JP2023548933A - 時計ケース用回転ベゼル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、時計ケースの回転ベゼル(10)に関し、ベゼルは、第一軸(A10)と、第一軸上に中心を取り、ベゼル(10)と時計ケースの胴部(3)との間の境界面(110)において、少なくとも1つの押圧要素(51)により作用されることが意図される、単一の円錐台状表面(1a)と、を含む。【選択図】 図4
Description
本発明は、時計ケース用回転ベゼルに関する。本発明はまた、当該回転ベゼルを含む、時計ケースに関する。本発明は最後に、当該時計ケースまたは当該回転ベゼルを含む、時計に関する。
特許文献1は、胴部の環状座部上に配置されるように、環状断面が最小化され、その表面範囲もまた最小化される、ベゼルデザインを開示する。このようなベゼルは、当該ベゼルの軸上に中心を取る、同一の半径上に配置された、割出手段と案内及びまたは制動手段を含む。これは、(胴部の環状座部上に配置される)螺旋戻しばねとベゼルの底面との境界面に配置されるリングの挿入と、当該ベゼル半径上のベゼルの底面上に配置された割出歯列と協働するよう、当該リングを通過する割出歯止めにより可能になる。当該解決策は完全に効率的であるものの、効率を更に改善することが可能である。
本発明の目的は、従来技術から既知のシステムを改善可能な、時計ケース用回転ベゼルを提供することである。具体的には、本発明は、単純で信頼性があり、半径方向体積が最小化された、回転ベゼルを提案する。
本発明にかかる回転ベゼルは、請求項1で定義される。
様々なベゼルの実施形態は、請求項2から5で定義される。
本発明にかかる時計ケースは、請求項6で定義される。
様々な時計ケースの実施形態は、請求項7から14で定義される。
本発明にかかる時計は、請求項15で定義される。
添付の図面は、例として、時計の2つの実施形態を図示する。
時計200の第一実施形態を、図1から5を参照して以下に説明する。
時計200は、例えば小型時計、具体的には腕時計である。
時計200は、外部環境から自身を保護するために、時計ケース100内に搭載されることが意図される、時計ムーブメントを含む。
時計ムーブメントは、電子式ムーブメントまたは機械式ムーブメント、とりわけ自動式ムーブメントであってもよい。
時計ケース100は、
- 胴部3と、
- ベゼル10と、
- 裏蓋部と、
- ガラス8と、
を含む。
- 胴部3と、
- ベゼル10と、
- 裏蓋部と、
- ガラス8と、
を含む。
ベゼルは回転ベゼルである、すなわち時計ケースの残部に対して、とりわけ自身が搭載される胴部3に対して、軸A10周りに回転可動なベゼルである。
胴部3には、特に図2で見ることができる環状座部3aが設けられる。当該座部3aは、内部にそれぞれ螺旋ばね61、62、63に搭載されたボールといった押圧要素51、52、53が配置される、異なるハウジング31、32、33を含む。当該座部3aはまた、内部でベゼル10の回転軸A10に平行または実質的に平行な軸A4上でシャフト4が旋回されるハウジング34を含む。
時計200のケース100用の回転ベゼル10は、
- 第一軸A10と、
- 第一軸A10に中心を取り、ベゼル10と胴部3との間の境界面110、とりわけベゼル10と胴部3の座部3aとの間の境界面110において、少なくとも1つの押圧要素51、52、53により作用されることが意図される、単一の円錐台状表面1aと、
を含む。
- 第一軸A10と、
- 第一軸A10に中心を取り、ベゼル10と胴部3との間の境界面110、とりわけベゼル10と胴部3の座部3aとの間の境界面110において、少なくとも1つの押圧要素51、52、53により作用されることが意図される、単一の円錐台状表面1aと、
を含む。
好ましくは、ベゼルは軸A10周りの回転形状または実質的に回転形状を有する。
第一実施形態において、ベゼル10は、例えば、
- ベゼルリング1と、
- 少なくとも1つの装飾要素2と、
を含む。
- ベゼルリング1と、
- 少なくとも1つの装飾要素2と、
を含む。
リング1は、
- 少なくとも1つの装飾要素2、特に宝石2を受けるために窪んだ、上面10bと、
- 円錐台状表面1aを有する、底面10aと、
を含む。
- 少なくとも1つの装飾要素2、特に宝石2を受けるために窪んだ、上面10bと、
- 円錐台状表面1aを有する、底面10aと、
を含む。
