JP2024000728A - ワイヤハーネス - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な構成で、高い耐久性を有しつつ磁界の影響を抑制可能としたワイヤハーネスを提供する。【解決手段】ワイヤハーネス10は、車両のボデーBによって車外と区別される車室内に少なくとも一部が配置される。ワイヤハーネス10は、第1電線22と第1電線22を覆う金属製のシールド部材23とを有する電線部材21と、車室内に配置され、開口部31を有するとともに電線部材21が収容される樹脂ケース30と、樹脂ケース30の開口部31を覆う金属部材40とを備える。金属部材40は、樹脂ケース30におけるボデーBと反対側を覆う頂部42と、樹脂ケース30を挟んだ位置でボデーBに当接される一対の当接部41とを有している。【選択図】図4
Description
本開示は、ワイヤハーネスに関する。
従来、例えば、ハイブリッド車や電気自動車等には、高電圧用のワイヤハーネスが備えられる。このようなワイヤハーネスとしては、車両のボデーの外側であって、いわゆる床下を通るように配置されたものがある(例えば、特許文献1参照)。このようなワイヤハーネスでは、ワイヤハーネスと搭乗者との間にボデーが介在されることなどから、大電流によって生じる磁界が搭乗者に影響を与えることは抑制される。
しかしながら、上記のような高電圧用のワイヤハーネスが、いわゆる床上のような車室内を通るように配置された場合、なんらかの対策を施さないと、大電流によって生じる磁界が搭乗者に影響を与える懸念がある。また、ワイヤハーネスが床上のような車室内を通るように配置された場合、搭乗者に踏まれても破損しない耐久性が求められる。
本開示の目的は、簡素な構成で、高い耐久性を有しつつ磁界の影響を抑制可能としたワイヤハーネスを提供することにある。
本開示のワイヤハーネスは、車両のボデーによって車外と区別される車室内に少なくとも一部が配置される高電圧用のワイヤハーネスであって、電線と前記電線を覆う金属製のシールド部材とを有する電線部材と、前記車室内に配置され、開口部を有するとともに前記電線部材が収容される樹脂ケースと、前記樹脂ケースの前記開口部を覆う金属部材と、を備え、前記金属部材は、前記樹脂ケースにおける前記ボデーと反対側を覆う頂部と、前記樹脂ケースを挟んだ位置で前記ボデーに当接される一対の当接部とを有している。
本開示のワイヤハーネスによれば、簡素な構成で、高い耐久性を有しつつ磁界の影響を抑制できる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のワイヤハーネスは、
[1]車両のボデーによって車外と区別される車室内に少なくとも一部が配置される高電圧用のワイヤハーネスであって、電線と前記電線を覆う金属製のシールド部材とを有する電線部材と、前記車室内に配置され、開口部を有するとともに前記電線部材が収容される樹脂ケースと、前記樹脂ケースの前記開口部を覆う金属部材と、を備え、前記金属部材は、前記樹脂ケースにおける前記ボデーと反対側を覆う頂部と、前記樹脂ケースを挟んだ位置で前記ボデーに当接される一対の当接部とを有している。
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のワイヤハーネスは、
[1]車両のボデーによって車外と区別される車室内に少なくとも一部が配置される高電圧用のワイヤハーネスであって、電線と前記電線を覆う金属製のシールド部材とを有する電線部材と、前記車室内に配置され、開口部を有するとともに前記電線部材が収容される樹脂ケースと、前記樹脂ケースの前記開口部を覆う金属部材と、を備え、前記金属部材は、前記樹脂ケースにおける前記ボデーと反対側を覆う頂部と、前記樹脂ケースを挟んだ位置で前記ボデーに当接される一対の当接部とを有している。
同構成によれば、電線を覆う金属製のシールド部材によっていわゆる電磁ノイズ等の電磁波の放射が抑制される。また、車室内に配置され電線部材が収容される樹脂ケースの開口部は金属部材によって覆われるため、大電流によって生じる磁界が搭乗者に影響を与えることは抑制される。また、金属部材は、樹脂ケースの開口部を覆うことで、樹脂ケースからの電線部材の逸脱を防ぐ物理的なカバーとして機能するため、例えば、樹脂ケースの開口部を覆う樹脂カバーを別途備えた構成に比べて、簡素な構成とすることができる。また、金属部材は、樹脂ケースにおけるボデーと反対側を覆う頂部と、樹脂ケースを挟んだ位置でボデーに当接される一対の当接部とを有しているため、例えば、上から踏まれたとしても、樹脂ケースに力が掛かりにくくなる。よって、樹脂ケースが破損するといったことが抑制される。
