JP2024005136A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 密度が異なるインクによる印字であっても、スキャッタの発生リスクを低減させ、かつ所望の文字高さを実現し印字品質を向上させる。【解決手段】 インクジェット記録装置は、インク液滴を生成するインクノズルと、そのインク液滴を帯電させる帯電電極と、帯電後のインク液滴に偏向をかける偏向電極と、印字に使われなかった前記インク液滴を捕集するガターと、を備えた印字ヘッドを有する。また、インクジェット記録装置は、インク液滴を帯電するための帯電電圧を制御する制御部を有する。そして、制御部は、使用するインクのインク密度に基づきインク液滴へ与える基準帯電電圧レンジを決定し、決定された前記前記基準帯電電圧レンジに基づき前記帯電電極を制御する。【選択図】図6
Description
本発明は、インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法に関するものである。
連続噴出式荷電制御型のインクジェット記録装置(以下、インクジェット記録装置)は、インクを液滴化(粒子化)させ、このインク液滴(インク粒子)に印字文字に対応した帯電量を与え、帯電されたインク液滴に偏向を加えて被印字物に飛翔させドット状の印字を行うものである。このようなインクジェット記録装置では、印字品質を向上させるため、インク液滴に帯電する帯電量を適正なものとする必要がある。そのような目的を達成するために、例えば、特表2014-504974号公報(特許文献1)に記載された技術が知られている。
この特許文献1では、液滴の帯電量の変動を静電検出器によりモニタリングし、堅調な動作、及び制御された印刷品質を得ることを目的としている。そのための手段として、この特許文献1は、インクジェットの離脱品質を判定するために、a)第一列のN1個の液滴を発生させる工程であって、前記液滴全てが、帯電手段によって同一電圧V1で帯電されている工程と、b)その後、前記帯電手段によって第2電圧(VG1)で帯電された少なくとも1つの液滴G1を発生させる工程であって、前記液滴G1には、前記帯電手段によってV1よりも低い第3電圧(VG2)で帯電された少なくとも1つの液滴G2が後続する工程と、c)その後、第2列のN2個の液滴を発生させる工程であって、前記液滴全てが、前記帯電手段によって同一の電圧V2で帯電されている工程と、d)静電検出器を介して、前記液滴G1及びG2によって離間された前記第一列の液滴及び前記第2列の液滴を有する偏向されていない液滴のジェットにおける電荷変動を、前記ジェットが前記静電検出器の前を通過する前に測定する工程と、を有することを開示している。
連続噴出式荷電制御型のインクジェット記録装置は、一秒間に数万個のインク液滴を噴出して印字を行う。このため、高速な印字が可能である。インクジェット記録装置を用いて印字を行うには、ユーザは、意図した印字の大きさと印字ドットの所定位置からのずれをなくした高品質の印字を実現するために複雑で慎重な調整を行う必要がある。
前記特許文献1には、印字に使用しないインク液滴の微小な電荷変動を静電検出器によって測定し、その電荷変動から、サテライトと呼ばれる微小径のインク液滴の発生を感知する制御が記載されている。本制御によって、インクを液滴化するための励振電圧と、インク液滴に帯電するための帯電電圧を調整し、安定した液滴化と、液滴内への所望の帯電量の保持が可能となる。一方で、前記特許文献1に記載の方法では、インクの密度等、インクの物性の違いが、印字品質に及ぼす悪影響を考慮していないという問題があった。ここで考慮されるべき印字品質への悪影響はスキャッタである。スキャッタとは、飛翔中の複数の帯電液滴が各々の空気抗力の差に起因して接近した際、液滴同士の影響でクーロン力が発生し、反発する現象である。この結果、液滴の飛翔軌跡がずれ、液滴が形成する印字ドット着弾位置の制御性が低下し、印字の視認性を低下させる。ここで、スキャッタは、使用する帯電電圧が同一である場合、軽いインク、即ち密度の小さいインクほど、発生リスクが高くなる。前記特許文献1では、インクの物性が変化した際でも、基準となる帯電電圧は変えず、所望の帯電量が液滴に保持されているかのみを判断する。このため、密度の小さいインクを用いた印字を実施する際は、液滴化自体は安定して行われるものの、スキャッタが発生するリスクが増大してしまう。
このような状況に鑑み、本発明の目的は、密度が異なるインクに変更して印字する場合でも、高品質の印字、すなわち上記のスキャッタの発生リスクを低減させ、かつ所望の文字高さを実現するインクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法を提供することにある。
本発明は、その一例を挙げると、供給されるインクをインク液滴として噴出するインクノズルと、前記インク液滴に帯電電圧を印加して帯電させる帯電電極と、前記インク液滴に偏向をかける偏向電極と、印字に使われなかった前記インク液滴を捕集するガターと、を備える印字ヘッドと、前記インク液滴を帯電するために前記帯電電極を制御する制御部と、を有するインクジェット記録装置であって、前記制御部は、使用するインクのインク密度に基づき前記インク液滴へ与える前記帯電電圧の範囲を定める基準帯電電圧レンジを決定し、前記基準帯電電圧レンジに基づき前記帯電電極を制御するインクジェット記録装置である。
