JP2023539730A - 皮膚科領域における治療用途のためのペプチド - Google Patents

皮膚科領域における治療用途のためのペプチド Download PDF

Info

Publication number
JP2023539730A
JP2023539730A JP2023512269A JP2023512269A JP2023539730A JP 2023539730 A JP2023539730 A JP 2023539730A JP 2023512269 A JP2023512269 A JP 2023512269A JP 2023512269 A JP2023512269 A JP 2023512269A JP 2023539730 A JP2023539730 A JP 2023539730A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
vitiligo
use according
skin
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023512269A
Other languages
English (en)
Inventor
ペレグリーニ パブロ
Original Assignee
ドンペ ファーマスーチシ ソシエタ ペル アチオニ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ドンペ ファーマスーチシ ソシエタ ペル アチオニ filed Critical ドンペ ファーマスーチシ ソシエタ ペル アチオニ
Publication of JP2023539730A publication Critical patent/JP2023539730A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/18Growth factors; Growth regulators
    • A61K38/185Nerve growth factor [NGF]; Brain derived neurotrophic factor [BDNF]; Ciliary neurotrophic factor [CNTF]; Glial derived neurotrophic factor [GDNF]; Neurotrophins, e.g. NT-3
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K45/00Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
    • A61K45/06Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/18Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
    • A61K8/30Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
    • A61K8/64Proteins; Peptides; Derivatives or degradation products thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0014Skin, i.e. galenical aspects of topical compositions
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0014Skin, i.e. galenical aspects of topical compositions
    • A61K9/0017Non-human animal skin, e.g. pour-on, spot-on
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q19/00Preparations for care of the skin
    • A61Q19/04Preparations for care of the skin for chemically tanning the skin
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/475Growth factors; Growth regulators
    • C07K14/48Nerve growth factor [NGF]

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Psychology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Birds (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

本発明は、配列番号1を有する14個のアミノ酸のペプチド、もしくは配列番号1と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の同一性を有する配列を有する最大16個のアミノ酸のペプチド、またはそれらの誘導体および/もしくは塩に関し、皮膚異常変色および/または脱神経疾患において皮膚色素沈着および/または神経支配を促進することができる。そのようなペプチドおよび少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物は、本発明のさらなる対象である。

