JP2024007404A - 銀電気めっき組成物及び粗面無光沢銀を電気めっきするための方法 - Google Patents

銀電気めっき組成物及び粗面無光沢銀を電気めっきするための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 銀電気めっき組成物及び粗面無光沢銀を電気めっきするための方法を提供する。【解決手段】 銀電気めっき組成物は、針状の粒子構造を有する粗い無光沢の銀を堆積させる。粗い無光沢の銀の堆積により、相対湿度が高い環境であっても誘電体材料との良好な接着が可能になる。【選択図】 図1

Description

本発明は、銀電気めっき組成物、及び粗面無光沢銀を電気めっきするための方法に関する。より具体的には、本発明は、誘電体材料との接着性を改善するために、針状又は円錐状の粒子構造を有する粗面無光沢銀を電気めっきするための銀電気めっき組成物及び方法に関する。
リードフレームは、半導体デバイスの製造において半導体ダイス又はチップを実装及び加工するために使用される。リードフレームは、リードフレームのリードを介してチップを外部デバイスに電気的に接続する。産業界には、スポットシルバー/はんだコーティングリードフレームやパラジウムプレめっきリードフレーム(PPF)などの、特定のタイプのリードフレームが存在する。
従来、リードフレームベースの表面の全部又は一部に銀めっきが施されていた。リードフレームベースは、半導体素子との接合時に使用される金属線(金線や銅線など)としっかりとよく接合させるために、銅又は銅合金から製造される。銅又は銅合金から製造された下にあるリードフレームベースの銅の望ましくない拡散を最小限に抑えるために、ニッケル下地層などの下地めっき層なしで銅又は銅合金製のリードフレームベース上に銀又は銀合金が直接形成される。銀又は銀合金層は、2μm以上、典型的には2.5~3.0μmの厚さを有することができる。
半導体チップをリードフレームベースに実装し、チップとリードフレームベースとの間にボンディングワイヤ接続を行った後、半導体チップをエポキシモールディングコンパウンド(EMC)と呼ばれるプラスチックモールディングコンパウンドで封止することでパッケージが形成される。高い信頼性の要求のためには、リードフレームベースとパッケージのEMCと間の接着が良好であることが、集積回路(IC)デバイスの適切な機能を確保するための鍵になる。パッケージの層間剥離や亀裂、さらにはいわゆる「ポップコーン」現象も、デバイスの不具合をもたらす。
パッケージの寿命の間、周囲の湿気がEMCとリードフレームベースとの界面で吸収される可能性がある。湿気が吸収されてデバイス内部に保持されると、湿気が閉じ込められ、その後高温で蒸発する。蒸発した水分は、パッケージ内部に非常に大きな応力を与え、EMCとリードフレームベースとの界面で層間剥離を引き起こす可能性がある。
所定のパッケージの層間剥離の傾向を推定するために、米国電子回路協会(IPC)及び米国半導体技術協会は、リードフレームICデバイスの感湿性レベル(MSL)の標準分類を規定した。IPC及び米国半導体技術協会の規格であるこの標準(J-STD-020D)によれば、パッケージの感湿性を表現するために8つのレベルが存在する。MSL1は湿気にさらされても層間剥離の影響を受けないパッケージに対応する一方で、MSL5及びMSL6デバイスは湿気による破損が最も起こりやすい。実際の条件下で十分な接着力を確保するために、リードフレームICパッケージはJ-STD-20MSL標準に従って試験される。
自動車に高度なエレクトロニクス技術を導入する最近の傾向により、車載用半導体の数は着実に増加している。一方で、半導体パッケージのコストを削減するために、従来の金線を低コストの銅線に置き換えることが増加してきている。しかしながら、銅線はリードフレームとの接着性を改善するために使用される硫黄原子を含む添加剤によって腐食されやすいという欠点を有している。Automotive Electronics Council-Q006(AEC-Q006)で規定されている車載用導体の信頼性試験の厳しい条件を満たすためには、リフロープロセスにおけるEMCとリードフレームとの層間剥離を防ぐことが重要である。さらに、5G/Telecomやストレージなどの他の分野においても、MSL-1準拠(感湿性レベル-1、85℃、相対湿度85%で168時間、J-STD-20)への要求が高まってきている。まとめると、ICパッケージの最終市場の需要は、より高い信頼性と、EMCとリードフレームベースとの間の強力な接着力を求めている。
