JP2023549223A - 高屈折率ガラスシートのロール成形装置および方法 - Google Patents

高屈折率ガラスシートのロール成形装置および方法 Download PDF

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Abstract

ガラスシートの形成方法は、(a)ガラスリボンを、1対の成形ローラを用いて、溶融ガラスから形成する工程と、(b)ガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボンの水平方向温度変化を、ガラスリボンの全幅の80パーセントに亘って、10℃以下に削減する工程と、(c)ガラスリボンが硬化ゾーン内を垂直に下方へと移動する間、ガラスリボンの冷却速度を制御して、ガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボンが第1の平均冷却速度を有し、ガラスリボンをガラス転移点まで冷却した後に、ガラスリボンが第2の平均冷却速度を有するようにし、第1の平均冷却速度は、第2の平均冷却速度より低いものである工程と、(d)ガラスシートをガラスリボンから分離する工程とを含む。

Description

関連出願の相互参照
本願は、米国特許法第119条(e)の下、2020年11月13日出願の米国仮特許出願第63/113,507号の優先権の利益を主張し、それは、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
本願は、高屈折率ガラスシートのロール成形装置および方法に関する。
拡張現実システムは、システムのユーザが見た現実の視覚的情景に、コンピュータ生成画像を加える。典型的には、拡張現実システムは、直に見ている実際の物または情景にコンピュータ生成画像を加えながら、物または情景を見ることが可能なように構成された光学システムを含む。光学システムは、高屈折率ガラスで製作された導光路を用いて、コンピュータ生成画像をユーザの視界へと投射する。
導光路の幾何学形状が逸脱すると、導光路を通って導かれて、ユーザに対して表示された画像の画質が低下しうる。例えば、高画質の画像の出力を可能にするには、導光路の全厚さ変化および反りを最小にすべきである。更に、導光路は、比較的薄いものに特定されることがある。
許容可能な全厚さ変化および反りを有する導光路を実現するための1つの処理は、高屈折率ガラスのブールを成型し、ブールを多数のウエハへと切り離して、ウエハをラップ研磨するか、または、ウエハを再加熱して平坦にするものである。しかしながら、これらの処理は、高い費用および時間が掛かる。更に、ウエハの再加熱は、ガラスの失透を生じうる。
更に、高屈折率ガラス組成物に関する液相線粘度(例えば、1から100ポアズ)は低すぎるので、フュージョン製造処理は、そのようなガラス組成物には不適切でありうる。更に、いくつかの処理は、要求される薄さのガラスを製造することが不可能である。
本開示は、それらの問題に、ガラスシートに分離しうる高屈折率ガラスのガラスリボンを連続してロール成形することによって取り組むものである。拡張現実装置を用いた利用例で要求される寸法へと分離して、ガラスシートにしうる。この処理は、ウエハをブールから製作する上記処理より費用が安い。
しかしながら、高屈折率ガラスのガラスリボンを連続してロール成形することで、ガラスリボンの破損、または、分離したガラスシートの最適とはいえない全厚さ変化および反りを生じうるという更なる問題があることが分かった。
本開示は、この問題に、(a)ガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボンの水平方向温度変化を削減し、(b)(i)ガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボンの垂直方向の温度低下速度を低下させるか、(ii)ガラスリボンをガラス転移点まで冷却した後に、ガラスリボンの垂直方向の温度低下速度を上昇させるかの少なくとも一方の工程を行い、更に、(c)溶融ガラスを溶融ガラスのリボンへとロール成形する対向するローラの一方または両方から熱を除去することによって、取り組むものである。ガラスリボンの水平方向温度変化を削減することで、ガラスリボンから分離されたガラスシートの全厚さ変化および反りを削減する。更に後述するように、(i)ガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボンの垂直方向の温度低下速度を低下させること、および、(ii)ガラスリボンをガラス転移点まで冷却した後に、ガラスリボンの垂直方向の温度低下速度を増加させる工程の1つ以上は、垂直方向のガラスリボンの歪プロファイルを、より線形にさせる。歪プロファイルが、より線形になることで、ガラスリボンを分離する時に、ガラスリボンが破損する尤度を低下させ、ガラスシートの全厚さ変化および反りを削減する。更に、対向するローラの一方または両方から熱を除去することで、ローラの中心部の外に向かう膨張を削減し、そうでない場合には、厚さ変化および反りを有するガラスリボンを形成しうる。
本開示は、ガラスリボンの水平方向温度変化を、(i)溶融ガラスを溶融ガラスのリボンへと形成する対向するローラの間の間隙に送出される溶融ガラスの流れの幅を広くするか、(ii)ガラスリボンの横縁部の熱損失を、横縁部と横縁部の間のガラスリボンの熱損失と比べて増加させるか、(iii)ガラスリボンの横縁部と横縁部の間の中心部の熱損失を、横縁部の熱損失と比べて削減するか、または、(iv)成形ローラの間の間隙の中の溶融ガラスのパドルの高さを増加させるかの1つ以上の方法で削減する。本開示は、溶融ガラスの流れを送出するために分配供給装置を用いることによって、間隙に送出される溶融ガラスの幅を広げる。本開示は、(i)空気を横縁部に吹き付けるか、または、(ii)ガラスリボンの横縁部の厚さを削減するかの1つの方法によって、ガラスリボンの横縁部の熱損失を、ガラスリボンの中心部分と比べて増加させる。本開示は、熱損失削減要素(断熱基材、熱生成要素、または、それらの組合せなど)を、ガラスリボンの横縁部ではなく、中心部分と対向させることによって、ガラスリボンの中心部の熱損失を、横縁部の熱損失と比べて削減する。本開示は、ローラの上方で横方向の堰部を用いて、溶融ガラスのパドルの横方向の広がりを制限することによって、成形ローラの間の間隙の中の溶融ガラスのパドルの高さを増加させる。
本開示は、ガラスリボンの中心部分と対向する熱損失削減要素も用いて、ガラスリボンがガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボンの垂直方向の温度低下速度を低下される。
本開示は、ガラスリボンを放射冷却要素と対向させるか、または、冷却流体(空気など)をガラスリボンに吹き付けるかによって、ガラスリボンをガラス転移点まで冷却した後に、ガラスリボンの垂直方向の温度低下速度を上昇される。
本開示は、(i)成形ローラの中に熱交換部を用いること、(ii)液体をローラに噴霧する噴霧部を用いること、(iii)ローラを液体冷却された金属ブラシと接触させること、および/または、(iv)ローラを、液体冷却されたライディングブロックと対向させることによって、成形ローラの少なくとも一方から熱を除去する。
更に、高屈折率ガラスのガラスリボンを連続してロール成形することで、結果的に、ガラスリボン、および、分離されたガラスサンプルを、望ましい厚さより厚くしうる。本開示は、20mmから80mmなど、80mm未満の外径を有する成形ローラを用いることで、そのような問題に取り組むものである。
本開示の第1の態様によれば、ガラスシートの形成方法は、(a)ガラスリボンを、1対の成形ローラを用いて、溶融ガラスから形成する工程と、(b)ガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボンの水平方向温度変化を、ガラスリボンの全幅の80パーセントに亘って、10℃以下に削減する工程と、(c)ガラスリボンが硬化ゾーン内を垂直に下方へと移動する間、ガラスリボンの冷却速度を制御して、ガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボンが第1の平均冷却速度を有し、ガラスリボンをガラス転移点まで冷却した後に、ガラスリボンが第2の平均冷却速度を有するようにし、第1の平均冷却速度は、第2の平均冷却速度より低いものである工程と、(d)ガラスシートをガラスリボンから分離する工程とを含む。
本開示の他の態様によれば、ガラスリボンのロール成形装置は、(a)間隙によって隔てられた1対の成形ローラであって、各成形ローラは回転軸を有し、回転軸は、互いに平行で、間隙は、回転軸の両方を通って延伸する水平面に沿って位置する最小距離を有し、回転軸に平行な垂直面は、間隙を通って延伸するものである1対の成形ローラと、(b)溶融ガラスの流れを間隙に供給する供給装置であって、1対の成形ローラの回転軸を通って延伸する水平面の垂直方向上方に配置され、内部室、底面部、および、底面部を貫通して内部室からの通路を提供するスロットを含むものである供給装置と、(c)1対の熱損失削減要素であって、1つの熱損失削減要素が、1対の成形ローラの間の間隙を通って延伸する垂直面の各側に配置され、各熱損失削減要素は、1対の成形ローラの回転軸の両方を通って延伸する水平面の下方に配置されたものである1対の熱損失削減要素とを含む。
本開示の他の態様によれば、ガラスリボンのロール成形装置は、(a)1対の成形ローラであって、各成形ローラは、互いに平行な回転軸、および外側円筒表面を有し、1対の成形ローラは、回転軸の両方を通って延伸する水平面に沿って位置する最小距離を有する間隙によって隔たれた1対の成形ローラと、(b)溶融ガラスの流れを、間隙の中に供給する供給装置であって、1対の成形ローラの回転軸を通って延伸する水平面の垂直方向上方に配置されたものである供給装置と、(c)第1の横縁部冷却要素および第2の横縁部冷却要素であって、第1の横縁部冷却要素と第2の横縁部冷却要素の両方は、水平面の垂直方向下方に配置され、第1の横縁部冷却要素は、ガラスリボンの第1の横縁部の温度を低下させるように構成され、第2の横縁部冷却要素は、ガラスリボンの第2の横縁部の温度を低下させるように構成されたものである第1の横縁部冷却要素および第2の横縁部冷却要素と、(d)水平面の上方に配置されて、外側円筒表面と協働して、溶融ガラスを保持するように構成された1対の堰部であって、1対の堰部の一方または両方の堰部が、1対の堰部の他方の堰部に近づくように、および、離れるように横方向に移動自在な1対の堰部と
を含む。
本開示の他の態様によれば、ガラスリボンの形成方法は、0.01ポアズから3000ポアズの粘度を有する溶融ガラスを、1対の成形ローラを隔てる間隙の中に供給する工程を含み、1対の成形ローラの各ローラは、20mmから80mmの外径を有するものである。
当業者であれば、以下の明細書の記載、請求項、および、添付の図面を参照することで、本発明のこれらの、および、他の特徴、利点および目的を、更に理解し、分かるだろう。
本開示の装置の斜視図であり、1対の成形ローラが、供給装置から供給された溶融ガラスからガラスリボンを形成するのを示している。 図1の装置の側面図であり、成形ローラの回転軸を通って延伸する水平面、成形ローラの間の間隙を通って延伸する垂直面、および、1対の熱損失削減要素を示しており、水平面の下方で垂直面の各側に1つの熱損失削減要素が配置されている。 図2の領域IIIの拡大図であり、水平面の下方で垂直面の各側に配置されたピンチローラの形態の第1の横縁部冷却要素を示している。 図1の装置の供給装置の実施形態を示しており、スロットおよび加熱要素を有する分配供給装置である。 図4の分配供給装置のV-V線に沿った断面図であり、上から下に見て、スロットと連通した内部室を画定する底面部および側面部を示している。 図1の装置の立面図であり、水平面の下方で、断熱基材から横方向に離間して配置された1対のピンチローラの形態の第1の横縁部冷却要素および第2の横縁部冷却要素を示している。 図1の装置の立面図であり、冷却気体を横方向に内側に向かって吹き付ける管出口の形態の第1の横縁部冷却要素および第2の横縁部冷却要素を示している。 図1の装置の立面図であり、冷却気体によって熱的に管理された放射吸収要素の形態の第1の横縁部冷却要素および第2の横縁部冷却要素を示している。 図6Aの1対のピンチローラの一方のローラの斜視図である。 図1の装置と用いられる堰部の実施形態の斜視図であり、第1の配置、および、第1の配置より堰部同士が近い第2の配置へ、それらの配置から、更に、それらの配置の間で移動自在な堰部を示している。 図1の装置と用いられる堰部の他の実施形態の斜視図であり、トラックに関連して摺動自在に移動可能な堰部を示している。 図1の成形ローラの一方の立面を示す断面図であり、熱交換部が冷却流体を成形ローラの内部に導入して、成形ローラの外側円筒表面を冷却するのを示している。 図1のガラスリボン形成装置の立面図であり、分配供給装置が、溶融ガラスの流れを内部室から、複数の開口部を通って、更に、成形ローラの間のパドルに供給し、成形ローラは、ガラスリボンをパドルから形成するのを示している。 図10の側面図であり、第1の組のピンチローラの形態の第1の横縁部冷却要素を示し、それは、ガラスリボンの第1の横縁部の厚さを減少させ、ガラスリボンは、対向する熱損失削減要素の間を通って延伸する。 ガラスシートをガラスリボンから形成する図1の方法のフローチャートであり、(a)ガラスリボンの水平方向温度変化を削減し、(b)(i)ガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボンの垂直方向の温度低下速度を低下させるか、または、(ii)ガラスリボンをガラス転移点まで冷却した後に、ガラスリボンの垂直方向の温度低下速度を上昇させるかのいずれかの工程を行うのを示している。 図10の立面図であり、ガラスリボンから分離されたガラスシートを示しており、熱損失削減要素は、ガラスリボンからの熱損失を、i)ガラスリボンの横縁部ではなく、ガラスリボンの中心部で、および、(ii)水平面から垂直方向で、部分的には、ガラスリボンをガラス転移点まで冷却する硬化ゾーン内で、削減する。 図10の図であるが、冷却気体をガラスリボンの横縁部に吹き付ける管出口の形態の横縁部冷却要素を示している。 図10の図であるが、ガラスリボンの横縁部と隣接して配置されて、そこから熱を吸収する放射吸収冷却要素の形態の横縁部冷却要素を示している。 図10の図であるが、1対の堰部が第2の配置で互いに近づき、溶融ガラスのパドルの幅が狭くなるのを示している。 冷却されたガラスリボンが垂直に下方に移動する時に、比較例2のガラスリボンの2つの異なる垂直位置での温度を、水平位置の関数として示すグラフであり、水平方向温度変化を能動的に削減する対策がないので、ガラスリボンを通して比較的大きい水平方向温度変化を示している。 比較例2についてコンピュータでモデル化した温度を示し、溶融ガラスの流れが単一管供給装置から横縁部に移動して、ガラスリボンの中で大きい温度変化を生じるのを示している。 比較例2について破損したガラスリボンを示し、ガラスシートをガラスリボンから分離しようとする時に、図12に示した方法のように、能動的に水平方向温度変化を削減し、(i)ガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に、垂直方向冷却速度を低下させるか、または、(ii)ガラスリボンをガラス転移点まで冷却した後に、垂直方向冷却速度を上昇させるかのいずれかの工程を行う対策がない場合には、ガラスリボンが破損し易いことを示している。 比較例3のガラスリボンの厚さを、ガラスリボンの一方の横縁部から他方の横縁部までに亘る水平位置の関数として示すグラフであり、成形ローラの外側円筒表面を冷却するための対策がなく、ガラスリボンの横縁部での厚さが、ガラスリボンの中心部での厚さより厚くなったのを示している。 比較例4のガラスリボンの温度を、水平位置の関数として示すグラフであり、水平方向温度変化を能動的に削減する対策がないので、ガラスリボンに亘って比較的大きい水平方向温度変化を示している。 実施例5のガラスリボンの温度を、水平位置の関数として示すグラフであり、管出口が冷却気体を吹き付けたガラスリボンの右側部で、そのような冷却気体が吹き付けられないガラスリボンの左側部と比べて、水平方向温度変化を削減したのを示している。 実施例6のガラスリボンの温度を、水平位置の関数として示すグラフであり、1対のピンチローラがガラスリボンの右側部の厚さを、そのようなピンチローラを用いない左側部と比べて減少させて、ガラスリボンの右側での水平方向温度変化を削減したのを示している。 