JP2023546504A - ヒト対象におけるタウを減少させる方法 - Google Patents

ヒト対象におけるタウを減少させる方法 Download PDF

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Abstract

対象におけるタウを減少させるための方法が記載される。本方法は、タウに結合する、特にタウにおけるリン酸化エピトープに結合する抗タウ抗体を対象に投与することを含む。本方法は、総p217+タウ及び遊離p217+タウを含む、CSF中のp217+タウを減少させるために使用され得る。

Description

(配列表)
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出済みである、その全体が参照により本明細書に組み込まれる配列表を含む。当該ASCIIコピーは、2021年10月6日に作成され、名称はJAB7080WOPCT1_SL.txtであり、サイズは14,393バイトである。
(発明の分野)
本発明は、医療の分野にある。具体的には、本発明は、抗タウ抗体及びヒト対象におけるタウの減少におけるそれらの使用に関する。
アルツハイマー病は、認知障害及び記憶喪失、並びに不安、うつ病、及び動揺を含む行動及び精神症状を特徴とする神経変性疾患である。この疾患は、加齢と関連しており、米国において4番目に多い医学的死亡原因を表すと考えられている。
アルツハイマー病の顕著な病理学的特徴は、アミロイド斑及び神経原線維変化である。アミロイド斑は主にβ-アミロイド(Ab)からなる。アルツハイマー病の進行を修正又は遅延させることを目的とした現在開発中の多くの療法は、Abを標的とする。このような療法には、Eli Lillyのソラネズマブ、Biogenのアデュカヌマブ、及びRocheのクレネズマブが含まれ、これらは全てAβに対するヒト化モノクローナル抗体である。
神経原線維変化は、過剰リン酸化タウタンパク質の凝集体からなり、一般に、記憶及び認知機能に重要なアルツハイマー病患者のヒト脳のいくつかの領域に見出される。タウの主な生理学的機能は、微小管の重合及び安定化である。タウの微小管への結合は、タウの微小管結合領域における正電荷と、微小管格子における負電荷との間のイオン性相互作用により発生する(Butner and Kirschner(1991))。タウタンパク質は、85個の可能なリン酸化反応部位を含有し、これらの部位の多くにおけるリン酸化反応が、タウの一次機能を妨げる。軸索微小管格子に結合しているタウは、低リン酸化状態にあるが、アルツハイマー病における凝集タウは、高リン酸化されている。
タウ凝集を予防又は除去するいくつかの候補薬物が、現在開発中である(Brunden et al.2009)。トランスジェニックマウスモデルにおける研究は、能動タウ免疫化及び受動タウ免疫化の両方が有益な治療効果を有し得ることを示している(Asuni et al.2007、Boutajangout et al.2011)。活性は、ホスホ指向性抗体及び非ホスホ指向性抗体の両方で報告されている(Schroeder et al.2016)。しかしながら、様々なアプローチの有効性及び安全性の機構的理解は十分に確立されていない(Sigurdsson 2016)。
タウ凝集及びタウオパシーの進行を予防して、アルツハイマー病などのタウオパシーを治療するのに効果的な治療薬に対する必要性が依然としてある。
本発明の主な態様のいくつかを以下に要約する。更なる態様は、本開示の発明の詳細な説明、実施例、及び特許請求の範囲のセクションに記載されている。本開示の各セクションにおける説明は、他のセクションと併せて読まれることが意図される。更に、本開示の各セクションに記載される様々な実施形態は、様々な方式で組み合わせることができ、全てのそのような組み合わせは、本発明の範囲内に収まることが意図される。
したがって、本開示は、対象におけるタウ、好ましくはリン酸化タウを減少させる方法を提供する。
本発明の一態様は、総脳脊髄液p217+タウの減少を必要とする対象においてそれを行う方法であって、薬学的に許容される担体と、1用量当たり約1mg/kg~約60mg/kgのモノクローナル抗体とを含む組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。
一態様は、遊離脳脊髄液p217+タウの減少を必要とする対象においてそれを行う方法であって、薬学的に許容される担体と、1用量当たり約1mg/kg~約60mg/kgのモノクローナル抗体とを含む組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。
別の態様は、総脳脊髄液タウの減少を必要とする対象においてそれを行う方法であって、薬学的に許容される担体と、1用量当たり約1mg/kg~約60mg/kgのモノクローナル抗体とを含む組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。
更なる態様は、脳脊髄液p181タウの減少を必要とする対象においてそれを行う方法であって、薬学的に許容される担体と、1用量当たり約1mg/kg~約60mg/kgのモノクローナル抗体とを含む組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。
本発明の方法において使用するためのモノクローナル抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変相補性決定領域(complementarity-determining region、CDR)1と、配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変CDR2と、配列番号3のアミノ酸配列を含む重鎖可変CDR3と、配列番号13のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR1と、配列番号14のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR2と、配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR3とを含み得る。いくつかの実施形態において、モノクローナル抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖可変CDR1と、配列番号2のアミノ酸配列を有する重鎖可変CDR2と、配列番号3のアミノ酸配列を有する重鎖可変CDR3と、配列番号13のアミノ酸配列を有する軽鎖可変CDR1と、配列番号14のアミノ酸配列を有する軽鎖可変CDR2と、配列番号15のアミノ酸配列を有する軽鎖可変CDR3とを含む。
モノクローナル抗体は、配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。ある特定の実施形態では、モノクローナル抗体は、配列番号25のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号26のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域とを含む。
更に、モノクローナル抗体は、配列番号27のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号28のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含み得る。ある特定の実施形態では、モノクローナル抗体は、配列番号27のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号28のアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む。
モノクローナル抗体に加えて、組成物は、ヒスチジン、スクロース、ポリソルベート20、及びエチレンジアミン四酢酸を含有し得る。組成物は、約5~6のpHを有し得る。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、1用量当たり約10mg/kg~約40mg/kg、又は約20mg/kg~約60mg/kg、又は約40mg/kg~約60mg/kgのモノクローナル抗体を含む組成物を対象に投与することを含み得る。ある特定の実施形態では、方法は、1用量当たり約1mg/kg、3mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、60mg/kg、又はその間の任意の値のモノクローナル抗体を含む組成物を対象に投与することを含み得る。
組成物は、皮下又は静脈内注入によって投与され得る。更に、組成物は、2回以上の用量として、例えば、各用量が約4週間の期間で隔てられる2回以上の用量として投与され得る。
モノクローナル抗体の投与は、投与後約0.05日~約0.25日のモノクローナル抗体の血清Tmax中央値をもたらし得る。追加的、又は代替的に、モノクローナル抗体の投与は、投与後約18日~約27日のモノクローナル抗体の血清t1/2中央値をもたらし得る。
本発明の方法において、対象はアルツハイマー病の治療を必要とし得る。特定の実施形態では、対象は、初期アルツハイマー病、前駆期アルツハイマー病、又は軽度アルツハイマー病の治療を必要とし得る。
実施例に記載され、本発明の実施形態による試験のパート1からの、健康な対象における抗タウ抗体の単回IV用量の投与後の抗タウ抗体の線形(パネルA)及び片対数(パネルB)平均血清濃度-時間プロファイルを示す。 実施例に記載され、本発明の実施形態による試験のパート1からの、健康な対象における抗タウ抗体の単回IV用量の投与後の抗タウ抗体の線形(パネルA)及び片対数(パネルB)平均CSF濃度-時間プロファイルを示す。 実施例に記載され、本発明の実施形態による試験のパート1からの、健康な対象における抗タウ抗体の単回IV用量の投与後の抗タウ抗体の個々の血清(パネルA)及びCSF(パネルB)濃度-時間プロファイルを示す。 実施例に記載され、本発明の実施形態による試験のパート2からの、健康な対象及び前駆又は軽度のアルツハイマー病を有する対象における抗タウ抗体の第1の(1日目)IV用量の投与後の抗タウ抗体の、線形(パネルA)及び片対数(パネルB)平均血清濃度-時間プロファイルを示す。 実施例に記載され、本発明の実施形態による試験のパート2からの、健康な対象及び前駆又は軽度のアルツハイマー病を有する対象における抗タウ抗体の第3の(57日目)IV用量の投与後の抗タウ抗体の、線形(パネルA)及び片対数(パネルB)平均血清濃度-時間プロファイルを示す。 実施例に記載され、本発明の実施形態による試験のパート2からの、健康な対象及び前駆又は軽度のアルツハイマー病を有する対象における抗タウ抗体の第1(1日目)、第2(29日目)及び第3(57日目)のIV用量の投与後の抗タウ抗体の、線形(パネルA)及び片対数(パネルB)平均CSF濃度-時間プロファイルを示す。アスタリスク()は、30mg/kgコホートがn=2として図に示されていないことを示す。 実施例に記載され、本発明の実施形態による試験のパート2からの、健康な対象及び前駆又は軽度のアルツハイマー病を有する対象における抗タウ抗体の第1(1日目)、第2(29日目)及び第3(57日目)のIV用量の投与後の抗タウ抗体の、個々の血清(パネルA)及びCSF(パネルB)濃度-時間プロファイルを示す。 実施例に記載され、本発明の実施形態による試験のパート1からの、健康な対象における抗タウ抗体の単回IV用量の投与後の、ベースラインに対するパーセントとしてのCSF遊離p217+タウの変化を示す。グラフは、各コホートについての群平均+/-標準偏差を示す。 実施例に記載され、本発明の実施形態による試験のパート1からの、健康な対象における抗タウ抗体の単回IV用量の投与後の、ベースラインに対するパーセントとしてのCSF総p217+タウの変化を示す。グラフは、各コホートについての群平均+/-標準偏差を示す。 実施例に記載され、本発明の実施形態による試験のパート2からの、健康な対象及び前駆又は軽度のアルツハイマー病を有する対象における抗タウ抗体の複数回IV用量の投与後の、ベースラインに対するパーセントとしてのCSF遊離p217+タウを示す。グラフは、各コホートについての群平均+/-標準偏差を示す。 実施例に記載され、本発明の実施形態による試験のパート2からの、健康な対象及び前駆又は軽度のアルツハイマー病を有する対象における抗タウ抗体の複数回IV用量の投与後の、ベースラインに対するパーセントとしてのCSF総p217+タウを示す。グラフは、各コホートについての群平均+/-標準偏差を示す。 実施例に記載され、本発明の実施形態による試験のパート2からの、健康な対象及び前駆又は軽度のアルツハイマー病を有する対象における抗タウ抗体の複数回IV用量の投与後の、ベースラインに対するパーセントとしてのCSF総タウを示す。グラフは、各コホートについての群平均+/-標準偏差を示す。 実施例に記載され、本発明の実施形態による試験のパート2からの、健康な対象及び前駆又は軽度のアルツハイマー病を有する対象における抗タウ抗体の複数回IV用量の投与後の、ベースラインに対するパーセントとしてのCSF総p181タウを示す。グラフは、各コホートについての群平均+/-標準偏差を示す。 実施例に記載され、本発明の実施形態による試験のパート2からの、抗タウ抗体の複数回IV用量を投与された全ての対象における、CSFp217+タウ/総タウ濃度比に対する、ベースラインに対するパーセントとしての最大CSF総タウ変化を示す。線形回帰は、p<0.0001で非0勾配を示す。 実施例に記載され、本発明の実施形態による試験のパート2からの、抗タウ抗体の複数回IV用量を投与された全ての対象における、CSFp217+タウ/p181タウ濃度比に対する、ベースラインに対するパーセントとしての最大CSFp181タウ変化を示す。線形回帰は、p<0.0001で非0勾配を示す。
