JP2024005668A - 希土類磁石 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造時の作業性に優れる高性能な希土類磁石を提供すること。【解決手段】希土類磁石は、R(RはNdを含む希土類元素を示す。)、Fe及びBを含有するR-Fe-B系合金を熱間塑性加工した希土類磁石であって、前記希土類磁石は、R2Fe14B化合物を含む主相の組織を有し、磁化容易軸が前記主相の結晶粒の短軸方向に向いており、前記磁化容易軸方向における厚さ寸法が0.07mm以上0.2mm以下であり、残留磁化の低下率が5%以下である(ここで、前記残留磁化の低下率(%)は、前記希土類磁石の前記厚さ寸法が0.5mmのときの残留磁化を100%とし、これに対して低下した割合である。)。【選択図】なし

Description

本発明は、希土類磁石に関する。
Nd-Fe-B系永久磁石は磁気特性に優れているため、コンピュータ関連機器や各種の電子機器、家電製品、各種のアクチュエータに使用されている。近年、これらの電子機器、家電製品、各種のアクチュエータ等の小型化、薄型化の要望、需要が求められており、Nd-Fe-B系永久磁石の中でも特に磁気特性に優れた焼結磁石の小型化、薄型化が求められている。
従来、Nd-Fe-B系焼結磁石を小型化、薄型化する場合、一般に、焼結したブロック状の磁石を所定形状に切り出した後、表面を研削加工して所望の厚さにする必要があるが、Nd-Fe-B系焼結磁石を研削加工して薄型化するほど、焼結磁石の磁気特性が低下することが知られている(例えば、特許文献1参照)
特許文献1は、研削加工にともなう磁気特性の劣化を防止するため、焼結磁石体の被研削加工面に、Ti、W、Pt、Au、Cr、Ni、Cu、Co、Al、Ta及びAgのうち少なくとも1種を1.0原子%~50.0原子%含有し、残部R’(R’はCe、La、Nd、Pr、Dy、Ho及びTbのうち少なくとも1種)からなる合金薄膜層を形成することを開示している。
特開昭62-192566号公報
しかしながら、特許文献1では、焼結磁石体の被研削加工表面に合金薄膜層を被着させる手段として、真空蒸着、イオンスパッタリング、イオンプレーティング、イオン蒸着薄膜形成法、プラズマ蒸着薄膜形成法等の薄膜形成方法が適宜選定利用できることを挙げ、合金薄膜層を形成した後、真空あるいは不活性雰囲気中、400℃~900℃、1分~3時間の熱処理を、少なくとも1回施す必要がある。
このように、焼結磁石の表面を研削加工して所望の厚さに加工した後、さらに追加の作業工程が必要であり、作業性が劣る。
従って、本発明の目的は、製造時の作業性に優れる高性能な希土類磁石を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る希土類磁石は、R(RはNdを含む希土類元素を示す。)、Fe及びBを含有するR-Fe-B系合金を熱間塑性加工した希土類磁石であって、上記希土類磁石は、R2Fe14B化合物を含む主相の組織を有し、磁化容易軸が上記主相の結晶粒の短軸方向に向いており、上記磁化容易軸方向における厚さ寸法が0.07mm以上0.2mm以下であり、残留磁化の低下率が5%以下である(ここで、上記残留磁化の低下率(%)は、上記希土類磁石の上記厚さ寸法が0.5mmのときの残留磁化を100%とし、これに対して低下した割合である。
本発明の一態様によれば、製造時の作業性に優れる高性能な希土類磁石が得られる。
図1は、実施形態に係る希土類磁石について厚さ方向の断面図を模式的に示した図である。 図2は、研削加工工程において、平板の厚さ方向に対して平行な面を加工した場合に、得られた希土類磁石について厚さ方向の断面図を模式的に示した図である。 図3は、研削加工工程を行ったNd焼結磁石について厚さ方向の断面図を模式的に示した図である。 図4は、実施例の試験片の減磁曲線を示す図である。 図5は、比較例の試験片(試料Aを用いて作製した試験片)の減磁曲線を示す図である。 図6は、比較例の試験片(試料Bを用いて作製した試験片)の減磁曲線を示す図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
実施形態に係る希土類磁石(希土類永久磁石ともいう。)は、R(RはNdを含む希土類元素を示す。)、Fe及びBを含有するR-Fe-B系合金を熱間塑性加工した希土類磁石である。具体的には、下記のような方法により作製できる。
