JP2024000879A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】形状が簡素でありながら空気抵抗が低減する空気入りタイヤを提供する。【解決手段】一対のビード10と、一対のビード10のそれぞれからタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール20と、一対のサイドウォール20の間に配置され、その外面である踏面36aにタイヤ周方向に延びる主溝38が形成されたトレッド30と、一対のサイドウォール20のそれぞれからトレッド30へ移行する領域に配置される一対のショルダー40と、一対のビード10の間に架け渡されたカーカスプライ50と、を備え、規定リムに装着し、規定内圧をかけた状態で、かつ、無負荷時でのタイヤ幅方向断面形状において、タイヤ回転軸に対するショルダー40の外表面40aのなす角度が、55°以上63°以下であり、主溝の深さが、6.5mm以上8.0mm以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
一般に空気入りタイヤは、タイヤ幅方向の両端内周部に配置される一対のビードの間にカーカスプライを架け渡した骨格構造を、トレッドゴムやサイドウォールゴム等で被覆した構造を有する。従来、サイドウォールゴムで構成されるタイヤの側面に、タイヤ周方向に沿って複数のフィン状の突起を配置することにより、空気抵抗の低減を図った空気入りタイヤが知られている(特許文献1、2等参照)。
特開2021-49954号公報 特許第6690642号公報
通常、空気入りタイヤは金型で成形される。したがって、側面に複数のフィン状の突起を有するタイヤを成形する場合には金型形状の複雑化を招く。金型形状の複雑化は、製造コストの上昇や歩留まりの低下を招くおそれがある。
そこで本発明は、形状が簡素でありながら空気抵抗が低減する空気入りタイヤを提供することを目的としている。
本発明の空気入りタイヤは、一対のビードと、前記一対のビードのそれぞれからタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォールと、前記一対のサイドウォールの間に配置され、その外面にタイヤ周方向に延びる主溝が形成されたトレッドと、前記一対のサイドウォールのそれぞれから前記トレッドへ移行する領域に配置される一対のショルダーと、前記一対のビードの間に架け渡されたカーカスプライと、を備えた空気入りタイヤであって、規定リムに装着し、規定内圧をかけた状態で、かつ、無負荷時でのタイヤ幅方向断面形状において、タイヤ回転軸に対する前記ショルダーの外表面のなす角度が、55°以上63°以下であり、前記主溝の深さが、6.5mm以上8.0mm以下である。
本発明によれば、形状が簡素でありながら空気抵抗が低減する空気入りタイヤを提供することができる。
実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ幅方向の半断面を示す図である。 図1のII部拡大図である。 図1のIII部拡大図である。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤであるタイヤ1のタイヤ幅方向の半断面を示している。図2は、図1のIIで示す部分の拡大図であって、後述するショルダー40の部分を主に示す断面図である。図3は、図1のIIIで示す部分の拡大図であって、後述するトレッド30の部分を主に示す断面図である。図1の断面図は、タイヤ1を図示せぬ規定リムに装着し、かつ、規定内圧を充填した無負荷状態のタイヤ幅方向断面図(タイヤ子午線断面図)である。なお、規定リムとは、タイヤサイズに対応してJATMAに定められた標準となるリムを指す。また、規定内圧とは、例えばタイヤが乗用車用である場合には180kPaである。
実施形態に係るタイヤ1は、例えば、乗用車用の空気入りタイヤである。なお、実施形態に係るタイヤ1は、乗用車の他に、ライトトラック、トラック、バス等の各種車両用として採用することができる。
タイヤ1の基本的な構造は、タイヤ幅方向の断面において左右対称となっている。図1は、タイヤ1の右半分の半断面を示しており、不図示の左半分も同じ構造である。図1中、符号S1は、タイヤ赤道面である。タイヤ赤道面S1は、タイヤ回転軸(タイヤ子午線)に直交する面で、かつ、タイヤ幅方向中心に位置する面である。
