JP2023543696A - エチレン/エステルコポリマーを含むアクリル系接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

本開示は、水系感圧接着剤組成物に関する。一実施形態では、水系感圧接着剤組成物は、(A)アクリル分散液であって、(i)ガラス転移温度(Tg)が-20℃未満のアクリル系ポリマーと、(ii)界面活性剤と、の粒子から構成されたアクリル分散液を含む。水系感圧接着剤組成物はまた、(B)エチレンエステル分散液であって、(i)1重量%~50重量%未満のアクリレートコモノマーを有するエチレンエステルコポリマーの粒子と、(ii)分散剤と、から構成されたエチレンエステル分散液を含む。水系感圧接着剤組成物を含む物品も更に開示される。

Description

感圧接着剤(pressure sensitive adhesive、PSA)は、圧力を加えたときに被着体と結合する接着剤である。PSAは、例えば熱、照射又は化学反応によって活性化される接着剤とは異なっている。典型的には、水性PSAは、エマルジョン又は分散液として基材に塗布され、続いて液体溶剤を除去するために乾燥される。
感圧接着剤は、その接着性及び凝集性によって典型的には特徴づけられる。接着性は、基材に対するPSAの剥離強度及び/又は粘着性によって示される。凝集性はPSAのせん断抵抗によって示される。接着性と凝集性との間には逆相関が存在することから、接着性が高いPSAは凝集性が低く、接着性が低いPSAは凝集性が高い。
しかしながらある種の接着剤用途では、高い接着性と高い凝集性の両方が必要とされる。アクリル系PSAに粘着付与剤を添加することで接着性を増強させることが知られている。しかしながら典型的には、アクリル系PSAに加えられる場合、粘着付与剤は凝集性を低下させる。したがって、当該技術は、接着性を低下させることなく凝集性が増加したアクリル系PSAへの必要性を認識している。更に、粘着付与剤を使用することなく、接着性が増加し、凝集性が低下していないアクリル系PSA組成物が必要とされている。
本開示は、水系感圧接着剤組成物に関する。一実施形態では、水系感圧接着剤組成物は、(A)アクリル分散液であって、(i)ガラス転移温度(Tg)が-20℃未満のアクリル系ポリマーと、(ii)界面活性剤と、の粒子から構成されたアクリル分散液を含む。水系感圧接着剤組成物はまた、(B)エチレンエステル分散液であって、(i)1重量%~50重量%未満のアクリレートコモノマーを有するエチレンエステルコポリマーの粒子と、(ii)分散剤と、から構成されたエチレンエステル分散液を含む。水系感圧接着剤組成物を含む物品も更に開示される。
本開示は、物品を提供する。一実施形態では、物品は、第1の基材と、第1の基材上の水系感圧接着剤組成物の層と、を含む。水系感圧接着剤組成物は、(A)アクリル分散液であって、(i)ガラス転移温度(Tg)が-20℃未満のアクリル系ポリマーと、(ii)界面活性剤と、の粒子から構成されたアクリル分散液から構成される。水系感圧接着剤組成物はまた、(B)エチレンエステル分散液であって、(i)1重量%~50重量%未満のアクリレートコモノマーを有するエチレンエステルコポリマーの粒子と、(ii)分散剤と、から構成されたエチレンエステル分散液を含む。水系感圧接着剤組成物を含む物品も更に開示される。
定義
元素周期表への任意の参照は、CRC Press,Inc.,1990-1991によって出版されたものへの参照である。この表での元素群への参照は、群に番号を付けるための新しい表記法によるものである。
米国特許実務の目的のために、任意の参照される特許、特許出願又は公開の内容は、特に定義の開示(具体的に本開示で提供されるいずれの定義とも矛盾しない範囲)及び当該技術分野での一般知識に関して、参照によりそれらの全体が組み込まれる(又はその同等の米国版がそのように参照により組み込まれる)。
本明細書に開示される数値範囲は、下限値及び上限値を含む、下限値から上限値までの全ての値を含む。明示的な値(例えば、1又は2、又は3~5、又は6、又は7)を含有する範囲の場合、任意の2つの明示的な値の間のあらゆるサブ範囲が含まれる(例えば、上記の1~7の範囲は、1~2、2~6、5~7、3~7、5~6などのサブ範囲を含む)。
特に反対の記載がないか、文脈から暗示されるか、又は当該技術分野で慣習的でない限り、全ての部及びパーセントは、重量に基づき、全ての試験方法は、本開示の出願日時点で最新のものである。
本明細書で使用される場合、「アクリル系モノマー」は以下:

式中、Rは、ヒドロキシ基又はC~C18アルコキシ基であり、Rは、H又はCHであり、Rは、C~C18アルコキシ基であり、Rは水素又はメチル基である、構造(I)を含有するモノマーである。R基は、例えばヒドロキシ、アルコキシ及びオキシランなどの1~3個の部分で官能化されてもよい。アクリル系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリレート及びメタクリレートが挙げられる。
本明細書で使用される「ブレンド」又は「ポリマーブレンド」という用語は、2つ以上のポリマーのブレンドである。そのようなブレンドは、混和性(分子レベルで相分離しない)であっても、そうでなくてもよい。そのようなブレンドは、相分離していても、していなくてもよい。このようなブレンドは、透過電子分光法、光散乱、X線散乱、及び当技術分野において既知の他の方法から判定される、1つ以上のドメイン構成を含んでいても、含んでいなくてもよい。
「組成物」という用語は、組成物を含む材料の混合物、並びに組成物の材料から形成された反応生成物及び分解生成物を指す。
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する」という用語、及びそれらの派生語は、それが具体的に開示されているかどうかにかかわらず、任意の追加の成分、ステップ、又は手順の存在を除外することを意図しない。疑義を回避するために、「含む(comprising)」という用語の使用を通じて特許請求される全ての組成物は、特に反対の記載がない限り、ポリマーであるかその他であるかによらず、任意の追加の添加剤、アジュバント、又は化合物を含み得る。対照的に、「から本質的になる」という用語は、操作性に必須ではないものを除き、あらゆる続く記述の範囲からあらゆる他の成分、ステップ、又は手順を除く。「からなる」という用語は、明確に描写又は列挙されていない任意の成分、ステップ、又は手順を除外する。「又は」という用語は、特に明記しない限り、列挙されたメンバーを個別に、並びに任意の組み合わせで指す。単数形の使用は複数形の使用を含み、その逆もまた同様である。
「エチレン系ポリマー」は、(重合性モノマーの総量に基づいて)50重量パーセント(重量%)を超える重合エチレンモノマーを含有し、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーを含有し得るポリマーである。エチレン系ポリマーは、エチレン単一重合体、及びエチレン共重合体(エチレン及び1つ以上のコモノマーに由来する単位を意味する)を含む。「エチレン系ポリマー」及び「ポリエチレン」という用語は、同義的に使用され得る。
「オレフィン系ポリマー」又は「ポリオレフィン」は、(重合性モノマーの総量に基づいて)50重量パーセントを超える重合オレフィンモノマーを含有するポリマーであり、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーを含み得る。オレフィン系ポリマーの非限定的な例は、エチレン系ポリマーである。
「ポリマー」は、同じタイプであるか又は異なるタイプであるかに関わらず、重合形態でポリマーを構成する複数の及び/若しくは繰り返しの「単位」又は「mer単位」を提供するモノマーを重合することによって調製される化合物である。したがって、一般的なポリマーという用語は、ただ1つのタイプのモノマーのみから調製されるポリマーを指すために通常用いられるホモポリマーという用語と、少なくとも2つのタイプのモノマーから調製されるポリマーを指すために通常用いられるコポリマーという用語と、を包含する。それはまた、例えば、ランダム、ブロックなどの全ての形態のコポリマーを包含する。「エチレン/α-オレフィンポリマー」及び「プロピレン/α-オレフィンポリマー」という用語は、それぞれ、エチレン又はプロピレンと、1つ以上の追加の重合性α-オレフィンモノマーとを重合することから調製された上述のコポリマーを示す。ポリマーは、多くの場合、1つ以上の特定のモノマー「で作製され」、特定のモノマー又はモノマータイプに「基づいて」、特定のモノマー含量を「含有する」などと称されるが、この文脈では、「モノマー」という用語は、特定のモノマーの重合残基を指し、非重合種を指すものではないと理解されることに留意されたい。一般に、本明細書におけるポリマーは、対応するモノマーの重合形態である「単位」に基づくものとして言及される。
