JP2024000894A - 三次元造形物、積層材料及び三次元造形物の製造方法 - Google Patents

三次元造形物、積層材料及び三次元造形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】成形する際に形が崩れることを抑制できる三次元造形物、積層材料及び三次元造形物の製造方法を提供する。【解決手段】固化剤と粉末とを含む積層材料により形成された柱状体同士が接触して積層されて形成された三次元造形物であって、前記粉末の質量が前記積層材料の質量に対して5%以上である三次元造形物。【選択図】図6

Description

本開示は、三次元造形物、積層材料及び三次元造形物の製造方法に関する。
ファンデーションや口紅、アイシャドウ、頬紅等の化粧料において、形状や色彩を立体的に変更して加飾することが行われている。
特許文献1には、組成物を加熱することによって流動化させる工程と、ノズルのオリフィスを介して流動化組成物を射出してかたまりを得る工程と、を含む化粧製品の製造のための方法が開示されている。
特許文献2には、固形化粧料に対して相対的にノズルを移動させるとともに、模様形成用化粧料を粒状にしてノズルを介して飛ばすことによって、固形化粧料の表面に化粧料側模様を形成する模様形成ステップを備える模様付固形化粧料の製造方法が開示されている。
特許第6705603号公報 特開2019-038768号公報
本開示は、成形する際に形が崩れることを抑制できる三次元造形物、積層材料及び三次元造形物の製造方法を提供することを目的とする。
本開示は、固化剤と粉末とを含む積層材料により形成された柱状体同士が接触して積層されて形成された三次元造形物であって、前記粉末の質量が前記積層材料の質量に対して5%以上である三次元造形物を提供する。
本開示の三次元造形物、積層材料及び三次元造形物の製造方法によれば、成形する際に形が崩れることを抑制できる。
図1は、本実施形態に係る化粧品製造装置の概略を示す正面図である。 図2は、本実施形態に係る化粧品製造装置の概略を示す斜視図である。 図3は、本実施形態に係る化粧品製造装置における吐出部の概略を示す図である。 図4は、本実施形態に係る化粧品製造装置における吐出部から積層材料を吐出している状態を正面から見た図である。 図5は、本実施形態に係る化粧品製造装置における吐出部から積層材料を吐出している状態を上面から見た図である。 図6は、本実施形態に係る化粧品製造装置により形成した三次元造形物の一例の斜視図である。 図7は、本実施形態に係る化粧品製造装置により形成した三次元造形物の一例の斜視図である。
以下、本開示の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の又は対応する機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する場合がある。また、理解を容易にするために、図面における各部の縮尺は、実際とは異なる場合がある。
平行、直角、直交、水平、垂直、上下、左右などの方向には、実施形態の効果を損なわない程度のずれが許容される。角部の形状は、直角に限られず、弓状に丸みを帯びてもよい。平行、直角、直交、水平、垂直には、略平行、略直角、略直交、略水平、略垂直が含まれてもよい。
なお、図には、説明の便宜のため三次元座標系(XYZ直交座標系)が設定されている場合がある。図面の紙面に対して垂直な座標軸については、座標軸の丸の中にバツ印は紙面に対して奥の方向が正、丸の中に黒丸印は紙面に対して手前側が正であることを表している。ただし、当該座標系は、説明のために定めるものであって、本実施形態に係る化粧品製造装置1の姿勢について限定するものではない。
XYZ直交座標系のX軸及びY軸は、移動部20の支持台21の載置面21Aに平行な軸である。すなわち、X軸及びY軸に平行な面は水平面である。Z軸は、移動部20の支持台21の載置面21Aに垂直な軸である。
