JP2024007794A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】半田接合の影響による導体の傾きを防止することができる半導体装置の提供。【解決手段】半導体装置100は、チップ表裏面にソース電極とドレイン電極とを有する半導体チップと、ソース電極が半田接合される接合領域40を有するソース導体14と、ドレイン導体と、接合領域41に半田接合されるソース端子3aと、接合領域42に半田接合されるソース端子3cと、接合領域43に半田接合されるダミー端子2bと、接合領域44に半田接合されるダミー端子2cと、を備え、接合領域40の中央を通り端子3a,3cの延出方向に沿った直線を仮想中心線Lとした場合に、接合領域41,43は仮想中心線Lを境界とする一方側に設けられ、接合領域42,44は仮想中心線Lを境界とする他方側に設けられ、接合領域40は、接合領域41と接合領域44とを結んだ直線上に配置され、かつ、接合領域42と接合領域43とを結んだ直線上に配置される。【選択図】図10
Description
本発明は、半導体装置に関する。
近年、環境への負荷低減のため、ハイブリッド自動車や電気自動車の普及が進められている。ハイブリッド自動車や電気自動車においては搭載される部品の小型化や低コスト化が重要視され、電力変換装置における半導体装置(一般に、半導体モジュールやパワーモジュールとも呼ばれる)も例外ではなく、小型化や低コスト化が求められている。電力変換装置を構成する電子部品の中で発熱量が大きい半導体装置を小型化するためには、冷却性能を向上させる必要がある。そのため、このような半導体装置においては、一般的に、パワー半導体素子を内蔵した半導体装置を冷却するための放熱器や冷却器などの冷却装置を備えている。
例えば、特許文献1に記載の半導体モジュールでは、半導体チップの一方の面にソース導体が半田接合され、他方の面にドレイン導体が半田接合される。ソース導体には外部接続端子が半田接続されている。ソース導体と半導体チップとの半田接合、および外部接続端子とソース導体との半田接合は同時に行われる。冷却器は、半導体モジュールの表裏両面に接触するように配置される。
ところで、特許文献1に記載の半導体モジュールでは、半導体チップおよび外部接続端子をソース導体と半田接合する際に、半田材が溶融したときの溶融半田の表面張力の影響でソース導体が傾くおそれがあった。ソース導体が傾いたまま半田が固まると、ドレイン導体の表面(放熱面)に対してソース導体の表面(放熱面)が平行でなくなる。一列に配置された複数の半導体モジュールを冷却器で冷却する場合、複数の半導体モジュールに対して一対の冷却器を挟持するように配置する。そのため、上述のように、各半導体モジュールの表裏両面の放熱面が平行でない場合、放熱面と冷却器との間に隙間ができるなど接触状態が悪化し、十分な放熱性能が得られないという問題があった。
本発明の態様による半導体装置は、チップ表裏面の一方の面に第1電極を有し、他方の面に第2電極を有する半導体チップと、前記第1電極に対向配設され、前記第1電極が半田接合されるチップ接合領域をチップ対向面に有する第1導体と、前記第2電極に対向配設され、前記第2電極に半田接合される第2導体と、前記チップ対向面の第1端部領域に設けられた第1接合領域に半田接合され、前記第1導体の側方に延出する第1外部接続端子と、前記第1端部領域に設けられた第2接合領域に半田接合され、前記第1外部接続端子と同一方向に延出する第2外部接続端子と、前記チップ対向面における前記チップ接合領域を挟んで前記第1端部領域とは反対側の第2端部領域に設けられた第3接合領域に、半田接合される第1ダミー端子と、前記第2端部領域に設けられた第4接合領域に半田接合される第2ダミー端子と、を備え、前記チップ接合領域の中央を通り前記第1および第2外部接続端子の延出方向に沿った直線を仮想中心線とした場合に、前記第1および第3接合領域は前記仮想中心線を境界とする一方側に設けられ、前記第2および第4接合領域は前記仮想中心線を境界とする他方側に設けられ、前記チップ接合領域は、前記第1接合領域と前記第4接合領域とを結んだ直線上に配置され、かつ、前記第2接合領域と前記第3接合領域とを結んだ直線上に配置される。