Description

本発明は、皮膚異常変色(skin dyschromia)および/もしくは脱神経疾患(de-innervation diseases)における皮膚色素沈着および/または神経支配を促進することができるペプチドに関する。そのようなペプチドおよび少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物は、本発明のさらなる対象である。
神経成長因子(NGF)は、特定の標的ニューロンの成長、維持、増殖および生存の調節に主に関与する神経栄養性および神経ペプチド因子である。
NGFは、セントルイス・ワシントン大学動物学研究所のリタ・レヴィ=モンタルチーニ教授によって発見され(非特許文献1)、NGFはニューロンの生物学的機能の発達および保護と、それらの再生とに影響を与えることができるため、彼女の発見は神経細胞の成長および分化のメカニズムの研究における顕著な進歩を示した。
多数のインビトロおよびインビボ研究は、外科的、化学的、機械的および虚血的性質の神経損傷の予防におけるNGFの病態生理学的重要性を実証しており、中枢および末梢神経系の様々な状態の治療のための理想的な候補となっている(非特許文献2、非特許文献3)。実際、長年にわたり、マウスNGFの大脳内投与によって、パーキンソン病およびアルツハイマー病に罹患している患者に対して臨床試験が実施されてきた(例えば、非特許文献4)。これらの研究の結果は、動物モデルで得られた観測結果を裏付け、マウスNGFの投与後に起こりうる副作用がないことを示した。この特徴は、後にヒト組換えNGFでも確認された(非特許文献5)。
免疫細胞、神経細胞および皮膚細胞は、乾癬、アトピー性皮膚炎、白斑、ヘルペスなどの、異常変色に関連する様々な皮膚病理の発症において重要な役割を果たす。
NGF受容体は、感覚神経、ケラチノサイト、メラノサイト、線維芽細胞、毛包および様々な免疫細胞上に発現し、皮膚恒常性において重要な役割を果たす。
ケラチノサイトは、皮膚における恒常性および病態生理学的プロセスの両方の重要な細胞の構成要素であり、多くのサイトカインを産生し、様々な成長因子によって刺激されることが示されている。NGF mRNAは、ケラチノサイトが対数増殖期にあるときに最大となることがインビトロで示されている(非特許文献6)。
様々な種のケラチノサイトにおいて、NGFは増殖および分化を制御し、かつ、既知のアンチエイジングおよび皮膚再生活性を示しながら(非特許文献7)、表皮の完全性を維持するために、高親和性受容体(trkA)を活性化することによってヒトのケラチノサイトをアポトーシスから保護する。
実際、Trkaは、成長および生存を促進し、皮膚の神経支配プロセスにも関与するシグナル伝達経路を活性化する上で重要な役割を果たす。
メラノサイトでは、UV照射後にNGFによって生存および樹状突起の形成が増加する(非特許文献8)。
従来技術は、NGFの制御が、異常変色現象に関連する皮膚疾患および脱神経に関連する疾患、例えばヘルペスなどのウイルス性発疹および以前に帯状疱疹に侵された領域でしばしば起こる三叉神経栄養障害症候群などのまれな症候群などの、両方の治療にどのように有利に働くことができるかを示している。
白斑の治療は、現在、著しい副作用を有する治療に委ねられている(非特許文献9)。特に、コルチコステロイドによる治療は、局所的および経口的のどちらの投与も、3週間を超えて長引かせることはできない。得られた結果の平均的な質(症例の63%で75%を超える再色素沈着)にもかかわらず、ナローバンド光線療法(NB-UVB光線療法)によって代表される最適な治療(the treatment of choice)でさえ、かゆみ、紅斑、火傷、乾燥症などの急性の望ましくない影響を引き起こす可能性がある。
特許文献1は、NGFを含有する製剤の皮膚への局所投与が、色素異常症の影響を受けていない健康な皮膚の場合、皮膚の色の増強、すなわち色素沈着の増加を得るのに有効であり、同様に、白斑の場合のような、皮膚色素脱失または血色素減少症を含む皮膚病態の改善を得るのに有効であることを明らかにした。
研究の発展にもかかわらず、皮膚変色および皮膚脱神経疾患の治療を改善するという問題が依然としてある。
国際公開第2013/065078号
Levi-Montalcini R., Harvey Lect., 60: 217, 1966 Hefti F., J. Neurobiol., 25: 1418, 1994 Fricker J., Lancet, 349:480, 1997 Olson L. et al., J. Neural Transm, (Parkinson's Disease and Dementia Section), 4: 79-95, 1992 Petty BG et al., Annals of Neurology, 36:244-246, 1994 Growth-regulated synthesis and secretion of biologically active nerve growth factor by human keratinocytes.J Biol Chem 1991; 266: 21718-21722 Nerve growth factor: its significance in cutaneous biology. J Invest Dermatol Symp Proc 2: 31-36, 1997 The trk family of receptors mediates nerve growth factor and neurotrophin-3 effects in melanocytes J. Clin. Invest.94: 1550-1562, 1994 Am.J. Clin. Dermatol., 2017, 18:733-744
出願人は、皮膚異常変色および皮膚脱神経疾患の治療を改善するという問題に向き合ってきた。特に、出願人は、NGF由来のペプチドの分野にその研究を集中し、配列番号1を有するNGF1-14ペプチドが、メラノサイトによるメラニンの産生の活性化に特に有効であることを見出している。
実施例の項の実施例1で示されるように、正常なヒトメラノサイトの初代細胞培養においてインビトロで試験されたNGF1-14ペプチドは、全NGFタンパクと比較して、より高い濃度(2~3log)ではあるが、細胞あたりのメラニン含有量に同等の増加をもたらす。
驚くべきことに、インビトロで示された活性に関して、実施例2aで示されるように、ヒト白斑のマウスモデルにおいてインビボで試験されたNGF1-14ペプチドは、同じ用量で、全タンパクよりも均一かつ均質な再色素沈着を示す。実施例2bで示されるように、インビボのNGF1-14ペプチドは、驚くべきことに、同じ用量で、神経末端の密度のより大きな増加を見出す。
実施例3に示されるように、Sprague-Dawleyラットへ足底内経路(intraplantar route)によって投与されたNGF1-14ペプチドは、NGFと比較して、最大用量でもはるかに高い忍容性を示す。この試験の結果は、投与部位でNGFによって引き起こされる痛み、およびその結果、皮内または筋肉内投与される全タンパクの低い皮膚忍容性が知られているという事実に照らして非常に重要である。この効果は広範囲に研究されており、作用機序、特にNGF受容体の活性化に本質的に関連していることが示されている。このため、皮内投与されたNGF1-14ペプチドの観察された忍容性は驚くべきものである。
