JP2024007865A - ヒンジキャップ - Google Patents
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Abstract
【課題】タンパーエビデント性を有し、開封が容易であり、開封時にごみが生じないヒンジキャップを提供する。【解決手段】開口部を有するキャップ本体と、ヒンジを介してキャップ本体に接続され、開口部を閉鎖する小蓋と、キャップ本体と小蓋とを接続する破断可能な開封部とを備え、開封部のうち、ヒンジと反対側の部分の破断強度が、ヒンジ側の部分の破断強度よりも弱い、ヒンジキャップ。【選択図】図5
Description
本発明は、包装容器の注出口に取り付け可能なヒンジキャップに関する
包装容器に取り付けられたヒンジキャップにタンパーエビデント性を付与した構成として、例えば、特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載のキャップでは、上蓋のヒンジ連結部と反対側に、上蓋とスカート下端とを接続するタンパーエビデントバンドを設け、タンパーバンドを破断除去して初めて、上蓋を開くことができるようにしている。
特許文献1に記載されるような従来のヒンジキャップでは、タンパーバンドを破断除去する必要があるため、開封作業が繁雑であり、除去したタンパーバンドがごみとなってしまっていた。
本発明は、タンパーエビデント性を有し、開封が容易であり、開封時にごみが生じないヒンジキャップを提供することを目的とする。
本発明に係るヒンジキャップは、開口部を有するキャップ本体と、ヒンジを介してキャップ本体に接続され、開口部を閉鎖する小蓋と、キャップ本体と小蓋とを接続する破断可能な開封部とを備え、開封部のうち、ヒンジと反対側の部分の破断強度が、ヒンジ側の部分の破断強度よりも弱いものである。
本発明によれば、タンパーエビデント性を有し、開封が容易であり、開封時にごみが生じないヒンジキャップを提供できる。
(第1の実施形態)
図1~図5を参照しながら第1の実施形態を説明する。
図1~図5を参照しながら第1の実施形態を説明する。
図1は、第1の実施形態に係るヒンジキャップの平面図であり、図2は、第1の実施形態に係るヒンジキャップの正面図であり、図3は、図2に示したIII-IIIラインに沿う断面図であり、図4は、第1の実施形態に係るヒンジキャップの背面図であり、図5は、第1の実施形態に係るヒンジキャップの左側面図である。
尚、図面において、Axは、ヒンジキャップの中心軸Axを表す。また、P1は、中心軸Axを包含し、かつ、ヒンジ2及び指かけ部7を対称に二分する平面を表し、P2は、中心軸Axを包含し、かつ、P1と直交する平面である。
ヒンジキャップ10は、容器の口部を開閉可能に閉鎖する部材である。ヒンジキャップ10が装着される口部は、PETボトルやガラス瓶等のボトル容器の口部であっても良いし、ボトル容器、紙容器、パウチ、チューブ容器に設けられるスパウトであっても良い。
ヒンジキャップ10は、キャップ本体1と、ヒンジ2を介してキャップ本体1に取り付けられる小蓋3と、未開封の状態において、キャップ本体1と小蓋3とを接続する開封部4とを備える。ヒンジキャップ10は、開封部4がキャップ本体1及び小蓋3を接続した状態(閉じた状態)で樹脂により一体成形される。小蓋3が閉じた状態で成形できるため、1つの金型から一度に製造できるヒンジキャップ10の個数を多くすることができ、製造効率に優れる。本実施形態に係るヒンジキャップ10の材質としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)またはこれらのブレンド品が好適である。キャップ本体1、ヒンジ2及び小蓋3の剛性を向上させる目的で、高密度ポリエチレン(HDPE)をブレンドしても良い。
キャップ本体1は、容器の口部に取り付けられる部分であり、円筒形状の筒状部26を有する。筒状部26の内周面には、容器の口部に打栓で嵌合させるためのアンダーカット、または、容器の口部に螺合させるためのネジ山が設けられる。
ヒンジ2は、図4に示すように、中心軸Ax方向に延びる一対のスリット8a及び8bに挟まれた部分により構成される。本実施形態に係るヒンジ2は、折り目のない板形状を有する。ヒンジ2は、後述する開封部4を破断させた後に、小蓋3の開操作に伴って屈曲可能である。ヒンジ2は、図4に示した例に限定されず、後述する第2の実施形態のように、薄肉部で折り曲げ可能な構造を有していても良い。
小蓋3は、平板部22と、平板部22におけるヒンジ2と反対側の部分から外方に突出する指かけ部7と、平板部22の外周縁に接続される円筒形状の周壁部23とを有する。指かけ部7は、小蓋3を開ける際の手掛かりとなる部分である。平板部22の内面側には、容器の口部に嵌合可能なアンダーカットや、容器の口部に嵌入されて密閉性を付与するための環状のインナーリング、容器の口部の開放端に当接して密閉性を付与するコンタクトリング等が設けられる。