図4は、胴部3の環状座部3a上に形成されたハウジング31の軸A31を通過する、時計の半径方向断面を図示する。ボール51は、ばね61により、円錐台状表面1aに対して押圧される。このため、ボール51と円錐台状表面1aとの間に、点接触が形成される。これは有利には、それぞれ自身のばね62、63により円錐台状表面1aに対して弾性的に戻される他の押圧要素52、53についても適用される。ベゼル10の底表面10aに形成された円錐台状表面1aは、ここでは、ベゼル10の軸A10に中心を取る、第一半径R1上に配置される。
好ましくは、円錐台状表面1aは、軸A10の方向に沿ってまたは軸A10と共に配置されるベクトルzに対して、30°から80°の間の(円錐台状表面の頂点において半角である)角度αを形成する。慣例により、当該ベクトルzは、ケース100の底からケース100のガラスに向けられる。図示する第一実施形態において、円錐台状表面1aは、ベクトルzで定義される方向において、軸A10に接近するように、向けられる。換言すれば、当該単一の円錐台状表面1aは、ベゼルの上部に向けられた頂点を有する。ベゼルの上部は、ここでは、ベゼルの上面に、すなわちベゼルが胴部に搭載されたときのベゼルの可視面に対応する。換言すれば、単一の円錐台状表面の延長の円錐面の頂点は、ベゼルの可視面の上に位置される。
図5は、軸A4を通過する、時計の半径方向断面を図示する。シャフト4は、第一長手方向端部に配置される時計ムーブメントの第一作動部分4aと、第一長手方向端部と反対の第二長手方向端部に配置される第二部分4bとを含む。当該部分4bは、ベゼル10のリング1の作動要素1bにより作動されるために設けられる。作動要素1bは、第一軸A10に中心を取り、第二半径R2を有する、第二円上に配置される。
シャフト4は、例えば、第一軸A10上に中心を取り、第三半径R3を有する第三円上に配置される。より具体的には、第三円は、シャフト4の軸A4を通過する。
例えば、これら要素1bは、図5に図示するようにシャフト4の第二部分4b上に形成されたマルタ十字またはピニオンと協働するために設けられた、図3に図示するような、ピンまたはスタッド11、12、13、14、15の形状を取る。これらピンは、ベゼル10の底面10aから胴部3の環状座部3aに向けて突出し、第一軸A10に中心を取り、第二半径R2を有する、第二円上に配置される。
第一実施形態において、第一半径R1は第二半径R2より小さい。好みにより、半径R2/R1の比率は、1.2より小さい、または1.1より小さい。
図示するベゼル10の第一実施形態において、ピン11、12、13、14、15は、ベゼルの底面10aの角度セグメントS1にわたり分布される。もちろん、これらピンは、ベゼルの回転全体にわたり分布、とりわけ均等に分布されてもよい。これらピンは、ベゼル10のリング1と一体に製造されてもよい。代替的に、これらピンは、ベゼルリングにまたはベゼルに打ち込みまたはリベット留めまたはろう付けまたは溶接されてもよい。
ベゼル10の案内及びまたは制動は、それぞれ自身の螺旋ばね61、62、63上に搭載された押圧要素51、52、53と協働する、円錐台状表面1aを通じて適用される。押圧要素は、円錐台状表面を押圧する。円錐台状表面1aと押圧要素の配置は、押圧要素から円錐台状表面1aへ、軸A10に対する動径成分を有し、ケースの外側へ向けられた、機械力を発生させる。このような構成は、胴部に対する軸A10周りの、ベゼルの好適な回転案内を生成することを可能にする。
軸A10についてのベゼル10の角度割出しは、自身では、円錐台状表面10a上に局所的に形成され、螺旋ばね61、62、63の影響下で押圧要素51、52、53と協働することが意図される、(特に図3で見ることができる)窪み11aにより適用される。このため、円錐台状表面は、連続である必要はなく、同じ円錐上に配置された、表面のいくつかの部分により構成されてもよい。このような割出しは、ベゼル10を、1以上の時計ムーブメント機能選択に対応する、1以上の安定角度位置に位置決めすることを可能にする。もちろん、このような角度割出しは、必須ではない。
自身では、ベゼル10は、ガラス8において、ケース密閉パッキン91、92を介して胴部3に追加されるリング7により、垂直に維持される。パッキンは、例えば、シール91とリング92とにより構成される。より具体的には、ベゼル10は、とりわけリング1は、リング7の少なくとも一部分が収容されることが計画される、溝1cを含む。
