JP2024004473A - 表示装置 - Google Patents

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勇剛 谷垣
Yugo Tanigaki
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Abstract

【課題】優れた外光反射抑制効果、高発光輝度、及び発光素子の高信頼性を兼ね備える有機ELディスプレイを提供すること。【解決手段】同一の基板上に、第1電極、第2電極、画素分割層、発光層を含む有機層、封止層、カラーフィルタ層、及びブラックマトリックス層を有する表示装置であって、該画素分割層が(D-DL)着色剤を含み、該画素分割層の膜厚1μm当たりの可視光線の波長における光学濃度が0.5~3.0であって、平面視において、複数の画素部を有し、該画素部の形状が、下記(1a)、(2a)、及び(3)の条件のうち1つを満たす、表示装置。(1a)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形である;(2a)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である;(3)円弧で形成された閉じた形状である。【選択図】図4

Description

本発明は、表示装置に関する。詳しくは、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」)ディスプレイ、量子ドットディスプレイ、又はマイクロ発光ダイオード(以下、「マイクロLED」)ディスプレイに関する。特に、有機ELディスプレイに関する。
近年、スマートフォン、タブレットPC、及びテレビなどの薄型ディスプレイを有する表示装置において、有機ELディスプレイ、量子ドットディスプレイ、又はマイクロLEDディスプレイに関する技術が盛んに研究されており、それらを用いた製品が多く開発されている。
有機ELディスプレイの発光特性向上において、発光素子の信頼性向上が求められる。発光素子の信頼性を向上させることにより、有機ELディスプレイの耐久性向上を実現できる。また有機ELディスプレイは自発光素子を有するため、屋外における太陽光などの外光が入射すると、その外光反射によって視認性及びコントラストが低下する。そのため、外光を遮断して外光反射を低減する技術として、光取り出し側に偏光フィルムを形成することが一般的である。また画素分割層を形成する感光性組成物中に着色剤を含有させ、遮光性を向上させる技術も存在する。一方、光取り出し側にカラーフィルタを有する別の基板を貼り合わせ、発光特性を制御する技術も知られている。
有機ELディスプレイとしては、光取り出し側にブラックマトリックス層を有する有機ELディスプレイ(特許文献1参照)などが挙げられる。
韓国公開特許第10-2016-0130071号公報
有機ELディスプレイにおいて、光取り出し側に偏光フィルムを形成すると発光素子からの発光も一部遮断されてしまう。そのため、偏光フィルムを有する構成では外光反射抑制と発光輝度向上との両立が困難であった。そこで、光取り出し側に偏光フィルムを有しない構成により発光輝度を向上させ、さらに、外光反射抑制機能を有する部材と組み合わせる構成が必要とされる。
外光反射機能を有する部材として、光取り出し側にカラーフィルタを有する別の基板を貼り合わせる場合、画素部となる発光素子と、画素部と重畳するカラーフィルタとの位置関係が重要となる。しかしながら、カラーフィルタを有する別の基板を貼り合わせる場合、貼り合わせ位置精度や露光アライメント誤差に起因して発光特性が低下するという課題もあった。
一方、外光反射抑制のために画素分割層を形成する感光性組成物中に着色剤を含有させる場合、パターニング露光時の紫外線等も遮断されてしまう。そのため、パターン加工性の悪化に起因する発光特性低下も課題であった。
従って、表示装置である有機ELディスプレイには、優れた外光反射抑制効果、高発光輝度、及び発光素子の高信頼性を兼ね備えることが要求される。しかしながら、上記の特許文献1に記載の表示装置は上記いずれかの特性が不十分であった。
上述した課題を解決するために、本発明の表示装置は、以下の[1]~[20]の構成を有する。
[1]同一の基板上に、第1電極、第2電極、画素分割層、発光層を含む有機層、封止層、カラーフィルタ層、及びブラックマトリックス層を有する表示装置であって、
該画素分割層が(D-DL)着色剤を含み、該画素分割層の膜厚1μm当たりの可視光線の波長における光学濃度が0.5~3.0であって、
平面視において、複数の画素部を有し、
該画素部の形状が、下記(1a)、(2a)、及び(3)の条件のうち1つを満たす、表示装置。
(1a)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形である
(2a)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である
(3)円弧で形成された閉じた形状である
[2]前記画素部の形状が、前記(1a)又は(2a)の条件を満たし、
前記少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形が、五角形、六角形、七角形、又は八角形であって、
前記少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状が、五角形、六角形、七角形、又は八角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である、前記[1]に記載の表示装置。
[3]前記画素部の開口率が、該画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口率よりも大きい、前記[1]又は[2]に記載の表示装置。
[4]前記画素部の開口率を(RCD)%とし、該画素部と重畳する前記ブラックマトリックス層部の開口率を(RBM)%とし、
該(RBM)%と該(RCD)%との差をΔ(RBM-RCD)%とするとき、
一般式(ΔRαBM/CD)で表される関係を満たす、前記[3]に記載の表示装置。
-40.0≦Δ(RBM-RCD)<-1.0 (ΔRαBM/CD
[5]前記画素部の開口率を(RCD)%とし、該画素部と重畳する該ブラックマトリックス層部の開口率を(RBM)%とし、
該(RBM)%と該(RCD)%との差をΔ(RBM-RCD)%とするとき、
一般式(ΔRaBM/CD)で表される関係を満たす、前記[1]又は[2]に記載の表示装置。
-40.0≦Δ(RBM-RCD)<45.0 (ΔRaBM/CD
[6]前記画素部と重畳するカラーフィルタ層部の面積率を(RCF)%とし、
該(RCF)%と前記(RCD)%との差をΔ(RCF-RCD)%とし、かつ、
前記(RBM)%と該(RCF)%との差をΔ(RBM-RCF)%とするとき、
さらに、一般式(ΔRaCF/CD)及び一般式(ΔRBM/CF)で表される関係を満たす、前記[5]に記載の表示装置。
-50.0≦Δ(RCF-RCD)≦35.0 (ΔRaCF/CD
0≦Δ(RBM-RCF)≦25.0 (ΔRBM/CF
[7]前記画素分割層が、以下の(C1x-DL)化合物及び/又は(C2x-DL)化合物を含む、前記[1]~[6]のいずれかに記載の表示装置。
(C1x-DL)化合物:フルオレン構造、ベンゾフルオレン構造、ジベンゾフルオレン構造、カルバゾール構造、ベンゾカルバゾール構造、インドール構造、ベンゾインドール構造、又はジフェニルスルフィド構造を有し、これらの構造にイミノ基が結合した構造及び/又はこれらの構造にカルボニル基が結合した構造、を有する化合物
(C2x-DL)化合物:インデン構造を含むカルボン酸エステル構造及び/又はインデン構造を含むスルホン酸アリールエステル構造を有する化合物
[8]前記画素分割層が前記(C1x-DL)化合物を含み、かつ、該画素分割層がネガ型感光性組成物を硬化した硬化物であって、該画素分割層が、ビフェニル構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、ピレン構造、インダン構造、インデン構造、テトラヒドロナフタレン構造、フルオレン構造、キサンテン構造、イソインドリノン構造、ビシクロ[4.3.0]ノナン構造、ビシクロ[5.4.0]ウンデカン構造、ビシクロ[2.2.2]オクタン構造、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン構造、ぺンタシクロペンタデカン構造、アダマンタン構造、又はノルボルネン構造を有する化合物を含有する、
又は
前記画素分割層が前記(C2x-DL)化合物を含み、かつ、該画素分割層がポジ型感光性組成物を硬化した硬化物である、前記[7]に記載の表示装置。
[9]平面視において、前記画素部が、第1色の画素部、第2色の画素部、及び第3色の画素部を有し、
該第1色、該第2色、及び該第3色が互いに異なる色であって、
該第1色の画素部の形状、該第2色の画素部の形状、及び該第3色の画素部の形状からなる群より選ばれる二種類の形状が、前記(1a)又は(2a)の条件を満たす場合、下記(4)の条件を満たす、
又は、
該第1色の画素部の形状、該第2色の画素部の形状、及び該第3色の画素部の形状が、前記(1a)又は(2a)の条件を満たす場合、下記(5)の条件を満たす、前記[1]~[8]のいずれかに記載の表示装置。
(4)前記(1a)又は(2a)の条件を満たす該二種類の形状が互いに異なる形状である
(5)該第1色の画素部の形状、該第2色の画素部の形状、及び該第3色の画素部の形状が互いに異なる形状である
[10]平面視において、前記画素部が、複数の第1色の画素部、複数の第2色の画素部、及び複数の第3色の画素部を有し、
該第1色、該第2色、及び該第3色が互いに異なる色であって、
該第1色の画素部の形状、該第2色の画素部の形状、及び該第3色の画素部の形状からなる群より選ばれる二種類以上の形状が、前記(1a)又は(2a)の条件を満たし、
前記(1a)又は(2a)の条件を満たす二種類以上の画素部のうち、一種類以上の画素部が、画素部よりも長軸方向のパターン寸法が小さい2つ以上の副画素部で構成されており、
該第1色の画素部が副画素部で構成されている場合、一部又は全部の第1色の画素部が、2つ以上の第1色の副画素部で構成されており、
該第2色の画素部が副画素部で構成されている場合、一部又は全部の第2色の画素部が、2つ以上の第2色の副画素部で構成されており、
該第3色の画素部が副画素部で構成されている場合、一部又は全部の第3色の画素部が、2つ以上の第3色の副画素部で構成されており、
該2つ以上の第1色の副画素部の形状、該2つ以上の第2色の副画素部の形状、及び該2つ以上の第3色の副画素部の形状が、それぞれ独立して、下記(6)又は(7)の条件を満たす、前記[1]~[9]のいずれかに記載の表示装置。
(6)少なくとも3つの辺を含む閉じた多角形である
(7)少なくとも3つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である
[11]前記少なくとも3つの辺を含む閉じた多角形が、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、又は八角形であって、
前記少なくとも3つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状が、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、又は八角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である、前記[10]に記載の表示装置。
[12]前記画素部の長軸方向のパターン寸法の最大値を(CDL/max)μmとするとき、
該(CDL/max)μmが下記(8)の条件を満たす、前記[1]~[4]及び[7]~[11]のいずれかに記載の表示装置。
(8)(CDL/max)μmが、画素部と重畳するカラーフィルタ層部の長軸方向のパターン寸法よりも大きく、かつ、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターン寸法よりも大きい
[13]前記画素部の長軸方向のパターン寸法の最小値を(CDL/min)μmとし、該画素部と重畳する前記カラーフィルタ層部の長軸方向のパターン寸法を(CF)μmとし、該画素部と重畳する前記ブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターン寸法を(BM)μmとし、
前記(CDL/max)μmと該(CDL/min)μmとの寸法差をΔ(CDL/max-CDL/min)μmとし、かつ、
該(BM)μmと該(CDL/max)μmとの寸法差をΔ(BM-CDL/max)μmとし、該(BM)μmと該(CDL/min)μmとの寸法差をΔ(BM-CDL/min)μmとするとき、
一般式(ΔCD)で表される関係を満たし、かつ、
一般式(ΔBM/CDαmax)及び一般式(ΔBM/CDαmin)で表される関係を満たす、前記[12]に記載の表示装置。
0≦Δ(CDL/max-CDL/min)≦4.0 (ΔCD)
-6.0≦Δ(BM-CDL/max)≦-1.0 (ΔBM/CDαmax
-6.0≦Δ(BM-CDL/min)≦-1.0 (ΔBM/CDαmin
[14]前記(CF)μmと前記(CDL/max)μmとの寸法差をΔ(CF-CDL/max)μmとし、該(CF)μmと前記(CDL/min)μmとの寸法差をΔ(CF-CDL/min)μmとするとき、
さらに、一般式(ΔCF/CDαmax)及び一般式(ΔCF/CDαmin)で表される関係を満たす、前記[13]に記載の表示装置。
-9.0≦Δ(CF-CDL/max)≦-1.0 (ΔCF/CDαmax
-9.0≦Δ(CF-CDL/min)≦-1.0 (ΔCF/CDαmin
[15]前記画素部の形状が、前記(1a)又は(2a)の条件を満たし、該画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の形状が、下記(1a’)又は(2a’)の条件を満たす、前記[1]~[14]のいずれかに記載の表示装置。
(1a’)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形である
(2a’)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である
[16]前記画素部の形状が、前記(1a)又は(2a)の条件を満たし、該画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の形状が、下記(3’)の条件を満たす、
又は、
前記画素部の形状が、前記(3)の条件を満たし、該画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の形状が、下記(1a’)又は(2a’)の条件を満たす、前記[1]~[14]のいずれかに記載の表示装置。
(1a’)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形である
(2a’)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である
(3’)円弧で形成された閉じた形状である
[17]前記画素分割層が段差形状を有する硬化パターンを含み、
該画素分割層の硬化パターンの段差形状における、厚膜部の膜厚を(TFT)μmとし、かつ、薄膜部の膜厚を(THT)μmとするとき、
該(TFT)μmと該(THT)μmとの膜厚差(ΔTFT-HT)μmが0.5~10.0μmであって、
該画素分割層の硬化パターンの段差形状における厚膜部及び薄膜部が、同一の(D-DL)着色剤を含み、
該厚膜部及び該薄膜部の膜厚1μm当たりの可視光線の波長における光学濃度が0.5~3.0である、前記[1]~[16]のいずれかに記載の表示装置。
[18]前記画素分割層の薄膜部の表面における表面粗さの最大値を(RaHT/max)とし、かつ、該画素分割層の厚膜部の表面における表面粗さの最大値を(RaFT/max)とするとき、
該(RaHT/max)と該(RaFT/max)との差|Δ(RaHT/max-RaFT/max)|が1.0~50.0nmである、前記[17]に記載の表示装置。
[19]前記画素分割層が、有機黒色顔料及び/又は二色以上の着色顔料混合物を含有し、
該有機黒色顔料が、ベンゾフラノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、及びアゾ系黒色顔料からなる群より選ばれる一種類以上を含み、
該二色以上の着色顔料混合物が、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、及び紫色からなる群より選ばれる二色以上の顔料を含む、前記[1]~[18]のいずれかに記載の表示装置。
[20]前記画素分割層が、以下の(A1-DL)樹脂及び/又は(A3-DL)樹脂を含有する、前記[1]~[19]のいずれかに記載の表示装置。
(A1-DL)樹脂:イミド構造、アミド構造、オキサゾール構造、及びシロキサン構造からなる群より選ばれる一種類以上を含む構造単位を有する樹脂
(A3-DL)樹脂:フェノール性水酸基を含む構造単位を有する樹脂。
本発明の表示装置によれば、優れた外光反射抑制効果、高発光輝度、及び発光素子の高信頼性を兼ね備える有機ELディスプレイを提供可能である。
段差形状を有する画素分割層を含む表示装置の一例を示す模式的断面図及び平面図である。 画素分割層及びスペーサ層を含む表示装置の一例を示す模式的断面図及び平面図である。 段差形状を有する画素分割層及びスペーサ層を含む表示装置の一例を示す模式的断面図及び平面図である。 x軸方向における画素部のパターン寸法と画素ピッチを統一した場合における、画素部の形状、寸法比、及び画素部の開口率の一例を示す平面図である。 2つ以上の副画素部の形状が少なくとも3つの辺を含む閉じた多角形である場合の、画素部の形状及び副画素部の形状の一例を示す平面図である。 画素部の長軸方向のパターン寸法、カラーフィルタ層部の長軸方向のパターン寸法及びブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターン寸法の一例を示す模式的断面図並びに平面図である。 画素部の形状、カラーフィルタ層部の形状、及びブラックマトリックス層部の開口部の形状の一例を示す平面図である。 ブラックマトリックス層部がカラーフィルタ層部と重畳する構成を有する表示装置の一例を示す模式的断面図及び平面図である。 段差形状を有する画素分割層及び偏光フィルムを含む表示装置の一例を示す模式的断面図である。 第1色の画素部、第2色の画素部、及び第3色の画素部を含む構成を有する表示装置の一例を示す平面図である。 段差形状を有する硬化パターンの断面の一例を示す模式的断面図である。 発光特性評価に用いた有機ELディスプレイの基板における工程1~工程4の製造プロセスを示す平面図である。 ハーフトーン特性評価に用いたハーフトーンフォトマスクにおける透光部、遮光部、及び半透光部の配置、並びに、寸法の一例を示す平面図である。 発光特性評価に用いた有機ELディスプレイの厚膜部、開口部、及び薄膜部の配置、並びに、寸法の一例を示す平面図である。
以下、本発明の態様である表示装置について述べる。
本発明の表示装置において、平面視における平面とは、後述する基板に水平な平面をいう。また本発明の表示装置において、平面視とは、基板に水平な平面をxy軸平面とし、xy軸平面に対して直交する方向をz軸方向とした場合において、z軸方向から見たxy軸平面のうち、表示装置の光取り出し側の平面視をいう。なお平面視において特定の部材に着目する場合、特定の部材に重なる別の部材を透過して見たものとする。基板が平面でない場合、後述する任意の画素部に水平な平面をxy平面とする。本発明の表示装置において、重畳するとは、z軸方向に対して直接的又は間接的に重なることをいう。本発明の表示装置において、パターン寸法の平均値は、光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」)を用いて30点のパターン寸法を測定した平均値として算出できる。またパターン寸法の最大値及び最小値は、同様に光学顕微鏡又はSEMを用いて30点のパターン寸法を測定した最大値と最小値として算出できる。なお樹脂の主鎖とは、構造単位を含む樹脂を構成する鎖のうち最も鎖長が長いものをいう。樹脂の側鎖とは、構造単位を含む樹脂を構成する鎖のうち、主鎖から分岐した又は主鎖に結合した、主鎖よりも鎖長が短いものをいう。樹脂の末端とは主鎖を封止する構造をいい、例えば、末端封止剤などに由来する構造である。
<表示装置>
本発明の表示装置は、同一の基板上に、第1電極、第2電極、画素分割層、発光層を含む有機層、封止層、カラーフィルタ層、及びブラックマトリックス層を有する表示装置であって、
該画素分割層が(D-DL)着色剤を含み、該画素分割層の膜厚1μm当たりの可視光線の波長における光学濃度が0.5~3.0であって、
平面視において、複数の画素部を有し、
該画素部の形状が、下記(1a)、(2a)、及び(3)の条件のうち1つを満たす、表示装置。
(1a)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形である
(2a)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である
(3)円弧で形成された閉じた形状である。
このような構成とすることで、本発明の表示装置は、優れた外光反射抑制効果、高発光輝度、及び発光素子の高信頼性を兼ね備えることが可能である。画素分割層の可視光線の波長における光学濃度が上記のような構成であることで、入射した外光を画素分割層で遮光できるため、外光反射抑制の効果が顕著となる。また画素分割層の可視光線の波長(380~780nm)及び紫外領域の波長(例えば、400nm以下)における遮光性向上により、画素分割層等からのアウトガスが抑制され、発光素子の劣化が抑制されるため、発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。段差形状を有する画素分割層を含む表示装置の一例を示す模式的断面図及び平面図を図1に示す。
本発明の表示装置において、画素分割層の光学濃度が上記範囲であって、画素部の形状が上記条件を満たす形状である場合、画素部の開口率を高く設計できるため、発光素子からの発光の光取り出し効率が向上し、特に優れた高発光輝度の効果を奏功する。加えて、広範な視野角での高発光輝度の効果を奏功する。さらに、白色光である外光はカラーフィルタ層部を通過することで減衰する上、カラーフィルタ層部から入射する外光を画素分割層で遮光できる。加えて、ブラックマトリックス層部によって外光を遮光できるため、優れた外光反射抑制効果を奏功する。本発明の表示装置において、このような構成は、後述するブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターン寸法を特定範囲とする設計と組み合わせることが特に好適である。上記画素部の形状の設計による高発光輝度と、後述するブラックマトリックス層部の開口部の寸法の設計による優れた外光反射抑制効果とを高い次元で両立可能となる。
本発明の表示装置は、発光層を含む有機層の光取り出し側に、直線偏光板、1/4波長板、又は円偏光板などの偏光フィルムを有しなくても、画素分割層の遮光性により、電極配線の可視化防止及び外光反射抑制の効果が顕著となる。すなわち、本発明の表示装置は、フレキシブル性及び折り曲げ性に乏しい偏光フィルムを有しないことで、フレキシブル性向上及び折り曲げ性向上の効果が顕著となる。従って、本発明の表示装置は、画素分割層がフレキシブル基板上に積層されている構造を有し、発光層を含む有機層の光取り出し側に偏光フィルムを有しない、フレキシブル性を有する表示装置に好適であり、フレキシブル性を有する有機ELディスプレイに特に好適である。また偏光フィルムを有しないことで、表示装置の製造におけるコスト削減の効果が顕著となる。
<基板>
本発明の表示装置は、基板を有する。基板は耐衝撃性向上の観点から、二酸化ケイ素又は三酸化二アルミニウムを有することが好ましく、ガラス基板、石英基板、水晶基板、又はサファイア基板がより好ましい。
基板は、フレキシブル性向上、折り曲げ性向上、及び表示装置の形状自由度向上(曲面形状又は折り曲げ形状など)の観点から、フレキシブル基板が好ましい。フレキシブル基板は、ポリイミド基板、ポリエチレンテレフタレート基板、シクロオレフィンポリマー基板、ポリカーボネート基板、又はセルローストリアセテート基板が好ましく、折り曲げ性向上の観点から、ポリイミド基板がより好ましい。
本発明の表示装置は、フレキシブル性を有する表示装置であることが好ましく、曲面の表示部、外側への折り曲げ面を含む表示部、又は内側への折り曲げ面を含む表示部を有することが好ましい。フレキシブル性を有する表示装置は、フレキシブル性を有する有機ELディスプレイ、フレキシブル性を有する量子ドットディスプレイ、又はフレキシブル性を有するマイクロLEDディスプレイが好ましく、フレキシブル性を有する有機ELディスプレイがより好ましい。
<第1電極及び第2電極;平面視における第1電極部及び第2電極部>
本発明の表示装置は、第1電極及び第2電極を有する。第1電極及び第2電極として、透明電極と非透明電極とを組み合わせることにより、後述する発光層を含む有機層における発光を片側に取り出すことができる。透明電極及び非透明電極には、電気特性に優れることが求められる。透明電極又は非透明電極を陽極として用いる場合には、効率良く正孔を注入できること、一方、陰極として用いる場合には、効率良く電子を注入できることなどの複合的な特性が求められる。
ボトムエミッション型の構成の表示装置は、第1電極に透明電極を、第2電極に非透明電極を有する。一方、トップエミッション型の構成の表示装置は、第1電極に非透明電極を、第2電極に透明電極を有する。表示装置は、有機ELディスプレイが好ましい。透明電極とは、波長550nmにおける透過率が30%以上である電極をいい、非透明電極とは、波長550nmにおける透過率が30%未満である電極をいう。電極が多層構造の場合、多層構造とした場合の波長550nmにおける透過率にて透明電極又は非透明電極に分類する。電極の膜厚を調整して波長550nmにおける透過率を調整することが好ましい。複合的な特性を両立するため、非透明電極の第1電極を多層構造とすることも好ましい。例えば、非透明電極の第1電極を多層構造とし、第1電極の基板側に、密着性や耐腐食性を向上させる下地層や、反射率を調整する反射調整層を有することもできる。なお電極が単層構造の場合、後述する透明導電性酸化膜層、非透明導電性層、非透明導電性金属層、透明導電性層、及び透明導電性金属層における透明又は非透明とは、上記と同様に、波長550nmにおける透過率が30%以上又は30%未満であることをいう。一方、電極が多層構造の場合、波長550nmにおける透過率が全体として30%以上であることを透明といい、多層構造を構成する各層のうち1層でも30%未満であることを非透明という。すなわち、多層構造が少なくとも1つの非透明導電性層又は非透明導電性金属層を有する場合、当該多層構造を具備する電極は非透明電極となる。
本発明の表示装置は、平面視において、複数の第1電極部を有することが好ましい。上述した第1電極を平面視したものが、第1電極部に相当する。本発明の表示装置は、平面視において、第2電極部を有することが好ましい。上述した第2電極を平面視したものが、第2電極部に相当する。本発明の表示装置は、複数の第2電極部を有することがより好ましい。
<透明導電性酸化膜層、非透明導電性層、非透明導電性金属層、透明導電性層、及び透明導電性金属層>
本発明の表示装置は、第1電極の発光層側の最表層に、透明導電性酸化膜層を有することが好ましく、In、Sn、Zn、Al、又はGaを主成分の元素に含む透明導電性酸化膜層を有することがより好ましく、インジウムを主成分の元素に含む透明導電性酸化膜層を有することがさらに好ましい。透明導電性酸化膜層における主成分の元素とは、透明導電性酸化膜層の構成元素において最も多く含まれる酸素以外の元素をいう。透明導電性酸化膜層は、発光輝度向上の観点から、ITO又はIZOが好ましく、ITOがより好ましい。透明導電性酸化膜層は発光素子の信頼性向上の観点から、アモルファス性の透明導電性酸化膜層が好ましい。一方、透明導電性酸化膜層は発光輝度向上の観点から、多結晶性の透明導電性酸化膜層が好ましい。なお本発明の表示装置は、第1電極が多層構造の場合、第1電極の発光層側の最表層に、これらの透明導電性酸化膜層を有することが好ましい。第1電極は単層構造又は多層構造である。第1電極が単層構造の場合、第1電極は透明電極が好ましい。第1電極が多層構造の場合、第1電極は透明電極又は非透明電極である。第1電極を陽極として用いる場合、第1電極は発光特性の低電圧駆動化及び発光輝度向上の観点から、ITO又はIZOが好ましく、ITOがより好ましい。第1電極が透明電極の場合、第1電極の膜厚を調整して波長550nmにおける透過率を調整することが好ましい。
第1電極が単層構造の非透明電極の場合、第1電極は非透明導電性層である。第1電極が多層構造の非透明電極の場合、第1電極は非透明導電性層を有する。第1電極が非透明電極の場合、非透明導電性層は金属元素を含む非透明導電性金属層が好ましい。また第1電極を陽極として用いる場合、非透明導電性金属層は発光輝度向上、発光素子の信頼性向上、及び耐腐食性向上の観点から、Ag、Cu、Au、Ti、Al、Ni、Mo、又はCrを主成分の元素に含むことが好ましく、Ag、Cu、Au、Ti、又はAlを主成分の元素に含むことがより好ましく、銀又は銅を主成分の元素に含むことがさらに好ましい。非透明導電性金属層における主成分の元素とは、非透明導電性金属層の構成元素において最も多く含まれる元素をいう。