開封部4は、ヒンジキャップ10の周方向に交互に整列する複数のハーフカット5(図3)及びスリット(空隙部)6を有し、キャップ本体1と小蓋3とを断続的に接続する。尚、図2、図4及び図5において、開封部4のうち、ハーフカット5が形成された部分を破線で示し、スリット6が形成された部分を実線で示す。ハーフカット5の薄肉部の厚み(図3のt)は、0.05~0.15mmとすることが好ましい。開封部4は、初回の開封時に指かけ部7に指を掛けて小蓋3を開く操作を行うことで破断する。開封部4は、ヒンジキャップ10にタンパーエビデント性を付与するために設けられており、開封部4が一旦破断すると、開封されていることを外観から容易に把握できる。
ただし、開封開始時は、開封部4の破断が進行しておらず、また、開封部4のハーフカット5の延伸方向(周方向)と、指かけ部7の押し上げによってハーフカット5に加わる力の方向(上方向)とが一致していないため、開封部4の破断に強い力を要する。そこで、開封部4におけるヒンジ2と反対側の部分(指かけ部7側の部分)の破断強度が、ヒンジ2側の部分の破断強度よりも弱くなるように調整されている。具体的には、本実施形態では、ヒンジ2側の半周部分(平面P2よりヒンジ2側の部分)には、図4及び図5に示すように、ヒンジ2が設けられた部分とスリット8a及び8bの部分を除き、連続するハーフカット5が設けられている。一方、ヒンジ2と反対側の半周部分(平面P2より指かけ部7側の部分)には、図2及び図5に示すように、ハーフカット5が断続的に設けられている。このように、指かけ部7側とヒンジ2側とで破断強度に差を付けることにより、タンパーエビデント性を付与しつつ、開封部4の破断を伴う初回の開封を容易に行うことが可能となる。
図2に示すように、開封部4のうち、ヒンジ2と対向する位置(より特定的には、指かけ部7に沿った部分)では、キャップ本体1と小蓋3とが接続されておらず、空隙部(スリット6)が設けられていることが好ましい。指かけ部7に沿う部分にスリット6が設けられていることにより、最初のハーフカット5の破断がしやすくなり、ヒンジキャップ10の開封性をより向上できる。
以上説明したように、本実施形態に係るヒンジキャップ10は、キャップ本体1と小蓋3とを接続する破断可能な開封部4を有する。開封部4の破断強度は、ヒンジ2と反対側部分で相対的に弱くなるように調整されているため、開封開始時に開封部4を破断させやすく、開封性に優れる。また、タンパーバンドを設ける方式とは異なり、開封部4の破断のみでタンパーエビデント性を付与する構成であるため、開封時に破断除去されたごみが生じないという利点もある。
尚、本実施形態では、ヒンジ2側の半周部分に、ヒンジ2の近傍を除いて連続するハーフカット5を設けた例を説明したが、断続的にハーフカット5を設けても良い。
また、ヒンジ2と反対側の半周部分には、断続的にハーフカット5を設ける代わりに、断続的に複数のブリッジ(薄肉部のない繋ぎ部)を設けても良い。ハーフカット5の代わりにブリッジを設ける場合でも、ヒンジ2の反対側の半周部分の破断強度は、ヒンジ2側の半周部分の破断強度より弱くなるように設定する。
また、図示したハーフカット5及びスリット6の数は例示であり、適宜変更が可能である。
(第2の実施形態)
図6~図10を参照しながら第2の実施形態を説明する。
図6~図10を参照しながら第2の実施形態を説明する。
図6は、第2の実施形態に係るヒンジキャップの正面図であり、図7は、第2の実施形態に係るヒンジキャップの左側面図である。以下、本実施形態と第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態に係るヒンジキャップ20は、ヒンジ2と開封部4の構成が第1の実施形態と異なる。
ヒンジ2は、中間部分に薄肉部等からなる折り目を有しており、開封部4を破断させた後、小蓋3はこの折り目を軸として回転可能である。
開封部4は、ヒンジキャップ20の周方向に交互に整列する複数のブリッジ9及びスリット(空隙部)6を有し、キャップ本体1と小蓋3とを断続的に接続する。開封部4は、初回の開封時に指かけ部7に指を掛けて小蓋を開く操作を行うことで破断する。開封部4が一旦破断すると、開封されたことを外観から容易に把握できる。
本実施形態では、ヒンジ2側の部分の破断強度と、ヒンジ2とは反対側の部分の破断強度とが、ブリッジ9の数により調整されている。本実施形態では、図6及び図7に示すように、ヒンジ2側の半周部分(平面P2よりヒンジ2側の部分)には、ヒンジ2とは反対側の半周部分(平面P2より指かけ部7側の部分)よりも多くのブリッジ9が設けられ、ブリッジ9の配置間隔も短くなっている。このように構成することで、ヒンジ2と反対側の部分の破断強度が、ヒンジ2の部分の破断強度よりも弱められている。したがって、第1の実施形態と同様に、開封開始時に開封部4を破断しやすく、開封性に優れるヒンジキャップ20となる。