典型的には、ほとんどのリードフレーム構造の表面は、リードフレーム本体構造の材料である銅又は銅合金とリードフレーム本体構造の表面に存在する銀又は銀合金など、2つの金属からなる。銀又は銀を含む合金は、EMCに対する接着性が弱いことが多い。リードフレームベースとEMCとの間の接着に対処するために、産業界は主に銅又は銅合金の表面に焦点を当ててきた。これは、化学エッチングプロセスによって達成することができる。例えば、金属酸化物表面は一般的に酸化物がない金属表面よりもEMCに対する優れた接着性を示すため、化学エッチングプロセスによって銅又は銅合金の表面に金属酸化物層を生成することで接着性を改善することができる。化学エッチングプロセスに加えて、銅又は銅合金材料に陽極電流を印加するなどの電気化学的処理も、表面を粗くすることで接着性を改善することができる。
近年、産業界では半導体パッケージの小型化及び低コスト化に焦点が当てられている。より軽く、より小さな部品が必要とされる高密度パッケージングへの要求が増加してきている。高密度パッケージは、特にEMC封止内の銅、銅合金と銀又は銀合金との間の接着性をさらに損うことになる。その結果、リードフレームベースとEMCとの間の接着性、およびパッケージの信頼性、特に感湿性に関するパッケージの信頼性が大幅に損なわれる。
したがって、半導体パッケージングにおけるリードフレームとEMCとの間の接着性を改善するための方法が必要とされている。
本発明は、銀イオンと、導電性化合物と、下記式:

(式中、Rは、水素又はC~Cアルキルであり、RはC~Cアルキル又はフェニルである)
を有する化合物とを含む銀電気めっき組成物に関する。
本発明は、さらに、
a)基材を準備すること;
b)銀イオンと、導電性化合物と、下記式:

(式中、Rは、水素又はC~Cアルキルであり、RはC~Cアルキル又はフェニルである)
を有する化合物とを含む銀電気めっき組成物に基材を接触させること;
c)基材上に粗面無光沢銀堆積物を電気めっきするために、銀電気めっき組成物及び基材に電流を印加すること;
を含む、基板上に粗面無光沢銀を電気めっきする方法に関する。
本発明は、さらに、基材の表面に隣接する粗面無光沢銀層を含む物品であって、粗面無光沢銀層が0.1~0.4μmのSaと5~50%のSdrとを有する物品に関する。
本発明の銀電気めっき組成物は、基材上への粗面無光沢銀堆積物の電気めっきを可能にし、その結果、粗面無光沢銀は、比較的湿度の高い環境であっても、エポキシモールディングコンパウンド(EMC)などの(ただしこれに限定されない)誘電体材料との良好且つ信頼性の高い接着を提供する。本発明の粗面無光沢銀は、半導体パッケージング内での確実な接着を可能にして、パッケージの層間剥離又は亀裂並びに「ポップコーン」現象を抑制し、ICデバイスの不具合を防止する。
従来の銀電気めっき浴で電気めっきされた半光沢銀層をZeiss顕微鏡で撮影した5000倍のSEMである。 本発明の銀電気めっき浴で電気めっきされた無光沢の粗い銀層をZeiss顕微鏡で撮影した5000倍のSEMである。
本明細書全体にわたって使用される略語は、文脈が明確に他に指示しない限り、以下の意味を有する:℃=セルシウス度;g=グラム;ppm=パーツパーミリオン;Kg=キログラム;L=リットル;mL=ミリリットル;mm=ミリメートル;cm=センチメートル;dm=デシメートル;μm=ミクロン;nm=ナノメートル;DI=脱イオン化;A=アンペア;ASD=アンペア/dm=めっき速度;DC=直流;N=ニュートン;mN=ミリニュートン;R.O.=逆浸透;R.T.=室温;v=ボルト;s=秒;sec.=秒;3D=三次元;rpm=回転毎分;MSL-1=感湿性レベル-1、85℃及び相対湿度85%で168時間。;w/oMSL-1=MSL処理なし;w/MSL-1=MSL処理あり;C.D.=電流密度;Ag=銀;Cu=銅;S=硫黄。
「隣接する」という用語は、2つの金属層が共通の界面を有するように直接接触することを意味する。「N」という略語は、力のSI単位であるニュートンを意味し、1キログラムの質量に1メートル毎秒毎秒の加速度を与える力に等しく、100,000ダインに等しい。「Ra」という用語は、輪郭粗さの算術平均偏差を意味する。「Sa」という用語は算術平均高さを意味し、Raと実質的に等しい。「Sdr」という用語は、表面積比に対応する展開界面面積比を意味し、Sdr=(表面積比-1)×100%の相関関係を有する。「水性」という用語は、めっき組成物又はめっき浴中の1つ以上の成分の可溶化を助けるために有機溶媒が添加され得る水又は水系を意味する。「組成物」及び「浴」という用語は、本明細書全体を通じて互換的に使用される。「堆積」及び「層」という用語は、本明細書全体を通じて互換的に使用される。「電気めっき」、「めっき」及び「堆積」という用語は、本明細書全体を通じて互換的に使用される。「無光沢」という用語は、くすんでいるか艶がないが、曇った又は霞んだ外観ではないことを意味する。「半光沢」という用語は、物品の表面が視覚的にヘイズを有するか又はわずかにヘイズを有する外観を有するが、依然として光を平行に反射することを意味する。「明るい」という用語は、物品の表面が光を平行に反射し、視覚的にはっきりした外観を有することを意味する。「形態」という用語は、表面又は物品の形状、サイズ、質感、又はトポグラフィーを意味する。「誘電体」という用語は、導電率が十分に低い絶縁材料を意味する。「ヘイズ」という用語は、曇った又は霞んだ外観であることを意味する。「アリコート」という用語は、大きい全体の一部、特に化学分析又はその他の処理のために採取された試料を意味する。化学構造中の

