JP2023534793A - Il-2バリアント - Google Patents

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Abstract

インターロイキン(IL)-2変異タンパク質が提供される。本開示は、IL-2変異タンパク質をコードする核酸配列も提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月9日に出願された米国特許出願第63/050,068号の優先権を主張するものである。先行出願の開示内容は、本出願の開示内容の一部とみなされ、その全体が本出願に組み入れられる。
がんは、今なお、世界の主要死因の1つである。最近の統計では、世界人口の13%ががんで死亡すると報告されている。国際がん研究機関(IARC)の推計によると、2012年には世界で新規がん症例が1,410万例、がん死亡が820万例であった。2030年までには、人口増加及び高齢化、並びに、喫煙、不健康な食生活及び運動不足などのリスク因子により、新規がん症例が2,170万例、がん死亡が1,300万例に増加すると予想されている。さらに、疼痛の緩和やがんの治療にかかる医療費は、がん患者にとってもその家族にとっても、生活の質を低下させる原因となる。
インターロイキン-2(IL-2)は、免疫系に作用して細胞性免疫応答を生じさせるサイトカインシグナル伝達分子である。IL-2は、T細胞の成長及び分化において必須の役割を担っていることから、がんのような疾患を治療するための免疫療法的アプローチにおける候補とされてきた。
この出願では、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16又は配列番号18からなる群から選択される配列を含むインターロイキン(IL)-2タンパク質が提供される。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は配列番号4の配列を含む。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は配列番号6の配列を含む。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は配列番号8の配列を含む。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は配列番号10の配列を含む。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は配列番号12の配列を含む。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は配列番号14の配列を含む。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は配列番号16の配列を含む。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は配列番号18の配列を含む。
いくつかの態様において、この明細書に記載のインターロイキン-2タンパク質のいずれか1つは、免疫グロブリンFc領域を更に含む。いくつかの態様において、免疫グロブリンFc領域は配列番号20の配列を含む。いくつかの態様において、免疫グロブリンFc領域は、ペプチド結合によってインターロイキン-2タンパク質と連結している。いくつかの態様において、免疫グロブリンFc領域は、ペプチドリンカー配列によってインターロイキン-2タンパク質と連結している。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は、免疫グロブリンFc領域のカルボキシ末端と連結している。
この出願では、この明細書に記載のタンパク質のいずれか1つ及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物も提供される。
この出願では、IL-2タンパク質をコードする配列を含む核酸であって、配列が、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15又は配列番号17の配列からなる群から選択される核酸も提供される。いくつかの態様において、この明細書に記載の核酸のいずれか1つは、免疫グロブリンFc領域をコードする配列を更に含む。いくつかの態様において、免疫グロブリンFc領域をコードする配列は、配列番号19の配列を含む。いくつかの態様において、IL-2タンパク質をコードする配列は、配列番号3の配列を含む。いくつかの態様において、IL-2タンパク質をコードする配列は、配列番号5の配列を含む。いくつかの態様において、IL-2タンパク質をコードする配列は、配列番号7の配列を含む。いくつかの態様において、IL-2タンパク質をコードする配列は、配列番号9の配列を含む。いくつかの態様において、IL-2タンパク質をコードする配列は、配列番号11の配列を含む。いくつかの態様において、IL-2タンパク質をコードする配列は、配列番号13の配列を含む。いくつかの態様において、IL-2タンパク質をコードする配列は、配列番号15の配列を含む。いくつかの態様において、IL-2タンパク質をコードする配列は、配列番号17の配列を含む。
この本出願では、この明細書に記載の核酸のいずれか1つを含むベクターも提供される。いくつかの態様において、この明細書に記載のベクターのいずれか1つは、核酸と動作可能に連結するプロモーターを更に含む。いくつかの態様において、プロモーターは、構成性プロモーターである。いくつかの態様において、プロモーターは、誘導性プロモーターである。いくつかの態様において、ベクターは、ウイルスベクターである。いくつかの態様において、ウイルスベクターは、レンチウイルスベクターである。
