドシェル68において、ボルト挿通孔74の形成位置には下方に突出する接触部139が形成されており、図10に示されるように、底面視において接触部139が略矩形とされている。実施形態1では、接触部139の略中央部分に略円形の凹所138が形成されている。
また、シールドシェル68において、上方壁部106および下方壁部108における後端部には、上下方向外方に突出するロック爪部140が設けられている。これらロック爪部140は、各第1コネクタハウジング66に対応する位置に設けられており、上方壁部106および下方壁部108における後端部において、一対のロック爪部140,140が左右方向で相互に離隔して設けられている。さらに、シールドシェル68の後端部における左右方向両側には、後述するシールドブラケット164が固定される固定部142が設けられている。実施形態1では、シールドブラケット164から前方に突出する前方突出部168が固定部142に重ね合わされて、ボルト144によりシールドシェル68とシールドブラケット164とが相互に固定されるようになっている。
このようなシールドシェル68の下方開口部70に取り付けられるフロントリテーナ72は、図3,4等にも示されるように、略有底の筒形状であり、略長円形状の上底壁部146と、上底壁部146の外周縁部から下方に突出する周壁部148とを有している。図10にも示されるように、上底壁部146において、第1コネクタ12における各筒状接続部24と対応する位置、すなわち第2コネクタ14における後述する各柱状接続部188と対応する位置には、各柱状接続部188が挿通される貫通孔150aが上下方向で貫通して形成されている。また、各貫通孔150aの左右両側には、第2コネクタ14における後述する各湾曲板部198が挿通される貫通孔150bが上下方向で貫通して形成されている。これにより、第1コネクタ12と第2コネクタ14の嵌合時には、各柱状接続部188および各湾曲板部198が、上底壁部146における各貫通孔150a,150bを通じて第1コネクタハウジング66における各端子収容部76に挿し入れられるようになっている。このフロントリテーナ72は、シールドシェル68における内側筒部124に内挿されて、周壁部148の外周面と内側筒部124の内周面とに設けられたロック機構により固定されるようになっている。
上記のような各第1コネクタハウジング66の各電線引出口88から後方に引き出される各被覆電線40には、環状の防水ゴム154が外挿されて取り付けられており、各防水ゴム154が各第1コネクタハウジング66における後方開口部に挿入されている。また、各被覆電線40において各防水ゴム154の後方には、各防水ゴム154の脱落を防止するバックリテーナ156が設けられている。
実施形態1では、バックリテーナ156が相互に組付可能な上部リテーナ158と下部リテーナ160とから構成されており、第1コネクタハウジング66の後方において各被覆電線40を上下方向両側から挟み込んだ上部リテーナ158と下部リテーナ160とが組み付けられている。これら上部リテーナ158と下部リテーナ160はそれぞれ前方に突出する一対のロック枠体162,162を備えている。これにより、上部リテーナ158と下部リテーナ160との組付けにより構成されるバックリテーナ156が、シールドシェル68の後端部に設けられる各ロック爪部140と各ロック枠体162とのロック嵌合によって、各防水ゴム154の後方に固定されるようになっている。なお、上部リテーナ158と下部リテーナ160とは相互に同形状であってもよく、上下反転状態とされた上部リテーナ158と下部リテーナ160とを相互に組み付けることでバックリテーナ156が構成されるようになっていてもよい。
そして、このバックリテーナ156は、金属製のシールドブラケット164により覆われている。シールドブラケット164は筒壁部166を備えており、バックリテーナ156を外周側から覆っている。この筒壁部166は下方部分において前方に突出する前方突出部168を備えており、前述のように、前方突出部168がシールドシェル68における固定部142に重ね合わされてボルト144により固定されることで、シールドブラケット164とシールドシェル68とが相互に固定されるようになっている。なお、シールドブラケット164の筒壁部166には、後方に延び出す各被覆電線40を覆う図示しない略筒状のシールド部材が外挿されてもよく、このシールド部材が筒壁部166に対してかしめバンド170により固定されるようになっていてもよい。
<締結ボルト22>
