景品交換所においては、景品の管理が重要となる。具体的には、景品が本物か偽物かの真贋判定をすることが必要とともに、各種の景品が一個一個どのように流通しているかをきちんと管理することが求められている。今日においては、複数の景品が景品交換所に持ち込まれた時、その複数の景品を合算した形で金銭が交換される構成の現金払出機が用いられている。このような構成の現金払出機では、一個一個の景品がどのように流通しているかの記録を行うことができない。そして、そのような状態では、景品の信頼性に疑問が生じる余地が生まれるため好ましくない。
また、景品交換所(特に小規模な景品交換所)においては、1日の景品をまとめて集計することがある。この場合、その都度の景品を電子認識して登録するときと比較して、1日の景品をまとめて集計するときは、仮に合計額の計算間違いがないとしても、あとからその集計処理(景品の種類、個数)を確認することが難しい。また、小規模な景品交換所に、あとから集計処理を確認できるようにするためだけに、高価な機械を導入するのは現実的ではない。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、遊技場で使用される景品の管理を行うことができる電卓装置(景品用電卓)、景品管理方法および換金管理プログラムを提供することにある。
本発明に係る電卓装置は、遊技場で使用される景品の計算のための電卓装置であり、前記電卓装置は、数字及び四則演算を入力する入力部と、中央演算処理装置を含む筐体と、前記中央演算処理装置に接続される記憶装置とを備えている。前記中央演算処理装置は、入力された入力データを足し合わせる機能と、前記足し合わされた入力データを予め定められた規則に基づいて分割したデータにする機能と、前記分割したデータを前記記憶装置に送信して記録する機能とを備えている。前記予め定められた規則は、景品の種類と個数に応じたデータに分割する仕様である。前記中央演算処理装置は、前記分割されたデータを、時刻データに紐付ける処理を行う機能を有している。前記時刻データに紐付ける処理を行う機能は、前記分割されたデータのそれぞれを、ランダム配列の時刻データにリンクさせる処理を行うものである。
ある好適な実施形態において、前記中央演算処理装置は、さらに、追加の予め定められた規則に基づいて前記景品の種類と個数に応じたデータに分割する機能を備えている。前記追加の予め定められた規則は、前記景品の種類と個数に応じた金銭データが所定金額以上のときに、前記所定金額未満になるように更に分割する仕様である。
ある好適な実施形態において、前記入力部は、前記景品の種類に対応した景品選択ボタンを含んでいる。前記筐体には、現金払出機に接続する現金払出端子が設けられている。前記筐体には、ディスプレイ部が設けられている。
ある好適な実施形態において、前記景品選択ボタンは、5000円景品選択ボタン、2000円景品選択ボタン、500円景品選択ボタン、100円景品選択ボタンである。前記景品選択ボタンは、横幅ボタンの形状を有している。
ある好適な実施形態において、前記電卓装置は、プリンタに接続可能であって、集計印字機能を有している。
ある好適な実施形態において、前記記憶装置は、フラッシュメモリカードである。前記筐体には、前記フラッシュメモリカードの挿入口が設けられている。さらに、前記筐体には、LAN端子が設けられている。前記電卓装置は、前記中央演算処理装置で処理された処理データを、前記LAN端子を通じて外部の通信ネットワーク回線に出力可能な機能を有している。
本発明に係る景品管理方法は、遊技場で使用される景品を管理するための景品管理方法であり、景品の集計をする工程と、集計したデータを電卓装置に入力する工程と、前記景品の種類と個数に応じたデータに分割する工程と、前記分割されたデータを、時刻データに紐付ける工程とを含んでいる。前記時刻データに紐付ける工程において、前記分割されたデータのそれぞれを、ランダム配列の時刻データにリンクさせる処理を行うものである。
ある好適な実施形態において、さらに、前記時刻データに紐付けたデータを出力する工程を実行する。
本発明に係る換金管理プログラムは、遊技場で使用される景品の換金管理プログラムであり、前記換金管理プログラムは、中央演算処理装置を備えたコンピュータに対して、景品の種類と個数に応じたデータを、時刻データに紐付ける処理を実行する機能を有している。前記時刻データに紐付ける処理を行う機能は、前記景品の種類と個数に応じたデータを、ランダム配列の時刻データにリンクさせる処理を実行するものである。
ある好適な実施形態において、前記換金管理プログラムは、前記時刻データに紐付けたデータを出力する処理を実行する機能を有している。
本発明の実施形態に係る電卓装置は、遊技場で使用される景品の計算のための電卓装置であり、前記電卓装置は、数字及び四則演算を入力する入力部と、中央演算処理装置を含む筐体と、前記中央演算処理装置に接続される記憶装置とを備えている。前記中央演算処理装置は、入力された入力データを足し合わせる機能と、前記足し合わせられた入力データを予め定められた規則に基づいて分割したデータにする機能と、前記分割したデータを前記記憶装置に送信して記録する機能とを備えている。前記予め定められた規則は、景品の種類と個数に応じたデータに分割する仕様である。前記中央演算処理装置は、前記分割されたデータを、時刻データに紐付ける処理を行う機能を有している。
ある実施形態において、前記時刻データに紐付ける処理を行う機能は、前記分割されたデータのそれぞれを、連続した時刻データにリンクさせる処理を行うものである。
ある実施形態において、前記時刻データに紐付ける処理を行う機能は、前記景品が交換された時刻に対応した時刻データにリンクさせる処理を行うものである。
ある実施形態において、前記中央演算処理装置は、さらに、追加の予め定められた規則に基づいて前記景品の種類と個数に応じたデータに分割する機能を備えている。前記追加の予め定められた規則は、前記景品の種類と個数に応じた金銭データが所定金額以上のときに、前記所定金額未満になるように更に分割する仕様である。
ある実施形態において、前記入力部は、前記景品の種類に対応した景品選択ボタンを含んでいる。前記筐体には、現金払出機に接続する現金払出端子が設けられている。前記筐体には、ディスプレイ部が設けられている。
ある実施形態において、前記景品選択ボタンは、5000円景品選択ボタン、2000円景品選択ボタン、500円景品選択ボタン、100円景品選択ボタンである。前記景品選択ボタンは、横幅ボタンの形状を有している。
ある実施形態において、前記電卓装置は、プリンタに接続可能であって、集計印字機能を有している。
ある実施形態において、前記記憶装置は、フラッシュメモリカードである。前記筐体には、前記フラッシュメモリカードの挿入口が設けられている。さらに、前記筐体には、LAN端子が設けられている。前記電卓装置は、前記中央演算処理装置で処理された処理データを、前記LAN端子を通じて外部の通信ネットワーク回線に出力可能な機能を有している。
本発明の実施形態に係る景品管理方法は、遊技場で使用される景品を管理するための景品管理方法であり、景品の集計する工程と、集計したデータを電卓装置に入力する工程と、前記景品の種類と個数に応じたデータに分割する工程と、前記分割されたデータを、時刻データに紐付ける工程とを含んでいる。
ある実施形態では、前記時刻データに紐付ける工程において、前記分割されたデータのそれぞれを、連続した時刻データにリンクさせる処理を実行する。
ある実施形態では、前記時刻データに紐付ける工程において、前記景品が交換された時刻に対応した時刻データにリンクさせる処理を実行する。
ある実施形態では、さらに、前記時刻データに紐付けたデータを出力する工程を実行する。
本発明の実施形態に係る電卓装置は、遊技場で使用される景品の計算のための電卓装置であり、前記電卓装置は、数字及び四則演算を入力する入力部と、中央演算処理装置を含む筐体と、前記中央演算処理装置に接続される記憶装置とを備えている。前記中央演算処理装置は、入力された入力データを足し合わせる機能と、前記足し合わせられた入力データを予め定められた規則に基づいて分割したデータにする機能と、前記分割したデータを前記記憶装置に送信して記録する機能とを備えている。前記予め定められた規則は、景品の種類と個数に応じたデータに分割する仕様であり、前記中央演算処理装置は、さらに、追加の予め定められた規則に基づいて前記景品の種類と個数に応じたデータに分割する機能を備えている。前記追加の予め定められた規則は、前記景品の種類と個数に応じた金銭データが所定金額以上のときに、前記所定金額未満になるように更に分割する仕様である。
ある好適な実施形態において、前記中央演算処理装置は、前記所定金額未満になるように更に分割されたデータを、時刻データに紐付ける処理を行う機能を有している。
ある好適な実施形態において、前記入力部は、前記景品の種類に対応した景品選択ボタンを含んでいる。前記筐体には、現金払出機に接続する現金払出端子が設けられている。前記筐体には、ディスプレイ部が設けられている。
ある好適な実施形態において、前記景品選択ボタンは、5000円景品選択ボタン、2000円景品選択ボタン、500円景品選択ボタン、100円景品選択ボタンである。前記景品選択ボタンは、横幅ボタンの形状を有している。
ある好適な実施形態において、前記電卓装置は、プリンタに接続可能であって、集計印字機能を有している。
