JP2024007006A - ベンラファキシン塩酸塩含有顆粒及びその製造方法 - Google Patents

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実優 中川
Miyu Nakagawa
彩子 印部
Ayako Inbe
史恭 谷口
Fumiyasu Taniguchi
夢樹 藤井
Yumeki Fujii
裕悟 濱田
Yugo Hamada
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Abstract

【課題】結晶形の経時変化が抑制されたベンラファキシン塩酸塩含有顆粒を製造することができる方法、及びB形結晶の比率が高いベンラファキシン塩酸塩含有顆粒を提供する。【解決手段】湿式造粒法でベンラファキシン塩酸塩含有顆粒を製造する方法であり、何れか1以上の工程でベンラファキシン塩酸塩含有液を用い、このベンラファキシン塩酸塩含有液として、ベンラファキシン塩酸塩の少なくとも一部が溶解していない液を用いる、ベンラファキシン塩酸塩含有顆粒の製造方法。ベンラファキシン塩酸塩が実質的に純粋なB形結晶であるベンラファキシン塩酸塩含有顆粒は、例えば、この方法で製造することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、ベンラファキシン塩酸塩を含有する顆粒、この顆粒を含む医薬組成物、及びこの顆粒の製造方法に関する。
ベンラファキシン塩酸塩(1-[(1RS)-2-ジメチルアミノ-1-(4-メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノール モノヒドロクロリド)は、うつ病・うつ状態の治療薬の有効成分であり、下記構造式で表される化合物である。
Figure 2024007006000001
ベンラファキシン塩酸塩は結晶多型を有する薬物であり、A形、B形、C形、D形の各結晶形が知られている(特許文献1)。
一般に、結晶多型を有する薬物は、製剤化工程や製剤保管中に結晶形が変化する可能性があり、結晶形が変わると、安定性や薬効が変わる。また、結晶形が変わると、溶解性が変わり、ひいては消化管からの吸収性やバイオアベイラビリティが変わる。従って、製剤化工程や製剤保管中に結晶形が変化しないことが望まれる。また、複数の結晶形が混在した混晶は、各結晶形の比率を一定にコントロールすることが難しいため、単一の結晶形であることが望ましい。
ベンラファキシン塩酸塩の結晶多型の中では、B形結晶が比較的安定であることが知られている(特許文献1)。従って、ベンラファキシン塩酸塩を有効成分とする製剤は、ベンラファキシン塩酸塩のB形結晶だけを含む製剤を再現性良く製造することができ、さらに、製剤保管中に他の結晶形に変化しないことが望まれる。
ベンラファキシン塩酸塩を含有する製剤として、イフェクサー(登録商標)SRカプセル37.5mg、75mg(ヴィアトリス製薬株式会社)が市販されている。イフェクサーSRカプセルは、ベンラファキシン塩酸塩、結晶セルロース、ヒプロメロース、エチルセルロースを含有する顆粒が、ゼラチン基剤の硬質カプセルに充填されたカプセル剤である(非特許文献1)。
イフェクサーSRカプセルを開示していると考えられる文献として、特許文献2が挙げられる。特許文献2は、ベンラファキシン塩酸塩、微結晶セルロース、ヒプロメロースを含む核顆粒と、それを被覆するエチルセルロース及びヒプロメロースを含む層からなる細粒剤を、硬質ゼラチンカプセルに充填した、ベンラファキシン塩酸塩の持続放出性製剤を記載している。
この細粒剤は、押出し法で、ベンラファキシン塩酸塩、微結晶セルロース、ヒプロメロースを含む核顆粒を得た後、エチルセルロース及びヒプロメロースでコーティングすることにより製造されている(段落0015-0019)。
特許第4180368号 特許第4771565号
イフェクサーSRカプセル 添付文書
本発明は、B形結晶の比率が高いベンラファキシン塩酸塩含有顆粒、及びこの顆粒を含む医薬組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、結晶形の経時変化が抑制されたベンラファキシン塩酸塩含有顆粒を製造することができる方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために研究を重ね、以下の知見を得た。
(1) ベンラファキシン塩酸塩含有液を用いてベンラファキシン塩酸塩含有顆粒を製造するに当たり、ベンラファキシン塩酸塩含有液として、ベンラファキシン塩酸塩の少なくとも一部が溶解していない液を用いれば、製剤化工程中のベンラファキシン塩酸塩の結晶形の変化が抑えられ、また、製剤製造後の結晶形の経時変化も抑えられる。
(2) ベンラファキシン塩酸塩のB形結晶を出発原料として、(1)の方法で製剤化すれば、B形結晶の比率の高い顆粒、中でも実質的にB形結晶からなるベンラファキシン塩酸塩を製造することができ、また、製剤製造後にもB形から他結晶形への経時変化が抑えられる。
(3) 液体を用いて顆粒を製造する方法、即ち湿式造粒法は、通常、乾燥工程を含むが、乾燥を60℃以上の温度で行うことにより、製剤化工程中のベンラファキシン塩酸塩の結晶形の変化が一層効果的に抑えられる。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、下記の〔1〕~〔9〕を提供する。
〔1〕 湿式造粒法でベンラファキシン塩酸塩含有顆粒を製造する方法であり、何れか1以上の工程でベンラファキシン塩酸塩含有液を用い、このベンラファキシン塩酸塩含有液として、ベンラファキシン塩酸塩の少なくとも一部が溶解していない液を用いる、ベンラファキシン塩酸塩含有顆粒の製造方法。