は、任意選択的な共有化学結合を意味する。「チオ」という用語は、化学構造中に-S-又は-SHを含む有機化合物を意味する。「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、本明細書全体を通じて単数及び複数の両方を指すことができる。特別の定めのない限り、全てのパーセント(%)値及び範囲は重量パーセントを指す。全ての数値範囲は、包含的であり、且ついかなる順序でも組み合わされ得るが、ただし、そのような数値範囲を合計したものが100%となるように制約されることが論理的である場合を例外とする。
本発明は、銀イオンと、導電性化合物と、下記式:

(式中、Rは、水素又はC~Cアルキルであり、RはC~Cアルキル又はフェニルであり、好ましくは、Rは水素又はC~Cアルキルであり、Rは、C~Cアルキル又はフェニルであり、より好ましくは、Rは水素又はCアルキルであり、RはCアルキル又はフェニルである)
を有する化合物とを含む銀電気めっき組成物に関する。
銀イオン源は、限定するものではないが、塩化物、臭化物、及びフッ化物などのハロゲン化銀、グルコン酸銀、クエン酸銀、乳酸銀、硝酸銀、硫酸銀、アルカンスルホン酸銀、アルカノールスルホン酸、シアン化銀カリウム、又はこれらの混合物などの銀塩によって供給することができる。ハロゲン化銀が使用される場合、好ましくは、ハロゲン化物は塩化物である。好ましくは、銀塩はシアン化銀カリウム、硝酸銀、アルカンスルホン酸銀、又はそれらの混合物であり、より好ましくは、銀塩はシアン化銀カリウム、硝酸銀、又はそれらの混合物である。銀塩は一般に市販品として入手可能であるか、又は文献に記載される方法によって調製可能である。好ましくは、銀塩は水に容易に溶解可能である。本発明の銀電気めっき組成物には、銀堆積物を光沢化する目的の合金化金属又は金属は含まれない。
好ましくは、銀塩は、少なくとも10g/Lの濃度の銀イオンを提供するために組成物中に含まれ、より好ましくは、銀塩は10g/L~100g/Lの量で銀イオン濃度を提供する量で組成物中に含まれ、さらに好ましくは、銀塩は20g/L~80g/Lの銀イオン濃度を提供する量で含まれ、なおより好ましくは、銀塩は20g/L~60g/Lの濃度で銀イオンを提供する量で含まれ、最も好ましくは、銀塩は30g/L~60g/Lの銀イオン濃度を提供する量で組成物中に含まれる。
本発明の銀電気めっき組成物に含まれる導電性化合物としては、銀の電気めっき中に銀電気めっき組成物中の電流を支援するための水溶性塩が挙げられる。導電性塩としては、限定するものではないが、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸アンモニウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、有機酸の塩、無機酸の塩、及び前述した導電性塩の1つ以上の混合物が挙げられる。好ましくは、導電性塩は、リン酸二水素カリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、又はそれらの混合物である。より好ましくは、導電性塩は、リン酸二水素カリウム、硝酸ナトリウム、又はそれらの混合物である。最も好ましくは、導電性塩はリン酸二水素カリウムである。
本発明の銀電気めっき組成物に含めることができる有機酸としては、限定するものでないが、酢酸、クエン酸、マロン酸、アリールスルホン酸、アルカンスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸及びプロパンスルホン酸、アリールスルホン酸、例えばフェニルスルホン酸、トリルスルホン酸、5-スルホサリチル酸が挙げられる。前述した酸の塩も本発明の銀電気めっき組成物に含めることができる。
本発明の銀電気めっき組成物に含めることができる無機酸としては、限定するものでないが、硫酸、スルファミン酸、塩酸、リン酸、臭化水素酸及びフルオロホウ酸が挙げられる。上記酸の水溶性塩も、本発明の銀電気めっき組成物中に含まれることが可能である。酸及びその塩の混合物を使用することができる。酸は、有機酸及び無機酸共に一般的に市販されており、或いは文献で既知の方法によって調製することができる。
好ましくは、導電性化合物は、少なくとも50g/L、より好ましくは50g/L~250g/L、さらにより好ましくは50g/L~150g/L、最も好ましくは80g/L~125g/Lの量で含まれる。
