JP2023546008A - ゲノム編集試薬を送達するための接ぎ木植物 - Google Patents

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Abstract

本開示の実施形態は、ゲノム編集試薬を送達するための接ぎ木植物を作製する方法を対象とする。本方法は、発現コンストラクトを発現し、接ぎ木適合性の直径及び遺伝子型を持つ茎を有する少なくとも1つの台木を得るために、培養された台木組織を等級分けするステップ、並びに少なくとも1つの台木茎を通る切り込みを作り、前記台木茎の切り込みに隣接して安定化デバイスを配置するステップを含んでもよい。本方法は、少なくとも1つの切り込まれた穂木茎を前記安定化デバイスに挿入することによって接ぎ木植物を生成するステップであって、前記少なくとも1つの切り込まれた穂木茎が、切り込まれた台木茎内の維管束組織と実質的に整合するステップ、及び発現コンストラクトによるゲノム編集に起因する遺伝子編集について、接ぎ木植物からの新しい成長をスクリーニングするステップをさらに含んでもよい。【選択図】 図1

Description

本発明は、ゲノム編集試薬を送達するための接ぎ木植物に関する。
[0001]変異開始にデオキシリボ核酸(DNA)を使用せずに実行されるゲノム編集の方法は、「DNAフリーの」ゲノム編集技術と呼ばれる。植物におけるDNAフリーのゲノム編集には、典型的には、ゲノム編集試薬から植物細胞へのトランスジェニックリボ核酸(RNA)及び/又はタンパク質の直接送達、並びに植物全体及び編集された系統としての形質転換細胞の再生が必要である。このアプローチでは、トランスジェニックRNA及び/又はタンパク質を植物組織に直接送達し、形質転換された材料を植物全体として再生するために、特殊な植物形質転換及び組織培養プロトコルを必要とする。場合によっては、シングルガイドRNA(sgRNA)又はスモールRNAなどのゲノム編集試薬を送達するためにRNAウイルスが使用されている。しかしながら、厳密なウイルスサイズ制限が、エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)のような転写活性化因子又はクリスパー関連タンパク質9(Cas9)などのより大きな試薬がウイルス粒子に直接取り込まれることを妨げている。さらに、プロトプラスト、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、リゾビウム・リゾゲネス(Rhizobium rhizogenes)又はジェミニウイルスレプリコン(GVR)を組み込んだ試薬送達の「トランジェント(一過性)」法もまた実証されているが、それには費用のかかる組織培養プロトコルの開発及び宿主植物へのDNAのリスクのある組み込みが必要である。さらに、カンナビス・サティビス(Cannabis sativis)などの一部の種は、直接的な形質転換及び再生を行うことが難しいため、DNAフリーのゲノム編集技術を使用しての編集は困難である。
[0002]本概要は、以下の「詳細な説明」でさらに記載される概念の選択を簡略化された形式で紹介するために提供される。
[0003]一態様において、本開示は、ゲノム編集試薬を送達するための接ぎ木植物を作製する方法を提供する。本方法は、発現コンストラクトを発現し、接ぎ木適合性の直径及び遺伝子型を持つ茎を有する少なくとも1つの台木を得るために、培養された台木組織を等級分けするステップ、並びに少なくとも1つの台木茎を通る切り込みを作り、台木茎の切り込みに隣接して安定化デバイスを配置するステップを含む。本方法は、少なくとも1つの切り込まれた穂木茎を安定化デバイスに挿入することによって接ぎ木植物を生成するステップであって、少なくとも1つの切り込まれた穂木茎は、切り込まれた台木茎内の維管束組織と実質的に整合するステップ、及び発現コンストラクトによるゲノム編集に起因する遺伝子編集について、接ぎ木植物からの新しい成長をスクリーニングするステップをさらに含む。
[0004]いくつかの例において、本方法は、切り込まれた穂木茎の遺伝子型と接ぎ木適合性である遺伝子型の発現コンストラクトを発現するトランスジェニック植物を生成するステップを含む。いくつかの例において、本方法は、発現コンストラクトを保有するアグロバクテリウム・ツメファシエンスを宿主植物に感染させることにより、発現コンストラクトを発現するトランスジェニック植物を生成するステップを含む。いくつかの例において、本方法は、発現コンストラクトを保有するリゾビウム・リゾゲネスを宿主植物に感染させることにより、発現コンストラクトを発現するトランスジェニック植物を生成するステップを含む。いくつかの例において、本方法は、パーティクル・ボンバードメント法を使用して発現コンストラクトを発現するトランスジェニック植物を生成するステップを含む。いくつかの例において、本方法は、少なくとも1つの台木茎を通る切り込みを作るステップを含み、少なくとも1つの台木茎を通る第1の角度付き切り込みを作ることを含み、本方法は、少なくとも1つの穂木茎を通る第2の角度付き切り込みを作ることをさらに含み、少なくとも1つの穂木茎を通る第2の角度付き切り込みは、少なくとも1つの台木茎を通る第1の角度付き切り込みと実質的に同様である。いくつかの例において、本方法は、少なくとも1つの台木茎を通る切り込みを作るステップを含み、少なくとも1つの台木茎を通る第1のくさび形の切り込みを作ることを含み、方法は、少なくとも1つの穂木茎を通る第2のくさび形の切り込みを作ることをさらに含み、少なくとも1つの穂木茎を通る第2のくさび形の切り込みは、少なくとも1つの台木茎を通る第1のくさび形の切り込みと実質的に同様である。いくつかの例において、発現コンストラクトは、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)mRNAを含み、接ぎ木植物からの新しい成長をスクリーニングするステップは、エンドポイント逆転写酵素PCR(RT-PCR)又はウエスタンブロットを使用してTALEN mRNA及び/又はタンパク質について新しいシュート成長をサンプリングすることを含む。いくつかの例において、発現コンストラクトは、mRNAコーディング配列及びプロモーターを含む。いくつかの例において、プロモーターは35Sである。いくつかの例において、プロモーターはノパリンシンターゼ(Nos)である。
[0005]別の態様において、本開示は、ゲノム編集技術によって生成された、非天然植物を提供する。そのような実施形態において、ゲノム編集技術は、宿主植物をアグロバクテリウム・ツメファシエンス、リゾビウム・リゾゲネス溶液に感染させることによって、又はTALEN mRNAコーディング配列、師部移動性RNAからのジップコード要素及び構成的、誘導的若しくは師部特異的プロモーターを含むパーティクル・ボンバードメント法を使用することによって、トランスジェニック植物を生成することを含む。リゾビウム・リゾゲネスは、アグロバクテリウム・リゾゲネス(A.リゾゲネス)とも呼ばれ、本明細書ではこれらの用語は交換可能に使用される場合がある。本開示は、発現コンストラクトを発現し、接ぎ木適合性の直径及び遺伝子型を有する茎を有する少なくとも1つの台木を得るために、トランスジェニック植物の台木組織を等級分けすること、及び少なくとも1つの台木茎を通る切り込みを作り、台木茎の切り込みに隣接して安定化デバイスを配置することをさらに含む。さらに、本ゲノム編集技術は、少なくとも1つの切り込まれた穂木茎を安定化デバイスに挿入することによって接ぎ木植物を生成することであって、少なくとも1つの切り込まれた穂木茎は、切り込まれた台木茎内の維管束組織と実質的に整合すること、及び発現コンストラクトによるゲノム編集に起因する遺伝子編集について、接ぎ木植物からの新しい成長をスクリーニングすることを含む。
[0006]いくつかの例では、本ゲノム編集技術は、少なくとも1つの台木茎を通る切り込みを作り、台木茎の切り込みに隣接して安定化デバイスを配置することを含む。いくつかの例では、本ゲノム編集技術は、発現コンストラクトによるゲノム編集に起因する遺伝子編集について、接ぎ木植物からの新しい成長をスクリーニングすることを含む。いくつかの例では、TALEN mRNAコーディング配列は、グリシン・マックス脂肪酸デサチュラーゼ3(GmFAD3)遺伝子、カンナビス・サティバ・フィトエン・デサチュラーゼ(Cannabis sativa phytoene desaturase;CsPDS)遺伝子、又はソラヌム・ツベロスム・フィトエン・デサチュラーゼ(Solanum tuberosum phytoene desaturase;StPDS)遺伝子を標的とする。