〔2〕 核顆粒にベンラファキシン塩酸塩含有液を噴霧することにより、核顆粒を薬物層で被覆する工程を含み、このベンラファキシン塩酸塩含有液として、ベンラファキシン塩酸塩の少なくとも一部が溶解していない液を用いる、〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕 ベンラファキシン塩酸塩含有液中のベンラファキシン塩酸塩がB形結晶である、〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕 さらに、乾燥工程を含み、乾燥を60℃以上の温度で行う、〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔5〕 ベンラファキシン塩酸塩含有液の溶媒が、エタノール、又はエタノールを80容量%以上含む水とエタノールとの混液であり、かつベンラファキシン塩酸塩含有液のエタノール含有量がベンラファキシン塩酸塩1質量部に対して3質量部以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔6〕 ベンラファキシン塩酸塩が実質的に純粋なB形結晶であるベンラファキシン塩酸塩含有顆粒。
〔7〕 ベンラファキシン塩酸塩を含む薬物層で核顆粒を被覆してなる、〔6〕に記載の顆粒。
〔8〕 〔6〕又は〔7〕に記載の顆粒を硬カプセルに充填してなるカプセル剤。
〔9〕 〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法で製造された、〔6〕又は〔7〕に記載の顆粒。
本発明のベンラファキシン塩酸塩含有顆粒の製造方法は、ベンラファキシン塩酸塩含有液を用いる方法であり、この液として、ベンラファキシン塩酸塩の一部又は全部が溶解していない液を用いているため、ベンラファキシン塩酸塩の結晶形が、製剤化工程中及び製剤製造後に経時的に変化し難い。また、結晶形が経時変化し難いため、所望の結晶形のベンラファキシン塩酸塩を含む顆粒を、再現性良く製造することができる。
また、本発明の製造方法において、乾燥工程を60℃以上で行う場合は、結晶形の経時的変化が一層効果的に抑えられる。
ベンラファキシン塩酸塩はB形結晶が比較的安定であるところ、本発明方法によれば、B形結晶の比率が高く、かつB形以外の結晶形への経時的変化が抑えられたベンラファキシン塩酸塩含有顆粒を製造することができる。従って、本発明方法によれば、溶解性、バイオアベイラビリティ、薬効などが安定しているベンラファキシン塩酸塩含有顆粒が得られる。
実施例1で製造した顆粒をカプセル充てん後PTP包装したものを55℃、75%RHで28日間保存した前後のベンラファキシン塩酸塩含有顆粒の粉末X線回折パターンである。 比較例1で製造した顆粒をカプセル充てん後PTP包装したものを55℃、75%RHで28日間保存した前後のベンラファキシン塩酸塩含有顆粒の粉末X線回折パターンである。 PTP包装されたイフェクサーSRカプセル75mgを55℃、75%RHで28日間保存した前後のベンラファキシン塩酸塩含有顆粒の粉末X線回折パターンである。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)ベンラファキシン塩酸塩含有顆粒
本発明のベンラファキシン塩酸塩含有顆粒は、ベンラファキシン塩酸塩が実質的に純粋なB形結晶である顆粒である。ベンラファキシン塩酸塩の全てがB形結晶であること、即ち、ベンラファキシン塩酸塩が純粋なB形結晶であることが特に好ましい。
本発明において、結晶形が「実質的に純粋である」ことは、ベンラファキシン塩酸塩に占める当該結晶形の比率が95質量%以上であることを言い、中でも98質量%以上、中でも99質量%以上、中でも99.9質量%以上であることが好ましい。
ベンラファキシン塩酸塩の含有量は、本発明の顆粒の全量に対して、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましい。また、85質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、75質量%以下がさらに好ましい。
顆粒は種々の層構成を採ることができる。例えば、ベンラファキシン塩酸塩と添加物を造粒してなる顆粒や、核粒子にベンラファキシン塩酸塩を含む1層又は2層以上の薬物層を被覆してなる顆粒などが挙げられる。即ち、ベンラファキシン塩酸塩は、造粒物中に含まれていても良く、あるいは被膜中に含まれていてもよい。
何れの場合も、さらに被膜を備えることができる。即ち、ベンラファキシン塩酸塩と添加物を造粒してなる顆粒は、1層以上の被膜で被覆されていてよい。この被膜はベンラファキシン塩酸塩を含んでいてもよく、含まなくてもよい。核粒子にベンラファキシン塩酸塩を含む1層又は2層以上の薬物層を被覆してなる顆粒は、薬物層と核粒子との間に1以上の中間層を有することができ、また薬物層の外側に1以上の被膜を有することができる。被膜としては、徐放性被膜、腸溶性被膜、防湿性被膜、遮光性被膜などが挙げられる。
中でも、核粒子にベンラファキシン塩酸塩を含む1層又は2層以上(特に1層)の薬物層を被覆してなる顆粒が好ましい。
核粒子は、1種又は2種以上の賦形剤を含んでいればよい。賦形剤の例は後述するが、中でも、乳糖、結晶セルロース、デンプン、部分アルファー化デンプン、D-マンニトール、白糖、ショ糖、ブドウ糖、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、カルボシキメチルスターチナトリウム、無水リン酸水素カルシウムが好ましく、乳糖、結晶セルロース、デンプン、D-マンニトール、白糖、結晶セルロースがより好ましく、結晶セルロースが特に好ましい。