締結ボルト22は、ボルト頭部172と、ボルト頭部172から嵌合方向の前方である下方に突出してボルト挿通孔74に挿通される挿通軸部174と、挿通軸部174の先端(下端)から嵌合方向の前方(下方)に突出するボルト側ねじ部176と、挿通軸部174の先端側に位置して締結ボルト22の外周側に突出する係合凸部と、を有している。実施形態1では、挿通軸部174の先端側において外周側に開口する環状のリング装着溝178が設けられており、このリング装着溝178に金属製のリング部材であるCリング180が装着されることにより、外周側に突出する係合凸部が構成されている。すなわち、係合凸部を構成するCリング180は、締結ボルト22の外周面から外周側に略環状に、所定の径方向幅寸法を持って突出している。これにより、後述するようにCリング180と凹所138の底面181とが当接する際には、十分な当接面積をもって当接するようになっている。リング装着溝178における上下方向寸法とCリング180における上下方向寸法は略等しくされており、Cリング180は、締結ボルト22において上下方向で変位不能とされている。
なお、金属製のリング部材は、例えば周方向の一か所が切り欠かれていることが好ましく、CリングやEリングが好適に採用される。これにより、周上の切欠部を通じて、CリングやEリング等のリング部材を、挿通軸部174におけるリング装着溝178に対して側方から嵌め入れることができる。
この締結ボルト22において、ボルト頭部172の下端からCリング180の上端までの長さ寸法(上下方向寸法)は、シールドシェル68を上下方向で貫通するボルト挿通孔74の長さ寸法(上下方向寸法)よりも大きくされている。また、Cリング180における締結ボルト22の外周面からの外周側への突出寸法は、凹所138における底面181の径方向幅寸法よりも小さくされている。これにより、締結ボルト22は、シールドシェル68に対して、ボルト頭部172の下端がボルト挿通孔74の上端、すなわち上方周縁部136に当接する位置(後述する図8,9に示される嵌合開始位置)から、Cリング180の上端がボルト挿通孔74の下端、すなわち下方周縁部134に設けられた凹所138の底面181に当接する位置(後述する図7に示される初期位置)まで、嵌合方向(上下方向)で所定寸法だけ変位可能であり、且つ離脱不能とされている。したがって、凹所138の深さ寸法は、例えば締結ボルト22において変位可能な上下方向寸法と略等しい大きさに設定され得る。
また、締結ボルト22においてCリング180よりも下方の部分がボルト側ねじ部176であるが、締結ボルト22における最先端部分にはねじ部が設けられておらず、締結ボルト22の最先端から上方に所定寸法だけ離隔した部分から上下方向における所定の長さにわたって、締結ボルト22の外周面に雄ねじが形成されてボルト側ねじ部176が構成されている。
<第2コネクタ14>
第2コネクタ14は、図11等にも示されるように、第1端子16と接続される第2端子18と、第2端子18を収容して保持する第2ハウジング182と、締結ボルト22が締結されるナット184とを有している。実施形態1では、第1コネクタ12において一対の第1端子16,16が設けられていることから、第2コネクタ14は一対の第2端子18,18を備えており、これら各第2端子18が左右方向で相互に離隔して配置されている。また、第2コネクタ14は金属製の筐体186を備えており、筐体186に固定される第2ハウジング182において、各第2端子18が上方に突出した状態で保持されている。
実施形態1では、各第2端子18がそれぞれピン端子とされており、各第2端子18は柱状接続部188を備えている。また、各第2端子18における柱状接続部188において、第1端子16の筒状接続部24への圧入方向(下方から上方へ向かう方向)の先端側には、それぞれ樹脂キャップ190が設けられている。そして、各第2端子18における基端部(下端部)にはそれぞれボルト挿通孔192が設けられており、各ボルト挿通孔192に挿通されるボルトにより各第2端子18が図示しない機器等の端子部に対して固定されるようになっている。なお、各第2端子18におけるボルト挿通孔192は設けられなくてもよく、各第2端子における基端が図示しない機器等の電線に対して圧着されたり固着されることで各第2端子が機器等に対して固定されるようになっていてもよい。
これら各第2端子18は、第2ハウジング182に固定的に保持されている。第2ハウジング182は、図4や図11にも示されるように、各第2端子18が挿通される貫通孔194を上端部に有する略筒状の周壁部196を備えており、一対の周壁部196,196が左右方向で相互に離隔して設けられている。また、各周壁部196の上端面には、所定の長さ寸法(上下方向寸法)をもって上方に突出する湾曲板部198が設けられている。各周壁部196において一対の湾曲板部198,198が設けられており、これら一対の湾曲板部198,198は左右方向で相互に離隔して対向している。各湾曲板部198は、各周壁部196の周方向に沿って湾曲しており、それぞれ所定の周方向寸法を有している。
