JP2024005086A - マイクロ波加熱装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024005086000001
【課題】本開示は、マイクロ波を用いて加熱対象を加熱するにあたり、空洞共振器の磁界方向に対する励振ループの傾斜角度によらず、マイクロ波加熱装置の共振周波数を維持するとともに、マイクロ波加熱装置の入力インピーダンスとマイクロ波発生器の出力インピーダンスとの整合を確実に維持することを目的とする。
【解決手段】本開示は、空洞共振器1の内部及び側壁に設置され、空洞共振器1を励振するとともに、自装置Mの入力インピーダンスがマイクロ波発生器の出力インピーダンスと整合するように、空洞共振器1の磁界方向に対する傾斜角度を設定される励振ループ3と、空洞共振器1の内部及び側壁に設置され、給電されることなく、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度によらず、自装置Mの共振周波数が所望共振周波数を維持するように、空洞共振器1の磁界方向に対する傾斜角度を設定される無給電ループ4と、を備える。
【選択図】図3

Description

本開示は、マイクロ波を用いて加熱対象を加熱する技術に関する。
マイクロ波を用いて加熱対象を加熱する技術が、特許文献1等に開示されている。例えば、水素を発生させるために、マイクロ波を用いて触媒を加熱している。特許文献1では、空洞共振器の基本モード(TM01モード等)を用いて、マイクロ波電界を空洞共振器の中心軸上に集中させ、マイクロ波加熱対象(誘電体等)を中心軸上の収容容器に収容している。その一方で、空洞共振器の高次モード(TM11モード等)を用いて、マイクロ波磁界を空洞共振器の中心軸上に集中させ、マイクロ波加熱対象(導電体等)を中心軸上の収容容器に収容してもよい。
特開2021-072221号公報
従来技術のマイクロ波加熱装置の構成を図1に示す。マイクロ波加熱装置Mは、空洞共振器1、収容容器2及び励振ループ3を備える。空洞共振器1は、高次モード(TM11モード等)を用いてマイクロ波磁界を中心軸上に集中する。収容容器2は、マイクロ波加熱対象(導電体等)を空洞共振器1の中心軸上に収容する。励振ループ3は、空洞共振器1の内部及び側壁に設置され、空洞共振器1の高次モード(TM11モード等)を励振するループ配線である。
そして、励振ループ3は、マイクロ波加熱装置Mの入力インピーダンスがマイクロ波発生器(不図示)の出力インピーダンスと整合するように、空洞共振器1の磁界方向に対する傾斜角度θ(ループ面が磁界方向と垂直/平行であれば、傾斜角度θは0度/90度である。)を設定される。つまり、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θ(不図示のサーボモータで駆動され可変である。)及び励振ループ3のループ直径(固定である。)が、適切に設定されることにより、励振ループ3での空間インピーダンス(=励振ループ3での電界強度/励振ループ3での磁界強度)は、マイクロ波発生器の出力インピーダンスと実効的に等しくなる。よって、マイクロ波発生器とマイクロ波加熱装置Mとの間に、インピーダンス整合器を不要としたうえで、マイクロ波加熱装置Mの電力効率を高くするとともに、マイクロ波加熱装置Mの装置寸法を小さくする。
従来技術のマイクロ波加熱装置の共振周波数を図2に示す。図2では、マイクロ波加熱対象の加熱状態によらず、マイクロ波加熱装置Mの入力インピーダンスがマイクロ波発生器の出力インピーダンスと整合するように、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θは、0度と90度との間の45度を初期値として可変に調整される。
すると、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θが、0度/90度へ近づくほど、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が、所望共振周波数(図2では、2.45GHz)と比べて低く/高くなる。つまり、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θが、0度/90度へ近づくほど、励振ループ3と磁界との結合が、大きく/小さくなり、空洞共振器1の実効体積が、大きく/小さくなる。そして、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が、所望共振周波数と比べてずれると、マイクロ波加熱装置Mの入力インピーダンスが、マイクロ波発生器の出力インピーダンスと整合しない。