ある好適な実施形態において、前記記憶装置は、フラッシュメモリカードである。前記筐体には、前記フラッシュメモリカードの挿入口が設けられている。さらに、前記筐体には、LAN端子が設けられている。前記電卓装置は、前記中央演算処理装置で処理された処理データを、前記LAN端子を通じて外部の通信ネットワーク回線に出力可能な機能を有している。
本発明の実施形態に係る電卓装置は、遊技場で使用される景品の計算のための電卓装置であり、前記電卓装置は、中央演算処理装置を有している。前記中央演算処理装置は、景品に対応するデータ(分割されたデータなど)を、時刻データに紐付ける処理を行う機能を有している。
本発明の実施形態に係る換金管理装置は、遊技場における換金管理装置であり、前記換金管理装置は、景品読取計算機と現金払出システムとの間に配置される。前記換金管理装置は、中央演算処理装置を含む筐体と、前記中央演算処理装置に接続される記憶装置と、前記筐体に設けられ、前記景品読取計算機に接続するための読取端末と、前記筐体に設けられ、前記現金払出システムに接続するための払出端末とを備えている。前記中央演算処理装置は、前記景品読取計算機からの受信データを予め定められた規則に基づいて分割したデータにする機能と、前記分割したデータを前記記憶装置に送信して記録する機能とを備えており、前記予め定められた規則は、前記景品読取計算機で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する仕様である。
ある好適な実施形態において、前記記憶装置は、フラッシュメモリカードである。前記筐体には、前記フラッシュメモリカードの挿入口が設けられている。さらに、前記筐体には、電源端子、LAN端子およびUSB端子が設けられている。
ある好適な実施形態において、前記中央演算処理装置は、さらに、追加の予め定められた規則に基づいて前記景品読取計算機で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する機能を備えている。前記追加の予め定められた規則は、前記景品読取計算機で読み取った景品ごとに応じた金銭データが所定金額以上のときに、前記所定金額未満になるように更に分割する仕様である。
ある好適な実施形態において、前記換金管理装置は、前記中央演算処理装置で処理された処理データを、前記LAN端子を通じて外部の通信ネットワーク回線に出力可能な機能を有している。
本発明の実施形態に係る電卓装置は、遊技場における換金管理および計算する電卓装置であり、前記電卓装置は、数字及び四則演算を入力する入力部と、中央演算処理装置を含む筐体と、前記中央演算処理装置に接続される記憶装置とを備えている。前記中央演算処理装置は、入力された入力データを予め定められた規則に基づいて分割したデータにする機能と、前記分割したデータを前記記憶装置に送信して記録する機能とを備えている。前記予め定められた規則は、景品読取計算機で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する仕様である。
ある好適な実施形態において、前記記憶装置は、フラッシュメモリカードであり、前記筐体には、前記フラッシュメモリカードの挿入口が設けられている。さらに、前記筐体には、LAN端子が設けられている。前記電卓装置は、前記中央演算処理装置で処理された処理データを、前記LAN端子を通じて外部の通信ネットワーク回線に出力可能な機能を有している。
本発明の実施形態に係る景品読取計算機は、遊技場における景品を読み取る景品読取計算機であり、前記景品読取計算機は、景品を読み取る景品読取判定部と、中央演算処理装置を含む筐体と、前記中央演算処理装置に接続される記憶装置とを備えている。前記中央演算処理装置は、前記景品読取判定部で読み取った景品データを予め定められた規則に基づいて分割したデータにする機能と、前記分割したデータを前記記憶装置に送信して記録する機能とを備えている。前記予め定められた規則は、前記景品読取判定部で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する仕様である。
ある好適な実施形態において、前記記憶装置は、フラッシュメモリカードであり、前記筐体には、前記フラッシュメモリカードの挿入口が設けられている。さらに、前記筐体には、LAN端子が設けられている。前記景品読取計算機は、前記中央演算処理装置で処理された処理データを、前記LAN端子を通じて外部の通信ネットワーク回線に出力可能な機能を有している。
本発明によれば、景品の計算のための電卓装置の中央演算処理装置が、入力された入力データを足し合わせる機能と、予め定められた規則(景品の種類と個数に応じたデータに分割する仕様の規則)に基づいて分割したデータにする機能と、分割したデータを記憶装置に送信して記録する機能とを備え、中央演算処理装置は、分割されたデータを時刻データに紐付ける処理を行う機能を有しているので、遊技場で使用される景品の管理を行うことができる電卓装置を提供することができる。また、時刻データに紐付ける処理を行う機能が、分割されたデータのそれぞれを、ランダム配列の時刻データにリンクさせる処理を行うものであることにより、景品の内容(景品の種類と個数に応じたデータ)を変更して景品を抜き取って(または、金庫またはレジの現金を抜き取って)1日の合計・集計データの帳尻をあわせることが困難となり、その結果、不正防止の抑止効果を得ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のために、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法関係を正確に反映していない場合がある。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。加えて、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る換金管理装置100を含む景品換金システムを説明するブロック図である。図1に示した景品換金システムは、遊技場で使用される景品を現金に換金する換金システムであり、遊技場近くの景品交換所に設けられている。
本実施形態の景品換金システムは、景品読取計算機(または、景品判定機、景品読取機)50と、現金払出システム90とから構成されており、本実施形態の換金管理装置100は、景品読取計算機50と現金払出システム90との間に配置される。現金払出システム90は、端末操作装置(データ入力装置、または、景品電卓)60と、紙幣払出装置70と、硬貨払出装置80とから構成されている。景品読取計算機50は、端末操作装置60に接続されるが、本実施形態の構成では、景品読取計算機50と換金管理装置100とが接続され、そして、換金管理装置100と現金払出システム90とが接続される。本実施形態の構成では、それぞれは配線によって電気的に接続されるものである、光ケーブルによって接続されてよく、あるいは、無線や赤外線などの電磁波によって接続されてもよい。
景品読取計算機50は、遊技場で使用される景品(具体的には、特殊景品。例えば、カード(ICカードが搭載されているカードを含む)、金地金をプラスチックパッケージに収めた景品、ライターの火打石、ボールペン、ゴルフのマーカ、ペンダントトップなど)を読み取って識別して、景品(特殊景品)に対応(相当)するデータ(景品単価×個数)を計算する装置である。景品読取計算機50で識別された景品(特殊景品)に対応する読取データは、現金払出システム90(60)に向けて送信されるが、本実施形態の構成では、その送信データは換金管理装置100に送信される。
図2は、本実施形態の換金管理装置100の構成を示している。本実施形態の換金管理装置100は、筐体(ボックス)10の中に中央演算処理装置(CPU)15が配置されている。中央演算処理装置(CPU)15は、半導体集積回路装置(IC)から構成されたものであり、本実施形態では、半導体チップ(ICチップ)および回路基板を含むものである。また、本実施形態の換金管理装置100は、中央演算処理装置15に接続される記憶装置31を備えている。本実施形態の記憶装置31は、不揮発性の記憶素子であり、好適な一例では、フラッシュメモリカード(SDカード、または、SDメモリカード)である。そして、本実施形態の筐体10には、記憶装置31(フラッシュメモリカード(SDカード))の挿入口25が設けられている。また、本実施形態の他の構成では、不揮発性の記憶装置31(フラッシュメモリカード)は、USBメモリスティックであり、記憶装置31(USBメモリスティック)の挿入口25(USBポート)が設けられている。記憶装置31として、複数(または2つ)の不揮発性の記憶装置31(例えば、USBメモリスティック(メイン記憶装置)およびSDカード(サブ記憶装置)の両方)を用いた構成にしてもよい。
