JP2023549559A - ナチュラルキラー細胞に対する枯渇モノクローナル抗体 - Google Patents

ナチュラルキラー細胞に対する枯渇モノクローナル抗体 Download PDF

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Abstract

抗CD94抗体およびその使用が説明される。TIFF2023549559000007.tif111132

Description

関連特許出願の相互参照
本特許出願は、2020年11月18日に出願された米国仮特許出願第63/115,180号に係る優先権の恩典を主張する。米国仮特許出願第63/115,180号は参照により組み入れられる。
本発明の背景
特定の分化T細胞のグループは様々な免疫関連機能を提供することで免疫応答の制御および決定において重要な役割を有する。これらの機能の1つは免疫を介した細胞死であり、いくつかのやり方でT細胞によって行われる。すなわち、CD8+T細胞は「キラー細胞」とも知られ、細胞傷害性がある。このことは、CD8+T細胞がウイルス感染細胞ならびに癌細胞を直接死滅させることができることを意味する。CD8+T細胞はまた、サイトカインとして知られる小さなシグナル伝達タンパク質を利用して、免疫応答の開始時に他の細胞を動員することもできる。異なるT細胞集団であるCD4+T細胞は「ヘルパー細胞」として機能する。CD8+キラーT細胞とは異なり、これらのCD4+ヘルパーT細胞は、通常、異物と特定された細胞を間接的に死滅させることで機能する。すなわち、CD4+T細胞は、認識された特定の脅威に免疫系の他の部分が応答するかどうか、そしてどのように応答するのかを決定する。CD4+T細胞がウイルス感染細胞または癌細胞を直接死滅させることができるという証拠もある。
癌免疫療法は、癌細胞上に発現している抗原標的を認識することで癌細胞を死滅させる、天然の、または改変された、または外因性の癌特異的T細胞の活性化および拡大を伴うことがある。しかしながら、免疫系は、過剰に活性化された応答を回避するために、それ自身で調節する手段を持っており、これにより、免疫系が癌細胞を死滅させる能力が制限されることがある。
発明の簡単な概要
一部の態様では、その必要がある個体においてT細胞応答を強化する方法。一部の態様では、前記方法は、少なくとも一部のナチュラルキラー細胞を排除するのに十分な量の、ナチュラルキラー(NK)細胞に特異的な抗体(ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、または合成抗体)を個体に投与し、それによって、ナチュラルキラー細胞による活性化T細胞の死滅を阻止または低減する工程を含む。一部の態様では、前記方法は、少なくとも一部のナチュラルキラー細胞を排除するのに十分な量の、抗CD94特異的抗体(ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、または合成抗体)を個体に投与し、それによって、ナチュラルキラー細胞による活性化T細胞の死滅を阻止または低減する工程を含む。一部の態様では、個体は、癌と、個体内の癌細胞を標的とする個体内の活性化T細胞とを有する。
一部の態様では、前記方法は、前記抗体(例えば、抗CD94特異的抗体)を個体に投与する前、投与した後、または投与すると同時に、1種または複数種のチェックポイント阻害剤を投与する工程をさらに含む。一部の態様では、チェックポイント阻害剤は抗CTLA-4、抗PD-1、または抗PD-L1抗体である。
一部の態様では、抗CD94特異的抗体は、
謹んで、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3の重鎖相補性決定領域(CDR)1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
謹んで、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域;または
謹んで、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、およびSEQ ID NO:9の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
謹んで、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:12の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域
を含む。
一部の態様では、前記抗体はキメラ抗体である。一部の態様では、キメラ抗体はヒト化抗体である。一部の態様では、前記抗体はヒト抗体または合成抗体である。
一部の態様では、抗CD94特異的抗体は、
SEQ ID NO:13を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:14を含む軽鎖可変領域;または
SEQ ID NO:15を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16を含む軽鎖可変領域
を含む。
一部の態様では、前記抗体は、CD94タンパク質を発現するナチュラルキラー細胞に対する抗体依存性細胞傷害(ADCC)または抗体依存性食作用(ADP)を誘導する。一部の態様では、前記抗体は、CD94タンパク質を発現する細胞を排除するために毒素と連結されている。
一部の態様では、前記方法は、個体に、ナチュラルキラー細胞を一時的に枯渇させるのに十分な量の抗NK細胞(例えば、抗CD94特異的)抗体を個体に投与する工程を含む。従って、ナチュラルキラー細胞は、個体に導入された同種異系または異種の細胞または組織に応答せず、かつ死滅させない。
一部の態様では、同種異系または異種の細胞はCAR-T細胞である。
一部の態様では、個体に移植された細胞は同種異系細胞であり、同種異系細胞はHLAクラスIタンパク質を欠く。一部の態様では、移植された細胞は、移植された細胞上のCD94発現を阻止または低減する、導入されている遺伝子変化を含む。
一部の態様では、個体は癌を有する。
一部の態様では、抗CD94特異的抗体は、
謹んで、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3の重鎖相補性決定領域(CDR)1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
謹んで、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域;または
謹んで、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、およびSEQ ID NO:9の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
謹んで、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:12の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域
を含む。
一部の態様では、前記抗体はキメラ抗体である。一部の態様では、キメラ抗体はヒト化抗体である。一部の態様では、前記抗体はヒト抗体または合成抗体である。
一部の態様では、抗CD94特異的抗体は、
SEQ ID NO:13を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:14を含む軽鎖可変領域;または
SEQ ID NO:15を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16を含む軽鎖可変領域
を含む。
一部の態様では、前記抗体は、NK特異的標的タンパク質(例えば、CD94)を発現するナチュラルキラー細胞の抗体依存性細胞傷害(ADCC)または抗体依存性食作用を誘導する。一部の態様では、NK特異的標的タンパク質(例えば、CD94)を発現する細胞を排除するために、前記抗体は毒素と連結されている。
個体においてナチュラルキラー細胞が同種異系細胞または同種異系組織の移植を拒絶するのを低減または阻止する方法も提供される。一部の態様では、前記方法は、移植前または移植後に、個体に、ナチュラルキラー細胞、またはNK特異的標的タンパク質(例えば、CD94タンパク質)を発現する他の細胞を一時的に枯渇させるのに十分な量の、NK特異的標的タンパク質に特異的な抗体(例えば、抗CD94特異的抗体)を個体に投与する工程を含む。一部の態様では、移植前に、NK特異的標的タンパク質に特異的な抗体(例えば、抗CD94特異的抗体)を投与し、その後に、ナチュラルキラー細胞、またはCD94タンパク質を発現する細胞が枯渇されている間に同種異系または異種の細胞または組織を個体に移植する。
一部の態様では、個体に移植された細胞は同種異系細胞であり、同種異系細胞は1つまたは複数のHLAクラスIタンパク質を欠く。一部の態様では、移植された細胞は、移植された細胞上のNK特異的標的タンパク質(例えば、CD94)の発現を阻止または低減する、導入されている遺伝子変化を含む。
一部の態様では、抗CD94抗体は、
謹んで、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3の重鎖相補性決定領域(CDR)1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
謹んで、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域;または
謹んで、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、およびSEQ ID NO:9の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
謹んで、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:12の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域
を含む。
一部の態様では、前記抗体はキメラ抗体である。一部の態様では、キメラ抗体はヒト化抗体である。一部の態様では、前記抗体はヒト抗体または合成抗体である。
一部の態様では、抗CD94抗体は、
SEQ ID NO:13を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:14を含む軽鎖可変領域;または
SEQ ID NO:15を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16を含む軽鎖可変領域
を含む。
一部の態様では、前記抗体は、CD94タンパク質を発現するナチュラルキラー細胞の抗体依存性細胞傷害(ADCC)または抗体依存性食作用(ADP)を誘導する。一部の態様では、CD94タンパク質を発現する細胞を排除するために、前記抗体は毒素と連結されている。
CD94に結合するモノクローナル抗体も提供される。一部の態様では、前記抗体は、
謹んで、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3の重鎖相補性決定領域(CDR)1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
謹んで、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域;または
謹んで、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、およびSEQ ID NO:9の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
謹んで、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:12の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域
を含む。
一部の態様では、前記抗体はキメラ抗体である。一部の態様では、キメラ抗体はヒト化抗体である。
一部の態様では、抗CD94抗体は、
SEQ ID NO:13を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:14を含む軽鎖可変領域;または
SEQ ID NO:15を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16を含む軽鎖可変領域
を含む。
定義