図1、2では、空洞共振器1がマイクロ波磁界を中心軸上に集中するときに、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θに応じて、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が変化することを示している。その一方で、空洞共振器1がマイクロ波電界を中心軸上に集中するときに、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θに応じて、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が変化することが考えられる。
そこで、前記課題を解決するために、本開示は、マイクロ波を用いて加熱対象を加熱するにあたり、空洞共振器の磁界方向に対する励振ループの傾斜角度によらず、マイクロ波加熱装置の共振周波数を維持するとともに、マイクロ波加熱装置の入力インピーダンスとマイクロ波発生器の出力インピーダンスとの整合を確実に維持することを目的とする。
前記課題を解決するために、空洞共振器の磁界方向に対する励振ループの傾斜角度に応じて、マイクロ波加熱装置の共振周波数が変化するが、それを打ち消すように、空洞共振器の磁界方向に対する別のループの傾斜角度に応じて、マイクロ波加熱装置の共振周波数を逆変化させる。そして、空洞共振器の磁界方向に対する別のループの傾斜角度によらず、マイクロ波加熱装置の入力インピーダンスとマイクロ波発生器の出力インピーダンスとの整合が維持されるように、別のループを励振ループではなく無給電ループとする。
具体的には、本開示は、マイクロ波磁界又はマイクロ波電界を中心軸上に集中する空洞共振器と、マイクロ波加熱対象を前記空洞共振器の前記中心軸上に収容する収容容器と、前記空洞共振器の内部及び側壁に設置され、前記空洞共振器を励振するとともに、自装置の入力インピーダンスがマイクロ波発生器の出力インピーダンスと整合するように、前記空洞共振器の磁界方向に対する傾斜角度を設定される励振ループと、前記空洞共振器の内部及び側壁に設置され、給電されることなく、前記空洞共振器の磁界方向に対する前記励振ループの傾斜角度によらず、自装置の共振周波数が所望共振周波数を維持するように、前記空洞共振器の磁界方向に対する傾斜角度を設定される無給電ループと、を備えることを特徴とするマイクロ波加熱装置である。
この構成によれば、空洞共振器の磁界方向に対する励振ループの傾斜角度によらず、マイクロ波加熱装置の共振周波数を維持することができる。そして、マイクロ波加熱装置の共振周波数を維持したうえで、マイクロ波加熱装置の入力インピーダンスとマイクロ波発生器の出力インピーダンスとの整合を確実に維持することができる。
また、本開示は、前記励振ループは、前記マイクロ波加熱対象の加熱状態によらず、自装置の入力インピーダンスが前記マイクロ波発生器の出力インピーダンスと整合するように、前記空洞共振器の磁界方向に対する傾斜角度を可変に調整され、前記無給電ループは、前記マイクロ波加熱対象の加熱状態及び前記空洞共振器の磁界方向に対する前記励振ループの傾斜角度によらず、自装置の共振周波数が前記所望共振周波数を維持するように、前記空洞共振器の磁界方向に対する傾斜角度を可変に調整されることを特徴とするマイクロ波加熱装置である。
この構成によれば、マイクロ波加熱対象の加熱状態(加熱対象の物理量及び加熱温度・時間)によらず、マイクロ波加熱装置の共振周波数を維持することができる。そして、マイクロ波加熱装置の共振周波数を維持したうえで、マイクロ波加熱装置の入力インピーダンスとマイクロ波発生器の出力インピーダンスとの整合を確実に維持することができる。
また、本開示は、前記励振ループ及び前記無給電ループは、互いに直交するループ面を有し、同一のループ形状及びループ面積を有し、前記空洞共振器の磁界方向に対する傾斜角度を一体で駆動され、前記無給電ループが給電されないように両者のループを絶縁されていることを特徴とするマイクロ波加熱装置である。
この構成によれば、励振ループ及び無給電ループを互いに直交・絶縁させることにより、無給電ループが励振ループにより電流誘起されない。そして、励振ループ及び無給電ループを同一形状・面積とすることにより、空洞共振器の磁界方向に対する励振・無給電ループの傾斜角度に応じた、マイクロ波加熱装置の共振周波数の変化が確実に打ち消し合う。さらに、励振ループ及び無給電ループを1個のサーボモータ等により一体駆動できる。