核粒子は、賦形剤以外の添加物、例えば、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、光沢化剤、安定化剤、抗酸化剤、乳化剤、界面活性剤、可溶化剤、懸濁化剤、分散剤、緩衝剤、pH調整剤、粘稠剤、吸着化剤、着色剤、矯味剤、甘味剤、香料、保存剤又は防腐剤、発泡剤、消泡剤などを含むことができる。添加物は1種又は2種以上を配合できる。
核粒子はベンラファキシン塩酸塩を含んでいてよいが、含まないことが好ましい。また、核粒子は、結合剤を含まないことが好ましい。
核粒子は、常法により造粒して製造することができる。また、市販品を使用することもできる。市販品としては、セルフィア(登録商標)(結晶セルロース、旭化成社)、ノンパレル(登録商標)-108(D-マンニトール、フロイント産業社)、ノンパレル-105(乳糖及び結晶セルロース、フロイント産業社)、ノンパレル-103(精製白糖、フロイント産業社)、ノンパレル-101(精製白糖及びトウモロコシデンプン、フロイント産業社)、フジカリン(登録商標)(無水リン酸水素カルシウム、富士化学工業)、PCS(登録商標)(部分アルファー化でんぷん、旭化成社)、シュクレーヌ(登録商標)(精製白糖、塩水港精糖社)などが挙げられる。
薬物層は、1種又は2種以上の添加物を含むことができる。添加物としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、光沢化剤、安定化剤、抗酸化剤、乳化剤、界面活性剤、可溶化剤、懸濁化剤、分散剤、緩衝剤、pH調整剤、粘稠剤、吸着化剤、着色剤、矯味剤、甘味剤、香料、保存剤又は防腐剤、発泡剤、消泡剤、コーティング剤、可塑剤などが挙げられる。
薬物層の被覆量は、核粒子の1質量部に対して、0.2質量部以上、0.5質量部以上、又は1質量部以上とすることができ、また10質量部以下、5質量部以下、又は3質量部以下とすることができる。この被覆量は、2層以上の薬物層を備える場合は、薬物層の総量である。
ベンラファキシン塩酸塩と添加物を造粒してなる顆粒も、1種又は2種以上の添加物を含むことができる。添加物としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、光沢化剤、安定化剤、抗酸化剤、乳化剤、界面活性剤、可溶化剤、懸濁化剤、分散剤、緩衝剤、pH調整剤、粘稠剤、吸着化剤、着色剤、矯味剤、甘味剤、香料、保存剤又は防腐剤、発泡剤、消泡剤などが挙げられる。
何れの層構成の場合も、被膜(薬物層以外)は、1種又は2種以上の添加物を含むことができる。添加物としては、薬物層の添加物として例示したものが挙げられる。
賦形剤としては、エリスリトール、乳糖・結晶セルロース球状顆粒、アメ粉、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、デンプン(小麦デンプン、コメデンプン、バレイショデンプン、トウモロコシデンプンなど)、イソマル水和物(ISOMALT)、カオリン、還元パラチノース、キシリトール、L-グルタミン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ケイ酸処理結晶セルロース、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化チタン、β-シクロデキストリン、水酸化アルミニウムゲル、精製白糖、精製白糖球状顆粒、ゼラチン、D-ソルビトール、タルク、中鎖脂肪酸トリグリセリド、沈降炭酸カルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム(カルボキシメチルスターチナトリウム)、トレハロース水和物、乳糖水和物、白糖、白糖・デンプン球状顆粒、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ブドウ糖、プルラン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(N)、ポリオキシエチレン(N)ポリオキシプロピレン(N)グリコール、マクロゴール(マクロゴール4000、マクロゴール6000など)、マルチトール、D-マンニトール、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、モノステアリン酸グリセリン、リン酸一水素カルシウム、リン酸水素カルシウム水和物などが挙げられる。
結合剤としては、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、デンプン(小麦デンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン)、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ゼラチン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、デンプングリコール酸ナトリウム(カルボキシメチルスターチナトリウム)、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、プルラン、マクロゴール(マクロゴール400、マクロゴール4000、マクロゴール6000)、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、アミノアルキルメタクリレートコポリマー(アミノアルキルメタクリレートコポリマーEなど)、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー(アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS)、エチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロースカルシウム、カンテン末、グァーガム、コポリビドン、セタノール、セラック、デキストリン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、ヒプロメロースフタル酸エステル、ペクチン、ポビドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、メタクリル酸コポリマー(乾燥メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS)、メチルセルロース、エチルセルロースなどが挙げられる。