比較例7のガラスリボンの温度を、2つの異なる垂直位置で、水平位置の関数として示すグラフであり、熱損失削減要素を用いない場合に、水平方向温度変化が削減されなかったのを示している。 実施例8のガラスリボンの温度を、2つの異なる垂直位置で、水平位置の関数として示すグラフであり、断熱基材の形態の対向する別々の熱損失削減要素により、ガラスリボンの各主面で、それも、ガラスリボンの横縁部ではなく中心部で、水平方向温度変化が大きく削減されたのを示している。 実施例8のガラスリボン、および、ガラスリボンの両面と対向する断熱基材の形態の熱損失削減要素を示し、断熱基材がガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前の水平方向温度変化および垂直方向冷却速度を能動的に削減するので、破損がないことを示している。 実施例9のガラスリボンの熱撮像温度プロファイルであり、(i)堰部を第1の配置にした場合、比較的高さの低い溶融ガラスのパドル(「パドル低」)になり、結果的に、ガラスリボンは、比較的大きい水平方向温度変化を有し、(ii)堰部を第2の配置にした場合、それよりも高さが高い溶融ガラスのパドル(「パドル中間」)になり、結果的に、ガラスリボンは、比較的小さい水平方向温度変化を有し、(iii)堰部を更に近づけて配置した場合、更に高さの高い溶融ガラスのパドル(「パドル高」)になり、結果的に、ガラスリボンは、パドル中間シナリオより大きいが、パドル低シナリオより小さい水平方向温度変化を有することを示している。 実施例10について、ガラスリボンの歪およぎ温度を、水平面からの垂直距離の関数として示すコンピュータモデルであり、ガラスリボンの冷却速度が、硬化ゾーン内でガラス転移点まで冷却する前には低下し、次に、硬化ゾーン内でガラス転移点まで冷却した後に上昇した場合、歪の変化率は、硬化ゾーンを通して比較的一定になり、ガラスリボンを、ガラス転移点を過ぎて冷却する間、熱応力が削減されることを意味する。 (熱損失削減要素を用いない)比較例11、および、(断熱基材の形態の熱損失削減要素を用いた)実施例12のガラスリボンの温度を、垂直位置の関数として示すグラフであり、実施例12で用いた断熱基材が、結果的に、ガラスリボンの冷却を位置1から位置2でゆっくりにし、次に、位置2から位置3で急速になり、図27のコンピュータでモデル化した熱応力の削減状態と近くなることを示している。 実施例13について、図12の方法により製造したガラスリボンから分離したガラスシートの写真であり、ガラスシートが破損も顕著な反りも有さないことを示している。 図29のガラスシートの表面粗さ計で測定したプロファイルであり、分離したガラスシートが最小の反り、および、全厚さ変化を有することを示している。 実施例14について、成形ローラの外径を減少させることで、ガラスリボンの厚さが減少し、したがって、ガラスシートの厚さが減少することを示すグラフである。
ここで、図1~3を参照すると、ガラスリボン12のロール成形装置10を示しており、それを、本明細書で記載する。装置10は、1対の成形ローラ14を含む。各成形ローラ14は、回転軸16および外側円筒表面18を有する。回転軸16は互いに平行である。装置10の動作において、各成形ローラ14は、回転軸16を中心に、矢印が示すように回転する。成形ローラ14を、鋼鉄から形成しうる。各成形ローラ14は、成形ローラ14の回転軸16に平行な幅20を有する。実施形態において、各成形ローラ14の幅20は、100mm、200mm、250mm、300mm、350mm、400mm、または、500mmなど、100mmから500mmか、若しくは、これらの値の任意の2つを含む任意の範囲(例えば、200mmから400mm)である。これらの成形ローラ14の幅20は、同じでありうるが、同じである必要はない。実施形態において、外側円筒表面18の外径22は、20mm、25mm、50mm、60mm、80mm、100mm、110mm、200mm、300mm、400mm、500mm、または、600mmなど、20mmから600mmか、若しくは、これらの値の任意の2つを含む任意の範囲(例えば、20mmから80mm、50mmから110mmなど)である。別段の記載がない限りは、本明細書に記載の任意の範囲は、その範囲の端点を含む。例えば、「20mmから600mmの外径22」は、外径22が、20mm以上600mm以下(つまり、20mm≦外径22≦600mm)であることを意味する。
間隙24は、1対の成形ローラ14同士を隔てる。間隙24は、両方の回転軸16を通って延伸する水平面28において、最小距離26である。垂直面30は、間隙24を通って、垂直に延伸する。垂直面30は、成形ローラ14の回転軸16と平行に向く。したがって、垂直面30と水平面28は、互いに直交し、間隙24の最小距離26の中点32でなど、成形ローラ14の間の間隙24の中で交差する。垂直面30および水平面28は、装置10の構造的特徴物ではなく、装置10の構造的特徴物の相対的向きの説明を助ける概念的ガイドである。
装置10は、更に、送出システム34、および、送出システム34と連通した供給装置36を含む。供給装置36は、1対の成形ローラ14の回転軸16を通って延伸する水平面28の垂直方向上方に配置される。実施形態において、送出システム34は、坩堝である。実施形態において、送出システム34は、連続処理する。実施形態において、供給装置36は、分配管(例えば、図17を参照)であり、白金で製作されうる。
ここで、更に、図4、5を参照すると、実施形態において、供給装置36は、分配供給装置36である。分配供給装置36は、内部室38、更に、底面部40、および、底面部40から上方へ延伸する側面部42を含み、底面部40および側面部42が内部室38を画定する。分配供給装置36は、更に、底面部40を貫通して、分配供給装置36の内部室38から出る通路を提供するスロット44を含む。スロット44は、1対の成形ローラ14の回転軸16に平行な幅46に沿って配置される。実施形態において、幅46は、200mm、250mm、300mm、350mm、または、400mmなど、200mmから400mmか、それらの値の任意のものを含む任意の範囲(例えば、250mmから350mm)である。他の実施形態において、幅46は、400mmより広い。
実施形態において、分配供給装置36は、複数の加熱要素48を含む。複数の加熱要素48は、内部室38と熱的に連通する。各複数の加熱要素48は、個々に制御可能な熱出力を有し、内部室38の底面部40を、異なる加熱ゾーン50に亘って異なる温度まで加熱する。例えば、加熱要素48aを個別に制御して、内部室38の底面部40を、加熱ゾーン50aに亘って第1の温度まで加熱する第1の熱出力を生成しうる。同時に、加熱要素48bを個別に制御して、内部室38の底面部40を、加熱ゾーン50bに亘って第2の温度まで加熱する第2の熱出力を生成しうる。複数の加熱要素48は、電気抵抗などの様々な選択肢を介して、熱を生成しうる。
実施形態において、装置10は、更に、1対の熱損失削減要素52(例えば、図2、3を参照)を含み、垂直面30の各側に、1つの熱損失削減要素52が配置される。各熱損失削減要素52は、平坦でありうる表面54を有し、それは、1対の成形ローラ14の間の間隙24を通って延伸する垂直面30と対向する。各熱損失削減要素52は、1対の成形ローラ14の回転軸16を通って延伸する水平面28の垂直方向下方に配置される。各熱損失削減要素52は、1対の成形ローラ14の回転軸16に平行な幅56を有する。各熱損失削減要素52の幅56は、1対の成形ローラ14の幅20より狭い。実施形態において、熱損失削減要素52は、断熱基材などで、受動的である。実施形態において、熱損失削減要素52は、能動的で、加熱要素を含む。実施形態において、熱損失削減要素52は、1つ以上の加熱要素53を含み、各加熱要素53からの熱出力を、個々に制御可能である。実施形態において、多数の加熱要素53は、水平方向に1列に配列される。実施形態において、多数の加熱要素53は、垂直方向に1行に配列される。実施形態において、多数の加熱要素53は、水平方向に何列かに、かつ、垂直方向に何行かに配列される。
ここで、更に、図6A~6Cを参照すると、実施形態において、装置10は、更に、第1の横縁部冷却要素58および第2の横縁部冷却要素60を含む。第1の横縁部冷却要素58と第2の横縁部冷却要素60の両方は、1対の成形ローラ14の回転軸16を通って延伸する水平面28の垂直方向下方に配置される。以下に説明するように、第1の横縁部冷却要素58および第2の横縁部冷却要素60は、ガラスリボン12の横縁部を冷却するように配置される。第1の横縁部冷却要素58および第2の横縁部冷却要素60は、本明細書で更に記載するように様々な形態でありうる。
ここで、更に、図7を参照すると、実施形態において、第1の横縁部冷却要素58は、第1の対のピンチローラ62a-b(図6Aを参照)を含み、第2の横縁部冷却要素60は、第2の対のピンチローラ64a-bを含む。第1の対のピンチローラ62a-bの一方のローラは、1対の成形ローラ14の間の間隙24を通って延伸する垂直面30の片側に配置され、第1の対のピンチローラ62a-bの他方のローラは、垂直面30の反対側に配置される。同様に、第2の対のピンチローラ64a-bの一方のローラは、垂直面30の片側に配置され、第2の対のピンチローラ64a-bの他方のローラは、垂直面30の反対側に配置される。第1の対のピンチローラ62a-bのローラ62aは、横方向に延伸する軸66aを含む。静的支持基部68aは、軸66aを保持し、ローラ62aが軸66aを中心に回転するのを可能にする。第1の対のピンチローラ62a-bの他方のローラ62bも同様に、横方向に延伸する軸66bを含む。移動自在支持基部68bは、軸66bを保持し、ローラ62bが軸66bを中心に回転するのを可能にする。移動自在支持基部68bは、1対の成形ローラ14の回転軸16を通って延伸する水平面28と平行に延伸するトラック70上を移動可能である。移動自在支持基部68bは、作動部74によって作動されるピストン72に接続される。作動部74を操作して、移動自在支持基部68bを移動させ、それにより、ローラを、他方のローラに近づくように、または、離れるように配置する。第2の対のピンチローラ64a-bも同じ概略構造を有し、第1の対のピンチローラ62a-bの鏡像のように構成される。実施形態において、第1の対のピンチローラ62a-bおよび第2の対のピンチローラ64a-bを、熱的に制御可能である。換言すれば、熱出力を、温度設定などを用いて制御しうる。更に後述するように、第1の対のピンチローラ62a-bおよび第2の対のピンチローラ64a-bは、挟持力をガラスリボン12の横縁部に加えて、横縁部の厚さを減少させ、それにより、横縁部を冷却する。
他の実施形態において(図6Bを参照)、第1の横縁部冷却要素58は、第1の管出口76を含み、第2の横縁部冷却要素60は、第2の管出口78を含む。第1の管出口76は、冷却気体80を水平方向に内側に向かって吹き付けるように、1対の成形ローラ14を通って延伸する垂直面30と平行に配置される。第2の管出口78は、冷却気体80を水平方向に内側に向かって吹き付けるように、1対の成形ローラ14を通って延伸する垂直面30と平行に配置されるが、第1の管出口76とは、反対の方向である。第1の管出口76と第2の管出口78の両方は、1対の成形ローラ14の回転軸16を通って延伸する水平面28の下方に配置される。以下に説明するように、第1の管出口76および、第2の管出口78は、冷却気体80をガラスリボン12の横縁部に吹き付けて、横縁部を冷却するように配置される。
更に他の実施形態において(図6Cを参照)、第1の横縁部冷却要素58は、第1の放射吸収要素82を含み、第2の横縁部冷却要素60は、第2の放射吸収要素84を含む。第1の放射吸収要素82は、1対の成形ローラ14の間の間隙24を通って延伸する垂直面30と隣接して配置される。第2の放射吸収要素84も、垂直面30と隣接して配置されるが、第1の放射吸収要素82の反対側である。実施形態において、第1の放射吸収要素82および第2の放射吸収要素84は、冷却流体を受け付ける。冷却流体は、水または空気などの様々な選択肢でありうる。更に後述するように、第1の放射吸収要素82および第2の放射吸収要素84を、横縁部から熱を吸収することによって、ガラスリボン12の横縁部を冷却するように配置しうる。本開示は、第1の横縁部冷却要素58および第2の横縁部冷却要素60が取りうるいくつかの形態を記載するが、記載した形態は、排他的なものではなく、第1の横縁部冷却要素58および第2の横縁部冷却要素60は、ガラスリボン12の横縁部を水平面28に近接して冷却するように構成配置された任意の他のものを包含する。
ここで、更に、図8A、8Bを参照すると、実施形態において、装置10は、更に、1対の堰部86を含む。1対の堰部86は、1対の成形ローラ14の回転軸16を通って延伸する水平面28の上方に配置される。1対の堰部86の一方または両方は、1対の堰部86の他方に向かって、および、離れるように横方向に移動自在である。堰部86は、距離90で隔てられた第1の配置88を取りうる。堰部86は、第1の配置88、および、堰部86が第1の配置88の時より短い距離で隔てられた第2の配置92へ、それらの配置から、更に、それらの配置の間で移動しうる。更に詳しく後述するように、1対の堰部86は、1対の成形ローラ15の外側円筒表面18と協働して、1対の成形ローラ14の間の間隙24に導入される溶融ガラスの幅および高さを操作する。
実施形態において、各堰部86は、第1の輪郭表面94および第2の輪郭表面96を含む。第1の輪郭表面94は、1対の成形ローラ14の一方のローラの外側円筒表面18と形状が一致する。第2の輪郭表面96は、1対の成形ローラ14の他方のローラの外側円筒表面18と形状が一致する。「形状が一致する」という表現は、第1の輪郭表面94が弧状で、第1の輪郭表面94が対向する成形ローラ14の回転軸16から一定の半径を有し、同様に、第2の輪郭表面96が弧状で、第2の輪郭表面96が対向する成形ローラ14の回転軸16から一定の半径を有することを意味する。各堰部86は、更に、第1の輪郭表面94と第2の輪郭表面96が最も近づき収束する底縁部98を含みうる。実施形態において、底縁部98は、第1の輪郭表面94を第2の輪郭表面96から、0.7mmから2.0mmの距離で隔てる。1対の堰部86の各堰部は、内側に向いた主面100を含む。実施形態において、内側に向いた主面100は、平坦で、1対の成形ローラ14の間の間隙24を通って延伸する垂直面30に直交する。
実施形態において、堰部86は、1対の成形ローラ14の回転軸16に平行に水平に延伸する1対の位置決めロッド124(図8Aを参照)に吊り下げられる。各堰部86は、1対の開口部126を含み、位置決めロッド124は、各々、開口部126を通って延伸する。各堰部86の位置決めロッド124に沿った横方向の位置を変えて、堰部86を、第1の配置88および第2の配置92へ、それらの配置から、更に、それらの配置の間で移動しうる。他の実施形態において、各堰部86は、トラック130から吊り下げられた摺動部128(図8Bを参照)に載置され、摺動部128は、トラック130の中で摺動可能で、堰部86は、第1の配置88および第2の配置92へ、更に、それらの位置から移動可能である。
実施形態において、各成形ローラ14の外側円筒表面18を冷却して、温度を低下させる。後述する比較例3に関連して、更に詳述するように、成形ローラ14が溶融ガラスに接触すると、成形ローラ14の外側円筒表面18は膨張し、最も大きい膨張量は幅20の中間で生じるので、外側に向かう弓形を形成して、ガラスリボン12の中へドッグボーン形を与える。能動的冷却(または、補完的な能動的加熱)は、成形ローラ14の外側円筒表面18の膨張を防ぐか、制限するのを助ける。
これについて、ここで、図9を参照すると、実施形態において、装置10は、更に、成形ローラ14の一方または両方のローラの中に配置されて、成形ローラ14の外側円筒表面18と熱的に連通した冷却流体110の通路を提供する熱交換部102を含む。例えば、成形ローラ14は、回転軸16を画定する横向きシャフト104a-bを含む。成形ローラ14は、更に、分配部106を含み、複数の孔108が、外側円筒表面18から回転軸16に向かって内側に向かって配置される。水、空気、ミスト状の水などの冷却流体110、または、他の適した冷却流体110を、加圧して分配部106に供給する。冷却流体110は、孔108から、分配部106を通って、成形ローラ14の内側円筒表面112に噴霧され、それにより、内側円筒表面112を冷却する。内側円筒表面112を冷却することで、熱伝達により、外側円筒表面18を同様に冷却する。ここで加熱された冷却流体110は、分配部106と横向きシャフト104bの間の環状の間隙114を通って、成形ローラ14の内部から取り除かれる。孔108は、任意の望ましいパターンで配列されて、望ましい冷却効果を実現しうる。