本発明の表示装置は、第2電極の発光層側の最表層に、透明導電性金属層を有することが好ましく、Li、Mg、Ag、Cu、Au、Ti、又はAlを主成分の元素に含む透明導電性金属層を有することがより好ましく、マグネシウム又は銀を主成分の元素に含む透明導電性金属層を有することがさらに好ましい。透明導電性金属層における主成分の元素とは、透明導電性金属層の構成元素において最も多く含まれる元素をいう。透明導電性金属層は、発光輝度向上の観点から、LiAg又はMgAgが好ましく、MgAgがより好ましい。なお本発明の表示装置は、第2電極が多層構造の場合、第2電極の発光層側の最表層に、これらの透明導電性金属層を有することが好ましい。
<アモルファス性の透明導電性酸化膜層;特定金属を含む非透明導電性金属層>
本発明の表示装置は、発光輝度向上及び発光素子の信頼性向上の観点から、第1電極が多層構造の非透明電極であって、第1電極が透明導電性酸化膜層及び非透明導電性金属層を有し、第1電極の発光層側の最表層に、インジウムを主成分の元素に含むアモルファス性の透明導電性酸化膜層を有し、第1電極の発光層側の最表層以外の層のうち少なくとも一層が、銀又は銅を主成分の元素に含む非透明導電性金属層を有し、トップエミッション型の構成であることが好ましい。
第1電極の最表層にアモルファス性の透明導電性酸化膜層を有することで、第1電極の表面における欠陥発生や突起物発生が抑制されるため、発光素子の信頼性向上の効果が顕著になると推定される。また、銀又は銅を主成分の元素に含む非透明導電性金属層を有することで、これらの金属が有する高反射率の特性により光取り出し効率が向上するため、発光輝度向上の効果が顕著になると推定される。同様に、これらの金属が有する低抵抗率の特性により導電性が向上するため、発光輝度向上の効果が顕著になると推定される。アモルファス性の透明導電性酸化膜層及び銀又は銅を主成分の元素に含む非透明導電性金属層により、発光素子の信頼性向上、発光輝度向上、及び光取り出し効率向上の効果が顕著となるため、トップエミッション型の構成の表示装置において、特に好適である。
<画素分割層;平面視における画素分割層部>
本発明の表示装置は、画素分割層を有する。画素分割層とは、隣接する画素部同士を分割し、各画素部の領域を定義する層である。画素分割層は、第1電極上の領域を分割する層であることが好ましい。画素分割層は感光性組成物を硬化した硬化膜が好ましく、着色剤を含む感光性組成物を硬化した硬化膜がより好ましく、黒色剤を含む感光性組成物を硬化した硬化膜がさらに好ましい。画素分割層は、上述した第1電極上の一部と重なるように形成されていることが好ましい。このような構成とすることで、任意の画素における第1電極と第2電極とを絶縁でき、第1電極と第2電極との短絡に起因する画素非点灯を抑制できる。また任意の画素における第1電極と、隣接する画素における第1電極とを絶縁でき、第1電極同士の短絡に起因する画素非点灯を抑制できる。
画素分割層は、感光性組成物中の樹脂等の成分の着色によって可視光線の波長において黒色であることが好ましく、複数の着色剤の着色によって黒色であることがより好ましく、黒色剤によって黒色であることがさらに好ましい。またこれらの着色に加えて、熱発色剤及び/又は酸化発色剤等の着色によって黒色であることも好ましい。なお着色しているとは、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、又は紫色であることをいう。
本発明の表示装置は、平面視において、複数の開口部を有する画素分割層部を有することが好ましい。上述した画素分割層を平面視したものが、画素分割層部に相当する。本発明の表示装置は、後述する画素部の形状が、画素分割層部の開口部の形状と類似の形状又は相似の形状が好ましく、画素分割層部の開口部の形状と同一であることがより好ましい。
本発明の表示装置は、画素部の形状が、下記(1a)、(2a)、及び(3)の条件のうち1つを満たす。
(1a)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形である
(2a)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である
(3)円弧で形成された閉じた形状である。
このような構成とすることで、画素部の開口率を高く設計できるため、発光素子からの発光の光取り出し効率が向上し、特に優れた高発光輝度の効果を奏功する。加えて、広範な視野角での高発光輝度の効果を奏功する。
画素部の形状において、少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形における辺の数は、12個以下が好ましく、10個以下がより好ましく、8個以下がさらに好ましく、6個以下が特に好ましい。少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形は、五角形、六角形、七角形、又は八角形が好ましく、正五角形、直角五角形、正六角形、直角六角形、正七角形、又は正八角形がより好ましい。画素部の形状において、少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状は、五角形、六角形、七角形、又は八角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状が好ましく、正五角形、直角五角形、正六角形、直角六角形、正七角形、又は正八角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状がより好ましい。なお少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状は、例えば、2つの辺とそれらの交点である頂点において、頂点が円弧に置き換えられた形状が挙げられる。このような形状の場合、2つの辺とそれらの交点である頂点が、直線部と円弧部からなる1つの曲線に置き換えられた形状となる。また例えば、全ての頂点が円弧に置き換えられた形状も挙げられる。このような形状の場合、直線部と円弧部からなる閉じた形状となる。画素部の形状において、円弧で形成された閉じた形状は、円形、真円形、又は楕円形であることが好ましい。なお直角五角形とは、少なくとも1つの頂点の内角が90°である五角形をいう。直角六角形とは、少なくとも1つの頂点の内角が90°である六角形をいう。
本発明の表示装置は、画素部の形状が、上記(1a)又は(2a)の条件を満たし、
少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形が、五角形、六角形、七角形、又は八角形であって、
少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状が、五角形、六角形、七角形、又は八角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状であることが好ましい。
このような構成とすることで、外光反射抑制及び発光輝度向上の効果が顕著となる。画素部の形状が上記条件を満たす形状である場合、円形、真円形、又は楕円形ではなく、少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形又はその一部が円弧に置き換えられた形状となる。画素部の形状を円形、真円形、又は楕円形ではなく、このような形状とすることで、発光素子からの発光が面発光として非対称となる。その結果、第1電極と第2電極との間における反射・干渉によって強められるため、発光輝度向上の効果が顕著になると推定される。また、画素部の形状を円形、真円形、又は楕円形ではなく、このような形状とすることで、入射した外光の画素分割層部の表面における散乱が非対称となる。その結果、第1電極と第2電極との間における反射・干渉によって弱められるため、外光反射抑制の効果が顕著になると推定される。
画素部と重畳する後述するカラーフィルタ層部の形状、画素部と重畳する後述するブラックマトリックス層部の開口部の形状、後述するスペーサ層部の形状、後述するオーバーコート層部の形状、及び後述するオーバーコート層部の開口部の形状は、下記(1’)、(1a’)、(2’)、(2a’)、及び(3’)の条件のうち1つを満たすことが好ましく、下記(1a’)、(2a’)、及び(3’)の条件のうち1つを満たすことがより好ましく、下記(1a’)又は(2a’)の条件を満たすことがさらに好ましい。
(1’)閉じた多角形である
(1a’)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形である
(2’)閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である
(2a’)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である
(3’)円弧で形成された閉じた形状である。
閉じた多角形としては、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、又は八角形が挙げられ、正三角形、二等辺三角形、直角三角形、正方形、菱形、長方形、台形、直角台形、平行四辺形、正五角形、直角五角形、正六角形、直角六角形、正七角形、又は正八角形が好ましい。閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状としては、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、又は八角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状が挙げられ、正三角形、二等辺三角形、直角三角形、正方形、菱形、長方形、台形、直角台形、平行四辺形、正五角形、直角五角形、正六角形、直角六角形、正七角形、又は正八角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状
が好ましい。円弧で形成された閉じた形状としては、例えば、円形、真円形、又は楕円形が挙げられる。少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形、及び、少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状に関する例示及び好ましい記載は、上記の通りである。
画素部と重畳する後述するカラーフィルタ層部の形状は、画素部の形状と類似の形状又は相似の形状が好ましい。画素部と重畳する後述するブラックマトリックス層部の開口部の形状は、画素部の形状と類似の形状又は相似の形状が好ましい。カラーフィルタ層部の形状は、ブラックマトリックス層部の開口部の形状と類似の形状又は相似の形状が好ましい。画素部の形状、カラーフィルタ層部の形状、及びブラックマトリックス層部の開口部の形状は、いずれも類似の形状又は相似の形状であることがより好ましい。画素部の形状、カラーフィルタ層部の形状、及びブラックマトリックス層部の開口部の形状のうちいずれかが、類似の形状でなく、かつ相似の形状でなくでも構わない。画素部の形状、カラーフィルタ層部の形状、及びブラックマトリックス層部の開口部の形状は、それぞれ互いに類似の形状でなく、かつ相似の形状でなくても構わない。画素部の形状、カラーフィルタ層部の形状、及びブラックマトリックス層部の開口部の形状の一例を示す平面図を図7に示す。
本発明の表示装置は、画素部の形状が、上記(1a)、(2a)、及び(3)の条件のうち1つを満たし、画素部と重畳する後述するブラックマトリックス層部の開口部の形状が、下記(1a’)、(2a’)、及び(3’)の条件のうち1つを満たすことが好ましく、
画素部の形状が、上記(1a)又は(2a)の条件を満たし、画素部と重畳する後述するブラックマトリックス層部の開口部の形状が、下記(1a’)又は(2a’)の条件を満たすことがより好ましい。
本発明の表示装置は、さらに、画素部と重畳する後述するカラーフィルタ層部の形状が、下記(1a'')、(2a'')、及び(3'')の条件のうち1つを満たすことが好ましく、下記(1a'')又は(2a'')の条件を満たすことがより好ましい。
(1a’)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形である
(2a’)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である
(3’)円弧で形成された閉じた形状である
(1a'')少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形である
(2a'')少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である
(3'')円弧で形成された閉じた形状である。
画素部の形状が、上記(1a)の条件を満たす場合、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の形状が、上記(1a’)の条件を満たすことが好ましく、さらに、画素部と重畳するカラーフィルタ層部の形状が、上記(1a'')の条件を満たすことがより好ましい。画素部の形状が、上記(2a)の条件を満たす場合、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の形状が、上記(2a’)の条件を満たすことが好ましく、さらに、画素部と重畳するカラーフィルタ層部の形状が、上記(2a'')の条件を満たすことがより好ましい。
画素部の形状及び画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の形状は、重心が一致することが好ましい。また画素部の形状及び画素部と重畳するカラーフィルタ層部の形状は、重心が一致することが好ましい。画素部の形状、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の形状、及び画素部と重畳するカラーフィルタ層部の形状は、全ての重心が一致することがより好ましい。
このような構成とすることで、ブラックマトリックス部の開口部の開口率も高く設計できるため、発光素子からの発光の光取り出し効率が向上し、発光輝度向上の効果が顕著となる。加えて、広範な視野角での発光輝度向上の効果が顕著となる。
本発明の表示装置は、画素部の形状が、上記(1a)又は(2a)の条件を満たし、画素部と重畳する後述するブラックマトリックス層部の開口部の形状が、上記(3’)の条件を満たす、又は、
画素部の形状が、上記(3)の条件を満たし、画素部と重畳する後述するブラックマトリックス層部の開口部の形状が、上記(1a’)又は(2a’)の条件を満たすことが好ましい。
画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の形状が、上記(1a’)の条件を満たす場合、画素部と重畳するカラーフィルタ層部の形状が、上記(1a'')の条件を満たすことが好ましい。画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の形状が、上記(2a’)の条件を満たす場合、画素部と重畳するカラーフィルタ層部の形状が、上記(2a'')の条件を満たすことが好ましい。
画素部の形状及び画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の形状は、重心が一致することが好ましい。また画素部の形状及び画素部と重畳するカラーフィルタ層部の形状は、重心が一致することが好ましい。画素部の形状、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の形状、及び画素部と重畳するカラーフィルタ層部の形状は、全ての重心が一致することがより好ましい。
このような構成とすることで、外光反射抑制、及び発光輝度向上の効果が顕著となる。加えて、広範な視野角での発光輝度向上の効果が顕著となる。画素部の形状及び画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の形状が、互いに異なる形状となる。このような形状とすることで、発光素子からの発光がブラックマトリックス層部の開口部を通過する際に回折光が発生するとともに、面発光として非対称となる。その結果、通過した光が干渉によって強められるため、発光輝度向上の効果が顕著になると推定される。加えて、回折光により広範な視野角での発光輝度向上の効果が顕著になると推定される。また、このような形状とすることで、ブラックマトリックス層部の開口部から入射した外光の画素分割層部の表面における散乱が非対称となる。その結果、入射した外光が干渉によって弱められるため、外光反射抑制の効果が顕著になると推定される。
画素部の形状、画素分割層部の開口部の形状、後述するスペーサ層部の形状、後述するカラーフィルタ層部の形状、後述するブラックマトリックス層部の開口部の形状、後述するオーバーコート層部の形状、及び後述するオーバーコート層部の開口部の形状における、長軸方向のパターン寸法及び短軸方向のパターン寸法について、以下に記載する。
形状が閉じた多角形の場合、長軸方向のパターン寸法とは、閉じた多角形を線対称に二分割する直線のうち、最長の直線の長さをいう。一方、短軸方向のパターン寸法とは、長軸方向と直交する方向の直線のうち、最長の直線の長さをいう。形状が、閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状の場合、長軸方向のパターン寸法とは、閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状を線対称に二分割する直線のうち、最長の直線の長さをいう。一方、短軸方向のパターン寸法とは、長軸方向と直交する方向の直線のうち、最長の直線の長さをいう。形状が円弧で形成された閉じた形状の場合、長軸方向のパターン寸法とは、円弧で形成された閉じた形状を線対称に二分割する直線のうち、最長の直線の長さをいう。一方、短軸方向のパターン寸法とは、長軸方向と直交する方向の直線のうち、最長の直線の長さをいう。形状が円形、真円形、又は楕円形の場合、長軸方向のパターン寸法とは、最長の円の直径をいう。一方、短軸方向のパターン寸法とは、長軸方向と直交する方向の円の直径をいう。
画素分割層部の開口部のパターン寸法は、開口部における底部から底部までの長さをいう。画素分割層部の開口部の長軸方向のパターン寸法の平均値は、外光反射抑制、発光輝度向上、発光色純度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、5.0μm以上が好ましく、6.0μm以上がより好ましく、7.0μm以上がさらに好ましく、8.0μm以上がさらにより好ましく、10.0μm以上が特に好ましい。一方、画素分割層部の開口部の長軸方向のパターン寸法の平均値は、外光反射抑制及び発光輝度向上の観点から、50.0μm以下が好ましく、40.0μm以下がより好ましく、35.0μm以下がさらに好ましい。また画素分割層部の開口部の長軸方向のパターン寸法の平均値は、外光反射抑制、発光輝度向上、発光色純度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、30.0μm以下が好ましく、25.0μm以下がより好ましく、20.0μm以下がさらに好ましく、17.0μm以下がさらにより好ましく、15.0μm以下が特に好ましい。
画素部の長軸方向のパターン寸法は、画素部における底部から底部までの長さをいう。画素部の長軸方向のパターン寸法を(CD)μmとし、かつ、画素部に対応する画素分割層部の開口部の長軸方向のパターン寸法を(DL)μmとするとき、(CD)μmと(DL)μmとの寸法差(ΔCD-DL)μmは、-2.0μm以上が好ましく、-1.5μm以上がより好ましく、-1.0μm以上がさらに好ましく、-0.5μm以上がさらにより好ましく、-0.2μm以上が特に好ましい。一方、(CD)μmと(DL)μmとの寸法差(ΔCD-DL)μmは、2.0μm以下が好ましく、1.5μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましく、0.5μm以下がさらにより好ましく、0.2μm以下が特に好ましい。画素部の長軸方向のパターン寸法は、画素部に対応する画素分割層部の開口部の長軸方向のパターン寸法と同一であることが最も好ましい。
<スペーサ層;平面視におけるスペーサ層部>
本発明の表示装置は、さらに、スペーサ層を有することが好ましい。スペーサ層とは、画素分割層の上層及び/又は下層に位置する層である。スペーサ層を有することで、画素分割層が段差形状を有しない場合においても、画素分割層が段差形状を有する場合における厚膜部に対応する機能を付与することができる。スペーサ層は、画素分割層上のスペーサ層を含むことが好ましい。スペーサ層は感光性組成物を硬化した硬化膜が好ましく、着色剤を含む感光性組成物を硬化した硬化膜がより好ましく、黒色剤を含む感光性組成物を硬化した硬化膜がさらに好ましい。スペーサ層は、画素分割層上の一部に形成されていることが好ましい。このような構成とすることで、発光層を含む有機層を形成する際の画素分割層と蒸着マスクとの接触面積を小さくできる。従って、画素分割層の損傷抑制により、パネルの歩留まり低下抑制及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
スペーサ層は、感光性組成物中の樹脂等の成分の着色によって可視光線の波長において黒色であることが好ましく、複数の着色剤の着色によって黒色であることがより好ましく、黒色剤によって黒色であることがさらに好ましい。またこれらの着色に加えて、熱発色剤及び/又は酸化発色剤等の着色によって黒色であることも好ましい。なお着色しているとは、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、又は紫色であることをいう。
本発明の表示装置は、さらに、平面視において、スペーサ層部を有することが好ましい。上述したスペーサ層を平面視したものが、スペーサ層部に相当する。スペーサ層部の形状は、外光反射抑制の観点から、閉じた多角形又は閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状が好ましい。スペーサ層部の形状を少なくとも一部の直線によって真円形から変えることで、入射した外光のスペーサ層部の表面における散乱が非対称となり、第1電極と第2電極との間における反射・干渉によって弱められるため、外光反射抑制の効果が顕著になると推定される。
<画素分割層中及びスペーサ層中の着色剤>
本発明の表示装置は、画素分割層が(D-DL)着色剤を含む。このような構成とすることで、入射した外光を画素分割層で遮光できるため、外光反射抑制の効果が顕著となる。また画素分割層の可視光線の波長及び紫外領域の波長における遮光性向上により、画素分割層等からのアウトガスが抑制され、発光素子の劣化が抑制されるため、発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
本発明の表示装置は、画素分割層が(D-DL)着色剤を含み、スペーサ層が、下記(1”)~(3”)の条件のうち少なくとも1つを満たすことが好ましい。本発明の表示装置は、スペーサ層が、下記(1”)及び(3”)の条件のうち少なくとも1つを満たすことがより好ましく、少なくとも下記(1”)の条件を満たすことがさらに好ましい。
(1”)スペーサ層が(D-DL)着色剤を含まない
(2”)スペーサ層が(D-DL)着色剤を含み、スペーサ層の膜厚1μm当たりの可視光線の波長における光学濃度が0.0~0.3である
(3”)スペーサ層が(C2x-DL)インデン構造を含むカルボン酸エステル構造及び/又はインデン構造を含むスルホン酸アリールエステル構造を有する化合物を含む。
このような構成とすることで、画素分割層とスペーサ層とが、異なる組成の組成物を用いて二層成膜する方法で形成されている、又は、スペーサ層がポジ型の感光性組成物で形成されていることとなる。二層成膜する方法の場合、一層目の開口部は再度アルカリ現像液と接触することとなるため、画素分割層部の開口部における残渣発生が抑制され、発光輝度向上の効果が顕著になると推定される。また、一層目の画素分割層はハーフトーンフォトマスクを用いたハーフトーン露光ではなく、ネガ型の場合はフルトーン露光によって光硬化が十分に進行しており、アルカリ現像液に対する溶解性が顕著に低下している。そのため、一層目の画素分割層の表面はラフネスの少ない平滑な膜面となっており、入射した外光の散乱が抑制されることで、外光反射抑制の効果が顕著になると推定される。一方、スペーサ層がポジ型の感光性組成物で形成されている場合、開口部は露光によってアルカリ溶解促進され、現像残渣発生が抑制されるため、発光輝度向上の効果が顕著になると推定される。また画素分割層となる箇所は、一層目の画素分割層とポジ型の感光性組成物との相互作用により、アルカリ現像液に対する溶解性が顕著に低下している。従って、一層目の画素分割層の表面はラフネスの少ない平滑な膜面となっているため、入射した外光の散乱が抑制されることで、外光反射抑制の効果が顕著になると推定される。またスペーサ層を有するため、画素分割層の損傷抑制により、パネルの歩留まり低下抑制及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
以下、画素分割層及び/又はスペーサ層(以下、「画素分割層等」)中の着色剤について、まとめて記載する。画素分割層等中の(D-DL)着色剤は、外光反射抑制及び発光素子の信頼性向上の観点から、黒色顔料及び/又は二色以上の着色顔料混合物を含有することが好ましい。画素分割層等中の(D-DL)着色剤は、外光反射抑制及び発光素子の信頼性向上の観点から、黒色染料及び/又は二色以上の着色染料混合物を含有することも好ましい。
画素分割層等中の(D)着色剤における黒色とは、Colour Index Generic Name(以下、「C.I.ナンバー」)に“BLACK”が含まれるものをいう。C.I.ナンバーが付与されていないものを含有するときは、硬化膜とした場合に黒色であるものをいう。硬化膜とした場合における黒色とは、硬化膜の透過スペクトルにおいて、波長550nmにおける膜厚1.0μmあたりの透過率をランベルト・ベールの式に基づき波長550nmにおける透過率が10%となるように膜厚を0.1~1.5μmの範囲内で換算した場合に、換算後の透過スペクトルにおける波長450~650nmにおける透過率が25%以下であることをいう。硬化膜の透過スペクトルは、国際公開第2019/087985号の段落[0285]に記載の方法に基づき、求めることができる。
画素分割層等は、有機黒色顔料及び/又は二色以上の着色顔料混合物を含有し、
有機黒色顔料が、ベンゾフラノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、及びアゾ系黒色顔料からなる群より選ばれる一種類以上を含み、
二色以上の着色顔料混合物が、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、及び紫色からなる群より選ばれる二色以上の顔料を含むことが好ましい。
二色以上の着色顔料混合物は、アントラキノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、イミダゾロン系顔料、キナクリドン系顔料、ピランスロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インダントロン系顔料、及びジオキサジン系顔料からなる群より選ばれる一種類以上の顔料を含むことが好ましい。このような構成とすることで、外光反射抑制及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。画素分割層等中のこれらの顔料は、画素分割層部の開口部に相当する、第1電極の発光層側の表面における導電性向上を促進すると推定される。そのため、発光特性の低電圧駆動化を促進すると考えられる。その結果、同一電圧駆動時における発光輝度向上の効果が顕著になると推定される。
ベンゾフラノン系黒色顔料は、ベンゼン環を共有してもよい少なくとも2つのベンゾフラン-2(3H)-オン構造又はベンゼン環を共有してもよい少なくとも2つのベンゾフラン-3(2H)-オン構造を有する化合物、それらの幾何異性体、それらの塩、又はそれらの幾何異性体の塩を含むことがより好ましい。このような構成とすることで、外光反射抑制及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。画素分割層等中のベンゾフラノン系黒色顔料は、画素分割層部の開口部に相当する第1電極の発光層側の表面における表面改質作用を促進すると推定される。そのため、仕事関数差の調整により発光特性の低電圧駆動化を促進すると考えられる。その結果、同一電圧駆動時における発光輝度向上の効果が顕著になると推定される。またベンゾフラノン系黒色顔料は、一般的な有機顔料と比較して顔料の単位質量当たりの遮光性に優れるため、外光反射抑制及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。またベンゾフラノン系黒色顔料は、一般的な有機顔料や無機顔料と比較して絶縁性及び低誘電性に優れるため、発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。ペリレン系黒色顔料は、ペリレン構造を有することが好ましく、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸ビスベンゾイミダゾール構造を有する化合物、又はそれらの幾何異性体を含むことがより好ましい。アゾ系黒色顔料は、アゾ基を有することが好ましく、アゾメチン構造及びカルバゾール構造を有する化合物又はその塩を含むことがより好ましい。