本明細書で使用する「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」という用語は1つのメンバーを用いた局面を含むだけでなく、複数のメンバーを用いた局面も含む。例えば、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈によってはっきりと規定されていない限り複数の指示物を含む。従って、例えば、「1つの細胞」についての言及は複数のこのような細胞を含み、「その薬剤」についての言及は、当業者に公知の1つまたは複数の薬剤についての言及を含む。
本明細書で使用する「抗体」という用語は、結合特異性を保持している、多量体(例えば、四量体)ならびにシングルドメイン抗体、ならびに抗体断片を含む。本明細書に記載の抗体は、免疫グロブリン遺伝子または免疫グロブリン遺伝子の断片によって実質的にコードされる1つまたは複数のポリペプチドからなってもよい。認められている免疫グロブリン遺伝子は、κ、λ、α、γ、δ、ε、およびμ定常領域遺伝子ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子を含む。軽鎖はκまたはλのいずれかとして分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ、またはεのいずれかとして分類され、そして次に、これらは、それぞれ、免疫グロブリンクラスであるIgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEを定義する。一部の態様では、前記抗体は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgM、IgA、IgD、またはIgEである。
1つの例示的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は四量体を含む。それぞれの四量体は2つの同一のポリペプチド鎖対で構成され、それぞれの対は1本の「軽」鎖(約25kD)と1本の「重」鎖(約50~70kD)を有する。それぞれの鎖のN末端は、主として抗原認識を担う約100~110またはそれより多くのアミノ酸の可変領域を規定する。可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)という用語は、それぞれ、これらの軽鎖および重鎖を指す。
よく特徴付けられた多数の抗体断片がある。従って、例えば、ペプシンは、ヒンジ領域にあるジスルフィド結合のC末端側で四量体抗体を消化して、ジスルフィド結合によって軽鎖とVH-CH1がつながっているFabの二量体であるF(ab)'2を生成する。F(ab)'2を穏やかな条件下で還元して、ヒンジ領域のジスルフィド結合を切断し、それによって、(Fab')2二量体をFab'単量体に変換することができる。Fab'単量体は、本質的に、ヒンジ領域の一部を有するFabである(他の抗体断片のさらに詳細な説明については、Fundamental Immunology, W.E. Paul, ed., Raven Press, N.Y. (1993)を参照されたい)。インタクトな抗体の消化の点で様々な抗体断片が定義されているが、当業者は、断片を化学的に、または組換えDNA法を利用することによって新規に合成できることを理解する。従って、本明細書で使用する抗体という用語は、抗体全体を改変することによって生成された、または組換えDNA法を用いて合成された抗体断片も含む。
本明細書において提供される特異的抗体配列だけでなく、抗体置換変種も意図される。置換変種は、少なくとも1つのアミノ酸残基が除去されてもよく、その場所に異なる残基が挿入されてもよい。置換変異誘発のための最も関心が高い部位は超可変領域を含むが、フレームワーク変化も意図される。
前記抗体の生物学的特性の大幅な改変は、(a)置換領域、例えば、βシートもしくはヘリックスコンホメーションにおけるポリペプチドバックボーンの構造、(b)標的部位における分子の電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖の容積の維持に対する影響の点で大きく異なる置換を選択することによって成し遂げられる。天然残基は、共通の側鎖特性に基づいて以下のグループ:
(1)非極性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)電荷がなく極性がある:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性(負に荷電している):Asp、Glu;
(4)塩基性(正に荷電している):Lys、Arg;
(5)鎖の方向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;および
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe、His
に分けられる。非保存的置換は、これらのクラスのうち1つのメンバーと別のクラスのメンバーを交換することによってなされる。
作ることができる1つの置換タイプは、抗体の中にある、化学反応し得る1つまたは複数のシステインを、アラニンまたはセリンなどがあるが、それに限定されるわけではない別の残基に変えるものである。例えば、非古典的システインの置換があってもよい。この置換は、可変ドメインのCDR中またはフレームワーク領域中で行われてもよく、抗体の定常領域中で行われてもよい。一部の態様では、システインは古典的である(例えば、ジスルフィド結合形成に関与する)。分子の酸化的安定性を改善し、異常な架橋結合を阻止するために、前記抗体の正しいコンホメーションの維持に関与しない、どのシステイン残基も、通常、セリンで置換され得る。逆に、抗体の安定性を改善するために、特に、抗体がFv断片などの抗体断片である場合に、システイン結合が抗体に加えられることがある。
抗体には、単鎖抗体(1本のポリペプチド鎖として存在する抗体)、例えば、可変重鎖領域と可変軽鎖領域が(直接、またはペプチドリンカーを介して)つながれて、連続したポリペプチドを形成している単鎖Fv抗体(sFvまたはscFv)を含むVH-VL二量体が含まれ得る。単鎖Fv抗体は、直接つなげられた、またはペプチドをコードするリンカーによってつなげられた、VHコード配列とVLコード配列を含む核酸から発現され得る、共有結合により連結されたVH-VLである(例えば、Huston, et al. Proc. Nat. Acad. Sci. USA, 85:5879-5883, 1988)。VHとVLが1本のポリペプチド鎖として、それぞれに接続されている間、VHドメインとVLドメインは非共有結合により会合している。または、抗体は別の断片でもよい。他の断片も、例えば、組換え法を用いて、可溶性タンパク質として、またはディスプレイ法から得られた断片として作製することができる。抗体はダイアンチボディ(diantibody)およびミニ抗体も含む場合がある。上述したように、抗体はまた、シングルドメイン抗体、例えば、重鎖二量体、例えば、ラクダ科の動物に由来する抗体も含む。
本明細書で使用する「キメラ抗体」とは、(a)抗原結合部位(可変領域)が、異なる、もしくは変更されたクラス、エフェクター機能、および/もしくは種の定常領域、または新たな特性をキメラ抗体に付与する全く異なる分子、例えば、酵素、毒素、ホルモン、増殖因子、薬物などに連結されるように、定常領域またはその一部が変更、置換、または交換されている免疫グロブリン分子、あるいは(b)可変領域またはその一部が、異なる、または変更された抗原特異性を有する可変領域またはその一部を用いて、あるいは別の種、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに由来する対応する配列を用いて変更、置換、または交換されている免疫グロブリン分子を指す。
本明細書で使用する「ヒト化抗体」とは、ドナー抗体に由来するCDRがヒトフレームワーク配列につながれた、または非ヒトフレームワーク領域がヒトアミノ酸残基を含有するように改変された免疫グロブリン分子を指す。ヒト化抗体はまたフレームワーク配列中にドナー由来の残基も含んでよい。ヒト化抗体はまたヒト免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部も含んでよい。ヒト化抗体はまたレシピエント抗体中にも、移入されたCDR中にもフレームワーク配列中にも見出されない残基も含んでよい。ヒト化は、「超ヒト化」抗体(Tan et al., J. Immunol. 169: 1119, 2002) および「リサーフェシング」(例えば、Staelens et al., Mol. Immunol. 43: 1243, 2006;およびRoguska et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA 91: 969, 1994)などの技法を含む、当技術分野において公知の方法(例えば、Jones et al., Nature 321:522-525; 1986; Riechmann et al., Nature 332:323-327, 1988; Verhoeyen et al., Science 239:1534-1536, 1988); Presta, Curr. Op. Struct. Biol. 2:593-596, 1992; 米国特許第4,816,567号)を用いて実施することができる。
本明細書で使用する「相補性決定領域(CDR)」とは、可変領域の4つの「フレームワーク」領域を中断する3つの超可変領域(HVR)を指す。CDRは、抗原エピトープに対する結合の主な要因である。CDRはCDR1、CDR2、およびCDR3と呼ばれ、N末端から始めて連続番号が振られている。「CDR」という用語は「HVR」と同義で用いられる場合がある。
CDRおよびフレームワーク領域のアミノ酸配列は、当技術分野の様々な周知の定義、例えば、Kabat、Chothia、international ImMunoGeneTics database(IMGT)、およびAbMを用いて決定することができる(例えば、Johnson et al., 前出; Chothia & Lesk, 1987, Canonical structures for the hypervariable regions of immunoglobulins. J. Mol. Biol. 196, 901-917; Chothia C. et al., 1989, Conformations of immunoglobulin hypervariable regions. Nature 342, 877-883; Chothia C. et al., 1992, structural repertoire of the human VH segments J. Mol. Biol. 227, 799-817; Al-Lazikani et al., J. Mol. Biol 1997, 273(4))を参照されたい)。抗原結合部位の定義はまた、以下: Ruiz et al., IMGT, the international ImMunoGeneTics database. Nucleic Acids Res., 28, 219-221 (2000);およびLefranc, M.-P. IMGT, the international ImMunoGeneTics database. Nucleic Acids Res. Jan 1;29(1):207-9 (2001); MacCallum et al, Antibody-antigen interactions: Contact analysis and binding site topography, J. Mol. Biol., 262 (5), 732-745 (1996);およびMartin et al, Proc. Natl Acad. Sci. USA, 86, 9268-9272 (1989); Martin, et al, Methods Enzymol., 203, 121-153, (1991); Pedersen et al, Immunomethods, 1, 126, (1992); およびRees et al, In Sternberg M.J.E. (ed.), Protein Structure Prediction. Oxford University Press, Oxford, 141-172 1996にも記載されている。Kabatナンバリングによって決定されるCDRについての言及は、例えば、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institute of Health, Bethesda, MD (1991))に基づいている。Chothia CDRは、Chothia (例えば、Chothia and Lesk J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987)を参照されたい)によって定義されるように決定される。