[0007]本発明の前述の態様及び付随する利点の多くは、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解されるであろう。
本開示と一致する、ゲノム編集試薬を送達するための接ぎ木植物を作製するための例示的な方法を例示する図である。 本開示と一致する、ゲノム編集試薬を送達するための接ぎ木植物を作製するための例示的な方法をさらに例示する図である。 本開示と一致する、ゲノム編集試薬を送達するための発現コンストラクトの例を例示する図である。 本開示と一致する、ゲノム編集試薬を送達するための発現コンストラクトの例を例示する図である。 本開示と一致する、マイクロ接ぎ木されたジャガイモ植物を生成する段階を例示する図である。 本開示と一致する、マイクロ接ぎ木されたジャガイモ植物を生成する段階を例示する図である。 本開示と一致する、マイクロ接ぎ木されたジャガイモ植物を生成する段階を例示する図である。 本開示と一致する、マイクロ接ぎ木されたジャガイモ植物を生成する段階を例示する図である。 本開示と一致する、実行された様々な接ぎ木実験から得られたデータを例示する図である。 本開示と一致する、接ぎ木されたダイズ植物の台木におけるトランスジェニック遺伝子発現を例示する図である。 本開示と一致する、接ぎ木されたダイズ植物の台木におけるトランスジェニック遺伝子発現を例示する図である。 本開示と一致する、接ぎ木されたアサ植物の台木におけるトランスジェニック遺伝子発現を例示する図である。 本開示と一致する、接ぎ木されたアサ植物の台木におけるトランスジェニック遺伝子発現を例示する図である。 本開示と一致する、接ぎ木されたアサ植物の台木におけるトランスジェニック遺伝子発現を例示する図である。 本開示と一致する、接ぎ木されたアサ植物における野生型穂木組織のゲノム編集の結果を例示する図である。 本開示と一致する、接ぎ木されたアサ植物における野生型穂木組織のゲノム編集の結果を例示する図である。 本開示と一致する、接ぎ木されたアサ植物における野生型穂木組織のゲノム編集の結果を例示する図である。 9A、9B、9C、9D、9E、9F、9G、9H、9I及び9Jは、本開示と一致する、接ぎ木されたダイズ植物における野生型組織のゲノム編集の結果を例示する図である。
[0017]様々なゲノム編集方法により、植物におけるDNAフリーの編集が可能となる。これらの方法には、RNA及び/又はタンパク質の直接送達、プロトプラスト、アグロバクテリウム・ツメファシエンス、リゾビウム・リゾゲネス、又はパーティクル・ボンバードメント法による「一時的な(transient)」DNA送達、並びにRNA試薬(すなわち、sgRNA及びスモールRNA)又はDNA(すなわち、ジェミニウイルスレプリコン)のウイルス送達が含まれる。これらの方法は全て、標的植物遺伝子型へのある程度の試薬送達及び編集された組織の再生が必要となる。さらに、これらの送達方法はしばしば非効率的であり、効率をさらに低下させる可能性のあるRNA、タンパク質、及びウイルス粒子の調製を必要とする。
[0018]植物の形質転換及び組織培養技術は、ゲノム編集に重大な制限をもたらし、特殊なプロトコルを開発及び実装するために、多大な時間、労力、及び材料を必要とする。DNAフリーの編集技術は、トランスジェニックDNAの取り込みを必要としないため、時間の節約とすることができる。
[0019]本明細書で「接ぎ木」又は「移植」(grafting又はgraft)と呼ばれる植物接ぎ木は、それらの維管束組織の吻合を通して2つの植物が単一の接ぎ木植物を形成するように、1つの植物からの維管束組織が別の植物の維管束組織と融合する園芸技術を指すか、又は含む。接ぎ木植物には、植物の活力の向上、耐病性の向上、環境ストレスに対する耐性の向上、及び収穫期間の延長により生産される作物の重量増を限定されることなく含む、多くの利点がある。また、植物の接ぎ木は、夏疫病(early blight)(アルテルナリア・ソラニ;Alternaria solani)、葉枯れ病(late blight)(フィトフトラ・インフェスタンス;Phytophthora infestans)、花端腐敗病(blossom end-rot)(低カルシウムレベルによって引き起こされる生理学的障害)など、植物が他の侵入を防ぐのにも役立つ。また、接ぎ木植物は、塩分や極端な温度などの環境ストレスに対してもより耐性がある場合がある。
[0020]本開示と一致する、DNAフリーのゲノム編集試薬送達のためのトランスジェニックから非トランスジェニックの植物材料への接ぎ木は、試薬を調製して植物組織に直接送達する必要なしに、DNAフリーのゲノム編集試薬を植物組織に送達することを可能にし、編集されることが可能である植物遺伝子型の数を拡大する可能性がある。
[0021]植物の維管束系は、水及びミネラル(木部を介して)並びに糖(師部を介して)を植物の成長部分(すなわち、シンク(sink))に輸送することを可能にする。RNA及びタンパク質などの高分子もまた、長距離のシグナル伝達のために維管束系(主に師部)を介して輸送され、複数の植物機能を制御する。長距離のシグナル伝達は、葉及び根の師部のコンパニオン細胞(すなわち、ソース(source))での高分子の合成、並びにプラスモデスムを介した植物の遠く離れた成長部分(すなわち、シンク)への輸送のために高分子をふるい要素にロードすることによって機能する。本明細書に開示されるように、師部コンパニオン細胞におけるゲノム編集試薬の発現は、トランスジェニックRNA及び/又はタンパク質の長距離輸送、並びに個々の編集された事象の伝播及び単離のためのシンク組織におけるDNAフリーの編集を促進し得る。
[0022]多くの利点は、ゲノム編集試薬の接ぎ木送達によって達成される。第1に、標的遺伝子型のバックグラウンドで編集イベントを開発するための標的遺伝子型の直接的な形質転換及び再生は必要ではなく、これにより、遺伝子型に特異的な形質転換及び再生プロトコルの開発と実装のコストが削減される。第2に、RNA及びタンパク質のようなDNAフリーの試薬の調製を必要としないため、そのような専用プロトコルの生産コスト及び技術開発がさらに削減される。第3に、ゲノム編集試薬を発現するトランスジェニック系統が開発されると、ゲノム編集試薬の送達に組織培養を必要とすることなく、非組織培養環境で生産を行うことができる。本開示の利点は、上に列挙したものに限定されることはなく、追加の利点を実現することができる。
[0023]図1は、本開示と一致する、ゲノム編集試薬を送達するための接ぎ木植物を作製するための例示的な方法100を例示する図である。101において、方法100は、発現コンストラクトを発現し、接ぎ木適合性の直径及び遺伝子型を持つ茎を有する少なくとも1つの台木を得るために、培養された台木組織を等級分けするステップを含む。本明細書で使用される「台木」という用語は、接ぎ木された植物に根を与える、接ぎ木された植物の下部を指すか、又はそれを含む。「穂木」という用語は、接ぎ木植物に葉、花、及び/又は果実を与える接ぎ木植物の上部を指すか、又はそれを含む。「等級分けする(grade)」又は「等級分け(grading)」という用語は、特定の基準を使用して、又は特定の属性を識別するために、植物又は植物組織を査定又は評価するプロセスを指すか、又はそれを含む。本開示において、培養された台木組織の等級分けは、ゲノム編集に起因するmRNA及び/又はタンパク質の発現について台木組織を査定又は評価することを含む。様々な例において、培養された台木組織は、エンドポイント逆転写酵素PCR(RT-PCR)又はウエスタンブロットを使用して等級分けされ得る。いくつかの例では、等級分けは、接ぎ木適合性の直径及び遺伝子型を持つ茎を有する台木を識別することを含む。接ぎ木適合性の茎の直径は、約0.5ミリメートル(mm)~約3.0mmの範囲であり得る。接ぎ木適合性の遺伝子型は、直径、湿度、温度などの他の要因が満たされていると仮定して、接ぎ木の結合が成功裡に形成されるために、台木と穂木の間の遺伝的関係が十分に近いものとして定義される。
