JP2023547574A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、全100重量%を基準として、オクチルフェノールエトキシレート10~30重量%と、2-エチルヘキシルアルコールエトキシレート0.1~5重量%と、エチレンオキサイド-プロピレンオキサイドのブロック共重合体0.1~5重量%と、残量の精製水とを含む洗浄剤組成物に関する。本発明による洗浄剤組成物は、コロナウイルスを30秒で99.99%以上除去する優れたウイルス除去効果を有する。それと同時に、様々な細菌は殺さない選択的特性を有し、皮膚低刺激の特性を満足する安全な洗浄剤組成物を提供する。また、このような洗浄剤組成物は、コロナウイルスの除去はもちろん、油汚れの除去、キッチンの頑固な汚れの除去、浴室の掃除、機械装置及び部品の洗浄、衣類の油汚れの除去などの様々な用途に用いられ、優れた洗浄力を有する。【選択図】図1

Description

本出願は、2020年10月22日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2020-0137612号の出願日の利益を主張し、その内容が本明細書に組み込まれる。
本発明は、洗浄剤組成物に関し、詳細には、コロナウイルスを効果的に除去できる洗浄剤組成物に関する。
コロナウイルス(Coronavirus;CoV)とは、ヒトを含む動物に広範な呼吸器系および消化器系の感染を引き起こすRNAウイルスであり、顕微鏡で見ると表面に王冠状の特徴的な突起があることから「コロナ(王冠)」と名付けられた。
コロナ19は、2019年12月に中国湖北省武漢市で発症した流行性疾患で、「新型コロナウイルス感染症」とも呼ばれ、コロナウイルスの変種によるウイルス性疾患として知られている。
初期には原因不明の呼吸器伝染病としてのみ知られていたが、2003年に流行したサーズ(SARS、重症急性呼吸器症候群)および2012年に流行したマーズ(MERS、中東呼吸器症候群)のようなコロナウイルスの新型であることが判明した。
ウイルスは生物と非生物の両方の特徴を備えた個体であり、基本的にはタンパク質で構成される外皮の中に遺伝物質である核酸(DNAまたはRNA)が入った単純な構造になっている。ウイルスは単独で生命活動を行うことはできないが、宿主となる細胞に侵入すると宿主細胞の生命活動に寄生し、遺伝物質とタンパク質の外皮を複製することによって個体数を増加させる。
コロナウイルスはRNA系のウイルスであり、DNA系のウイルスに比べて遺伝的安定性が低くて突然変異が頻繁に起こり、その過程で動物とヒトの間のような種の壁を越えて伝播するほど強い伝染力と高い致死率を持った変種が生じることもある。このようなコロナウイルスは、RNA系の宿主に由来するリン脂質二重膜を持っている。
また、コロナウイルスの構造を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察すると、二重のリン脂質膜からなっている。前記リン脂質膜は、C10~C18の長い炭素鎖を有する構造となっている。
一方、コロナ19ウイルスの洗浄剤として現在広く使用されているアルコール系洗浄剤は、ウイルスの外皮(リン脂質)を溶かすことで消毒効果を発揮するエタノールを主成分として含むものであり、現在韓国で広く使用されている。
コロナ19ウイルスは脂質二分子膜構造を有している。エタノールはこのリン脂質層とタンパク質で構成される外皮を持つウイルスの外皮を溶かすことにより、外皮を持たないウイルスが外部で死滅するようにするか、または運良く宿主に入ったとしても細胞に侵入して増殖することがないようにする。
コロナ19を引き起こす新型コロナウイルスの場合は、ヒトの肺細胞に感染するが、そのためには肺細胞内に入らなければならない。そのために、コロナウイルスは肺細胞の受容体に付着して侵入しようとするが、この受容体に結合する部位が、コロナウイルスの外皮に存在するスパイクタンパク質である。エタノールが外皮を溶かして取り除くと、スパイクタンパク質も消失し、その状態で体内に入っても細胞内への侵入力がなくなる原理である。
