JP2020043051A - マイクロ波処理装置、マイクロ波処理方法及び化学反応方法 - Google Patents

マイクロ波処理装置、マイクロ波処理方法及び化学反応方法 Download PDF

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西岡 将輝
Masateru Nishioka
将輝 西岡
正人 宮川
Masato Miyagawa
正人 宮川
長瀬 多加子
Takako Nagase
多加子 長瀬
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Abstract

【課題】本発明は、従来の定在波加熱に比べて格段に広い領域に被処理対象物を配置して、この被処理対象物の略全体を優れたエネルギー効率で加熱することができるマイクロ波処理装置を提供する。【解決手段】空胴共振器2内にマイクロ波を照射して、該空胴共振器内にTM0n0(nは1以上の整数)又はTE10n(nは1以上の整数)のシングルモードの定在波を形成するマイクロ波処理装置1であって、前記マイクロ波の周波数が300〜1000MHzであり、前記定在波の電界強度が極大となる部分に沿って被処理対象物が配されるマイクロ波処理装置。【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ波処理装置、マイクロ波処理方法及び化学反応方法に関する。
マイクロ波は、電子レンジのような家庭用から利用が広まり、その後、産業用の加熱システムなどとしての利用について研究、開発されている。例えば、加熱システムとして利用する場合、マイクロ波照射により、被処理対象物が直接発熱するため短時間に加熱でき、また熱伝導に起因する温度ムラを少なくできる利点がある。更に、非接触で加熱できる、マイクロ波吸収の良いものだけを選択的に加熱できるなどの利点がある。
電磁波であるマイクロ波は、波長周期でエネルギー強度が変化するため、加熱ムラが発生しやすい。この加熱ムラの問題に対処するため、マイクロ波の定在波を利用することが検討されている。例えば、特許文献1には、空胴共振器を用いたマイクロ波加熱装置が記載されている。この技術では、円筒型の空胴共振器内に、中心軸に平行な軸対象マイクロ波電界を発生させ、電界強度が集中する部分に配した円管内で化学反応を進行させる。また特許文献2には、空胴共振器内に形成されるシングルモード定在波の電界強度が極大となる部分に沿って流通管を配し、流通管内に流体を流通させることによって当該流体を迅速かつ均一に加熱する流通型のマイクロ波利用化学反応装置が記載されている。さらに特許文献3には、マイクロ波発生器の発振周波数を空胴共振器の現在の共振周波数に一致させるように制御する帰還制御手段を用いることが記載されている。これによって、TM010の共振状態を常に維持し、高精度の熱処理が可能になるとされている。
このように空胴共振器を用いることにより、その内部に定在波を形成して被処理対象物を均一に、高効率に加熱する技術が開発されている。
特開2005−322582号公報 特開2010−207735号公報 特開2009−80997号公報
被処理対象物をマイクロ波の定在波により加熱する場合、被処理対象物はマイクロ波を吸収して発熱するため、被処理対象物の加熱によりマイクロ波エネルギーは減衰する。定在波を形成させる空胴共振器に占める被処理対象物の容積が大きい場合、上記マイクロ波エネルギーの減衰も大きく、入射波と反射波の合成波である定在波を形成することが難しくなる。このため、マイクロ波の定在波を利用した処理が行える被処理対象物のサイズには制限がある。
たとえば、上記特許文献2では、被処理対象物が加熱されて化学反応を生じる反応管の内径は2.9mm以下とされており、それより内径が大きな反応管では、マイクロ波の定在波により、被処理対象物を所望の温度へと高いエネルギー効率で加熱をすることが難しい。反応管に被処理対象物たる流体を流通させ、マイクロ波の定在波により反応管内の被処理対象物を加熱し、反応生成物たる目的物を大量生産する場合などには、反応管の内径が小さいと、生産効率を高めるには流量を増加させる必要が生じる。結果、送液装置には相当の圧力負荷がかかる。また、被処理対象物が粘度の高い流体やスラリーであって、これを反応管に流通させながら加熱する場合、反応管の内径が小さいと送液ができないこともある。
そこで本発明は、マイクロ波の定在波を利用して、上記特許文献記載の技術をはじめ従来の定在波加熱に比べて格段に広い領域に配置した被処理対象物の略全体を優れたエネルギー効率で加熱できるマイクロ波処理装置を提供することを課題とする。また本発明は、前記マイクロ波処理装置を利用したマイクロ波処理方法及び化学反応方法を提供することを課題とする。
本発明の上記課題は下記の手段により解決される。
[1]
空胴共振器内にマイクロ波を照射して、該空胴共振器内にTM0n0(nは1以上の整数)又はTE10n(nは1以上の整数)のシングルモードの定在波を形成するマイクロ波処理装置であって、
前記マイクロ波の周波数が300〜1000MHzであり、
前記定在波の電界強度が極大となる部分に沿って被処理対象物が配されるマイクロ波処理装置。
[2]
前記定在波の電界強度が一定となる方向と直交する方向において、前記被処理対象物の最大長さが100mm以下である[1]に記載のマイクロ波処理装置。
[3]
前記TM0n0モードの定在波を形成する空胴共振器は、該定在波の電界強度が一定となる方向の該空胴共振器のマイクロ波照射空間の寸法を、前記マイクロ波の波長の1/2以下とする[1]又は[2]に記載のマイクロ波処理装置。
[4]
前記空胴共振器内に供給するマイクロ波の周波数を、前記空胴共振器内に形成された定在波の周波数に一致させるフィードバック制御部を有する[1]〜[3]のいずれかに記載のマイクロ波処理装置。
[5]
前記TM0n0モードの定在波における電界強度が極大となる位置に沿って管が配置され、該管内に前記被処理対象物が配される[1]〜[4]のいずれかに記載のマイクロ波処理装置。
[6]
前記空胴共振器内のマイクロ波照射空間に、マイクロ波を供給するループアンテナもしくはモノポールアンテナを有する[1]〜[5]のいずれかに記載のマイクロ波処理装置。
[7]
前記マイクロ波処理装置が、前記被処理対象物をマイクロ波により処理して、化学反応を生じさせる化学反応装置である、[1]〜[6]のいずれかに記載のマイクロ波処理装置。
[8]
前記空胴共振器が直列に複数配され、
該複数の空胴共振器の直列連結方向でかつ該複数の空胴共振器内に形成される定在波の電界強度が極大となる部分に沿って、該複数の空胴共振器を貫通して被処理対象物が配され、
該複数の空胴共振器の各々に対してマイクロ波を各別に供給するマイクロ波発生器を有する、[1]〜[7]のいずれかに記載のマイクロ波処理装置。
[9]
空胴共振器内にマイクロ波を照射して、該空胴共振器内にTM0n0(nは1以上の整数)又はTE10n(nは1以上の整数)のシングルモードの定在波を形成し、該定在波を用いて被処理対象物を処理するマイクロ波処理方法であって、
前記マイクロ波の周波数が300〜1000MHzであり、
前記定在波の電界強度が極大となる部分に沿って前記被処理対象物を配するマイクロ波処理方法。
[10]