崩壊剤としては、デンプン(小麦デンプン、コメデンプン、バレイショデンプン、トウモロコシデンプンなど)、デンプングリコール酸ナトリウム(カルボキシメチルスターチナトリウム)、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファー化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、ケイ酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
滑沢剤としては、タルク、モノステアリン酸グリセリン、ジメチルポリシロキサン(内服用)、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸、ステアリン酸塩(ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウムなど)、dl-ロイシンなどが挙げられる。
流動化剤としては、ケイ酸カルシウム、タルク、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。
光沢化剤としては、カルナウバロウ、精製パラフィン・カルナウバロウ混合ワックス、サラシミツロウ、精製セラックなどが挙げられる。
安定化剤としては、メグルミン、クエン酸水和物、安息香酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム水和物、ジブチルヒドロキシトルエン、キシリトール、D-ソルビトール、乳糖水和物、D-マンニトール、クエン酸ナトリウム水和物、酒石酸、無水クエン酸、DL-リンゴ酸、タルク、軽質無水ケイ酸、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、モノステアリン酸グリセリン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、マクロゴール(マクロゴール400、マクロゴール4000など)、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール(部分けん化物、完全けん化物など)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(N)、L-アスパラギン酸、L-アスパラギン酸ナトリウム水和物、DL-アラニン、L-アラニン、L-アルギニン、塩化ナトリウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、キサンタンガム、グリシン、酢酸、酢酸ナトリウム水和物、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トコフェロール、乳酸、濃グリセリン、ブチルヒドロキシアニソール、フマル酸、プロピレングリコール、没食子酸プロピル、ポリソルベート80、無水リン酸一水素ナトリウムなどが挙げられる。
抗酸化剤としては、無水クエン酸、クエン酸水和物、大豆レシチン、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、没食子酸プロピルなどが挙げられる。
乳化剤としては、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(N)、ポリソルベート80、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆レシチン、ラウロマクロゴールなどが挙げられる。
界面活性剤としては、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(N)、ポリソルベート80、ラウロマクロゴール、マクロゴール(マクロゴール400など)、ポリオキシエチレン(N)ポリオキシプロピレン(N)グリコールなどが挙げられる。
可溶化剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(N)、ポリソルベート80、ラウロマクロゴール、ポリオキシエチレン(N)ポリオキシプロピレン(N)グリコール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆レシチン、メグルミン、D-マンニトール、クエン酸ナトリウム水和物、無水クエン酸、ショ糖脂肪酸エステル、マクロゴール(マクロゴール4000、マクロゴール6000など)、ポリビニルアルコール(部分けん化物、完全けん化物など)、L-アスパラギン酸、L-アルギニン、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、乳酸、濃グリセリン、ヒドロキシプロピルセルロース、β-シクロデキストリン、グリセリン、ダイズ油、トリアセチンなどが挙げられる。
