JP2024005896A - エンジン - Google Patents

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真司 大久保
Shinji Okubo
憲司 足立
Kenji Adachi
尚尋 福山
Naohiro Fukuyama
幹大 斎藤
Mikihiro SAITO
宝 荒木
Takara Araki
礼 佐藤
Rei Sato
晋 上田
Susumu Ueda
直人 竹崎
Naoto Takezaki
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

【課題】吸入空気が脈動しても排ガス性能や燃費の悪化を抑制することができるエンジンを提供する。【解決手段】吸気側に吸入される空気流量を測定するエアフロセンサ(71)とエアクリーナ(35)を設けたエンジン(E)において、前記エアクリーナ(35)下流側に設置した圧力センサ(70)の値が大気圧に対して第1所定値以上低い状態になると、前記エアフロセンサ(71)で実測した空気量よりも所定量少ない空気量で燃料噴射制御を行うことを特徴とするエンジンの構成とする。また、エアクリーナ(35)の上流側に大気圧を測定する圧力センサ(70)を設けたことを特徴とするエンジンの構成とする。【選択図】図5

Description

この発明は、エンジンに関し、特にエアクリーナの詰まり状態に応じて空気流量を適正に保持する技術に関する。
エンジンのエアクリーナの詰まり状態を検出する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2014-19455号公報
前述のような技術では、エアクリーナの詰まり状態を検出しても、詰まり状態を解消するまでは吸入空気が脈動(空気量の多い状態と少ない状態に繰り返し)してしまい、適正な燃料噴射制御できないという問題がある。
本発明の課題は、前述のような不具合を解消するエンジンを提供することである。
本発明の上記課題は次の構成によって達成される。
すなわち、請求項1記載の発明では、吸気側に吸入される空気流量を測定するエアフロセンサ(71)とエアクリーナ(35)を設けたエンジン(E)において、前記エアクリーナ(35)下流側に設置した圧力センサ(70)の値が大気圧に対して第1所定値以上低い状態になると、前記エアフロセンサ(71)で実測した空気量よりも所定量少ない空気量で燃料噴射制御を行うことを特徴とするエンジンとしたものである。
請求項2記載の発明では、前記エアクリーナ(35)の上流側に大気圧を測定する圧力センサ(70)を設けたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンとしたものである。
請求項3記載の発明では、前記エアクリーナ(35)下流側に設置した圧力センサ(70)の値が大気圧に対して第2所定値以上低い状態になると、エアクリーナ(35)の異常として報知するように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジンとしたものである。
本発明は上述のごとく構成したので、前記エアフロセンサ(71)で実測した空気量よりも所定量少ない空気量で燃料噴射制御を行うので、実際には吸入空気が脈動しても仮の空気量で燃料噴射制御を行うので、排ガス性能や燃費の悪化を抑制できる。
蓄圧式燃料噴射装置の全体構成図 制御モードによるエンジン回転数と出力トルクの関係を示す線図 トラクタの左側面図 トラクタの平面図 吸気系と排気系の模式図 エアフロセンサ値とエアフロ流量の関係図 エアフロ流量のフローチャート コモンレール圧のフローチャート DPF手動再生時のエアフロ流量監視のフローチャート EGRクーラの異常検出フローチャート
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、蓄圧式燃料噴射装置の全体構成図である。蓄圧式燃料噴射装置は、例えば、多気筒ディーゼル機関に適用されるものであるが、ガソリン機関でもよい。そして、蓄圧式燃料噴射装置は、噴射圧力に相当する高圧燃料を蓄圧するコモンレール1と、このコモンレール1に取り付けられる圧力センサ2と、燃料タンク3より汲み上げた燃料を加圧してコモンレール1に圧送する高圧ポンプ4と、コモンレール1に蓄圧された高圧燃料をエンジンEのシリンダー5内に噴射する燃料噴射ノズル6と、前記高圧ポンプ4と燃料噴射ノズル6等の動作を制御する制御装置(ECU)等から構成される。ECUとは、エンジンコントロールユニットの略称である。