[0024]いくつかの例では、方法100は、切り込まれた穂木茎の遺伝子型と接ぎ木適合性である遺伝子型の発現コンストラクトを発現するトランスジェニック植物を生成することから始まる。例えば、TALENを発現するトランスジェニック植物は、標的遺伝子型と接ぎ木適合性の遺伝子型又は種において、様々な方法を使用して、最初に生成され得る。トランスジェニック植物を生成する方法は、標的種に依存する場合がある。例えば、本方法は、発現コンストラクトを保有するアグロバクテリウム・ツメファシエンスを宿主植物に感染させることにより、発現コンストラクトを発現するトランスジェニック植物を生成することを含んでもよい。GV3101、AGL1、18r12v、EHA105、LBA4404、MP90。
[0025]アグロバクテリウム・ツメファシエンスは、植物細胞を形質転換するために使用されるアグロバクテリウム種であり、その結果、病原性のために細菌によって使用される追加のT-DNAを導入することなく、単一のトランスファーDNA(T-DNA)を植物宿主組織に送達できる「武装解除株」が利用可能になる。武装解除株は、病原性のために使用される追加のT-DNAを有する、いわゆる腫瘍誘導(Ti)プラスミドをもはや保有しないアグロバクテリウム・ツメファシエンスの株として定義される。感染した植物宿主組織は、送達されたT-DNAで遺伝子を発現できるトランスジェニック系統の再生及び発生に使用することができる。ゲノム編集試薬を保有するバイナリーベクターからのもののようなT-DNAは、宿主植物組織に送達されてもよいし、植物組織で発現されてもよい。TALENは、植物宿主組織に送達され得るゲノム編集試薬を保有するバイナリーベクターの一例であり、本明細書中でさらに議論される。例は、アグロバクテリウム・ツメファシエンスの感染によるトランスジェニック植物の生成に限定されない。追加及び/又は代替の実施形態において、方法100は、パーティクル・ボンバードメント法又はリゾビウム・リゾゲネスを使用して発現コンストラクトを発現するトランスジェニック植物を生成するステップを含んでもよい。
[0026]本明細書で使用される場合、発現コンストラクトは、ゲノム編集試薬(TALEN mRNAなど)及びプロモーターを保有する1つ又は複数のバイナリーベクターを含む核酸配列を指すか、又はそれを含む。「プロモーター」という用語は、遺伝子をオン又はオフに変えるDNAの配列を指すか、又はそれを含む。いくつかの例において、プロモーターは、インビボで活性である構成的プロモーター、オン及び/又はオフにされ得る誘導性プロモーター、又は師部組織において活性を有する師部特異的プロモーターであってもよい。いくつかの例において、表現コンストラクトは、1つ又は複数のジップコード要素(zip-code elements)を含んでもよい。本明細書で使用する場合、ジップコード要素は、mRNA配列が師部を通して輸送することを可能にするシス作動性シグナル(例えば、師部移動性RNA)、若しくは「ジップコード」を指す、又はそれを含む。ジップコード要素は、師部移動性RNAからの非翻訳領域(UTR)、又は師部移動性RNAからの全長配列を含んでもよい。ジップコード要素の非限定的な例としては、とりわけ、シロイヌナズナのGAIなどのジベレリン酸非感受性(GAI)mRNA、及びノットド1様ホメオボックス(KNOX)mRNA、トマトKNOTTED1(LeT6)、ジャガイモBEL5、シロイヌナズナtRNAmet(At5g57885)、シロイヌナズナtRNAglyが含まれる。(At5g57885)、シロイヌナズナCENTRORADIALIS(ATC)、ジャガイモKNOTTED1(StPOTH1)、カボチャNACP(NAM、ATAF1/3及びCUC2)、並びにカボチャGAIPなどが挙げられる。本開示に従った様々な実施形態は、以下の参考文献で議論されるように、ジップコード要素及び遺伝子配列を含む、実質的に同じ特徴及び属性の少なくともいくつかを含むことができ、それらの各々は、ジップコード要素に関連するそれらの一般的教示及び特定の遺伝子の配列(複数可)に関連する特定の教示の全体が、参照により本明細書に組み込まれる:Huang、NC.;Yu、TS.The sequences of Arabidopsis GA-INSENSITIVE RNA constitute the motifs that are necessary and sufficient for RNA long-distance trafficking.Plant J.2009年、59、921~929ページ;Kim、M.;Canio、W.;Kessler、S.;Sinha、N.Developmental changes due to long distance movement of a homeobox fusion transcript in tomato.Science 2001年、293、287~289ページ;Banerjee、A.K.;Chatterjee、M.;Yu、Y.;Suh、S.G.;Miller,W.A.;Hannapel、D.J.Dynamics of a mobile RNA of potato involved in a long-distance signaling pathway.Plant Cell 2006年、18、3443~3457ページ;Li、C.;Gu、M.;Shi、N.;Zhang、H.;Yang、X.;Osman、T.;Liu、Y.;Wang、H.;Vatish、M.;Jackson、S.ら、Mobile FT mRNA contributes to the systemic florigen signalling in floral induction.Sci.Rep.2011年、1、73ページ;Zhang、W.;Thieme C.J.;Kollwig G.;Apelt、F.;Yang、Lei.;Winter、N.;Andresen、N.;Walther、D.;Kragler、F.tRNA-Related Sequences Trigger Systemic mRNA Transport in Plants.Plant Cell 2016年、28、1237~1249ページ;Huang、N.C.;Jane、W.N.;Chen、J.;Yu、T.S.Arabidopsis CENTRORADIALIS homologue acts systemically to inhibit floral initiation in Arabidopsis.Plant J.2012年、72、175~184ページ;Mahajan、A.;Bhogle、S.;Kang、I.H.;Hannapel、D.J.;Banerjee、A.K.The mRNA of a Knotted1-like transcription factor of potato is phloem mobile.Plant Mol.Biol.2012年、79、595~608ページ;Ruiz-Medrano、R.;Xoconostle-Cazares、B.;Lucas、W.J.Phloem long-distance transport of CmNACP mRNA:Implications for supracellular regulation in plants.Development 1999年、126、4405~4419ページ;Haywood、V.;Yu、T.S.;Huang、N.C.;Lucas、W.J.Phloem long-distance trafficking of GIBBERELLIC ACID-INSENSITIVE RNA regulates leaf development.Plant J.2005年、42、49~68ページ。