本発明によれば、半田接合の影響による導体の傾きを防止することができる。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。また、以下の説明では、同一または類似の要素および処理には同一の符号を付し、重複説明を省略する場合がある。なお、以下に記載する内容はあくまでも本発明の実施の形態の一例を示すものであって、本発明は下記の実施の形態に限定されるものではなく、他の種々の形態でも実施する事が可能である。
図1は、本実施の形態の半導体装置100の一例を示す外観斜視図である。半導体装置100は一つの半導体チップを備え、その半導体チップを挟むようにソース導体14と不図示のドレイン導体1(図2参照)とが設けられている。本実施の形態では、半導体チップがMOSFETの場合を例に説明するが、本発明は、MOSFETに限らず種々の半導体チップを2つの導体で挟持する構成の半導体装置に適用することができる。なお、以下では、図1に示すようにxyz座標軸を設定して説明する。
半導体チップ、ソース導体14およびドレイン導体1は、モールド樹脂16によってモールドされている。ソース導体14において、半導体チップが半田接合される面に対して反対側の面は放熱面として機能し、放熱面は図1に示すようにモールド樹脂16から露出している。図1では見えていないが、モールド樹脂16の反対側の面にはドレイン導体1(図2参照)の放熱面が露出している。ソース導体14およびドレイン導体1の表面(放熱面)には電気的な絶縁層が設けられ、その絶縁層を介して冷却器を設けることで半導体装置100に設けられた半導体チップの放熱を行う。
モールド樹脂16の一方の側面からは、主回路端子である第1のソース端子3a、第1のドレイン端子3b、第2のソース端子3cおよび第2のドレイン端子3d端子が、y方向に並ぶように延出している。一方、モールド樹脂16の反対側の側面からは、制御端子であるゲート信号端子2dおよびソースセンス信号端子2eと、3つのダミー端子2a,2b,2cとが、y方向に並ぶように延出している。
図2は、モールド樹脂16を除いた半導体装置100の分解斜視図である。半導体チップ5は、z方向裏面側にドレイン電極5b(後述する図6A参照)を備え、z方向表面側にソース電極5aおよびゲート電極5cを備えている。チップ表面側のソース電極5aは半田材4aによりソース導体14に半田接合され、チップ裏面側のドレイン電極5bは不図示の半田材4b(後述する図6B参照)によりドレイン導体1に半田接合される。チップ表面側のゲート電極5cは、ワイヤボンディング13によりゲート信号端子2dに接続されている。また、ソースセンス信号端子2eは、ワイヤボンディング13によりソース電極5aに接続されている。ドレイン導体1には、ドレイン端子3b,3dおよびダミー端子2aが半田接合される。ソース導体14には、ソース端子3a,3cおよびダミー端子2b,2cが半田接合される。
図3は、ドレイン導体1のチップ対向面10側を示す平面図である。チップ対向面10のチップ接合領域10aに半導体チップ5のドレイン電極5bが半田接合される。チップ対向面10のx軸マイナス方向の端部領域1aには、ハッチングで示す接合領域101,102が設けられている。接合領域101には、図2に示したドレイン端子3bが半田材4cにより半田接合される。接合領域102には、図2に示したドレイン端子3dが半田材4cにより半田接合される。チップ対向面10のx軸プラス方向の端部領域1bには、ハッチングで示す接合領域103が設けられている。接合領域103には、図2に示したダミー端子2aが半田材4cにより半田接合される。
図2に示すように、ドレイン導体1は、チップ接合領域10aが設けられている矩形領域の厚さt1に対して、端部領域1a,1bの厚さt2の方が小さく設定されている。その結果、ドレイン導体1の表面側(チップ対向面10とは反対側)に段差10bが形成されている。
