JP2024005367A - グロメット - Google Patents

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Hirotaka Kiyota
健 小野田
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Abstract

【課題】防水性と保持力の双方を確保すること。【解決手段】ベース部材10Xは、フランジ20と、貫通孔502に挿通させる筒状体30と、自由端側を筒状体の外周面30aから飛び出させた片持ちの係止片部81と、貫通孔周縁の環状突起部504における一方の孔軸方向側の係止端部504aを一方の孔軸方向側から係止する複数の係止部82,83と、を有し、止水部材60は、本体61から一方の孔軸方向に突出させ、弾性変形させながら貫通孔周縁の環状平板部503の内周縁部503aに密着させる環状のリップ62を有し、係止片部81の自由端には、複数の係止部における孔軸方向で隣り合う一方を他方よりも筒状体の外周面側で且つフランジ側に配置し、保持機構80は、複数の係止部の内の何れか1つで係止端部を係止し、かつ、リップから環状平板部の内周縁部に押圧力を作用させて、ベース部材及び止水部材を環状平板部及び環状突起部に保持させること。【選択図】図4

Description

本発明は、グロメットに関する。
従来、ワイヤハーネスにおいては、挿通対象物(例えば、車両における車体のパネル等)に設けた貫通孔に電線等の配索材を挿通させることによって、この挿通対象物によって隔てられた一方の空間から他方の空間へと配索材を引き込ませる。このため、その挿通対象物には、貫通孔の周縁から配索材を保護すると共に、貫通孔と配索材との間の隙間への液体の浸入を防ぐため、その隙間を塞ぐグロメットが取り付けられる。例えば、グロメットは、配索材を挿通させる筒部と、この筒部の外周壁に設け、挿通対象物における貫通孔の周縁に嵌め込ませる嵌合部と、を有しており、ゴム等の柔軟性を持たせた合成樹脂材料で成形されている(下記の特許文献1)。
特開平8-251769号公報
ところで、従来のグロメットは、その嵌合部全体が柔軟性を持っているので、防水性を確保しつつ、挿通対象物における貫通孔の周縁の公差ばらつきを吸収して、この周縁に嵌め込むことができる。一方、このグロメットにおいては、その嵌合部にも寸法公差が設定されているので、貫通孔の周縁の公差ばらつきと相俟って、その周縁に対する嵌合部の保持力が低下したり、その周縁と嵌合部との間に生じた隙間によって防水性が低下したりしてしまう可能性がある。
そこで、本発明は、公差ばらつきに拘わらず防水性と保持力の双方を確保し得るグロメットを提供することを、その目的とする。
本発明は、絶縁性の合成樹脂材料から成り、挿通対象物の貫通孔に通す導電性の配索材を内方で挿通させるベース部材と、前記ベース部材よりも軟質の弾性変形可能な合成樹脂材料から成り、前記ベース部材と一体になるよう設けた環状の止水部材と、前記挿通対象物の前記貫通孔の周縁における環状平板部及び前記環状平板部の内周縁の端部から前記貫通孔の一方の孔軸方向に向けて突出させた環状突起部に前記ベース部材及び前記止水部材を保持させる保持機構と、を備え、前記ベース部材は、外周縁部を前記環状平板部の内周縁部に対して前記貫通孔の他方の孔軸方向に隙間を空けて同軸上で対向配置させる環状のフランジと、前記貫通孔の孔軸に対する直交断面同士が前記環状突起部と相似形状で、かつ、前記フランジの前記外周縁部よりも内側で前記フランジから前記一方の孔軸方向に向けて同軸上で突出させて前記貫通孔に挿通させる筒状体と、前記筒状体に対して周方向に複数設け、かつ、前記筒状体の外周面側から前記他方の孔軸方向に折り返したその先を自由端にして、前記自由端側を前記筒状体の前記外周面から飛び出させ、かつ、前記外周面からの前記自由端側の飛び出し量を変化させる撓みが可能な片持ちの係止片部と、前記係止片部毎に前記自由端に設け、前記環状突起部における前記一方の孔軸方向側の係止端部を当該係止端部よりも前記一方の孔軸方向側から係止する複数の係止部と、を有し、前記止水部材は、前記フランジの前記外周縁部における前記一方の孔軸方向側の壁面に同軸上で一体となるように設けた環状の本体と、前記本体から前記一方の孔軸方向に突出させ、弾性変形させながら前記環状平板部の前記内周縁部に周方向で1周に亘って密着させる環状のリップと、を有し、前記係止片部の前記自由端には、複数の前記係止部を前記孔軸方向に並べ、かつ、複数の前記係止部における前記孔軸方向で隣り合う一方を他方よりも前記筒状体の前記外周面側で且つ前記フランジ側に配置し、前記保持機構は、複数の前記係止部の内の何れか1つで前記係止端部を係止し、かつ、弾性変形状態の前記リップから前記環状平板部の前記内周縁部に押圧力を作用させて、前記ベース部材及び前記止水部材を前記環状平板部及び前記環状突起部に保持させることを特徴とする。
本発明に係るグロメットは、挿通対象物における貫通孔の周縁の公差ばらつきに拘わらず、その周縁で防水性と保持力の双方を確保することができる。
図1は、挿通対象物に取り付けた後の実施形態のグロメットを示す斜視図である。 図2は、挿通対象物に取り付けた後の実施形態のグロメットを車室内側から見た平面図である。 図3は、挿通対象物に取り付けた後の実施形態のグロメットを車室外側から見た平面図である。 図4は、図2のX-X線断面を示す図である。 図5は、挿通対象物に取り付ける前の実施形態のグロメットを別角度から見た斜視図である。 図6は、図2のX-X線断面に相当する図であり、挿通対象物に取り付ける前の状態を表している。 図7は、実施形態のグロメットを示す分解斜視図である。 図8は、実施形態のグロメットを別角度から見た分解斜視図である。 図9は、実施形態のグロメットを組付け後の2つのベース部材と止水部材に分けて示す分解斜視図である。 図10は、ベース部材と第1防水部材と第2防水部材の分解斜視図である。 図11は、止水部材の分解斜視図である。 図12は、正規のグロメット取付形態の一例を示す図2のX-X線断面に相当する図である。 図13は、正規のグロメット取付形態の一例を示す図2のX-X線断面に相当する図である。 図14は、正規のグロメット取付形態の一例を示す図2のX-X線断面に相当する図である。 図15は、正規のグロメット取付形態の一例を示す図2のX-X線断面に相当する図である。 図16は、正規のグロメット取付形態から外れているときの一例を示す図2のX-X線断面に相当する図である。