本発明の実施は、他に示されない限り、免疫学、薬学、製剤科学、細胞生物学、分子生物学、臨床薬理学、及び臨床実施の従来の技術を使用し、これらは当該技術分野の範囲内である。
本発明をより容易に理解することができるようにするために、特定の用語を以下に最初に定義する。更なる定義は、本開示全体を通して記載される。別段の規定がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される科学用語は全て、本発明が関連する当業者によって一般的に理解されている意味と同一の意味を有する。
本明細書に提供される任意の見出しは、本発明の様々な態様又は実施形態を限定するものではなく、全体として本明細書を参照することによって得ることができる。したがって、すぐ下で定義される用語は、本明細書全体を参照することによってより完全に定義される。
この開示で引用される全ての参考文献は、それらの全体が参考として本明細書に組み込まれる。加えて、本明細書において引用又は言及される任意の製品についての任意の製造業者の説明書又はカタログは、参照により組み込まれる。本明細書中に参照により組み込まれる文献、又はその中の任意の教示は、本発明の実施において使用され得る。本明細書中に参照により組み込まれる文献、先行技術であるとは認められない。
定義
本開示の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではなく、それ故、本明細書の用語法又は表現法は、教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用される場合、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、その内容について別途明確に指示されない限り、複数の指示対象を包含する。用語「a」(又は「an」)並びに用語「1つ又は2つ以上」及び「少なくとも1つ」は、互換的に使用することができる。
更に、「及び/又は」は、2つの指定された特徴又は構成要素の各々の、他方を伴う又は伴わない具体的な開示として解釈されるべきである。本明細書の「A及び/又はB」などの語句で使用される「及び/又は」という用語は、A及びB、A又はB、A(単独)、及びB(単独)を含むことを意図する。同様に、「A、B、及び/又はC」などの語句で使用される「及び/又は」という用語は、A、B、及びC;A、B、又はC;A又はB;A又はC;B又はC;A及びB;A及びC;B及びC;A(単独);B(単独);及びC(単独)を含むことを意図している。
実施形態が「含む」という用語で記載される場合は常に、「からなる」及び/又は「から本質的になる」に関して記載されるそれ以外は類似の実施形態も含まれる。
単位、接頭辞、及び記号は、国際単位系(Systeme International de Unites、SI)で認められた形式で示される。数値範囲は、範囲を定義する数を含み、本明細書で提供される任意の個々の値は、本明細書で提供される他の個々の値を含む範囲の終点として機能することができる。例えば、1、2、3、8、9、及び10などの値のセットは、1~10、1~8、3~9などの数の範囲の開示でもある。同様に、開示された範囲は、その範囲によって包含される各個々の値の開示である。例えば、記載された範囲5~10は、5、6、7、8、9、及び10の開示でもある。数値用語に「約」が先行する場合、その用語は、記載された数及び記載された数の±10%の値を含む。
本明細書で使用するとき、「抗体」又は「免疫グロブリン」という用語は広い意味で用いられ、ポリクローナル抗体を含む免疫グロブリン又は抗体分子、マウス、ヒト、ヒト適合、ヒト化、及びキメラモノクローナル抗体及び抗体断片を含むモノクローナル抗体を含む。一般に、抗体は、特定の抗原に対する結合特異性を示すタンパク質又はペプチド鎖である。抗体の構造は、周知である。免疫グロブリンは、重鎖定常ドメインのアミノ酸配列に応じて5つの主なクラス、すなわち、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMに割り当てられ得る。IgA及びIgGは、アイソタイプのIgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4として更に細分類される。いずれの脊椎動物種の抗体軽鎖も、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて2つの明確に異なるタイプ、すなわちκ及びλのうちの一方に割り当てることができる。
重鎖及び軽鎖定常ドメインに加えて、抗体は軽鎖及び重鎖可変領域を含有する。免疫グロブリン軽鎖又は重鎖可変領域は、「抗原結合部位」が割り込んだ「フレームワーク」領域からなる。抗原結合部位は、以下のとおり様々な用語及び符番スキームを用いて定義される。
(i)Kabat符番スキーム:「相補性決定領域」又は「CDR(Complementarity Determining Region)」は、配列可変性に基づく(Wu and Kabat 1970)。一般に、抗原結合部位は、各可変領域に3つのCDR(例えば、重鎖可変領域(heavy chain variable region、VH)にHCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びに軽鎖可変領域(light chain variable region、VL)にLCDR1、LCDR2、及びLCDR3)を有する。
(ii)Chothia符番スキーム:「超可変領域」、「HVR(hypervariable region)」、又は「HV」という用語は、Chothia及びLeskにより定義されているように、構造中で超可変性である抗体可変ドメインの領域を指す(Chothia and Lesk 1987)。一般に、抗原結合部位は、各VH(H1、H2、H3)及びVL(L1、L2、L3)に3つの超可変領域を有する。CDR及びHVの符番体系及び注釈は、最近、Abhinandan及びMartinにより改訂された(Abhinandan and Martin 2008)。
(iii)IMGT符番スキーム:Lefrancによって提案された(Lefranc et al.2003)、抗原結合部位を形成する領域は、免疫グロブリン及びT細胞受容体由来のVドメインの比較に基づいて定義される。International ImMunoGeneTics(IMGT)データベースが、標準化したこれらの領域の符番及び定義を提供している。CDR、HV及びIMGTの記述間の対応については、Lefranc等に記載されている。
(iv)Martin符番スキーム(ABM符番スキームとしても知られる):Martin(Martin 2010)によって記載されるようなKabat符番スキームとChothia符番スキームとの間の折衷。
(v)抗原結合部位は、「Specificity Determining Residue Usage」(SDRU)(Almagro 2004)に基づいても記述することができ、ここでは、SDRは、抗原接触に直接関与する免疫グロブリンのアミノ酸残基を意味する。
用語「医薬組成物」は、活性成分の生物学的活性が有効であることを可能にするような形態であり、組成物が投与される対象に対して許容できないほど毒性である追加の成分を含有しない調製物を指す。そのような組成物は無菌であってもよく、生理食塩水などの薬学的に許容される担体を含んでもよい。好適な医薬組成物は、1つ若しくは2つ以上の緩衝液(例えば、酢酸塩、リン酸塩、又はクエン酸塩緩衝液)、界面活性剤(例えば、ポリソルベート)、安定化剤(例えば、ポリオール又はアミノ酸)、保存剤(例えば、安息香酸ナトリウム)、及び/又は他の従来の可溶化剤若しくは分散剤が挙げられる。
本明細書で使用される場合、微小管関連タンパク質タウ、MAPT、神経原線維変化タンパク質、対らせん状フィラメント(paired helical filament、PHF)-タウ、MAPTL、又はMTBT1としても知られる「タウ」又は「タウタンパク質」という用語は、複数のアイソフォームを有する豊富な中枢及び末梢神経系タンパク質を指す。ヒト中枢神経系(central nervous system、CNS)では、代替スプライシングにより、352~441アミノ酸長のサイズ範囲の6つの主要なタウアイソフォームが存在する(Hanger et al.2009)。タウの例としては、限定されるものではないが、CNSにおけるタウアイソフォーム、例えば、4つの反復及び2つの挿入を有する、微小管関連タンパク質タウアイソフォーム2とも呼ばれる441アミノ酸最長タウアイソフォーム(4R2N)、例えば、GenBankアクセッション番号NP_005901.2に表されるアミノ酸配列を有するヒトタウアイソフォーム2が挙げられる。タウの他の例としては、微小管関連タンパク質タウアイソフォーム4とも呼ばれる352アミノ酸長の最短(胎児)アイソフォーム(3R0N)が挙げられ、これは、3つの反復を有し、挿入を有さず、例えば、GenBankアクセッション番号NP_058525.1で表されるアミノ酸配列を有するヒトタウアイソフォーム4である。タウの例には、300個の追加の残基(エクソン4a)を含有する末梢神経において発現される「ビッグタウ」アイソフォームも含まれる(Friedhoff et al.2000)。タウの例としては、6762ヌクレオチド長のmRNA転写物(NM_016835.4)によってコードされる758アミノ酸長のタンパク質であるヒトビッグタウ、又はそのアイソフォームが挙げられる。例示的なヒトビッグタウのアミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号NP_058519.3で表される。本明細書で使用される場合、「タウ」という用語は、Macaca Fascicularis(カニクイザル)、アカゲザル又はPan troglodytes(チンパンジー)などのヒト以外の種に由来するタウのホモログを含む。本明細書で使用するとき、「タウ」という用語は、完全長野生型タウの変異、例えば、点変異、断片、挿入、欠失、及びスプライスバリアントを含むタンパク質を含む。「タウ」という用語はまた、タウアミノ酸配列の翻訳後修飾を包含する。翻訳後修飾としては、リン酸化が挙げられるが、これに限定されない。
本明細書で使用される場合、「リン酸化タウ」という用語は、タウのアミノ酸配列の1つ又は2つ以上の位置のアミノ酸残基上でリン酸化されているタウを指す。リン酸化アミノ酸残基は、例えば、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)又はチロシン(Tyr)であり得る。リン酸化されるタウ上の部位は、好ましくは、アルツハイマー病などの神経変性疾患において特異的にリン酸化される部位である。抗リン酸化タウ抗体が結合するリン酸化タウの部位としては、例えば、Tyr18、Thr181、Ser199、Ser202、Thr205、Thr212、Ser214、Thr217、Ser396、Ser404、Ser409、Ser422、Thr427が挙げられる。本出願を通して使用される場合、アミノ酸位置は、GenBankアクセッション番号NP_005901.2で表されるアミノ酸配列を有するヒト微小管関連タンパク質タウアイソフォーム2の配列を参照して与えられる。異常なリン酸化タウは、神経毒性であり、神経変性に寄与する不溶性オリゴマーに容易に凝集する(Goedertet al.1991)。オリゴマーは、いわゆる対らせん状フィラメント(PHF)のもつれに進行する(Alonso et al.2001)。神経原線維変化病理の程度は、AD対象における痴呆症の程度と相関することが一貫して示されている(Bierer et al.1995、Braak and Braak 1991,Delacourte 2001)。
本明細書で使用される場合、用語「p181タウ」、「p181+タウ」、及び「p-タウ181」は、互換的に使用され、Thr181でリン酸化されているタウを指す。同様に、用語「p217タウ」、「p217+タウ」、及び「p-タウ217」は互換的に使用され、Thr217でリン酸化されているタウを指す。同じ命名形式を使用して、異なるアミノ酸残基でリン酸化されるタウを指すことができる。
「対象」又は「個体」又は「患者」は、診断、予後診断又は治療が望まれる任意の対象、特に哺乳動物対象である。哺乳動物対象には、ヒト、家畜、農場動物、スポーツ動物、及び実験動物が含まれ、例えばヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ウマ、ラット及びマウスを含む齧歯類、ウサギなどが含まれる。
治療の「有効量」は、対象において所望の生物学的又は医学的応答を誘発するなど、具体的に述べられた目的を実行するのに十分な量である。
用語「減少させる」、「阻害する」、「遮断する」、及び「抑制する」は、互換的に使用され、発生又は活性又は程度又は体積の完全な遮断又は完全な排除を含む、発生又は活性又は程度又は体積の任意の統計的に有意な低減を指す。例えば、「阻害」は、活性又は発生の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%の低減を指すことができる。別の例として、「減少」は、程度又は体積における約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%の低減を指すことができる。
