JP2024002788A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】以下の(i)および(ii)を満たすエポキシ樹脂組成物を提供すること:(i)低粘度である、(ii)線膨張率および弾性率が低い硬化物を提供し得る。【解決手段】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、コアシェル型ポリマー粒子(C)、無機充填材(D)を含み、前記コアシェル型ポリマー粒子(C)が特定の組成である、エポキシ樹脂組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明はエポキシ樹脂組成物に関する。
基板に実装したICチップを、外力および腐食等から保護することを目的として、樹脂封止材が適用される。当該樹脂封止材は、基板とICチップとの間に液状の状態で充填された後、硬化させることによって、使用される。一般的に、樹脂封止材としては、耐熱性および、ICチップと基板との密着性に優れるエポキシ樹脂組成物が用いられることが多い。
液状封止材として使用されるエポキシ樹脂組成物は、硬化前の樹脂組成物の状態では、チップ-基板間の狭いギャップにも充填できるような高い充填性(低粘度)が求められる。また、硬化後に得られる硬化物の状態では、低弾性率や熱的寸法安定性(低線膨張率)を示すことが求められる。低弾性率化のためにはエラストマーのような可撓化材が配合される。また低CTE化のためにはシリカなどの無機充填材が配合される。
特許文献1には、エポキシ樹脂と、硬化剤と、コアシェル構造を有する粒子と、を含み、前記コアシェル構造を有する粒子は、ポリシロキサンゴムを含むコア部と、エポキシ基を有する構成単位の含有率が10質量%以上である重合体を含むシェル部と、を有する、封止用液状エポキシ樹脂組成物が開示されている。
特許文献2には、(A)液状エポキシ樹脂、(B)酸無水物硬化剤、(C)イミダゾール化合物硬化促進剤、および(D)マスターバッチ処理されたコアシェル構造を持つエラストマーを含有し、(D)成分が特定の含有量を有する、液状エポキシ樹脂組成物が開示されている。
特許文献3には、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)無機充填材を含み、硬化物としたときに、特定の熱膨張係数および貯蔵弾性率を有するアンダーフィル材が開示されている。
特許文献4には、分子内に特定の個数のアルコキシシリル基を有し、特定のガラス転移温度および特定の数平均分子量を有するアルコキシシリル変性ポリマー(A)、エポキシ樹脂(B)、エポキシ硬化剤(C)およびコアシェルポリマー(D)を含むエポキシ樹脂組成物であって、特定の量のアルコキシシリル変性ポリマー(A)が含有され、コアシェルポリマー(D)が特定の高分子から選択される、エポキシ樹脂組成物が開示されている。
WO2017/188286号 特開2016-79293号公報 特開2018-62606号公報 WO2019/123934号
しかしながら、上述のような従来技術では、得られるエポキシ樹脂組成物の低粘度化と、当該エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の低線膨張率化および低弾性率化を十分なレベルで両立させることができず、改善の余地があった。
本発明の一実施形態は、前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、以下の(i)および(ii)を満たすエポキシ樹脂組成物を提供することである:(i)低粘度である、(ii)線膨張率および弾性率が低い硬化物を提供し得る。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一実施形態は、以下の構成を含むものである:
〔1〕エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、コアシェル型ポリマー粒子(C)、無機充填材(D)を含み、
前記コアシェル型ポリマー粒子(C)は、弾性体と、当該弾性体に対してグラフト結合されたグラフト部と、を有し、
前記弾性体は、ポリオルガノシロキサンを含み、
前記グラフト部は、
(i)(i-a)芳香族基を含む構成単位を含まないか、または、
(i-b)前記グラフト部100質量%中、芳香族基を含む構成単位を0質量%超10質量%以下含み、かつ
(ii)アルキルアクリレートに由来する構成単位を含む、エポキシ樹脂組成物。
〔2〕前記グラフト部は、メチルアクリレートに由来する構成単位およびブチルアクリレートに由来する構成単位の少なくとも一方を含む、〔1〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔3〕前記グラフト部は、メタクリル酸グリシジルに由来する構成単位を含む、〔1〕または〔2〕に記載のエポキシ樹脂組成物。
〔4〕前記無機充填材(D)は、シリカを含む、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
〔5〕前記エポキシ樹脂(A)は、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を含む、〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
〔6〕〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を含む、半導体封止材。
本発明の一実施形態によれば、以下の(i)および(ii)を満たすエポキシ樹脂組成物を提供することができるという効果を奏する:(i)低粘度である、(ii)線膨張率および弾性率が低い硬化物を提供し得る。
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態または実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態または実施例についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。なお、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意図する。
〔1.本発明の一実施形態の技術的思想〕
上述したように、樹脂封止材としては、エポキシ樹脂組成物が用いられることが多い。樹脂封止材には様々な物性が求められ、特に以下に述べるように、硬化前には低粘度が、また硬化後には低線膨張率および低弾性率が求められる。
硬化前の樹脂封止材、すなわち樹脂組成物については、ICチップと基板との間に存在する溝等の狭い(細い)間隙に対しても充填できるように、粘度は低いことが好ましい。
また、硬化後の樹脂封止材の線膨張率が、ICチップおよび基板の線膨張率と大きく異なると、チップや樹脂封止材に著しい内部応力が生じ、割れが生じることがある。チップおよび基板の線膨張率は一般に小さい値であるため、硬化後の樹脂封止材、すなわち前記樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の線膨張率は、小さな値であることが好ましい。
さらに、樹脂封止材を硬化させた後、チップや樹脂封止材に生じる内部応力を低下させ、割れを抑制するために、硬化後の樹脂封止材、すなわち前記樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の弾性率は低いことが好ましい。
硬化物を低線膨張率化させるためには、樹脂組成物にシリカ等の無機充填材が配合される。一方で、シリカ等の無機充填材は、硬化物の線膨張率を低下させると同時に、硬化物の弾性率を上昇させてしまう欠点があった。一方、硬化物を低弾性率化させるためには、樹脂組成物にコアシェル型ポリマー粒子などのエラストマーが配合される。一方で、コアシェル型ポリマー粒子などのエラストマーは、硬化物の弾性率を低下させると同時に、硬化物の線膨張率を上昇させてしまう欠点があった。これらの課題について、本発明者らは、シリカ等の無機充填材と特にポリオルガノシロキサンをコア(弾性体)として有するコアシェル型ポリマー粒子を配合することにより、驚くべきことに、硬化物の線膨張率を低下させるだけでなく、弾性率も効果的に低下させ得ることを新規に見出した。
しかしながら、本発明者は、樹脂組成物が、無機充填材とポリオルガノシロキサンをコア(弾性体)として有するコアシェル型ポリマー粒子とを含む場合、それらの含有量に応じて樹脂組成物の粘度が高くなるとの欠点があることも新規に見出した。特にポリオルガノシロキサンをコア(弾性体)として有するコアシェル型ポリマー粒子とシリカとを組み合わせると、樹脂組成物の粘度が飛躍的に上昇することが新規に見出された。つまり従来技術では、硬化前の樹脂組成物の低粘度化と、硬化後の硬化物の低弾性率化および低線膨張率化と、の3つ効果を十分な水準で共存させることが難しかった。
そこで、本発明者らは、以下の(i)および(ii)を満たすエポキシ樹脂組成物を提供することを目的として、さらなる鋭意検討を行った:(i)低粘度である、(ii)線膨張率および弾性率が低い硬化物を提供し得る。
鋭意検討の結果、本発明者らは、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、コアシェル型ポリマー粒子(C)、無機充填材(D)を含み、前記コアシェル型ポリマー粒子(C)は、弾性体およびグラフト部を含み、前記弾性体は、ポリオルガノシロキサンを含み、前記グラフト部は、(i)(i-a)芳香族基を含む構成単位を含まないか、または、(i-b)前記グラフト部100質量%中、芳香族基を含む構成単位を0質量%超10質量%以下含み、かつ(ii)アルキルアクリレートに由来する構成単位を含む、エポキシ樹脂組成物を用いることにより、前記課題を達成できることを新規に見出した。
〔2.エポキシ樹脂組成物〕
本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、コアシェル型ポリマー粒子(C)、無機充填材(D)を含み、前記コアシェル型ポリマー粒子(C)は、弾性体と、当該弾性体に対してグラフト結合されたグラフト部と、を有し、前記弾性体は、ポリオルガノシロキサンを含み、前記グラフト部は、(i)(i-a)芳香族基を含む構成単位を含まないか、または、(i-b)前記グラフト部100質量%中、芳香族基を含む構成単位を0質量%超10質量%以下含み、かつ(ii)アルキルアクリレートに由来する構成単位を含む。
本明細書において、「エポキシ樹脂組成物」を単に「樹脂組成物」と称する場合があり、「本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂組成物」を、単に「本樹脂組成物」と称する場合もある。また、本明細書において、「エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物」を、単に「硬化物」と称する場合があり、「本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物」を、単に「本硬化物」と称する場合もある。
本樹脂組成物は、上述した構成であることにより、以下の(i)および(ii)を満たすエポキシ樹脂組成物を提供することができるという利点を有する:(i)低粘度である、(ii)線膨張率および弾性率が低い硬化物を提供し得る。
(2-1.エポキシ樹脂(A))
エポキシ樹脂(A)としては、分子中にエポキシ結合を少なくとも1個有するものであれば特に限定されない。
エポキシ樹脂(A)としては、各種のエポキシ樹脂を特に制限なく使用することができる。エポキシ樹脂(A)の具体例としては例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA(またはF)型エポキシ樹脂、フッ素化エポキシ樹脂、ポリブタジエンもしくはNBRを含有するゴム変性エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテルなどの難燃型エポキシ樹脂、p-オキシ安息香酸グリシジルエーテルエステル型エポキシ樹脂、m-アミノフェノール型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂、二価以上の多価アルコールのグリシジルエーテル(例えば、N,N-ジグリシジルアニリン、N,N-ジグリシジル-o-トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレート、ジビニルベンゼンジオキシド、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリコールジグリシジルエーテル、脂肪族多塩基酸のジグリシジルエステル、グリセリン)、キレート変性エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂などのような不飽和重合体のエポキシ化物、および含アミノグリシジルエーテル樹脂、などが挙げられる。前記多価アルコールとしては、N,N-ジグリシジルアニリン、N,N-ジグリシジル-o-トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレート、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、およびグリセリンなどが挙げられる。エポキシ樹脂(A)としては、前記のエポキシ樹脂にビスフェノールA(もしくはF)類、または多塩基酸類などを付加反応させて得られるエポキシ化合物も挙げられる。エポキシ樹脂(A)は、これらに限定されるものではなく、一般に使用されているエポキシ樹脂が使用され得る。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上述したエポキシ樹脂(A)の中でもエポキシ基を一分子中に少なくとも2個有するものが、(a)樹脂組成物の硬化において、反応性が高い点、(b)得られた硬化物が3次元的網目を作りやすい点、および(c)得られた硬化物の耐熱性が優れる点などから好ましい。また、エポキシ樹脂(A)としては、経済性および入手のし易さに優れることから、エポキシ基を一分子中に少なくとも2個有するエポキシ樹脂の中でもビスフェノール型エポキシ樹脂を主成分とするものが好ましい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂は、耐熱性および接着性に優れ、比較的安価である。そのため、エポキシ樹脂(A)は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂および/またはビスフェノールF型エポキシ樹脂であることが好ましい。