以下に、本発明に係るグロメットの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施形態]
本発明に係るグロメットの実施形態の1つを図1から図16に基づいて説明する。
図1から図9の符号1は、本実施形態のグロメットを示す。このグロメット1は、挿通対象物501の貫通孔502に通す導電性の配索材Weを挿通対象物501における貫通孔502の周縁から保護すると共に、その周縁と配索材Weとの間の隙間への液体(水等)の浸入を防ぐものである(図1から図6)。よって、このグロメット1は、配索材Weを挿通させた上で、挿通対象物501の貫通孔502の周縁に取り付ける。
ここで、配索材Weとは、例えば、電線(通信線としての電線、電源線としての電線等)のことである。また、挿通対象物501とは、例えば、車両の場合、車体のパネル等の壁体のことである。配索材Weは、この挿通対象物501の貫通孔502に挿通させることによって、挿通対象物501が隔てる2つの空間の間で引き回される。例えば、配索材Weは、それぞれの空間の装置間の通信を担ったり、一方の空間の電源から他方の空間の電気機器への給電等を担ったりする。ここでは、挿通対象物501を境にして、貫通孔502の一方の孔軸方向側が車室内になり、貫通孔502の他方の孔軸方向側が車室外になる。
挿通対象物501における貫通孔502の周縁は、環状の平板部(以下、「環状平板部」という。)503と、この環状平板部503の内周縁の端部から貫通孔502の一方の孔軸方向に向けて突出させた環状の突起部(以下、「環状突起部」という。)504と、を有している(図1から図6)。グロメット1は、この挿通対象物501における貫通孔502の周縁にて、その環状平板部503と環状突起部504に取り付ける。例えば、挿通対象物501は、プレス成形によって形作られたものであり、その際に環状平板部503と貫通孔502が形成される。そして、この挿通対象物501においては、その貫通孔502の周縁に対するバーリング加工によって、環状突起部504が形成される。ここでは、環状平板部503が円環状に形成され、貫通孔502が円形に形成されている。また、ここでは、環状突起部504が円環状に形成されている。
グロメット1は、配索材Weを内方で挿通させるベース部材10Xを備える(図1から図10)。このベース部材10Xは、1つの部材から成るものであってもよく、複数の部材が組み付けられて成るものであってもよい。ここで示すベース部材10Xは、互いに組み付けられる2つのベース部材(第1ベース部材、第2ベース部材)を備える。この2つのベース部材は、それぞれに形状の異なる部材であってもよく、それぞれが形状の同じ同一部材であってもよい。ここで示すグロメット1においては、この2つのベース部材に形状の同じ同一部材(ベース部材10,10)を用いている(図1から図10)。
このベース部材10Xは、少なくとも環状のフランジ20と筒状体30とを同軸上に有するものであり、これらの内方に配索材Weを挿通させる(図1から図9)。ここで示すベース部材10Xは、そのフランジ20と筒状体30に加えて、これらと同軸上に管状体40を有しており、これらの内方に配索材Weを挿通させる(図1及び図4から図9)。ここでは、その同軸上で、フランジ20から一方に向けて筒状体30を突出させ、かつ、フランジ20から他方に向けて管状体40を突出させている。
ここで示すベース部材10Xにおいては、後述するように、互いに組み付けられたベース部材10,10によって、環状のフランジ20と筒状体30と管状体40とが同軸上に形成される。このため、その2つのベース部材10,10の間には、互いを組付け状態のまま保持させる保持機構(以下、「ベース保持機構」という。)50が設けられている(図1から図3及び図7から図9)。
また、このグロメット1は、ベース部材10X(互いに組み付けられたベース部材10,10)に対して組み付ける環状の止水部材60を備える(図1、図4から図9及び図11)。この止水部材60は、フランジ20の外周縁部20aと環状平板部503の内周縁部503aとの間に介在させ、その間の隙間を埋めて、この隙間への液体(水等)の浸入を防ぐものである(図4)。
ベース部材10X(ベース部材10,10)は、絶縁性の合成樹脂材料を用いて成形される。ここでは、例えば、プラスチック等の硬質樹脂を用いてベース部材10X(ベース部材10,10)が成形される。
2つのベース部材10,10は、互いの接合面10aを合わせて組み付けられる(図2、図3、図7及び図8)。この2つのベース部材10,10は、その組付け状態で配索材Weを挟み込み、この配索材Weを挿通させた状態にする。ここでは、その2つのベース部材10,10を組み付けることによって、円環状のフランジ20と円筒状の筒状体30と円管状の管状体40とが形成される。尚、ここでは、直管の管状体40を例に挙げている。但し、管状体40は、フランジ20から突出させた後で屈曲させるものであってもよい。
フランジ20は、環状平板部503の内周縁部503aに対して貫通孔502の他方の孔軸方向に隙間を空けて同軸上で対向配置させる外周縁部20aを有する(図4及び図6から図9)。このフランジ20は、内周縁部20bよりも内側に配索材Weを挿通させる(図4及び図6)。ここで示すフランジ20は、円環の板状に形成されており、円環状の外周縁部20aと円環状の内周縁部20bを有している。このフランジ20は、挿通対象物501における貫通孔502の周縁(環状平板部503、環状突起部504)にグロメット1が規定取付状態で取り付けられているときに、その円環状の外周縁部20aを環状平板部503における円環状の内周縁部503aに同軸上で隙間を空けて対向配置させる。
2つのベース部材10,10は、それぞれに、互いの接合面10aを合わせてフランジ20を形成する分割フランジ11を有している(図1から図9)。ここで示す分割フランジ11は、フランジ20を中心軸に沿って半分に分割したものであり、半円弧状に形成されている。