しかし、エタノールなどのアルコールを主成分とする洗浄剤には、皮膚の保湿や殺菌漂白などを目的とした様々な化学成分がさらに含まれているため、それによる刺激が持続するか、または使用中に発疹、かゆみなどが継続すると、安定性を確保することが困難である。また、前記アルコールがコロナウイルスの外皮を溶かしてウイルスを死滅させるのは事実であるが、外皮を失ったウイルスが死滅するにはある程度の時間がかかる。そのため、どんなに手消毒剤を均一に塗布しても、外皮が破壊されていないウイルスが残っている可能性がある。したがって、この危険要素を完全に遮断するには、やはり手を洗うしかない。
例えば、アルコールを含む従来技術である特許文献1(日本特許6688929 B2)には、ウイルス不活性化の効果を十分に発揮しながら高い殺菌効果を発揮するために、プロタミン及び/又はその塩とエタノールを含む消毒剤組成物が開示されている。前記消毒剤組成物は、pHが8.0~14.0であり、前記消毒剤組成物中のエタノールの割合は30質量%以上である。
特許文献2(米国特許公開2011-0287054)には、少なくとも1つの抗原がパンデミック発生に関連する菌株から選択される、複数のインフルエンザ抗原または抗原製造用物質、および水中油型エマルションを含む多価インフルエンザ免疫原性組成物が開示されている。ここで、前記水中油型エマルションはさらに乳化剤を含み、前記乳化剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、オクチルフェニルエトキシレート、レシチン、およびそれらの混合物から選択される。
しかし、コロナウイルスを効果的に死滅させるためには、コロナウイルスに含まれている前記リン脂質膜を効果的に除去できるとともに、人体への使用時に刺激を与えない新規な洗浄剤が必要な実情である。
日本特許6688929 B2 米国特許公開2011-0287054
本発明は、複雑な構造を有する洗浄剤組成物に含まれる成分を選択して、コロナウイルスに含まれるリン脂質膜と良好に結合し、それを除去してコロナウイルスを効果的に除去するとともに、様々な菌(バクテリア)を維持できる皮膚低刺激の洗浄剤組成物を提供することにその目的がある。
本発明による洗浄剤組成物は、全100重量%を基準として、オクチルフェノールエトキシレート10~30重量%と、2-エチルヘキシルアルコールエトキシレート0.1~5重量%と、エチレンオキサイド-プロピレンオキサイドのブロック共重合体0.1~5重量%と、残量の水とを含むことを特徴とする。
前記組成物は、さらにラウリルアルコールエトキシレートを全洗浄剤組成物に対して0.1~5重量%の量で含むことができる。
また、前記洗浄剤組成物を0.1重量%以内で含む希釈液におけるコロナウイルス除去率は、30秒で99.99%である。
また、前記洗浄剤組成物は、コロナウイルスの除去時に菌は除去されない特徴を有する。
本発明の前記洗浄剤組成物は皮膚毒性を有しない。
前記洗浄剤組成物は、コロナウイルスの除去、油汚れの除去、キッチンの頑固な汚れの除去、浴室の掃除、機械装置及び部品の洗浄、衣類の油汚れの除去に使用することができる。
本発明による前記洗浄剤組成物は、pH6.5~7の中性を維持することができる。
前記洗浄剤組成物は、水に5重量%以内の含有量で希釈して使用することが好ましい。
さらに、前記残量の水は、エタノールを20重量%以内で含むことができる。
本発明では、洗浄剤組成物に含まれる主成分として、線状構造ではなく、芳香族と分岐構造が混合された複雑な構造を有する物質を用いることにより、コロナウイルスに含まれるリン脂質膜を効果的に溶かすことができる。これにより、30秒で99.99%以上のコロナウイルスを除去する優れたウイルス除去効果を有する。同時に、多様な細菌は死滅させない選択的特性を有し、皮膚低刺激の特性を満足する安全な洗浄剤組成物を提供する。
この洗浄剤組成物は、コロナウイルスの除去はもちろん、油汚れの除去、キッチンの頑固な汚れの除去、浴室の掃除、機械装置及び部品の洗浄、衣類の油汚れの除去等の様々な用途に用いられ、優れた洗浄力を有する。
図1は、本発明の実施例2による洗浄剤組成物を0.1重量%の濃度で含む希釈液におけるコロナウイルス除去率の測定結果である。 図2は、本発明の実施例2による洗浄剤組成物の基礎細胞毒性の評価結果である。 図3は、本発明の実施例と比較例による洗浄剤組成物の植物性オイルに対する洗浄力試験の結果と溶液の濁度測定写真である。 図4は、本発明の実施例と比較例による洗浄剤組成物の植物性オイルに対する洗浄力試験の結果と溶液の濁度測定写真である。 図5は、本発明の実施例と比較例による洗浄剤組成物の植物性オイルに対する洗浄力試験の結果と溶液の濁度測定写真である。 図6は、本発明の実施例と比較例による洗浄剤組成物の植物性オイルに対する洗浄力試験の結果と溶液の濁度測定写真である。 図7は、本発明の実施例2と比較例1による洗浄剤組成物の動物性オイルに対する洗浄力試験の結果を示す溶液の濁度測定写真である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明するためのものであって、本発明を限定するためのものではない。