そして、各周壁部196内に各第2端子18が挿通状態で配置されているとともに、各柱状接続部188が各貫通孔194を通じて上方に突出する状態で、第2ハウジング182と各第2端子18とが固定されている。なお、第2ハウジング182と各第2端子18との固定方法は限定されるものではなく、圧入や凹凸による係止、接着や溶着等により固定されてもよい。実施形態1では、第2ハウジング182の成形時に成形キャビティ内に各第2端子18をインサートした状態で成形することで、第2ハウジング182が各第2端子18を備えた一体成形品として形成されている。第2ハウジング182に対して各第2端子18が固定された状態では、各湾曲板部198の内周側に所定の径方向距離を隔てて柱状接続部188が位置しており、柱状接続部188が、長さ方向の全長にわたって各湾曲板部198により覆われている。
また、第2ハウジング182は、各周壁部196の左右外方に位置して上方に突出する一対の外壁部200,200を一体的に備えている。これら一対の外壁部200,200は、それぞれ一対の湾曲板部198,198における外側の湾曲板部198よりも所定の離隔距離を隔てて左右方向外方に位置している。さらに、第2ハウジング182は、図11にも示されるように、後方に突出する一対の脚部202,202を一体的に備えており、各脚部202に挿通されるボルト204により、各第2端子18が固定された第2ハウジング182が筐体186に固定されるようになっている。第2ハウジング182が筐体186に固定された状態では、各第2端子18における柱状接続部188が各周壁部196から上方に突出して外部空間に露出している。また、第2ハウジング182の外周面において、筐体186における後述する挿通孔210に挿通される部分には、環状の防水ゴム206が外挿されて取り付けられている。
筐体186は、平面視において矩形状とされた矩形板部208を備えており、矩形板部208の前方部分には、第2ハウジング182が挿通される挿通孔210が形成されている。また、矩形板部208において挿通孔210よりも後方部分における左右方向中央には、上述のナット184が所定の上下方向寸法にわたって設けられている。すなわち、ナット184の内周面において、雌ねじから構成されるナット側ねじ部212が、所定の上下方向寸法をもって形成されている。
<コネクタアセンブリ10の組立て>
以下、第1コネクタ12と第2コネクタ14とを嵌合してコネクタアセンブリ10を組み立てる方法の具体的な一例を説明する。なお、コネクタアセンブリ10の組立方法は、以下に記載の態様に限定されるものではない。
先ず、各被覆電線40における端末において絶縁被覆46を剥いで露出させた芯線44を各第1端子本体26の電線固着部42に固着するとともに、各第1端子本体26の前端部に各クリップばね28を取り付ける。これにより、各被覆電線40の端末に各第1端子16が固定された状態とされる。そして、各被覆電線40に各防水ゴム154を外挿するとともに、各防水ゴム154の後方において各被覆電線40を挟んで上下方向両側から上部リテーナ158と下部リテーナ160とを組み付けて各バックリテーナ156を構成する。
次に、各第1端子16、各防水ゴム154およびバックリテーナ156が組み付けられた各被覆電線40を、第1コネクタハウジング本体90の後方開口部から挿入する。各第1端子16を所定位置まで挿入した後、第1コネクタハウジング本体90に対して第1コネクタハウジング蓋部92を組み付けることで、各第1端子16が各第1コネクタハウジング66における各端子収容部76内の所定位置に固定される。そして、各第1端子16が組み付けられた各第1コネクタハウジング66をシールドシェル68の後方開口部から挿入して、各第1コネクタハウジング66における各係止爪104をシールドシェル68における各係止凹部117に係止させる。これにより、シールドシェル68に対して第1コネクタハウジング66が固定される。また、シールドシェル68の下方開口部70に対して下方からフロントリテーナ72を組み付ける。これにより、第1ハウジング20が構成される。
続いて、シールドシェル68の後端部における各ロック爪部140にバックリテーナ156における各ロック枠体162をロック嵌合させる。その後、各被覆電線40をシールドブラケット164の筒壁部166に挿通させるとともに、シールドシェル68における固定部142とシールドブラケット164における前方突出部168とを重ね合わせて、固定部142と前方突出部168とをボルト144により固定する。なお、シールドブラケット164の筒壁部166には、各被覆電線40を覆うシールド部材が、かしめバンド170により適切なタイミングで固定されるようになっていてもよい。