筒状体30は、貫通孔502の孔軸に対する直交断面同士が環状突起部504と相似形状で、かつ、フランジ20の外周縁部20aよりも内側で当該フランジ20から一方の孔軸方向に向けて同軸上で突出させて貫通孔502に挿通させる(図4及び図6)。ここで示す筒状体30は、フランジ20における外周縁部20aと内周縁部20bの間から突出させる。この筒状体30においては、その内方に配索材Weが通される。
2つのベース部材10,10は、それぞれに、互いの接合面10aを合わせて筒状体30を形成する分割筒12を有している(図2及び図4から図9)。ここで示す分割筒12は、筒状体30を中心軸に沿って半分に分割したものであり、半円弧状に形成されている。
管状体40は、貫通孔502の孔軸に対する直交断面同士が環状突起部504と相似形状で、かつ、フランジ20の内周縁部20bから他方の孔軸方向に向けて(つまり、筒状体30とは逆向きに)同軸上で突出させる(図4及び図6)。この管状体40においては、その管内に配索材Weが通される。
2つのベース部材10,10は、それぞれに、互いの接合面10aを合わせて管状体40を形成する分割管13を有している(図1及び図4から図9)。ここで示す分割管13は、管状体40を中心軸に沿って半分に分割したものであり、半円弧状に形成されている。
先に示したように、2つのベース部材10,10は、その主体部分(分割フランジ11、分割筒12、分割管13)が弾性変形し難い硬度の高いものとなっている。このため、この2つのベース部材10,10は、例えば、その接合面10aの表面粗さ等に伴う微細な隙間を互いの接合面10aの間に形成してしまう可能性がある。そこで、本実施形態のグロメット1は、2つのベース部材10,10のそれぞれの接合面10aの内の少なくとも一方に、先の硬質樹脂よりも軟質で且つ弾性変形可能な軟質樹脂から成り、それぞれの接合面10aの間の隙間を無くす防水部材(以下、「第1防水部材」)71を備える(図7、図8及び図10)。
この第1防水部材71は、例えば、エラストマー等の合成樹脂材料を用いて成形される。ここで、本実施形態のグロメット1においては、フランジ20と管状体40が車室外側に配置され、筒状体30が車室内側に配置される。このため、このグロメット1は、主に車室外から車室内への水等の液体の浸入抑止効果が求められる。よって、第1防水部材71は、分割フランジ11と分割筒12と分割管13のそれぞれの接合面10aに亘って設けてもよいが、分割フランジ11と分割管13のそれぞれの接合面10aに亘って設けるだけでもよい。
ここで示す2つのベース部材10,10は、それぞれに、分割フランジ11の接合面10aから分割管13の接合面10aに亘って溝部10bが形成されており、そのそれぞれの溝部10bに第1防水部材71を嵌め込んでいる(図10)。この第1防水部材71は、2つのベース部材10,10の内の一方の溝部10bに設け、かつ、その溝部10bから突出させている、そして、この第1防水部材71は、2つのベース部材10,10を組み付けることによって、その内の他方の溝部10bに突出部分を嵌め込ませる。例えば、この第1防水部材71は、2つのベース部材10,10の内の一方との二色成形によって作り出されるものであってもよく、金型内の一方のベース部材10に対して一体成形させるものであってもよく、一方のベース部材10とは別の部品として成形し、一方のベース部材10の一方の溝部10bに接着剤等で貼り付けてもよい。
ベース保持機構50は、2つのベース部材10,10をそれぞれの接合面10aを合わせたままの状態に保持させるための保持機構である。このベース保持機構50は、2つのベース部材10,10の間で複数箇所に設ける。例えば、ここで示すベース保持機構50は、2つのベース部材10,10の内の一方の接合面10aから突出させた片部51と、この片部51の壁面から突出させた爪状の第1係止部52と、を備える(図7及び図8)。そして、ここで示すベース保持機構50は、2つのベース部材10,10の内の他方の接合面10aに設け、その内の一方の片部51及び第1係止部52を挿入させる挿入口53と、2つのベース部材10,10の内の他方に設け、その挿入口53から差し込まれた第1係止部52に押動されて撓み、互いの接合面10aが合わさったときに第1係止部52が離れて撓みを解消させる可撓部54と、2つのベース部材10,10の内の他方に設け、互いの接合面10aが合わさったときに第1係止部52に対向配置させ、2つのベース部材10,10をそれぞれの接合面10aを合わせたままの状態に保持させる第2係止部55と、を備える(図7及び図8)。
ここで示す2つのベース部材10,10は、それぞれに、分割筒12における周方向の一端に1組の片部51と第1係止部52を備え、かつ、この分割筒12における周方向の他端に1組の挿入口53と可撓部54と第2係止部55を備えている。この2つのベース部材10,10においては、それぞれの接合面10aを合わせたままの状態で、一方の分割筒12における一端の第1係止部52と他方の分割筒12における他端の第2係止部55とを係止させ、かつ、一方の分割筒12における他端の第2係止部55と他方の分割筒12における一端の第1係止部52とを係止させる。つまり、この2つのベース部材10,10においては、それぞれの分割筒12を連結させ且つ連結状態のまま保持させるベース保持機構50が2箇所に設けられている。更に、この2つのベース部材10,10は、それぞれに、分割管13における周方向の一端に1組の片部51と第1係止部52を備え、かつ、この分割管13における周方向の他端に1組の挿入口53と可撓部54と第2係止部55を備えている。この2つのベース部材10,10においては、それぞれの接合面10aを合わせたままの状態で、一方の分割管13における一端の第1係止部52と他方の分割管13における他端の第2係止部55とを係止させ、かつ、一方の分割管13における他端の第2係止部55と他方の分割管13における一端の第1係止部52とを係止させる。つまり、この2つのベース部材10,10においては、それぞれの分割管13を連結させ且つ連結状態のまま保持させるベース保持機構50が2箇所に設けられている。