また、各種のエポキシ樹脂の中でも、エポキシ当量が220未満のエポキシ樹脂は、得られる硬化物の耐熱性が高いため好ましく、エポキシ当量は90以上210未満がより好ましく、150以上200未満が更に好ましい。
特に、エポキシ当量が220未満のビスフェノールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂は、常温で液体であり、得られる硬化性樹脂組成物の取扱い性が良いため好ましい。
エポキシ樹脂(A)は、当該エポキシ樹脂(A)100質量%中、エポキシ当量が220未満のビスフェノールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂を、合計で、60質量%超100質量%以下含むことが好ましく、80質量%超100質量%以下含むことがより好ましい。当該構成によると、得られる樹脂組成物の硬化物が耐熱性により優れるという利点を有する。
樹脂組成物の粘度を低下させることができることから、エポキシ樹脂(A)は、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を含むことが特に好ましい。エポキシ樹脂(A)は、当該エポキシ樹脂(A)100質量%中、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を20質量%~100質量%含むことが好ましく、30質量%~100質量%含むことがより好ましく、40質量%~100質量%含むことがさらに好ましく、45質量%~100質量%含むことが特に好ましい。
(エポキシ樹脂(A)の粘度)
エポキシ樹脂(A)の性状は特に限定されない。エポキシ樹脂(A)は、25℃において100mPa・s~1,000,000mPa・sの粘度を有することが好ましい。エポキシ樹脂(A)の粘度は、25℃において、50,000mPa・s以下であることがより好ましく、30,000mPa・s以下であることがさらに好ましく、15,000mPa・s以下であることが特に好ましい。前記構成によると、エポキシ樹脂(A)は流動性に優れるという利点を有する。25℃において100mPa・s~1,000,000mPa・sの粘度を有するエポキシ樹脂(A)は、液体であるともいえる。
エポキシ樹脂(A)の流動性が大きくなるほど、換言すれば粘度が小さくなるほど、エポキシ樹脂(A)中に、コアシェル型ポリマー粒子(C)を一次粒子の状態で分散させることが困難となる。従来、25℃において1,000,000mPa・s以下の粘度を有するエポキシ樹脂(A)中に、コアシェル型ポリマー粒子(C)を一次粒子の状態で分散させることは非常に困難であった。しかし、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物は、上述した構成を有するコアシェル型ポリマー粒子(C)が、25℃において1,000,000mPa・s以下の粘度を有するエポキシ樹脂(A)中で良好に分散しているという利点を有する。
またエポキシ樹脂(A)の粘度は、コアシェル型ポリマー粒子(C)中にエポキシ樹脂(A)が入り込むことによりコアシェル型ポリマー粒子(C)同士の融着を防ぐことができることから、25℃において、100mPa・s以上であることがより好ましく、500mPa・s以上であることがさらに好ましく、1000mPa・s以上であることがよりさらに好ましい。
エポキシ樹脂(A)は、示差熱走査熱量測定(DSC)のサーモグラムにて25℃以下の吸熱ピークを有することが好ましく、0℃以下の吸熱ピークを有することがより好ましい。前記構成によると、エポキシ樹脂(A)は流動性に優れるという利点を有する。
(2-2.硬化剤(B))
本発明の硬化剤(B)としては、従来公知のものを広く使用することができる。例えば、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、グアニジン、オレイルアミン等の脂肪族アミン類;メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、ピペリジン、N,N’-ジメチルピペラジン、N-アミノエチルピペラジン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ポリシクロヘキシルポリアミン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7(DBU)等の脂環族アミン類;3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(ATU)、モルホリン、N-メチルモルホリン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、ポリオキシエチレンジアミン等のエーテル結合を有するアミン類;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の水酸基含有アミン類;メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、水素化無水メチルナジック酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデシル無水コハク酸等の酸無水物類;ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂;メチロール基含有尿素樹脂等の尿素樹脂;メチロール基含有メラミン樹脂等のメラミン樹脂;ダイマー酸にジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミン等のポリアミンを反応させて得られるポリアミド、ダイマー酸以外のポリカルボン酸を使ったポリアミド等のポリアミドアミン類;2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール類;ジシアンジアミド;上記アミン類にエポキシ化合物を反応させて得られるエポキシ変性アミン、上記アミン類にホルマリン、フェノール類を反応させて得られるマンニッヒ変性アミン、マイケル付加変性アミン、ケチミンといった変性アミン類等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
硬化剤(B)は、1種類を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化剤(B)は、樹脂組成物を硬化させるのに十分な量で使用され得る。典型的には、樹脂組成物中に存在するエポキシ基の少なくとも80%を消費するのに十分な量の硬化剤(B)が使用され得る。エポキシ基の消費に必要な量を超える大過剰量の硬化剤(B)は、通常必要ない。
硬化剤(B)の使用量は、硬化剤の化学的性質、エポキシ樹脂組成物および硬化物の所望の特性に依存する。硬化剤(B)がアミノ基を有する場合、エポキシ樹脂(A)が有するエポキシ基1当量に対する前記アミノ基の活性水素当量が0.8~1.2になるように硬化剤(B)は使用されることが好ましい。硬化剤(B)が酸無水物基またはフェノール性ヒドロキシ基を有する場合、エポキシ樹脂(A)が有するエポキシ基1当量に対する前記酸無水物基または前記フェノール性ヒドロキシ基の活性水素当量が0.8~1.2になるように硬化剤(B)は使用されることが好ましい。
(2-3.コアシェル型ポリマー粒子(C))
本樹脂組成物は、重合により得られる粒子であるコアシェル型ポリマー粒子(C)を含む。コアシェル型ポリマー粒子(C)は、弾性体と、当該弾性体に対してグラフト結合されたグラフト部と、を有する。それ故、コアシェル型ポリマー粒子(C)は、ゴム含有グラフト共重合体ともいえる。弾性体は、ポリオルガノシロキサンを含む。ポリオルガノシロキサンは弾性を有するため、ポリオルガノシロキサンそれ自身も弾性体といえ、「ポリオルガノシロキサンゴム」と称される場合も有る。グラフト部は、(i)(i-a)芳香族基を含む構成単位を含まないか、または、(i-b)前記グラフト部100質量%中、芳香族基を含む構成単位を0質量%超10質量%以下含み、かつ(ii)アルキルアクリレートに由来する構成単位を含む。
未架橋ゴムはエポキシ樹脂に対して分子レベルで溶解し、樹脂組成物の耐熱性を低下させ得る。また、ゴム(弾性体)単体からなる粒子は、エポキシ樹脂中において凝集し、樹脂組成物の強度を大きく低下させ得る。一方、弾性体と当該弾性体に対してグラフト結合されたグラフト部とを有するコアシェル型ポリマー粒子(C)は、エポキシ樹脂中において溶解または凝集することなく分散し得るという利点を有する。その結果、未架橋ゴムまたはゴム単体からなる粒子をエポキシ樹脂に配合する場合と比較して、コアシェル型ポリマー粒子(C)をエポキシ樹脂に配合する場合、得られる樹脂組成物全体のTgや強度を大きく下げることが無いという利点を有する。すなわち、本樹脂組成物は、耐熱性や強度に優れる硬化物を提供できるという利点も有する。
(2-3-1.弾性体)
当該弾性体は、ポリオルガノシロキサンを含む。当該構成によれば、得られる樹脂組成物が、十分な耐熱性を有し、線膨張率が低く、かつ低温での耐衝撃性に優れる硬化物を提供することができるという利点を有する。本明細書において、ポリオルガノシロキサンは、ポリシロキサンゴム、ポリシロキサン系弾性体とも称される。
(ポリオルガノシロキサン)
ポリオルガノシロキサンは、オルガノシロキサン系単位を含む。
(オルガノシロキサン系単位)
オルガノシロキサン系単位としては、特に限定されないが、例えば、(a)ジメチルシリルオキシ単位、ジエチルシリルオキシ単位、メチルフェニルシリルオキシ単位、ジフェニルシリルオキシ単位、ジメチルシリルオキシ-ジフェニルシリルオキシ単位などの、アルキルもしくはアリール2置換シリルオキシ単位、並びに(b)側鎖のアルキルの一部が水素原子に置換されたオルガノハイドロジェンシリルオキシ単位などの、アルキルもしくはアリール1置換シリルオキシ単位、などが挙げられる。ポリオルガノシロキサンは、上述したオルガノシロキサン系単位のうち、1種類のみを含んでいてもよく、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
硬化物が耐熱性に優れ、かつ硬化後の信頼性に優れることから、ポリオルガノシロキサンは、当該ポリオルガノシロキサンに含まれる全構成単位100モル%中、ジメチルシリルオキシ単位、メチルフェニルシリルオキシ単位およびジメチルシリルオキシ-ジフェニルシリルオキシ単位からなる群より選択される1種以上の構成単位を50モル%以上含むことが好ましく、60モル%以上含むことがより好ましく、70モル%以上含むことがより好ましく、80モル%以上含むことがさらに好ましく、90モル%以上含むことが特に好ましい。ジメチルシリルオキシ単位の原料は、他のオルガノシロキサン系単量体と比較して、入手がより容易であり、より安価である。それ故、入手性および経済的な観点から、ポリオルガノシロキサンは、当該ポリオルガノシロキサンに含まれる全構成単位100モル%中、ジメチルシリルオキシ単位を50モル%以上含むことがより好ましく、60モル%以上含むことがより好ましく、70モル%以上含むことがより好ましく、80モル%以上含むことがさらに好ましく、90モル%以上含むことが特に好ましい。
(構成単位U)
ポリオルガノシロキサンは、(a)分子内に1個以上の加水分解性シリル基と、(b)1個以上のエチレン性不飽和基および/またはメルカプト基と、を含有する単量体に由来する構成単位U、を含むことがより好ましい。ポリオルガノシロキサンの調製時に、原料として、(a)分子内に1個以上の加水分解性シリル基と、(b)1個以上のエチレン性不飽和基および/またはメルカプト基と、を含有する単量体(後述する単量体Mである。)を用いることにより、構成単位Uを含むポリオルガノシロキサンを得ることができる。
本発明の一実施形態で使用される単量体Mに含まれる加水分解性シリル基としては、特に限定されない。当該加水分解性シリル基としては、例えば、ハロゲノシリル基、アシロキシシリル基、アミドシリル基、アミノシリル基、アルケニルオキシシリル基、アミノキシシリル基、オキシムシリル基、アルコキシシリル基、チオアルコキシシリル基、シラノール基等が挙げられる。重合反応性に富み、かつ取り扱いが容易であることから、加水分解性シリル基としてはアルコキシシリル基が好ましい。単量体Mが分子内に2個以上の加水分解性シリル基を含む場合、複数の加水分解性シリル基は、同一であってもよく、それぞれ異なっていてもよい。