上の式(I)を有する化合物は、粗面無光沢銀堆積物を提供するための粗面化剤として本発明の銀電気めっき組成物中に含まれる。そのような化合物は、本発明の銀電気めっき組成物中に、好ましくは少なくとも1ppm、より好ましくは5~100ppm、さらにより好ましくは5~50ppm、最も好ましくは5~20ppmの量で含まれる。
最も好ましい化合物は以下の式を有する。
任意選択的には、望まれるpHを維持するために、1種以上の緩衝剤及びpH調整剤を銀電気めっき組成物中に含めることができる。緩衝剤としては、限定するものではないが、ホウ酸及びその塩、例えばホウ酸二ナトリウム塩、ホウ酸カリウム塩、ホウ酸アンモニウム塩、及びそれらの混合物、クエン酸及びクエン酸の塩、例えばカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、又はそれらの混合物が挙げられる。
pHを調整するための任意選択的な薬剤としては、限定するものではないが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、クエン酸、クエン酸の塩、例えばクエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、及びクエン酸アンモニウム、リン酸塩、炭酸塩、リン酸、及びそれらの混合物が挙げられる。
好ましくは、緩衝剤及びpH調整剤は、銀電気めっき組成物中に10g/L以上、より好ましくは15g/L~100g/L、さらにより好ましくは15g/L~70g/Lの量で含まれる。最も好ましくは、ホウ酸及びその塩は、15g/L~25g/Lの量で含めることができる。最も好ましくは、pH調整剤は、30g/L~70g/Lの量で含めることができる。
好ましくは、本発明の銀電気めっき組成物のpHは、6~14、より好ましくは7~13、さらにより好ましくは8~12、最も好ましくは8~10の範囲である。
任意選択的には、本発明の銀電気めっき組成物は、1種以上の銀錯化剤を含む。そのような錯化剤としては、限定するものではないが、シアン化カリウム、ヒダントイン、ヒダントイン誘導体、例えば5,5-ジメチルヒダントイン、スクシンイミド及びその誘導体、マレイミド及びその誘導体、並びにニコチン酸が挙げられる。好ましい銀錯化剤はシアン化カリウムである。
そのような銀錯化剤は、当業者によく知られている従来の量で含まれる。好ましくは、銀錯化剤は、少なくとも5g/L、より好ましくは5~100g/L、さらにより好ましくは5~50g/L、最も好ましくは5~25g/Lの量で含まれる。
任意選択的には、本発明の銀電気めっき組成物は、1種以上の従来の結晶粒微細化剤を含むことができる。このような結晶粒微細化剤しては、限定するものではないが、チオリンゴ酸、2-メルカプトコハク酸、3-メルカプト-1-プロパンスルホン酸、1-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-1H-テトラゾール-5-チオール、及びそれらの塩のうちの1つ以上を挙げることができる。好ましくは、本発明の銀電気めっき組成物は、そのような結晶粒微細化剤を含まない。
結晶粒微細化剤が含まれる場合、それらは5g/L以上、より好ましくは10g/L~100g/Lの量で含まれることができる。
本発明の銀電気めっき組成物には、水が溶媒として含まれており、これは、偶発的な不純物を抑制するために好ましくは脱イオン水及び蒸留水のうちの少なくとも1つである。
任意選択的には、本発明の銀電気めっき組成物は、組成物成分の水への可溶化を助けるために1つ以上の有機溶媒を含むことができる。そのような有機溶媒としては、ピリジン、ピリジン化合物、又はそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、そのようなピリジン化合物は、水と組み合わせられた2-ピリジンメタノール、3-ピリジンメタノール、2-ピリジンエタノール、3-ピリジンエタノール、及びそれらの混合物からなる。好ましくは、溶媒がピリジン化合物を含む場合、銀電気めっき組成物の溶媒は3-ピリジンメタノールと水とからなる。好ましくは、そのような化合物は、本発明の銀電気めっき組成物中に0.1g/L~2g/Lの量で、より好ましくは0.2g/L~1g/Lの量で、さらにより好ましくは0.2g/L~0.5g/Lの量で含まれる。
任意選択的に、本発明の銀電気めっき組成物中に1種以上の界面活性剤が含まれることが可能である。そのような界面活性剤としては、限定するものではないが、カチオン性及びアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、並びに両性界面活性剤などのイオン性界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、0.05g/L~30g/Lなどの従来量で含まれてよい。