このように、コモンレール1は、エンジンEの各シリンダー5へ燃料を噴射するものであり、燃料供給を要求された圧力とするものである。
前記燃料タンク3内の燃料は吸入通路により燃料フィルタ7を介してエンジンEで駆動される高圧ポンプ4に吸入され、この高圧ポンプ4によって加圧された高圧燃料は吐出通路8によりコモンレール1に導かれて蓄えられる。
コモンレール1内の高圧燃料は各高圧燃料供給通路9により気筒数分の燃料噴射ノズル6に供給され、ECU100からの指令に基づき、各シリンダーに燃料噴射ノズル6が作動して、高圧燃料がエンジンEの各シルンダー5室内に噴射供給され、各燃料噴射ノズル6での余剰燃料(リターン燃料)は各リターン通路10により共通のリターン通路10へ導かれ、このリターン通路10によって燃料タンク3へ戻される。
また、コモンレール1内の燃料圧力(コモンレール圧)を制御するため高圧ポンプ4に圧力制御弁11が設けられており、この圧力制御弁11はECU100からのデューティ信号によって、高圧ポンプ4から燃料タンク3への余剰燃料のリターン通路10の流路面積を調整するものであり、これによりコモンレール1側への燃料吐出量を調整してコモンレール圧を制御することができる。
具体的には、エンジン運転条件に応じて目標コモンレール圧を設定し、レール圧力センサ2により検出されるコモンレール圧が目標コモンレール圧と一致するよう、圧力制御弁11を介してコモンレール圧をフィードバック制御する構成としている。
作業車(農作業機)におけるコモンレール1を有するディーゼルエンジンEのECU100は、図2に示すように、回転数と出力トルクの関係において走行モードAと通常作業モードB及び重作業モードCの三種類の制御モードを有する構成としている。
走行モードAは、エンジン回転数の変動で出力も変動するドループ制御である。農作業を行わず移動走行する場合に使用するものである。例えば、ブレーキを掛けて走行速度を減速したり停止したりすると、この走行負荷の増大に伴ってエンジン回転数が低下するため走行速度の減速や停止を安全に行うことができるものである。
通常作業モードBは、負荷が変動してもエンジン回転数が一定で出力を負荷に応じて変更するアイソクロナス制御である。通常の農作業を行う場合に使用するものである。例えば、トラクタであれば耕耘作業時に耕地が固く耕耘刃に抵抗が掛かるときであり、コンバインであれば収穫作業時に収穫物が多く負荷が増大したときでも、出力が変動して回転数を維持するときである。
重作業モードCは、通常作業モードBと同様に負荷が変動してもエンジン回転数一定で出力を負荷に応じて変更するアイソクロナス制御に加え、負荷限界近くになると回転数を上昇させて出力を上げる重負荷制御を加えた制御である。特に、負荷限界近くで農作業を行う場合に使用するものである。例えば、トラクタで耕耘作業を行っている際に、特に、固い耕地に遭遇してもエンジン出力が通常の限界を越えて増大するので作業を中断することがなく、効率の良い作業が可能となる。
これらの作業モードA,B,Cは、各作業モードA,B,Cを切り替え可能な作業モード切替スイッチの操作、又は農作業車(トラクタ、コンバイン、田植機等)の走行変速レバーの変速操作、又は作業クラッチ(トラクタであればロータリであり、コンバインであれば刈取部、脱穀部である)の入り切り操作等によって切り替わるように構成する。
ディーゼルエンジンEでは、メイン噴射に先立って少量の燃料をパルス的に噴射するパイロット噴射を行うことにより、着火遅れを短縮してディーゼルエンジンE特有のノック音を低減し、騒音を低減することが可能な構成としている。
このパイロット噴射は、メイン噴射の前に1回又は2回に限定して行われるものであったが、前記コモンレール1の蓄圧式燃料噴射装置を用いることで、エンジンEの状況に応じてパイロット噴射の状態を変化させ、騒音の低減や不完全燃焼による白煙又は黒煙の発生を抑制できるようになる。また、メイン噴射に先立って少量の燃料をパルス的に噴射するパイロット噴射を行うことにより、排ガス中の窒素酸化物の量が減少するようになる。
図3は、前述のようなコモンレール1を有するディーゼルエンジンを搭載したトラクタの側面図を示し、図4はその平面図を示している。平面図においては、図3に示すキャビン14を省いた状態を示している。
トラクタは、機体の前後部に前輪12、12と後輪13、13を備え、機体の前部に搭載したエンジンEの回転動力をトランスミッションケースT内の変速装置によって適宜減速して、これら前輪12、12と後輪13、13に伝えるように構成している。