この出願では、この明細書に記載の核酸のいずれか1つ又はこの明細書に記載のベクターのいずれか1つを含む医薬組成物も提供される。
この出願では、この明細書に記載の核酸のいずれか1つ又はこの明細書に記載のベクターのいずれか1つを含む細胞も提供される。
この出願では、本明細書に記載の細胞のいずれか1つ及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物も提供される。
この出願では、IL-2タンパク質の製造方法であって、(a)この明細書に記載の細胞のいずれか1つを、培地中でIL-2タンパク質を発現するのに十分な条件で培養すること、並びに、(b)細胞及び/又は培地からIL-2タンパク質を回収することを含む方法も提供される。
この出願では、対象におけるがんの治療方法であって、治療有効量のこの明細書に記載の医薬組成物のいずれか1つを対象に投与することを含む方法も提供される。いくつかの態様において、がんは、癌腫(carcinoma)、リンパ腫(例.ホジキン及び非ホジキンリンパ腫)、芽細胞腫、肉腫、白血病、扁平上皮がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺腺がん、肺扁平上皮がん、腹膜がん、肝細胞がん、胃がん、膵臓がん、神経膠腫、子宮頚がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、乳がん、結腸がん、大腸がん、子宮内膜若しくは子宮のがん、唾液腺がん、腎臓がん、前立腺がん、外陰がん、甲状腺がん、肝臓がん、他のリンパ増殖性疾患、又は種々の頭頚部がんである。
いくつかの態様において、がんは、固形腫瘍である。いくつかの態様において、がんは、大腸がんである。
いくつかの態様において、対象は、電離放射線、化学療法剤、治療用抗体及びチェックポイント阻害薬からなる群から選択される1つ以上の抗がん療法を過去に受けたことがある。いくつかの態様において、対象はがんに罹患していると特定又は診断されている。
この出願では、対象におけるメモリーCD8+T細胞を増加させる方法であって、治療有効量のこの明細書に記載の医薬組成物のいずれか1つを対象に投与することを含む方法も提供される。
この出願では、対象におけるCD8+T細胞を増加させる方法であって、治療有効量のこの明細書に記載の医薬組成物のいずれか1つを対象に投与することを含む方法も提供される。
この出願では、対象における固形腫瘍中のTreg細胞を減少させる方法であって、治療有効量のこの明細書に記載の医薬組成物のいずれか1つを対象に投与することを含む方法も提供される。
この出願では、対象における固形腫瘍の成長速度を減少させる方法であって、治療有効量のこの明細書に記載の医薬組成物のいずれか1つを対象に投与することを含む方法も提供される。
この出願では、対象における固形腫瘍の体積を減少させる方法であって、治療有効量のこの明細書に記載の医薬組成物のいずれか1つを対象に投与することを含む方法も提供される。
図1は、IL-2融合タンパク質に用いる組換え発現ベクターの構造を示す。 図2は、IL-2 Fc融合タンパク質である、IL2_V1、IL2_V2、IL2_V3、IL2_V4及びIL2_V5について得たSDS-PAGE結果を示す。 図3Aは、ゲルろ過標品について得たサイズ排除クロマトグラフィーグラフを示す。 図3Bは、supMDについて得たサイズ排除クロマトグラフィーグラフを示す。 図3Cは、IL2_V1について得たサイズ排除クロマトグラフィーグラフを示す。 図3Dは、IL2_V2について得たサイズ排除クロマトグラフィーグラフを示す。 図3Eは、IL2_V3について得たサイズ排除クロマトグラフィーグラフを示す。 図3Fは、IL2_V4について得たサイズ排除クロマトグラフィーグラフを示す。 図3Gは、IL2_V5について得たサイズ排除クロマトグラフィーグラフを示す。 図4は、別のIL-2 Fc融合タンパク質である、IL2_V4、IL2_V4_R38A、IL2_V4_F42A及びIL2_V4_R38A_F42Aについて得た、SDS-PAGE結果を示す。 図5Aは、ゲルろ過標品について得たサイズ排除クロマトグラフィーグラフを示す。 図5Bは、IL2_V4_R38Aについて得たサイズ排除クロマトグラフィーグラフを示す。 図5Cは、IL2_V4_F42Aについて得たサイズ排除クロマトグラフィーグラフを示す。 図5Dは、IL2_V4_R38A_F42Aについて得たサイズ排除クロマトグラフィーグラフを示す。 図6Aは、IL2 WTを用いた場合の個体別の腫瘍成長を示すグラフである。 図6Bは、IL2 V4を用いた場合の個体別の腫瘍成長を示すグラフである。 図6Cは、IL2 V4_R38Aを用いた場合の個体別の腫瘍成長を示すグラフである。 図6Dは、IL2 V4_F42Aを用いた場合の個体別の腫瘍成長を示すグラフである。 図6Eは、IL2 V4_R38A_F42Aを用いた場合の個体別の腫瘍成長を示すグラフである。 図6Fは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aを用いた場合の腫瘍成長曲線を示すグラフである。 図6Gは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aを用いた場合の、in vivo実験の終了時点における腫瘍成長を示すグラフである。 