図4は、ソース導体14のチップ対向面140側を示す平面図である。チップ対向面140のほぼ中央には、半導体チップ5のソース電極5aが半田接合される接合領域40が設けられている。なお、本実施の形態のソース導体14では、チップ対向面140の接合領域40はチップ側に突出している。チップ対向面140のx軸マイナス方向の端部領域14aには、ハッチングで示す接合領域41,42が設けられている。チップ対向面140のx軸プラス方向の端部領域14bには、ハッチングで示す接合領域43,44が設けられている。なお、本実施の形態では、接合領域41~44の面積は等しく設定されており、溶融半田の表面張力の影響は接合領域41~44においてほぼ等しいと考えることができる。
接合領域41には、図2に示したソース端子3aが半田材4dにより半田接合される。接合領域42には、図2に示したソース端子3cが半田材4dにより半田接合される。接合領域43には、図2に示したダミー端子2bが半田材4dにより半田接合される。接合領域44には、図2に示したダミー端子2cが半田材4dにより半田接合される。図2に示すように、ソース導体14は、接合領域40が設けられている矩形領域の厚さt3に対して、端部領域14a,14bの厚さt4の方が小さく設定されている。その結果、ソース導体14の表面側(チップ対向面140とは反対側)に段差14cが形成されている。
図5A~10は、半導体装置100の組立の概略の手順を説明する図である。図5A,5B,5Cは、第1の工程を説明する図であり、第1の工程ではドレイン導体1を固定治具7に配置する。図5A~5Cはドレイン導体1が配置された固定治具7を示す図であり、図5Aは平面図、図5Bは図5AのA1-A1断面図、図5Cは図5AのA2-A2断面図である。固定治具7は、外枠71と、凹部72と、位置決め用の凸部73a~73dとを備えている。ドレイン導体1は、固定治具7の凹部72内に配置される。その際に、ドレイン導体1の段差10bが凹部72の側面に接触することにより、ドレイン導体1が位置決めされる。
図6A、6B,6Cは第2の工程を説明する図である。図6Aは平面図、図6Bは図6AのB1-B1断面図、図6Cは図6AのB3-B3断面図である。図6Aに示すように、ドレイン導体1のチップ対向面10(図6B参照)上に、チップ位置決め用の位置決め治具8を配置する。位置決め治具8は、固定治具7に形成された外枠71および凸部73a~73dによって、チップ対向面10上の所定位置に位置決めされる。位置決め治具8の中央部分には、矩形開口80が形成されている。図6Cに示すように、矩形開口80の部分に露出しているチップ対向面10上に、半田材4b、半導体チップ5を順に配置する。次いで、半田材4cを、ドレイン導体1のチップ対向面10の端部領域1a,1bに設けられた接合領域101~103(図3参照)にそれぞれ配置する。なお、図6B,6Cでは、半導体チップ5のソース電極5a、ゲート電極5cおよびドレイン電極5bの図示を省略した。
さらに、図6Aに示すように、ソース端子3a,3cおよびドレイン端子3b,3dを、外枠71と図示左側の凸部73a,73bとの間の領域に位置決めして配置する。同様に、ダミー端子2a~2c、ゲート信号端子2dおよびソースセンス信号端子2eを、外枠71と図示右側の凸部73c,73dとの間の領域に位置決めして配置する。なお、この段階においては、リード材を加工して形成されるソース端子3a,3cおよびドレイン端子3b,3dは、端子接続リード30によって所定間隔で一体に連結されている。同様に、ダミー端子2a~2c、ゲート信号端子2dおよびソースセンス信号端子2eは、端子接続リード20によって所定間隔で一体に連結されている。
図6A~6Cに示すように各部材を配置したならば、端子3a~3dおよびダミー端子2a~2cの上に錘9を載置して荷重をかけた状態とする(図6B参照)。錘9は、外枠71と凸部73a~73dによって端子上に位置決めされる。その後、図6A~6Cに示す状態の固定治具7を炉内に入れて半田材4b,4cを溶かし、半導体チップ5、ドレイン端子3b,3dおよびダミー端子2aのドレイン導体1への半田接合作業を行う。
図7A,7Bは第3の工程を説明する図であり、図7Aは平面図、図7BはC4-C4断面図である。半導体チップ5、ドレイン端子3b,3dおよびダミー端子2aのドレイン導体1への半田接合作業が完了したならば、ワイヤボンディング13により、ゲート電極5cとゲート信号端子2dとの接続、および、ソース電極5aとソースセンス信号端子2eとの接続を行う。ボンディング作業は、組立途中の半導体装置(すなわち、端子が接続されたドレイン導体1)を固定治具7からいったん取り出して行う。その際、非接合状態のソース端子3a,3cは、端子接続リード30によって接合状態のドレイン端子3b,3dと一体に連結されている。同様に、非接合状態のダミー端子2b,2c、ゲート信号端子2dおよびソースセンス信号端子2eは、端子接続リード20によって接合状態のダミー端子2aと一体に連結されている。