「エピトープ」または「抗原決定基」とは、抗体が結合する、抗原上の部位を指す。エピトープは、連続アミノ酸またはタンパク質の三次フォールディングによって近接する非連続アミノ酸の両方から形成することができる。連続アミノ酸から形成されるエピトープは、典型的には、変性溶媒に曝露されても保持されるのに対して、三次フォールディングによって形成されるエピトープは、典型的には、変性溶媒で処理されると失われる。エピトープは、典型的には、独特の空間コンホメーションにおいて少なくとも3個、さらに通常は少なくとも5個または8~10個のアミノ酸を含む。エピトープの空間コンホメーションを決定する方法には、例えば、X線結晶学および2次元核磁気共鳴が含まれる。例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology, Vol. 66, Glenn E. Morris, Ed (1996)を参照されたい。
本明細書で使用する「結合価」という用語は、抗原に対する抗体の異なる結合部位の数を指す。一価抗体は抗原に対して1つの結合部位を含む。多価抗体は複数の結合部位を含む。
抗原もしくは標的に「特異的に(もしくは選択的に)結合する」または「と特異的に(もしくは選択的に)免疫反応する」という句は、タンパク質またはペプチドについて言及する時には、抗体が関心対象の抗原または標的に結合する結合反応を指す。本開示の文脈では、前記抗体は、他の抗原(例えば、一例としてCD20)に対する親和性よりも少なくとも100倍大きなKDでヒトCD94ウイルスに結合する。
「同一の」またはパーセント「同一性」という用語は、2つ以上のポリペプチド配列の文脈では、比較ウィンドウまたは指定された領域にわたって最大に一致するように比較および整列された時に、同じであるか、または指定された領域にわたって指定されたパーセント(例えば、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれより大きな)の同一性の同じアミノ酸残基を有する2つ以上の配列または部分配列を指す。パーセントアミノ酸配列の同一性を求めることを目的としたアラインメントは、BLAST-2.0などの公的利用可能なコンピュータソフトウェアを用いて実施することができる。BLASTおよびBLAST2.0アルゴリズムは、Altschul et al., Nuc. Acids Res. 25:3389-3402 (1977)およびAltschul et al., J. Mol. Biol. 215:403-410 (1990)に記載されている。従って、BLAST2.0は、パーセント配列同一性を求めるためにデフォルトパラメータと共に使用することができる。
「に対応する」、「を基準として決定される」、または「を基準として番号付けられる」という用語は、ポリペプチド配列中のある特定のアミノ酸残基を特定する文脈で用いられる時には、ある特定のアミノ酸配列が参照配列に対して最大限に整列または比較された時の、指定された参照配列の残基位置を指す。従って、例えば、可変ドメインポリペプチド中のアミノ酸残基は、ある配列と最適に整列され、この配列中のアミノ酸と一直線に並んだ時に、本明細書に記載のポリペプチド中のアミノ酸「に対応する」。参照配列と整列されるポリペプチドは参照配列と同じ長さである必要はない。
本明細書で使用する「保存的」置換は、側鎖の電荷、疎水性、および/またはサイズが維持されるようなアミノ酸置換を指す。互いに置換され得る例示的なアミノ酸セットには、(i)正電荷アミノ酸Lys、Arg、およびHis;(ii)負電荷アミノ酸GluおよびAsp;(iii)芳香族アミノ酸Phe、Tyr、およびTrp;(iv)窒素環アミノ酸HisおよびTrp;(v)大きな脂肪族非極性アミノ酸Val、Leu、およびIle;(vi)わずかに極性のあるアミノ酸MetおよびCys;(vii)小さな側鎖のアミノ酸Ser、Thr、Asp、Asn、Gly、Ala、Glu、Gln、およびPro;(viii)脂肪族アミノ酸Val、Leu、Ile、Met、およびCys;ならびに(ix)小さなヒドロキシルアミノ酸SerおよびThrが含まれる。本段落におけるアミノ酸の電荷についての言及は生理学的pHでの電荷を指す。
「核酸」および「ポリヌクレオチド」という用語は同義で用いられ、本明細書で用いられる時には、RNA、cDNA、ゲノムDNA、ならびに上記の合成形態および混合ポリマーのセンス鎖とアンチセンス鎖を両方とも指す。特定の態様では、ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシヌクレオチド、もしくはいずれかのヌクレオチド型の改変型、またはその組み合わせを指す。この用語にはDNAの一本鎖型および二本鎖型が含まれるが、これに限定されない。さらに、ポリヌクレオチド、例えば、cDNAまたはmRNAは、天然および/または非天然のヌクレオチド結合によって一緒に連結された天然ヌクレオチドおよび修飾ヌクレオチドのいずれかまたは両方を含んでもよい。当業者により容易に理解されるように、核酸分子は化学的または生化学的に修飾されてもよく、非天然ヌクレオチド塩基または誘導体化ヌクレオチド塩基を含有してもよい。このような修飾には、例えば、標識、メチル化、天然ヌクレオチドの1つまたは複数と類似体との置換、ヌクレオチド間修飾、例えば、無荷電結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミダート、カルバメートなど)、荷電結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)、ペンダント部分(例えば、ポリペプチド)、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレンなど)、キレート剤、アルキル化剤、および修飾された結合(例えば、αアノマー核酸など)が含まれる。上記の用語は、一本鎖、二本鎖、部分的二本鎖、三本鎖、ヘアピン、環状、およびパドロックド(padlocked)コンホメーションを含む任意のトポロジカルコンホメーションを含むことも意図される。核酸配列についての言及は、他で特定しない限り、その相補鎖を包含する。従って、特定の配列を有する核酸分子についての言及は、その相補的配列を有する、その相補鎖を包含すると理解されるはずである。この用語はまた、同じポリペプチド配列をコードするコドン最適化核酸を含む。
「対象」、「患者」、または「個体」という用語は、本明細書中では、ヒトを含むが、これに限定されない任意の哺乳動物を指すために同義で用いられる。例えば、動物対象は、霊長類(例えば、サル、チンパンジー)、家畜(例えば、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、またはヤギ)、コンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコ)、実験動物(例えば、マウス、ラット、モルモット)、または他の任意の哺乳動物でもよい。一部の態様では、「対象」、「患者」、または「個体」はヒトである。
本明細書中の「治療有効用量」、「有効用量」、または「治療有効量」という用語は、投与されたものに対して効果を生じる用量を意味する。正確な用量および処方は処置の目的に左右され、公知の技法を用いて当業者によって突き止めることができる(例えば、Lieberman, Pharmaceutical Dosage Forms (vols. 1-3, 1992); Lloyd, The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding (1999); Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, Gennaro, Editor (2003)、およびPickar, Dosage Calculations (1999)を参照されたい)。例えば、ある特定のパラメータについて、治療有効量は、治療効果の、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、40%、50%、60%、75%、80%、90%のいずれか、または少なくとも100%の増加または減少を示す。治療効力はまた、増加または減少の「倍」で表すこともできる。例えば、治療有効量は、対照と比べて少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍のいずれか、またはそれより大きな効果を有してもよい。
本明細書で使用する「T細胞」という句は、T細胞受容体分子を発現するヒトリンパ系細胞を指す。T細胞には、ヒトアルファベータ(αβ)T細胞およびヒトガンマデルタ(γδ)T細胞が含まれる。T細胞には、ナイーブT細胞、刺激されたT細胞、初代T細胞(例えば、無培養)、培養されたT細胞、不死化されたT細胞、ヘルパーT細胞、細胞傷害性T細胞、メモリーT細胞、調節性T細胞、ナチュラルキラーT細胞、その組み合わせ、またはその亜集団が含まれるが、これに限定されない。T細胞は、CD4+、CD8+、またはCD4+およびCD8+、またはCD4-、またはCD8-でもよい。T細胞は、ヘルパー細胞、例えば、TH1、TH2、TH3、TH9、TH17、またはTFH型のヘルパー細胞でもよい。T細胞は細胞傷害性T細胞でもよい。調節性T細胞はFOXP3+またはFOXP3-でもよい。T細胞はアルファ/ベータT細胞またはガンマ/デルタT細胞でもよい。場合によっては、T細胞はCD4+CD25hiCD127lo調節性T細胞である。場合によっては、T細胞は、1型調節(Tr1)、TH3、CD8+CD28-、およびTreg17 T細胞、またはその組み合わせもしくは亜集団からなる群より選択されるヒト調節性T細胞である。場合によっては、T細胞はFOXP3+T細胞である。場合によっては、T細胞はCD4+CD25loCD127hiエフェクターT細胞である。場合によっては、T細胞はCD4+CD25loCD127hiCD45RAhiCD45RO-ナイーブT細胞である。T細胞は、遺伝子操作されているT細胞でもよい。場合によっては、T細胞は組換え(例えば、異種)T細胞受容体を有する。
ナチュラルキラー細胞はNK細胞とも知られ、自然免疫系に関与する細胞傷害性リンパ球の一種である。NK細胞はCD56の存在とCD3の非存在(CD56+,CD3-)によって特定することができる。例えば、Pfefferle A, et al., (2020). 「Deciphering Natural Killer Cell Homeostasis」. Frontiers in Immunology. 11: 812; Schmidt S, et al., (2018). 「Natural killer cells as a therapeutic tool for infectious diseases - current status and future perspectives」. Oncotarget. 9 (29): 20891-20907を参照されたい。CD94は主としてNK 細胞上に発現しており(例えば、Guntauri et al., Immunol Res 30(1):29-34 (2004)を参照されたい) 、開示の文脈では比較的、NK 細胞特異的だとみなされる。ヒトCD94は、例えば、Chang et al., Eur. J. Immonol. 25:2433-2437 (1995) Uniprot Q13241に記載されており、少なくとも 9つの異なるアイソフォーム(GenBankアクセッション番号:NM_007334.3、NM_001351062.2、NM_001351060.2、NM_001114396.3、NM_001351063.2、NM_002262.5、NR_147038.2、NR_147039.2、およびNR_147040.2)で生じる。
「薬学的に許容される塩」または「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、本明細書に記載の抗体上に見出される特定の置換基に応じて、比較的無毒の酸または塩基を用いて調製された活性化合物の塩を含むこと意味する。薬学的に許容される塩基添加塩の例には、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アミノ塩、もしくはマグネシウム塩、または類似の塩が含まれる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含有する場合、酸添加塩は、無溶媒で、または適切な不活性溶媒に溶解して、このような化合物の中性形態と十分な量の望ましい酸と接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される酸添加塩の例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸一水素(monohydrogencarbonic)、リン酸、リン酸一水素(monohydrogenphosphoric)、リン酸二水素(dihydrogenphosphoric)、硫酸、硫酸一水素(monohydrogensulfuric)、ヨウ化水素酸、または亜リン酸などのような無機酸から得られた酸添加塩、ならびに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などのような比較的無毒の有機酸から得られた塩が含まれる。アミノ酸の塩、例えば、アルギネート(arginate)など、およびグルクロン酸またはガラクツロン酸などのような有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge et al., Journal of Pharmaceutical Science 66:1-19 (1977)を参照されたい)。本発明のある特定の化合物は、塩基添加塩または酸添加塩のいずれかに変換するのを可能にする塩基性官能基と酸性官能基を両方とも含有する。当業者に公知の他の薬学的に許容される担体が本開示に適している。