全タンパクに対するNGF1-14ペプチドのさらなる利点は、従来のペプチド合成アプローチで容易に合成でき、穏やかな条件下で長期間保存でき、結果として生産コストを大幅に削減できるという事実によって表される。
出願人はまた、NGF1-14ペプチドのアミノ酸の数および種類のいくつかの変更は、それらの活性を実質的に変化させることなく行うことができることに注目した。
したがって、本発明の第1の対象は、皮膚異常変色および/または皮膚の脱神経疾患の治療および/または予防における使用のための、配列番号1を有する14個のアミノ酸のペプチド、もしくは配列番号1と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の同一性を有する配列を有する最大16個のアミノ酸のペプチド、またはそれらの誘導体および/もしくは塩に関する。
本発明の第2の対象は、皮膚異常変色および/または皮膚の脱神経疾患の治療および/または予防における使用のための、配列番号1を有する14個のアミノ酸のペプチド、もしくは配列番号1と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の同一性を有する配列を有する最大16個のアミノ酸のペプチド、またはそれらの誘導体および/もしくは塩と、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤と、からなる医薬組成物に関する。
本発明の第3の対象は、それを必要とする人における皮膚異常変色および/または皮膚脱神経疾患の治療および/または予防のための治療方法に関し、配列番号1を有する14個のアミノ酸のペプチド、もしくは配列番号1と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の同一性を有する配列を有する最大16個のアミノ酸のペプチド、またはそれらの誘導体および/もしくは塩と、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤と、からなる組成物の有効量の局所適用を含む。
本明細書において使用される用語「有効量」とは、当業者の判断の文脈において、独立してまたは組み合わせて、本明細書に開示される利益を包含する顕著な利益を誘導するのに十分であるが、深刻な副作用を回避するのに十分低い、すなわち合理的な利益/リスク比を提供するのに十分な量のペプチドまたはペプチドを含む組成物の量を意味する。有効量は、既知の要因、例えば、病態の種類、疾患の重症度、患者の体重、剤形、1日あたりの投与回数に応じて広い範囲で変えることができる。しかしながら、当業者は、単純かつ通常の方法で最適な量を決定することができる。
注射の1、3、5、および24時間後における、生理食塩水(黒丸、実線)と、NGF1-14 10μg/50μL(白い四角)、NGF1-14 20μg/50μL(黒丸、破線)およびrh-NGF 10μg/50μLmL(黒い三角)とで処置した動物の足引っ込み潜時を示す。
好ましくは、本発明の第1の対象に係る実施形態において、ペプチドは、14個のアミノ酸の長さ、並びに配列番号1またはその誘導体および/もしくは塩の配列を有する。
本発明による配列番号1は、配列SSSHPIFHRGEFSVで表される。
本明細書で使用されるアミノ酸配列の略語は、以下の表Aに示されるIUPAC-IUB命名法に準拠する。
Figure 2023539730000002
本発明によるペプチドは、それらが最適にアライメントされている場合、配列番号1と少なくとも85%、少なくとも90%、および少なくとも95%の同一性を有することができる。最適な配列アラインメントは、様々な既知の方法、および既知のアルゴリズムのコンピュータ実装(例えば、Wisconsin’s Genetics Software Package、Release 7.0、Genetics Computer Group、マディソン、ウィスコンシン州に包含されているような、BLAST、TFASTA、BESTFIT)を用いて実施することができる。BLASTアルゴリズムを使用することもでき(Altschul et al.,Mol.Biol.(1990),215,403-410)、そのソフトウェアはアメリカ国立生物工学情報センター(www.ncbi.nlm.nih.gov/)から入手することができる。
ペプチド配列に関して「パーセンテージ配列同一性」とは、2つの配列における同一の残基のパーセンテージを意味する。パーセンテージ配列同一性(%SI)は、以下の式で計算される。
%SI=(nt-nd)×100/nt
式中、ntは塩基配列中の残基の数であり、ndは、最大数のアミノ酸が同一であるようにアラインメントされたときの比較配列中の非同一残基の総数である。したがって、SSSHPIFHRGFDFSV配列は、配列番号1と約92.8%の配列同一性を有するであろう(nd=1およびnt=14)。
好ましくは、本発明の第1の対象に係る別の実施形態において、ペプチドは、最大16個のアミノ酸の長さと、配列番号1と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の同一性を有する配列、またはその誘導体および/もしくは塩とを有し、より好ましくは、そのような実施形態によれば、前記ペプチドは、最大15個のアミノ酸、より好ましくは14個のアミノ酸の長さを有する。
本発明の配列番号1を含むペプチドにおけるアミノ酸配列の変異は、ペプチド活性に影響を及ぼさないアミノ酸の保存的置換を含む。ペプチド活性を維持することができる置換は、(a)置換領域内のペプチドの骨格構造、例えば3次元箔(foil)構造またはらせん構造の維持における有効性、(b)標的領域内の分子の電荷または疎水性の維持における有効性、または(c)側鎖の大部分の維持における有効性に基づいて選択される。
保存的置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジンおよびヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸およびアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミンおよびアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリンおよびメチオニン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシン)、および小型アミノ酸(グリシン、アラニン、セリンおよびスレオニン)の群に属する。
一般に特異的活性を変化させないアミノ酸の置換は、本発明の技術分野において既知である。
最も一般的な変化は、Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/Glu、Asp/Gly、および逆の変化である。保存的置換の別の例を以下の表Cに示す。
Figure 2023539730000003
好ましくは、本発明の第1の対象によれば、前記誘導体は、有機化合物で化学修飾または保護された前記ペプチドのN末端および/またはC末端を含み、より好ましくは、前記有機化合物は、ホスホリル、グリコシル、アシル、アルキル、カルボキシル、ヒドロキシル、ビオチニル、ユビキチニル、およびアミド基からなる群から選択される。