前記課題と別の課題を解決するために、マイクロ波加熱対象を均一に加熱するために、複数の一体ループ(励振ループ及び無給電ループ)を空洞共振器の内部及び側壁に設置する。そして、円偏波アンテナの原理をマイクロ波加熱装置に適用したうえで、複数の一体ループ(一体ループのうちの励振ループ)を同位相で励振せず所定の位相差で励振する。
また、本開示は、2組の前記励振ループ及び前記無給電ループは、前記空洞共振器の内部及び側壁に90度間隔で設置され、隣接する前記励振ループ同士が位相差90度で励振され、又は、n組の前記励振ループ及び前記無給電ループ(nは3以上)は、前記空洞共振器の内部及び側壁に360/n度間隔で設置され、隣接する前記励振ループ同士が位相差360/n度で励振され、マイクロ波磁界分布又はマイクロ波電界分布は、時間変化につれて前記空洞共振器の前記中心軸まわりに回転することを特徴とするマイクロ波加熱装置である。
この構成によれば、各時刻において、空洞共振器の中心軸近傍でマイクロ波磁界又はマイクロ波電界をほぼ均一に分布させることができる。そして、時間平均をとれば、空洞共振器の中心軸近傍でマイクロ波磁界又はマイクロ波電界をさらに均一に分布させることができる。よって、マイクロ波加熱対象を均一に加熱することができる。
このように、本開示は、マイクロ波を用いて加熱対象を加熱するにあたり、空洞共振器の磁界方向に対する励振ループの傾斜角度によらず、マイクロ波加熱装置の共振周波数を維持するとともに、マイクロ波加熱装置の入力インピーダンスとマイクロ波発生器の出力インピーダンスとの整合を確実に維持することができる。
従来技術のマイクロ波加熱装置の構成を示す図である。 従来技術のマイクロ波加熱装置の共振周波数を示す図である。 第1実施形態のマイクロ波加熱装置の構成を示す図である。 第1実施形態のマイクロ波加熱装置の共振周波数を示す図である。 第1実施形態のマイクロ波加熱装置の共振周波数を示す図である。 第2実施形態のマイクロ波加熱装置の構成を示す図である。 第2実施形態のマイクロ波加熱装置の磁界結合を示す図である。 第2実施形態のマイクロ波加熱装置の共振周波数を示す図である。 第3実施形態のマイクロ波加熱装置の構成を示す図である。 第3実施形態のマイクロ波加熱装置の共振周波数を示す図である。
添付の図面を参照して本開示の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本開示の実施の例であり、本開示は以下の実施形態に制限されるものではない。
(第1実施形態のマイクロ波加熱装置)
第1実施形態のマイクロ波加熱装置の構成を図3に示す。マイクロ波加熱装置Mは、空洞共振器1、収容容器2、励振ループ3及び無給電ループ4を備える。空洞共振器1は、高次モード(TM11モード等)を用いてマイクロ波磁界を中心軸上に集中する。収容容器2は、マイクロ波加熱対象(導電体等)を空洞共振器1の中心軸上に収容する。励振ループ3は、空洞共振器1の内部及び側壁に設置され、空洞共振器1の高次モード(TM11モード等)を励振する。無給電ループ4は、空洞共振器1の内部及び側壁に設置され、給電されることがない。
ここで、励振ループ3は、マイクロ波加熱装置Mの入力インピーダンスがマイクロ波発生器(不図示)の出力インピーダンスと整合するように、空洞共振器1の磁界方向に対する傾斜角度θ(ループ面が磁界方向と垂直/平行であれば、傾斜角度θは0度/90度である。)を設定される。一方で、無給電ループ4は、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θによらず、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が所望共振周波数を維持するように、空洞共振器1の磁界方向に対する傾斜角度θ(ループ面が磁界方向と垂直/平行であれば、傾斜角度θは0度/-90度である。)を設定される。
そして、励振ループ3及び無給電ループ4は、空洞共振器1の中心軸を介して対向し、同一のループ形状及びループ面積を有し、空洞共振器1の磁界方向に対する傾斜角度θ、θを独立に駆動され、無給電ループ4が給電されないように絶縁されている。
第1実施形態のマイクロ波加熱装置の共振周波数を図4に示す。図4では、マイクロ波加熱対象の加熱状態によらず、マイクロ波加熱装置Mの入力インピーダンスがマイクロ波発生器の出力インピーダンスと整合するように、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θは、0度と90度との間の45度を初期値として可変に調整される。そして、マイクロ波加熱対象の加熱状態によらず、さらに、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θによらず、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が所望共振周波数を維持するように、空洞共振器1の磁界方向に対する無給電ループ4の傾斜角度θは、0度と-90度との間の-45度を初期値として可変に調整される。