また、本実施形態の筐体10には、景品読取計算機50に接続するための読取端末21と、現金払出システム90に接続するための払出端末22とが設けられている。具体的には、景品読取計算機50から延びた配線のコネクタが挿入される読取端末21、および、現金払出システム90へと延びる配線のコネクタが挿入される払出端末22が筐体10に取り付けられている。本実施形態の構成では、景品読取計算機50と現金払出システム90とは、互いに配線で(例えば、RS-232Cケーブル・アダプタ)で接続可能であることから、読取端末21および払出端末22も、それに対応したもの(例えば、RS-232Cケーブル・アダプタ)を用いている。読取端末21および払出端末22は、筐体10の内部で内部配線によって接続されている。そして、その内部配線を通る電気信号(データ)が中央演算処理装置(CPU)15に送信できるように、当該内部配線は、中央演算処理装置(CPU)15に接続されている。なお、本実施形態の構成では、RS-232Cケーブル・アダプタを例示したが、他の方式のもの(例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブル/USB端子)を使用しても構わない。
さらに、換金管理装置100を駆動させるための電源30を接続する電源端子23が筐体10に設けられている。本実施形態の構成では、外部電力が供給されるものであり、交流100Vの電力を電源30で直流に変換して、電源端子23を通じて換金管理装置100に駆動電力を供給している。本実施形態の構成では、外部電力が供給されるものにしているが、電池式駆動(例えば、リチウムイオン電池、または、乾電池)の構成にしてもよいし、電源と電池の兼用の構成にしてもよい。
さらに、本実施形態の筐体10には、LANケーブルが接続されるLAN端子(Local Area Network端子)26、および、USB素子32(例えば、USBメモリ、USBケーブルなど)が接続されるUSB端子27が設けられている。LAN端子26にLANケーブルを接続することにより、換金管理装置100を外部の通信ネットワーク回線(例えば、社内LAN網、インターネット網など)、または、情報処理端末(例えば、パーソナルコンピュータ(PC)など)に接続することができる。また、USB端子27に、USB素子32としてUSBメモリを挿入することで、USBメモリにデータを記録することが(または、データ・プログラムをアップロードすること)ができる。加えて、USB端子27に、USB素子32としてUSBケーブルを挿入することで、換金管理装置100を情報処理端末(例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、スマートフォンなど)に接続できる構成にすることができる。
本実施形態の換金管理装置100は、中央演算処理装置(CPU)15と、筐体10内に設けられている記憶素子(半導体メモリ、ハードディスク(HDD、光記憶媒体(CD、DVD))など(不図示))と協働して、換金管理システムとして機能させることができる。具体的には、記憶素子(または、記憶装置31、USBメモリ32)に格納されている換金管理プログラムを動作させて、中央演算処理装置(CPU)15で演算した結果(データ)を記憶素子に格納させることができる。
そして、本実施形態の換金管理装置100において、中央演算処理装置15は、景品読取計算機50からの受信データを予め定められた規則に基づいて分割したデータにする機能と、分割したデータを記憶装置31(SDカード(またはUSBメモリスティックなど))に送信して記録する機能とを備えている。ここで、予め定められた規則は、景品読取計算機50で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する仕様である。さらに説明すると、中央演算処理装置15は、換金管理プログラムが動作した状態において、次のような処理を行うことができる。まず前提として、景品読取計算機50から送られてくるデータ(受信データ)が、n×3のとき(例えば、5000円景品データ×3個)、現金払出システム90においては、3n(例えば、15000円)のデータだけが必要である。ここで、本実施形態の換金管理装置100においては、景品読取計算機50から送られてくるデータ(受信データ)がn×3のとき(例えば、5000円景品データ×3個)、n×1、n×1、n×1(例えば、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個)のデータ(分割データ)にする。続いて、その分割データ(5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個)は、記憶装置31(SDカード)に送信されて記録される。
そして、本実施形態の換金管理プログラムは、中央演算処理装置15(そして記憶素子)と協働して、景品読取計算機50からの受信データを予め定められた規則(景品読取計算機50で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する仕様による規則)に基づいて動作するプログラムである。本実施形態の構成では、換金管理プログラムは、記憶素子(不図示)(または、記憶装置31(SDカード))に格納されており、プログラム実行に伴って読み取られて、中央演算処理装置15(そして記憶素子)と協働して動作する。本実施形態の換金管理プログラムは、上述した例において、景品読取計算機50から送られてくるデータ(受信データ)がn×3のとき(例えば、5000円景品データ×3個)、n×1、n×1、n×1(例えば、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個)のデータ(分割データ)に加工し、続いて、その分割データ(5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個)は、CSVファイル形式((Comma Separated Valueファイル形式)に変換されて、記憶装置31(SDカード)に記録するように機能を有する。なお、CSVファイル形式に変換して記録するのは、汎用性が高く、データ容量が軽く、そして、後で加工処理がしやすいことを考慮したものである。ただし、CSVファイル形式以外の形式(例えば、エクセルファイル)などであってよい。
また、本実施形態の換金管理装置100は、中央演算処理装置15で処理された処理データを、LAN端子26を通じて外部の通信ネットワーク回線(例えば、社内(屋内)LAN網,インターネット回線網)に出力可能な機能を有している。本実施形態のLAN端子26は、有線のものであるが、無線LANのものを使用してもよい。また、換金管理装置100は、他の無線(例えば、携帯電話回線(3G、4G、5Gなど)のものを用いて、外部の通信ネットワーク回線に出力可能な機能を有している。そして、本実施形態の換金管理プログラムは、中央演算処理装置15(そして記憶素子)と協働して演算したデータを、CSVファイル形式に変換し、それを外部の通信ネットワーク回線(例えば、社内(屋内)LAN網,インターネット回線網)に出力する機能を有している。なお、外部の通信ネットワーク回線(ここでは、インターネット回線)に送信されたデータ(ここでは、CSVファイルデータ)は、通信ネットワーク回線に接続されているサーバにアップロードされる。サーバにアップロードされたデータは、通信ネットワーク回線(ここでは、インターネット回線)に接続されている情報端末(例えば、パーソナルコンピュータ(デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末)にダウンロードしてユーザが確認することができる。
なお、通信ネットワーク回線(インターネット)に接続されるサーバ内で動作するデータ格納プログラム、データ編集プログラム、データ送受信プログラム、入出力装置とのインターフェイスプログラム、バックアッププログラム、エラーメッセージプログラムなどについては、本発明の実施形態の主要項目ではないので、技術内容の理解を簡明する目的で省略する。それらの技術については、情報通信技術分野の技術常識に基づいて実装/運用(実施)することができる。また、情報通信端末(例えば、スマートフォン)におけるデータ処理プログラム、データ送受信プログラム、通話・通信技術、インターネット関連技術(ホームページ表示)、アプリケーション動作技術も同様に、技術内容の理解を簡明する目的で省略する。それらの技術については、情報通信端末(スマートフォン)の技術分野の技術常識に基づいて実装/運用(実施)することができる。また、各種プログラムの具体的なプログラミン言語/コード、プログラム機能/構造などは、情報通信技術分野の技術常識に基づいて実行することができ、本発明の実施形態の主要項目ではないので、技術内容の理解を簡明する目的で省略する。
また、USB端子27に、USB素子32としてUSBメモリを挿入することで、外部の通信ネットワーク回線を経由しなくても、中央演算処理装置15で処理された処理データ(CSVファイルデータ)を使用することができる。加えて、中央演算処理装置15で処理された処理データ(CSVファイルデータ)をフラッシュメモリカード(SDカード)31に保存して、そのフラッシュメモリカード31のデータを用いることで、外部の通信ネットワーク回線を経由しなくても、処理データ(CSVファイルデータ)を使用することも可能である。
