JP2024002099A - 発光制御装置、電子時計、発光制御方法及びプログラム - Google Patents

発光制御装置、電子時計、発光制御方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】より安定して発光制御を行うことのできる発光制御装置、電子時計、発光制御方法及びプログラムを提供する。【解決手段】発光部の発光を制御する発光制御装置は、制御部を備える。制御部は、発光部を点灯させる場合に、その調光制御を割込み処理で行う。【選択図】図2

Description

この発明は、発光制御装置、電子時計、発光制御方法及びプログラムに関する。
従来、電子機器でLED(Light Emitting Diode)ライトなどの発光部を点灯させる場合に、PWM(Pulse Width Modulation)を用いて発光強度を制御する技術が用いられている。PWMのデューティ比を変更することで、容易に発光強度を変更することができる。
消費電力低減の要求が厳しい電子時計では、予め定められた押しボタンスイッチの押下を検出して、予め定められた時間発光部を点灯させて表示を照明する技術が開示されている。
特開2013-156017号公報
しかしながら、電子時計では、制御部の処理能力も低いので、発光部を点灯させた後に実行される他の処理の影響によって、PWMの制御を繰り返し設定する処理が遅延すると、発光部の点灯時間が規定時間より長引いて不自然な点灯状況が発生する場合があるという課題がある。
この発明の目的は、より安定して発光制御を行うことのできる発光制御装置、電子時計、発光制御方法及びプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、
発光部の調光制御を割込み処理で行う制御部を備える発光制御装置である。
本発明に従うと、より安定して発光制御を行うことができるという効果がある。
本実施形態の電子時計の機能構成を示すブロック図である。 調光制御の流れを示すシーケンス図である。 調光制御時の発光強度の変化例を示す図である。 割込み対応処理のうち、照明動作に関する部分を抜き出して制御手順を示すフローチャートである。 点灯制御処理の制御手順を示すフローチャートである。 割込み処理で実行される発光動作制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の電子時計1の機能構成を示すブロック図である。
電子時計1は、CPU11(Central Processing Unit)(制御部)と、RAM12(Random Access Memory)と、記憶部13と、通信部14と、発光駆動部15及び発光部Lと、バッテリ検出部16と、表示部17と、操作受付部18と、計時部19などを備える。
CPU11は、演算処理を行い、電子時計1の動作を統括制御するプロセッサである。CPU11は、単一のプロセッサであってもよいし、複数のプロセッサが並列に又は用途などに応じて独立に演算処理を行うものであってもよい。また、CPU11には、専用動作を行うマイコンを含んでもよい。CPU11は本実施形態の発光制御装置及びコンピュータに含まれる。
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。
記憶部13は、不揮発性のメモリであり、例えば、フラッシュメモリである。記憶部13には、プログラム131及び設定データが記憶される。記憶されている設定データには調光設定132が含まれている。
通信部14は、外部機器との間での通信を制御する。通信は、例えば、ブルートゥース(登録商標)により行われるものであってもよい。
発光駆動部15は、発光部Lを発光させる動作を行う。発光駆動部15は、PWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)により発光部Lを設定されたデューティ比で点灯させることで、発光強度の調整(調光)を行うことができる。ここでいう発光強度は、PWMの切り替え周期より十分に長い時間での平均の発光強度を表す。発光駆動部15は、従来周知のPWMに係る回路構成を有していてもよく、例えば、発光駆動部15は三角波又はのこぎり波を生成し、これをデューティ比の設定に応じて定められる基準電圧に応じて二値化した電圧(必要に応じて増幅する)を発光部Lに印加することで発光のオンオフを細かく切り替え、当該発光部Lの発光期間をデューティ比に応じたものとすることができるものであってもよい。発光駆動部15は、発光部Lの消灯時には、上記PWMに係る回路への電力供給を遮断(オフ)して、発光部Lを継続的に消灯させる。なお、発光駆動部15がマイコンを有し、制御動作を行うことが可能である場合には、発光駆動部15は、本実施形態の制御部に含まれる。