また、本発明の他の例を挙げると、供給されるインクをインク液滴として噴出するインクノズルと、前記インク液滴を帯電させる帯電電極と、前記インク液滴に偏向をかける偏向電極と、印字に使われなかった前記インク液滴を捕集するガターと、を備える印字ヘッドと、インク液滴に帯電するための帯電電圧を制御する制御部と、を有するインクジェット記録装置の制御方法であって、印字に使用するインクのインク密度に基づき前記帯電電圧の範囲を定める基準帯電電圧レンジを決定し、前記基準帯電電圧レンジに基づき前記帯電電極を制御するインクジェット記録装置の制御方法である。
本発明によれば、密度の異なるインクによる印字であっても、スキャッタの発生リスクを低減し、かつ定められた所望の文字高さの印字を実現することができるインクジェット記録装置及びインクジェット記録装置の制御方法を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。すなわち、本発明の技術思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その構成を変更しうることは当業者であれば容易に理解される。
また、以下に説明する実施例の構成において、同一機器又は同様の機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、重複する説明を省略することがある。
また、図面に示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の製品における機器構成の位置、大きさ、形状、範囲などを表してはいない。それ故、本発明は、図面に開示された構成機器の位置、大きさ、形状、範囲などに限定されるものではない。
また、以下に説明する実施例の構成において、同一機器又は同様の機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、重複する説明を省略することがある。
また、図面に示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の製品における機器構成の位置、大きさ、形状、範囲などを表してはいない。それ故、本発明は、図面に開示された構成機器の位置、大きさ、形状、範囲などに限定されるものではない。
[実施例1]
次に、本発明の実施例1について、図1~図8を用いて説明する。図1は、インクジェット記録装置全体の外観図である。図2は、インクジェット記録装置の概略構成を示す図である。図3は、帯電電圧と印字文字の高さの関係を説明する図である。図4は、帯電電圧とインク密度の関係を説明する図である。図5は、インクとインク密度との対応表示す図である。図6は、本発明の実施例1におけるインクジェット記録装置の構成を示す図である。図7は、実施例1における、印字開始時における帯電電圧範囲設定の手順を示すフロー図である。図8は、実施例1における、印字実行時の帯電電圧範囲を修正する手順を示すフロー図である。
次に、本発明の実施例1について、図1~図8を用いて説明する。図1は、インクジェット記録装置全体の外観図である。図2は、インクジェット記録装置の概略構成を示す図である。図3は、帯電電圧と印字文字の高さの関係を説明する図である。図4は、帯電電圧とインク密度の関係を説明する図である。図5は、インクとインク密度との対応表示す図である。図6は、本発明の実施例1におけるインクジェット記録装置の構成を示す図である。図7は、実施例1における、印字開始時における帯電電圧範囲設定の手順を示すフロー図である。図8は、実施例1における、印字実行時の帯電電圧範囲を修正する手順を示すフロー図である。
まず、最初に、図1および図2により、本発明の実施例1におけるインクジェット記録装置の概略構成と印字制御について説明する。
図1において、インクジェット記録装置は、インクの供給を受けて印字を行う印字ヘッド2と、印字用のインクを印字ヘッド2に送給しかつ印字に使用しなかったインクを印字ヘッド2から回収する装置本体1とを備えている。ケーブル5は、装置本体1と印字ヘッド2との間を接続する。また、装置本体1は、内部に制御部3を備えている。この制御部3は、装置本体1のインク供給制御および印字ヘッド2の印字制御(帯電制御)などを実行する。操作表示部4は、装置本体1の前面部に配備され、印字操作に関する情報を表示し、また印字文字等の印字に必要な情報を制御部3に入力するなどの機能を有する。操作表示部4には、例えば、表示機能およびデータ入力機能を有するタッチパネルなどを使用する。
印字ヘッド2は、ベルトコンベア等の搬送装置6で搬送される被印字物10に所定の印字を行う。図の矢印は被印字物10の移動(搬送)方向を示す。被印字物10が印字位置に到達すると、制御部3は、印字ヘッド2を制御し、印字ヘッド2が被印字物10に対する印字を実施する。
次に、図2により、インクジェット記録装置の印字制御原理を説明する。図2において、図1と同じ符号(番号)は、同じ機器を示す。まず、装置本体1は、インク109を貯留(収容)するインクタンク11と、インク109を印字ヘッド2に供給するためのインク供給ポンプ12と、印字ヘッド2のガター25により捕集されたインクをインクタンク11に回収するためのインク回収ポンプ13とを備えている。
図2において、印字ヘッド2は、装置本体1から送給されたインクを液滴化する(インク粒子にする)ためのインクノズル21を備える。インクノズル21は、圧電素子を備えており、その圧電素子に周期的な励振電圧を加える。これにより、インクノズル21内のインクが励振され、インクノズル21よりインク柱110として吐出(噴出)されたのち、インク液滴が生成される。生成されたインク液滴は、高速で直進する。