本実施形態の換金管理装置100(または、換金管理プログラム)によれば、遊技場における換金管理装置100の中央演算処理装置(CPU)15が、景品読取計算機50からの受信データを、予め定められた規則(景品読取計算機で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する仕様の規則)に基づいて分割したデータにする機能と、分割したデータを記憶装置に送信して記録する機能とを備えているので、遊技場で使用される景品一個一個の管理を行うことができる。言い換えると、景品読取計算機50からの受信データは現金払出システム90に送られて現金払出のための金額データとして使用されるところ、本実施形態の構成では、景品読取計算機50と現金払出システム90との間に換金管理装置100を介在されることにより、現金払出のための金額データ(合計金額データ)ではなく、景品ごとに応じたデータに分割して加工・保存することができる。具体的には、例えば、5000円景品データ×3個、1000円景品データ×3個、500円景品データ×1個であれば、18500円の景品金額データとして処理するのではなく、5000円景品データ×3個、1000円景品データ×3個、500円景品データ×1個に対応したCSVファイルデータで保存するため、(現金払い出し金額データではなく)遊技場で使用される景品一個一個の管理を確実に行うことができる。その結果、計算間違い・会計ミス、不正処理、偽物・盗難などの予期せぬ事態(管理不行き届き)を防ぐことができるとともに、そのような予期せぬ事態が生じてもすぐに原因を見つけることができる。さらに説明すると、遊技場と景品交換所を合わせた景品の種類・個数は一定であるので(ユーザが保持しているものを除く)、CSVファイルデータを利用することで、特殊景品の金額合計額だけでなく、各種の特定景品の個数を常時把握することができる。営業時間終了後は、遊技場と交換所を合わせた景品の種類・個数は基本的に一定の数字となるので、何個、景品の種類・個数が回収されていないかすぐ理解することができる。
加えて、本実施形態の換金管理装置100は、中央演算処理装置15で処理された処理データを外部の通信ネットワーク回線に出力可能な機能を有しているので、そのデータ(CSVファイルデータ)を外部から確認することができる。これにより、管理者が景品交換所を訪問しなくても、遊技場で使用される景品一個一個の管理を確実に行うことができ便利であるとともに、常時、遠方からでも確認できることにより不正の防止に役立つ。
さらに、本実施形態の換金管理装置100は、景品読取計算機50からの受信データのうち、景品の種類・個数についてのデータを抽出して保存する。そのため、本実施形態の換金管理装置100の構造は簡単なものにすることができ、コストを抑えることができる。加えて、既存の景品読取計算機50および現金払出システム90をそのまま流用しながら、景品読取計算機50と現金払出システム90との間に換金管理装置100を繋ぐだけで、遊技場で使用される景品一個一個の管理を確実に行うことができるため、設備コストも抑えることができる。
また、本実施形態の換金管理装置100は、次のように改変することもできる。例えば、本実施形態の中央演算処理装置15は、さらに、追加の予め定められた規則に基づいて、景品読取計算機50で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する機能を備えてもよく、その追加の予め定められた規則は、景品読取計算機50で読み取った景品ごとに応じた金銭データが所定金額以上のときに、所定金額未満になるように更に分割する仕様である。これは、例えば、ある景品交換所が、1万円以上の特殊景品(例えば、1万円、3万円の特殊景品)の処理は高額な景品であるためエラーがでるような運用がされているとき(逆に言うと、9999円以下であるとエラーがでないとき)、その景品交換所の運用通りでは、本実施形態の換金管理装置100を介在させるとそのエラーでユーザに迷惑がかかるときには、エラーがでない範囲の特殊景品(ここでは、例えば5000円の特殊景品)の処理となるように更に分割する処理を実行できるような機能を持たせてもよい。なお、このような更に分割処理をしたときは、景品読取計算機50からの受信データのうち景品の種類・個数についてのデータを抽出して保存するものの、当該更なる分割処理によって、景品の種類・個数が現実に流通したいるものと異なるものとなるため、それがわかるような目印・処理を行っておくことが好ましい。
次に、図3から図5および図6を参照しながら、本実施形態の換金管理装置100の構造、および、換金管理装置100の使用方法について説明する。図3および図4は、本実施形態の換金管理装置100の構造を模式的に示す斜視図である。図5は、換金管理装置100に使用する電源30を示す図である。
図3および図4は、それぞれ、前方および後方側からみた換金管理装置100の構造を示しているが、前方および後方は逆であってもよい。換金管理装置100の筐体10は、実質的に直方体の形状(略直方体形状)を有しており、この例では、幅Wが190mm(±20mm)、長さLが200mm(±20mm)、高さが54mm(±10mm)の寸法を有しているが、この寸法は例示であり、他の寸法でもよい。また、筐体10の形状は、略直方体形状に限らず他の形状(例えば、略円盤状のもの、略立方体のもの、略球体のもの、略円錐のもの等)であってもよい。
この例では、図3に示すように、筐体10の一部(外側または外表面)に、電源スイッチ20が配置されている。また、筐体10の一部に、USBコネクタ27が設けられている。そして、図4に示すように、筐体10の一部(外側または外表面)に、電源端子23(DCジャック)が設けられている。電源端子23には、図5に示した電源30(ACアダプタ)の端子31が挿入される。
また、図4に示すように、筐体10の一部に、景品読取計算機50に接続するための読取端末21と、現金払出システム90に接続するための払出端末22が設けられている。この例における読取端末21および払出端末22は、D-SUBの9ピン(電気通信に用いるケーブルのコネクタ形状の規格の一種)である。さらに、筐体10の一部に、LAN端子26(LANコネクタ(RJ-45))が設けられている。図示していないが、筐体10の一部には、記憶装置31(フラッシュメモリカード(SDカード)または、USBメモリスティック)の挿入口25が設けられている。
図6は、本実施形態の換金管理装置100を、景品読取計算機(景品判定機、景品読取機)50と、現金払出システム90との間に接続した例を示している。この例で、現金払出システム90は、端末操作装置(データ入力装置、または、景品電卓)60と、ディスプレイ(表示装置)65と、紙幣払出装置70と、硬貨払出装置80とから構成されている。この例では換金管理装置100は、景品読取計算機50と現金払出システム90を互いに接続する規格に合った有線ケーブルで接続されている。
図6に示した例では、景品読取計算機50は、筐体51に入力部52と表示部53とが設けられており、景品読取判定部55が備え付けられている。景品読取計算機50と端末操作装置(景品電卓)60の間に換金管理装置100が接続されている。また、端末操作装置(景品電卓)60では、数字及び四則演算を入力する入力部62が筐体61に設けられている。端末操作装置(景品電卓)60は、ディスプレイ65に接続されており、ディスプレイ65には端末操作装置60の操作・結果が表示される。さらに、端末操作装置(景品電卓)60には、紙幣払出装置70および硬貨払出装置80がそれぞれ接続されている。紙幣払出装置70の筐体71には、紙幣が出される紙幣払い出し口72が設けられており、そして、硬貨払出装置80の筐体81には、硬貨が出される硬貨払い出し口82が設けられている。
ここで、特殊景品(例えば、5000円景品×3)のときは、景品読取計算機50の景品読取判定部55でその特殊景品が読み取られて、景品読取データ(例えば、n×3(5000円景品データ×3個))に変換される。そして、景品読取計算機50から送られてくるデータ(受信データ)がn×3のとき(例えば、5000円景品データ×3個)、換金管理装置100が存在しないときは、景品読取データ(例えば、n×3(5000円景品データ×3個))が端末操作装置(景品電卓)60に送られ、所定の操作によって、紙幣払出装置70(又は、1000円未満のものがあるときは硬貨払出装置80)から現金が出される。本実施形態の換金管理装置100が存在するときは、景品読取計算機50から送られてくるデータ(受信データ)のうちの一部を抽出して、n×1、n×1、n×1(例えば、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個)のデータ(分割データ)に加工し、続いて、その分割データ(5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個)はCSVファイル形式((Comma Separated Valueファイル形式)に変換されて、記憶装置31(SDカード)に記録される。なお、記憶装置31は換金管理装置100内に存在するものに限らず、インターネット上に存在するもの(クラウド上の記憶装置)であってもよい。
本実施形態の構成では、特殊景品の種類および個数に対応したCSVファイルデータで保存するため、(現金払出し金額データではなく)遊技場で使用される景品一個一個の管理を確実に行うことができる。その結果、計算間違い・会計ミス、不正処理、偽物・盗難などの予期せぬ事態(管理不行き届き)を防ぐことができる。