発光部Lは、例えば、LED(Light Emitting Diode)を有し、発光駆動部15により印加される電圧に応じて流れる電流により発光して表示部17による表示面を照明する。発光色は、適宜な色であってもよいが、ここでは、略白色(電灯色など)である。
バッテリ検出部16は、図示略のバッテリから電力供給部を介してCPU11などに供給される電力の入力電圧を計測して計測データを出力する。バッテリ検出部16は、バッテリ残量の検出に加えて、後述の強負荷検出にも用いられる。
表示部17は、CPU11の制御に基づいて少なくとも現在時刻を表示する。表示部17は、液晶などのデジタル表示画面を有していてもよいし、複数の指針により日時を指し示す構成、例えば、指針を各々回転動作させる歯車列と、当該歯車列を回転駆動するステッピングモータなどを有していてもよい。現在時刻の各正秒のタイミングで生じる割込み信号に従って、CPU11が表示部17に対して表示内容の更新設定に係る制御動作を行う。表示部17は、現在時刻の他にも、曜日、日付、アラーム報知設定やその他の情報を表示可能であってもよい。
操作受付部18は、外部からの入力操作を受け付けて、受け付けた内容に応じた受付信号をCPU11へ出力(CPU11が取得)する。操作受付部18は、例えば、押しボタンスイッチを有し、また、これに加えてりゅうずなどの他の操作受付に係る構成を有していてもよい。押しボタンスイッチの数は特には限られないが、例えば、1~4個程度である。ここでは、操作受付部18は、複数の押しボタンスイッチを有し、そのうち押しボタンスイッチS4が押下されることで発光部Lの発光動作がなされるように動作制御される。なお、操作受付部18からの受付信号は、特には限られないが、ある周波数(例えば、16Hz)の割込み処理でCPU11により検出、取得される。
計時部19は、図示略の発振回路から入力されるクロック信号に基づいて現在日時を計数し、当該現在日時をCPU11へ出力する。計時部19は、RTC(Real Time Clock)を有する他、CPUが現在日時を計数する構成であってもよい。
電子時計1は、その他、測位衛星からの電波を受信して測位演算などを行う衛星電波受信処理部、ブザー音やビープ音の出力及び/又は振動発生などを行う報知動作部、加速度センサや地磁場センサなど各種物理センサを有していてもよい。
次に、電子時計1における照明動作について説明する。
電子時計1では、上記のように操作受付部18の押しボタンスイッチS4が押下された(ある入力操作)場合に発光駆動部15を動作させて発光部Lを点灯させる。発光部Lの発光時間は、予め設定されており、設定された時間は、例えば、1.5秒である。電子時計1では、発光部Lは、調光制御され、点灯時には発光強度ゼロから最大強度まである時間で上昇し、消灯時には、最大強度から発光強度ゼロまである時間で発光強度が低下する。
発光強度は、上記のようにPWMにおけるデューティ比の変更により調整される。発光強度(輝度)の変化がユーザにより自然に視認されるためには、32Hz程度又はこれ以上での変化が要求される。デューティ比の変更パターンの設定データは、予め記憶部13に記憶保持され、当該設定データに基づいて、CPU11が1/32秒ごとに発光駆動部15のレジスタにデューティ比に係る設定値を書き込み更新する(調光制御を行う)ことで、デューティ比が変更されて発光部Lの発光強度も変化する。電子時計1では、この32Hzでの設定値の書き込み更新を割込み処理により行う。
各割込み処理で更新されるデューティ比に対応する設定値のデータは、調光設定132に含まれていてもよく、CPU11は、調光設定132を参照して順次設定値を変更していってもよい。あるいは、設定値は単なるカウント値であり、調光設定132が発光駆動部15により保持されて、発光駆動部15が当該調光設定132に基づいてカウント値に応じた電圧値を設定してもよい。
図2は、調光制御の流れを示すシーケンス図である。
ユーザによる押しボタンスイッチS4の押下に応じた受付信号がCPU11へ入力されると、CPU11は、ループ処理されている通常処理(割込み処理外の通常の動作制御)内で押しボタンスイッチS4の操作を検出して、強負荷監視動作を開始させ、点灯時間(1.5秒)を設定し、発光駆動部15から発光部Lにかけての回路動作を開始させる。それから、32Hzでの発光制御に係る割込み処理を許可して、以降、割込み処理により発光制御(調光制御)を行う。