前記被処理対象物の処理において、該被処理対象物の温度を制御する[9]に記載のマイクロ波処理方法。
[11]
前記被処理対象物の温度を制御することによって、前記被処理対象物が関わる反応を促進もしくは停止する[9]又は[10]に記載のマイクロ波処理方法。
[12]
空胴共振器内にマイクロ波を照射して、該空胴共振器内にTM0n0(nは1以上の整数)又はTE10n(nは1以上の整数)のシングルモードの定在波を形成し、該定在波によって被処理対象物を処理する化学反応方法であって、
前記マイクロ波の周波数が300〜1000MHzであり、
前記定在波の電界強度が極大となる部分に沿って前記被処理対象物を配し、該被処理対象物を処理することにより化学反応を生じさせることを含む、化学反応方法。
本発明のマイクロ波処理装置及びマイクロ波処理方法によれば、従来に比べて格段に広い領域に被処理対象物を配置して、この被処理対象物の略全体を優れたエネルギー効率で処理することができる。
また、本発明の化学反応方法によれば、従来に比べて格段に広い領域に化学反応にかかわる被処理対象物を配置して、この被処理対象物の略全体を優れたエネルギー効率で処理することにより、効率的かつ高精度に化学反応を生じさせることができる。
本発明のマイクロ波処理装置の基本形態の好ましい一実施形態を模式的に示した概略断面図である。 空胴共振器を直列に配した本発明のマイクロ波処理装置の好ましい一実施形態を模式的に示した概略断面図である。 915MHz帯のマイクロ波の定在波によりエチレングリコールを加熱した時の、マイクロ波出力あたりの温度上昇率を示した図である。 反応管内をエチレングリコールで充填している状態にて、915MHz帯のマイクロ波の定在波により加熱をした際の、反応管の内径によるS21の波形の違いを示した図である。 被加熱対称物としてエチレングリコールを高速流にて管内を流通させ、915MHz帯のマイクロ波の定在波により加熱した時の昇温特性を示した図である。 2.45GHz帯のマイクロ波の定在波によりエチレングリコールを加熱した時の、マイクロ波出力あたりの温度上昇率を示した図である。 反応管内をエチレングリコールで充填している状態にて、2.45GHz帯のマイクロ波の定在波により加熱をした際の、反応管の内径によるS21の波形の違いを示した図である。 被加熱対象物としてイオン交換水を高速流にて管内を流通させ、915MHz帯のマイクロ波の定在波により加熱をした時の昇温特性を示した図である。 被加熱対象物としてN,N−ジメチルアセトアミドを用いてマイクロ波加熱した時の昇温特性、すなわち、温度、マイクロ波の入射波、反射波および共振周波数の時間変化を併せて示した図面であり、(a)図はマイクロ波出力が40Wの場合であり、(b)図はマイクロ波出力が60Wの場合であり、(c)図はマイクロ波出力が80Wの場合である。 反応管内にトルエンを充填している状態にて、915MHz帯のマイクロ波加熱をした際の、反応管の内径によるS21の波形を示した図である。 試験管内の被加熱対象物を加熱する本発明のマイクロ波処理装置の好ましい一実施形態を模式的に示した概略断面図である。 被加熱対象物として下記液体をマイクロ波出力20W、50W、100W及び200Wで加熱した時の昇温特性を示す図面であり、(a)図はイオン交換水を用いた場合であり、(b)図は1−メチル−2−ピロリドン(沸点202℃)を用いた場合であり、(c)図はN,N−ジメチルアセトアミドを用いた場合である。 反応管内に被加熱対象物としてカーボン粉末を充填した状態にて、915MHz帯及び2.45GHz帯のマイクロ波を用いて加熱をした時の昇温特性を示した図である。 反応管内にカーボン粉末を充填した状態にて、915MHz帯のマイクロ波を用いて加熱をした際の、ネットワークアナライザのS21の波形を示した図である。 反応管内にカーボン粉末を充填した状態にて、2.45GHz帯のマイクロ波を用いて加熱をした際の、ネットワークアナライザのS21の波形を示した図である。 実施例1よりも小さい内径を持つ空胴共振器を用い、反応管内にエチレングリコールを充填した状態にて、周波数950MHz〜980MHzのマイクロ波を用いて加熱をした際の、反応管の内径によるネットワークアナライザのS21の波形を示した図である。 実施例8にて用いたマイクロ波処理装置1(1D)の基本形態を模式的に示した概略断面図である。 実施例8におけるイオン交換水を加熱した時の昇温特性を示した温度と時間との関係図である。 実施例9におけるゼオライト原料液をマイクロ波加熱合成した時の昇温特性を示した温度と時間との関係図である。 実施例9におけるゼオライト原料液をマイクロ波加熱合成して得た合成物のX線回折パターンを示した図であり、縦軸に回折X線強度(Intensity)を示し、横軸に回折角度(2θ degree/CuKn)を示した。
以下に本発明のマイクロ波処理装置について、その好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。
[マイクロ波処理装置]
図1に示すように、マイクロ波処理装置1(1A)は、空胴共振器2及び該空胴共振器2内に定在波を形成することができる周波数のマイクロ波を供給するマイクロ波供給手段3を有する。マイクロ波供給手段3は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生器4、出力したマイクロ波を空胴共振器2内に供給するアンテナ5を含む。マイクロ波発生器4には、マイクロ波を発振するマイクロ波発振器が備えられ、さらに、マイクロ波発振器を制御する制御部11、マイクロ波の減衰レベルを調節する減衰器、マイクロ波電力を増幅する増幅器(図示せず)、反射波を吸収するアイソレータ、反射波を抑制する整合器(図示せず)等を備えてもよい。
空胴共振器2は、その内部のマイクロ波照射空間2Aに定在波を形成する。定在波は、TM0n0(nは1以上の整数)又はTE10n(nは1以上の整数)のシングルモードである。
例えば、円筒型マイクロ波照射空間2Aの中心軸Cにおいて、かつ空胴共振器2内に形成される定在波のエネルギー(電界強度)が極大となる。また中心軸C方向には定在波エネルギーが均一となる。このエネルギーが極大でかつ均一となる部分又はその近傍に沿って管6が配される。管6内には被処理対象物31(図面では矢印で示す)が配される。例えば、TM0n0モード(nは1以上の整数)の定在波が発生する円筒形の空胴共振器2の場合、中心軸Cにおける電界強度が極大となり、中心軸Cに沿って電界強度が均一になる。このため、管6は中心軸Cに沿って配されることが好ましい。この管6内の内部空間6Aには、被処理対象物31が配される。被処理対象物31が配されるとは、内部空間6Aに被処理対象物31が存在することを意味し、被処理対象物31が管6内に静置している状態も、被処理対象物31が管6内を流動している状態も含む意味である。被処理対象物31は、管6内のすべてを満たしていても、満たしていなくてもよい。
なお、図1には管6を設けた形態を示したが、管6を設けず、被処理対象物の種類に応じて、当該被処理対象物を自立させた状態で配することもできる。また、管6は管6内に被処理対象物を流通させる形態でなければ、管6を孔が貫通した形状とする必要はなく、例えば、一端を閉じた形状(例えば試験管の形状)とすることができる。