さらに、印字ヘッド2は、帯電電極22と、偏向電極(偏向電極正極23と偏向電極負極24とで構成される)と、ガター25とを備えている。帯電電極22は、飛翔中のインク液滴に対し印字内容に対応した帯電電圧を印加し、インク液滴を帯電させる。偏向電極は、帯電されたインク液滴に対し帯電量に対応した偏向を生じさせ、被印字物10に向けインク液滴111を飛翔させる。これにより、インク液滴111が被印字物10に到達し着弾する。このインク液滴の着弾により、被印字物10に印字が行われる。一方、帯電電極22で帯電されなかったインク液滴112(印字に使用しないインク液滴)は偏向電極内で偏向されず直進し、ガター25により捕集(捕捉)される。ガター25により捕集されたインク液滴112は、装置本体1のインクタンク11に回収される。
図2において、制御部3は、印字ヘッド2の帯電制御などを行うヘッド制御と、装置本体1内のポンプなどを制御する本体制御を行う。ただし、本発明は、主に帯電制御に関する内容であるため、以下では、制御部は、ヘッド制御、特にインク液滴に対する帯電制御を中心に説明する。
次に、本発明の実施例の理解を容易にするために、従来発生していた印字の問題について図3、図4を用いて説明する。
図3は、一般的な偏向電圧と帯電電圧制御の関係を示している。インクジェット記録装置では、N×Mドットで構成される印字マトリクスにおいて縦方向に1列ずつスキャンを行い、その方向と垂直にコンベア上の印字対象物が搬送され続けることにより、2次元の印字内容を形成する。縦方向の1列のスキャンでは、その最下位に位置するドットを形成する液滴に対して、帯電電圧下限値201をもって帯電を実施し、最上位に位置するドットを形成する液滴に対して、帯電電圧上限値202をもって帯電を実施する。また、最下位と最上位の間に存在するドットを形成するインク液滴を帯電するための帯電電圧は、その個数に応じて、基準帯電電圧レンジ内を、例えば線形的に補間することによって、決定される。また、印字の大きさを表現するために、文字高さという概念がある。文字高さは、最下位ドットと最上位ドットの距離として定義される。印字を行う際には、印字対象物、及び印字内容のサイズが定まると、そのサイズを考慮して、文字高さを変更しなければならない。文字高さの変更は、従来は、帯電電圧下限値201と帯電電圧上限値202は変えずに、偏向電圧203を調整することで、実現されている。
一方で、そのような制御を用いたとき、インクの密度を考慮すると、所定の文字高さにするための制御(文字高さの制御性)、及びドットの着弾位置のずれをなくすための制御(ドットの着弾位置の制御性)について問題が生じる。
まず、文字高さの制御性について述べる。インクの種類の変更、あるいは長時間運転によるインク濃度の変化に起因するインク密度の変化によって、文字高さが変化する問題がある。インク液滴の偏向量Dは、偏向量予測式から、D=(VQ/2tM)(b/Vd)2(1+(2L/b))という式で表すことができる。
この数式において、Vは偏向電圧[V]、Qは帯電量[C]、tは偏向電極間のギャップ[m]、Mは液滴質量[kg]、bは偏向電極の長さ[m]、Vdは液滴の初期速度[m/s]、Lは偏向電極端から印字対象物までの距離[m]を表す。
この数式において、Vは偏向電圧[V]、Qは帯電量[C]、tは偏向電極間のギャップ[m]、Mは液滴質量[kg]、bは偏向電極の長さ[m]、Vdは液滴の初期速度[m/s]、Lは偏向電極端から印字対象物までの距離[m]を表す。
ここで、インク密度ρ[kg/m3]が関連するのは、液滴質量Mである。液滴を完全な球であると仮定すると、液滴質量Mは、M=(π/6)ρd3である。dは、液滴径[m]を表す。
これらの関係から、インク密度ρが大きくなると液滴質量Mが増加し、偏向量Dが小さくなる。そのため、印字に使用するインクのインク密度が大きいインクからインク密度が小さいインクに変化した場合、同じ文字高さの設定としていても、文字高さが設定よりも大きくなる。また、インクジェット記録装置の長時間運転中にインク濃度が変化した場合、その変化に起因してインク密度が変化すると、文字高さが経時的に変化する。このようなことから、文字高さの制御性を向上させ、かつ経時的な密度変化に対する文字高さの均一性を実現するための、帯電制御実装が課題となる。
次に、ドットの着弾位置の制御性について述べる。インクの種類の変更、あるいは長時間運転によるインク濃度(粘度)の変化に起因するインク密度の変化によって、スキャッタの発生状況が変化する問題がある。図3に示したような帯電制御において、インク密度が変化した場合でも、印字する内容と文字高さが変化しない場合は、インク液滴に印加する帯電電圧、及び帯電量は変化しない。ここで、インク密度が小さくなるほど、液滴同士が接近した際に、クーロン力の影響が大きくなるため、反発による飛翔軌跡のずれが大きくなり、ドットの着弾位置の位置ずれが生じ制御性が低下する。以上のことから、インクの種類が変化する、あるいは経時的にインク密度が変化した際でも、スキャッタの発生リスクが最小限とするような帯電制御を行うことが課題となる。
本発明の実施例1では、以上説明したような課題、すなわち、密度が異なるインクによる印字であっても、高品質の印字、すなわち上記のスキャッタの発生リスクを低減させ、かつ所望の文字高さを実現することを可能とするインクジェット記録装置を提供することにある。