ここで、32Hzで1.5秒の場合、48回割込み処理を実行できればよく、点灯時間は、当該割込み処理の実行回数を計数することでも表される。すなわち、48回の計数が1バイト(点灯時間の設定値は0x2f)で表現されてもよい。
また、強負荷監視とは、負荷の大きい処理の実行が重なることにより、バッテリの電力供給能力を超過して(自機が強負荷状態となって)入力電圧が低下するのを監視する動作(強負荷状態の監視機能)であり、バッテリ検出部16によるCPU11への入力電圧の検出(閾値電圧との比較)による電圧低下の異常検出を通常のバッテリ残量の検出よりも高頻度で行う。また、この強負荷監視では、バッテリ残量の検出時とは異なる閾値電圧で検出がなされてもよい。強負荷監視を実行するか否かの設定は、例えば、単純に1ビットフラグなどにより定められてもよく、バッテリ検出部16からの検出結果の取得可能タイミングで実行するフラグがセットされている場合には検出結果を取得すればよい。
CPU11は、32Hz、すなわち1/32秒ごとに割込み処理をそれぞれ開始し、点灯時間の計数、ここでは、割込み処理ごとに残り割込み処理の回数を1回ずつ減少させながら、デューティ比の更新設定を行う。発光駆動部15では、更新設定されたデューティ比(基準値)に従ってPWMにより発光部Lへ断続的に電圧を印加して当該デューティ比に応じた発光強度で点灯させる。
CPU11は、設定された点灯時間の計数が終了すると、割込み処理において発光駆動部15による駆動動作を終了させる設定(調光制御の終了)を行って、発光駆動部15により発光部Lを消灯させる。また、発光駆動部15は、通常処理に対して強負荷監視の終了を要求する設定を行う。そして、自身で32Hzでの割込み処理を禁止設定することで、発光制御に係る割込み処理が終了する。通常処理では、強負荷監視の終了要求に基づいて強負荷監視機能を停止する。
通常処理の中では、処理(特に負荷の大きい処理)が実行される間、ループ処理が滞るので、デューティ比に係る設定値の更新処理の順番が回ってくるまで当該更新処理がなされず、したがって、更新タイミングが遅延しやすくなる。このような遅延が重なると、点灯時間が設定時間よりも長くなり、デューティ比の設定も1/32秒間隔よりも長い間隔となって、自然な発光強度の変化が得られないばかりか、視覚上ちらつくように見えたりする場合もある。
図3は、調光制御時の発光強度の変化例を説明する図である。
本来想定する太実線の発光強度の変化パターンに対し、従来の処理で並行する処理の負荷が大きくなると、設定値の更新タイミングが遅れて、発光強度の変化に遅れが生じる。これにより、発光強度の変化が遅くなったり不均一になったりする上に、発光時間自体も本来より長くなるという状況になる。
これに対して、32Hzでのデューティ比の設定更新を割込み処理で行うことで、通常処理の処理位置とは関係なく、割込みタイミングで速やかに処理が実行されることになるので、点灯時間の延長やデューティ比の設定更新の遅延が生じにくくなり、想定通りの発光強度の変化が得られて、自然に調光制御を行うことが可能となる。
図4は、本実施形態の電子時計1で実行される割込み対応処理のうち、照明動作に関する部分を抜き出した制御手順を示すフローチャートである。この割込み対応処理は、プログラム131から読み出されて電子時計1の起動時に起動されて、動作中には継続的にループ処理を行っているものである。
割込み対応処理が開始されると、CPU11は、強負荷監視中であるか否かを判別する(ステップS101)。監視中であると判別された場合には(ステップS101で“YES”)、CPU11は、監視データ(バッテリからの入力電圧値又はその閾値との比較結果)を取得する(ステップS102)。CPU11は、監視データに異常があるか否か、すなわち、入力電圧が閾値電圧以下か否かを判別する(ステップS103)。
異常があると判別された場合には(ステップS103で“YES”)、CPU11は、計数残り時間を表すカウント値を0x00に設定する(ステップS104)。それから、CPU11の処理は、ステップS105へ移行する。異常がないと判別された場合には(ステップS103で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS105へ移行する。