アニオン性界面活性剤の例は、ナトリウムジ(1,3-ジメチルブチル)スルホサクシネート、ナトリウム-2-エチルヘキシルスルフェート、ナトリウムジアミルスルホサクシネート、ナトリウムラウリルスルフェート、ナトリウムラウリルエーテル-スルフェート、ナトリウムジ-アルキルスルホサクシネート及びナトリウムドデシルベンゼンスルホネートである。カチオン性界面活性剤の例は、ペルフッ素化四級アミンなどの四級アンモニウム塩である。
他の任意選択的な添加剤としては、限定されないが、レベラー及び殺生剤が含まれることが可能である。そのような任意選択的な添加剤は従来の量で含まれることが可能である。
好ましくは、銀電気めっき組成物は、水と、任意選択的なピリジン、2-ピリジンメタノール、3-ピリジンメタノール、2-ピリジンエタノール、3-ピリジンエタノール、又はそれらの混合物と、銀イオンと、対アニオンと、導電性化合物と、式(I)の化合物と、任意選択的な緩衝剤と、任意選択的なpH調整剤と、任意選択的な酸と、任意選択的な結晶粒微細化剤と、任意選択的な界面活性剤と、任意選択的なレベラーと、任意選択的な殺生物剤とからなり、pHは6~14である。
より好ましくは、銀電気めっき組成物は、水と、任意選択的な2-ピリジンメタノール、3-ピリジンメタノール、2-ピリジンエタノール、3-ピリジンエタノール、又はそれらの混合物と、銀イオンと、対アニオンと、導電性化合物と、6-(ジブチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、及びそれらの混合物からなる群から選択される化合物と、任意選択的なホウ酸又はその塩と、任意選択的な水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、又はそれらの混合物と、任意選択的な酸と、任意選択的な界面活性剤と、任意選択的なレベラーと、任意選択的な殺生物剤とからなり、pHは7~13である。
さらにより好ましくは、銀電気めっき組成物は、水と、任意選択的な3-ピリジンメタノールと、銀イオンと、対アニオンと、導電性化合物と、6-(ジブチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、及びそれらの混合物からなる群から選択される化合物と、任意選択的なホウ酸又はその塩と、任意選択的な水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、又はそれらの混合物と、任意選択的な界面活性剤と、任意選択的なレベラーと、任意選択的な殺生物剤とからなり、pHは8~12である。
最も好ましくは、銀電気めっき組成物は、水と、任意選択的な3-ピリジンメタノールと、銀イオンと、対アニオンと、導電性化合物と、6-(ジブチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、及びそれらの混合物からなる群から選択される化合物と、任意選択的なホウ酸又はその塩と、任意選択的な水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、又はそれらの混合物と、任意選択的な界面活性剤と、任意選択的なレベラーと、任意選択的な殺生物剤とからなり、pHは8~10である。
本発明の銀電気めっき組成物は、様々な基材上に粗面無光沢銀層を堆積するために使用することができる。好ましくは、粗面無光沢銀層が堆積される基材には、銅及び銅合金層が含まれる。そのような銅合金層としては、限定されないが、黄銅及び青銅が挙げられる。好ましくは、本発明の銀電気めっき組成物は、銅及び銅合金層に隣接する粗面無光沢銀層をめっきするために使用される。好ましくは、そのような銅及び銅合金層は、リードフレーム製造及びIC半導体パッケージングに含まれる。好ましくは、粗面無光沢銀層は、リードフレームベース又は基材の銅又は銅合金に隣接する銀ストライク層に隣接して電気めっきされる。そのような銀ストライク層は、好ましくは10~20nmの範囲である。銀ストライク層は、従来の銀電気めっき浴又は無電解銀金属めっき浴を使用することによって、銅又は銅合金に隣接して堆積される。リードフレームを銀層と銅又は銅合金で包み、リードフレームとIC半導体パッケージを完成させるために、エポキシモールディングコンパウンドと呼ばれる誘電体材料が使用される。本発明の粗面無光沢銀層を含むICパッケージは、エポキシモールディングコンパウンドとの良好な接着を可能することで、モールディングコンパウンドの層間剥離を防止し、MSL-1準拠(感湿性レベル-1、85℃及び相対湿度85%、168時間、J-STD-20)を有すると期待することができる。