[0027]また、本明細書で使用される師部特異的プロモーターは、師部特異的遺伝子発現を標的とするプロモーターを指すか、又はそれを含む。これらのプロモーター要素は、師部細胞において、又は師部が限定された生物から特異的に発現される遺伝子と関連している場合がある。師部特異的プロモーターの非限定的な例には、スクロース輸送タンパク質1(SUT1)、ゴマノハグサモザイクウイルス(FMV)、スクロース輸送タンパク質2(SUC2)、シロイヌナズナSUC2、トマトSUT1、ジャガイモPTB1、及びアグロバクテリウムrolCが含まれる。また、本明細書で使用されるように、構成的プロモーターは師部特異的遺伝子発現を標的とするプロモーターを指すか、又は含む。これらのプロモーター要素は、植物細胞タイプに渡って発現する遺伝子と関連している可能性があり、非植物源に由来する場合もある。構成的プロモーターの非限定的な例には、とりわけ、35Sプロモーター、2x 35Sプロモーター、ノパリンシンターゼ(Nos)プロモーター、VaUbi3が含まれる。また、本明細書で使用される場合、誘導性プロモーターは師部特異的遺伝子発現を標的とするプロモーターを指すか、又はそれを含む。これらのプロモーター要素は、外因性因子(すなわち、β-エストラジオール)への曝露によって誘導される遺伝子発現に関連している可能性があり、非植物源に由来している場合もある。誘導性プロモーターの非限定的な例には、とりわけ、P16ΔS:sXVEプロモーター、SUPERR:sXVEプロモーターが含まれる。本開示に従った様々な実施形態は、以下の文献で議論されるような、プロモーター及び遺伝子配列を含む、少なくともいくつかの実質的に同じ特徴及び属性を含むことができ、これらの文献はそれぞれ、それらの全体が、植物遺伝学に関連するそれらの一般的な教示及び特定のプロモーターの配列(複数可)に関連する特定の教示について、参照により本明細書に組み込まれる:Srivastava、A.C.;Ganesan、S.;Ismail、I.O.;Ayre、B.G.Functional Characterization of the Arabidopsis AtSUC2 Sucrose/H+ Symporter by Tissue-Specific Complementation Reveals an Essential Role in Phloem Loading but Not in Long-Distance Transport.Plant Physiol.2008年、148、200~211ページ;Kuhn、C.;Hajirezaei、M.R.;Fernie、A.R.、Roessner-Tunali、U.;Czechowski.;Hirner、B.;Frommer、W.B.The Sucrose Transporter StSUT1 Localizes to Sieve Elements in Potato Tuber Phloem and Influences Tuber Physiology and Development.Plant Physiol.2003年、131、102~113ページ;Butler、N.M.;Hannapel、D.J.Promoter activity of polypyrimidine tract-binding protein genes of potato responds to environmental cues.Planta 2012年、236、1747~1755ページ;Schmiilling、T.;Schell、J.;Spena、A.Promoters of the rolA、B, and C Genes of Agrobacterium rhizogenes are Differentially Regulated in Transgenic Plants.Plant Cell 1989年、1、665~670ページ;Schluckinga、K.;Edel、K.H.;Drerup、M.M.;Koster、P.;Eckert、C.;Steinhorst、L.、Waadt、R.;Batistic、O.;Kudla、J.A Newβ-Estradiol-Inducible Vector Set that Facilitates Easy Construction and Efficient Expression of Transgenes Reveals CBL3-Dependent Cytoplasm to Tonoplast Translocation of CIPK5.Mole.Plant 2013年、6、1814~1829ページ。
[0028]発現コンストラクトは、宿主植物の師部におけるゲノム編集試薬の長距離輸送を容易にするように選択及び配置された、種々の核酸セグメントを含んでもよい。例えば、発現コンストラクトは、TALEN mRNAを含んでもよい。いくつかの例では、発現コンストラクトは、mRNAコーディング配列及びプロモーターを含んでもよい。発現コンストラクトの例を図3で例示し、本明細書においてさらに議論する。
[0029]したがって、トランスジェニック植物を生成するために使用される発現コンストラクトは、mRNAコーディング配列及びプロモーターなどの多数の構成要素を含んでもよい。個々のトランスジェニック植物は、エンドポイント逆転写酵素PCR(RT-PCR)又はウエスタンブロットを使用して、TALEN mRNA及び/又はタンパク質の高発現についてスクリーニング及び選択することができる。例えば、いくつかの例では、発現コンストラクトに含まれる師部移動性RNAはGAIである。いくつかの例では、師部移動性RNAはKNOXであってもよい。同様に、いくつかの例では、プロモーターはSUT1である。いくつかの例では、プロモーターはSUC2であってもよい。プロモーターは、列挙された特定の例に限定されない。本明細書において議論するように、異なるプロモーターを使用してもよい。
[0030]図3に関してさらに議論されるように、プロモーターは、mRNAコーディング配列から上流であってもよい。例は、それほど限定されることはなく、追加の及び/又は異なる発現コンストラクトが企図される。
[0031]103において、方法100は、少なくとも1つの台木茎を通る切り込みを作るステップを含む。いくつかの例では、方法100は台木茎の切り込みに隣接して安定化デバイスを配置するステップを含むが、例はさほど限定されない。101で生成されたトランスジェニック植物は、台木として野生型植物に接ぎ木してもよい。これは、種に応じて、組織培養(すなわち、マイクロ接ぎ木(micrografting))又は土壌条件(すなわち、従来の接ぎ木)のいずれかで行うことができる。器具(すなわち、安定化デバイスの選択)、切り込みの種類(すなわち、くさびvs対角線)、及びその他の接ぎ木技術は、種及び接ぎ木条件に依存する場合がある。テープ、プラスチックラップ、輪ゴム、クリップなど、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、様々な安定化デバイスを使用することができる。いくつかの例では、トランスジェニック/野生型接ぎ木は、安定化デバイスを使用せずに作成することができる。例えば、トランスジェニック台木を通して「V字型」切り込みを作ってもよいし、野生型穂木を通して対応する「V字型」切り込みを作ってもよい。本明細書中でさらに議論されるように、安定化デバイスが必要とされないような方法で、切り込み穂木を対応する切り込み台木に配置することができる(例えば、安定化デバイスを使用せずに台木の切り込みの角度が穂木を適所に維持する)。
[0032]105において、方法100は、台木茎の切り込み及び/又は安定化デバイス(該当する場合)に少なくとも1つの切り込まれた穂木茎を挿入することによって接ぎ木植物を生成するステップを含み、ここで少なくとも1つの切り込まれた穂木茎は切り込まれた台木茎内の維管束組織と実質的に整合する。台木茎及び穂木には様々な種類の切り込みを作ってもよく、切り込みのタイプは、種及び接ぎ木条件に依存してもよい。例えば、少なくとも1つの台木茎を通る切り込みを作るステップは、少なくとも1つの台木茎を通る第1の角度付き切り込みを作ること、及び少なくとも1つの穂木茎を通る第2の角度付き切り込みを作ることを含んでもよく、少なくとも1つの穂木茎を通る第2の角度付き切り込みは、少なくとも1つの台木茎を通る第1の角度付き切り込みと実質的に同様である。さらなる例として、少なくとも1つの台木茎を通る切り込みを作るステップは、少なくとも1つの台木茎を通る第1のくさび形の切り込みを作ること、及び少なくとも1つの穂木茎を通る第2のくさび形の切り込みを作ることを含んでもよく、少なくとも1つの穂木茎を通る第2のくさび形の切り込みは、少なくとも1つの台木茎を通る第1のくさび形の切り込みと実質的に同様である。