[2]上記[1]において、前記樹脂ケースは、長さ方向の少なくとも一部が前記ボデーに対して浮いた状態で配置されていてもよい。
同構成によれば、樹脂ケースは、長さ方向の少なくとも一部がボデーに対して浮いた状態で配置されているため、例えば、金属部材が上から踏まれることで金属部材が僅かに撓んだとしても、樹脂ケースに力が掛かりにくくなる。詳しくは、樹脂ケースにおいて、ボデーに対して浮いた状態の部位を覆う金属部材の頂部が上から踏まれると、金属部材は僅かに撓むことがあるが、樹脂ケースはボデーと金属部材とに挟まれるように力が掛かることが抑えられる。よって、樹脂ケースが破損するといったことが抑制される。
同構成によれば、樹脂ケースは、長さ方向の少なくとも一部がボデーに対して浮いた状態で配置されているため、例えば、金属部材が上から踏まれることで金属部材が僅かに撓んだとしても、樹脂ケースに力が掛かりにくくなる。詳しくは、樹脂ケースにおいて、ボデーに対して浮いた状態の部位を覆う金属部材の頂部が上から踏まれると、金属部材は僅かに撓むことがあるが、樹脂ケースはボデーと金属部材とに挟まれるように力が掛かることが抑えられる。よって、樹脂ケースが破損するといったことが抑制される。
[3]上記[1]または[2]において、前記樹脂ケースは、長さ方向の一部に前記ボデーに対して固定される固定部を有していてもよい。
同構成によれば、樹脂ケースは、長さ方向の一部にボデーに対して固定される固定部を有するため、ボデーに容易に固定することができる。
同構成によれば、樹脂ケースは、長さ方向の一部にボデーに対して固定される固定部を有するため、ボデーに容易に固定することができる。
[4]上記[1]から[3]のいずれか1つにおいて、前記樹脂ケースは、前記金属部材を保持可能な保持部を有していてもよい。
同構成によれば、樹脂ケースは、金属部材を保持可能な保持部を有しているため、例えば、金属部材に取付足等を設けてボデー等にボルトで締結固定するといった構成に比べて、小型化を図ることができる。
同構成によれば、樹脂ケースは、金属部材を保持可能な保持部を有しているため、例えば、金属部材に取付足等を設けてボデー等にボルトで締結固定するといった構成に比べて、小型化を図ることができる。
[5]上記[1]から[4]のいずれか1つにおいて、前記金属部材は、横断面形状がU字状に形成されており、前記ボデー側が開口しつつ前記ボデー側の先端が前記一対の当接部を構成していてもよい。
同構成によれば、金属部材は、横断面形状がU字状に形成されており、前記ボデー側が開口しているため、電線部材の外周全体をボデーと金属部材とで包囲することができる。よって、大電流によって生じる磁界が搭乗者に影響を与えることは良好に抑制される。
[6]上記[1]から[5]のいずれか1つにおいて、前記樹脂ケースは、横断面形状がU字状に形成されており、前記ボデーの反対側が開口して前記開口部を構成していてもよい。
同構成によれば、樹脂ケースは、横断面形状がU字状に形成されており、ボデーの反対側が開口して開口部を構成しており、その開口部が金属部材によって覆われるため、車室内の搭乗者と電線部材との間に金属部材が介在される。よって、大電流によって生じる磁界が搭乗者に影響を与えることは抑制される。
[7]上記[1]から[6]のいずれか1つにおいて、前記シールド部材は、編組部材にて構成され、前記金属部材は、金属板にて構成されていてもよい。
同構成によれば、シールド部材は、編組部材にて構成され、金属部材は、金属板にて構成されているため、それぞれ適した構成とすることができる。すなわち、シールド部材は、編組部材にて構成されるため、いわゆる電磁ノイズ等の電磁波の放射を好適に抑制できる。また、金属部材は、金属板にて構成されるため、大電流によって生じる磁界が搭乗者に影響を与えることを好適に抑制できる。