画素分割層等中の顔料の一次粒子径及び平均一次粒子径は20~150nmであることが好ましい。画素分割層等中の顔料の一次粒子径及び平均一次粒子径は、発光素子の信頼性向上の観点から、20nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、40nm以上がさらに好ましく、50nm以上がさらにより好ましく、60nm以上が特に好ましい。一方、画素分割層等中の顔料の一次粒子径及び平均一次粒子径は、外光反射抑制及び発光素子の信頼性向上の観点から、150nm以下が好ましく、120nm以下がより好ましく、100nm以下がさらに好ましく、90nm以下がさらにより好ましく、80nm以下が特に好ましい。顔料の一次粒子径とは、顔料の一次粒子における長軸径をいう。
画素分割層等中の顔料の一次粒子径は、画素分割層等を薄く割断したものを測定試料として、イオンミリング処理により研磨して平滑性を高めた断面について、透過型電子顕微鏡(以下、「TEM」)を用いて画素分割層等の表面から深さ方向に0.2~0.8μmの範囲に位置する箇所を倍率50,000倍の条件で観測した撮像を、画像解析式粒度分布測定ソフトウェア(Mac-View;MOUNTECH社製)を用いて測定できる。また画素分割層等中の顔料の平均一次粒子径は、測定試料の断面を撮像及び解析し、画素分割層等中の顔料の一次粒子30個を測定した平均値として算出できる。さらに、透過型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分光法(以下、「TEM-EDX」)で観測することで粒子を構成する元素を判別できる。
画素分割層等中の(D-DL)着色剤が顔料を含有し、顔料が被覆層を有することが好ましい。被覆層とは、例えば、シランカップリング剤による表面処理、ケイ酸塩による表面処理、金属アルコキシドによる表面処理、又は樹脂による被覆処理などの処理で形成される顔料表面を被覆する層をいう。画素分割層等がベンゾフラノン系黒色顔料を含有し、ベンゾフラノン系黒色顔料が被覆層を有することが特に好ましい。顔料に対する被覆層による平均被覆率は、50~100%が好ましく、70~100%がより好ましく、90~100%がさらに好ましい。顔料に対する被覆層による平均被覆率は、国際公開第2019/087985号の段落[0349]に記載の方法に基づき、求めることができる。
被覆層は、シリカ被覆層、金属酸化物被覆層、及び金属水酸化物被覆層からなる群より選ばれる一種類を含有することが好ましく、シリカ被覆層を含有することがより好ましい。シリカ被覆層におけるシリカとしては、例えば、二酸化ケイ素(SiO)又はその含水物が挙げられる。金属酸化物被覆層における金属酸化物には、金属酸化物そのものだけでなく、例えば、金属酸化物の水和物なども含まれる。金属酸化物としては、例えば、アルミナ(Al)又はアルミナ水和物(Al・nHO)が挙げられる。金属水酸化物被覆層における金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム(Al(OH))が挙げられる。
画素分割層等は、黒色染料及び/又は二色以上の着色染料混合物を含有し、
黒色染料がアゾ系黒色染料を含み、二色以上の着色染料混合物が、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、及び紫色からなる群より選ばれる二色以上の染料を含むことが好ましい。
黒色染料は、アゾ系黒色染料が好ましい。黒色染料は、ソルベントブラック27~47が好ましく、ソルベントブラック27、29、又は34がより好ましい(数値はいずれもC.I.ナンバー)。黒色染料としては、例えば、VALIFAST(登録商標) Black 3804(ソルベントブラック34)、同 3810(ソルベントブラック29)、同 3820(ソルベントブラック27)、同 3830(ソルベントブラック27)、NUBIAN(登録商標) Black TN-870(ソルベントブラック7)(以上、いずれもオリエント化学工業(株)製)が挙げられる。二色以上の着色染料混合物は、スクアリリウム系染料、キサンテン系染料、トリアリールメタン系染料、及びフタロシアニン系染料からなる群より選ばれる一種類以上の染料を含むことが好ましい。このような構成とすることで、外光反射抑制、発光特性の低電圧駆動化、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。画素分割層等中のこれらの染料は、画素分割層部の開口部に相当する、第1電極の発光層側の表面における導電性向上を促進すると推定される。そのため、発光特性の低電圧駆動化を促進すると考えられる。その結果、同一電圧駆動時における発光輝度向上の効果が顕著になると推定される。
本発明の表示装置は、画素分割層等が(D-DL)着色剤を含み、さらに、熱発色剤に由来する構造を有する化合物及び/又は酸化発色剤に由来する構造を有する化合物を含むことが好ましい。このような構成とすることで、外光反射抑制及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
熱発色剤に由来する構造を有する化合物は、熱発色剤が、不活性雰囲気下、加熱によって構造変化又は分解した後の構造を有する化合物が好ましく、キノン構造及び/又はキノイド構造を有する化合物がより好ましい。キノン構造及び/又はキノイド構造を有する化合物は、以下の(Q1)化合物及び/又は(Q2)化合物を含むことがさらに好ましい。不活性雰囲気は、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、若しくはキセノン雰囲気、酸素を1~10,000ppm(0.0001~1質量%)未満含有するガス雰囲気、又は、真空が好ましい。
(Q1)キノン構造及び/又はキノイド構造を有し、かつ、芳香族構造を有する化合物
(Q2)2つ以上のキノン構造及び/又は2つ以上のキノイド構造を有する化合物。
酸化発色剤に由来する構造を有する化合物は、酸化発色剤が、酸素を含むガス雰囲気下、加熱によって構造変化又は分解した後の構造を有する化合物が好ましく、キノン構造及び/又はキノイド構造を有する化合物がより好ましい。キノン構造及び/又はキノイド構造を有する化合物は、上記の(Q1)化合物及び/又は(Q2)化合物を含むことがさらに好ましい。酸素を含むガス雰囲気は、空気若しくは酸素雰囲気、又は、酸素を10,000ppm(1質量%)以上含有するガス雰囲気が好ましい。
<画素分割層中及びスペーサ層中の無機粒子;シリカ粒子>
以下、画素分割層等中の無機粒子及びシリカ粒子について、まとめて記載する。画素分割層等は無機粒子を含むことが好ましい。このような構成とすることで、画素分割層等中の無機粒子の堅牢な構造により画素分割層等の耐熱性が顕著に向上し、画素分割層等からのアウトガスが抑制される。その結果、発光素子の劣化が抑制されるため、発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
画素分割層等中の無機粒子は、Si、Al、Ti、V、Zn、Zr、Nb、Sn、Li、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Sr、Ag、Ba、La、Ce、Ta、W、又はReを主成分の元素に含むことが好ましく、ケイ素、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、スズ、又はセリウムを主成分の元素に含むことがより好ましく、ケイ素を主成分の元素に含むことがさらに好ましい。無機粒子における主成分の元素とは、無機粒子の構成元素において最も多く含まれる元素をいう。なお上記の元素のうち、いずれか単独での質量を基準に判断するものとする。これらの元素を主成分の元素に含むことで、画素分割層等からのアウトガスが抑制されるため、発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。画素分割層等中の無機粒子は、シリカ粒子、アルミナ粒子、チタニア粒子、酸化バナジウム粒子、酸化クロム粒子、酸化鉄粒子、酸化コバルト粒子、酸化銅粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化ニオブ粒子、酸化スズ粒子、又は酸化セリウム粒子が好ましく、シリカ粒子がより好ましい。
画素分割層等はシリカ粒子を含むことがより好ましい。このような構成とすることで、画素分割層等中の無機粒子と同様に、発光素子の劣化が抑制されるため、発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。また画素分割層等中のシリカ粒子により、画素分割層等の表面における入射した外光の反射・散乱が低減されるため、外光反射抑制の効果が顕著となる。
画素分割層等中のシリカ粒子の一次粒子径及び平均一次粒子径は5~50nmであることが好ましい。画素分割層等中のシリカ粒子の一次粒子径及び平均一次粒子径は、発光素子の信頼性向上の観点から、5nm以上が好ましく、7nm以上がより好ましく、10nm以上がさらに好ましい。一方、画素分割層等中のシリカ粒子の一次粒子径及び平均一次粒子径は、外光反射抑制及び発光素子の信頼性向上の観点から、50nm以下が好ましく、40nm以下がより好ましく、30nm以下がさらに好ましく、25nm以下がさらにより好ましく、20nm以下が特に好ましく、15nm以下が最も好ましい。シリカ粒子の一次粒子径とは、シリカ粒子の一次粒子における長軸径をいう。ただし、有機顔料及び無機顔料における表面処理剤又は被覆層に含まれる二酸化ケイ素は、その一次粒子径やアスペクト比によらずシリカ粒子には含まれないものとする。
画素分割層等中のシリカ粒子の一次粒子径及びアスペクト比は、画素分割層等を薄く割断したものを測定試料として、イオンミリング処理により研磨して平滑性を高めた断面について、TEMを用いて画素分割層等の表面から深さ方向に0.2~0.8μmの範囲に位置する箇所を倍率50,000倍の条件で観測した撮像を、画像解析式粒度分布測定ソフトウェア(Mac-View;MOUNTECH社製)を用いて測定できる。また画素分割層等中のシリカ粒子の平均一次粒子径は、測定試料の断面を撮像及び解析し、画素分割層等中のシリカ粒子の一次粒子30個を測定した平均値として算出できる。さらに、TEM-EDXで観測することで粒子を構成する元素を判別でき、画素分割層等中のシリカ粒子の特定が可能である。
画素分割層等中のシリカ粒子は、表面に官能基を有することが好ましい。シリカ粒子が表面に有する官能基は、ラジカル重合性基を含む表面修飾基の反応残基、熱反応性基を含む表面修飾基の反応残基、シラノール基、アルコキシシリル基、アルキルシリル基、ジアルキルシリル基、トリアルキルシリル基、フェニルシリル基、又はジフェニルシリル基が好ましく、外光反射抑制、発光特性の低電圧駆動化、発光輝度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、ラジカル重合性基を含む表面修飾基の反応残基又は熱反応性基を含む表面修飾基の反応残基がより好ましい。
ラジカル重合性基は、スチリル基、シンナモイル基、マレイミド基、ナジイミド基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、又はアリル基が好ましい。熱反応性基は、アルコキシメチル基、メチロール基、エポキシ基、オキセタニル基、又はブロックイソシアネート基が好ましい。
画素分割層等中のシリカ粒子は、発光素子の信頼性向上の観点から、ナトリウム元素を含むシリカ粒子を含有することが好ましい。ナトリウム元素の存在形態としては、例えば、イオン(Na)又はシラノール基との塩(Si-ONa)が挙げられる。画素分割層等中の全シリカ粒子に占めるナトリウム元素の含有量は、1ppm以上が好ましく、5ppm以上がより好ましく、10ppm以上がさらに好ましく、50ppm以上が特に好ましい。さらに、発光素子の信頼性向上の観点から、100ppm以上が好ましく、300ppm以上がより好ましく、500ppm以上がさらに好ましい。一方、画素分割層等中の全シリカ粒子に占めるナトリウム元素の含有量は、10,000ppm以下が好ましく、7,000ppm以下がより好ましく、5,000ppm以下がさらに好ましく、3,000ppm以下がさらにより好ましく、1,000ppm以下が特に好ましい。ナトリウム元素を含むシリカ粒子は、アルカリ条件下、ケイ素源として強アルカリであるケイ酸ナトリウムと、強酸である鉱酸との反応により得られる。シリカ粒子が有するナトリウム元素は、上記のTEM-EDXを用い、シリカ粒子の一次粒子の断面を撮像及び解析することで、長軸と短軸との交点に当たる中心部において検出できる。
<画素分割層中及びスペーサ層中の樹脂>
以下、画素分割層等中の樹脂について、まとめて記載する。画素分割層等は、以下の(A1-DL)樹脂及び/又は(A3-DL)樹脂を含有することが好ましい。
(A1-DL)樹脂:イミド構造、アミド構造、オキサゾール構造、及びシロキサン構造からなる群より選ばれる一種類以上を含む構造単位を有する樹脂
(A3-DL)樹脂:フェノール性水酸基を含む構造単位を有する樹脂。
このような構成とすることで、外光反射抑制、発光輝度向上、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。これは、画素分割層等中の(A1-DL)樹脂及び(A3-DL)樹脂が可視光線の波長の光を吸収するため、外光反射抑制の効果が顕著になると推定される。また画素分割層等中の(A1-DL)樹脂及び(A3-DL)樹脂は、画素分割層部の開口部に相当する第1電極の発光層側の表面における表面改質作用を促進すると推定される。そのため、仕事関数差の調整により発光特性の低電圧駆動化を促進すると考えられる。その結果、同一電圧駆動時における発光輝度向上の効果が顕著になると推定される。加えて、(A1-DL)樹脂のイミド構造、アミド構造、オキサゾール構造、若しくはシロキサン構造、又は、(A3-DL)樹脂の芳香環骨格の優れた耐熱性により、画素分割層等からのアウトガスが抑制されるため、発光素子の信頼性向上の効果が顕著になると推定される。
画素分割層等は、以下の(A2-DL)樹脂を含有することが好ましい。画素分割層等は、(A1-DL)樹脂及び/又は(A3-DL)樹脂を含有し、さらに、(A2-DL)樹脂を含有することがより好ましい。画素分割層等は、(A1-DL)樹脂及び(A2-DL)樹脂を含有することがさらに好ましく、(A1-DL)樹脂、(A2-DL)樹脂、及び(A3-DL)樹脂を含有することが特に好ましい。
(A2-DL)樹脂:一般式(34)で表される構造単位を有する樹脂。
Figure 2024004473000002
一般式(34)において、R67~R69は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。aは0又は1である。*は樹脂中の結合点を表す。
一般式(34)で表される構造単位は、エチレン性不飽和二重結合基の反応残基を含むことが好ましい。エチレン性不飽和二重結合基の反応残基とは、エチレン性不飽和二重結合基が、光及び/又は熱によりラジカル重合した後の残基をいう。エチレン性不飽和二重結合基の反応残基は、樹脂中のエチレン性不飽和二重結合基がラジカル重合した後の残基が好ましい。
このような構成とすることで、発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。画素分割層等中の(A2-DL)樹脂は、(メタ)アクリロイル基などのラジカル重合性基をラジカル重合させて架橋密度を向上させた樹脂である。(A2-DL)樹脂の架橋構造の優れた耐熱性により、画素分割層等からのアウトガスが抑制されるため、発光素子の信頼性向上の効果が顕著になると推定される。
なお(A1-DL)樹脂、(A2-DL)樹脂、及び(A2-DL)樹脂は、これらの中で、それぞれが、別の樹脂を構成する構造や基を有する場合は、以下の規則によりいずれかに分類するものとする。ある樹脂が(A1-DL)樹脂、(A2-DL)樹脂、(A3-DL)樹脂のうち、2つ以上に該当しうる場合は、以下のようにしていずれの樹脂に該当するか決定する。すなわち、イミド構造、アミド構造、オキサゾール構造、及びシロキサン構造からなる群より選ばれる一種類以上を含む構造単位(以下、単に「イミド構造等構造単位」という)を有し、かつラジカル重合性基を有しない樹脂がフェノール性水酸基を有する場合、当該樹脂は、(A1-DL)樹脂に該当するものとする。また、イミド構造等構造単位を有する樹脂がラジカル重合性基を有し、かつ、フェノール性水酸基を有しない場合、当該樹脂は(A2-DL)樹脂に該当するものとする。一方、イミド構造等構造単位を有さず、ラジカル重合性基を有する樹脂がフェノール性水酸基を有する場合、当該樹脂は(A3-DL)樹脂に該当するものとする。また、イミド構造等構造単位を有する樹脂が、ラジカル重合性基を有し、さらにフェノール性水酸基を有する場合、当該樹脂は(A2-DL)樹脂に該当するものとする。
(A1-DL)樹脂は、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリアミドイミド、ポリアミドイミド前駆体、ポリシロキサン、及びそれらの共重合体からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましい。(A1-DL)樹脂は、単一の樹脂又はそれらの共重合体のいずれであっても構わない。
(A3-DL)樹脂は、フェノール樹脂、ポリヒドロキシスチレン、フェノール基含有エポキシ樹脂、フェノール基含有アクリル樹脂、及びそれらの共重合体からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましい。(A3-DL)樹脂は、単一の樹脂又はそれらの共重合体のいずれであっても構わない。画素分割層等中の(A3-DL)樹脂は、縮合多環式構造を有する構造単位;縮合多環式ヘテロ環構造を有する構造単位;芳香環骨格及び脂環式骨格が直接連結された構造を有する構造単位、及び、少なくとも2つの芳香環骨格が直接連結された構造を有する構造単位、からなる群より選ばれる一種類以上を有することが好ましい。縮合多環式構造は、ナフタレン構造、フルオレン構造、又はインダン構造が好ましい。縮合多環式ヘテロ環構造は、キサンテン構造、インドリノン構造、又はイソインドリノン構造が好ましい。脂環式骨格は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン構造が好ましい。少なくとも2つの芳香環骨格が直接連結された構造は、ビフェニル構造が好ましい。これらの樹脂は、樹脂の主鎖、樹脂の側鎖及び樹脂の末端のうち少なくとも1つに酸性基としてフェノール性水酸基を有し、樹脂の構造単位中に芳香環骨格を含むことが好ましく、樹脂の構造単位中に酸性基としてフェノール性水酸基を有し、芳香環骨格を含むことがより好ましい。樹脂中に含まれるフェノール性水酸基の一部が、他の樹脂や化合物と反応して架橋構造を形成していることも好ましい。
(A2-DL)樹脂は、不飽和基含有ポリイミド、不飽和基含有ポリイミド前駆体、不飽和基含有ポリベンゾオキサゾール、不飽和基含有ポリベンゾオキサゾール前駆体、不飽和基含有ポリアミドイミド、不飽和基含有ポリアミドイミド前駆体、不飽和基含有ポリシロキサン、多環側鎖含有樹脂、酸変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、及びそれらの共重合体からなる群より選ばれる一種類以上を含有することが好ましい。(A2-DL)樹脂は、単一の樹脂又はそれらの共重合体のいずれであっても構わない。画素分割層等中の(A2-DL)樹脂のうち、多環側鎖含有樹脂及び酸変性エポキシ樹脂は、縮合多環式構造を有する構造単位;縮合多環式ヘテロ環構造を有する構造単位;芳香環骨格及び脂環式骨格が直接連結された構造を有する構造単位、及び、少なくとも2つの芳香環骨格が直接連結された構造を有する構造単位、からなる群より選ばれる一種類以上を有することが好ましい。縮合多環式構造は、ナフタレン構造、フルオレン構造、又はインダン構造が好ましい。縮合多環式ヘテロ環構造は、キサンテン構造、インドリノン構造、又はイソインドリノン構造が好ましい。脂環式骨格は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン構造が好ましい。少なくとも2つの芳香環骨格が直接連結された構造は、ビフェニル構造が好ましい。画素分割層等中の(A2-DL)樹脂のうち、多環側鎖含有樹脂及び酸変性エポキシ樹脂は、ノボラック構造、クレゾールノボラック構造、トリフェニルアルカン構造、ジフェニル-フェニルアルキルフェニルアルカン構造、及びジフェニルアルカン構造からなる群より選ばれる一種類以上を有することが好ましい。
<画素分割層中及びスペーサ層中の化合物>
以下、画素分割層等中の化合物について、まとめて記載する。画素分割層等は、(C1-DL)光重合開始剤に由来する構造を有する化合物(以下、「(C1-DL)化合物」)及び/又は(C2-DL)ナフトキノンジアジド化合物に由来する構造を有する化合物(以下、「(C2-DL)化合物」)を含むことが好ましい。画素分割層等中の(C1-DL)化合物は、オキシムエステル構造を含む、光重合開始剤に由来する構造を有する化合物及び/又はオキシムエステルカルボニル構造を含む、光重合開始剤に由来する構造を有する化合物が好ましい。画素分割層等中の(C2-DL)化合物は、1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸エステル化合物に由来する構造を有する化合物及び/又は1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸エステル化合物に由来する構造を有する化合物が好ましい。画素分割層は、インデン構造を含むカルボン酸エステル構造及び/又はインデン構造を含むスルホン酸アリールエステル構造を有する化合物を含むことが好ましい。
このような構成とすることで、外光反射抑制及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。これは、画素分割層等中の(C1-DL)化合物及び(C2-DL)化合物が可視光線の波長の光を吸収するため、外光反射抑制の効果が顕著になると推定される。また画素分割層等中の(C1-DL)化合物は、(メタ)アクリロイル基などを有するラジカル重合性化合物をラジカル重合させて膜の架橋密度を向上させた後に、画素分割層等中に含まれる残基を有する化合物である。画素分割層等中の(C2-DL)化合物は、熱硬化時等に架橋構造を形成して膜の架橋密度を向上させた後に、画素分割層等中に含まれる残基を有する化合物である。そのため、画素分割層等中の(C1-DL)化合物及び(C2-DL)化合物が、画素分割層等中の架橋構造の一部として取り込まれることで膜の架橋密度を向上させ、画素分割層等からのアウトガスを抑制するため、発光素子の信頼性向上の効果が顕著になると推定される。
画素分割層等は、以下の(C1x-DL)化合物及び/又は(C2x-DL)化合物を含むことがより好ましい。
(C1x-DL)化合物:フルオレン構造、ベンゾフルオレン構造、ジベンゾフルオレン構造、カルバゾール構造、ベンゾカルバゾール構造、インドール構造、ベンゾインドール構造、又はジフェニルスルフィド構造を有し、これらの構造にイミノ基が結合した構造及び/又はこれらの構造にカルボニル基が結合した構造、を有する化合物
(C2x-DL)化合物:インデン構造を含むカルボン酸エステル構造及び/又はインデン構造を含むスルホン酸アリールエステル構造を有する化合物。
画素分割層等中の(C1x-DL)化合物は、フルオレン構造、ベンゾフルオレン構造、ジベンゾフルオレン構造、カルバゾール構造、又はベンゾカルバゾール構造を有する化合物が好ましく、これらの構造にイミノ基が結合した構造を有する化合物がより好ましい。
画素分割層等中の(C2x-DL)化合物は、1H-インデン-3-カルボン酸エステル-7-スルホン酸アリールエステル構造を有する化合物及び/又は1H-インデン-1-スルホン酸アリールエステル-3-カルボン酸エステル構造を有する化合物が好ましい。
このような構成とすることで、外光反射抑制及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。これは、画素分割層等中における(C1x-DL)化合物の縮合多環式構造、縮合多環式ヘテロ環構造、若しくは芳香環骨格、及び、(C2x-DL)化合物のインデン構造を含むカルボン酸エステル構造及びインデン構造を含むスルホン酸アリールエステル構造が可視光線の波長の光を吸収するため、外光反射抑制の効果が顕著になると推定される。画素分割層等中の(C1x-DL)化合物及び(C2x-DL)は、画素分割層部の開口部に相当する第1電極の発光層側の表面における表面改質作用を促進すると推定される。そのため、仕事関数差の調整により発光特性の低電圧駆動化を促進すると考えられる。その結果、同一電圧駆動時における発光輝度向上の効果が顕著になると推定される。加えて、画素分割層等中の(C1x-DL)化合物は、(メタ)アクリロイル基などを有するラジカル重合性化合物をラジカル重合させて膜の架橋密度を向上させた後に、画素分割層等中に含まれる残基を有する化合物である。画素分割層等中の(C2x-DL)化合物は、熱硬化時等に架橋構造を形成して膜の架橋密度を向上させた後に、画素分割層等中に含まれる残基を有する化合物である。そのため、画素分割層等中の(C1x-DL)化合物及び(C2x-DL)化合物が、画素分割層等中の架橋構造の一部として取り込まれることで膜の架橋密度を向上させ、画素分割層等からのアウトガスを抑制するため、発光素子の信頼性向上の効果が顕著になると推定される。
本発明の表示装置は、画素分割層が上記の(C1x-DL)化合物を含み、かつ、画素分割層がネガ型感光性組成物を硬化した硬化物であって、画素分割層が、ビフェニル構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、ピレン構造、インダン構造、インデン構造、テトラヒドロナフタレン構造、フルオレン構造、キサンテン構造、イソインドリノン構造、ビシクロ[4.3.0]ノナン構造、ビシクロ[5.4.0]ウンデカン構造、ビシクロ[2.2.2]オクタン構造、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン構造、ぺンタシクロペンタデカン構造、アダマンタン構造、又はノルボルネン構造を有する化合物(以下、「特定構造を有する化合物」)を含有すること(以下、「特定構造を有する化合物を含むネガ型感光性組成物の硬化物の構成」)、又は、画素分割層が上記の(C2x-DL)化合物を含み、かつ、画素分割層がポジ型感光性組成物を硬化した硬化物であること(以下、「ポジ型感光性組成物の硬化物の構成」)が好ましい。上記の特定構造を有する化合物を含むネガ型感光性組成物の硬化物の構成において、特定構造を有する化合物は、上記の画素分割層等中の樹脂又はラジカル重合性化合物に由来する構造を有する化合物が好ましい。特定構造を有する化合物のうち、画素分割層等中の樹脂に由来する構造を有する化合物は、一般式(11)、(13)、(14)、及び(15)で表される構造単位からなる群より選ばれる一種類以上を有することが好ましい。画素分割層等中の樹脂に由来する構造を有する化合物は一般式(11)で表される構造単位を有する場合、さらに一般式(12)で表される基を有することが好ましい。特定構造を有する化合物のうち、ラジカル重合性化合物に由来する構造を有する化合物は、一般式(41)、(42)、及び(43)で表される構造を有する化合物からなる群より選ばれる一種類以上を有することが好ましい。なお特定構造を有する化合物は上記の(C1x-DL)化合物とは異なる化合物である。
Figure 2024004473000003
一般式(11)において、X11は炭素数1~6の脂肪族基を表す。W及びWは、それぞれ独立して、一般式(21)又は一般式(22)で表される基を有する、脂環式構造、芳香族構造、縮合多環脂環式構造、縮合多環式構造、ヘテロ環構造、又は縮合多環式ヘテロ環構造を表す。R111は、ハロゲン原子又は炭素数1~10のアルキル基を表す。aは0~10の整数を表す。一般式(21)及び一般式(22)において、X12及びX13は、それぞれ独立して、直接結合又は炭素数1~10のアルキレン基を表す。R112及びR113は、それぞれ独立して、ラジカル重合性基又はフェノール性水酸基を有する基を表す。R114及びR115は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、又はカルボキシ基を有する有機基を表す。一般式(21)及び一般式(22)における上記環状構造に関する例示及び好ましい記載は、後述する(I)構造及び(II)構造における記載の通りである。
Figure 2024004473000004
一般式(12)において、X14及びX15は、それぞれ独立して、酸素原子、水素原子が結合した窒素原子、炭素数1~6のアルキル基が結合した窒素原子、又はYに結合した炭素原子を含むカルボニルオキシ基を表す。Yは、芳香族構造、縮合多環式構造、ヘテロ環構造、又は縮合多環式ヘテロ環構造を表す。Y上のヒドロキシ基であるフェノール性水酸基は芳香族性の環状構造に結合する。R116は、水素原子又はカルボキシ基を有する有機基を表す。bは0~6の整数を表す。cは0又は1を表す。bは1~6の整数が好ましい。
Figure 2024004473000005