本明細書で使用されるように、単数の表現は、文脈上、明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。さらに、本明細書で使用される場合、「含む(comprise)」及び/又は「含む(comprising)」は、記載された形状、数字、段階、動作、部材、要素及び/又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、一つ以上の他の形状、数字、段階、動作、部材、要素及び/又はこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を排除するものではない。
本発明は、ウイルス、特にコロナウイルスの除去に有効な洗浄剤組成物に関するものである。
本発明による洗浄剤組成物は、全100重量%を基準として、オクチルフェノールエトキシレート(エトキシレートに含まれるエチレンオキサイドの数(n)は2~15である。)10~30重量%と、2-エチルヘキシルアルコールエトキシレート0.1~5重量%と、エチレンオキサイド-プロピレンオキサイドのブロック共重合体0.1~5重量%と、残量の水とを含む組成からなる。
前記オクチルフェノールエトキシレートは、本発明の洗浄剤組成物の主成分として含まれ、コロナウイルスを除去および抑制する役割を果たす。
本発明の前記オクチルフェノールエトキシレートにおけるオクチルフェノール基は、芳香族フェノール基を含むC8のアルキル基であり、線状構造ではなく、芳香族を含む岐構造を有するため、コロナウイルスのリン脂質膜に含まれる長い炭素鎖からなる疎水性部分とよく結合することができる。また、分岐した複雑な構造により疎水性が増加し、これにより会合数(aggergation number)が増加し、前記コロナウイルスのリン脂質膜の可溶化度を増加させることが期待される。
また、線状構造に比べて分岐構造を有する場合には、前記複雑なリン脂質二重膜構造とミセル形成時の疎水性炭化水素との反発力により、ミセルにおけるパッキング密度(packing density)を低くすることができるため、リン脂質二重膜を溶かすのにはるかに有利な構造を形成することができる。
また、エチレンオキサイド部分は、前記長い炭素鎖の疎水性に親水性を付与する役割を果たす。したがって、前記エトキシレートに含まれるエチレンオキサイドの数を表すnは2~15、好ましくは5~10であればよく、前記nの数が異なる2種以上の物質を混合して所定の親水性となるように調節して使用することが好ましい。
前記オクチルフェノールエトキシレートにおけるnが2未満であると、コロナウイルスのリン脂質膜を溶かすほどの親水性が得られず、コロナウイルスのリン脂質膜の長い炭素鎖の間に前記成分が閉じ込められてしまう問題があり、製剤の製造が困難であるため好ましくない。nが15を超えると、エチレンオキサイドの含有量が多すぎるために親水性が過度になり、コロナウイルスのリン脂質膜を溶かすことができなくなるため好ましくない。
このようなオクチルフェノールエトキシレートは、全洗浄剤組成物に対して10~30重量%の量で含まれる。その含有量が10重量%未満であると、コロナウイルスの除去及び抑制効果が不十分である。その含有量が30重量%を超えると、さらなる効果が発揮しないため好ましくない。
また、本発明による洗浄剤組成物は、2-エチルヘキシルアルコールエトキシレートを含むことにより、コロナウイルスのリン脂質二重膜の間に入るときの侵入力を高めることが好ましい。前記2-エチルヘキシルアルコールエトキシレートもまた、側鎖に炭化水素が置換された、あまり規則的ではない構造を有するため、前記リン脂質二重膜の間に入るときに間隔をあけて侵入力を高める効果が期待できる。前記側鎖に炭化水素が置換された2-エチルヘキシルアルコールエトキシレートは、全洗浄剤組成物に対して0.1~5重量%の量で含まれる。0.1重量%未満であると、所望の効果が得られず、5重量%を超えると、さらなる侵入力向上効果が得られなくなるため好ましくない。