同構成によれば、シールド部材は、編組部材にて構成され、金属部材は、金属板にて構成されているため、それぞれ適した構成とすることができる。すなわち、シールド部材は、編組部材にて構成されるため、いわゆる電磁ノイズ等の電磁波の放射を好適に抑制できる。また、金属部材は、金属板にて構成されるため、大電流によって生じる磁界が搭乗者に影響を与えることを好適に抑制できる。
[8]上記[1]から[7]のいずれか1つにおいて、前記電線は、高電位用の第1電線であり、更に、前記シールド部材に覆われることなく前記電線部材と共に前記樹脂ケースに収容される低電位用の第2電線を備えていてもよい。
同構成によれば、高電位用の第1電線と対をなす低電位用の第2電線は、シールド部材に覆われることなく電線部材と共に樹脂ケースに収容される。よって、低電位用の第2電線に無駄にシールド部材を使用することがなく、さらに樹脂ケースを共用として第1電線及び第2電線を好適に配策することができる。
[9]上記[1]から[8]のいずれか1つにおいて、前記シールド部材は、接地部を有していてもよい。
同構成によれば、シールド部材は、接地部を有するため、いわゆる電磁ノイズ等の電磁波の放射を好適に抑制できる。
同構成によれば、シールド部材は、接地部を有するため、いわゆる電磁ノイズ等の電磁波の放射を好適に抑制できる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。本明細書における「平行」や「直交」は厳密に平行や直交の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね直交の場合も含まれる。また、本明細書における「円」や「円弧」は厳密に円や円弧の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね円や円弧の場合も含まれる。
本開示のワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。本明細書における「平行」や「直交」は厳密に平行や直交の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね直交の場合も含まれる。また、本明細書における「円」や「円弧」は厳密に円や円弧の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね円や円弧の場合も含まれる。
(ワイヤハーネス10の全体構成)
図1に示すワイヤハーネス10は、2個又は3個以上の電気機器を電気的に接続する。ワイヤハーネス10は、高電圧用であり、例えば、ハイブリッド車や電気自動車等の車両Vの前部に設置されたインバータ11と、そのインバータ11よりも車両Vの後方に設置された高圧バッテリ12とを電気的に接続する。
図1に示すワイヤハーネス10は、2個又は3個以上の電気機器を電気的に接続する。ワイヤハーネス10は、高電圧用であり、例えば、ハイブリッド車や電気自動車等の車両Vの前部に設置されたインバータ11と、そのインバータ11よりも車両Vの後方に設置された高圧バッテリ12とを電気的に接続する。
インバータ11は、車両走行の動力源となる図示しない車輪駆動用のモータと接続される。インバータ11は、高圧バッテリ12の直流電力から交流電力を生成し、その交流電力をモータに供給する。高圧バッテリ12は、例えば、数百ボルトの電圧を供給可能なバッテリである。
ワイヤハーネス10は、車両VのボデーBによって車外と区別される車室内に少なくとも一部が配置されている。本実施形態のワイヤハーネス10は、車両Vの後方においては、ボデーBの外側であって、いわゆる床下を通るように配置され、車両Vの中央から前方にかけては、ボデーBの内側であって、いわゆる床上を通るように配置されている。すなわち、ワイヤハーネス10は、運転席や助手席と対応した部位でボデーBの内側である床上を通るように配索されている。
図2から図5に示すように、ワイヤハーネス10は、上記電気機器同士を電気的に接続する電線群20と、樹脂ケース30と、金属部材40とを備えている。
(電線群20の構成)