次に、本発明の実施例1における帯電制御方法について、図4および図5により説明する。
まず、図4により、実施例1における帯電電圧制御について説明する。図4の縦軸は帯電電圧を示し、横軸はインク密度を表している。図4に示すように、インク密度が変化すると、帯電電圧の上限値と下限値間の電圧範囲が変化する。この帯電電圧の電圧範囲を「基準帯電電圧レンジ」と称する。図4の関係から、例えば、インク密度が大きいインクを使用して印字する際は、基準帯電電圧レンジを広く(大きく)し、高い帯電電圧範囲に基準帯電電圧レンジをとる。一方で、インク密度が小さいインクを使用して印字する際は、基準帯電電圧レンジを狭く(小さく)し、低い帯電電圧範囲に基準帯電電圧レンジをとる。上述のように基準帯電電圧レンジを設定することで、同一の偏向電圧を適用して印字した際に、密度の異なるインクを使用して印字した場合でも、所定の文字高さを維持した印字が可能となる。また、この基準帯電電圧レンジを基に文字高さを変化させる際は、偏向電圧を変更する、あるいは基準帯電電圧レンジを微小に変更することにより実現可能となる。また、密度が小さいインクを印字する際の基準帯電電圧レンジを、低い帯電電圧範囲に取ることで、インク液滴が保持する帯電量が小さくなる。帯電量が小さくなることで、複数の液滴が飛翔中に接近した際も、液滴に働くクーロン力が小さくなるため、スキャッタが発生して着弾位置の制御性の低下を最小限に抑えることが可能となる。
まず、図4により、実施例1における帯電電圧制御について説明する。図4の縦軸は帯電電圧を示し、横軸はインク密度を表している。図4に示すように、インク密度が変化すると、帯電電圧の上限値と下限値間の電圧範囲が変化する。この帯電電圧の電圧範囲を「基準帯電電圧レンジ」と称する。図4の関係から、例えば、インク密度が大きいインクを使用して印字する際は、基準帯電電圧レンジを広く(大きく)し、高い帯電電圧範囲に基準帯電電圧レンジをとる。一方で、インク密度が小さいインクを使用して印字する際は、基準帯電電圧レンジを狭く(小さく)し、低い帯電電圧範囲に基準帯電電圧レンジをとる。上述のように基準帯電電圧レンジを設定することで、同一の偏向電圧を適用して印字した際に、密度の異なるインクを使用して印字した場合でも、所定の文字高さを維持した印字が可能となる。また、この基準帯電電圧レンジを基に文字高さを変化させる際は、偏向電圧を変更する、あるいは基準帯電電圧レンジを微小に変更することにより実現可能となる。また、密度が小さいインクを印字する際の基準帯電電圧レンジを、低い帯電電圧範囲に取ることで、インク液滴が保持する帯電量が小さくなる。帯電量が小さくなることで、複数の液滴が飛翔中に接近した際も、液滴に働くクーロン力が小さくなるため、スキャッタが発生して着弾位置の制御性の低下を最小限に抑えることが可能となる。
なお、この基準帯電レンジは、インクの種類毎に、上述した偏向量予測式、実験、あるいはシミュレーションといった手法から決定可能である。インク毎のインク密度は事前に求める(例えば、工場出荷前に決定し、インクジェット記録装置内に記憶しておく)ことができる。このように事前に求めたインクとインク密度との対応表(インク・インク密度表))の例を、図5に示す。図5では、インク種類に対応して、予め実験等で求めたそのインクのインク密度を対応した対応表として表している。
インクジェット記録装置において、図4で示したような関係を用いて帯電電圧制御を実施するには、印字の実行開始時に、インク毎の初期のインク密度の情報が必要となる。そのため、印字開始時において基準帯電電圧レンジを初期設定する際に、図5に示したような対応表があれば便利である。例えば、図5に示すような対応表をメモリに記憶させておき、印字開始時に、操作表示部からインクの種類を入力することにより、そのインクに対応するインク密度を決定することができる。その印字に使用するインクに対応するインク密度から、基準帯電電圧レンジを設定する。
次に、上述した技術課題を解決するための具体的な本発明の実施例1について、図6~図8を用いて説明する。
まず、図6により実施例1の全体構成について説明する。この図6の説明では、すでに図1および図2にて説明した機器の内容や動作の説明は省略、あるいは簡単な説明に留める。図6に示す実施例1のインクジェット記録装置は、装置本体1と、印字ヘッド2と、制御部3と、操作表示部4とを有する。
装置本体1は、すでに説明したインクタンク11、インク供給ポンプ12,インク回収ポンプ13の他に、インクタンク11内のインクの質量を計測するための質量計16と、インクタンク11内のインクの液面を検出する液面レベルセンサ15とを搭載する。インクの質量は、総重量からインクタンクの重量を差引くことで質量を求めることができる。また、インクタンク11の形状は既知であり、液面レベルセンサ15の検出値によって、インクタンク11内のインクの体積が検出できる。したがって、求められたインクの体積でインクの質量を除すことで、インクタンク11に保持されている現在使用中のインクのインク密度を演算により測定することができる。この実施例では、このインク密度は、制御部3において計測する。すなわち、液面レベルセンサ15および質量計16の検出値は、制御部3内に入力され、制御部3内で演算により計測する。
制御部3は、すでに説明したように、装置本体1および印字ヘッド2の制御(帯電制御)を実行する。この実施例1における制御部3は、通常の計算機により実現できる。図6の場合、制御部3は、演算処理部31、記憶部32、入出力部33、通信制御部34、およびこれらの各機器間での通信を実施するためのバス35(バス通信路)で構成する。