「プロピレン系ポリマー」は、(重合性モノマーの総量に基づいて)50重量パーセント超の重合プロピレンモノマーを含有するポリマーであり、必要に応じて少なくとも1つのコモノマーを含有してもよい。プロピレン系ポリマーには、プロピレンホモポリマー、及びプロピレンコポリマー(プロピレン及び1つ以上のコモノマーに由来する単位を意味する)が含まれる。「プロピレン系ポリマー」及び「ポリプロピレン」という用語は、交換可能に使用され得る。好適なプロピレンコポリマーの非限定的な例としては、プロピレンインパクトコポリマー及びプロピレンランダムコポリマーが挙げられる。
試験方法
接着性/粘着性試験:サンプルを、Federation Internationale des fabricants et transformateurs d’Adhesifs et Thermocollants(「FINAT」)試験方法No.2に従って、ステンレス鋼(「SS」)及び高密度ポリエチレン(high density polyethylene、HDPE)試験プレートの両方で試験する。凝集/せん断試験:ステンレス鋼プレートのせん断抵抗試験には、FINAT試験方法No.8を使用する。不良態様は、試験値の後に記録される:「AF」は接着不良を示す。「AFB」は、裏材、すなわち剥離ライナーからの接着不良を示す。「CF」は凝集不良を示す。「MF」は混合不良を示す。引き剥がし粘着力試験剥離強度試験:高密度ポリエチレン(HDPE)試験プレート上での90°剥離強度試験では、FINAT試験方法No.2に従った。FINATは、自己接着ラベル産業の欧州協会である(Laan van Nieuw-Oost Indie131-G,2593 BM The Hague,P.O.Box 85612,2508 CH The Hague,The Netherlands)。試験前に、サンプル片を20分の滞留時間で試験プレートに適用した。
密度を、ASTM D792、方法Bに従い測定する。結果を、1立方センチメートル当たりのグラム単位(g/cc)で記録する。
示差走査熱量測定(DSC)
示差走査熱量測定(DSC)を使用して、広範囲にわたる温度のポリマーの溶融、結晶化、及びガラス転移挙動を測定し得る。例えば、RCS(refrigerated cooling system、冷蔵冷却システム)及びオートサンプラを備えたTA Instruments Q1000DSCを使用して、この分析を実行する。試験中、50mL/分の窒素パージガス流量を使用する。各サンプルを約175℃で溶融圧縮して薄膜にし、次いで、溶融したサンプルを室温(約25℃)まで空冷する。3~10mg、直径6mmの試験片を冷却したポリマーから抽出し、秤量し、軽量アルミニウムパン(約50mg)内に置き、圧着して閉じる。次いで、その熱特性を決定するために分析を行う。
サンプルの熱挙動は、サンプル温度を昇降させて熱流対温度のプロファイルを創出することにより決定する。まず、その熱履歴を除去するために、サンプルを180℃まで急速に加熱し、3分間等温で保持する。次に、サンプルを10℃/分の冷却速度で-40℃に冷却し、-40℃で3分間等温で保持する。次いで、サンプルを10℃/分の加熱速度で180℃まで加熱する(これが「第2の加熱」勾配である)。冷却曲線及び第2の加熱曲線を記録する。冷却曲線は、結晶化開始から-20℃にベースラインの終点を設定することで分析される。加熱曲線は、-20℃から融解終了までベースラインの終点を設定することで分析される。求められる値は、外挿融解開始点Tm及び外挿結晶化開始点Tcである。融解熱(H)(ジュール/グラム)、及び次の等式を使用して計算されるポリエチレンサンプルの結晶化度%:結晶化度%=((H)/292J/g)x100
第2の加熱曲線から、融解熱(H)(融解エンタルピーとしても知られている)及びピーク融解温度を報告する。
融点Tmは、まず融解転移の開始と終了との間にベースラインを引くことにより、DSC加熱曲線から求められる。次いで、融解ピークの低温側のデータに接線を引く。この線がベースラインと交差する箇所が、外挿融解開始点(Tm)である。これは、Bernhard Wunderlich,The Basis of Thermal Analysis,in Thermal Characterization of Polymeric Materials 92,277-278(Edith A.Turi ed.,2d ed.1997)に記載されている通りである。
ガラス転移温度Tgは、Bernhard Wunderlich,The Basis of Thermal Analysis,in Thermal Characterization of Polymeric Materials 92,278-279(Edith A.Turi ed.,2d ed.1997)に記載されている通り、サンプルの半分が液体の熱容量を獲得したDSC加熱曲線から求められる。ガラス転移領域の下及び上からベースラインを引き、Tg領域を通して外挿する。サンプルの熱容量がこれらのベースラインの中間となる温度が、Tgである。
ループタック(PSTC試験方法16)(Pressure Sensitive Tape Council、One Parkview Plaza,Suite 800,Oakbrook Terrace,IL 60101,USA)を以下の通りに実施する。ループタック試験では、接着剤が基材に接触したときの初期接着力を測定する。接着剤ラミネートを制御された環境(22.2~23.3℃(72~74°F)、相対湿度50%)にて少なくとも1日間コンディショニングした後、試験を行った。幅2.54cm(1インチ)の試験片を切断し、折り返してループを形成し、接着面を露出させた。次に、それをInstron(商標)引張試験機のジョーの間に取り付け、下のジョーを基材に対して12インチ/分の速度で下げ、2.54cm×2.54cm(1インチ×1インチ)の接着剤の正方形領域が基材に1秒間接触するようにした。次に、接着剤を剥がし、接着剤を基材から引き剥がすためのピーク力を記録した。
ASTM D1238(190℃/2.16kg)を使用してg/10分でのメルトインデックス(MI)(I2)を測定する。
ASTM D1238(230℃/2.16kg)を使用してg/10分でのメルトフローレート(MFR)を測定する。
Brookfield粘度モデル及びBrookfield RV-DV-II-Pro粘度計スピンドル31を使用して、140℃での溶融粘度を測定する。サンプルをチャンバに注入し、次にこれをBrookfield Thermoselに挿入し、所定の位置に固定する。サンプルチャンバは、スピンドルが挿入され、回転しているときに、確実にチャンバが回転しないようにするために、Brookfield Thermoselの底部に適合するノッチを底部に有する。サンプル(およそ8~10グラムの樹脂)を、溶融したサンプルがサンプルチャンバ上部の約1インチ下になるまで必要な温度まで加熱する。粘度計装置を下降させ、スピンドルをサンプルチャンバに浸す。下降を継続し、粘度計のブラケットとサーモセルを一直線上に並べた。粘度計の電源を入れ、粘度計のrpm出力に基づいて、合計トルク容量の40~60パーセントの範囲内のトルク読取り値をもたらすせん断率で動作するように設定する。15分の間、毎分読取り値を取得するか、又は値が安定するまで読取り値を取得し、その時点での最終読取り値を記録する。
Brookfield粘度モデル及びBrookfield RV-DV-II-Pro粘度計スピンドル#2又は#3を使用して、25℃での乳化粘度又は分散粘度を測定する。サンプルを広口カップに注ぎ、粘度計機器を下降させた場合にスピンドルが分散液中に完全に浸るように十分な量を注ぐ。粘度計を起動し、12RPM、30RPM又は60RPMのせん断速度で動作するように設定する。15分間、又は値が安定化するまで読取り値を観測し、その時点で最終読取り値を記録する。
分子量は、システム温度140℃で動作する3個の混合多孔度カラム(Polymer Laboratories 103、104、105、及び106)を備えたWatersの150℃の高温クロマトグラフィーユニットでのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して決定される。溶媒は1,2,4-トリクロロベンゼンであり、ここから注入用のサンプルの約0.3重量%溶液を調製する。流量は1.0mL/分であり、注入サイズは100マイクロリットルである。
分子量の特定は、狭い分子量分布のポリスチレン標準(Polymer Laboratoriesから)をそれらの溶出体積と組み合わせて使用することにより推測される。同等のポリプロピレン分子量は、ポリエチレン及びポリプロピレン(T.Williams & I.M.Ward,The Construction of a Polyethylene Calibration Curve for Gel Permeation Chromatography Using Polystyrene Fractions,6 J.Polymer Sci.Pt.B:Polymer Letter 621,621-624(1968)に記載)の適切なMark-Houwink係数を使用して決定され、以下の式:
Mポリエチレン=a×(Mポリスチレン)を導出する。
この式では、a=0.4316及びb=1.0である。
ポリマーの数平均分子量であるMnは、分子量に対する各分子量範囲内の分子数のプロットの相加平均として表される。実際には、これは全ての分子の総分子量を分子数で割ったものであり、以下の式:
Mn=Σn /(Σn)=(Σw)/(Σ(w/(M)))
(式中、
=分子量Mを有する分子数
=分子量Mを有する材料の重量分率
Σn=総分子数)に従って通常の方法で計算される。
重量平均分子量であるMは、以下の式:M=Σw に従って通常の方法で計算され、式中、w及びMは、それぞれ、GPCカラムから溶出するi番目の画分の重量分率及び分子量である。これら2つの平均の比である分子量分布(MWD又はM/M)は、分子量分布の幅を定義するために本明細書で使用される。
ビカット軟化点を、ASTM D1525に従い測定する。
体積平均粒径分析は、標準的な手順を使用して、Beckman Coulter LS13320レーザ光散乱粒径測定器(Beckman Coulter Inc.,Fullerton,California)を用いて行い、結果をミクロン単位で記録する。
本開示は、水系感圧接着剤組成物に関する。一実施形態では、水系感圧接着剤組成物は、(A)アクリル分散液であって、(i)ガラス転移温度(Tg)が-20℃未満のアクリル系ポリマーと、(ii)界面活性剤と、の粒子から構成されたアクリル分散液を含む。水系感圧接着剤組成物はまた、(B)エチレンエステル分散液を含む。エチレンエステル分散液は、(i)エチレン/エステルポリマー(EEP)及び(ii)分散剤から構成される。EEPは、1重量%~50重量%未満のアクリレート系コモノマーを含有するが、これは粒子形状である。
A.アクリル分散液
水系PSA組成物はアクリル分散液を含む。「水系PSA組成物」といった用語は、水が連続相、すなわち水性媒体を有する組成物である感圧接着剤組成物である。アクリル分散液は、エチレン系ポリマー以外に、1種以上のアクリル系モノマー、界面活性剤及び水を含む。界面活性剤は乳化剤として作用し、これによって疎水性であるアクリル系モノマーの液滴を水性媒体全体に形成することが可能になる。次いで、開始剤が乳化混合物中に導入される。開始剤は、1種以上のアクリル系モノマーの全て、又は実質的に全てが重合されるまで、水性媒体全体に分散された1種以上のアクリル系モノマーと反応する。最終結果は、水性媒体中でのアクリル系ポリマー粒子の分散液から構成されるアクリル分散液であり、アクリル系ポリマー粒子は、エチレン系ポリマー以外に1種以上のアクリル系モノマーサブユニットから構成される。
アクリル系ポリマーのTgは、-20℃未満、又は-80℃~-20℃、又は-70℃~-30℃、又は-60℃~-40℃であり、Mwは、100,000ダルトン超~10,000,000ダルトンである。好適なアクリル系モノマーの非限定的な例としては、アクリル酸(AA)、アクリル酸ブチル(BA)、アクリル酸エチルヘキシル(2-EHA)、アクリル酸エチル(EA)、アクリル酸メチル(MA)、メタクリル酸ブチル(BMA)、アクリル酸オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸n-ブチル、C12~C18メタクリル酸アルキル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸及びそれらの組合せが挙げられる。アクリル系モノマーに加え、アクリル系ポリマーはまた、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(2-HEA)、スチレン(STY)、ビニルエステル、酢酸ビニル及びそれらの組合せなどのモノマーを含んでもよい。
アクリル系分散液は界面活性剤を含む。好適な界面活性剤の非限定的な例としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及びそれらの組合せが挙げられる。アニオン性界面活性剤の例としては、スルホネート、カルボキシレート、及びホスフェートが挙げられるが、これらに限定されない。カチオン性界面活性剤の例としては、四級アミンが挙げられるが、これらに限定されない。非イオン性界面活性剤の例としては、エチレンオキシドを含有するブロックコポリマー、及びエトキシル化アルコール、エトキシル化脂肪酸、ソルビタン誘導体、ラノリン誘導体、エトキシル化ノニルフェノール又はアルコキシル化ポリシロキサンなどのシリコーン界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。好適な界面活性剤の市販例としては、TERGITOL(商標)15-S-9及びDOWFAX(商標)2A1などのDow Chemical Companyによって商用名TERGITOL(商標)及びDOWFAX(商標)で販売されている界面活性剤、並びにDISPONIL FES 77 IS及びDISPONIL FES 993などのBASFによって商用名DISPONIで販売されている製品が挙げられるが、これらに限定されない。
開始剤は、熱開始剤又は酸化還元系開始剤のいずれかであり得る。熱開始剤の例としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウムが挙げられるが、これらに限定されない。開始剤が酸化還元系開始剤である場合、還元剤は例えば、アスコルビン酸、スルホキシル酸又はエリソルビン酸であり得、一方で酸化剤は例えば、過酸化物又は過硫酸塩であり得る。
一実施形態では、アクリル分散液は以下の特性:
(i)2-EHA、MA、MMA、STY、2-HEA、AA、BA、EA、VA及びBMAのうちの任意の組合せから選択される2種以上のモノマーのサブユニット;及び
(ii)-60℃~-30℃のTg、を有するアクリル系ポリマーの粒子を含む。
一実施形態では、アクリル分散液は以下の特性:
(i)2-EHA、EA、MMA及びAAのうちのモノマーのサブユニット;及び
(ii)-60℃~-30℃のTg、を有するアクリル系ポリマーの粒子を含む。
一実施形態では、アクリル分散液は以下の特性:
(i)2-EHA、MMA、STY、2-HEA、AA及びBAのうちのモノマーのサブユニット;及び
(ii)-60℃~-30℃のTg、を有するアクリル系ポリマーの粒子を含む。
B.エチレンエステル分散液
水系PSA組成物はエチレンエステル分散液を含む。エチレンエステル分散液は、エチレン/エステルポリマー(EEP)の粒子、分散剤及び水を含む。エチレン/エステルポリマーは、(i)エチレン、(ii)アクリレートコモノマー及び(iii)必要に応じて1種以上のターモノマーからなる。EEPは、50重量%超のエチレンモノマー及び1重量%~50重量%未満のアクリレートコモノマーを含有する。重量パーセントは、EEPの総重量に基づく。
本明細書で使用される場合、「エチレン/エステルポリマー」(「EEP」と同義に称される)は、(i)エチレン及び(ii)アクリレート系コモノマー、及び(iii)必要に応じて1種以上のターモノマーから構成されるエチレン系ポリマーである。アクリレート系コモノマーはアクリル系モノマーであり、以下:

式中、RはC-C18アルコキシ基であり、Rは水素又はメチル基である構造(I)を有する。R基は、例えばヒドロキシ、アルコキシ及びオキシランなどの1~3個の部分で官能化されてもよい。アクリレートコモノマーは、アクリレート及びメタクリレートを含む。
エチレン/エステルポリマーは、エチレン系ポリマー(50重量%超のエチレン由来の単位を含有)であり、したがってアクリル分散液中のアクリル系ポリマーと比較すると異なっている。エチレン/エステルポリマーは、エチレン系ポリマー(50重量%超のエチレン由来の単位を含有)であり、水中での乳化重合により調製されたエチレン/エステルコポリマーを含むことなく存在する。
一実施形態では、エチレンエステル分散液は、(i)エチレン、(ii)10重量%~50重量%未満のアクリレートコモノマー及び(iii)必要に応じて1種以上のターモノマーからなるEEPの粒子を含む。EEPの粒子は、アクリル分散液中に存在するアクリル系ポリマーの粒子とは異なることが理解されている。好適なターモノマーの非限定的な例としては、C-C12のα-オレフィン、アクリレート/メタクリレート(アクリレート系コモノマーとは異なる)、メタクリル酸グリシジル、酢酸ビニル、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。存在する場合、EEP中のターモノマーの量は、EEPの総重量に基づく重量パーセントについて、0重量%超~30重量%未満、又は1重量%~10重量%、又は3重量%~8重量%超である。ターモノマーが存在する場合、(i)エチレン由来の単位、(ii)アクリレート系コモノマー由来の単位及び(iii)ターポリマー由来の単位の総重量パーセントの合計は、EEPの100重量%に達することが理解される。
EEPのメルトインデックス(MI)は、1.0g/10分~600g/10分、又は1.0g/10分~125g/10分、又は5.0g/10分~60g/10分、又は6.0g/10分~50g/10分である。
EEPの密度は、0.90g/cc~0.980g/cc、又は0.920g/cc~0.950g/cc、又は0.924g/cc~0.950g/ccである。
EEPの融点Tmは、70℃~110℃、又は80℃~105℃、又は82℃~101℃である。