また、シールドシェル68におけるボルト挿通孔74に対して上方から締結ボルト22を挿通する。これにより、締結ボルト22の下方部分がシールドシェル68から下方に突出することとなり、締結ボルト22におけるリング装着溝178に対して側方(上下方向に対して直交する方向)からCリング180を組み付ける。これにより、第1コネクタ12が完成する。完成された第1コネクタ12では、各被覆電線40を覆う図示しないシールド部材とシールドブラケット164とシールドシェル68とが電気的に接続された状態とされている。
次に、各第2端子18を備えた一体成形品として第2ハウジング182を形成して、この第2ハウジング182の外周面に防水ゴム206を取り付ける。そして、防水ゴム206が取り付けられた第2ハウジング182の下方部分を筐体186における挿通孔210に挿通するとともに、第2ハウジング182を筐体186に対して各ボルト204により固定する。これにより、第2コネクタ14が完成する。
そして、完成した第1コネクタ12と第2コネクタ14とを、図6に示されるように、上下方向で対向させる。その後、第1コネクタ12と第2コネクタ14とを相互に接近させる。これにより、第2コネクタ14における各第2端子18の柱状接続部188が第1コネクタ12のフロントリテーナ72における各貫通孔150aに挿入されるとともに、各湾曲板部198がフロントリテーナ72における各貫通孔150bに挿入される。なお、この時点では、各第2端子18の柱状接続部188は、各第1端子16の筒状接続部24の下方開口部に対して僅かに離隔するかゼロタッチの状態であり、各第1端子16と各第2端子18とは接触圧力が発生していない状態である。この状態が、第1コネクタ12が第2コネクタ14に対して仮固定された状態である。
この第1コネクタ12と第2コネクタ14とが仮固定された状態において、第1コネクタ12から下方に突出する締結ボルト22の先端(下端)は、図7に示されるように、第2コネクタ14のナット184の上方開口部218に当接する。締結ボルト22は、シールドシェル68に対して所定距離だけ上下方向で変位可能であることから、締結ボルト22はナット184の上方開口部218への当接に伴って上方へ変位する。締結ボルト22の上方への変位は、Cリング180の上端とシールドシェル68の下面に設けられた凹所138の底面181とが当接することによって制限される。要するに、図7に示されるように、締結ボルト22が初期位置にある状態では、Cリング180の上端が凹所138の底面181と当接するまで締結ボルト22はシールドシェル68に対して上方に変位しており、ボルト頭部172の下端とシールドシェル68の上面との上下方向間には隙間220が形成されている。換言すれば、初期位置において、締結ボルト22は、凹所138の底面181を含んで構成される嵌合方向前方の前方周縁部(下方周縁部134)に係合凸部(Cリング180)が係合することで、嵌合方向後方(上方)への変位が規制されている。
図7に示される締結ボルト22が初期位置にある状態から、所定距離だけ締結ボルト22を締め付けて、ボルト側ねじ部176とナット側ねじ部212とを螺合させる。具体的には、図8,9に示されるように、ボルト頭部172の下端とシールドシェル68の上面における上方周縁部136とが当接するまで、ボルト側ねじ部176とナット側ねじ部212とを螺合させて、締結ボルト22を下方にねじ送りし、変位させる。これにより、図8に示されるように、ボルト側ねじ部176とナット側ねじ部212とが所定寸法分だけ螺合する。この結果、Cリング180が凹所138の底面181から開口側(下側)に変位するとともに、ボルト頭部172の下端とシールドシェル68の上面との間の隙間220が消失する。この図8,9に示される状態が、締結ボルト22が嵌合開始位置にある状態である。換言すれば、嵌合開始位置において、締結ボルト22は、嵌合方向後方の後方周縁部(上方周縁部136)にボルト頭部172が係合することで嵌合方向前方(下方)への変位が規制されている。この締結ボルト22が嵌合開始位置にある状態でも、第1コネクタ12と第2コネクタ14との相対位置は変化していないことから、各第1端子16と各第2端子18とは接触圧力が発生していない状態である。
なお、締結ボルト22が嵌合開始位置にある状態において、ボルト側ねじ部176とナット側ねじ部212との上下方向における螺合距離は限定されるものではないが、ボルト側ねじ部176とナット側ねじ部212とのねじ山がそれぞれ3山程度螺合していることが好ましい。すなわち、図7に示される締結ボルト22の初期位置から図8,9に示される嵌合開始位置まで、締結ボルト22は、上下方向においてそれぞれのねじ山における3山程度だけ変位することが好ましく、凹所138における深さ寸法(上下方向寸法)や隙間220の上下方向寸法も同程度に設定されることが好ましい。