本明細書で使用される場合、「最大血漿濃度」又は「Cmax」は、物質を哺乳動物に投与した後の哺乳動物の身体の流体(血清、血漿、脳脊髄液など)中の物質(例えば、モノクローナル抗体)の最高観察濃度を指す。
本明細書で使用される場合、「Tmax」は、哺乳動物への物質の投与後に哺乳動物の体液中の物質の最大濃度に到達するために観察された時間(すなわち、Cmaxに到達するために観察された時間)を指す。
本明細書で使用される場合、「曲線下面積」又は「area under the curve、AUC」は、時間に対する体液中の物質の濃度のプロットにおける曲線下面積である。AUCは、時間間隔中の瞬間濃度の積分の尺度であり得、質量時間/体積の単位を有する。AUCは、通常、開始時間tと終了時間tとの間の時間間隔に対して提供される(例えば、AUCt1-t2)。単一の時間のみが示される場合(例えば、AUC)、それは、開始時間がtであり、終了時間がtであることを意味する。本明細書で使用される場合、「AUC24」は、tで開始する24時間にわたるAUCを指す。「AUCinf」又は「AUC」は、tで始まる無限期間にわたるAUCを指し、「AUClast」は、tで開始し、最後の定量可能な流体濃度に対応する時間で終了する期間にわたるAUCを指し、AUCτは、投与間隔(τ=28日)中のAUCを指す。
本明細書で使用される場合、「半減期」又は「t1/2」は、哺乳動物に投与された物質の半分の量が正常な生物学的プロセスによって哺乳動物の体液から代謝又は排除されるのに必要な時間を指す。
本明細書で使用される場合、「CL」は、投与後の薬物の総全身クリアランスを指す。
本明細書で使用される場合、「Vss」は、投与後の物質の定常状態での体積分布を指す。
抗タウ抗体
本発明は、タウに結合するモノクローナル抗体の使用に関する。このような抗タウ抗体は、タウにおけるリン酸化エピトープに結合するか又はタウにおける非リン酸化エピトープに結合し得る。
いくつかの実施形態において、抗タウ抗体は、リン酸化タウタンパク質に、タウタンパク質のプロリンリッチドメイン中のエピトープで結合することができる。ある特定の実施形態において、抗タウ抗体は、リン酸化Thr181、Thr212及び/又はThr217残基を含むエピトープでリン酸化タウタンパク質に結合することができる。
本発明の実施形態において、抗タウ抗体は、以下の表1に示される重鎖可変CDR及び軽鎖可変CDRを含み得る。
したがって、本発明の実施形態によれば、抗タウ抗体は以下を含む:
(a)配列番号1、4、7、又は10のアミノ酸配列を含む重鎖可変CDR1、
(b)配列番号2、5、8、又は11のアミノ酸配列を含む重鎖可変CDR2、
(c)配列番号3、6、9、又は12のアミノ酸配列を含む重鎖可変CDR3、
(d)配列番号13、16、19、又は22のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR1、
(e)配列番号14、17、20、又は23のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR2、及び
(f)配列番号15、18、21、又は24のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR3。
いくつかの実施形態において、抗タウ抗体は、以下を含む:
(a)配列番号1、4、7、又は10のアミノ酸配列を有する重鎖可変CDR1、
(b)配列番号2、5、8、又は11のアミノ酸配列を有する重鎖可変CDR2、
(c)配列番号3、6、9、又は12のアミノ酸配列を有する重鎖可変CDR3、
(d)配列番号13、16、19、又は22のアミノ酸配列を有する軽鎖可変CDR1、
(e)配列番号14、17、20、又は23のアミノ酸配列を有する軽鎖可変CDR2、及び
(f)配列番号15、18、21、又は24のアミノ酸配列を有する軽鎖可変CDR3。
ある特定の実施形態では、抗タウ抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変CDR1と、配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変CDR2と、配列番号3のアミノ酸配列を含む重鎖可変CDR3と、配列番号13のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR1と、配列番号14のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR2と、配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR3とを含む。特定の実施形態では、抗タウ抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖可変CDR1と、配列番号2のアミノ酸配列を有する重鎖可変CDR2と、配列番号3のアミノ酸配列を有する重鎖可変CDR3と、配列番号13のアミノ酸配列を有する軽鎖可変CDR1と、配列番号14のアミノ酸配列を有する軽鎖可変CDR2と、配列番号15のアミノ酸配列を有する軽鎖可変CDR3とを含む。
本発明の実施形態では、抗タウ抗体が、配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む。ある特定の実施形態では、抗タウ抗体が、配列番号25のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む。
本発明の実施形態において、抗タウ抗体は、免疫グロブリンG(immunoglobulin G、IgG)抗体である。ある特定の実施形態では、抗タウ抗体は、IgG1抗体である。代替的に、抗タウ抗体は、IgG2、IgG3、又はIgG4抗体である。他の実施形態において、抗タウ抗体は、IgA、IgD、IgE、又はIgM抗体である。
本発明の実施形態において、抗タウ抗体は、カッパ軽鎖定常領域を含む。他の実施形態において、抗タウ抗体は、デルタ軽鎖定常領域を含む。
好ましい実施形態において、抗タウ抗体は、カッパ軽鎖定常領域を有するIgG1抗体である。
本発明の実施形態において、抗タウ抗体が、配列番号27のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号28のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。ある特定の実施形態では、抗タウ抗体が、配列番号27のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号28のアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む。
好ましい実施形態では、抗タウ抗体は、ヒト化モノクローナル抗体である。
本発明の抗タウ抗体は、多様な技術により、例えば、ハイブリドーマ法により生成することができる(Kohler and Milstein 1975)。ドナー抗体(典型的にはマウス)由来の軽鎖及び重鎖可変領域を、アクセプタ抗体(典型的にはヒトなどの別の哺乳類種)由来の軽鎖及び重鎖定常領域と関連付けたキメラモノクローナル抗体は、米国特許第4,816,567号に開示されている方法によって調製され得る。非ヒトドナー免疫グロブリン(典型的にはマウス)に由来するCDRと、1つ又は2つ以上のヒト免疫グロブリンに由来する分子の残りの免疫グロブリン由来部分とを有するCDRグラフトモノクローナル抗体は、米国特許第5,225,539号に開示されているような当業者に既知の技術によって調製することができる。任意の非ヒト配列を欠く完全ヒトモノクローナル抗体は、(Lonberg et al.1994、Fishwild et al.1996、Mendez et al.1997)で言及される技術により、ヒト免疫グロブリントランスジェニックマウスから調製され得る。ヒトモノクローナル抗体はまた、ファージディスプレイライブラリから調製及び最適化され得る(例えば、Knappik et al.2000、Krebs et al.2001;Shi et al.2010)。
本発明の実施形態において、抗タウ抗体は、薬学的に許容される担体を含む組成物中に製剤化され得る。組成物はまた、当技術分野で周知の1つ又2つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい(Remington’s Pharmaceutical Science 1980参照)。医薬組成物の好ましい製剤は、意図される投与様式及び治療用途によって決まる。薬学的に受容可能な担体は、動物又はヒト投与のための医薬組成物を製剤化するために一般的に使用されるビヒクルであり得る。加えて、医薬組成物はまた、他の担体、アジュバント、又は非毒性の非治療的、非免疫原性安定剤などを含むことができる。担体、賦形剤又は希釈剤の特性は、特定の用途の投与経路によって決まる点は理解されよう。
ある特定の実施形態では、組成物は、1つ又は2つ以上の安定剤(例えば、デキストラン40、スクロース、グリシン、ラクトース、マンニトール、トレハロース、マルトース)、1つ又は2つ以上の緩衝液(例えば、酢酸塩、クエン酸塩、ヒスチジン、乳酸塩、リン酸塩、トリス)、1つ又は2つ以上の界面活性剤(例えば、ポリソルベート、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリエチレングリコール-脂肪酸エステル、レシチン)、1つ又は2つ以上のキレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(ethylenediamine tetra-acetic acid、EDTA)、エデト酸ナトリウム)、及び担体(例えば、注射用水、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、ハンクス液)を含み得る。好ましい実施形態において、組成物は、注射用水、ヒスチジン、スクロース、ポリソルベート20、及びEDTAを含む。組成物は、pHが約4~約7、又は約5~約6、好ましくは、約5.5であってもよい。
使用方法
本発明の一般的な態様は、本発明の実施形態による抗タウ抗体を含む組成物を対象に投与することを含む、対象におけるタウを減少させる方法に関する。
本発明のいくつかの実施形態において、本方法は、対象におけるリン酸化タウを減少させることを対象とする。好ましい実施形態では、本方法は、p181タウ減少させること、及び/又はp217+タウを減少させることを対象とする。
いくつかの実施形態において、本方法は、総リン酸化タウ(例えば、総p181タウ及び/又は総p217+タウ)を含む総タウを減少させることを対象とする。いくつかの実施形態において、本方法は、遊離リン酸化タウ(例えば、遊離p181タウ及び/又は遊離p217+タウ)を含む遊離タウを減少させることを対象とする。本明細書で使用される場合、タウの文脈における「遊離」は、本発明の抗タウ抗体などの抗体に結合していないタウを指す。
いくつかの実施形態において、本方法は、CSF中のリン酸化タウ(例えば、p181タウ及び/又はp217+タウ)を含むタウを減少させることを対象とする。
いくつかの実施形態において、本方法は、対象において、p181タウ及び/又はp217+タウの断片を含むリン酸化タウの断片を減少させることを対象とする。ある特定の実施形態において、本方法は、対象のCSF、血清、又はその両方において、p181タウ及び/又はp217+タウの断片を含むリン酸化タウの断片を減少させることを対象とする。
CSF中のタウを減少させる能力は、タウ(p181タウ及び/又はp217+タウなどのリン酸化タウを含む)の存在について対象からのCSFの試料を試験することによって決定することができる。そのような試験は、従来の総タウ及びリン酸化タウ酵素結合免疫吸着アッセイ(enzyme-linked immunosorbent assay、ELISA)(例えば、Innotest hTauAG)、並びにp217+タウを測定するために特に開発された高感度ELISAを使用して実施することができる(例えば、米国特許第10,591,492号を参照、これは参照により本明細書に組み込まれる)。
本発明の実施形態によれば、組成物は、抗タウ抗体の1用量当たり約1mg/kg~約60mg/kgの量で投与され得る。いくつかの実施形態において、組成物は、1用量当たり約10mg/kg~約40mg/kg、又は1用量当たり約20mg/kg~約60mg/kg、又は1用量当たり約40mg/kg~約60mg/kgの抗タウ抗体の量で投与され得る。ある特定の実施形態において、組成物は、抗タウ抗体の1用量当たり、約1mg/kg、3mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、12.5mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、37.5mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、60mg/kg、又はその間の任意の値の量で投与され得る。