ステップS101の判別処理で、強負荷監視中ではないと判別された場合には(ステップS101で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS105へ移行する。
ステップS105の処理へ移行すると、CPU11は、割込み処理があったか否かを判別する(ステップS105)。CPU11は、割込み処理が実施された場合にセットされるフラグを参照して、前回の処理以降に割込み処理があったか否かを判別する。割込み処理がなかったと判別された場合には(ステップS105で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS101に戻る。なお、割込み処理以外のルーチン処理などが他にある場合には、ステップS101の処理に戻る前に実行されてもよい。また、速やかに検出すべき割込み処理がない場合などには、CPU11は、割込み対応処理のループごとに規定時間の処理停止時間(HALT)を挟んでもよい。
割込み処理がなされたと判別された場合には(ステップS105で“YES”)、CPU11は、発光部Lの点灯に係る押しボタンスイッチS4の操作(点灯操作)の検出があったか否かを判別する(ステップS106)。点灯操作に係る割込み処理がないと判別された場合には(ステップS106で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS108に移行する。点灯操作に係る割込み処理があったと判別された場合には(ステップS106で“YES”)、CPU11は、カウント値を0xffに設定する(ステップS107)。それから、CPU11の処理は、ステップS108へ移行する。
ステップS108の処理へ移行すると、CPU11は、照明動作以外の他の処理であって、照明動作と同時に実行されると負荷が過大になるなどで上記設定された時間の経過前であっても点灯(調光制御)の中止を必要とする処理が実行されているか否か(有無)を判別する(ステップS108)。上記他の処理が実行されていると判別された場合(必要に応じて)には(ステップS108で“YES”)、CPU11は、カウント値を0x00に設定する(ステップS109)。それから、CPU11の処理は、ステップS110へ移行する。他の処理が実行されていないと判別された場合には(ステップS108で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS110へ移行する。なお、上記他の処理内で発光駆動部15の動作がオフされてもよい。
ステップS110の処理へ移行すると、CPU11は、カウント値が0x00であるか否かを判別する(ステップS110)。カウント値が0x00であると判別された場合には(ステップS110で“YES”)、CPU11は、発光駆動部15への電力供給を遮断(オフ)させる(ステップS111)。これにより、発光部Lが点灯していた場合には消灯する。上記のように、既に他の処理内で発光駆動部15がオフされて発光部Lが消灯されていた場合には、この処理は安全上の確認処理となる。CPU11は、32Hzでの割込みを禁止設定する(ステップS112)。それから、CPU11の処理は、ステップS115へ移行する。
ステップS110の判別処理で、カウント値が0x00ではないと判別された場合には(ステップS110で“NO”)、CPU11は、カウント値が0xffであるか否かを判別する(ステップS113)。カウント値が0xffであると判別された場合には(ステップS113で“YES”)、CPU11は、後述の点灯制御処理を実行する(ステップS114)。それから、CPU11の処理は、ステップS115へ移行する。カウント値が0xffではないと判別された場合には(ステップS113で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS115へ移行する。
ステップS115の処理へ移行すると、CPU11は、強負荷監視動作の終了を要求する監視オフフラグがセットされているか否かを判別する(ステップS115)。監視オフフラグがセットされていると判別された場合には(ステップS115で“YES”)、CPU11は、監視オフフラグをリセットし(ステップS116)、強負荷監視動作を終了する(ステップS117)。それから、CPU11の処理は、ステップS118へ移行する。
監視オフフラグがセットされていないと判別された場合には(ステップS115で“NO”)、CPU11の処理は、ステップS118へ移行する。