EEPのビカット軟化点は、40℃~80℃、又は45℃~75℃、又は49℃~70℃である。
EEPは粒子形状であり、粒子の体積平均粒径は0.1ミクロン~4.0ミクロン、又は0.3ミクロン~1.9ミクロン、又は0.4ミクロン~1.8ミクロンである。
一実施形態では、EEPは、(i)エチレン及び(ii)アクリレートコモノマーからなるエチレン系コポリマーである。EEPは、1重量%~50重量%未満、又は5重量%~40重量%、又は9重量%~35重量%のアクリレートコモノマーを含有する。重量パーセントは、EEPの総重量に基づく。
一実施形態では、エチレンエステル分散液は、(i)エチレン及び(ii)C-Cアルコキシ基又はC-Cアルコキシ基を有するアクリレート、からなるEEPの粒子を含み、以下の特性:
(i)5~40重量%、又は9~35重量%のアクリレートコモノマー含有量;及び/又は
(ii)0.1~2.0ミクロン、又は0.3~1.9ミクロンの体積平均粒径;及び/又は
(iii)1.0~125g/10分、又は6.0~50g/10分のメルトインデックス(MI);及び/又は
(iv)0.920~0.960g/cc、又は0.924~0.944g/ccの密度;及び/又は
(v)70~110℃、又は88℃~101℃の融点Tm;及び/又は
(vi)40~80℃、又は49~70℃のビカット軟化点、のうちの1つ、いくつか又は全ての特性を有する。
一実施形態では、エチレンエステル分散液は、(i)エチレン及び(ii)アクリレートコモノマー及び(iii)アクリレート系ターモノマー(アクリレート系コモノマーとは異なる)又は酢酸ビニルからなるEEPの粒子を含み、以下の特性:
(i)1重量%~20重量%、又は4重量%~10重量%のアクリレートコモノマー含有量;及び/又は
(ii)5重量%~40重量%、又は15重量%~30重量%のアクリレートターモノマー含有量;及び/又は
(ii)0.1~2.0ミクロン、又は0.3~1.9ミクロンの体積平均粒径;及び/又は
(iii)1.0~20g/10分、又は5.0~10g/10分のメルトインデックス(MI);及び/又は
(iv)0.90~0.980g/cc、又は0.3~0.96g/ccの密度;及び/又は
(v)70℃~90℃、又は80℃~85℃の融点Tm、のうちの1つ、いくつか又は全ての特性を有する。
好適なエチレンエステルポリマーの市販例としては、Dow Incから入手可能なELVALOY(商標)AC 15024S、ELVALOY(商標)AC 34035、ELVALOY(商標)AC 1609、ELVALOY(商標)AC 1820、ELVALOY(商標)AC 3717、ELVALOY(商標)AC 3427及びAMPLIFY(商標)EA 103が挙げられるが、これらに限定されない。
エチレンエステル分散液は分散剤を含む。分散剤はエチレンエステル分散液中では、EEPのコロイド安定性を提供する。分散剤は、14個~40個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、酸官能基を有するポリエチレン、酸官能基を有するポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー及びそれらの組合せから選択される。一実施形態では、分散剤は14個~40個の炭素原子、又は16~36個の炭素原子、又は18個~24個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸である。分散剤は必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び/又はジメチルエタノールアミンなどの塩基で中和されてもよい。分散剤に好適な長鎖脂肪酸の非限定的な例としては、ラウリル酸(C12)、パルミチン酸(C16)、オレイン酸(C18)、ステアリン酸(C18)、アラキジン酸(C20)、エウリック酸(euricic acid)(C22)、ベヘン酸(C22)及びそれらの組合せが挙げられる。
一実施形態では、分散剤はアニオン性界面活性剤である。分散剤に好適なアニオン性界面活性剤の非限定的な例としては、ラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、C14-C16αオレフィンスルホン酸ナトリウム及びDow Incから入手可能なDOWFAX(商標)2A1が挙げられる。
一実施形態では、分散剤はカチオン性界面活性剤である。分散剤に好適なカチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、ステアラミドプロピルジメチルアミンが挙げられる。
一実施形態では、分散剤は非イオン性界面活性剤である。分散剤に好適な非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)及びポリ(エチレングリコール)(PEG-PPG-PEG)アルキルエーテルが挙げられる。
一実施形態では、分散剤は、酸官能基を有するポリエチレン又はポリプロピレンである。酸官能基を有するポリエチレン又はポリプロピレンの非限定的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸とのエチレンコポリマーである。
一実施形態では、分散剤はエチレン酸コポリマーである。本明細書で使用される場合、「エチレン酸コポリマー」(同義的に「EAC」と称される)としては、エチレン酸コポリマー中に存在するモノマーの総重量に基づいた、(a)エチレン;(b)3重量%~50重量%未満の少なくとも1種のC~Cα,βエチレン性不飽和カルボン酸、及び必要に応じて(c)10重量%~30重量%の少なくとも1種のC~Cα,βエチレン性不飽和カルボン酸エステル、の共重合化されたコモノマーが挙げられる。
α,β-エチレン性不飽和C~Cカルボン酸(成分(b))としては例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸(trans-ブテン酸)、イソクロトン酸(cis-ブテン酸)、ビニル酢酸、(E)-4-メトキシ-4-オキソ-ブタ-2-エン酸、(Z)-4-エトキシ-4-オキソ-ブタ-2-エン酸、ビニル乳酸、マレイン酸、2-メチルマレイン酸又はアコニット酸、又はこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、C~Cα,βエチレン性不飽和カルボン酸は、アクリル酸、メタクリル酸又はアクリル酸とメタクリル酸の組合せである。
エチレン酸コポリマーは必要に応じて、C~Cα,βエチレン性不飽和カルボン酸エステル(成分(c))を含んでもよい。C~Cα,βエチレン性不飽和カルボン酸エステル(成分(c))が存在する場合、成分(c)は、モノエステル、又はいくつかの例では、α,β-不飽和ジカルボン酸と1個~20個の炭素原子を有する一級、二級及び/又は三級飽和一価アルコールとのジエステルを含んでもよい。酸エステルは例えば、アクリル酸、メタクリル酸及び/若しくはイタコン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル又は2-エチルヘキシルエステル、あるいはマレイン酸、フマル酸若しくはシトラコン酸の対応するモノエステル若しくはジエステルであってもよい。
一実施形態では、エチレン酸分散液としては中和剤が挙げられる。本明細書で使用される場合、「中和剤」は酸塩基反応でEAC中の酸官能基と反応して塩を形成する塩基である。中和剤は、存在する場合にはpHを制御するために使用され、配合された感圧接着剤組成物に安定性を提供する。中和剤は、水系感圧接着剤組成物の総乾燥重量に基づき、0重量%超~2重量%、又は0.1重量%~1.5重量%の量で存在する。
一実施形態では、EACの中和は、モル基準では25%~200%;又はモル基準では50%~150%、又はモル基準では50%~120%;又はモル基準では50%~110%である。好適な中和剤の非限定的な例としては、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、アミン及びそれらの組合せが挙げられる。
好適な水酸化物の非限定的な例としては、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及び水酸化ナトリウムが挙げられる。
好適な炭酸塩の非限定的な例としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸カルシウムが挙げられる。
好適なアミンの非限定的な例としては、アンモニア水、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、モノ-n-プロピルアミン、ジメチル-nプロピルアミン、N-メタノールアミン、N-アミノエチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、N,N-ジメチルプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、トリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシルプロピル)エチレンジアミン、1,2-ジアミノプロパン、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、N,N’-エチレンビス[ビス(2-ヒドロキシプロピル)アミン]トルエン-p-スルホネート又はモルホリン、ピペラジン、ピペリジンなどの環状アミン及びそれらの組合せが挙げられる。