懸濁化剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(N)、ポリソルベート80、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、マクロゴール(マクロゴール4000、マクロゴール6000など)、水酸化ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、グリセリン、D-ソルビトール、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、カルボキシビニルポリマー、乾燥水酸化アルミニウムゲル、キサンタンガム、ブチルヒドロキシアニソール、プロピレングリコール、結晶セルロース、アラビアゴム、アラビアゴム末、ヒプロメロース、カンテン末、ポビドン、メチルセルロース、カオリン、カラギーナン、カルメロースナトリウム、グリセリン脂肪酸エステル、ケイ酸マグネシウムアルミニウムなどが挙げられる。
分散剤としては、アルギン酸プロピレングリコール、エタノール、カルメロースナトリウム、クエン酸水和物、クエン酸ナトリウム水和物、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、酸化チタン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸、ソルビタン脂肪酸エステル、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン、デンプングリコール酸ナトリウム、トウモロコシデンプン、濃グリセリン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、プロピレングリコール、ポビドン、ポリソルベート80、マクロゴール(マクロゴール300、マクロゴール4000など)、無水クエン酸ナトリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、モノオレイン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴール、リン酸水素カルシウム水和物)などが挙げられる。
緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム水和物、無水クエン酸、炭酸水素ナトリウム、乳酸、クエン酸水和物、安息香酸ナトリウム、酒石酸、DL-リンゴ酸、塩化ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム水和物、無水リン酸一水素ナトリウム、L-グルタミン酸、希塩酸などが挙げられる。
pH調整剤としては、L-グルタミン、クエン酸ナトリウム水和物、無水クエン酸、炭酸水素ナトリウム、乳酸、クエン酸水和物、酒石酸、DL-リンゴ酸、酢酸、酢酸ナトリウム水和物、無水リン酸一水素ナトリウム、希塩酸、水酸化ナトリウム、メグルミン、コハク酸、アンモニア水などが挙げられる。
粘稠剤としては、グァーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、プロピレングリコール、ヒプロメロース、カラギーナン、カルメロースナトリウム、濃グリセリン、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カロブビーンガム、α-シクロデキストリン、ローカストビーンガムなどが挙げられる。
吸着化剤としては、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、カオリン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウムなどが挙げられる。
着色剤としては、酸化チタン、インジゴカルミン、黄色三二酸化鉄、カルミン、黒酸化鉄、三二酸化鉄、合成食用色素(食用青色1号、食用青色2号アルミニウムレーキ、食用黄色4号、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用黄色5号、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号など)、天然食用色素などが挙げられる。
矯味剤としては、エリスリトール、キシリトール、精製白糖、D-ソルビトール、乳糖水和物、白糖、ブドウ糖、D-マンニトール、アスパルテーム、カカオ末、還元麦芽糖水アメ、還元水アメ、カンゾウ、カンゾウエキス、クエン酸水和物、クエン酸ナトリウム水和物、L-グルタミン酸、コハク酸、サッカリン、サッカリンナトリウム水和物、酒石酸、スクラロース、ステビア抽出精製物、ハッカ油、無水クエン酸、l-メントール、DL-リンゴ酸などが挙げられる。
甘味剤としては、キシリトール、精製白糖、D-ソルビトール、乳糖水和物、白糖、ブドウ糖、D-マンニトール、アスパルテーム、還元麦芽糖水アメ、カンゾウ、カンゾウエキス、サッカリン、サッカリンナトリウム水和物、スクラロース、ステビア抽出精製物、マルチトール、アセスルファムカリウム、タウマチン(ソーマチン)などが挙げられる。
香料としては、ハッカ油、l-メントール、バニリンなどが挙げられる。
保存剤又は防腐剤としては、クエン酸水和物、安息香酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム水和物、ジブチルヒドロキシトルエン、パラオキシ安息香酸エステル(パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチルなど)などが挙げられる。
発泡剤としては、炭酸水素塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなど)、炭酸塩(炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど)などが挙げられる。
消泡剤としては、ジメチルポリシロキサン(内服用)などが挙げられる。