一般式(13)において、X16及びX17は、それぞれ独立して、直接結合又は一般式(23)若しくは一般式(24)で表される基を表す。W及びWは、それぞれ独立して、脂環式構造、芳香族構造、縮合多環脂環式構造、縮合多環式構造、ヘテロ環構造、又は縮合多環式ヘテロ環構造を表す。R121及びR122は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。R123及びR124は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、又は上記一般式(21)若しくは上記一般式(22)で表される基を表す。a及びbは、それぞれ独立して、0~10の整数を表す。cは0又は1を表す。一般式(23)及び一般式(24)において、R125及びR126は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、又はラジカル重合性基を有する有機基を表す。*及び*は、それぞれ独立して、一般式(13)中のWとの結合点又は炭素原子との結合点を表す。*及び*は、それぞれ独立して、一般式(13)中の酸素原子との結合点を表す。
Figure 2024004473000006
一般式(14)において、X18及びX19は、それぞれ独立して、酸素原子、水素原子が結合した窒素原子、又は炭素数1~6のアルキル基が結合した窒素原子を表す。Yは、芳香族構造、縮合多環式構造、ヘテロ環構造、又は縮合多環式ヘテロ環構造を表す。Y上のヒドロキシ基であるフェノール性水酸基は芳香族性の環状構造に結合する。Yは、脂環式構造、芳香族構造、縮合多環脂環式構造、縮合多環式構造、ヘテロ環構造、又は縮合多環式ヘテロ環構造を表す。Z及びZは、それぞれ独立して、直接結合又は一般式(25)で表される基を表す。R127~R129は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、カルボキシ基を有する有機基、又は上記一般式(21)若しくは上記一般式(22)で表される基を表す。dは0~6の整数を表す。dは1~6の整数が好ましい。一般式(25)において、R130は、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、又はラジカル重合性基を有する有機基を表す。*は、一般式(14)中のX18又はX19との結合点を表す。*は、一般式(14)中の炭素原子との結合点を表す。
Figure 2024004473000007
一般式(15)において、X20及びX21は、それぞれ独立して、酸素原子、水素原子が結合した窒素原子、炭素数1~6のアルキル基が結合した窒素原子、又はYに結合した炭素原子を含むカルボニルオキシ基を表す。Yは、脂環式構造、芳香族構造、縮合多環脂環式構造、縮合多環式構造、ヘテロ環構造、又は縮合多環式ヘテロ環構造を表す。Yは、芳香族構造、縮合多環式構造、ヘテロ環構造、又は縮合多環式ヘテロ環構造を表す。Y上のヒドロキシ基であるフェノール性水酸基は芳香族性の環状構造に結合する。Z及びZは、それぞれ独立して、直接結合又は上記一般式(25)で表される基を表す。R131~R133は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、カルボキシ基を有する有機基、又は上記一般式(21)若しくは上記一般式(22)で表される基を表す。eは0~6の整数を表す。eは1~6の整数が好ましい。一般式(25)において、R130は、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、又はラジカル重合性基を有する有機基を表す。*は、一般式(15)中のX20又はX21との結合点を表す。*は、一般式(15)中の炭素原子との結合点を表す。
Figure 2024004473000008
一般式(41)~(43)において、X44~X49は、それぞれ独立して、炭素数6~15及び2~10価の、単環式若しくは縮合多環式の芳香族炭化水素環、又は、炭素数4~10及び2~8価の、単環式若しくは縮合多環式の脂肪族炭化水素環を表す。Y44~Y49は、それぞれ独立して、直接結合、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数4~10のシクロアルキレン基、又は炭素数6~15のアリーレン基を表す。一般式(41)におけるY44及びY45が、直接結合の場合、対応するZ44及びZ45は、直接結合を表し、k及びlは、0である。一般式(42)及び(43)における、Y46及びY47、対応するZ46、Z47、m、及びn、並びに、Y48及びY49、対応するZ48、Z49、o、及びpにおいても同様である。一般式(41)におけるY44及びY45が、直接結合でない場合、対応するZ44及びZ45は、酸素原子を表し、k及びlは、それぞれ独立して、0~8の整数を表す。一般式(42)における、Y46及びY47、対応するZ46、Z47、m、及びn、並びに、一般式(43)における、Y48及びY49、対応するZ48、Z49、o、及びpにおいても同様である。R291~R300は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表す。R301~R304は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数4~10のシクロアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表す。R305~R310は、それぞれ独立して、炭素数1~10のアルキル基又はヒドロキシ基を表す。R311~R316は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、又は炭素数6~15のアリール基を表す。*~*12は、それぞれ独立して、結合点を表す。a、b、c、d、e、及びfは、それぞれ独立して、0~8の整数を表す。g、h、i、及びjは、それぞれ独立して、0~4の整数を表す。u、v、w、x、y、及びzは、それぞれ独立して、1~4の整数を表す。上述した単環式若しくは縮合多環式の芳香族炭化水素環、単環式若しくは縮合多環式の脂肪族炭化水素環、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基は、ヘテロ原子を有してもよく、無置換体又は置換体のいずれでもよい。
一般式(11)、(13)、(14)、及び(15)において、W、W、W、W、Y、及びYにおける脂環式構造、芳香族構造、縮合多環脂環式構造、縮合多環式構造、ヘテロ環構造、又は縮合多環式ヘテロ環構造は、ビフェニル構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、ピレン構造、インダン構造、インデン構造、テトラヒドロナフタレン構造、フルオレン構造、キサンテン構造、イソインドリノン構造、ビシクロ[4.3.0]ノナン構造、ビシクロ[5.4.0]ウンデカン構造、ビシクロ[2.2.2]オクタン構造、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン構造、ぺンタシクロペンタデカン構造、アダマンタン構造、又はノルボルネン構造を有する。
特定構造を有する化合物を含むネガ型感光性組成物の硬化物の構成とすることが、ネガ型感光性組成物を用いる場合においても、画素分割層部の開口部のパターンの断面における傾斜辺のテーパー角を順テーパーで形成する上で好適である。また上記の特定構造を有する化合物中の剛直な構造の導入が、熱硬化時のパターンの流動性低下の観点でも好適である。上記の構成により現像時にパターンの断面における傾斜辺のテーパー角を順テーパーで形成できる点とパターンの流動性低下により、熱硬化時のパターンのリフローが低減され、画素分割層部の開口部の形状を維持する上で好ましい。すなわち画素分割層部の開口部の形状をフォトマスクの設計に近い形状で維持できる。
ポジ型感光性組成物の硬化物の構成とすることが、画素分割層部の開口部のパターンの断面における傾斜辺のテーパー角を順テーパーで形成する上で好適である。また上記の(C2x-DL)化合物の架橋構造の導入が、熱硬化時のパターンの流動性低下の観点でも好適である。上記の構成により現像時にパターンの断面における傾斜辺のテーパー角を順テーパーで形成できる点とパターンの流動性低下により、熱硬化時のパターンのリフローが低減され、画素分割層部の開口部の形状を維持する上で好ましい。すなわち画素分割層部の開口部の形状をフォトマスクの設計に近い形状で維持できる。
また上記の特定構造を有する化合物を含むネガ型感光性組成物の硬化物の構成及び画素分割層におけるポジ型感光性組成物の硬化物の構成は、画素分割層部の開口部の形状に関して、少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から円弧で形成された閉じた形状への変化抑制、又は、少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状から、円弧で形成された閉じた形状への変化抑制においても好ましい。従って、本発明の表示装置における画素部の形状が、上記(1a)又は(2a)の条件を満たし、少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形が、五角形、六角形、七角形、又は八角形であって、少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状が、五角形、六角形、七角形、又は八角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である構成とする上で好適である。
<画素分割層及びスペーサ層の表面における表面粗さの最大値>
本発明の表示装置は、画素分割層が段差形状を有する硬化パターンを含む場合、画素分割層の薄膜部の表面における表面粗さの最大値を(RaHT/max)とし、かつ、画素分割層の厚膜部の表面における表面粗さの最大値を(RaFT/max)とするとき、(RaHT/max)と(RaFT/max)との差|Δ(RaHT/max-RaFT/max)|が1.0~50.0nmであることが好ましい。
画素分割層の薄膜部の表面における表面粗さの最大値を(RaHT/max)とし、かつ、画素分割層の厚膜部の表面における表面粗さの最大値を(RaFT/max)とするとき、(RaHT/max)と(RaFT/max)との差|Δ(RaHT/max-RaFT/max)|は0.1~50.0nmが好ましい。(RaHT/max)と(RaFT/max)との差|Δ(RaHT/max-RaFT/max)|は、画素分割層と第2電極との密着性向上及び外光反射抑制の観点から、1.0nm以上が好ましく、3.0nm以上がより好ましく、5.0nm以上がさらに好ましく、7.0nm以上がさらにより好ましく、10.0nm以上が特に好ましい。一方、(RaHT/max)と(RaFT/max)との差|Δ(RaHT/max-RaFT/max)|は、発光輝度向上及び発光素子の信頼性向上の観点から、50.0nm以下が好ましく、40.0nm以下がより好ましく、30.0nm以下がさらに好ましく、20.0nm以下が特に好ましい。
本発明の表示装置は、画素分割層が硬化パターンを有し、かつ、画素分割層上の一部にスペーサ層を有する場合、画素分割層の表面における表面粗さの最大値を(RaDL/max)とし、かつ、スペーサ層の表面における表面粗さの最大値を(RaSP/max)とするとき、(RaDL/max)と(RaSP/max)との差|Δ(RaDL/max-RaSP/max)|が1.0~50.0nmであることが好ましい。
画素分割層の表面における表面粗さの最大値を(RaDL/max)とし、かつ、スペーサ層の表面における表面粗さの最大値を(RaSP/max)とするとき、(RaDL/max)と(RaSP/max)との差|Δ(RaDL/max-RaSP/max)|は0.1~50.0nmが好ましい。(RaDL/max)と(RaSP/max)との差|Δ(RaDL/max-RaSP/max)|に関する例示及び好ましい記載は、上記の(RaHT/max)と(RaFT/max)との差|Δ(RaHT/max-RaFT/max)|に関する例示及び好ましい記載の通りである。
本発明の表示装置において、画素分割層の表面における表面粗さの最大値が上述した範囲内であると、画素分割層と第2電極との密着性向上の効果が顕著となる。また画素分割層の表面における表面粗さの最大値が上述した範囲内であると、発光輝度向上及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。また画素分割層の表面における表面粗さの最大値が上述した範囲内であると、画素分割層の表面における拡散反射光が増加し、正反射光が低減することで、外光反射抑制の効果が顕著となる。
本発明の表示装置において、算術平均粗さ及び表面粗さの最大値は、原子間力顕微鏡(以下、「AFM」)によって測定できる。一般的に、AFMによる測定は、水平な面に置いた表示装置が有する画素分割層等の表面に対して、鉛直上方から測定を行う。
本発明の表示装置において、算術平均粗さ及び表面粗さの最大値とは、画素分割層等の表面におけるAFMにより測定可能な面、すなわち、基板と略平行な面において測定された値をいう。
<画素分割層及びスペーサ層の光学濃度;フレキシブル性を有する表示装置>
本発明の表示装置は、画素分割層の膜厚1μm当たりの可視光線の波長における光学濃度が0.5~3.0である。このような構成とすることで、入射した外光を画素分割層で遮光できるため、外光反射抑制の効果が顕著となる。また画素分割層の可視光線の波長及び紫外領域の波長における遮光性向上により、画素分割層等からのアウトガスが抑制され、発光素子の劣化が抑制されるため、発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。画素分割層は黒色であることが好ましい。画素分割層の膜厚1μm当たりの可視光線の波長における光学濃度は、外光反射抑制及び発光素子の信頼性向上の観点から、0.7以上が好ましく、1.0以上がより好ましく、1.2以上がさらに好ましく、1.5以上が特に好ましい。一方、画素分割層の膜厚1μm当たりの可視光線の波長における光学濃度は、発光輝度向上及び発光素子の信頼性向上の観点から、2.7以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、2.2以下がさらに好ましく、2.0以下が特に好ましい。なお光学濃度は、組成物を加熱して硬化した硬化物における光学濃度であることが好ましい。
本発明の表示装置は、スペーサ層の膜厚1μm当たりの可視光線の波長における光学濃度が0.5~3.0であることも好ましい。このような構成とすることで、入射した外光をスペーサ層で遮光できるため、外光反射抑制の効果が顕著となる。またこれらの層の可視光線の波長及び紫外領域の波長における遮光性向上により、これらの層等からのアウトガスが抑制され、発光素子の劣化が抑制されるため、発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。スペーサ層は黒色であることが好ましい。スペーサ層の膜厚1μm当たりの可視光線の波長における光学濃度に関する例示及び好ましい記載は、上記の画素分割層の光学濃度に関する例示及び好ましい記載の通りである。
本発明の表示装置は、発光層を含む有機層の光取り出し側に、直線偏光板、1/4波長板、及び円偏光板を有しないことが好ましい。このような構成とすることで、本発明の表示装置は、フレキシブル性向上及び折り曲げ性に乏しい偏光フィルムを有しないことで、フレキシブル性向上及び折り曲げ性向上の効果が顕著となる。
本発明の表示装置は、基板がフレキシブル基板であって、画素分割層がフレキシブル基板上に積層されている構造を有し、発光層を含む有機層の光取り出し側に、直線偏光板、1/4波長板、及び円偏光板を有さず、曲面の表示部、外側への折り曲げ面を含む表示部、又は内側への折り曲げ面を含む表示部を有し、フレキシブル性を有する表示装置であることが好ましい。
このような構成とすることで、本発明の表示装置は、発光層を含む有機層の光取り出し側に、直線偏光板、1/4波長板、又は円偏光板などの偏光フィルムを有しなくても、画素分割層の遮光性により、電極配線の可視化防止及び外光反射抑制の効果が顕著となる。すなわち、本発明の表示装置は、フレキシブル性及び折り曲げ性に乏しい偏光フィルムを有しないことで、フレキシブル性向上及び折り曲げ性向上の効果が顕著となる。従って、本発明の表示装置は、画素分割層がフレキシブル基板上に積層されている構造を有し、発光層を含む有機層の光取り出し側に偏光フィルムを有しない、フレキシブル性を有する表示装置に好適であり、フレキシブル性を有する有機ELディスプレイに特に好適である。また偏光フィルムを有しないことで、表示装置の製造におけるコスト削減の効果が顕著となる。段差形状を有する画素分割層及び偏光フィルムを含む表示装置の一例を示す模式的断面図を図9に示す。
本発明の表示装置は、発光層を含む有機層の光取り出し側に、さらに、直線偏光板、1/4波長板、及び円偏光板からなる群より選ばれる一種類以上を有することも好ましい。このような構成とすることで、画素分割層の遮光性及び偏光フィルムの遮光性により、電極配線の可視化防止及び外光反射抑制の効果が顕著となる。また本発明の表示装置がスペーサ層を有する場合、これらの層の遮光性及び偏光フィルムの遮光性により、電極配線の可視化防止及び外光反射抑制の効果が顕著となる。従って、本発明の表示装置は、特に優れた外光反射抑制が求められる表示装置に好適であり、特に優れた外光反射抑制が求められる有機ELディスプレイに特に好適である。
<画素分割層の段差形状を有する硬化パターン>
本発明の表示装置は、画素分割層が段差形状を有する硬化パターンを含み、画素分割層の硬化パターンの段差形状における、厚膜部の膜厚を(TFT)μmとし、かつ、薄膜部の膜厚を(THT)μmとするとき、(TFT)μmと(THT)μmとの膜厚差(ΔTFT-HT)μmが0.5~10.0μmであることが好ましい。
このような構成とすることで、発光輝度向上及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。画素分割層が段差形状を有する硬化パターンを含み、膜厚差が0.5μm以上であることで、発光層を含む有機層を形成する際の画素分割層と蒸着マスクとの接触面積を小さくできる。従って、画素分割層の損傷抑制により、パネルの歩留まり低下抑制及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。また段差形状を有する画素分割層を形成する方法としては、(1)ハーフトーンフォトマスクを用いて段差形状を一括加工する方法、及び(2)画素分割層を二層成膜する方法が一般的である。(1)の方法の場合、画素分割層部の開口部の近傍は、画素分割層の段差形状において薄膜部である。そのため、厚膜部と比較してアルカリ可溶性を高める設計となっている。従って、画素分割層部の開口部における残渣発生が抑制され、発光輝度向上の効果が顕著になると推定される。一方、(2)の方法の場合、画素分割層部の開口部の近傍は、画素分割層の段差形状における薄膜部であり一層目である。そのため、厚膜部である二層目を成膜する際、一層目の開口部は再度アルカリ現像液と接触することとなる。従って、画素分割層部の開口部における残渣発生が抑制され、発光輝度向上の効果が顕著になると推定される。ハーフトーンフォトマスクを用いて段差形状を一括加工する場合、上記の効果に加えて、プロセスタイム短縮・生産性向上の効果も顕著となる。
本発明の表示装置において画素分割層が有する、段差形状を有する硬化パターンの断面の一例を示す模式的断面図を図11に示す。段差形状における厚膜部34は、ネガ型の場合は露光時の硬化部、ポジ型の場合は露光時の未露光部に相当し、硬化パターンの最大の膜厚を有する。段差形状における薄膜部35a,35b,35cは、露光時のハーフトーン露光部に相当し、厚膜部34の厚さより小さい膜厚を有する。段差形状を有する硬化パターンの断面における傾斜辺36a,36b,36c,36d,36eのそれぞれのテーパー角θ,θ,θ,θ,θは、いずれも順テーパーであることが好ましく、低テーパーであることがより好ましい。ここでいうテーパー角θ,θ,θ,θ,θとは、図11に示すように、硬化パターンが形成される下地の基板の水平辺37、又は薄膜部35a,35b,35cの水平辺と、薄膜部35a,35b,35cの水平辺と交差する段差形状を有する硬化パターンの断面における傾斜辺36a,36b,36c,36d,36eとが成す、段差形状を有する硬化パターンの断面内部の角をいう。ここでいう順テーパーとは、テーパー角が0°より大きく90°未満の範囲内であることをいい、低テーパーとは、テーパー角が0°より大きく60°の範囲内であることをいう。
本発明の表示装置において画素分割層が有する、段差形状を有する硬化パターンの下側(下地の基板の水平辺37側)表面の平面及び上側表面の平面間の厚さにおいて、最も大きい厚さを有する領域を厚膜部34、厚膜部の厚さより小さい厚さを有する領域を薄膜部35a,35b,35cとする。厚膜部34の膜厚を(TFT)μmとし、厚膜部34に少なくとも1つの段差形状を介して配置された薄膜部35a,35b,35cの膜厚を(THT)μmとするとき、(TFT)μmと(THT)μmとの膜厚差(ΔTFT-HT)μmは、それぞれが、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましく、1.5μm以上がさらに好ましい。また全てが、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましく、1.5μm以上がさらに好ましい。なお(TFT)μmと薄膜部35a又は35bの膜厚(THT)μmとの膜厚差(ΔTFT-HT)μmが、上記範囲であることがより好ましく、(TFT)μmと薄膜部35aの膜厚(THT)μmとの膜厚差(ΔTFT-HT)μmが、上記範囲であることがさらに好ましい。一方、(TFT)μmと(THT)μmとの膜厚差(ΔTFT-HT)μmは、10.0μm以下が好ましく、8.0μm以下がより好ましい。
このような構成とすることで、パネルの歩留まり低下抑制及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。ハーフトーンフォトマスクを用いて段差形状を一括加工する場合、上記の効果に加えて、プロセスタイム短縮・生産性向上の効果も顕著となる。
本発明の表示装置は、画素分割層の硬化パターンの段差形状における厚膜部及び薄膜部が、同一の(D-DL)着色剤を含むことが好ましい。さらに、厚膜部及び薄膜部が、同一の(C1-DL)化合物及び/又は同一の(C2-DL)化合物を含むことがより好ましい。このような構成とすることで、発光輝度向上及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
本発明の表示装置において、画素分割層が段差形状を有する硬化パターンを含み、画素分割層の硬化パターンの段差形状における、厚膜部の膜厚を(TFT)μmとし、かつ、薄膜部の膜厚を(THT)μmとするとき、(TFT)μmと(THT)μmとの膜厚差(ΔTFT-HT)μmが0.5~10.0μmである場合、本発明の表示装置は、画素分割層の硬化パターンの段差形状における厚膜部及び薄膜部が、同一の(D-DL)着色剤を含み、厚膜部及び薄膜部の膜厚1μm当たりの可視光線の波長における光学濃度が0.5~3.0であることが好ましい。さらに、厚膜部及び薄膜部が、同一の(C1-DL)化合物及び/又は同一の(C2-DL)化合物を含むことがより好ましい。
このような構成とすることで、発光輝度向上及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。上記の効果に加えて、プロセスタイム短縮・生産性向上の効果も顕著となる。また段差形状を有するため、画素分割層の損傷抑制により、パネルの歩留まり低下抑制及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。同一の(C1-DL)化合物は、同一の上述した(C1x-DL)化合物が好ましい。同一の(C2-DL)化合物は、同一の上述した(C2x-DL)化合物が好ましい。
<画素分割層上のスペーサ層>
本発明の表示装置は、画素分割層が硬化パターンを有し、かつ、画素分割層上の一部にスペーサ層を有し、スペーサ層の膜厚(TSP)μmが0.5~10.0μmであることが好ましい。
このような構成とすることで、フォトリソグラフィーにより、十分な高さを有するスペーサ層を形成できる。スペーサ層を有するため、画素分割層の損傷抑制により、パネルの歩留まり低下抑制及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。画素分割層及びスペーサ層を含む表示装置の一例を示す模式的断面図及び平面図を図2に示す。
本発明の表示装置においてスペーサ層の膜厚(TSP)μmは、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましく、1.5μm以上がさらに好ましく、2.0μm以上がさらにより好ましく、2.5μm以上が特に好ましく、3.0μm以上が最も好ましい。一方、スペーサ層の膜厚(TSP)μmは、10.0μm以下が好ましく、9.5μm以下がより好ましく、9.0μm以下がさらに好ましく、8.5μm以下がさらにより好ましく、8.0μm以下が特に好ましい。
本発明の表示装置は、画素分割層が段差形状を有する硬化パターンを含み、画素分割層の硬化パターンの段差形状における、厚膜部の膜厚を(TFT)μmとし、かつ、薄膜部の膜厚を(THT)μmとするとき、(TFT)μmと(THT)μmとの膜厚差(ΔTFT-HT)μmが0.5~10.0μmであって、画素分割層上の一部にスペーサ層を有し、平面視において、画素分割層部上の一部にスペーサ層部を有し、平面視において、スペーサ層部が画素分割層部の厚膜部上の少なくとも一部を覆うように形成されており、スペーサ層の膜厚(TSP)μmが0.5~10.0μmであることが好ましい。
このような構成とすることで、フォトリソグラフィーにより、十分な高さを有するスペーサ層を形成できる。そのため、パネルの歩留まり低下抑制及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。また外光反射抑制、発光輝度向上、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。なお画素分割層が有する段差形状に関する例示及び好ましい記載は、上記の画素分割層が有する段差形状に関する例示及び好ましい記載の通りである。なおスペーサ層の膜厚に関する例示及び好ましい記載は、上記のスペーサ層の膜厚に関する例示及び好ましい記載の通りである。段差形状を有する画素分割層及びスペーサ層を含む表示装置の一例を示す模式的断面図及び平面図を図3に示す。
<発光層を含む有機層;平面視における発光層を含む有機層部及び画素部>
本発明の表示装置は、発光層を含む有機層を有する。発光層を含む有機層は、発光層を含む有機EL層及び/又は発光層を含む光取り出し層を有することが好ましい。発光層を含む有機層は、上述した第1電極上、かつ上述した第1電極及び第2電極の間に形成された積層構造とすることが好ましい。このような構成とすることで、後述する画素部に相当する領域を形成できる。後述する画素部に相当する領域は、発光層を含む有機層が、上述した第1電極と接する領域に相当する。
有機EL層は、さらに、正孔輸送層及び/又は電子輸送層を有することが好ましく、発光層との積層構造となるように有機EL層を形成することが好ましい。
本発明の表示装置は、発光層を含む有機EL層を用いた積層構造とすることで、表示装置である有機ELディスプレイを製造できる。一方、本発明の表示装置は、発光層を含む光取り出し層を用いた積層構造とすることで、表示装置である量子ドットディスプレイ又はマイクロLEDディスプレイを製造できる。
本発明の表示装置は、発光層を含む光取り出し層が量子ドットを含む構成である量子ドットディスプレイも好ましい。本発明の表示装置は、発光層を含む光取り出し層が無機半導体を含む構成であるマイクロLEDディスプレイも好ましい。本発明の表示装置は、発光輝度向上及び発光色純度向上の観点から、発光層を含む有機EL層及び発光層を含む光取り出し層を有する表示装置が好ましい。本発明の表示装置において、発光層を含む光取り出し層が量子ドットを含むことが好ましく、発光層を含む有機EL層及び発光層を含む光取り出し層が、第1電極上に、発光層を含む有機EL層、及び発光層を含む光取り出し層の順に形成されていることが好ましい。
本発明の表示装置は、発光輝度向上及び発光色純度向上の観点から、さらに、量子ドットを含むカラーフィルタを有することが好ましい。量子ドットを含むカラーフィルタを有する積層構造とする場合、平面視において、量子ドットを含むカラーフィルタと重畳し、かつ量子ドットを含むカラーフィルタよりも下層に位置する発光素子は、青色光を発光する有機EL発光素子、白色光を発光する有機EL発光素子、青色光を発光するLED素子、又は白色光を発光するLED素子が好ましい。
本発明の表示装置は、平面視において、発光層を含む有機層部を有することが好ましい。上述した発光層を含む有機層を平面視したものが、発光層を含む有機層部に相当する。本発明の表示装置は、平面視において、複数の画素部を有する。本発明の表示装置は、平面視において、画素分割層部の開口部における、上述した第1電極部上かつ発光層を含む有機層部が形成された箇所を画素部とすることが好ましい。画素部に相当する領域は、発光層を含む有機層部が、上述した第1電極部と接する領域に相当する。本発明の表示装置は、平面視において、画素部が、カラーフィルタ層部及びブラックマトリックス層部の開口部と重畳することが好ましい。
<封止層>