図7Aは、CD3及びCD45の発現を示す、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aについて得た、FACS分析の結果を示す。 図7Bは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aを用いた場合の、mCD3+T細胞の割合(%)を示すグラフである。 図8Aは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、血液中におけるCD4及びCD8の発現を示す、FACS分析の結果を示す。 図8Bは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、血液中におけるmCD8+T細胞の割合(%)を示すグラフである。 図9Aは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、血液中におけるCD62L及びCD44の発現を示す、FACS分析の結果を示す。 図9Bは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、血液中におけるmCD8+セントラルメモリーT細胞の割合(%)を示すグラフである。 図9Cは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、血液中におけるmCD8+エフェクターT細胞の割合(%)を示すグラフである。 図10Aは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、血液中におけるCD4及びCD45の発現を示す、FACS分析の結果を示す。 図10Bは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの血液中におけるmCD4+T細胞の割合(%)を示すグラフである。 図11Aは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、血液中におけるCD4及びFoxp3の発現を示す、FACS分析の結果を示す。 図11Bは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、血液中におけるTreg細胞の割合(%)を示すグラフである。 図12Aは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、腫瘍浸潤リンパ球中におけるCD3及びCD45の発現を示す、FACS分析の結果を示す。 図12Bは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、腫瘍浸潤リンパ球中におけるmCD3+T細胞の割合(%)を示すグラフである。 図13Aは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、腫瘍浸潤リンパ球中におけるCD4及びCD8の発現を示す、FACS分析の結果を示す。 図13Bは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、腫瘍浸潤リンパ球中におけるmCD8+T細胞の割合(%)を示すグラフである。 図14Aは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、腫瘍浸潤リンパ球中におけるCD62L及びCD44の発現を示す、FACS分析の結果を示す。 図14Bは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、腫瘍浸潤リンパ球中におけるmCD8+セントラルメモリーT細胞の割合(%)を示すグラフである。 図14Cは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、腫瘍浸潤リンパ球中におけるmCD8+エフェクターT細胞の割合(%)を示すグラフである。 図15Aは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、腫瘍浸潤リンパ球中におけるCD4及びCD45の発現を示す、FACS分析の結果を示す。 図15Bは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、腫瘍浸潤リンパ球中におけるmCD4+T細胞の割合(%)を示すグラフである。 図16Aは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、腫瘍浸潤リンパ球中におけるCD4及びFoxp3の発現を示す、FACS分析の結果を示す。 図16Bは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、腫瘍浸潤リンパ球中におけるTreg細胞の割合(%)を示すグラフである。 図17Aは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、血液中における、mCD3+T細胞、mCD8+T細胞、mCD4+T細胞、mCD8+セントラルメモリーT細胞、mCD8+エフェクターT細胞及びTreg細胞の割合(%)を示すグラフである。 図17Bは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、腫瘍浸潤リンパ球中における、mCD3+T細胞、mCD8+T細胞、mCD4+T細胞、mCD8+セントラルメモリーT細胞、mCD8+エフェクターT細胞及びTreg細胞の割合(%)を示すグラフである。 