いくつかの実施形態において、装置10は、更に、成形ローラ14の外側円筒表面18の温度より低い温度を有する流体118(つまり、液体または気体)を、外側円筒表面18に噴霧するように配置構成された噴霧部116(例えば、図2、3を参照)を含む。流体118は、水または空気などの様々な選択肢でありうる。成形ローラ14が回転する時に、噴霧部116が外側円筒表面18に噴霧する流体118は、成形ローラ14の外側円筒表面18から熱を除去し、それにより、温度を低下させて、外側に向かう弓形を減少させる。
他の実施形態において、装置10は、更に、液体冷却された金属ブラシ120を含む。液体は、水でありうる。金属は、銅、若しくは、高い熱伝導率および動作条件に耐えるのに十分に高い融点を有するいくつかの他の金属でありうる。液体は、金属ブラシ120と熱的に接触する。成形ローラ14が回転する時に、金属ブラシ120は、成形ローラ14の外側円筒表面18と接触し、そこから熱を除去する。金属ブラシ120と熱的に接触した液体は、除去した熱を、金属ブラシ120から除去する。
他の実施形態において、装置10は、更に、1つ以上の液体冷却されたライディングブロック122を含む。液体は、水でありうる。各ライディングブロック122は、成形ローラ14の外側円筒表面18と対向する金属面を有しうる。金属は、銅、若しくは、高い熱伝導率および動作条件に耐えるのに十分に高い融点を有するいくつかの他の金属でありうる。金属面は、成形ローラ14の外側円筒表面18から、熱を除去する。液体は、金属面と熱的に連通して、除去した熱を、金属面から除去する。
実施形態において、装置は、更に、対流冷却要素123を含む。1つの対流冷却要素123が、垂直面30の各側に配置されて、冷却流体(液体、または、空気などの気体)を垂直面30に向けうる。対流冷却要素123は、熱損失削減要素52が含められた場合には、それより下方に配置される。更に後述するように、ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却した後で、ガラスシート154をガラスリボン12から分離する前に、対流冷却要素123は、ガラスリボン12の冷却速度を上昇させうる。
ここで、更に、図10、11を参照すると、使用中に、供給装置36は、溶融ガラス134の流れ132を下方へと1対の成形ローラ14の間の間隙24の中に供給する。供給装置36は、溶融ガラス134を、ある体積の溶融ガラス134を供給するバッチシステム、または、溶融ガラス134を連続して、何日も、何月も、更に、何年も供給し続ける連続システムでありうる送出システム34から受け付ける。供給装置36が分配供給装置36である装置10の実施形態において、内部室38内の溶融ガラス134は、溶融ガラス134の流れ132として、内部室38からスロット44を通って出る。そのような実施形態において、分配供給装置36の内部室38の中の溶融ガラス134は、5ポアズから8ポアズの粘度を有するのが好ましい。高屈折率を有するガラス基板は、典型的には、その範囲で低い液相線粘度を有する。実施形態において、溶融ガラス134の流れ132は、25mm、50mm、100mm、200mm、250mm、300mm、350mm、400mm、500mm、750mm、1000mm、2000mm、3000mm、または、4000mmなど、25mmから4000mmか、若しくは、これらの値の任意の2つを含む任意の範囲(例えば、250mmから3000mm)である、成形ローラ14の回転軸16に平行な幅136を有する。他の実施形態において、分配供給装置36を出る溶融ガラス134の流れ132は、単一の流れであり、概して、円筒形状を有する。
1対の成形ローラ14の間に堆積した溶融ガラス134の流れ132は、間隙24の中で1対の成形ローラ14に接触する溶融ガラス134のパドル138を形成する。1対の堰部86を含む装置10の実施形態において、1対の堰部86は、1対の成形ローラ14の外側円筒表面18と協働で、パドルを保持する体積を画定する。換言すれば、堰部86は、溶融ガラス134のパドル138の幅140を制限し、溶融ガラス134のパドル138は、1対の成形ローラ14の回転軸16を通って延伸する水平面28からの高さ142まで、1対の成形ローラ14の外側円筒表面18と接触する。
1対の成形ローラ14が水平面28の上方で互いに近づくように回転すると、1対の成形ローラ14は、溶融ガラス134のパドル138を下方へと間隙24を通って引っ張り、それにより、水平面28から垂直方向に下方へ延伸するガラスリボン12を形成する。ガラスリボン12は、2つの主面144を有する。2つの主面144は、概して反対方向を向く。2つの主面144は、垂直面30と概して平行である。ガラスリボン12は、2つの主面144の間の厚さ146を有する。
1対の成形ローラ14は、溶融ガラス134をガラスリボン12へと形成する間に、溶融ガラス134を横方向に広げる。これを、図10に示しており、ガラスリボン12は、1対の成形ローラ14の回転軸16に平行な幅148を有し、それは、溶融ガラス134のパドル138の幅140より広い。実施形態において、ガラスリボン12の幅148は、溶融ガラス134のパドル138の幅140に略等しいものでありうる。幅148は、概して垂直方向に延伸する第1の横縁部150aと第2の横縁部150bの間に延伸する。更に、1対の成形ローラ14は、ガラスを冷却して、溶融ガラス134のパドル138の粘度が、ガラスリボン12を支持するのに十分高くなるようにし、水平面28より下方で、ガラスリボン12の質量が、ガラスリボン12を溶融ガラス134のパドル138から分離させることがないようにする。
ガラスリボン12の各主面144の一部は、熱損失削減要素52の1つと対向する。換言すれば、熱損失削減要素52は、ガラスリボン12を間に挟む。実施形態において、熱損失削減要素52は、ガラスリボン12と接触しないが、他の実施形態では、熱損失削減要素52は、ガラスリボン12と接触する。実施形態において、各熱損失削減要素52の幅56は、ガラスリボン12の幅148より狭い。熱損失削減要素52が加熱要素53を有する実施形態において、加熱要素53は、個々に制御されて、ガラスリボン12に隣接して熱を生成する。
既に記載したように、成形ローラ14の外側円筒表面18は、20mmから600mmの外径22である。その範囲内で、より小さい外径22を選択することで、溶融ガラス134のパドル138の分布を改良し、流量を低下させうる。実施形態において、成形ローラ14の外径22は、20mmから80mmである。後述する実施例1、14に示すように、成形ローラ14の外径22を小さくすることで、パドル138の分布を改良し、より大きい外径22の成形ローラ14よりも、概して、より広い幅148、および、より薄い厚さ146を有するガラスリボン12を製造しうる。
より小さい外径22の成形ローラ14を用いることは、溶融ガラス134が0.1ポアズから3000ポアズの粘度を有する場合に、特に有用である。そのような粘度において、ガラスがガラスリボン12へと形成される前に、供給装置36が分配管の場合にさえ、重力は、溶融ガラス134を水平方向にパドル138の中へ効果的に分布させる。溶融ガラス134の粘度が低いほど、パドル138の水平方向分布は広くなる。パドル138が広いほど、結果的に生じるガラスリボン12の幅148は広くなる。3000ポアズを超える粘度は、重力が溶融ガラス134のパドル138を広く分布させるのを妨げる可能性がある。
比較的小さい外径22は、任意の所定の回転速度について、溶融ガラス134のパドル138が成形ローラ14と接触する時間を削減する。時間を削減することで、溶融ガラス134のパドル138から成形ローラ14への熱伝達を削減する。熱伝達の削減は、成形ローラ14がガラスリボン12を、比較的高い温度で形成して、ガラスリボン12の厚さ146を比較的薄くすることが可能になることを意味する。
更に、成形ローラ14の外径22が減少するにつれて、水平面28の上方での成形ローラ14の間の水平方向距離は、水平面からの任意の所定の垂直方向距離について増加する。換言すれば、成形ローラ14の外径22が減少するにつれて、溶融ガラス134のパドル138の上側表面の面積は増加する。面積が増加すると、パドル138を成形ローラ14の回転軸16に沿って広くするように押圧する圧力が高まり、結果的に生じるガラスリボン12の幅148を広げる。
ここで、更に、図12、13を参照して、ガラスリボン12からガラスシート154を形成する方法152を、本明細書に記載する。1対の成形ローラ14がガラスリボン12を溶融ガラス134のパドル138から形成した後に、方法152は、工程156において、(a)ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボン12の水平方向温度変化を削減する工程と、(b)(i)ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボン12の垂直方向の温度低下速度を低下させる工程、および、(ii)ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却した後に、ガラスリボン12の垂直方向の温度低下速度を上昇させる工程の1つ以上の工程とを含む。実施形態において、ガラスリボン12は、水平面28のすぐ下で、10ポアズ程度の粘度を有する。そのような粘度は、後述するように、方法152により水平方向温度変化および垂直方向冷却速度を操作するのに十分な時間を与えながら、ガラスリボン12が、それ自体を1対の成形ローラ14から垂直方向下方へと支持するのを可能にする。その時点で、ガラスリボン12が、これより非常に小さい粘度を有すると、ガラスリボン12は、それ自体の重さで伸張し、ガラス転移点近くでのガラスリボン12の制御を更に難しくする。ガラスリボン12が、これより非常に大きい粘度を有すると、次に、ガラスリボン12に、圧力によるひび割れ(つまり、ガラスリボン12の表面欠陥)および残存応力を生じる。更に、そのような程度の粘度において、ガラスリボン12の横縁部150a-bは、表面張力による丸まりを制限するのには、十分に冷たいが、ガラス転移点まで冷却する前の水平方向温度変化を削減するために、ガラスリボン12の横縁部150a-bを中心部158と比べて更に冷却するのを妨げるほどには冷たくない。
1対の成形ローラ14が、溶融ガラス134のパドル138をガラスリボン12へと変形する時に、ガラスリボン12の温度は、ガラスリボン12の幅148に沿った水平位置の関数として変化しうる。例えば、同じ水平位置(つまり、1対の成形ローラ14の回転軸16を通って延伸する水平面28から同じ距離)であると仮定した場合、ガラスリボン12の横縁部150a-bにおけるガラスリボン12の温度は、ガラスリボン12の中心部158におけるガラスリボン12の温度より高いものでありうる。
更に、1対の成形ローラ14が溶融ガラス134のパドル138をガラスリボン12へと変形する時に、ガラスリボン12の温度は、水平面28からの距離の関数として、下方へと低下する。例えば、ガラスリボン12は、垂直位置160で、それより低い垂直位置162でのガラスリボン12の温度より高い温度を有し、両方の垂直位置160、162は、ガラスリボン12の横縁部150a、150bから略同じ距離である。結果的に、ガラスリボン12の温度を、硬化ゾーン164内で、ガラス転移点まで冷却し、それは、水平面28から距離166の後に生じうる。
ガラスリボン12を、ガラス転移点より低い温度まで冷却した後、ガラスリボン12を冷却し続ける。方法152は、更に、工程168において、ガラスシート154をガラスリボン12から分離する工程を含む。同じバッチの間に、複数のガラスシート154を、ガラスリボン12から分離しうる。
本開示は、詳細に、(a)硬化ゾーン164内でガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボン12の水平方向温度変化が削減されず、かつ、(b)(i)硬化ゾーン164内でガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボン12の温度低下速度が低下しないか、または、(ii)ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却した後に、ガラスリボン12の温度低下速度が上昇しないかのいずれかの場合、次に、ガラスシート154およびガラスリボン12の破損、若しくは、仮に、ガラスシート154をガラスリボン12から破損せずに分離するのに成功した場合でも、ガラスシート154が最適とはいえない反り、および/または、全厚さ変化を有することなくガラスシート154をガラスリボン12から分離するのは不可能であることを見出したことを記載する。この概念を、後述する比較例2に示している。換言すれば、a)ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボン12の水平方向温度変化が十分に削減され、かつ、(b)(i)ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボン12の温度低下速度が十分に低下するか、または、(ii)ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却した後に、ガラスリボン12の温度低下速度が十分に上昇するかのいずれかの場合、次に、ガラスシート154をガラスリボン12から破損せずに分離し、ガラスシート154のガラス組成物が低い液相線粘度を有する場合でも、ガラスシート154が許容可能な反り、および、全厚さ変化を有しうることを見出した。
理論に縛られるわけではないが、ガラスリボン12の破損傾向は、ガラスリボン12の内部応力の大きさの関数であり、ガラスリボン12から分離されたガラスシート154の反りおよび全厚さ変化の大きさも、同様であると仮説を立てる。ガラスリボン12の内部応力が増加すると、ガラスシート154をガラスリボン12から分離する工程168が、両方に破損を生じさせる尤度が大きくなり、ガラスシート154が破損を生じずに分離するのに成功しても、反りおよび全厚さ変化が大きくなりうる。
次に、ガラスリボン12の内部応力は、水平方向温度変化、かつ、(i)硬化ゾーン164内でガラスリボン12をガラス転移点まで冷却する前のガラスリボン12の温度低下速度、または、(ii)ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却した後のガラスリボン12の温度低下速度のいずれかの関数であると仮説を立てる。水平方向温度変化は、横方向の応力を増加させ、変化が大きいほど、応力が大きくなる。垂直方向の温度低下速度について、熱的歪の変化率が下方へとガラスリボン12に沿って一定なので、熱的歪によって熱応力は生じず、したがって、反りを生じないと仮説を立てる。水平方向温度変化がゼロに近づき、熱的歪の垂直方向の変化率が比較的一定であると仮定すると、次に、熱的歪のラプラシアンもゼロに近づき、熱的歪による熱応力が生じない。しかしながら、熱的歪は、ガラス材料の熱膨張率の関数なので、複雑さが加わる。更に、ガラスリボン12の熱膨張率は、ガラスリボン12の温度がガラス転移点より高い時の方が、ガラスリボン12の温度がガラス転移点より低い時より高い。したがって、特に、ガラスリボン12がガラス転移点より高い温度を有した状態で入り、ガラス転移点より低い温度を有した状態で出る硬化ゾーン164内で、熱的歪の変化率を、下方へとガラスリボン12に沿って一定にするには、ガラスリボン12がガラス転移点より高い温度を有する間は、ガラス転移点より低い温度を有する間より、ゆっくりと冷却するべきである。換言すれば、ガラス転移点に達する前に、比較的ゆっくりと冷却し、次に、ガラス転移点に達した後に、比較的速く冷却することは、熱的歪が、下方へとガラスリボン12に沿って望ましい一定の変化率を実現するために、ガラス転移点(例えば、+/-50℃)(硬化ゾーン164の中で)の近くで、特に重要である。この概念を、後述する実施例10について、更に記載する。これは、(i)ガラスリボン12がガラス転移点に達する前に、温度低下速度を能動的に低下させることによってか、または、(ii)ガラスリボン12がガラス転移点に達した後に、温度低下速度を能動的に上昇させるかのいずれか、若しくは、(i)と(ii)の両方によって実現しうる。