本発明の実施形態において、組成物は、抗タウ抗体の1用量当たり約50mg~約5000mgの量で投与され得る。いくつかの実施形態において、組成物は、抗タウ抗体の1用量当たり約1000mg~約3000mg、又は1用量当たり約2000mg~約5000mg、又は1用量当たり約3000mg~約5000mgの量で投与され得る。ある特定の実施形態において、組成物は、抗タウ抗体の1用量当たり、約50mg、100mg、250mg、500mg、750mg、1000mg、1200mg、1250mg、1400mg、1500mg、1600mg、1750mg、1800mg、2000mg、2200mg、2250mg、2400mg、2500mg、2600mg、2750mg、2800mg、3000mg、3200mg、3250mg、3400mg、3500mg、3600mg、3750mg、3800mg、4000mg、4200mg、4250mg、4400mg、4500mg、4600mg、4750mg、4800mg、若しくは5000mg、又はその間の任意の値の量で投与され得る。
いくつかの実施形態によれば、組成物は、2回以上の用量として投与され得る。ある特定の実施形態において、各用量の投与は、ある期間、例えば、約4週間隔てられてもよい。
抗タウ抗体を含む組成物は、予防的及び/又は治療的処置のために、非経口、局所、経口、動脈内、頭蓋内、腹腔内、皮内、鼻腔内、又は筋肉内手段によって投与され得る。ある特定の実施形態では、組成物は皮下投与され得る。ある特定の実施形態では、組成物は静脈内注入によって投与することができる。
いくつかの実施形態では、対象は、ヒト対象である。ある特定の実施形態において、対象は、神経変性疾患、障害、又は状態の治療を必要とするヒト対象である。
本明細書で使用される場合、「神経変性疾患、障害、又は状態」は、本開示を考慮して当業者に公知の任意の神経変性疾患、障害、又は状態を含む。神経変性疾患、障害又は状態の例には、タウオパシーと称されるタウ関連疾患、障害又は状態などの、神経原線維病変の形成によって引き起こされるか又はそれと関連する神経変性疾患又は障害が含まれる。特定の実施形態によれば、神経変性の疾患、障害、又は状態は、限定されないが、アルツハイマー疾患、パーキンソン疾患、クロイツフェルト-ヤコブ病、パンチドランカー、ダウン症候群、ゲルストマン-シュトロイスラー-シャインカー病、封入体筋炎、プリオンタンパク脳アミロイド血管障害、外傷性脳損傷、筋萎縮性側索硬化症、グアムのパーキンソニズム-認知症複合、神経原線維変化を伴う非グアマニアン運動ニューロン疾患、嗜銀顆粒性認知症、大脳皮質基底核変性症、筋萎縮性側索硬化症における認知症、石灰沈着を伴うびまん性神経原線維変化病、前頭側頭型認知症、好ましくは17番染色体に連鎖したパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、前頭側頭型認知症、ハレルフォルデン-スパッツ病、多系統萎縮症、ニーマン-ピック病C型、ピック病、進行性皮質下神経膠症、進行性核上麻痺、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維変化優位型認知症、脳炎後パーキンソン症候群、筋緊張性ジストロフィ、慢性外傷性脳症(chronic traumatic encephalopathy、CTE)、原発性加齢性タウオパシー(Primary age-related Tauopathy、PART)、脳血管障害、又はレヴィ小体認知症(Lewy body dementia、LBD)を含む、タウ及び/又はアミロイド病理の共存を示す疾患又は障害のいずれかを含む。特定の実施形態によれば、神経変性疾患、障害、又は状態は、アルツハイマー病又は別のタウオパシーである。好ましい実施形態によれば、神経変性疾患、障害又は状態はアルツハイマー病である。
アルツハイマー病の臨床経過は、認知及び機能障害の進行性パターンを有する病期に分けることができる。病期は、例えば、NIA-AA研究フレームワーク(例えば、Dubois et al.2016、Dubois et al.2014、Jack et al.2018参照)、及び臨床認知症評価スケール(例えば、Berg 1988参照)を含む当該技術分野で既知のグレーディングスケールを使用して定義され得、これらの各々の内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
例えば、National Institute on Aging-Alzheimer’s Association(NIA-AA)研究フレームワークは、神経病理学的変化又はバイオマーカーによってアルツハイマー病を生物学的に定義し、認知障害を疾患の定義ではなく疾患の症状/徴候として扱う(例えば、Jacket al.2018参照、その内容は参照により本明細書に組み込まれる)。NIA-AA定義によれば、正常な病的タウバイオマーカーを有するAβ沈着単独(異常なアミロイドPETスキャン又は低いCSF Aβ42若しくはAβ42/Aβ40比)のバイオマーカー証拠を有する個体は、ラベル「アルツハイマー病の病的変化」を割り当てられ、用語「アルツハイマー病」は、Aβ及び病的タウの両方のバイオマーカー証拠が存在する場合に適用される。NIA-AAはまた、アルツハイマー病の重症度を病期分類するためのシステムを開発した。特に、NIA-AA定義(Jacket alのテキストボックス2 2018、前出から再現される)の下では、
定義:
A:Aβバイオマーカーは、個体がアルツハイマー病の連続帯にあるか否かを決定する。
T:病的タウバイオマーカーは、アルツハイマー病の連続帯にいる人がアルツハイマー病を有するかどうかを決定する。
病期分類重症度:
(N):神経変性/ニューロン損傷バイオマーカー
(C):認知症状
A及びTは、アルツハイマー病を定義する特定の神経病理学的変化を示すが、(N)及び(C)は、アルツハイマー病に特異的ではなく、したがって括弧内に置かれている。
好ましい実施形態によれば、神経変性疾患、障害、又は状態は、初期アルツハイマー病、前駆期アルツハイマー病(軽度認知障害(mild cognitive impairment、MCI)を伴うアルツハイマー病)、又は軽度アルツハイマー病(軽度アルツハイマー病認知症とも称される)である。
いくつかの実施形態において、神経変性疾患、障害、又は状態は、軽度から中等度のアルツハイマー病である。
いくつかの実施形態において、治療を必要とする対象は、脳においてアミロイド陽性であるが、有意な認知障害をまだ示していない。脳内のアミロイド沈着は、PETスキャン、免疫沈降質量分析、又は他の方法(例えば、CSFバイオマーカーの使用)などの当該技術分野で既知の方法を使用して検出することができる(Jacket al.2018)。
他の実施形態において、治療を必要とするヒト対象は、アルツハイマー病の病理と一致する、異常なレベルのCSFAbアミロイド42(Aβ42)を有する。例えば、対象は、アルツハイマー病の病理と一致する、低レベルのCSF Aβ42又は低いAβ42/Aβ40比を有し得る(例えば、Jacket al.2018、前出参照)。
本発明の実施形態において、抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、投与後約0.05日~約0.25日の抗タウ抗体の血清Tmax中央値を達成する。
本発明の実施形態において、抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、投与後約18日~約27日の抗タウ抗体の血清t1/2中央値を達成する。
いくつかの実施形態において、約1mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約21~約28mg/mLの血清Cmax
(b)約0.05~約0.5日の血清Tmax
(c)約283~約361mg・日/mLの血清AUClast
(d)約300~約378mg・日/mLの血清AUC
(e)約15~約23日の血清t1/2、又は
(f)約2.6~約3.3mL/日/kgの血清CL。
いくつかの実施形態において、約1mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約24.6mg/mLの平均血清Cmax
(b)約0.11日の血清Tmax中央値、
(c)約322mg・日/mLの平均血清AUClast
(d)約339mg・日/mLの平均血清AUC
(e)約18.9日の平均血清t1/2、又は
(f)約2.97mL/日/kgの平均血清CL。
いくつかの実施形態において、約3mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約53~約72mg/mLの血清Cmax
(b)約0.04~約0.17日の血清Tmax
(c)約685~約953mg・日/mLの血清AUClast
(d)約705~約993mg・日/mLの血清AUC
(e)約15~約21日の血清t1/2、又は
(f)約3.0~約4.2mL/日/kgの血清CL。
いくつかの実施形態において、約3mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約62.7mg/mLの平均血清Cmax
(b)約0.05日の血清Tmax中央値、
(c)約819mg・日/mLの平均血清AUClast
(d)約849mg・日/mLの平均血清AUC
(e)約18.1日の平均血清t1/2、又は
(f)約3.6mL/日/kgの平均血清CL。
いくつかの実施形態において、約10mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約230~約302mg/mLの血清Cmax
(b)約0.05~約0.33日の血清Tmax
(c)約2935~約4435mg・日/mLの血清AUClast
(d)約2947~約5177mg・日/mLの血清AUC
(e)約18~約34日の血清t1/2、又は
(f)約2.1~約3.1mL/日/kgの血清CL。
いくつかの実施形態において、約10mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約266mg/mLの平均血清Cmax
(b)約0.25日の血清Tmax中央値、
(c)約3685mg・日/mLの平均血清AUClast
(d)約4062mg・日/mLの平均血清AUC
(e)約26.4日の平均血清t1/2、又は
(f)約2.6mL/日/kgの平均血清CL。
いくつかの実施形態において、約30mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約523~約625mg/mLの血清Cmax
(b)約0.06~約0.50日の血清Tmax
(c)約5921~約9077mg・日/mLの血清AUClast
(d)約6552~約10,076mg・日/mLの血清AUC
(e)約18~約28日の血清t1/2、又は
(f)約2.9~約4.6mL/日/kgの血清CL。
いくつかの実施形態において、約30mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約574mg/mLの平均血清Cmax
(b)約0.17日の血清Tmax中央値、
(c)約7499mg・日/mLの平均血清AUClast
(d)約8314mg・日/mLの平均血清AUC
(e)約23.1日の平均血清t1/2、又は
(f)約3.8mL/日/kgの平均血清CL。
いくつかの実施形態において、約60mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約1191~約1583mg/mLの血清Cmax
(b)約0.06~約0.92日の血清Tmax
(c)約13,450~約22,160mg・日/mLの血清AUClast
(d)約16,751~約24,143mg・日/mLの血清AUC
(e)約15~約29日の血清t1/2、又は
(f)約2.4~約3.7mL/日/kgの血清CL。
いくつかの実施形態において、約60mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約1387mg/mLの平均血清Cmax
(b)約0.17日の血清Tmax中央値、
(c)約17,805mg・日/mLの平均血清AUClast
(d)約20,447mg・日/mLの平均血清AUC
(e)約21.8日の平均血清t1/2、又は
(f)約3.0mL/日/kgの平均血清CL。
いくつかの実施形態において、約1mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約9~約18ng/mLのCSF Cmax
(b)約14~約15日のCSF Tmax
(c)約210~約386ng・日/mLのCSF AUCDay29、又は
(d)約259~約615ng・日/mLのCSFのCSF AUCDay57
いくつかの実施形態において、約1mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約13.4ng/mLの平均CSF Cmax
(b)約14.9日のCSF Tmax中央値、
(c)約298ng・日/mLの平均CSF AUCDay29、又は
(d)約437ng・日/mLの平均CSF AUCDay57
いくつかの実施形態において、約1mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約0.02%~約0.06%の投与後約1日のCSF/血清濃度比、
(b)約0.11%~約0.32%の投与後約14日のCSF/血清濃度比、
(c)約0.12%~約0.29%の投与後約28日のCSF/血清濃度比、又は