コーティング剤としては、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ジメチルポリシロキサン(内服用)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、カオリン、軽質無水ケイ酸、無水クエン酸、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマー、プロピレングリコール、ヒプロメロース、濃グリセリン、ゼラチン、DL-リンゴ酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(N)、ポリソルベート80、ショ糖脂肪酸エステル、マクロゴール(マクロゴール400、マクロゴール4000、マクロゴール6000など)、グリセリン、D-ソルビトール、結晶セルロース、ポビドン、メチルセルロース、グリセリン脂肪酸エステル、ラウロマクロゴール、ポリオキシエチレン(N)ポリオキシプロピレン(N)グリコール、D-マンニトール、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、トリアセチン、モノステアリン酸グリセリン、乳糖水和物、タルク、ステアリン酸、精製白糖、白糖、酸化チタン、サラシミツロウ、デンプン(トウモロコシデンプン、バレイショデンプンなど)、プルラン、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー(アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS)、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、セタノール、セラック、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、ヒプロメロースフタル酸エステル、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、メタクリル酸コポリマー(乾燥メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーSなど)、水酸化アルミニウムゲル、無水リン酸水素カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸水素カルシウム水和物、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー分散液、エチルセルロース水分散液、クエン酸トリエチル、酢酸セルロース、セラセフェートなどが挙げられる。
可塑剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリアセチン(グリセリン三酢酸)のようなグリセリン脂肪酸エステル、流動パラフィン、ソルビタンモノラウレート、モノステアリン、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、ポロキサマー、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
本発明のベンラファキシン塩酸塩含有顆粒は、例えば、後述する本発明のベンラファキシン塩酸塩含有顆粒の製造方法において、ベンラファキシン塩酸塩としてB形結晶を用いる方法で製造することができる。即ち、本発明のベンラファキシン塩酸塩含有顆粒は、湿式造粒法でベンラファキシン塩酸塩含有顆粒を製造する方法において、何れか1以上の工程でベンラファキシン塩酸塩のB形結晶を含有する液を用い、このベンラファキシン塩酸塩含有液としてベンラファキシン塩酸塩の少なくとも一部が溶解していない液を用いる方法で製造することができる。
(2)医薬組成物
本発明の顆粒は、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップなどの剤型の製剤にすることができる。また、ゼラチン、ヒプロメロースなどの基剤を含む硬カプセル内に、そのまま又は添加物と共に充填してカプセル剤(硬カプセル剤)にすることもできる。さらに、そのまま又は添加物と共に打錠して錠剤にすることもできる。これらの剤型において、本発明の顆粒と混合されることがある添加物は、粉末状又は顆粒状のものを使用できる。
(3)ベンラファキシン塩酸塩含有顆粒の製造方法
本発明のベンラファキシン塩酸塩含有顆粒の製造方法は、湿式造粒法でベンラファキシン塩酸塩含有顆粒を製造する方法であり、何れか1以上の工程でベンラファキシン塩酸塩含有液を用い、このベンラファキシン塩酸塩含有液として、ベンラファキシン塩酸塩の少なくとも一部が溶解していない液を用いる方法である。
ベンラファキシン塩酸塩含有液は、ベンラファキシン塩酸塩を飽和濃度以上で含む液である。溶解していないベンラファキシン塩酸塩は、例えば、液中に分散している。
ベンラファキシン塩酸塩含有液の調製に当たり、ベンラファキシン塩酸塩を懸濁又は溶解させる溶媒としては、水、エタノール、酢酸、アセトン、アニソール、1-ブタノール、2-ブタノール、酢酸n-ブチル、t-ブチルメチルエーテル、クメン、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、ペンタン、1-ペンタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、酢酸プロピル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタン、エチレングリコール、ヘキサン、トルエン、アセトニトリル、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、1,2-ジクロロエテン、ジクロロメタン、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、1,4-ジオキサン、2-エトキシエタノール、エチレングリコール、ホルムアミド、ヘキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、N-メチルピロリドン、ニトロメタン、ピリジン、スルホラン、テトラリン、1,1,2-トリクロロエテン、キシレンなどが挙げられる。