図18Aは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したC57BL/6マウスに由来する肺組織の代表的な画像を示す。 図18Bは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したC57BL/6マウスに由来する肺組織の重量を示すグラフである。 図19Aは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、血清中のγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(GTP)のレベルを示すグラフである。 図19Bは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、血清中のグルタミン酸-オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT)のレベルを示すグラフである。 図19Cは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、血清中の血中尿素窒素(BUN)のレベルを示すグラフである。 図19Dは、IL2 WT、IL2 V4、IL2 V4_R38A、IL2 V4_F42A及びIL2 V4_R38A_F42Aで処置したマウスの、血清中の総ビリルビン(T-BIL)のレベルを示すグラフである。
発明の実施するための形態
詳細な説明
本開示はIL-2タンパク質のバリアントについて説明し、IL-2バリアントはヒトIL-2タンパク質の変異体を包含する。
定義:
約: 用語「約」は、この明細書では、値への言及において言及された値に対する文脈において同等である値を指す。一般的に、その文脈に精通している当業者であれば、当該文脈において「約」に包含される妥当な変動度合いを理解する。例えば、いくつかの態様において、用語「約」は、言及された値の、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%又はそれ未満の値を包含しうる。
投与: この明細書では、用語「投与」は、通常、組成物を対象又は系に投与して、組成物そのもの、又は組成物に含まれている薬剤を送達することを指す。当業者であれば、対象(例.ヒト)への投与の際に適切な状況下で利用してもよいさまざまな経路を承知している。例えば、いくつかの態様において、投与は、経眼、経口、非経口、局所などであってもよい。いくつかの特定の態様において、投与は、経気管支(例.気管支内注入)、経口腔、経皮膚(例えば、真皮への局所、皮内、皮中(interdermal)、経皮などのうち1つ以上であってもよく又はそれを含んでもよい)、経腸、動脈内、皮内、胃内、髄内、筋肉内、鼻腔内、腹腔内、髄腔内、静脈内、脳室内、特定の器官内(例.肝内)、経粘膜、経鼻、経口、経直腸、皮下、舌下、局所、気管(例.気管内注入)、経膣、経硝子体などであってもよい。いくつかの態様において、投与は、単回投与のみを伴うものであってもよい。いくつかの態様において、投与は、固定された投与回数の適用を伴うものであってもよい。いくつかの態様において、投与は、間欠的(例.時間を空けた複数回投与)及び/又は周期的(例.共通の期間を空けた各回の投与)投与法を伴うものであってもよい。いくつかの態様において、投与は、少なくとも選択された期間をかけて行う持続的投与法(例.灌流)を伴うものであってもよい。
親和性: 当技術分野において公知のように、「親和性」は、特定のリガンドがそのパートナーと結合する強度の尺度である。親和性はさまざまな方法で測定できる。いくつかの態様において、親和性は定量的アッセイによって測定される。そのような態様において、結合パートナー濃度は、生理学的条件を模倣するために、リガンド濃度より過剰であってもよい。あるいは又は加えて、いくつかの態様においては、結合パートナー濃度及び/又はリガンド濃度は変化させてもよい。そのような態様において、親和性は、同等の条件(例.濃度)で参照基準と比較してもよい。
抗体薬: この明細書では、用語「抗体薬」は、特定の抗原と特異的に結合する薬剤を指す。いくつかの態様において、この用語は、特異的結合をもたらすのに十分な免疫グロブリン構造を含む任意のポリペプチド、又はポリペプチド複合体を包含する。代表的な抗体薬としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体及びこれらの断片が挙げられるが、これらには限定されない。いくつかの態様において、抗体薬は、当技術分野において公知であるとおり、ヒト化型、霊長類化型、キメラ型などの1つ以上の配列を含んでいてもよい。多くの態様において、用語「抗体薬」は、抗体の構造的及び機能的特徴を別の提案において利用するための、当技術分野において公知の又は開発された構築物又は形式の1つ以上を指すために使用される。