[0033]107において、方法100は、発現コンストラクトによるゲノム編集に起因する遺伝子編集について、接ぎ木植物からの新しい成長をスクリーニングするステップを含む。例えば、接ぎ木の成功について、接ぎ木植物を監視してもよい。接ぎ木が成功したことは、新しいシュート組織(すなわち、新しい分裂組織、葉、枝、及び/又は花序)の成長、及び接ぎ木接合部周辺のカルス生成によってそれぞれ示される場合がある。新しいシュート成長は、エンドポイント逆転写酵素PCR(RT-PCR)又はウエスタンブロットを使用して、それぞれTALEN mRNA及び/又はタンパク質を検出するためにサンプリングすることができる。TALEN標的遺伝子のイルミナ(Illumina)(登録商標)アンプリコン配列決定法を使用して、編集の検出について、TALEN mRNA及び/又はタンパク質が陽性のシュート成長をスクリーニングすることができる。編集について陽性であるシュート成長は、個々の植物の編集を安定させるために、種に依存して、栄養的に又は種子を介してさらに繁殖する可能性がある。したがって、方法100は、ゲノム編集からの検出可能なトランスジェニックmRNA又はタンパク質について、接ぎ木植物からの新しい成長をスクリーニングするステップ、及び検出可能なトランスジェニックmRNA又はタンパク質から組織を増殖させるステップを含むことができる。
[0034]図2は、本開示と一致する、ゲノム編集試薬を送達するための接ぎ木植物を作製するための例示的な方法200をさらに例示する図である。図2においては、方法200は、209において、宿主植物をアグロバクテリウム・ツメファシエンス溶液で感染させることによってトランスジェニック植物を生成するステップを含む。本開示に従って、目的のmRNAは、mRNAのコーディング配列をプロモーターの上流に配置することにより、長距離輸送の標的とすることができる。そのようなmRNAの例には、TALEN mRNAが含まれ、mRNAのコーディング配列の上流に配置されるプロモーターの例には、35S及びNosが含まれる。師部特異的プロモーターの非限定的な例としては、スクロース輸送タンパク質1(SUT1)、ゴマノハグサモザイクウイルス(FMV)、スクロース輸送タンパク質2(SUC2)、シロイヌナズナSUC2、トマトSUT1、ジャガイモPTB1、及びアグロバクテリウムrolCが挙げられる。
[0035]211において、方法200は、トランスジェニック台木を野生型穂木に接ぎ木するステップを含む。特に、図1に関して記載したように、接ぎ木プロセスは、トランスジェニック植物の台木組織を等級分けして、発現コンストラクトを発現し、接ぎ木適合性の直径を持つ茎を有する少なくとも1つの台木を得ることを含んでもよい。接ぎ木プロセスは、少なくとも1つの台木茎を通る切り込みを作り、台木茎の切り込みに隣接して安定化デバイスを配置すること、及び安定化デバイスに少なくとも1つの切り込まれた穂木茎を挿入することによって接ぎ木植物を生成することをさらに含んでもよく、少なくとも1つの切り込まれた穂木茎は、切り込まれた台木茎内の維管束組織と実質的に整合する。この接ぎ木植物は、野生型/トランスジェニック異種接ぎ木を含む。異種接ぎ木は特定の植物種を標的とすることができ、その場合、異種接ぎ木はトランスジェニック種間異種接ぎ木と呼ばれることがある。例えば、遺伝子改変が困難な種又は遺伝子型(ダイズのMN151品種など)は、遺伝子改変がそれほど困難ではない種又は遺伝子型(ダイズのBert品種など)と接ぎ木されてもよい。いくつかの例では、異種接ぎ木は特定の遺伝子型を標的とすることができ、その場合、異種接ぎ木はトランスジェニック遺伝子型間異種接ぎ木と呼ばれることがある。図2に例示するように、野生型/トランスジェニックキメラ植物を通じて、トランスジェニック台木から野生型穂木へと、トランスジェニックmRNA及び/又はタンパク質のトランスロケーションが促進される。
[0036]213において、方法200は、TALEN mRNA及び/又はタンパク質を新しい穂木成長に輸送するステップを含む。TALEN mRNA及び/又はタンパク質を、それぞれエンドポイント逆転写酵素PCR(RT-PCR)又はウエスタンブロットを使用して検出するために、新しいシュート成長をサンプリングしてもよい。異種接ぎ木植物における編集の程度は、シンク組織においてトランスジェニックmRNA及び/又はタンパク質の量に直接関係している場合があり、mRNA及びタンパク質検出の様々な方法を使用して追跡することができる。例えば、異種接ぎ木植物は、新しいシュート組織(すなわち、新しい葉、枝及び/又は花序)におけるトランスジェニックRNA及び/又はタンパク質の蓄積について、アッセイされてもよい。TALEN mRNA及び/又はタンパク質を、それぞれエンドポイント逆転写酵素PCR(RT-PCR)又はウエスタンブロットを使用して検出するために、新しいシュート成長をサンプリングしてもよい。TALEN標的遺伝子のイルミナ(登録商標)アンプリコン配列決定法を使用して、編集の検出のために、TALEN mRNA及び/又はタンパク質が陽性のシュート成長をスクリーニングしてもよい。したがって、方法200は、発現コンストラクトによるゲノム編集に起因する遺伝子編集について、接ぎ木植物からの新しい成長をスクリーニングするステップを含んでもよい。215において、方法200は、種に依存して、編集について陽性であるシュート成長を移植するステップ、及び/又は種子を収穫し、個々の植物における編集について繁殖した種子をスクリーニングするステップを含んでもよい。
[0037]本開示の様々な例は、図1に関して記載された方法100及び/又は図2に関して記載された方法200によって生成された非天然植物に関する。同様に、本開示は、図1に関して記載された方法100及び/又は図2に関して記載された方法200によって生成された自然発生ではない種子、生殖組織、又は栄養組織に関する。本開示は、図1に関して記載された方法100及び/又は図2に関して記載された方法200によって生成された野生型/トランスジェニック植物に、さらに関する。例えば、方法100及び200と一致して、非天然植物は、DNAフリーのゲノム編集技術によって生成されてもよい。
[0038]図3Aは、本開示と一致する、ゲノム編集試薬を送達するための例示的な発現コンストラクト300を例示する図である。図3Aは、mRNAコーディング配列321、及びプロモーター317を含む発現コンストラクト300を例示している。使用されるmRNAコーディング配列の非限定的な例としては、グリシン・マックス脂肪酸デサチュラーゼ3(GmFAD3)遺伝子、カンナビス・サティバ・フィトエン・デサチュラーゼ(CsPDS)遺伝子、及びソラヌム・ツベロスム・フィトエン・デサチュラーゼ(StPDS)遺伝子を標的とするTALEN mRNA配列が挙げられる。いくつかの例においては、発現コンストラクト300には、師部移動性RNAからのジップコード要素(例示せず)が含まれてもよい。例えば、mRNAコーディング配列の上流、mRNAコーディング配列321の下流、又はその両方に、1つ又は複数のジップコード要素を組み込むことができる。理解され得るように、上流には、参照配列と比較して、プロモーター317の5’末端に近接及び/又はより近い位置を含めることができる。逆に、下流には、参照配列と比較して、ターミネーター配列325の3’末端に近接及び/又はより近い位置を含めることができる。
[0039]図2に関して論じたように、ジップコード要素は、異なる師部移動性RNA由来及び/又は同じ師部移動性RNA由来であってもよい。さらに、各々のジップコード要素は、師部移動性RNA又は全長配列からのUTRであってもよい。非限定的な例として、師部移動性RNAは、GAI及び/又はKNOXである。非限定的な例として、プロモーターはSUT1及び/又はSUC2である。
[0040]図3Bは、検出可能なマーカー323にカップルされたプロモーター317を含む発現コンストラクト300の例を例示している。検出可能なマーカーの非限定的な例には、β-グルクロニダーゼ(GUS)又はRFP若しくはYFPのような蛍光タンパク質レポーターが含まれる。
[0041]様々な実施形態は、2020年10月7日に出願され、「ゲノム編集試薬を送達するための接ぎ木植物」と題された基礎となる仮出願である、米国仮出願第63/088,800号に従って実装され、その利益は請求され、参照により全体が本明細書に組み込まれる。仮出願で議論された実施形態は、特に断りのない限り、全体的な技術的開示、又は請求された発明のいずれかの部分を限定することをいかなる意味においても意図していない。