ステップS118の処理へ移行すると、CPU11は、カウント値が0x00であるか否かを判別する(ステップS118)。カウント値が0x00ではないと判別された場合には(ステップS118で“NO”)、CPU11は、32Hzでの割込み処理を許可する(ステップS119)。それから、CPU11の処理は、ステップS101へ戻る。ステップS118の判別処理で、カウント値が0x00であると判別された場合には(ステップS118で“YES”)、CPU11の処理は、ステップS101へ戻る。
図5は、上記の割込み対応処理内で実行される点灯制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
点灯制御処理が開始されると、CPU11は、強負荷監視動作をオンする(ステップS141)。CPU11は、上記のように強負荷監視動作のフラグをセットして、割込み対応処理の毎周期でバッテリ検出部16からの入力電圧に係る検出結果を取得するように定める。
CPU11は、監視オフフラグをリセットする(ステップS142)。この処理は、強負荷監視動作を誤って終了しないための設定動作である。
CPU11は、カウント値を発光部Lの点灯時間に対応する0x2fと設定し、また、初期デューティ比を設定する(ステップS143)。上記のように調光制御により発光強度が漸増するので、初期デューティ比は小さい値である。
CPU11は、発光駆動部15への電力供給を開始(オン)させて、発光部LのPWMによる調光制御(点灯)を開始させる(ステップS144)。そして、CPU11は、点灯制御処理を終了して処理を割込み対応処理に戻す。
図6は、32Hzの割込み処理で実行される発光動作制御処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。この発光動作制御処理は、32Hzでの割込み処理が許可されている間に1/32秒ごとに起動されて実行される。
CPU11は、カウント値が0x00又は0xffであるか否かを判別する(ステップS171)。カウント値が0x00のケースは、上記のように要消灯の処理などが実行された場合に該当し、カウント値が0xffのケースは、点灯操作が検出されて点灯制御処理が実施される前の場合に該当する。カウント値が0x00又は0xffの場合には(ステップS171で“YES”)、CPU11は、発光動作制御処理を終了する。
ステップS171の判別処理で、カウント値が0x00でも0xffでもないと判別された場合には(ステップS171で“NO”)CPU11は、カウント値から1を減算する(ステップS172)。CPU11は、カウント値に対応するデューティ比の設定を発光駆動部15のレジスタに書き込み更新する(ステップS173)。
CPU11は、ステップS172の処理の結果、カウント値が0x00であるか否かを判別する(ステップS174)。カウント値が0x00であると判別された場合には(ステップS174で“YES”)、CPU11は、発光駆動部15への電力供給を遮断(オフ)して、発光部Lの発光動作を停止させる(ステップS175)。CPU11は、32Hzでの割込み動作を禁止する(ステップS176)。CPU11は、監視オフフラグをセットする(ステップS177)。そして、CPU11は、発光動作制御処理を終了する。
ステップS174の判別処理で、カウント値が0x00ではないと判別された場合には(ステップS174で“NO”)、CPU11は、発光動作制御処理を終了する。
このように、割込み処理である発光動作制御処理では、カウント値、デューティ比に係る設定値及び監視フラグのようにレジスタに書き込む程度の低負荷かつ短時間で終了する処理のみを実行するので、速やかに処理が終了する。電子時計1では、上記の秒周期での表示更新制御や操作受付部18からの入力操作検出などを含む全ての割込み処理が低負荷であり、これに伴い、各割込み処理はほぼ遅延なく実行される。
上記図4~図6に示した各処理が本実施形態の発光制御方法及びプログラムにおける調光制御手段を構成する。
以上のように、本実施形態の電子時計1の発光制御装置は、発光部Lの調光制御(デューティ比の更新設定)を32Hzの割込み処理で行うCPU11を備える。調光制御を割込み制御で行うことで、他の処理負荷が高い処理の実行時でもデューティ比の設定に生じる遅延を低減させることができるので、不自然な点灯状況を抑制し、より安定して発光部Lを発光させることができる。
また、CPU11は、調光制御の終了を割込み処理で行う。すなわち、発光部Lの消灯時、特にフェードアウトの際の終了設定も割込み処理で行うことで、遅延なく消灯まで調光制御を行うことができ、これにより不自然な点灯状況の発生をより適切に低減させることができる。