止水部材60は、ベース部材10X(ベース部材10)の硬質樹脂よりも軟質の弾性変形可能な合成樹脂材料を用いて成形される。ここでは、例えば、エラストマー等の軟質樹脂を用いて止水部材60が成形される。
この止水部材60は、ベース部材10Xと一体になるよう設けられる。止水部材60は、フランジ20の外周縁部20aにおける一方の孔軸方向側の壁面20aに同軸上で一体となるように設けた環状の本体61と、この本体61から一方の孔軸方向に同軸上で突出させ、弾性変形させながら環状平板部503の内周縁部503aに周方向で1周に亘って密着させる環状のリップ(以下、「第1リップ」という。)62と、この第1リップ62よりも内周縁側で本体61から一方の孔軸方向に同軸上で突出させ、弾性変形させながら環状平板部503の内周縁部503aに周方向で1周に亘って密着させる環状のリップ(以下、「第2リップ」という。)63と、を有する(図1、図4、図6から図9及び図11)。この止水部材60においては、弾性変形していないときに、第1リップ62を第2リップ63よりも大きく突出させている。
ここで、その環状平板部503の内周縁部503aに対する第1リップ62の密着状態とは、その間で防水性確保のために必要な第1リップ62による要求最小シール圧以上のシール圧を発生させ得る密着状態のことである。また、その環状平板部503の内周縁部503aに対する第2リップ63の密着状態とは、その間で防水性確保のために必要な第2リップ63による要求最小シール圧以上のシール圧を発生させ得る密着状態のことである。
例えば、この止水部材60は、ベース部材10Xが1つの部材から成るものであった場合、このベース部材10Xとは別の部材として成形した上で、このベース部材10Xのフランジ20の外周縁部20aに対して組み付けるものであってもよく、このベース部材10Xとの二色成形によって作り出されるものであってもよく、金型内のベース部材10Xのフランジ20の外周縁部20aに対して一体成形させるものであってもよい。但し、この例示では、ベース部材10Xが互いに組み付けられる2つのベース部材10,10で構成されているので、このベース部材10Xとは別の部材として止水部材60を成形し、この止水部材60をベース部材10X(互いに組み付けられたベース部材10,10)のフランジ20の外周縁部20aに対して組み付ける。
ここで示す止水部材60には、その軟質樹脂よりも硬質の合成樹脂材料で成形された環状部材65が一体になるよう同軸上に設けられている(図1、図4、図6から図9及び図11)。その環状部材65は、フランジ20の外周縁部20aを止水部材60の本体61とは逆側から覆う円環の板状部材である。この環状部材65は、ベース部材10X(ベース部材10)と同じ硬質樹脂又はベース部材10X(ベース部材10)の硬質樹脂と同等の硬度を有する当該硬質樹脂とは別の硬質樹脂から成るものであり、例えば、プラスチック等の硬質樹脂を用いて成形される。ここでは、この止水部材60と環状部材65との間に形成される環状の隙間にフランジ20の外周縁部20aを嵌め込むことによって、この止水部材60と環状部材65をフランジ20の外周縁部20aに一体となるように組み付ける。
その組付け状態において、止水部材60の本体61は、その外周縁部をフランジ20の外周縁部20aの外に食み出させた状態で、フランジ20の外周縁部20aの壁面20aに周方向で1周に亘って密着させる。止水部材60は、その本体61の外周縁部から他方の孔軸方向に同軸上で突出させた環状部64を有しており、この環状部64に対して環状部材65の外周縁部を一体化させる(図1、図4、図6から図9及び図11)。例えば、この止水部材60は、環状部材65との二色成形によって作り出されるものであってもよく、金型内の環状部材65に対して一体成形させるものであってもよく、環状部材65とは別の部品として成形し、この環状部材65に接着剤等で貼り付けてもよい。
このように構成されたグロメット1は、挿通対象物501における貫通孔502の周縁(環状平板部503と環状突起部504)にベース部材10X(互いに組み付けられたベース部材10,10)と止水部材60を保持させる保持機構80を備える(図2及び図4から図9)。ここで示す保持機構80は、止水部材60の第1リップ62と第2リップ63の弾性変形に伴う弾発力を利用するものであり、この第1リップ62及び第2リップ63とベース部材10X(ベース部材10)に設けた係止部(下記の第1係止部82又は第2係止部83)とで挿通対象物501における貫通孔502の周縁(環状平板部503と環状突起部504)を挟み込んで、この周縁にグロメット1を保持させる。
ベース部材10Xは、筒状体30に対して周方向に複数設け、かつ、この筒状体30の外周面30a側から他方の孔軸方向に折り返したその先を自由端にして、この自由端側を筒状体30の外周面30aから飛び出させ、かつ、その外周面30aからの自由端側の飛び出し量を変化させる撓みが可能な片持ちの係止片部81を有する(図2及び図4から図9)。この係止片部81は、筒状体30の一部を外周面30a側から切り欠いた溝部30bの溝底に固定端を繋げている(図2、図4及び図6)。この係止片部81と溝部30bの組み合わせは、筒状体30に対して周方向に等間隔で複数組設ける。ここで示す筒状体30には、この係止片部81と溝部30bの組み合わせを周方向に等間隔で4組設けている。ここでは、それぞれのベース部材10の分割筒12に係止片部81と溝部30bの組み合わせを2組ずつ設けている。
また、ベース部材10Xは、その係止片部81毎に自由端に設け、環状突起部504における一方の孔軸方向側の端部(以下、「係止端部」という。)504aを当該係止端部504aよりも一方の孔軸方向側から係止する複数の係止部を有する。この係止部は、円環状の係止端部504aにおける周方向の一部分を係止するものである。係止片部81の自由端には、複数の係止部を孔軸方向に並べ、かつ、この複数の係止部における孔軸方向で隣り合う一方を他方よりも筒状体30の外周面30a側で且つフランジ20側に配置している。複数の係止部は、孔軸方向で最もフランジ20の近くに配置されたものを第1係止部82とし、かつ、孔軸方向で最もフランジ20から遠くに配置されたものを第2係止部83とする(図2及び図4から図9)。ここで示す係止片部81の自由端には、第1係止部82と第2係止部83の2つの係止部を設けており、その第1係止部82を第2係止部83よりも筒状体30の外周面30a側で且つフランジ20側に配置している。