一実施形態では、水系感圧接着剤組成物は、水系感圧接着剤組成物の総重量に基づき、0.1~25重量%、又は0.1~10重量%、0.2~6重量%、又は0.3~4重量%のエチレンエステル分散液を含む。
一実施形態では、水系感圧接着剤組成物は、接着剤組成物の総乾燥重量に基づき、0.1~25重量%、又は0.1~10重量%、又は0.2~6重量%、又は0.3~4重量%のEEPを含む。
C.粘着付与剤
一実施形態では、水系感圧接着剤組成物は粘着付与剤を含む。好適な粘着付与剤としては、ロジン酸及び/若しくはロジン酸をアルコールでエステル化することで得られるロジンエステルを含むロジン樹脂、又はエポキシ化合物及び/若しくはその混合物、非水素添加脂肪族C樹脂、水素添加脂肪族C樹脂、芳香族変性C樹脂、テルペン樹脂、水素添加C樹脂、(メタ)アクリル樹脂並びにそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。粘着付与剤として好適な(メタ)アクリル樹脂は、米国特許第4,912,169号、米国特許出願公開第2002/055587号及び米国特許第9,605,188号といった参考文献に記載されている。水系感圧接着剤組成物は、水系感圧接着剤組成物の総乾燥重量に基づいて0重量%超~50重量%、又は5重量%~40重量%、又は7重量%~30重量%、又は8重量%~15重量%の粘着付与剤を含有する。
D.添加剤
水系感圧接着剤組成物は、1種以上の任意の添加剤を更に含んでもよい。添加剤が存在する場合、好適な添加剤の非限定的な例としては、増粘剤、消泡剤、湿潤剤、機械的安定剤、顔料、充填剤、凍結融解剤、可塑剤、接着促進剤及びそれらの組合せが挙げられる。
一実施形態では、水系感圧接着剤組成物は、水系感圧接着剤組成物の総乾燥重量に基づいて0重量%超~5重量%の増粘剤を含む。適切な増粘剤には、ミシガン州ミッドランドのThe Dow Chemical Companyからの市場で入手可能なACRYSOL(商標)、UCAR(商標)及びCELLOSIZE(商標)が含まれるが、これらに限定されない。
E.PSA組成物
水系PSA組成物は、
(A)40重量%~99.9重量%、又は93重量%~99.8重量%、又は95重量%~99.7重量%のアクリル系分散液;
(B)10重量%~0.1重量%、又は7重量%~0.2重量%、又は5重量%~0.3重量%のエチレン系ポリマー分散液;
(C)水系感圧接着剤組成物の総乾燥重量に基づき、0重量%、又は0重量%超~50重量%、又は5重量%~40重量%、又は7重量%~30重量%、又は8重量%~15重量%の粘着付与剤を含有する。成分(A)、(B)及び(C)の合計乾燥重量は、合計で100乾燥重量%に達することが理解される。
F.物品
本開示は、物品を提供する。物品は、第1の基材と、第1の基材上の水系PSA組成物の層(以下、PSA層)と、を含む。水系PSA組成物は、本明細書で既に開示されたいずれかの水系PSA組成物であり、(A)(i)ガラス転移温度(Tg)が-20℃未満のアクリル系ポリマーと、(ii)界面活性剤から構成されたアクリル分散液;(B)(i)エチレン/エステルポリマー(EEP)の粒子と、(ii)分散剤と、から構成されたエチレンエステル分散液;並びに(C)任意の粘着付与剤、を含む。エチレン/エステルポリマーは、1重量%~50重量%未満のアクリレートコモノマーを含有する。
一実施形態では、物品は感圧接着剤物品である。本明細書で使用される場合、「感圧接着剤物品」は、露出面であり第2の基材と接触させることが可能である利用可能な面を有する感圧接着剤(PSA)が第1の基材に接着されている物品である。「利用可能な面」は、本明細書で既に開示されたいずれかの水系PSA組成物から構成される。PSAの利用可能な表面は、剥離材料と接触してもよいし、又は接触しなくてもよい。本明細書で使用される場合、「剥離材料」は、手で容易に取り外して利用可能な面を露出させることができる、PSAと弱い結合を形成する材料である。
物品は第1の基材を含む。第1の基材は、フィルム、セルロース系材料、布地、テープ又は剥離ライナー及びそれらの組合せである。
一実施形態では、第1の基材はフィルムである。第1の基材に好適なフィルムの非限定的な例としては、プロピレン系ポリマーフィルム、エチレン系ポリマーフィルム、エチレン/プロピレンコポリマーフィルム、ポリエステルフィルム、ポリ(塩化ビニル)フィルム、金属蒸着フィルムなどのプラスチック製フィルム(非延伸フィルム又は一軸延伸フィルム又は二軸延伸フィルム)、ポリウレタンフォーム及びポリエチレンフォームなどのフォーム基材、並びにアルミニウム箔又は銅箔などの金属箔が挙げられる。
一実施形態では、第1の基材はセルロース系材料である。基材に好適なセルロース系材料の非限定的な例としては、クラフト紙、クレープ紙及び和紙などの紙、ラベル並びに厚紙が挙げられる。
一実施形態では、第1の基材は布地である。基材に好適な布地の非限定的な例としては、綿織物、ステープルファイバー織物、ポリエステル不織布などの不織布、不織布上のビニル及びそれらの組合せが挙げられた。
一実施形態では、第1の基材は剥離ライナーである。剥離ライナーに好適な材料の非限定的な例としては、フルオロカーボンポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロ-エチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、クロロフルオロエチレン-フッ化ビニリデンコポリマーなど)、シリコーン加工紙又はフィルム、及び非極性ポリマー(例えば、エチレン系ポリマー及びプロピレン系ポリマーなどのオレフィン系樹脂)が挙げられる。
一実施形態では、第1の基材(フィルム、セルロース系材料、布地、テープ又は剥離ライナー)の厚さは、10ミクロン~10000ミクロン、又は10ミクロン~1000ミクロン、又は20ミクロン~500ミクロン、又は50ミクロン~100ミクロン、又は100ミクロン~200ミクロン、又は200ミクロン~500ミクロンである。
PSA層は、第1の基材の片面又は両面に水系PSA組成物を塗布し、後に乾燥又は硬化させることで形成される。水系PSA組成物は、本明細書で既に開示された任意の水系PSA組成物であり得る。PSA組成物の塗布には、例えばグラビアロールコータ、リバースロールコータ、キスロールコータ、ディップローラコータ、バーコータ、ナイフコータ、スプレーコータ、カーテンコータ、スロットダイコータ、コンマコータ、ナイフコータといったコータを利用することができる。一実施形態では、感圧接着剤層が塗布される基材の片面又は両面に表面処理が施される。好適な表面処理の非限定的な例としては、プライマーコーティング、及び基材の片面又は両面上へPSA層の塗布前のコロナ放電表面処理が挙げられる。
一実施形態では、基材表面上のPSA層の厚さは、1ミクロン~500ミクロン、又は10ミクロン~110ミクロン、又は30ミクロン~90ミクロン、又は1ミクロン~10ミクロン、又は10ミクロン~50ミクロンである。
一実施形態では、物品は多層PSA物品である。本明細書で使用される場合、「多層PSA物品」は、基材と、第1のPSA層が基材と接触し、第2のPSA層が第1のPSA層と接触する2つ以上のPSA層と、を含む。多層PSA物品は更なるPSA層を含んでもよいが、更なる各PSA層は先に塗布されたPSA層と接触しており、PSA層は積層方式で配置されている。例えば、多層PSA物品は第3のPSA層を含み、第3のPSA層は第2のPSA層と接触し、かつその上に第3のPSA層を積層することができる。多層PSA物品は第4のPSA層を含み、第4のPSA層は第3のPSA層と接触し、かつその上に第4のPSA層を積層することができる。多層PSA物品は第5のPSA層を含み、第5のPSA層は第4のPSA層と接触し、かつその上に第5のPSA層を積層することができる。多層PSA物品のうちの少なくとも1つのPSA層は、本明細書で既に開示されたいずれかの水系PSA組成物から構成される。
限定ではなく例として、ここで、本開示のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
実施例で使用する材料を以下の表1A及び表1Bに提供する。
EER1、EER2及びEER3
高い圧力を使用し、連続方式で操作する標準的なフリーラジカル共重合法により、実験のコポリマーEER1、EER2及びEER3を調製することができる。モノマーは、モノマーの反応性、及び組み込まれることが望まれる量に関連する割合で反応混合物に供給される。このようにして、鎖に沿ったモノマー単位の均一でほぼランダムな分布が実現される。この方式での重合は周知であり、例えば米国特許第4,351,931号に記載されている。
A.メルトインデックス(MI)-溶融粘度(Mv)関係