長さに応じて、本発明のペプチドは、当技術分野で周知の方法によって、例えば、自動ペプチド合成装置によって合成することができ、または遺伝子工学技術によって製造することができる。例えば、融合パートナーおよび本発明のペプチドを含む融合タンパク質をコードする融合遺伝子は、遺伝子工学によって調製され、その後、宿主細胞に形質転換されて融合タンパク質を発現する。次に、本発明のペプチドを切断し、所望のペプチドを生成するようにプロテアーゼまたは化合物を用いて融合タンパク質から単離する。この目的のために、融合パートナーと本発明のペプチドとをコードするポリヌクレオチドの間に、因子Xaもしくはエンテロキナーゼなどのプロテアーゼ、またはCNBrもしくはヒドロキシルアミンなどの化合物によって切断され得るアミノ酸残基をコードするDNA配列を挿入することができる。
好ましくは、本発明の第2の対象に係る実施形態において、医薬組成物は、10~10,000μg/mL、好ましくは100~5,000μg/mL、より好ましくは200~4,000μg/mLの、14個のアミノ酸長さおよび配列番号1を有するペプチド、またはその誘導体および/もしくは塩を含む。
好ましくは、本発明の第2の対象による別の実施形態において、医薬組成物は、10~10,000μg/mL、好ましくは100~5,000μg/mL、より好ましくは200~4,000μg/mLの、最大16個のアミノ酸の長さおよび配列番号1と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の同一性を有する配列を有するペプチド、またはそれらの誘導体および/もしくは塩を含む。
本発明の第2の対象によれば、医薬組成物は、そのような組成物をより薬学的に許容されるようにするために、またはそれらにさらなる使用の利点を提供するために好適な、様々な他の任意の成分を含有することができる。そのような従来の任意の成分は、当業者に周知である。これらは、例えば、Rowe et al.、“Handbook of Pharmaceutical Excipients”,2009,Pharmaceutical Pressに記載されているようなものなどのすべての薬学的に許容可能な成分を含む。
本発明で使用されるビヒクルまたは賦形剤の種類は、所望の製品の種類に依存する。本発明において有用な組成物は、様々な製品形態であり得る。これらには、ローション、クリーム、ゲル、スティック、スプレー、軟膏、ペースト、ムースが含まれるが、これらに限定されない。
これらの製品形態は、いくつかの種類のビヒクルを含んでもよく、これらに限定されるものではないが、溶液、エアロゾル、エマルション(水中油型および油中水型を含む)、ゲル、固体組成物、およびリポソームを含む。
本発明の組成物は、組成物の形態に応じて異なる量の水を含むことができる。水の量は、存在する場合、全組成物の重量に対して1重量%未満から99重量%超の範囲であり得る。本発明の水性組成物は、特に、水性ローションとして、または水性エマルションとして、または油中水型エマルションもしくは水中油型エマルションとして、または多相エマルション(三相油中水中油型または水中油中水型エマルション)として製剤化される。
固体組成物、スプレー組成物、および油中水型クリームは、一般に、組成物の総重量に対して10%未満、好ましくは5%未満の量が水からなる。ロールオン式組成物、水性組成物、およびデオドラントは、一般に、組成物の総重量に対して、約15重量%~約99重量%、好ましくは約30重量%~約90重量%、さらにより好ましくは約50重量%~約80重量%の範囲の量が水からなる。
本発明の組成物は、1つ以上の揮発性溶媒を含むことができる。存在する場合、揮発性溶媒または溶媒混合物は、一般に、組成物の総重量に対して、約10重量%~約90重量%、好ましくは約25重量%~約75重量%、さらにより好ましくは約35重量%~約65重量%の濃度である。本明細書において使用される溶媒は、好ましくは揮発性有機溶媒である。
本明細書で使用される場合、用語「揮発性」は、当業者によって理解されるように、周囲条件下で著しい量の蒸気圧を有する物質を指す。
本明細書で使用される揮発性溶媒は、25℃で約2kPa以上、好ましくは約6kPa以上の蒸気圧を有することが好ましい。使用される揮発性溶媒は、好ましくは、通常の雰囲気(1atm)中で、約150℃未満、より好ましくは約100℃未満、さらにより好ましくは約90℃未満、さらにより好ましくは約80℃未満の沸点を有する。
好ましくは、本明細書で使用される揮発性溶媒は、比較的無臭であり、ヒトの皮膚での使用に安全である。好適な揮発性溶媒としては、これらに限定されるものではないが、C1~C4アルコール、揮発性シリコーン、およびこれらの混合物が挙げられる。好ましい揮発性溶媒は、C1~C4アルコールおよびこれらの混合物である。エタノールは、本使用にとって好ましい溶媒である。
本発明の組成物はまた、1つ以上の不揮発性溶媒も含むことができる。存在する場合、不揮発性溶媒または溶媒混合物は、一般に、組成物の総重量に対して、約1重量%~約20重量%、好ましくは約2重量%~約10重量%、さらにより好ましくは約3重量%~約5重量%の濃度である。好適な不揮発性溶媒としては、これらに限定されるものではないが、安息香酸ベンジル、セテアリルアルコール、セチルアルコール、フタル酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチコン、カプリリルメチコンおよびこれらの混合物が挙げられる。
いくつかの他の追加の成分が、本発明の組成物中に存在してもよい。これらとしては、これらに限定されるものではないが、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)およびポロキサマーから選択される親水性ポリマー;ベンゾフェノン-3などのUV安定剤;酢酸トコフェロールなどの抗酸化剤; フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベンなどの防腐剤;乳酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのpH調節剤;ファルネソール、フェノールスルホン酸亜鉛およびエチルへキシルグリセリンなどの消臭剤および抗菌剤;トリベヘニン、グリセリンなどの保湿剤;アラントインなどの皮膚コンディショニング剤;トリメチルイソプロピルブタンアミドおよびメントールなどの冷却剤;パンテノール、パンテチン、パントチン、パンテニルエチルエーテルおよびそれらの組み合わせなどのヘアトリートメント成分;プロパン、イソプロパン、ブタンおよびイソブテンなどの噴射剤;一般に、酢酸カリウムおよび塩化ナトリウム並びにそれらの混合物などの塩;香料および着色剤が挙げられる。
存在する場合、これらの追加の成分は、組成物の総重量の10重量%未満、好ましくは5重量%未満の濃度で存在することが好ましい。
好ましくは、本発明の第2の対象に係る実施形態において、医薬組成物は、局所投与用であり、より好ましくは、ローション、クリーム、ゲル、スティック、スプレー、軟膏、ペースト、ムースの形態であり、さらにより好ましくは、クリームの形態である。