単量体Mの具体例としては、例えば、(a)ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等のビニルシラン類、(b)β-メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルジエトキシエチルシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルエトキシジメチルシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、δ-(メタ)アクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルシラン類、および(c)3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3-メルカプトプロピルメトキシメチジルシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルジエトキシメチルシラン、3-メルカプトプロピルジエトキシエチルシラン、等のメルカプトアルキルシラン類、等を挙げることができる。また、単量体Mの具体例として、p-ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、2-(m-ビニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラン、1-(m-ビニルフェニル)メチルジメチルイソプロポキシシラン、2-(p-ビニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラン、3-(p-ビニルフェノキシ)プロピルメチルジエトキシシラン、3-(p-ビニルベンゾイロキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、1-(o-ビニルフェニル)-1,1,2-トリメチル-2,2-ジメトキシジシラン、1-(p-ビニルフェニル)-1,1-ジフェニル-3-エチル-3,3-ジエトキシジシロキサン、m-ビニルフェニル-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ジフェニルシランおよび[3-(p-イソプロペニルベンゾイルアミノ)プロピル]フェニルジプロポキシシラン等も挙げられる。これらの単量体Mは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
単量体Mとしては、β-メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルジエトキシエチルシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルエトキシジメチルシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシランおよびδ-(メタ)アクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルシラン類が好ましく、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランおよび3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシランがより好ましい。当該構成によると、ポリオルガノシロキサンの存在下におけるグラフト部形成用単量体混合物の重合を効率的に実施できるという利点を有する。
ポリオルガノシロキサンは、当該ポリオルガノシロキサン100質量%中、構成単位Uを0.001質量%~10.0質量%含むことが好ましく、0.001質量%~5.0質量%含むことがより好ましく、0.01質量%~5.0質量%含むことがさらに好ましく、1.0質量%~5.0質量%含むことが特に好ましい。当該構成によると、ポリオルガノシロキサンの存在下におけるグラフト部形成用単量体混合物の重合を効率的に実施できるという利点を有する。
(ポリオルガノシロキサンの架橋構造)
ポリオルガノシロキサンの調製時に多官能性のアルコキシシラン化合物および/または多官能性単量体を使用することにより、ポリオルガノシロキサンに架橋構造を導入することができる。それ故、多官能性のアルコキシシラン化合物および多官能性単量体は、ポリオルガノシロキサンにおける架橋剤ともいえる。
多官能性のアルコキシシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラオクチルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランおよびジメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
多官能性単量体は、同一分子内にラジカル重合性反応基を2つ以上有する単量体ともいえる。前記ラジカル重合性反応基は、例えば炭素-炭素二重結合である。多官能性単量体としては、ブタジエンは含まれず、アリルアルキル(メタ)アクリレート類およびアリルオキシアルキル(メタ)アクリレート類のような、エチレン性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレートなどが例示される。本明細書において(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。(メタ)アクリル基を2つ有する単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、およびポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類が挙げられる。前記ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類としては、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレートなどが例示される。また、3つの(メタ)アクリル基を有する単量体として、アルコキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート類、グリセロールプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレートなどが例示される。アルコキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート類としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。さらに、4つの(メタ)アクリル基を有する単量体として、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、などが例示される。またさらに、5つの(メタ)アクリル基を有する単量体として、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどが例示される。またさらに、6つの(メタ)アクリル基を有する単量体として、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレートなどが例示される。多官能性単量体としては、また、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン等も挙げられる。
弾性体は、構成単位の組成(種類および含有比率)が同一である1種のポリオルガノシロキサンのみから構成されていてもよく、構成単位の組成(種類および含有比率)が異なる2種以上のポリオルガノシロキサンから構成されていてもよい。また、弾性体は、1種または2種以上のポリオルガノシロキサンに加えて、1種または2種以上のその他のゴムを含んでいてもよい。
その他のゴムとしては、例えば、(a)天然ゴム、(b)ゴムの構成単位100質量%中、ジエン系単量体に由来する構成単位を50質量%以上含むジエン系ゴム、および(c)ゴムの構成単位100質量%中、(メタ)アクリレート系単量体に由来する構成単位を50質量%以上含む(メタ)アクリレート系ゴム、などが挙げられる。
弾性体は、当該弾性体100質量部中、ポリオルガノシロキサンを55質量部~100質量部含むことが好ましく、60質量部~100質量部含むことがより好ましく、65質量部~100質量部含むことがより好ましく、70質量部~100質量部含むことがより好ましく、75質量部~100質量部含むことがより好ましく、80質量部~100質量部含むことがより好ましく、85質量部~100質量部含むことがより好ましく、90質量部~100質量部含むことがさらに好ましく、95質量部~100質量部含むことが特に好ましい。当該構成によると、硬化物の線膨張率がより低くなるという利点を有する。弾性体は、当該弾性体100質量部中、ポリオルガノシロキサンを100質量部含んでいてもよく、すなわち、弾性体はポリオルガノシロキサンのみから構成されていてもよい。
(弾性体の体積平均粒子径)
弾性体の体積平均粒子径は、0.03μm~50.00μmが好ましく、0.05μm~10.00μmがより好ましく、0.08μm~2.00μmがより好ましく、0.10μm~1.00μmが好ましく、0.10μm~0.80μmがより好ましく、0.10μm~0.50μmがより好ましく、0.10μm~0.50μmがより好ましく、0.10μm~0.50μmがより好ましく、0.15μm~0.50μmがより好ましく、0.16μm~0.40μmがより好ましく、0.18μm~0.35μmがより好ましく、0.20μm~0.33μmがさらに好ましく、0.25μm~0.33μmが特に好ましい。弾性体の体積平均粒子径が0.03μm以上である場合、所望の体積平均粒子径を有する弾性体を安定的に得ることができ、(b)50.00μm以下である場合、得られる硬化物の耐熱性および耐衝撃性が良好となる、という利点を有する。また、弾性体の体積平均粒子径が(a)0.15μm以上である場合、樹脂組成物の粘度がより低くなり、樹脂組成物がハンドリングに優れるという利点を有し、(b)0.50μm以下である場合、水性ラテックスの安定性が優れ、また弾性体の重合時間が短くなるため、工業的生産性が高くなるという利点を有する。弾性体の体積平均粒子径は、弾性体を含む水性ラテックスを試料として、動的光散乱式粒子径分布測定装置などを用いて、測定することができる。弾性体の体積平均粒子径の測定方法については、下記実施例にて詳述する。
(弾性体の割合)
コアシェル型ポリマー粒子(C)中に占める弾性体の割合は、コアシェル型ポリマー粒子(C)全体を100質量%として、40質量%~97質量%が好ましく、60質量%~95質量%がより好ましく、70質量%~93質量%がさらに好ましい。弾性体の前記割合が、(a)40質量%以上である場合、得られる樹脂組成物は、靱性および耐衝撃性に優れ、かつ低弾性率の硬化物を提供することができ、(b)97質量%以下である場合、コアシェル型ポリマー粒子(C)は容易には凝集しないため、樹脂組成物が高粘度となることがなく、その結果、得られる樹脂組成物は取り扱いに優れたものとなり得る。
(2-3-2.グラフト部)
本明細書において、弾性体に対してグラフト結合された重合体をグラフト部と称する。
グラフト部は、種々の役割を担い得る。「種々の役割」とは、例えば、(a)コアシェル型ポリマー粒子(C)とエポキシ樹脂(A)との相溶性を向上させること、(b)エポキシ樹脂(A)中におけるコアシェル型ポリマー粒子(C)の分散性を向上させること、および(c)樹脂組成物またはその硬化物においてコアシェル型ポリマー粒子(C)が一次粒子の状態で分散し、より低粘度とすることを可能にすること、などである。
グラフト部は、(i)(i-a)芳香族基を含む構成単位を含まないか、または、(i-b)グラフト部100質量%中、芳香族基を含む構成単位を0質量%超10質量%以下含み、かつ(ii)アルキルアクリレートに由来する構成単位を含む。樹脂組成物は、当該構成を有することにより、低粘度であるという利点を有する。
グラフト部における芳香族基を含む構成単位の量が少ないほど、得られる樹脂組成物は低粘度になり得る。それ故、グラフト部における芳香族基を含む構成単位の上限は、グラフト部100質量%中、8質量%以下であることが好ましく、6質量%以下であることがより好ましく、4質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。グラフト部は、芳香族基を含む構成単位を含まないことが特に好ましい。
本明細書において、「アルキルアクリレート」とは、反応性を有する官能基(例えばアルコキシ基および水酸基など)を有さないアルキルアクリレートを意図する。アルキルアクリレートの具体例としては、メチルアクリレート(MA)、エチルアクリレート(EA)、ブチルアクリレート(BA)および2-エチルヘキシルアクリレート(EHA)などが挙げられる。
グラフト部100質量%中、アルキルアクリレートに由来する構成単位の含有量は30質量%~100質量%であることが好ましく、35質量%~95質量%であることがより好ましく、40質量%~90質量%であることがより好ましく、45質量%~85質量%であることがより好ましく、50質量%~80質量%であることがより好ましく、55質量%~75質量%であることがさらに好ましく、60質量%~70質量%であることがよりさらに好ましく、63質量%~70質量%であることが特に好ましい。
当該構成によれば、より低粘度の樹脂組成物が得られるという利点を有する。
グラフト部は、炭素数1~4のアルキル基を有するアルキルアクリレートに由来する構成単位を含むことが好ましい。グラフト部は、樹脂組成物が低粘度になり作業性(ハンドリング性)に優れることから、グラフト部100質量%中、炭素数1~4のアルキル基を有するアルキルアクリレートに由来する構成単位を30質量%以上含むことが好ましく、35質量%以上含むことがより好ましく、40質量%以上含むことがより好ましく、45質量%以上含むことがより好ましく、50質量%以上含むことがより好ましく、55質量%以上含むことがより好ましく、60質量%以上含むことがさらに好ましく、63質量%以上含むことが特に好ましい。また、樹脂組成物またはその硬化物においてコアシェル型ポリマー粒子(C)が一次粒子の状態で分散することを可能にできることから、グラフト部は、グラフト部100質量%中、炭素数1~4のアルキル基を有するアルキルアクリレートに由来する構成単位を95質量%以下含むことが好ましく、90質量%以下含むことがより好ましく、85質量%以下含むことがより好ましく、80質量%以下含むことがより好ましく、75質量%以下含むことがさらに好ましく、70質量%以下含むことが特に好ましい。