そして、図8,9に示される締結ボルト22が嵌合開始位置にある状態から締結ボルト22を締め付けることで、締結ボルト22が下方へねじ送りされるとともに、それに伴って第1コネクタ12と第2コネクタ14とが相互に接近する。これにより、第1コネクタ12の各筒状接続部24に対する第2コネクタ14の各柱状接続部188の圧入が開始される。すなわち、各筒状接続部24への各柱状接続部188の圧入は、ボルト側ねじ部176とナット側ねじ部212とがそれぞれ3山程度螺合した状態で開始されることが好ましい。そして、さらに締結ボルト22を締め付けて、ボルト側ねじ部176とナット側ねじ部212とをさらに螺合させることで、図1から図5に示されるように、各筒状接続部24への各柱状接続部188への圧入が完了する。図1から図5に示される状態では、締結ボルト22は嵌合完了位置に配置されて、第1コネクタ12が第2コネクタ14に対して本固定される。これにより、第1コネクタ12と第2コネクタ14との嵌合が完了して、コネクタアセンブリ10が完成する。
このような締結ボルト22の締付け、すなわちボルト側ねじ部176とナット側ねじ部212との螺合は、例えばシールドシェル68における外側筒部126の下端や接触部139の下端が第2コネクタ14における筐体186の上面に当接するまで行われることが好ましい。これにより、シールドシェル68と筐体186とを電気的に導通状態とすることができて、筐体186をアース接続することで、筐体186からシールドシェル68およびシールドブラケット164を経由して、各被覆電線40を覆う図示しないシールド部材においてシールド効果を発揮させることができる。なお、本開示に係るコネクタアセンブリにおいてシールド効果は発揮されなくてもよく、締結ボルト22が所定距離だけ下方に変位した時点、要するに各筒状接続部24へ各柱状接続部188がある程度圧入された時点で、締結ボルト22の締付けが終了するようになっていてもよい。
上記のような構造とされた実施形態1のコネクタアセンブリ10では、各筒状接続部24への各柱状接続部188への圧入開始時点で、所定の距離にわたって予めボルト側ねじ部176とナット側ねじ部212とが螺合されている構成とした。これにより、大きな力が必要とされる各筒状接続部24への各柱状接続部188への圧入開始時に、ボルト側ねじ部176とナット側ねじ部212とが螺合し始める構成と比べて、ボルト側ねじ部176やナット側ねじ部212におけるねじ山の破損が回避されて、耐久性の向上が図られる。特に、このような各筒状接続部24への各柱状接続部188への圧入開始時にボルト側ねじ部176とナット側ねじ部212とが予め螺合されているという構成を、締結ボルト22の長さを長くすることなく実現することができて、第1コネクタ12と第2コネクタ14との嵌合時に締結ボルト22が他部材や第2コネクタ14における筐体186や第2ハウジング182等に干渉することも回避されて、組付性能の向上が図られる。
また、締結ボルト22が初期位置から嵌合開始位置に変位する際には、第2コネクタ14における各柱状接続部188や各湾曲板部198は第1コネクタ12における各貫通孔150a,150bに挿入されており、第1コネクタ12が第2コネクタ14に対して仮固定されている。それゆえ、締結ボルト22を締め付けて初期位置から嵌合開始位置に変位させるに際して第1コネクタ12と第2コネクタ14とが水平方向(前後方向や左右方向)でずれること等が抑制されて、さらなる組付性能の向上が図られる。
第1ハウジング20が、第1コネクタハウジング66とシールドシェル68とを含んで構成されており、締結ボルト22が挿通されるボルト挿通孔74がシールドシェル68に設けられている。これにより、例えばシールドシェル68と筐体186を利用してシールド経路を構成することができるだけでなく、何れも金属製の部材とされたシールドシェル68と筐体186とに締結ボルト22の締付力を作用させることができて、例えばボルト挿通孔が合成樹脂製の部材に設けられる場合に比べて、耐久性の向上が図られる。
凹所138の底面181に係合凸部(Cリング180)が当接することで締結ボルト22が初期位置に配置され、ボルト頭部172が上方周縁部136に当接することで締結ボルト22が嵌合開始位置に配置される構成とした。これにより、凹所138の深さ寸法(上下方向寸法)を適切に設定することで、締結ボルト22が初期位置にある場合の隙間220の大きさや、ひいては締結ボルト22が嵌合開始位置にある場合のボルト側ねじ部176とナット側ねじ部212の螺合量を調節することができる。また、凹所138の底面181とCリング180との当接によって、より確実に締結ボルト22を上方へ変位させて初期位置に配置することができる。それに加えて、ボルト頭部172を上方周縁部136に当接させることによって、締結ボルト22の締付力を、第1コネクタ12と第2コネクタ14とを相互に接近させる力、すなわち各筒状接続部24への各柱状接続部188の圧入力としてより確実に及ぼすことができる。