<希土類磁石粉末の作製>
まず、希土類磁石粉末として、R-Fe-B系磁石粉末を準備する。R-Fe-B系磁石粉末を構成するR-Fe-B(ホウ素)系磁石は、三元系正方晶化合物であるR2Fe14B相(例えばR2Fe14B型化合物相)を主相として含む。また、R-Fe-B系磁石は、通常Rリッチ相などをさらに含む。Rは、Ndを含む希土類元素を表す。即ち、Rは、Ndを必須成分として含む。希土類元素としては、ネオジム(Nd)及びプラセオジム(Pr)の他、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)が挙げられる。Ndと共に、他の希土類元素を1種用いてもよく、2種以上を併用してもよい。Rとして、少なくともNdが用いられていればよい。Feは、一部がCoで置換されていてもよい。Feの一部がCoで置換されている場合は、Fe及びCoの合計量を100原子%としたときに、Feを50原子%以上の量で含むことが好ましい。
R-Fe-B系磁石は、その他の元素を含んでいてもよい。その他の元素としては、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)が挙げられる。その他の元素は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。R-Fe-B系磁石において、Rは、12原子%以上16原子%以下の量で含まれることが好ましい。Bは、6原子%以上8原子%以下の量で含まれることが好ましい。また、上述したその他の元素を含むときは、その他の元素は、合計で0原子%を超え3原子%以下の量で含まれることが好ましい。なお、ここで、残部は、Feと、不可避的に含まれる元素との合計量である。
ここでは、R-Fe-B系磁石として、例えば、Nd2Fe14Bを主相とするNd-Fe-B系合金が用いられたNd-Fe-B系磁石を例として説明する。
Nd-Fe-B系磁石粉末は、例えば超急冷法(メルトスパン法)により製造する。具体的には、Nd-Fe-B系合金を、減圧下又はアルゴン雰囲気中で、高周波誘導加熱して溶解させる。次に、溶解させた合金の溶湯を銅製の回転ロール上に噴射して超急冷(高速冷却)して、リボン状の薄帯片を作製する。次に、この薄帯片を粉砕する。例えば、薄帯片を数mmから数十mm程度に破断した後、粉砕機などで粉砕することが好ましい。この薄帯片を粉砕して粉砕粉末を得る。
リボン状の薄帯片を粉砕して粉砕粉末を得た後、これに熱処理を行い、磁石粉末を得る。この段階では、磁石粉末の各結晶粒の磁化容易軸の方向が一方向に揃っていないため、磁気的に等方性である。なお、磁石粉末の実際の製造に代え、予め製造された磁石粉末を代用することができる。例えば、超急冷法にて作製されたNd-Fe-B系の薄帯が粉砕されて磁気的に等方性の磁石粉末が、ホットプレス成形で密度が高められた磁石粉末として、マグネクエンチ社から提供されている。
<ホットプレス工程:焼結磁石体の作製>
次に、第1の金型を準備する。第1の金型は、中空円筒状のダイスと、ダイスの内側に挿入される中空円筒状の上パンチ及び下パンチと、上パンチ及び下パンチの内側に配置される円柱状のコアとから構成されている。ダイス、上パンチ、下パンチ及びコアは、導電材(例えば、グラファイト、超硬合金等)で形成されている。
次いで、第1の金型に希土類磁石粉末(Nd-Fe-B系磁石粉末)を充填し、焼結装置(SPS装置:放電プラズマ焼結装置)にセットして焼結し、第1の金型から焼結磁石体(ホットプレス磁石体)を取り出す。
第1の金型のキャビティに充填された磁石粉末は、上側電極と下側電極との間に加えられる圧力により、上パンチと下パンチとにより加圧される。また、上側電極から上パンチに電流が流れ、それがダイス、コア及び磁石粉末に流れ、下パンチを介して下側電極に流れることで、ジュール熱が発生すると共に、磁石粉末内において放電プラズマが発生することで、磁石粉末が加熱される。例えば、30~50MPaで加圧されながら、600~700℃まで加熱される(ホットプレス)。また、焼結は減圧下、不活性雰囲気中が好ましく、具体的にはアルゴンや窒素雰囲気中が好ましい。