機体中央であってキャビン14内のハンドルポスト15にはステアリングハンドル16が支持され、その後方にはシート17が設けられている。ステアリングハンドル16の下方には、機体の進行方向を前後方向に切り換える前後進レバー18が設けられている。この前後進レバー18を前側に移動させると機体は前進し、後方へ移動させると後進する構成である。
また、ハンドルポスト15を挟んで前後進レバー18の反対側にはエンジン回転数を調節するアクセルレバー25が設けられ、またステップフロア19の右コーナー部には、同様にエンジン回転数を調節するアクセルペダル23と、左右の後輪13、13にブレーキを作動させる左右のブレーキペダル24L、24Rが設けられている。ステップフロア19の左コーナー部にはクラッチペダル20が設けられている構成である。
また、主変速レバー26はシート17の左前方部にあり、低速、中速、高速及び中立のいずれかの位置を選択できる副変速レバー27はその後方にあり、さらにその右側にPTO変速レバー28を設けている。さらに、シート17の右側には作業機21(ロータリ等)の高さを設定するポジションレバー29と圃場の耕耘深さを自動的に設定する自動耕深レバー30、これらのレバーの後に作業機21の右上げスイッチ31と右下げスイッチ32が配置され、さらにその後に作業機21の自動水平スイッチ33とバックアップスイッチ34が配置されている。バックアップスイッチ34は、機体が後進時において、作業機21を自動的に上昇させるものである。作業機21は、機体の後方にリンク22で連結されている構成である。トラクタは作業機21を駆動させて機体を走行させることで、圃場内の耕耘等の作業を行なうものである。21aは作業機21を昇降する油圧シリンダーである。
図5はエンジンのシリンダー5内への吸気と排気の模式図であり、4サイクルのディーゼルエンジンの実施例である。過給器TBの吸気タービン36により過給された空気は、エアクリーナ35から吸気タービン36、インタークーラー37を通過して吸気マニホールド38からシリンダー5内へ送られる構成である。39は吸気バルブであり、40はピストンである。48はカムでありロッカーアーム49を介して吸排気バルブ39、41を開閉させるものである。
シリンダー5内で燃焼した排ガスは、排気バルブ41から排気マニホールド42を通過した後、過給器TBの排気タービン45で過給器TBを駆動して排出される構成である。
このディーゼルエンジンは、排気ガスの一部を吸気側に混入させるためのEGR(排気再循環装置)回路44を有している。EGR回路で排気ガスの一部を吸気側に混入させることで酸素量(O2)を減らして、窒素酸化物Noxの発生を低減させるように構成している。ただし、EGR率が上昇しすぎると、逆に酸素量が少なくなって不完全燃焼になるので、燃焼状態によりEGR率を調節する必要がある。この調節は、EGRバルブ43にて行う。EGR回路44は、後述する後処理装置46下流側の排気管55と過給器TBの吸気タービン36上流側の吸入管56との間を接続している。また、EGR回路44の途中にはEGRクーラ57を設ける構成としている。このEGRバルブ43の開閉具合でシリンダー5内への排気ガスの還元量が変化する。
排気タービン45を通過後の排気ガスは、後処理装置46を通過してマフラー50から大気中に排出される。後処理装置46は、酸化触媒(DOC)46aとディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)46bとから構成されている。
酸化触媒(DOC)は不燃物室を燃焼させるものであり、ディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)は粒状化物質(PM)を捕集するためのものである。前記EGRバルブ43と絞り弁47については、ECU100により制御される構成である。後処理装置46はディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)46bのみで構成してもよい、酸化触媒(DOC)を設けると不燃物質が燃焼するので、よりクリーンな排気ガスとなる。
DPF46bは、排気ガスの温度が低い状態(低負荷)が長時間続くと、PMが溜まってきて能力の低下が懸念される。そこで、後処理装置46の下手側に絞り弁47を設け、この絞り弁47を絞るとDPF46b内の圧力が高く保持されるので温度も高くなる。これにより、高い温度の影響により、DPF46bの再生が可能となる。即ち、高い温度の排気ガスがDPF46bを通過すると、DPF46b内に存在しているPMが焼き飛ばされることでDPF46bが再生される。