マイクロ波供給口2Sには、高周波を印加することができるアンテナ5を有することが好ましい。アンテナ5は、ケーブル7を介してマイクロ波発振器4と接続される。
マイクロ波発振器4から発せられたマイクロ波を、ケーブル7を介してアンテナ5から空胴共振器2内に供給することができる。マイクロ波発生器4や増幅器(図示せず)によってマイクロ波電力を調整することができ、それによって空胴共振器2内に形成される定在波の電界強度分布を制御することが可能となる。
定在波は、空胴共振器2内に上述したTMモードまたはTEモードの定在波が形成される周波数とすることができる。
また図1に示す形態において、アンテナ5のかわりに導波管を用いたマイクロ波供給口を設置した形態とすることもできる。供給するマイクロ波の周波数を伝送できる矩形導波管もしくは円筒導波管と空胴共振器とを適切な開口部を有したアイリスを介して接続することで、マイクロ波発振器からのマイクロ波エネルギーを空胴共振器に導入することができる。
なお、上記の各形態は、本発明のマイクロ波処理装置1の一例を説明したものであり、本発明のマイクロ波処理装置1は、本発明で規定すること以外は、上記の形態に何ら限定されるものではない。
マイクロ波照射空間2A内に供給されるマイクロ波の周波数は300〜1000MHzであり、好ましくは700〜1000MHzのマイクロ波であり、さらに好ましくは915MHz帯のマイクロ波である。本発明では890〜1000MHzの帯域を915MHz帯と称す。上記の周波数のマイクロ波を照射することにより、後述するように、被処理対象物の幅方向(中心軸Cに対して直交方向)に処理領域を広く形成することが可能となる。この周波数域は、マイクロ波加熱及び高周波(誘電)加熱を含む誘電加熱用として、ISMバンド(工業・科学・医療用/Industrial,Scientific and Medical Use)と称し、指定されている一帯域を含む。なお、以下の記載において915MHz帯と記述する場合は300〜1000MHzにおいても同様な効果が得られる。
また、TM0n0モードの定在波を形成する空胴共振器2は、該定在波の電界強度が一定となる方向(中心軸C方向)におけるマイクロ波照射空間2Aの寸法(高さ)Hは、例えば波長の1/2以下にすることが好ましい。本発明において、「マイクロ波照射空間2Aの寸法H」は、マイクロ波照射空間2Aを構成する上面のある1点から下面のある1点までの中心軸C方向に平行にそった距離が最大となる長さである。このようにすることで、空胴共振器2の中心軸C方向の厚さをコンパクト化することができる。これにより、空胴共振器を積層した構成のマイクロ波処理装置とし、積層構成の各空胴共振器に対してマイクロ波発信器を設け、各空胴共振器にマイクロ波を照射することによって、空胴共振器内のエネルギー密度を高めて、より高効率の加熱処理を可能にする。
上記中心軸C方向に直交する方向における管6の内部空間6Aの最大長さ(管6の断面が円形の場合は内径)は、空胴共振器内に定在波が形成できれば特に制限されない。例えば、100mm以下とすることができ、50mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましく、10mm以下がさらに好ましく、8mm以下としてもよい。また、管6の上記最大長さは通常は0.2mm以上であり、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは2mm以上、さらに好ましくは2.5mm以上、特に好ましくは3mm以上である。
上記中心軸C方向に直交する方向における被処理対象物の最大長さの好ましい範囲は、上記中心軸C方向に直交する方向における管6の内部空間6Aの最大長さと同じである。この場合、被処理対象物は管6内に配されていてもよく、被処理対象物の種類によっては(例えば管6に囲まれていなくても被処理対象物がその形状を保てる場合)管6を設けずに、空胴共振器内に被処理対象物を配することもできる。本発明において、「中心軸C方向に直交する方向における管6の内部空間6Aの最大長さ」は、中心軸C方向に直交する方向における管6断面の内周(内部空間6A断面の外周)において、ある1点から別の1点までの距離が最大となる長さである。また、「中心軸C方向に直交する方向における被処理対象物の最大長さ」は、中心軸C方向に直交する方向における被処理対象物断面の外周において、ある1点から別の1点までの距離が最大となる長さである。
上記のマイクロ波処理装置1では、内部に被処理対象物(図示せず)が存在し、又は被処理対象物が流通する管6を配した空胴共振器2に対して、マイクロ波発生器4からマイクロ波を供給し、空胴共振器2内に上記の定在波を形成する。例えば、この定在波の電界強度が極大となる部分に沿って管6を設けることにより、管6内の被処理対象物31を高いエネルギー効率で処理することができる。上記マイクロ波処理装置1では、空胴共振器2に設けられたマイクロ波供給口2Sから定在波を形成するマイクロ波がマイクロ波照射空間2A内に供給される。
定在波の周波数は、915MHz帯の周波数であり、空胴共振器2内に定在波を形成できればよい。上記マイクロ波供給口2Sから915MHz帯の周波数のマイクロ波を供給した場合に、空胴共振器2内に上記したようなTMモード又はTEモードの定在波が形成されればよい。中心軸Cに電界強度のピークが位置する加熱の場合、TM0n0モードの定在波が形成されることが好ましく、TM010、TM020、TM030のモードの定在波が形成されることがより好ましい。なかでも空胴共振器2のサイズをコンパクトにできるTM010の定在波が形成されることがさらに好ましい。
上記マイクロ波処理装置1Aにおいて、マイクロ波発生器4から供給されるマイクロ波は、周波数を調整して供給される。周波数の調整により、空胴共振器2内に形成される定在波の電界強度分布を所望の分布状態に制御することができる。またマイクロ波電力の出力によって定在波の強度を調整することができる。つまり、被処理対象物31の加熱状態を制御することが可能になる。
具体的には、好ましくは、下記の制御部(フィードバック制御部)11によって制御することができる。フィードバック制御部11は、例えば、マイクロ波発生器4に内蔵されていても、又は別体に構成されていてもよい。このフィードバック制御部11は、マイクロ波発生器4から発生するマイクロ波もしくは該マイクロ波を増幅する増幅器(図示せず)から発生するマイクロ波を、空胴共振器2のマイクロ波照射空間2A内に形成された定在波の周波数に一致させることができる。この一致させるとは、完全に一致することが好ましいが、ある範囲内、例えば2MHz以内の差の場合も含むものとする。そして、周波数を一致させたマイクロ波をマイクロ波照射空間2A内に照射させるものである。そのため、空胴共振器2には、マイクロ波照射空間2A内の定在波の周波数を検出する検出部12が配されていることが好ましい。検出部12には、マイクロ波照射空間2A内部のエネルギー強度を計測し、その信号を処理して周波数を検出するものであればよい。