その後、ボンディング作業後の半導体装置は再び固定治具7に配置され、図7Aのように位置決め治具11が配置される。2つの位置決め治具11は、外枠71と凸部73a,73bとの間および外枠71と凸部73c,73dとの間に位置決めされて配置される。その結果、位置決め治具11,外枠71および凸部73a~73dで囲まれた4つの矩形領域ができる。これらの矩形領域内に半田材4dをそれぞれ配置する。図7Bに示すように、凸部73a~73dの上端面と半田材4dの高さとを一致させることで、次工程で半田材4d上にソース導体14を載置した際のソース導体14の傾きを防止できる。このように、凸部73a~73dは、半田材4dの位置決めだけではなく、高さを規定する部材としても機能する。また、半導体チップ5のソース電極5aの上には、半田材4aが配置される。
図8A,8Bは第4の工程を説明する図であり、図8Aは平面図、図8BはD5-D5断面図である。第4の工程では、半田材4a,4dの上にソース導体14を配置し、さらに位置決め治具15を配置する。ソース導体14を配置する際のy方向の位置は、ソース導体14のy方向端面と外枠71とが接触することにより位置決めされる。また、ソース導体14のx方向の位置は、ソース導体14の表面側に形成された段差14cおよび端部領域14a,14bの先端と位置決め治具11とが接触することにより位置決めされる。すなわち、治具7,11を介して、ドレイン導体1とソース導体14とが位置決めされる。
また、位置決め治具15の位置は、外枠71とソース導体14とによって位置決めされる。位置決め治具15には、錘19を位置決めするための切り欠き150および開口151が形成されている。切り欠き150内および開口151内に錘19を配置することで、錘19が、半田材4dの上方のソース導体14上、すなわち、図4に示した接合領域41~44とは反対側の面の上に位置決めされる。
その後、図8A,8Bに示すように錘19で荷重をかけた状態の固定治具7を炉内に入れて半田材4a,4dを溶かし、ソース電極5a、ソース端子3a,3cおよびダミー端子2b,2cのソース導体14への半田接合作業を行う。
半田接合作業の後に、半導体装置を固定治具7から取り出し、モールド樹脂16によるモールド作業を行う。モールド作業後、端子2a~2e同士を連結している端子接続リード20および端子3a~3d同士を連結している端子接続リード30を除去することで、図1に示した半導体装置100が完成する。
次に、本実施の形態の半導体装置の特徴について説明する。図9A,9Bは、本実施の形態の半導体装置100に対する比較例を示す図であり、図9Aは半導体装置200の平面図、図9BはE-E断面図である。比較例の半導体装置200は、半導体チップ5、ドレイン導体201、ソース導体214、ソース端子230およびドレイン端子231を備えている。なお、モールド樹脂、および、ボンディングワイヤにより接続される信号端子等については、図示を省略した。ソース導体214の端部領域214aには、ソース端子230が半田接合される接合領域220が設けられている。
ソース導体214を半田材4aにより半導体チップ5のソース電極(不図示)と半田接合する際には、半田材4dによる端部領域214aとソース端子230との半田接合も同時に行われる。図9Aに示すように、一般的に半田材4aの大きさは半田材4dの大きさに比べて大きいので、半田溶融時の表面張力も半田材4aの領域における表面張力の方が大きい。そのため、図9Bに示すように、半田材4aの接合部分の方が低くなるようにソース導体214が傾いた状態で、半田接合されてしまうおそれがある。
図10は、外部接続端子である端子3a,3c,2b,2cが接続されたソース導体14を示す図である。ソース端子3a,3cは、ソース導体14からx軸マイナス方向に延出するように端部領域14aの接合領域41,42に半田接合されている。一方、ダミー端子2b,2cは、ソース導体14からx軸プラス方向に延出するように端部領域14bの接合領域43,44に半田接合されている。