保持機構80は、その4組の係止片部81及び複数の係止部(ここでは、第1係止部82及び第2係止部83)の組み合わせと止水部材60の第1リップ62及び第2リップ63とによって構成されている。この保持機構80は、複数の係止部の内の何れか1つ(ここでは、第1係止部82と第2係止部83の内の何れか一方)で環状突起部504の係止端部504aを係止し、かつ、弾性変形状態の第1リップ62と第2リップ63から環状平板部503の内周縁部503aに押圧力を作用させて、ベース部材10X(互いに組み付けられたベース部材10,10)及び止水部材60を挿通対象物501における貫通孔502の周縁(環状平板部503と環状突起部504)に保持させる。
この保持機構80においては、筒状体30を挿通対象物501の貫通孔502に差し込んで行くと、この環状突起部504の内周面から力を受けた係止片部81が撓みながら溝部30bの中に入り込む。更に、その筒状体30の差し込みに伴い、止水部材60においては、先ず第1リップ62が環状平板部503に接触し、続いて第2リップ63が環状平板部503に接触する。
この例示の保持機構80においては、その筒状体30の貫通孔502への差し込みを続けていくことによって、第2係止部83が環状突起部504の係止端部504aを乗り越えて、係止片部81の撓みが緩和されながら、係止端部504aよりも一方の孔軸方向側に第2係止部83が配置されて、その相互間が係止可能な状態となる。その際、グロメット1においては、止水部材60の第1リップ62や第2リップ63が弾性変形していれば、その弾性変形に伴う弾発力で貫通孔502への差し込み方向とは逆側に押し戻されるので、第2係止部83が一方の孔軸方向側から環状突起部504の係止端部504aに引っ掛かって係止される。よって、このグロメット1は、挿通対象物501における貫通孔502の周縁(環状平板部503と環状突起部504)に保持される。また、このときに、止水部材60においては、第1リップ62や第2リップ63の弾性変形が要求最小シール圧以上のシール圧を発生させるものであれば、環状平板部503との間で防水性を発揮させることができる。
この保持機構80においては、その筒状体30の貫通孔502への差し込みを更に続けていくことができた場合、係止端部504aの内周面から力を受けた係止片部81が再び溝部30b側に撓み始める。そして、この保持機構80においては、その係止端部504aを第1係止部82が乗り越えた際に、係止片部81の撓みが緩和されながら、係止端部504aよりも一方の孔軸方向側に第1係止部82が配置されて、その相互間が係止可能な状態となる。その際、グロメット1においては、止水部材60の第1リップ62や第2リップ63が弾性変形していれば、その弾性変形に伴う弾発力で貫通孔502への差し込み方向とは逆側に押し戻されるので、第1係止部82が一方の孔軸方向側から環状突起部504の係止端部504aに引っ掛かって係止される。よって、このグロメット1は、挿通対象物501における貫通孔502の周縁(環状平板部503と環状突起部504)に保持される。また、このときに、止水部材60においては、第1リップ62や第2リップ63の弾性変形が要求最小シール圧以上のシール圧を発生させるものであれば、環状平板部503との間で防水性を発揮させることができる。
この保持機構80においては、第1係止部82が一方の孔軸方向側から環状突起部504の係止端部504aを係止しているときに、係止片部81が係止端部504aの内周面側から押し動かされて弾性変形している。よって、このときには、その係止片部81の弾性変形に伴う反力が自由端から係止端部504aの内周面側に作用している。また、この保持機構80においては、第2係止部83が一方の孔軸方向側から環状突起部504の係止端部504aを係止しているときにも、係止片部81が係止端部504aの内周面側から押し動かされて弾性変形している。よって、このときには、その係止片部81の弾性変形に伴う反力が自由端から係止端部504aの内周面側に作用している。
このように、この保持機構80においては、ベース部材10X(互いに組み付けられたベース部材10,10)における複数の係止部の内の何れか1つ(ここでは、第1係止部82及び第2係止部83の内の何れか一方)と止水部材60における弾性変形状態の第1リップ62及び第2リップ63とで挿通対象物501における貫通孔502の周縁(環状平板部503と環状突起部504)を挟み込んで、この周縁にグロメット1を保持させる。これにより、この保持機構80においては、挿通対象物501における貫通孔502の周縁に対するグロメット1の保持力を確保し、かつ、第1リップ62及び第2リップ63による防水性を確保する。
一方、挿通対象物501においては、その各部位に寸法公差が設定されており、その寸法公差の範囲内で設計値(ノミナル値)に対するばらつきが生じてしまう。例えば、環状突起部504においては、環状平板部503からの突出量Pに公差ばらつきによるノミナル値に対するずれが生じてしまう(図12から図15)。厳密には、環状平板部503の板厚にも寸法公差が存在している。このため、挿通対象物501における貫通孔502の周縁においては、複数の係止部の内の何れか1つ(ここでは、第1係止部82及び第2係止部83の内の何れか一方)と第1リップ62及び第2リップ63とによる挟み込みの方向で、環状平板部503から環状突起部504の先端(係止端部504a)までの距離が必ずしも設計通りのノミナル値になっているとは限らない。特に、ここで示す環状突起部504は、先に示したようにバーリング加工によって形成されるので、その公差ばらつきの幅が大きい。