上記フィードバック制御部11における制御方法の具体的一例を説明する。検出部12によってマイクロ波照射空間2A内のマイクロ波のエネルギー強度に比例した出力信号を検出する。一方、マイクロ波照射空間2Aに供給するマイクロ波は、マイクロ波発生器4から発生したマイクロ波もしくはマイクロ波発生器4から発生したマイクロ波を増幅器によって増幅したマイクロ波である。このとき、マイクロ波発生器4から発生する周波数を915MHz帯全域又は915MHz帯の一部の帯域で掃引すると、検出部12からの出力信号は極大値をもつ分布を得る。この極大値はマイクロ波照射空間2A内に定在波が形成できていることを意味しているので、あらかじめTM0n0モードの定在波の共振周波数と比較することで所定のモードの共振周波数を検出することができる。フィードバック制御部11によって、マイクロ波発生器4から発生するマイクロ波の周波数を、検出したマイクロ波の周波数に一致させる。
もしくは、検出部12を用いず、マイクロ波発生器4と空胴共振器2の間に設置する反射波検出器(図示せず)からの反射波信号を用いることもできる。この場合、反射波が小さい、つまり反射波の周波数が極小値となることが、空胴共振器2内にエネルギーが供給され定在波が形成されていることを意味する。したがって、マイクロ波の反射波の極小値からマイクロ波の共振器周波数を導出することもできる。
このようにして、検出部12によって検出される極大値、もしくは反射波検出器(図示せず)によって検出される極小値から導出したマイクロ波の共振周波数に一致した周波数のマイクロ波を、マイクロ波発生器4から発生させるようにする。または検出したマイクロ波の共振周波数に一致した周波数のマイクロ波を増幅器から発生させるようにする。
そして、マイクロ波照射空間2A内に共振周波数に一致させた周波数のマイクロ波を供給する。
共振周波数を検出するための操作は定期的に行うことが望ましい。外乱が大きい場合や温度変化、流量変化、組成変化が大きい場合、マイクロ波処理を開始した直後は短い周期例えば1秒以下で行うことが望ましい。一方外乱が少ない場合や、温度変化、流量変化、組成変化が少ない場合、マイクロ波処理を開始し十分な時間が経過し安定したのちは、長い周期、例えば1分おきに行ってもよい。
共振周波数を検出するためにマイクロ波発生器4からのマイクロ波の周波数を掃引する場合、掃引周波数の幅は狭いほうが望ましい。しかし変動が大きい場合は掃引周波数の幅が少ない場合は掃引周波数内に極大値が見つからない場合がある。その場合は掃引周波数幅を広げて、再度掃引することで共振周波数を検出することも望ましい。
本発明のマイクロ波処理装置1の構成について詳説する。
<空胴共振器>
マイクロ波処理装置に用いる空胴共振器2の形状は、一つのマイクロ波供給口2Sを有し、マイクロ波を供給した際にシングルモードの定在波が形成されるものであれば特に制限はない。例えば、円筒形又は角筒形の空胴共振器を用いることができる。本明細書において円筒形の空胴共振器とは、該空胴共振器の中心軸Cに垂直な内側断面形状が円形であるものの他、当該断面形状が楕円形もしくは長円形であるものを含む意味に用いる。また、角筒形の空胴共振器は、中心軸Cに直角な内側断面形状が多角形であるものを意味し、当該断面形状が4〜10角形であることが好ましい。また、多角形の角が、丸みを帯びた形状であってもよい。
空胴共振器2の大きさも上記説明した形態において、目的に応じて適宜に設計することができる。空胴共振器2は電気抵抗率の小さいものが望ましく、通常は金属製であり、一例として、アルミニウム、銅、鉄、マグネシウム、黄銅、ステンレス、若しくはそれらの合金等を用いることができる。又は、樹脂やセラミック、金属の表面に電気抵抗率の小さい物質をめっき、蒸着などによりコーティングしてもよい。コーティングには銀、銅、金、スズ、ロジウムを含む材を用いることができる。
<マイクロ波の供給>
本発明のマイクロ波処理装置1は、マイクロ波発生器4またはマイクロ波増幅器(図示せず)から発生したマイクロ波をマイクロ波供給口2Sからアンテナ5を介して空胴共振器2のマイクロ波照射空間2A内に供給される。
上記マイクロ波発生器4としては、発振周波数を915MHz帯の範囲内にて調整できるマイクロ波発生器を挙げることができる。例えば、半導体固体素子を用いたマイクロ波発生器や、マグネトロン等のマイクロ波発生器を用いることができる。マイクロ波の周波数を微調整できるという観点から、半導体固体素子を用いたマイクロ波発生器を用いることが好ましい。半導体固体素子を用いたマイクロ波発生器としては、例えばガンダイオード、アバランシェダイオード(インパットダイオード)、等を用いたマイクロ波発生器が挙げられる。また、マイクロ波発生器4から発生したマイクロ波を増幅する増幅器を備えることが好ましい。この増幅器は、一般的な、高周波用の電界効果トランジスタ(FET)を用いたマイクロ波増幅器を用いることができる。
図1に示す形態では、空胴共振器2として円筒形の空胴共振器を用いている。その空胴共振器2の中心軸Cに平行な壁面(円筒の内面)又はその近傍には、マイクロ波供給口2Sが設けられている。マイクロ波供給口2Sを通じてマイクロ波照射空間2Aには、高周波を印加することができるアンテナ5を有していることが好ましい。アンテナ5としては磁界励起アンテナ、例えばループアンテナ、または電界励起アンテナ、例えばモノポールアンテナ等を用いることが好ましい。アンテナ5は、ケーブル7を介してマイクロ波発生器4と接続されている。ケーブル7には、例えば同軸ケーブルを用いることができる。
この構成では、マイクロ波発生器4から発せられたマイクロ波を、ケーブル7を介してアンテナ5からマイクロ波照射空間2A内に供給する。マイクロ波発生器4とアンテナ5の間には、反射波を抑制するための整合器(図示せず)やマイクロ波発生器を保護するためのアイソレータ(図示せず)を設置してもよい。またケーブルの長さを調整することによって整合器の機能を果たすようにしてもよい。
上記アンテナ5の端面は空胴共振器壁面など接地電位と接続することが好ましい。このアンテナ5にマイクロ波(高周波)を印加することで、例えばループアンテナのループ内に磁界が励振され空胴共振器内に定在波を形成する形態とすることができる。
例えば、上記の円筒状の空胴共振器においてTM010のシングルモード定在波を形成させた場合、中心軸Cにおいて、電界強度が最大になり、中心軸C方向に電界強度が均一になる。したがって、管6において、その内部に存在し、又は流通する被処理対象物31を、均一に、高効率にマイクロ波加熱することが可能になる。
なお、マイクロ波発生器4から導波管を用いてマイクロ波供給口2Sにマイクロ波を供給してもよい。
<被処理対象物の加熱>
本発明のマイクロ波処理装置では、被処理対象物31(例えば、管6内に配された被加熱対象物31)は、空胴共振器2内部に定在波のエネルギー(電界)強度に対応させて配される。特に、空胴共振器2内に形成された定在波の電界強度が極大になる部分に沿って配せば、より効率的な加熱が可能になる。
図1に示す形態のマイクロ波処理装置1においては、管6内に配される被加熱対象物31に特に制限はなく、液体、固体、粉末およびそれらの混合物を挙げることができる。もしくは、管6内にあらかじめ設置したハニカム構造体、触媒等(図示せず)を挙げることができる。
被加熱対象物31を管6内に流通させる場合、送液手段(例えば、送液ポンプ)41等を用いて被加熱対象物31を搬送することで連続的に被加熱対象物の温度を制御することができる。多くの化学反応は温度により反応の進行を制御することができるため、本発明のマイクロ波処理装置1は化学反応の制御に好適に用いることができる。