図4において説明したように、半導体チップ5のソース電極5aが半田接合される接合領域40は、ソース導体14のチップ対向面(図10の紙面裏面側)のほぼ中央に設けられている。上述したように、ソース導体14の端部領域14aの接合領域41,42には、ソース端子3a,3cが半田接合されている。ソース導体14の反対側の端部領域14bの接合領域43,44には、ダミー端子2b,2cが半田接合されている。以下では、接合領域40の中央Cを通りソース端子3a,3cの延出方向に沿った直線、すなわち、中央Cを通りx軸に平行な直線Lを仮想中心線と呼ぶことにする。
仮想中心線Lに対して、ソース端子3aが半田接合される接合領域41およびダミー端子2bが半田接合される接合領域43は、仮想中心線Lよりも図示上側の領域に設けられている。一方、ソース端子3cが半田接合される接合領域42およびダミー端子2cが半田接合される接合領域44は、仮想中心線Lよりも図示下側の領域に設けられている。そして、接合領域40は、接合領域41と接合領域44とを結ぶ直線L1上にあり、かつ、接合領域42と接合領域43とを結ぶ直線L2上にある。このような構成とすることにより、半田溶融時の表面張力の影響によるソース導体14の傾きを抑制することができる。
半田接合時における溶融半田の表面張力は面積の大きな接合領域40におけるものが最も大きく、接合領域40における表面張力がソース導体14の傾き対して大きく影響する。例えば、4つの端子2b,2c,3a,3cの内のソース端子3aおよびダミー端子2cのみが設けられている構成の場合には、接合領域40における溶融半田の表面張力の偏りの影響で直線L1に対して左右方向に倒れやすい。逆に、ソース端子3cおよびダミー端子2bのみが設けられている構成の場合には、直線L2に対して左右方向に倒れやすい。
しかし、ソース導体14に対して、図10に示すような配置で4つの端子2b,2c,3a,3cを半田接合する場合、直線L1の左右方向への傾きは接合領域42,43に生じる溶融半田の表面張力によって抑制され、一方、直線L2の左右方向への傾きは接合領域41,44に生じる溶融半田の表面張力によって抑制されることになる。その結果、図10に示す構成の本実施の形態では、半田接合時に生じるソース導体14の傾きを抑制することができ、ドレイン導体1の表面(放熱面)とソース導体14の表面(放熱面)とを平行に保つことができる。
さらに、比較例ではドレイン端子およびソース端子が一対であるのに対して本実施の形態では二対設けられていて、2つのドレイン端子3b,3dと2つのソース端子3a,3cとがy方向に交互に配置されている。比較例では、図9Aに示すように、P端子であるドレイン端子231からN端子であるソース端子230へと電流Iが流れる。一方、本実施の形態では、図10に示すように、ドレイン端子3bからソース端子3aへと電流I1が流れると共に、ドレイン端子3dからソース端子3cへと電流I2が流れる。その結果、比較例の場合に比べて、磁束打ち消し効果が高くなり低インダクタンス化を図ることができる。
(変形例)
図11,12は、上述した実施の形態の変形例を示す図である。図11は変形例における半導体装置110の斜視図であり、図12は分解斜視図である。変形例では、ドレイン端子24a,24bがドレイン導体1と一体に形成されている点が、図2に示した半導体装置100と異なる。その他の部分の構成に関しては、上述した半導体装置100と同様である。そのため、上述した実施の形態の場合と同様に、ソース導体14の倒れ抑制および低インダクタンス化を図ることができる。さらに、変形例では、主回路側の外部接続端子であるソース端子3a,3cとドレイン端子24a,24bとの高さ(z方向位置)が異なるので、主回路配線の高さを変えて接続することができる。
図11,12は、上述した実施の形態の変形例を示す図である。図11は変形例における半導体装置110の斜視図であり、図12は分解斜視図である。変形例では、ドレイン端子24a,24bがドレイン導体1と一体に形成されている点が、図2に示した半導体装置100と異なる。その他の部分の構成に関しては、上述した半導体装置100と同様である。そのため、上述した実施の形態の場合と同様に、ソース導体14の倒れ抑制および低インダクタンス化を図ることができる。さらに、変形例では、主回路側の外部接続端子であるソース端子3a,3cとドレイン端子24a,24bとの高さ(z方向位置)が異なるので、主回路配線の高さを変えて接続することができる。