そこで、この保持機構80は、環状突起部504の突出量Pが公差ばらつきの範囲内にあれば、複数の係止部の内の何れか1つ(ここでは、第1係止部82及び第2係止部83の内の何れか一方)と弾性変形状態の第1リップ62及び第2リップ63とで挿通対象物501における貫通孔502の周縁を挟み込んで、この周縁にグロメット1を保持させ得るように構成する。具体的に、この保持機構80においては、複数の係止部の内の第1係止部82と第2係止部83(ここでは、第1係止部82と第2係止部83そのもの)を次のような位置に配置すると共に、第1リップ62に次のような弾性変形(要求最小シール圧以上のシール圧を発生させる弾性変形)を行わせることによって、環状突起部504の突出量Pの公差ばらつきに対応させる。
先ず、貫通孔502の孔軸方向におけるフランジ20から見た第1係止部82の配置場所は、環状突起部504における環状平板部503からの突出量Pがノミナル値で且つ第1係止部82が係止端部504aを係止しているときに、第1リップ62の弾性変形量が最大となり(図4及び図12)、更に、その突出量Pが公差ばらつきの範囲内にて最小で且つ第1係止部82が係止端部504aを係止しているときに、第1リップ62を弾性変形させながら環状平板部503の内周縁部503aに周方向で1周に亘って密着させる(図13)位置に設定する。次に、貫通孔502の孔軸方向におけるフランジ20から見た第2係止部83の配置場所は、環状突起部504における環状平板部503からの突出量Pが公差ばらつきの範囲内にて最大で且つ第2係止部83が係止端部504aを係止しているときに、第1リップ62の弾性変形量が最大となり(図14)、更に、その突出量Pがノミナル値で且つ第2係止部83が係止端部504aを係止しているときに、第1リップ62を弾性変形させながら環状平板部503の内周縁部503aに周方向で1周に亘って密着させる(図15)位置に設定する。
これにより、環状突起部504の突出量Pがノミナル値のときには、第1係止部82と第2係止部83の内のどちらで係止端部504aを係止したとしても、第1リップ62を弾性変形させながら環状平板部503の内周縁部503aに周方向で1周に亘って密着させることができる(図4、図12及び図15)。このため、保持機構80においては、環状突起部504の突出量Pがノミナル値のときに、挿通対象物501における貫通孔502の周縁に対するグロメット1の保持力を確保し、かつ、少なくとも第1リップ62による防水性を確保することができる。
また、環状突起部504がノミナル値と最小公差ばらつきの間の突出量Pで形成されているときには、第1係止部82で係止端部504aを係止することによって、第1リップ62を弾性変形させながら環状平板部503の内周縁部503aに周方向で1周に亘って密着させることができる(例えば、図13)。このため、保持機構80においては、環状突起部504がノミナル値と最小公差ばらつきの間の突出量Pで形成されているときに、挿通対象物501における貫通孔502の周縁に対するグロメット1の保持力を確保し、かつ、少なくとも第1リップ62による防水性を確保することができる。
また、環状突起部504がノミナル値と最大公差ばらつきの間の突出量Pで形成されているときには、第2係止部83で係止端部504aを係止することによって、第1リップ62を弾性変形させながら環状平板部503の内周縁部503aに周方向で1周に亘って密着させることができる(例えば、図14)。このため、保持機構80においては、環状突起部504がノミナル値と最大公差ばらつきの間の突出量Pで形成されているときに、挿通対象物501における貫通孔502の周縁に対するグロメット1の保持力を確保し、かつ、少なくとも第1リップ62による防水性を確保することができる。
保持機構80は、このように、環状突起部504の突出量Pが公差ばらつきの範囲内にある限り、挿通対象物501における貫通孔502の周縁に対するグロメット1の保持力を確保し、かつ、少なくとも第1リップ62による防水性を確保することができる。しかしながら、このグロメット1は、車室外側から車室内側へと貫通孔502に差し込むので、車室内側の複数の係止部の内の何れか1つ(ここでは、第1係止部82及び第2係止部83の内の何れか一方)が係止端部504aを係止しているのか否かの目視が難しい。このため、この保持機構80は、複数の係止部の内の何れか1つ(ここでは、第1係止部82及び第2係止部83の内の何れか一方)が係止端部504aを係止しているのか否かについて、これらに対する直接的な目視ではなく、弾性変形状態の第1リップ62を利用することによって作業者等に判断させる。
具体的に、第1リップ62は、止水部材60の本体61側の根元から倒れ込ませた弾性変形によって、内周面側を環状平板部503の内周縁部503aに周方向で1周に亘って密着させるものとして形成しておく。例えば、ここで示す第1リップ62は、根元から先端62aまで徐々に拡径させている(図6)。
そして、この第1リップ62は、環状突起部504の突出量Pがノミナル値で且つ第1係止部82が係止端部504aを係止しているとき、環状突起部504の突出量Pがノミナル値で且つ第2係止部83が係止端部504aを係止しているとき、環状突起部504の突出量Pが公差ばらつきの範囲内にて最小で且つ第1係止部82が係止端部504aを係止しているとき及び環状突起部504の突出量Pが公差ばらつきの範囲内にて最大で且つ第2係止部83が係止端部504aを係止しているときの全てにて、環状の先端62aをベース部材10X(互いに組み付けられたベース部材10,10)及び止水部材60の本体61の双方よりも環状平板部503の外周縁側に突出させる(図3、図4及び図12から図15)。この例示では、環状部材65の外周縁部に対しても、この外周縁部よりも環状平板部503の外周縁側に第1リップ62の先端62aを突出させる。
一方、この第1リップ62は、その全ての条件から外れているときに(つまり、環状突起部504の突出量Pに拘わらず、複数の係止部の内の何れにおいても(ここでは、第1係止部82と第2係止部83のどちらでも)係止端部504aを係止していないとき、又は、環状突起部504の突出量Pが公差ばらつきの範囲内にて最小で且つ第2係止部83が係止端部504aを係止しているときに)、環状の先端62aをベース部材10X(互いに組み付けられたベース部材10,10)及び止水部材60の本体61の双方に対して環状平板部503の外周縁側に突出させない。例えば、図16には、環状突起部504の突出量Pが公差ばらつきの範囲内にて最小で且つ第2係止部83が係止端部504aを係止しているときを表している。