すると、空洞共振器1の磁界方向に対する無給電ループ4の傾斜角度θが、-45度に固定され、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θが、0度/90度へ近づくほど、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が、所望共振周波数(図4では、2.45GHz)と比べて低く/高くなる。つまり、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θが、0度/90度へ近づくほど、励振ループ3と磁界との結合が、大きく/小さくなり、空洞共振器1の実効体積が、大きく/小さくなる。
一方で、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θが、45度に固定され、空洞共振器1の磁界方向に対する無給電ループ4の傾斜角度θが、0度/-90度へ近づくほど、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が、所望共振周波数(図4では、2.45GHz)と比べて低く/高くなる。つまり、空洞共振器1の磁界方向に対する無給電ループ4の傾斜角度θが、0度/-90度へ近づくほど、無給電ループ4と磁界との結合が、大きく/小さくなり、空洞共振器1の実効体積が、大きく/小さくなる。
そこで、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θに応じて、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が変化するが、それを打ち消すように、空洞共振器1の磁界方向に対する無給電ループ4の傾斜角度θに応じて、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数を逆変化させる。つまり、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θが、0度/90度へ近づくとともに、空洞共振器1の磁界方向に対する無給電ループ4の傾斜角度θが、-90度/0度へ近づくときには、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が、所望共振周波数(図4では、2.45GHz)を維持する。
そして、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が、所望共振周波数と比べてずれず、マイクロ波加熱装置Mの入力インピーダンスが、マイクロ波発生器の出力インピーダンスと整合する。さらに、空洞共振器1の磁界方向に対する無給電ループ4の傾斜角度θによらず、マイクロ波加熱装置Mの入力インピーダンスとマイクロ波発生器の出力インピーダンスとの整合が維持されるように、無給電ループ4を給電されないようにする。
第1実施形態のマイクロ波加熱装置の共振周波数を図5にも示す。図4では、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θと、空洞共振器1の磁界方向に対する無給電ループ4の傾斜角度θと、のうち、一方が固定され他方が駆動される。図5では、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θと、空洞共振器1の磁界方向に対する無給電ループ4の傾斜角度θと、のうち、両方が独立に駆動される。
図5の上段では、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θ=40度、45度、50度、55度、60度と、空洞共振器1の磁界方向に対する無給電ループ4の傾斜角度θ=70度、75度、80度、85度と、の組み合わせにおいて、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数をシミュレーションにより算出している。図5の下段では、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の他の傾斜角度θと、空洞共振器1の磁界方向に対する無給電ループ4の他の傾斜角度θと、の組み合わせにおいて、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数を図5の上段の直線補間により算出している。