図4に示すように、電線群20は、電線部材21を有している。電線部材21は、高電位用の電線としての第1電線22と第1電線22を覆う金属製のシールド部材23とを有している。第1電線22は、芯線22aと該芯線22aの外周を被覆する絶縁被覆22bとを有している。芯線22aとしては、例えば、複数の金属素線を撚り合わせてなる撚線や、単芯線等を用いることができる。絶縁被覆22bは、例えば、合成樹脂などの絶縁材料によって構成されている。シールド部材23は、複数の金属素線が筒状に編み込まれた編組部材にて構成されている。すなわち、電線部材21は、いわゆるシールド電線である。
(電線群20の構成)
図4に示すように、電線群20は、電線部材21を有している。電線部材21は、高電位用の電線としての第1電線22と第1電線22を覆う金属製のシールド部材23とを有している。第1電線22は、芯線22aと該芯線22aの外周を被覆する絶縁被覆22bとを有している。芯線22aとしては、例えば、複数の金属素線を撚り合わせてなる撚線や、単芯線等を用いることができる。絶縁被覆22bは、例えば、合成樹脂などの絶縁材料によって構成されている。シールド部材23は、複数の金属素線が筒状に編み込まれた編組部材にて構成されている。すなわち、電線部材21は、いわゆるシールド電線である。
また、電線群20は、低電位用の第2電線24を有している。第2電線24は、芯線24aと該芯線24aの外周を被覆する絶縁被覆24bとを有している。芯線24aとしては、例えば、複数の金属素線を撚り合わせてなる撚線や、単芯線を用いることができる。絶縁被覆24bは、例えば、合成樹脂などの絶縁材料によって構成されている。第2電線24は、第1電線22よりも径が細く形成されている。そして、高電位用の第1電線22の芯線22aは、高圧バッテリ12のプラス端子に接続され、低電位用の第2電線24の芯線24aは、高圧バッテリ12のマイナス端子に接続される。
また、図1に示すように、シールド部材23は、接地部23aを有している。接地部23aは、シールド部材23の両端部に設けられ、例えば、コネクタ等を介して金属ケースやボデーBに電気的に接続されることで接地されている。
(樹脂ケース30の構成)
図3から図5に示すように、樹脂ケース30は、横断面形状がU字状に形成されており、ボデーBの反対側が開口して開口部31を構成している。本実施形態の樹脂ケース30は、車両Vの前後方向に沿って配策される電線群20を収容すべく、車両Vの前後方向に沿って長く形成されている。そして、樹脂ケース30は、長さ方向の少なくとも一部がボデーBに対して浮いた状態で配置されている。
図3から図5に示すように、樹脂ケース30は、横断面形状がU字状に形成されており、ボデーBの反対側が開口して開口部31を構成している。本実施形態の樹脂ケース30は、車両Vの前後方向に沿って配策される電線群20を収容すべく、車両Vの前後方向に沿って長く形成されている。そして、樹脂ケース30は、長さ方向の少なくとも一部がボデーBに対して浮いた状態で配置されている。
詳しくは、図3に示すように、樹脂ケース30は、ボデーBと対向する底部32と、底部32から屈曲して延びる側壁部33とを有している。樹脂ケース30の長さ方向の一部には、底部32からボデーB側に突出する支持部34が設けられている。支持部34は、樹脂ケース30の長さ方向に離間して複数箇所に設けられている。本実施形態の支持部34の幅は、底部32の幅と同じに設定されている。
図4に示すように、支持部34には、固定部としての嵌着部35が設けられている。嵌着部35は、ボデーBに設けられた固定孔Baに嵌め込まれると抜け方向に係合することでボデーBに対して固定される。
よって、図5に示すように、支持部34が設けられていない部位の底部32は、ボデーBに対して浮いた状態であって、隙間Sを有した状態で配置されている。
また、図3に示すように、側壁部33には、保持部36が設けられている。保持部36は、樹脂ケース30の長さ方向の複数箇所に設けられている。なお、図3では、保持部36は、樹脂ケース30の一方の側壁部33にのみ設けられているように図示されているが、他方の側壁部33にも設けられていてもよい。保持部36は、側壁部33から外側に張り出しつつ、ボデーBの反対側に開口した挿入部37を有している。また、保持部36は、内部に図示しない爪を有している。なお、本実施形態の樹脂ケース30は、ポリプロピレン等の樹脂材料よりなる。