グラフト部は、炭素数1のアルキル基を有するアルキルアクリレート(例えばメチルアクリレート)に由来する構成単位を含有することが好ましい。グラフト部は、樹脂組成物が低粘度になり作業性(ハンドリング性)に優れることから、グラフト部100質量%中、炭素数1のアルキル基を有するアルキルアクリレートに由来する構成単位を0質量%~100質量%含むことが好ましく、10質量%~80質量%含むことがより好ましく、15質量%~65質量%含むことがより好ましく、20質量%~50質量%含むことがさらに好ましく、25質量%~40質量%含むことが特に好ましい。
また、グラフト部は、炭素数2のアルキル基を有するアルキルアクリレート(例えばエチルアクリレート)に由来する構成単位を含有することが好ましい。グラフト部は、樹脂組成物が低粘度になり作業性(ハンドリング性)に優れることから、グラフト部100質量%中、炭素数2のアルキル基を有するアルキルアクリレートに由来する構成単位を0質量%~100質量%含むことが好ましく、10質量%~95質量%含むことがより好ましい。また、グラフト部は、炭素数3のアルキル基を有するアルキルアクリレート(例えばプロピルアクリレート)に由来する構成単位を含有することが好ましい。グラフト部は、樹脂組成物が低粘度になり作業性(ハンドリング性)に優れることから、グラフト部100質量%中、炭素数3のアルキル基を有するアルキルアクリレートに由来する構成単位を0質量%~100質量%含むことが好ましく、10質量%~95質量%含むことがより好ましい。また、グラフト部は、炭素数4のアルキル基を有するアルキルアクリレート(例えばブチルアクリレート)に由来する構成単位を含有することが好ましい。グラフト部は、樹脂組成物が低粘度になり作業性(ハンドリング性)に優れることから、グラフト部100質量%中、炭素数4のアルキル基を有するアルキルアクリレートに由来する構成単位を0質量%~100質量%含むことが好ましく、10質量%~80質量%含むことがより好ましく、15質量%~65質量%含むことがより好ましく、20質量%~50質量%含むことがさらに好ましく、25質量%~40質量%含むことが特に好ましい。
グラフト部は、炭素数1のアルキル基を有するアルキルアクリレートに由来する構成単位および炭素数4のアルキル基を有するアルキルアクリレートに由来する構成単位のうち少なくとも一方を含むことが好ましく、炭素数1のアルキル基を有するアルキルアクリレートに由来する構成単位および炭素数4のアルキル基を有するアルキルアクリレートに由来する構成単位の両方を含むことがより好ましい。当該構成によれば、得られる樹脂組成物の粘度がさらに低くなり、樹脂組成物がさらにハンドリング性に優れるという利点を有する。より具体的に、グラフト部は、樹脂組成物の低粘度化の観点から、メチルアクリレートに由来する構成単位およびブチルアクリレートに由来する構成単位のうち少なくとも一方を含むことが好ましく、メチルアクリレートに由来する構成単位およびブチルアクリレートに由来する構成単位の両方を含むことがより好ましい。
グラフト部は、炭素数1のアルキル基を有するアルキルアクリレートに由来する構成単位および炭素数4のアルキル基を有するアルキルアクリレートに由来する構成単位(例えば、メチルアクリレートに由来する構成単位およびブチルアクリレートに由来する構成単位)を合計で、グラフト部100質量%中、30質量%~95質量%含むことが好ましく、35質量%~90質量%含むことがより好ましく、40質量%~85質量%含むことがより好ましく、45質量%~80質量%含むことがより好ましく、50質量%~75質量%含むことがより好ましく、60質量%~70質量%含むことがさらに好ましく、63質量%~70質量%含むことが特に好ましい。当該構成によると、得られる樹脂組成物がさらに低粘度になり作業性(ハンドリング性)にさらに優れるという利点、および樹脂組成物またはその硬化物においてコアシェル型ポリマー粒子(C)が一次粒子の状態で分散することを可能にできるという利点を有する。
グラフト部は、アルキルメタクリレートに由来する構成単位を含んでいてもよい。本明細書において、「アルキルメタクリレート」とは、反応性を有する官能基(例えばグリシジル基、アルコキシ基および水酸基など)を有さないアルキルメタクリレートを意図する。アルキルメタクリレートの具体例としては、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート(EMA)、ブチルメタクリレート(BMA)および2-エチルヘキシルメタクリレート(EHMA)などが挙げられる。
グラフト部100質量%中、アルキルメタクリレートに由来する構成単位の含有量は0質量%~50質量%であることが好ましく、0質量%~45質量%であることがより好ましく、0質量%~40質量%であることがより好ましく、0質量%~35質量%であることがさらに好ましく、0質量%~10質量%であることが特に好ましい。当該構成によると、得られる樹脂組成物がさらに低粘度になり作業性(ハンドリング性)にさらに優れるという利点を有する。グラフト部100質量%中、アルキルメタクリレートに由来する構成単位の含有量は0質量%であってもよい。すなわち、グラフト部は、アルキルメタクリレートに由来する構成単位を含んでいなくてもよい。
グラフト部は、構成単位として、エポキシ基を有する構成単位を含むことが好ましい。前記構成によると、樹脂組成物中でコアシェル型ポリマー粒子(C)のグラフト部とエポキシ樹脂(A)とを化学結合させることができる。これにより、樹脂組成物中またはその硬化物中で、コアシェル型ポリマー粒子(C)を凝集させることなく、コアシェル型ポリマー粒子(C)の良好な分散状態を維持することができる。
エポキシ基を有する構成単位を含むグラフト部を得るためには、グラフト部の製造(重合)にて、エポキシ基を有する単量体を使用すればよい。エポキシ基を有する単量体の具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、およびアリルグリシジルエーテルなどのグリシジル基含有ビニル単量体が挙げられる。
上述したエポキシ基を有する単量体は、1種類のみが用いられてもよく、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
グラフト部は、エポキシ基を有する構成単位の中でも、アルキル(メタ)アクリレートと共重合させやすく、またコアシェル型ポリマー粒子(C)とエポキシ樹脂(A)との相溶性を確保しやすい、という観点から、グリシジルメタクリレートに由来する構成単位を含むことが好ましい。
グラフト部は、グラフト部100質量%中、エポキシ基を有する構成単位を、0質量%超50質量%以下含むことが好ましく、1質量%~45質量%含むことがより好ましく、5質量%~40質量%含むことがより好ましく、10質量%~40質量%含むことがより好ましく、15質量%~40質量%含むことがより好ましく、20質量%~40質量%含むことがより好ましく、25質量%~40質量%含むことがより好ましく、30質量%~35質量%含むことが特に好ましい。
グラフト部が、グラフト部100質量%中、エポキシ基を有する単量体に由来する構成単位を、(a)0質量%超含む場合、得られる樹脂組成物は、十分な耐衝撃性を有する硬化物を提供することができ、(b)50質量%以下含む場合、得られる樹脂組成物は、十分な耐衝撃性を有する硬化物を提供することができ、かつ、当該樹脂組成物の貯蔵安定性が良好となるという利点を有する。
グラフト部は、グラフト部100質量%中、グリシジルメタクリレートに由来する構成単位を、0質量%超50質量%以下含むことが好ましく、1質量%~45質量%含むことがより好ましく、5質量%~40質量%含むことがより好ましく、10質量%~40質量%含むことがより好ましく、15質量%~40質量%含むことがより好ましく、20質量%~40質量%含むことがより好ましく、25質量%~40質量%含むことがより好ましく、30質量%~35質量%含むことが特に好ましい。グラフト部が、グラフト部100質量%中、グリシジルメタクリレートに由来する構成単位を、(a)0質量%超含む場合、得られる樹脂組成物は、十分な耐衝撃性を有する硬化物を提供することができ、(b)50質量%以下含む場合、得られる樹脂組成物は、十分な耐衝撃性を有する硬化物を提供することができ、かつ、当該樹脂組成物の貯蔵安定性が良好となるという利点を有する。
エポキシ基は、無機充填材(例えばシリカ等)と反応(相互作用)し得る。そのため、無機充填材をさらに含む樹脂組成物のハンドリング性の観点からは、グラフト部に含まれるエポキシ基を有する構成単位の量は少ないことが好ましい。
エポキシ基を有する単量体に由来する構成単位は、グラフト部に含まれることが好ましく、グラフト部にのみ含まれることがより好ましい。
グラフト部は、構成単位として、多官能性単量体に由来する構成単位を含んでいてもよい。グラフト部が、多官能性単量体に由来する構成単位を含む場合、(a)樹脂組成物中においてコアシェル型ポリマー粒子(C)の膨潤を防止することができる、(b)樹脂組成物の粘度が低くなるため、樹脂組成物の取扱い性が良好となる傾向がある、および(c)エポキシ樹脂(A)におけるコアシェル型ポリマー粒子(C)の分散性が向上する、などの利点を有する。
グラフト部が多官能性単量体に由来する構成単位を含まない場合、グラフト部が多官能性単量体に由来する構成単位を含む場合と比較して、得られる樹脂組成物は、靱性および耐衝撃性により優れる硬化物を提供することができる。
多官能性単量体の具体例については、前記(ポリオルガノシロキサンの架橋構造)の項で説明したものと同じであるため、当該記載を援用し、ここでは説明を省略する。
多官能性単量体の中でも、グラフト部の重合に好ましく用いられ得る多官能性単量体としては、アリルメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これら多官能性単量体は、1種類のみが用いられてもよく、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
グラフト部は、グラフト部100質量%中、多官能性単量体に由来する構成単位を、1質量%~20質量%含むことが好ましく、5質量%~15質量%含むことがより好ましい。
グラフト部の重合において、上述した単量体は、1種類のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、グラフト部は、構成単位として、上述した単量体に由来する構成単位の他に、他の単量体に由来する構成単位を含んでいてもよい。
グラフト部100質量%中における、アルコキシ基を含む構成単位、アリールオキシ基を含む構成単位、オキセタン基を含む構成単位、水酸基を含む構成単位、アミノ基を含む構成単位、イミド基を含む構成単位、カルボン酸基を含む構成単位、カルボン酸無水物基を含む構成単位、環状エステル基を含む構成単位、環状アミド基を含む構成単位、ベンズオキサジン基を含む構成単位、およびシアン酸エステル基を含む構成単位の合計量は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、0質量%であることが特に好ましい。すなわち、グラフト部は、アルコキシ基を含む構成単位、アリールオキシ基を含む構成単位、オキセタン基を含む構成単位、水酸基を含む構成単位、アミノ基を含む構成単位、イミド基を含む構成単位、カルボン酸基を含む構成単位、カルボン酸無水物基を含む構成単位、環状エステル基を含む構成単位、環状アミド基を含む構成単位、ベンズオキサジン基を含む構成単位、およびシアン酸エステル基を含む構成単位を含まない重合体であることが好ましい。上述した構成単位は、無機充填材と相互作用し得る。そのため、グラフト部における上述した構成単位の合計量が少ないほど、得られる樹脂組成物が低粘度であるという利点を有する。
コアシェル型ポリマー粒子同士の相互作用が低下し、その結果、エポキシ樹脂組成物の粘度上昇を低減できることから、グラフト部中の、アクリロニトリルに由来する構成単位は少ないほど好ましい。例えば、グラフト部100質量%中、アクリロニトリルに由来する構成単位の含有量は40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましく、0質量%であることが特に好ましい。すなわち、グラフト部は、アクリロニトリルに由来する構成単位を含まないことが特に好ましい。
コアシェル型ポリマー粒子(C)の製造において弾性体とグラフト部とがこの順で重合される場合、得られるコアシェル型ポリマー粒子(C)において、グラフト部の少なくとも一部分は、弾性体の少なくとも一部分を被覆し得る。弾性体とグラフト部とがこの順で重合されるとは、換言すれば、弾性体とグラフト部とが多段重合されるともいえる。弾性体とグラフト部とを多段重合して得られるコアシェル型ポリマー粒子(C)は、多段重合体ともいえる。
コアシェル型ポリマー粒子(C)が、弾性体とグラフト部とがこの順で重合されてなる多段重合体である場合(以下、場合Aとする)について説明する。場合Aにおいて、グラフト部は弾性体の少なくとも一部を被覆し得るか、または弾性体の全体を被覆し得る。また場合Aにおいて、グラフト部の一部は弾性体の内側に入り込んでいることもある。グラフト部の少なくとも一部分は、弾性体の少なくとも一部分を被覆していることが好ましい。換言すれば、グラフト部の少なくとも一部分は、コアシェル型ポリマー粒子(C)の最も外側に存在することが好ましい。
場合Aにおいて、弾性体およびグラフト部が、層構造を形成していてもよい。例えば、弾性体が最内層(コア層とも称する。)を形成し、弾性体の外側にグラフト部の層が最外層(シェル層とも称する。)として形成される態様も、本発明の一態様である。弾性体をコア層とし、グラフト部をシェル層とする構造はコアシェル構造ともいえる。このように、弾性体およびグラフト部が層構造(コアシェル構造)を形成しているコアシェル型ポリマー粒子(C)は、多層重合体またはコアシェル重合体ともいえる。すなわち、本発明の一実施形態において、コアシェル型ポリマー粒子(C)は、多段重合体であってもよく、かつ/または、多層重合体もしくはコアシェル重合体であってもよい。ただし、弾性体と、当該弾性体にグラフト結合されたグラフト部を有している限り、コアシェル型ポリマー粒子(C)は前記構成に制限されるわけではない。