また、本実施形態の構成を改変して、換金管理装置100の機能を、端末操作装置(景品電卓)60に搭載してもよい。すなわち、換金管理装置100の筐体10が、端末操作装置(景品電卓)60の筐体61の別体ではなく、端末操作装置(景品電卓)60の筐体61内に、換金管理装置100の中央演算処理装置15などを設けるようにすることができる。既存の景品読取計算機50および端末操作装置(景品電卓)60を用いるときは、別体の換金管理装置100を取り付ける方がコスト的に有利であるが、新規に端末操作装置(景品電卓)60を導入するときは、換金管理装置100の機能が付いた端末操作装置(景品電卓)60を導入する方が便利である。
さらに、本実施形態の構成を改変して、換金管理装置100の機能を、景品読取計算機50に搭載してもよい。すなわち、景品読取計算機50の筐体51内に、換金管理装置100の中央演算処理装置15などを設けるようにすることができる。この改変例の構成では、景品読取計算機50の景品読取判定部55は、景品(特殊景品)に付されているICチップを読み取ることで、景品の読取および真偽の判定を行っている。なお、景品読取判定部55は、他の手法(例えば、バーコード(二次元バーコード、QRコード(登録商標)なども含む)、磁気読み取りなど)で景品読取判定部55の読み取り・判定を行ってもよい。中央演算処理装置15は、景品読取判定部55で読み取った景品データを予め定められた規則に基づいて分割したデータにする機能と、分割したデータを記憶装置31に送信して記録する機能とを備えている。そして、予め定められた規則は、景品読取判定部55で読み取った景品ごとに応じたデータに分割する仕様である。景品読取判定部55で読み取ったデータが、合計の金額に変換したものでなく、読み取った景品ごとに応じたデータのままのときは、その読み取った景品ごとに応じたデータを、分割したデータとして記憶装置31に送信して記録してもよい。本実施形態の構成では、例えば、CSVデータの形式で記憶させることができる。上記と同様に、既存の景品読取計算機50および端末操作装置(景品電卓)60を用いるときは、別体の換金管理装置100を取り付ける方がコスト的に有利であるが、新規に景品読取計算機50を導入するときは、換金管理装置100の機能が付いた景品読取計算機50を導入する方が便利である。
次に、図7から図10を参照しながら、本実施形態の電卓装置(景品電卓)101について説明する。
図7は、本実施形態の電卓装置101の構成を示している。電卓装置101は、遊技場で使用される景品を計算するためのものである。本実施形態の電卓装置101は、比較的小規模の景品交換所において、景品の計算をする時に便利に使用される。毎回の景品の総額を計算して、それに対応する金銭を算出するときの他、一日分の景品の総額を計算するときにも使用することができる。
本実施形態の電卓装置101では、筐体(ボックス)10の中に中央演算処理装置(CPU)15が配置されている。また、本実施形態の電卓装置101は、中央演算処理装置15に接続される記憶装置31を備えている。本実施形態の記憶装置31は、不揮発性の記憶素子であり、好適な一例では、フラッシュメモリカード(SDカード、または、SDメモリカード)である。そして、本実施形態の筐体10には、記憶装置31(フラッシュメモリカード(SDカード))の挿入口25が設けられている。また、本実施形態の他の構成では、不揮発性の記憶装置(フラッシュメモリカード)31は、USBメモリスティックであってもよい。また、挿入するタイプの記憶装置31でなく、回路基板に実装されるタイプの記憶装置(特に、半導体素子)であっても構わない。
電卓装置101には、数字及び四則演算を入力する入力部63が設けられている。入力部63には、数字及び四則演算を入力する計算入力ボタン62とともに、景品の種類に対応した景品選択ボタン69が設けられている。景品選択ボタン69は、景品の種類に応じた複数個のボタン(例えば、4個(4種)の景品選択ボタン)であり、一例では、5000円景品選択ボタン、2000円景品選択ボタン、500円景品選択ボタン、100円景品選択ボタンである。他の例では、10000円景品選択ボタン、1000円景品選択ボタン、500円景品選択ボタン、100円景品選択ボタンである。5種の景品選択ボタンにしてもよく、例えば、5000円景品選択ボタン、2000円景品選択ボタン、1000円景品選択ボタン、500円景品選択ボタン、100円景品選択ボタンなどにしてもよい。場合によっては、3種の景品選択ボタンの組み合わせでもよく、あるいは、5種またはそれ以上の景品選択ボタンの組み合わせでもよい。また、100円未満の景品選択ボタンを設けても構わない。また、景品選択ボタン69の数値は、整数で任意に割付が可能な構成にすることができる。
本実施形態の景品選択ボタン69は、誤入力を防止するため幅広キーとなっている。具体的には、景品選択ボタン69は、縦が1に対して、横は2またはそれを超える寸法割合(例えば、縦1:横2、縦1:横3など)になっている。景品選択ボタン69を構成する幅広キーの寸法割合は例示であり、例えば縦1:横1.5でよい場合もある。なお、誤入力を防止する目的を求めなければ、幅広キーでなくてもよく(例えば、縦1:横1でもよく)、計算入力ボタン62と同じようなものを用いても構わない。
また、本実施形態の筐体10には、現金払出機(例えば、図6に示した 紙幣払出装置70、硬貨払出装置80)に接続するための現金払出端子22を設けることができる。その構成の場合、電卓装置101の現金払出端子22にケーブルを使って(または無線で)現金払出機70(又は80)に接続することで、電卓装置101の操作(入力操作)によって、金銭を払い出しすることが可能となる。
本実施形態の筐体10には、電卓装置101を駆動させるための電源30を接続する電源端子23が設けられている。本実施形態の構成では、外部電力が供給されるものにしているが、電池式駆動(例えば、リチウムイオン電池、または、乾電池、太陽電池)の構成にしてもよいし、電源と電池の兼用の構成にしてもよい。
また、本実施形態の筐体10に端子(特に、映像端子)29を設けて、ディスプレイ65(例えば、図6に示したようなもの)に接続するような構成にしてもよい。なお、ディスプレイ(表示装置)65は、筐体10に設けてディスプレイ一体型の構成にしてもよい。
さらに、本実施形態の電卓装置101は、プリンタに接続可能な構成にすることができ、その構成において、中央演算処理装置(CPU)15は、集計印字機能を有するような構成にすることができる。また、プリンタを筐体10に設けて、プリンタ一体型の構成にしてもよい。
加えて、本実施形態の電卓装置101は、LANに接続可能な構成にすることができる。本実施形態の構成では、筐体10には、LAN端子26が設けられており、中央演算処理装置15で処理された処理データを、LAN端子26を通じて外部の通信ネットワーク回線に出力可能な機能を発揮させることができる。
本実施形態の筐体10にはUSB端子27が設けられている。プリンタがUSB接続可能なものであれば、USB端子27を通じて、電卓装置101とプリンタを接続することができる。また、USB素子32としてUSBメモリを挿入することで、USBメモリにデータを記録することが(または、データ・プログラムをアップロードすること)ができる。加えて、USB端子27に、USB素子32としてUSBケーブルを挿入することで、電卓装置101を情報処理端末(例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、スマートフォンなど)に接続できる構成にすることができる。
本実施形態の電卓装置101(特に、中央演算処理装置15)は、(a)入力された入力データを足し合わせる機能と、(b)足し合わせられた入力データを予め定められた規則に基づいて分割したデータにする機能と、(c)分割したデータを記憶装置に送信して記録する機能とを備えている。ここで、予め定められた規則は、景品の種類と個数(例えば、5000円景品×1000個など)に応じたデータに分割する仕様のものである。そして、電卓装置101(特に、中央演算処理装置15)は、さらに、(d)追加の予め定められた規則に基づいて景品の種類と個数に応じたデータに分割する機能を備えていてもよい。ここで、追加の予め定められた規則は、景品の種類と個数に応じた金銭データが所定金額以上のときに、所定金額未満になるように更に分割する仕様のものである。
次に、本実施形態の電卓装置101の使い方について説明する。ここで、ユーザ(特殊景品を金銭に交換したい人)は、特殊景品(例えば、5000円景品×3)を交換所に持ち込み、そこで、電卓装置101を用いて金額を計算する。具体的には、5000円景品選択ボタン69(景品種類の特定)を押して、3個(個数の特定)の掛け算を押す。すると、合計は15000円の金銭データが算出される。電卓装置101が現金払出機70(又は80)に接続される構成では、電卓装置101における中央演算処理装置15は、入力された入力データを足し合わせる機能(機能(a))で算出された金額データ(ここでは、15000円)に相当する紙幣(及び/又は硬貨)を現金払出機70(又は80)で払い出しする指令を出す(または、現金払出機70(又は80)が算出された金額データ(ここでは、15000円)を受け取って払い出しの処理を実行する)。なお、電卓装置101が現金払出機70(又は80)に接続されないような構成では、入力された入力データを足し合わせる機能(機能(a))で算出された金額データ(ここでは、15000円)に相当する紙幣(及び/又は硬貨)を、交換所の担当者がユーザに手渡しする。