また、図3に示すように、側壁部33には、保持部36が設けられている。保持部36は、樹脂ケース30の長さ方向の複数箇所に設けられている。なお、図3では、保持部36は、樹脂ケース30の一方の側壁部33にのみ設けられているように図示されているが、他方の側壁部33にも設けられていてもよい。保持部36は、側壁部33から外側に張り出しつつ、ボデーBの反対側に開口した挿入部37を有している。また、保持部36は、内部に図示しない爪を有している。なお、本実施形態の樹脂ケース30は、ポリプロピレン等の樹脂材料よりなる。
(金属部材40の構成)
図2から図5に示すように、金属部材40は、横断面形状がU字状に形成されており、ボデーB側が開口しつつボデーB側の先端が一対の当接部41を構成している。金属部材40は、金属板にて構成されている。すなわち、金属部材40は、金属板に打ち抜き加工や曲げ加工が施されることで構成されている。そして、金属部材40は、樹脂ケース30の開口部31を覆うように取り付けられる。
図2から図5に示すように、金属部材40は、横断面形状がU字状に形成されており、ボデーB側が開口しつつボデーB側の先端が一対の当接部41を構成している。金属部材40は、金属板にて構成されている。すなわち、金属部材40は、金属板に打ち抜き加工や曲げ加工が施されることで構成されている。そして、金属部材40は、樹脂ケース30の開口部31を覆うように取り付けられる。
詳しくは、金属部材40は、樹脂ケース30におけるボデーBと反対側であって開口部31を覆う頂部42と、頂部42から屈曲して延びて樹脂ケース30の側壁部33を覆う側部43とを有している。そして、側部43の先端が、樹脂ケース30を挟んだ位置でボデーBに当接される一対の当接部41を構成している。
また、図3に示すように、側部43には、樹脂ケース30の保持部36に保持される保持片44が設けられている。保持片44は、保持部36と対応した位置であって、金属部材40の長さ方向の複数箇所に設けられている。保持片44は、側部43の先端から基端側に延びる一対の切り欠き45が形成されることで、挿入部37に挿入可能に形成されている。また、保持片44には、保持孔46が設けられている。保持片44は、保持部36の挿入部37に挿入されると、保持孔46に保持部36の図示しない爪が係合することで保持部36に対して保持される。なお、金属部材40は、保持片44及び切り欠き45が設けられている部位を除いた全ての部位の横断面形状がU字状に形成されている。
また、図4及び図5に示すように、金属部材40が樹脂ケース30に保持された状態で、一対の当接部41は、樹脂ケース30を挟んだ位置でボデーBに当接されるように、設定されている。なお、本実施形態では、ボデーBの表面は塗装されており、当接部41はボデーBと電気的には接続されていない。また、本実施形態の金属部材40は、鉄系の金属材料よりなり、その他、ステンレス系やアルミ系の金属材料よりなるものとしてもよい。
そして、図4及び図5に示すように、金属部材40の上方には、例えば、フロアカーペット50が配置されている。
上記実施形態の作用について説明する。
上記実施形態の作用について説明する。
ボデーBの内側であって、いわゆる床上を通る電線群20は、樹脂ケース30及び金属部材40に覆われている。よって、例えば、ワイヤハーネス10がフロアカーペット50の上から搭乗者に踏まれたとしても、電線群20に力が掛かって変形するといったことは防止される。
次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。
(1)第1電線22を覆う金属製のシールド部材23によっていわゆる電磁ノイズ等の電磁波の放射が抑制される。また、車室内に配置され電線部材21が収容される樹脂ケース30の開口部31は金属部材40によって覆われるため、電線部材21の第1電線22を流れる大電流によって生じる磁界が搭乗者に影響を与えることは抑制される。また、金属部材40は、樹脂ケース30の開口部31を覆うことで、樹脂ケース30からの電線部材21の逸脱を防ぐ物理的なカバーとして機能する。よって、例えば、樹脂ケース30の開口部31を覆う樹脂カバーを別途備えた構成に比べて、簡素な構成とすることができる。また、金属部材40は、樹脂ケース30におけるボデーBと反対側を覆う頂部42と、樹脂ケース30を挟んだ位置でボデーBに当接される一対の当接部41とを有しているため、例えば、上から踏まれたとしても、樹脂ケース30に力が掛かりにくくなる。よって、樹脂ケース30が破損するといったことが抑制される。