(d)約0.06%~約0.74%の投与後約56日のCSF/血清濃度比。
いくつかの実施形態において、約1mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約0.03%の投与後約1日の平均CSF/血清濃度比、
(b)約0.19%の投与後約14日の平均CSF/血清濃度比、
(c)約0.19%の投与後約28日の平均CSF/血清濃度比、又は
(d)約0.22%の投与後約56日の平均CSF/血清濃度比。
いくつかの実施形態において、約3mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約31~約74ng/mLのCSF Cmax
(b)約13.9~約14.1日のCSF Tmax
(c)約662~1546ng・日/mLの平均CSF AUCDay29
(d)約914~約2134ng・日/mLのCSF AUCDay43、又は
(e)約914~約2134ng・日/mLのCSF AUClast
いくつかの実施形態において、約3mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約52.7ng/mLの平均CSF Cmax
(b)約14.1日の中央値CSF Tmax
(c)約1104ng・日/mLの平均CSF AUCDay29
(d)約1524ng・日/mLの平均CSF AUCDay43、又は
(e)約1524ng・日/mLの平均CSF AUClast
いくつかの実施形態において、約3mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約0.02%~約0.08%の投与後約1日のCSF/血清濃度比、
(b)約0.18%~約0.43%の投与後約14日のCSF/血清濃度比、
(c)約0.22%~約0.40%の投与後約28日のCSF/血清濃度比、又は
(d)約0.16%~約0.80%の投与後約42日のCSF/血清濃度比。
いくつかの実施形態において、約3mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約0.04%の投与後約1日の平均CSF/血清濃度比、
(b)約0.28%の投与後約14日の平均CSF/血清濃度比、
(c)約0.30%の投与後約28日の平均CSF/血清濃度比、又は
(d)約0.37%の投与後約42日の平均CSF/血清濃度比。
いくつかの実施形態において、約10mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約170~約182ng/mLのCSF Cmax
(b)約13.9~約15.0日のCSF Tmax、又は
(c)約2365~約6187ng・日/mLのCSF AUCDay29
いくつかの実施形態において、約10mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約176ng/mLの平均CSF Cmax
(b)約14日の中央値CSF Tmax、又は
(c)約4276ng・日/mLの平均CSFのCSF AUCDay29
いくつかの実施形態において、約10mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約0.02%~約0.07%の投与後約1日のCSF/血清濃度比、
(b)約0.16%~約0.34%の投与後約14日のCSF/血清濃度比、又は
(c)約0.19%~約0.40%の投与後約28日のCSF/血清濃度比。
いくつかの実施形態において、約10mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約0.04%の投与後約1日の平均CSF/血清濃度比、
(b)約0.24%の投与後約14日の平均CSF/血清濃度比、又は
(c)約0.28%の投与後約28日の平均CSF/血清濃度比。
いくつかの実施形態において、約30mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約224~約570ng/mLのCSF Cmax
(b)約13.1~約29.0日のCSF Tmax
(c)約12,601~約18,239ng・日/mLのCSFのCSF AUCDay43
(d)約7880~約11,436ngの・日/mLのCSF AUCDay57
(e)約17,027~約21,909ng・日/mLのCSF AUClast又は、
(f)約9372~約12,146ng・日/mLのCSF AUClast
いくつかの実施形態において、約30mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約397ng/mLの平均CSF Cmax
(b)約14.1日の中央値CSF Tmax
(c)約15,420ng・日/mLの平均CSF AUCDay43
(d)約9658ng・日/mLの平均CSF AUCDay57
(e)約19,468ng・日/mLの平均CSF AUClast、又は
(f)約10,759ng・日/mLの平均CSF AUClast
いくつかの実施形態において、約30mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約0.02%~約0.07%の投与後約1日のCSF/血清濃度比、
(b)約0.17%~約0.51%の投与後約14日のCSF/血清濃度比、
(c)約0.15%~約1.12%の投与後約42日のCSF/血清濃度比、又は
(d)約0.15%~約1.28%の投与後約70日のCSF/血清濃度比。
いくつかの実施形態において、約30mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約0.04%の投与後約1日の平均CSF/血清濃度比、
(b)約0.30%の投与後約14日の平均CSF/血清濃度比、
(c)約0.42%の投与後約42日の平均CSF/血清濃度比、又は
(d)約0.45%の投与後約70日の平均CSF/血清濃度比。
いくつかの実施形態において、約60mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約637~約1585ng/mLのCSF Cmax、又は
(b)約6.9~約14.1日のCSF Tmax
いくつかの実施形態において、約60mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約1111ng/mLの平均CSF Cmax、又は
(b)約11日の中央値CSF Tmax
いくつかの実施形態において、約60mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約0.02%~約0.10%の投与後約1日のCSF/血清濃度比、
(b)約0.09%~約0.43%の投与後約7日のCSF/血清濃度比、又は
(c)約0.17%~約0.57%の投与後約14日のCSF/血清濃度比。
いくつかの実施形態において、約60mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物のIV投与は、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約0.05%の投与後約1日の平均CSF/血清濃度比、
(b)約0.20%の投与後約7日の平均CSF/血清濃度比、又は
(c)約0.31%の投与後約14日の平均CSF/血清濃度比。
いくつかの実施形態において、約5mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与(ここで、各投与は約28日間隔てられる)は、1回目の投与後に以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約107~約142mg/mLの血清Cmax
(b)約0.04~約0.33日の血清Tmax、又は
(c)約952~約1308mg・日/mLの血清AUCτ
いくつかの実施形態において、約5mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与(ここで、各投与は約28日間隔てられる)は、1回目の投与後に以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約125mg/mLの平均血清Cmax
(b)約0.05日の平均血清Tmax、又は
(c)約1130mg・日/mLの平均血清AUCτ
いくつかの実施形態において、約15mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与(ここで、各投与は約28日間隔てられている)は、1回目の投与後に以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約292~約426mg/mLの血清Cmax
(b)約0.05~約0.17日の血清Tmax、又は
(c)約2656~約4316mg・日/mLの血清AUCτ
いくつかの実施形態において、約15mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与(ここで、各投与は約28日間隔てられている)は、1回目の投与後に以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約359mg/mLの平均血清Cmax
(b)約0.13日の平均血清Tmax、又は
(c)約3486mg・日/mLの平均血清AUCDay0-Day28
いくつかの実施形態において、約30mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与(ここで、各投与は約28日間隔てられている)は、1回目の投与後に以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約604~約874mg/mLの血清Cmax
(b)約0.06~約0.17日の血清Tmax、又は
(c)約5458~約8320mg・日/mLの血清AUCτ
いくつかの実施形態において、約30mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与(ここで、各投与は約28日間隔てられている)は、1回目の投与後に以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約739mg/mLの平均血清Cmax
(b)約0.09日の平均血清Tmax、又は
(c)約6889mg・日/mLの平均血清AUCτ
いくつかの実施形態において、約50mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与(ここで、各投与は約28日間隔てられている)は、1回目の投与後に以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約1039~約1305mg/mLの血清Cmax
(b)約0.06~約0.33日の血清Tmax、又は
(c)約10,111~約11,751mg・日/mLの血清AUCτ
いくつかの実施形態において、約50mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与(ここで、各投与は約28日間隔てられている)は、1回目の投与後に以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約1172mg/mLの平均血清Cmax
(b)約0.17日の平均血清Tmax、又は
(c)約10,931mg・日/mLの平均血清AUCτ
いくつかの実施形態において、約5mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与(ここで、各投与は約28日間隔てられる)は、3回目の投与後に以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約121~約173mg/mLの血清Cmax
(b)約0.05~約0.33日の血清Tmax、又は
(c)約1112~約2080mg・日/mLの血清AUCτ
(d)約1641~約2965mg・日/mLの血清AUClast
(e)約1716~約3060mg・日/mLの血清AUC
(f)約13~約23.6日の血清t1/2、又は
(g)約2.4~約4.2mL/日/kgの血清CL。
いくつかの実施形態において、約5mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与(ここで、各投与は約28日間隔てられる)は、3回目の投与後に以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約147mg/mLの平均血清Cmax
(b)約0.11日の血清Tmax中央値、又は
(c)約1596mg・日/mLの平均血清AUCτ
(d)約2303mg・日/mLの平均血清AUClast
(e)約2388mg・日/mLの血清AUC
(f)約18.3日の平均血清t1/2、又は
(g)約3.3mL/日/kgの血清CL。
いくつかの実施形態において、約5mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与は、各投与が約28日間隔てられ、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約0.20%~約0.44%の1回目の投与後約21日のCSF/血清濃度比、