≪化粧品製造装置1≫
ここでは、積層材料により形成された柱状体同士が接触して積層されて形成された三次元造形物として、立体的に構成された化粧品を例に説明する。化粧品としては、例えば、ファンデーション、口紅、アイシャドウ、頬紅等である。三次元造形物の製造装置の一例として、本実施形態に係る化粧品製造装置1について説明する。
なお、柱状体とは、積層材料がノズルから連続して吐出されたときに形成される細長い形状を有する物体を意味する。例えば、柱状体とは、延びる方向、例えば、長手方向、に一様な断面形状を有する物体である。断面形状は、柱状体が延びる方向に対して垂直な断面の形状をいう。断面形状は、例えば、円形、楕円形、四角形等の多角形、星形等である。例えば、断面形状が四角形の場合は、断面が平行四辺形又は台形でもよい。また、例えば、断面が四角形の場合は、断面の幅が高さに対して広いような板状の物体も柱状体に含まれる。柱状体は、直線に沿って延びて形成されていてもよいし、曲線に沿って延びて形成されていてもよい。柱状の形状という場合も同様である。
[積層材料]
最初に、三次元造形物を形成するために用いられる積層材料について説明する。三次元造形物は、積層材料により形成された柱状体同士が接触して積層された積層物である。柱状体は、加熱されて軟化した積層材料が固化することにより形成される。
本実施形態に係る化粧品製造装置1は、固化剤と、粉末と、を含む積層材料を用いる。積層材料を加熱することにより、積層材料に含まれる固化剤が融解又は軟化する。固化剤が融解又は軟化することにより、積層材料が軟化する。
固化剤は、常温、例えば、温度15℃から25℃の範囲において固体となり、温度80℃から100℃の範囲内に加熱すると溶融又は軟化する化粧品を構成する材料である。固化剤は、例えば、融点が温度80℃から100℃の範囲内である油等である。固化剤は、例えば、ワックス、パルミチン酸デキストリン、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー等である。
粉末は、常温、例えば、温度15℃から25℃の範囲において固体であって、化粧品を構成する粉状の材料である。粉末は、例えば、融点が温度1000℃以上の固体である。いいかえると、粉末は、三次元造形物を製造する際に積層材料を加熱しても、溶けずに固体の状態を維持する粉状の材料である。粉末を構成する粉の粒の大きさ(粒径)は、例えば、0.01マイクロメートルから50マイクロメートルの範囲内に含まれる。粉末は、例えば、マイカ、セリサイト、カオリン、リン酸カルシウム、メタクリル酸メチルクロスポリマー、パール剤及び色材等である。
化粧品は、化粧品の固まりからとれやすいこと(とれ性)と、化粧品が肌等の対象につきやすいこと(つき性)と、を有することが望まれる。例えば、化粧品を対象に塗布する場合に、とれ性を高くすることにより、化粧品から剥離して対象に塗布しやすくなる。特に、化粧品をチップや塗布具を用いて化粧品の固まりから化粧品の一部を剥離させて、対象に塗布する場合に、化粧品の固まりからとれやすいことが重要である。また、例えば、化粧品を対象に塗布する場合に、つき性を高くすることにより、化粧品が肌等の対象に十分密着しやすくなる。化粧品が肌等の対象に十分密着することにより、対象に塗布した化粧品が剥がれることを長時間にわたって防止できる。積層材料に、粉末を添加することにより、とれ性とつき性を向上できる。
本実施形態に係る化粧品製造装置1により製造される三次元造形物である化粧品は、積層材料により形成された柱状体同士が接触して積層される。柱状体が上下方向に積層される際に、下側の柱状体が上側の柱状体により押しつぶされて形状が変形すると、最終的に製造される三次元造形物である化粧品の形状が、所望の形状にならない。したがって、柱状体を形成する積層材料は、積層する際に柱状体の形状が保持されるような材料が求められる。