これにより、環状突起部504の突出量Pがノミナル値のときには、複数の係止部の内の何れにおいて(ここでは、第1係止部82と第2係止部83のどちらで)係止端部504aを係止したとしても、第1リップ62の先端62aがベース部材10X(互いに組み付けられたベース部材10,10)と止水部材60の本体61と環状部材65から環状(ここでは、円環状)に飛び出している(図4、図12及び図15)。このため、このときには、環状に飛び出ている第1リップ62の先端62aを作業者等に目視させることができる。
また、環状突起部504がノミナル値と最小公差ばらつきの間の突出量Pで形成されているときには、第1係止部82で係止端部504aを係止していれば、第1リップ62の先端62aがベース部材10X(互いに組み付けられたベース部材10,10)と止水部材60の本体61と環状部材65から環状(ここでは、円環状)に飛び出している(例えば、図13)。このため、このときには、環状に飛び出ている第1リップ62の先端62aを作業者等に目視させることができる。
また、環状突起部504がノミナル値と最大公差ばらつきの間の突出量Pで形成されているときには、第2係止部83で係止端部504aを係止していれば、第1リップ62の先端62aがベース部材10X(互いに組み付けられたベース部材10,10)と止水部材60の本体61と環状部材65から環状(ここでは、円環状)に飛び出している(例えば、図14)。このため、このときには、環状に飛び出ている第1リップ62の先端62aを作業者等に目視させることができる。
保持機構80においては、環状に飛び出ている第1リップ62の先端62aを作業者等が目視できたときに、その作業者等に複数の係止部の内の何れか(ここでは、第1係止部82と第2係止部83のどちらか)によって係止端部504aを係止していることを認識させることができる(図3、図4及び図12から図15)。よって、この保持機構80は、このときに、挿通対象物501における貫通孔502の周縁に対するグロメット1の保持力が確保できており、かつ、少なくとも第1リップ62による防水性が確保できていることを作業者等に認識させることができる。
一方、先の全ての条件から外れているときには、第1リップ62の先端62aがベース部材10X(互いに組み付けられたベース部材10,10)と止水部材60の本体61と環状平板部503から飛び出ていない(例えば、図16)。このため、このときには、作業者等が第1リップ62の先端62aを目視できない。よって、保持機構80においては、環状に飛び出ている第1リップ62の先端62aを作業者等が目視できないときに、その作業者等に複数の係止部の内の何れか(ここでは、第1係止部82と第2係止部83のどちらか)によって係止端部504aを係止できていないことを認識させることができる。従って、この保持機構80は、このときに、挿通対象物501における貫通孔502の周縁に対するグロメット1の保持力が確保できておらず、かつ、第1リップ62による防水性が確保できていないことを作業者等に認識させることができる。
ここで、例えば、止水部材60と環状部材65は、互いに異なる色で成形されることが望ましい。これにより、この場合には、第1リップ62の先端62aが飛び出ているときと飛び出ていないときの識別性を上げることができる。
ところで、ベース部材10X(ベース部材10)においては、係止片部81と溝部30bと第1係止部82と第2係止部83が金型(図示略)で形成される。このため、このベース部材10X(ベース部材10)においては、その金型を抜き取るための抜き孔11a(図10)が分割フランジ11に残ってしまい、この抜き孔11aを介して車室外と車室内が繋がってしまう。そこで、ベース部材10X(ベース部材10)には、それぞれに、その抜き孔11aを埋める防水部材(以下、「第2防水部材」)72を設けている(図4及び図7から図10)。
この第2防水部材72は、例えば、エラストマー等の合成樹脂材料を用いて成形される。この第2防水部材72は、ベース部材10X(ベース部材10)との二色成形によって作り出されるものであってもよく、ベース部材10X(ベース部材10)とは別の部品として成形し、抜き孔11aに嵌め込んで接着剤等で固定してもよい。
このグロメット1においては、管状体40と配索材Weとの間で隙間が完全に塞がっていない。そこで、このグロメット1は、その管状体40と配索材Weとの間の隙間を外側から塞ぐ閉塞部材(図示略)を備えている。この閉塞部材は、例えば、管状体40と配索材Weに巻き付ける樹脂テープであり、管状体40の外周面と管状体40から引き出された配索材Weとの間に亘って巻き付けていく。
以上示したように、本実施形態のグロメット1は、挿通対象物501における貫通孔502の周縁(環状平板部503と環状突起部504)の公差ばらつきに拘わらず、その周縁で防水性と保持力の双方を確保することができる。
また、このグロメット1は、複数の係止部の内の何れかで(ここでは、第1係止部82と第2係止部83のどちらかで)係止端部504aを係止できているのか否か直接的に目視し難くとも、これを第1リップ62の先端62aの飛び出しの有無で判断できる。よって、このグロメット1は、視認性の悪い位置に複数の係止部(ここでは、第1係止部82及び第2係止部83)が配置されたとしても、防水性と保持力の双方が確保されているのか否かの判断が可能になる。
1 グロメット
10 ベース部材(第1ベース部材、第2ベース部材)
10X ベース部材
10a 接合面
11 分割フランジ
12 分割筒
20 フランジ
20a 外周縁部
20a 壁面
20b 内周縁部
30 筒状体
30a 外周面
60 止水部材
61 本体
62 第1リップ(リップ)
62a 先端
80 保持機構
81 係止片部
82 第1係止部(係止部)
83 第2係止部(係止部)
501 挿通対象物
502 貫通孔
503 環状平板部
503a 内周縁部
504 環状突起部
504a 係止端部
P 突出量
We 配索材

Claims (5)

  1. 絶縁性の合成樹脂材料から成り、挿通対象物の貫通孔に通す導電性の配索材を内方で挿通させるベース部材と、