本発明の表示装置は、封止層を有する。封止層とは、発光層を含む有機層を有する積層構造を封止して外界と遮断し、水分及びガス等の侵入を抑制する層である。封止層は非感光性組成物又は感光性組成物を硬化した硬化膜が好ましい。封止層は金属元素又はケイ素を含む無機層も好ましい。封止層は、上述した第1電極、第2電極、画素分割層部の開口部、発光層を含む有機層、及び画素部などの表示装置の表示領域と重畳するように形成され、表示装置の表示領域を封止するように形成されていることが好ましい。このような構成とすることで、表示装置の表示領域と外界とを遮断でき、水分及びガス等の侵入による発光素子の劣化を抑制できるため、発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。封止層は水分及び酸素の侵入を抑制する構造を有することがより好ましい。封止層が非感光性組成物又は感光性組成物を硬化した硬化膜の場合、硬化膜が可視光線の波長を透過することが好ましい。
<カラーフィルタ層;平面視におけるカラーフィルタ層部>
本発明の表示装置は、カラーフィルタ層を有する。カラーフィルタ層とは、光取り出し側に位置し、発光スペクトルを調整する層である。カラーフィルタ層は、画素分割層と画素部から離隔して光取り出し側に位置し、画素部からの発光の発光スペクトルを調整する層であることが好ましい。カラーフィルタ層は感光性組成物を硬化した硬化膜が好ましく、着色剤を含む感光性組成物を硬化した硬化膜がより好ましい。カラーフィルタ層は、上述した画素部の少なくとも一部と重畳するように形成されていることが好ましい。このような構成とすることで、外光反射抑制、発光輝度向上、及び発光色純度向上の効果が顕著となる。カラーフィルタ層は、可視光線の波長において着色していることが好ましい。
カラーフィルタ層は、着色顔料及び/又は着色染料を含有することが好ましく、着色顔料及び着色染料を含有することがより好ましい。
本発明の表示装置は、平面視において、複数のカラーフィルタ層部を有することが好ましい。上述したカラーフィルタ層を平面視したものが、カラーフィルタ層部に相当する。カラーフィルタ層部のパターン寸法は、パターンにおける頂上部から頂上部までの長さ及びパターンにおける底部から底部までの長さのうち、最長の長さをいう。
<ブラックマトリックス層;平面視におけるブラックマトリックス層部>
本発明の表示装置は、ブラックマトリックス層を有する。ブラックマトリックス層とは、光取り出し側に位置し、発光領域を調整する層である。ブラックマトリックス層は、画素分割層と画素部から離隔して光取り出し側に位置し、画素部からの発光の発光領域を調整する層であることが好ましい。ブラックマトリックス層は感光性組成物を硬化した硬化膜が好ましく、複数の着色剤を含む感光性組成物を硬化した硬化膜がより好ましく、黒色剤を含む感光性組成物を硬化した硬化膜がさらに好ましい。ブラックマトリックス層の開口部は、上述した画素部と重畳するように形成されていることが好ましい。このような構成とすることで、外光反射抑制及び発光輝度向上の効果が顕著となる。ブラックマトリックス層は、可視光線の波長において黒色であることが好ましい。
ブラックマトリックス層は、黒色顔料及び/又は二色以上の着色顔料混合物を含有することが好ましく、有機黒色顔料及び/又は無機黒色顔料を含有することが好ましい。有機黒色顔料は、カーボンブラック、ベンゾフラノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、及びアゾ系黒色顔料からなる群より選ばれる一種類以上を含むことが好ましい。無機黒色顔料は、金属元素の微粒子、酸化物、複合酸化物、硫化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、窒化物、炭化物、又は酸窒化物を含むことが好ましい。金属元素は、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Co、Ni、Y、Nb、Hf、Ta、W、Re、Fe、Cu、Zn、又はAgが好ましい。
ブラックマトリックス層の膜厚1μm当たりの可視光線の波長における光学濃度は0.5~4.0であることが好ましい。このような構成とすることで、入射した外光をブラックマトリックス層で遮光できるため、外光反射抑制の効果が顕著となる。またブラックマトリックス層の可視光線の波長及び紫外領域の波長における遮光性向上により、画素分割層に入射する外光が低減することで画素分割層からのアウトガスが抑制され、発光素子の劣化が抑制されるため、発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。ブラックマトリックス層は黒色であることが好ましい。ここでブラックマトリックス層の光学濃度に関しては、上述した画素分割層の光学濃度に関する記載の通りである。
本発明の表示装置は、平面視において、複数の開口部を有するブラックマトリックス層部を有することが好ましい。上述したブラックマトリックス層を平面視したものが、ブラックマトリックス層部に相当する。ブラックマトリックス層部の開口部のパターン寸法は、開口部における底部から底部までの長さをいう。ブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターン寸法の平均値は、外光反射抑制、発光輝度向上、発光色純度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、5.0μm以上が好ましく、6.0μm以上がより好ましく、7.0μm以上がさらに好ましく、8.0μm以上がさらにより好ましく、10.0μm以上が特に好ましい。一方、ブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターン寸法の平均値は、外光反射抑制及び発光輝度向上の観点から、50.0μm以下が好ましく、40.0μm以下がより好ましく、35.0μm以下がさらに好ましい。またブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターン寸法の平均値は、外光反射抑制、発光輝度向上、発光色純度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、30.0μm以下が好ましく、25.0μm以下がより好ましく、20.0μm以下がさらに好ましく、17.0μm以下がさらにより好ましく、15.0μm以下が特に好ましい。
本発明の表示装置は、平面視において、ブラックマトリックス層部がカラーフィルタ層部と重畳せず、さらに、一般式(CF/BM)で表される関係を満たすことが好ましい。
(CF)≦(BM) (CF/BM)。
ブラックマトリックス層部の上にカラーフィルタ層部が重畳する場合、積層部の近傍ではカラーフィルタ層部の膜厚が厚く形成される箇所が発生する。このような場合、発光素子からの発光がカラーフィルタ層部の膜厚の厚い箇所を通過することとなる。一方、カラーフィルタ層部の上にブラックマトリックス層部が重畳する場合、カラーフィルタ層部の端部においてブラックマトリックス層部に覆われる箇所が発生する。このような場合、発光素子からの発光がブラックマトリックス層部に覆われた箇所を通過できないこととなる。上記のような構成とすることで、ブラックマトリックス層部の上にカラーフィルタ層部が重畳した積層部、及びカラーフィルタ層部の上にブラックマトリックス層部が重畳した積層部の形成を回避できるため、発光輝度向上の効果が顕著となる。加えて、広範な視野角での発光輝度向上の効果が顕著となる。ブラックマトリックス層部がカラーフィルタ層部と重畳する構成を有する表示装置の一例を示す模式的断面図及び平面図を図8に示す。
<オーバーコート層;平面視におけるオーバーコート層部>
本発明の表示装置は、さらに、ブラックマトリックス層及びカラーフィルタ層を離隔するオーバーコート層を有することが好ましい。オーバーコート層とは、ブラックマトリックス層とカラーフィルタ層との両方に接し、積層構造の表面を平坦化する層である。オーバーコート層は非感光性組成物を硬化した硬化膜が好ましく、感光性組成物を硬化した硬化膜がより好ましく、着色剤を含む感光性組成物を硬化した硬化膜がさらに好ましい。オーバーコート層は、上述した画素部と重畳するように形成されていることが好ましい。一方、オーバーコート層は、上述した画素部と重畳しないように形成されていることがより好ましい。このような構成とすることで、外光反射抑制及び発光輝度向上の効果が顕著となる。加えて、広範な視野角での発光輝度向上の効果が顕著となる。オーバーコート層が感光性組成物を硬化した硬化膜の場合、硬化膜が可視光線の波長を透過することが好ましい。
<TFT素子層>
本発明の表示装置は、さらに、薄層トランジスタ(以下、「TFT」)素子層を有することが好ましい。本発明の表示装置は、TFT素子層が、半導体層、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、及びゲート絶縁層を有することがより好ましい。本発明の表示装置が、TFT素子層を有する場合、さらに、それらの上層の導電層を絶縁する層間絶縁層を有することが好ましい。
<TFT平坦化層及びTFT保護層>
本発明の表示装置は、さらに、TFT平坦化層及び/又はTFT保護層を有することが好ましく、少なくとも二層のTFT平坦化層及び/又は少なくとも二層のTFT保護層を有することがより好ましい。TFT平坦化層及び/又はTFT保護層とは、TFT素子を含む積層構造の表面を平坦化及び/又は保護する層である。
TFT平坦化層及びTFT保護層は感光性組成物を硬化した硬化膜が好ましく、着色剤を含む感光性組成物を硬化した硬化膜がより好ましく、黒色剤を含む感光性組成物を硬化した硬化膜がさらに好ましい。TFT平坦化層及びTFT保護層は、可視光線の波長において黒色であることが好ましい。上述した画素部は、TFT平坦化層及びTFT保護層と重畳するように形成されていることが好ましい。このような構成とすることで、外光反射抑制及び発光輝度向上の効果が顕著となる。
<層間絶縁層>
本発明の表示装置は、さらに、層間絶縁層を有することが好ましく、少なくとも二層の層間絶縁層を有することがより好ましい。層間絶縁層とは、積層構造中の配線や電極などの導電層を絶縁する層である。層間絶縁層は、TFT平坦化層及び/又はTFT保護層の下層の導電層を絶縁する層間絶縁層が好ましい。また層間絶縁層は、後述するタッチパネル配線及び/又はタッチパネル電極を絶縁する層間絶縁層が好ましい。
層間絶縁層は感光性組成物を硬化した硬化膜が好ましく、着色剤を含む感光性組成物を硬化した硬化膜がより好ましく、黒色剤を含む感光性組成物を硬化した硬化膜がさらに好ましい。層間絶縁層は、可視光線の波長において黒色であることが好ましい。層間絶縁層を有することで、配線や電極等の多層化による集積密度向上及び表示装置の解像度向上の効果が顕著となる。
<タッチパネル配線及びタッチパネル電極>
本発明の表示装置は、さらに、タッチパネル配線及び/又はタッチパネル電極を有することが好ましい。タッチパネル配線は、タッチパネル電極と外部回路とを導通するための引き出し配線であることが好ましい。タッチパネル電極は、静電容量の変化によって位置検出機能をする電極であることが好ましい。このような構成とすることで、タッチパネルの位置検出機能により、ユーザーの入力操作の簡略化及び入力位置検出の精度向上の効果が顕著となる。
封止層、カラーフィルタ層、ブラックマトリックス層、オーバーコート層、TFT平坦化層、TFT保護層、層間絶縁層は、上述した画素分割層等と同様の組成物の硬化膜であるのも好ましい。またこれらの層は、上述した画素分割層等と同様の着色剤、樹脂、又は化合物を含有することも好ましい。
<表示装置の構成>
本発明の表示装置は、同一の基板上に、第1電極、第2電極、画素分割層、発光層を含む有機層、封止層、カラーフィルタ層、及びブラックマトリックス層を有する。本発明の表示装置は、第1電極、発光層を含む有機層、第2電極、封止層、及びカラーフィルタ層がこの順に重畳して形成されていることが好ましい。
例えば、別々の基板上に画素分割層とカラーフィルタ層をそれぞれ形成し、画素分割層を形成した基板とカラーフィルタ層を形成した基板とを、接着材などを用いた方法によって貼り合わせる場合、貼り合わせの位置精度悪化による発光不良などが発生する。また別々の基板上に画素分割層とカラーフィルタ層を形成するため、それぞれの基板上に積層構造を形成する際の露光アライメント誤差が発生し、別々の基板を貼り合わせる際の積層構造における設計誤差による発光不良などが発生する。一方、本発明の表示装置は、同一の基板上に、これらの各層が形成されているため、例えば、画素部とカラーフィルタ層部との位置精度悪化や露光アライメント誤差等に起因する発光不良などを抑制できるため、パネルの歩留まり低下抑制、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
<平面視における表示装置の構成>
本発明の表示装置は、平面視において、複数の画素部を有する。本発明の表示装置は、画素部の形状が、下記(1a)、(2a)、及び(3)の条件のうち1つを満たす。
(1a)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形である
(2a)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である
(3)円弧で形成された閉じた形状である。
本発明の表示装置は、平面視において、画素分割層部の開口部における、第1電極部上かつ発光層を含む有機層部が形成された箇所を画素部としたときに、複数の画素部、複数の開口部を有する画素分割層部、複数のカラーフィルタ層部、及び複数の開口部を有するブラックマトリックス層部を有することが好ましい。また本発明の表示装置は、平面視において、画素部が、カラーフィルタ層部及びブラックマトリックス層部の開口部と重畳することが好ましい。
本発明の表示装置は、画素部の開口率が30.0~70.0%であることが好ましい。画素部の開口率は、発光輝度向上及び発光素子の信頼性向上の観点から、30.0%以上が好ましく、35.0%以上がより好ましく、40.0%以上がさらに好ましく、45.0%以上がさらにより好ましく、50.0%以上が特に好ましく、55.0%以上が最も好ましい。一方、画素部の開口率は、外光反射抑制の観点から、70.0%以下が好ましく、65.0%以下がより好ましく、60.0%以下がさらに好ましい。
本発明の表示装置において、画素部の開口率は、以下の(1)~(4)の手順で算出できる。画素部の開口率とは、本手順により算出した値の小数点第二位を四捨五入した値をいう。
(1)長軸方向のパターン寸法が最大である画素部(以下、「基準画素部」)と、基準画素部にそれぞれ隣接する4つの画素部を合わせた、合計5つの画素部(以下、「隣接する5画素部」)を求める。
(2)隣接する5画素部を全て包含する仮想の正方形又は仮想の四角形を描き、それぞれの仮想の正方形又は仮想の四角形のうち、最小の面積(以下、「単位面積S」)を求める。
(3)隣接する5画素部の面積の総和(以下、「隣接画素部の総面積SCD」)を求める。
(4)画素部の開口率を下記式により算出する。
画素部の開口率=(隣接画素部の総面積SCD)/(単位面積S)×100。
本発明の表示装置は、画素部の開口率が30.0~70.0%であって、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口率が20.0~80.0%であることが好ましい。ブラックマトリックス層部の開口率は、発光輝度向上の観点から、20.0%以上が好ましく、25.0%以上がより好ましく、30.0%以上がさらに好ましく、35.0%以上がさらにより好ましく、40.0%以上が特に好ましく、45.0%以上が最も好ましい。一方、ブラックマトリックス層部の開口率は、外光反射抑制及び発光素子の信頼性向上の観点から、80.0%以下が好ましく、75.0%以下がより好ましく、70.0%以下がさらに好ましく、65.0%以下がさらにより好ましく、60.0%以下が特に好ましく、55.0%以下が最も好ましい。
本発明の表示装置において、ブラックマトリックス層部の開口率は、以下の(1)~(3)の手順で算出できる。ブラックマトリックス層部の開口率とは、本手順により算出した値の小数点第二位を四捨五入した値をいう。
(1)画素部の開口率を算出する手順と同様にして、隣接する5画素部及び単位面積Sを求める。
(2)隣接する5画素部とそれぞれ重畳する、ブラックマトリックス層部の開口部の面積の総和(以下、「隣接BM開口部の総面積SBM」)を求める。
(3)ブラックマトリックス層部の開口率を下記式により算出する。
ブラックマトリックス層部の開口率=(隣接BM開口部の総面積SBM)/(単位面積S)×100。
本発明の表示装置は、画素部の開口率が30.0~70.0%であって、画素部と重畳するカラーフィルタ層部の面積率が15.0~85.0%であることが好ましい。カラーフィルタ層部の面積率は、外光反射抑制、発光色純度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、15.0%以上が好ましく、20.0%以上がより好ましく、25.0%以上がさらに好ましく、30.0%以上がさらにより好ましく、35.0%以上が特に好ましく、40.0%以上が最も好ましい。一方、カラーフィルタ層部の面積率は、発光輝度向上の観点から、85.0%以下が好ましく、80.0%以下がより好ましく、75.0%以下がさらに好ましく、70.0%以下がさらにより好ましく、65.0%以下が特に好ましく、60.0%以下が最も好ましい。
本発明の表示装置において、カラーフィルタ層部の面積率は、以下の(1)~(3)の手順で算出できる。カラーフィルタ層部の面積率とは、本手順により算出した値の小数点第二位を四捨五入した値をいう。
(1)画素部の開口率を算出する手順と同様にして、隣接する5画素部及び単位面積Sを求める。
(2)隣接する5画素部とそれぞれ重畳する、カラーフィルタ層部の面積の総和(以下、隣接CF部の総面積SCF)を求める。
(3)カラーフィルタ層部の面積率を下記式により算出する。
カラーフィルタ層部の面積率=(隣接CF部の総面積SCF)/(単位面積S)×100。
このような構成とすることで、単位面積当たりの画素部の開口率を高く設計できるため、発光素子からの発光の光取り出し効率が向上し、発光輝度向上の効果が顕著となる。加えて、広範な視野角での発光輝度向上の効果が顕著となる。また白色光である外光はカラーフィルタ層部を通過することで減衰する上、カラーフィルタ層部から入射する外光を画素分割層で遮光できる。加えて、ブラックマトリックス層部によって外光を遮光できるため、外光反射抑制の効果が顕著となる。また後述する通り、画素部の開口率とブラックマトリックス層部の開口率との差を特定範囲とすることで、外光反射抑制及び発光輝度向上の効果が顕著となる。
x軸方向における画素部のパターン寸法と画素ピッチを統一した場合における、画素部の形状、寸法比、及び画素部の開口率の一例を示す平面図を図4に示す。図4において、x軸方向は画素部のパターン寸法を√2、画素ピッチを2√2(画素部間の距離を√2)に統一した。y軸方向は画素部間の距離を画素部のパターン寸法と等しくした。またそれぞれの画素のパターン寸法を同一とした。隣接する5画素部を全て包含する仮想の正方形又は仮想の四角形も図4に示す。画素部の形状が正六角形、直角五角形、菱形(正方形)、又は真円形である場合において、それぞれの寸法比をピタゴラスの定理より求め、画素部の開口率を算出した。
画素部の形状が正六角形の場合:
隣接画素部の総面積SCD=√2×(√6/2)×5=5√3
単位面積S=3√2×(3√6/2)=9√3
画素部の開口率=(5√3)/(9√3)×100=55.56=55.6%。
画素部の形状が直角五角形の場合:
隣接画素部の総面積SCD=[{√2×(√2/2)}+{(√2/2)×(√2/2)}]×5=7.5
単位面積S=3√2×3√2=18
画素部の開口率=7.5/18×100=41.67=41.7%。
画素部の形状が菱形(正方形)の場合:
隣接画素部の総面積SCD=1×1×5=5
単位面積S=3√2×3√2=18
画素部の開口率=5/18×100=27.78=27.8%。
画素部の形状が真円形の場合:
隣接画素部の総面積SCD=π×(√2/2)×5=5π/2
単位面積S=3√2×3√2=18
画素部の開口率=(5π/2)/18×100=43.63=43.6%。
すなわち、画素部の形状が正六角形又は直角五角形である場合、菱型(正方形)である場合と比較して画素部の開口率を顕著に高く設計できる。従って、このような構成とすることで、外光反射抑制及び発光輝度向上の効果が顕著となる。
本発明の表示装置は、画素部の開口率を(RCD)%とし、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口率を(RBM)%とし、(RBM)%と(RCD)%との差をΔ(RBM-RCD)%とするとき、一般式(ΔRaBM/CD)で表される関係を満たすことが好ましく、一般式(ΔRbBM/CD)で表される関係を満たすことがより好ましい。
-40.0≦Δ(RBM-RCD)<45.0 (ΔRaBM/CD
-35.0≦Δ(RBM-RCD)<45.0 (ΔRbBM/CD)。
本発明の表示装置において、Δ(RBM-RCD)%は、外光反射抑制、発光輝度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、-40.0%以上が好ましく、-35.0%以上がより好ましく、-30.0%以上がさらに好ましく、-25.0%以上がさらにより好ましく、-20.0%以上が特に好ましく、-15.0%以上が最も好ましい。一方、Δ(RBM-RCD)%は、外光反射抑制、発光輝度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、45.0%以下が好ましく、40.0%以下がより好ましく、35.0%以下がさらに好ましく、30.0%以下がさらにより好ましく、25.0%以下が特に好ましい。
本発明の表示装置は、画素部の開口率が、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口率よりも大きいことが好ましい。このような場合、ブラックマトリックス層部の開口率は、発光輝度向上の観点から、20.0%以上が好ましく、25.0%以上がより好ましく、30.0%以上がさらに好ましく、35.0%以上がさらにより好ましく、40.0%以上が特に好ましく、45.0%以上が最も好ましい。一方、ブラックマトリックス層部の開口率は、外光反射抑制及び発光素子の信頼性向上の観点から、69.0%以下が好ましく、65.0%以下がより好ましく、60.0%以下がさらに好ましく、55.0%以下が特に好ましい。
本発明の表示装置において、画素部の開口率が、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口率よりも大きい場合、画素部の開口率を(RCD)%とし、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口率を(RBM)%とし、(RBM)%と(RCD)%との差をΔ(RBM-RCD)%とするとき、一般式(ΔRαBM/CD)で表される関係を満たすことが好ましく、一般式(ΔRβBM/CD)で表される関係を満たすことがより好ましい。
-40.0≦Δ(RBM-RCD)<-1.0 (ΔRαBM/CD
-35.0≦Δ(RBM-RCD)<-1.0 (ΔRβBM/CD)。
本発明の表示装置において、Δ(RBM-RCD)%は、-40.0%以上が好ましく、-35.0%以上がより好ましく、-30.0%以上がさらに好ましく、-25.0%以上がさらにより好ましく、-20.0%以上が特に好ましく、-15.0%以上が最も好ましい。
本発明の表示装置が、上記一般式(ΔRaBM/CD)又は上記一般式(ΔRbBM/CD)で表される関係を満たす場合、本発明の表示装置は、画素部と重畳するカラーフィルタ層部の面積率を(RCF)%とし、(RCF)%と(RCD)%との差をΔ(RCF-RCD)%とし、かつ、(RBM)%と(RCF)%との差をΔ(RBM-RCF)%とするとき、さらに、一般式(ΔRaCF/CD)及び一般式(ΔRBM/CF)で表される関係を満たすことが好ましく、一般式(ΔRbCF/CD)及び一般式(ΔRBM/CF)で表される関係を満たすことがより好ましい。
-50.0≦Δ(RCF-RCD)≦35.0 (ΔRaCF/CD
-45.0≦Δ(RCF-RCD)≦35.0 (ΔRbCF/CD
0≦Δ(RBM-RCF)≦25.0 (ΔRBM/CF)。
本発明の表示装置において、Δ(RCF-RCD)%は、外光反射抑制、発光輝度向上、発光色純度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、-50.0%以上が好ましく、-45.0%以上がより好ましく、-40.0%以上がさらに好ましく、-35.0%以上がさらにより好ましく、-30.0%以上が特に好ましく、-25.0%以上が最も好ましい。一方、Δ(RCF-RCD)%は、外光反射抑制、発光輝度向上、発光色純度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、35.0%以下が好ましく、30.0%以下がより好ましく、25.0%以下がさらに好ましく、20.0%以下がさらにより好ましく、15.0%以下が特に好ましい。
本発明の表示装置において、Δ(RBM-RCF)%は、外光反射抑制、発光輝度向上、発光色純度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、35.0%以下が好ましく、30.0%以下がより好ましい。またΔ(RBM-RCF)%は、25.0%以下が好ましく、20.0%以下がより好ましく、15.0%以下がさらに好ましく、10.0%以下がさらにより好ましく、5.0%以下が特に好ましい。
本発明の表示装置において、画素部の開口率が、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口率よりも大きい場合、本発明の表示装置は、画素部と重畳するカラーフィルタ層部の面積率が15.0~69.0%であることが好ましい。カラーフィルタ層部の面積率は、外光反射抑制、発光色純度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、15.0%以上が好ましく、20.0%以上がより好ましく、25.0%以上がさらに好ましく、30.0%以上がさらにより好ましく、35.0%以上が特に好ましく、40.0%以上が最も好ましい。一方、カラーフィルタ層部の面積率は、発光輝度向上の観点から、69.0%以下が好ましく、65.0%以下がより好ましく、60.0%以下がさらに好ましく、55.0%以下が特に好ましい。
本発明の表示装置において、画素部の開口率が、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口率よりも大きい場合、本発明の表示装置は、画素部と重畳するカラーフィルタ層部の面積率を(RCF)%とし、(RCF)%と(RCD)%との差をΔ(RCF-RCD)%とし、かつ、(RBM)%と(RCF)%との差をΔ(RBM-RCF)%とするとき、さらに、一般式(ΔRαCF/CD)及び一般式(ΔRBM/CF)で表される関係を満たすことが好ましく、一般式(ΔRβCF/CD)及び一般式(ΔRBM/CF)で表される関係を満たすことがより好ましい。
-50.0≦Δ(RCF-RCD)≦-1.0 (ΔRαCF/CD
-45.0≦Δ(RCF-RCD)≦-1.0 (ΔRβCF/CD
0≦Δ(RBM-RCF)≦25.0 (ΔRBM/CF)。
本発明の表示装置において、(RCF-RCD)%は、-50.0%以上が好ましく、-45.0%以上がより好ましく、-40.0%以上がさらに好ましく、-35.0%以上がさらにより好ましく、-30.0%以上が特に好ましく、-25.0%以上が最も好ましい。
本発明の表示装置は、画素部の開口率を(RCD)%とし、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口率を(RBM)%とするとき、一般式(RCD/BM)で表される関係を満たすことが好ましい。
(RCD)>(RBM) (RCD/BM)。
本発明の表示装置が、上記一般式(RCD/BM)で表される関係を満たす場合、本発明の表示装置は、画素部の開口率が30.0~70.0%であって、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口率が20.0~69.0%であることが好ましい。
本発明の表示装置が、上記一般式(RCD/BM)で表される関係を満たす場合、本発明の表示装置は、画素部と重畳するカラーフィルタ層部の面積率を(RCF)%とするとき、さらに、一般式(RCD/CF)及び一般式(RCF/BM)で表される関係を満たすことが好ましい。
(RCD)>(RCF) (RCD/CF
(RCF)≦(RBM) (RCF/BM)。
本発明の表示装置が、上記一般式(RCD/BM)で表される関係を満たし、かつ、本発明の表示装置において、画素部と重畳するカラーフィルタ層部の開口率が15.0~69.0%である場合、本発明の表示装置は、さらに、上記一般式(RCD/CF)及び上記一般式(RCF/BM)で表される関係を満たすことが好ましい。
<画素部、カラーフィルタ層部、及びブラックマトリックス層部の開口部の寸法>
本発明の表示装置は、画素部の長軸方向のパターン寸法の最大値を(CDL/max)μmとするとき、(CDL/max)μmが、下記(8)又は(9)の条件を満たすことが好ましい。本発明の表示装置は、(CDL/max)μmが少なくとも下記(8)の条件を満たすことがより好ましい。
(8)(CDL/max)μmが、画素部と重畳するカラーフィルタ層部の長軸方向のパターン寸法よりも大きく、かつ、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターン寸法よりも大きい
(9)(CDL/max)μmが、画素部と重畳するカラーフィルタ層部の長軸方向のパターン寸法よりも小さく、かつ、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターン寸法よりも小さい。