以上説明した本発明の実施の形態および変形例によれば、以下の作用効果を奏する。
(C1)図2,4,10等に示すように、半導体装置100は、チップ表裏面の一方の面にソース電極5aを有し、他方の面にドレイン電極5bを有する半導体チップ5と、ソース電極5aに対向配設され、ソース電極5aが半田接合される接合領域40をチップ対向面140に有するソース導体14と、ドレイン電極5bに対向配設され、ドレイン電極5bに半田接合されるドレイン導体1と、チップ対向面140の端部領域14aに設けられた接合領域41に半田接合され、ソース導体14の側方(すなわち、チップ表裏方向と直交する方向)に延出する第1外部接続端子であるソース端子3aと、端部領域14aに設けられた接合領域42に半田接合され、ソース端子3aと同一方向に延出する第2外部接続端子であるソース端子3cと、チップ対向面140における接合領域40を挟んで端部領域14aとは反対側の端部領域14bに設けられた接合領域43に、半田接合されるダミー端子2bと、端部領域14bに設けられた接合領域44に半田接合されるダミー端子2cと、を備える。そして、接合領域40の中央を通り端子3a,3cの延出方向に沿った直線を仮想中心線Lとした場合に、接合領域41,43は仮想中心線Lを境界とする一方側(図10のy軸プラス方向側)に設けられ、接合領域42,44は仮想中心線Lを境界とする他方側(図10のy軸マイナス方向側)に設けられ、接合領域40は、接合領域41と接合領域44とを結んだ直線上に配置され、かつ、接合領域42と接合領域43とを結んだ直線上に配置される。
上述のように(図10に示すように)4つの接合領域41~44を配置することで、半田接合時における溶融半田の表面張力の影響によるソース導体14の傾きを、抑制することができる。
上述のように(図10に示すように)4つの接合領域41~44を配置することで、半田接合時における溶融半田の表面張力の影響によるソース導体14の傾きを、抑制することができる。
(C2)上記(C1)において、図2,10等に示すように、ドレイン導体1に設けられ、ソース端子3a,3cと同一方向に延出すると共に、ソース端子3a,3cと交互に離間して並列配置されるドレイン端子3b,3dをさらに備える。このような構成とすることで、図10に示すように、ドレイン端子3bからソース端子3aへと電流I1が流れると共に、ドレイン端子3dからソース端子3cへと電流I2が流れるようになり、磁束打ち消し効果が高くなり低インダクタンス化を図ることができる。
(C3)上記(C2)において、図2,3,5B,8B等に示すように、ソース導体14は、端部領域14a,14bの厚さがソース導体14の他の領域の厚さよりも薄く設定され、かつ、チップ対向面とは反対側の面に段差14cが形成され、ドレイン導体1は、ドレイン電極5bに対向する面10の端部領域1aにドレイン端子3b、3dが半田接合される接合領域101,102を有し、ドレイン電極5bに対向する面10とは反対側の面に段差10bが形成されるように、端部領域1aの厚さが、ドレイン電極5bが接合される領域10bの厚さよりも薄く設定されている。
ドレイン導体1に段差10bを形成したことにより、ドレイン導体1を固定治具7に配置する際に、段差10bを凹部72の側面に接触させることで、固定治具7に対するドレイン導体1の位置決めを正確に行うことができる。また、図8A、8Bに示すように、固定治具7に対して位置決めされた位置決め治具11にソース導体14の段差14cや端部が接触させて位置決めすることにより、治具7,11を介して、ドレイン導体1とソース導体14とを正確に位置決めすることができる。さらにまた、ソース導体14の段差14cによって位置決めされた位置決め治具15の切り欠き150や開口151に錘19を配置することで、錘19が接合領域41~44の反対側の面の上に正確に位置決めされる。