例えば、いくつかの態様において、本発明に従って利用する抗体薬は、インタクトな、IgA、IgG、IgE又はIgM抗体;二重又は多重特異性抗体(例.Zybodies(登録商標)など);Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、Fd’断片、Fd断片などの抗体断片及び単離されたCDR又はその一式;単鎖Fv;ポリペプチド-Fc融合物;単一ドメイン抗体(例.IgNAR又はその断片などのサメ単一ドメイン抗体);ラクダ科抗体;マスクされた抗体(例.Probodies(登録商標));Small Modular ImmunoPharmaceuticals(SMIPs(登録商標));単鎖又はタンデムダイアボディ(TandAb(登録商標));VHH;Anticalins(登録商標);Nanobodies(登録商標)ミニボディ;BiTE(登録商標);アンキリンリピートタンパク質又はDARPINs(登録商標);Avimers(登録商標);DART;TCR様抗体;Adnectins(登録商標);Affilins(登録商標);Trans-bodies(登録商標);Affibodies(登録商標);TrimerX(登録商標);マイクロプロテイン;Fynomers(登録商標)、Centyrins(登録商標);及びKALBITOR(登録商標)から選択される形式のものであるが、これらには限定されない。いくつかの態様において、抗体薬は、天然に産生された場合に有する可能性がある共有結合修飾(例.グリカンの付加)を欠いていてもよい。いくつかの態様において、抗体薬は、共有結合修飾(例.グリカン、ペイロード[例.検出可能部分、薬効部分、触媒部分等]又は他のペンダント基[例.ポリエチレングリコール等]の付加)を含有してもよい。多くの態様において、抗体薬は、アミノ酸配列が相補性決定領域(CDR)として当業者に認識されている1つ以上の構造を含むポリペプチドであるか、又はそれを含み;いくつかの態様において、抗体薬は、アミノ酸配列が参照抗体において見いだされるものと実質的に同一である少なくとも1つのCDR(例.少なくとも1つの重鎖CDR及び/又は少なくとも1つの軽鎖CDR)を含むポリペプチドであるか、又はそれを含む。いくつかの態様において、含まれているCDRは、参照CDRと配列が同一であるか、又は参照CDRとの比較で1~5個のアミノ酸置換を有するかのいずれかで、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの態様において、含まれているCDRは、参照CDRと少なくとも、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を示すという点で、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの態様において、含まれているCDRは、参照CDRと少なくとも、96%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を示すという点で、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの態様において、含まれているCDRは、含まれているCDR内の少なくとも1個のアミノ酸が参照CDRに比して欠失、付加又は置換されているが、参照CDRのアミノ酸配列とそれ以外同一であるアミノ酸配列を有するという点で、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの態様において、含まれているCDRは、含まれているCDR内の1~5個のアミノ酸が参照CDRに比して欠失、付加又は置換されているが、参照CDRのアミノ酸配列とそれ以外同一であるアミノ酸配列を有するという点で、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの態様において、含まれているCDRは、含まれているCDR内の少なくとも1個のアミノ酸が参照CDRに比して置換されているが、参照CDRのアミノ酸配列とそれ以外同一であるアミノ酸配列を有するという点で、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの態様において、含まれているCDRは、含まれているCDR内の1~5個のアミノ酸が参照CDRに比して欠失、付加又は置換されているが、参照CDRとそれ以外同一であるアミノ酸配列を有するという点で、参照CDRと実質的に同一である。いくつかの態様において、抗体薬は、ポリペプチドであって、そのアミノ酸配列が免疫グロブリン可変ドメインとして当業者に認識される構造を含んでいるポリペプチドであるか、又はそれを含む。いくつかの態様において、抗体薬は、免疫グロブリン結合ドメインと相同又は大部分相同である結合ドメインを有するポリペプチドタンパク質である。いくつかの態様において、抗体薬はキメラ抗原受容体(CAR)の少なくとも一部分であるか、又はそれを含む。
抗原: 用語「抗原」は、この明細書では、抗体薬と結合する物質を指す。いくつかの態様において、抗原は抗体薬と結合するものであり、生物における特定の生理的応答は誘導されても、されなくてもよい。一般的に、抗原は、例えば、小分子、核酸、ポリペプチド、炭水化物、脂質、ポリマー(生物学的ポリマー[例.核酸及び/又はアミノ酸ポリマー]及び生物学的ポリマー以外のポリマー[例.核酸又はアミノ酸ポリマー以外]を包含する)など任意の化学体であってもよく、又はそれを含んでいてもよい。いくつかの態様において、抗原はポリペプチドであるか、又はそれを含む。いくつかの態様において、抗原はグリカンであるか、又はそれを含む。当業者であれば、一般的に、抗原は、単離された形態又は純粋な形態で提供されてもよいし、粗製の形態で(例えば、他の材料と一緒に、例えば、抗原を含む供給源の細胞抽出物又は抗原を含む供給源の他の比較的粗製の調製物の形態で)提供されてもよいということを理解する。いくつかの一定の態様において、抗原は、(例えば、抗原は細胞の表面上で又は細胞中で発現される)細胞内に存在する。いくつかの態様において、抗原は組換え抗原である。