発明者たちは、積層材料に含まれる粉末の量に着目して、積層材料に含まれる粉末の重量が大きいほど、柱状体の形状が保持されることを見出した。具体的には、本実施形態に係る化粧品製造装置1に用いられる積層材料は、積層材料に含まれる粉末の重量が積層材料の重量に対して5%以上、より好ましくは20%以上、であることが望ましい。積層材料に含まれる粉末の重量が積層材料の重量に対して5%以上、より好ましくは20%以上、であることにより、当該積層材料を用いて三次元造形物を成形したときに、形が崩れることを抑制できる。
さらに、発明者たちは、積層材料に含まれる粉末の吸油量に着目して、積層材料に含まれる粉末の吸油量が多いほど、少ない粉末量で柱状体の形状が保持されることを見出した。具体的には、本実施形態に係る化粧品製造装置1に用いられる積層材料の粉末は、100グラム当たりの吸油量が40ミリリットル以上であることが望ましい。100グラム当たりの吸油量が40ミリリットル以上である粉末を積層材料が含むことにより、少ない粉末量で、当該積層材料を用いて三次元造形物を成形したときに、形が崩れることを抑制できる。
なお、100グラム当たりの吸油量が40ミリリットル以上である粉末は、例えば、マイカ、セリサイト、カオリン、リン酸カルシウム、メタクリル酸メチルクロスポリマー、パール剤である。また、100グラム当たりの吸油量が40ミリリットル未満である粉末は、例えば、色材である。
なお、積層材料には、液状又は半固形状の油分を含んでいてもよい。液状又は半固形状の油分は、例えば、常温において液状又は半固形状であるシリコーン油、炭化水素油等である。
[化粧品製造装置1の構成]
図1は、本実施形態に係る化粧品製造装置1の概略を示す正面図である。図2は、本実施形態に係る化粧品製造装置1の概略を示す斜視図である。化粧品製造装置1は、立体固形化粧品を製造する製造装置である。化粧品製造装置1は、積層材料を用いて三次元造形物を形成する。化粧品製造装置1は、吐出部10と、移動部20と、制御部30と、を備える。
<吐出部10>
吐出部10は、積層材料を加熱して軟化させる。そして、吐出部10は、軟化した積層材料をノズルから支持台21に向けて連続して吐出する。
吐出部10は、ノズル11と、供給部12と、を備える。吐出部10は、ノズル11の先端11aから、連続して積層材料を吐出する。吐出部10がノズル11の先端11a(図3を参照)から連続して積層材料を吐出することにより、柱状の形状を有する積層材料が吐出される。いいかえると、吐出部10がノズル11の先端11aから連続して積層材料を吐出することにより、柱状体が形成される。吐出部10の供給部12は、ノズル11に、吐出する積層材料を供給する。
吐出部10を構成するノズル11及び供給部12について詳細を説明する。図3は、本実施形態に係る化粧品製造装置1における吐出部10の概略を示す図である。
[ノズル11]
ノズル11は、供給部12から供給された積層材料を吐出する。ノズル11は、先端が円筒状の形状を有する。ノズル11の供給部12側から積層材料が供給部12から供給される。供給された積層材料は、図3の矢印付き線A2に示すように、筒の内部を通過して、ノズル11の先端11aから吐出される。
積層材料は、ノズル11の先端11aにおける積層材料が吐出される開口の形状に倣った形状で吐出される。例えば、開口が円形である場合は、積層材料は、円柱状に吐出される。開口が矩形である場合は、積層材料は、四角柱状に吐出される。ノズル11から吐出される積層材料は、ノズル11から連続して吐出されることにより、図4及び図5で示すように、柱状の形状を有する柱状体Etdを形成する。
なお、積層材料の粘度は、例えば、軟化した状態において、20パスカル秒以上であることが望ましい。積層材料の粘度を、軟化した状態において、20パスカル秒以上にすることにより、ノズル11から積層材料をなめらかに吐出できる。ノズル11から積層材料をなめらかに吐出することにより、ノズル11から吐出する積層材料の形状を安定させて、一定の形状の柱状体を形成できる。
[供給部12]