加熱後、電流が遮断され、冷却される。所定温度まで冷却された後、焼結装置から第1の金型が取り出される。具体的には、磁石粉末の焼結によって形成されたリング状の焼結磁石体が第1の金型から取り出される。この状態におけるリング状の焼結磁石体は、例えば、外径Φ30mm×内径Φ15mm×厚さ10mmで、その相対密度が約90%であり、その結晶粒の磁化容易軸の配向はランダムで、磁気的に等方性である。
<熱間塑性加工工程:熱間加工磁石の作製>
次に、第2の金型を準備する。なお、第2の金型の準備は、第1の金型の準備と並行して行われるものであっても良く、第1の金型の準備よりも先に行われるものであっても良い。
第2の金型に、前述のホットプレス工程で作製した焼結磁石体をセットし、第2の金型を焼結装置にセットして熱間塑性加工を行う。
焼結装置において、パンチの上端には上側電極が配置され、ダイスの下端には下側電極が配置されている。上側電極及び下側電極は、導電材(例えば、グラファイト、超硬合金等)で形成されている。焼結装置には、上側電極及び下側電極との間に所定の電圧を印加して、所定の電流を供給する電源装置と制御装置とを備えている。焼結装置は、前述のホットプレス工程における焼結装置を兼用しても良く、別の装置としても良い。
第2金型のダイスとパンチとの間に配置された焼結磁石体は、ダイスとパンチとにより加圧される。また、上側電極→パンチ→焼結磁石体→ダイス→下側電極の経路で電流が流れることで発生する放電プラズマ及びジュール熱により加熱される。熱間塑性加工は、30~100MPaで圧力が印加された後、加熱が開始され、例えば、600℃以上700℃以下に加熱されながら加圧される。加熱の際には、焼結磁石体に対してON-OFF直流パルス通電が行われる。熱間塑性加工中は、加工速度が大きくならないよう、好ましくは、加工速度が一定になるよう、圧力が調整されることが望ましい。熱間塑性加工は、減圧下、又は不活性雰囲気中、具体的には、アルゴン、窒素雰囲気中で行われることが好ましい。熱間塑性加工は、変位がモニターされながら、変位が始まってから変位が完了するまで行われることが好ましい。ここでは、変位のモニターについては、通常、圧力制御しているサーボモータの変位量がモニタリングされている。
熱間塑性加工による熱間加工磁石の結晶粒は扁平形状を有し、結晶粒の磁化容易軸が結晶粒の扁平面に対し垂直方向に向いている。超急冷法による薄帯作製時の結晶粒は、等方的な形状であるが、熱間塑性加工によって、結晶粒は扁平形状に粒成長し、機械的に加圧方向に粒子の扁平面がそろう。つまり、加圧方向(結晶粒の短軸方向)と磁化容易軸がそろうことを意味している。このため、磁石内の結晶粒の磁化容易軸は、熱間加工磁石(熱間塑性加工により焼結磁石体が熱間加工磁石に変化)の厚み方向にそろう。なお、熱間加工磁石は、いわゆる熱間押出加工によって、異方性磁石を作製する製造方法が応用されたものである。
焼結装置は、加熱の後、電流が遮断され、冷却される。所定温度まで冷却された後、焼結装置から第2の金型が取り出され、焼結磁石体から熱間塑性加工により得られたリング形状の熱間加工磁石が第2の金型から取り出される。
熱間塑性加工で得られた熱間加工磁石は、磁気的に異方性を有し、その形状は、例えば、外径Φ40mm×内径Φ11mm×厚さ3mmで、その相対密度がほぼ真密度であり、磁気特性が高い。作製された熱間加工磁石は、平均結晶粒径が0.02μm以上0.5μm以下で、キュリー点は、250℃以上400℃以下である。
<研削加工工程>
熱間塑性加工で得られた熱間加工磁石を、所定の形状に研削加工する。具体的には、熱間加工した熱間加工磁石を装置から取り出し、熱間加工磁石をワイヤーカット装置にセットし、所定の形状に切り出す。例えば、2mm×2mm角~10mm×10mm角であり、厚さ1mm以上5mm以下の平板となるように切り出す。ここで、平板の厚さ方向が、熱間加工磁石の厚み方向(熱間加工磁石作製時の加圧方向、即ち磁化容易軸方向)と一致するように切り出す。
次に、切り出した平板の両端面(平板の厚さ方向に対して垂直方向の面)を平面研削盤で研削し、所望の厚さ寸法とする。即ち、研削加工後の厚さ寸法は、0.07mm以上0.2mm以下であり、0.1mm以上0.2mm以下であることが好ましい。詳細には、研削加工は、熱間加工磁石中の扁平形状を有する結晶粒の短軸方向のみに施される。研削は、例えば、ダイヤモンド砥石等からなる回転砥石で行う。