ここで、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向であり、図1における紙面左右方向である。図1においては、タイヤ幅方向Xとして図示している。タイヤ幅方向内側とは、タイヤ赤道面S1に近づく方向であり、図1においては紙面左側である。タイヤ幅方向外側とは、タイヤ赤道面S1から離れる方向であり、図1においては紙面右側である。
また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向であり、図1における紙面上下方向である。図1においては、タイヤ径方向Yとして図示している。タイヤ径方向外側とは、タイヤ回転軸から離れる方向であり、図1においては紙面上側である。タイヤ径方向内側とは、タイヤ回転軸に近づく方向であり、図1においては紙面下側である。
図1に示すように、タイヤ1は、一対のビード10と、一対のビード10のそれぞれからタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール20と、一対のサイドウォール20の間に配置されたトレッド30と、一対のサイドウォール20のそれぞれとトレッド30との間に配置された一対のショルダー40と、一対のビード10の間に架け渡されて配置されたカーカスプライ50と、カーカスプライ50のタイヤ内腔側に配置されたインナーライナー60と、を備えている。
一対のビード10は、タイヤ幅方向両側、かつ、タイヤ径方向内側の端部に配置されている。ビード10は、ビードコア11と、ビードコア11からタイヤ径方向外側に延びるビードフィラー12と、チェーハー13と、リムストリップゴム14と、を有している。
ビードコア11は、ゴムが被覆された金属製のビードワイヤがタイヤ周方向に複数回巻かれた環状の部材である。ビードコア11は、空気が充填されたタイヤ1を、リムに固定する役目を果たす部材である。ビードフィラー12は、タイヤ径方向内側からタイヤ径方向外側に延びるにつれて厚みが減じる先細り形状となっている。ビードフィラー12は、ビード10の周辺部分の剛性を高め、高い操縦性及び安定性を確保するために設けられる。ビードフィラー12は、例えば、周囲のゴム部材よりも硬度の高いゴムにより構成される。
チェーハー13は、ビードコア11及びビードフィラー12を囲んで設けられるカーカスプライ50の外側をさらに囲んでいる。リムストリップゴム14は、チェーハー13及びカーカスプライ50のタイヤ幅方向外側に配置されている。チェーハー13及びリムストリップゴム14は、タイヤ1が装着されるリムの内面に接触する。
サイドウォール20は、カーカスプライ50のタイヤ幅方向外側に配置されたサイドウォールゴム21を含んでいる。サイドウォールゴム21は、タイヤ1のタイヤ周方向外側の側面を構成する。サイドウォールゴム21のタイヤ径方向内側端部21cは、リムストリップゴム14のタイヤ径方向外側端部14bを覆っている。サイドウォールゴム21は、タイヤ1がクッション作用をする際に最もたわむ部分であり、通常、耐疲労性を有する柔軟なゴムが採用される。
サイドウォールゴム21のタイヤ径方向内側端は、タイヤ周方向に沿った頂部21aを含んでいる。この頂部21aと、上述したリムストリップゴム14の外表面とにより、外傷からリムを保護するリムプロテクタ15が構成されている。このリムプロテクタ15は、タイヤ周方向に環状に連続している。
トレッド30は、無端状のベルト31及びキャッププライ35と、トレッドゴム36と、を備えている。ベルト31は、インナーライナー60のタイヤ径方向外側に配置されている。キャッププライ35は、ベルト31のタイヤ径方向外側に配置されている。トレッドゴム36は、キャッププライ35のタイヤ径方向外側に配置されている。
ベルト31は、トレッド30を補強する部材である。実施形態のベルト31は、インナーライナー60のタイヤ径方向外側に配置された内側ベルト32と、内側ベルト32のタイヤ径方向外側に配置された外側ベルト33と、を備えた2層構造である。内側ベルト32及び外側ベルト33は、いずれも複数のスチールコード等のコードがゴムで覆われた構造を有している。
内側ベルト32は、外側ベルト33よりも幅広である。したがって、内側ベルト32のタイヤ幅方向外端32aは、外側ベルト33のタイヤ幅方向外端33aよりもタイヤ幅方向外側に位置している。ベルト31を設けることにより、タイヤ1の剛性が確保され、路面に対するトレッド30の接地性が向上する。なお、ベルト31は2層構造に限らず、1層、あるいは3層以上の構造を有していてもよい。