本発明の前記エチレンオキサイド-プロピレンオキサイドのブロック共重合体は、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを共重合して製造され、洗浄剤組成物の製造時の気泡発生を抑制するために添加することができる。前記ブロック共重合体は、全洗浄剤組成物に対して0.1~5重量%の量で含まれることが気泡の除去に効果的である。
また、本発明の洗浄剤組成物は、前記構成以外に残量の水を含んでなる。前記水は、特に限定されず、一般水道水や、一般の水に含有されている溶解イオン、固体粒子、微生物、有機物などの全ての不純物を除去した精製水などが挙げられる。
また、必要に応じて、前記精製水はエタノールを20重量%以内で含むことにより、最終的に製造される洗浄剤組成物の粘度を下げたり、洗浄剤組成物の製造時に発生する気泡を除去したり、冬場のような低温での洗浄剤組成物の保存特性を向上させることができる。
また、本発明による前記洗浄剤組成物は、さらにラウリルアルコールエトキシレートを全洗浄剤組成物に対して0.1~5重量%の量で含むことにより、前記オクチルフェノールエトキシレートの助剤として使用してリン脂質膜を効果的に溶かすことができる。
本発明による洗浄剤組成物は、前記各構成成分を室温(r.t.)でよく混合することによって容易に調製することができる。前記調製された洗浄剤組成物は、疎水性と親水性のバランス(HLB)の値が12~15の範囲にあることにより、様々な用途の洗浄剤として使用される場合、水中で適切なミセルを形成して洗浄効果を高めることができる。
本発明による洗浄剤組成物は、コロナウイルスの除去、油汚れの除去、キッチンの頑固な汚れの除去、浴室の掃除、機械装置及び部品の洗浄、衣類の油汚れの除去など、水性、油性に関係なくあらゆる汚染物の洗浄に使用することができる。
この中でも、特に本発明による洗浄剤組成物は、サーズ(SARS、重症急性呼吸器症候群)、マーズ(MERS、中東呼吸器症候群)、新型コロナ-19ウイルス等のコロナウイルスを30秒で99.99%除去する効果を発揮する。
また、本発明による洗浄剤組成物は、コロナウイルスを除去する一方で菌(バクテリア)は除去しない特徴を有する。つまり、除去したいウイルスだけを除去し、様々に存在し得るバクテリアは、その有害・無害性に関わらず殺さない選択性を持つということである。
ウイルスは人体にとってはるかに致命的で常に病気を引き起こすのに対し、バクテリアは独立した微生物であり、固有の複雑さと生殖機能を持つ。また、バクテリアは人間の臓器で利用されることもあり、その例として、消化器官のpH値を管理及び維持する腸内細菌叢がある。勿論、バクテリアが体内に多すぎるか、または病原性バクテリアに感染したりすると、病気につながることもあり、バクテリオファージ(いわゆる、殺菌バクテリア)は病気の治療に使われることもある。
このような観点から、本発明による洗浄剤組成物を用いると、ターゲットとなるコロナウイルスを効果的に除去及び抑制するとともに、微生物系に存在する様々なバクテリアを除去しない効果があるといえる。
また、本発明による洗浄剤組成物は皮膚毒性がない特徴を有するので、コロナウイルスの予防及び除去のために人体に噴霧するか、または手を消毒するなどの用途で使用する際に、他の副作用なしに安全に使用することができる。
また、本発明による前記洗浄剤組成物は、pH6.5~7程度の中性であることを特徴とする。そのため、被洗浄物質の損傷や変質を最小限に抑えることができる利点を有するとともに、洗浄効果に優れた特徴を持つ。
また、本発明により調製された前記洗浄剤組成物は、水に希釈して噴霧用、消毒用、洗浄用などの所定の所望の用途で多様に用いることができる。
以下、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。これらの実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。なお、以下の実施例では特定の化合物を用いて例示しているが、これらの均等物を用いた場合においても同等・類似の程度の効果を発揮できることは当業者にとって自明である。
実施例および比較例:洗浄剤組成物の調製