DPF46bを再生させるためのDPF再生運転としては、EGRバルブ43と絞り弁47の両方を絞る。そして、燃料噴射タイミングのリタード(遅角)と合わせてDPF46b内のガス温度を上昇させ、DPF46bが再生に入るようにする。これにより、燃料のアフター噴射(排気ガス温度を上昇させるため)が不要となったり、アフター噴射の回数を減らすことができるようになるので、燃料消費量を抑制できて環境にもよい。
このようなDPF再生運転を行うための条件としては、後処理装置46の上手側に圧力センサ52を設け、後処理装置46の下手側にも圧力センサ53を設け、この圧力差が所定値以上になるとDPF46b内にPMが蓄積して抵抗となっている状態なので、DPF再生運転を行うようにする。また、圧力センサ52の替わりにDOC46aとDPF46bとの間に圧力センサ58を設ける構成としてもよい。
また、DPF再生運転に入った状態が長時間続くと、過熱状態となってしまいDPF46bが損傷してしまう。そこで、後処理装置46の下手側に温度センサ59を設け、この温度センサ59の値が所定値を超えるとDPF再生運転を止めて通常運転に戻るようにする。
通常の運転は、EGRバルブ43と絞り弁47を同時に制御してEGR量を適宜コントロールするようにする。特に、絞り弁47を有することで、DPF46b内のガス温度を高く保持することができるようになる。
前述のような構成としたことで、吸気スロットルが不要となる。即ち、過給器付き機関では吸気側圧力が高いので、EGRガス量を確保するために排気絞り弁または吸気スロットルを設け、EGRバルブと連動した制御が必要となるが、このようなシステムが不要となる。
また、DPF46b下流の排気ガスを取り出すために、過給器TBの汚れに伴う性能劣化を生じることを防止できるようになる。そして、EGRガスはEGRクーラ57で冷却されるため、NOx低減に対して効果が大きくなる。
前述したように、DPFの再生運転を行なうDPF強制再生モードにおいては、排気絞り弁47を絞り、ON-OFF制御によってEGRバルブ43を全閉とするように構成する。したがって、排気ガスの還元が行なわれないのでNOが増加し、このNOが酸化触媒(DOC)46aによってNO2に転換され、DPF46bの再生が促進されるようになる。
また、DPF46bの強制再生中において、エンジン回転がローアイドルに移行した場合は、前記EGRバルブ43を全開とする。DPF46bの下流側には温度センサ59を設けているので、この温度センサ59による検出値が所定値以上に上昇したことも条件に加えるようにしてもよい。
前記絞り弁47を絞ってDPF46bの強制再生を行なう場合において、エンジン回転数を低い回転数にして供給酸素量を増加させるとともに、排気ガス流速が減少することで温度を上昇しやすくしていた。ところが、再生中にエンジン回転数がローアイドルまたはその近傍に変更された場合、供給酸素量の増加と流速の減少により、煤が急速に燃焼してしまう。その結果、温度が急速に上昇してDPF46bが損傷してしまう可能性がある。そこで、最高温度が許容温度を超えないようにする煤を管理する必要がある。
このために、温度センサ59が所定値を超えると、エンジン回転数を中速域まで上昇させるように構成する。これにより、排気ガスの流速が速くなるので最高温度が下がり、DPF46bの損傷を防止できるようになる。また、前記温度センサ59の所定値の値を限界値近傍で制御すると、DPF46bの再生を効率よく行なうことができるようになる。
前記エンジン回転数を中速域まで上昇させるにあたり、一旦最高回転数まで上昇させ、その後中速域まで減速させるように構成してもよい、これにより、一旦排気ガスが最高速度で流れるので、予熱などでDPF46bが加熱されてしまって閾値の温度を超えてしまうことを防止できるようになる。
また、DPF46bの強制再生中において、前述のようにエンジン回転数をローアイドルに移行するときにおいて、ポスト噴射を中断し、その後エンジン回転数を最高回転数まで上昇させ、中速域に移行する段階でポスト噴射を再開する構成とする。これにより、排気ガス温度の急激な上昇が抑制できるので、DPF46bの損傷を防止できるようになる。
DPF46b前後の差圧が所定値以上になった場合、作業後に運転者がDPF46bの再生モードを選択スイッチ67で選択することで、自動でDPF46bの再生を行い、DPF46b再生後は自動でエンジンを停止するように構成する。DPF46b前後の差圧を圧力センサ58、53で監視する。エンジン停止直前のDPF46b前後差圧が所定値以上であると、警告ランプやアラームで報知し、運転者は自らDPF46bの再生を行なうスイッチ(図示せず)を操作する。