水平方向温度変化を減少させる能動的対策を行い、(i)硬化ゾーン164内で、ガラスリボン12がガラス転移点に達する前に、ガラスリボン12の垂直方向の冷却速度を低下させるか、(ii)ガラスリボン12がガラス転移点に達した後に、ガラスリボン12の垂直方向の冷却速度を上昇させるかのいずれか、若しくは、(i)と(ii)の両方によって、ガラスリボン12の内部応力を低下させうる。
実施形態において、工程170において、方法152は、更に、1対の成形ローラ14が溶融ガラス134のパドル138からガラスリボン12を形成する前に、溶融ガラス134を分配供給装置36の内部室38に供給する工程を含む。
その後、工程172において、方法152は、更に、溶融ガラス134を、内部室38から、分配供給装置36の複数の開口部44を通って、1対の成形ローラ14を隔てる間隙24の中に供給して、それにより、溶融ガラス134のパドル138を形成する工程を含む。後述する比較例2について更に示すように、溶融ガラス134を、単一の出口管を用いて供給することで、1対の成形ローラ14がガラスリボン12を形成した直後に、ガラスリボン12に亘って比較的高い温度変化を生じる。単一の管出口を用いて、新たに供給された溶融ガラス134は、成形ローラ14の上方の既存の溶融ガラス134のパドル138から主に横方向に流れ、ガラスリボン12の横縁部150a-bの形成前の冷却時間は、ガラスリボン12の中心部158を形成するパドル138の中心部の溶融ガラス134と比べて短くなる。幅46を有するスロット44を有する分配供給装置36を用いて、溶融ガラス134の流れ132を供給することで、新たに供給された溶融ガラス134の塊を、溶融ガラス134のパドル138の上に、より広く分布させる。供給された溶融ガラス134は、スロット44の幅46を通して供給されて、結果的に、単一の出口管を用いた場合より広く分布した溶融ガラス134を、1対の成形ローラ14に与える。より広く分布することで、成形ローラ14が溶融ガラス134のパドル138を下方へと引っ張ってガラスリボン12にする前の冷却時間が、より均一になる。冷却時間が水平方向に溶融ガラス134のパドル138に亘って、非常に均一になることで、水平方向温度変化が減少したガラスリボン12を生じる。
実施形態において、工程174において、方法152は、更に、分配供給装置36の各複数の加熱要素48の熱出力を個々に制御する工程を含む。ガラスリボン12を形成する間、ガラスリボン12の水平方向温度変化を監視しうる。分配供給装置36を用いて、最適とはいえない水平方向温度変化を有するガラスリボン12を生じた場合、最適とはいえない水平方向温度変化を相殺するように、各複数の加熱要素48の熱出力を個々に制御する。例えば、ガラスリボン12の横縁部150a-bが、中心部158、または、横縁部150a-bと中心部158の間の領域より高い温度を有する場合、次に、概してガラスリボン12の低い温度の領域に対応する加熱要素48を作動させて、スロット44の領域を通って流れる溶融ガラス134の温度を上昇させうる。これにより、次に形成されたガラスリボン12の水平方向温度変化を削減しうる。
実施形態において、工程176において、方法152は、更に、1対の成形ローラ14が、ガラスリボン12を溶融ガラス134のパドル138から形成した後に、1対の成形ローラ14の一方または両方のローラから熱を除去する工程を含む。成形ローラ14の温度が高まると、成形ローラ14の外径22が増加し、最も大きい増加は、成形ローラ14の幅20の中点で生じる。成形ローラ14の外径22の増加は、成形ローラ14の幅20の中点から外側に向かって、横方向に漸減する。このように成形ローラ14が外側に向かう弓形を形成することで、ガラスリボン12の水平方向温度変化の程度、または、ガラスリボン12のガラス転移点までの冷却速度に関わらず、ガラスリボン12の中へドッグボーン形を与える。外側円筒表面18を冷却することで、弓形を削減し、それにより、ドッグボーン形を削減するか、なくすようにする。
熱を、1対の成形ローラ14の一方または両方のローラから、多数の方法で取り除きうる。限定するものではないが、実施形態において、熱を、1対の成形ローラ14の一方または両方のローラから、次の方法の1つ以上で除去する:(i)熱交換冷却流体110を成形ローラ14の中に送り、熱交換冷却流体110を成形ローラ14の外側円筒表面18と熱的に連通させるか、(ii)成形ローラ14の外側円筒表面18の温度より低い温度を有する流体118を、外側円筒表面18へと、噴霧部116などを用いて噴霧するか、(iii)成形ローラ14を、液体冷却された金属ブラシ120と接触させるか、(iv)成形ローラ14を液体冷却されたライディングブロック122と対向させるか。実施形態において、成形ローラ14の幅20の中点の近くで、成形ローラ14の縁部より多くの熱が除去される。
上記のように、工程156において、方法152は、ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボン12の水平方向温度変化を削減する工程を含む。実施形態において、温度変化を削減する工程156は、ガラスリボン12の横縁部150a-bの熱損失を、ガラスリボン12の中心部158と比べて増加させる工程を含む。換言すれば、水平方向温度変化を削減するために、横縁部150a-bをガラスリボン12の中心部158より冷却することが重要でありうる。
上記のように、ガラスリボン12へと形成された溶融ガラス134は、中心部158と比べて、横縁部150a-bで高い温度を有する傾向がある。これが、ガラスリボン12の水平方向温度変化の態様である。理論に縛られるわけではないが、温度差が、表面張力の差(具体的には、横縁部150a-bでの高い表面張力)を生じると考えられる。横縁部150a-bでの表面張力が高いほど、それに隣接した溶融ガラス134を横縁部150a-bに向かって引っ張り、それにより、ガラスリボン12の厚さ146を横縁部150a-bで増加させる。横縁部150a-bで厚さ146が増加することで、横縁部150a-bにおける表面の対体積比が減少し、それにより、冷却速度を、ガラスリボン12の残りの部分と比べて、更に低下させて、水平方向温度変化を更に悪化させる。したがって、ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却する前に、横縁部150a-bでのガラスリボン12の厚さ146、および/または、温度を能動的に低下させることにより、上記影響を相殺して、水平方向温度変化を改良する。更に、ガラスリボン12の厚さ146を横縁部150a-bで能動的に減少させることで、ガラスリボン12の全厚さ変化を直に削減する。
ここで、更に、図14Aを参照すると、実施形態において、ガラスリボン12の横縁部150a-bの熱損失を、ガラスリボン12の中心部158と比べて増加させる工程は、冷却気体80を横縁部150a-bに吹き付ける工程を含む。例えば、第1の管出口76は、冷却気体80を、垂直面30に平行なガラスリボンの横縁部150aに吹き付けるように配置され、第2の管出口78は、冷却気体80を、垂直面30に平行なガラスリボンの第2の横縁部150bに吹き付けるように配置される。冷却気体80は、空気でありうる。冷却気体80は、垂直面30に平行なガラスリボンの横縁部150aに吹き付けられて、冷却気体80は、横縁部150a-bに、ガラスリボン12の中心部158より前に、かつ、より大きい程度で接触する。したがって、冷却気体80は、ガラスリボン12の横縁部150a-bの熱損失を、ガラスリボン12の中心部158より増加させる。この概念を、後述する比較例4および実施例5に示している。冷却気体80の流量が増加すると、冷却気体80がガラスリボン12に反りを導入する可能性が高まるので、冷却気体80の流量の選択には注意を払うべきである。
ここで、更に、図14Bを参照すると、他の実施形態において、ガラスリボン12の横縁部150a-bの熱損失を、ガラスリボン12の中心部158と比べて増加させる工程は、第1の横縁部冷却要素58がガラスリボン12の第1の横縁部150aの温度を低下させ、第2の横縁部冷却要素60がガラスリボン12の第2の横縁部150bの温度を低下させる工程を含む。上記のように、第1の横縁部冷却要素58および第2の横縁部冷却要素60は、各々、第1の放射吸収要素82および第2の放射吸収要素84を含みうる。第1の放射吸収要素82は、ガラスリボン12の第1の横縁部150aと対向する。第2の放射吸収要素84は、ガラスリボン12の第2の横縁部150bと対向する。第1の放射吸収要素82および第2の放射吸収要素84を通って流れる冷却流体の流量を調節することで、各々、ガラスリボン12の第1の横縁部150aおよびガラスリボン12の第2の横縁部150bから除去する熱量を変化させる。
図10、11を再び参照すると、実施形態において、ガラスリボン12の横縁部150a-bの熱損失を、ガラスリボン12の中心部158と比べて増加させる工程は、ガラスリボン12の横縁部150a-bでのガラスリボン12の厚さ146を減少させる工程を含む。例えば、第1の対のピンチローラ62a-bは、ガラスリボン12の厚さ146をガラスリボン12の第1の横縁部150aで減少させるように構成される。第1の対のピンチローラ62a-bの一方のローラは、ガラスリボン12の一方の主面144に第1の横縁部150aで接触する。第1の対のピンチローラ62a-bの他方のローラは、ガラスリボン12の他方の主面144に第1の横縁部150aで接触する。第1の対のピンチローラ62a-bの両方のローラは、ガラスリボン12の第1の横縁部150aに挟持力を加える。したがって、第1の対のピンチローラ62a-bの両方のローラは、第1の対のピンチローラ62a-bが回転して、それにより、第1の対のピンチローラ62a-bの間のガラスリボン12を引っ張る時に、ガラスリボン12の厚さ146を第1の横縁部150aで減少させる。第2の対のピンチローラ64a-bは、同様に、ガラスリボン12の厚さ146をガラスリボン12の第2の横縁部150bで減少させるように構成され、第2の対のピンチローラ64a-bは、ガラスリボン12の第2の横縁部150bに接触して、それが、第2の対のピンチローラ64a-bを通るように引っ張り、厚さ146を第2の横縁部150bで減少させる。第1の対のピンチローラ62a-bおよび第2の対のピンチローラ64a-bは、ガラスリボン12が第1の対のピンチローラ62a-bおよび第2の対のピンチローラ64a-bを通って進行する速度より速く回転しうる。ピンチローラ62a-b、64a-bの回転が速いほど、ガラスリボン12が張り付くのを防ぎ、真円でないことに由来する(つまり、ピンチローラ62a-b、64a-bが各々の軸66を中心とした完全な円形回転ではないことで生じる)変化を削減する。
更に、実施形態において、第1の対のピンチローラ62a-bおよび第2の対のピンチローラ64a-bを熱的に制御して、ガラスリボン12の横縁部150a-bからの熱の除去を能動的に制御しうる。そのように横縁部150a-bから熱を除去することで、ガラスリボン12に亘る水平方向温度変化を改良しうる。換言すれば、実施形態において、ガラスリボン12の横縁部150a-bの熱損失を中心部158と比べて増加させる工程は、ガラスリボン12の横縁部150a-bを、対向するローラ62a-b、64a-bと接触させる工程を含み、ローラ62a-b、64a-bは、ガラスリボン12の横縁部150a-bから熱を除去する。
後述する実施例6に更に示すように、第1の対のピンチローラ62a-bおよび第2の対のピンチローラ64a-bは、ガラスリボン12に亘って水平方向温度変化を削減すること(反り、全厚さ変化、および、ガラスシート154を破損せずに分離可能にすることを改良すること)と、直に、ガラスリボン12の中心部158と比べた横縁部150a-bの厚さ変化を削減することの両方を行いうる。実施形態において、ガラスリボン12の厚さ146をガラスリボン12の横縁部150a-bで減少させる前に、横縁部150a-bにおけるガラスリボン12の厚さ146は、ガラスリボン12の中心部158におけるガラスリボン12の厚さ146より少なくとも0.5mm厚い。実施形態において、ガラスリボン12の横縁部150a-bにおけるガラスリボン12の厚さ146を減少させた後に、横縁部150a-bにおけるガラスリボン12の厚さ146は、ガラスリボン12の中心部158におけるガラスリボン12の厚さ146より0.1mm未満の差で厚い。
実施形態において、ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボン12の水平方向温度変化を削減する工程は、ガラスリボン12の中心部158の熱損失を、ガラスリボン12の横縁部150a-bと比べて削減する工程を含む。既に記載したように、ガラスリボン12の水平方向温度変化を削減する1つのアプローチは、ガラスリボン12の横縁部150a-bの温度を、中心部158と比べて低下させることである。水平方向温度変化を削減する他のアプローチは、中心部158の熱損失を、横縁部150a-bと比べて削減することである。このアプローチは、中心部158の冷却速度を遅くしながら、横縁部150a-bを、助けを必要とせずに冷却するのを可能にする。ガラスリボン12がガラス転移点に近づく時に、横縁部150a-bを、より速く冷却し、中心部158を、よりゆっくりと冷却することで、ガラスリボン12が下方へ移動する時に、水平方向温度変化を削減可能にする。
実施形態において、ガラスリボン12の中心部158の熱損失を、ガラスリボン12の横縁部150a-bと比べて削減する工程は、ガラスリボン12の横縁部150a-bではなく、ガラスリボン12の中心部158を熱損失削減要素52と対向させる工程を含む。既に記載したように、各熱損失削減要素52の幅56は、ガラスリボン12の幅148より狭い。各熱損失削減要素52が、ガラスリボン12に対して中心に配置されると仮定すると、次に、各熱損失削減要素52は、ガラスリボン12の横縁部150a-bではなく、ガラスリボン12の中心部158で一方の主面144と対向する。既に記載したように、断熱基材、能動的加熱要素、または、それらの両方でありうる熱損失削減要素52は、したがって、ガラスリボン12の横縁部150a-bの冷却速度ではなく、ガラスリボン12の中心部158の冷却速度を低下させる。ガラスリボン12が水平面28から下方へと移動し、ガラス転移点に近づくように冷却する時、より高い温度の横縁部150a-bを、熱損失削減要素52と対向した中心部158より速く冷却し、水平方向温度変化が削減される。この態様を、更に後述する比較例7および実施例8について記載する。能動的加熱要素を熱損失削減要素52として用いた場合、加熱要素53を制御して、加熱要素53の影響を受けると共に、ガラスリボン12と対向する熱損失削減要素52の表面54が、ガラスリボン12の水平方向温度変化を均一にするのを助ける温度を有するようにする。いくつかの例において、熱損失削減要素52の表面54の温度は、表面54に最も近いガラスリボン12の領域の温度より低い。いくつかの例において、熱損失削減要素52の表面54の温度は、表面54に最も近いガラスリボン12の領域の温度より高い。
実施形態において、ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボン12の水平方向温度変化を削減する工程は、溶融ガラス134のパドル138の水平面28からの高さ142を増加させる工程を含む。実施形態において、溶融ガラス134のパドル138の高さ142を増加させる工程は、供給装置36からの溶融ガラス134の流れ132の流量を上昇させる工程を含む。ガラスリボン12の横縁部150a-bの温度、したがって、ガラスリボン12の水平方向温度変化は、溶融ガラス134のパドル138の高さ142の関数でありうることを見出した。より具体的には、溶融ガラス134のパドル138の高さ142が低いほど、溶融ガラス134のリボンの横縁部150a-bの温度は高く、水平方向温度変化が大きくなる。実験を行ったところ、ガラスリボン12の横縁部150a-bにおける温度は、溶融ガラス134のパドル138の高さ142が1ミリメートル増加する毎に、約6℃低下することが示された。理論に縛られるわけではないが、溶融ガラス134のパドル138の高さ142が増加すると、溶融ガラス134が成形ローラ14の外側円筒表面18と接触する時間が長くなり、接触時間が長くなることで、溶融ガラス134がガラスリボン12へと形成される前に、溶融ガラス134の温度が更に低下すると考えられる。