(1)第1電線22を覆う金属製のシールド部材23によっていわゆる電磁ノイズ等の電磁波の放射が抑制される。また、車室内に配置され電線部材21が収容される樹脂ケース30の開口部31は金属部材40によって覆われるため、電線部材21の第1電線22を流れる大電流によって生じる磁界が搭乗者に影響を与えることは抑制される。また、金属部材40は、樹脂ケース30の開口部31を覆うことで、樹脂ケース30からの電線部材21の逸脱を防ぐ物理的なカバーとして機能する。よって、例えば、樹脂ケース30の開口部31を覆う樹脂カバーを別途備えた構成に比べて、簡素な構成とすることができる。また、金属部材40は、樹脂ケース30におけるボデーBと反対側を覆う頂部42と、樹脂ケース30を挟んだ位置でボデーBに当接される一対の当接部41とを有しているため、例えば、上から踏まれたとしても、樹脂ケース30に力が掛かりにくくなる。よって、樹脂ケース30が破損するといったことが抑制される。
(2)樹脂ケース30は、長さ方向の一部がボデーBに対して浮いた状態で配置されているため、例えば、金属部材40が上から踏まれることで金属部材40が僅かに撓んだとしても、樹脂ケース30に力が掛かりにくくなる。詳しくは、樹脂ケース30において、ボデーBに対して浮いた状態の部位を覆う金属部材40の頂部42が上から踏まれると、金属部材40は僅かに撓むことがあるが、樹脂ケース30はボデーBと金属部材40とに挟まれるように力が掛かることが抑えられる。よって、樹脂ケース30が破損するといったことが抑制される。
(3)樹脂ケース30は、ボデーBに対して固定される固定部としての嵌着部35を有するため、ボデーBに容易に固定することができる。本実施形態では、固定部が嵌着部35であるため、嵌めるだけでボデーBに容易に固定することができる。
(4)樹脂ケース30は、金属部材40を保持可能な保持部36を有しているため、例えば、金属部材40に取付足等を設けてボデーB等にボルトで締結固定するといった構成に比べて、小型化を図ることができる。
(5)金属部材40は、横断面形状がU字状に形成されており、ボデーB側が開口している。よって、電線部材21の外周全体をボデーBと金属部材40とで包囲することができる。よって、大電流によって生じる磁界が搭乗者に影響を与えることは良好に抑制される。
(6)樹脂ケース30は、横断面形状がU字状に形成されており、ボデーBの反対側が開口して開口部31を構成しており、その開口部31が金属部材40によって覆われるため、車室内の搭乗者と電線部材21との間に金属部材40が介在される。よって、大電流によって生じる磁界が搭乗者に影響を与えることは抑制される。
(7)シールド部材23は、編組部材にて構成され、金属部材40は、金属板にて構成されているため、それぞれ適した構成とすることができる。すなわち、シールド部材23は、編組部材にて構成されるため、いわゆる電磁ノイズ等の電磁波の放射を好適に抑制できる。また、金属部材40は、金属板にて構成されるため、大電流によって生じる磁界が搭乗者に影響を与えることを好適に抑制できる。
(8)高電位用の第1電線22と対をなす低電位用の第2電線24は、シールド部材23に覆われることなく電線部材21と共に樹脂ケース30に収容される。よって、低電位用の第2電線24に無駄にシールド部材23を使用することがなく、さらに樹脂ケース30を共用として第1電線22を含む電線部材21及び第2電線24を好適に配策することができる。
(9)シールド部材23は、接地部23aを有するため、いわゆる電磁ノイズ等の電磁波の放射を好適に抑制できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、樹脂ケース30は、長さ方向の一部がボデーBに対して浮いた状態で配置されているとしたが、これに限定されない。例えば、樹脂ケース30は、長さ方向の全体がボデーBに当接するように配置されていてもよい。また、樹脂ケース30は、長さ方向の全体がボデーBに対して浮いた状態で配置されていてもよい。なお、この場合、金属部材40をボデーB等に固定する必要がある。