締結ボルト22が嵌合完了位置に配置されることで、第1コネクタ12が第2コネクタ14に対して本固定されるようになっている。すなわち、締結ボルト22を締結することによって各筒状接続部24への各柱状接続部188の圧入を完了させることができて、比較的大きな力が必要な圧入という作業をボルト締結によって達成することができる。
<実施形態2>
次に、本開示の実施形態2のコネクタアセンブリを構成する第1コネクタ230について、図12を用いて説明する。実施形態2の第1コネクタ230は、実施形態1の第1コネクタ12と基本的には同様の構造であるが、実施形態1の第1コネクタ12では締結ボルト22においてCリング180が上下方向で略変位不能に装着されていたのに対して、実施形態2の第1コネクタ230では、締結ボルト232において係合凸部を構成する金属製のリング部材であるCリング234が上下方向で変位可能に装着されている。なお、実施形態2において第1コネクタ230と嵌合される第2コネクタ14は実施形態1と同様の構造が採用され得ることから、図示を省略する。また、以下の説明では、実施形態1における相違点について説明するとともに、実施形態1と実質的に同一の部材および部位には、図中に、実施形態1と同一の符号を付すことにより詳細な説明を省略する。図12では、第2コネクタ14との嵌合前における第1コネクタ230の単品状態または締結ボルト232が嵌合開始位置にある状態において締結ボルト232を実線で示すとともに、初期位置にある締結ボルト232を二点鎖線で示す。
すなわち、締結ボルト232における挿通軸部174の先端側(下端側)には、外周側に向かって開口する環状のリング装着溝236が設けられており、このリング装着溝236はCリング234の上下方向寸法よりも大きな所定の上下方向寸法を有している。これにより、Cリング234がリング装着溝236内において、嵌合方向前方(下方)の下方端面238aから嵌合方向後方(上方)の上方端面238bまで上下方向で移動可能とされている。なお、実施形態2においてCリング234は、ボルト挿通孔74における下方開口部130の周縁部(下方周縁部134)に固着されている。
このような構造とされた第1コネクタ230において、第2コネクタ14との嵌合前における単品状態では、例えば締結ボルト232は重力に従って下方に移動しており、図12中において実線で示される位置にある。すなわち、ボルト頭部172の下端面とシールドシェル68の上面(上方周縁部136)とが当接しているとともに、Cリング234とリング装着溝236における上方端面238bとが当接している。
この状態から、第1コネクタ230と第2コネクタ14とを嵌合させる場合には、前述の図6のように第1コネクタ230と第2コネクタ14とを上下方向で対向させて相互に接近させる。これにより、締結ボルト232の先端(ボルト側ねじ部176の先端)が第2コネクタ14におけるナット184の上方開口部218に当接して、締結ボルト232は、図12中に二点鎖線で示されるように上方の初期位置へ変位する。この結果、ボルト頭部172の下端面とシールドシェル68の上面(上方周縁部136)との上下方向間には隙間220が発生するとともに、Cリング234とリング装着溝236における下方端面238aとが当接することとなる。換言すれば、図12中に二点鎖線で示されるように、締結ボルト232が初期位置にある状態では、リング装着溝236の嵌合方向の前方の端面(下方端面238a)にCリング234が係止されている。
その後、初期位置にある締結ボルト232のボルト側ねじ部176とナット184におけるナット側ねじ部212とを螺合させて、締結ボルト232を下方へねじ送りする。これにより、締結ボルト232は、図12中に実線で示されるように、初期位置よりも下方の嵌合開始位置に変位する。この状態では、ボルト頭部172の下端面とシールドシェル68の上面(上方周縁部136)とが当接して隙間220が消失している。また、締結ボルト232がシールドシェル68に対して下方に変位することから、Cリング234がリング装着溝236内を嵌合方向の後方の端面(上方端面238b)側に移動して、例えばCリング234とリング装着溝236における上方端面238bとが当接している。締結ボルト232が嵌合開始位置に配置された後は、実施形態1と同様に締結ボルト232を締結することで第1コネクタ230と第2コネクタ14とが相互に接近方向に変位し、第1コネクタ230における各筒状接続部24に対して第2コネクタ14における各柱状接続部188が圧入されて、コネクタアセンブリが完成する。