記憶部32は、制御に使用するためのプログラムを記憶するとともに、制御において使用するデータや情報および演算結果などを記憶する。
演算処理部31は、装置全体の演算処理(制御)を実行するために設けられており、記憶部32に記憶されたプログラムおよびデータや情報を用いて、制御のための各種演算を行い、装置本体1および印字ヘッド2を制御する。
入出力部33は、各検出機器からの検出値を入力し、演算処理部31の指示により記憶部32に記憶させ、記憶部32に記憶された制御データや制御信号などを演算処理部31の制御指示により、装置本体1および印字ヘッド2内の機器に出力するものである。
通信制御部34は、図示しない外部装置から送信される情報やデータ等を、通信路40を介して受信し演算処理部31の指示により記憶部32に記憶させ、記憶部32に記憶されている情報やデータ等を演算処理部31の指示に従って外部装置に送信する。
バス35は、制御部3内の各機器間の情報等の送受信を実行する通信路である。操作表示部4は、このバス35に接続されており、操作者からのデータ等を制御部3内の記憶部32に記憶させることができる。
さて、このような図6に示すインクジェット記録装置は、印字を実行する際に、インク種類を示すデータが何らかの入力手段から入力される。インク種類の入力手段としては、この例では、操作表示部4の操作により入力したり、外部装置から通信制御部34を介して入力する。また、インクボトルにバーコードなどを印刷しておき、図示しないバーコードリーダからバーコードを読み込ませても良い。このようなインク種類の入力により、制御部3は、このインク(インク種類)に対応したインク密度を選択することができる。具体的には、インクの種類が入力されると、この情報はいったん記憶部32に記憶され、演算処理部31はこのインク種類と事前に記憶部32に記憶されている図5に示したような対応表を参照してインク密度を選択する。この選択により得られたインク密度は、印字に使用するインクの初期のインク密度として記憶部32に記憶される。次に、制御部3(具体的には、演算処理部31)は、この選択されたインク密度から図4に示すような関係を利用して印字開始時点における基準帯電電圧レンジを設定する。この基準帯電電圧レンジも記憶部32に記憶される。また、被印字物10に印字する印字内容が、例えば、操作表示部4から入力されると、これを記憶部32に記憶する。演算処理部31は、この印字内容および基準帯電電圧レンジに基づいて、印字ドット毎のインク液滴を帯電するための帯電電圧を決定し、帯電電圧(制御信号)を入出力部33を介して帯電電極22に与え、帯電電極22において決定した帯電電圧をインク液滴に印加し、印字が行われる。文字ごとに定められて記憶されているN×Mの印字マトリクスに対応して、このマトリクスのどの位置に対応するインク液滴であるかにより、飛翔中の各インク液滴に帯電するための帯電電圧を決定することができる。この帯電電圧を帯電電極22にてインク液滴に印加する。これにより、インク液滴は、偏向電極内で帯電量に応じて偏向され、被印字物10上に印字を行う。
お、被印字物10への印字は、図示しないセンサが移動中の被印字物10を検知し、被印字物10が印字開始位置に到達したタイミングで開始する。
お、被印字物10への印字は、図示しないセンサが移動中の被印字物10を検知し、被印字物10が印字開始位置に到達したタイミングで開始する。
次に、この制御部3の印字開始の際の動作について、図7を用いて説明する。まず、図7のステップS01において、インクタンク11にインク液を補給した際、ステップS02に示すように、そのインクの種類をインクジェット記録装置に入力する。入力方法は、インクジェット記録装置に搭載されているGUIを操作表示部に表示し、その上から操作することにより入力する。あるいは、インクカートリッジによる注入方式の場合は、インクカートリッジ本体にタグをつけておき、センサで自動的にインク種類を読み込ませるなどの方法を利用する。
ステップS03では、インク種類の入力により、図5に示す対応表(インク種類とインク密度の対応表)によりインク密度を選択する。なお、質量計16、液面レベルセンサ15の検出値を入力してインク密度を測定しても良い。ステップS04では、選択したインク密度から、基準帯電電圧レンジを決定(設定)する。
次に、ステップS05において、決定した基準帯電電圧レンジと、印字する内容に応じて、印字時に出力する帯電電圧波形を生成する。その後、ステップS06において、偏向電圧を調整して文字高さを決定する。そして、ステップS07において印字を開始する。このような手順で印字開始時の動作が行われる。これにより、インクのインク密度が変わった場合でも、同等の文字高さで、かつスキャッタによるドット着弾位置の制御性低下リスクを低減した印字が可能となる。
ところで、印字開始時にその時点のインク密度に基づき適切な基準帯電電圧レンジを決定して、印字を開始したとしても、その後、インクの性状は経時的に変化することが考えられる。この場合、最初に設定した基準帯電電圧レンジに基づく帯電電圧制御では、安定した印字を実行することが難しくなる場合がある。そのため、図6に示す実施例1では、経時的に変化するインク密度に合わせて、基準帯電電圧レンジを補正する制御を実行する構成とした。すなわち、制御部3は、液面レベルセンサ15および質量計16の検出値を所定の間隔で入力し、その時点におけるインクのインク密度を演算により計測し、この計測したインク密度に基づいて当初の基準帯電電圧レンジを修正する制御を行う。