抗原結合ドメイン: 用語「抗原結合ドメイン」は、この明細書では、標的と特異的に結合する抗体薬又はその一部分を指す。通常、抗原結合ドメインとその標的との間の相互作用は非共有結合性である。いくつかの態様において、標的は、化学物質であってもよく、例えば、炭水化物、脂質、核酸、金属、ポリペプチド又は小分子が挙げられる。いくつかの態様において、抗原結合ドメインは、ポリペプチド(又はその複合体)であってもよく又はそれを含んでもよい。いくつかの態様において、抗原結合ドメインは融合ポリペプチドの一部である。いくつかの態様において、抗原結合ドメインはキメラ抗原受容体(CAR)の一部である。
関連性を有する: 用語「関連性を有する」は、この明細書では、一方の存在、レベル及び/又は形態が他方のそれと相関していれば、2つの事象又は実体は互いに「関連性を有する」。例えば、特定の実体(例.ポリペプチド、遺伝子シグネチャー、代謝産物、微生物など)は、その存在、レベル及び/又は形態が、(例えば関連する集団全体の)疾患、障害又は状態の発現率及び/又はそれらへの患いやすさと相関していれば、その疾患、障害又は状態と関連性を有すると考えられる。いくつかの態様において、2つ以上の実体が直接的又は間接的に相互作用することによって互いに物理的な近接関係にある及び/又はあり続けていれば、それらは物理的に互いに「関連性を有する」。いくつかの態様において、互いに物理的に関連性を有する2つ以上の実体は、互いに共有結合的に連結しており;いくつかの態様において、互いに物理的に関連性を有する2つ以上の実体は、互いに共有結合的には連結していないが、例えば水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、磁性及びこれらの組合せによって、非共有結合的に関連性を有する。
結合性: この明細書では、「結合する」という用語は、通常、2つ以上の実体における二者間又は多者間の非共有結合的な関連性を指すことが理解される。「直接的」な結合性は実体間又は部分間の物理的接触を伴い;間接的な結合性は、1つ以上の中間実体との物理的接触を介した物理的相互作用を伴う。2つ以上の実体間の結合性は、通常は、さまざまな状況のいずれにおいても評価が可能である。このような状況としては、相互作用する実体若しくは部分が別個に、又は、より複雑な系である状況(例.担体実体と共有結合的に又は他の形で関連性を有するとき、及び/又は、生物学的な系若しくは細胞における場合)において試験される状況が挙げられる。
がん: 用語「がん」、「悪性腫瘍」、「新生物」、「腫瘍」及び「癌腫」は、この明細書では、細胞であって、相対的に非正常な、制御されていない及び/又は自律的な成長を呈し、その結果、細胞増殖のコントロールが著しく失われていることを特徴とする異常な成長表現型を呈する細胞を指すために使用される。いくつかの態様において、腫瘍は、前がん性(例.良性)、悪性、前転移性、転移性及び/又は非転移性の細胞であってもよく又はそれを含んでもよい。本開示は、その教示内容が特に関連をもちうる一定のがんを具体的に特定する。いくつかの態様において、関連するがんは、固形腫瘍であることを特徴としてもよい。いくつかの態様において、関連するがんは、血液腫瘍であることを特徴としてもよい。一般に、当技術分野において公知の異なる型のがんの例としては、白血病、リンパ腫(ホジキン及び非ホジキン)、骨髄腫及び骨髄増殖性疾患などの造血器がん、;固形組織の肉腫、黒色腫、腺腫、癌腫、口、咽喉、喉頭及び肺の扁平上皮がん、肝臓がん、前立腺、子宮頚部、膀胱、子宮及び子宮内膜などの泌尿生殖器のがん、腎細胞がん、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、皮膚又は眼内黒色腫、内分泌系がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、頭頚部がん、乳がん、胃腸がん及び神経系がん、乳頭腫といった良性病変が挙げられる。
化学療法剤: 用語「化学療法剤」は、この明細書では、1つ以上のアポトーシス促進性、細胞増殖抑制性及び/又は細胞傷害性の薬剤に関してこの用語がもつと当技術分野で理解される意味を有し、例えば、具体的には、望ましくない細胞増殖に関連性を有する1つ以上の疾患、障害又は状態を治療する際に利用される及び/又は使用が推奨される薬剤が挙げられる。多くの態様において、化学療法剤はがんの治療に有用である。いくつかの態様において、化学療法剤は、1つ以上のアルキル化剤、1つ以上のアントラサイクリン、1つ以上の細胞骨格破壊薬(例.タキサン、メイタンシン及びこれらのアナログのような微小管標的化剤)、1つ以上のエポチロン、1つ以上のヒストンデアセチラーゼ阻害薬HDAC、1つ以上のトポイソメラーゼ阻害薬(例.トポイソメラーゼI及び/又はトポイソメラーゼII阻害薬)、1つ以上のキナーゼ阻害薬、1つ以上のヌクレオチドアナログ又はヌクレオチド前駆体アナログ、1つ以上のペプチド抗生物質、1つ以上の白金系作用剤、1つ以上のレチノイド、1つ以上のビンカアルカロイド、及び/又は、以下に挙げるもの(すなわち、関連する抗増殖活性を共通に有するもの)のうち1つ以上から得た1つ以上のアナログであってもよく又はそれを含んでもよい。