本発明の表示装置は、画素部の長軸方向のパターン寸法の最小値を(CDL/min)μmとし、画素部と重畳するカラーフィルタ層部の長軸方向のパターン寸法を(CF)μmとし、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターン寸法を(BM)μmとし、
(CDL/max)μmと(CDL/min)μmとの寸法差をΔ(CDL/max-CDL/min)μmとし、かつ、
(BM)μmと(CDL/max)μmとの寸法差をΔ(BM-CDL/max)μmとし、(BM)μmと(CDL/min)μmとの寸法差をΔ(BM-CDL/min)μmとするとき、
一般式(ΔCD)で表される関係を満たし、かつ、一般式(ΔBM/CDamax)及び一般式(ΔBM/CDamin)で表される関係、又は、一般式(ΔBM/CDαmax)及び一般式(ΔBM/CDαmin)で表される関係、のいずれかを満たすことが好ましい。
0≦Δ(CDL/max-CDL/min)≦4.0 (ΔCD)
1.0≦Δ(BM-CDL/max)≦18.0 (ΔBM/CDamax
1.0≦Δ(BM-CDL/min)≦18.0 (ΔBM/CDamin
-6.0≦Δ(BM-CDL/max)≦-1.0 (ΔBM/CDαmax
-6.0≦Δ(BM-CDL/min)≦-1.0 (ΔBM/CDαmin
本発明の表示装置において、(CDL/max)μmが上記(8)の条件を満たす場合、本発明の表示装置は、一般式(ΔCD)で表される関係を満たし、かつ、一般式(ΔBM/CDαmax)及び一般式(ΔBM/CDαmin)で表される関係を満たすことが好ましい。
本発明の表示装置は、さらに、平面視において、ブラックマトリックス層部がカラーフィルタ層部と重畳せず、(BM)μmと(CF)μmとの寸法差をΔ(BM-CF)μmとするとき、一般式(ΔBM/CFa)で表される関係を満たすことが好ましい。
0≦Δ(BM-CF)≦8.0 (ΔBM/CFa)。
本発明の表示装置が、上記一般式(ΔCD)で表される関係を満たし、かつ、上記一般式(ΔBM/CDamax)及び上記一般式(ΔBM/CDamin)で表される関係を満たす場合、本発明の表示装置は、(CF)μmと(CDL/max)μmとの寸法差をΔ(CF-CDL/max)μmとし、(CF)μmと(CDL/min)μmとの寸法差をΔ(CF-CDL/min)μmとするとき、さらに、一般式(ΔCF/CDamax)及び一般式(ΔCF/CDamin)で表される関係を満たすことが好ましい。
1.0≦Δ(CF-CDL/max)≦14.0 (ΔCF/CDamax
1.0≦Δ(CF-CDL/min)≦14.0 (ΔCF/CDamin)。
本発明の表示装置が、上記一般式(ΔCD)で表される関係を満たし、かつ、上記一般式(ΔBM/CDαmax)及び上記一般式(ΔBM/CDαmin)で表される関係を満たす場合、本発明の表示装置は、(CF)μmと(CDL/max)μmとの寸法差をΔ(CF-CDL/max)μmとし、(CF)μmと(CDL/min)μmとの寸法差をΔ(CF-CDL/min)μmとするとき、さらに、一般式(ΔCF/CDαmax)及び一般式(ΔCF/CDαmin)で表される関係を満たすことが好ましい。
-9.0≦Δ(CF-CDL/max)≦-1.0 (ΔCF/CDαmax
-9.0≦Δ(CF-CDL/min)≦-1.0 (ΔCF/CDαmin)。
本発明の表示装置が、上記一般式(ΔCD)で表される関係を満たし、かつ、上記一般式(ΔBM/CFa)、上記一般式(ΔBM/CDαmax)、及び上記一般式(ΔBM/CDαmin)で表される関係を満たす場合、ブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターン寸法が、カラーフィルタ層部の長軸方向のパターン寸法以上である。すなわち、ブラックマトリックス層部がカラーフィルタ層部と重畳しないため、発光素子からの発光の光取り出し効率が向上する。また画素部の長軸方向のパターン寸法の最大値及び最小値が特定範囲内に収まる。さらに、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターン寸法と、画素部の長軸方向のパターン寸法の最大値及び最小値との寸法差が特定範囲である。すなわち、発光素子からの発光面積がブラックマトリックス層部の開口面積よりも大きいこととなる。そのため、発光素子からの発光のうち第1電極と第2電極との間でマイクロキャビティ効果により反射・干渉をして強められた発光のみが、カラーフィルタ層を通過して効率的に取り出されるため、高発光輝度の効果を奏功する。さらに、白色光である外光はカラーフィルタ層部を通過することで減衰する上、ブラックマトリックス層部による遮光面積が増加するため、特に優れた外光反射抑制効果を奏功する。画素部の長軸方向のパターン寸法、カラーフィルタ層部の長軸方向のパターン寸法、ブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターン寸法の一例を示す模式的断面図及び平面図を図6に示す。
本発明の表示装置が、上記一般式(ΔCF/CDαmax)、上記一般式(ΔCF/CDαmin)、上記一般式(ΔBM/CFa)、上記一般式(ΔBM/CDαmax)、及び上記一般式(ΔBM/CDαmin)で表される関係を満たす場合、さらに、一般式(CD/BMα)、一般式(CD/CFα)、及び一般式(CF/BM)で表される関係を満たす。
(CDL/min)>(BM) (CD/BMα)
(CDL/min)>(CF) (CD/CFα)
(CF)≦(BM) (CF/BM)。
本発明の表示装置は、平面視において、ブラックマトリックス層部がカラーフィルタ層部と重畳せず、(BM)μmと(CF)μmとの寸法差をΔ(BM-CF)μmとし、かつ、(BM)μmと(CDL/max)μmとの寸法差をΔ(BM-CDL/max)μmとし、(BM)μmと(CDL/min)μmとの寸法差をΔ(BM-CDL/min)μmとするとき、さらに、一般式(ΔBM/CFb)、一般式(ΔBM/CDαmax)、及び一般式(ΔBM/CDαmin)で表される関係を満たすことが好ましい。
0≦Δ(BM-CF)≦6.0 (ΔBM/CFb)
-6.0≦Δ(BM-CDL/max)≦-1.0 (ΔBM/CDαmax
-6.0≦Δ(BM-CDL/min)≦-1.0 (ΔBM/CDαmin)。
本発明の表示装置が、上記一般式(ΔCD)で表される関係を満たし、かつ、上記一般式(ΔCF/CDαmax)、上記一般式(ΔCF/CDαmin)、及び上記一般式(CD/BMα)で表される関係を満たす場合、本発明の表示装置は、さらに、一般式(ΔCF/CDβmax)及び一般式(ΔCF/CDαmin)で表される関係を満たすことが好ましい。
-6.0≦Δ(CF-CDL/max)≦-1.0 (ΔCF/CDβmax
-6.0≦Δ(CF-CDL/min)≦-1.0 (ΔCF/CDβmin)。
本発明の表示装置が、上記一般式(ΔBM/CFa)、上記一般式(ΔBM/CDαmax)、及び上記一般式(ΔBM/CDαmin)で表される関係を満たす場合、本発明の表示装置は、さらに、一般式(ΔBM/CFb)、一般式(ΔBM/CDβmax)、及び一般式(ΔBM/CDβmin)で表される関係を満たすことが好ましく、一般式(ΔBM/CFc)、一般式(ΔBM/CDβmax)、及び一般式(ΔBM/CDβmin)で表される関係を満たすことがより好ましい。
0≦Δ(BM-CF)≦6.0 (ΔBM/CFb)
0≦Δ(BM-CF)≦4.0 (ΔBM/CFc)
-5.0≦Δ(BM-CDL/max)≦-1.0 (ΔBM/CDβmax
-5.0≦Δ(BM-CDL/min)≦-1.0 (ΔBM/CDβmin
また本発明の表示装置は、さらに、一般式(ΔBM/CFp)で表される関係を満たすことが好ましく、一般式(ΔBM/CFq)で表される関係を満たすことがより好ましく、一般式(ΔBM/CFr)で表される関係を満たすことがさらに好ましい。
1.0≦Δ(BM-CF)≦8.0 (ΔBM/CFp)
1.0≦Δ(BM-CF)≦6.0 (ΔBM/CFq)
1.0≦Δ(BM-CF)≦5.0 (ΔBM/CFr)。
本発明の表示装置においてΔ(BM-CF)μmは、0.2μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、0.7μm以上がさらに好ましく、1.0μm以上がさらにより好ましく、1.2μm以上が特に好ましく、1.5μm以上が最も好ましい。一方、Δ(BM-CF)μmは、7.5μm以下が好ましく、7.0μm以下がより好ましく、6.5μm以下がさらに好ましく、6.0μm以下がさらにより好ましく、5.5μm以下が特に好ましく、5.0μm以下が最も好ましい。またΔ(BM-CF)μmは、外光反射抑制、発光輝度向上、発光色純度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、4.5μm以下が好ましく、4.0μm以下がより好ましく、3.5μm以下がさらに好ましく、3.0μm以下がさらにより好ましく、2.7μm以下が特に好ましく、2.5μm以下が最も好ましい。
本発明の表示装置が、上記一般式(ΔCF/CDαmax)、上記一般式(ΔCF/CDαmin)、及び上記一般式(CD/BMα)で表される関係を満たす場合、Δ(CF-CDL/max)μm及びΔ(CF-CDL/min)μmは、-1.2μm以下が好ましく、-1.5μm以下がより好ましく、-1.7μm以下がさらに好ましく、-2.0μm以下がさらにより好ましく、-2.2μm以下が特に好ましく、-2.5μm以下が最も好ましい。一方、Δ(CF-CDL/max)μm及びΔ(CF-CDL/min)μmは、-8.5μm以上が好ましく、-8.0μm以上がより好ましく、-7.5μm以上がさらに好ましく、-7.0μm以上がさらにより好ましく、-6.5μm以上が特に好ましい。またΔ(CF-CDL/max)μm及びΔ(CF-CDL/min)μmは、-6.0μm以上が好ましく、-5.5μm以上がより好ましく、-5.0μm以上がさらに好ましく、-4.5μm以上がさらにより好ましく、-4.2μm以上が特に好ましく、-4.0μm以上が最も好ましい。さらにΔ(CF-CDL/max)μm及びΔ(CF-CDL/min)μmは、-3.7μm以上が好ましく、-3.5μm以上がより好ましく、-3.2μm以上がさらに好ましく、-3.0μm以上がさらにより好ましく、-2.7μm以上が特に好ましく、-2.5μm以上が最も好ましい。
本発明の表示装置が、上記一般式(ΔCF/CDαmax)、上記一般式(ΔCF/CDαmin)、及び上記一般式(CD/BMα)で表される関係を満たす場合、Δ(BM-CDL/max)μm及びΔ(BM-CDL/min)μmは、-1.2μm以下が好ましく、-1.5μm以下がより好ましく、-1.7μm以下がさらに好ましく、-2.0μm以下がさらにより好ましく、-2.2μm以下が特に好ましく、-2.5μm以下が最も好ましい。一方、Δ(BM-CDL/max)μm及びΔ(BM-CDL/min)μmは、-5.5μm以上が好ましく、-5.0μm以上がより好ましく、-4.7μm以上がさらに好ましく、-4.5μm以上がさらにより好ましく、-4.2μm以上が特に好ましく、4.0μm以上が最も好ましい。またΔ(BM-CDL/max)μm及びΔ(BM-CDL/min)μmは、-3.7μm以上が好ましく、-3.5μm以上がより好ましく、-3.2μm以上がさらに好ましく、-3.0μm以上がさらにより好ましく、-2.7μm以上が特に好ましく、-2.5μm以上が最も好ましい。
<複数色の画素部を有する表示装置の構成>
本発明の表示装置は、平面視において、画素部が、第1色の画素部、第2色の画素部、及び第3色の画素部を有し、第1色、第2色、及び第3色が互いに異なる色であって、第1色の画素部の形状、第2色の画素部の形状、及び第3色の画素部の形状からなる群より選ばれる二種類以上の形状が、それぞれ独立して、下記(1a)又は(2a)の条件を満たすことが好ましい。本発明の表示装置は、第1色の画素部の形状、第2色の画素部の形状、及び第3色の画素部の形状が、それぞれ独立して、下記(1a)又は(2a)の条件を満たすことがより好ましい。
(1a)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形である
(2a)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である
(3)円弧で形成された閉じた形状である。
上述した通り、画素部の形状が正六角形又は直角五角形である場合、菱型(正方形)である場合と比較して画素部の開口率を顕著に高く設計できる。従って、このような構成とすることで、外光反射抑制及び発光輝度向上の効果が顕著となる。第1色の画素部の形状、第2色の画素部の形状、及び第3色の画素部の形状において、少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形、及び、少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状に関する例示及び好ましい記載は、上記の通りである。
本発明の表示装置は、平面視において、画素部が、第1色の画素部、第2色の画素部、及び第3色の画素部を有し、第1色、第2色、及び第3色が互いに異なる色であって、
第1色の画素部の形状、第2色の画素部の形状、及び第3色の画素部の形状からなる群より選ばれる二種類の形状が、上記(1a)又は(2a)の条件を満たす場合、下記(4)の条件を満たす、
又は、
第1色の画素部の形状、第2色の画素部の形状、及び第3色の画素部の形状が、上記(1a)又は(2a)の条件を満たす場合、下記(5)の条件を満たすことが好ましい。
(4)上記(1a)又は(2a)の条件を満たす二種類の形状が互いに異なる形状である
(5)第1色の画素部の形状、第2色の画素部の形状、及び第3色の画素部の形状が互いに異なる形状である。
このような構成とすることで、外光反射抑制及び発光輝度向上の効果が顕著となる。加えて、広範な視野角での発光輝度向上の効果が顕著となる。第1色の画素部の形状、第2色の画素部の形状、及び第3色の画素部の形状からなる群より選ばれる二種類以上の形状が互いに異なる形状であることで、異なる形状の画素部からの発光同士は面発光として非対称となる。その結果、異なる形状の画素部からの発光が干渉によって強められるため、発光輝度向上の効果が顕著になると推定される。加えて、回折光により広範な視野角での発光輝度向上の効果が顕著になると推定される。
上記(4)の条件において、第1色の画素部の形状、第2色の画素部の形状、及び第3色の画素部の形状からなる群より選ばれる、上記(1a)又は(2a)の条件を満たす二種類の形状は、五角形、又は、五角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状を有し、かつ、六角形、又は、六角形からから少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状を有することが好ましい。五角形は、正五角形又は直角五角形が好ましい。六角形は、正六角形又は直角六角形が好ましい。
上記(5)の条件において、第1色の画素部の形状、第2色の画素部の形状、及び第3色の画素部の形状は、五角形、又は、五角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状を有し、かつ、六角形、又は、六角形からから少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状を有することが好ましい。五角形は、正五角形又は直角五角形が好ましい。六角形は、正六角形又は直角六角形が好ましい。
本発明の表示装置は、平面視において、画素部が、複数の第1色の画素部、複数の第2色の画素部、及び複数の第3色の画素部を有し、第1色、第2色、及び第3色が互いに異なる色であって、第1色の画素部の形状、第2色の画素部の形状、及び第3色の画素部の形状からなる群より選ばれる二種類以上の形状が、上記(1a)又は(2a)の条件を満たし、
上記(1a)又は(2a)の条件を満たす二種類以上の画素部のうち、一種類以上の画素部が、画素部よりも長軸方向のパターン寸法が小さい2つ以上の副画素部で構成されており、第1色の画素部が副画素部で構成されている場合、一部又は全部の第1色の画素部が、2つ以上の第1色の副画素部で構成されており、第2色の画素部が副画素部で構成されている場合、一部又は全部の第2色の画素部が、2つ以上の第2色の副画素部で構成されており、第3色の画素部が副画素部で構成されている場合、一部又は全部の第3色の画素部が、2つ以上の第3色の副画素部で構成されており、
2つ以上の第1色の副画素部の形状、2つ以上の第2色の副画素部の形状、及び2つ以上の第3色の副画素部の形状が、それぞれ独立して、下記(6)又は(7)の条件を満たすことが好ましい。
(6)少なくとも3つの辺を含む閉じた多角形である
(7)少なくとも3つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である。
副画素部は、下記(a)~(c)の条件を満たす。
(a)副画素部は、画素部よりも長軸方向のパターン寸法が小さい
(b)2つ以上の副画素部により、画素部を構成する
(c)画素部を構成する2つ以上の副画素部において、副画素部の少なくとも1つの辺は、他の副画素部の少なくとも1つの辺と近接する。
本発明の表示装置は、第1色の画素部の形状、第2色の画素部の形状、及び第3色の画素部の形状が、上記(1a)又は(2a)の条件を満たすことがより好ましい。本発明の表示装置は、上記(1a)又は(2a)の条件を満たす二種類以上の画素部が、それぞれ独立して、画素部よりも長軸方向のパターン寸法が小さい2つ以上の副画素部で構成されていることがより好ましく、第1色の画素部、第2色の画素部、及び第3色の画素部が、それぞれ独立して、画素部よりも長軸方向のパターン寸法が小さい2つ以上の副画素部で構成されていることがさらに好ましい。
このような構成とすることで、優れた外光反射抑制効果及び高発光輝度を兼ね備えつつ、表示装置の解像度向上の効果が顕著となる。すなわち、表示装置における単位面積当たりの画素部及び副画素部の数の合計を顕著に多く設計できるため、高解像度の表示装置を製造可能である。また、任意の色(第X色)の画素部が副画素部を有する場合、それら2つ以上の副画素部は画素部と同じ色(第X色)を有するため、それら2つ以上の副画素部における発光層を含む有機層の一括形成が可能である。例えば、発光層を含む有機層を、蒸着マスクを用いたマスク蒸着法により成膜する場合、互いに隣接する同じ色(第X色)の副画素部を包含する開口部を有する蒸着マスクを用いることが好ましい。このような方法により、これらの副画素部における発光層を含む有機層を、一度の蒸着工程での一括形成が可能である。加えて、2つ以上の副画素部における発光を含む有機層の一括形成が可能であるため、高解像度の表示装置の製造におけるプロセスタイム短縮・生産性向上の効果が顕著となる。さらに、蒸着マスクにおける開口部のパターン寸法は、より微細な副画素部の開口寸法によらず、元々の画素部の開口寸法に合わせて設計すればよいため、高解像度の表示装置の製造における製造難度低減及びパネルの歩留まり低下抑制の効果が顕著となる。第1色の画素部、第2色の画素部、及び第3色の画素部において、2つ以上の副画素部は、それぞれ同じ形状であってもよく、それぞれ互いに異なる形状であっても構わない。
本発明の表示装置において、このような構成とする場合、本発明の表示装置は、少なくとも3つの辺を含む閉じた多角形が、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、又は八角形であることが好ましく、正三角形、二等辺三角形、直角三角形、正方形、菱形、長方形、台形、直角台形、平行四辺形、正五角形、直角五角形、正六角形、直角六角形、正七角形、又は正八角形であることがより好ましい。また少なくとも3つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状が、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、又は八角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状であることが好ましく、正三角形、二等辺三角形、直角三角形、正方形、菱形、長方形、台形、直角台形、平行四辺形、正五角形、直角五角形、正六角形、直角六角形、正七角形、又は正八角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状であることがより好ましい。
このような構成とすることで、優れた外光反射抑制効果及び高発光輝度を兼ね備えつつ、表示装置の解像度向上の効果が顕著となる。また高解像度の表示装置の製造におけるプロセスタイム短縮・生産性向上の効果が顕著となる。さらに、高解像度の表示装置の製造における製造難度低減及びパネルの歩留まり低下抑制の効果が顕著となる。2つ以上の副画素部の形状が少なくとも3つの辺を含む閉じた多角形である場合の、画素部の形状及び副画素部の形状の一例を示す平面図を図5に示す。図5には、画素部の形状が正六角形であって、2つ以上の副画素部の形状が台形、直角五角形、又は、菱形(四角形)及び三角形である場合の画素部の形状及び副画素部の形状の一例を示す。
上記(6)の条件において、第1色の副画素部の形状における少なくとも3つの辺を含む閉じた多角形は、第1色の画素部の形状における少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形よりも辺の数が少ないことが好ましい。本発明の表示装置は、第1色の画素部の形状が、六角形であって、第1色の副画素部の形状が、三角形、四角形、及び五角形からなる群より選ばれる一種類以上を含むことが好ましく、第1色の副画素部の形状が、五角形を含むことがより好ましい。第1色の副画素部の形状は、これらの形状のうち二種類以上を含むことも好ましい。また第2色の副画素部の形状と、第2色の画素部の形状との関係も同様であることが好ましい。また第3色の副画素部の形状と、第3色の画素部の形状との関係も同様であることが好ましい。六角形は、正六角形又は直角六角形が好ましい。三角形は、正三角形、二等辺三角形、又は直角三角形が好ましい。四角形は、正方形、菱形、長方形、台形、直角台形、又は平行四辺形が好ましい。五角形は、正五角形又は直角五角形が好ましい。
上記(7)の条件において、第1色の副画素部の形状における少なくとも3つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状は、第1色の画素部の形状における少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状よりも辺の数が少ないことが好ましい。本発明の表示装置は、第1色の画素部の形状が、六角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状であって、第1色の副画素部の形状が、三角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状;四角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状;及び五角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状、からなる群より選ばれる一種類以上を含むことが好ましく、第1色の副画素部の形状が、五角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状、からなる群より選ばれる一種類以上を含むことがより好ましい。第1色の副画素部の形状は、これらの形状のうち二種類以上を含むことも好ましい。また第2色の副画素部の形状と、第2色の画素部の形状との関係も同様であることが好ましい。また第3色の副画素部の形状と、第3色の画素部の形状との関係も同様であることが好ましい。六角形は、正六角形又は直角六角形が好ましい。三角形は、正三角形、二等辺三角形、又は直角三角形が好ましい。四角形は、正方形、菱形、長方形、台形、直角台形、又は平行四辺形が好ましい。五角形は、正五角形又は直角五角形が好ましい。
なお副画素部の辺と、近接する他の副画素部の辺との距離は、0.1~5.0μmが好ましい。副画素部の辺と、近接する他の副画素部の辺との距離は、表示装置の解像度向上の観点から、0.1μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましく、0.5μm以上がさらに好ましく、1.0μm以上が特に好ましい。一方、副画素部の辺と、近接する他の副画素部の辺との距離は、外光反射抑制及び発光輝度向上の観点から、5.0μm以下が好ましく、4.0μm以下がより好ましく、3.5μm以下がさらに好ましく、3.0μm以下が特に好ましい。副画素部の辺と、近接する他の副画素部の辺との距離は、副画素部の辺上の任意の点と、近接する他の副画素部の辺上の任意の点と距離のうち最短の距離をいう。
また画素部の辺と、隣接する他の画素部の辺との距離は、5.0μm超~50.0μmが好ましい。画素部の辺と、隣接する他の画素部の辺との距離は、外光反射抑制及び発光輝度向上の観点から、5.0μm超が好ましく、7.0μm以上がより好ましく、10.0μm以上がさらに好ましく、15.0μm以上が特に好ましい。一方、画素部の辺と、隣接する他の画素部の辺との距離は、外光反射抑制、発光輝度向上、発光色純度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、50.0μm以下が好ましく、40.0μm以下がより好ましく、30.0μm以下がさらに好ましく、25.0μm以下が特に好ましい。画素部の辺と、隣接する他の画素部の辺との距離は、画素部の辺上の任意の点と、隣接する他の画素部の辺上の任意の点と距離のうち最短の距離をいう。
本発明の表示装置は、平面視において、カラーフィルタ層部が、第1色の画素部に対応する第1色のカラーフィルタ層部、第2色の画素部に対応する第2色のカラーフィルタ層部、及び第3色の画素部に対応する第3色のカラーフィルタ層部を有することが好ましい。なお第1色の画素部に対応する第1色のカラーフィルタ層部とは、第1色の画素部と第1色のカラーフィルタ層部とが互いに同系色の色であることをいう。第2色の画素部に対応する第2色のカラーフィルタ層部、及び、第3色の画素部に対応する第3色のカラーフィルタ層部も同様である。第1色の画素部からの発光の発光スペクトルにおける極大発光波長と、第1色のカラーフィルタ層部の透過スペクトルにおける極大透過波長との差は、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、10nm以下がさらに好ましい。第2色の画素部に対応する第3色のカラーフィルタ層部、及び、第3色の画素部に対応する第3色のカラーフィルタ層部も同様である。
本発明の表示装置は、平面視において、第1色の画素部が第1色のカラーフィルタ層部と重畳し、第2色の画素部が第2色のカラーフィルタ層部と重畳し、かつ、第3色の画素部が第3色のカラーフィルタ層部と重畳することが好ましい。第1色、第2色、及び第3色が、緑色、赤色、及び青色である場合、本発明の表示装置はフルカラー型の発光が可能な表示装置を提供可能である。従って、上記のような構成とすることで、本発明の表示装置は、フルカラー型の発光が可能であって、かつ、優れた外光反射抑制効果、高発光輝度、高発光色純度、及び発光素子の高信頼性を兼ね備えることが可能である。第1色の画素部、第2色の画素部、及び第3色の画素部を含む構成を有する表示装置の一例を示す平面図を図10に示す。
本発明の表示装置において、このような構成とする場合、本発明の表示装置は、第1色の画素部の長軸方向のパターン寸法の平均値が5.0~30.0μmであることが好ましい。このような構成とすることで、外光反射抑制、発光輝度向上、発光色純度向上、及び発光素子の信頼性向上の効果が顕著となる。
第1色の画素部の長軸方向のパターン寸法の平均値は、外光反射抑制、発光輝度向上、発光色純度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、5.0μm以上が好ましく、6.0μm以上がより好ましく、7.0μm以上がさらに好ましく、8.0μm以上がさらにより好ましく、10.0μm以上が特に好ましい。一方、第1色の画素部の長軸方向のパターン寸法の平均値は、外光反射抑制及び発光輝度向上の観点から、50.0μm以下が好ましく、40.0μm以下がより好ましく、35.0μm以下がさらに好ましい。また第1色の画素部の長軸方向のパターン寸法は、外光反射抑制、発光輝度向上、発光色純度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、30.0μm以下が好ましく、25.0μm以下がより好ましく、20.0μm以下がさらに好ましく、17.0μm以下がさらにより好ましく、15.0μm以下が特に好ましい。
本発明の表示装置は、第1色の画素部の長軸方向のパターン寸法の平均値を(CDL1)μm、第2色の画素部の長軸方向のパターン寸法の平均値を(CDL2)μmとし、かつ、第3色の画素部の長軸方向のパターン寸法の平均値を(CDL3)μmとするとき、一般式(CD-1a)及び一般式(CD-1b)で表される関係を満たす。本発明の表示装置は、さらに、一般式(CD-2a)又は一般式(CD-3a)で表される関係を満たすことが好ましく、一般式(CD-2b)又は一般式(CD-3b)で表される関係を満たすことがより好ましい。
(CDL1)<(CDL2) (CD-1a)
(CDL1)<(CDL3) (CD-1b)
(CDL2)≦(CDL3) (CD-2a)
(CDL2)<(CDL3) (CD-2b)
(CDL2)≧(CDL3) (CD-3a)
(CDL2)>(CDL3) (CD-3b)。