そして、エンジンキーが切りの位置になっても、前記再生モードを選択していることで、エンジンはアイドリング状態で回転を維持し、DPF46bの再生を実行する。DPF46b前後の差圧が所定値以下になると、エンジンを自動で停止する。
これにより、作業終了後であっても自動でDPF46bの再生、エンジン停止が可能となるために、運転者は本機から離れて他の作業ができるようになる。
DPF46bの再生を行なうときには、図5に示すように、吸気側の空気を管路61からDPF46bの上流側に送るように構成してもよい。即ち、DPF46bの再生を行なうときには、バルブ60を開いて酸素量の多い過給器TB上流側の吸気側の空気をDPF46bの上流側に送るように構成してもよい。これにより、再生効率が向上するようになる。
また、DPF46bの温度を温度センサ62、59で監視し、3段階のステップで再生時の昇温を確認するようにしてもよい。まず、吸気の絞り(図示せず)を行い、この吸気の絞り状態での昇温確認を行う。次に、第一ポスト噴射を行って昇温を確認する。この時点で、DPF46bの前後温度が250度に達していなければ第二ポスト噴射を行っても更なる温度上昇は見込めないので、一旦再生を中断するようにする。もちろん、250度以上であれば第二ポスト噴射を行ってDPF46bの再生を行なうようにする。
図5に示しているように、DPF46bの下流側には空燃比センサ63を設けている。ポスト噴射を行なってDPF46bの再生を行なう場合、燃料噴射量が多くなりすぎると燃費が悪化し、少ないと温度が上昇しなくて再生ができなくなる。そこで、空燃比センサ63の値をECU100にフィードバックして噴射量を決める構成とする。これにより、適切な燃費となるとともに、DPF46bの再生の可能となる。また、前記空燃比センサ63の替わりに吸気マニホールド内の圧力値をフィードバックするように構成してもよい。
前述のようなDPF46bの再生を行なうにあたり、複数気筒の場合、一部の気筒の燃焼を停止するように構成してもよい。このように、一部気筒の燃焼を停止することで、エンジンのフリクションは同一でもシリンダーあたりの負荷を増やして排気温度を上昇させるようにしてもよい。
前記EGRバルブ43においては、煤、HCが付着するとともに結露などの水分と一体化して粘性状の液体となる。このような状態ではEGRバルブ43は作動するが、エンジンを停止させてエンジンが冷えると前記粘性状の液体が固着してしまい、エンジンを再始動させるとEGRバルブ43が動かなくなることがある。このような問題を解決するためにEGRバルブ43にクリーニング機能を設けている。即ち、エンジン停止後のアフターラン中にEGRバルブ43を強制作動させて粘性状の液体を除去することで、エンジンが冷えてもEGRバルブ43は固着しなくなる。
トラクタ(農作業車)の作業走行時においては、負荷変動に伴ってスモーク濃度やHC過多により、EGRバルブ43の固着の一因になっている。特に、旋回開始時には負荷が一気に低下することでHC過多となるため、EGRバルブ43の可能性が高くなる。
そこで、トラクタが作業走行時において、旋回状態(ステアリングハンドル16の操舵回動角が所定値以上)になるとEGRバルブ43を一時的に閉じる構成とし、所定時間後に低負荷で安定する状態になると、複数回の開閉動作(予作動)を行った後に適切な開度(定常開度:NOX値に応じた値)になるように構成する。トラクタが作業走行時において、旋回状態に切り替わると、負荷が一気に抜けてスモークが発生するため、EGRバルブ43の固着が発生し易くなるためである。
図6は空気流量を測定するエアフロセンサ71(図5参照)と、このエアフロセンサ71で測定した値の補正を示している。即ち、エアクリーナ35の下流側に設けた圧力センサ70(図5参照)の値が所定値以上(吸気負圧が低すぎない状態)である場合は、流量カーブAを使用し、圧力センサ70の値が所定値以下(吸気負圧が低すぎる状態)である場合は流量カーブBを使用する構成とする。
吸気負圧が低すぎる状態においては、流れる空気に脈動が発生するので、空気の量が多い状態と少ない状態が交互に繰り返してしまい、この状態をエアフロセンサ71で測定して燃料噴射制御に利用すると、排ガス性能が悪化したり燃費が悪くなる等の不具合が発生する。
そこで、吸気負圧が低すぎる状態である場合は流量カーブBを使用する構成とする。この流れを図7のフローチャートに示している。流量カーブBにおいては、意図的に少なめの空気流量とすることで、燃料噴射制御に与える影響が少なくなる。また、吸気負圧とは関係なく前述したDPFの再生時やDPF再生以外時の吸気スロットル使用時においても、流量カーブBを使用する構成とする。