キャッププライ35は、ベルト31とともにトレッド30を補強する部材である。キャッププライ35は、例えば、ポリアミド繊維等の絶縁性を有する複数の有機繊維コードがゴムで覆われた構造を有している。キャッププライ35のタイヤ幅方向外側端部35aは、タイヤ径方向外側から内側に折り畳まれて2重になっている。キャッププライ35のタイヤ幅方向外端35bは、内側ベルト32のタイヤ幅方向外端32aよりもタイヤ幅方向外側に位置している。キャッププライ35は、ベルト31全体を1枚で覆う幅広の部材である。
実施形態のキャッププライ35は1層であるが、2層以上の構造であってもよい。キャッププライ35を設けることにより、耐久性の向上や、走行時のロードノイズの低減を図ることができる。
トレッドゴム36は、キャッププライ35のタイヤ径方向外側に配置されている。トレッドゴム36は、走行時に路面と接地するトレッド30の外面である踏面36aを構成する部材である。トレッドゴム36の踏面36aには、トレッドパターン37が設けられている。
トレッドパターン37は、複数の主溝38と、複数のスリット39と、を含む。実施形態の複数の主溝38は、タイヤ幅方向内側に配置された2本の第1主溝38Aと、これら第1主溝38Aよりもタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置された2本の第2主溝38Bと、を含む。第1主溝38A及び第2主溝38Bは、いずれもタイヤ周方向に沿って環状に形成されている。スリット39は、タイヤ幅方向に略沿って延びる細い溝であり、第2主溝38Bよりもタイヤ幅方向外側に配置されている。スリット39は、トレッド30の踏面36aのタイヤ幅方向外側の端部から、後述するショルダー40の外表面40aにわたって形成されている。
トレッドゴム36のタイヤ幅方向外側端部36bは、キャッププライ35のタイヤ幅方向外端35bを越えてタイヤ径方向内側に延び、サイドウォールゴム21のタイヤ径方向外側端部21bを覆っている。
ショルダー40は、サイドウォール20からトレッド30へ移行する領域に配置されている。ショルダー40は、ショルダーゴム41を含んでいる。ショルダーゴム41は、サイドウォールゴム21のタイヤ径方向外側端部21bの外面の一部と、トレッドゴム36のタイヤ幅方向外側端部36bの外面とを覆っている。
カーカスプライ50は、タイヤ1の骨格となるプライを構成している。カーカスプライ50は、一対のビード10の間を、一対のサイドウォール20及びトレッド30のタイヤ内腔側を通過する態様で、タイヤ1内に埋設されている。
カーカスプライ50は、タイヤ1の骨格となる複数の図示せぬプライコードを含んでいる。複数のプライコードは、例えばタイヤ幅方向に沿った面内に沿って延びており、タイヤ周方向に並んで配列されている。このプライコードは、ポリエステルやポリアミド等の絶縁性の有機繊維コード等により構成されている。複数のプライコードがゴムにより被覆されて、カーカスプライ50が構成されている。
カーカスプライ50は、プライ本体部51と、プライ折り返し部52と、屈曲部53と、を有する。プライ本体部51は、一方のビードコア11のタイヤ幅方向内側から、一方のサイドウォール20、トレッド30及び他方のサイドウォール20を経て、他方のビードコア11のタイヤ幅方向内側まで延在する部分である。プライ折り返し部52は、プライ本体部51のタイヤ径方向内端からビードコア11周りに折り返されることにより、ビードフィラー12のタイヤ幅方向外側においてタイヤ径方向外側に延びている部分である。屈曲部53は、プライ本体部51からビードコア11周りにU字状に屈曲し、プライ折り返し部52につながる部分である。プライ本体部51とプライ折り返し部52とは、屈曲部53を介して連続している。
プライ本体部51は、タイヤ径方向内側においてビードコア11及びビードフィラー12のタイヤ幅方向内側に配置されている。プライ折り返し部52は、ビードコア11及びビードフィラー12のタイヤ幅方向外側に配置されている。屈曲部53は、カーカスプライ50においてタイヤ径方向の最も内側の部分を含んでいる。
実施形態のカーカスプライ50は、第1カーカスプライ55及び第2カーカスプライ56が重ねられた2層構造を有している。プライ本体部51においては、第1カーカスプライ55が第2カーカスプライ56のタイヤ内腔側に配置される。