時計200’の第二実施形態を、図6から8を参照して以下に説明する。
時計200’は、例えば、小型時計、特に腕時計である。
時計200’は、外部環境から自身を保護するために、時計ケース100’内に搭載されることが意図される、時計ムーブメントを含む。
時計ムーブメントは、電子式ムーブメントまたは機械式ムーブメント、とりわけ自動式ムーブメントであってもよい。
時計ケース100’は、
- 胴部3’と、
- ベゼル10’と、
- 裏蓋部と、
- ガラス8’と、
を含む。
- 胴部3’と、
- ベゼル10’と、
- 裏蓋部と、
- ガラス8’と、
を含む。
ベゼルは回転ベゼルである、すなわち時計ケースの残部に対して、とりわけ自身が搭載される胴部3’に対して、軸A10’周りに回転可動なベゼルである。
胴部3’には、内部にそれぞれ螺旋ばね61’、62’、63’に搭載されたボールといった押圧要素51’、52’、53’が配置される、異なるハウジング31’、32’、33’を含む環状座部3a’が設けられる。当該座部3a’はまた、内部にベゼル10’の回転軸A10’に平行または実質的に平行な軸A4’上のシャフト4’が収容されるハウジング34’を含む。当該シャフト4’は、軸A4’上を、並進可動である。
時計200’のケース100’用の回転ベゼル10’は、
- 第一軸A10’と、
- 第一軸A10’に中心を取り、ベゼル10’と胴部3’との間の境界面110’、とりわけベゼル10’と胴部3’の座部3a’との間の境界面110’において、少なくとも1つの押圧要素51’、52’、53’により作用されることが意図される、単一の円錐台状表面1a’と、
を含む。
- 第一軸A10’と、
- 第一軸A10’に中心を取り、ベゼル10’と胴部3’との間の境界面110’、とりわけベゼル10’と胴部3’の座部3a’との間の境界面110’において、少なくとも1つの押圧要素51’、52’、53’により作用されることが意図される、単一の円錐台状表面1a’と、
を含む。
好ましくは、ベゼルは軸A10’周りの回転形状または実質的に回転形状を有する。
第二実施形態において、ベゼル10’は、例えば、
- 第一ベゼルリング’、とりわけ下部リングと、
- 第二ベゼルリング99’、とりわけ上部リングと、
- 円板のような、少なくとも1つの装飾要素2’と、
を含む。
- 第一ベゼルリング’、とりわけ下部リングと、
- 第二ベゼルリング99’、とりわけ上部リングと、
- 円板のような、少なくとも1つの装飾要素2’と、
を含む。
例えば、第二ベゼルリング99’は、少なくとも1つの装飾要素2’の作用により、第一ベゼルリング1’に対して保持される。例えば、装飾要素2’は、第一リング1’上にスナップ留めされ、第二リング99’は、第一リング1’と装飾要素2’との間に収容され保持される。
第一リング1’は、
- 第二リング99’を受けるために窪んだ、上面10b’と、
- 円錐台状表面1a’を有する、底面10a’と、
を含む。
- 第二リング99’を受けるために窪んだ、上面10b’と、
- 円錐台状表面1a’を有する、底面10a’と、
を含む。
図6は、胴部3’の環状座部3a’上に形成されたハウジング31’の軸A31’を通過する、時計の半径方向断面を図示する。ボール51’は、ばね61’により、円錐台状表面1a’に対して押圧される。好みにより、ケース100’は、それぞればね61’、62’、63’により弾性的に戻される、少なくとも3つのボール51’、52’、53’、を含む。ボール51’と円錐台状表面1a’との間に、点接触が形成される。これは有利には、それぞれ自身のばね62’、63’により円錐台状表面1a’に対して弾性的に戻される他の押圧要素52’、53’についても適用される。第一ベゼルリング1’の底表面10a’に形成された円錐台状表面1a’は、ここでは、ベゼル10’の軸A10’に中心を取る、第一半径R1’の第一円上に配置される。
好ましくは、円錐台状表面1a’は、軸A10’の方向に沿ってまたは軸A10’と共に配置されるベクトルz’に対して、30°から80°の間の(円錐台状表面の頂点において半角である)角度α’を形成する。慣例により、当該ベクトルz’は、ケース100’の底からケース100’のガラス8’に向けられる。図示する第二実施形態において、円錐台状表面1a’は、ベクトルz’で定義される方向において、軸A10’に接近するように、向けられる。換言すれば、当該単一の円錐台状表面1a’は、ベゼルの上部に向けられた頂点を有する。