すると、(空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θ、空洞共振器1の磁界方向に対する無給電ループ4の傾斜角度θ)=(56度、70度)、(50度、85度)を結ぶ、傾斜角度の2次元空間内の直線上において、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が、所望共振周波数(図5では、2.45GHz)を維持している。
このように、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θによらず、そして、マイクロ波加熱対象の加熱状態(加熱対象の物理量及び加熱温度・時間)によらず、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数を維持することができる。そして、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数を維持したうえで、マイクロ波加熱装置Mの入力インピーダンスとマイクロ波発生器の出力インピーダンスとの整合を確実に維持することができる。
ここで、励振ループ3及び無給電ループ4を互いに対向(空洞共振器1の中心軸を介して対向)・絶縁させることにより、無給電ループ4が励振ループ3により電流誘起されない。そして、励振ループ3及び無給電ループ4を同一形状・面積とすることにより、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3及び無給電ループ4の傾斜角度θ、θに応じた、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数の変化が確実に打ち消し合う。
図3~5では、空洞共振器1がマイクロ波磁界を中心軸上に集中するときに、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θによらず、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が維持されることを示している。その一方で、空洞共振器1がマイクロ波電界を中心軸上に集中するときに、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θによらず、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が維持されることが考えられる。
(第2実施形態のマイクロ波加熱装置)
第2実施形態のマイクロ波加熱装置の構成を図6に示す。マイクロ波加熱装置Mは、空洞共振器1、収容容器2及び一体ループ5(励振ループ3及び無給電ループ4)を備える。空洞共振器1は、高次モード(TM11モード等)を用いてマイクロ波磁界を中心軸上に集中する。収容容器2は、マイクロ波加熱対象(導電体等)を空洞共振器1の中心軸上に収容する。励振ループ3は、空洞共振器1の内部及び側壁に設置され、空洞共振器1の高次モード(TM11モード等)を励振する。無給電ループ4は、空洞共振器1の内部及び側壁に設置され、給電されることがない。
ここで、励振ループ3及び無給電ループ4は、互いに直交するループ面を有し、同一のループ形状及びループ面積を有し、空洞共振器1の磁界方向に対する傾斜角度θ、θを一体で駆動され、無給電ループ4が給電されないように絶縁されている。第1の絶縁方法として、励振ループ3及び無給電ループ4は、同一のループ形状を有しながら、互いにずれたループ中心を有する。第2の絶縁方法として、励振ループ3及び無給電ループ4は、同一のループ中心を有しながら、一方が他方を回避する形状を有している。
第2実施形態のマイクロ波加熱装置の磁界結合を図7に示す。(空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θ、空洞共振器1の磁界方向に対する無給電ループ4の傾斜角度θ)=(0度、90度)、(30度、120度)、(45度、135度)と移るにつれて、励振ループ3と磁界との結合が小さくなり、無給電ループ4と磁界との結合が大きくなり、一体ループ5と磁界との結合が一定となり、空洞共振器1の実効体積が一定となり、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が、所望共振周波数を維持する。
第2実施形態のマイクロ波加熱装置の共振周波数を図8に示す。図8では、空洞共振器1の磁界方向に対する一体ループ5の傾斜角度が駆動されるため、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θと、空洞共振器1の磁界方向に対する無給電ループ4の傾斜角度θと、のうち、両方が直交を保持しながら一体で駆動される。