本発明の銀電気めっき組成物は、室温から70℃、好ましくは30℃~60℃、より好ましくは40℃~60℃の温度で電気めっきすることができる。銀電気めっき組成物は、好ましくは、電気めっき中に連続的に撹拌される。
本発明の銀電気めっき方法は、基材を準備すること、銀電気めっき組成物を準備すること、及び基材を組成物に浸漬するか又は基材に組成物を噴霧することなどにより、基材を銀電気めっき組成物と接触させること、を含む。従来の整流器で電流を流し、ここで、基板がカソードとして機能し、対電極又はアノードが存在する。アノードは、銀を電気めっきして、基板の表面に隣接して堆積させるために使用される任意の従来の可溶性又は不溶性アノードであってよい。
粗面無光沢銀を電気めっきするための電流密度は、5ASD以上の範囲であることが可能である。好ましくは、電流密度は10ASD~180ASD、さらに好ましくは20ASD~150ASD、さらにより好ましくは100ASD~150ASDの範囲である。好ましくは、望まれる粗面無光沢銀の堆積を実現するために、銀めっきのために高い電流密度が使用される。
本発明の銀電気めっき組成物は、粗い無光沢の均一な銀層の堆積を可能にする。堆積物の銀含有量は、金属基準で99%以上の銀である。
粗面無光沢銀層は、好ましくは0.1~0.4μm、より好ましくは0.2~0.3μmのSaと、好ましくは5~50%、より好ましくは25~30%のSdrとを有する。Sa及びSdrは、当業者に公知の表面粗さを測定するために使用される従来の方法及び装置を使用して、銀層について測定することができる。1つの方法は、Olympus 3D Laser Microscope-LEXT OLS5000-LAF(Olympus Scientific Solutions Americasから入手可能)を使用することである。表面粗さは、例えば256μm×256μmの表面積を50倍の対物倍率でスキャンすることができる。
粗面無光沢銀の堆積物は針状又は尖頭状の構造を有しており、ピークの高さは1~4μm、ピーク底部の直径は0.2~0.4μmである。そのようなパラメータは、Olympus 3D Laser Microscope-LEXT OLS5000-LAFを使用して測定することができる。当業者によく知られている他の方法及び装置を使用することもできる。
好ましくは、粗面無光沢銀層の厚さは0.1μm以上の範囲である。さらに好ましくは、粗面無光沢銀層は、0.1μm~10μm、より好ましくは0.5μm~5μm、さらにより好ましくは2μm~4μm、最も好ましくは2μm~3μmの厚さ範囲を有する。厚さは、当業者に知られている従来の方法によって測定することができる。例えば、銀層の厚さは、Bowman,Schaumburg,ILから入手可能なBowman Series P X線蛍光光度計(XRF)を使用して測定可能である。XRFは、Bowmanからの純銀厚さ標準を使用して較正可能である。
以下の実施例は、本発明をさらに例示するために含まれるが、その範囲を限定することを意図しない。
実施例1
ボタンせん断試験
各クーポンの面積が0.032dmになるように0.27dm×0.06dm×2の辺寸法を有する複数の銅クーポンを準備した。銅クーポンのSa及びSdrは、Olympus 3D Laser Microscope-LEXT OLS5000-LAFを使用して決定した。Saは0.076~0.085μmの範囲であった。平均は0.08μmであった。Sdrは1.26~1.49%の範囲であった。平均は1.40%であった。
表1及び2に記載の手順に従って、銅クーポンのアリコートを粗面化した。
粗面化された銅クーポンのSa及びSdrを、Olympus 3D Laser Microscope-LEXT OLS5000-LAFを用いて測定した。Sa値は0.199~0.242μmの範囲であり、平均値は0.218μmであった。Sdr値は18.5~23.9%の範囲であり、平均値は20.7%であった。
第2及び第3のアリコートを、従来の銀めっき浴からの銀層で電気めっきを行うか、又は後述する本発明の銀電気めっき浴を用いて無光沢の粗面銀層で電気めっきを行った。銅クーポンの第4のアリコートには粗面化も銀電気めっきも行わなかった。
銀ストライクは銅クーポン上に0.1~0.2μmの厚さに電気めっきした。銀ストライク層の厚さは、Bowman Series P X線蛍光計(XRF)を用いて測定した。銀めっきは、不溶性のステンレス鋼製アノードを使用して、1Lのプラスチック容器内で行った。
銀の電気めっきはpH9~9.5で行った。高速銀めっきのための噴流めっき装置(Kam Tsuen Mechanical&Electrical Ltd.の1010スポットめっき装置)を使用した。銀層は、Bowman,Schaumburg,IL.から入手可能なBowman Series P X線蛍光計(XRF)を使用して測定したときに、2.5~3μmの厚さを有していた。XRFは、Bowmanからの純銀厚さ標準を使用して較正された。