供給部12は、ノズル11に積層材料を供給する。供給部12は、貯蔵部12aと、移送部12bと、加熱部12cと、を備える。
(貯蔵部12a)
貯蔵部12aは、積層材料を貯蔵する。貯蔵部12aに貯蔵された積層材料は、移送部12bにより、ノズル11に移送される。貯蔵部12aは、加熱部12cにより加熱される。貯蔵部12aが加熱部12cにより加熱されることにより、積層材料は軟化される。
(移送部12b)
移送部12bは、貯蔵部12aに貯蔵されている積層材料をノズル11に移送する。移送部12bは、例えば、回転容積式一軸偏心ねじポンプである。移送部12bは、貯蔵部12aから図3の矢印付き線A1に示すように積層材料を取り込む。そして、移送部12bは、取り込んだ積層材料を図3の矢印付き線A2に示すように、ノズル11に供給して、ノズル11から吐出する。
移送部12bは、単位時間当たり一定の移送量で連続して積層材料を貯蔵部12aからノズル11に移送する。単位時間当たり一定の移送量は、例えば、移動部20による吐出部10の移動速度等により定められる。
移送部12bが単位時間当たり一定の移送量で連続して積層材料を貯蔵部12aからノズル11に移送することにより、単位時間当たり一定の量の積層材料がノズル11から吐出される。ノズル11から単位時間当たり一定の量の積層材料が吐出されると、吐出された積層材料により、一様な断面形状を有する柱状体を形成できる。
(加熱部12c)
加熱部12cは、積層材料を加熱して、積層材料を軟化させる。加熱部12cは、積層材料を加熱するために、貯蔵部12a及び移送部12bを加熱する。加熱部12cは、例えば、貯蔵部12a及び移送部12bのそれぞれを囲んで設けられる。加熱部12cは、例えば、電熱ヒータである。
加熱部12cは、例えば、固化剤の融点以上になるように積層材料を加熱する。なお、固化剤の融点以下であっても、積層材料が軟化する場合は、積層材料が軟化する温度まで加熱するようにしてもよい。
<移動部20>
移動部20は、吐出部10を水平方向、具体的には、X軸方向及びY軸方向、に移動する。移動部20は、支持台21と、支持台21に対して垂直方向に立てられた柱22及び柱23と、柱22と柱23との間をつなぐ梁24と、を備える。
柱22は、柱23とY軸方向において同じ位置となる。いいかえると、柱22のY座標は、柱23のY座標と等しい。そして、柱22は、柱23に対してX軸方向に離隔して設けられる。柱22及び柱23のそれぞれは、支持台21の上をY軸方向に移動可能になっている。柱22及び柱23のそれぞれのY軸方向の位置は、制御部30により制御される。
また、梁24は、X軸方向に移動可能な取り付け部25を備える。当該取り付け部25に吐出部10が取り付けられることにより、吐出部10は梁24をX軸方向に移動可能になっている。吐出部10のX軸方向の位置は、制御部30により制御される。
移動部20は、柱22及び柱23がY軸方向に移動し、梁24により吐出部10がX軸方向に移動することにより、支持台21に対して吐出部10の位置をX軸方向及びY軸方向に相対的に移動できる。なお、支持台21に対して吐出部10の位置をX軸方向及びY軸方向に相対的に移動するのに、吐出部10を固定して、支持台21を移動してもよいし、吐出部10及び支持台21の両方を移動してもよい。
支持台21の載置面21Aには、支持体100が載置される。支持体100の上には、積層材料が積層される。したがって、移動部20は、支持体100に対して吐出部10の位置をX軸方向及びY軸方向に相対的に移動できる。支持体100は、例えば、板状の部材でもよいし、塗布具でもよい。支持体100に形成した三次元造形物である化粧品は、支持体100から取り外して使用してもよい。また、塗布具に化粧品を形成した場合には、塗布具を手に持って、対象に塗布してもよい。
<制御部30>
制御部30は、吐出部10及び移動部20を制御する。制御部30は、例えば、パーソナルコンピュータ又はプログラマブルロジックコントローラ等である。制御部30は、吐出部10及び移動部20のそれぞれと通信可能に接続される。