(b)約0.20%~0.49%の1回目の投与後約42日のCSF/血清濃度比、又は
(c)約0.22%~0.72%の1回目の投与後約84日のCSF/血清濃度比。
いくつかの実施形態において、約5mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与は、各投与が約28日間隔てられ、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約0.30%の1回目の投与後約21日の平均CSF/血清濃度比、
(b)約0.31%の1回目の投与後約42日の平均CSF/血清濃度比、又は
(c)約0.40%の1回目の投与後約84日の平均CSF/血清濃度比。
いくつかの実施形態において、約15mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与は、各投与が約28日間隔てられ、3回目の投与後に以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約379~約519mg/mLの血清Cmax
(b)約0.05~約0.17日の血清Tmax、又は
(c)約3875~約7211mg・日/mLの血清AUCτ
(d)約5557~約12,157mg・日/mLの血清AUClast
(e)約5577~約14,129の血清mg・日/mLの血清AUC
(f)約19.4~約32.8日の血清t1/2、又は
(g)約2.2~約3.6mL/日/kgの血清CL。
いくつかの実施形態において、約15mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与は、各投与が約28日間隔てられ、3回目の投与後に以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約449mg/mLの平均血清Cmax
(b)約0.17日の血清Tmax中央値、又は
(c)約5543mg・日/mLの平均血清AUCτ
(d)約8857mg・日/mLの平均血清AUClast
(e)約9853mg・日/mLの血清AUC
(f)約26.1日の平均血清t1/2、又は
(g)約2.9mL/日/kgの血清CL。
いくつかの実施形態において、約15mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与は、各投与が約28日間隔てられ、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約0.11%~約0.23%の1回目の投与後約7日のCSF/血清濃度比、
(b)約0.08%~約0.58%の1回目の投与後約14日のCSF/血清濃度比、
(c)約0.75%~約0.54%の1回目の投与後約63日のCSF/血清濃度比、
(d)約0.11%~約0.44%の1回目の投与後約70日のCSF/血清濃度比、又は
(e)約0.11%~0.35%の1回目の投与後約84日のCSF/血清濃度比。
いくつかの実施形態において、約15mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与は、各投与が約28日間隔てられ、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約0.16%の1回目の投与後約7日の平均CSF/血清濃度比、
(b)約0.23%の1回目の投与後約14日の平均CSF/血清濃度比、
(c)約0.20%の1回目の投与後約63日の平均CSF/血清濃度比、
(d)約0.23%の1回目の投与後約70日の平均CSF/血清濃度比、又は
(e)約0.20%の1回目の投与後約84日の平均CSF/血清濃度比。
いくつかの実施形態において、約30mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与(ここで、各投与は約28日間隔てられている)は、3回目の投与後に以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約657~約1187mg/mLの血清Cmax
(b)約0.07~約0.17日の血清Tmax、又は
(c)約7190~約11,830mg・日/mLの血清AUCτ
(d)約9673~約20,587mg・日/mLの血清AUClast
(e)約10,034~約22,244mg・日/mLの血清AUC
(f)約19.9~約26.7日の血清t1/2、又は
(g)約2.6~約3.9mL/日/kgの血清CL。
いくつかの実施形態において、約30mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与(ここで、各投与は約28日間隔てられている)は、3回目の投与後に以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約922mg/mLの平均血清Cmax
(b)約0.17日の血清Tmax中央値、又は
(c)約9510mg・日/mLの平均血清AUCτ
(d)約15,130mg・日/mLの平均血清AUClast
(e)約16,139mg・日/mLの血清AUC
(f)約23.3日の平均血清t1/2、又は
(g)約3.3mL/日/kgの血清CL。
いくつかの実施形態において、約30mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与は、各投与が約28日間隔てられ、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約0.18%の1回目の投与後約7日の平均CSF/血清濃度比、
(b)約0.26%の1回目の投与後約14日の平均CSF/血清濃度比、
(c)約0.25%の1回目の投与後約63日の平均CSF/血清濃度比、
(d)約0.29%の1回目の投与後約70日の平均CSF/血清濃度比、又は
(e)約0.33%の1回目の投与後約84日の平均CSF/血清濃度比。
いくつかの実施形態において、約50mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与(ここで、各投与は約28日間隔てられている)は、3回目の投与後に以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約1146~約1550mg/mLの血清Cmax
(b)約0.07~約0.17日の血清Tmax、又は
(c)約14,022~約17,222mg・日/mLの血清AUCτ
(d)約22,144~約27,486mg・日/mLの血清AUClast
(e)約23,790~約30,366mg・日/mLの血清AUC
(f)約24.3~約29.9日の血清t1/2、又は
(g)約2.8~約3.6mL/日/kgの血清CL。
いくつかの実施形態において、約50mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与(ここで、各投与は約28日間隔てられている)は、3回目の投与後に以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約1348mg/mLの平均血清Cmax
(b)約0.07日の血清Tmax中央値、又は
(c)約15,622mg・日/mLの平均血清AUCτ
(d)約24,815mg・日/mLの平均血清AUClast
(e)約27,078mg・日/mLの血清AUC
(f)約27.1日の平均血清t1/2、又は
(g)約3.2mL/日/kgの血清CL。
いくつかの実施形態において、約50mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与は、各投与が約28日間隔てられ、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約0.23%~約0.37%の1回目の投与後約21日のCSF/血清濃度比、
(b)約0.22%~約0.45%の1回目の投与後約42日のCSF/血清濃度比、又は
(c)約0.22%~0.53%の1回目の投与後約84日のCSF/血清濃度比。
いくつかの実施形態において、約50mg/kgの抗タウ抗体を含む組成物の3回のIV投与は、各投与が約28日間隔てられ、以下のうちの1つ又は2つ以上を達成する:
(a)約0.29%の1回目の投与後約21日の平均CSF/血清濃度比、
(b)約0.31%の1回目の投与後約42日の平均CSF/血清濃度比、又は
(c)約0.34%の1回目の投与後約84日の平均CSF/血清濃度比。
本開示の実施形態は、以下の非限定的な実施例を参照することにより更に定義することができる。当業者には、材料及び方法の両方に対して、本開示の範囲から逸脱することなく多くの改変を行うことができる点は明らかであろう。
ヒトにおける抗タウ抗体の薬物動態及び安全性。
健康な対象及びアルツハイマー病を有する対象における本発明の抗タウ抗体の安全性及び忍容性、薬物動態、並びに薬力学を調査するために、2パート無作為化、プラセボ対照、二重盲検、単回及び複数回漸増用量試験を行った。
試験で使用された抗タウ抗体は、配列番号25のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号26のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域とを含む、ヒト化IgG1モノクローナル抗体であった。抗タウ抗体は、滅菌された保存剤を含まない液体として供給され、10mMヒスチジン、8.5%(w/v)スクロース、0.04%(w/v)ポリソルベート20、20μg/mL EDTAからなる溶液中に抗体の濃度50mg/mLを含み、pH5.5に設定された。
方法論
試験は、合計9つのコホート及び各々最大8人の対象を有する2つの部分から構成されていた。パート1はコホート1~5を含み、パート2はコホートA、B、D、及びEを含んでいた。
パート1は、抗タウ抗体の単回漸増IV用量後の抗タウ抗体の安全性、忍容性、薬物動態、薬力学、及び免疫原性を評価するための健康な対象における単回漸増用量(single ascending dose、SAD)試験であった。1~60mg/kgの範囲の単回漸増IV用量の抗タウ抗体又はプラセボを、健康な対象の連続コホートに投与した。パート1における各コホートの投与は、少なくとも2日間にわたって行われ、2人の対象が1日目に投与され(1人はプラセボを受け、1人は抗タウ抗体を受ける)、6人の対象が翌日に投与された(1人はプラセボを受け、5人は抗タウ抗体を受けた)。対象への連続的な投与は、各コホートにおける各注入の開始から少なくとも60分間隔てられていた。
パート2は、抗タウ抗体の複数回漸増IV用量後の抗タウ抗体の安全性、忍容性、薬物動態、及び免疫原性を評価するため、並びに前駆又は軽度アルツハイマー病を有する対象及び健康な対象における薬力学を評価するための複数回漸増用量(multiple ascending dose、MAD)試験であった。2つの用量レベル(5mg/kg又は50mg/kg)の抗タウ抗体又はプラセボを健康な対象において評価し、2つの用量レベル(15mg/kg又は30mg/kg)の抗タウ抗体又はプラセボを、前駆又は軽度のアルツハイマー病を有する対象において、8週間にわたる複数回漸増IV用量として評価した(IV投与は1日目、29日目、及び57日目に行った)。2人又は3人以上の対象が、パート2における任意の所定のMADコホートの開始時に投与のために利用可能であった場合、センチネル投与を行い(パート1について記載されるように)、1人の対象はプラセボを受け、1人の対象は更なる対象が投与される前に受けた。
対象を、以下の包含基準及び除外基準に従って登録した。
一般的包含基準:
・18~35kg/m(境界値を含む)のボディマス指数(Body mass index、BMI)、(BMI=体重/身長)、及び40kgを超えるが110kg未満のスクリーニング時の体重。
・女性は妊娠の可能性があってはならない。
パート2についての特定の包含基準:
・パート2に登録された各潜在的対象は、本試験に登録される一般的基準に加えて、以下の特定の基準の全てを満たさなければならない。
・スクリーニング時に0.5又は1.0の臨床認知症評価グローバル評価スコア。
・信頼できる情報提供者(例えば、親戚、パートナー、友人)を有していなければならない。
・アルツハイマー病の病理と一致するCSF所見を有しなければならない。
一般的除外基準
・以下の基準のうちのいずれかを満たす任意の可能性のある対象は、この試験の参加から除外される。
・肝臓又は腎臓の機能不全の病歴又は現在の機能不全;重大な心臓、血管、肺、胃腸、内分泌、神経(神経変性疾患(第2部のアルツハイマー病を除く)、発作性障害、一過性脳虚血発作などを含むが、これらに限定されない)、血液(凝固障害を含む)、リウマチ、精神医学、又は代謝障害、任意の炎症性疾患又は治験責任医師が考慮する任意の他の疾患は、対象を除外すべきである。
・治験責任医師の意見において、可能性のある新たな神経学的徴候又は症状の解釈を困難にし得る、(パート2の前駆アルツハイマー症又は軽度アルツハイマー症以外の)現在の神経疾患の関連病歴。
・ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus、HIV)抗体陽性の履歴、又はスクリーニング時(スクリーニング評価による)のHIV検査で陽性。
・B型肝炎表面抗原History of hepatitis B surface antigen、(HBsAg)若しくはC型肝炎抗体(抗C型肝炎ウイルス)陽性又は他の臨床的に活性な肝疾患、又はスクリーニング時(スクリーニング評価による)HBsAg若しくは抗HCV検査が陽性の履歴。