[0042]本明細書で引用される刊行物及びそれらが引用される主題は、参照によりその全体が本明細書に具体的に組み込まれる。
[0043]当業者は、本明細書(特許請求の範囲を含む)で使用される様々な用語が、別段の指示がない限り、当技術分野における明白な意味を意味することを認識するであろう。本明細書で使用される用語「comprise(s);含む」、「include(s);含む」、「having;有する」、「has;有する」、「can;できる」、「contain(s);含む」、及びそれらの変形は、追加の行為又は構造の可能性を排除しないオープンエンドな移行句、用語、又は単語であることを意図している。単数形「a」、「and」及び「the」は、文脈が明確に別の指示をしない限り、複数の参照を含む。本開示は、明示的に記載されているか否かにかかわらず、本明細書に提示される実施形態又は要素を「含む」、「からなる」、及び「本質的にからなる」他の実施形態もまた企図する。
[0044]上記の議論及び例示に基づいて、当業者は、本明細書に例示及び記載された例示的な実施形態及び用途に厳密に従うことなく、様々な実施形態に対して様々な修正及び変更を行うことができることを容易に認識するであろう。例えば、図に例示されるような方法は、本明細書の実施形態の1つ又は複数の態様を保持して、様々な順序で実行されるステップを含んでもよく、又はより少ないか、又はより多くのステップを含んでもよい。そのような修正は、特許請求の範囲に記載された態様を含む、本開示の様々な態様の真の趣旨及び範囲から逸脱するものではない。
[0045]開示される方法及び組成物のために使用することができるか、それらと組み合わせて使用することができるか、それらの準備のために使用することができるか、又はそれらの生成物である材料、組成物、及び成分が開示される。これらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループなどが開示されている場合、これらの化合物のあらゆる単一の組み合わせ及び順列への特定の言及が明示的に開示されていないことがあったとしても、様々な個々の組み合わせ及び集合的な組み合わせのそれぞれが具体的に企図されていることが理解される。この概念は、記載された方法のステップを含むがそれに限定されない本開示の全ての態様に適用される。したがって、任意の前述の実施形態の特定の要素を組み合わせたり、他の実施形態の要素に置き換えたりすることができる。例えば、実行可能な様々な追加のステップがある場合、これらの追加ステップの各々は、開示された方法の任意の特定の方法ステップ又は方法ステップの組み合わせで実行可能であり、そのような組み合わせ又は組み合わせのサブセットの各々は、特に企図され、開示されているものとみなされるべきであるものと理解される。さらに、本明細書に記載された実施形態は、本明細書の他の箇所に記載されたもの、又は当該技術分野で知られているものなどの任意の適切な材料を使用して実装することができることが理解される。
実験的/より詳細な実施形態
[0046]実験的実施形態に関連して以下にさらに例示するように、ゲノム編集試薬は接ぎ木植物を介して送達され得る。本開示に従った様々な実施形態は、以下の参考文献で議論されたものと実質的に同じ特徴及び属性の少なくともいくつかを含むことができ、それらの各々は、植物遺伝学に関連するそれらの一般的な教示及びトランスジェニック植物の調製に関連する特定の教示について、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる:Li S、Cong Y、Liu Y、Wang T、Shuai Q、Chen N、Gai J、Li Y.Optimization of Agrobacterium-mediated transformation in soybean.Front.Plant Sci.2017年2月;https://doi.org/10.3389/fpls.2017.00246;Han EH、Goo YM、Lee MK、Lee SW.An efficient transformation method for a potato(Solanum tuberosum L.var.Atlantic).J Plant Biotechnol.2015年;42:77~82ページ;Feeney M、Punja ZK.Tissue culture and Agrobacterium-mediated transformation of hemp(Cannabis sativa L.).In vitro Cell.Dev.Biol.-Plant.2003年11月~12月;39:578~585ページ。
[0047]トランスジェニックダイズ系統は、次のプロトコルと一致して、ゲノム編集のために野生型にマイクロ接ぎ木された。実験の2~3週間前に、250mLのビーカーにおよそ100mLの漂白剤を入れた9Lのデシケーターチャンバーに種子を入れて、野生型及びトランスジェニックダイズ種子を滅菌した。およそ3.5mLの濃HCLをゆっくりと添加し、デシケーターチャンバーをおよそ16時間密閉して塩素ガス滅菌を行った。種子を使用する前に、塩素ガスを消散させた。種子を沈めて、種子のへそを下向きにすることによって、滅菌した種子をMS(Murashige&Skoog)培地を有するフィタトレイズ(Phytatrays)(商標)に移した。16/8時間の明/暗(75ルーメン、およそ28℃)下に種子を配置した。実生がV2段階(栄養2節)に達したら、滅菌メス及び無菌技術を用い、子葉及び完全に出現した葉を全ての実生から取り除いた。45度の対角線で2番目の節の背軸方向にシュートを切除することによって、野生型の実生からの穂木の挿し木を調製した。台木を培地に保持しながら、45度の対角線で子葉節の背軸方向にシュートを切除することによって、トランスジェニック実生からの台木の挿し木を調製した。台木の切り込み端の直径に一致する滅菌の接ぎ木クリップ又はテープを、クリップ又はテープの少なくとも0.5cmが切り込み端の各々の側で重なるように配置した。穂木を固定する接ぎ木クリップ又はテープを使用して、穂木の切り込み端を台木の切り込み端と接触するように挿入した。穂木を固定し、台木との直接接触を維持するために、必要に応じて接ぎ木杭を使用した。フィタトレイズ(商標)を閉じて、接ぎ木内にカルスが形成され、新しい栄養成長が見られるまで(接ぎ木セット:およそ1~2週間)、16/8時間の明/暗(75ルーメン、およそ28℃)下に配置した。新しいシュート成長をサンプリングし、組織培養又は土壌で増殖させて、個々のゲノム編集系統を単離した。
[0048]トランスジェニックジャガイモ及びアサ系統は、次のプロトコルと一致して、ゲノム編集のために野生型にマイクロ接ぎ木された。実験のおよそ3~4週間前に、MMS(修正Murashige & Skoog)を含むマジェンタ(Magenta)(商標)ボックスで、小植物体シュートチップ及び無菌技術を使用して、組織培養の野生型及びトランスジェニック小植物体を増殖させた。小植物体は、16/8時間の明/暗(75ルーメン、およそ23℃)下に配置した。小植物体が5節段階に達すると、完全に出現した葉の根元から4番目の節までを取り除き、完全に出現した葉の単一の節及び頂端分裂組織を残した。両側で60度の切り込みを作り、槍状の切り込み端を作成することによって、第4の節の背軸方向に、シュートを切除し、野生型の小植物体から穂木の挿し木を調製した。台木を培地に保持しながらV字切り込みを作成し、切り込み面の中央で垂直切り込みを作ることにより、2番目の節の背軸方向にシュートを切除することにより、トランスジェニック小植物体から台木の挿し木を調製した。クリップ又はテープの少なくとも0.5cmが切り込み端の各々の側に重なるように、台木の切り込み端の直径に一致する無菌の接ぎ木クリップ又はテープを配置した。穂木の切り込みを台木の切り込みに挿入し、接ぎ木クリップ又はテープを使用して固定した。穂木を固定し、台木との直接接触を維持するために、必要に応じて接ぎ木杭を使用した。マジェンタ(商標)ボックスを閉じ、カルスが接ぎ木内に形成され、新しい栄養成長が見られるまで(接ぎ木セット:およそ1~2週間)、16/8時間の明/暗(75ルーメン、およそ23°C)下に配置した。新しいシュート成長をサンプリングし、組織培養又は土壌で増殖させて、個々のゲノム編集系統を単離した。