下記表1の組成に従って、各組成を精製水に投入して18℃で混合し、十分に撹拌して各洗浄剤組成物を調製した。下記表1において、比較例1は、本発明の洗浄剤組成物の主成分であるオクチルフェノールエトキシレートにおけるnの範囲が本発明の範囲から外れた例である。比較例2~3は、洗浄剤組成物の主成分であるオクチルフェノールエトキシレートにおけるnが本発明の範囲内であるが、その含有量比が本発明の範囲から外れた例である。
実験例1:コロナウイルス除去率の測定
前記で調製された実施例2による洗浄剤組成物(クリーンV)のコロナウイルス除去率(コロナウイルス不活性効果)を評価するために、以下のような実験を行った。
96ウェル細胞プレートに、Vero細胞(サル腎臓上皮細胞)をウェルあたり1×10個培養した。次に、1×10~5×10個の感染性ウイルスをEPチューブに分注した後、洗浄剤組成物が0.1重量%の濃度となるようにウイルス細胞培養液(Gibco DMEM-0% FBS)と混合し、30秒、1分、5分、10分の反応時間で反応させた。
反応が終わった細胞培養液は、ドライアイスを用いて急速冷凍した後、-80℃のディープフリーザー(Deep freezer)でサンプルを保存した。用意したサンプルを、96ウェルU底プレートで細胞培養液を用いて10倍段階希釈を行った。96ウェル細胞プレートで培養した細胞を、1xリン酸緩衝生理食塩水(Phosphate-buffered saline、PBS)を用いて1回洗浄し、前記段階希釈したサンプルを洗浄済み細胞に移し、1時間30分間反応させた。反応終了後、従前に入っていた細胞培養液を除去し、滴定濃度のTPCKトリプシンを含む細胞培養液に交換した。
2~3日間、細胞の変形状態およびSARS-CoV-2ウイルスの増殖状態を顕微鏡を用いて目視観察し、感染後3日目に10%クリスタルバイオレット染色剤を用いて生存細胞を染色した。その結果を図1に示す。
図1の結果を参照すると、ウイルスによって死滅した細胞や洗浄剤の毒性によって死滅した細胞は染色されず透明に観察され、生存している細胞はクリスタルバイオレットにより染色され、濃い紫色で観察された。
0.1重量%の濃度で洗浄剤組成物を含む細胞培養液で30秒間、約1000個のSARS-CoV-2ウイルスを殺菌処理したところ、肉眼で見たとき、同量のウイルス感染群に比べて約100倍の抑制効果が示された。殺菌処理した時間条件である30秒、1分、5分、10分の全てにおいて、肉眼で見たとき、同量のウイルス感染群に比べて約100倍の抑制効果が示された。
下記実験例2で行った洗浄剤組成物による細胞毒性を除いて、約1,000~5,000個のSARS-CoV-2ウイルスが成長できる高濃度を含む全ての希釈条件下でウイルスが不活性化されることが示された。したがって、本発明による洗浄剤組成物のコロナウイルス不活性効果は99%以上と確認された。つまり、本発明の実施例2により調製された洗浄剤組成物(試料名:クリーンV)は、0.1重量%の濃度に希釈して使用しても、対照群に比べてコロナウイルス(COVID-19)除去率が30秒~10分に渡って99.99%であることが確認された。すなわち、非常に短い時間である30秒だけで99.99%の効果的なコロナウイルス除去率を有することが確認された。
実験例2:洗浄剤組成物の細胞毒性の評価
前記実施例2による洗浄剤組成物(クリーンV)の細胞毒性を評価するために、以下のような実験を行った。
96ウェル細胞プレートに、Vero細胞(サル腎臓上皮細胞)をウェルあたり1×10個培養した。前記実験例1と同様の条件で洗浄剤と細胞培養液を混合した。用意したサンプルを、96ウェルU底プレートで細胞培養液を用いて2倍段階希釈を行った。96ウェル細胞プレートで培養した細胞を、1xリン酸緩衝生理食塩水(Phosphate-buffered saline、PBS)を用いて1回洗浄し、段階希釈したサンプルを洗浄済み細胞に移して1時間30分間反応させた。反応時間が終了した後、従前に入っていた細胞培養液を除去し、適正濃度のTPCKトリプシンを含む細胞培養液に交換し、2~3日間細胞の変形状態を顕微鏡を用いて目視観察した。処理後3日目に10%クリスタルバイオレット染色剤を用いて生存細胞を染色した。その結果を図2に示す。
図2を参照すると、0.1~0.006重量%の洗浄剤組成物濃度の混合細胞培養液を非感染細胞に投与したところ、最大0.025重量%の濃度までは細胞毒性が観察された。
実験例3:植物性オイルに対する洗浄力の試験