パート1の特定の除外基準
・スクリーニング時に27以下のミニメンタルステート検査(Mini-Mental State Examination、MMSE)スコア。
パート2の特定の除外基準
・AD以外の、認知障害を説明することができる脳疾患の証拠(脳磁気共鳴映像法(magnetic resonance imaging、MRI)により画像化される血管性脳症又は脳卒中を含むが、これらに限定されない)。
パート1の対象は、男性及び女性であり、年齢は55~75歳(境界値を含む)であり、健康であった。パート2の対象は、55~80歳(境界値を含む)の男性及び女性であり、健康な対象及び前駆又は軽度のアルツハイマー病を有する対象を含んでいた。アルツハイマー病対象は、それぞれ、軽度認知障害(MCI:前駆アルツハイマー病)又は軽度アルツハイマー病と一致する0.5又は1.0の臨床認知症評価グローバルスコア、並びに異常CSF Aβ 1~42及び上昇したCSF p181タウ)によって示されるアミロイド沈着及びタウオパシーの証拠を有していた。
対象は、1日目にユニットに収容され、パート1については1回目のIV投与中に5日/4泊の入院期間を有し、パート2については1回目のIV投与後に3日/2泊の入院期間を有した。パート2については、その後の全ての投与日(29日目及び57日目)に、対象が、IV投与の日の午前中にユニットに来て、安全性の問題が観察されず、全ての試験訪問評価が完了した場合、治験責任医師の裁量でIV注入の少なくとも1時間後に退院した。投与日に、対象は、午前中、標準化された軽い朝食(<500カロリー)の開始から少なくとも30分後に試験介入を受けた。
パート1では、1mg/kg、3mg/kg、10mg/kg、30mg/kg、及び60mg/kgの投与量を、様々な治療群に投与した。パート2では、5mg/kg、15mg/kg、30mg/kg、及び50mg/kgの投与量を、様々な治療群に投与した。両方のパートについて、プラセボを0.9%塩化ナトリウム溶液として供給した。
投与後及び入院期の完了後、パート1からの対象は、安全性、忍容性、薬物動態(血液及びCSF)、免疫原性(抗薬物抗体[anti-drug antibody、ADA])、及び薬力学(バイオマーカー応答、血液及びCSF)を評価するために、投与後13週間まで定期的な追跡訪問のために試験施設に戻った。パート2からの対象は、29日目及び57日目のその後の用量の投与、及び安全性、忍容性、薬物動態(血液及びCSF)、免疫原性(ADA)、及び薬力学(バイオマーカー応答、血液及びCSF)を評価するために、最後の投与から13週間まで、定期的な追跡訪問のために戻った。
サンプリングスキームはコホートによって異なり、抗タウ抗体の薬物動態プロファイルを特徴付け、バイオマーカー応答を評価するために治療群にわたってバランスをとった。
パート1の92日目(13週目)の訪問及びパート2の148日目(21週目)の訪問の完了は、その来診時にCSF試料が収集されない限り、試験への参加の終了を構成した。その場合、対象は、パート1については106日目(15週目)に、又はパート2については162日目(23週目)に、追加の安全性追跡訪問を受けた。
安全性及び忍容性の評価は、バイタルサイン、安全性検査、脳のMRI、12誘導心電図(electrocardiogram、ECG)、及び遠隔測定(パート1のみ)を含んだ。
単回LP(12mL/穿刺)による血液試料及びCSF試料を、定期的な時点(スクリーニング/ベースライン及び投与後)で収集して、抗タウ抗体の末梢及び中枢薬物動態、免疫原性すなわち、ADA、並びに薬力学(総、遊離及び結合p217+タウ、総タウ、及び/又はp181タウ)を評価した。
パート1では、1回の腰椎穿刺による5つのCSF試料を各対象について収集した。ベースライン試料は、適格性の確認後1日目の少なくとも2週間前、及び少なくとも12日間隔てられた4つの投与後時点で収集した。パート2では、1回の腰椎穿刺による4つのCSF試料を各対象について収集した。健康な対象については、適格性の確認後、ベースライン試料を1日目の少なくとも2週間前に収集し、前駆又は軽度アルツハイマー病を有する対象については、スクリーニング期間中に適格性を確認するために初期CSF試料を使用した。CSFはまた、パート2において、少なくとも12日間隔てられた4つの投与後時点で収集された。
必須の別個の薬理ゲノミクス(デオキシリボ核酸[deoxyribonucleic acid、DNA])血液試料を、全ての対象から収集した。薬理ゲノミクス成分の目標は、DNAを収集して、抗タウ抗体の薬物動態、薬力学、安全性、又は忍容性、及びアルツハイマー病/タウオパシーに関連する経路に影響を及ぼし得る遺伝因子の可能な評価を可能にすることであった。
結果
表2及び3に示されるように、合計40人の対象(抗タウ抗体を受けるために無作為化された30人、プラセボに無作為化された10人)が、試験のパート1に登録された。40人の対象のうち、1人の対象が試験から離脱し(個人的理由)、39人の対象が試験を完了した。合計29人の対象(抗タウ抗体を受けるために無作為化された23人、プラセボに無作為化された6人)を試験のパート2に登録した。16人の健康な対象及び13人の前駆又は軽度のアルツハイマー病を有する対象である。29人の対象のうち、1人の対象が試験から離脱し(追加の手順を受けることを辞退した)、28人の対象が試験を完了した。
AD=アルツハイマー病
HS=健康な対象
試験のパート1についての薬物動態結果を表4~6及び図1~図3に示す。これらの結果は、抗タウ抗体の単回IV用量の投与後、血清Tmax中央値が、異なる投与量にわたって投与開始後0.05~0.25日の範囲であったことを示す。平均血清t1/2は、5つのコホートについて、抗タウ抗体のIV投与後18.1日~26.4日の範囲であった。平均血清CLは、2.58~3.75mL/日/kgの範囲であり、異なる投与量にわたって同等であった。
平均血清Cmax、AUClast及びAUCは、投与量の増加とともに増加した(図1及び図3を参照のこと)。用量正規化(dose normalized、dn)血清薬物動態パラメータ(Cmax、dn、AUClast、dn、及びAUC∞、dn)の平均値は、投与量の増加と同等であり、これは、抗タウ抗体が、試験した用量範囲内で、血清中で用量比例性を示すことを示唆している。
平均CSF Cmax、AUCDay29、AUCDay43、及びAUCDay57は、投与量の増加とともに増加した(図2及び図3参照)。一般に、用量正規化CSF Cmax及びAUCについての平均値は同等であり、個々の値の分布は重複しており、これは、試験された用量範囲にわたるCSF Cmax及びAUCの用量比例増加を示唆する。
抗タウ抗体のIV投与後、2日目の平均CSF/血清比は、全てのコホートについて0.0345%~0.0535%の範囲であった。8日目以降、CSF/血清の比は、その後の全てのサンプリング日について同等であり、全てのコホートについて0.191%~0.450%の範囲であった。
注:薬物動態パラメータは、Tmaxが中央値(範囲)として示されることを除いて、平均(SD)として示される。
AUClast、AUC、λ、t1/2、CL、AUClast、dn及びAUC∞、dnについてn=5。
AUC、λ、t1/2、CL及びAUC∞、dnについてn=5。
注:所与のコホート内の各対象を、2つの異なるLPサンプリングスキームのうちの1つに無作為化した。薬物動態パラメータは、Tmaxが中央値(範囲)として示されることを除いて、平均(SD)として示される。
AUCDay57、AUClast、s2、AUCDay57、dn及びAUClast、s2、dnについてn=3
AUCDay43、AUClast、s1、AUCDay43、dn、AUClast、s1、dnについてn=3
AUCDay29及びAUCDay29、dnについてn=4
AUCDay43、AUClast、s1、AUCDay43、dn、AUClast、s1、dn、AUCDay57、AUClast、s2、AUCDay57、dn及びAUClast、s2、dnについてn=3
サンプリングスキーム1のAUClast
サンプリングスキーム2のAUClast
1人の対象は、逸脱したPKプロファイルのために標準出力から除外された。
1人の対象は、予測されたCmax付近でCSF試料を欠いていた。Cmax及び記述統計学から除外される関連パラメータ
注:CSF血清比は、幾何平均(95%信頼区間)として表される。
Day15、CSF/serum、CDay29、CSF/serumについてn=5、及びCDay57、CSF/serumについてn=3。
Day43、CSF/serumについてn=3。
Day15、CSF/serumについてn=5、CDay29、CSF/serumについてn=4。
Day15、CSF/serumについてn=4、並びにCDay43、CSF/serum及びCDay71、CSF/serumについてn=3。
試験のパート2についての薬物動態結果を表7及び8並びに図4~図7に示す。これらの結果は、抗タウ抗体の第1のIV用量の投与後、血清Tmax中央値が投与開始後0.05~0.17日の範囲であったことを示す。平均血清Cmax及びAUCτは、投与量の増加とともに増加した(図4及び図7を参照のこと)。用量正規化血清薬物動態パラメータ(Cmax、dn及びAUCτ、dn)についての平均値は、増加する投与量と、健康な対象とアルツハイマー病を有する対象との間で同等であり、抗タウ抗体が、健康な対象及びアルツハイマー病対象の両方についての用量範囲内で、血清中で用量比例性を示し、パート1で観察された結果と同様であったことを示唆した。
抗タウ抗体の複数回IV用量の投与後、血清Tmax中央値は、3回目のIV投与の開始後0.07~0.17日の範囲であり(図5及び図7参照)、これは概して、注入の終了時のサンプリングに対応し、第1の用量と一致する。
平均血清t1/2は、抗タウ抗体の3回目のIV投与後、18.3日~27.1日の範囲であった。平均血清CLは2.87~3.34mL/日/kgの範囲であり、4つのコホートについて同等であり、パート1の結果と同様であった。平均血清Vssは、81.4~101mL/kgの範囲であり、4つのコホートについて同等であった。
第1及び第3の用量のCmaxの平均血清比は、1.15~1.26の範囲であり、全てのコホートについて同等であった。第1及び第3の用量のAUCτの平均血清比は、1.39~1.59μg・日/mLの範囲であり、全てのコホートについて同等であった。
抗タウ抗体の複数回のIV投与後、CSF/血清比の幾何平均及び95%CIは、全てのコホートについて全てのサンプリング点にわたって0.164%(0.119~0.225%)と0.401%(0.224~0.717%)との間の範囲であり、全てのコホート及びサンプリング点について同等であった。85日目に、幾何平均CSF/血清比は、アルツハイマー病対象のコホートと比較した場合、健康な対象のコホートについてわずかに高かった(15mg/kg及び30mg/kgコホート)。
注:薬物動態パラメータは、Tmaxが中央値(範囲)として示されることを除いて、平均(SD)として示される。
AD=アルツハイマー病、HS=健康な対象。
AUCτ及びAUCτ、dnについてn=4
注:CSF血清比は、幾何平均(95%信頼区間)として表される。
AD=アルツハイマー病HS=健康な対象。
X日目における抗タウ抗体の対応する血清濃度に対するCSFの比(CDayx、CSF/serum
n=2したがって、平均比は報告されないが、個々の値はAD-30mg/kgについて提示される。
この試験の薬力学結果を図8~図15に示す。結果は、パート1及びパート2の両方において対象で観察された遊離及び総CSFp217+タウの用量依存的減少があったことを示す。最大減少は、投与後8日目にパート1で見られ、リバウンドし始めたが、投与後56日目までにベースラインレベルに戻らなかった。パート2における毎月の投与では、CSFp217+タウレベルのリバウンドは、少なくとも85日間(最後の用量の28日後)にわたって観察されず、抗タウ抗体の持続した最大の影響を示唆した。
パート1では、投与後14日目のベースライン総p217+タウに対するパーセントは、プラセボで105%であり、抗タウ抗体について1mg/kg、3mg/kg、10mg/kg、30mg/kg、及び60mg/kgの投与量でそれぞれ54%、42%、30%、32%、及び29%であった(図9参照)。パート2では、71日目又は85日目のベースライン総p217+タウに対するパーセントは、健康な対象においてプラセボで110%、5mg/kg用量で42%、50mg/kg用量で31%であり、アルツハイマー病対象においてプラセボで98%、15mg/kg用量で29%、30mg/kg用量で18%であった(図11参照)。
パート1又はパート2からの健康な対象において、総タウ又はp181タウの変化は観察されなかったが、アルツハイマー病の対象は、総タウ及びp181タウの両方の減少を示した(図12及び図13参照)。71日目又は85日目のベースライン総タウに対するパーセントは、健康な対象において、プラセボで107%、5mg/kg用量で99%及び50mg/kg用量で98%であり、アルツハイマー病対象において、プラセボで99%、15mg/kg用量で96%及び30mg/kg用量で78%であった(図12参照)。71日目又は85日目のベースラインp181タウに対するパーセントは、健康な対象において、プラセボで99%、5mg/kg用量で99%、及び50mg/kg用量で101%であり、アルツハイマー病対象において、プラセボで94%、15mg/kg用量で96%、及び30mg/kg用量で77%であった(図13参照)。健康な対象ではなくアルツハイマー病対象における総タウ及びp181タウの減少は、健康な対象(3~8%)と比較して、アルツハイマー病対象(10~35%)におけるp217+を含有する全てのタウ種のより高いパーセンテージに起因し得る。