(2-3-3.表面架橋重合体)
コアシェル型ポリマー粒子(C)は、弾性体、および、当該弾性体に対してグラフト結合されたグラフト部以外に、表面架橋重合体を有していてもよい。コアシェル型ポリマー粒子(C)が表面架橋重合体を有する場合、(a)コアシェル型ポリマー粒子(C)の製造において、耐ブロッキング性を改善することができるという利点、(b)エポキシ樹脂(A)におけるコアシェル型ポリマー粒子(C)の分散性がより良好となるという利点、(c)得られる樹脂組成物の粘度がより低くなるという利点、(d)弾性体における架橋密度を向上させることができるという利点、および(e)グラフト部のグラフト効率を向上させることができるという利点、を有する。
表面架橋重合体は、構成単位として、多官能性単量体に由来する構成単位を30~100質量%、およびその他のビニル系単量体に由来する構成単位を0~70質量%、合計100質量%含む重合体からなる。
多官能性単量体の具体例については、前記(ポリオルガノシロキサンの架橋構造)の項で説明したものと同じであるため、当該記載を援用し、ここでは説明を省略する。
多官能性単量体の中でも、表面架橋重合体の重合に好ましく用いられ得る多官能性単量体としては、アリルメタクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えばジメタクリル酸1,3-ブチレングリコールなど)、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレートおよびポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類が挙げられる。これら多官能性単量体は、1種類のみが用いられてもよく、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
表面架橋重合体は、弾性体の一部とみなすこともできる。コアシェル型ポリマー粒子(C)が表面架橋重合体を含む場合、上述した弾性体の体積平均粒子径とは、表面架橋重合体を含む弾性体の体積平均粒子径を意図する。
コアシェル型ポリマー粒子(C)が、弾性体と表面架橋重合体とグラフト部とをこの順に多段重合して得られる多段重合体である場合(以下、場合Bとする)について説明する。場合Bにおいて、表面架橋重合体は、弾性体の一部を被覆し得るか、または弾性体の全体を被覆し得る。場合Bにおいて、表面架橋重合体の一部は弾性体の内側に入り込んでいることもある。場合Bにおいて、グラフト部は、表面架橋重合体の一部を被覆し得るか、または表面架橋重合体の全体を被覆し得る。場合Bにおいて、グラフト部の一部は表面架橋重合体の内側に入り込んでいることもある。場合Bにおいて、弾性体、表面架橋重合体およびグラフト部が、層構造を有していてもよい。例えば、弾性体を最内層(コア層)とし、弾性体の外側に表面架橋重合体の層が中間層として存在し、表面架橋重合体の外側にグラフト部の層が最外層(シェル層)として存在する態様も、本発明の一態様である。
(2-3-4.コアシェル型ポリマー粒子(C)の体積平均粒子径(Mv))
コアシェル型ポリマー粒子(C)の体積平均粒子径は、特に限定されない。工業的生産性と樹脂組成物の作業性の観点から、すなわち粘度が低い樹脂組成物を得ることができることから、コアシェル型ポリマー粒子(C)の体積平均粒子径は、例えば、0.03μm~50.00μmが好ましく、0.05μm~10.00μmがより好ましく、0.08μm~2.00μmがより好ましく、0.10μm~1.00μmが好ましく、0.10μm~0.80μmがより好ましく、0.10μm~0.50μmがより好ましく、0.10μm~0.50μmがより好ましく、0.10μm~0.50μmがより好ましく、0.15μm~0.50μmがより好ましく、0.16μm~0.40μmがより好ましく、0.18μm~0.35μmがより好ましく、0.20μm~0.33μmがさらに好ましく、0.25μm~0.33μmが特に好ましい。特に、コアシェル型ポリマー粒子(C)の体積平均粒子径を、(a)0.15μm以上とすることで、樹脂組成物の粘度が低くなり、樹脂組成物がハンドリング性に優れるという利点を有し、(b)0.33μm以下とすることで、コアシェル型ポリマー粒子(C)の重合時間が短くなり、工業的生産性が高くなるという利点を有する。なお、コアシェル型ポリマー粒子の体積平均粒子径は、コアシェル型ポリマー粒子のラテックスについて、マイクロトラックUPA150(日機装株式会社製)を用いて測定される体積平均粒子径(Mv)である。
コアシェル型ポリマー粒子(C)は樹脂組成物中で1次粒子の状態で分散していることが好ましい。本願明細書における「コアシェル型ポリマー粒子(C)が1次粒子の状態で分散している」とは、コアシェル型ポリマー粒子(C)同士が実質的に独立して(接触なく)分散していることを意味し、その分散状態は、例えば、樹脂組成物の一部をメチルエチルケトンのような溶剤に溶解し、これをレーザー光散乱による粒子径測定装置等により、その粒子径を測定することにより確認できる。
前記粒子径測定による体積平均粒子径(Mv)/個数平均粒子径(Mn)の値は、特に制限されないが、3.0以下であることが好ましく、2.5以下がより好ましく、2.0以下が更に好ましく、1.5以下が特に好ましい。体積平均粒子径(Mv)/個数平均粒子径(Mn)が3.0以下であれば、コアシェル型ポリマー粒子(C)が良好に分散していると考えられ、得られる硬化物の耐衝撃性および接着性などの物性が良好になる。
なお、体積平均粒子径(Mv)/個数平均粒子径(Mn)は、マイクロトラックUPA(日機装株式会社製)を用いて測定し、MvをMnで除することによって求めることができる。
エポキシ樹脂(A)中におけるコアシェル型ポリマー粒子(C)の体積平均粒子径の個数分布は、低粘度であり取り扱い易い樹脂組成物が得られることから、体積平均粒子径の0.5倍以上1倍以下の半値幅を有することが好ましい。
(2-3-5.コアシェル型ポリマー粒子(C)の製造方法)
コアシェル型ポリマー粒子(C)の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、マイクロサスペンジョン重合法などの方法により製造することができる。コアシェル型ポリマー粒子(C)の製造方法としては、例えば、ポリオルガノシロキサン形成用単量体混合物を重合してポリオルガノシロキサンを得る工程1と、工程1で得られた前記ポリオルガノシロキサンの存在下でグラフト部形成用単量体混合物を重合する工程2とを有する製造方法が挙げられる。かかる製造方法を例に挙げて、以下、コアシェル型ポリマー粒子(C)の製造方法を詳説する。
(工程1)
工程1は、ポリオルガノシロキサンを調製する工程である。
ポリオルガノシロキサン形成用単量体混合物はオルガノシロキサンを含む。オルガノシロキサンとしては特に限定されない。工程1では、例えば、前記(オルガノシロキサン系単位)の項に記載の構成単位を有するポリオルガノシロキサンが得られるように、公知のオルガノシロキサンを用いることが好ましい。
工程1では、例えば、(a)ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジメチルジアルコキシシラン類、(b)ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン、ジメチルサイクリックス(ジメチルシロキサン環状オリゴマー3~7量体混合物)等の3員環以上の各種のオルガノシロキサン系環状体、および(c)ジメチルジクロロシラン等を原料のオルガノシロキサンとして使用できる。その他、直鎖状または分岐状のオルガノシロキサンも、原料のオルガノシロキサンとして使用できる。
工程1では、オルガノシロキサンとして、あらかじめ重合されたポリオルガノシロキサンを使用してもよい。この場合、ポリオルガノシロキサンの分子鎖末端は、水酸基、アルコキシ基、トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、メチルフェニルビニルシリル基、メチルジフェニルシリル基等で封鎖されていてもよい。
入手し易く、かつポリオルガノシロキサンを調製し易いことから、工程1で使用する原料のオルガノシロキサンとしては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン、ジメチルサイクリックス(ジメチルシロキサン環状オリゴマー3~7量体混合物)等の3員環以上の各種のオルガノシロキサン系環状体が好ましい。
ポリオルガノシロキサン形成用単量体混合物は、上述した単量体Mを含むことが好ましい。
工程1における単量体Mの使用量は、得られるポリオルガノシロキサンにおける構成単位Uの含有量と相関する。工程1における単量体Mの使用量は、特に限定されないが、ポリオルガノシロキサン100質量%中、構成単位Uの含有量が0.001質量%~10.0質量%となるような使用量であることが好ましい。工程1における単量体Mの使用量は、例えば、ポリオルガノシロキサン形成用単量体混合物100質量%中、0.001質量%~10.0質量%であることが好ましく、0.001質量%~5.0質量%であることがより好ましく、0.01質量%~5.0質量%であることがさらに好ましく、1.0質量%~5.0質量%であることが特に好ましい。当該構成によると、(a)ポリオルガノシロキサンの存在下におけるグラフト部形成用単量体混合物の重合を効率的に実施できる、という利点を有する。
工程1において、オルガノシロキサンと単量体Mとの重合方法としては特に限定されないが、例えば、酸性乳化剤の存在下で行う公知の乳化重合法が挙げられる。
酸性乳化剤としては、特に限定されないが、オルガノシロキサン系環状体を使用する場合は、オルガノシロキサン系環状体を開環できるものが好ましい。酸性乳化剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸が好適に挙げられる。酸性乳化剤の使用量としては特に限定されず、(a)ポリオルガノシロキサンおよびコアシェル型ポリマー粒子(C)の所望する体積平均粒子径、(b)反応溶液中の固形分(単量体混合物)濃度、(c)重合温度などの重合条件、並びに(d)界面活性剤など添加剤の使用の有無および使用量、などに応じて適宜設定すればよい。
得られるポリオルガノシロキサンの体積平均粒子径は、(a)原料の予備分散の程度、(b)乳化剤の使用量、(c)重合温度、および(d)原料の供給方法などによって制御できる。
酸性乳化剤の存在下で行う乳化重合によりポリオルガノシロキサンを得る場合、得られる水性ラテックスは強い酸性であるので、重合反応終了後に中和することが好ましい。中和に使用される塩基性化合物としては、特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、トリエチルアミン等が挙げられる。これら塩基性化合物を直接、又は水溶液で、ポリオルガノシロキサンを含む水性ラテックスに添加することにより、水性ラテックスを中和できる。
弾性体が、ジエン系ゴムおよび(メタ)アクリレート系ゴムなどを含む場合、ジエン系ゴムおよび(メタ)アクリレート系ゴムは、例えば、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合などの方法により製造することができる。ジエン系ゴムおよび(メタ)アクリレート系ゴムの製造方法としては、例えばWO2005/028546号公報に記載の方法を用いることができる。
(工程2)
工程2は、ポリオルガノシロキサンに対してグラフト結合したグラフト部を調製する工程である。
グラフト部は、ポリオルガノシロキサンの存在下、グラフト部の形成に用いる単量体(グラフト部形成用単量体混合物)を、公知のラジカル重合により重合することによって形成することができる。ポリオルガノシロキサンを上述した酸性乳化剤の存在下の乳化重合で得た場合(すなわち、ポリオルガノシロキサンを水性ラテックスとして得た場合)には、グラフト部の重合は乳化重合法により行うことが好ましい。グラフト部は、例えば、WO2005/028546号公報に記載の方法に従って製造することができる。
グラフト部形成用単量体混合物に含まれる単量体の種類および量により、得られるグラフト部の構成単位の種類および量が決定され得る。それ故、グラフト部形成用単量体混合物に含まれる単量体の種類および量は、前記(グラフト部)の項に記載のグラフト部が得られるように、適宜設定すればよい。例えば、グラフト部形成用単量体混合物は、(i)(i-a)芳香族基を含む単量体を含まないか、または、(i-b)前記グラフト部形成用単量体混合物100質量%中、芳香族基を含む単量体を0質量%超10質量%以下含み、かつ(ii)アルキルアクリレートを含む。
工程2において、乳化重合法を採用する場合、ラジカル重合開始剤として、熱分解型開始剤を用いることができる。前記熱分解型開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、過酸化水素、過硫酸カリウム、および過硫酸アンモニウムなどの公知の開始剤を挙げることができる。
ラジカル重合開始剤としては、レドックス型開始剤を使用することもできる。前記レドックス型開始剤は、(a)有機過酸化物および無機過酸化物などの過酸化物と、(b)必要に応じてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、グルコースなどの還元剤、および必要に応じて硫酸鉄(II)などの遷移金属塩、さらに必要に応じてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムなどのキレート剤、さらに必要に応じてピロリン酸ナトリウムなどのリン含有化合物などと、を併用した開始剤である。前記有機過酸化物としては、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、パラメンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、およびt-ヘキシルパーオキサイドなどが挙げられる。前記無機過酸化物としては、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