本実施形態の電卓装置101では、入力された入力データを足し合わせる機能(機能(a))で算出された金額データ(ここでは、15000円)を記録するのではなくて、足し合わせられた入力データを予め定められた規則に基づいて分割したデータにする機能(機能(b))によって、n×1、n×1、n×1(例えば、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個)のデータ(分割データ)に加工し、機能(c)によって記憶装置31(SDカード)に記録する。本実施形態では、分割データ(5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個、5000円景品データ×1個)はCSVファイル形式((Comma Separated Valueファイル形式)に変換されて、記憶装置31(SDカード)に記録される。なお、記憶装置31は換金管理装置100内に存在するものに限らず、インターネット上に存在するもの(クラウド上の記憶装置)であってもよい。また、その分割データは、時刻データ(例えば、「2021/12/10 11:31」など)と紐付けられて(リンクした状態で)記録(保存)されることが好ましい。
そして、例えば、ある景品交換所が、1万円以上の特殊景品(例えば、1万円、3万円の特殊景品)の処理は高額な景品であるため取扱注意(または取扱禁止)となるような運用がされているとき(逆に言うと、9999円以下であるとエラーがでないとき)、その景品交換所の運用通りでは、本実施形態の電卓装置101を介在させると、その取扱の停止でユーザに迷惑がかかるときには、取扱の停止とならない範囲の特殊景品(ここでは、例えば5000円の特殊景品)の処理となるように更に分割する処理を実行できるような機能を持たせることができる。なお、このような更に分割処理をしたときは、当該更なる分割処理を行ったことがわかるような目印・処理を行うことができるような機構(具体的には、中央演算処理装置15で実行されるプログラムをそのような仕様)に変更することも可能である。
さらに、特に、小規模な景品交換所において、1日の景品をまとめて集計するとき、本実施形態の電卓装置101を景品管理装置として使うことができる。まずは、別の装置で計算して集計した累積データを電卓装置101に入れ(具体的には、記憶装置(SDカード)31、LAN端子26、USB端子27を通じて)、そして、中央演算処理装置15において、分割したデータにする機能(機能(b))による処理を行う。あるいは、電卓装置101の入力部63(数字及び四則演算を入力する計算入力ボタン62、景品の種類に対応した景品選択ボタン69)を用いてデータ入力処理をして(機能(a)を利用)、中央演算処理装置15において、分割したデータにする機能(機能(b))による処理を行う。例えば、2021年12月10日の1日において、景品1(5000円景品)が1100個交換され、景品2(2000円景品)が525個交換されたとしたとき、次のような分割処理(機能b)と記録処理(機能c)を行う。以下、説明を続ける。
まず前提として、景品1(5000円景品)が1100個の550万円の記録してしまうと、あとで検証が難しくなるため、本実施形態では、景品1(5000円景品)が、1100回(1100個)別々に交換されたものとして処理をする(機能a、機能b)。ここでは、別の装置で計算して集計されたものであるため、それぞれの交換の時刻は正確にはわからないが、時刻に応じた記録をすることが目的でなく、個々の景品1(5000円景品)を(まとめずに)個々に記録することが目的であるので、仮の時刻をマーカ(目印、記録印)として使用する。
具体的な処理としては、1100個の景品1(5000円景品)は次のように処理される。
2021/12/10 11:30 景品1(5000円景品) 1個
2021/12/10 11:31 景品1(5000円景品) 1個
2021/12/10 11:32 景品1(5000円景品) 1個
2021/12/10 11:34 景品1(5000円景品) 1個
(以下、繰り返し)
2021/12/10 **:** 景品1(5000円景品) 1個
このようにマーカ記録時刻を1分ずつずらして、1つ1つの景品の交換を記録する。なお、最後の「2021/12/10 **:**」の時刻は、2021/12/10 11:30から1100分後(1100個相当)の時刻になる。
同様に、525個の景品1(2000円景品)は次のように処理される。前提として、景品2(2000円景品)が525個の105万円の記録してしまうと、あとで検証が難しくなるため、本実施形態では、景品2(2000円景品)が、525回(525個)別々に交換されたものとして処理をする(機能a、機能b)。具体的な処理としては、525個の景品2(2000円景品)は以下のように処理される。
2021/12/10 11:30 景品2(2000円景品) 1個
2021/12/10 11:31 景品2(2000円景品) 1個
2021/12/10 11:32 景品2(2000円景品) 1個
2021/12/10 11:34 景品2(2000円景品) 1個
(以下、繰り返し)
2021/12/10 **:** 景品2(2000円景品) 1個
このようにマーカ記録時刻を1分ずつずらして、1つ1つの景品の交換を記録する。なお、最後の「2021/12/10 **:**」の時刻は、2021/12/10 11:30から525分後(525個相当)の時刻になる。
このような処理をして記録しておくことで、1つの景品が1回の交換がされた扱いにすることができ、そして、1日1回で、景品1(5000円景品)が1100個の550万円の記録、景品2(2000円景品)が525個の105万円の記録だけをしているときと比較して、景品の管理を正確に行うことができるとともに、あとから改ざんすることが非常に困難になり、記録としての信頼性を向上させることができる。また、時刻をマーカとして用いることにより、特別なマーカ(目印)を導入しなくてもよいため、プログラム処理も楽である。さらには、仮に特別な(独特の)マーカ(目印)を導入して管理したとしたら、逆に、改ざんした形跡を見つけるのが大変になるところ、時刻マーカの管理であるため、誰でも容易に(簡単に)改ざんをみつけることができ、正確な管理と、直感的な管理の両方を実現することができる。
なお、上述のマーカ記録時刻を1分ずつずらすようにしたが、それに限定されるものではなく、分割されたデータのそれぞれを、連続した時刻データにリンクさせようにしたらよい。ここでの連続した時刻データとは、1分ごとに限らず、例えば、秒の単位までマーカ記録時刻を使用できるものであれば、1秒ごとにずらしてリンクさせることができるし、1分ごと(1秒ごと)でなくとも、例えば、5分ごと、10分ごと、15分ごと(または、5秒ごと、10秒ごと、15秒、30秒ごと)の等間隔に追加して増える連続した時刻(すなわち、所定の規則性を有して連続する時刻)にリンクさせてよもよい。このような連続した時刻に分割されたデータをリンクさせたときも、1分ごとに増える時刻データ(マーカ記録時刻)にリンクさせたときと同様に、誰でも容易に(簡単に)改ざんをみつけることができ、正確な管理と、直感的な管理の両方を実現することができる。すなわち、所定の規則性を有して連続する時刻データにリンクさせることで、誰でも容易に(簡単に)改ざんをみつけることができ、正確な管理と、直感的な管理の両方を実現することができる。加えて、時刻データに紐付ける処理は、景品が交換された時刻に対応した時刻データにリンクさせるようにしてもよい。この場合は、時刻マーカの管理と比較すると管理正確性の直感的な理解は少し劣るものの、現実の景品交換時刻を記録することができるという利点がある。
また、景品の種類と個数に応じたデータを時刻データにリンクさせる処理において、連続した時刻データ(または、所定の規則性を有して連続する時刻データ)にリンクさせるだけでなく、ランダム配列の時刻データ(一定の規則性のない(時刻)データ、連続していないデータ、非規則性/非連続のデータ)にリンクさせることもできる。具体的には、景品1が5000円景品(大景品)で、景品2が1000円景品(中景品)で、景品3が500円景品(小景品)のときに、一例として以下の処理(リンク処理)することができる。
2021/12/01 12:00 景品1(5000円景品(大景品)) 1個
2021/12/01 12:00 景品1(5000円景品(大景品)) 1個
2021/12/01 12:00 景品3(500円景品(小景品)) 1個
2021/12/01 12:01 景品1(5000円景品(大景品)) 1個
2021/12/01 12:01 景品1(5000円景品(大景品)) 1個
2021/12/01 12:03 景品3(500円景品(小景品)) 1個
2021/12/01 12:03 景品1(5000円景品(大景品)) 1個
2021/12/01 12:03 景品1(5000円景品(大景品)) 1個
2021/12/01 12:07 景品1(5000円景品(大景品)) 1個
2021/12/01 12:12 景品2(1000円景品(中景品)) 1個
2021/12/01 12:27 景品2(1000円景品(中景品)) 1個
2021/12/01 12:29 景品1(5000円景品(大景品)) 1個
2021/12/01 12:29 景品3(500円景品(小景品)) 1個