ここで、更に、図15を参照すると、上記のように、装置10は、横方向に移動自在な1対の堰部86を含み、それらは、互いに近づくように移動しうるもので、堰部86は、成形ローラ14の外側円筒表面18と、パドルが保持する体積を画定する。1対の堰部86の少なくとも一方の堰部が、第1の配置88(例えば、図10を参照)から第2の配置92(例えば、図15を参照)へ移動し、溶融ガラス134のパドル138の幅140は狭くなり、溶融ガラス134のパドル138の高さは増加する。したがって、堰部86を互いに近づくように移動させて、溶融ガラス134のパドル138の高さを増加させる。実施形態において、溶融ガラス134のパドル138の水平面28からの高さ142を増加させる工程は、移動自在堰部86の一方または両方を、他方の移動自在堰部86に近づくように移動する工程を含む。移動自在堰部86は、更に、溶融ガラス134のパドル138について、供給装置36からの溶融ガラス134の流量の変化に応じて、一定の高さ142を維持するという利点も提供する。実施形態において、堰部86は、熱的に制御可能で、溶融ガラス134の横側から熱を除去し、それにより、ガラスリボン12の水平方向温度変化を削減するのを助けうる。パドル138の高さ142とガラスリボンの水平方向温度変化の関係を、更に、後述する実施例9に示す。
実施形態において、ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボン12の水平方向温度変化を削減することで、ガラスリボン12の全幅に亘るガラスリボン12の水平方向温度変化を、10℃、9℃、8℃、7℃、6℃、5℃、4℃、3℃、2℃、1℃、0.5℃、または、0.1℃など、10℃以下、8℃以下、5℃以下、2℃以下、または、1℃以下か、若しくは、これらの値の任意の2つの間の任意の範囲(例えば、0.1℃から5℃)にする。いくつかの実施形態において、温度変化は、ガラスリボン12の全幅の60パーセントに亘るか、65パーセントに亘るか、70パーセントに亘るか、75パーセントに亘るか、80パーセントに亘るか、85パーセントに亘るか、90パーセントに亘るか、95パーセントに亘るか、または、99パーセントに亘るものである。したがって、例えば、ガラスの全幅の80パーセントに亘るガラスリボン12の水平方向温度変化は、10℃以下、8℃以下、5℃以下、2℃以下、または、1℃以下でありうる。他の例において、ガラスの全幅の90パーセントに亘るガラスリボン12の水平方向温度変化は、10℃以下、8℃以下、5℃以下、2℃以下、または、1℃以下でありうる。水平方向温度変化は、同じ水平高さに沿って測ったガラスリボン12の部分の最高温度と最低温度の間の差である。測定を、赤外線カメラを介して行いうる。最低温度がガラス転移点から50℃以内の時など、ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却する前に、測定値を取得する。
更に、ガラスリボン12の水平方向温度変化を削減するのに追加で、方法152は、(i)ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボン12の垂直方向の温度低下速度を低下させる工程、および、(ii)ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却した後に、ガラスリボン12の垂直方向の温度低下速度を上昇させる工程の1つ以上を含む。上記のように、垂直方向温度制御の目的は、ガラスリボン12をガラス転移点まで、更に、それを過ぎて冷却する間に、熱的歪の変化率を硬化ゾーン164に亘って一定にすることである。熱的歪の変化率を一定にすることで、熱応力を削減する。この概念を、更に、後述する実施例10について記載する。熱応力を削減することは、ガラスシート154をガラスリボン12から破損せずに分離し、更に、ガラスシート154が許容可能な反り、および、全厚さ変化を有することが可能になることにつながる。実施形態において、(i)ガラスリボン12を、第1の平均冷却速度で、ガラス転移点より50℃高い温度からガラス転移点まで冷却する、(ii)ガラスリボン12を、第2の平均冷却速度で、ガラス転移点から、ガラス転移点より50℃低い温度まで冷却する、更に、(iii)第1の平均冷却速度は、第2の平均冷却速度より遅い。換言すれば、ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却する前に、ガラスリボン12を、第2の平均冷却速度より遅い第1の平均冷却速度で冷却し、ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却した後に、ガラスリボン12を、第2の平均冷却速度で冷却する。本明細書に記載のように、平均冷却速度は、硬化ゾーン164内でのガラスの長さに沿ったガラスリボン12の平均冷却速度のことを称する。
実施形態において、ガラスリボン12を、ガラス転移点まで、水平面28から5インチ(約13cm)以内、6インチ(約15cm)以内、7インチ(約18cm)以内、8インチ(約20cm)以内、9インチ(約23cm)以内、10インチ(約25cm)以内、11インチ(約28cm)以内、12インチ(約30cm)以内、13インチ(約33cm)以内、14インチ(約36cm)以内、15インチ(約38cm)以内、16インチ(約41cm)以内、17インチ(約43cm)以内、18インチ(約46cm)以内、19インチ(約48cm)以内、20インチ(約51cm)以内、21インチ(約53cm)以内、22インチ(約56cm)以内、23インチ(約58cm)以内、または、24インチ(約61cm)以内など、24インチ(約61cm)以内か、若しくは、これらの値の任意の2つを含む任意の範囲(つまり、8インチ(約20cm)から18インチ(約46cm)以内)で冷却する。したがって、水平方向温度変化を削減する工程156を組み込んだ場合には、ガラスリボン12に沿った垂直方向の冷却速度の低下が、その範囲内で生じる。
実施形態において、ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却する前にガラスリボン12の垂直方向の温度低下速度を低下させる工程は、ガラスリボン12の主面14を熱損失削減要素52と対向させる工程を含む。熱損失削減要素52が断熱基材である実施形態において、次に、断熱基材は、ガラスリボン12から外部環境への熱伝達を削減し、それにより、ガラスリボン12の温度低下速度を低下させる。ガラスリボン12からの熱伝達を効果的に削減するには、断熱基材は、ガラスリボン12から約1mmの距離であるべきである。熱損失削減要素52が加熱要素53を含む実施形態において、加熱要素53の熱出力を制御して、ガラスリボン12の垂直方向の温度低下速度を、熱損失削減要素52を用いない場合と比べて低下させうる。加熱要素53の列は、水平面28からの垂直方向距離の関数として減少する熱出力を有するように構成されうる。
次に、ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却した後で、ガラスシート154をガラスリボン12から分離する前に、ガラスリボン12の主面144は、もう熱損失削減要素52と対向しないようにする。換言すれば、ガラスリボン12の温度がガラス転移点より高い時は、熱損失削減要素52はガラスリボン12と対向するが、ガラスリボン12の温度がガラス転移点を過ぎるまで冷却した後(ガラスリボン12が、ガラス転移点より25℃低いか、ガラス転移点より50℃低いか、または、25℃から50℃低い温度などを有する時)は、ガラスリボン12と対向しない。これらの態様を、後述する比較例11および実施例12について更に例示する。
実施形態において、ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却した後にガラスリボン12の垂直方向の温度低下速度を上昇させる工程は、冷却流体をガラスリボン12の主面144の1つ以上に吹き付ける工程を含む。実施形態において、対流冷却要素123は、冷却流体をガラスリボン12の主面144に向けうる。実施形態において、ガラスリボン12が硬化ゾーン164内にある間で、ガラスリボン12をガラス転移点まで冷却した後に、対流冷却要素123は、冷却流体をガラスリボン12の主面144に向ける。
既に記載したように、上記装置10および方法152は、特に、高屈折率を有するガラスシート154の製造に利点を有する。本明細書で用いる屈折率は、室温で、約589nmの波長を有する電磁波に対するものである。「高屈折率」は、ガラスシート154が、1.65、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3など、1.65以上か、若しくは、これらの値の任意の2つを含む任意の範囲(例えば、1.7から3.0、1.7から2.1など)の屈折率を有することを意味する。例えば、(波長633nmにおいて)1.8の屈折率を提供する組成物は(モル%で)、40.1のSiO、11.3のLiO、3.8のZrO、4.8のNb、2.4のB、22.9のCaO、5.4のLa、および、9.3のTiOを含む。質量%では、その組成物は、28.5のSiO、4.00のLiO、5.5のZrO、15のNb、2.0のB、15.2のCaO、21のLa、および、8.8のTiOを含む。方法152は、高屈折率を有するガラスシート154を製造するのに特に利点を有するが、方法152は、任意の屈折率を有するガラスシート154を製造しうる。
いくつかの実施形態において、ガラスは、以下を含む組成を有する(酸化物を基準に質量パーセントで表し、合計質量パーセントが100%になるようにした場合):
SiO、5~55質量%;
ZrO、5~10質量%;
CaO、3.5~18質量%;
La、0.2質量%から30質量%;
Nb、0.5質量%から20質量%;
TiO,5~20質量%;
As、0%から0.2質量%;および、
Er、0.05%から0.9質量%(好ましくは、0.1から0.9質量%、例えば、0.1から0.8質量%)、および/または、Pr、0.05%から1質量%、または、Nd、0.05%から1質量%、または、Ho、0.05%から1質量%、または、酸化Ce(CeO)、0.05%から1質量%。
実施形態において、ガラスの組成物は、以下を含む(酸化物を基準に質量パーセントで表し、合計質量パーセントが100%になるようにした場合):
SiO、5~60質量%;
ZrO、5~10質量%;
CaO、3.5~18質量%;
La、0.2質量%から30質量%;
Nb、0.5質量%から20質量%;
TiO、5~20質量%;
As、0%から0.2質量%;
Er、0.01%から0.5質量%(例えば、0.05質量%から0.5質量%、または、0.1質量%から0.5質量%);
NaO、2~5質量%;
、0~9質量%;
SrO、1質量%まで;
BaO、0~20質量%;
F、0~1質量%;および
、0~20質量%。
純シリカは、約1.5の屈折率を有するので、屈折率上げドーパントを加えながら、SiOの量を55%以下(例えば、7~45質量%)に保つことで、ガラスを、高屈折率で清澄度が高く、重大な着色がないガラスにすることが可能になる。SiOの量を、60%より高く増加させると、屈折率上げドーパントまたは構成要素の追加が必要になり、清澄ではなく、着色されたガラスを生じうるうる。いくつかの実施形態によれば、ガラスの中のEr、Nd、Ho、酸化Ce、および、Prの合計量は、1.5質量%未満で、その場合は、ガラスの清澄性、および、望ましい波長での高い透過率(透過)を維持するのを助ける。
方法152の工程168は、ガラスシート154をガラスリボン12から分離する工程を含む。多数のガラスシート154をガラスリボン12から分離しうると理解すべきであり、供給装置36は、送出システム34から成形ローラ14へ、一定の溶融ガラス134を供給し、その溶融ガラス134が連続して新たなガラスリボン12を形成する。これは、少なくとも送出システム34から全ての溶融ガラス134が排出されるまで、ガラスリボン12を連続して形成して、そこからガラスシート154を分離することを可能にする。
工程168は、ガラスシート154をガラスリボン12から分離するのに用いる任意の処理を包含する。実施形態において、ガラスシート154を分離する工程は、まず、ガラスリボン12に切込みを入れ、更に引張応力を切込みに亘って加え、亀裂を生成し、次に、その亀裂がガラスリボン12の厚さ146を貫通するようにする処理を含む。切込みは、任意の従来の方法で形成しうる。例えば、ガラスリボン12を、一方の主面144に破損部を生成するスコアリングホイール、スクライバー、または、研磨部材などの切込み部材177と接触させることによって、切込みを生成しうる。次の引張応力は、ガラスリボン12を、ガラスリボン12の切込みを加えた面に切込み線に亘って張力が加わる方向に曲げることによって加えられる。次に、その張力が、切込み線に形成された亀裂がガラスリボン12の厚さ146を貫通するようにする。切込み線は、好ましくは、ガラスリボン12の中心部158、つまり、ガラスリボン12の横縁部150a-bの間の幅148に亘って形成される。
他の実施形態において、切込み部材177は、レーザ装置であり、任意で、ガラスリボン12を冷却気体、液体、または、それらの組合せ(ミスト)などの冷却流体と接触させる冷却装置である。レーザ装置は、ガラスリボン12を、意図した切込み経路に亘って、レーザビームが入射したガラスリボン12の狭い領域を加熱するレーザビームで、加熱する。加熱された経路を、次に冷却流体で冷却して、ガラスリボン12に切込みを生成する大きい張力を生成する。
実施形態において、ガラスシート154をガラスリボン12から分離する工程は、ガラスリボン12が水平面28から、15インチ(約38cm)、20インチ(約51cm)、25インチ(約64cm)、30インチ(約76cm)、35インチ(約89cm)、40インチ(約102cm)、45インチ(約114cm)、50インチ(約127cm)、55インチ(約140cm)、60インチ(約152cm)、65インチ(約165cm)、70インチ(約178cm)、75インチ(約191cm)、80インチ(約203cm)、85インチ(約216cm)、90インチ(約229cm)、95インチ(約241cm)、または、100インチ(約254cm)など、15インチ(約38cm)から100インチ(約254cm)か、若しくは、これらの値の任意の2つを含む任意の範囲(例えば、25インチ(約64cm)から50インチ(約127cm))の時に行われる。方法152が、ガラスリボン12をガラス転移点より低い温度まで冷却し、ガラスシート154を、ガラスリボン12から、水平面28から100インチ(約254cm)以下の範囲内で分離することが可能なことは、ゆっくりであるアニール処理を用いて応力を最小にするようにした場合と比べて、実質的に異なり有利な結果となる。方法152は、結果的に、ガラスリボン12を、5℃/秒から25℃/秒の平均速度で冷却し、それは、ゆっくりで長い時間を要するアニール処理を用いた場合と比べて非常に速い。結果的に、方法152は、有利なことに、ゆっくりであるアニール処理を用いた場合より、必要な空間が非常に小さい。ゆっくりであるアニール処理は、垂直方向の設置上の制限に対処するために、ガラスリボン12を水平方向に1回以上曲げる必要がありうる。本明細書に記載の方法152は、ガラスシート154を分離する前にガラスリボン12を冷却するのに、12フィート(約366cm)(または、5フィート(約152cm)未満)の垂直高さを必要とするので、ガラスリボン12を水平方向に曲げる必要がない。
したがって、方法152により製造されたガラスシート154は、ゆっくりであるアニール処理により製造されたガラスシートより高い仮想温度を有する。「仮想温度」は、ガラスの構造的状態を示すのに用いる概念である。高温から急速に冷却したガラスは、より高い温度で「凍結された」構造なので、より高い仮想温度を有すると言われる。ゆっくりと冷却された、または、ある時間、アニール点の近くで保持することによってアニールされたガラスは、より低い仮想温度を有すると言われる。
熱安定性または寸法変化とも称されるコンパクションは、ガラス基板の不可逆的寸法変化(収縮)である。方法152により製造されたガラスシート154は、ゆっくりとアニールされたガラスリボン12から製造されたガラスシート154より、高いコンパクションを有し易い。
ガラスシート154は、ガラスシート154の2つの主面180の間の距離として定義された厚さ178(図13を参照)を有し、それは、コンパクションにより、ガラスシート154を分離したガラスリボン12の厚さより、僅かに薄いものでありうる。望ましい厚さ146を有するガラスリボン12を形成することができること、したがって、望ましい厚さ178を有するガラスシート154を形成することができることは、1対の成形ローラ14の回転速度に依存する。実施形態において、ガラスシート154は、0.1mm、0.11mm、0.25mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2.0mm、2.1mm、2.2mm、2.3mm、2.4mm、2.5mm、2.6mm、2.7mm、2.8mm、2.9mm、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、5.5mm、6.0mm、6.5mm、7.0mm、7.5mm、8.0mm、8.5mmなど、0.1mmから8.5mmか、若しくは、これらの値の任意の2つを含む任意の範囲(例えば、0.7mmから2.0mm、0.1mmから3.0mmなど)の厚さ178を有する。厚さ178を、カリパスを用いて測定しうる。