本発明の第1、第2または第3の対象によれば、皮膚異常変色の治療および/または予防は、例えば、栄養後、神経栄養性、外傷後、感染後、手術後、自己免疫、遺伝的、代謝的、栄養的、内分泌、化学的、物理的、ジストロフィー、変性または炎症後などに由来する特定の病態などの、色素脱失および/または色素脱失皮膚(hypopigmentary skin)の脱色障害、皮膚のメラニン色素沈着の障害を含む。
好ましくは、本発明の第1、第2または第3の対象によれば、皮膚異常変色の治療または予防は、白斑、両側白斑(bilateral vitiligo)、四肢顔面白斑(acrofacial vitiligo)、全身性白斑(generalized vitiligo)、局所白斑(focal vitiligo)、分節性白斑、全身性白斑(universal vitiligo)、母斑周囲(perinevic)またはサットン母斑白斑、白斑症(leukoderma)、皮膚異常変色、まだら症、白色ひこう症、でん風、突発性および炎症後滴状メラニン減少症(guttata hypomelanosis)、色素脱失(acromic)または脱色(depigmented)母斑、進行性斑状メラニン減少症(progressive macular hypomelanosis)、代謝性または栄養性または内分泌性疾患に起因するメラニン減少症、化学物質、物理的因子または医薬品に起因するメラニン減少症、感染症性および感染症後メラニン減少症、炎症性エディポメラノーシス(edipomelanosis)を含む。
皮膚異常変色の治療および/または予防における使用のためのペプチドまたは組成物に関する本発明の第1または第2の対象に係る実施形態において、前記ペプチドまたは前記組成物は、ステロイドベースまたはカルシトリオールベースの化合物または組成物と組み合わせられる。
本発明の第1または第2の対象に係る別の実施形態において、皮膚脱神経疾患の治療および/または予防における使用のためのペプチドまたは組成物に関して、前記ペプチドまたは前記組成物は、抗ウイルス化合物または組成物と組み合わせられる。
好ましくは、本発明の第3の対象によれば、皮膚異常変色の治療および/または予防方法は、ステロイドベースまたはカルシトリオールベースの化合物または組成物(活性化ビタミンD)の経口、注射または局所の、同時または連続投与を含む。
本発明の第1、第2、または第3の対象によれば、皮膚脱神経疾患の治療および/または予防は、ウイルスおよび/または炎症由来の皮膚脱神経疾患を含む。
好ましくは、本発明の第1、第2、または第3の対象によれば、皮膚脱神経疾患の治療および/または予防は、三叉神経栄養障害症候群、帯状疱疹後の掻痒、頭皮の感覚異常、背部感覚異常(paresthetic notalgia)、腕橈骨掻痒(pruritus brachioradialis)、感覚異常性大腿神経痛、ケロイドまたは熱傷瘢痕に関連する掻痒、様々な全身性疾患における小径線維のニューロパチーを含み、これらのすべては治療が困難であるか、または効果的な治療がない。
好ましくは、本発明の第3の対象によれば、ウイルス由来の皮膚脱神経疾患の治療および/または予防方法は、抗ウイルス化合物または組成物の経口、注射または局所の、同時または連続投与を含む。
好ましくは、本発明の第3の対象によれば、皮膚異常変色および/または皮膚脱神経疾患の治療および/または予防方法は、光活性化治療を必要とせず、患者による治療のアドヒアランスを促進する。
本発明は、以下の実施例でさらに説明されるが、これらは、特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
インビトロ活性
NGF1-14ペプチドおよびNGF全タンパクのメラノサイトによるメラニン産生を活性化させるインビトロ能力を比較した。
既に確立されたプロトコルにしたがって、正常なヒトメラノサイトの初代細胞培養をペトリ皿に播種し、様々な濃度のNGF1-14ペプチドの存在下または非存在下で、対照として全ヒトNGFタンパクを使用して、1週間培養した。メラニン含有量を、ELISA酵素イムノアッセイを用いて測定した。ベースラインとの差として測定された最大メラニン濃度は、NGFおよびNGF1-14の用量反応曲線のプラトーから実験的に決定された。EC50は、細胞性メラニンの最大濃度の50%が観察されるNGF1-14またはNGFの濃度を表す。実験データを表1に示す。
Figure 2023539730000004
表1に報告されているように、NGF1-14のEC50は1.2μMであるが、NGFのEC50は60pMである。これらのデータは、2~3log高い濃度であるとしても、NGF1-14が全タンパクNGFに匹敵する細胞あたりのメラニン含有量の増加を決めるができることを示す。
一方、メラノサイトの増殖および拡散は有意差を示さなかった。
実施例2
2a.インビボ活性-有効性試験
NGF1-14ペプチドおよび全NGFタンパクによる皮膚再色素沈着のインビボ能力を比較した。
この研究は、ヒト白斑のマウスモデルで実施した。
メラノサイトに特異的なCD8+T細胞を使用し、10~12週間処置して白斑を誘導したC57BL6系のSCFトランスジェニックマウスを、脱色の影響を受ける背側部分において、電気カミソリを用いて、約6cm×6cmの領域で、週に2回剃った。動物を同じ数の2つの群に分けた(1群あたり8匹)。第1の動物群では、正中線の両側から間隔をあけた剃毛領域の2つの部位に局所投与を行った。左側に、ベースクリームビヒクル中に200μg/mLのNGFペプチドを含有する局所調製物を塗布し、右側にはベースクリーム(対照)のみを塗布した。同じ手順を第2の動物群で繰り返し、左側に、ベースクリームビヒクル中に200μg/mLのNGF1-14ペプチドを含有する局所調製物を塗布し、右側にはベースクリーム(対照)のみを塗布した。
塗布は、1日2回、8週間、剃毛部の中央部に約2cm×2cmの表面に均等に広げた。2日目以降は、調製物を塗布する前に関連領域を布で拭いた。動物を紫外線照射の可能性のある源から遠ざけた。
表皮の脱色の定量は、文献(Rebecca L.et al.,Curr Protoc Immunol.(2019),124(1)-February)に報告されている、0~5点に基づく主観的スコアリングシステム(5が最も重度の脱色を表す)を用いて行った。実験の詳細について盲検化された、訓練された研究者が、処置部位で評価を行った。
試験終了時、NGFで処置した動物群およびNGF1-14で処置した群の両方において、ベースクリームで処置した対照動物の80%が、4以上のスコアで重度の脱色を示し、対象群は特異であると判断された。上記の刊行物に記載されている評価システムを使用して、ベースクリーム中のNGF 200μg/mLで処置した動物群と、ベースクリーム中のNGF1-14 200μg/mLで処置した動物群の両方において、色素沈着に対する明らかな効果が観察された。
NGFで処置した第1の動物群では、動物の37.5%が2以下の脱色度を示し、37.5%が3に相当する中等度の脱色を示し、25%が4以上に相当する重度の脱色を示した。
同じ濃度のNGF1-14で処置した第2の動物群では、動物の62.5%が2以下の脱色度を示し、25%が3に相当する中等度の脱色を示したが、4以上の重症の脱色は12.5%のみであった。