胴部3’の環状座部3a’の開口34’内に収容されるシャフト4’は、図7に図示するように、ベゼル10’の底面10a’に形成された縁歯列1b’と協働するよう設けられる。このため、シャフト4’の第一長手方向端部4a’は、螺旋ばねが、ベゼル10’の歯列1b’に対してシャフト4’の第二長手方向端部4b’を弾性的に戻すことを可能にするよう、螺旋ばね64’と接する。このため、シャフト4’は、ベゼル10’の歯列1b’とばね64’との混合効果の下、自身の軸A4’に平行な方向に、並進変位可能である。
シャフト4’は、例えば、第一軸A10’上に中心を取り、第三半径R3’を有する第三円上に配置される。より具体的には、第三円は、シャフト4’の軸A4’を通過する。
特に図7に図示される第二実施形態において、ばね64’は、シャフト4’の端部4a’に形成された開口41’内に収容される。更に、端部4b’は、歯4b’の形状を取る。
歯列1b’は、対称であってもなくてもよい。歯4b’は、対称であってもなくてもよい。更に、歯列は、ベゼル10’の回転軸A10’上に中心を取る、第二円の第二半径R2’上に配置される。
ベゼル10’の案内及びまたは制動は、自身の螺旋ばね61’、62’、63’上に搭載された押圧要素51’、52’、53’と協働する、円錐台状表面1a’を通じて適用される。押圧要素は、円錐台状表面1a’を押圧する。円錐台状表面1a’と押圧要素との配置は、押圧要素から円錐台状表面1a’へ、軸A10’に対する動径成分を有し、ケースの外側へ向けられる、機械力を発生させる。このような構成は、胴部に対する軸A10’周りの、ベゼルの好適な回転案内を生成することを可能にする。
このようなデザインは、表面1a’と要素1b’とを、そして即ちボール51’、52’、53’とシャフト4’とを、それぞれ、近い、または非常に近い半径R1’とR2’上に配置することを可能にする。
第二実施形態において、第一半径R1’は、第二半径R2’より大きい。好みにより、半径R1’/R2’の比率は、1.2より小さい、または1.1より小さい。
第一実施形態同様、ベゼル10’の軸方向保持は、自身では、ガラス8’においてケース密閉パッキンを介して胴部3’に追加されたリング7’により定義される。密閉パッキンは、シール91’とリング92’とで構成される。より具体的には、第一及び第二リング1’及び99’は、リング7’の少なくとも一部分を収容することが用意される、溝1c’を形成する。
時計200’の第二実施形態の変形例を、図9から11を参照して以下に説明する。当該変形例において、第二ベゼルリング99’は、ベゼル10’の底面10a’に形成された縁歯列1b’を含むという特徴を有する。このような変形例は、第一ベゼルリング1’の形状を単純化し、このためその機械加工を単純化する点で特に有利である。第一リングは特に軸A10’に関して、第二リング周りに配置されるため、全体として、第一リングは、外部リングとしてみることができ、第二リングは内部リングとしてみることができる。
例えば、第二ベゼルリング99’は、少なくとも1つの装飾要素2’の作用により、第一ベゼルリング1’に対して保持される。例えば、装飾要素2’は、第一リング1’上にスナップ留めされ、第二リング99’は第一リング1’と装飾要素2’との間に収容され保持される。この場合、第二リングは第一リングの上側から第一リング内に案内され、リングは(ベクトルz’で定義される方向において)第二リングの下に向けられた表面と第一リングの上に向けられた表面とで互いに当接するため、第一リングは、補完的または代替的に下部リングとしてみることができ、第二リングは上部リングとしてみることができる。
代替的または補完的に、リング99’は、他のあらゆる手段によってリング1’に固定されてもよい。例えば、打ち込み、リベット留め、溶接、またはろう付けである。第一リング1’のリング99’との回転における固定を保証するため、リング99’は、角度当接要素を含んでもよい。例えば、リング1’は、図11で見ることができるように、リング99’の外周に形成された開口99c’と協働するために設けられる、軸A10’に向かって突出する丸突出物1c’を含んでもよい。有利には、開口99c’は、丸突出物1c’の形状を補完する形状を有する。もちろん、丸突出物は、リング99’上に形成され、開口はリング1’上に形成されてもよい。