被加熱対象物はそれ自体で形状を維持できるものであれば、管内に配する必要はない。例えば、被加熱対象物が繊維状の固体であれば、管等の支持がなくても共振器内の搬送が可能である。
被加熱対象物をハニカム構造体とした場合には、マイクロ波処理装置は、例えば、ハニカム構造体を通過するガス状物質の温度制御をするために用いることができる。また、被加熱対象物を触媒とした場合には、後述するように、触媒の作用による化学反応を生じさせるために用いることができる。触媒は、ハニカム構造体に担持させた形態とすることも好ましい。
本発明のマイクロ波処理装置1(1B)は、複数の空胴共振器2をその中心軸C方向に直列に配列した形態とすることも好ましい。
すなわち、図2に示すように、マイクロ波処理装置1(1B)は、上記したマイクロ波処理装置1Aを複数段に積層した構成であり、複数の空胴共振器2を積層する状態に、直列に配した構成である。図面では一例として、3個の空胴共振器21、22、23を上下方向に順に積層した構成を示した。空胴共振器2の個数は3個に限定されるものではない。空胴共振器2の個数は、2個以上数千個程度まで積層することも可能である。複数の空胴共振器2には、直列連結方向にてかつ各空胴共振器2内に形成される定在波のエネルギーが極大となり、軸方向には均一となる部分に貫通する管6が配されている。この場合、管6内に被加熱対象物(図示せず)が配される。例えば、TM0n0モード(nは1以上の整数)の定在波が発生する円筒形の空胴共振器2の場合、円筒中心軸の電界強度が極大となり中心軸Cに沿っては電界強度が均一となるため、管6は円筒形の中心軸Cに配されることが好ましい。
各空胴共振器2には、それぞれにマイクロ波発生器4が配され、各空胴共振器2に対して個別にマイクロ波が供給される。マイクロ波周波数は915MHz帯の周波数が用いられる。
さらに各空胴共振器2、2間又は空胴共振器2において、空胴共振器2内から漏れるマイクロ波による漏れを防止する機構(図示せず)が配されても好ましい。
上記のマイクロ波処理装置1Bでは、内部に被加熱対象物が存在し、又は被加熱対象物が流通する管6を配した空胴共振器2に対して、マイクロ波発生器4からマイクロ波を供給し、空胴共振器2内に定在波を形成する。その定在波の電界強度が極大となる部分又はその近傍のマイクロ波エネルギーによって管6内の被加熱対象物を高いエネルギー効率で加熱することができる。上記マイクロ波処理装置1では、空胴共振器2に設けられたマイクロ波供給口2Sからアンテナ5を介して定在波を形成するマイクロ波が空胴共振器2内に供給される。
[マイクロ波処理方法]
マイクロ波処理方法は、空胴共振器内にマイクロ波を照射して、該空胴共振器内にTM0n0(nは1以上の整数)又はTE10n(nは1以上の整数)のシングルモードの定在波を形成する。該定在波を用いて被処理対象物を処理する。マイクロ波には915MHz帯の周波数のマイクロ波を用いる。また定在波のエネルギー(電界)強度が極大となる部分に沿って被処理対象物を配する。以下、マイクロ波の処理方法の説明では、被処理対象物を被加熱対象物として説明する。
このマイクロ波処理方法には、上述のマイクロ波処理装置1A又は1Bを用いることが好ましい。以下、マイクロ波処理装置1Aの場合を説明するが、マイクロ波処理装置1Bの場合もマイクロ波処理装置1Aと同様に適用できる。
具体的には、上記マイクロ波処理装置1Aを用いて被加熱対象物31の加熱を行うことができる。まずマイクロ波発生器4から上記のように周波数を調整して供給されるマイクロ波を、空胴共振器2のマイクロ波照射空間2A内に供給する。周波数の調整により、空胴共振器2内に形成される定在波の電界強度分布を所望の分布状態に制御することができ、またマイクロ波の出力によって定在波の強度を調整することができる。つまり、反応管6内(内部空間6A)の被加熱対象物31の加熱状態(温度)を制御することが可能になる。
上記マイクロ波の周波数は上記915MHz帯の周波数であり、マイクロ波照射空間2A内に特定のシングルモード定在波を形成することができるものである。なお、マイクロ波処理装置1Bの場合、各共振器内に形成される定在波の種類(モード)は異なっていてもよいが、各共振器内に形成される定在波の種類(モード)は同じであることが好ましい。
[化学反応方法]
化学反応方法は、空胴共振器2内のマイクロ波処理空間2Aにマイクロ波を照射して、該マイクロ波処理空間内にTM0n0(nは1以上の整数)又はTE10n(nは1以上の整数)のシングルモードの定在波を形成する。そして、該定在波を用いて被処理対象物を処理する。この処理は、主に加熱処理であるが、例えば反応により分子の結合を切るような処理も含む。以下、化学反応方法の説明では、被処理対象物を被加熱対象物として説明する。マイクロ波には、周波数が300〜1000MHzのマイクロ波を用い、好ましくは700〜1000MHzのマイクロ波を用い、さらに好ましくは915MHz帯の周波数のマイクロ波を用いる。この915MHz帯とは、上記同様に890〜1000MHzの周波数域をいう。定在波のエネルギー(電界)強度が極大となる部分に沿って被加熱対象物を配し、該被加熱対象物を加熱することにより化学反応を生じさせることを含む。
上記化学反応方法には、上述のマイクロ波処理装置1A又は1Bを用いることが好ましい。以下、マイクロ波処理装置1Aの場合を説明するが、マイクロ波処理装置1Bの場合もマイクロ波処理装置1Aと同様に適用できる。
化学反応方法としては、被加熱対象物の温度を制御することによって、被加熱対象物が関わる反応を促進もしくは停止することができる。例えば、被加熱対象物の温度を高めることによって反応を促進し、加熱を停止して温度を下げることによって反応を停止することができる。
化学反応方法にマイクロ波処理装置1Aを適用する場合、図示はしていないが、例えば、管(反応管ともいう)6の一端に反応原料を供給する反応原料供給口を有し、他端には反応生成物を排出する反応生成物排出口を設ける。反応原料といては、液体状原料、気体状原料、又はこれらに同伴した固体粉末原料を挙げることができる。
また空胴共振器2内にマイクロ波を透過する材料からなる反応管6を設置し、この反応管6の一端が反応原料供給口と連なり、他端が反応生成物排出口と連なる形態とすることもできる。マイクロ波を透過する材料としては、石英等のガラス材料、テフロン(登録商標)等の樹脂材料、アルミナ等のセラミック材料を挙げることができる。
反応原料は、例えば、供給口に設けた送液手段41により導入することができ、また、排出口に吸引手段(例えば、吸引ポンプ)(図示せず)等を設けて吸引することにより、反応原料供給口から原料を吸引する形態とすることもできる。
上記化学反応としては、転移反応、置換反応、付加反応、環化反応、縮合反応、還元反応、酸化反応、水素化反応、接触還元反応、異性化反応、開裂反応、不均化反応、接触分解反応、選択的触媒還元反応、選択的酸化反応、ラセミ化反応、等が例示される。さらに高分子合成に用いられるラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、配位重合、無機反応等が例示されるが、これらに限定されず種々の化学反応が挙げられる。また、触媒の作用を利用した触媒反応であることも好ましい。