Shenoy,A.V.;Saini,D.R.;Nadkarni,V.M.Polymer 1983,24,722-728から引用した以下の計算により、140℃の溶融粘度から190℃のメルトインデックスを推定することができる。以下:

(式中、MIはg/10分で与えられ、ρはg/cmでのポリマー密度であり、LはkgでのMI測定で使用される重量(典型的には2.16kg)であり、溶融粘度はポアズで与えられる)のように、例えば140℃の所与の温度でのMIを同じ温度の溶融粘度から推定することができる。次に、例えば140℃のMI(T)などのある温度でのMIから、例えば190℃のMI(T)などの別の温度でのMIを推定するため、上記参考文献でShenoy et alにより提供されるWilliams-Landel-Ferry式の形式を再構成したもの:

(式中、Tはポリマーガラス転移温度+50Kである標準参照温度であり、TはMIを計算するKでの温度であり、TはMIが既知であるKでの温度である)を使用してもよい。ポリマーのガラス転移温度が既知ではない場合、成分のモノマーのホモポリマーのガラス転移温度からFox式:

(式中、Tは所望のコポリマーの推定Tであり、wは所望のコポリマーの成分モノマーのi番目の重量分率であり、Tg,Iはi番目の成分モノマーのホモポリマーのガラス転移温度である)を使用し、これを推定することができる。
一例として、EAA Honeywell A-C 5120ポリマーについて、140℃でのその溶融粘度(6ポアズ)、密度(0.93g/cm)、85%のエチレン及び15%のアクリル酸のコポリマーについて計算されたガラス転移温度から、190℃でのMIを推定することができる。

推定されたモノマー組成、材料の総重量に基づく重量%
E-エチレン、VA-酢酸ビニル、AA-アクリル酸。
1.アクリル分散液の調製
A.アクリル分散液1
以下の手順に従い、アクリル分散液1を調製する。コンデンサー、メカニカルスターラー、温度制御された熱電対ならびに開始剤及びモノマー用の入口を備えた4リットルの5つ口反応器に、540gの脱イオン(「DI」)水を供給し、穏やかな窒素流の下で87℃に加熱する。別の容器で、400gのDI水、11.9gのDISPONIL FES 77、5gのTERGITOL(商標)15-S-9、4gの炭酸ナトリウム並びに71.5重量%のアクリル酸2-エチルヘキシル(「2-EHA」)、18.5重量%のアクリル酸エチル(「EA」)、9重量%のメタクリル酸メチル(「MMA」)及び1重量%のアクリル酸(「AA」)から構成された2,024gのモノマー混合物を混合してモノマーエマルジョンを調製する。次に、32gのDI水中の1.3gの炭酸ナトリウムと8.3gの過硫酸アンモニウム(開始剤として「APS」)との混合物溶液を反応器に加える。炭酸ナトリウム及びAPSの溶液を添加した直後に、モノマーエマルジョンを反応器に供給する。供給を80分間続ける。モノマーエマルジョンの添加完了時に、反応混合物を60℃に冷却した後、25分にわたり2本の別個の供給パイプを介し、tert-ブチルヒドロペルオキシド(70%)(「t-BHP」)(23gのDI水中、4.7g)とヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(28gのDI水中、2.8g)の溶液を徐々に添加する。供給が完了したら、反応物を室温に冷却する。次に、得られたアクリル分散液1を325メッシュ濾布に通して濾過し、その後の評価作業のための組成物を調製する。得られたアクリル分散液1は、71.5重量%の2-EHA/18.5重量%のEA/9重量%のMMA/1重量%のAAから構成されたアクリル系ポリマーを含み、ガラス転移温度は-41℃である。重量パーセントは、アクリル系ポリマーの総乾燥重量に基づく。
B.アクリル分散液2
アクリル分散液2は、Dow Chemical Companyから入手可能なINVISU(商標)4100である。
C.アクリル分散液3
アクリル分散液3は、Dow Chemical Companyから入手可能なINVISU(商標)3000である。
D.アクリル分散液4
半連続乳化重合のために準備した270gの水(90℃)を含有するフラスコに、13gのペルオキソ二硫酸ナトリウム(1.26g)脱イオン水溶液を最初にいれ、次に12%の固形分で平均粒径が60nmのアクリルポリマーの水性分散液からなる21.2gの結晶種を投入した。2分後、59.8gのペルオキソ二硫酸ナトリウム(3.79g)脱イオン水溶液及びモノマーエマルジョンを含有する供給流を添加し始め、90℃で120分間にわたり一定速度にてこれを継続した。モノマーエマルジョンは、30molのエチレンオキシドでエトキシル化されたラウリルアルコールの硫酸エステルナトリウム塩の33%濃度の水溶液180g、44%濃度のDOWFAX(商標)2A1水溶液5.6g、75%濃度のスルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩のエタノール/水溶液6.7g及び295gの脱イオン水といった表2に記載の重量比率の1250gのモノマーからなる。モノマーエマルジョンの重量の半分を反応器に添加した後、26%の固形分で平均粒径が60nmのアクリルポリマーの水性分散液からなる72gの結晶種を1分以内に反応器に投入した。モノマーエマルジョン及び供給流を反応器に完全に添加した後、反応器の温度を90℃に維持しながら脱イオン水を更に35g添加した。次に、アンモニア(水中濃度が4.4%で17.9g)を反応器に添加した。最後に、8%のtert-ブチルヒドロペルオキシド水溶液(23g)と10%のヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム水溶液(19.5g)とを、60分かけて一定速度で、90℃にて反応器に加えた。これらの供給流を完了した後、反応器内容物を室温に冷却した。
E.アクリル分散液5
メカニカルスターラーを備えたフラスコを使用し、0.51gのピロリン酸四ナトリウム、640gの脱イオン水、1.80gの無水硫酸ナトリウム及び1.36gのアスコルビン酸から構成された初期水性投入物を87℃に加温する。次に、28.4gの19%濃度の過硫酸ナトリウム水溶液を、フラスコに注ぎ入れる。2.0時間にわたり、14.7gの50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液、12モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたラウリルアルコールの硫酸エステルナトリウム塩の30%濃度の水溶液39.4g、25.0%濃度のビニルスルホン酸ナトリウム水溶液21.2g、22%濃度のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液28.8g、イタコン酸6.6g、水236g、メタクリル酸メチル321.2g、スチレン55.2g、アクリル酸2-エチルヘキシル1,592.4g、アクリル酸エチル679.3g及びアクリル酸14.4gから構成されたエマルジョンをフラスコに徐々に供給する。最初は、最初の5.0分間の追加速度は、毎分5.0gである。その後、この速度を、35分間にわたって、毎分25.0gまで着実に上昇させる。合計75分の供給時間後に、速度を、毎分35.0gまで上昇させる。エマルジョン供給の開始から、94gの11%濃度のペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液を、2.3時間にわたって一定速度で添加し、反応器温度を、85~87℃に維持する。
供給が完了した後、約70℃で、2.76gの亜硫酸水素ナトリウム、1.8gのアセトン、及び44.4gの水の溶液と、同時に47.6gの5.5%濃度のtert-ブチルヒドロペルオキシド溶液を、45分間にわたってフラスコに分注する。感圧接着剤のコポリマー分散液は、70重量%の固形分で生成される。
F.アクリル分散液6
メカニカルスターラーを備えたフラスコを使用して、1.34gのピロリン酸四ナトリウム、269gの脱イオン水、及び0.68gのアスコルビン酸で構成される投入物を86℃に温める。次に、水中の6.6%濃度の過硫酸ナトリウム28gをフラスコに注ぐ。4時間にわたり、10%濃度の水酸化ナトリウム溶液24.5g、30モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたラウリルアルコールの硫酸エステルナトリウム塩の33%濃度の水溶液30g、25.0%濃度のビニルスルホン酸ナトリウム水溶液10.6g、44%濃度のDOWFAX(商標)2A1水溶液5g、7モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたラウリルアルコール2.2g、水172g、スチレン27.6g、アクリル酸2-エチルヘキシル1,079.2g、酢酸ビニル55.2g及びメタクリル酸メチル162g及びアクリル酸7.2gから構成されたエマルジョンをフラスコに徐々に分注する。開始時、最初の6分間の添加速度は1.42g/分である。その後、添加速度を、40分間にわたって7.1g/分に一定に上昇させる。エマルジョン供給開始から、水中5%濃度のペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液148gを5時間にわたって一定速度で添加し、反応媒体を85~87℃に維持する。