以上のような構造とされた実施形態2の第1コネクタ230においても、第2コネクタ14との嵌合に際して、締結ボルト232が初期位置と嵌合開始位置に変位可能であることから、実施形態1と同様の効果が発揮され得る。特に、実施形態1では、締結ボルト22に対してCリング180が上下方向で変位不能とされており、締結ボルト22の初期位置への変位を可能とするためにシールドシェル68に対して凹所138を設けていた。それに対して、実施形態2では、締結ボルト232に対してCリング180を上下方向で変位可能とすることでシールドシェル68に凹所138を設ける必要がなく、シールドシェル68の形状を変更することが回避される。
<変形例>
以上、本開示の具体例として、実施形態1,2について詳述したが、本開示はこの具体的な記載によって限定されない。本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれるものである。例えば次のような実施形態の変形例も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)前記実施形態における第1端子16および第2端子18の形状は単なる例示であり、限定されるものではない。すなわち、前記実施形態では、第2端子18がピン状とされて柱状接続部188を有しているとともに、第1端子16が筒状接続部24を有していたが、この態様に限定されない。第2端子は、例えば国際公開2021/145197号に記載のように平タブ状であってもよいし、その場合、第1端子は、略矩形の端子挿通隙間を有していればよい。
(2)前記実施形態では、第1ハウジング20が絶縁性を有する合成樹脂製の第1コネクタハウジング66と金属製のシールドシェル68とを含んで構成されて、第1コネクタ12,230と第2コネクタ14との嵌合時においてシールドシェル68と筐体186とが当接してシールド機能が発揮されるようになっていたが、この態様に限定されるものではない。すなわち、本開示に係るコネクタアセンブリにおいてシールド機能は発揮されなくてもよく、シールドシェルやシールドブラケット、筐体等は設けられなくてもよい。その場合、締結ボルトが挿通されるボルト挿通孔は、合成樹脂製の第1コネクタハウジングに設けられてもよい。
(3)前記実施形態では、締結ボルト22,232から外周側に突出する係合凸部がCリング180,234により構成されていたが、この態様に限定されるものではない。例えば、係合凸部は、締結ボルトをボルト挿通孔に挿通した後に締結ボルトの外周面から外周側に突出するように設けられればよい。すなわち、例えば締結ボルトの外周面に設けられる凹部に挿入されるピン等によって係合凸部が構成されてもよいし、ボルト挿通孔に挿通後の締結ボルトの外周面に対して環状やピン状の係合凸部が固着されるようになっていてもよい。
10 コネクタアセンブリ
12 第1コネクタ(実施形態1)
14 第2コネクタ
16 第1端子
18 第2端子
20 第1ハウジング
22 締結ボルト
24 筒状接続部
26 第1端子本体
28 クリップばね
30 第1周壁部
32 第2周壁部
34 円弧状突部
36 線状接触部
38 基端側板部
40 被覆電線
42 電線固着部
44 芯線
46 絶縁被覆
48 先端側板部
50 貫通孔
52 ストッパ部
54 連結板
56 押さえ片
58 屈曲部分
60 挿込口
62 貫通窓
64 係止片
66 第1コネクタハウジング
68 シールドシェル
70 下方開口部
72 フロントリテーナ
74 ボルト挿通孔
76 端子収容部
78 上壁部
80 下壁部
82 左壁部
84 右壁部
86 前壁部
88 電線引出口
90 第1コネクタハウジング本体
92 第1コネクタハウジング蓋部
94 下側窓部
96 挿通孔
97 支持突部
98 ロック突部
100 ロック枠体
102 弾性片
104 係止爪
106 上方壁部
108 下方壁部
110 左方壁部
112 右方壁部
114 前方壁部
116 仕切部
117 係止凹部
122 貫通孔
124 内側筒部
126 外側筒部
128 防水ゴム
130 下方開口部(前方開口部)
132 上方開口部(後方開口部)
134 下方周縁部(前方周縁部)
136 上方周縁部(後方周縁部)
138 凹所
139 接触部
140 ロック爪部
142 固定部
144 ボルト
146 上底壁部
148 周壁部
150a,150b 貫通孔
154 防水ゴム
156 バックリテーナ
158 上部リテーナ
160 下部リテーナ
162 ロック枠体
164 シールドブラケット
166 筒壁部
168 前方突出部
170 かしめバンド
172 ボルト頭部
174 挿通軸部
176 ボルト側ねじ部
178 リング装着溝
180 Cリング(係合凸部、リング部材)
181 底面
182 第2ハウジング
184 ナット
186 筐体
188 柱状接続部
190 樹脂キャップ
192 ボルト挿通孔
194 貫通孔
196 周壁部
198 湾曲板部
200 外壁部
202 脚部
204 ボルト
206 防水ゴム