また、図6に示すように、開封部4のうち、ヒンジ2と対向する位置(より特定的には、指かけ部7に沿った部分)では、キャップ本体1と小蓋3とが接続されておらず、空隙部(スリット6)が設けられていることが好ましい。指かけ部7に沿う部分にスリット6が設けられていることにより、最初のハーフカット5の破断がしやすくなり、ヒンジキャップ10の開封性をより向上できる。また、指かけ部7に沿った部分にブリッジ9が設けられていない構成として場合、落下等により指かけ部7に衝撃が加わった際に偶発的にブリッジが破断してしまうことを抑制できる。
本実施形態に係るヒンジキャップ20の材質としては、ポリプロピレンを使用することが好ましく、ヒンジ2の折り曲げ性に鑑み、ポリプロピレンのランダムコポリマーを使用することがより好ましい。
尚、図示したブリッジ9及びスリット6の数は例示であり、適宜変更が可能である。
図8は、第2の実施形態の変形例1に係るヒンジキャップの左側面図である。
図8に示すように、開封部4と平面P2との交点近傍に設けるブリッジ9’の長さを他のブリッジ9より長くしても良い。開封部4と平面P2との交点近傍は、開封部4の延伸方向と切断力の方向とがほぼ一致するため、ブリッジ9’に対してダイレクトに切断力が加わる。したがって、当該箇所に他のブリッジ9より長いブリッジ9’を設けても開封性への影響は小さい。
図9及び図10は、第2の実施形態の変形例2及び3に係るヒンジキャップを示す図である。各図において、(a)は背面図であり、(b)は開封部を破断させて小蓋を最大限開いた状態を示す左側面図である。
本実施形態のように、折り曲げ式のヒンジ2を設けた場合、図9(b)及び図10(b)に示すように、小蓋3をヒンジの軸を中心として閉状態から180°以上開くことが可能である。この場合、小蓋3を完全に開いた位置に維持するための係合手段を設けても良い。
図9の例では、小蓋3及びキャップ本体1の外面には、ヒンジ2を中心としてヒンジキャップ20の中心軸方向に並べて、突起28及び嵌合部29aが設けられている。また、図10の例では、小蓋3及びキャップ本体1の外面には、ヒンジ2を中心としてヒンジキャップ20の中心軸方向に並べて、突起28及び嵌合部29bが設けられている。小蓋3を最大まで開いた状態とすると、小蓋3の外面の突起28が、キャップ本体1の外面の嵌合部29aまたは29bに嵌合し、小蓋3が完全に開いた位置に維持される。尚、図9(a)及び図10(a)において、嵌合部29a及び29b内における突起28の嵌合位置をハッチングで示す。
図9及び図10に示すヒンジキャップ20においては、所定の位置に小蓋3を維持することができるため、開いた小蓋3が邪魔にならず、内容物の取り出しがしやすいため、使い勝手が良好である。特に、液切れの悪い液体や粘性のある内容物を包装するための包装容器に好適である。
本発明は、口部を有する包装容器のヒンジキャップとして利用できる。本発明に係るヒンジキャップは、例えば、食品、ヘアケア用品、ハンドケア用品等の粉状、粒状、固形状、半固形状の内容物を収容する包装容器に好適に利用できる。
1 キャップ本体
2 ヒンジ
3 小蓋
4 開封部
5 ハーフカット
6 スリット
7 指かけ部
9 ブリッジ
10 ヒンジキャップ
20 ヒンジキャップ
2 ヒンジ
3 小蓋
4 開封部
5 ハーフカット
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7 指かけ部
9 ブリッジ
10 ヒンジキャップ
20 ヒンジキャップ
Claims (5)
- 開口部を有するキャップ本体と、
ヒンジを介して前記キャップ本体に接続され、前記開口部を閉鎖する小蓋と、
前記キャップ本体と前記小蓋とを接続する破断可能な開封部とを備え、
前記開封部のうち、前記ヒンジと反対側の部分の破断強度が、前記ヒンジ側の部分の破断強度よりも弱い、ヒンジキャップ。 - 前記開封部は、前記ヒンジと対向する位置に前記キャップ本体と前記小蓋とを接続しない空隙部を有する、請求項1に記載のヒンジキャップ。
- 前記開封部は、前記ヒンジと反対側の半周部分において、前記キャップ本体と前記小蓋とを断続的に接続する、請求項1に記載のヒンジキャップ。
- 前記小蓋における前記ヒンジと反対側の部分に、前記小蓋から突出する指かけ部を有する、請求項1に記載のヒンジキャップ。
- 前記開封部の少なくとも前記指かけ部が形成された部分において、前記キャップ本体と前記小蓋とが接続されていない、請求項4に記載のヒンジキャップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Applications Claiming Priority (1)
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2022
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