また、CPU11は、調光制御を開始する場合に自機の強負荷状態の監視機能を開始させ、調光制御の終了時に割込み処理で当該監視機能の終了要求を設定し、割込み処理外の通常の動作制御で、終了要求に基づいて監視機能を終了させる。電子時計1などの電力供給や動作電力が極めて限られる電子機器では、比較的消費電力(負荷)の大きい発光部Lの点灯は、他の負荷の大きな処理と並行して実行されると、電力供給が足りなくなる場合がある。したがって、発光部Lの点灯中には、強負荷状態にあるか否かを監視する機能を実行することで、速やかに強負荷状態を検出し、調光制御を停止することができる。また、この監視機能の終了は、急いで行う必要がないので、割込み処理内では行わず、当該割込み処理を軽くすることができる。
また、CPU11は、操作受付部18への入力操作の受付信号を取得し、操作受付部18へのある入力操作に応じて調光制御を設定された時間(例えば、1.5秒)行うのであってもよい。すなわち、ユーザが必要に応じて入力操作により発光部Lを点灯させて表示面などを設定された時間の間視認可能とするような場合に、調光が不自然であると容易にユーザに認識されるので、このような場合に遅延を十分に抑えて自然に発光強度を変化させることで、ユーザが快適に電子時計1を利用することができる。
また、CPU11は、設定された時間の経過前に調光制御を中止させる必要の有無を割込み処理外の通常の動作制御で判別して、必要に応じて調光制御を中止させることが可能であってもよい。調光制御とは異なり、単純な消灯動作は、多少の遅れが生じても実質的にほぼ状況が変わらないので、割込み処理で行う必要はない。通常処理内で調光制御の中止などに係る処理を順番に行えばよい。
また、本実施形態の電子時計1は、上記発光制御装置としてのCPU11(発光駆動部15を含んでもよい)と、CPU11により調光制御がなされる発光部Lと、を備える。このように、一般的な電子機器と比較すると電力供給能力や処理能力の極めて低いCPU11において、上記のように調光制御を割込み制御で行うことで、たまたま他の負荷の高い処理と動作が被ってもほぼ遅延なくPWMに係るデューティ比の更新設定が可能になるので、CPU11の処理能力などを向上させずとも安定して発光部Lを調光させることができ、自然に発光強度の変化を行わせることができる。
また、本実施形態の発光制御方法では、発光部Lの調光制御を割込み処理で行う。このような調光制御により、制御部の処理能力が限られている場合でもデューティ比の設定タイミングの遅延を抑え、自然な調光を容易に実施することができる。
また、本実施形態のプログラム131は、コンピュータを、発光部Lの調光制御を割込み処理で行う調光制御手段として機能させる。このようなプログラム131をインストールしてコンピュータに実行させることで、複雑に制御タイミングの調整を行ったり処理能力を向上させたりせずとも容易に適切な調光制御が可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、32Hzでの調光制御に係る割込み処理を行うものとして説明したが、これに限られるものではない。人間が自然な輝度変化として視認可能な適宜な周波数が設定されてもよい。
また、上記実施の形態では、発光部Lの発光中に強負荷監視機能を実行するものとして説明したが、電子時計1としての基本動作(正確な時刻の計数及び表示)を妨げないような処理がなされれば、他の方法で供給電力が管理されてもよい。また、強負荷監視機能のオンオフ設定(フラグ設定)程度の動作であれば、割込み処理の中で実行されてもよい。
また、上記実施の形態では、操作受付部18の押しボタンスイッチS4の押下操作に応じて発光部Lの発光及び調光制御がなされるものとして説明したが、これに限られない。例えば、電子時計1で特定の機能が実行されている場合などに、物理センサが特定の動作や傾きなどを検出したといった条件で発光部Lが発光され、調光制御がなされてもよい。
また、上記実施の形態で示した発光部Lの発光に係る設定された時間や、調光制御における発光強度の変化のパターンは、上記実施の形態で示したものに限られない。適宜定められてもよく、また、周囲の環境条件(表示面への入射光量など)などに応じて変更されてもよい。
また、上記実施の形態では、電子時計1での発光部Lの調光制御を前提として説明したが、他の電子機器であってもよい。一般的に処理負荷がCPU11の処理能力に対して厳しくなり得るような状況で、調光制御に割込み制御を用いることで、より安定して自然に視認される輝度変化が得られる。