いくつかの特定の態様において、化学療法剤は、アクチノマイシン、オールトランスレチノイン酸、アウイリスタチン(Auiristatin)、アザシチジン、アザチオプリン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、カルボプラチン、カペシタビン、シスプラチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、クルクミン、シタラビン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エトポシド、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イマチニブ、イリノテカン、メイタンシン及び/又はそのアナログ(例.DM1)、メクロレタミン、メルカプトプリン、メトトレキサート、ミトキサントロン、メイタンシノイド、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、テニポシド、チオグアニン、トポテカン、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、及びこれらの組合せのうち1つ以上であってもよく又はそれを含んでもよい。いくつかの態様において、化学療法剤は、抗体-薬物複合体の形態であってもよい。いくつかの態様において、化学療法剤は、hLL1-ドキソルビシン、hRS7-SN-38、hMN-14-SN-38、hLL2-SN-38、hA20-SN-38、hPAM4-SN-38、hLL1-SN-38、hRS7-Pro-2-P-Dox、hMN-14-Pro-2-P-Dox、hLL2-Pro-2-P-Dox、hA20-Pro-2-P-Dox、hPAM4-Pro-2-P-Dox、hLL1-Pro-2-P-Dox、P4/D10-ドキソルビシン、ゲムツズマブオゾガマイシン、ブレンツキシマブベドチン、トラスツズマブエムタンシン、イノツズマブオゾガマイシン、グレンバツモマブ(glembatumomab)ベドチン、SAR3419、SAR566658、BIIB015、BT062、SGN-75、SGN-CD19A、AMG-172、AMG-595、BAY-94-9343、ASG-5ME、ASG-22ME、ASG-16M8F、MDX-1203、MLN-0264、抗PSMA ADC、RG-7450、RG-7458、RG-7593、RG-7596、RG-7598、RG-7599、RG-7600、RG-7636、ABT-414、IMGN-853、IMGN-529、ボルセツズマブマホドチン及びロルボツズマブメルタンシンからなる群から選択される抗体-薬物複合体に見いだされるものである。
改変された: 一般に、用語「改変された」は、人間の手によって操作されている、という側面を指す。例えば、ポリペプチドは、ポリペプチドの配列が人間の手によって操作されると、「改変された」とみなされる。例えば、本発明のいくつかの態様において、改変されたポリペプチドは、人間の手によって参照ポリペプチドの配列中に導入されたものである1つ以上のアミノ酸変異、欠失及び/又は挿入を包含する配列を含む。いくつかの態様において、改変されたポリペプチドは、人間の手によって1つ以上の付加的なポリペプチドと融合(すなわち、共有結合的に連結)して、in vivoで天然に生じることのない融合ポリペプチドとなっているポリペプチドを包含する。同様に、細胞又は生物は、操作されることによりその遺伝情報が改変されていれば(例.これまでに存在しなかった新規の遺伝物質(genetic material)が、例えば形質転換、交配、体細胞交雑、トランスフェクション、形質導入若しくは他の機序によって導入されている、又は、これまでに存在した遺伝物質が、例えば置換若しくは欠失変異によって、若しくは交配プロトコールによって、改変若しくは除去されている)、「改変された」とみなされる。一般的な慣行であり当業者には理解されるように、改変されたポリペプチド又は細胞の誘導体及び/又は子孫は、実際の操作は先の実体に対して行われた場合であっても、「改変された」と通常は称され続ける。
医薬組成物: この明細書では、用語「医薬組成物」は、活性剤が1つ以上の薬学的に許容される担体と一緒になって製剤化されている組成物を指す。いくつかの態様において、組成物はヒト又は動物対象への投与に好適である。いくつかの態様において、活性剤は、関連する集団に投与された場合に統計学的に有意な確率の所定の治療的効果達成を示す治療計画での投与に適した単位投与量で存在する。
ポリペプチド: 用語「ポリペプチド」は、この明細書では、少なくとも3個のアミノ酸からなるポリマーという、これについて当技術分野で認識されている意味を一般に有する。用語「ポリペプチド」が、この明細書に示した完全な配列を有するポリペプチドだけではなく、そのような完全なポリペプチドの機能的断片(すなわち、少なくとも1つの活性を保持する断片)に相当するポリペプチドも包含するのに十分に一般的であることが意図されていることは、当業者であれば理解する。さらに、タンパク質配列は活性の喪失を伴うことなく多少の置換に一般には耐えられることも、当業者は理解する。したがって、任意のポリペプチドであって、活性を保持し、かつ、同じクラスの他のポリペプチドとの間において、少なくとも約30~40%、多くの場合は約50%、60%、70%又は80%を超える全体的な配列同一性を共有し、かつ、多くの場合90%を、又は95%、96%、97%、98%若しくは99%をも超えるはるかに高い同一性を有する少なくとも1つの領域を、1つ以上の高度保存領域であり、少なくとも3~4個、多くの場合20個以上に及ぶアミノ酸を通常包含する高度保存領域に通常更に含む、ポリペプチドは、この明細書で使用する関連する用語「ポリペプチド」に包含される。ポリペプチドは、L-アミノ酸、D-アミノ酸又は両者を含有してもよく、当技術分野において公知のさまざまなアミノ酸修飾又はアナログのいずれを含有してもよい。有用な修飾としては、例えば末端アセチル化、アミド化、メチル化などが挙げられる。いくつかの態様において、タンパク質は、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、合成アミノ酸及びこれらの組合せを含んでいてもよい。用語「ペプチド」は、長さが約100アミノ酸未満、約50アミノ酸未満、20アミノ酸未満又は10アミノ酸未満のポリペプチドを指すために一般に使用される。いくつかの態様において、タンパク質は、抗体薬、抗体断片、これらの生物学的に活性な一部分及び/又はこれらの特徴的な一部分である。