プライ折り返し部52においては、第1カーカスプライ55が第2カーカスプライ56のタイヤ幅方向外側に配置されている。プライ折り返し部52の第1カーカスプライ55は、屈曲部53からサイドウォール20の外面におけるタイヤ最大幅位置H付近まで延びている。すなわち、第1カーカスプライ55の折り返し端55aは、タイヤ最大幅位置H付近に位置している。プライ折り返し部52の第2カーカスプライ56は、屈曲部53からビードフィラー12の途中まで延びている。すなわち、第2カーカスプライ56の折り返し端56aは、ビードフィラー12のタイヤ幅方向外側に位置している。
ビードフィラー12のタイヤ幅方向外側には、スチール部材による補強層であるサイド補強層70が配置されている。このサイド補強層70は、ビードフィラー12と、カーカスプライ50のプライ折り返し部52との間に挟まれており、さらに、ビードフィラー12からタイヤ径方向外側に延びている。サイド補強層70のビードフィラー12からタイヤ径方向外側に延びている部分は、プライ本体部51の第2カーカスプライ56と、プライ折り返し部52の第1カーカスプライ55とに挟まれている。プライ折り返し部52の第1カーカスプライ55のタイヤ径方向外側端部55bは、プライ本体部51の第2カーカスプライ56に重ね合わされている。
実施形態のカーカスプライ50は2層構造であるが、カーカスプライ50は、1層であってもよいし、3層以上であってもよい。カーカスプライ50が2層、あるいはそれ以上の層構造のプライにより構成されると、タイヤ1がリムの装着部付近で局所的に変形することが十分に抑制されるので好ましい。
上述したビード10のチェーハー13は、屈曲部53を含むカーカスプライ50のタイヤ径方向内側の端部を取り囲むように設けられている。また、リムストリップゴム14は、カーカスプライ50のプライ折り返し部52及びチェーハー13の、タイヤ幅方向外側に配置されている。リムストリップゴム14のタイヤ径方向外側端部14bは、サイドウォールゴム21のタイヤ径方向内側端部21cで覆われている。
インナーライナー60は、一対のビード10の間のタイヤ内面を覆っている。インナーライナー60は、トレッド30及びトレッド30からサイドウォール20にわたる領域では、プライ本体部51の内面を覆っている。また、インナーライナー60は、サイドウォール20からビード10にわたる領域では、プライ本体部51及びチェーハー13の内面を覆っている。したがってインナーライナー60は、タイヤ1の内壁面を構成する。インナーライナー60は、耐空気透過性ゴムにより構成されており、タイヤ内腔内の空気が外部に漏れるのを防ぐ。
ここで、ビードフィラー12に採用するゴムとしては、少なくともサイドウォールゴム21及びインナーライナー60よりも硬度が高いゴムが用いられる。ゴムの硬度は、JIS K6253に準拠して、23℃雰囲気において、タイプAデュロメータで測定される値(デュロメータ硬さ)である。
例えば、サイドウォールゴム21の硬度を基準としたとき、ビードフィラー12の硬度は、サイドウォールゴム21の硬度の1.2倍以上2.3倍以下程度が好ましい。リムストリップゴム14の硬度は、サイドウォールゴム21の硬度の1倍以上1.6倍以下程度がより好ましい。このような硬度とすることで、タイヤとしての柔軟性とビード10付近の剛性のバランスを確保することができる。
以上が実施形態に係るタイヤ1の基本構成である。次いで、ショルダー40及びトレッド30の特徴的な構成について説明する。
図2に示すように、タイヤ幅方向断面形状において、ショルダー40は、ショルダー傾斜角θを有する。このショルダー傾斜角θは、タイヤ幅方向と平行なタイヤ回転軸に対するショルダー40の外表面40aのなす角度であって、ショルダー40の外表面40aに沿った線L1と、タイヤ幅方向に沿った線L2とがなすタイヤ幅方向内側の角度である。実施形態のショルダー傾斜角θは、55°以上63°以下である。
ショルダー傾斜角θが、例えば50°程度である場合と比べて55°以上63°以下といったようにタイヤ幅方向に対する傾斜角度が大きくなることにより、走行時においてショルダー40から後方に流れる空気の滞留が抑制されやすくなる。これにより、Cd値(空気抵抗値)の低減が図られる。