溶媒は1種又は2種以上を用いることができる。
中でも、エタノール、メタノール、ジクロロメタン、2-プロパノール、プロピレングリコール、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、酢酸、又はこれらと水との混液が好ましく、エタノール、又はエタノール・水混液がより好ましい。
エタノールを使用する場合、ベンラファキシン塩酸塩を飽和濃度以上の濃度で含む液とするためには、溶媒をエタノールのみ、又はエタノールを80容量%以上含むエタノール・水混液とし、かつベンラファキシン塩酸塩1質量部に対するエタノール量を3質量部以下にすればよい。
エタノール・水混液のエタノール濃度は、85容量%以上、中でも90容量%以上、中でも95容量%以上が好ましい。本発明において、エタノールの濃度(容量%)は15℃で測定した値である。
ベンラファキシン塩酸塩1質量部に対するエタノールの比率は、2.5質量部以下、中でも2.3質量部以下が好ましく、また、1質量部以上が好ましい。
本発明方法で製造される顆粒がベンラファキシン塩酸塩と添加物を造粒してなる顆粒、又はこの顆粒をさらに被膜で被覆したものである場合、ベンラファキシン塩酸塩の一部又は全部が溶解していないベンラファキシン塩酸塩含有液を噴霧する工程又は滴下する工程などを含む湿式造粒法で造粒する。湿式造粒法としては、流動層造粒法、撹拌造粒法、転動造粒法、押出造粒法、破砕造粒法、練合造粒法などが挙げられる。なお、ベンラファキシン塩酸塩と添加物を造粒してなる顆粒、又はこの顆粒をさらに被膜で被覆したものは、ベンラファキシン塩酸塩を粉末状態で用いる方法で製造することもできる。
本発明方法で製造される顆粒が、核粒子にベンラファキシン塩酸塩を含む薬物層を被覆してなる顆粒である場合、本発明の顆粒は、ベンラファキシン塩酸塩含有液を噴霧することにより核粒子を薬物層で被覆する工程を含む方法で製造することができる。顆粒がその他の被膜を備える場合は、ベンラファキシン塩酸塩含有層とその他の被膜を、それぞれ噴霧により形成すればよい。薬物層やその他の被膜は、代表的には、流動層造粒法で形成すればよいが、その他、遠心転動造粒などの方法で形成することもできる。
顆粒を湿式造粒法で製造する方法は、通常、乾燥工程を含む。本発明方法では、乾燥工程を60℃以上、中でも70℃以上、中でも75℃以上で行うことが好ましい。これにより、製剤化工程中の結晶形の変化が一層効果的に抑えられる。乾燥工程は150℃以下、中でも100℃以下、中でも80℃以下で行うことが好ましく、75℃以下で行うこともできる。これにより、ベンラファキシン塩酸塩やその他の成分の熱による分解が抑制される。
本発明方法における乾燥温度は、乾燥を行う顆粒の製品温度である。
本発明の製造方法において、出発原料のベンラファキシン塩酸塩、即ち、ベンラファキシン塩酸塩含有液中のベンラファキシン塩酸塩は、A形、B形、C形、D形などの何れの結晶形であってもよい。2以上の結晶形の混晶を使用してもよいが、単一の結晶形のベンラファキシン塩酸塩を用いることが好ましい。中でも、出発原料のベンラファキシン塩酸塩は、B形結晶を含むことが好ましく、B形結晶のみからなることがより好ましい。
各結晶形の特徴、及び調製方法は、特許文献1に記載されている。
A形結晶は、例えば、粉末X線回折において下記d値(Å)
Figure 2024007006000002
で表されるピークを有する結晶形である。
A形結晶は、C形結晶をその融点の1~20℃上、特に1~10℃上の温度まで加熱してA形結晶を形成させることにより調製できる。
B形結晶は、例えば、粉末X線回折において下記d値(Å)
Figure 2024007006000003
で表されるピークを有する結晶形である。
B形結晶は、C形結晶のスラリーをアルコールやケトンなどの有機溶媒、特にイソプロパノール中で平衡化させ、濾過によりB形を分別することにより調製できる。B形結晶は、ベンラファキシン塩酸塩を40~80℃、特に50~70℃でイソプロパノールに溶解した後、室温まで冷却することによっても調製できる。
C形結晶は、例えば、粉末X線回折において下記d値(Å)
Figure 2024007006000004
で表されるピークを有する結晶形である。
C形結晶は、40~80℃、特に50~70℃で、ベンラファキシン塩酸塩のイソプロパノール溶液を調製した後、その溶液を0~20℃、特に約0℃まで冷却し、沈殿したC形を分別することにより調製できる。
D形結晶は、例えば、粉末X線回折において下記d値(Å)
Figure 2024007006000005
で表されるピークを有する結晶形である。
D形結晶は、ベンラファキシン塩酸塩の水性溶液を、空気中で、10~60℃、中でも20~40℃、特に室温で蒸発させることにより調製できる。
各結晶形のベンラファキシン塩酸塩は、例えば、Alembic社から購入することもできる。
本発明の製造方法で製造する顆粒の層構成、成分の種類や量などは、本発明のベンラファキシン塩酸塩含有顆粒について説明した通りである。
(4)顆粒中のベンラファキシン塩酸塩の結晶形の変化の抑制方法
本発明は、ベンラファキシン塩酸塩含有液を用いてベンラファキシン塩酸塩含有顆粒を製造し、ベンラファキシン塩酸塩含有液としてベンラファキシン塩酸塩の少なくとも一部が溶解していない液を用いることにより、得られる顆粒中のベンラファキシン塩酸塩の結晶形の変化を抑制する方法を包含する。この方法で使用するベンラファキシン塩酸塩はB形結晶であることが好ましい。