p217+を含有するタウのパーセントと総タウ又はp181タウの減少の大きさとの間に相関関係が観察されたが(r=0.654及び0.601)、これは、p217+タウに対する強い影響がアルツハイマー病対象における総タウ及びp181タウの測定において明らかであることを示している(図14及び図15参照)。
(パート1及びパート2において)抗タウ抗体を受けた53人の対象のうち、11人の対象(パート1において8人の対象及びパート2において3人の対象)が、治療下で発現したADAについて陽性であることが観察された。6人の対象は22.5のピーク力価を有し、2人の対象は45のピーク力価を有し、1人の対象は180のピーク力価を有し、2人の対象は360のピーク力価を有した。アルツハイマー病対象コホートにおいて、治療下で発現したADAは報告されなかった。力価を有する対象の数は、後の時点でより高く、より高い力価が後の時点で検出された。
試験中に死亡は報告されず、治療下で発現した有害事象(TEAE)による早期終了もなかった。重篤な有害事象が2人の対象で報告された。パート1では、プラセボで治療された健康な対象は、腰椎穿刺後症候群/脊髄後頭痛及び高血圧の疑いを経験した。第2部では、15mg/kgの抗タウ抗体用量で治療されたアルツハイマー病対象は、腎腫瘍を経験したが、この有害事象は、抗タウ抗体による治療に関連するとは考えられなかった。
少なくとも1回の用量の試験介入を受けた全ての対象を、安全性分析セットに含めた。試験のパート1では、抗タウ抗体で治療された30人の対象のうち24人(80%)が、1つ又は2つ以上の有害事象(adverse event、AE)を報告した。すなわち、1mg/kgで処置された対象の50%、3mg/kgで治療された対象の66.7%、10mg/kgで治療された対象の100%、30mg/kgで治療された対象の83.3%、及び60mg/kgで治療された対象の100%であった。プラセボで治療された10人の対象のうち、8人(80%)が1つ又は2つ以上のAEを報告した。
試験のパート1において、最も一般的に報告されたTEAE(対象の20%超)は、1mg/kg用量の抗タウ抗体を受けた対象における腰椎穿刺後症候群;10mg/kg用量の抗タウ抗体を受けた対象における腰椎穿刺後症候群、高コレステロール血症、頭痛、吐気、及びのぼせ;30mg/kg用量の抗タウ抗体を受けた対象における肝酵素増加;60mg/kg用量の抗タウを受けた対象における頭痛、高コレステロール血症、腰椎穿刺後症候群、処置時疼痛、筋痙攣、及び頸部疼痛;並びにプラセボを受けた対象における頭痛及び背痛であった。TEAEは、3mg/kg用量の抗タウ抗体を受けた2人以上の対象において報告されなかった。
試験のパート2では、抗タウ抗体で治療された23人の対象のうち20人(87%)が1つ又は2つ以上のAEを報告した。すなわち、5mg/kgで治療された対象の66.7%、15mg/kgで治療された対象の83.3%、30mg/kgで治療された対象の100%、及び50mg/kgで治療された対象の100%であった。プラセボで治療された6人の対象のうち、5人(83.3%)が1つ又は2つ以上のAEを報告した。
試験のパート2において、最も一般的に報告されたTEAE(対象の20%超)は、15mg/kg用量の抗タウ抗体を受けた対象における背部痛及び頭痛;50mg/kg用量の抗タウを受けた対象における頭痛及び腰椎穿刺後症候群;並びにプラセボを受けた対象における頭痛及び倦怠感であった。TEAEは、5mg/kg用量又は30mg/kg用量の抗タウ抗体を受けた2人以上の対象において報告されなかった。
臨床上重要な異常は、検査値、バイタルサインパラメータ、又は脳MRIのいずれにおいても観察されなかった。
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Claims (22)

  1. 総脳脊髄液p217+タウの減少を必要とする対象においてそれを行う方法であって、薬学的に許容される担体と、1用量当たり約1mg/kg~約60mg/kgのモノクローナル抗体とを含む組成物を前記対象に投与することを含み、
    前記モノクローナル抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変相補性決定領域(CDR)1と、配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変CDR2と、配列番号3のアミノ酸配列を含む重鎖可変CDR3と、配列番号13のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR1と、配列番号14のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR2と、配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR3とを含む、
    前記方法。
  2. 遊離脳脊髄液p217+タウの減少を必要とする対象においてそれを行う方法であって、薬学的に許容される担体と、1用量当たり約1mg/kg~約60mg/kgのモノクローナル抗体とを含む組成物を前記対象に投与することを含み、
    前記モノクローナル抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変相補性決定領域(CDR)1と、配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変CDR2と、配列番号3のアミノ酸配列を含む重鎖可変CDR3と、配列番号13のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR1と、配列番号14のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR2と、配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR3とを含む、
    前記方法。
  3. 総脳脊髄液タウの減少を必要とする対象においてそれを行う方法であって、薬学的に許容される担体と、1用量当たり約1mg/kg~約60mg/kgのモノクローナル抗体とを含む組成物を前記対象に投与することを含み、
    前記モノクローナル抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変相補性決定領域(CDR)1と、配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変CDR2と、配列番号3のアミノ酸配列を含む重鎖可変CDR3と、配列番号13のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR1と、配列番号14のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR2と、配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR3とを含む、
    前記方法。
  4. 脳脊髄液p181タウの減少を必要とする対象においてそれを行う方法であって、薬学的に許容される担体と、1用量当たり約1mg/kg~約60mg/kgのモノクローナル抗体とを含む組成物を前記対象に投与することを含み、
    前記モノクローナル抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変相補性決定領域(CDR)1と、配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変CDR2と、配列番号3のアミノ酸配列を含む重鎖可変CDR3と、配列番号13のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR1と、配列番号14のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR2と、配列番号15のアミノ酸配列を含む軽鎖可変CDR3とを含む、
    前記方法。
  5. 前記モノクローナル抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖可変CDR1と、配列番号2のアミノ酸配列を有する重鎖可変CDR2と、配列番号3のアミノ酸配列を有する重鎖可変CDR3と、配列番号13のアミノ酸配列を有する軽鎖可変CDR1と、配列番号14のアミノ酸配列を有する軽鎖可変CDR2と、配列番号15のアミノ酸配列を有する軽鎖可変CDR3とを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記モノクローナル抗体が、配列番号25のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号26のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記モノクローナル抗体が、配列番号25のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号26のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域とを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記モノクローナル抗体が、配列番号27のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号28のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記モノクローナル抗体が、配列番号27のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号28のアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記組成物が、ヒスチジン、スクロース、ポリソルベート20、及びエチレンジアミン四酢酸を更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記組成物が、約5~6のpHを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 1用量当たり約10mg/kg~約40mg/kgの前記モノクローナル抗体を含む前記組成物を前記対象に投与することを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 1用量当たり約20mg/kg~約60mg/kgの前記モノクローナル抗体を含む前記組成物を前記対象に投与することを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  14. 1用量当たり約40mg/kg~約60mg/kgの前記モノクローナル抗体を含む前記組成物を前記対象に投与することを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  15. 1用量当たり、約1mg/kg、3mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、60mg/kg、又はその間の任意の値の前記モノクローナル抗体を含む前記組成物を、前記対象に投与することを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記組成物が、静脈内注入によって投与される、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記組成物が、2回以上の用量として投与される、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 各用量の前記投与が、約4週間の期間で隔てられている、請求項17に記載の方法。
  19. 前記モノクローナル抗体の前記投与が、投与後約0.05日~約0.25日の前記モノクローナル抗体の血清Tmax中央値をもたらす、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記モノクローナル抗体の前記投与が、投与後約18日~約27日後の前記モノクローナル抗体の血清T1/2中央値をもたらす、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記対象が、アルツハイマー病の治療を必要としている、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記対象が、初期アルツハイマー病、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)、又は軽度から中等度のアルツハイマー病の治療を必要としている、請求項21に記載の方法。
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