本発明の表示装置の第1色の画素部、第2色の画素部、及び第3色の画素部において、外光反射抑制、発光輝度向上、発光色純度向上、及び発光素子の信頼性向上の観点から、第1色は緑色又は赤色が好ましく、緑色がより好ましい。第2色は緑色、赤色、又は青色が好ましく、赤色がより好ましい。第3色は赤色、又は青色が好ましく、青色がより好ましい。
本発明の表示装置において、赤色の画素部からの発光の発光スペクトルにおける、極大発光波長は560~700nmが好ましい。緑色の画素部からの発光の発光スペクトルにおける、極大発光波長は500~560nmが好ましい。青色の画素部からの発光の発光スペクトルにおける、極大発光波長は420~500nmが好ましい。
本発明の表示装置において、赤色のカラーフィルタ層部の透過スペクトルにおける、極大透過波長は560~700nmが好ましい。緑色のカラーフィルタ層部の透過スペクトルにおける、極大透過波長は500~560nmが好ましい。青色のカラーフィルタ層部の透過スペクトルにおける、極大透過波長は420~500nmが好ましい。
<非感光性組成物及び感光性組成物の硬化膜>
本発明の表示装置において、画素分割層、スペーサ層、封止層、カラーフィルタ層、ブラックマトリックス層、オーバーコート層、TFT平坦化層、TFT保護層、及び層間絶縁層は、非感光性組成物を硬化した硬化膜が好ましく、感光性組成物を硬化した硬化膜がより好ましい。非感光性組成物及び感光性組成物は、下記に示す構成成分を含有することが好ましい。
硬化とは、反応により架橋構造が形成され、膜の流動性が無くなること、又、その状態をいう。反応は、加熱、エネルギー線の照射等、特に限定されるものではないが、加熱によるものが好ましい。加熱によって架橋構造が形成され、膜の流動性が無くなった状態を熱硬化という。加熱条件としては、例えば、150~500℃で、5~300分間加熱するなどの条件である。加熱方法としては、例えば、オーブン、ホットプレート、赤外線、フラッシュアニール装置、又はレーザーアニール装置を用いて加熱する方法が挙げられる。処理雰囲気としては、例えば、空気、酸素、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン若しくはキセノン雰囲気下、酸素を1~10,000ppm(0.0001~1質量%)未満含有するガス雰囲気下、酸素を10,000ppm(1質量%)以上含有するガス雰囲気下、又は、真空下が挙げられる。
以下に実施例、参考例、及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの範囲に限定されない。なお、以下実施例の説明または表で用いた化合物のうち略語を使用しているものについて、略語に対応する名称を、まとめて表1-1に示す。
Figure 2024004473000009
<各樹脂の合成例>
(A)アルカリ可溶性樹脂として、合成例1~22で得られた各樹脂の組成を、まとめて表1-2~表1-5に示す。各樹脂は公知の文献に記載の方法に基づき、適宜モノマーとなる単量体化合物や共重合比率を変更して、公知の方法により合成した。モノマーの共重合比率は、表1-2~表1-5の通りである。
合成例4で使用した下記構造のヒドロキシ基含有ジアミンである(HA)は、国際公開第2016/056451号の段落[0374]~段落[0376]における、合成例1に記載の合成方法に基づき、公知の方法により合成した。なお下記構造のヒドロキシ基含有ジアミンである(HA)を用いて合成例4で得られた樹脂は、アミド酸エステル構造単位、アミド酸構造単位、及びイミド閉環構造を有するポリイミド前駆体である。
Figure 2024004473000010
合成例14において、国際公開第2012/141165号の段落[0109]~段落[0122]における、合成例3及び合成例5に記載の合成方法に基づき、XLNと4-ヒドロキシベンズアルデヒドとの縮合反応物に代えて、XLNとSADとの縮合反応物として下記構造のフェノール化合物を合成し、得られたフェノール化合物をアルデヒド化合物との縮合反応に使用した。
Figure 2024004473000011
合成例4において、樹脂中のアミド酸構造単位に対してエステル化剤であるDFAを反応させており、メチル基を有するアミド酸エステル構造単位に構造変換させた。
合成例13において、樹脂中のMAAに由来するカルボキシ基に対してエポキシ基を有するGMAを反応させており、GMAのエポキシ基を全て開環付加させた。
合成例22において、樹脂中のHPMAに由来するフェノール性水酸基に対してエポキシ基を有するGMAを反応させており、GMAのエポキシ基を全て開環付加させた。
Figure 2024004473000012
Figure 2024004473000013
Figure 2024004473000014
Figure 2024004473000015
各合成例で得られた樹脂、並びに、各実施例、参考例、及び比較例で使用した樹脂について、各樹脂が有する構造単位と構造を、まとめて表2-1に示す。
Figure 2024004473000016
<各顔料分散液の調製例>
調製例1 顔料分散液(Bk-1)の調製
分散剤としてADPを35.0g、溶剤としてPGMEAを765.0g秤量して混合し、10分間攪拌して拡散した後、着色剤としてBk-S0100CFを100.0g秤量して混合して30分間攪拌して予備攪拌液を得た。粉砕メディアとして、ジルコニウム元素とハフニウム元素との複合酸化物(ZrO-HfO)の純分が90質量%以上のセラミックビーズである0.40mmφの複合酸化物からなる粉砕メディア(ジルコニア(ZrO)/酸化ハフニウム(HfO)/酸化イットリウム(Y)/酸化アルミニウム(Al)=93.3/1.5/4.9/0.3(質量比))がベッセル内に充填された縦型ビーズミルに予備攪拌液を送液し、循環方式で第一の湿式メディア分散処理を周速8m/sで3時間行った。さらに、粉砕メディアとして、0.05mmφの複合酸化物からなる粉砕メディア(ジルコニア(ZrO)/酸化ハフニウム(HfO)/酸化イットリウム(Y)/酸化アルミニウム(Al)=93.3/1.5/4.9/0.3(質量比))がベッセル内に充填された縦型ビーズミルに送液し、数平均粒子径が80nmとなるように循環方式で第二の湿式メディア分散処理を周速9m/sで行った。その後、0.80μmφのフィルターで濾過を行い、固形分濃度15質量%、着色剤/分散剤=100/35(質量比)の顔料分散液(Bk-1)を得た。得られた顔料分散液中の顔料の平均一次粒子径は80nmであった。
顔料分散液として、調製例1~7で得られた各分散液の組成を、まとめて表2-2に示す。調製例2~7は、各顔料分散液を調製例1と同様の方法により調製した。なお、調製例6で使用した表面被覆ベンゾフラノン系黒色顔料(Bk-CBF1)は、国際公開第2019/087985号の段落[0503]~段落[0505]における、被覆例1に記載の合成方法に基づき、公知の方法により合成した。調製例7で使用した表面被覆ペリレン系黒色顔料(Bk-CPR1)は、国際公開第2018/038083号の段落[0186]~段落[0188]及び段落[0191]における、実施例18に記載の合成方法に基づき、公知の方法により合成した。また、調製例1~7で使用したポリアルキレンアミン系-ポリオキシアルキレンエーテル系分散剤(ADP)は、特開2020-070352号公報の段落[0138]~段落[0141]における、合成例2に記載の方法に基づき、公知の方法により合成した。各実施例、参考例、及び比較例で使用した(D)着色剤及び(E)分散剤の一覧と説明も、まとめて表2-2に示す。
Figure 2024004473000017
合成例23 シリカ粒子(SP-1)分散液の合成
三口フラスコに、溶剤としてMEKを104.5g、ナトリウム元素を含有するシリカ粒子分散液としてMEK-ST-40を142.5g、重合禁止剤としてMOPを0.01g秤量して添加して混合し、10分間攪拌した後、液温を50℃に昇温した。次いで、表面修飾剤として、3.0gのKBM-503を50.0gのMEKに溶解させた溶液を10分間かけて滴下した。滴下終了後、50℃で2時間攪拌して表面修飾剤を脱水縮合させた。反応後、反応溶液を室温に冷却し、シリカ粒子(SP-1)分散液を得た。得られたシリカ粒子(SP-1)は、ラジカル重合性基としてメタクリロイル基を含む表面修飾基を有する。
各実施例、参考例、及び比較例で使用したシリカ粒子の一覧と説明を、まとめて表2-3に示す。なおシリカ粒子(SP-2)の分散液である(MSiP-1)は、ナトリウム元素を含有するシリカ粒子分散液としてMEK-ST-40、表面修飾剤としてKBM-13を用いて、重合禁止剤であるMOPは用いずに、メチルシリル基を含む表面修飾基を有するシリカ粒子を合成して用いた。シリカ粒子(SP-3)の分散液である(MSiP-2)は、ナトリウム元素を含有するシリカ粒子分散液としてMEK-ST-L、表面修飾剤としてKBM-13を用いて、重合禁止剤であるMOPは用いずに、メチルシリル基を含む表面修飾基を有するシリカ粒子を合成して使用した。
Figure 2024004473000018
<各実施例、参考例、及び比較例における評価方法>
各実施例、参考例、及び比較例における評価方法を以下に示す。
(1)樹脂の重量平均分子量
GPC分析装置(HLC-8220;東ソー社製)を用い、流動層としてテトラヒドロフラン又はN-メチル-2-ピロリドンを用いて、「JIS K7252-3(2008)」に基づき、常温付近での方法によりポリスチレン換算の重量平均分子量を測定して求めた。
(2)酸当量
電位差自動滴定装置(AT-510;京都電子工業社製)を用い、滴定試薬として0.1mol/Lの水酸化ナトリウム/エタノール溶液、滴定溶剤としてキシレン/N,N-ジメチルホルムアミド=1/1(質量比)を用いて、「JIS K2501(2003)」に基づき、電位差滴定法により、フェノール性水酸基及びカルボキシ基の酸価(単位はmgKOH/g)を測定して求めた。測定したフェノール性水酸基及びカルボキシ基の酸価の値から、フェノール性水酸基及びカルボキシ基の酸当量(単位はg/mol)を算出した。
なおシラノール基の酸当量は、以下の方法により算出した。シラノール基をアセチル化する反応において、アセチル化試薬として無水酢酸、触媒としてイミダゾール及びN,N’-ジメチルアミノピリジン、溶剤としてN,N-ジメチルホルムアミドを用いて、同様に電位差滴定法により、シラノール価(単位はmgKOH/g)を測定して求めた。測定したシラノール価の値から、シラノール基の酸当量(単位はg/mol)を算出した。
(3)二重結合当量
電位差自動滴定装置(AT-510;京都電子工業社製)を用い、ヨウ素供給源として一塩化ヨウ素溶液(三塩化ヨウ素=7.9g、ヨウ素=8.9g、酢酸=1,000mLの混合溶液)、未反応ヨウ素の捕捉水溶液として100g/Lのヨウ化カリウム水溶液、滴定試薬として0.1mol/Lのチオ硫酸ナトリウム水溶液を用いて、JIS K0070:1992「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価、及び不けん化物の試験方法」の「第6項よう素価」に記載の方法に基づき、ウィイス法により、樹脂のヨウ素価を測定した。測定したヨウ素価(単位はgI/100g)の値から、二重結合当量(単位はg/mol)を算出した。
(4)顔料分散液中の顔料の平均一次粒子径
動的光散乱法粒度分布測定装置(SZ-100;堀場製作所社製)を用い、レーザー波長を532nm、希釈溶媒としてPGMEA、希釈倍率を250倍(質量比)、溶媒粘度を1.25、溶媒屈折率を1.40、測定温度を25℃、測定モードを散乱光、演算条件を多分散・ブロードとして、D50(メジアン径)を測定した。なお測定回数を2回として、平均値を顔料分散液中の顔料の平均一次粒子径とした。
(5)基板の前処理
ガラス上に、APC(銀/パラジウム/銅=98.07/0.87/1.06(質量比))をスパッタにより100nm成膜し、さらに、APC層の上層に、ITOをスパッタにより10nm成膜したガラス基板(ジオマテック社製;以下、「ITO/Ag基板」)は、卓上型光表面処理装置(PL16-110;セン特殊光源社製)を用いて、100秒間UV-O洗浄処理をして使用した。テンパックスガラス基板(AGCテクノグラス社製)は、前処理をせずに使用した。
(6)膜厚測定
表面粗さ・輪郭形状測定機(SURFCOM1400D;東京精密社製)を用いて、測定倍率を10,000倍、測定長さを1.0mm、測定速度を0.30mm/sとして、膜厚を測定した。
(7)遮光性(光学濃度値(以下、「OD値」))
下記、実施例1記載の方法で、テンパックスガラス基板上に組成物の硬化膜を作製した。透過濃度計(X-Rite 361T(V);X-Rite社製)を用いて、作製した硬化膜の面内3箇所における入射光強度(I)及び透過光強度(I)をそれぞれ測定した。遮光性の指標として、膜厚1μm当たりのOD値を下記式により算出し、面内3箇所におけるOD値の平均値を算出した。
OD値=log10(I/I)。
(8)発光素子の外光反射特性(反射率及び輝度コントラスト)
<反射率評価>
下記、実施例1記載の方法で作製した有機ELディスプレイを、分光測色計(CM-2600d;コニカミノルタジャパン社製)を用いて、外光反射特性の指標として、有機ELディスプレイ表面の反射率を測定した。なお反射率は、正反射光を含むSCI方式での波長550nmにおける反射率(正反射)を測定した。反射率(正反射)は、値が小さいほど外光反射抑制の効果が高いことを示す。下記のように判定し、反射率が30.0%以下となる、A+、A、B+、B、C+及びCを合格とし、反射率が20.0%以下となる、A+、A、B+及びBを良好とし、反射率が10.0%以下となる、A+及びAを優秀とした。
A+:反射率が5.0%以下
A:反射率が5.0%を超え、かつ10.0%以下
B+:反射率が10.0%を超え、かつ15.0%以下
B:反射率が15.0%を超え、かつ20.0%以下
C+:反射率が20.0%を超え、かつ25.0%以下
C:反射率が25.0%を超え、かつ30.0%以下
D:反射率が30.0%を超え、かつ40.0%以下
E:反射率が40.0%を超過。
<輝度コントラスト評価>
下記、実施例1記載の方法で作製した有機ELディスプレイを、蛍光灯の直下2.4m、照度500lxの環境下、水平に対して45°傾けて配置した。次に、有機ELディスプレイを反射面として、蛍光灯と分光放射輝度計(CS-1000;コニカミノルタ社製)が正対するように配置した。このように配置した状態で、分光放射輝度計(CS-1000;コニカミノルタ社製)を用いて有機ELディスプレイ表面の輝度(暗輝度)を測定した。上記の環境下、有機ELディスプレイを、0.625mAで直流駆動にて発行させ、分光放射輝度計(CS-1000;コニカミノルタ社製)を用いて有機ELディスプレイ表面の輝度(明輝度)を測定した。測定した暗輝度と明輝度から、外光反射特性の指標として、暗輝度に対する明輝度の比(明輝度/暗輝度)である輝度コントラストを算出した。輝度コントラストは、値が大きいほど外光反射抑制の効果が高いことを示す。下記のように判定し、輝度コントラストが2.0以上となる、A+、A、B+、B、C+及びCを合格とし、輝度コントラストが2.5以上となる、A+、A、B+及びBを良好とし、輝度コントラストが3.0以上となる、A+及びAを優秀とした。
A+:輝度コントラストが3.3以上
A:輝度コントラストが3.0以上、かつ3.3未満
B+:輝度コントラストが2.8以上、かつ3.0未満
B:輝度コントラストが2.5以上、かつ2.8未満
C+:輝度コントラストが2.3以上、かつ2.5未満
C:輝度コントラストが2.0以上、かつ2.3未満
D:輝度コントラストが1.5以上、かつ2.0未満
E:輝度コントラストが1.5未満。
(9)発光素子の発光特性(低電圧駆動特性・発光輝度及び発光素子の信頼性)
<低電圧駆動特性・発光輝度評価(電流密度-電圧特性評価)>
下記、実施例1記載の方法で作製した有機ELディスプレイを、低電圧側から順次電圧値を変え、電流密度が30mA/cmとなるまで直流駆動にて発光させた。低電圧側から順次電圧値を変えた場合における電圧値及び電流密度をプロットし、低電圧駆動特性・発光輝度の指標として、電流密度が10mA/cmとなる駆動電圧を求めた。下記のように判定し、駆動電圧が4.5V以下となる、A+、A、B+、B、C+及びCを合格とし、駆動電圧が4.0V以下となる、A+、A、B+及びBを良好とし、駆動電圧が3.5V以下となる、A+及びAを優秀とした。
A+:駆動電圧が3.2V以下
A:駆動電圧が3.2Vを超え、かつ3.5V以下
B+:駆動電圧が3.5Vを超え、かつ3.7V以下
B:駆動電圧が3.7Vを超え、かつ4.0V以下
C+:駆動電圧が4.0Vを超え、かつ4.2V以下
C:駆動電圧が4.2Vを超え、かつ4.5V以下
D:駆動電圧が4.5Vを超え、かつ5.5V以下
E:駆動電圧が5.5Vを超過、又は測定不能。
<発光素子の信頼性評価>
下記、実施例1記載の方法で作製した有機ELディスプレイを、10mA/cmで直流駆動にて発光させ、非発光領域や輝度ムラなどの発光不良がないかを観察した。また耐久性試験として、発光素子の光取り出し側を上にして80℃に加熱し、波長365nm、照度0.6mW/cmの光を照射して500時間保持した。500時間後、有機ELディスプレイを10mA/cmで直流駆動にて発光させて発光特性に変化がないかを観察した。発光素子の信頼性の指標として、耐久性試験前の発光領域面積を100%とした場合における、耐久性試験後の発光領域面積を測定した。下記のように判定し、発光領域面積が80%以上となる、A+、A、B+、B、C+及びCを合格とし、発光領域面積が90%以上となる、A+、A、B+及びBを良好とし、発光領域面積が97%以上となる、A+及びAを優秀とした。
A+:発光領域面積が100%
A:発光領域面積が97%以上、かつ100%未満
B+:発光領域面積が94%以上、かつ97%未満
B:発光領域面積が90%以上、かつ94%未満
C+:発光領域面積が85%以上、かつ90%未満
C:発光領域面積が80%以上、かつ85%未満
D:発光領域面積が60%以上、かつ80%未満
E:発光領域面積が60%未満。
<各実施例、参考例、及び比較例で使用した化合物>
各実施例、参考例、及び比較例で使用した(F1)化合物の一覧と物性値を、まとめて表2-4に示す。
Figure 2024004473000019
各実施例、参考例、及び比較例における略語に対応する名称を、まとめて表2-5に示す。また、各実施例、参考例、及び比較例で使用した化合物として、(b-1)~(b-2)、(c-1)、(f-1)~(f-2)、(g-1)~(g-5)、(v-1)、及び(NQD-1)の構造を以下に示す。
なお(v-1)は、ポリオキシアルキレンエーテル化合物であり、疎水性構造(炭素数6のフェニル基を有する炭素数2のエチレン基が2つ結合した、炭素数6のフェニル基)、親水性構造(12個の炭素数2のオキシエチレン基)、及び親水性基(オキシエチレン基に結合するヒドロキシ基)を有する。また(d-8)は、A.R.52/B.B.7=1/1(mol比)で混合して攪拌し、析出した塩をろ過して水で3回洗浄した後、乾燥させて得た染料である。
Figure 2024004473000020
Figure 2024004473000021
Figure 2024004473000022
Figure 2024004473000023
Figure 2024004473000024
<実施例1>
表3-1に記載の組成にて、組成物1を調製した。まず、(D)着色剤を含まない調合液を調製した後、顔料分散液と調合液とを混合して組成物を調製した。溶剤として、PGMEA/EDM/MBA=70/20/10(質量比)を用いて、組成物の固形分濃度が15質量%となるように調製した。得られた組成物の溶液は、0.45μmφのフィルターで濾過して使用した。
また調製例1と同様の方法により、顔料分散液(BM-1)及び顔料分散液(CF-1)を表2-6に記載の組成にて調製した。上記と同様の方法により、組成物X1、組成物BM、組成物CF、及び組成物OCを表2-6に記載の組成にて調製した。
Figure 2024004473000025
<組成物の硬化膜の作製>
まず、組成物の硬化膜の作製方法について記載する。調製した組成物1を、ITO/Ag基板上にスピンコーター(MS-A100;ミカサ社製)を用いて任意の回転数でスピンコーティングにより塗布した後、ブザーホットプレート(HPD-3000BZN;アズワン社製)を用いて120℃で120秒間プリベークし、膜厚約1.8μmのプリベーク膜を作製した。作製したプリベーク膜を、フォトリソ用小型現像装置(AD-1200;滝沢産業社製)を用いて、2.38質量%TMAH水溶液でスプレー現像し、プリベーク膜(未露光部)が完全に溶解する時間(Breaking Point;以下、「BP」)を測定した。
上述の方法と同様にプリベーク膜を作製し、作製したプリベーク膜を、両面アライメント片面露光装置(マスクアライナー PEM-6M;ユニオン光学社製)を用いて、感度測定用のグレースケールマスク(MDRM MODEL 4000-5-FS;Opto-Line International社製)を介して、超高圧水銀灯のi線(波長365nm)、h線(波長405nm)、及びg線(波長436nm)でパターニング露光した。露光後、フォトリソ用小型現像装置(AD-1200;滝沢産業社製)を用いて、2.38質量%TMAH水溶液で現像し、水で30秒間リンスして組成物1の現像後膜を作製した。現像時間は、測定したBPの1.3倍とした。現像後のパターンを観察し、20μmのライン・アンド・スペースパターンにおいて、開口部に相当するスペースパターンを18μmの寸法幅にて形成できる最適露光量(i線照度計の値)を求めた。最適露光量で露光後、現像した後のパターンを、高温イナートガスオーブン(INH-9CD-S;光洋サーモシステム社製)を用いて250℃で熱硬化させ、膜厚約1.2μmの組成物1の硬化膜を作製した。熱硬化条件は、酸素濃度20質量ppm以下の窒素雰囲気下、昇温速度3.5℃/minで250℃まで昇温し、250℃で60分間加熱処理を行った後、50℃まで冷却した。
核磁気共鳴分光分析、赤外分光分析、及び飛行時間型二次イオン質量分析などの方法で硬化膜を分析し、硬化膜中に含まれる樹脂の構造単位及び化合物の構造を分析した。上述の方法で組成物1を硬化した硬化膜は、以下の樹脂及び化合物を含有することを確認した。すなわち、組成物1を硬化した硬化膜は、組成物1が含有する各構成成分に由来する構造を有する化合物を含有する。なお組成物1を硬化した硬化膜は、ネガ型感光性組成物を硬化した硬化膜である。
(A1-DL)樹脂:ポリイミド
(A2-DL)樹脂:一般式(34)で表される構造単位及びビフェニル構造を有する酸変性エポキシ樹脂
(A3-DL)樹脂:フェノール樹脂
(C1x-DL)化合物:ベンゾカルバゾール構造を有し、ベンゾカルバゾール構造にイミノ基が結合した構造を有する化合物
(D-DL)着色剤:ベンゾフラノン系黒色顔料
リン酸系構造を有する化合物:ホスホン酸エステル構造を有する化合物
ビフェニル構造を有する化合物:一般式(34)で表される構造単位及びビフェニル構造を有する酸変性エポキシ樹脂
フルオレン構造を有する化合物:ラジカル重合性化合物(b-1)に由来する構造を有する化合物。
<有機ELディスプレイの作製(画素分割層部及びスペーサ層部を具備する)>
次に、有機ELディスプレイの作製方法について記載する。図12に、使用した基板の概略図を示す。まず、38×46mmの無アルカリガラス基板47に、非透明導電性金属層としてAPC(銀/パラジウム/銅=98.07/0.87/1.06(質量比))をスパッタにより100nm成膜し、エッチングによりパターン加工してAPC層を形成した。さらに、APC層の上層に透明導電性酸化膜層としてアモルファス性のITOをスパッタにより10nm成膜し、エッチングにより、第1電極部48として反射電極を形成した。また、第2電極を取り出すため補助電極部49も同時に形成した(図12(工程1))。得られた基板を“セミコクリーン”(登録商標)56(フルウチ化学社製)で10分間超音波洗浄し、超純水で洗浄した。次に、この基板上に、組成物1を上記の方法で塗布及びプリベークし、所定のパターンを有するフォトマスクを介してパターニング露光、現像及びリンスした後、加熱し熱硬化させた。なお露光量は最適露光量とし、現像時間はBPの1.3倍とした。熱硬化条件は、酸素濃度20質量ppm以下の窒素雰囲気下、昇温速度3.5℃/minで250℃まで昇温し、250℃で60分間加熱処理を行った後、50℃まで冷却した。以上の方法で、長軸方向15μm及び短軸方向13μmの六角形の開口部が、長軸方向にピッチ30μm及び短軸方向にピッチ26μmで配置され、それぞれの開口部が第1電極を露出せしめる形状の画素分割層部50を、基板有効エリアに限定して形成した(図12(工程2))。開口部の六角形の一辺は、7.5μmである。なお、この開口部が、最終的に有機ELディスプレイの発光画素となる。また、基板有効エリアは、16mm四方であり、画素分割層部50の厚さは、約1.5μmで形成した。画素分割層部の開口部の長軸方向のパターン寸法の最大値は16.0μm、最小値は14.0μmであった。
さらに、画素分割層部50を形成した基板上に、表2-6に記載の組成物X1を上記の方法で塗布及びプリベークし、所定のパターンを有するフォトマスクを介してパターニング露光、現像及びリンスした後、加熱し熱硬化させた。なお現像時間は60秒とし、露光量は事前に測定しておいた最適露光量とした。また熱硬化条件は、酸素濃度20質量ppm以下の窒素雰囲気下、昇温速度3.5℃/minで200℃まで昇温し、200℃で60分間加熱処理を行った後、50℃まで冷却した。このような方法で、画素分割層部50上の開口部に隣接しない複数の箇所に、長軸方向7.5μm及び短軸方向6.5μmの六角形のスペーサ層部を形成した。スペーサ層部の厚さは、約1.5μmで形成した。スペーサ層部の六角形の一辺は、3.75μmである。
次に、第1電極部48、補助電極部49、画素分割層部50、及びスペーサ層部を形成した基板を用いて、有機ELディスプレイの作製を行った。前処理として、窒素プラズマ処理を行った後、真空蒸着法により、発光層を含む有機EL層部51を形成した(図12(工程3))。なお、蒸着時の真空度は、1×10-3Pa以下であり、蒸着中は蒸着源に対して基板を回転させた。まず、正孔注入層として、化合物(HT-1)を10nm、正孔輸送層として、化合物(HT-2)を50nm蒸着した。次に、発光層に、ホスト材料として、化合物(GH-1)とドーパント材料として、化合物(GD-1)を、ドープ濃度が10体積%になるように40nmの厚さに蒸着した。その後、電子輸送材料として、化合物(ET-1)と化合物(LiQ)を、体積比1:1で40nmの厚さに積層した。なお、有機EL層で用いた化合物(化合物(HT-1)、化合物(HT-2)、化合物(GH-1)、化合物(GD-1)、化合物(ET-1)、及び化合物(LiQ))は、国際公開第2017/057281号の段落[0599]~段落[0600]に記載のものと同一化合物を用いた。
次に、化合物(LiQ)を2nm蒸着した後、MgAg(マグネシウム/銀=10/1(体積比))を10nm蒸着して第2電極部52とし、透明電極を形成した(図12(工程4))。その後、低湿窒素雰囲気下、エポキシ樹脂系接着剤を用いて、キャップ状ガラス板を接着することで封止をし、1枚の基板上に5mm四方のトップエミッション型有機ELディスプレイを4つ作製した。なお、ここでいう膜厚は、水晶発振式膜厚モニター表示値である。画素部の長軸方向のパターン寸法の最大値は16.0μm、最小値は14.0μmであった。また画素部の開口率は55.6%であった。
次いで、作製した有機ELディスプレイ上に、表2-6に記載の組成物BMを上記の方法で塗布及びプリベークし、所定のパターンを有するフォトマスクを介してパターニング露光、現像及びリンスした後、加熱し熱硬化させた。なおプリベーク条件は、80℃で120秒間加熱した。また熱硬化条件は、窒素雰囲気下、95℃で60分間熱硬化させた。このような方法で、画素部と重畳する長軸方向13μm及び短軸方向11.3μmの六角形の開口部を有するブラックマトリックス層部を形成した。ブラックマトリックス層部の厚さは、約3.0μmで形成した。画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターン寸法は13.0μmであった。また組成物BMを用いて形成したブラックマトリックス層部は、(D-DL)着色剤を含み、かつ、膜厚1μm当たりの可視光線の波長における光学濃度が1.1であった。ブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターンにおけるブラックマトリックス層部の傾斜辺のテーパー角は60°であった。またブラックマトリックス層部の開口率は41.9%であった。
さらに、表2-6に記載の組成物CFを上記の方法で塗布及びプリベークし、所定のパターンを有するフォトマスクを介してパターニング露光、現像及びリンスした後、加熱し熱硬化させた。なおプリベーク条件は、80℃で120秒間加熱した。また熱硬化条件は、窒素雰囲気下、95℃で60分間熱硬化させた。このような方法で、画素部及びブラックマトリックス層部の開口部と重畳する長軸方向11μm及び短軸方向9.5μmの六角形のカラーフィルタ層部を形成した。カラーフィルタ層部の厚さは、約3.0μmで形成した。画素部及びブラックマトリックス層部の開口部と重畳するカラーフィルタ層部の長軸方向のパターン寸法は11.0μmであった。カラーフィルタ層部の長軸方向のパターンの傾斜辺のテーパー角は60°であった。またカラーフィルタ層部の面積率は29.8%であった。