制御部30は、ノズル11から所定の量の積層材料を吐出させるように、吐出部10を制御する。
また、制御部30は、吐出部10が支持体100に対して所定の位置になるように、移動部20を制御する。具体的には、吐出部10を所定の位置に連続的に移動させて、ノズル11から吐出した積層材料が所定のパターンになるように、制御部30は移動部20を制御する。
[化粧品製造装置1を用いる化粧品製造方法]
本実施形態に係る化粧品製造装置1を用いて三次元造形物である化粧品を製造する化粧品製造方法(三次元造形物の製造方法)について説明する。
本実施形態に係る化粧品製造装置1は、固化剤と粉末とを含む積層材料を熱して軟化させてノズル11から支持台21に向けて吐出して三次元造形物である化粧品を形成する。三次元造形物の製造方法の一例として、化粧品製造装置1を用いる化粧品の製造方法について説明する。
本実施形態に係る化粧品製造装置1を用いた粉末を含有する三次元造形物の製造方法は、(a)積層材料を、加熱して軟化させる工程と、(b)軟化した積層材料を、ノズル11から支持台21に向けて連続して吐出し固化する工程と、(c)積層材料を連続して吐出し固化する工程中に、ノズル11と支持台21との相対位置を変更する工程と、を含む。
(a)積層材料を、加熱して軟化させる工程
化粧品製造装置1は、加熱部12cによって貯蔵部12a及び移送部12bを加熱することにより、積層材料を加熱して軟化させる。例えば、加熱部12cは、積層材料に含まれる固化剤の融点以上に加熱する。なお、積層材料に含まれる固化剤の融点より低い温度でも、積層材料が軟化するのであれば、加熱部12cは、積層材料が軟化する温度まで加熱するようにしてもよい。
(b)軟化した積層材料を、ノズルから支持台に向けて連続して吐出し固化する工程
化粧品製造装置1は、ノズル11から積層材料を支持台21に向けて吐出する。吐出部10は、積層材料を連続して吐出する。吐出部10から吐出された積層材料は、吐出後、冷えることにより固化する。なお、吐出後の積層材料に、例えば、冷えた空気を吹きつけて冷却するようにしてもよい。冷えた空気を吹きつけて冷却することにより、積層材料を早く固化できる。
(c)積層材料を連続して吐出し固化する工程中に、ノズルと支持台との相対位置を変更する工程
化粧品製造装置1は、ノズル11から積層材料を支持台21に向けて吐出しながら、ノズル11と支持台21との相対位置を変更する。吐出部10は、積層材料を連続して吐出しながら、ノズル11と支持台21との相対位置を変更することにより、柱状体が積層材料により形成される。
図4及び図5のそれぞれを参照しながら、吐出部10から積層材料を吐出している様子について説明する。図4は、本実施形態に係る化粧品製造装置1における吐出部10から積層材料を吐出している状態を正面から見た図である。図5は、本実施形態に係る化粧品製造装置1における吐出部10から積層材料を吐出している状態を上面から見た図である。
吐出部10は、吐出する対象に対して、ノズル11の先端11aを距離hnだけ離して位置するようにする。そして、ノズル11から積層材料を吐出する。積層材料をノズル11から吐出すると、積層材料は冷却されて固化する。積層材料が固化することにより、柱状の形状を有する柱状体Etdが形成される。柱状体Etdの形状は、ノズル11の先端11aの開口の形状により定まる。例えば、柱状体Etdは、断面方向の幅w及び高さhを有する柱状の形状を有する。断面方向の幅w及び高さhのそれぞれは、例えば、2ミリメートル以下である。
柱状体Etdを積層することにより、三次元造形物を形成する。図6は、本実施形態に係る化粧品製造装置1により形成した三次元造形物の一例である化粧品Obj1の斜視図である。図7は、本実施形態に係る化粧品製造装置1により形成した三次元造形物の一例である化粧品Obj2の斜視図である。