例えば上述のようにして得られるため、実施形態に係る希土類磁石は、R2Fe14B化合物を含む主相の組織を有する。また、主相の平均結晶粒径は0.02μm以上0.5μm以下であることが好ましい。また、実施形態に係る希土類磁石は、磁化容易軸が主相の結晶粒の短軸方向に向いている。さらに、磁化容易軸方向における厚さ寸法が0.07mm以上0.2mm以下である。なお、2mm×2mm角~10mm×10mm角の平板であることが好ましい。
また、実施形態に係る希土類磁石は、残留磁化の低下率が5%以下である。このように、実施形態に係る希土類磁石は、残留磁化の低下率が小さく抑えられており、高性能である。ここで、残留磁化の低下率(%)は、以下のようにして求める。まず、希土類磁石の厚さ寸法が0.5mmのときの残留磁化を測定する。なお、厚さ寸法が0.5mmの希土類磁石は、具体的には、実施形態に係る希土類磁石の研削加工工程において、厚さ寸法を0.5mmに調整した試料として準備することができる。次に、実施形態に係る希土類磁石の残留磁化を測定する。次いで、厚さ寸法が0.5mmの希土類磁石の残留磁化を100%として、これに対して、実施形態に係る希土類磁石の残留磁化が低下した割合を求める。例えば、実施形態に係る希土類磁石の残留磁化が、厚さ寸法が0.5mmの希土類磁石の残留磁化を100%としたときに、95%である場合は、残留磁化の低下率は、5%(100%-95%)となる。
また、実施形態に係る希土類磁石は、磁化容易軸方向における厚さ寸法が、好ましくは0.1mm以上0.2mm以下であり、残留磁化の低下率が1%以下である。磁化容易軸方向における厚さ寸法が上記範囲であると、残留磁化の低下率がより抑えられる。
実施形態に係る希土類磁石において、厚さ寸法が小さくても残留磁化の低下率が抑えられる理由は、下記のように考えられる。図1は、実施形態に係る希土類磁石について厚さ方向の断面図を模式的に示した図である。実施形態に係る希土類磁石では、扁平形状を有する結晶粒10は、その短軸方向(磁化容易軸)が、平板である希土類磁石の厚さ方向に一致するように積み重なっている。なお、図1において、上向きの矢印は、磁化容易軸の方向を表している。研削加工工程においては、平板の厚さ方向に対して垂直方向の面を加工するため、加工後の加工面に露出している結晶粒が劣化する。この結晶粒は、図1において、研削加工により劣化する結晶粒12として示している。実施形態に係る希土類磁石では、研削加工により劣化する結晶粒12が占める部分が小さいため、残留磁化の低下率が抑えられると考えられる。
一方、図2は、研削加工工程において、平板の厚さ方向に対して平行な面を加工した場合に、得られた希土類磁石について厚さ方向の断面図を模式的に示した図である。なお、図2において、上向きの矢印は、磁化容易軸の方向を表している。この場合は、研削加工により劣化する結晶粒12が占める部分が大きくなるため、残留磁化の低下率が抑えられ難いと考えられる。以上より、結晶粒10は扁平形状であるため、実施形態に係る希土類磁石のように、磁化容易軸と加工面がそろっている方が、加工による劣化も小さくなり、残留磁化の低下率が抑えられると考えられる。
また、比較として、Nd焼結磁石を研削加工して、実施形態に係る希土類磁石と同等の大きさの磁石を得る場合について説明する。図3は、研削加工工程を行ったNd焼結磁石について厚さ方向の断面図を模式的に示した図である。なお、図3において、上向きの矢印は、磁化容易軸の方向を表している。Nd焼結磁石の結晶粒20は、その形状がほぼ等方的である。研削加工工程においては、磁化容易軸方向に加工する。加工後の加工面に露出している結晶粒は劣化している。この結晶粒は、図3において、研削加工により劣化する結晶粒22として示している。Nd焼結磁石において、研削加工により劣化する結晶粒22が占める部分が大きいため、残留磁化の低下率も大きくなると考えられる。なお、Nd焼結磁石の結晶粒20は、その形状がほぼ等方的であるため、研削加工による劣化は磁化容易軸と加工面に依存しないと考えられる。
このように、実施形態に係る希土類磁石は、表面に合金薄膜層を形成したり熱処理を施したりすることなく、製造時の作業性に優れる。また、厚さ寸法が小さくても、残留磁化の低下率が抑えられており、高性能である。従って、実施形態に係る希土類磁石は、超小型・薄型のモータや、超小型・薄型の磁気アクチュエータ等の磁石として好適である。
[実施例]
<実施例の試験片の作製>