銀の電気めっきはpH9~9.5で行った。銀層は、Bowman Series P X線蛍光計(XRF)で測定したときに、2.5~3μmの厚さを有していた。XRFは、Bowmanからの純銀厚さ標準を使用して較正された。
SaとSdrは、2種類の銀電気めっき浴のそれぞれからの銀層について測定した。表面粗さは、Olympus 3D Laser Microscope-LEXT OLS5000-LAF(Olympus Scientific Solutions Americasから入手可能)を使用して分析した。表面粗さは、50倍の対物倍率で256μm×256μmの表面積でスキャンした。
Silverjet(商標)220SE銀電気めっき浴からめっきされた半光沢銀層は、0.09~0.12μmの範囲のSa値と、0.5~1.7%の範囲のSdr値とを有していた。図1は、Zeiss顕微鏡で撮影した銀めっきクーポンの1つからの銀層の表面の5000倍のSEMである。
対照的に、本発明の銀電気めっき浴から銅クーポン上にめっきされた銀表面のSa値は0.15~0.3μmの範囲であり、12~30%の範囲のSdrを有していた。図2は、Zeiss顕微鏡で撮影した銀めっきされたクーポンの1つからの銀層の表面の5000倍のSEMである。図2の銀表面は、図1とは対照的に、粗い尖頭形態を有する。本発明の銀電気めっき浴は、従来の銀めっき浴からめっきされた銀層よりも大幅に粗い銀堆積物を有していた。
次いで、全てのクーポンをモールディングコンパウンドEME-、エポキシ樹脂(5~10%)と、フェノール樹脂(1~5%)と、非晶質シリカA(70~80%)と、非晶質シリカB(5~10%)と、カーボンブラック(0.1~1%)との混合物でコーティングした。モールディングコンパウンドをボタン形状に成形し、従来のオーブンで175℃で120秒間硬化した。その後、ボタン形状のモールディングコンパウンドを有するクーポンに対して、175℃で4時間、ポストモールドキュアを行った。クーポンを室温まで冷却した。ボタン形状のモールディングコンパウンドを有するクーポンの半分は、ESPECベンチトップ型恒温恒湿槽、モデルSH-221を使用して、感湿性レベル-1、85℃、相対湿度85%に168時間暴露した。クーポンをチャンバー内のステンレス鋼製バスケットに入れ、85℃、相対湿度85%に168時間(7日間)設定した。その後、クーポンをチャンバーから取り出し、周囲環境で乾燥した。
次に、ボタンせん断試験を全てのクーポンについて行った。ボタンせん断試験の条件は以下の通りである:
a)せん断装置:Nordsonから入手可能な4000 Multipurpose Bondtester
b)カートリッジ:DAGE-4000-DG100KG
c)ボタンの高さ:3mm
d)ボタンの直径:3mm
e)せん断高さ:ボタンの20%=600μm
f)せん断速度:85μm/s
g)温度:室温
銀めっきされた銅クーポン、粗面化銅、及び粗面化されていない銅のボタンせん断試験の結果を下の表6に示す。
処理w/oMSL-1については、粗面無光沢銀のせん断力は31.3Kgであった一方で、従来の銀のせん断力は19.6kgであった。増加率は、(31.3Kg-19.6Kg)/19.6Kg×100=59.7%であった。処理w/MSL-1については、無光沢の粗面銀のせん断力は27Kgであり、従来の銀は16.5Kgであった。増加率は、(27Kg-16.5Kg)/16.5Kg×100=63.6%であった。結果は、粗面無光沢銀浴からめっきされた粗面無光沢銀は、従来の銀浴からめっきされた銀よりも高い、改善されたモールディングせん断力を有することを示した。w/oMSL-1では、粗面無光沢銀のせん断力はほぼ60%の改善されたモールディングせん断力を有していた。w/MSL-1では、本発明の粗面無光沢銀のせん断力は63.6%の改善されたモールディングせん断力を有していた。また、粗面無光沢銀のせん断力は、粗い銅表面及び未処理の銅表面のせん断力よりも高かった。
粗面無光沢銀のMSL-1処理後に接着力の低下はあったものの、それでも従来の銀堆積物、粗面化銅表面、及び未処理の銅表面よりも高かった。粗面無光沢銀は、高湿度環境下であってもモールディング材料と銀表面コーティングとの間の接着性を高めた。
実施例2
速い電気めっき速度における銀層の粗さ分析
0.27dm×0.25dmの寸法を有する複数のC194銅クーポンを準備した。C194クーポンは、リードフレームの形成に使用される半導体材料の一種である。C194クーポンは、銅(>97%)、鉄(2.1~2.6%)、リン(0.015~0.15%)、及び亜鉛(0.05~0.2%)から構成されていた。クーポン上の銀めっき面積は0.0256dm(0.16dm×0.16dm)であった。