2021/12/01 12:31 景品2(1000円景品(中景品)) 1個
2021/12/01 12:47 景品3(500円景品(小景品)) 1個
(省略)
2021/12/01 23:00 景品3(500円景品(小景品)) 1個
このようなランダム配列の時刻データにリンクさせるときは、改ざんの防止を優れたものにすることできる。まず、景品が交換された時刻に対応した時刻データにリンクさせるときは、景品の内容と時刻データが現実のものと一致しているため、その特定が容易であるため、悪意を持った人であれば、景品の内容(景品の種類と個数に応じたデータ)を変更して景品を抜き取り(または、金庫またはレジの現金を抜き取り)、1日の合計・集計データの帳尻をあわせることができてしまう。そして、データが修正されてしまっているので、抜き取られた景品(現金)の存在自体を掴むことが困難となる。次に、連続した時刻データ(または、所定の規則性を有して連続する時刻データ)にリンクさせるときも、現実の取引時刻でないものの、その店の関係者であれば、景品の内容を特定することは比較的容易であり、そこでデータの改ざん(修正)を行うことができれば、景品の内容(景品の種類と個数に応じたデータ)を変更して景品を抜き取り(または、金庫またはレジの現金を抜き取り)、1日の合計・集計データの帳尻をあわせることができてしまう。一方、ランダム配列の時刻データ(一定の規則性のないデータ、または、非規則性/非連続のデータ)にリンクさせると、景品の内容を特定することができず、それゆえに、景品の内容(景品の種類と個数に応じたデータ)を変更して景品を抜き取り(または、金庫またはレジの現金を抜き取り)、1日の合計・集計データの帳尻をあわせることができなくなる。すなわち、ランダム配列のデータにリンクさせると、不正防止の抑止効果を得ることができる。言い換えると、通常の時刻データに沿って(または、規則性のある時刻データ)データが並んだ集計の場合、データ補正が容易となるが、シャッフル・ランダムにする事により特定データの絞り込みが困難となり、改ざんの抑止効果を高めることができる。また、明細データをシャッフルすることによって、同一データであっても集計データは、同一の結果(例えば、同一の1日集計データ)のものが出力されても、シャッフルを行うことによって、同じ並び方の出力データを出すことが実質的に不可能となり、複数回出力することを防ぎ、権限の持つ特定のオペレーターでないと管理ができないという効果(抑制効果)をもたらす。
ランダム配列の時刻データにリンクさせる処理は、例えば、営業時間(開始時間、終了時間)の間で、ランダムにばらつくように処理したらよい。営業時間の開始時間の一例は12時00分であり、終了時間は23時00分であるが、この時間(時刻)は実際の店舗にあわせることができる。なお、営業時間でなく、それとは異なる所定の時間帯(例えば、14時~22時)の間でランダムにばらつくようにしても構わないが、営業時間の範囲で処理することが違和感がなく自然である。また、配列の要素の並びをシャッフルするような関数(またはプログラム)は既知であり、そのような関数(またはプログラム)を使用して、景品の種類と個数に応じたデータを時刻データにリンクさせる処理を実行することができる。また、乱数を発生させるプログラムを利用して、ランダム配列の時刻データにリンクさせる処理を行ってもよい。なお、このような処理は、コンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなど)のプログラムによって行うことができ、また、プログラムを動作させることができる電卓装置(または、パーソナルコンピュータ/タブレット/スマートフォンなどの電卓アプリケーション)で実行することができる。具体的には、本実施形態の換金管理プログラムは、中央演算処理装置を備えたコンピュータに対して、景品の種類と個数に応じたデータを、時刻データに紐付ける処理を実行する機能を有しており、時刻データに紐付ける処理を行う機能は、前記景品の種類と個数に応じたデータを、ランダム配列の時刻データにリンクさせる処理を実行するものである。
次に、図8を参照しながら、本実施形態の景品管理方法について説明する。図8は、本実施形態の景品管理方法を説明するためのフローチャートである。
まず、景品交換所(特に、小規模な景品交換所)における1日の景品をまとめて集計する(工程S100)。ここでの集計は、図7に示した電卓装置101を使用してもよいし、別の計算機(または、表計算ソフトなど)で集計したものでもよい。景品電卓101を使用する場合において、景品電卓101は、現金払出機(例えば、図6に示した 紙幣払出装置70、硬貨払出装置80)に接続することができない構成のものを使用してもよい。
次に、電卓装置101に、集計したデータ(1日の景品のデータ)を入力する(工程S210)。すでに、集計したデータが算出されているときは、そのデータを電卓装置101にアップロードする(出力する)。集計したデータ(1日の景品のデータ)を電卓装置101で算出するときは、1日の景品の数字(景品の種類と個数)を電卓装置101に入れて計算することで、集計したデータを電卓装置101に入力する。
次に、電卓装置101を用いて、景品の種類と個数に応じたデータに分割する(工程S220)。続いて、分割されたデータを、時刻データに紐付ける(工程S240)。この分割されたデータ、および、時刻データに紐付けられた分割データの例は、上述した通りである。データ分割工程(S220)と時刻データ紐付工程(S240)は、一度の工程で実行してもよい。また、データ分割工程(S220)は電卓装置101で実行して、その分割されたデータを他の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末など)に出力してその装置で時刻データ紐付工程(S240)を行うことも可能である。
その後、データ紐付工程(S240)で時刻データに紐付けされた合成データを出力する(工程S300)。出力工程(S300)は、記憶装置(SDカード、USBメモリ)に合成データを出力することができる。また、当該合成データは、プリンタに出力してもよいし、インターネット上に出力してもよい。
なお、例えば、ある景品交換所が、1万円以上の特殊景品(例えば、1万円、3万円の特殊景品)の処理は高額な景品であるため取扱注意(または取扱禁止)となるような運用がされているとき(逆に言うと、9999円以下であると運用可能なとき(エラーがでないとき))は、上述の1日の集計で、本実施形態の電卓装置101を管理装置として使用する場合は、更なる分割の機能(機能d)を用いればよい。例えば、1日で、景品3(10000円景品)が2個交換され、景品4(30000円景品)が1個交換されたときは、分割処理(機能b)と記録処理(機能c)と、更なる分割処理(機能d)を用いた処理を実行してもよい。ここでは、5000円景品を上限に処理する例を示す。
<景品3(10000円景品)2個の処理の例>
2021/12/10 22:30 景品1(5000円景品) 1個
2021/12/10 22:31 景品1(5000円景品) 1個
2021/12/10 22:32 景品1(5000円景品) 1個
2021/12/10 22:34 景品1(5000円景品) 1個
<景品4(30000円景品)1個の処理の例>
2021/12/10 23:30 景品1(5000円景品) 1個
2021/12/10 23:31 景品1(5000円景品) 1個
2021/12/10 23:32 景品1(5000円景品) 1個
2021/12/10 23:34 景品1(5000円景品) 1個
2021/12/10 23:35 景品1(5000円景品) 1個
2021/12/10 23:36 景品1(5000円景品) 1個
ここでは、開店時間が22時までとして、開店時間以降の22時30分からを、景品3(10000円景品)の処理の時刻マーカとして使用している。そして、開店時間以降の23時30分からを、景品4(30000円景品)の処理の時刻マーカとして使用している。なお、景品1を「景品1*」(または「景品1**」)に変換して、
2021/12/10 11:30 景品1*(5000円景品) 1個
2021/12/10 11:31 景品1*(5000円景品) 1個
2021/12/10 11:32 景品1*(5000円景品) 1個
2021/12/10 11:34 景品1*(5000円景品) 1個のような処理を実行しても構わない。なお、上述の処理は一例であり、当業者であれば、1万円以上の特殊景品(例えば、1万円、3万円の特殊景品)の処理の適切なやり方は、幾らでも作ることができるが、ここでは説明の簡潔のために上記の例で留めておく。さらに、これらのデータ(一例として、CSVファイルデータ)は、記憶装置31(SDカード。またはUSBメモリなど)に出力して記録する手法とともに、場合によってオプションにはなるが、プリンタで印字したり、LANを通じて通信回路(インターネット)にアップロードすることができる。
また、上記例においては、1万円以上の特殊景品(例えば、1万円、3万円の特殊景品)の処理を、5000円景品を上限に処理した例を示したが、2000円景品に置き換えた処理を行っても構わない。また、5000円景品を上限にした処理にするには、景品選択ボタン69(景品種類の特定)を押して、その上限の景品の特定処理を行うようにしてもよい。同様に、2000円景品を上限にした処理にするには、景品選択ボタン69(景品種類の特定)を押して、その上限の景品(2000円)の特定処理を行うようにしてもよい。