[0049]ゲノム編集のためのトランスジェニックアサ系統の野生型への土壌接ぎ木は、以下のプロトコルと一致して実行された。実験のおよそ2~3週間前に、ホルモジン(Olympic Horticultural Products)に浸したシュート挿し木及び消毒したツールを用いて、Clonex作業溶液(Hydrodynamics International:CCS)で飽和させた有機パーライト培地(Espoma)を入れた6インチのポットで、アサの野生型及びトランスジェニック植物を増殖させた。増殖させた植物は、16/8時間の明/暗(75ルーメン、およそ23℃)下に配置した。小植物体が第5節段階に達すると、完全に出現した葉の根元から4番目の節までを取り除き、完全に出現した葉の単一の節及び頂端分裂組織を残した。両側に60度の切り込みを作り、槍状の切り込み端を作成することによって、第4の節の背軸方向に、シュートを切除して、野生型小植物体から穂木の挿し木を調製した。台木を培地に保持しながらV切り込みを作成し、切り込み面の中央で垂直切り込みを作成することにより、第2の節の背軸方向に、シュートを切除して、トランスジェニック植物から台木の挿し木を調製した。クリップ又はテープの少なくとも1cmが切り込み端の各々の側に重なるように、台木の切り込み端の直径に一致する無菌の接ぎ木クリップ又はテープを配置した。穂木の切り込みを台木の切り込みに挿入し、接ぎ木クリップ又はテープを使用して固定した。穂木を固定し、台木との直接接触を維持するために、必要に応じて接ぎ木杭を使用した。接ぎ木された植物は、カルスが接ぎ木内に形成され、新しい栄養成長が見られるまで、16/8時間の明暗(75ルーメン、およそ23℃)下に配置した。新しいシュート成長をサンプリングし、組織培養又は土壌で増殖させて、個々のゲノム編集系統を単離した。
[0050]MS培地(フィタトレイズ(商標)又はプレート)は、以下のプロトコルを使用して調製し、1Lの培地を作成した:
1600mlのddHO;
10gのスクロース;
4.43gのMS基礎塩+ビタミン(Phytotech、M519);
溶液を1000mlのddHOで容量に合わせた。
KOHの滴定によりpHを5.7に調整した。
3.58gのGelzan(商標)(Phytotech、G3251);
培地を液体サイクルで25分間オートクレーブし、55℃に冷却し、フィタトレイ(Phytatray)(商標)又は100×25mmプレートあたり100mLを注いだ。
[0051]MMSmedia(マジェンタボックス(Magenta box)(商標))は、以下のプロトコルを使用して調製し、1Lの培地を作成した:
800mlのddHO;
25gのスクロース;
4.43gのMS基礎塩+ビタミン(Phytotech、M519);
溶液を1000mlのddHOで容量に合わせた。
KOHの滴定によりpHを5.7に調整した。
7.5gの寒天(Phytotech、A296);
培地を液体サイクルで25分間オートクレーブした。
0.8mlのセフォタキシム(Cefotaxime)(250mg/ml);
0.1mlの6-BAP(1mg/ml);
培地を55℃に冷却し、マジェンタボックス(商標)(Sigma、V8505)あたり100mL注いだ。
[0052]図4A、4B、4C、及び4Dは、本開示と一致する、マイクロ接ぎ木化したジャガイモ植物を生成する段階を例示する図である。図4Aは、トランスジェニック台木及び野生型穂木を含む接ぎ木されたジャガイモ植物を例示している。図4Bは、本明細書に記載のように、トランスジェニック台木及び野生型穂木がカップルした接ぎ木ジャガイモ植物を例示している。図4Cは、接ぎ木後1~2週間の接ぎ木ジャガイモ植物を例示し、図4Dは、土壌への移植後2週間の接ぎ木ジャガイモ植物を例示している。
[0053]図5は、本開示と一致する、遂行された様々な接ぎ木実験から得られたデータを例示する図である。特に、図5は、St123-3(Ranger Russet由来のジャガイモ品種)、ダイズのJack品種、及びダイズのBert品種の組織培養における接ぎ木の成功率を例示している。データは、上に議論したように、トランスジェニック植物との接ぎ木に成功したそれぞれの品種のパーセントを例示している。St123-3の接ぎ木では、図4に例示するように、全ての接ぎ木された植物のおよそ60%が新しいシュート成長を増殖し続けた。Jack接ぎ木では、図4に例示するように、全ての接ぎ木された植物のおよそ100%が新しいシュート成長を増殖し続けた。Bert接ぎ木では、図4に例示するように、全ての接ぎ木された植物のおよそ100%が新しいシュート成長を増殖し続けた。
[0054]図6A及び6Bは、本開示と一致する、接ぎ木ダイズ植物の台木におけるトランスジェニック遺伝子発現を例示する図である。特には、図6Aは、図3Aに関して議論したように、TALENを発現する接ぎ木ダイズ植物の生成を例示している。図6Bは、接ぎ木されたダイズ植物のトランスジェニック台木がTALENなしで生成され、mRNA及び/又はタンパク質の移動を示すGUSマーカーを使用した対照実験を例示している。図6Bに例示するように、TALENを用いない場合は、マーカーmRNA及び/又はタンパク質がトランスジェニック台木組織に統合され、その結果、植物の下部に青色の染色が生じた。
[0055]図7A、7B、及び7Cは、本開示と一致する、接ぎ木されたアサ植物の台木におけるトランスジェニック遺伝子発現を例示する図である。特には、図7Aは、図3Aに関して議論したように、TALENを使用してマイクロ接ぎ木したアサ植物の生成を例示している。図7Bは、接ぎ木されたアサ植物のトランスジェニック台木における、TALEN発現を示す黄色蛍光タンパク質(YFP)発現を例示している。図7Cは、mRNA及び/又はタンパク質の移動を示すGUSマーカーを用いた、接ぎ木されたアサ植物のトランスジェニック台木がTALENを用いずに生成された対照実験を例示している。図7Cに例示するように、TALENを用いない場合は、マーカーmRNA及び/又はタンパク質がトランスジェニック台木組織に統合され、その結果、植物の下部に青色の染色が生じた。
[0056]図8A、8B、及び8Cは、本開示と一致する、接ぎ木されたアサ植物における野生型穂木組織のゲノム編集の結果を例示する図である。図8Aは、上部に野生型の穂木があり、下部にトランスジェニック台木がある接ぎ木されたアサ植物を例示している。図8Bは、図8Aに例示した接ぎ木されたアサ植物の穂木で検出されたゲノム編集のパーセントの比較を例示している。特には、図8Bの下半分は、野生型カンナビス・サティバ対照サンプルの穂木で検出されたゲノム編集のパーセントを例示しており、図8Bの上半分は、図8Aに例示された接ぎ木されたカンナビス・サティバ植物で検出された遺伝子編集のパーセントを例示している。トランスジェニック台木には、CsPDS遺伝子を標的とするNosプロモーター及びTALEN mRNA配列が含まれていた。図8Bに例示するように、接ぎ木されたカンナビス・サティバは2.50パーセントの編集を実証したが、野生型のカンナビス・サティバは編集を実証しなかった。これらの結果は、図8Aに例示されている接ぎ木植物の穂木組織から得られたイルミナ(登録商標)アンプリコンシーケンスリードによって検出されたゲノム編集を例示している図8Cにおいて、さらに例示されている。
[0057]図9A、9B、9C、9D、9E、9F、9G、9H、9I、及び9Jは、本開示と一致する、接ぎ木ダイズ植物の組織におけるゲノム編集の結果を例示する図である。図9Aは、本明細書に記載のように生成された野生型穂木(Jack又はBert)及びトランスジェニック台木(Gm1559)を有する接ぎ木ダイズ植物を例示している。図9H、9I、及び9Jは、3つのFAD3遺伝子(FAD3a、FAD3b、及びFAD3c)の対照組織に存在するゲノム編集の量及び組成を例示している。特には、図9Hは、Gm1559トランスジェニック対照のFAD3a遺伝子に存在するゲノム編集の組成を例示し、図9Iは、Gm1559トランスジェニック対照のFAD3b遺伝子に存在するゲノム編集の組成を例示し、図9Jは、Gm1559トランスジェニック対照のFAD3c遺伝子に存在するゲノム編集の組成を例示している。図9H及び9Iにおいて、トランスジェニック対照には、円グラフの青色の構成によって表されるゲノム編集が含まれる。図9Jは、円グラフの青、オレンジ、灰色の部分で表されるトランスジェニック対照のゲノム編集を例示している。