ここで、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θは、マイクロ波加熱対象の加熱状態によらず、マイクロ波加熱装置Mの入力インピーダンスがマイクロ波発生器の出力インピーダンス(例えば、50Ω)と整合するように、可変に調整される。そして、空洞共振器1の磁界方向に対する無給電ループ4の傾斜角度θは、マイクロ波加熱対象の加熱状態によらず、そして、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θによらず、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が所望共振周波数(図8では、2.45GHz)を維持する(図8では、2.45GHz±0.2MHz)ように、可変に調整される(励振ループ3と無給電ループ4とは、一体ループ5により一体駆動)。
このように、励振ループ3及び無給電ループ4を互いに直交・絶縁(図6の右欄に示した方法により両立)させることにより、無給電ループ4が励振ループ3により電流誘起されない。そして、励振ループ3及び無給電ループ4を同一形状・面積とすることにより、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3及び無給電ループ4の傾斜角度θ、θに応じた、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数の変化が確実に打ち消し合う。さらに、励振ループ3及び無給電ループ4を1個のサーボモータ等により一体駆動できる。
(第3実施形態のマイクロ波加熱装置)
第3実施形態のマイクロ波加熱装置の構成を図9に示す。マイクロ波加熱装置Mは、空洞共振器1、収容容器2及び複数の一体ループ5(図9では、3個の一体ループ5-1、5-2、5-3)を備える。空洞共振器1は、高次モード(TM11モード等)を用いてマイクロ波磁界を中心軸上に集中する。収容容器2は、マイクロ波加熱対象(導電体等)を空洞共振器1の中心軸上に収容する。複数の一体ループ5(励振ループ3及び無給電ループ4)は、空洞共振器1の内部及び側壁に、第1、2実施形態と異なり、所定の間隔で設置される。
つまり、マイクロ波加熱対象を均一に加熱するために、複数の一体ループ5を空洞共振器1の内部及び側壁に設置する。そして、円偏波アンテナの原理をマイクロ波加熱装置Mに適用したうえで、複数の励振ループ3を同位相で励振せず所定の位相差で励振する。
ここで、複数の励振ループ3が同位相で励振されるときには、1個の励振ループ3のマイクロ波磁界分布が複数の励振ループ3の分だけ重畳され、空洞共振器1の中心軸近傍でのマイクロ波磁界分布が割れてしまう。一方で、複数の励振ループ3が所定の位相差で励振されるときには、円偏波を有するマイクロ波磁界分布が円偏波アンテナの原理を用いて実現され、空洞共振器1の中心軸近傍でのマイクロ波磁界分布がほぼ均一になる。
例えば、2個の一体ループ5-1、5-2は、空洞共振器1の内部及び側壁に90度間隔で設置され、隣接するもの同士が位相差90度で励振される。或いは、n個の一体ループ5-1、・・・、5-n(n≧3)は、空洞共振器1の内部及び側壁に360/n度間隔で設置され、隣接するもの同士が位相差360/n度で励振される。
すると、2個の一体ループ5-1、5-2が設置される場合では、1個の一体ループ5が設置される場合と比べて、空洞共振器1の中心軸近傍でマイクロ波磁界がほぼ均一に分布する。そして、n個の一体ループ5-1、・・・、5-n(n≧3)が設置される場合では、2個の一体ループ5-1、5-2が設置される場合と比べて、空洞共振器1の中心軸近傍でマイクロ波磁界がさらに均一に分布する(nによらず、ほぼ同様な磁界分布)。
さらに、円偏波アンテナの原理が、マイクロ波加熱装置Mに適用されている。よって、マイクロ波磁界分布は、時間変化につれて空洞共振器1の中心軸まわりに回転する。つまり、マイクロ波磁界が強い方向(各時刻のマイクロ波磁界分布は、若干の不均一性も含む。)は、時間変化につれて空洞共振器1の中心軸まわりに回転する。
このように、各時刻において、空洞共振器1の中心軸近傍でマイクロ波磁界をほぼ均一に分布させることができる。そして、時間平均をとれば、空洞共振器1の中心軸近傍でマイクロ波磁界をさらに均一に分布させることができる。よって、マイクロ波加熱対象を均一に加熱することができる。第3実施形態では、空洞共振器1がマイクロ波磁界を中心軸上に集中するときに、マイクロ波磁界を均一に分布させる。その一方で、空洞共振器1がマイクロ波電界を中心軸上に集中するときに、マイクロ波電界を均一に分布できる。