好ましくは、本明細書中、「環状座部」は、ベゼルの受け表面を意味するものと理解される。好みにより、当該表面は、胴部の一体部分を形成する。好みにより、当該表面は、全体として、とりわけ本発明に従い特定の向きを有する円錐台状表面を除き、ベゼルの回転軸に対して直角に配置される。
好ましくは、本明細書中、「半径方向断面」は、ベゼルの回転軸を通過する平面上の断面を意味するものと理解される。換言すれば、ベゼルの回転軸は、当該平面に含まれる。
好ましくは、本明細書中、「案内及びまたは制動表面」は、案内及びまたは制動要素と協働するために設けられた表面を意味するものと理解される。これら要素は、例えば、1以上のばねにより弾性的に戻されるボールの形状を取ってもよい。
好ましくは、本明細書中、「半径」は、好ましくはメディアン半径を意味すると理解される。より具体的には、円錐台状表面1a、1a’が通過する第一半径R1、R1’は、円錐台状表面1a、1a’を、面積が等しいまたは実質的に等しい2つの部分に分割する半径に対応する。更に、要素1bが通過する第二半径R2は、より具体的には、ピンまたはスタッド11、12、13、14、15の中心を通過する。更に、要素1bが通過する第二半径R2’は、縁歯列1b’を、面積が等しいまたは実質的に等しい2つの部分に分割する半径に対応する。
本明細書中、「角度割出し」または「ベゼルの割出し」は、胴部に対するベゼルの様々な安定角度位置の定義を意味するものと理解される。これら安定位置は、不安定中間位置の連続体により分離されてもよい。2つの安定位置または2つの割出された位置または2つの割出位置の間で、ベゼルは、不安定中間位置の連続体を一時的に通過する。ベゼルは、ベゼルに閾値トルクを越えるトルクが発揮されたときのみ、安定位置を離れることができるが、ベゼルに閾値トルクよりも小さいトルクが発揮された場合に、不安定位置を離れることができる。
本明細書中、「第一半径」、「第二半径」、「第三半径」の表現における「第一」、「第二」、及び「第三」の文言は、他との区別する意味を有するものであり、一時的意味や位置に関連した意味を持つものではない。
説明した2つの実施形態において、押圧要素はボールである。しかしながら、押圧要素または特定の押圧要素は、スタッドまたはシャフト、とりわけ半球状または実質的に半球状端部を有するスタッドまたはシャフトであってもよい。
説明した2つの実施形態において、3つの押圧要素が実施された。しかしながら、小型時計ケースは、ベゼルに作用する3つ以上の押圧要素、とりわけ4つ、5つ、または6つの押圧要素を有してもよい。
実施形態または変形例が何であれ、様々な押圧要素は、好ましくは、軸A10;A10’周りに均等に分布される、即ち押圧要素は、軸A10;A10’を通過する1以上の平面に対して、または軸A10;A10’周りの回転対称に従い、対称的に配置される。
説明した2つの実施形態において、単一の円錐台状表面は、ベゼルの上部に向けた頂点を有している。しかしながら、単一の円錐台状表面は、代替的に、ベゼルの下面に向けた頂点を有してもよい。ベゼルの下面は、ここでは、ベゼルの底面、すなわちベゼルが胴部に搭載されると見ることができないベゼルの面に対応する。換言すれば、単一の円錐台状表面の延長の円錐表面の頂点は、ベゼルの底面の下に位置する。このような実施形態において、円錐台状表面と押圧要素の配置は、押圧要素から円錐台状表面へ、軸A10;A10’に対する動径成分を有し、ケースの内部へ向けられる、機械力を発生させる。
実施形態または変形例が何であれ、ベゼルは、時間または時間派生情報を提示してもよい。このような情報は、ベゼルの装飾要素が負担してもよい。
説明した2つの実施形態において、押圧要素が円錐台状表面に発揮する機械的作用は、接触作用である。しかしながら、作用は、代替的には、磁力といった、離れた作用であってもよい。
実施形態または変形例が何であれ、回転ベゼルは、第一軸A10;A10’に中心を取り、少なくとも1つの押圧要素により作用されることが意図される、単一の円錐台状表面1aを含む。これは、回転ベゼルが、第一軸上に中心を取り、それぞれ押圧要素により作用されることが意図される、2つの円錐台状を含むことを除外する。これは特に、第一軸に中心を取り、V字型形状を有する半径方向ベゼル断面を形成し、1以上の押圧要素がVの2つの側面を同時に押すことができる、2つの円錐台状表面を除外する。前述の通り、単一の円錐台状表面が、同じ円錐表面のいくつかの部分で構成されることができる。このような形状を理由として、ベゼルの案内手段と割出手段の実施に必要な半径方向体積を制限することが可能になる。特に、これは、円錐台状表面が、とりわけ底面が小さな表面範囲を有するベゼルについて、案内及びまたは制動の意味で従来技術から既知の解決策と少なくとも同等の性能レベルを提供する、ベゼル割出要素及びまたは作動要素と共生することを可能にする。本発明にかかるベゼルの環状断面は、このため、最小化することができる。このようなデザインは、断面が最小化された環状座部を含む胴部が設けられた、小さな直径のケースに配置される回転ベゼルの定義にあたり、及びまたは設定された回転ベゼルの定義にあたり、特に有利である。