[0058]図9B、9C、9D、9E、9F、及び9Gは、図9Aに例示するように、接ぎ木植物の野生型穂木で検出されたゲノム編集の組成を例示している。特に、図9Bは、Jack品種のダイズがGm1559トランスジェニック台木に接ぎ木されたときにFAD3a遺伝子で検出されたゲノム編集を例示している。その結果、野生型穂木では、図9Hで表したゲノム編集(例えば、円グラフの青い部分)が検出されたが、図9Bに例示した円グラフの緑、黒、黄色の部分で表される、追加のゲノム編集が検出された。同様に、図9Cは、Jack品種のダイズがGm1559トランスジェニック台木に接ぎ木された場合に、FAD3b遺伝子で検出されたゲノム編集を例示している。その結果、図9Iに表されているゲノム編集(例えば、円グラフの青色の部分)が野生型穂木で検出されたが、図9Cに例示されている円グラフの緑色及び灰色の部分で表されている、追加のゲノム編集が検出された。同様に、図9Dは、Jack品種のダイズがGm1559トランスジェニック台木に接ぎ木された場合に、FAD3c遺伝子で検出されたゲノム編集を例示している。その結果、図9Jに表されているゲノム編集の部分(例えば、円グラフの青、オレンジ、及び灰色の部分)が野生型穂木で検出され、図9Dでは円グラフの青及び灰色の部分で例示されているが、量が異なる。
[0059]図9Eは、Bert品種のダイズをGm1559トランスジェニック台木に接ぎ木したときにFAD3a遺伝子で検出されたゲノム編集を例示している。その結果、図9Hに表されているゲノム編集(例えば、円グラフの青い部分)が野生型穂木で検出されたが、追加のゲノム編集が検出され、図9Eに例示される円グラフの緑と灰色の部分で表された。同様に、図9Fは、Bert品種のダイズがGm1559トランスジェニック台木に接ぎ木された場合に、FAD3b遺伝子で検出されたゲノム編集を例示している。その結果、図9Iに表されているゲノム編集(例えば、円グラフの青い部分)が野生型穂木で検出されたが、追加のゲノム編集が検出され、図9Fで例示されるように円グラフの緑と灰色の部分で表される。同様に、図9Gは、Bert品種のダイズをGm1559トランスジェニックに接ぎ木した場合に、FAD3c遺伝子で検出されたゲノム編集を例示している。その結果、図9Jに表されているゲノム編集の一部(例えば、円グラフの青、オレンジ及び灰色の部分)が野生型穂木で検出されたが、追加のゲノム編集が検出され、図9Gで例示する円グラフの緑の部分で表された。

Claims (15)

  1. ゲノム編集試薬を送達するための接ぎ木植物を作製する方法であって:
    発現コンストラクトを発現し、接ぎ木適合性の直径及び遺伝子型を持つ茎を有する少なくとも1つの台木を得るために、培養された台木組織を等級分けするステップ;
    少なくとも1つの台木茎を通る切り込みを作り、台木茎の切り込みに隣接して安定化デバイスを配置するステップ;
    少なくとも1つの切り込まれた穂木茎を安定化デバイスに挿入することによって接ぎ木植物を生成するステップであり、前記少なくとも1つの切り込まれた穂木茎は、切り込まれた台木茎内の維管束組織と実質的に整合するステップ、及び
    発現コンストラクトによるゲノム編集に起因する遺伝子編集について、接ぎ木植物からの新しい成長をスクリーニングするステップを含む、方法。
  2. 切り込まれた穂木茎の遺伝子型と接ぎ木適合性である遺伝子型の発現コンストラクトを発現するトランスジェニック植物を生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 発現コンストラクトを保有するアグロバクテリウム・ツメファシエンスを宿主植物に感染させることにより、発現コンストラクトを発現するトランスジェニック植物を生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 発現コンストラクトを保有するリゾビウム・リゾゲネスを宿主植物に感染させることにより、発現コンストラクトを発現するトランスジェニック植物を生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  5. パーティクル・ボンバードメント法を使用して発現コンストラクトを発現するトランスジェニック植物を生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つの台木茎を通る切り込みを作るステップが、前記少なくとも1つの台木茎を通る第1の角度付き切り込みを作ることを含み、前記方法が、前記少なくとも1つの穂木茎を通る第2の角度付き切り込みを作ることをさらに含み、少なくとも1つの穂木茎を通る第2の角度付き切り込みが、少なくとも1つの台木茎を通る第1の角度付き切り込みと実質的に同様である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つの台木茎を通る切り込みを作るステップが、前記少なくとも1つの台木茎を通る第1のくさび形の切り込みを作ることを含み、前記方法が、前記少なくとも1つの穂木茎を通る第2のくさび形の切り込みを作ることをさらに含み、前記少なくとも1つの穂木茎を通る第2のくさび形の切り込みが、前記少なくとも1つの台木茎を通る第1のくさび形の切り込みと実質的に同様である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記発現コンストラクトが、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)mRNAを含み、前記接ぎ木植物からの新しい成長をスクリーニングするステップが、エンドポイント逆転写酵素PCR(RT-PCR)又はウエスタンブロットを使用してTALEN mRNA及び/又はタンパク質について新しいシュート成長をサンプリングすることを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記発現コンストラクトが:
    mRNAコーディング配列;及び
    プロモーターを含む、請求項1に記載の方法。
  10. プロモーターが35Sである、請求項9に記載の方法。
  11. プロモーターがノパリンシンターゼ(Nos)である、請求項9に記載の方法。
  12. ゲノム編集技術によって生成された非天然植物、植物細胞、又は植物の一部であって:
    アグロバクテリウム・ツメファシエンス溶液を宿主植物に感染させることにより、トランスジェニック植物を生成するステップであり:
    転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)メッセンジャーリボ核酸(mRNA)コーディング配列;及び
    プロモーターを含む、ステップ;
    発現コンストラクトを発現し、接ぎ木適合性の直径を持つ茎を有する少なくとも1つの台木を得るために、トランスジェニック植物の台木組織を等級分けするステップ;並びに
    少なくとも1つの切り込まれた穂木茎を安定化デバイスに挿入することによって接ぎ木植物を生成するステップであり、前記少なくとも1つの切り込まれた穂木茎は、切り込まれた台木茎内の維管束組織と実質的に整合する、ステップを含む、
    非天然植物、植物細胞、又は植物の一部。
  13. 前記ゲノム編集技術が、少なくとも1つの台木茎を通る切り込みを作り、台木茎の切り込みに隣接して安定化デバイスを配置するステップを含む、請求項12に記載の非天然植物。
  14. 前記ゲノム編集技術が、発現コンストラクトによるゲノム編集に起因する遺伝子編集について、接ぎ木植物からの新しい成長をスクリーニングするステップを含む、請求項12に記載の非天然植物。
  15. 前記mRNAコーディング配列が、グリシン・マックス脂肪酸デサチュラーゼ3(GmFAD3)遺伝子、カンナビス・サティバ・フィトエン・デサチュラーゼ(CsPDS)遺伝子、又はソラヌム・ツベロスム・フィトエン・デサチュラーゼ(StPDS)遺伝子を含む、請求項12に記載の非天然植物。
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