化粧品Obj1の形成方法について説明する。化粧品製造装置1は、Y軸方向に延びる複数の柱状体Etd1を形成する。複数の柱状体Etd1は、X軸方向に互いに接触しながら複数配列して、1つの層を形成する。図6の例では、1つの層あたり16個の柱状体Etd1が形成される。そして、形成された1つの柱状体Etd1の層の上には、さらに、複数の柱状体Etd1により形成された層が形成される。隣接する柱状体Etd1同士は接触して積層される。図6の例では、6層の柱状体Etd1の層が形成される。
図6のように、複数の柱状体Etd1を、隣接する柱状体Etd1同士で接触して積層することにより、全体で略直方体状の三次元造形物である化粧品Obj1が形成される。なお、隣接する柱状体Etd1の間は、剥離しやすくなっている。したがって、化粧品Obj1は、柱状体Etd1毎に剥離しやすいことから、とれ性を向上できる。
化粧品Obj2の形成方法について説明する。化粧品製造装置1は、XY平面に平行な面に、円形の柱状体Etd2を形成する。図7の例では、吐出部10を円を描くように一周移動させることにより、円形の柱状体Etd2を形成する。円形の柱状体Etd2は、1つの層を形成する。そして、形成された柱状体Etd2の上に、さらに、円形の柱状体Etd2が形成される。積層される柱状体Etd2において、隣接する柱状体Etd2同士は接触して積層される。図7の例では、5層の柱状体Etd2の層が形成される。
図7のように、複数の柱状体Etd2を、隣接する柱状体Etd2同士で接触して積層することにより、全体で略環状の三次元造形物である化粧品Obj2が形成される。なお、隣接する柱状体Etd2の間は、剥離しやすくなっている。したがって、化粧品Obj2は、柱状体Etd2毎に剥離しやすいことから、とれ性を向上できる。
なお、化粧品Obj1及び化粧品Obj2の例では、層毎に同じ形状の柱状体を積層していたが、例えば、柱状体の形状を、下の層の柱状体に積層可能な範囲で変更してもよい。例えば、下の層に対して、所定の方向にずらして上の層を形成することにより、傾斜した三次元造形物を形成してもよい。
また、形状についても、化粧品Obj1及び化粧品Obj2の例に限らず、例えば、多角形状、楕円状に柱状体を形成してもよいし、スプライン曲線、ベジェ曲線等の曲線に沿った柱状体を形成してもよい。柱状体により形成されるパターンは、文字、図形等でもよい。
[化粧品製造装置1を用いて製造した化粧品]
本実施形態に係る化粧品製造装置1を用いて、実際に化粧品を製造した例を示す。表1は、本実施形態に係る化粧品製造装置1を用いて製造した化粧品を評価した結果を示す。表1のEx1、Ex2、Ex3、Ex4、Ex5及びEx6のそれぞれは、粉末の質量が前記積層材料の質量に対して5%以上である積層材料を用いて製造した実施例を示す。表1のRef1、Ref2及びRef3は、粉末Aの質量が積層材料の質量に対して5%未満である積層材料を用いて製造した参考例を示す。
固化剤、油分、粉末A及び粉末Bのそれぞれの行は、固化剤、油分、粉末A及び粉末Bのそれぞれの積層材料に対する重量パーセントを表す。なお、粉末Aは、粉末の100グラム当たりの吸油量が40ミリリットル以上である粉末を示す。粉末Bは、粉末の100グラム当たりの吸油量が40ミリリットル未満である粉末を示す。
評価Aは化粧品製造装置1を用いて4層まで積層して形が崩れないかどうか評価した結果、評価Bは化粧品製造装置1を用いて5層積層して形が崩れないかどうか評価した結果、を示す。「G」は、積層しても形が崩れなかったことを示す。「F」は、積層したときに形が崩れたことを示す。
なお、実施例1(Ex1)、実施例2(Ex2)、実施例3(Ex3)、実施例4(Ex4)、実施例5(Ex5)、実施例(Ex6)、参考例1(Ref1)、参考例2(Ref2)及び参考例3(Ref3)のそれぞれの具体的な組成を以下に示す。
<実施例1(Ex1)>
・固化剤:ワックス 15.0%
・油分:炭化水素油 60.0%+シリコーン油 20.0%
・粉末A:メタクリル酸メチルクロスポリマー 5.0%
・粉末B:なし
<実施例2(Ex2)>