208 矩形板部
210 挿通孔
212 ナット側ねじ部
218 上方開口部
220 隙間
230 第1コネクタ(実施形態2)
232 締結ボルト
234 Cリング(係合凸部、リング部材)
236 リング装着溝
238a 下方端面(嵌合方向の前方の端面)
238b 上方端面(嵌合方向の後方の端面)

Claims (6)

  1. 第2コネクタに着脱可能に嵌合される第1コネクタであって、
    前記第2コネクタに設けられた第2端子に接続される第1端子と、
    前記第1端子を収容して保持する第1ハウジングと、
    前記第1ハウジングに保持されて、前記第2コネクタに設けられたナットに締結される締結ボルトと、を備え、
    前記第1ハウジングは、前記第1ハウジングを、前記第1コネクタの前記第2コネクタへの嵌合方向に貫通するボルト挿通孔を有し、
    前記締結ボルトは、ボルト頭部と前記ボルト頭部から前記嵌合方向の前方に突出して前記ボルト挿通孔に挿通される挿通軸部と、前記挿通軸部の先端から前記嵌合方向の前方に突出するボルト側ねじ部と、前記挿通軸部の前記先端側に位置して前記締結ボルトの外周側に突出する係合凸部と、を有し、
    前記ボルト挿通孔は、前記嵌合方向の前方に向かって開口する前方開口部と、前記嵌合方向の後方に向かって開口する後方開口部と、を有し、
    前記締結ボルトは、前記前方開口部の周縁部である前方周縁部に前記係合凸部が係合することで、前記嵌合方向の後方への変位が規制された初期位置と、前記後方開口部の周縁部である後方周縁部に前記ボルト頭部が係合することで、前記嵌合方向の前方への変位が規制された嵌合開始位置の間で、前記ボルト挿通孔に対して前記嵌合方向に所定寸法の変位が可能であり、且つ離脱不能に組み付けられており、
    前記第1コネクタが前記第2コネクタに対して仮固定され、且つ前記第1端子と前記第2端子の接触圧力が発生していない状態で、前記締結ボルトは、前記ボルト側ねじ部の先端が前記ナットの開口部に当接することで前記初期位置に配置され、前記締結ボルトの前記ボルト側ねじ部が前記ナットに設けられたナット側ねじ部に螺合されることで前記嵌合開始位置まで変位される、第1コネクタ。
  2. 前記第1ハウジングは、絶縁性の第1コネクタハウジングと、前記第1コネクタハウジングを覆って前記第1コネクタハウジングに固定的に組み付けられる金属製のシールドシェルを含んでおり、前記ボルト挿通孔は、前記シールドシェルに設けられている、請求項1に記載の第1コネクタ。
  3. 前記締結ボルトの前記係合凸部は、変位不能に設けられており、
    前記ボルト挿通孔の前記前方周縁部には、前記嵌合方向に開口する凹所が設けられており、前記凹所の深さ寸法が前記所定寸法に設定され、
    前記凹所の底面に前記係合凸部が当接することで、前記締結ボルトが前記初期位置に配置され、前記凹所の開口側に前記係合凸部が変位して前記ボルト頭部が前記後方周縁部に当接することで、前記締結ボルトが前記嵌合開始位置に配置される、請求項1または請求項2に記載の第1コネクタ。
  4. 前記締結ボルトの前記挿通軸部の前記先端側には、外周側に向かって開口する環状のリング装着溝が設けられており、
    前記リング装着溝に対して周方向の一か所が切り欠かれた金属製のリング部材が、前記嵌合方向で変位可能に装着されて前記係合凸部が構成されており、
    前記第1コネクタが前記第2コネクタに対して仮固定され、前記ボルト側ねじ部の前記先端が前記ナットの前記開口部に当接することで前記初期位置に配置された前記締結ボルトでは、前記リング装着溝の前記嵌合方向の前方の端面に前記リング部材が係止されており、
    前記締結ボルトが前記ナットに螺合されて前記嵌合開始位置に配置された前記締結ボルトでは、前記リング部材が前記リング装着溝の前記嵌合方向の後方の端面側に移動して、前記ボルト頭部が前記後方周縁部に当接している、請求項1または請求項2に記載の第1コネクタ。
  5. 前記締結ボルトは、前記嵌合開始位置から前記ボルト側ねじ部を前記ナット側ねじ部にさらに螺合させることで、前記嵌合方向の前方に位置する嵌合完了位置まで変位され、
    前記締結ボルトが前記嵌合完了位置に配置された状態で、前記第1コネクタが前記第2コネクタに対して本固定される、請求項1または請求項2に記載の第1コネクタ。
  6. 請求項1または請求項2に記載の第1コネクタと、
    前記第1コネクタが着脱可能に嵌合される第2コネクタとを備え、
    前記第2コネクタは、前記第1端子と接続される第2端子と、前記第2端子を収容して保持する第2ハウジングと、前記締結ボルトが締結されるナットと、を有している、コネクタアセンブリ。
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