本実施形態の電卓装置(景品電卓)101によれば、中央演算処理装置15が、入力された入力データを足し合わせる機能(a)と、予め定められた規則(景品の種類と個数に応じたデータに分割する仕様の規則)に基づいて分割したデータにする機能(b)と、分割したデータを記憶装置に送信して記録する機能(c)とを備えている。したがって、遊技場で使用される景品一個一個の管理を行うことができる電卓装置(景品電卓)101を提供するができる。また、中央演算処理装置15は、分割されたデータを、時刻データに紐付ける処理を行う機能を有していることで、特別なマーカ(目印)を導入しなくても、景品の管理を正確に行うことができるとともに、あとから改ざんすることが非常に困難になり、記録としての信頼性を向上させることができる。その結果、交換所における景品の管理において、正確な管理と、直感的な管理の両方を実現することができる。
また、本実施形態の景品管理方法によれば、景品を集計して、電卓装置に入力し、続いて、景品の種類と個数に応じたデータに分割し、次いで、分割されたデータを時刻データに紐付けることを行う。したがって、特別なマーカ(目印)を導入しなくても、景品の管理を正確に行うことができるとともに、あとから改ざんすることが非常に困難になり、記録としての信頼性を向上させることができる。その結果、交換所における景品の管理において、正確な管理と、直感的な管理の両方を実現することができる。
さらに、本実施形態の景品管理方法において、上述したように、景品の種類と個数に応じたデータをランダム配列の時刻データにリンクさせる処理を実行すると、景品の内容(景品の種類と個数に応じたデータ)を変更して景品を抜き取って(または、金庫またはレジの現金を抜き取って)、1日の合計・集計データの帳尻をあわせることをできなくすることができる。その場合、ランダム配列のデータにリンクさせる処理をすることで、不正防止の抑止効果を得ることができ、言い換えると、改ざんの抑止効果を高めることができる。
次に、図9および図10(a)及び(b)は、本実施形態の電卓装置(景品電卓)101の構成の一例を示す図である。図9は、電卓装置(景品電卓)101の構成を模式的に示す斜視図である。図10(a)および(b)は、それぞれ、電卓装置(景品電卓)101の構成を模式的に示す上面図および側面図である。
あくまで一例であるが、図10(a)において、全幅W1は170mm(±10mm)、景品電卓101の右端から景品選択ボタン(幅広ボタン)69の右端までの幅W2は116mm(±10mm)、ディスプレイ65の中央と入力部63の中央の間隔Dは125mm(±10mm)である。図10(b)において、高さHは114mm(±10mm)、長さ1は290mm(±10mm)、長さ2は269.69mm(±10mm)である。なお、実施形態の電卓装置(景品電卓)101の構成・構造は、例示したものに限定されず、適宜好適なものを設計・選択することが可能である。なお、本実施形態の電卓装置(景品電卓)101に、交換所で発生する手数料(例えば、金銭の1%(または、2%、3%)の手数料)を計算する機能を設けても構わない。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。また、本実施形態の換金管理装置100全体または電卓装置101を説明してきたが、本実施形態に係るプログラム単体(換金管理プログラム)を、具体的には、プログラム自体、または、プログラムを格納した記録媒体、ダウンロード可能なプログラム製品を知的財産として商品化することも可能である。さらに、換金管理装置100(または、他の開示した装置)の要素のうち、電卓装置101に適用できるものはそのようすることができる。逆に、電卓装置101の要素のうち、換金管理装置100(または、他の開示した装置)に適用できるものはそのようすることができる。本実施形態の電卓装置101は、単独で使用してもよいし、他の装置(例えば、図6に示したような装置(50、60、70、80、90)など)に連結して使用してもよい。または、本実施形態の換金管理プログラムをコンピュータに導入した形で、電卓装置101(または換金管理装置100)として使用してもよい。
なお、本実施形態の構成において、具体的な演算プログラム(または、計算、紐付けなどの処理プログラム)、記録装置/入出力装置との出力・入力プログラムなどおよびそれらの周辺技術は、本発明の実施形態の主要項目ではないので、技術内容の理解を簡明する目的で省略する。それらの技術については、情報処理分野ないし情報通信分野の技術常識に基づいて実装/運用(実施)することができる。
次に、図11から図13を参照して、本実施形態の換金管理装置100全体または電卓装置101の処理を、コンピュータでのプログラム(本実施形態の換金管理プログラム)で実行する説明を行う。当該コンピュータは、典型的には、パーソナルコンピュータ(ノートPC、デスクトップPC)であるが、タブレット端末(例えば、iPad(商品名)、Androidタブレット端末)、スマートフォン(例えば、iPhone(商品名)、Androidスマートフォン)であってもよい。コンピュータは、中央演算装置(CPU)、記憶装置(RAM、ROM、HDDなど)、表示装置(例えば、液晶ディスプレイ)、入力装置(キーボード、タッチパネル、マウスなど)から構成されており、プログラムによってアプリケーション(計算アプリケーション、電卓アプリケーションなど)を実行することができる。
図11から図13は、本実施形態の換金管理プログラムをコンピュータに実行させたときの表示装置に表示される画面(200)の一例を示している。図11は、景品(管理)処理の入力画面を示すものである。図12は、景品(管理)処理の入力後の実行画面を示すものである。そして、図13は、処理結果を表示する画面を示している。
まず、図11に示すように、所定の店舗で、買取日の景品の種類と個数の情報を入力する。あくまで例示であるが、入力する画面200において、店舗番号の欄(201)として、店舗のシリアル番号(201a)が「004」で、店舗名(201b)が「AAAショップBBB店」である。買取日の欄(202)には、買取日(202a)として「2021/12/01」を選択(入力)している。
ここで、大景品の欄(203)には、大景品の個数(203a)として「1000」個を入力する。大景品の単価(203b)は5000円である。中景品の欄(204)には、中景品の個数(204a)として「500」個を入力する。中景品の単価(204b)は1000円である。そして、小景品の欄(205)には、小景品の個数(205a)として「200」個を入力する。小景品の単価(205b)は500円である。なお、これらの大景品、中景品、小景品の単価は、店舗にあわせて変更することができる。この入力の後、「確定」の処理実行ボタン(201)を押すと処理が実行される。その処理が完了すると、図12に示す画面(200)となり、登録完了の表示(220)が画面(200)に表れる。登録完了の表示(220)には、買取の登録日の情報(221)と、「OK」(222)が示されるように、プログラムが組まれている。
図13は、換金管理プログラムで処理を実行した結果(250)を示す画面(200)である。ここで、営業時間の欄(202b)は、デフォルトで「12:00~23:00」の入力表示(202c)をしているが、変更可能である。そして、大景品・中景品・小景品(203~205)の合計の欄(206)には、買取の合計額が表示されている(ここでは5,600,000円)。通し連番(240)には、ランダム配列の時刻(12:00など)の標識となる番号(240a)が表示されている。ここでは、「No.1」の項目は、買取時刻(12:00)、買取品(大景品)、個数(1個)、買取額(5000円)が表示されており、同様の内容が番号の項目順に連なっている。この表示結果は、印刷ボタン(261)で印刷することができる(または、PDF出力できるようにしてもよい)。この表示結果を「csv」に出力できるようにしてもよい。前の画面に戻りたいときは、「戻る」のボタン(262)で戻って、修正などを行うことが可能である。
図13では、景品の種類と個数を、ランダム配列の時刻データにリンクさせたが、実際の買取時刻に(処理時刻)にリンクさせたものを表示させるような処理を実行してもよい。そのときは、買取時刻の欄は、実際の買取時刻に対応したものとなる。さらには、連続した時刻データ(例えば、1分ごとに増える時刻テータ)、または、所定の規則性を有して連続する時刻データ(例えば、5分ごと(または、秒の表示を入れて、例えば10秒毎)に増える時刻データなど)にリンクさせるような処理を行って、その結果を表示させるような処理を実行してもよい。
なお、上述したプログラムは、専用のプログラムを構築して、図11~図13に示した処理・画面となるようにしてもよいし、既存の表計算ソフト・データベースソフト(例えば、マイクロソフト・エクセル(商品名)、マイクロソフト・アクセス(商品名)など)から構築しても構わない。また、例示として、図11~図13に示したもので説明したが、当業者であれば、これらの説明から改変例を理解することが可能であるし、簡明さのために説明を省略した部分も理解することができる。