CD94 Fc融合タンパク質に結合するFabファージの複数回の濃縮からの結果。ヒトCD94の細胞外ドメイン(ECD)を哺乳動物細胞内でFc融合タンパク質として発現させた。Fc融合タンパク質はN末端にビオチンアクセプタータグを含有し、ECDとFcドメインとの間にTEVタンパク質分解部位を含有する。これらのタグにより、CD94 Fc融合タンパク質に結合したFabファージの選択的放出を確かなものにする、ファージディスプレイ選択における「キャッチアンドリリース(catch-and-release)」プロセスが容易になる。選択されたFabファージを大腸菌(E.coli)内で増殖させ、精製し、その後にもう1回の選択を行った。CD94抗体の選択を4回にわたって繰り返した。図1は2~4回目のFabファージ濃縮比を示す。CD94 Fc-融合タンパク質を用いた同じ選択キャンペーンにおいてGFPおよび負の対照(PBS緩衝液のみ)についての選択を行った。 図2A~Bは、抗CD94抗体JLS002-rAB22およびJLS002-rAB23の結合曲線を示す。 図3は、2種類の抗CD94結合剤JLS002-rAB22およびJLS002-rAB23に対するIgGの親和性を検出するのに用いられたoctetアッセイからの結果を示す。 図4Aは、ヒトCD94を発現するBa/F3トランスフェクタントの染色を示す。 図4Bは、ヒトCD94、NKG2D、およびDAP12を発現するBa/F3トランスフェクタントの染色を示す。 図5A~Bは、NK細胞を枯渇させることで、RMAリンパ腫成長に対するα-PD-1Lチェックポイントブロック処置の効力が改善することを示す。図5A)実験デザイン。図5B)腫瘍量の経時測定。150μg、250μg、および250μgの濃度のα-NK1.1、α-PD-1L、およびIgG2bアイソタイプ一致対照抗体の腹腔内注射を、示された時点で注射した。有意性はスチューデントt検定によって*P<0.05だと示される。
発明の詳細な説明
本発明者らは、ナチュラルキラー細胞が、高度に活性化されたT細胞を標的とし、かつ死滅させることができることを確かめた。このことは、多くの場合で(例えば、過剰に活性のある免疫応答を阻止するのに)有益かもしれないが、一部の態様では、この作用は望ましくない。例えば、一部の態様では、T細胞を用いて個体内の癌細胞または他の望ましくない作用物質を標的とすることが望ましい。これらの局面では、癌細胞抗原を標的とする活性化T細胞(例えば、CD8+エフェクターT細胞)が個体内の癌細胞を標的とし、かつ死滅させることができるようにするために個体内のナチュラルキラー細胞を枯渇させることが有利な場合がある。従って、一部の態様では、抗CD94抗体が、癌を有する個体に投与され、ナチュラルキラー細胞が枯渇され、それによって、枯渇がなければナチュラルキラー細胞によって除去されているT細胞による個体内の癌細胞の標的化が強化される。この方法は、1種または複数種のチェックポイント阻害剤の投与をさらに含んでもよい。従って、癌に対する強化された免疫応答を誘導することができる。抗CD94抗体、またはナチュラルキラー細胞を優先的に標的化する抗体の投与は、一部の態様では、1種または複数種の癌抗原に対するT細胞を活性化する抗原の投与が付随してもよく、1種または複数種の癌抗原に対するT細胞を活性化する抗原の投与の後でもよく前でもよい。
本発明者らはまた、(i)ナチュラルキラー細胞を一時的に枯渇させるのに十分な量の、NK特異的標的タンパク質に特異的な抗体(例えば、抗CD94特異的抗体)を個体に投与し、(ii)個体内に非自己細胞または非自己組織を移植することによって、個体内の非自己細胞または非自己組織に対するNK細胞性免疫応答を低減できることも発見した。前記抗体(例えば、抗CD94抗体)の投与前または投与後に、非自己細胞または非自己組織の発現が最初に行われてもよい。例示的な非自己細胞または非自己組織には、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞(非自己CARを発現するように改変された自家細胞もしくは同種異系T細胞を含むが、これに限定されない)、または異種T細胞受容体を発現するT細胞(自家細胞もしくは同種異系T細胞を含むが、これに限定されない)が含まれ得るが、これに限定されない。
さらに他の態様では、(i)ナチュラルキラー細胞を一時的に枯渇させるのに十分な量の抗CD94特異的抗体またはナチュラルキラー細胞に優先的に結合する抗体を個体に投与し、(ii)癌特異的T細胞を個体に導入することによって、個体に再導入された自家細胞に対するNK細胞性免疫応答を低減することができる。この場合、導入される細胞は、個体から細胞を入手し、エクスビボで癌特異的T細胞を増殖および/または濃縮することによって作製される。
例示的なCD94抗体には、CD94の細胞外ドメインに特異的に結合し、任意で、NKG2AにもNKG2Cにも結合しない抗体が含まれる。前記抗体は、薬理学的に有用になるように十分に高い親和性(低いKD)を有してもよい。一部の態様では、CD94に対する前記抗体のKDは、10-7M以下、10-8M以下、10-9M以下、または10-10M以下、例えば、10-8M~10-10Mまたは10-8M~10-11Mである。
一部の態様では、抗CD94抗体は、謹んで、VYSSSI(SEQ ID NO:1)、YISSYSGYTY(SEQ ID NO:2)、およびGRYQGM (SEQ ID NO:3)の重鎖相補性決定領域 (CDR)1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域と、謹んで、SVSSA(SEQ ID NO:4)、SASSLYS(SEQ ID NO:5)、およびYAYHLI(SEQ ID NO:6)の軽鎖 CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域とを含む。一部の態様では、抗CD94抗体は、
Figure 2023549559000002
を含む重鎖可変領域と、
Figure 2023549559000003
を含む軽鎖可変領域とを含む。
一部の態様では、抗CD94抗体は、謹んで、VYSSSI(SEQ ID NO:7)、SISSYSGSTS(SEQ ID NO:8)、およびYGYYMSGAM(SEQ ID NO:9)の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域と、謹んで、SVSSA(SEQ ID NO:10)、SASSLYS(SEQ ID NO:11)、およびKKAYSLI(SEQ ID NO:12)の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域とを含む。一部の態様では、抗CD94抗体は、
Figure 2023549559000004
を含む重鎖可変領域と、
Figure 2023549559000005
を含む軽鎖可変領域とを含む。他のCD94特異的抗体も使用することができる。
一部の態様では、2種類以上の異なるCD94抗体が投与され、2種類の抗体はCD94表面にある異なるエピトープに結合する。例えば、一部の態様では、2種類の抗体の一方または両方が上記の抗体より選択される。
本明細書に記載の抗体を調製するための一方法は、適切な宿主細胞もしくは宿主生物において、または別の適切な発現系において前記抗体をコードする核酸を発現させ、任意で、その後に、前記抗体を単離および/または精製することを含む。結合断片および他のその誘導体を含む前記抗体は、トランスフェクトされた細胞(例えば、不死化真核細胞、例えば、ミエローマまたはハイブリドーマ細胞)での発現を含む様々な組換えDNA法によって産生することができる。免疫グロブリン発現用および分泌用のDNA配列および宿主細胞の適切な供給源細胞は、多数の供給元、例えば、American Type Culture Collection (Catalogue of Cell Lines and Hybridomas, Fifth edition (1985) Rockville, Md)から入手することができる。
一部の態様では、前記抗体は、ヒト化抗体、すなわち、ヒトでの免疫原性が低下しているが非ヒト抗体の反応性を保持している抗体である。これは、例えば、非ヒトCDR領域を保持し、前記抗体の残りの部分をそのヒト対応物と交換することによって成し遂げることができる。例えば、Morrison et al., PNAS USA, 81:6851-6855 (1984); Morrison and Oi, Adv. Immunol., 44:65-92 (1988); Verhoeyen et al., Science, 239:1534-1536 (1988); Padlan, Molec. Immun., 28:489-498 (1991); Padlan, Molec. Immun., 31(3):169-217 (1994)を参照されたい。抗体をヒト化するための技法は当技術分野において周知であり、例えば、米国特許第4,816,567号;同第5,530,101号;同第5,859,205号;同第5,585,089号;同第5,693,761号;同第5,693,762号;同第5,777,085号;同第6,180,370号;同第6,210,671号;および同第6,329,511号;WO87/02671;EP特許出願0173494; Jones et al. (1986) Nature 321:522;およびVerhoyen et al. (1988) Science 239:1534に記載されている。ヒト化抗体は、例えば、Winter and Milstein (1991) Nature 349:293においてさらに説明される。例えば、ヒト化免疫グロブリンフレームワーク領域をコードする第1の配列と、望ましい免疫グロブリン相補性決定領域をコードする第2の配列セットを含むポリヌクレオチドは合成により生成されてもよく、適切なcDNAおよびゲノムDNAセグメントを組み合わせることによって生成されてもよい。ヒト定常領域DNA配列は様々なヒト細胞から周知の手順に従って単離することができる。
場合によっては、CDRをヒトフレームワークに移入するとヒト化抗体の特異性が失われる。これらの場合、抗体のヒト部分のフレームワーク領域に復帰突然変異を導入することができる。復帰突然変異を加える方法は、例えば、Co et al., PNAS USA 88;2269-2273(1991)およびWO90/07861に記載されている。
一部の態様では、前記抗体はFab、F(ab’)2、Fv、またはscFvなどの抗体断片である。抗体断片は、化学的消化(例えば、パパインまたはペプシン)および組換え方法を含む、当技術分野において公知の任意の手段を用いて作製することができる。組換え核酸を単離および調製するための方法は当業者に公知である(Sambrook et al., Molecular Cloning. A Laboratory Manual (2d ed. 1989); Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology (1995)を参照されたい)。前記抗体は、大腸菌、他の細菌宿主、酵母、ならびに様々な高等真核細胞、例えば、COS、CHO、およびHeLa細胞株ならびにミエローマ細胞株を含む様々な宿主細胞において発現することができる。