実施形態において、20mmから80mmの外径22を有する成形ローラ14を用いることで、結果的に、そこからガラスシート154を分離するガラスリボン12を生成し、そのガラスシート154の厚さ178は、0.1mmから3.0mm(0.1mmから1.0mmなど)である。
方法152により製造されたガラスシート154は、許容可能な低い反り、および、全厚さ変化を有する。実施形態において、ガラスシート154は、50μm以下、25μm以下、15μm以下、0.01から100μm、0.01μmから50μm、0.01μmから25μm、0.01μmから15μm、0.01μm、0.1μm、0.5μm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、11μm、12μm、13μm、14μm、15μm、25μm、50μm、または、100μmなど、100μm以下か、若しくは、これらの値の任意の2つを含む任意の範囲(例えば、1μmから50μm)の反りを有する。ASTM F1390に記載されているように、「反り」は、基準面から中間面の距離の最大値と最小値の差を称する。ASTM F1390に記載の中間面は、ガラスシート154の内側の「仮想」面であり、ガラスシート154の両方の主面180から等距離であると推定される。ASTM F1390を、参照により、本明細書に組み込むものとする。
実施形態において、ガラスシート154は、50μm以下、25μm以下、0.01μmから100μm、0.01μmから50μm、0.01μmから25μm、0.1μm、0.5μm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、11μm、12μm、13μm、14μm、15μm、16μm、17μm、18μm、19μm、20μm、21μm、22μm、23μm、24μm、25μm、50μm、または、100μmなど、100μm以下か、若しくは、これらの値の任意の2つを含む任意の範囲(例えば、4μmから50μm)の全厚さ変化を有する。本明細書で用いるように、「全厚さ変化」は、自由な留められていない状態のガラスシート154の最大厚さと最小厚さの差を称する。
実施形態において、ガラスシート154の横縁部と横縁部の間の幅182は、15mm、25mm、50mm、100mm、110mm、120mm、130mm、140mm、150mm、160mm、170mm、180mm、190mm、200mm、210mm、220mm、230mm、240mm、250mm、260mm、270mm、280mm、290mm、300mm、310mm、320mm、330mm、340mm、350mm、375mm、400mm、425mm、450mm、475mm、または、500mmなど、15mmから500mmの範囲か、若しくは、これらの値の任意の2つを含む任意の範囲(例えば、50mmから400mm)である。実施形態において、横縁部は、平行で、長さ184で延伸する。
実施例1
実施例1について、2つのガラスリボンを、2つの異なる組の成形ローラである4インチ(約101mm)の外径を有する第1の組、および、2インチ(約51mm)の外径を有する第2の組を用いて形成した。単一の管出口供給装置を用いて、溶融ガラスの流れを成形ローラの組の間の間隙に供給して、溶融ガラスのパドルを形成した。同じ流量の溶融ガラスを各成形ローラの組に送出した。溶融ガラスのパドルの幅または高さを調節するための堰部を用いなかった。
4インチ(約101mm)の外径を有する成形ローラの組を用いて、6.1mmの厚さ、および、89mmの幅を有するガラスリボンを製造した。2インチ(約51mm)の外径を有する成形ローラの組、および、同じ流量の溶融ガラスを用いて、(i)4.6mmの薄い厚さ、および、106mmの僅かに広い幅を有するガラスリボンを製造し、更に、(ii)6.1から6.7mmの略同じ厚さで、140mmの広い幅を有するガラスリボンを製造した。この例は、概して、所定の流量について、成形ローラの外径が減少すると、ガラスリボンの幅は増加し、ガラスリボンの厚さは減少することを示している。
比較例2
比較例2について、単一の管出口供給装置を用いて、溶融ガラスの流れを成形ローラの間の間隙に供給して、溶融ガラスのパドルを形成した。溶融ガラスの流れは、10ポアズの粘度、および、1140℃の温度を有するものである。溶融ガラスのパドルの幅または高さを調節するための堰部を用いなかった。成形ローラは、ガラスリボンを、溶融ガラスのパドルから形成した。水平方向温度プロファイルを、1対の成形ローラの回転軸を通って延伸する水平面の下方のいくつかの垂直位置で測定した。図16に、水平方向温度プロファイル測定グラフを再現した。グラフ上の両方の線データは、ガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に取得した水平方向温度プロファイル測定値に対応する。
グラフの上側の線は、成形ローラの回転軸を通って延伸する水平面の近くで(つまり、そこから約2インチ(約5cm)で)取得した水平方向温度プロファイル測定値に対応する。上側の線を左から右へ読むと、左側横縁部の近くで700℃より高い最高温度であることを示している。水平方向に右に向かって、温度は急速に低下して、ガラスリボンの左側横縁部と中心部の間で、約640℃の最低温度になる。次に、温度は、ガラスリボンの中心部に向かって上昇し、中心部は、約670℃の温度を有していた。次に温度は、右側に向かって低下して、約640℃の局所最低温度になり、次に、右側横縁部へと再び上昇し、690℃より高い局所最高温度になる。これは、中心部の左側までの水平方向温度変化が約60℃であり、中心部の右側までの水平方向温度変化が約50℃であることを表している。
下側の線は、ガラスリボンの更に下方で(つまり、水平面から約6インチ(約15cm)で)取得した水平方向温度測定値を表し、これも、同じ温度変化パターンであることを示している。左側横縁部は、600℃より高い最高温度を有していた。右に向かって、温度は、低下して、左側横縁部の近くで、570℃より低く、次に、上昇して、中心部で、約590℃で、次に、再び低下して、右側横縁部の近くで570℃より低く、次に再び上昇して、右側横縁部で、590℃より高かった。これは、中心部の左側までの水平方向温度変化が約30℃であり、中心部の右側までの水平方向温度変化が約20℃であることを表している。
コンピュータでモデル化して、単一の管出口を用いて溶融ガラスをローラの間の間隙に供給することで、ガラスリボンに亘って、水平方向温度変化が広くなる理由を考察した。図17に再現したモデル化の結果は、溶融ガラスのパドルは、横縁部と比べて中心部で高く、したがって、溶融ガラスのパドルの中心部からの溶融ガラスは、横縁部での溶融ガラスより、ローラとの接触が大きいことを示している。ローラとの接触が大きいことで、溶融ガラスのパドルの中心部を、横縁部より冷却する。したがって、ガラスリボンの横縁部は、ガラスリボンの中心部より高い温度を有する。
ガラス転移点より低い温度まで冷却した後に、ガラスリボンからガラスシートを分離しようとして、ガラスリボンに切込みを入れると、ガラスリボンは破損した。図18は、破損したガラスリボンの画像を再現したものである。理論に縛られるわけではないが、上記のように、ガラスリボンに亘る水平方向温度変化、および、ガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に急冷しすぎることにより、ガラス転移点まで冷却した後に、ガラスリボンが破損せずに耐えるには高すぎる内部応力が残留したものと仮説を立てる。
比較例3
比較例3について、単一の管出口供給装置を用いて、溶融ガラスの流れを成形ローラの間の間隙に供給して、溶融ガラスのパドルを形成した。成形ローラがガラスリボンを溶融ガラスのパドルから形成する時に、成形ローラの外側円筒表面を冷却するために何も行わなかった。その結果、図19に再現したグラフが示すように、大きな厚さ変化を有するガラスリボンを形成した。特に、横縁部で測定したガラスリボンの厚さは、約1.75mm以上で、一方、中心部で測定したガラスリボンの厚さは、1.5mmの薄さだった。
比較例4および実施例5
比較例4について、単一の管出口供給装置を用いて、溶融ガラスの流れを成形ローラの間の間隙に供給して、溶融ガラスのパドルを形成した。溶融ガラスのパドルの幅または高さを調節するための堰部を用いなかった。成形ローラは、ガラスリボンを、溶融ガラスのパドルから形成した。ガラスリボンがガラス転移点まで冷却する前に、水平方向温度プロファイルを、1対の成形ローラの回転軸を通って延伸する水平面の下方の位置で測定した。図20に、水平方向温度プロファイル測定グラフを再現した。ガラスリボンは、横縁部で最高温度であり、約805℃であると測定された。ガラスリボンは、中心部内で最低温度であり、約735℃であると測定された。したがって、ガラスリボンの水平方向温度変化は、約70℃だった。
実施例5について、第2の管出口を用いて冷却気体(具体的には、空気)をガラスリボンの第2の横縁部に吹き付けた以外は、比較例4についてガラスリボンを形成したのと同じ状況だった。ガラスリボンがガラス転移点まで冷却する前に、水平方向温度プロファイルを、1対の成形ローラの回転軸を通って延伸する水平面の下方の水平位置で測定した。図21に、水平方向温度プロファイル測定グラフを再現した。(更なる比較を可能にするために)冷却気体を第1の横縁部には吹き付けないので、ガラスリボンは、第1の横縁部で最高温度であり、約805℃であると測定された。ガラスリボンは、中心部で最低温度であり、約740℃であると測定された。第2の横縁部では局所最高温度を生じるが、吹き付けられた冷却気体が第2の横縁部を冷却するので、760℃より低いと測定された。冷却気体を、ガラスリボンの第2の横縁部に吹き付けることで、ガラスリボンの第2の横縁部の温度は、第1の横縁部と比べて、約45℃低下した。更に、中心部と第2の横縁部の間の水平方向温度変化は、約20℃であり、一方、中心部と第1の横縁部の間の水平方向温度変化は、約55℃だった。したがって、冷却気体をガラスリボンの横縁部に吹き付けることで、ガラスリボンの水平方向温度変化を削減することを示している。更に、冷却気体をガラスリボンの第2の横縁部に吹き付けることで、ガラスリボンの第2の横縁部の厚さ変化を、中心部と比べて削減した。
実施例6
実施例6について、単一の管出口供給装置を用いて、溶融ガラスの流れを成形ローラの間の間隙に供給して、溶融ガラスのパドルを形成した。溶融ガラスのパドルの幅または高さを調節するための堰部を用いなかった。成形ローラは、ガラスリボンを、溶融ガラスのパドルから形成した。1対のピンチローラを用いて、ガラスリボンの第2の横縁部の厚さを減少させたが、ガラスリボンの第1の横縁部の厚さは減少させなかった。1対のピンチローラは、ガラスリボンの第2の横縁部での厚さを、3mmから2.26mmまで薄くした。ガラスリボンの第2の横縁部の近くでの厚さは、約2.2mmだった。ガラスリボンのいくつかの部分の厚さは、1.9mmまで薄くなった。
1対のピンチローラがガラスリボンの第2の横縁部の厚さを減少させる前に、水平方向温度プロファイルを、水平位置で測定した。1対のピンチローラがガラスリボンの第2の横縁部の厚さを減少させた後に、水平方向温度プロファイルを、より低い位置で再び測定した。図22に、水平方向温度プロファイル測定グラフを再現した。1対のピンチローラが第2の横縁部の厚さを減少させる前に、第2の横縁部は、約790℃の温度を有し、一方、中心部は、730℃より低い温度を有し、水平方向温度変化は、60℃より大きかった。1対のピンチローラが第2の横縁部の厚さを減少させた後に、第2の横縁部は、約745℃の温度を有し、一方、中心部は、約705℃の温度を有し、水平方向温度変化は、約40℃だった。したがって、第2の横縁部の厚さを減少させることで、水平方向温度変化を、約20℃削減した。第1の横縁部は、約775℃の温度を有し、それは、第2の横縁部が1対のピンチローラに接触した後より、約30℃高かった。ガラスリボンは、横縁部で最高温度であり、約805℃であると測定された。ガラスリボンは、中心部内で最低温度であり、約735℃であると測定された。したがって、ガラスリボンの水平方向温度変化は、約70℃だった。
比較例7および実施例8
比較例7と実施例8の両方について、単一の管出口供給装置を用いて、溶融ガラスの流れを成形ローラの間の間隙に供給して、溶融ガラスのパドルを形成した。溶融ガラスのパドルの幅または高さを調節するための堰部を用いなかった。成形ローラは、ガラスリボンを、溶融ガラスのパドルから形成した。比較例7を用いて、ガラスリボンの主面と対向するように配置された熱損失削減要素はなく、ガラスリボンを制限されることなく冷却可能にした。実施例8を用いて、断熱基材の形態の熱損失削減要素を、ガラスリボンの両方の主面と対向するように配置し、図25に示すように、断熱基材は中心に配置されて、ガラスリボンの横縁部は露出するが、中心部は断熱されるようにした。
比較例7と実施例8の両方について、水平方向温度プロファイルを、2つの垂直位置‐断熱基材の底部のすぐ下の第1の水平位置、および、それより低く、ガラスリボンの温度がガラス転移点に近づく位置に近い第2の水平位置で測定した。水平方向温度プロファイルを、比較例7については図23に、実施例8については図24に、グラフで再現している。比較例7において、熱損失削減要素を用いないことで、結果的に、ガラスリボンがガラス転移点に近づく時に実質的な水平方向温度変化が増加した。より具体的には、ガラスリボンの第1の横縁部は、第1の水平方向温度プロファイル測定値で、約606℃の温度を有し、一方、中心部は、約574℃の温度を有し、水平方向温度変化は、約32℃だった。より低い位置での水平方向温度プロファイル測定値では、第1の横縁部は、約516℃の温度を有し、一方、中心部は、約470℃の温度を有し、水平方向温度変化は、約46℃だった。
これと反対に、実施例8において、断熱基材の形態の2つの熱損失削減要素を用い、一方の断熱基材は、ガラスリボンの一方の主面の中心部と対向し、第2の断熱基材は、ガラスリボンの他方の主面の中心部と対向して、横縁部の温度を、中心部と略等しくした。上方での水平方向温度プロファイル測定値では、中心部が約612℃の最高温度を有し、一方、約604℃の最低温度は、ガラスリボンの第2の横縁部においてではなく、その近くでの温度だった。ガラスリボンがガラス転移点に近づく時に、水平方向の温度は、均一になり続けた。下方での水平方向温度プロファイル測定値では、第1の横縁部が約526℃の最高温度を有し、一方、約518℃の最低温度は、ガラスリボンの中心部での温度だった。中心部から第2の横縁部までの水平方向温度変化は、4℃未満だった。図26の写真に再現されているように、実施例8において、ガラスシートをガラスリボンから、ガラスリボンを破損することなく分離することが可能だった。
実施例9
実施例9について、単一の管出口供給装置を用いて、溶融ガラスの流れを成形ローラの間の間隙に供給して、溶融ガラスのパドルを形成した。溶融ガラスの流れの質量流量を変えて、溶融ガラスのパドルの高さを変化させ、それは、堰部を用いて溶融ガラスのパドルの高さを制御するのに近似している。成形ローラは、ガラスリボンを溶融ガラスのパドルから形成した。最初は、溶融ガラスの流れの質量流量は、比較的大きく、したがって、溶融ガラスのパドルは、比較的高かった。次に、パドルが比較的高い時に形成されるガラスリボンについて、水平方向温度プロファイルを特定した。図26に再現したグラフ上で、この水平方向温度プロファイルには、「パドル高」と示している。水平方向温度変化は、約40℃を超えなかった。次に、溶融ガラスの流れの質量流量を、比較的小さくなるように変えて、したがって、溶融ガラスのパドルは、比較的低かった。次に、パドルが比較的低い時に形成されるガラスリボンについて、水平方向温度プロファイルを特定した。グラフ上で、この水平方向温度プロファイルには、「パドル低」と示している。水平方向温度変化は、約80℃までも大きかった。次に、溶融ガラスの流れの質量流量を、比較的低い質量流量と比較的高い質量流量の間になるように変えて、結果的に、溶融ガラスのパドルは、中間の高さを有するものとなった。次に、結果的に得られたガラスリボンについて、水平方向温度プロファイルを特定した。「パドル中間」シナリオについての水平方向温度プロファイルは、異なるシナリオの中で、最も小さい水平方向温度変化であることが分かった。「パドル中間」シナリオから生じる水平方向温度変化は、約10℃以下だった。