このような制御により、時々刻々変化するインク密度に対応した適切な帯電制御を実現することができる。
次に、印字実行中のインク密度の経時変化に対応する制御フローについて、図8により説明する。図8のステップS11において、質量計16、液面レベルセンサ15の検出値を用いて、インクタンク11内のインク密度を測定する。この測定は、時間周期的に計測する。なお、計測は、時間周期的でなくても良いが、インク密度が大きく変化しない程度の時間を過ぎないような頻度で計測することは必要である。時間周期的にインク密度を計測する場合の周期間隔は、印字中の環境を考慮して決定されることが望ましい。例えば、高温環境下にて印字を実施する際は、インク液から溶剤の揮発量が多くなることが予測される。この場合、インク密度を計測する時間周期を短くすることで、インク密度の細かい変化を捕捉することが可能となる。
次に、ステップS12では、測定したインク密度の変化が閾値を超えるか否かを判断する。この判断(判定)において、測定したインク密度が閾値以内である場合(NOの場合)には、ステップS13において、現状のままで、すなわち設定した基準帯電電圧レンジに基づいた帯電電圧制御を修正せず運転を続行する。ステップS12において、測定したインク密度が閾値以上である場合(YESの場合)には、ステップS14に進む。
ステップS14では、測定したインク密度に基づいて、基準帯電電圧レンジを再設定(修正)する。続くステップS15では、再設定(修正)した基準帯電電圧レンジ、及び印字内容を基に、帯電電圧波形を修正する。そして、ステップS16では、この修正された帯電電圧波形による帯電電圧制御により印字を再開する。
このような制御により、インク密度が経時変化した際も、常に均一な文字高さで印字を実行することが可能となる。
[実施例2]
次に、本発明の実施例2について図9および図10を用いて説明する。図9は、実施例2におけるインクジェット記録装置の構成を示す図である。実施例1と実施例2とは、インク密度を測定する方法の違いを除き、基本的に同様の構成である。そのため、上述した説明と同様の事項に関する説明は省略し、実施例1と異なる内容を中心に実施例2を説明する。
次に、本発明の実施例2について図9および図10を用いて説明する。図9は、実施例2におけるインクジェット記録装置の構成を示す図である。実施例1と実施例2とは、インク密度を測定する方法の違いを除き、基本的に同様の構成である。そのため、上述した説明と同様の事項に関する説明は省略し、実施例1と異なる内容を中心に実施例2を説明する。
図9において、装置本体1内にインク粘度を検出する粘度計17を設けている。そして、制御部3の記憶部32には、粘度とインク密度との関係性を示す関係情報を、例えば、関係表として記憶している。この関係表は、事前に実験等により求めて記憶部32に記憶しておく。そのため、制御部3は、インク粘度を検出すれば、その検出値を関係表に当てはめる(適用する)ことにより、一義的にインク密度を測定することが可能となる。
なお、この実施例では、粘度計17をインクタンク11内のインクをインクノズル21に供給する経路の途中に設けて検出する構成としたが、それ以外の場所で検出するようにしても良い。また、この粘度計は、この実施例では粘度自体を直接検出するものとしたが、例えば、粘度によりインクノズルから吐出するインクの速度が変化する現象を利用して間接的に粘度を検出するようにしても良い。
この実施例2においても、実施例1と同様に、記憶部32内に図4で示したような対応表を記憶しておき、インクの種類を入力することにより、制御部3はその対応表から印字に使用するインクのインク密度を選択する。この選択により得られたインク密度に基づき、図4に示すような関係を利用して印字当初における基準帯電電圧レンジを設定する。演算処理部31は、この印字内容および基準帯電電圧レンジに基づいて、帯電電圧を決定し帯電電圧(制御信号)を帯電電極22に与え、帯電電極22において決定した帯電電圧をインク液滴に印加するようにして印字を開始する。これらは実施例1と同様の動作となる。また、制御部3の印字開始時の動作は、実施例1で説明した図7と同様である。そのため、実施例2における印字開始時の動作の説明は省略する。
次に、この実施例2における、インク密度の経時変化に対応する制御フローを図10により説明する。この図10の動作は、基本的に実施例1における図8とほぼ同様の動作であり、実施例1と異なる内容について説明する。
図10において、ステップS21では、粘度計17の検出値を入力する。時間周期的にインク粘度を検出する場合の周期間隔は、印字中の環境を考慮して決定されることが望ましい。例えば、高温環境下にて印字を実施する際は、インク液から溶剤の揮発量が多くなることが予測される。この場合、インク粘度を計測する時間周期を短くすることで、インク密度の細かい変化を捕捉することが可能となる。次に、ステップS22では、この検出値と予め記憶している粘度とインク密度との関係性を示す関係表を用いて、インク密度を計測する。ステップS12では計測したインク密度の変化が閾値以上か否かを判断する。
この判断の結果、ステップS13~ステップS16の動作手順を実行するが、それらは、図8で示すステップS12~ステップS16と同様の動作である。そのため、それらの説明は省略する。
このように時系列的に変化するインク密度を計測し、そのインク密度に対応して基準帯電電圧レンジを修正するので、適切な帯電電圧制御を行うことができ、インク密度が経時変化した際も、常に均一な文字高さで印字を実行することが可能となる。