また、発光部Lは、調光が可能であれば、通常のLED以外の他のもの、例えば、OLED(Organic LED)などであってもよい。また、発光部Lは、電子時計1の表示面を照明するものに限られない。発光部Lが直接標識(文字や図形など)の形状で発光する構成、又は標識の形状の透過孔などから光を出射する構成であってもよい。
また、以上の説明では、本発明の調光制御に係るプログラム131を記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体としてフラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどからなる記憶部13を例に挙げて説明したが、これらに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、HDD(Hard Disk Drive)、MRAMなどの他の不揮発性メモリや、CD-ROM、DVDディスクなどの可搬型記憶媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、処理動作の内容及び手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
[付記]
<請求項1>
発光部の調光制御を割込み処理で行う制御部を備える発光制御装置。
<請求項2>
前記制御部は、前記調光制御の終了を前記割込み処理で行う、請求項1記載の発光制御装置。
<請求項3>
前記制御部は、前記調光制御を開始する場合に自機の強負荷状態の監視機能を開始させ、前記調光制御の終了時に前記割込み処理で当該監視機能の終了要求を設定し、前記割込み処理外の通常の動作制御で、前記終了要求に基づいて前記監視機能を終了させる、請求項1記載の発光制御装置。
<請求項4>
前記制御部は、
操作受付部への入力操作の受付信号を取得し、
前記操作受付部へのある入力操作に応じて前記調光制御を設定された時間行う、
請求項1記載の発光制御装置。
<請求項5>
前記制御部は、前記設定された時間の経過前に前記調光制御を中止させる必要の有無を前記割込み処理外の通常の動作制御で判別して、必要に応じて前記調光制御を中止させる、請求項4記載の発光制御装置。
<請求項6>
請求項1~5のいずれか一項に記載の発光制御装置と、
前記制御部により前記調光制御がなされる発光部と、
を備える電子時計。
<請求項7>
発光部の調光制御を割込み処理で行う発光制御方法。
<請求項8>
コンピュータを、
発光部の調光制御を割込み処理で行う調光制御手段として機能させる
プログラム。
1 電子時計
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
131 プログラム
14 通信部
15 発光駆動部
16 バッテリ検出部
17 表示部
18 操作受付部
19 計時部
L 発光部

Claims (8)

  1. 発光部の調光制御を割込み処理で行う制御部を備える発光制御装置。
  2. 前記制御部は、前記調光制御の終了を前記割込み処理で行う、請求項1記載の発光制御装置。
  3. 前記制御部は、前記調光制御を開始する場合に自機の強負荷状態の監視機能を開始させ、前記調光制御の終了時に前記割込み処理で当該監視機能の終了要求を設定し、前記割込み処理外の通常の動作制御で、前記終了要求に基づいて前記監視機能を終了させる、請求項1記載の発光制御装置。
  4. 前記制御部は、
    操作受付部への入力操作の受付信号を取得し、
    前記操作受付部へのある入力操作に応じて前記調光制御を設定された時間行う、
    請求項1記載の発光制御装置。
  5. 前記制御部は、前記設定された時間の経過前に前記調光制御を中止させる必要の有無を前記割込み処理外の通常の動作制御で判別して、必要に応じて前記調光制御を中止させる、請求項4記載の発光制御装置。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の発光制御装置と、
    前記制御部により前記調光制御がなされる発光部と、
    を備える電子時計。
  7. 発光部の調光制御を割込み処理で行う発光制御方法。
  8. コンピュータを、
    発光部の調光制御を割込み処理で行う調光制御手段として機能させる
    プログラム。
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