・上記実施形態では、支持部34の幅は、底部32の幅と同じに設定されているとしたが、これに限定されず、例えば、底部32の幅より小さく設定されていてもよい。また、例えば、支持部34は、底部32の幅方向の両端にのみ設けられている構成としてもよい。
・上記実施形態では、樹脂ケース30は、金属部材40を保持可能な保持部36を有しているとしたが、これに限定されず、例えば、保持部36を有していない構成としてもよい。
また、金属部材40が樹脂ケース30に保持されないような場合等、金属部材40に取付足等を設けて、その取付足をボデーB等にボルトで締結固定するといった構成としてもよい。
・上記実施形態では、金属部材40は、横断面形状がU字状に形成されており、ボデーB側が開口しているとしたが、これに限定されず、他の形状に変更してもよい。なお、金属部材40を他の形状に変更した場合でも、金属部材40には、樹脂ケース30を挟んだ位置でボデーBに当接される一対の当接部を設ける必要がある。
・上記実施形態では、樹脂ケース30は、横断面形状がU字状に形成されており、ボデーBの反対側が開口しているとしたが、これに限定されず、他の形状に変更してもよいし、他の方向に開口するように設けてもよい。
・上記実施形態では、シールド部材23は、編組部材にて構成され、金属部材40は、金属板にて構成されるとしたが、それぞれ他の構成に変更してもよい。例えば、シールド部材23は、金属箔等にて構成してもよい。また、例えば、金属部材40は、厚さの異なる部位を有する鋳造品等に変更してもよい。
・上記実施形態では、高電位用の第1電線22と対をなす低電位用の第2電線24は、シールド部材23に覆われることなく電線部材21と共に樹脂ケース30に収容されるとしたが、これに限定されず、第2電線24もシールド部材に覆われていてもよい。また、もちろん、第1電線22及び第2電線24以外の信号線等の他の電線が樹脂ケース30に収容されていてもよい。
・上記実施形態では、樹脂ケース30は、ボデーBに対して固定される固定部としての嵌着部35を有するとしたが、これに限定されず、他の構成に変更してもよい。例えば、固定部は、ボデーBに対してボルト等で締結される取付足としてもよい。また、樹脂ケース30は、ボデーBに対して固定される固定部を有さず、例えば、ボデーBに対して固定された他の部材に固定される構成としてもよい。
・上記実施形態では、ワイヤハーネス10は、インバータ11と高圧バッテリ12とを電気的に接続するものとしたが、これに限定されず、他の電気機器を電気的に接続するものとしてもよい。
・上記実施形態では、数百ボルトの高圧バッテリ12に対応したワイヤハーネス10に具体化したが、60ボルトから600ボルトの電圧に対応した他の高電圧用のワイヤハーネスに具体化してもよい。
10 ワイヤハーネス
11 インバータ
12 高圧バッテリ
20 電線群
21 電線部材
22 第1電線
22a 芯線
22b 絶縁被覆
23 シールド部材
23a 接地部
24 第2電線
24a 芯線
24b 絶縁被覆
30 樹脂ケース
31 開口部
32 底部
33 側壁部
34 支持部
35 嵌着部
36 保持部
37 挿入部
40 金属部材
41 当接部
42 頂部
43 側部
44 保持片
45 切り欠き
46 保持孔
50 フロアカーペット
B ボデー
Ba 固定孔
S 隙間
V 車両
11 インバータ
12 高圧バッテリ
20 電線群
21 電線部材
22 第1電線
22a 芯線
22b 絶縁被覆
23 シールド部材
23a 接地部
24 第2電線
24a 芯線
24b 絶縁被覆
30 樹脂ケース
31 開口部
32 底部
33 側壁部
34 支持部
35 嵌着部
36 保持部
37 挿入部
40 金属部材
41 当接部
42 頂部
43 側部
44 保持片
45 切り欠き
46 保持孔
50 フロアカーペット
B ボデー
Ba 固定孔
S 隙間
V 車両
Claims (9)
- 車両のボデーによって車外と区別される車室内に少なくとも一部が配置される高電圧用のワイヤハーネスであって、
電線と前記電線を覆う金属製のシールド部材とを有する電線部材と、
前記車室内に配置され、開口部を有するとともに前記電線部材が収容される樹脂ケースと、
前記樹脂ケースの前記開口部を覆う金属部材と、を備え、