工程2では、連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては特に限定されず、t-ドデシルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、ノルマルオクチルメルカプタンおよびチオグリコール酸2-エチルヘキシルなどの公知の連鎖移動剤を使用できる。
また、本製造方法において、ポリオルガノシロキサン形成用単量体混合物およびグラフト部形成用単量体混合物の使用割合は特に限定されない。ポリオルガノシロキサン形成用単量体混合物およびグラフト部形成用単量体混合物の使用割合は、(a)弾性体中のポリオルガノシロキサンの含有量、および(b)コアシェル型ポリマー粒子(C)中に占める弾性体の割合等に応じて、適宜設定すればよい。例えば、ポリオルガノシロキサン形成用単量体混合物およびグラフト部形成用単量体混合物の合計100質量%中、ポリオルガノシロキサン形成用単量体混合物の使用量は、40質量%~97質量%が好ましく、60質量%~95質量%がより好ましく、70質量%~93質量%がさらに好ましい。当該構成によると、硬化物が靱性および耐衝撃性に優れるという利点、並びに、樹脂組成物が低粘度となり、充填性および取り扱い性に優れるという利点を有する。
コアシェル型ポリマー粒子(C)の製造における各単量体混合物の重合には、上述した成分に加えて、さらに、乳化剤および界面活性剤を用いることができる。前記乳化剤および界面活性剤の種類および使用量は、公知の範囲である。
コアシェル型ポリマー粒子(C)の製造において、各単量体混合物の重合における重合温度、圧力、および脱酸素などの条件は、公知の範囲のものを適用することができる。
(2-3-6.コアシェル型ポリマー粒子(C)の含有量)
本樹脂組成物におけるコアシェル型ポリマー粒子(C)の含有量は、特に限定されず、樹脂組成物および硬化物の所望の物性(例えば、樹脂組成物の所望の粘度、硬化物の所望の弾性率など)に応じて、適宜設定すればよい。
硬化物の低弾性率化と、樹脂組成物の低粘度化との両立の観点から、樹脂組成物におけるコアシェル型ポリマー粒子(C)の含有量は適切な範囲に収めることが好ましい。例えば、本樹脂組成物は、樹脂組成物100質量%中、コアシェル型ポリマー粒子(C)を1質量%~20質量%含むことが好ましく、2質量%~10質量%含むことがより好ましく、3質量%~6質量%含むことがさらに好ましい。当該構成によると、硬化物の弾性率を十分に低下させるとともに、樹脂組成物の粘度も低下させることができるという利点を有する。
樹脂組成物の粘度を十分に低下させることができ、かつ硬化物の線膨張率を十分に低下させることができることから、本樹脂組成物におけるコアシェル型ポリマー粒子(C)の含有量は、コアシェル型ポリマー粒子(C)とエポキシ樹脂(A)との合計を100質量%とした場合に、(a)コアシェル型ポリマー粒子(C)が1質量%以上40質量%以下であり、かつエポキシ樹脂(A)が60質量%以上99質量%以下であることが好ましく、(b)コアシェル型ポリマー粒子(C)が1質量%以上35質量%以下であり、かつエポキシ樹脂(A)が65質量%以上99質量%以下であることがより好ましく、(c)コアシェル型ポリマー粒子(C)が1質量%以上30質量%以下であり、かつエポキシ樹脂(A)が70質量%以上99質量%以下であることがさらに好ましく、(d)コアシェル型ポリマー粒子(C)が1質量%以上25質量%以下であり、かつエポキシ樹脂(A)が75質量%以上99質量%以下であることが特に好ましい。
(2-4.無機充填材(D))
本樹脂組成物は、無機充填材(D)を含む。本樹脂組成物が無機充填材(D)を含むことにより、本樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の線膨張率を低減させることができるという利点を有する。さらに、本樹脂組成物が無機充填材を含む場合、当該樹脂組成物から得られる硬化物が強度および難燃性に優れるという利点も有する。
無機充填材(D)としては、二酸化ケイ素、ケイ酸、ケイ酸塩、ドロマイト、補強性充填材、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化第二鉄、水酸化アルミニウム、アルミニウム微粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華などが挙げられる。
二酸化ケイ素、およびケイ酸に分類される湿式シリカおよび乾式シリカを総称して「シリカ」と称される場合がある。
前記乾式シリカはヒュームドシリカとも称される。前記乾式シリカとしては、表面無処理の親水性ヒュームドシリカと、親水性ヒュームドシリカのシラノール基部分にシランおよび/またはシロキサンで化学的に処理することによって製造された疎水性ヒュームドシリカとが挙げられる。前記乾式シリカとしては、(a)作業性に優れることから、親水性ヒュームドシリカが好ましく、(b)エポキシ樹脂(A)への分散性に優れ、かつ得られる樹脂組成物が貯蔵安定性に優れることから、疎水性ヒュームドシリカが好ましい。
乾式シリカの製造方法としては、(a)ハロゲン化ケイ素の分解により製造するアエロジル法、および(b)ケイ砂を加熱して還元した後、空気により酸化してケイ酸を得るアーク法、等が挙げられるが、特に限定はない。乾式シリカの製造方法としては、入手性の点からアエロジル法が好ましい。
疎水性ヒュームドシリカの表面処理剤としては、シランカップリング剤、オクタメチルテトラシクロシロキサン、ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。前記シランカップリング剤としては、ジメチルジクロロシラン、(メタ)アクリルシラン、ヘキサメチルジシラザン、オクチルシラン、ヘキサデシルシラン、アミノシラン、メタクリルシランなどが挙げられる。エポキシ樹脂(A)への分散安定性、および得られる樹脂組成物の貯蔵安定性に優れることから、ポリジメチルシロキサンで表面処理された疎水性ヒュームドシリカが好ましい。
前記ケイ酸塩としては、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ウォラストナイト、タルク、などが挙げられる。
前記炭酸カルシウムとしては、重質炭酸カルシウムおよび膠質炭酸カルシウムなどが挙げられる。
無機充填材(D)は、表面処理剤により表面処理されていることが好ましい。表面処理により無機充填材(D)の樹脂組成物への分散性が向上し、その結果、得られる硬化物の各種物性が向上する。
無機充填材(D)の表面処理剤としては、例えば、飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸などの脂肪酸、樹脂酸、およびシランカップリング剤などが挙げられる。
無機充填材(D)は1種類を単独で用いても良く2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明の一実施形態において、無機充填材(D)は、シリカを含むことが好ましい。当該構成によれば、本樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の線膨張率をより低減させることができるという利点を有する。
無機充填材(D)は、当該無機充填材(D)100質量%中、シリカを60質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましく、80質量%以上含むことがさらに好ましく、90質量%以上含むことがよりさらに好ましく、95質量%以上含むことが特に好ましい。無機充填材(D)は、当該無機充填材(D)100質量%中、シリカを100質量%含んでいてもよく、すなわち無機充填材(D)はシリカのみから構成されていてもよい。
無機充填材(D)の体積平均粒子径は、特に限定されない。ここで、無機充填材(D)の体積平均粒子径が大きいほど、樹脂組成物の粘度を低下させることができるが、硬化物は脆くなりやすい。一方、無機充填材(D)の体積平均粒子径が小さいほど、硬化物は脆くなりにくいが、樹脂組成物の粘度は上昇しやすい。当該傾向に基づき、樹脂組成物の低粘度化と、硬化物の脆くなり難さとの両立の観点から、無機充填材(D)の体積平均粒子径は、0.01μm~10.00μmであることが好ましく、0.05μm~5.00μmであることがより好ましく、0.10μm~3.00μmであることがより好ましく、0.20μm~2.00μmであることがさらに好ましく、0.20μm~1.00μmであることがよりさらに好ましく、0.20μm~0.80μmであることが特に好ましい。
本樹脂組成物中の無機充填材(D)の含有量について説明する。無機充填材(D)の含有量が多いほど線膨張率を低減させることができ、また含有量が少ないほど樹脂組成物の粘度を低減させることができる。上記を鑑みて、硬化物の低線膨張率化と、樹脂組成物の低粘度化との両立の観点から、無機充填材(D)の含有量は、樹脂組成物100質量%中、0.1質量%~70.0質量%であることが好ましく、1.0質量%~65.0質量%であることがより好ましく、10.0質量%~60.0質量%であることがさらに好ましく、20.0質量%~55.0質量%であることが特に好ましい。
(2-5.その他の成分)
本樹脂組成物は、必要に応じて、前述した成分以外の、その他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、硬化促進剤、有機質充填材、ブロッキング防止剤、顔料および染料などの着色剤、体質顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定化剤(ゲル化防止剤)、可塑剤、レベリング剤、消泡剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、減粘剤、低収縮剤、乾燥剤、並びに分散剤などが挙げられる。
樹脂組成物は、硬化促進剤を含有することができる。硬化促進剤は、エポキシ樹脂(A)と反応して架橋を形成することが困難な化合物であるが、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)とによる硬化反応を加速することができる。
硬化促進剤としては、例えば、アルキレン基の炭素数が1~12であるアルキレンイミダゾール、N-アリールイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、N-ブチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、エポキシ樹脂とイミダゾールとの付加生成物、などのイミダゾール類;N,N-ジメチルピペラジン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアミンなどの3級アミン類;2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ポリ(p-ビニルフェノール)マトリックスに組み込まれた2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、p-t-ブチルフェノール、フェノール、4-メトキシフェノール、レゾルシノール、カテコール、4-t-ブチルカテコールなどのフェノール類;等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂(A)との相溶性、硬化温度および保存安定性の観点から、硬化促進剤としてはイミダゾール類が好ましい。硬化促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記硬化剤(B)100質量部に対する前記硬化促進剤の配合量は、硬化性の観点から、0.1質量部~5.0質量部が好ましく、0.3質量部~3.0質量部がより好ましく、0.5質量部~2.0質量部が更に好ましく、0.8質量部~1.2質量部が特に好ましい。
(2-6.樹脂組成物の製造方法)
本樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)中にコアシェル型ポリマー粒子(C)を含有する組成物を含み、好ましくは、エポキシ樹脂(A)中においてコアシェル型ポリマー粒子(C)が1次粒子の状態で分散している組成物を含む。このような、エポキシ樹脂(A)中にコアシェル型ポリマー粒子(C)が1次粒子の状態で分散している組成物(以下、「コアシェル型ポリマー粒子分散組成物」とも称する。)を得る方法としては、種々の方法が利用できる。
コアシェル型ポリマー粒子分散組成物の製造方法としては、例えば、以下の(i)および(ii)等の方法が挙げられる:
(i)(i-1)コアシェル型ポリマー粒子(C)を含む水性ラテックスを得、(i-2)次いで、当該水性ラテックスをエポキシ樹脂(A)と接触させ、(i-3)続いて、得られた混合物から水等の不要な成分を除去する方法;および
(ii)(ii-1)コアシェル型ポリマー粒子(C)を含む水性ラテックスを得、(ii-2)次いで、水性ラテックス中のコアシェル型ポリマー粒子を一旦有機溶剤に抽出し、(ii-2)続いて、得られたコアシェル型ポリマー粒子(C)の有機溶媒溶液とエポキシ樹脂(A)とを混合し、(ii-3)次いで、得られた混合物から有機溶剤を除去する方法。
コアシェル型ポリマー粒子分散組成物の製造方法としては、国際公開第2005/028546号に記載の方法を利用することが好ましい。