第3実施形態のマイクロ波加熱装置の共振周波数を図10に示す。「無給電ループなし」の場合は、3個の励振ループ3のみが設置される場合である。「無給電ループあり」の場合は、3個の一体ループ5(励振ループ3及び無給電ループ4)が設置される場合である。
すると、「無給電ループなし」の場合では、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θが、0度/90度へ近づくほど、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が、所望共振周波数(図10では、2.45GHz)と比べて低く/高くなる。
一方で、「無給電ループあり」の場合では、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θが、0度~90度で変化しても、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数が、所望共振周波数(図10では、ほぼ2.45GHz)を維持する。
このように、複数の一体ループ5が設置される場合(図9を参照)において、1個の一体ループ5が設置される場合(図6を参照)と同様に、空洞共振器1の磁界方向に対する励振ループ3の傾斜角度θによらず、マイクロ波加熱装置Mの共振周波数を維持するとともに、マイクロ波加熱装置Mのインピーダンス整合を確実に維持することができる。
本開示のマイクロ波加熱装置は、水素等を発生させるために、マイクロ波を用いて触媒等を加熱するにあたり、空洞共振器の磁界方向に対する励振ループの傾斜角度によらず、マイクロ波加熱装置の共振周波数をインピーダンス整合とともに維持することができる。
M:マイクロ波加熱装置
1:空洞共振器
2:収容容器
3:励振ループ
4:無給電ループ
5、5-1、5-2、5-3:一体ループ

Claims (4)

  1. マイクロ波磁界又はマイクロ波電界を中心軸上に集中する空洞共振器と、
    マイクロ波加熱対象を前記空洞共振器の前記中心軸上に収容する収容容器と、
    前記空洞共振器の内部及び側壁に設置され、前記空洞共振器を励振するとともに、自装置の入力インピーダンスがマイクロ波発生器の出力インピーダンスと整合するように、前記空洞共振器の磁界方向に対する傾斜角度を設定される励振ループと、
    前記空洞共振器の内部及び側壁に設置され、給電されることなく、前記空洞共振器の磁界方向に対する前記励振ループの傾斜角度によらず、自装置の共振周波数が所望共振周波数を維持するように、前記空洞共振器の磁界方向に対する傾斜角度を設定される無給電ループと、
    を備えることを特徴とするマイクロ波加熱装置。
  2. 前記励振ループは、前記マイクロ波加熱対象の加熱状態によらず、自装置の入力インピーダンスが前記マイクロ波発生器の出力インピーダンスと整合するように、前記空洞共振器の磁界方向に対する傾斜角度を可変に調整され、
    前記無給電ループは、前記マイクロ波加熱対象の加熱状態及び前記空洞共振器の磁界方向に対する前記励振ループの傾斜角度によらず、自装置の共振周波数が前記所望共振周波数を維持するように、前記空洞共振器の磁界方向に対する傾斜角度を可変に調整される
    ことを特徴とする、請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  3. 前記励振ループ及び前記無給電ループは、互いに直交するループ面を有し、同一のループ形状及びループ面積を有し、前記空洞共振器の磁界方向に対する傾斜角度を一体で駆動され、前記無給電ループが給電されないように両者のループを絶縁されている
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のマイクロ波加熱装置。
  4. 2組の前記励振ループ及び前記無給電ループは、前記空洞共振器の内部及び側壁に90度間隔で設置され、隣接する前記励振ループ同士が位相差90度で励振され、又は、n組の前記励振ループ及び前記無給電ループ(nは3以上)は、前記空洞共振器の内部及び側壁に360/n度間隔で設置され、隣接する前記励振ループ同士が位相差360/n度で励振され、
    マイクロ波磁界分布又はマイクロ波電界分布は、時間変化につれて前記空洞共振器の前記中心軸まわりに回転することを特徴とする、請求項3に記載のマイクロ波加熱装置。
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