上記のデータによって示されるように、NGF1-14ペプチドで処置した領域の肌の色は、ビヒクル単独で処置した領域の肌の色と比較して、脱色の実質的な減少を示した。
ペプチドNGF1-14とNGF全タンパクとの比較では、再色素沈着は実質的に同等であったが、2以下の脱色度を有する動物の割合は、NGF1-14で処置した群では62.5%であったのに対し、NGF処置群では37.5%であった。
4以上の脱色度を有する動物の割合も、全タンパクで処置した群と比較して、NGF1-14で処置した群で50%減少した。
驚くべきことに、インビトロ活性に関して、これらのデータは、NGF1-14ペプチドが、同じ用量で、全タンパクよりも均一かつ均質な再色素沈着を示すことを示している。
2b.組織学的試験
NGF1-14ペプチドとNGF全タンパクの、神経末端の密度を増加させるインビボ能力を比較した。
実施例2aに記載の処置の後、組織学的検査の目的で、動物を屠殺し、NGF1-14またはNGFで処置した領域、および未処置領域の両方から、各動物について、皮膚試料(1ポイントあたり3生検)を採取した。
感覚神経線維の密度を評価するために、大径線維(large diameter fibers)に特異的な神経繊維タンパク質200(NF200;Sigma)に対する抗体、および一過性受容体電位バニロイド1(TRPV1、Neuromics)に対する抗体を使用して、末梢感覚線維(小径(small diameter))を測定した。
実験データを表2に示す。
Figure 2023539730000005
組織学的解析の結果は、NGFで処置された群およびNGF1-14で処置された群の両方において、小径および大径の神経線維のより高い密度を示す。小径線維に関していえば、全タンパクNGFによる処置と比較して、NGF1-14による処置の明確な利点がある。
いかなる解釈理論にも拘束されることを望まないが、出願人は、脱色された皮膚への局所適用が、処置領域における神経支配を増加させ、脱色または低色素の組織に神経栄養作用を及ぼすと考えている。次に、増加した神経支配は、皮膚のメラノサイトを刺激し、処置領域の再色素沈着を得ることを可能にする。
実施例3
インビボ活性-忍容性試験
NGF1-14ペプチドのインビボ内部移植(intra-implant)忍容性を、全タンパクNGFと比較して評価した。
rh-NGFタンパクを5~20μg/mLの濃度で含有するタイロード等張液とビヒクルとを、非常に微細なシリンジを使用して、0.05mLの体積で、Sprague-Dawleyラット(各濃度につき動物10匹)の背側領域に内部移植的に投与した。
マウスNGFタンパクを5~20μg/mLの濃度で含有するタイロード等張液とビヒクルとを、非常に微細なシリンジを使用して、0.05mLの体積で、Sprague-Dawleyラット(各濃度につき動物10匹)の背側領域に内部移植的に投与した。
NGF1-14ペプチドを5~20μg/mLの濃度で含有するタイロード等張液とビヒクルとを、非常に微細なシリンジを使用して、0.05mLの体積で、Sprague-Dawleyラット(各濃度につき動物10匹)の背側領域に内部移植的に投与した。
溶液を、非常に微細なシリンジを使用して、0.05mLの体積で、Sprague-Dawleyラット(各濃度につき動物10匹)の背側領域に内部移植的に投与した。
内部移植注射後、プランター熱性痛覚過敏試験を実施した。特に、1、3、5、および24時間後に、ハーグリーブス装置(HA)を使用して温度感度を決定した。
Hargreavesら(1988)によって記載された方法にしたがって、ラットプランター試験装置(Ugo Basile、イタリア)を使用して熱に対する過敏性を評価した。プランター試験では、持ち上げられたガラステーブルに置かれた3つのパースペックスのボックス(22×19×25cm)を使用する。3匹のラットを1つの装置で同時に試験できるように、ラットを各ボックスに収容し、少なくとも10分間順応させた。移動式の赤外線熱源を後足の足底表面に適用した。
足引っ込み潜時(Paw retraction latency)は、ラットが熱源から後肢を取り除くのに要した時間(秒単位)として定義した。熱源を15IRの強度に較正し、50秒のカットオフを適用して組織の損傷を防止した。試験は、注射後1、3、5、および24時間で実施した。各足は、セッションごとに2回試験した(生データは、約5分間の間隔で行われた2回の測定の平均を表す)。
図1に示すグラフに示すように、プランター試験では、ビヒクル(生理食塩水)で処置した動物の足引っ込み潜時は、研究の各時間で変化しない(黒丸、実線)。NGF1-14 10μg/50μL(白い四角)、NGF1-14 20g/50μL(黒丸、破線)およびrh-NGF 10μg/50μL(黒い三角)で処置したラットは、試験のすべての時点で生理食塩水群と比較して痛覚過敏活性を示した(P<0.001)。特に、rh-NGF 10μg/50μLは、10および20μg/50μLのNGF1-14と比べて、より顕著な有意な痛覚過敏効果を示した(1-3-24時間で*P<0.05、5時間で**P<0.01)。
試験結果は、NGF1-14の高い忍容性を示し、最大用量の20μg/50μLであっても、各試験時間について、NGFの最小用量よりもはるかに高い。
いかなる解釈理論にも拘束されることを望まないが、出願人は、NGF1-14の予想外の忍容性は、NGF p75によって活性化される第2の受容体に関する、受容体チロシンキナーゼTrKAに対するNGF1-14ペプチドの作用の選択性によるものであると考えている。
結論として、正常なヒトのメラノサイトの初代細胞培養においてインビトロで試験されたNGF1-14ペプチドは、より高い濃度であるとしても、全タンパクと比較して細胞あたりのメラニン含有量の同等の増加をもたらす。
驚くべきことに、インビトロ活性に関して、ヒト白斑のマウスモデルにおいてインビボで試験されたNGF1-14ペプチドは、全タンパクと比較して、同じ用量で、より顕著な皮膚再色素沈着を示し、同じ用量で、神経末端の密度のより大きな増加を示す。
最後に、Sprague-Dawleyラットに内部移植的に投与されたNGF1-14ペプチドは、参照分子のものよりも高い用量であっても、NGFタンパクよりも良好な忍容性を示す。内部移植試験の結果は、皮内試験におけるNGFの低い皮膚忍容性がよく知られているという事実に照らして、非常に重要である。
全タンパクに対するNGF1-14のさらなる利点は、全タンパクとは異なり、従来のペプチド合成アプローチで容易に合成すること、および穏やかな条件下で長期間保存することができ、結果として生産コストを大幅に削減できることである。
したがって、NGF1-14ペプチド、例えば少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の同一性を有する配列、および最大16個のアミノ酸の長さを有するペプチドは、白斑および皮膚脱神経疾患などの皮膚異常変色の治療および/または予防に特に有用である。
したがって、NGFのそのようなオリゴペプチド誘導体は、現在使用されているコルチゾン誘導体よりも効果的かつ安全な方法で、白斑などの皮膚異常変色の治療および/または予防に適用され得る。
さらに、NGFのそのようなオリゴペプチド誘導体は、例えば、ヘルペスなどの皮膚脱神経疾患の治療および/または予防に適用することができ、抗ウイルス療法を補助する。