前記実施例と比較例による洗浄剤組成物の植物性オイルに対する洗浄力を比較する実験を行った。一定のサイズのSUS表面に植物性オイル(エゴマ油)を同じ含有量と大きさで塗布し、70℃の水で洗浄した後、前記製造された各洗浄剤組成物を4重量%及び20重量%の濃度で水に希釈した60℃の溶液で洗浄し、乾燥した。次に、前記表面にメチルアルコール50mlを加えて残留した植物性オイルを溶かし、それを捕集した後、同量の水50mlを加え、各試験に用いた表面状態と溶液状態を目視観察した。その結果をそれぞれ図3~4(表面)、図5~6(溶液)に示す。
図3~4を参照すると、本発明の実施例による組成物と比較例による組成物の反応速度は近似していたが、実施例による組成物を用いて、植物性オイルを処理した表面を洗浄したときに、残留する植物性オイルの含有量が低いことが観察された。
また、図5~6を参照すると、オクチルフェノールエトキシレートにおけるエチレンオキサイドの数が本発明の範囲から外れた比較例1を用いた場合には、植物性オイルが完全に洗浄されず、メチルアルコールと水の混合液から分離されて多くの浮遊物が浮いていることが観察された。
また、オクチルフェノールエトキシレートにおけるエチレンオキサイドの数が同一であるが、その含有量が本発明の範囲から外れた比較例2の場合は、エチレンオキサイドの数が同じである実施例3に比べて植物性オイルが完全に洗浄されずに残留し、メチルアルコールと水の混合液に残っていることが観察された。
実験例4:動物性オイルに対する洗浄力の試験
前記実験例3で使用した植物性オイルの代わりに動物性オイル(豚油)を使用した以外は、前記実施例2と比較例4による洗浄剤組成物を20重量%の濃度で水に希釈した溶液を用いて、同じ手順で洗浄力を試験した。その結果を図7に示す。
図7を参照すると、本発明のように芳香族構造と分岐構造を有するオクチルフェノールエトキシレートを使用せずに線状構造を使用した比較例4の組成物の場合は、本発明の実施例2による洗浄剤組成物に比べて動物性オイルが完全に洗浄されず、メチルアルコールと水の混合液から分離され、溶液が非常に濁っていることが観察された。
これらの結果から、洗浄剤組成物で使用される成分の構造的特徴によって洗浄力が大きく異なることが確認でき、線状構造を有するよりも本発明のように芳香族構造と分岐構造を同時に有する場合に洗浄力がより優れていることが分かった。

Claims (9)

  1. 全100重量%を基準として、オクチルフェノールエトキシレート10~30重量%と、
    2-エチルヘキシルアルコールエトキシレート0.1~5重量%と、
    エチレンオキサイド-プロピレンオキサイドのブロック共重合体0.1~5重量%と、
    残量の水とを含む、洗浄剤組成物。
  2. 前記洗浄剤組成物は、さらにラウリルアルコールエトキシレートを全洗浄剤組成物に対して0.1~5重量%の量で含む、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  3. 前記洗浄剤組成物を0.1重量%以内で含む希釈液におけるコロナウイルス除去率は30秒で99.99%である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  4. 前記洗浄剤組成物は、コロナウイルスの除去時に菌は除去されない、請求項3に記載の洗浄剤組成物。
  5. 前記洗浄剤組成物は皮膚毒性を有しない、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  6. 前記洗浄剤組成物は、コロナウイルスの除去、油汚れの除去、キッチンの頑固な汚れの除去、浴室の掃除、機械装置及び部品の洗浄、衣類の油汚れの除去に使用される、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  7. 前記洗浄剤組成物はpH6.5~7の中性を維持する、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  8. 前記洗浄剤組成物を水に5重量%以内の含有量で希釈して使用する、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  9. さらに、前記残量の水は、エタノールを20重量%以内で含むことができる、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
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