コアシェル型ポリマー粒子分散組成物の製造方法の具体的な態様は、例えば、順に、(i)コアシェル型ポリマー粒子(C)を含有する水性ラテックスを調製する(換言すれば、乳化重合によってコアシェル型ポリマー粒子(C)を調製する)第1工程、(ii)コアシェル型ポリマー粒子(C)を含有する水性ラテックス(詳細には、乳化重合によってコアシェル型ポリマー粒子(C)を製造した後の反応混合物)を、20℃における水に対する溶解度が5質量%以上40質量%以下の有機溶媒と混合した後、得られた混合物にさらに過剰の水を添加し、得られた混合物を混合して、コアシェル型ポリマー粒子(C)を凝集させる第2工程と、(iii)凝集したコアシェル型ポリマー粒子(C)を混合物(液相)から分離し、回収した後、回収されたコアシェル型ポリマー粒子(C)を再度有機溶媒と混合して、コアシェル型ポリマー粒子(C)の有機溶媒溶液を得る第3工程と、(iv)得られた有機溶媒溶液をさらにエポキシ樹脂(A)と混合した後、前記有機溶媒を留去する第4工程と、を含む。コアシェル型ポリマー粒子分散組成物は、上述した第1工程、第2工程、第3工程および第4工程を含む製造方法により調製されることが好ましい。
前記第4工程が容易となるため、エポキシ樹脂(A)は23℃で液状であることが好ましい。「エポキシ樹脂(A)は23℃で液状である」とは、エポキシ樹脂(A)の軟化点が23℃以下であることを意味し、エポキシ樹脂(A)が23℃で流動性を示すものであることを意味する。
上記の工程(第1工程~第4工程)を経て得られた、コアシェル型ポリマー粒子分散組成物に、更に硬化剤(B)および無機充填材(D)を添加し、得られた混合物を混合することにより、本樹脂組成物を得ることができる。コアシェル型ポリマー粒子分散組成物に、硬化剤(B)および無機充填材(D)を添加するとき、必要に応じてエポキシ樹脂(A)を更に添加し、得られた混合物を混合してもよい。また、本樹脂組成物の製造において、コアシェル型ポリマー粒子分散組成物に、硬化促進剤および前記その他配合成分の各成分を、必要により更に添加し、得られた混合物を混合してもよい。
一方、コアシェル型ポリマー粒子(C)を含む水性ラテックスを用いて、塩析などの方法によりコアシェル型ポリマー粒子(C)を凝固させた後に、得られる凝固物を乾燥させることにより、粉体状のコアシェル型ポリマー粒子(C)を得ることができる。当該粉体状のコアシェル型ポリマー粒子(C)を、3本ペイントロール、ロールミル、ニーダーなどの高い機械的せん断力を有する分散機を用いてエポキシ樹脂(A)中に再分散させることにより、コアシェル型ポリマー粒子分散組成物を製造することも可能である。このとき、エポキシ樹脂(A)およびコアシェル型ポリマー粒子(C)の混合物に対して、高温で機械的せん断力を与えることにより、効率良く、エポキシ樹脂(A)中にコアシェル型ポリマー粒子(C)を(好ましくは1次粒子の状態で)分散させることができる。分散させるときの温度(せん断力を与えるときの温度)は、50℃~200℃が好ましく、70℃~170℃がより好ましく、80℃~150℃が更に好ましく、90℃~120℃が特に好ましい。分散させるときの温度が、(a)50℃以上である場合、エポキシ樹脂(A)中にコアシェル型ポリマー粒子(C)を十分に分散させることができ、(b)200℃以下である場合、エポキシ樹脂(A)およびコアシェル型ポリマー粒子(C)が熱劣化する虞がない、という利点を有する。
〔3.半導体封止材〕
本樹脂組成物は、低粘度であり、かつ、線膨張率および弾性率が低い硬化物を提供できるため、半導体用の封止材(半導体封止材)として使用した場合に、特に有益である。また、本樹脂組成物は、様々な封止材に用い得るが、アンダーフィル用封止材に好適である。本樹脂組成物を用いて調製された半導体封止材もまた、本発明の一実施形態である。換言すれば、本発明の一実施形態に係る半導体封止材は、前記〔2.樹脂組成物〕の項で説明した本発明の一実施形態に係る樹脂組成物を含む。
本発明の一実施形態に係る半導体封止材は、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物を含むことにより、充填性に優れるとともに、得られる硬化物が低線膨張率および低弾性率であるという利点を有する。また、本樹脂組成物は耐熱性にも優れるため、本発明の一実施形態に係る半導体封止材は、得られる硬化物が耐熱性に優れるという利点も有する。
本発明の一実施形態に係る半導体封止材は、任意の方法によって使用(充填)可能である。本発明の一実施形態に係る半導体封止材の使用方法(充填方法)としては、特に限定されず、例えば、トランスファー成形法、ポッティング法、インジェクション法、キャスティング法、注型法および封入法等の方法を用いることができる。本発明の一実施形態に係る半導体封止材は、充填性に優れるため、キャピラリーフロー方式に特に適している。
〔4.硬化物〕
本発明の一実施形態に係る硬化物は、〔2.樹脂組成物〕の項で説明した樹脂組成物を硬化させたものである。本明細書において、「本発明の一実施形態に係る硬化物」を、単に「本硬化物」と称する場合もある。
本硬化物は、前記構成を有するため、線膨張率および弾性率が低いという利点を有する。
(4-1.硬化物の製造方法)
本硬化物の製造方法は、前記〔2.樹脂組成物〕の項で説明した本樹脂組成物を硬化させる工程を有する限り、特に限定されない。硬化物の製造方法は、樹脂組成物の硬化方法ともいえる。
本硬化物の製造方法としては、具体的には、例えば、樹脂組成物を加熱する方法、樹脂組成物に光を照射する方法、加熱する方法および光照射する方法などが挙げられる。
〔5.用途〕
上述した本樹脂組成物は、半導体封止材の他にも、様々な用途に使用することができ、それらの用途は特に限定されない。本樹脂組成物等は、それぞれ、例えば、接着剤、コーティング材、強化繊維のバインダー、複合材料、3Dプリンターの造形材料、電子基板、インキバインダー、木材チップバインダー、ゴムチップ用バインダー、フォームチップバインダー、鋳物用バインダー、床材用およびセラミック用の岩盤固結材、ウレタンフォームなどの用途に好ましく用いられる。接着剤としては、一成分型接着剤、二成分型接着剤などが挙げられる。ウレタンフォームとしては、自動車シート、自動車内装部品、吸音材、制振材、ショックアブソーバー(衝撃吸収材)、断熱材、工事用床材クッションなどが挙げられる。
本樹脂組成物の半導体封止材以外の用途としては、上述した中でも、接着剤、コーティング材、強化繊維のバインダー、複合材料、3Dプリンターの造形材料、および電子基板がより好ましい。
以下、実施例および比較例によって本発明の一実施形態をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の一実施形態は、前記または後記の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更して実施することが可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
なお下記実施例および比較例において「部」および「%」とあるのは、質量部または質量%を意味する。
[評価方法]
先ず、実施例および比較例における各種の評価方法について、以下説明する。
[1]コアシェル型ポリマー粒子(C)の体積平均粒子径の測定
水性ラテックスに分散しているコアシェル型ポリマー粒子(C)の体積平均粒子径(Mv)は、日機装株式会社製ナノトラックWave EX-150を用いて測定した。水性ラテックスを脱イオン水で希釈したものを測定試料として用いた。水の屈折率、およびコアシェル型ポリマー粒子(C)の屈折率を装置に入力し、計測時間120秒、Signal Levelが0.6~0.8の範囲内になるように試料濃度を調整して測定を行った。
[2]エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂組成物の粘度の測定
エポキシ樹脂組成物の粘度は、BROOKFIELD社製デジタル粘度計DV-II+Pro型(E型粘度計)を用いて測定した。スピンドルはCPE-52を使用した。また測定温度は25℃とした。
なお、本実施例において、上述した方法により測定した樹脂組成物の粘度が23,000mPa・s以下である場合、「樹脂組成物が低粘度である」と判定した。
[3]エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物の線膨張率の測定
エポキシ樹脂組成物を150℃で1時間硬化させて得られた硬化物の線膨張率を、株式会社日立ハイテクサイエンス製熱機械分析装置TMA7100を用いて測定した。測定温度の範囲は80℃~250℃であった。また線膨張率の解析は、80℃~130℃の範囲で測定したデータを用いた。
なお、本実施例において、上述した方法により測定した硬化物の線膨張率が4.50×10-5/℃以下である場合、「硬化物の線膨張率が低い」と判定した。
[4]エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物の引張弾性率の測定
エポキシ樹脂組成物を150℃で1時間硬化させて得られた硬化物の引張弾性率を、アイティー計測制御株式会社製動的粘弾性測定装置DVA-200を用いて測定した。測定温度の範囲は40℃~250℃であった。測定温度の範囲は-10℃~50℃であった。また引張弾性率の解析は、25℃の貯蔵弾性率の値を用いた。
なお、本実施例において、上述した方法により測定した硬化物の引張弾性率が6500MPa以下である場合、「硬化物の弾性率が低い」と判定した。
[製造例1-1]ポリオルガノシロキサンゴムの水性ラテックス(R-1)の調製
容積100Lの耐圧重合器中に、脱イオン水200質量部、酸性乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸1.0質量部、並びにポリオルガノシロキサン形成用単量体混合物(平均分子量2000の末端ヒドロキシポリジメチルシロキサン97.5質量部およびγ-メタクリロイルオキシプロピルジメトキシシラン2.5質量部からなる混合物)を投入した。
次いで、耐圧重合器中の原料を、ホモミキサーにより10000rpmで5分間攪拌し、続いて高圧ホモジナイザーに500barの圧力下で3回通過させてシロキサンエマルジョンを調製した。得られたエマルジョンを速やかにガラス容器に、一度に全量投入した。ここで、前記ガラス容器は、温度計、撹拌機、還流冷却器、窒素流入口、並びに、単量体および乳化剤などの副原料の添加装置を有していた。シロキサンエマルジョンを攪拌しながら、30℃で反応を開始させた。反応開始から6時間後、反応溶液を23℃に冷却して20時間放置した。続いて、反応溶液のpHを炭酸水素ナトリウムで6.8に調整して重合を終了した。以上の操作により、弾性体であるポリオルガノシロキサンゴム粒子を含む水性ラテックス(R-1)を得た。得られた水性ラテックスに含まれるポリオルガノシロキサンゴム粒子の体積平均粒子径は280nmであった。
[製造例1-2]ポリブタジエンゴムの水性ラテックス(R-2)の調製
容積100Lの耐圧重合器中に、脱イオン水200質量部、リン酸三カリウム0.03質量部、リン酸二水素カリウム0.25質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)0.002質量部、硫酸第一鉄・7水和塩(FE)0.001質量部および乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)1.5質量部を投入した。次に、投入した原料を撹拌しつつ、耐圧重合器内部の気体を窒素置換することにより、耐圧重合器内部から酸素を十分に除いた。その後、ブタジエン(BD)100質量部を耐圧重合器内に投入し、耐圧重合器内の温度を45℃に昇温した。その後、パラメンタンハイドロパーオキサイド(PHP)0.015質量部を耐圧重合器内に投入し、続いてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.04質量部を耐圧重合器内に投入し、重合を開始した。重合開始から4時間目に、PHP0.01質量部、EDTA0.0015質量部およびFE0.001質量部を耐圧重合器内に投入した。重合開始から10時間目に、減圧下にて脱揮して、重合に使用されずに残存した単量体を脱揮除去することにより、重合を終了した。当該重合により、弾性体であるポリブタジエンゴム粒子を含む水性ラテックス(R-2)を得た。得られた水性ラテックスに含まれるポリブタジエンゴム粒子の体積平均粒子径は95nmであった。
[製造例2-1]コアシェル型ポリマー粒子の水性ラテックス(L-1)の調製
容積3Lのガラス容器に、製造例1-1で得た水性ラテックス(R-1)275質量部(ポリオルガノシロキサンゴム粒子85質量部相当)および脱イオン水40質量部を投入した。ガラス容器内の気体を窒素で置換しながら、60℃にて投入した原料を撹拌した。次に、EDTA0.004質量部、FE0.001質量部、およびSFS0.3質量部をガラス容器に加え、さらに表面架橋成分としてトリアリルイソシアヌレート(TAIC)2質量部をガラス容器加えて、反応溶液を1時間攪拌した。続いて、グラフト部形成用単量体混合物(アクリル酸ブチル(BA)5質量部、アクリル酸メチル(MA)5質量部およびメタクリル酸グリシジル(GMA)5質量部の混合物)とt-ブチルハイドロパーオキサイド(BHP)0.045質量部とからなる混合物をガラス容器に1時間かけて連続的に添加し、グラフト重合を開始した。混合物の添加終了後、更に2時間、反応溶液を撹拌した後、重合反応を終了させ、コアシェル型ポリマー粒子(C-1)の水性ラテックス(L-1)を得た。得られた水性ラテックスに含まれるコアシェル型ポリマー粒子の体積平均粒子径は290nmであった。
[製造例2-2]コアシェル型ポリマー粒子の水性ラテックス(L-2)の調製
グラフト部形成用単量体混合物としてアクリル酸ブチル(BA)5質量部、メタクリル酸メチル(MMA)5質量部およびメタクリル酸グリシジル(GMA)5質量部の混合物を用いたこと以外は、製造例2-1と同じ方法で、コアシェル型ポリマー粒子(C-2)の水性ラテックス(L-2)を得た。得られた水性ラテックスに含まれるコアシェル型ポリマー粒子の体積平均粒子径は290nmであった。