実施例10
実施例10について、一定の変化率の熱的歪(つまり、線形歪プロファイル)を、想定した600℃のガラス転移点を中心とした「硬化ゾーン」を通して実現するために、水平面からの距離の関数として、ガラスリボンの温度のコンピュータモデルを生成した。図27は、モデル化した結果を再現したグラフである。ガラスリボンがガラス転移点、つまり、650℃から550℃を通って転移する間に、ガラスリボンに沿って下方へと一定の変化率の熱的歪を実現するために、ガラスリボンを、水平面から約250mmから約350mmで温度が600℃より高い間は、比較的遅い速度で冷却する必要があり、次に、水平面から350mm以上で、温度が600℃より低い間は、比較的速く冷却する必要がある。尚、このモデルによれば、ガラスリボンは、650℃から600℃へ冷却するのに、約100mm(約250mmから約350mmまで)進むが、600℃から550℃へ冷却するのには、約75mm(約350mmから約425mmまで)だけ進むはずである。
比較例11および実施例12
比較例11および実施例12について、単一の管出口供給装置を用いて、溶融ガラスの流れを成形ローラの間の間隙に供給して、溶融ガラスのパドルを形成した。溶融ガラスのパドルの幅または高さを調節するための堰部を用いなかった。成形ローラは、ガラスリボンを、溶融ガラスのパドルから形成した。実施例12について(実施例8と同様で)、断熱基材の形態の熱損失削減要素を、ガラスリボンの両方の主面と対向するように配置し、断熱基材は中心に配置されて、ガラスリボンの横縁部は露出するが、中心部は断熱されるようにした。比較例11について、熱損失削減要素を用いずに、ガラスリボンを大気に曝して冷却した。ガラスリボンの温度を、赤外線カメラを介して、3つの位置(成形ローラを出る位置1、ガラスリボンが実施例12における断熱基材を通過する位置2、および、ガラスシートをガラスリボンから分離する前のリボンの更に下方の位置3)で測定した。図28は、記録した温度を、測定位置の関数として再現したグラフである。断熱基材は、結果的に、実施例12のガラスリボンを、比較例11のガラスリボンより遅い速度で冷却した。実施例12のガラスリボンは、位置2で、比較例11のガラスリボンの温度より、約40℃高い温度を有した。位置2から位置3までは、実施例12のガラスリボンは断熱基材と対向しないので、冷却速度(つまり、温度の低下)は、位置1から位置2までの冷却速度と比べて上昇した。位置1から位置2までの実施例12の冷却速度は、比較例11についての冷却速度より、線形に近い熱的歪プロファイルを生じた。
実施例13
実施例13について、分配供給装置を用いて、溶融ガラスの流れを成形ローラの間の間隙に供給して、溶融ガラスのパドルを形成した。溶融ガラスは、1.8の屈折率を有するガラスシートを形成するように構成された組成を有するものだった。堰部を用いて、堰部を用いない場合と比べて、溶融ガラスのパドルの高さを高くした。成形ローラは、ガラスリボンを、溶融ガラスのパドルから形成した。成形ローラは、104mmの外径の外側円筒表面を有した。成形ローラは、毎分0.8mの速度で回転した。熱損失削減要素を用いなかった。それでも、水平方向温度変化は、減少した。ガラスシートをガラスリボンから分離した。図29にガラスシートの写真を再現している。写真が示すように、ガラスシートは、内部破損を有さない。ガラスシートのプロファイルを、表面粗さ計を介して測定した。図30は、測定値のグラフを再現している。ガラスシートは、中心部で、1.4mmの厚さを有し、横縁部で、1.6mmの厚さを有し、130mmの幅、および、450mmの長さを有した。ガラスシートは、約200マイクロメートルの推定反り、および、約300マイクロメートルの全厚さ変化を有した。
実施例14
実施例14において、分配供給装置を用いて、溶融ガラスの流れを成形ローラの間の間隙に供給して、溶融ガラスのパドルを形成した。溶融ガラスは、1.8の屈折率を有するガラスシートを形成するように構成された組成を有するものだった。溶融ガラスは、10ポアズの粘度で送出された。堰部は、用いなかった。成形ローラは、ガラスリボンを、溶融ガラスのパドルから形成した。熱損失削減要素を用いなかった。ガラスシートを、ガラスリボンから分離した。
成形ローラの回転速度を、0.5m/分と1.0m/分の間で変化させ、外側円筒表面の外径を、70mmと110mmの間で変化させて、結果的に得られるガラスリボン(したがって、そこから分離したガラスシート)の厚さへの影響を特定した。成形ローラの間の間隙に送出される溶融ガラスの体積流量を、各手順について、比較的一定にした。図31に再現したグラフに示すように、0.5m/分の回転速度について、110mmの外径を有する成形ローラが1879μm(約1.9mm)の平均厚さを有するガラスリボンを形成し、一方、70mmの外径を有する成形ローラは、1601μm(約1.6mm)の平均厚さを有するガラスリボンを形成し、厚さは、約15%減少した。1.0m/分の回転速度について、110mmの外径を有する成形ローラは、1257μm(約1.3mm)の平均厚さを有するガラスリボンを形成し、一方、70mmの外径を有する成形ローラは、1102μm(約1.1mm)の平均厚さを有するガラスリボンを形成し、厚さは、約12%減少した。
更に、外径が小さい成形ローラが形成したガラスリボンは、外径が大きい成形ローラが形成したガラスリボンより、幅広くなった。これは、体積保存による結果である。成形ローラの任意の回転速度、および、成形ローラに送られる溶融ガラスの体積流量について、厚さの減少は、必然的に幅の増加になる。換言すれば、厚さと幅は、これらの条件下で、反比例する。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
ガラスシートの形成方法において、
ガラスリボンを、1対の成形ローラを用いて、溶融ガラスから形成する工程と、
前記ガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に、該ガラスリボンの水平方向温度変化を、該ガラスリボンの全幅の80パーセントに亘って、10℃以下に制御する工程と、
前記ガラスリボンが硬化ゾーン内を垂直に下方へと移動する間、該ガラスリボンの冷却速度を制御して、該ガラスリボンを前記ガラス転移点まで冷却する前に、該ガラスリボンが第1の平均冷却速度を有し、該ガラスリボンを該ガラス転移点まで冷却した後に、該ガラスリボンが第2の平均冷却速度を有するようにし、該第1の平均冷却速度は、該第2の平均冷却速度より低いものである工程と、
ガラスシートを前記ガラスリボンから分離する工程と
を含む方法。
実施形態2
前記1対の成形ローラの一方または両方のローラから熱を除去する工程を、
更に含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態3
前記1対の成形ローラの一方または両方のローラから熱を除去する工程は、
(i)熱交換流体を、該成形ローラの中に送り、該熱交換流体を前記成形ローラの外面と熱的に連通させる工程と、
(ii)前記成形ローラの前記外面の温度より低い温度を有する液体を、該外面に噴霧する工程と、
(iii)前記成形ローラを、液体冷却された金属ブラシと接触させる工程と、
(iv)前記成形ローラを、液体冷却されたライディングブロックと対向させる工程と
の1つ以上を含むものである、実施形態2に記載の方法。
実施形態4
前記ガラスリボンを前記ガラス転移点まで冷却する前に、該ガラスリボンの水平方向温度変化を、該ガラスリボンの全幅の80パーセントに亘って、5℃以下に制御する工程を、
更に含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載の方法。
実施形態5
前記ガラスリボンを前記ガラス転移点まで冷却する前に、該ガラスリボンの水平方向温度変化を、該ガラスリボンの全幅の90パーセントに亘って、10℃以下に制御する工程を、
更に含む、実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6
前記ガラスリボンを前記ガラス転移点まで冷却する前に、該ガラスリボンの水平方向温度変化を、該ガラスリボンの全幅に亘って、10℃以下に制御する工程を、
更に含む、実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
実施形態7
前記1対の成形ローラが前記ガラスリボンを前記溶融ガラスから形成する工程の前に、該溶融ガラスを、供給装置の内部室に供給する工程であって、該供給装置は底面部を該内部室の下方に含むものである工程と、
前記溶融ガラスを、前記供給装置の前記内部室から、前記底面部を通って、前記1対の成形ローラを隔てる間隙の中に供給する工程と
を更に含む、実施形態1から6のいずれか1つに記載の方法。
実施形態8
前記供給装置の前記内部室の中の前記溶融ガラスと熱的に連通した該供給装置の各複数の加熱要素からの熱出力を個々に制御する工程を、
更に含む、実施形態7に記載の方法。
実施形態9
前記ガラスリボンを前記ガラス転移点まで冷却する前に該ガラスリボンの前記水平方向温度変化を制御する工程は、該ガラスリボンの横縁部からの熱損失を、該横縁部の間に配置された該ガラスリボンの中心部と比べて増加させる工程を含むものである、実施形態1から8のいずれか1つに記載の方法。
実施形態10
前記ガラスリボンの前記横縁部からの前記熱損失を、該横縁部の間に配置された該ガラスリボンの前記中心部と比べて増加させる工程は、冷却気体を該横縁部に吹き付ける工程を含むものである、実施形態9に記載の方法。
実施形態11
前記ガラスリボンは、概して反対方向を向いた2つの主面の間の厚さを有するものであり、
前記ガラスリボンの前記横縁部からの前記熱損失を、該横縁部の間に配置された該ガラスリボンの前記中心部と比べて増加させる工程は、該ガラスリボンの前記厚さを、該ガラスリボンの該横縁部で減少させる工程を含むものである、実施形態9に記載の方法。
実施形態12
前記ガラスリボンの前記厚さを、該ガラスリボンの前記横縁部で減少させる工程の前に、該ガラスリボンの該横縁部での該厚さは、該ガラスリボンの前記中心部での厚さより少なくとも0.5mm厚いものであり、
前記ガラスリボンの前記厚さを、該ガラスリボンの前記横縁部で減少させる工程の後には、該ガラスリボンの該横縁部での該厚さは、該ガラスリボンの前記中心部での前記厚さより0.1mm未満厚いものである、実施形態11に記載の方法。
実施形態13
前記ガラスリボンは、概して反対方向を向いた2つの主面の間の厚さを有するものであり、
前記ガラスリボンの前記横縁部からの前記熱損失を、該横縁部の間に配置された該ガラスリボンの前記中心部と比べて増加させる工程は、該ガラスリボンの該横縁部を、該ガラスリボンの該横縁部から熱を除去する対向するピンチローラと接触させる工程を含むものである、実施形態9に記載の方法。
実施形態14
前記ガラスリボンを前記ガラス転移点まで冷却する前に該ガラスリボンの前記水平方向温度変化を制御する工程は、該ガラスリボンの横縁部の間に配置された該ガラスリボンの中心部での熱損失を、該ガラスリボンの該横縁部と比べて削減する工程を含むものである、実施形態1から13のいずれか1つに記載の方法。
実施形態15
前記ガラスリボンの前記中心部の前記熱損失を、該ガラスリボンの前記横縁部と比べて削減する工程は、熱損失削減要素を、該ガラスリボンの各主面の前記中心部で対向させるが、該ガラスリボンの該横縁部では対向させない工程を含むものである、実施形態14に記載の方法。
実施形態16
前記熱損失削減要素は、断熱基材を含むものである、実施形態15に記載の方法。
実施形態17
前記熱損失削減要素は、加熱要素を含むものである、実施形態15に記載の方法。
実施形態18
前記1対の成形ローラが前記ガラスリボンを形成する前に、溶融ガラスの流れを、供給装置から、該1対の成形ローラを隔てる間隙の中に供給する工程を、
更に含み、
前記1対の成形ローラの各成形ローラは、回転軸を有し、該回転軸は、互いに平行であり、
前記間隙は、前記回転軸の両方を通って延伸する水平面において、最小距離を有し、
前記溶融ガラスの流れは、前記水平面の垂直方向上方の前記供給装置から出て、該水平面の上方で、溶融ガラスのパドルを前記1対の生成ローラの間の前記間隙の中に形成し、
前記溶融ガラスのパドルは、前記回転軸に平行な幅、および、前記水平面からの高さを有するものであり、
前記ガラスリボンを前記ガラス転移点まで冷却する前に該ガラスリボンの前記水平方向温度変化を制御する工程は、前記溶融ガラスのパドルの前記水平面からの高さを増加させる工程を含むものである、実施形態1から17のいずれか1つに記載の方法。
実施形態19
前記水平面の上方に配置された移動自在堰部は、前記1対の成形ローラと協働して、前記溶融ガラスのパドルの前記幅を制限し、
前記溶融ガラスのパドルの前記水平面からの前記高さを増加させる工程は、一方または両方の前記移動自在堰部を、他方の該移動自在堰部に近づくように移動する工程を含むものである、実施形態18に記載の方法。
実施形態20
前記ガラスリボンを前記ガラス転移点より50℃高い温度から該ガラス転移点まで冷却する間、該ガラスリボンを、前記第1の平均冷却速度で冷却し、
前記ガラスリボンを前記ガラス転移点から該ガラス転移点より50℃低い温度まで冷却する間、該ガラスリボンを、前記第2の平均冷却速度で冷却するものである、実施形態1から19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態21
前記ガラスリボンが前記硬化ゾーン内を垂直に下方へと移動する間、該ガラスリボンの冷却速度を制御する工程は、該ガラスリボンの2つの各主面を熱損失削減要素と対向させる工程を含むものである、実施形態1から20のいずれか1つに記載の方法。
実施形態22
前記熱損失削減要素は、断熱基材を含むものである、実施形態21に記載の方法。
実施形態23
前記熱損失削減要素は、加熱要素を含むものである、実施形態21に記載の方法。
実施形態24
前記ガラスリボンを前記ガラス転移点まで冷却した後で、前記ガラスシートを該ガラスリボンから分離する前に、該ガラスリボンの前記主面を前記熱損失削減要素と対向させる工程を終了する工程を、
更に含む、実施形態21に記載の方法。
実施形態25
前記溶融ガラスは、0.01ポアズから3000ポアズの粘度を有するものである、実施形態1から24のいずれか1つに記載の方法。
実施形態26
前記ガラスシートは、1.7から3.0の屈折率を有し、
前記ガラスシートは、概して反対方向を向いた2つの主面、0.1mmから8.5mmである該2つの主面の間の厚さ、および、15mmから500mmである2つの横縁部の間の幅を有し、
前記ガラスシートは、100μm以下の反りを有し、
前記ガラスシートは、100μm以下の全厚さ変化を有するものである、実施形態1から25のいずれか1つに記載の方法。
実施形態27
前記1対の成形ローラが前記ガラスリボンを前記溶融ガラスから形成する前に、該溶融ガラスを、前記1対の成形ローラを隔てる間隙の中に供給する工程を、
更に含み、
前記溶融ガラスは、0.01ポアズから3000ポアズの粘度を有し、
前記1対の成形ローラの各成形ローラは、20mmから80mmの外径を有するものである、実施形態1から26のいずれか1つに記載の方法。
実施形態28
ガラスリボンのロール成形装置において、
間隙によって隔てられた1対の成形ローラであって、該各成形ローラは回転軸を有し、該回転軸は、互いに平行で、該間隙は、該回転軸の両方を通って延伸する水平面に沿って位置する最小距離を有し、該回転軸に平行な垂直面は、該間隙を通って延伸するものである1対の成形ローラと、
溶融ガラスの流れを前記間隙に供給する供給装置であって、前記1対の成形ローラの前記回転軸を通って延伸する前記水平面の垂直方向上方に配置され、内部室、底面部、および、該底面部を貫通して該内部室からの通路を提供するスロットを含むものである供給装置と、
1対の熱損失削減要素であって、1つの該熱損失削減要素が、前記1対の成形ローラの間の前記間隙を通って延伸する前記垂直面の各側に配置され、該各熱損失削減要素は、該1対の成形ローラの前記回転軸の両方を通って延伸する前記水平面の下方に配置されたものである1対の熱損失削減要素と
を含む装置。
実施形態29