[実施例3]
次に、本発明の実施例3について図11および図12を用いて説明する。図11は、実施例3におけるインクジェット記録装置の構成を示す図である。この実施例3は、基本的にすでに説明した実施例1および2と同様の構成であるが、印字開始後の制御内容に違いがある。従って、ここでは、実施例1および2と同様の説明は省略し、実施例1、実施例2と異なる部分を中心に実施例3を説明する。
次に、本発明の実施例3について図11および図12を用いて説明する。図11は、実施例3におけるインクジェット記録装置の構成を示す図である。この実施例3は、基本的にすでに説明した実施例1および2と同様の構成であるが、印字開始後の制御内容に違いがある。従って、ここでは、実施例1および2と同様の説明は省略し、実施例1、実施例2と異なる部分を中心に実施例3を説明する。
図11においては、装置本体1内にインク密度を計測するためのセンサ類は設けていないが、被印字物10の印字状態を撮影しその画像信号を出力するカメラ70を設けている。また、制御部3には、カメラ70の画像信号を入力し、画像処理により印字状態、すなわち、印字高さおよび印字ドット位置の予定地からのずれを抽出するための画像処理部36を設けている。その他の点は、実施例1および実施例2の場合と同様である。
この実施例3においても、実施例1と同様に、記憶部32内に図4で示したような対応表を記憶しておき、インクの種類を入力することにより、制御部3はその対応表から印字に使用するインクのインク密度を選択する。この選択により得られたインク密度に基づき、印字当初における基準帯電電圧レンジを設定する。演算処理部31は、この印字内容および基準帯電電圧レンジに基づいて、帯電電圧を決定し帯電電圧(制御信号)を帯電電極22に与え、帯電電極22において決定した帯電電圧をインク液滴に印加するようにして印字を開始する。これらは実施例1と同様の動作となる。また、制御部3の印字開始時の動作は、実施例1で説明した図7と同様である。そのため、実施例2における印字開始時の動作の説明は省略する。
次に、この実施例3における、インク密度の経時変化に対応する制御フローを図12により説明する。
図12において、ステップS31では、カメラ70からの画像信号を入力し、その画像信号に基づいて印字結果の印字状態(文字高さ)を評価する。この画像処理は、画像処理部36により行われ、印字状態は記憶部32に記憶され、演算処理部31はこの印字状態を使用して制御動作を実行する。すなわち、図12のステップS32において、文字高さのずれ(当初予定した文字高さと画像処理で得られた文字高さとの差)が閾値以上か否かを判断する。
この判断の結果、閾値以内であると判断した場合(NOの場合)は、ステップS33に進み、そのまま印字を実行する。判断の結果、閾値以上である場合(YESの場合)は、次のステップS34に進む。ステップS34では、基準帯電電圧レンジを文字高さに応じて修正する。ステップS35では、この修正された基準帯電電圧レンジとお院に内容とに基づき、帯電電圧波形を修正する。そして、ステップS36において、印字動作を再開する。
印字再開後において、ステップS37では、印字再開後の被印字物10への印字結果をカメラ70で撮影する。その画像信号は制御部3内の画像処理部36で画像処理され、印字結果の文字高さを評価する。この動作がステップS37の動作である。
次に、ステップS38に進み、文字高さのずれが閾値以上か否かの判断を行う。このステップS38において、文字高さのずれが閾値以内である場合(YESの場合)はステップS34に戻る。つまり、文字高さのずれが閾値以下になるまで、ステップS34~ステップS38の動作が繰り返される。ステップS38において、文字高さのずれが閾値以下になった場合(NOの場合)、そのまま印字を継続する。
このような制御により、本発明の実施例3によれば、インク密度に対応して基準帯電電極レンジを設定することができ、かつ印字中にインク密度が変化した場合も、カメラの画像に基づきその印字結果(印字状態)を認識して適切な基準帯電電圧レンジを再設定(修正)するので、所定の印字高さの高品質な印字を実現することができる。
1…装置本体、2…印字ヘッド、3…制御部、4…操作表示部、5…ケーブル、6…搬送装置、10…被印字物、11…インクタンク、12…インク供給ポンプ、13…インク回収ポンプ、15…液面レベルセンサ、16…質量計、17…粘度計、21…インクノズル、22…帯電電極、23…偏向電極正極、24…偏向電極負極、25…ガター、31…演算処理部、32…記憶部、33…入出力部、34…通信制御部、35…バス、36…画像処理部、70…カメラ
Claims (14)
- 供給されるインクをインク液滴として噴出するインクノズルと、前記インク液滴に帯電電圧を印加して帯電させる帯電電極と、前記インク液滴に偏向をかける偏向電極と、印字に使われなかった前記インク液滴を捕集するガターと、を備える印字ヘッドと、前記インク液滴を帯電するために前記帯電電極を制御する制御部と、を有するインクジェット記録装置であって、
前記制御部は、使用するインクのインク密度に基づき前記インク液滴へ与える前記帯電電圧の範囲を定める基準帯電電圧レンジを決定し、前記基準帯電電圧レンジに基づき前記帯電電極を制御するインクジェット記録装置。 - 請求項1に記載されたインクジェット記録装置において、