供給終了後、およそ70℃で、亜硫酸水素ナトリウム1.38g、アセトン0.9g、水22.2gの溶液と、同時に、tert-ブチルヒドロペルオキシドの5.5%濃度溶液23.8gを、60分にわたってフラスコに分注する。
G.アクリル分散液7
窒素で掃引し、オーバーヘッド撹拌機、温度計及び還流凝縮器を備えた96℃の水のケトル投入物(518g)に、緩衝剤として炭酸ナトリウム(0.01%BOM、0.55g)を添加した。続いて、開始剤として過硫酸アンモニウム(0.217%BOM、5.9g)及び初期粒径に設定した母材結晶種投入物(100nmの出発粒径、1.251%BOM、70.79%)を添加した。モノマーエマルジョン供給及び共供給を開始した。モノマーエマルジョンは、炭酸ナトリウム(0.02%BOM、1.4g)、イタコン酸(0.2g、5.1g)、アクリル酸(0.8%BOM、20.4g)、スルホコハク酸のエトキシル化アルコール半エステル二ナトリウム(0.17%、14.3%)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.21%BOM、24.2g)、アクリル酸ブチル(71.1%BOM、1818g)、メタクリル酸メチル(6.0%BOM、152.8g)、スチレン(1.6%BOM、40.8g)及び水(16.8%の総モノマーエマルジョン、4.11g)からなり、これを75分間にわたって供給した。過硫酸アンモニウムの共供給(0.173%BOM、4.6%)を75分間にわたって供給した。反応の温度を88~90℃で制御した。モノマーエマルジョン供給の途中で中断してドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.235%BOM、26.5g)をケトルに添加した。モノマーエマルジョンを添加した後、その温度を保持した。15分後、ケトルを75℃に冷却し、希硫酸鉄(0.001%BOM、0.03g)及びエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(0.001%BOM、0.03g)をケトルに添加した。続いて、モノマーエマルジョンの供給及び共供給を開始した。モノマーエマルジョンは、1,1-ジホスホネートエタノール(1,1-diphosphonatoethanol)四ナトリウム(0.002%、0.1%)、酢酸(0.03%BOM、0.6g)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.05%BOM、5.3g)、アクリル酸ブチル(5%BOM、127.8g)、メタクリル酸ブチル(15%BOM、353.3g)、3-メルカプトプロピオン酸メチル(0.38%BOM、9.8g)及び水(105.7g)からなり、これを20分間にわたって供給した。1つの共供給はt-ブチルヒドロペルオキシド(0.4%BOM、15.1g)からなり、これを50分間供給した。他の共供給はヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(0.24%BOM、8.1g)からなり、これを50分間供給した。モノマーエマルジョンを供給する間、温度を74~76℃に制御した。モノマーエマルジョンが終了したら、バッチを65℃に冷却した。次に、pHが7になるまで水酸化アンモニウムで分散液を中和した。中和後、バッチを35℃未満に冷却した。
以下の表2は、アクリル分散液1~7についての特性の概要であり、成分の量はアクリル分散液の乾燥重量に基づき重量パーセントで示す。

アクリル分散液の乾燥重量に基づく重量%
2.エチレンエステル分散液の調製
以下の手順に従い、450rpmで回転するBersdorf ZE25 48 L/D 25mmの二軸押出機(Kraus-Maffei Corporation,Florence KY,USA)を使用し、水性エチレンエステル分散液EEP1~8を調製した。エチレンエステルポリマー(以下の表3のEEPフィード1)をSchenck Mechatron重量検出方式連続定量供給フィーダを介して押出機の供給口に供給し、ブレンド組成物を制御するためにK-tron重量検出方式連続定量供給フィーダを介して更なる樹脂(樹脂フィード2)を添加した。EEP樹脂及びいずれかの添加剤(addtive)を溶融ブレンドし、次に初期水溶液流(IA)及び分散剤が存在する状態で乳化し、該当する場合には水酸化カリウム(KOH)又はジメチルエタノールアミンを用いて中和し、ISCOデュアルシリンジポンプ(Teledyne Isco,Inc製、Lincoln NE,USA)を使用して両方を注入した。次に分散相を押出機の希釈ゾーン及び冷却ゾーンに運搬し、ここでISCOデュアルシリンジポンプにより更なる希釈水を添加し、固形分が70重量パーセント未満である水性分散液を形成した。押出機のバレル温度は、140~150℃に設定した。押出機からエチレンエステル分散液が出た後、これを更に冷却し、200μmのメッシュサイズのバッグフィルタを介して濾過した。
具体的な供給速度及び結果を以下の表3に示す。
2CV Heliconeミキサ(DIT)、高粘度材料(最大12MM cP)を混合するための二軸噛み合いコニカルブレードを使用するジャケット付バッチミキサを使用し、水性エチレンエステル分散液EEP9~11を調製した。このユニットは底部放出バルブを組み込んでおり、混合後にバルブを通って材料を押し出すためにミキサブレードを使用することができる。2CVユニットのワーキングボリュームは50~250mLである。ユニットを加熱するために大容量の再循環浴を混合ボウルジャケットに接続し、混合中にISCOを使用して希釈水をシステムに注入した。加えて、Heliconeは二次オイルポンプを利用してブレードシャフトのメカニカルシールへの定圧を維持し、容器内の圧力を相殺した。
表4に記載のように、分散液を作製した。樹脂、界面活性剤、塩基及び初期水溶液(IA)をHeliconeに充填し、次に窒素雰囲気生成装置下で70psiに加圧し、ヒータを140℃に設定した。30分後、成分は所定の温度に達し、50rpmで30分間混合し、初期エマルジョンを生成した。次に、インペラを100rpmに上昇させ、1.5mL/分で脱イオン水を添加してエマルジョンを60%固体に希釈した後、2.5mL/分で約40%固体の最終目標濃度に希釈した。希釈後、混合を停止し、分散液が80℃未満になるまで30分間冷却してこの時点でHeliconeを排気し、ゲートバルブを通して分散液を回収した。
3.感圧接着剤組成物の調製
水系感圧接着剤組成物を以下のように配合した。特に記載がない限り、全てのサンプルには、実験室でのドローダウンのウェットアウトを改善するため、総分散液に基づき、Evonik(「440」)から得られた0.3%(湿潤/湿潤)SURFYNOL 440湿潤剤である湿潤剤を配合した。次に、Dow,Inc.,Midland,Michiganから入手可能な増粘剤であるACRYSOL(商標)DR-5500(「DR-5500」)を使用し、粘度を約600mPa・s(600cps)(Brookfield,RVDV,30rpm,63#)に調整し、水酸化アンモニウムを使用して最終pHを7.0~7.5に調整した。
アクリル分散液には、適切に撹拌させた状態で、それぞれの表(アクリル分散液の総重量に基づく湿潤重量又は乾燥重量)に示される用量レベルに従い、エチレンエステル分散液を配合した。
4.PSA物品の調製
実験室でのドローダウン
ポリプロピレン(「PP」)フィルム(厚さ60ミクロン)を、ラミネート加工前にコロナ処理で前処理した。剥離紙上に水系PSA組成物のサンプルをコーティングし、80℃で5分間乾燥させた。PPフィルムを水系感圧接着剤でコーティングした剥離ライナーでラミネートした(「接着剤ラミネート」)。
接着剤ラミネートを制御された環境(22.2~23.3℃(72~74°F)、50%の相対湿度)で少なくとも1日(24時間)コンディショニングした後、性能試験を実施した。
接着剤試験に使用する前に、Cheminstruments(510 Commercial Dr.,West Chester Township,OH 45014)から購入した高密度ポリエチレン(HDPE)パネルを洗浄し、コンディショニングする。イソプロパノールに浸漬させたリントフリーの非研磨布でパネルを拭き、試験前に何らかの接着剤残留物を除去する。表面に傷を付けないように注意を払う。パネル表面が目視で清潔であると確認したら、イソプロパノールを使用して更に拭く。HDPEパネルを、22.2~23.3℃(72~74°F)、50%相対湿度で最低4時間、24時間以下でコンディショニングする。
5.EEP1を評価するPSA適用試験
接着剤ラミネート中の水系PSA組成物を完全に乾燥させ、制御された環境(22.2~23.3℃、50%相対湿度)である試験機関で少なくとも一晩、いくつかの場合では、重量12kgで120時間コンディショニングした後に性能試験を実施した。