特異的結合、例えば、CD94との特異的結合において本明細書に記載の抗体と競合する抗体を特定するために競合的結合アッセイを使用することができる。当技術分野において公知の多数の競合的結合アッセイのうちのどれを用いても、同じ抗原に対する2種類の抗体間の競合を測定することができる。簡単に述べると、異なる抗体が別の抗体の結合を阻害する能力が試験される。例えば、サンドイッチELISAアッセイを用いて、抗体が結合するエピトープによって抗体を差別化することができる。これは、捕捉抗体を用いてウェル表面をコーティングすることによって行われる。次いで、飽和濃度未満のタグ化抗原が捕捉表面に添加される。このタンパク質は、特異的な抗体:エピトープ相互作用を介して前記抗体に結合する。洗浄後に、検出可能な部分(例えば、HRP。標識された抗体は検出抗体と定義される)に共有結合により連結されている第2の抗体がELISAに添加される。この抗体が、捕捉抗体と同じエピトープを認識すれば、標的タンパク質に結合できない。なぜなら、特定のエピトープがもはや結合に利用できないからである。しかしながら、この第2の抗体が、標的タンパク質上にある異なるエピトープを認識すれば、結合が可能であり、この結合は、関連する基質を用いて活性レベル(従って、結合した抗体)を定量することによって検出することができる。バックグラウンドは、捕捉抗体および検出抗体として1種の抗体を使用することによって定義されるのに対して、最大シグナルは、抗原特異的抗体を用いて捕捉し、かつ抗原上のタグに対する抗体を用いて検出することによって確立することができる。基準としてバックグラウンドと最大シグナルを使用することによって、エピトープ特異性を確かめるために抗体を2つ1組の形で評価することができる。
上記のアッセイのいずれかを用いて第1の抗体の存在下で第2の抗体と抗原との結合が少なくとも30%、通常、少なくとも約40%、50%、60%、または75%、多くの場合、少なくとも約90%低減すれば、第1の抗体は第2の抗体の結合を競合的に阻害するとみなされる。
一部の態様では、前記抗体(例えば、抗CD94抗体)は、毒素、例えば、前記抗体がNK細胞(例えば、CD94を発現する細胞に結合し、これを死滅させるような細胞毒に連結される。例示的な毒素には、アマニチン、アントラサイクリン、アウリスタチン、バッカチン、カリチアマイシン、カンプトテシン、セマドチン、コルヒチン、コルシミド、コンブレタスタチン、クリプトフィシン、ディスコデルモリド、デュオカルマイシン、エキノマイシン、エリュテロビン、エポシロン、エストラムスチン、レキシトロプシン、マイタンシノイド、ネトロプシン、ピューロマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、リゾキシン、タキサン、ツブリシン、およびビンカアルカロイドが含まれ得るが、これに限定されない。例えば、当技術分野において公知のように、リンカーを介して前記抗体に毒素を連結することができる。例えば、欧州特許出願EP3165237A1を参照されたい。一部の態様では、毒素は、前記抗体の中にある、例えば、Fc領域の中にある天然のシステイン残基または操作されたシステイン残基を介して前記抗体に連結される。
一部の態様では、抗体は、その血中半減期を延ばす部分またはアミノ酸配列を用いた改変または融合により、半減期が長くなっていてもよい。一部の態様では、前記抗体はペグ化されるか、または血清タンパク質(例えば、血清アルブミン)に結合するための少なくとも1つの結合部位もしくは前記抗体の半減期を延ばす他の部分(特に少なくとも1つのアミノ酸配列)を含む。例には、血清アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)、血清免疫グロブリン、例えば、IgG、またはトランスフェリン;Fc部分(例えば、ヒトFc)またはその適切な部分もしくは断片;あるいはWO91/01743、WO01/45746、WO02/076489、WO08/068280、WO09/127691、およびWO11/095545に記載のタンパク質およびペプチドなどがあるが、それに限定されるわけではない血清タンパク質に結合することができる1つまたは複数の小さなタンパク質またはペプチドが含まれるが、これに限定されない。
一部の態様では、例えば、可変ドメインと別の配列(例えば、第2の可変領域、または半減期を延ばすもの、または他の配列)を連結する、ポリペプチドの2つの部分は互いに直接連結されてもよく、1つまたは複数の適切なスペーサーまたはリンカーを介して互いに連結されてもよい。好ましくは、リンカーまたはスペーサーは、薬学的使用に意図されるタンパク質またはポリペプチドの構築における使用に適している。一部の特に好ましいスペーサーには、抗体断片または抗体ドメインを連結するために当技術分野において用いられるスペーサーおよびリンカーが含まれる。例えば、リンカーは、適切なアミノ酸配列、特に、1~50、好ましくは1~30、例えば、1~10アミノ酸残基のアミノ酸配列でもよい。このようなアミノ酸配列のいくつかの例には、gly-serリンカー、例えば、WO99/42077に記載のようなタイプ(glyxsery)2、例えば(例えば(gly4ser)3または(gly3ser2)3、ならびにWO06/040153およびWO06/122825に記載のGS30、GS15、GS9、およびGS7リンカー)、ならびにヒンジ様領域、例えば、天然重鎖抗体または類似配列のヒンジ領域(例えば、WO94/04678に記載)が含まれる。
一部の態様では、抗CD94抗体またはナチュラルキラー細胞に優先的に結合する抗体は、チェックポイント阻害剤療法と一緒に投与される。抗CD94抗体は、1種または複数種のチェックポイント阻害剤を投与する前、投与した後、または投与している間に投与することができる。従って、一部の態様では、チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、およびCTLA-4阻害剤、またはその組み合わせより選択される。例示的な阻害剤には、問題になっている免疫経路チェックポイントタンパク質(例えば、PD-1またはPD-L1またはCTLA-4)に結合し、受容体とリガンドとの結合を阻止する抗体が含まれ得るが、これに限定されない。PD-1およびCTLA-4阻害は、例えば、Buchbinder, and Desai, Am J Clin Oncol. 2016 Feb; 39(1): 98-106において議論される。例示的なCTLA-4抗体にはイピリムマブ(商品名Yervoy(商標))ならびに、例えば、WO2001/014424、米国特許番号US7,452,535; US5,811,097に記載のものが含まれるが、これに限定されない。例示的なPD-1抗体には、ペンブロリズマブ(以前はMK-3475およびランブロリズマブ、商品名Keytruda(商標))、ニボルマブ(Opdivo)およびセミプリマブ(Libtayo)、ならびに、例えば、米国特許第8,008,449号およびZarganes-Tzitzikas, et al., Journal Expert Opinion on Therapeutic Patents Volume 26, 2016, Issue 9に記載のものが含まれるが、これに限定されない。例示的なPD-L1抗体には、アテゾリズマブ(Tecentriq)、アベルマブ(Bavencio)、およびデュルバルマブ(Imfinzi)が含まれるが、これに限定されない。
本明細書に記載の抗体をコードするポリヌクレオチド(例えば、DNA)も提供され、例えば、本明細書に記載のCDRおよび任意で可変領域全体をコードする。本明細書に記載の抗体をコードするポリヌクレオチド配列を含むベクター(例えば、プラスミド、ウイルスベクターなど)であって、任意で、細胞内で発現するためにプロモーターがポリヌクレオチドに機能的に連結されているベクターも提供される。ポリヌクレオチドまたはベクターを含有する原核細胞(例えば、大腸菌)または真核細胞(例えば、哺乳動物、ヒト、昆虫、植物、もしくは酵母細胞)も提供される。
一局面では、本明細書に記載の1種または複数種の抗体が、薬学的組成物として、例えば、癌の処置に適した、または個体内に移植された細胞もしくは組織に対する免疫応答を低減もしくは阻止するのに適した投与計画を用いて治療有効量で処方される。前記組成物は様々な薬物送達系における使用のために処方することができる。
薬学的組成物は薬学的に許容される担体を含んでもよい。薬学的に許容される担体は、部分的には、投与されている特定の組成物によって、ならびに組成物を投与するのに用いられる特定の方法によって決定される。従って、本発明の薬学的組成物の多種多様な適切な製剤がある(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th ed., 1989を参照されたい)。
吸入によって投与するために、前記組成物を単独で、または他の適切な成分と組み合わせてエアロゾル製剤にすることができる(すなわち、「霧状にする」ことができる)。エアロゾル製剤を、加圧した許容される噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、および窒素などの中に入れることができる。一部の態様では、エアロゾル製剤は吸入器によって対象に送達される。従って、一部の態様では、本明細書に記載の抗体を含む薬学的製剤を含有する吸入器が提供される。
投与に適した製剤には、水溶液および非水溶液、等張滅菌溶液(抗酸化物質、緩衝液、静菌剤、および製剤を等張性にする溶質を含有し得る)、ならびに懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、および防腐剤を含み得る水性および非水性の滅菌懸濁液が含まれる。本発明の実施では、組成物は、例えば、経口投与、経鼻投与、局所投与、静脈内投与、腹腔内投与、またはくも膜下腔内投与することができる。化合物の製剤はアンプルおよびバイアルなどの単位用量密閉容器または複数用量密閉容器に入れて提供することができる。溶液および懸濁液は、以前に述べられた種類の滅菌した散剤、顆粒、および錠剤から調製することができる。組成物はまた、加工済み食品または薬物の一部として投与することもできる。
患者に投与される用量は、本方法および組成物の文脈では、時間が経つにつれて対象において有益な応答をもたらすのに十分でなければならない。どの患者の最適用量レベルも、使用される特定のモジュレーターの効力、患者の年齢、体重、身体活動、および食事を含む様々な要因、ならびに他の薬物との可能性のある組み合わせに左右される。用量のサイズはまた、特定の対象における特定の化合物またはベクターの投与に付随する任意の有害な副作用の存在、性質、および程度によっても決定される。
投与しようとする活性成分(例えば、抗体)の有効量を決定する際に、医師は活性成分およびその毒性の循環血漿中レベルを評価することがある。一般的に、抗体の用量当量は、典型的な対象の場合、約1ng/kg~10mg/kgである。投与は単一用量または分割用量で成し遂げることができる。
前記組成物は、ある期間(例えば、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは1~3週間またはそれより長く)にわたって定期的に(例えば、毎日)投与されることがある。前記組成物は、例えば、注射(例えば、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、もしくは皮内)、吸入、または経皮適用による経路を含む、当技術分野において公知の任意の経路を用いてナチュラルキラー細胞を枯渇させるように哺乳動物対象に直接投与することができる。
本明細書に記載の抗体を受け取る対象には、癌と診断されている対象が含まれ得る。腫瘍が浸潤および転移によって広がることができるかどうかに応じて、良性または悪性のいずれかに分類される。すなわち、良性腫瘍は、浸潤または転移によって広がることができない腫瘍である。すなわち、良性腫瘍は局所的にしか成長できない。これに対して、悪性腫瘍は、浸潤および転移によって広がることができる腫瘍である。本明細書に記載の方法は局所腫瘍および悪性腫瘍の処置に有用である。例示的なタイプの癌には、乳癌;胆道癌;膀胱癌;グリア芽細胞腫および髄芽腫を含む脳癌;子宮頚癌;絨毛癌;結腸癌;子宮内膜癌;食道癌;胃癌;急性リンパ性白血病および急性骨髄性白血病を含む血液腫瘍;T細胞急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫;毛様細胞性白血病;慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫;AIDS関連白血病および成人T細胞白血病/リンパ腫;ボーエン病およびパジェット病を含む上皮内新生物;肝臓癌;肺癌;ホジキン病およびリンパ球性リンパ腫を含むリンパ腫;神経芽細胞腫;扁平上皮癌を含む口腔癌;上皮細胞、ストローマ細胞、生殖細胞、および間葉系細胞から生じた卵巣癌を含む卵巣癌;膵臓癌;前立腺癌;直腸癌;平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、および骨肉腫を含む肉腫;メラノーマ、メルケル細胞癌、カポジ肉腫、基底細胞癌、および扁平細胞癌を含む皮膚癌;胚腫瘍を含む精巣癌、例えば、セミノーマ、非セミノーマ(テラトーマ、絨毛癌)、ストローマ腫瘍、および生殖細胞腫瘍;甲状腺腺癌および髄様癌を含む甲状腺癌;ならびに腺癌およびウィルムス腫瘍を含む腎臓癌が含まれるが、これらに限定されない。他の癌は当業者に公知である。