図3に示すように、トレッド30の第1主溝38Aの深さをD1、第2主溝38Bの深さをD2とした場合、これらD1及びD2は、いずれも6.5mm以上8.0mm以下である。すなわち実施形態のタイヤ1の主溝38の深さは、6.5mm以上8.0mm以下である。この条件を満足した上で、第1主溝38Aの深さD1及び第2主溝38Bの深さD2は同じであってもよいが、好ましくは、第1主溝38Aの深さD1が第2主溝38Bの深さD2よりも大きい方がよい。
第1主溝38Aの深さD1及び第2主溝38Bの深さD2が、例えば8.3mm程度である場合と比べると、6.5mm以上8.0mm以下とすることにより、溝深さが低減する。溝深さの低減に伴い、第1主溝38A間の第1陸部38C、及び第1主溝38Aと第2主溝38Bとの間の第2陸部38Dは、横力に対する剛性が向上する。その結果、コーナリングパワーの向上が図られる。
トレッド30においては、タイヤ幅方向中央部分とタイヤ幅方向両側部分の接地圧を比べた場合、タイヤ幅方向断面形状が山形形状であることを考慮すると、タイヤ幅方向中央部分の方の接地圧が高い。このため、タイヤ幅方向中央部分の方が摩耗しやすい。この摩耗しやすいタイヤ幅方向中央部分寄りの第1主溝38Aの深さD1を、第2主溝38Bの深さD2よりも大きくすることにより、第1主溝38Aの溝減りを抑えることができる。このため、第1主溝38Aによる排水性を保持することができる。
実施形態のタイヤ1によれば、ショルダー傾斜角θを55°以上63°以下とすることにより、Cd値の低減が図られる。なお、ショルダー傾斜角θの角度が大きくなると、コーナリングパワーの低減を招く可能性がある。しかし、実施形態のタイヤ1は、主溝38の深さを6.5mm以上8.0mm以下と比較的小さくすることにより、上述したように横力に対する剛性が向上するため、コーナリングパワーを補完することができる。すなわち、Cd値の低減とコーナリングパワーの確保を両立することができる。Cd値の低減は、ショルダー傾斜角θを調整することにより可能であり、例えば従来のようにタイヤ側面に複数のフィン状の突起を形成する場合よりも、形状は各段に簡素である。したがってタイヤ成形用の金型も、ショルダー40の成形部分の角度を小変更するとともに、主溝38の成形部分を小変更するだけで済む。すなわち実施形態のタイヤ1によれば、形状が簡素であり、かつ、コーナリングパワーを損なうことなく、空気抵抗を低減させることができる。なお、トレッドゴム36の摩耗によるタイヤ寿命を考慮すると、主溝38の深さとしては、6.5mm以上が確保されていることが好ましい。
以上説明した実施形態に係るタイヤ1によれば、以下の効果を奏する。
(1)実施形態に係るタイヤ1は、一対のビード10と、一対のビード10のそれぞれからタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール20と、一対のサイドウォール20の間に配置され、その外面である踏面36aにタイヤ周方向に延びる主溝38が形成されたトレッド30と、一対のサイドウォール20のそれぞれからトレッド30へ移行する領域に配置される一対のショルダー40と、一対のビード10の間に架け渡されたカーカスプライ50と、を備えた空気入りタイヤであって、規定リムに装着し、規定内圧をかけた状態で、かつ、無負荷時でのタイヤ幅方向断面形状において、タイヤ回転軸に対するショルダー40の外表面40aのなす角度が、55°以上63°以下であり、主溝38の深さが、6.5mm以上8.0mm以下である。
これにより、実施形態に係るタイヤ1は、形状が簡素でありながら空気抵抗が低減する。ショルダー傾斜角θを調整することにより起こり得るコーナリングパワーの低減は、主溝38の深さを6.5mm以上8.0mm以下とすることにより補完することができるため、空気抵抗の低減とコーナリングパワーの確保を両立することができる。
(2)実施形態に係るタイヤ1においては、主溝38は、第1主溝38Aと、第1主溝38Aよりもタイヤ幅方向外側に配置された第2主溝38Bと、を含み、第1主溝38Aの深さD1が第2主溝38Bの深さD2よりも大きいことが好ましい。
これにより、摩耗によるタイヤ幅方向中央部分寄りの第1主溝38Aの溝減りを抑えることができ、第1主溝38Aの排水性を保持することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲で変形、改良などを行っても、本発明の範囲に含まれる。
例えば、主溝38の数は上記実施形態に限定されない。例えば、1つの第1主溝38Aがタイヤ幅方向中央に配置され、その両側に第2主溝38Bが1つずつ配置された3本パターンでもよい。