・固化剤:ワックス 15.0%
・油分:炭化水素油 45.0%+シリコーン油 20.0%
・粉末A:なし
・粉末B:色材 20.0%
<実施例3(Ex3)>
・固化剤:パルミチン酸デキストリン 10.0%+(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー 5.5%
・油分:炭化水素油 20.1%+シリコーン油 21.0%
・粉末A:マイカPDM-9L-20 4.2%+カオリンASP400 6.0%+SKY第2リン酸カルシウム 4.0%+メタクリル酸メチルクロスポリマー 3.0%+トゥインクルパール 25.5%
・粉末B:色材 0.7%
<実施例4(Ex4)>
・固化剤:ワックス 10.2%+パルミチン酸デキストリン 0.3%
・油分:炭化水素油 13.1%+シリコーン油 23.0%
・粉末A:セリサイトMAS(T) 25.0%+カオリンASP400 10.0%+マイカPDM-5L 8.4%+メタクリル酸メチルクロスポリマー 5.0%
・粉末B:色材 5.0%
<実施例5(Ex5)>
・固化剤:ワックス 10.2%+パルミチン酸デキストリン 0.3%
・油分:炭化水素油 13.1%+シリコーン油 23.0%
・粉末A:セリサイトMAS(T) 10.0%+カオリンASP400 10.0%+マイカPDM-5L 8.4%+メタクリル酸メチルクロスポリマー 5.0%
・粉末B:色材 20.0%
<実施例6(Ex6)>
・固化剤:ワックス 10.2%+パルミチン酸デキストリン 0.3%
・油分:炭化水素油 41.6%+シリコーン油 23.0%
・粉末A:セリサイトMAS(T) 5.0%
・粉末B:色材 19.9%
<参考例1(Ref1)>
・固化剤:ワックス 10.8%
・油分:炭化水素油 57.2%+シリコーン油 20.0%
・粉末A:マイカPDM-9L-20 2.0%+トゥインクルパール 1.0%
・粉末B:色材 9.0%
<参考例2(Ref2)>
・固化剤:ワックス 7.15%
・油分:炭化水素油 72.75%+半固形油分 20.0%
・粉末A:なし
・粉末B:色材 0.1%
<参考例3(Ref3)>
・固化剤:ワックス 15.0%
・油分:炭化水素油 64.98%+シリコーン油 20.0%
・粉末A:なし
・粉末B:色材 0.02%
Figure 2024000894000002
表1の結果より、積層材料に含まれる粉末を多くすることにより、5層以上積層するときに、柱状体の形状が保持される。具体的には、本実施形態に係る化粧品製造装置1に用いられる積層材料は、積層材料に含まれる粉末Aの重量が積層材料の重量に対して5%以上であれば、5層以上柱状体を積層するときに、形状が保持される。また、粉末Bの重量が積層材料の重量に対して20%以上であれば、5層以上柱状体を積層するときに、形状が保持される。
なお、積層材料を積層する際には、複数の積層材料を変えながら積層してもよい。例えば、色の異なる複数の積層材料を用いて、多色の化粧品を形成してもよい。
また、上記の例では、三次元造形物として、化粧品を形成する例について説明したが、三次元造形物としては、化粧品に限らず、例えば、食品、薬品等でもよい。
<作用・効果>
本開示の三次元造形物、積層材料及び三次元造形物の製造方法によれば、成形する際に形が崩れることを抑制できる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
1 化粧品製造装置
10 吐出部
11 ノズル
11a 先端
12 供給部
12a 貯蔵部
12b 移送部
12c 加熱部
20 移動部
21 支持台
21A 載置面
22、23 柱
24 梁
25 取り付け部
30 制御部
100 支持体
Etd、Etd1、Etd2 柱状体
Obj1、Obj2 化粧品

Claims (23)

  1. 固化剤と粉末とを含む積層材料により形成された柱状体同士が接触して積層されて形成された三次元造形物であって、