一部の態様では、個体に導入される細胞は、異種核酸によって発現される異種タンパク質を含む。核酸を細胞に導入するための適切な方法の非限定的な例には、エレクトロポレーション(例えば、ヌクレオフェクション)、ウイルスまたはバクテリオファージ感染、トランスフェクション、結合体化、プロトプラスト融合、リポフェクション、リン酸カルシウム沈殿、ポリエチレンイミン(PEI)を介したトランスフェクション、DEAE-デキストランを介したトランスフェクション、リポソームを介したトランスフェクション、パーティクルガン技術、リン酸カルシウム沈殿、直接マイクロインジェクション、ナノ粒子を介した核酸送達などが含まれる。一部の態様では、タンパク質をコードするポリヌクレオチドはベクターによって細胞に送達される。例えば、一部の態様では、ベクターはウイルスベクターである。例示的なウイルスベクターには、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、およびレンチウイルスベクターが含まれ得るが、これに限定されない。
現在、CAR T細胞製品は自家T細胞から作られている。臨床用途のために承認されている、これらのCAR T細胞はオーダーメイドで作製されなければならない。このケースバイケースの自家T細胞生産プラットフォームは費用と時間のかかる生産プロセスであるため大規模臨床用途にとって大きな限定要因のままである。生産失敗の固有のリスクもある。個別化された、オーダーメイドの自家CAR T細胞生産プロセスはまた多様な腫瘍タイプに対する広範な用途を抑制する。従って、大規模臨床用途のための、「既製品(off-the-shelf)の」すぐに使える治療剤として役立つことができるユニバーサルなCAR T細胞を調製するには、ユニバーサルな同種異系T細胞が必要とされている。NK細胞を一過的に枯渇させると、ユニバーサルなCAR T細胞が生着することができる。b2-ミクログロブリン遺伝子を無効にすることで、またはNK細胞がHLAクラスI陰性細胞を優先的に死滅させるのでHLAクラスI重鎖遺伝子、例えば、HLA-A、HLA-B、HLA-C、もしくは他の多型HLAクラスI遺伝子を無効にすることで、HLAクラスIタンパク質の発現を消失するように(例えば、CRISPRによって)同種異系T細胞が操作されていれば、宿主内でNK細胞を枯渇させることが特に有用である。一部の態様では、高度に活性化されている自家T細胞を死滅させることができるNK細胞を欠失させることで、NK細胞の枯渇が患者内の自家CAR T細胞の増殖を強化する。
一部の態様では、抗NK細胞抗体(例えば、抗CD94抗体)が投与され、その後に成熟NK細胞が枯渇した後に、新たに生じたNK細胞は、移入された同種異系の細胞または組織、例えば、HLAクラスI陰性の細胞または組織に対して寛容になり得る。
任意で、動物に導入される細胞(例えば、CAR T細胞または他のT細胞)は、これらの細胞のCD94(KLRD1)遺伝子を無効にし、それによって、活性化CAR T細胞がCD94発現を獲得している状況において、導入された細胞に対する抗CD94抗体の潜在的な毒性効果を回避するように、例えば、CRISPRによって改変することができるが、これに限定されない。
キメラ抗原受容体(CAR)は、膜貫通ドメインと接合され、シグナル伝達して機能を誘発する細胞内シグナル伝達ドメイン(例えば、T細胞受容体成分の細胞内T細胞シグナル伝達ドメインおよび補助刺激受容体、例えば、CD28またはCD137などの細胞内ドメイン)にさらに連結された細胞外抗原結合ドメインを含む組換え受容体構築物(例えば、ナノボディ)である。ある特定の態様では、1つまたは複数の抗原認識ドメインを含むCARを発現し、かつエフェクター細胞の機能(例えば、T細胞またはNK細胞の細胞傷害機能および/またはメモリー機能)を有するように、免疫細胞(例えば、T細胞またはナチュラルキラー(NK)細胞)は遺伝子組換えされている。
CAR構築物における使用に適した任意の膜貫通を使用することができる。このような膜貫通ドメインには、T細胞受容体、CD28、CD27、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154のα鎖、β鎖、またはζ鎖の膜貫通ドメインの全てまたは一部が含まれるが、これに限定されない。一部の態様では、膜貫通ドメインは、少なくとも、例えば、KIRDS2、OX40、CD2、CD27、LFA-1(CD11a、CD18)、ICOS(CD278)、4-1BB(CD137)、GITR、CD40、BAFFR、HVEM(LIGHTR)、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD160、CD19、IL2Rβ、IL2Rγ、IL7R a、ITGAl、VLAl、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD1D、ITGAE、CD103、ITGAL、CDl la、LFA-1、ITGAM、CD11b、ITGAX、CDl lc、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LFA-1、ITGB7、TNFR2、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRT AM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100、(SEMA4D)、SLAMF6(NTB-A、Lyl08)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME、(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、PAG/Cbp、NKG2D、またはNKG2Cの膜貫通領域を含んでもよい。
実施例1
CD94はNK細胞表面上にある膜タンパク質であり、活性化NK細胞ではアップレギュレートされている。CD94に対する抗体を作製するために、本発明者らは、哺乳動物細胞内でCD94外部ドメインをFc融合タンパク質として発現させ、このタンパク質を、十分に検証された合成Fabファージライブラリーを用いたファージディスプレイ選択に使用した。2種類の組換えモノクローナル抗体(JLS002-rAB22およびJLS002-rAB23)を作製および検証した。これらのCDR配列は以下の通りに決定された。
Figure 2023549559000006
両抗体とも、高い親和性と、大腸菌および哺乳動物細胞における優れた発現および産生を有する。2種類の抗体のIgGおよびFab(断片抗原結合ドメイン)を作製した。これらは、Ba/F3細胞上に発現しているCD94およびCD94-NKG2C複合体に対して優れた結合を示した。このことは、治療抗体および研究試薬中の成分としての可能性を示している。
1. Fc融合タンパク質の発現および精製
CD94はII型膜タンパク質である。本発明者らは、ヒトIgG1 FcのC末端にCD94細胞外ドメインが融合しているビオチン化Fc融合タンパク質(以下では「Fc-CD94」と呼ぶ)を作製した。本発明者らのファージディスプレイ選択と適合するタンパク質を十分に生成するために、本発明者らはタンパク質の発現および精製の効率を改善するためにベクターに対して最適化を行った。本発明者らの実験では、Expi293細胞における一過的トランスフェクション後の30mlの哺乳動物細胞培養物から、約90%ビオチン化を有する、100~130μgのFc-CD94タンパク質を精製した。
2. 選択
本発明者らはFc-CD94融合タンパク質に対して直接選択を行った。それぞれの選択回の濃縮を図1に示す。
3回目および4回目の選択から合計54のヒットが生じた。ユニークな配列を有する2つのFabファージを配列決定によって確認した。2つのFabを発現および精製した。結合親和性をマルチポイントELISAによって確かめた。結合曲線を図2A~Bに示す。図2A~Bは、これらの2つのFabが良好な親和性を有することを示している。
3. IgGの親和性
octetアッセイを使用して、2種類の結合剤JLS002-rAB22およびJLS002-rAB23に対するIgGの親和性を測定した。図3を参照されたい。Octet RED384(ForteBio)機器を使用して、2種類の結合剤、JLS002-rAB22およびJLS002-rAB23に対するIgGの親和性を測定した。Fc-CD94融合タンパク質を、ストレプトアビジンでコーティングしたバイオレイヤー干渉バイオセンサー上に固定化した。10μMのビオチンを含有するPBST緩衝液(PBS+0.5Tween)でブロックした後、試験されているIgGを15分間ロードした後、IgGを含まないPBST緩衝液に約30分間交換した。キネティック結合曲線を記録した。
Lanier, L.L., B.C. Corliss, J. Wu, and J.H. Phillips. 1998. Association of DAP12 with activating CD94/NKG2C NK cell receptors. Immunity 8:693-701. PMID: 9655483に記載のように、マウスBa/F3細胞に、ヒトCD94をコードするレトロウイルスベクター、またはヒトCD94、ヒトNKG2C、およびヒトDAP12を安定して形質導入した。標準的な方法を用いて、Ba/F3トランスフェクタントをリン酸緩衝食塩水(未染色)と、またはrab22 JIS002 rab 22もしくはJSI002 rab 23抗体とインキュベートし、洗浄し、次いで、PE結合抗ヒトIgG1で染色した。結果を図4A~Bに示す。
実施例2
NK細胞枯渇は、RMA腫瘍成長に対するα-PD-1Lチェックポイント遮断処置の効力を改善することが示された。0日目に、C57BL/6マウスに1x10e6RMAリンパ腫細胞を皮下投与した。図5Aに示したように、実験デザインは、0日目および7日目に、マウスナチュラルキラー細胞上のNK細胞特異的タンパク質に結合する枯渇抗NK1.1モノクローナル抗体(クローンPK136)でマウスを処置することを含んだ。3日目、4日目、5日目、7日目、および10日目にα-PD-1L抗体(クローン10F.9G2)または対照ラットIgG2bアイソタイプ一致抗体をマウスに投与した。食塩水に溶解した150μg、250μg、および250μgの量のα-NK1.1、α-PD-1L、またはIgG2bアイソタイプ一致対照抗体の腹腔内注射液を、示された時点で注射した。様々な処置の下でのマウスの腫瘍量の経時測定。図5Bは、結果として生じたデータのグラフを示す。これから、抗NK細胞抗体でNK細胞を枯渇させると、チェックポイント遮断α-PD-1L抗体処置マウスでは対照と比較して腫瘍量が有意に低減したことが分かる。有意性はスチューデントt検定によって*P<0.05だと示される。
本明細書または図面に記載の任意の態様からの1つまたは複数の特徴が、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書の図面に記載の他の任意の態様の1つまたは複数の特徴と組み合わせることができる。
本明細書において引用された全ての刊行物、特許、および特許出願は、個々のそれぞれの刊行物または特許出願が参照により組み入れられるように詳細かつ個別に示されるように本明細書に参照により組み入れられる。前述の開示は、はっきりと理解できるようにする目的で例示および実例としていくらか詳細に説明されたが、本開示を考慮すれば、最後に付け加えられた特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく、ある特定の変更または修正が加えられ得ることが当業者に容易に明らかである。
「薬学的に許容される塩」または「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、本明細書に記載の抗体上に見出される特定の置換基に応じて、比較的無毒の酸または塩基を用いて調製された活性化合物の塩を含むこと意味する。薬学的に許容される塩基添加塩の例には、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、有機アミノ塩、もしくはマグネシウム塩、または類似の塩が含まれる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含有する場合、酸添加塩は、無溶媒で、または適切な不活性溶媒に溶解して、このような化合物の中性形態と十分な量の望ましい酸と接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される酸添加塩の例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸一水素(monohydrogencarbonic)、リン酸、リン酸一水素(monohydrogenphosphoric)、リン酸二水素(dihydrogenphosphoric)、硫酸、硫酸一水素(monohydrogensulfuric)、ヨウ化水素酸、または亜リン酸などのような無機酸から得られた酸添加塩、ならびに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などのような比較的無毒の有機酸から得られた塩が含まれる。アミノ酸の塩、例えば、アルギネート(arginate)など、およびグルクロン酸またはガラクツロン酸などのような有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge et al., Journal of Pharmaceutical Science 66:1-19 (1977)を参照されたい)。本発明のある特定の化合物は、塩基添加塩または酸添加塩のいずれかに変換するのを可能にする塩基性官能基と酸性官能基を両方とも含有する。当業者に公知の他の薬学的に許容される担体が本開示に適している。