(C4)上記(C2)において、図11,12等に示すように、ドレイン端子24a,24bはドレイン導体1に一体に形成され、ドレイン導体1の側方に延出している。この場合、外部接続端子であるソース端子3a,3cとドレイン端子24a,24bとの高さ(z方向位置)が異なるので、主回路配線の高さを変えて接続することができる。
(C5)上記(C1)において、図4等に示すように、ソース導体14において、接合領域41の面積と接合領域44の面積は等しく設定され、接合領域42の面積と接合領域43の面積は等しく設定される。その結果、接合領域41,44に作用する溶融半田の表面張力が等しく、接合領域42,43に作用する溶融半田の表面張力が等しくなる。その結果、半田接合時のソース導体14の傾きをより小さく抑制することができる。
以上説明した各実施形態や各種変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1,201…ドレイン導体、1a,1b…端部領域、100,110,200…半導体装置、2a,2b,2c…ダミー端子、3a,3c,230…ソース端子、3b,3d,24a,24b,231…ドレイン端子、5…半導体チップ、5a…ソース電極、5b…ドレイン電極、5c…ゲート電極、7…固定治具、10,140…チップ対向面、8,11,15…位置決め治具、10a…チップ接合領域、10b,14c…段差、14,214…ソース導体、40~44,101~103,220…接合領域
Claims (5)
- チップ表裏面の一方の面に第1電極を有し、他方の面に第2電極を有する半導体チップと、
前記第1電極に対向配設され、前記第1電極が半田接合されるチップ接合領域をチップ対向面に有する第1導体と、
前記第2電極に対向配設され、前記第2電極に半田接合される第2導体と、
前記チップ対向面の第1端部領域に設けられた第1接合領域に半田接合され、前記第1導体の側方に延出する第1外部接続端子と、
前記第1端部領域に設けられた第2接合領域に半田接合され、前記第1外部接続端子と同一方向に延出する第2外部接続端子と、
前記チップ対向面における前記チップ接合領域を挟んで前記第1端部領域とは反対側の第2端部領域に設けられた第3接合領域に、半田接合される第1ダミー端子と、
前記第2端部領域に設けられた第4接合領域に半田接合される第2ダミー端子と、を備え、
前記チップ接合領域の中央を通り前記第1および第2外部接続端子の延出方向に沿った直線を仮想中心線とした場合に、
前記第1および第3接合領域は前記仮想中心線を境界とする一方側に設けられ、
前記第2および第4接合領域は前記仮想中心線を境界とする他方側に設けられ、
前記チップ接合領域は、前記第1接合領域と前記第4接合領域とを結んだ直線上に配置され、かつ、前記第2接合領域と前記第3接合領域とを結んだ直線上に配置される、半導体装置。 - 請求項1に記載の半導体装置において、
前記第2導体に設けられ、前記第1および第2外部接続端子と同一方向に延出すると共に、前記第1および第2外部接続端子と交互に離間して並列配置される第3および第4外部接続端子をさらに備える、半導体装置。 - 請求項2に記載の半導体装置において、
前記第1導体は、前記チップ対向面とは反対側の面に第1段差が形成されるように、前記第1および第2端部領域の厚さは前記第1導体の他の領域の厚さよりも薄く設定され、
前記第2導体は、前記第2電極に対向する面の第3端部領域に前記第1および第2外部接続端子が半田接合される第5および第6接合領域を有し、前記第2電極に対向する面とは反対側の面に第2段差が形成されるように、前記第3端部領域の厚さが、前記第2電極が接合される領域の厚さよりも薄く設定されている、半導体装置。 - 請求項2に記載の半導体装置において、
前記第3および第4外部接続端子は前記第2導体に一体に形成され、前記第2導体の側方に延出している、半導体装置。 - 請求項1に記載の半導体装置において、
前記第1および第3接合領域の面積は等しく設定され、
前記第2および第4接合領域の面積は等しく設定されている、半導体装置。
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2022
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