エアクリーナ35の前後に圧力センサ70、70を設け、両センサの差圧が所定値以下になると、エアクリーナ35の異常を報知するように構成してもよい。
前述したディーゼルエンジンEにおいては、コモンレール1(図1参照)を搭載している。エアクリーナ35の下流側に設けた空気温度センサ73(図5参照)の値が所定値よりも低い状態で、高圧ポンプ4の入口側に設けた燃料温度センサ72(図1参照)が所定値よりも低い状態であれば、コモンレール1内に溜める燃料の圧力を所定値上昇させる構成とする(図8のフローチャート)。
これにより、燃料噴射ノズル6から燃料タンク3にリターンする燃料温度が高くなるので、燃料タンク3内の燃料温度が上昇し、適正な燃焼が可能となる。
空燃比センサ63(図5参照)により酸素濃度を算出し、酸素濃度が所定値以上の場合は、出力不足の発生が考えられる。この場合は、燃料噴射量を増やすことで対応する。
後処理装置46の下流側においては、排ガス温度センサ59を設けている。この排ガス温度センサ59の値が所定値よりも低い場合は、後処理装置46内での残燃料の除去(残燃料の燃焼)やPMの除去(PMの焼き飛ばし)が行われなくなる。そこで、エンジンのシリンダ5の上流側吸気管に設けている電熱線74に通電してシリンダ5に入る空気温度を上昇させる構成とする。これにより、後処理装置46(特にDOC)内において、残燃料の除去が促進される。
前述したDPFの手動再生開始時において、手動再生を行うエンジン回転数になると、吸気スロットルを閉じ始めるまでの間の空気流量を監視し、正常時範囲外であれば異常警告と点検を促す構成とする(図9)。
エンジンが過回転した場合において、燃料噴射ノズル6から噴射される燃料を強制停止する構成とする。これにより、燃料を強制停止することで燃焼室内の燃料燃焼を行われずに、外気のみの吸排気が行われるため、ゆっくりエンジンを停止させることができる。
図5に示すEGRバルブ43において、エンジン始動後から排ガス温度が所定値まで上昇するまでの間においては、EGRバルブ43を駆動させない構成とする。これにより、排気ガス中のカーボン等によるEGRバルブ43の固着を防止できる。
図5に示すように、EGRクーラ57の前後に温度センサ75、75を設け、EGRクーラ57の前後の温度差が所定値以下になると、EGRクーラ57の異常報知を行う構成とする。さらに、エンジン回転数と燃料噴射量をECU100で強制的に制御して、通常運転できない構成とする(図10)。
また、前記EGRクーラ57の前後の温度センサ75、75に替えて酸素濃度検出を設け、EGRクーラ57の前後の酸素濃度差が所定値以下になると、EGRクーラ57の異常報知を行う構成としてもよい。
吸気マニホールド38内にEGR回路44を一体的に設け、さらに、吸入空気と合流するEGR回路44の出口部において、大径と小径の2個の出口を設ける構成とする。前記大径の出口部にバルブを設け、小径の出口部にバルブを設ける構成とする。
EGR率が低い状態では大径の出口部のみを使用し、EGR率が高い状態では大径の出口部と小径の出口部の両方を使用する構成とする。これにより、適正に合流可能となる。
トラクターやコンバイン等の農作業機を始めその他の車両にも利用可能である。
E エンジン
35 エアクリーナ
70 エアクリーナ下流側の圧力センサ
70a 大気圧を測定する圧力センサ
71 エアフロセンサ

Claims (3)

  1. 吸気側に吸入される空気流量を測定するエアフロセンサ(71)とエアクリーナ(35)を設けたエンジン(E)において、前記エアクリーナ(35)下流側に設置した圧力センサ(70)の値が大気圧に対して第1所定値以上低い状態になると、前記エアフロセンサ(71)で実測した空気量よりも所定量少ない空気量で燃料噴射制御を行うことを特徴とするエンジン。
  2. 前記エアクリーナ(35)の上流側に大気圧を測定する圧力センサ(70)を設けたことを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記エアクリーナ(35)下流側に設置した圧力センサ(70)の値が大気圧に対して第2所定値以上低い状態になると、エアクリーナ(35)の異常として報知するように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジン。
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