前記制御部は、前記インクと前記インク密度との対応表を記憶しておき、前記インクの種類が入力されると前記対応表を用いて前記インク密度を選定し、該選定された前記インク密度に基づき前記基準帯電電圧レンジを決定することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1に記載されたインクジェット記録装置において、
前記インク密度を計測するインク密度計測部を備え、前記制御部は、印字開始時に決定された前記基準帯電電圧レンジを、該計測された前記インク密度に基づいて補正することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項3に記載されたインクジェット記録装置において、
前記インク密度計測部は、前記インクノズルに供給するためのインクを貯留するインクタンクの液面を検出する液面レベルセンサの検出値と、前記インクタンクに貯留された前記インクの質量を計測する質量計の検出値とを利用して前記インク密度を計測することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項3に記載されたインクジェット記録装置において、
前記インク密度計測部は、前記インクノズルに供給するためのインクを貯留するインクタンク内のインク粘度を利用して前記インク密度を計測することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1に記載されたインクジェット記録装置において、印字結果を撮影し画像信号を出力するカメラを備え、
前記制御部は、前記画像信号を処理して印字状態を計測し、前記印字状態と基準印字状態との差異を求め、該差異が閾値を超える場合に前記基準帯電電圧レンジを補正することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 請求項1に記載されたインクジェット記録装置において、
前記制御部は、前記インク密度を用いて前記基準帯電電圧レンジおよび偏向電圧を決定し、該決定された前記基準帯電電圧レンジに基づき前記帯電電極を制御するとともに、前記偏向電圧に基づき前記偏向電極を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 供給されるインクをインク液滴として噴出するインクノズルと、前記インク液滴を帯電させる帯電電極と、前記インク液滴に偏向をかける偏向電極と、印字に使われなかった前記インク液滴を捕集するガターと、を備える印字ヘッドと、インク液滴に帯電するための帯電電圧を制御する制御部と、を有するインクジェット記録装置の制御方法であって、
印字に使用するインクのインク密度に基づき前記帯電電圧の範囲を定める基準帯電電圧レンジを決定し、前記基準帯電電圧レンジに基づき前記帯電電極を制御するインクジェット記録装置の制御方法。 - 請求項8に記載のインクジェット記録装置の制御方法において、
前記インクと前記インク密度との対応表を記憶しておき、前記インクの種類が入力されると前記対応表を用いて前記インク密度を選定し、該選定された前記インク密度に基づき前記基準帯電電圧レンジを決定することを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。 - 請求項8に記載されたインクジェット記録装置の制御方法において、
印字途中に前記インク密度を計測し、印字開始時に決定された前記基準帯電電圧レンジを、該計測された前記インク密度に基づいて補正することを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。 - 請求項3に記載のインクジェット記録装置の制御方法において、
前記インク密度は、前記インクノズルに供給するためのインクを貯留するインクタンクの液面レベルおよび前記インクタンクに貯留された前記インクの質量に基づき計測することを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。 - 請求項10に記載されたインクジェット記録装置の制御方法において、
前記インク密度は、前記インクノズルに供給するためのインクを貯留するインクの粘度を利用して計測することを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。 - 請求項8に記載されたインクジェット記録装置の制御方法において、
印字結果を撮影するカメラからの画像信号を処理して印字状態を計測し、前記印字状態と基準印字状態との差異を求め、該差異が閾値を超える場合に前記基準帯電電圧レンジを補正することを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。 - 請求項8に記載されたインクジェット記録装置の制御方法において、
前記インク密度を用いて前記基準帯電電圧レンジおよび偏向電圧を決定し、決定された前記基準帯電電圧レンジに基づき前記帯電電極を制御するとともに、前記偏向電圧に基づき前記偏向電極を制御するインクジェット記録装置の制御方法。
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JP2022105189A JP2024005136A (ja) | 2022-06-29 | 2022-06-29 | インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法 |
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