前記供給装置は、更に、前記内部室と熱的に連通した複数の加熱要素を含み、該各複数の加熱要素は、個々に制御可能な熱出力を有するものである、実施形態28に記載の装置。
実施形態30
前記内部室の中で、および、前記スロットから該内部室を出る時に0.01ポアズから3000ポアズの粘度を有する溶融ガラスを、
更に含む、実施形態28または29に記載の装置。
実施形態31
前記各熱損失削減要素は、前記1対の成形ローラの前記回転軸に平行な幅を有し、
前記1対の成形ローラは、該1対の成形ローラの前記回転軸に平行な幅を有し、
前記各熱損失削減要素の前記幅は、前記1対の成形ローラの前記幅より狭いものである、実施形態28から30のいずれか1つに記載の装置。
実施形態32
前記水平面から下方へと延伸し、概して反対方向を向いた2つの主面を有し、該各主面は、一方の前記熱損失削減要素の平面と対向するものであるガラスリボンを、
更に含み、
前記ガラスリボンは、前記1対の成形ローラの前記回転軸に平行な幅を有するものであり、
前記各熱損失削減要素は、前記1対の成形ローラの前記回転軸に平行な幅を有し、該各熱損失削減要素の該幅は、前記ガラスリボンの前記幅より狭いものである、実施形態28から31のいずれか1つに記載の装置。
実施形態33
前記ガラスリボンの温度は、平均で、前記水平面から下方に向かう垂直距離の関数として、低下するものであり、
前記ガラスリボンは、ガラス転移点を有するものであり、
前記熱損失削減要素は、前記ガラスリボンの前記温度が前記ガラス転移点より高い時に、該ガラスリボンと対向するものであり、
前記熱損失削減要素は、前記ガラスリボンの前記温度が前記ガラス転移点より25℃以上低い時に、該ガラスリボンと対向しないものである、実施形態32に記載の装置。
実施形態34
前記ガラスリボンを前記ガラス転移点まで冷却する前に、該ガラスリボンを第1の平均冷却速度で冷却し、該ガラスリボンを該ガラス転移点まで冷却した後に、該ガラスリボンを第2の平均冷却速度で冷却し、該第1の平均冷却速度は、該第2の平均冷却速度より低いものである、実施形態32に記載の装置。
実施形態35
第1の横縁部冷却要素と、
第2の横縁部冷却要素と
を更に含み、
前記第1の横縁部冷却要素と前記第2の横縁部冷却要素の両方は、前記水平面の垂直方向下方に配置され、該第1の横縁部冷却要素は、前記1対の成形ローラによって形成された前記ガラスリボンの第1の横縁部の温度を低下させるように構成され、前記第2の横縁部冷却要素は、該ガラスリボンの第2の横縁部の温度を低下させるように構成されたものである、実施形態28から34のいずれか1つに記載の装置。
実施形態36
前記各熱損失削減要素は、断熱基材を含むものである、実施形態28から35のいずれか1つに記載の装置。
実施形態37
前記各熱損失削減要素は、加熱要素を含むものである、実施形態28から35のいずれか1つに記載の装置。
実施形態38
ガラスリボンのロール成形装置において、
1対の成形ローラであって、該各成形ローラは、互いに平行な回転軸、および、外側円筒表面を有し、該回転軸の両方を通って延伸する水平面に沿って位置する最小距離を有する間隙によって隔たれた1対の成形ローラと、
溶融ガラスの流れを、前記間隙の中に供給する供給装置であって、前記1対の成形ローラの前記回転軸を通って延伸する前記水平面の垂直方向上方に配置された供給装置と、
第1の横縁部冷却要素および第2の横縁部冷却要素であって、該第1の横縁部冷却要素と該第2の横縁部冷却要素の両方は、前記水平面の垂直方向下方に配置され、該第1の横縁部冷却要素は、前記ガラスリボンの第1の横縁部の温度を低下させるように構成され、該第2の横縁部冷却要素は、該ガラスリボンの第2の横縁部の温度を低下させるように構成されたものである第1の横縁部冷却要素および第2の横縁部冷却要素と、
前記水平面の上方に配置されて、前記外側円筒表面と協働して、溶融ガラスを保持するように構成された1対の堰部であって、該1対の堰部の一方または両方の堰部が、該1対の堰部の他方の堰部に近づくように、および、離れるように横方向に移動自在な1対の堰部と
を含む装置。
実施形態39
前記第1の横縁部冷却要素は、前記垂直面と平行に、冷却気体を前記ガラスリボンの前記第1の横縁部に吹き付けるように構成された第1の管出口を含むものであり、
前記第2の横縁部冷却要素は、前記垂直面と平行に、冷却気体を前記ガラスリボンの前記第2の横縁部に吹き付けるように構成された第2の管出口を含むものである、実施形態38に記載の装置。
実施形態40
前記第1の横縁部冷却要素は、前記ガラスリボンの前記第1の横縁部と隣接した第1の放射吸収要素を含むものであり、
前記第2の横縁部冷却要素は、前記ガラスリボンの前記第2の横縁部と隣接した第2の放射吸収要素を含むものである、実施形態38に記載の装置。
実施形態41
前記第1の放射吸収要素は、該第1の放射吸収要素の内側を通って流れる冷却流体を受け付けて、前記ガラスリボンの前記第1の横縁部から熱を除去するように構成されたものであり、
前記第2の放射吸収要素は、該第2の放射吸収要素の内側を通って流れる冷却流体を受け付けて、前記ガラスリボンの前記第2の横縁部から熱を除去するように構成されたものである、実施形態40に記載の装置。
実施形態42
前記第1の横縁部冷却要素は、前記1対の成形ローラの前記回転軸を通って延伸する前記水平面の垂直方向下方に配置された第1の対のピンチローラを含み、該第1の対のピンチローラの一方のローラは、該1対の成形ローラの間の前記間隙を通って延伸する前記垂直面の片側に位置し、該第1の対のピンチローラの他方のローラは、該垂直面の反対側に位置し、該第1の対のピンチローラは、前記ガラスリボンの厚さを該ガラスリボンの前記第1の横縁部で減少させるように構成され、
前記第2の横縁部冷却要素は、前記1対の成形ローラの前記回転軸を通って延伸する前記水平面の垂直方向下方に配置された第2の対のピンチローラを含み、該第2の対のピンチローラの一方のローラは、該1対の成形ローラの間の前記間隙を通って延伸する前記垂直面の片側に位置し、該第2の対のピンチローラの他方のローラは、該垂直面の反対側に位置し、該第2の対のピンチローラは、前記ガラスリボンの厚さを該ガラスリボンの前記第2の横縁部で減少させるように構成されたものである、実施形態38から41のいずれか1つに記載の装置。
実施形態43
前記第1の対のピンチローラは、更に、前記ガラスリボンの前記第1の横縁部から熱を除去するように構成され、
前記第2の対のピンチローラは、更に、前記ガラスリボンの前記第2の横縁部から熱を除去するように構成されたものである、実施形態42に記載の装置。
実施形態44
前記1対の堰部の各堰部は、
前記1対の成形ローラの一方のローラの前記外側円筒表面と形状が一致する第1の輪郭表面と、
前記1対の成形ローラの他方のローラの前記外側円筒表面と形状が一致する第2の輪郭表面と
を含むものである、実施形態38から43のいずれか1つに記載の装置。
実施形態45
前記1対の堰部の間に前記水平面に沿って配置され、該水平面からの高さを有する溶融ガラスを、
更に含み
前記1対の堰部の少なくとも一方の堰部は、(i)該1対の堰部の他方の堰部から第1の距離で離間した第1の配置と、(ii)該1対の堰部の該他方の堰部から第2の距離で離間した第2の配置の間で移動するように構成され、該第2の距離は該第1の距離より短いものであり、
前記1対の堰部の前記少なくとも一方の堰部が、前記第1の配置から前記第2の配置に移動するにつれて、前記溶融ガラスの前記水平面からの高さは増加するものである、実施形態38から44のいずれか1つに記載の装置。
実施形態46
前記1対の成形ローラの前記回転軸の両方を通って延伸する前記水平面の垂直方向下方に配置された1対の熱損失削減要素を、
更に含み、
一方の前記熱損失削減要素は、前記1対の成形ローラの間の前記間隙を通って延伸する前記垂直面の片側に位置し、他方の該熱損失削減要素は、該垂直面の反対側に位置するものである、実施形態38から45のいずれか1つに記載の装置。
実施形態47
前記各熱損失削減要素は、断熱基材を含み、
前記各断熱基材は、前記垂直面と対向する平面を有し、
前記各断熱基材は、前記ガラスリボンの主面に、該ガラスリボンの横縁部ではなく、ガラスリボンの中心部において対向するように構成されたものである、実施形態46に記載の装置。
実施形態48
前記各熱損失削減要素は、加熱要素を含むものである、実施形態46に記載の装置。
実施形態49
前記1対の成形ローラの前記回転軸を通って延伸する前記水平面の垂直方向上方に配置されて、溶融ガラスの流れを前記間隙の中に供給する供給装置を、
更に含み、
前記供給装置は、内部室、底面部および該底面部から上方へ延伸する側面部であって、該内部室を画定する該底面部および該側面部、並びに、該底面部を貫通して該内部室から該分配供給装置を出る通路を提供するスロットを含むものである、実施形態38から48のいずれか1つに記載の装置。
実施形態50
前記1対の成形ローラの各ローラは、20mmから600mmの外径を有するものである、実施形態38から49のいずれか1つに記載の装置。
実施形態51
(i)前記成形ローラの少なくとも一方の中に配置されて、該成形ローラの外面と熱的に連通した冷却液の通路を提供する熱交換部と、
(ii)冷却液を、前記成形ローラの前記外面に噴霧するように構成された噴霧部と、
(iii)前記成形ローラの前記外面と接触する液体冷却された金属ブラシと、
(iv)前記成形ローラの前記外面と対向する液体冷却されたライディングブロックと
の少なくとも1つを更に含む、実施形態38から50のいずれか1つに記載の装置。
実施形態52
前記間隙に配置され、0.01ポアズから3000ポアズの粘度を有する溶融ガラスの流れを、
更に含む、実施形態38から51のいずれか1つに記載の装置。
実施形態53
ガラスリボンの形成方法において、
0.01ポアズから3000ポアズの粘度を有する溶融ガラスを、1対の成形ローラを隔てる間隙の中に供給する工程を、
含み、
前記1対の成形ローラの各ローラは、20mmから80mmの外径を有するものである方法。
実施形態54
ガラスリボンを、前記溶融ガラスから形成する工程を、
更に含む、実施形態53に記載の方法。
実施形態55
前記ガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に、該ガラスリボンの水平方向温度変化を、該ガラスリボンの全幅の80パーセントに亘って、10℃以下に制御する工程を、
更に含む、実施形態54に記載の方法。
実施形態56
前記ガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に、該ガラスリボンの水平方向温度変化を、該ガラスリボンの全幅の80パーセントに亘って、5℃以下に制御する工程を、
更に含む、実施形態55に記載の方法。
実施形態57
前記ガラスリボンが硬化ゾーン内を垂直に下方へと移動する間、該ガラスリボンの冷却速度を制御して、該ガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に、該ガラスリボンが第1の冷却速度を有し、該ガラスリボンを該ガラス転移点まで冷却した後に、該ガラスリボンが第2の冷却速度を有するようにする工程を、
更に含み、
前記第1の冷却速度は、前記第2の冷却速度より低いものである、実施形態54に記載の方法。
実施形態58
前記ガラスリボンが前記硬化ゾーン内を垂直に下方へと移動する間、該ガラスリボンの冷却速度を制御する工程は、該ガラスリボンの2つの各主面を熱損失削減要素と対向させる工程を含むものである、実施形態57に記載の方法。
実施形態59
ガラスシートは、100μm以下の反りを有し、
前記ガラスシートは、100μm以下の全厚さ変化を有し、
前記ガラスシートは、0.1mmから3.0mmの厚さを有するものである、実施形態53から58のいずれか1つに記載の方法。
12 ガラスリボン
14 成形ローラ
24 間隙
36 供給装置
52 熱損失削減要素
62a-b ピンチローラ
86 堰部
110 冷却流体
120 金属ブラシ
122 ライディングブロック

Claims (10)

  1. ガラスシートの形成方法において、
    ガラスリボンを、1対の成形ローラを用いて、溶融ガラスから形成する工程と、
    前記ガラスリボンをガラス転移点まで冷却する前に、該ガラスリボンの水平方向温度変化を、該ガラスリボンの全幅の80パーセントに亘って、10℃以下に制御する工程と、
    前記ガラスリボンが硬化ゾーン内を垂直に下方へと移動する間、該ガラスリボンの冷却速度を制御して、該ガラスリボンを前記ガラス転移点まで冷却する前に、該ガラスリボンが第1の平均冷却速度を有し、該ガラスリボンを該ガラス転移点まで冷却した後に、該ガラスリボンが第2の平均冷却速度を有するようにし、該第1の平均冷却速度は、該第2の平均冷却速度より低いものである工程と、
    ガラスシートを前記ガラスリボンから分離する工程と
    を含む方法。
  2. 前記1対の成形ローラの一方または両方のローラから熱を除去する工程を、
    更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記1対の成形ローラの一方または両方のローラから熱を除去する工程は、
    (i)熱交換流体を、該成形ローラの中に送り、該熱交換流体を前記成形ローラの外面と熱的に連通させる工程と、
    (ii)前記成形ローラの前記外面の温度より低い温度を有する液体を、該外面に噴霧する工程と、
    (iii)前記成形ローラを、液体冷却された金属ブラシと接触させる工程と、
    (iv)前記成形ローラを、液体冷却されたライディングブロックと対向させる工程と
    の1つ以上を含むものである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ガラスリボンを前記ガラス転移点まで冷却する前に、該ガラスリボンの水平方向温度変化を、該ガラスリボンの全幅の80パーセントに亘って、5℃以下に制御する工程を、
    更に含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記1対の成形ローラが前記ガラスリボンを前記溶融ガラスから形成する工程の前に、該溶融ガラスを、供給装置の内部室に供給する工程であって、該供給装置は底面部を該内部室の下方に含むものである工程と、
    前記溶融ガラスを、前記供給装置の前記内部室から、前記底面部を通って、前記1対の成形ローラを隔てる間隙の中に供給する工程と
    を更に含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記供給装置の前記内部室の中の前記溶融ガラスと熱的に連通した該供給装置の各複数の加熱要素からの熱出力を個々に制御する工程を、
    更に含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ガラスリボンを前記ガラス転移点まで冷却する前に該ガラスリボンの前記水平方向温度変化を制御する工程は、該ガラスリボンの横縁部からの熱損失を、該横縁部の間に配置された該ガラスリボンの中心部と比べて増加させる工程を含むものである、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記ガラスリボンの前記横縁部からの前記熱損失を、該横縁部の間に配置された該ガラスリボンの前記中心部と比べて増加させる工程は、冷却気体を該横縁部に吹き付ける工程を含むものである、請求項7に記載の方法。
  9. ガラスリボンのロール成形装置において、
    間隙によって隔てられた1対の成形ローラであって、該各成形ローラは回転軸を有し、該回転軸は、互いに平行で、該間隙は、該回転軸の両方を通って延伸する水平面に沿って位置する最小距離を有し、該回転軸に平行な垂直面は、該間隙を通って延伸するものである1対の成形ローラと、
    溶融ガラスの流れを前記間隙に供給する供給装置であって、前記1対の成形ローラの前記回転軸を通って延伸する前記水平面の垂直方向上方に配置され、内部室、底面部、および、該底面部を貫通して該内部室からの通路を提供するスロットを含むものである供給装置と、
    1対の熱損失削減要素であって、1つの該熱損失削減要素が、前記1対の成形ローラの間の前記間隙を通って延伸する前記垂直面の各側に配置され、該各熱損失削減要素は、該1対の成形ローラの前記回転軸の両方を通って延伸する前記水平面の下方に配置されたものである1対の熱損失削減要素と
    を含む装置。
  10. 前記供給装置は、更に、前記内部室と熱的に連通した複数の加熱要素を含み、該各複数の加熱要素は、個々に制御可能な熱出力を有するものである、請求項9に記載の装置。
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