化学反応の具体例を挙げると、揮発性有機物質を酸化分解する反応、窒素酸化物を窒素と酸素に還元する反応、硫黄酸化物をカルシウムに固定化する反応、重油を軽質化する反応等を挙げることができる。また、シェールガスの改質反応による低級炭化水素の製造、天然ガスからの合成ガス(一酸化炭素および水素の混合ガス)製造、炭化水素を原料とした合成ガスの製造、石炭および石炭から製造した成分からの合成ガス製造が挙げられる。また、石油類からの合成ガス製造に関する反応、合成ガスからのアルコール、アルデヒド、カルボン酸、エーテル、アルカン等の製造、二酸化炭素を化学品に変換する反応が挙げられる。さらに、炭化水素の部分酸化による含酸素化合物の製造、飽和炭化水素の変換による不飽和炭化水素の製造、芳香環同士もしくは芳香環と脂肪族を繋ぐカップリングによる液晶化合物、発光材料等の製造に関する反応が挙げられる。またさらに、水素を重水素に置換した標識化合物等の製造に関する製造、不飽和炭化水素を含むモノマーからのオリゴマーおよびポリマー製造に関する重合反応、無機反応などを挙げることができる。 上記の化学反応は、通常、マイクロ波照射によって目的の反応を生じる反応原料を加熱することにより化学反応を生じさせることができる。または触媒に反応原料を通し、それにマイクロ波照射することによって化学反応を生じさせることができる。例えば、上述した反応管の中に反応原料を供給し、マイクロ波照射によって定在波を形成し、定在波の電界強度の極大部分によって反応管内の該反応原料を加熱して、化学反応を生じさせることができる。または反応管内に触媒を配し、この触媒に反応原料を通し、上記同様に定在波の電界強度の極大部分によって反応原料を加熱することによって、もしくは触媒を加熱することによって化学反応を生じさせることができる。
上記の化学反応それ自体は公知であり、本発明の化学反応方法には、加熱状態の制御以外は、公知の化学反応を広く適用することができる。
本発明の化学反応方法において、反応時間、反応温度、反応基質、反応媒体等の条件は、目的の化学反応に応じて適宜に設定すればよい。例えば、化学ハンドブック(鈴木周一・向山光昭編、朝倉書店、2005年)、マイクロ波化学プロセス技術II(竹内和彦、和田雄二監修、シーエムシー出版、2013年)、特開2010−215677号公報、特開2011−137226号公報等を参照し、化学反応条件を適宜に設定することができる。
本発明のマイクロ波処理装置1は、空胴共振器2内に上述した被加熱対象物31を配し、空胴共振器2内に形成した定在波によって、この被加熱対象物31を局所的に又はこの被加熱対象物31の略全体を加熱する形態とすることができる。また、上記被加熱対象物31の加熱により化学反応を生じさせるマイクロ波化学反応装置として用いて、化学反応が生じる形態とすることができる。被加熱対象物31の加熱により生じる化学反応は、被加熱対象物31自体が化学反応を起こして反応生成物を生じてもよく、または加熱した被加熱対象物31の作用(典型的には触媒作用)により化学反応が生じる形態としてもよい。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
[実施例1]
本発明の実施例の一形態として、図1に示したマイクロ波処理装置1Aを用いた。マイクロ波処理装置1Aは、マイクロ波発振器4、TM010モードの定在波を形成する空胴共振器2、管6及び管6に被加熱対象物31を送る送液手段41を有する。空胴共振器2は、内部に円筒型のマイクロ波照射空間2Aを有する金属製の空胴共振器として構成したものである。このマイクロ波照射空間2Aは、TM010と呼ばれる定在波が形成できるように、その内径を248mmに設定した。内径とは、円筒型マイクロ波照射空間の中心軸Cに直交する方向の断面形状である円形の直径をいう。
マイクロ波照射空間2の中心軸Cに沿って貫通するように、石英ガラスやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の管6を設置した。流体が、この管6を流通できるように、片側に、送液手段41として送液ポンプを取り付けた。反応管6の反対側には、流体の温度を計測できるように、温度計42として空胴共振器2から出口2OUTから1cmの位置に熱電対(K型、直径0.25mm)を取り付けた。また、マイクロ波照射空間2A内部の電界強度を計測するために、検出部12を取り付けた。
マイクロ波発振器4として、周波数を調整できる半導体式マイクロ波発振器を用いた。マイクロ波発振器の発振周波数は、空胴共振器2内にTM010の定在波が維持できる周波数となるように、検出部12からの信号を制御して調整した。
マイクロ波発生器4と空胴共振器2の大きさに関して、915MHz帯に含まれる周波数のマイクロ波を発生する半導体式マイクロ波発生器(895〜935MHz、最大出力300W)を用い、内径248mm、反応管6への照射長さは40mmの空胴共振器2を用いた。管6は表1に示したサイズや材質のものを用いた。
本実施例1では、流速100ml/h、マイクロ波出力は20Wにて、エチレングリコールの加熱を行った。図3には、表1に示した管6を用いて、エチレングリコールを加熱した時のマイクロ波出力あたりの温度上昇率を示した。図3の縦軸は、到達温度から開始温度を引いた温度上昇量(ΔT/℃)を表し、さらに温度上昇量をマイクロ波出力で割った値である。図3に示したように、内径4mmの管6が最もエチレングリコールを効率良く加熱できることがわかった。
空胴共振器2内での定在波の形成状態を確認するために、ネットワークアナライザ(Agilent Technologies製、E5071C)を用いて、S21の波形を調べた。S21は、マイクロ波の、[伝送波電圧]/[入射波電圧](順方向の特性)である。空胴共振器2内に定在波が形成されている場合、S21は上に凸の波形を示す。図4は、表1に示した管6を用いて、管6内をエチレングリコールで充填している状態におけるS21の波形を示した。内径1〜6mmのすべての管において、上に凸の形状を示したことから、定在波が形成されており、シングルモードにてマイクロ波加熱がなされていることがわかった。
[実施例2]
実施例2は、高速流にてエチレングリコールをマイクロ波加熱した以外、実施例1と同様にマイクロ波加熱を行った。図5に、実施例1よりも高流速でエチレングリコールをマイクロ波加熱した時の昇温特性を示した。管6は内径6mmのものを使用した。マイクロ波出力100W、流速600ml/hでの到達温度は111℃であり、マイクロ波出力300W、流速1800ml/hにおける到達温度は129℃であった。到達温度における温度変動はいずれも±2℃以下であり、内径6mmの管6を用いて高流速であってもエチレングリコールを加熱することができた。
[比較例1]
比較例1として、2.45GHz帯のマイクロ波を発生する半導体素子を備えたマイクロ波発振器を用いてエチレングリコールの加熱を行った。マイクロ波発生器の周波数が異なる以外、実施例1と同様にマイクロ波加熱を行った。
マイクロ波発振器と空胴共振器の大きさに関して、2.45GHz帯のマイクロ波を発生するマイクロ波発振器(発振周波数:2.4〜2.6GHz、最大出力:100W)を用いた。また、空胴共振器の内径90mm、管6への照射長さが10mmの空胴共振器を用いた。管6は表1に示したサイズや材質のものを用いた。