浴のpHは9.5であった。電気めっきは、上の実施例1と同様に噴流めっき装置を用いて行った。対照の浴1及び本発明の浴1~2は150ASDでめっきされ、対照の浴2及び本発明の浴3~4は180ASDでめっきされた。対照の浴1及び2でめっきした銅クーポン上に半光沢の銀堆積物をめっきした。本発明の浴1~4でめっきした銅クーポン上には粗面無光沢銀堆積物をめっきした。銀堆積物の厚さは2.5~3μmであった。
表面粗さは、上の実施例1で記載したOlympus 3D Laser Microscope-LEXT OLS5000-LAFを使用して測定した。めっきされたクーポンのSa値とSdr値は以下の表にある。
粗さ分析の結果は、150ASD及び180ASDの電流密度でめっきされた場合に、本発明の浴からめっきされた銀堆積物が、対照又は従来の銀浴からめっきされた銀堆積物よりも大幅に粗い表面を有することを示した。
実施例3
粗面化剤としてチオ有機化合物を含む銀電気めっき浴のハルセル試験
10cm×5cmのめっき面積を有する10cm×7.5cmの寸法の複数の真鍮パネルを、20~50ASDの範囲の電流密度範囲でのハルセルでの銀電気めっきのために準備した。以下の表10に記載のプロセスに従って、真鍮パネルをめっき処理し、銀電気めっきを行った。
パネルに銀めっきを行い、乾燥した後、外観を肉眼で検査した。半光沢から光沢及びヘイズを有するように見える銀層は、実質的に滑らかな表面を示した。無光沢又はくすんでいるように見える銀層は、実質的に粗い表面を示した。めっき結果を表13に開示する。
6-アニリノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール及び6-(ジブチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールを含む銀電気めっき浴のみが、実質的に粗い無光沢の銀の堆積物を与えた。

Claims (17)

  1. 銀イオンと、導電性化合物と、下記式:

    (式中、Rは、水素又はC~Cアルキルであり、RはC~Cアルキル又はフェニルである)
    を有する化合物とを含む銀電気めっき組成物。
  2. 前記化合物が、6-(ジブチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、6-アニリノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の銀電気めっき組成物。
  3. 前記化合物の量が少なくとも1ppmである、請求項1に記載の銀電気めっき組成物。
  4. 前記導電性化合物が、リン酸二水素カリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、有機酸、無機酸、又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の銀電気めっき組成物。
  5. 緩衝剤をさらに含む、請求項1に記載の銀電気めっき組成物。
  6. pH調整剤をさらに含む、請求項1に記載の銀電気めっき組成物。
  7. 銀錯化剤をさらに含む、請求項1に記載の銀電気めっき組成物。
  8. ピリジン及びピリジン化合物から選択される有機溶媒をさらに含む、請求項1に記載の銀電気めっき組成物。
  9. 前記ピリジン化合物が、2-ピリジンメタノール、3-ピリジンメタノール、2-ピリジンエタノール、3-ピリジンエタノール、及びそれらの混合物からなる、請求項8に記載の銀電気めっき組成物。
  10. 前記銀電気めっき組成物のpHが6~14である、請求項1に記載の銀電気めっき組成物。
  11. 基材上に粗面無光沢銀を電気めっきする方法であって、
    a)前記基材を提供すること;
    b)前記基材を請求項1に記載の銀電気めっき組成物と接触させること;及び
    c)前記銀電気めっき組成物及び基材に電流を印加して、前記基材上に粗面無光沢銀堆積物を電気めっきすること;
    を含む、方法。
  12. 前記粗面無光沢銀堆積物が、0.1~0.4μmのSa及び5~50%のSdrを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記粗面無光沢銀堆積物が、1~4μmのピーク高さと0.2~0.4μmのピーク底部とを含む針状構造を有する、請求項11に記載の方法。
  14. 電流密度が5ASD以上である、請求項11に記載の方法。
  15. 前記電流密度が10ASD~180ASDである、請求項14に記載の方法。
  16. 基材の表面に隣接する粗面無光沢銀層を含む物品であって、前記粗面無光沢銀層が0.1~0.4μmのSa及び5~50%のSdrを有する、物品。
  17. 前記基材の前記表面が銅又は銅合金である、請求項16に記載の物品。
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