以下、実施例について説明する。表1に示すように、ショルダー傾斜角θを55°以上63°以下の範囲内で変化させるとともに、第1主溝及び第2主溝の溝深さを6.5mm以上8.0mm以下の範囲内で変化させた実施例1~6のタイヤを、シミュレーションモデルによって評価した。表1の「金型角度(°)」は、ショルダーの外面を形成する金型のタイヤ幅方向に対する傾斜角度であり、その傾斜角度を有することにより、目的のショルダー傾斜角θが得られるものである。一方、第1主溝及び第2主溝の溝深さは6.5mm以上8.0mm以下の範囲内であるものの、ショルダー傾斜角θを53°とした比較例2~4と、第1主溝及び第2主溝の溝深さが8.3mm、ショルダー傾斜角θが53°の従来形状である比較例1のタイヤを、シミュレーションモデルによって評価した。なお、実施例1~6及び比較例1~4のタイヤのサイズは、いずれも「225/55R19 99V」であり、かつ、上記実施形態と同様の基本構成を有する。また、実施例1~6及び比較例1~4のショルダー傾斜角θは、タイヤを規定リムに装着し、空気圧230kPaとした無負荷状態での数値である。
Figure 2024000879000002
実施例1~6及び比較例1~4のタイヤにつき、Cd値及びコーナリングパワーをシミュレーション測定した。測定にあたっては、タイヤが備えるロードインデックスにおける最大負荷荷重の69%の負荷を与えたものとして行った。
これらの結果を表1に示す。なお、表1では、従来形状である比較例1の各値を指数100とし、比較例2~4及び実施例1~6のタイヤを指数評価している。Cd値は、指数評価が小さいほど空気抵抗が低減しており、良好であると判定される。一方、コーナリングパワーは、指数評価が大きいほどコーナリングパワーが大きく、良好であると判定される。
表1によれば、ショルダー傾斜角θを2°ずつ大きくした比較例4及び実施例1~4により、ショルダー傾斜角θが大きくなるにしたがってCd値が低減することが認められる。一方、主溝の深さを変化させた比較例1~4及び実施例4~6により、主溝の深さが小さいほどコーナリングパワーが大きくなることが認められる。Cd値が低減しているのは実施例1~6であり、ショルダー傾斜角θが55°以上63°以下の範囲であれば空気抵抗の低減に有効であることが確かめられた。実施例1~6のうち、実施例1、2、6はCd値が低減するにもかかわらず、コーナリングパワーが保持されていた。なお、実施例3~5はコーナリングパワーが僅かに不足するものの、実用上では問題のない数値にとどまっている。したがって、ショルダー傾斜角θの角度が55°以上63°以下であり、主溝の深さが6.5mm以上8.0mm以下であると、コーナリングパワーをほぼ保持しながら空気抵抗を低減させることができる。
1 タイヤ(空気入りタイヤ)
10 ビード
20 サイドウォール
30 トレッド
36a 踏面(トレッドの外面)
38 主溝
38A 第1主溝
38B 第2主溝
40 ショルダー
40a ショルダーの外表面
50 カーカスプライ
D1 第1主溝の深さ
D2 第2主溝の深さ
L1 ショルダーの外面に沿った線
L2 タイヤ幅方向に沿った線
θ ショルダー傾斜角

Claims (2)

  1. 一対のビードと、
    前記一対のビードのそれぞれからタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォールと、
    前記一対のサイドウォールの間に配置され、その外面にタイヤ周方向に延びる主溝が形成されたトレッドと、
    前記一対のサイドウォールのそれぞれから前記トレッドへ移行する領域に配置される一対のショルダーと、
    前記一対のビードの間に架け渡されたカーカスプライと、を備えた空気入りタイヤであって、
    規定リムに装着し、規定内圧をかけた状態で、かつ、無負荷時でのタイヤ幅方向断面形状において、
    タイヤ回転軸に対する前記ショルダーの外表面のなす角度が、55°以上63°以下であり、
    前記主溝の深さが、6.5mm以上8.0mm以下である、空気入りタイヤ。
  2. 前記主溝は、第1主溝と、当該第1主溝よりもタイヤ幅方向外側に配置された第2主溝と、を含み、前記第1主溝の深さが前記第2主溝の深さよりも大きい、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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