(i)アクリル分散液2及び(ii)エチレンエステル分散液から構成された乾燥PSA組成物を含む接着剤ラミネートについての引き剥がし粘着力、ループタック及びせん断データを以下の表5~表7に提供する。

CS=比較サンプル、IE=本発明実施例
アクリル分散液2の配合物から調製されたPSA物品(ラミネート)に関して得たHDPEの90°引き剥がし粘着力(24時間及び20分)は、EEPコポリマー分散液の添加によって予想以上に増加した。EEPコポリマーを含まないCS1は、EEP1が2部であり、5.1N/インチのHDPEの90°引き剥がし粘着力(24時間)を示すIE2と比較すると4.0N/インチのHDPEの90°引き剥がし粘着力(24時間)を示す。更に予期し得なかったことだが、EEP1の添加が少ないことで(0.4部のみ)、実際にHDPEの90°引き剥がし粘着力(24時間)は更に5.3N/インチに増加する。更に予期し得なかったことだが、EEP1を2部添加することで、HDPEの90°引き剥がし粘着力は増加(20分)したが、EEP1を0.4部のみ添加した場合には増加しなかった。
6.EEP2、EEP3、EEP4、EEP5及びEEP6を評価するPSA適用試験。
EEPにアクリル分散液2を配合し、上記方法に従い、PSA適用試験を実施した。
アクリル分散液2の配合物から調製されたPSA物品(ラミネート)に関して得たHDPEの90°引き剥がし粘着力(24時間及び20分)は、EEPコポリマー分散液の添加によって予想以上に増加した。EEPコポリマー分散液を含まないCS2は、0.4~4部のEEPを含有し、4.1~5.6N/2.54cmのHDPEの90°引き剥がし粘着力(20分)を示す本実験での本発明実施例と比較すると、3.9N/2.54cmのHDPEの90°引き剥がし粘着力(20分)を示す。同様の観察結果は、HDPEの90°引き剥がし粘着力(24時間)についても見られ、EEPを含有する本発明実施例の全ては、CS2と比較すると接着性は更に高い。
7.EEP9を評価するPSA適用試験
EEPにアクリル分散液2を配合し、上記方法に従い、PSA適用試験を実施した。
アクリル分散液2の配合物から調製されたPSA物品(ラミネート)に関して得たHDPEの90°引き剥がし粘着力及びループタックは、EEP9コポリマー分散液の添加によって予想以上に増加した。EEPコポリマー分散液を含まないCS2は、0.4~4部のEEP9を含有し、5.3~5.5N/2.54cmのHDPEの90°引き剥がし粘着力(24時間)及び6.2~6.6Nのループタックを示す本実験での本発明実施例と比較すると、5.1N/2.54cmのHDPEの90°引き剥がし粘着力(24時間)及び5.0Nのループタックを示す。
8.他のアクリル分散液とEEP5及びEEP9との配合物の性能試験
アクリル分散液には、混合するまで適切に撹拌させた状態で、それぞれの表(アクリル分散液の総重量に基づく湿重量)に示される用量レベルに従い、EMAA系分散液を配合した。
9.EEP7及びEEP8を評価するPSA適用試験
EEPにアクリル分散液2を配合し、上記方法に従い、PSA適用試験を実施した。
アクリル分散液2の配合物から調製されたPSA物品(ラミネート)に関して得たHDPEの90°引き剥がし粘着力(20分及び24時間)は、EEPコポリマー分散液の添加によって予想以上に増加した。EEPコポリマー分散液を含まないCS2は、0.4部のEEPを含有し、4.4~4.0N/2.54cmのHDPEの90°引き剥がし粘着力(20分)を示す本実験での本発明実施例と比較すると、3.8N/2.54cmのHDPEの90°引き剥がし粘着力(20分)を示す。同様の観察結果は、IE25の24時間でのHDPEの90°引き剥がし粘着力についても見られ、EEPを含有する本発明実施例の全ては、CS2と比較すると接着性は更に高い。
10.EEP10及びEEP11を評価するPSA適用試験
EEPにアクリル分散液2を配合し、上記方法に従い、PSA適用試験を実施した。
アクリル分散液2の配合物から調製されたPSA物品(ラミネート)に関して得たHDPEの90°引き剥がし粘着力(20分及び24時間)は、EEPコポリマー分散液の添加によって予想以上に増加した。EEPコポリマー分散液を含まないCS2は、0.4~2部のEEPを含有し、3.2~3.5N/2.54cmのHDPEの90°引き剥がし粘着力(24時間)を示す本実験での本発明実施例と比較すると、2.9N/2.54cmのHDPEの90°引き剥がし粘着力(24時間)を示す。したがって、24時間の滞留時間の後、EEPコポリマー分散液はこうした分散液を含有する物品の接着性を予想以上に増加させる。
本開示は、本明細書に含まれる実施形態及び例示に限定されず、実施形態の一部、及び異なる実施形態の要素の組み合わせを含むそれらの実施形態の変更された形態を、以下の特許請求の範囲に該当する範囲で含むことが特に意図されている。

Claims (12)

  1. 水系感圧接着剤組成物であって、
    (A)アクリル分散液であって、
    (i)ガラス転移温度(Tg)が-20℃未満であるアクリル系ポリマーと、
    (ii)界面活性剤と、の粒子を含むアクリル分散液と、
    (B)エチレンエステル分散液であって、
    (i)アクリレートコモノマーが1重量%~50重量%未満であるエチレンエステルポリマーの粒子と、
    (ii)分散剤と、を含むエチレンエステル分散液と、を含む、水系感圧接着剤組成物。
  2. 前記アクリル系ポリマーが、アクリル酸(AA)、アクリル酸ブチル(BA)、アクリル酸エチルヘキシル(2-EHA)、アクリル酸エチル(EA)、アクリル酸メチル(MA)、メタクリル酸ブチル(BMA)、アクリル酸オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸n-ブチル、C12~C18メタクリル酸アルキル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸及びそれらの組合せからなる群から選択される1種以上のアクリル系モノマーを含む、請求項1に記載の水系感圧接着剤組成物。
  3. 前記アクリル系ポリマーが、スチレン、ビニルエステル及びそれらの組合せからなる群から選択されるモノマーを含む、請求項1又は2に記載の水系感圧接着剤組成物。
  4. 前記アクリル系ポリマーのTgが-80℃~-20℃である、請求項1~3のいずれか一項に記載の水系感圧接着剤組成物。
  5. 前記エチレンエステルポリマーの前記粒子の体積平均粒径が、0.1ミクロン~2.0ミクロンである、請求項1~4のいずれか一項に記載の水系感圧接着剤組成物。
  6. 前記エチレンエステルポリマーがエチレン単位並びにアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル及びそれらの組合せからなる群から選択されるコモノマーを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の水系感圧接着剤組成物。
  7. 前記エチレンエステルポリマーのメルトインデックスが1g/10分~60g/10分である、請求項1~6のいずれか一項に記載の水系感圧接着剤組成物。
  8. 前記エチレンエステルポリマーの
    密度が0.920g/cc~0.960g/ccであり、
    融点Tmが70℃~110℃であり、
    ビカット軟化点が40℃~80℃である、請求項1~7のいずれか一項に記載の水系感圧接着剤組成物。
  9. 前記分散剤が、14~40個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、酸官能基を有するポリエチレン、酸官能基を有するポリプロピレン及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の水系感圧接着剤組成物。
  10. 前記エチレンエステル分散液が中和剤を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の水系感圧接着剤組成物。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載の水系感圧接着剤組成物であって、
    (A)40重量%~99.8重量%の前記アクリル分散液;
    (B)10重量%~0.2重量%の前記エチレン系ポリマー分散液;
    (C)0重量%~50重量%の粘着付与剤;を含み、
    重量パーセントが前記水系感圧接着剤組成物の総乾燥重量に基づく、水系感圧接着剤組成物。
  12. 物品であって、
    第1の基材と、
    前記第1の基材上の水系感圧接着剤組成物の層と、を含み、前記水系感圧接着剤組成物が、
    (A)アクリル分散液であって、
    (i)ガラス転移温度(Tg)が-20℃未満であるアクリル系ポリマーと、
    (ii)界面活性剤と、の粒子を含むアクリル分散液と、
    (B)エチレンエステル分散液であって、
    (i)アクリレートコモノマーが1重量%~50重量%未満であるエチレンエステルポリマーの粒子と、
    (ii)分散剤と、を含むエチレンエステル分散液と、を含む、物品。
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