[製造例2-3]コアシェル型ポリマー粒子の水性ラテックス(L-3)の調製
グラフト部形成用単量体混合物としてアクリル酸メチル(MA)5質量部、メタクリル酸メチル(MMA)5質量部およびメタクリル酸グリシジル(GMA)5質量部の混合物を用いたこと以外は、製造例2-1と同じ方法で、コアシェル型ポリマー粒子(C-3)の水性ラテックス(L-3)を得た。得られた水性ラテックスに含まれるコアシェル型ポリマー粒子の体積平均粒子径は290nmであった。
[製造例2-4]コアシェル型ポリマー粒子の水性ラテックス(L-4)の調製
グラフト部形成用単量体混合物としてアクリル酸ブチル(BA)5質量部、スチレン(St)5質量部およびメタクリル酸グリシジル(GMA)5質量部の混合物を用いたこと以外は、製造例2-1と同じ方法で、コアシェル型ポリマー粒子(C-4)の水性ラテックス(L-4)を得た。得られた水性ラテックスに含まれるコアシェル型ポリマー粒子の体積平均粒子径は290nmであった。
[製造例2-5]コアシェル型ポリマー粒子の水性ラテックス(L-5)の調製
グラフト部形成用単量体混合物としてアクリル酸メチル(MA)5質量部、スチレン(St)5質量部およびメタクリル酸グリシジル(GMA)5質量部の混合物を用いたこと以外は、製造例2-1と同じ方法で、コアシェル型ポリマー粒子(C-5)の水性ラテックス(L-5)を得た。得られた水性ラテックスに含まれるコアシェル型ポリマー粒子の体積平均粒子径は290nmであった。
[製造例2-6]コアシェル型ポリマー粒子の水性ラテックス(L-6)の調製
グラフト部形成用単量体混合物としてスチレン(St)4質量部、メタクリル酸メチル(MMA)2質量部、アクリロニトリル(AN)4質量部およびメタクリル酸グリシジル(GMA)5質量部の混合物を用いたこと以外は、製造例2-1と同じ方法で、コアシェル型ポリマー粒子の水性ラテックス(L-6)を得た。得られた水性ラテックスに含まれるコアシェル型ポリマー粒子の体積平均粒子径は290nmであった。
[製造例2-7]コアシェル型ポリマー粒子の水性ラテックス(L-7)の調製
溶液3Lのガラス容器に、製造例1-2で得た水性ラテックス(R-2)270質量部(ポリブタジエンゴム粒子85質量部相当)および脱イオン水40質量部を投入した。ガラス容器内の気体を窒素で置換しながら、60℃にて投入した原料を撹拌した。次に、EDTA0.004質量部、FE0.001質量部およびSFS0.3質量部をガラス容器に加えた。続いて、グラフト部形成用単量体混合物(スチレン(St)4質量部、メタクリル酸メチル(MMA)2質量部、アクリロニトリル(AN)4質量部およびメタクリル酸グリシジル(GMA)5質量部の混合物)と、t-ブチルハイドロパーオキサイド(BHP)0.045質量部とからなる混合物をガラス容器に1時間かけて連続的に添加し、グラフト重合を開始した。混合物の添加終了後、更に2時間、反応溶液を撹拌した後、重合反応を終了させ、コアシェル型ポリマー粒子(C-7)の水性ラテックス(L-7)を得た。得られた水性ラテックスに含まれるコアシェル型ポリマー粒子の体積平均粒子径は105nmであった。
[製造例3-1]分散物(M-1)の調製
25℃の1L混合槽にメチルエチルケトン(MEK)160gを導入し、撹拌しながら、前記製造例2-1で得られたコアシェル型ポリマー粒子の水性ラテックス(L-1)を250g(コアシェル型ポリマー粒子85g相当)投入した。均一に混合後、水360gを80g/分の供給速度で投入した。供給終了後、速やかに撹拌を停止したところ、浮上性の凝集体および有機溶媒を一部含む水相からなるスラリー液を得た。次に、一部の水相を含む凝集体を残し、水相580gを槽下部の払い出し口より排出させた。得られた凝集体にMEK425gを追加して均一に混合し、コアシェル型ポリマー粒子を均一に分散した分散体を得た。この分散体に、エポキシ樹脂(A)としてエポキシ樹脂(A-1:DIC株式会社製、EPICLON EXA-835LV:ビスフェノールF型エポキシ樹脂とビスフェノールA型エポキシ樹脂との混合物、25℃における粘度2000mPa・s、エポキシ当量168)170gを混合した。この混合物から、回転式の蒸発装置で、MEKを除去した。このようにして、エポキシ樹脂(A-1)にコアシェル型ポリマー粒子(C-1)が分散した分散物(M-1)を得た。分散物は、コアシェル型ポリマー粒子(C)とエポキシ樹脂との合計を100質量%としたときに、コアシェル型ポリマー粒子(C)を33質量%、エポキシ樹脂を67質量%含んでいた。
[製造例3-2]分散物(M-2)の調製
コアシェル型ポリマー粒子の水性ラテックスとしてL-2を用いた以外は、製造例3-1と同じ方法で、エポキシ樹脂(A-1)にコアシェル型ポリマー粒子(C-2)が分散した分散物(M-2)を得た。分散物は、コアシェル型ポリマー粒子(C)とエポキシ樹脂(A)との合計を100質量%としたときに、コアシェル型ポリマー粒子(C)を33質量%、エポキシ樹脂(A)を67質量%含んでいた。
[製造例3-3]分散物(M-3)の調製
コアシェル型ポリマー粒子の水性ラテックスとしてL-3を用いた以外は、製造例3-1と同じ方法でコアシェル型、エポキシ樹脂(A-1)にコアシェル型ポリマー粒子(C-3)が分散した分散物(M-3)を得た。分散物は、コアシェル型ポリマー粒子(C)とエポキシ樹脂(A)との合計を100質量%としたときに、コアシェル型ポリマー粒子(C)を33質量%、エポキシ樹脂(A)を67質量%含んでいた。
[製造例3-4]分散物(M-4)の調製
コアシェル型ポリマー粒子の水性ラテックスとしてL-4を用いた以外は、製造例3-1と同じ方法で、エポキシ樹脂(A-1)にコアシェル型ポリマー粒子(C-4)が分散した分散物(M-4)を得た。分散物は、コアシェル型ポリマー粒子(C)とエポキシ樹脂(A)との合計を100質量%としたときに、コアシェル型ポリマー粒子(C)を33質量%、エポキシ樹脂(A)を67質量%含んでいた。
[製造例3-5]分散物(M-5)の調製
コアシェル型ポリマー粒子の水性ラテックスとしてL-5を用いた以外は、製造例3-1と同じ方法で、エポキシ樹脂(A-1)にコアシェル型ポリマー粒子(C-5)が分散した分散物(M-5)を得た。分散物は、コアシェル型ポリマー粒子(C)とエポキシ樹脂(A)との合計を100質量%としたときに、コアシェル型ポリマー粒子(C)を33質量%、エポキシ樹脂(A)を67質量%含んでいた。
[製造例3-6]分散物(M-6)の調製
コアシェル型ポリマー粒子の水性ラテックスとしてL-6を用いた以外は、製造例3-1と同じ方法で、エポキシ樹脂(A-1)にコアシェル型ポリマー粒子(C-6)が分散した分散物(M-6)を得た。分散物は、コアシェル型ポリマー粒子(C)とエポキシ樹脂(A)との合計を100質量%としたときに、コアシェル型ポリマー粒子(C)を33質量%、エポキシ樹脂(A)を67質量%含んでいた。
[製造例3-7]分散物(M-7)の調製
コアシェル型ポリマー粒子の水性ラテックスとしてL-7を用いた以外は、製造例3-1と同じ方法で、エポキシ樹脂(A-1)にコアシェル型ポリマー粒子(C-7)が分散した分散物(M-7)を得た。分散物は、コアシェル型ポリマー粒子(C)とエポキシ樹脂(A)との合計を100質量%としたときに、コアシェル型ポリマー粒子(C)を33質量%、エポキシ樹脂(A)を67質量%含んでいた。
(実施例1)
エポキシ樹脂(A-1)4.5g、硬化剤(B)として酸無水物(B-1:昭和電工マテリアルズ株式会社製、MHAC-P:無水メチルハイミック酸)9.5g、分散物(M-1)6.0g、無機充填材(D)としてシリカ(D-1:株式会社アドマテックス製、アドマファインSC2500-SEJ、体積平均粒子径0.5μm)20.0g、その他の成分(E)として硬化促進剤(E-1:四国化成工業株式会社、2E4MZ:2-エチル-4-メチルイミダゾール)0.1gを、自転公転ミキサーを用いて良く混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。結果を以下の表1に示す。
(実施例2)
分散物(M-1)の代わりに分散物(M-2)を用いた以外は実施例1と同じ方法で、エポキシ樹脂組成物を得た。結果を以下の表1に示す。
(実施例3)
分散物(M-1)の代わりに分散物(M-3)を用いた以外は実施例1と同じ方法で、エポキシ樹脂組成物を得た。結果を以下の表1に示す。
(比較例1)
分散物(M-1)の代わりに分散物(M-4)を用いた以外は実施例1と同じ方法で、エポキシ樹脂組成物を得た。結果を以下の表1に示す。
(比較例2)
分散物(M-1)の代わりに分散物(M-5)を用いた以外は実施例1と同じ方法で、エポキシ樹脂組成物を得た。結果を以下の表1に示す。
(比較例3)
分散物(M-1)の代わりに分散物(M-6)を用いた以外は実施例1と同じ方法で、エポキシ樹脂組成物を得た。結果を以下の表1に示す。
(比較例4)
分散物(M-1)の代わりに分散物(M-7)を用いた以外は実施例1と同じ方法で、エポキシ樹脂組成物を得た。結果を以下の表1に示す。
(比較例5)
エポキシ樹脂(A-1)9.6g、硬化剤(B)として酸無水物(B-1:昭和電工マテリアルズ株式会社製、MHAC-P:無水メチルハイミック酸)10.4g、無機充填材(D)としてシリカ(D-1:株式会社アドマテックス製、アドマファインSC2500-SEJ)20.0g、その他の成分(E)として硬化促進剤(E-1:四国化成工業株式会社、2E4MZ:2-エチル-4-メチルイミダゾール)0.1gを自転公転ミキサーを用いて良く混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。結果を以下の表1に示す。
(まとめ)
実施例1~3および比較例1~3では、コアシェル型ポリマー粒子の弾性体として、すべて同じポリオルガノシロキサン粒子(R-1)を使用している。
ここで、エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の線膨張率および引張弾性率は、(a)エポキシ樹脂組成物に含まれているコアシェル型ポリマー粒子の弾性体の種類と、(b)コアシェル型ポリマー粒子の含有量と、に相関関係がある。実施例1~3、および比較例1~3では、使用しているコアシェル型ポリマー粒子は同一であり、また、コアシェル型ポリマー粒子の含有量も同一である。そのため、実施例2~3および比較例1~2で得られた樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の、線膨張率および引張弾性率は、実施例1および比較例3で得られた樹脂組成物を硬化させてなる硬化物のそれらと同等と見做すことができる。
コアシェル型ポリマー粒子(C)を含まない比較例5で得られる樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の引張弾性率は顕著に高く、好ましくなかった。また、グラフト部100質量%中、芳香族基を含む構成単位であるスチレン(St)を10質量%を超えて含む、比較例1~比較例3で得られる樹脂組成物の粘度は高く、好ましくなかった。コアシェル型ポリマー粒子の弾性体にポリブタジエンゴム粒子を用いた比較例4で得られる樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の線膨張率は高く、好ましくなかった。それに対し、本発明の一実施形態に係る構成を有する実施例1~実施例3で得られた樹脂組成物の粘度はいずれも顕著に低かった。また実施例1で得られた樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の線膨張率および引張弾性率はいずれも顕著に低かった。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物は、半導体封止材、接着剤、コーティング材、強化繊維のバインダー、複合材料、3Dプリンターの造形材料、電子基板、インキバインダー、木材チップバインダー、ゴムチップ用バインダー、フォームチップバインダー、鋳物用バインダー、床材用およびセラミック用の岩盤固結材、ウレタンフォームなどの用途に好ましく用いられ、特に半導体封止材として好適に用いられる。

Claims (6)

  1. エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、コアシェル型ポリマー粒子(C)、無機充填材(D)を含み、
    前記コアシェル型ポリマー粒子(C)は、弾性体と、当該弾性体に対してグラフト結合されたグラフト部と、を有し、
    前記弾性体は、ポリオルガノシロキサンを含み、
    前記グラフト部は、
    (i)(i-a)芳香族基を含む構成単位を含まないか、または、
    (i-b)前記グラフト部100質量%中、芳香族基を含む構成単位を0質量%超10質量%以下含み、かつ
    (ii)アルキルアクリレートに由来する構成単位を含む、エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記グラフト部は、メチルアクリレートに由来する構成単位およびブチルアクリレートに由来する構成単位の少なくとも一方を含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記グラフト部は、メタクリル酸グリシジルに由来する構成単位を含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記無機充填材(D)は、シリカを含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記エポキシ樹脂(A)は、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を含む、半導体封止材。
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