前記金属部材は、前記樹脂ケースにおける前記ボデーと反対側を覆う頂部と、前記樹脂ケースを挟んだ位置で前記ボデーに当接される一対の当接部とを有している、
ワイヤハーネス。 - 前記樹脂ケースは、長さ方向の少なくとも一部が前記ボデーに対して浮いた状態で配置されている、
請求項1に記載のワイヤハーネス。 - 前記樹脂ケースは、長さ方向の一部に前記ボデーに対して固定される固定部を有している、
請求項1に記載のワイヤハーネス。 - 前記樹脂ケースは、前記金属部材を保持可能な保持部を有している、
請求項1に記載のワイヤハーネス。 - 前記金属部材は、横断面形状がU字状に形成されており、前記ボデー側が開口しつつ前記ボデー側の先端が前記一対の当接部を構成している、
請求項1に記載のワイヤハーネス。 - 前記樹脂ケースは、横断面形状がU字状に形成されており、前記ボデーの反対側が開口して前記開口部を構成している、
請求項1に記載のワイヤハーネス。 - 前記シールド部材は、編組部材にて構成され、
前記金属部材は、金属板にて構成されている、
請求項1に記載のワイヤハーネス。 - 前記電線は、高電位用の第1電線であり、
更に、前記シールド部材に覆われることなく前記電線部材と共に前記樹脂ケースに収容される低電位用の第2電線を備えている、
請求項1に記載のワイヤハーネス。 - 前記シールド部材は、接地部を有している、
請求項1に記載のワイヤハーネス。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022099593A JP2024000728A (ja) | 2022-06-21 | 2022-06-21 | ワイヤハーネス |
PCT/JP2023/022469 WO2023248957A1 (ja) | 2022-06-21 | 2023-06-16 | ワイヤハーネス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022099593A JP2024000728A (ja) | 2022-06-21 | 2022-06-21 | ワイヤハーネス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024000728A true JP2024000728A (ja) | 2024-01-09 |
Family
ID=89379949
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022099593A Pending JP2024000728A (ja) | 2022-06-21 | 2022-06-21 | ワイヤハーネス |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024000728A (ja) |
WO (1) | WO2023248957A1 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63167321U (ja) * | 1987-04-20 | 1988-10-31 | ||
JP3112245B2 (ja) * | 1996-03-12 | 2000-11-27 | 矢崎総業株式会社 | フラットワイヤハーネス用プロテクタ |
JP3391985B2 (ja) * | 1996-06-19 | 2003-03-31 | 星和電機株式会社 | 電線保護カバー |
JP6149535B2 (ja) * | 2013-06-20 | 2017-06-21 | 矢崎総業株式会社 | ワイヤハーネス |
-
2022
- 2022-06-21 JP JP2022099593A patent/JP2024000728A/ja active Pending
-
2023
- 2023-06-16 WO PCT/JP2023/022469 patent/WO2023248957A1/ja unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2023248957A1 (ja) | 2023-12-28 |
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