本比較例1では、実施例1と同様に、流速100ml/h、マイクロ波出力は20Wにて、エチレングリコールの加熱を行った。図6は、表1の管6を用いてエチレングリコールを加熱した時のマイクロ波出力あたりの温度上昇率を示した。図6の縦軸は、到達温度から開始温度を引いた温度上昇量(ΔT/℃)を、さらにマイクロ波出力で割った値である。グラフより、内径が大きくなるにつれて加熱効率は低下し、内径4mmでは内径1mmの1/5程度となった。
実施例1と同様に、空胴共振器内での定在波の形成状態を確認するために、ネットワークアナライザを用いてS21の波形を調べた。図7は、表1に示した管6を用いて、管6内にエチレングリコールで充填している状態におけるS21の波形を示した。内径2mm以下の管6では、S21の波形は上に凸の形状を示したことから、定在波が形成されており、シングルモードでのマイクロ波加熱がなされている。しかし、内径4mm以上の管6では、バックグラウンドレベル(約−70dB以下)まで強度は低下した。また、内径4mm以上の管6を用いた場合のグラフは、ほぼ平らな形状を示しており、定在波が形成されているシングルモードの状態ではなく、マルチモードの状態にてマイクロ波加熱がなされていることがわかった。
[実施例3]
実施例3は、実施例1と同様のマイクロ波処理装置1Aを用いて、エチレングリコールと同様に極性溶媒に分類される、イオン交換水およびN,N−ジメチルアセトアミドの加熱を行った。管6には外径8mm内径6mmの石英製を用いた。図8に被加熱対象物としてイオン交換水(沸点100℃)用いて、915MHz帯のマイクロ波の定在波により加熱をした時の昇温特性を示した。イオン交換水の場合、流速100ml/hにて、マイクロ波出力10Wでの到達温度は約57℃であり、マイクロ波出力20Wでの到達温度は約80℃であり、出力30Wでは沸点に到達した。図9に被加熱対象物としてN,N−ジメチルアセトアミド(沸点165℃)を用いてマイクロ波加熱した時の昇温特性を示した。すなわち、温度、マイクロ波の入射波、反射波および共振周波数のそれぞれの時間変化を併せて示した。(a)、(b)、(c)図は、マイクロ波出力が40W、60W、80Wの場合である。N,N−ジメチルアセトアミドの場合、流速480ml/hにてマイクロ波出力40W、60W、80Wで加熱した時の到達温度は、それぞれ、約100℃、約120℃、約150℃であった。反射波はほぼ0Wであり、共振周波数は温度変化に追随して変化していることから、周波数のフィードバック制御部11により、常に定在波の形成に最適なマイクロ波が発振されたことがわかった。以上、いずれの溶媒も、内径6mmの管6を用いて沸点近傍まで加熱できることがわかった。
[実施例4]
実施例1と同様のマイクロ波処理装置1Aを用いて、非極性溶媒に分類されるトルエンの加熱を行った。反応管には、外径8mm内径6mmの石英製の管および外径20mm内径18mmの石英製の管を用いた。マイクロ波出力100W、流速100ml/hの場合、いずれの反応管でも2分間で10℃以上の昇温が可能であり、マイクロ波加熱が困難とされる非極性溶媒であっても加熱できることがわかった。
実施例1と同様に、空胴共振器内での定在波の形成状態を確認するために、ネットワークアナライザを用いてS21の波形を調べた。図10に、反応管内にトルエンを充填している状態におけるS21の波形を示した。内径6mmおよび内径18mm、いずれの管6においてもS21の波形は上に凸の形状を示していることから、定在波が形成されており、シングルモードでのマイクロ波加熱がなされていることがわかった。
[実施例5]
本実施例では図11に示したマイクロ波処理装置1Cにて液体の加熱を行った。このマイクロ波処理装置1Cは、管内に液を流通させないこと以外は、上記マイクロ波処理装置1Aと同様の構成とした。このマイクロ波処理装置は、マイクロ波発振器(図示せず)、TM010空胴共振器2、マグネティックスターラー51からなるバッチ式のマイクロ波処理装置を用いた。マグネティックスターラー51は、管6内の液を撹拌する撹拌子52が備えられている。管6には外径10mm内径8mmの石英製の試験管を用い、空胴共振器2の中心軸に沿って設置し、液体の加熱を行った。温度計測には光ファイバー温度計(安立計器社製FL−2000(商品名))(図示せず)を用い、空胴共振器2上面位置での液体の温度を測定した。加熱液体として、イオン交換水、1−メチル−2−ピロリドン(沸点202℃)、N,N−ジメチルアセトアミドを用いた。各3mlを試験管に入れて、撹拌子にて撹拌した。空胴共振器2の照射高さ20mmに対し、試験管内の液体の高さは68mmであった。図12(a)にイオン交換水、図12(b)に1−メチル−2−ピロリドン、図12(c)にN,N−ジメチルアセトアミドの昇温特性を示した。これらの昇温特性は、各液体をマイクロ波出力20W、50W、100W、200Wで加熱した時の昇温特性である。マイクロ波出力を高くすることで、いずれの液体も20秒程度で沸点近くまで加熱されることがわかった。以上より、マイクロ波の波長が長い915MHz帯の本発明のマイクロ波処理装置1(1C)は内径が大きな管の加熱もできることから、試験管を用いたバッチ式マイクロ波加熱にも適していることがわかった。
[実施例6]
本実施例では固体(粉末)のマイクロ波加熱を行った。実施例1と同様のマイクロ波処理装置1Aを用いて、外径20mm内径18mmの石英製の管6にカーボン粉末を充填し、マイクロ波照射空間2の中心軸Cに沿って設置し加熱を行った。温度計測には放射温度計(ジャパンセンサー社製TMHX−CN0500(商品名))(図1に図示せず)を用い、管6の表面温度を測定した。なお、管6内でのカーボン粉末のかさ密度は、0.26g/cmであった。図13に、マイクロ波加熱時の昇温特性を示した。マイクロ波出力50Wにおける到達温度は約300℃であった。
[比較例2]
比較例1と同様の、2.45GHz帯のマイクロ波を発生する半導体素子を備えたマイクロ波処理装置を用い、実施例6と同様の管6を用いて、管6内にカーボン粉末を充填し、実施例6と同様に管6を配してマイクロ波加熱を行った。そのマイクロ波加熱時の昇温特性を図13に合わせて示した。マイクロ波出力50Wにおける到達温度は約90℃であった。
空胴共振器2内における定在波の形成状態を確認するために、ネットワークアナライザを用いてS21の波形を調べた。図14に、反応管内にカーボン粉末を充填している状態にて、915MHz帯のマイクロ波を用いて加熱をした際のS21の波形を示した。また図15に、2.45GHz帯のマイクロ波を用いて加熱を行った際のS21の波形を示した。915MHz帯のマイクロ波加熱の場合、S21の波形は上に凸の形状を示していることから、定在波が形成されており、シングルモードでのマイクロ波加熱がなされていることがわかった。一方、2.45GHz帯のマイクロ波加熱の場合、S21はバックグラウンドレベル(約−70dB以下)まで強度は低下し、定在波が形成されているシングルモードの状態ではなく、マルチモードの状態にてマイクロ波加熱がなされており、加熱効率は大きく低下していた。
[実施例7]