[本発明1001]
その必要がある個体においてT細胞応答を強化する方法であって、ナチュラルキラー細胞を欠失させるのに十分な量の抗ナチュラルキラー細胞特異的抗体を該個体に投与する工程を含む、方法。
[本発明1002]
ナチュラルキラー細胞特異的抗体が抗CD94特異的抗体である、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記個体が癌を有し、かつ前記個体内の活性化T細胞が前記個体内の癌細胞を標的とする、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
前記個体に抗CD94特異的抗体を投与する前に、または投与した後に、または投与すると同時に、1種または複数種のチェックポイント阻害剤を投与する工程をさらに含む、本発明1001~1003のいずれかの方法。
[本発明1005]
チェックポイント阻害剤が抗CTLA-4、抗PD-1、または抗PD-L1抗体である、本発明1004の方法。
[本発明1006]
前記抗体が、
謹んで、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3の重鎖相補性決定領域(CDR)1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
謹んで、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域;または
謹んで、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、およびSEQ ID NO:9の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
謹んで、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:12の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域
を含む、本発明1002または1003の方法。
[本発明1007]
前記抗体がキメラ抗体である、本発明1001~1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
キメラ抗体がヒト化抗体である、本発明1007の方法。
[本発明1009]
前記抗体がヒト抗体または合成抗体である、本発明1001~1006のいずれかの方法。
[本発明1010]
前記抗体が、
SEQ ID NO:13を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:14を含む軽鎖可変領域;または
SEQ ID NO:15を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16を含む軽鎖可変領域
を含む、本発明1001または1003の方法。
[本発明1011]
前記抗体が抗体依存性細胞傷害(ADCC)または抗体依存性食作用(ADP)を誘導する、本発明1001~1010のいずれかの方法。
[本発明1012]
前記抗体が毒素と連結されている、本発明1001~1010のいずれかの方法。
[本発明1013]
個体に移植された自家細胞または同種異系細胞の生存を改善する方法であって、
投与する前に、投与した後に、または投与する間に、移植された細胞を受け取る個体に、ナチュラルキラー細胞を一時的に枯渇させるのに十分な量の抗ナチュラルキラー細胞特異的抗体を投与する工程
を含む、方法。
[本発明1014]
ナチュラルキラー細胞特異的抗体が抗CD94特異的抗体である、本発明1013の方法。
[本発明1015]
移植された細胞が自家または同種異系のT細胞またはCAR T細胞である、本発明1013または1014の方法。
[本発明1016]
前記個体に移植された細胞が同種異系細胞であり、かつ同種異系細胞がHLAクラスIタンパク質を欠く、本発明1013または1015のいずれかの方法。
[本発明1017]
移植された細胞上のCD94発現を阻止または低減する、導入されている遺伝子変化を、移植された細胞が含む、本発明1014または1015の方法。
[本発明1018]
前記個体が癌を有する、本発明1013~1017のいずれかの方法。
[本発明1019]
前記抗体が、
謹んで、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3の重鎖相補性決定領域(CDR)1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
謹んで、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域;または
謹んで、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、およびSEQ ID NO:9の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
謹んで、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:12の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域
を含む、本発明1014~1018のいずれかの方法。
[本発明1020]
前記抗体がキメラ抗体である、本発明1013~1019のいずれかの方法。
[本発明1021]
キメラ抗体がヒト化抗体である、本発明1020の方法。
[本発明1022]
前記抗体がヒト抗体または合成抗体である、本発明1013~1018のいずれかの方法。
[本発明1023]
前記抗体が、
SEQ ID NO:13を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:14を含む軽鎖可変領域;または
SEQ ID NO:15を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16を含む軽鎖可変領域
を含む、本発明1014~1018のいずれかの方法。
[本発明1024]
前記抗体が抗体依存性細胞傷害(ADCC)または抗体依存性食作用(ADP)を誘導する、本発明1013~1023のいずれかの方法。
[本発明1025]
前記抗体が毒素と連結されている、本発明1013~1023のいずれかの方法。
[本発明1026]
個体においてナチュラルキラー細胞が同種異系細胞または同種異系組織の移植を拒絶するのを低減または阻止する方法であって、
該移植中に、該移植前に、または該移植後に、該個体に、ナチュラルキラー細胞を一時的に枯渇させるのに十分な量の抗ナチュラルキラー細胞特異的抗体を該個体に投与する工程
を含む、方法。
[本発明1027]
ナチュラルキラー細胞特異的抗体がCD94特異的抗体である、本発明1026の方法。
[本発明1028]
移植前に抗CD94特異的抗体の投与が行われ、かつその後に、ナチュラルキラー細胞が枯渇されている間に前記個体への同種異系細胞または同種異系組織の移植が行われる、本発明1027の方法。
[本発明1029]
前記個体に移植された細胞が同種異系細胞であり、かつ同種異系細胞が1つまたは複数のHLAクラスIタンパク質を欠く、本発明1026または1027または1028のいずれかの方法。
[本発明1030]
移植された細胞上でのCD94発現を阻止または低減する、導入されている遺伝子変化を、移植された細胞が含む、本発明1027または1028または1029のいずれかの方法。
[本発明1031]
前記抗体が、
謹んで、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3の重鎖相補性決定領域(CDR)1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
謹んで、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域;または
謹んで、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、およびSEQ ID NO:9の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
謹んで、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:12の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域
を含む、本発明1027~1028のいずれかの方法。
[本発明1032]
前記抗体がキメラ抗体である、本発明1026~1031のいずれかの方法。
[本発明1033]
キメラ抗体がヒト化抗体である、本発明1032の方法。
[本発明1034]
前記抗体がヒト抗体または合成抗体である、本発明1026~1031のいずれかの方法。
[本発明1035]
前記抗体が、
SEQ ID NO:13を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:14を含む軽鎖可変領域;または
SEQ ID NO:15を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16を含む軽鎖可変領域
を含む、本発明1031の方法。
[本発明1036]
前記抗体が抗体依存性細胞傷害(ADCC)または抗体依存性食作用(ADP)を誘導する、本発明1031~1035のいずれかの方法。
[本発明1037]
前記抗体が毒素と連結されている、本発明1031~1035のいずれかの方法。
[本発明1038]
謹んで、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3の重鎖相補性決定領域(CDR)1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
謹んで、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域、または
謹んで、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、およびSEQ ID NO:9の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
謹んで、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:12の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域
を含む、CD94に結合するモノクローナル抗体。
[本発明1039]
キメラ抗体である、本発明1038のモノクローナル抗体。
[本発明1040]
キメラ抗体がヒト化抗体である、本発明1038のモノクローナル抗体。
[本発明1041]
SEQ ID NO:13を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:14を含む軽鎖可変領域;または
SEQ ID NO:15を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16を含む軽鎖可変領域
を含む、本発明1038のモノクローナル抗体。
一部の態様では、例えば、可変ドメインと別の配列(例えば、第2の可変領域、または半減期を延ばすもの、または他の配列)を連結する、ポリペプチドの2つの部分は互いに直接連結されてもよく、1つまたは複数の適切なスペーサーまたはリンカーを介して互いに連結されてもよい。好ましくは、リンカーまたはスペーサーは、薬学的使用に意図されるタンパク質またはポリペプチドの構築における使用に適している。一部の特に好ましいスペーサーには、抗体断片または抗体ドメインを連結するために当技術分野において用いられるスペーサーおよびリンカーが含まれる。例えば、リンカーは、適切なアミノ酸配列、特に、1~50、好ましくは1~30、例えば、1~10アミノ酸残基のアミノ酸配列でもよい。このようなアミノ酸配列のいくつかの例には、gly-serリンカー、例えば、WO99/42077に記載のようなタイプ(glyxsery)2 (SEQ ID NO:19)、例えば(例えば(gly4ser)3 (SEQ ID NO:17)または(gly3ser2)3 (SEQ ID NO:18)、ならびにWO06/040153およびWO06/122825に記載のGS30、GS15、GS9、およびGS7リンカー)、ならびにヒンジ様領域、例えば、天然重鎖抗体または類似配列のヒンジ領域(例えば、WO94/04678に記載)が含まれる。