Claims (15)
- 時計(200;200’)用ケース(100;100’)の回転ベゼル(10;10’)であって、
第一軸(A10;A10’)と、
前記第一軸上に中心を取り、前記ベゼル(10;10’)と時計(200;200’)のケース(100、100’)の胴部(3、3’)との間の境界面(110;110’)において、少なくとも1つの押圧要素(51、52、53;51’、52’、53’)により作用されることが意図される、単一の円錐台状表面(1a;1a’)と
を含む、ベゼル。 - 前記円錐台状表面(1a;1a’)は、前記軸(A10;A10’)との間に、30°から80°の間の角度(α;α’)を有する、
請求項1に記載のベゼル。 - 前記単一の円錐台状表面は、前記ベゼルの上部に向かう頂点を有する、
請求項1または2に記載のベゼル。 - 前記単一の円錐台状表面は、前記ベゼルの下部に向かう頂点を有する、
請求項1または2に記載のベゼル。 - 前記ベゼルは、前記第一軸(A10;A10’)上に中心を取り、第二半径(R2;R2’)を有する第二円上に配置された、割出または作動要素(1b;1b’)を含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載のベゼル。 - 胴部(3;3’)と、請求項1から5のいずれか一項に記載のベゼル(10;10’)とを含む、時計ケース(100;100’)。
- 前記ベゼル(10;10’)と前記胴部(3;3’)との間の境界面(110;110’)において少なくとも1つの押圧要素(51、52、53:51’、52’、53’)を含み、前記少なくとも1つの押圧要素は、前記単一の円錐台状表面(1a;1a’)を押圧することが意図される、
請求項6に記載の時計ケース。 - 前記少なくとも1つの押圧要素(51、52、53;51’52’53’)は、ボールまたは半形状または実施的に半球状の端部を有する押圧要素を含む、及びまたは前記少なくとも1つの押圧要素(51、52、53;51’52’53’)は、前記第一軸(A10;A10’)上に中心を取り、第一半径(R1;R1’)を有する第一円上に配置される、
請求項7に記載の時計ケース。 - 前記第一軸(A10;A10’)に平行または実質的に平行な第二軸(A4;A4’)を有するシャフト(4;4)を含み、前記シャフト(4;4’)は、前記割出または作動要素(1b;1b’)と協働するよう配置され、前記シャフト(4;4’)、特に前記第二軸(A4;A4’)は、前記第一軸(A10;A10’)上に中心を取り、第三半径(R3;R3’)を有する第三円上に配置される、
請求項5に記載のベゼルを含む、請求項6から8のいずれか一項に記載の時計ケース。 - 前記シャフト(4)は、前記第二軸(A4)周りに回転可動なシャフトである、
請求項9に記載の時計ケース。 - 前記要素(1b)は、前記シャフト(4)に固定されたピニオン(4b)またはマルタ十字(4b)と協働するため設けられたピンの形状を取る、
請求項10に記載の時計ケース。 - 前記シャフト(4’)は、前記第二軸(A4’)上で並進可動なシャフトである、
請求項9に記載の時計ケース。 - 前記要素(1b’)は、前記シャフト(4’)に固定された歯(4b’)と協働するため設けられた歯列を形成する、
請求項12に記載の時計ケース。 - 前記第一及び第二半径のうちの最大半径
の
前記第一及び第二半径のうちの最小半径
に対する比率は、1.2より小さい、または1.1より小さい、
請求項8から13のいずれか一項に記載の時計ケース。 - 請求項6から14のいずれか一項に記載のケース、及びまたは請求項1から5のいずれか一項に記載のベゼルを含む、時計(200;200’)、とりわけ小型時計、特に腕時計。
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