実施例7では、実施例1で用いた空洞共振器のマイクロ波照射空間の内径よりも小さな内径(239mm)の空胴共振器を用いて、エチレングリコールを充填した反応管6を設置した時のS21を調べた。実施例7では、空洞共振器の内径及びマイクロ波発生器4から発生するマイクロ波の周波数以外は、実施例1にて用いた同様のマイクロ波処理装置1Aを用いた。図16に、表1に示した各内径の管6内にエチレングリコールを充填した状態にして、マイクロ波照射をした際の、ネットワークアナライザを用いた測定によるS21の波形を示した。S21の波形は、内径1〜4mmの反応管6のすべての管において、上に凸の形状の波形を示したことから、定在波が形成されており、実施例1とは異なる950〜980MHzの周波数のマイクロ波においても、シングルモードの定在波が形成されてマイクロ波加熱できることがわかった。
[実施例8]
実施例8では、図17に示したマイクロ波処理装置1Dを用いて、イオン交換水のマイクロ波加熱を行った。このマイクロ波処理装置1Dは、反応管6の出口部に圧力計61と排圧弁62を備えたこと以外は、上記マイクロ波処理装置1Aと同様の構成である。すなわち、マイクロ波発振器4、TM010モードの空胴共振器2、圧力計61、排圧弁62からなる加圧可能なフロー式マイクロ波処理装置である。反応管6には外径6mm、内径4mmの石英製の反応管を用い、空胴共振器2の中心軸Cに沿って設置した。温度計測には放射温度計(図示せず)を用い、反応管6の表面温度を測定した。ダブルプランジャーポンプを用いて30ml/h(滞留時間:約60秒)で送液し、マイクロ波出力を90Wに一定に保って加熱を行った。なお、排圧弁を調整することで、加熱時の反応管内部の圧力を0.5〜0.8MPaの範囲で保持した。
図18にイオン交換水(沸点100℃)を加熱した時の昇温特性を示す。約150℃まで昇温したが、イオン交換水は沸騰しなかった。以上より、本マイクロ波処理装置1Dの構成は、液体を沸点以上に加熱することができる装置構成であることがわかった。
[実施例9]
実施例9では、図17に示したマイクロ波処理装置1Dを用いた化学反応例として、ゼオライトのマイクロ波加熱合成を行った。反応管6や放射温度計(図示せず)は、実施例8と同じ装置構成とした。原料溶液は、アルミン酸ナトリウム、コロイダルシリカ30質量%溶液、水酸化ナトリウム、をそれぞれ純水に溶解させてNa:Al:Si:HO=4:1:1:125となるように混合した後、室温にて24時間撹拌して作製した。その後、送液手段41にダブルプランジャーポンプを用いて15ml/h(滞留時間:約120秒)の流量にて原料溶液を送液し、設定温度を140℃にしてマイクロ波加熱を行った。なお、排圧弁62を調整することで、加熱時の反応管内部の圧力を0.5〜0.8MPaの範囲に保持した。加熱後の溶液を遠心分離することで沈殿物を回収し、純水を用いて数回、遠心分離での洗浄を繰り返した。その後に、沈殿物を乾燥させて粒子解析を行った。粒子解析には、X線回折装置(Rigaku製SmartLab)を用いた。
図19にゼオライト原料液を加熱した時の昇温特性を示す。設定温度140℃に対して、130〜150℃の温度範囲で推移し、0.5MPaの圧力における水の沸点151℃近傍の温度領域にてゼオライト原料溶液の加熱が可能であることがわかった。図20に合成物のX線回折パターンを示す。LTA型ゼオライトの合成を示すピークが確認された。
1、1A、1B、1C、1D マイクロ波処理装置
2、21、22、23 空胴共振器
2A マイクロ波照射空間
OUT 出口
3 マイクロ波供給口
4 マイクロ波発生器
5 アンテナ
6 管、反応管
7 ケーブル
11 制御部(フィードバック制御部)
12 検出部
31 被処理対象物(被加熱対象物)
41 送液手段
42 温度計
51 マグネティックスターラー
52 撹拌子
61 圧力計
62 排圧弁
C 中心軸

Claims (12)

  1. 空胴共振器内にマイクロ波を照射して、該空胴共振器内にTM0n0(nは1以上の整数)又はTE10n(nは1以上の整数)のシングルモードの定在波を形成するマイクロ波処理装置であって、
    前記マイクロ波の周波数が300〜1000MHzであり、
    前記定在波の電界強度が極大となる部分に沿って被処理対象物が配されるマイクロ波処理装置。
  2. 前記定在波の電界強度が一定となる方向と直交する方向において、前記被処理対象物の最大長さが100mm以下である請求項1に記載のマイクロ波処理装置。
  3. 前記TM0n0モードの定在波を形成する空胴共振器は、該定在波の電界強度が一定となる方向にそった該空胴共振器のマイクロ波照射空間の寸法を、前記マイクロ波の波長の1/2以下とする請求項1又は2に記載のマイクロ波処理装置。
  4. 前記空胴共振器内に供給するマイクロ波の周波数を、前記空胴共振器内に形成された定在波の周波数に一致させるフィードバック制御部を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロ波処理装置。
  5. 前記TM0n0モードの定在波における電界強度が極大となる位置に沿って管が配置され、該管内に前記被処理対象物が配される請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロ波処理装置。
  6. 前記空胴共振器内のマイクロ波照射空間に、マイクロ波を供給するループアンテナもしくはモノポールアンテナを有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のマイクロ波処理装置。
  7. 前記マイクロ波処理装置が、前記被処理対象物をマイクロ波により加熱して、化学反応を生じさせる化学反応装置である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のマイクロ波処理装置。
  8. 前記空胴共振器が直列に複数配され、
    該複数の空胴共振器の直列連結方向でかつ該複数の空胴共振器内に形成される定在波の電界強度が極大となる部分に沿って、該複数の空胴共振器を貫通して被処理対象物が配され、
    該複数の空胴共振器の各々に対してマイクロ波を各別に供給するマイクロ波発生器を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のマイクロ波処理装置。
  9. 空胴共振器内にマイクロ波を照射して、該空胴共振器内にTM0n0(nは1以上の整数)又はTE10n(nは1以上の整数)のシングルモードの定在波を形成し、該定在波を用いて被処理対象物を処理するマイクロ波処理方法であって、
    前記マイクロ波の周波数が300〜1000MHzであり、
    前記定在波の電界強度が極大となる部分に沿って前記被処理対象物を配するマイクロ波処理方法。
  10. 前記被処理対象物の処理において、該被処理対象物の温度を制御する請求項9に記載のマイクロ波処理方法。
  11. 前記被処理対象物の温度を制御することによって、前記被処理対象物が関わる反応を促進もしくは停止する請求項9又は10に記載のマイクロ波処理方法。
  12. 空胴共振器内にマイクロ波を照射して、該空胴共振器内にTM0n0(nは1以上の整数)又はTE10n(nは1以上の整数)のシングルモードの定在波を形成し、該定在波によって被処理対象物を加熱する化学反応方法であって、
    前記マイクロ波の周波数が300〜1000MHzであり、
    前記定在波の電界強度が極大となる部分に沿って前記被処理対象物を配し、該被処理対象物を加熱することにより化学反応を生じさせることを含む、化学反応方法。
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