実施例1
CD94はNK細胞表面上にある膜タンパク質であり、活性化NK細胞ではアップレギュレートされている。CD94に対する抗体を作製するために、本発明者らは、哺乳動物細胞内でCD94外部ドメインをFc融合タンパク質として発現させ、このタンパク質を、十分に検証された合成Fabファージライブラリーを用いたファージディスプレイ選択に使用した。2種類の組換えモノクローナル抗体(JLS002-rAB22およびJLS002-rAB23)を作製および検証した。これらのCDR配列は以下の通りに決定された。
Figure 2023549559000014
両抗体とも、高い親和性と、大腸菌および哺乳動物細胞における優れた発現および産生を有する。2種類の抗体のIgGおよびFab(断片抗原結合ドメイン)を作製した。これらは、Ba/F3細胞上に発現しているCD94およびCD94-NKG2C複合体に対して優れた結合を示した。このことは、治療抗体および研究試薬中の成分としての可能性を示している。

Claims (41)

  1. その必要がある個体においてT細胞応答を強化する方法であって、ナチュラルキラー細胞を欠失させるのに十分な量の抗ナチュラルキラー細胞特異的抗体を該個体に投与する工程を含む、方法。
  2. ナチュラルキラー細胞特異的抗体が抗CD94特異的抗体である、請求項1記載の方法。
  3. 前記個体が癌を有し、かつ前記個体内の活性化T細胞が前記個体内の癌細胞を標的とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記個体に抗CD94特異的抗体を投与する前に、または投与した後に、または投与すると同時に、1種または複数種のチェックポイント阻害剤を投与する工程をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項記載の方法。
  5. チェックポイント阻害剤が抗CTLA-4、抗PD-1、または抗PD-L1抗体である、請求項4記載の方法。
  6. 前記抗体が、
    謹んで、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3の重鎖相補性決定領域(CDR)1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
    謹んで、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域;または
    謹んで、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、およびSEQ ID NO:9の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
    謹んで、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:12の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域
    を含む、請求項2または3記載の方法。
  7. 前記抗体がキメラ抗体である、請求項1~6のいずれか一項記載の方法。
  8. キメラ抗体がヒト化抗体である、請求項7記載の方法。
  9. 前記抗体がヒト抗体または合成抗体である、請求項1~6のいずれか一項記載の方法。
  10. 前記抗体が、
    SEQ ID NO:13を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:14を含む軽鎖可変領域;または
    SEQ ID NO:15を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16を含む軽鎖可変領域
    を含む、請求項1または3記載の方法。
  11. 前記抗体が抗体依存性細胞傷害(ADCC)または抗体依存性食作用(ADP)を誘導する、請求項1~10のいずれか一項記載の方法。
  12. 前記抗体が毒素と連結されている、請求項1~10のいずれか一項記載の方法。
  13. 個体に移植された自家細胞または同種異系細胞の生存を改善する方法であって、
    投与する前に、投与した後に、または投与する間に、移植された細胞を受け取る個体に、ナチュラルキラー細胞を一時的に枯渇させるのに十分な量の抗ナチュラルキラー細胞特異的抗体を投与する工程
    を含む、方法。
  14. ナチュラルキラー細胞特異的抗体が抗CD94特異的抗体である、請求項13記載の方法。
  15. 移植された細胞が自家または同種異系のT細胞またはCAR T細胞である、請求項13または14記載の方法。
  16. 前記個体に移植された細胞が同種異系細胞であり、かつ同種異系細胞がHLAクラスIタンパク質を欠く、請求項13または15のいずれか一項記載の方法。
  17. 移植された細胞上のCD94発現を阻止または低減する、導入されている遺伝子変化を、移植された細胞が含む、請求項14または15記載の方法。
  18. 前記個体が癌を有する、請求項13~17のいずれか一項記載の方法。
  19. 前記抗体が、
    謹んで、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3の重鎖相補性決定領域(CDR)1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
    謹んで、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域;または
    謹んで、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、およびSEQ ID NO:9の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
    謹んで、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:12の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域
    を含む、請求項14~18のいずれか一項記載の方法。
  20. 前記抗体がキメラ抗体である、請求項13~19のいずれか一項記載の方法。
  21. キメラ抗体がヒト化抗体である、請求項20記載の方法。
  22. 前記抗体がヒト抗体または合成抗体である、請求項13~18のいずれか一項記載の方法。
  23. 前記抗体が、
    SEQ ID NO:13を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:14を含む軽鎖可変領域;または
    SEQ ID NO:15を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16を含む軽鎖可変領域
    を含む、請求項14~18のいずれか一項記載の方法。
  24. 前記抗体が抗体依存性細胞傷害(ADCC)または抗体依存性食作用(ADP)を誘導する、請求項13~23のいずれか一項記載の方法。
  25. 前記抗体が毒素と連結されている、請求項13~23のいずれか一項記載の方法。
  26. 個体においてナチュラルキラー細胞が同種異系細胞または同種異系組織の移植を拒絶するのを低減または阻止する方法であって、
    該移植中に、該移植前に、または該移植後に、該個体に、ナチュラルキラー細胞を一時的に枯渇させるのに十分な量の抗ナチュラルキラー細胞特異的抗体を該個体に投与する工程
    を含む、方法。
  27. ナチュラルキラー細胞特異的抗体がCD94特異的抗体である、請求項26記載の方法。
  28. 移植前に抗CD94特異的抗体の投与が行われ、かつその後に、ナチュラルキラー細胞が枯渇されている間に前記個体への同種異系細胞または同種異系組織の移植が行われる、請求項27記載の方法。
  29. 前記個体に移植された細胞が同種異系細胞であり、かつ同種異系細胞が1つまたは複数のHLAクラスIタンパク質を欠く、請求項26または27または28のいずれか一項記載の方法。
  30. 移植された細胞上でのCD94発現を阻止または低減する、導入されている遺伝子変化を、移植された細胞が含む、請求項27または28または29のいずれか一項記載の方法。
  31. 前記抗体が、
    謹んで、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3の重鎖相補性決定領域(CDR)1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
    謹んで、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域;または
    謹んで、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、およびSEQ ID NO:9の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
    謹んで、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:12の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域
    を含む、請求項27~28のいずれか一項記載の方法。
  32. 前記抗体がキメラ抗体である、請求項26~31のいずれか一項記載の方法。
  33. キメラ抗体がヒト化抗体である、請求項32記載の方法。
  34. 前記抗体がヒト抗体または合成抗体である、請求項26~31のいずれか一項記載の方法。
  35. 前記抗体が、
    SEQ ID NO:13を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:14を含む軽鎖可変領域;または
    SEQ ID NO:15を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16を含む軽鎖可変領域
    を含む、請求項31記載の方法。
  36. 前記抗体が抗体依存性細胞傷害(ADCC)または抗体依存性食作用(ADP)を誘導する、請求項31~35のいずれか一項記載の方法。
  37. 前記抗体が毒素と連結されている、請求項31~35のいずれか一項記載の方法。
  38. 謹んで、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3の重鎖相補性決定領域(CDR)1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
    謹んで、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域、または
    謹んで、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、およびSEQ ID NO:9の重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびに
    謹んで、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:12の軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3を含む軽鎖可変領域
    を含む、CD94に結合するモノクローナル抗体。
  39. キメラ抗体である、請求項38記載のモノクローナル抗体。
  40. キメラ抗体がヒト化抗体である、請求項38記載のモノクローナル抗体。
  41. SEQ ID NO:13を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:14を含む軽鎖可変領域;または
    SEQ ID NO:15を含む重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16を含む軽鎖可変領域
    を含む、請求項38記載のモノクローナル抗体。
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