Claims (12)

  1. 皮膚異常変色および/または皮膚の脱神経疾患の治療および/または予防における使用のための、
    配列番号1を有する14個のアミノ酸のペプチド、
    もしくは配列番号1と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の同一性を有する配列を有する最大16個のアミノ酸のペプチド、
    またはそれらの誘導体および/もしくは塩。
  2. 配列番号1と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の同一性を有する配列を有し、前記ペプチドが、最大15個のアミノ酸、より好ましくは14個のアミノ酸の長さを有する、請求項1に記載の使用のためのペプチド。
  3. 前記誘導体が、有機化合物で化学修飾または保護された、前記ペプチドのN末端および/またはC末端を含有する、請求項1または2に記載の使用のためのペプチド。
  4. 前記化合物が、ホスホリル、グリコシル、アシル、アルキル、カルボキシル、ヒドロキシル、ビオチニル、ユビキチニル、およびアミドからなる群から選択される、請求項3に記載の使用のためのペプチド。
  5. 医薬組成物であって、
    配列番号1を有する14個のアミノ酸のペプチド、
    もしくは配列番号1と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、および好ましくは少なくとも95%の同一性を有する配列を有する最大16個のアミノ酸のペプチド、
    またはそれらの誘導体および/もしくは塩と、
    少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤と、
    からなり、皮膚異常変色および/または皮膚の脱神経疾患の治療および/または予防における使用のための医薬組成物。
  6. 前記組成物が、10~10,000μg/mL、好ましくは100~5,000μg/mL、より好ましくは200~4,000μg/mLの前記ペプチドを含む、請求項5に記載の使用のための医薬組成物。
  7. 好ましくはローション、クリーム、ゲル、スティック、スプレー、軟膏、ペースト、ムースの形態の、局所投与用の請求項5または6に記載の使用のための医薬組成物。
  8. 前記少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤が、薬学的に許容可能なビヒクル、揮発性および不揮発性溶媒、水、界面活性剤、防腐剤、吸収剤、キレート剤、潤滑剤、保湿剤、撥水剤、抗酸化剤、UV吸収剤、抗刺激剤、ビタミン、微量金属、抗菌剤、香料、着色剤および着色成分並びに/または構造化剤からなる群から選択される、請求項5~7のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
  9. 前記皮膚の変色が、白斑、両側白斑、四肢顔面白斑、全身性白斑(generalized vitiligo)、局所白斑、分節性白斑、全身性白斑(universal vitiligo)、母斑周囲またはサットン母斑白斑、白斑症(leukoderma)、皮膚異常変色、まだら症、白色ひこう症、でん風、特発性および炎症後滴状メラニン減少症、色素脱失または脱色母斑、進行性斑状メラニン減少症、代謝性または栄養性または内分泌性疾患に起因するメラニン減少症、化学物質、物理的因子または医薬品に起因するメラニン減少症、感染症性および感染症後メラニン減少症、炎症性エディポメラノーシス(edipomelanosis)から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用のためのペプチドまたは請求項5~8のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  10. ステロイドベースまたはカルシトリオールベースの化合物または組成物と組み合わせられる、請求項9に記載の使用のためのペプチドまたは組成物。
  11. 前記皮膚の脱神経疾患が、三叉神経栄養障害症候群、帯状疱疹後の掻痒、頭皮の感覚異常、背部感覚異常、腕橈骨掻痒(brachioradial itching)、感覚異常性大腿神経痛、ケロイドまたは熱傷瘢痕に関連する掻痒、全身性疾患の過程における小径線維のニューロパチーから選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用のためのペプチドまたは請求項5~8のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  12. 抗ウイルス化合物または組成物と組み合わせられる、請求項11に記載の使用のためのペプチドまたは組成物。
JP2023512269A 2020-08-20 2021-08-19 皮膚科領域における治療用途のためのペプチド Pending JP2023539730A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
IT102020000020287A IT202000020287A1 (it) 2020-08-20 2020-08-20 Peptide per applicazioni terapeutiche in campo dermatologico
IT102020000020287 2020-08-20
PCT/IB2021/057631 WO2022038555A1 (en) 2020-08-20 2021-08-19 Peptide for therapeutic applications in the dermatological field