さらに、表2-6に記載の組成物OCを上記の方法で塗布及びプリベークし、所定のパターンを有するフォトマスクを介してパターニング露光、現像及びリンスした後、加熱し熱硬化させた。なおプリベーク条件は、80℃で120秒間加熱した。また熱硬化条件は、窒素雰囲気下、95℃で60分間熱硬化させた。このような方法で、画素部、カラーフィルタ層部、ブラックマトリックス層部の開口部、及びブラックマトリックス層部と重畳するオーバーコート層部を形成した。カラーフィルタ層部及びブラックマトリックス層部と重畳しない箇所におけるオーバーコート層部の厚さは、約5.0μmで形成した。オーバーコート層部の25℃でのD線における屈折率は1.66であった。以上の方法で、ブラックマトリックス層部、カラーフィルタ層部、及びオーバーコート層部を有する有機ELディスプレイを作製した。なおブラックマトリックス層部はカラーフィルタ層部と重畳しない。オーバーコート層部は、ブラックマトリックス層部及びカラーフィルタ層部を覆うように形成されている。また発光層を含む有機層の光取り出し側に、直線偏光板、1/4波長板、及び円偏光板を有しない有機ELディスプレイである。
核磁気共鳴分光分析、赤外分光分析、及び飛行時間型二次イオン質量分析などの方法でスペーサ層部を分析し、スペーサ層部中に含まれる樹脂の構造単位及び化合物の構造を分析した。上述の方法で組成物X1を硬化したスペーサ層部は、以下の樹脂及び化合物を含有することを確認した。すなわち、組成物X1を硬化したスペーサ層部は、組成物X1が含有する各構成成分に由来する構造を有する化合物を含有する。また組成物X1を硬化したスペーサ層部は、(D-DL)着色剤を含有しない。なお組成物X1を硬化したスペーサ層部は、ポジ型感光性組成物を硬化したスペーサ層部である。
(A1-DL)樹脂:ポリイミド
(A2-DL)樹脂:一般式(34)で表される構造単位及びビフェニル構造を有する酸変性エポキシ樹脂
(A3-DL)樹脂:フェノール樹脂
(C2x-DL)化合物:1H-インデン-3-カルボン酸エステル-7-スルホン酸アリールエステル構造を有する化合物。
<実施例2~71及び比較例1~2>
実施例1と同様に、組成物2~69を表3-1~表8に記載の組成にて調製した。表3-1~表8において括弧内の数値は各成分の固形分の質量部を示す。得られた各組成物を用いて、実施例1と同様に、基板上に組成物を成膜して感光特性、硬化膜特性、及び発光特性の評価を行った。これらの評価結果を、まとめて表3-1~表8に示す。
表3-1~表3-2において、カラーフィルタ層部のパターン寸法及びブラックマトリックス層部の開口部のパターン寸法を変えた表示装置にて、それぞれの寸法差、開口率差、及び面積率差を変化させて各種特性の評価をした。
また表3-2の実施例25は、長軸方向15μm及び短軸方向15μmの直角五角形の開口部が、長軸方向にピッチ30μm及び短軸方向にピッチ30μmで配置された画素分割層部を有する表示装置にて、各種特性の評価をした。なお直角五角形は、2つの角が直角かつ連続しており、2つの直角を構成する3つの辺の長さが、7.5μm、15μm、及び7.5μmである。また画素部と重畳する長軸方向13μm及び短軸方向13μmの直角五角形の開口部を有するブラックマトリックス層部と、画素部及びブラックマトリックス層部の開口部と重畳する長軸方向11μm及び短軸方向11μmの直角五角形のカラーフィルタ層部を形成した。画素部の開口率は41.7%、ブラックマトリックス層部の開口率は31.3%、及びカラーフィルタ層部の面積率は22.4%であった。
一方、表3-2の実施例26は、直径15μmの円形の開口部が、長軸方向にピッチ30μm及び短軸方向にピッチ30μmで配置された画素分割層部を有する表示装置にて、各種特性の評価をした。また画素部と重畳する直径13μmの円形の開口部を有するブラックマトリックス層部と、画素部及びブラックマトリックス層部の開口部と重畳する直径11μmの円形のカラーフィルタ層部を形成した。画素部の開口率は43.6%、ブラックマトリックス層部の開口率は32.8%、及びカラーフィルタ層部の面積率は23.5%であった。
また表3-2の実施例27は、長軸方向15μm及び短軸方向13μmの六角形の開口部が、長軸方向にピッチ30μm及び短軸方向にピッチ26μmで配置された画素分割層部を有する表示装置にて、各種特性の評価をした。また画素部と重畳する直径13μmの円形の開口部を有するブラックマトリックス層部と、画素部及びブラックマトリックス層部の開口部と重畳する直径11μmの円形のカラーフィルタ層部を形成した。画素部の開口率は55.6%、ブラックマトリックス層部の開口率は37.8%、及びカラーフィルタ層部の面積率は27.1%であった。
表7-2には、実施例1における表面粗さの最大値、及び、画素分割層とスペーサ層の表面粗さの最大値の差を記載した。
表8において、幅10μm及び長さ10μmの四角形の開口部が、幅方向にピッチ20μm及び長さ方向にピッチ20μmで配置された画素分割層部を有する表示装置にて、各種特性の評価をした。また画素部と重畳する幅8.6μm及び長さ8.6μmの四角形の開口部を有するブラックマトリックス層部と、画素部及びブラックマトリックス層部の開口部と重畳する幅7.1μm及び長さ7.1μmの四角形のカラーフィルタ層部を形成した。画素部の開口率は27.8%、ブラックマトリックス層部の開口率は20.5%、及びカラーフィルタ層部の面積率は14.0%であった。
表6-2には、ポジ型感光性組成物を用いて感光特性、硬化膜特性、及び発光特性の評価を行った結果を示す。核磁気共鳴分光分析、赤外分光分析、及び飛行時間型二次イオン質量分析などの方法で硬化膜を分析し、硬化膜中に含まれる樹脂の構造単位及び化合物の構造を分析した。上述の方法で組成物63を硬化した硬化膜は、以下の樹脂及び化合物を含有することを確認した。すなわち、組成物63を硬化した硬化膜は、組成物63が含有する各構成成分に由来する構造を有する化合物を含有する。なお組成物63を硬化した硬化膜は、ポジ型感光性組成物を硬化した硬化膜である。
(A1-DL)樹脂:ポリイミド
(A2-DL)樹脂:一般式(34)で表される構造単位及びビフェニル構造を有する酸変性エポキシ樹脂
(A3-DL)樹脂:フェノール樹脂
(C2x-DL)化合物:1H-インデン-3-カルボン酸エステル-7-スルホン酸アリールエステル構造を有する化合物。
(D-DL)着色剤:キサンテン系赤色染料、トリアリールメタン系青色染料、アゾ系赤色染料、及びメチン系黄色染料
<実施例72;組成物の硬化膜の作製(厚膜部及び薄膜部を有する硬化膜)>
まず、組成物の硬化膜の作製方法について記載する。上記、実施例1記載の方法で、ITO/Ag基板上に組成物1のプリベーク膜を約5.0μmの膜厚で成膜した。作製したプリベーク膜を、フォトリソ用小型現像装置(AD-1200;滝沢産業社製)を用いて、2.38質量%TMAH水溶液でスプレー現像し、プリベーク膜(未露光部)が完全に溶解する時間(Breaking Point;以下、「BP」)を測定した。
上述の方法と同様にプリベーク膜を作製し、作製したプリベーク膜を、両面アライメント片面露光装置(マスクアライナー PEM-6M;ユニオン光学社製)を用いて、ハーフトーン特性評価用のハーフトーンフォトマスクを介して、透光部の露光量を変えて超高圧水銀灯のi線(波長365nm)、h線(波長405nm)、及びg線(波長436nm)でパターニング露光した。ハーフトーンフォトマスクは、透光部、遮光部、及び透光部と遮光部の間に半透光部を有するフォトマスクを用いた。半透光部の透過率(%THT)がそれぞれ、透光部の透過率(%TFT)の20%、25%、又は30%である箇所を有する。透光部と半透光部は隣接しており、半透光部と遮光部は隣接している。ハーフトーンフォトマスクの一例として、透光部、遮光部、及び半透光部の配置、並びに、寸法の一例を図13に示す。露光後、フォトリソ用小型現像装置(AD-1200;滝沢産業社製)を用いて、2.38質量%TMAH水溶液で現像し、水で30秒間リンスして段差形状を有する組成物1の現像後膜を作製した。現像時間は、測定したBPの1.3倍とした。現像後のパターンを観察し、半透光部から形成される薄膜部で区画され、遮光部から形成される開口部を有する20μmのスペースパターンにおいて、開口部に相当するスペースパターンを22μmの寸法幅にて形成できる透光部及び半透光部の最適露光量(i線照度計の値)を求めた。最適露光量で露光後、現像した後のパターンを、高温イナートガスオーブン(INH-9CD-S;光洋サーモシステム社製)を用いて250℃で熱硬化させ、膜厚約3.0μmの厚膜部及び膜厚約1.5μmの薄膜部の段差形状を有する組成物1の硬化膜を作製した。熱硬化条件は、酸素濃度20質量ppm以下の窒素雰囲気下、昇温速度3.5℃/minで250℃まで昇温し、250℃で60分間加熱処理を行った後、50℃まで冷却した。
核磁気共鳴分光分析、赤外分光分析、及び飛行時間型二次イオン質量分析などの方法で硬化膜を分析し、硬化膜中に含まれる樹脂の構造単位及び化合物の構造を分析した。上述の方法で組成物1を硬化した硬化膜の段差形状における厚膜部及び薄膜部は、上記の実施例1における、組成物1を硬化した硬化膜と同構造の樹脂及び化合物を含有することを確認した。すなわち、組成物1を硬化した硬化膜の段差形状における厚膜部及び薄膜部は、組成物1が含有する各構成成分に由来する構造を有する同一の化合物を含有する。また組成物1を硬化した硬化膜の段差形状における厚膜部及び薄膜部は、遮光性の指標である膜厚1μm当たりのOD値が1.1であった。
<実施例72;有機ELディスプレイの作製(厚膜部及び薄膜部を有する画素分割層部を具備する)>
次に、有機ELディスプレイの作製方法について記載する。上記、実施例1記載の方法で、有機ELディスプレイを作製した。なお所定のパターンを有し、かつ、透光部、遮光部、及び透光部と遮光部の間に半透光部を有するハーフトーンフォトマスクを用いて、組成物1の段差形状を有するパターンを含む硬化膜を、画素分割層部50として形成し、有機ELディスプレイを作製した。組成物1の段差形状を有するパターンを有する画素分割層部50は、膜厚約3.0μmの厚膜部及び膜厚約1.5μmの薄膜部を有するように形成した。段差形状を有するパターンは厚膜部、開口部、及び薄膜部を有し、長軸方向15μm及び短軸方向13μmの六角形の開口部が、長軸方向にピッチ30μm及び短軸方向にピッチ26μmで配置されている。開口部の六角形の一辺は、7.5μmである。また薄膜部上の開口部に隣接しない複数の箇所に、長軸方向7.5μm及び短軸方向6.5μmの六角形の厚膜部が配置されている。厚膜部の六角形の一辺は、3.75μmである。画素分割層部の開口部の長軸方向のパターン寸法の最大値は16.0μm、最小値は14.0μmであった。作製した有機ELディスプレイの厚膜部、開口部、及び薄膜部の配置、並びに、寸法の概略図を図14に示す。画素部の長軸方向のパターン寸法の最大値は16.0μm、最小値は14.0μmであった。また画素部の開口率は55.6%であった。
次いで、作製した有機ELディスプレイ上に、上記、実施例1記載の方法で、表2-6に記載の組成物BMを用いて、画素部と重畳する長軸方向13μm及び短軸方向11.3μmの六角形の開口部を有するブラックマトリックス層部を形成した。ブラックマトリックス層部の厚さは、約3.0μmで形成した。画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターン寸法は13.0μmであった。また組成物BMを用いて形成したブラックマトリックス層部は、(D-DL)着色剤を含み、かつ、膜厚1μm当たりの可視光線の波長における光学濃度が1.1であった。ブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターンにおけるブラックマトリックス層部の傾斜辺のテーパー角は60°であった。またブラックマトリックス層部の開口率は41.9%であった。
さらに、上記、実施例1記載の方法で、表2-6に記載の組成物CFを用いて、画素部及びブラックマトリックス層部の開口部と重畳する長軸方向11μm及び短軸方向9.5μmの六角形のカラーフィルタ層部を形成した。カラーフィルタ層部の厚さは、約3.0μmで形成した。画素部及びブラックマトリックス層部の開口部と重畳するカラーフィルタ層部の長軸方向のパターン寸法は11.0μmであった。カラーフィルタ層部の長軸方向のパターンの傾斜辺のテーパー角は60°であった。またカラーフィルタ層部の面積率は29.8%であった。
さらに、上記、実施例1記載の方法で、表2-6に記載の組成物OCを用いて、画素部、カラーフィルタ層部、ブラックマトリックス層部の開口部、及びブラックマトリックス層部と重畳するオーバーコート層部を形成した。カラーフィルタ層部及びブラックマトリックス層部と重畳しない箇所におけるオーバーコート層部の厚さは、約5.0μmで形成した。オーバーコート層部の25℃でのD線における屈折率は1.66であった。以上の方法で、ブラックマトリックス層部、カラーフィルタ層部、及びオーバーコート層部を有する有機ELディスプレイを作製した。なおブラックマトリックス層部はカラーフィルタ層部と重畳しない。オーバーコート層部は、ブラックマトリックス層部及びカラーフィルタ層部を覆うように形成されている。また発光層を含む有機層の光取り出し側に、直線偏光板、1/4波長板、及び円偏光板を有しない有機ELディスプレイである。実施例1と同様に各種特性の評価をした。これらの評価結果を、まとめて表7-3に示す。
上述した各実施例において、ポジ型の感光性を有する組成物を用いた場合の現像時間は60秒、90秒、又は120秒とし、感度測定用のグレースケールマスク(MDRM MODEL 4000-5-FS;Opto-Line International社製)を用いて、20μmのライン・アンド・スペースパターンにおいて、開口部に相当するスペースパターンを20μmの寸法幅にて形成できる最適露光量(i線照度計の値)を求めた。またポジ型の感光性を有する組成物を用いた場合、熱硬化条件は、酸素濃度20質量ppm以下の窒素雰囲気下、昇温速度3.5℃/minで200℃まで昇温し、200℃で60分間加熱処理を行った後、50℃まで冷却した。
Figure 2024004473000026
Figure 2024004473000027
Figure 2024004473000028
Figure 2024004473000029
Figure 2024004473000030
Figure 2024004473000031
Figure 2024004473000032
Figure 2024004473000033
Figure 2024004473000034
Figure 2024004473000035
Figure 2024004473000036
34 厚膜部
35a,35b,35c 薄膜部
36a,36b,36c,36d,36e 硬化パターンの断面における傾斜辺
37 下地の基板の水平辺
41 透光部
42 遮光部
43 半透光部
44 厚膜部
45 開口部
46 薄膜部
47 無アルカリガラス基板
48 第1電極部
49 補助電極部
50 画素分割層部
51 発光層を含む有機EL層部
52 第2電極部
100A 段差形状を有する画素分割層を含む表示装置
100B 画素分割層及びスペーサ層を有する表示装置
100C 段差形状を有する画素分割層及びスペーサ層を含む表示装置
100E 段差形状を有する画素分割層及び偏光フィルムを含む表示装置
101 基板
102 導電層/金属配線
103 TFT素子層
104 層間絶縁層
105 TFT平坦化層/TFT保護層
106A 段差形状を有する画素分割層
106B 画素分割層
107 第1電極
108 発光層を含む有機層
109 第2電極
110 封止層
111 タッチパネル配線/タッチパネル電極
112 カラーフィルタ層
113 ブラックマトリックス層
114 オーバーコート層
115 基板
116 画素分割層における厚膜部
117A スペーサ層
123 偏光フィルム
100x 平面視における断面軸
106Aa 段差形状を有する画素分割層部の開口部
106Ba 画素分割層部の開口部
112a カラーフィルタ層部
113a ブラックマトリックス層部の開口部
116a 画素分割層部における厚膜部
117Aa スペーサ層部
124a 画素部
124a1 第1色の画素部
124a2 第2色の画素部
124a3 第3色の画素部
125a 隣接する5画素部を全て包含する仮想の正方形又は仮想の四角形
126a 副画素部

Claims (20)

  1. 同一の基板上に、第1電極、第2電極、画素分割層、発光層を含む有機層、封止層、カラーフィルタ層、及びブラックマトリックス層を有する表示装置であって、
    該画素分割層が(D-DL)着色剤を含み、該画素分割層の膜厚1μm当たりの可視光線の波長における光学濃度が0.5~3.0であって、
    平面視において、複数の画素部を有し、
    該画素部の形状が、下記(1a)、(2a)、及び(3)の条件のうち1つを満たす、表示装置。
    (1a)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形である
    (2a)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である
    (3)円弧で形成された閉じた形状である
  2. 前記画素部の形状が、前記(1a)又は(2a)の条件を満たし、
    前記少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形が、五角形、六角形、七角形、又は八角形であって、
    前記少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状が、五角形、六角形、七角形、又は八角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である、請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記画素部の開口率が、該画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口率よりも大きい、請求項2に記載の表示装置。
  4. 前記画素部の開口率を(RCD)%とし、該画素部と重畳する前記ブラックマトリックス層部の開口率を(RBM)%とし、
    該(RBM)%と該(RCD)%との差をΔ(RBM-RCD)%とするとき、
    一般式(ΔRαBM/CD)で表される関係を満たす、請求項3に記載の表示装置。
    -40.0≦Δ(RBM-RCD)<-1.0 (ΔRαBM/CD
  5. 前記画素部の開口率を(RCD)%とし、該画素部と重畳する該ブラックマトリックス層部の開口率を(RBM)%とし、
    該(RBM)%と該(RCD)%との差をΔ(RBM-RCD)%とするとき、
    一般式(ΔRaBM/CD)で表される関係を満たす、請求項2に記載の表示装置。
    -40.0≦Δ(RBM-RCD)<45.0 (ΔRaBM/CD
  6. 前記画素部と重畳するカラーフィルタ層部の面積率を(RCF)%とし、
    該(RCF)%と前記(RCD)%との差をΔ(RCF-RCD)%とし、かつ、
    前記(RBM)%と該(RCF)%との差をΔ(RBM-RCF)%とするとき、
    さらに、一般式(ΔRaCF/CD)及び一般式(ΔRBM/CF)で表される関係を満たす、請求項5に記載の表示装置。
    -50.0≦Δ(RCF-RCD)≦35.0 (ΔRaCF/CD
    0≦Δ(RBM-RCF)≦25.0 (ΔRBM/CF
  7. 前記画素分割層が、以下の(C1x-DL)化合物及び/又は(C2x-DL)化合物を含む、請求項1~6のいずれかに記載の表示装置。
    (C1x-DL)化合物:フルオレン構造、ベンゾフルオレン構造、ジベンゾフルオレン構造、カルバゾール構造、ベンゾカルバゾール構造、インドール構造、ベンゾインドール構造、又はジフェニルスルフィド構造を有し、これらの構造にイミノ基が結合した構造及び/又はこれらの構造にカルボニル基が結合した構造、を有する化合物
    (C2x-DL)化合物:インデン構造を含むカルボン酸エステル構造及び/又はインデン構造を含むスルホン酸アリールエステル構造を有する化合物
  8. 前記画素分割層が前記(C1x-DL)化合物を含み、かつ、該画素分割層がネガ型感光性組成物を硬化した硬化物であって、該画素分割層が、ビフェニル構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、ピレン構造、インダン構造、インデン構造、テトラヒドロナフタレン構造、フルオレン構造、キサンテン構造、イソインドリノン構造、ビシクロ[4.3.0]ノナン構造、ビシクロ[5.4.0]ウンデカン構造、ビシクロ[2.2.2]オクタン構造、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン構造、ぺンタシクロペンタデカン構造、アダマンタン構造、又はノルボルネン構造を有する化合物を含有する、
    又は
    前記画素分割層が前記(C2x-DL)化合物を含み、かつ、該画素分割層がポジ型感光性組成物を硬化した硬化物である、請求項7に記載の表示装置。
  9. 平面視において、前記画素部が、第1色の画素部、第2色の画素部、及び第3色の画素部を有し、
    該第1色、該第2色、及び該第3色が互いに異なる色であって、
    該第1色の画素部の形状、該第2色の画素部の形状、及び該第3色の画素部の形状からなる群より選ばれる二種類の形状が、前記(1a)又は(2a)の条件を満たす場合、下記(4)の条件を満たす、
    又は、
    該第1色の画素部の形状、該第2色の画素部の形状、及び該第3色の画素部の形状が、前記(1a)又は(2a)の条件を満たす場合、下記(5)の条件を満たす、請求項1~6のいずれかに記載の表示装置。
    (4)前記(1a)又は(2a)の条件を満たす該二種類の形状が互いに異なる形状である
    (5)該第1色の画素部の形状、該第2色の画素部の形状、及び該第3色の画素部の形状が互いに異なる形状である
  10. 平面視において、前記画素部が、複数の第1色の画素部、複数の第2色の画素部、及び複数の第3色の画素部を有し、
    該第1色、該第2色、及び該第3色が互いに異なる色であって、
    該第1色の画素部の形状、該第2色の画素部の形状、及び該第3色の画素部の形状からなる群より選ばれる二種類以上の形状が、前記(1a)又は(2a)の条件を満たし、
    前記(1a)又は(2a)の条件を満たす二種類以上の画素部のうち、一種類以上の画素部が、画素部よりも長軸方向のパターン寸法が小さい2つ以上の副画素部で構成されており、
    該第1色の画素部が副画素部で構成されている場合、一部又は全部の第1色の画素部が、2つ以上の第1色の副画素部で構成されており、
    該第2色の画素部が副画素部で構成されている場合、一部又は全部の第2色の画素部が、2つ以上の第2色の副画素部で構成されており、
    該第3色の画素部が副画素部で構成されている場合、一部又は全部の第3色の画素部が、2つ以上の第3色の副画素部で構成されており、
    該2つ以上の第1色の副画素部の形状、該2つ以上の第2色の副画素部の形状、及び該2つ以上の第3色の副画素部の形状が、それぞれ独立して、下記(6)又は(7)の条件を満たす、請求項1~6のいずれかに記載の表示装置。
    (6)少なくとも3つの辺を含む閉じた多角形である
    (7)少なくとも3つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である
  11. 前記少なくとも3つの辺を含む閉じた多角形が、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、又は八角形であって、
    前記少なくとも3つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状が、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、又は八角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である、請求項10に記載の表示装置。
  12. 前記画素部の長軸方向のパターン寸法の最大値を(CDL/max)μmとするとき、
    該(CDL/max)μmが下記(8)の条件を満たす、請求項1~4のいずれかに記載の表示装置。
    (8)(CDL/max)μmが、画素部と重畳するカラーフィルタ層部の長軸方向のパターン寸法よりも大きく、かつ、画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターン寸法よりも大きい
  13. 前記画素部の長軸方向のパターン寸法の最小値を(CDL/min)μmとし、該画素部と重畳する前記カラーフィルタ層部の長軸方向のパターン寸法を(CF)μmとし、該画素部と重畳する前記ブラックマトリックス層部の開口部の長軸方向のパターン寸法を(BM)μmとし、
    前記(CDL/max)μmと該(CDL/min)μmとの寸法差をΔ(CDL/max-CDL/min)μmとし、かつ、
    該(BM)μmと該(CDL/max)μmとの寸法差をΔ(BM-CDL/max)μmとし、該(BM)μmと該(CDL/min)μmとの寸法差をΔ(BM-CDL/min)μmとするとき、
    一般式(ΔCD)で表される関係を満たし、かつ、
    一般式(ΔBM/CDαmax)及び一般式(ΔBM/CDαmin)で表される関係を満たす、請求項12に記載の表示装置。
    0≦Δ(CDL/max-CDL/min)≦4.0 (ΔCD)
    -6.0≦Δ(BM-CDL/max)≦-1.0 (ΔBM/CDαmax
    -6.0≦Δ(BM-CDL/min)≦-1.0 (ΔBM/CDαmin
  14. 前記(CF)μmと前記(CDL/max)μmとの寸法差をΔ(CF-CDL/max)μmとし、該(CF)μmと前記(CDL/min)μmとの寸法差をΔ(CF-CDL/min)μmとするとき、
    さらに、一般式(ΔCF/CDαmax)及び一般式(ΔCF/CDαmin)で表される関係を満たす、請求項13に記載の表示装置。
    -9.0≦Δ(CF-CDL/max)≦-1.0 (ΔCF/CDαmax
    -9.0≦Δ(CF-CDL/min)≦-1.0 (ΔCF/CDαmin
  15. 前記画素部の形状が、前記(1a)又は(2a)の条件を満たし、該画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の形状が、下記(1a’)又は(2a’)の条件を満たす、請求項1~6のいずれかに記載の表示装置。
    (1a’)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形である
    (2a’)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である
  16. 前記画素部の形状が、前記(1a)又は(2a)の条件を満たし、該画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の形状が、下記(3’)の条件を満たす、
    又は、
    前記画素部の形状が、前記(3)の条件を満たし、該画素部と重畳するブラックマトリックス層部の開口部の形状が、下記(1a’)又は(2a’)の条件を満たす、請求項1~6のいずれかに記載の表示装置。
    (1a’)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形である
    (2a’)少なくとも5つの辺を含む閉じた多角形から少なくとも一部の辺及び/又は頂点が円弧に置き換えられた形状である
    (3’)円弧で形成された閉じた形状である
  17. 前記画素分割層が段差形状を有する硬化パターンを含み、
    該画素分割層の硬化パターンの段差形状における、厚膜部の膜厚を(TFT)μmとし、かつ、薄膜部の膜厚を(THT)μmとするとき、
    該(TFT)μmと該(THT)μmとの膜厚差(ΔTFT-HT)μmが0.5~10.0μmであって、
    該画素分割層の硬化パターンの段差形状における厚膜部及び薄膜部が、同一の(D-DL)着色剤を含み、
    該厚膜部及び該薄膜部の膜厚1μm当たりの可視光線の波長における光学濃度が0.5~3.0である、請求項1~6のいずれかに記載の表示装置。
  18. 前記画素分割層の薄膜部の表面における表面粗さの最大値を(RaHT/max)とし、かつ、該画素分割層の厚膜部の表面における表面粗さの最大値を(RaFT/max)とするとき、
    該(RaHT/max)と該(RaFT/max)との差|Δ(RaHT/max-RaFT/max)|が1.0~50.0nmである、請求項17に記載の表示装置。
  19. 前記画素分割層が、有機黒色顔料及び/又は二色以上の着色顔料混合物を含有し、
    該有機黒色顔料が、ベンゾフラノン系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料、及びアゾ系黒色顔料からなる群より選ばれる一種類以上を含み、
    該二色以上の着色顔料混合物が、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、及び紫色からなる群より選ばれる二色以上の顔料を含む、請求項1~6のいずれかに記載の表示装置。
  20. 前記画素分割層が、以下の(A1-DL)樹脂及び/又は(A3-DL)樹脂を含有する、請求項1~6のいずれかに記載の表示装置。
    (A1-DL)樹脂:イミド構造、アミド構造、オキサゾール構造、及びシロキサン構造からなる群より選ばれる一種類以上を含む構造単位を有する樹脂
    (A3-DL)樹脂:フェノール性水酸基を含む構造単位を有する樹脂
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