上述したように、ホットプレス工程により、Nd-Fe-B系磁石粉末(R2Fe14B化合物を含む主相の組織を有する。)を用い、焼結磁石体を作製し、熱間塑性加工により、熱間加工磁石を作製した。次いで、熱間塑性加工で得られた熱間加工磁石を、所定の平板形状(3mm×3mm)の試料片に切り出した。ここで、平板の厚さ方向は、熱間加工磁石の厚み方向(熱間加工磁石作製時の加圧方向、即ち磁化容易軸方向)と一致するように切り出した。次いで、研削加工にて試料片(3mm×3mm×厚さt)を作製した。具体的には、試料片の厚さtを0.5mm、0.2mm、0.1mm及び0.07mmと変えた試験片を作製した。なお、試験片は、R2Fe14B化合物を含む主相の組織を有し、磁化容易軸が主相の結晶粒の短軸方向に向いている希土類磁石であった。また、主相の平均結晶粒径は0.02μm以上0.5μm以下であった。
<比較用の試験片の作製>
比較用の試験片は、試料A、試料Bを用いて作製した。試料A、試料Bは、いずれも信越化学工業(株)製のNd-Fe-B系焼結磁石で、磁気的に異方性を有し、試料Aは型番がN50、試料Bは型番がN39UHである。この所定形状を有するブロックから、所定の形状(3mm×3mm)の試料片に切り出した。ここで、平板の厚さ方向は、磁化容易軸方向と一致するように切り出した。次いで、研削加工にて試料片(3mm×3mm×厚さt)を作製した。具体的には、厚さtを0.5mm、0.2mm、0.1mm、0.07mmと変えた試験片を作製した。
<磁気特性の測定>
試料片の磁気特性は、各試料片に5Tの磁場を印加して、試料片の厚さ方向(磁化容易軸方向)に着磁した後、振動試料型磁力計(VSM)を用いて測定した。図4~図6にその結果を示す。即ち、図4に実施例の試験片の減磁曲線、図5に比較例の試験片(試料Aを用いて作製した試験片)の減磁曲線、図6に比較例の試験片(試料Bを用いて作製した試験片)の減磁曲線をそれぞれ示す。
図4~図6に示すように、実施例の試験片及び比較例の試験片のいずれも、試験片の厚さが薄くなると、0.5mmに比べて、残留磁化、固有保磁力ともに、劣化が認められる。表1に、試験片の厚さが0.5mmのときの磁気特性(残留磁化)に対する、試験片の厚さがの厚さ0.2mm、0.1mm、0.07mmのときの磁気特性(残留磁化)の値の比率を示す。また、表2に、残留磁化の低下率を示す。
表1から、実施例の試験片では、試料の厚さが0.2mmの場合、0.1mmの場合も99%となっており、ほとんど劣化していない。試料の厚さが0.07mmの場合は95%となり僅かに劣化する。これに対して、比較例の試験片(試料Aを用いて作製した試験片及び試料Bを用いて作製した試験片)は、試料の厚さが0.2mmの場合で97%、試料の厚さが0.07mmの場合で83%と大きく劣化していることがわかる。
このように、実施例の試験片は、加工後の磁石の厚さが0.07mmまでであれば、残留磁化の低下率は約5%に抑えられ、加工後の磁石の厚さが0.1mmまでであれば、残留磁化の低下率はほとんど見られず、高性能な希土類磁石であることがわかる。従って、上述の通り、実施例の試験片は、超小型・薄型のモータや、超小型・薄型の磁気アクチュエータ等の磁石として好適である。
Figure 2024005668000001
Figure 2024005668000002
10:結晶粒、12:研削加工により劣化する結晶粒、20:結晶粒、22:研削加工により劣化する結晶粒

Claims (4)

  1. R(RはNdを含む希土類元素を示す。)、Fe及びBを含有するR-Fe-B系合金を熱間塑性加工した希土類磁石であって、
    前記希土類磁石は、R2Fe14B化合物を含む主相の組織を有し、
    磁化容易軸が前記主相の結晶粒の短軸方向に向いており、
    前記磁化容易軸方向における厚さ寸法が0.07mm以上0.2mm以下であり、
    残留磁化の低下率が5%以下である(ここで、前記残留磁化の低下率(%)は、前記希土類磁石の前記厚さ寸法が0.5mmのときの残留磁化を100%とし、これに対して低下した割合である。)、希土類磁石。
  2. 前記主相の平均結晶粒径が0.02μm以上0.5μm以下である、請求項1に記載の希土類磁石。
  3. 前記希土類磁石の厚さ寸法が0.1mm以上0.2mm以下である、請求項1又は2に記載の希土類磁石。
  4. 前記希土類磁石が、平板状である請求項1又は2に記載の希土類磁石。
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