    前記ベース部材よりも軟質の弾性変形可能な合成樹脂材料から成り、前記ベース部材と一体になるよう設けた環状の止水部材と、
    前記挿通対象物の前記貫通孔の周縁における環状平板部及び前記環状平板部の内周縁の端部から前記貫通孔の一方の孔軸方向に向けて突出させた環状突起部に前記ベース部材及び前記止水部材を保持させる保持機構と、
    を備え、
    前記ベース部材は、外周縁部を前記環状平板部の内周縁部に対して前記貫通孔の他方の孔軸方向に隙間を空けて同軸上で対向配置させる環状のフランジと、前記貫通孔の孔軸に対する直交断面同士が前記環状突起部と相似形状で、かつ、前記フランジの前記外周縁部よりも内側で前記フランジから前記一方の孔軸方向に向けて同軸上で突出させて前記貫通孔に挿通させる筒状体と、前記筒状体に対して周方向に複数設け、かつ、前記筒状体の外周面側から前記他方の孔軸方向に折り返したその先を自由端にして、前記自由端側を前記筒状体の前記外周面から飛び出させ、かつ、前記外周面からの前記自由端側の飛び出し量を変化させる撓みが可能な片持ちの係止片部と、前記係止片部毎に前記自由端に設け、前記環状突起部における前記一方の孔軸方向側の係止端部を当該係止端部よりも前記一方の孔軸方向側から係止する複数の係止部と、を有し、
    前記止水部材は、前記フランジの前記外周縁部における前記一方の孔軸方向側の壁面に同軸上で一体となるように設けた環状の本体と、前記本体から前記一方の孔軸方向に突出させ、弾性変形させながら前記環状平板部の前記内周縁部に周方向で1周に亘って密着させる環状のリップと、を有し、
    前記係止片部の前記自由端には、複数の前記係止部を前記孔軸方向に並べ、かつ、複数の前記係止部における前記孔軸方向で隣り合う一方を他方よりも前記筒状体の前記外周面側で且つ前記フランジ側に配置し、
    前記保持機構は、複数の前記係止部の内の何れか1つで前記係止端部を係止し、かつ、弾性変形状態の前記リップから前記環状平板部の前記内周縁部に押圧力を作用させて、前記ベース部材及び前記止水部材を前記環状平板部及び前記環状突起部に保持させることを特徴としたグロメット。
  2. 複数の前記係止部は、前記孔軸方向で最も前記フランジの近くに配置されたものを第1係止部とし、かつ、前記孔軸方向で最も前記フランジから遠くに配置されたものを第2係止部とし、
    前記孔軸方向における前記フランジから見た前記第1係止部の配置場所は、前記環状突起部における前記環状平板部からの突出量がノミナル値で且つ前記第1係止部が前記係止端部を係止しているときに、前記リップの弾性変形量が最大となり、更に、前記突出量が公差ばらつきの範囲内にて最小で且つ前記第1係止部が前記係止端部を係止しているときに、前記リップを弾性変形させながら前記環状平板部の前記内周縁部に周方向で1周に亘って密着させる位置に設定し、
    前記孔軸方向における前記フランジから見た前記第2係止部の配置場所は、前記環状突起部の前記突出量が前記公差ばらつきの範囲内にて最大で且つ前記第2係止部が前記係止端部を係止しているときに、前記リップの弾性変形量が最大となり、更に、前記突出量が前記ノミナル値で且つ前記第2係止部が前記係止端部を係止しているときに、前記リップを弾性変形させながら前記環状平板部の前記内周縁部に周方向で1周に亘って密着させる位置に設定することを特徴とした請求項1に記載のグロメット。
  3. 複数の前記係止部は、バーリング加工によって形成された前記環状突起部の前記係止端部を係止するものであり、
    複数の前記係止部は、前記孔軸方向で最も前記フランジの近くに配置されたものを第1係止部とし、かつ、前記孔軸方向で最も前記フランジから遠くに配置されたものを第2係止部とし、
    前記孔軸方向における前記フランジから見た前記第1係止部の配置場所は、前記環状突起部における前記環状平板部からの突出量がノミナル値で且つ前記第1係止部が前記係止端部を係止しているときに、前記リップの弾性変形量が最大となり、更に、前記突出量が公差ばらつきの範囲内にて最小で且つ前記第1係止部が前記係止端部を係止しているときに、前記リップを弾性変形させながら前記環状平板部の前記内周縁部に周方向で1周に亘って密着させる位置に設定し、
    前記孔軸方向における前記フランジから見た前記第2係止部の配置場所は、前記環状突起部の前記突出量が前記公差ばらつきの範囲内にて最大で且つ前記第2係止部が前記係止端部を係止しているときに、前記リップの弾性変形量が最大となり、更に、前記突出量が前記ノミナル値で且つ前記第2係止部が前記係止端部を係止しているときに、前記リップを弾性変形させながら前記環状平板部の前記内周縁部に周方向で1周に亘って密着させる位置に設定することを特徴とした請求項1に記載のグロメット。
  4. 前記リップは、前記本体側の根元から倒れ込ませた弾性変形によって、内周面側を前記環状平板部の前記内周縁部に周方向で1周に亘って密着させるものであり、前記突出量が前記ノミナル値で且つ前記第1係止部が前記係止端部を係止しているとき、前記突出量が前記ノミナル値で且つ前記第2係止部が前記係止端部を係止しているとき、前記突出量が前記公差ばらつきの範囲内にて前記最小で且つ前記第1係止部が前記係止端部を係止しているとき及び前記突出量が前記公差ばらつきの範囲内にて前記最大で且つ前記第2係止部が前記係止端部を係止しているときの全てにて、環状の先端を前記ベース部材及び前記止水部材の前記本体の双方よりも前記環状平板部の外周縁側に突出させることを特徴とした請求項2又は3に記載のグロメット。
  5. 前記ベース部材は、互いの接合面を合わせて組み付け、前記配索材を挟み込む第1ベース部材及び第2ベース部材を備え、
    前記第1ベース部材及び前記第2ベース部材は、それぞれに、互いの前記接合面を合わせて前記フランジを形成する分割フランジと、互いの前記接合面を合わせて前記筒状体を形成する分割筒と、を有し、
    前記止水部材は、前記フランジの前記外周縁部に組み付けることを特徴とした請求項1,2又は3に記載のグロメット。
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