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023539730A true JP2023539730A (ja) 2023-09-19

Family

ID=73038333

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023512269A Pending JP2023539730A (ja) 2020-08-20 2021-08-19 皮膚科領域における治療用途のためのペプチド

Country Status (10)

Country Link
US (1) US20230355713A1 (ja)
EP (1) EP4199952A1 (ja)
JP (1) JP2023539730A (ja)
CN (1) CN116669695A (ja)
AU (1) AU2021328761A1 (ja)
BR (1) BR112023002900A2 (ja)
CA (1) CA3191912A1 (ja)
IL (1) IL300512A (ja)
IT (1) IT202000020287A1 (ja)
WO (1) WO2022038555A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024000088A1 (zh) * 2022-06-27 2024-01-04 欧诗漫生物股份有限公司 一种珍珠来源美白多肽及其应用

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100467057C (zh) * 2003-12-30 2009-03-11 中国医科大学 神经生长因子外用药剂及其制备方法
ME00226B (me) * 2004-07-15 2011-02-10 Medarex Llc Humana anti-ngf neutrališuća antitijela kao selektivni inhibitori ngf signalne kaskade
ITRM20110574A1 (it) 2011-11-02 2013-05-03 Sampo S R L Preparato topico per indurre la pigmentazione cutanea e per il trattamento di discromie cutanee e vitiligine.
IT201800009384A1 (it) * 2018-10-11 2020-04-11 Cosmo Srl Peptide for cosmetic application

Also Published As

Publication number Publication date
IT202000020287A1 (it) 2022-02-20
US20230355713A1 (en) 2023-11-09
CA3191912A1 (en) 2022-02-24
CN116669695A (zh) 2023-08-29
IL300512A (en) 2023-04-01
BR112023002900A2 (pt) 2024-03-12
AU2021328761A1 (en) 2023-03-16
EP4199952A1 (en) 2023-06-28
WO2022038555A1 (en) 2022-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109563132B (zh) 皮肤再生或伤口治疗用的肽及其用途
KR20130135819A (ko) 피부 항노화 처리
US20210395305A1 (en) Peptide for cosmetic application
KR101504893B1 (ko) 인터루킨-1 알파 및 펩티드를 함유하는 화장료 조성물
ES2347070T3 (es) Utilizacion de componentes inductores de la sintesis de proteinas sirt en (o para) la preparacion de una composicion cosmetica o farmaceutica.
JP2023539730A (ja) 皮膚科領域における治療用途のためのペプチド
US8450456B2 (en) Activating peptide of the synthesis of aquaporins and cosmetic and/or pharmaceutical composition containing it
ES2748866T3 (es) Preparación tópica que contiene NGF para inducir la pigmentación de la piel y para el tratamiento de discromías cutáneas y vitiligo
US8222368B2 (en) Cosmetic and/or pharmaceutical composition comprising as an active principle at least one peptide and use of this peptide
US8304392B2 (en) Pharmaceutical and/or cosmetic composition containing an active principle activator of cytochrome C
KR102499651B1 (ko) 에리트로포이에틴-유래 분자를 함유하는 국소 적용을 위한 미용 제형
JP2022550991A (ja) 皮膚及びその付属器の、ペプチドに基づいた化粧品又は皮膚科学的な処置
EP1093359B1 (fr) Procede de preparation de fibrilline a partir de cnidaires, et compositions obtenues utilisables en cosmetiques
CN114929192A (zh) 包含改善皮肤外观和再生的新型肽的用于局部施用的美容制剂
KR20230067931A (ko) E2f를 유효성분으로 포함하고 상처치유 및 항노화 기능을 갖는 피부 치료용 연고 및 화장품 조성물
KR20240088544A (ko) 피부 개선용 화장료 조성물