ベンラファキシン塩酸塩含有顆粒を製造する方法は、本発明のベンラファキシン塩酸塩含有顆粒の製造方法について説明した通りである。
以下、実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(1)顆粒の製造
溶媒のエタノール・水混液に、ベンラファキシン塩酸塩のB形結晶(Alembic社)と、結合剤のポビドン又はヒドロキシプロピルセルロースを投入し、撹拌混合して、ベンラファキシン塩酸塩含有液を得た。流動層造粒乾燥機FD-MP-01D(MPユニット使用;パウレック社)に結晶セルロースからなる核粒子(セルフィアCP-507;旭化成社)を入れ、ベンラファキシン塩酸塩含有液を噴霧してレイヤリングした。その後、顆粒を乾燥機DN-83(ヤマト科学株式会社)に入れ乾燥させた。
使用した成分と組成を表1に示す。実施例1、2で使用したベンラファキシン塩酸塩含有液は、ベンラファキシン塩酸塩の一部が分散状態であった。比較例1~3で使用したベンラファキシン塩酸塩含有液は、ベンラファキシン塩酸塩が完全に溶解していた。
Figure 2024007006000006
(2)結晶形の安定性の評価
粉末X線回折測定法
下記条件の粉末X線回折法を実施した。

X線回折装置:Miniflex600(リガク)
X線管球:Cu
検出器:D/teX Ultra2
フィルター:K-bata Ni 0.03 mm
入射側ソーラースリット:2.5 deg
受光側ソーラースリット:2.5 deg
発散スリット:0.625 deg
散乱スリット:13 mm(スリットなし)
受光スリット:13 mm(スリットなし)
管電圧:40 kV
管電流:15 mA
測定範囲:3.00 ~ 40.0 deg
スキャンスピード:2.0 deg
ステップ幅:0.02 deg
測定回数:2回
試料台:6サンプルチェンジャ
試料台回転:あり
スリットシステム:固定+可変スリットシステム
ナイフエッジ:可変ナイフエッジシステム

顆粒製造直後のベンラファキシン塩酸塩の結晶形は、実施例1、2ではB形のみであったが、比較例1ではA形とB形とD形の混晶であり、比較例2、3ではD形のみであった。
安定性の評価
顆粒をヒプロメロースからなる硬カプセルに充填し、ポリ塩化ビニル製のPTP包装を行った検体を55±2℃、75±5%RHの条件にて28日間保存した。
カプセル中の顆粒に含まれるベンラファキシン塩酸塩の結晶形は、実施例1、2ではB形のみであり、保存してもB形結晶以外の結晶形には変化しなかった。一方、比較例1ではA形、B形、D形の混晶であり、保存により、D形の一部がA形及び/又はB形に変化した。
ベンラファキシン塩酸塩が完全には溶解していないベンラファキシン塩酸塩含有液を用いることにより、顆粒製造中の結晶形の変化だけでなく、その後の経時的な結晶形の変化も抑制された。B形結晶のベンラファキシン塩酸塩を安定して含む顆粒が得られたことが分かる。
実施例1で得た顆粒を充填した硬カプセルをPTP包装したものを、55℃、75%RHで28日間保存した前後の粉末X線回折パターンを図1に示す。
また、比較例1の顆粒を充填した硬カプセルをPTP包装したものを55℃、75%RHで28日間保存した前後の粉末X線回折パターンを図2に示す。
また、PTP包装されたイフェクサーSRカプセル75mgを55℃、75%RHで28日間保存した前後のベンラファキシン塩酸塩の粉末X線回折パターンを図3に示す。
イフェクサーSRカプセル中の顆粒に含まれるベンラファキシン塩酸塩は、A形、B形、C形、D形の混晶であり、55℃、75%RHで28日間保存することでさらに結晶形が変化したことが分かる。
本発明のベンラファキシン塩酸塩含有顆粒は、主として安定なB形結晶を含むため、所望の薬効、溶解性、バイオアベイラビリティ、安定性を有するものとなり、商品価値が高い。

Claims (9)

  1. 湿式造粒法でベンラファキシン塩酸塩含有顆粒を製造する方法であり、何れか1以上の工程でベンラファキシン塩酸塩含有液を用い、このベンラファキシン塩酸塩含有液として、ベンラファキシン塩酸塩の少なくとも一部が溶解していない液を用いる、ベンラファキシン塩酸塩含有顆粒の製造方法。
  2. 核顆粒にベンラファキシン塩酸塩含有液を噴霧することにより、核顆粒を薬物層で被覆する工程を含み、このベンラファキシン塩酸塩含有液として、ベンラファキシン塩酸塩の少なくとも一部が溶解していない液を用いる、請求項1に記載の製造方法。
  3. ベンラファキシン塩酸塩含有液中のベンラファキシン塩酸塩がB形結晶である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. さらに、乾燥工程を含み、乾燥を60℃以上の温度で行う、請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. ベンラファキシン塩酸塩含有液の溶媒が、エタノール、又はエタノールを80容量%以上含む水とエタノールとの混液であり、かつベンラファキシン塩酸塩含有液のエタノール含有量がベンラファキシン塩酸塩1質量部に対して3質量部以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  6. ベンラファキシン塩酸塩が実質的に純粋なB形結晶であるベンラファキシン塩酸塩含有顆粒。
  7. ベンラファキシン塩酸塩を含む薬物層で核顆粒を被覆してなる、請求項6に記載の顆粒。
  8. 請求項6又は7に記載の顆粒を硬カプセルに充填してなるカプセル剤。
  9. 請求項1又は2に記載の製造方法で製造された、請求項6又は7に記載の顆粒。

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