    前記粉末の質量が前記積層材料の質量に対して5%以上である、
    三次元造形物。
  2. 前記粉末の質量が前記積層材料の質量に対して20%以上である、
    請求項1に記載の三次元造形物。
  3. 前記粉末の100グラム当たりの吸油量が40ミリリットル以上である、
    請求項1に記載の三次元造形物。
  4. 前記柱状体の断面方向の高さ及び幅のそれぞれは、2ミリメートル以下である、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の三次元造形物。
  5. 前記三次元造形物は、化粧品である、
    請求項4に記載の三次元造形物。
  6. 前記粉末は、マイカ及びセリサイトのいずれかを含む、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の三次元造形物。
  7. 前記三次元造形物は、化粧品である、
    請求項6に記載の三次元造形物。
  8. 前記粉末は、マイカ及びセリサイトのいずれかを含む、
    請求項4に記載の三次元造形物。
  9. 前記三次元造形物は、化粧品である、
    請求項8に記載の三次元造形物。
  10. 前記粉末は、パール剤を含む、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の三次元造形物。
  11. 前記三次元造形物は、化粧品である、
    請求項10に記載の三次元造形物。
  12. 前記粉末は、パール剤を含む、
    請求項4に記載の三次元造形物。
  13. 前記三次元造形物は、化粧品である、
    請求項12に記載の三次元造形物。
  14. 前記三次元造形物は、化粧品である、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の三次元造形物。
  15. 固化剤と粉末とを含む積層材料により形成された柱状体同士が接触して積層されて形成された三次元造形物に用いられる前記積層材料であって、
    前記粉末の質量が前記積層材料の質量に対して5%以上である、
    積層材料。
  16. 前記三次元造形物は、化粧品である、
    請求項15に記載の積層材料。
  17. 固化剤と粉末とを含む積層材料を熱して軟化させてノズルから支持台に向けて吐出して三次元造形物を形成する三次元造形物の製造方法であって、
    (a)前記積層材料を、加熱して軟化させる工程と、
    (b)軟化した前記積層材料を、前記ノズルから前記支持台に向けて連続して吐出し固化する工程と、
    (c)前記積層材料を連続して吐出し固化する工程中に、前記ノズルと前記支持台との相対位置を変更する工程と、
    を含み、
    前記粉末の質量が前記積層材料の質量に対して5%以上である、
    前記粉末を含有する三次元造形物の製造方法。
  18. 前記積層材料の粘度は、軟化した状態において、20パスカル秒以上である、
    請求項17に記載の三次元造形物の製造方法。
  19. 前記支持台に向けて吐出され固化した前記積層材料は、柱状の形状を有する、
    請求項18に記載の三次元造形物の製造方法。
  20. 前記柱状である前記積層材料の断面方向の高さ及び幅のそれぞれは、2ミリメートル以下である、
    請求項19に記載の三次元造形物の製造方法。
  21. 前記支持台に向けて吐出され固化した前記積層材料は、柱状の形状を有する、
    請求項17に記載の三次元造形物の製造方法。
  22. 前記柱状である前記積層材料の断面方向の高さ及び幅のそれぞれは、2ミリメートル以下である、
    請求項21に記載の三次元造形物の製造方法。
  23. 前記三次元造形物は、化粧品である、
    請求項17から請求項22のいずれか一項に記載の三次元造形物の製造方法。
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