組換え体: 用語「組換え体」は、この明細書では、組換え手段によって設計、改変、調製、発現、創出、製造及び/又は単離されているポリペプチドを指すことを意図しており、例えば、宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを用いて発現させたポリペプチド;組換えコンビナトリアルヒトポリペプチドライブラリーから単離されたポリペプチド;当該ポリペプチド、又はその1つ以上の成分、一部分、構成若しくはドメインをコードする及び/又はその発現を指示する1つ以上の遺伝子若しくは遺伝子成分のトランスジェニックであるか、又はそれらを発現するように他の形で操作されている動物(例.マウス、ウサギ、ヒツジ、魚)から単離されたポリペプチド;及び/又は、任意の他の手段であり、選択された核酸配列を互いにスプライシング若しくはライゲートすること、選択された配列を化学合成すること、及び/又は、当該ポリペプチド若しくはその1つ以上の成分、一部分、構成若しくはドメインをコードする及び/又はその発現を指示する核酸を他の形で生み出すこと、を伴う手段によって調製、発現、創出又は単離されたポリペプチドが挙げられる。いくつかの態様において、そのような選択された配列のうちの1つ以上は、天然に見いだされる。いくつかの態様において、そのような選択された配列のうち1つ以上は、in silicoで設計される。いくつかの態様において、1つ以上のそのような選択された配列は、天然又は合成源に由来する、例えば、関心対象である由来生物(例.ヒト、マウス)の生殖細胞系列などにおける、公知の配列を、(例えば、in vivo又はin vitroで)変異誘発させることにより得られる。
特異的結合性: この明細書では、用語「特異的結合性」は、結合が起こりうる環境において、結合パートナーになりうるもの同士が識別し合う能力を指す。他の潜在的標的も存在する場面で1つの特定の標的と相互作用する結合剤は、相互作用する相手である標的と「特異的に結合する」という。いくつかの態様において、特異的結合性は、結合剤とそのパートナーとの間の会合度を検出又は決定することによって評価され;いくつかの態様において、特異的結合性は、結合剤-パートナー複合体の解離度を検出又は決定することによって評価され;いくつかの態様において、特異的結合性は、結合剤がそのパートナーと別の実体との間における別の相互作用と競合する能力を検出又は決定することによって評価される。いくつかの態様において、特異的結合性は、そのような検出又は決定を一定範囲の濃度にわたって実施することによって評価される。
対象: この明細書では、用語「対象」は、生物、通常、哺乳動物(例.ヒト、いくつかの態様では出生前のヒトを含む)を指す。いくつかの態様において、対象は、関連する疾患、障害又は状態を患っている。いくつかの態様において、対象は、疾患、障害又は状態を患いやすい。いくつかの態様において、対象は、疾患、障害又は状態の1つ以上の症状又は特徴を示している。いくつかの態様において、対象は、どのような疾患、障害又は状態の症状又は特徴も示していない。いくつかの態様において、対象は、疾患、障害若しくは状態の患いやすさ又はそのリスクに特有の1つ以上の特徴を有する者である。いくつかの態様において、対象は患者である。いくつかの態様において、対象は、診断及び/又は治療がなされている及び/又はなされたことがある、個体である。
治療剤: この明細書では、「治療剤」という用語は、一般的には、」生物に投与されたときに所望の薬理学的効果を導く薬剤を指す。いくつかの態様において、ある薬剤が、適切な集団の全体にわたって統計学的に有意な効果を実証すれば、それは治療剤であるとみなされる。いくつかの態様において、適切な集団は、モデル生物の集団であってもよい。いくつかの態様において、適切な集団は、多様な基準、例えば、一定の年齢群、性別、遺伝的背景、既存の臨床状態などによって定義されてもよい。いくつかの態様において、治療剤は、疾患、障害及び/又は状態の1つ以上の症状又は特徴を軽減し、改善し、緩和し、阻害し、予防し、その発現を遅延させ、その重症度を低減させ及び/又はその発現率を低減させるために使用可能な物質である。いくつかの態様において、「治療剤」は、ヒトへの投与用としての販売が可能になる前の政府系機関による認可をすでに受けている又はこれから受ける必要がある薬剤である。いくつかの態様において、「治療剤」は、ヒトへの投与には処方箋が必要とされる薬剤である。
治療有効量: この明細書では、用語「治療有効量」は、疾患、障害及び/又は状態を患っている又は患いやすい集団に治療的投与方法に従って投与される際の、当該疾患、障害及び/又は状態を治療するのに十分な量を意味する。いくつかの態様において、治療有効量は、疾患、障害及び/又は状態の1つ以上の症状の、発現率及び/又は重症度を低減させ、その1つ以上の特徴を安定化させ、及び/又はその発現を遅延させる量である。当業者であれば、用語「治療有効量」は、特定の個体における治療の成功を実際に必要とするものではないことを理解する。より正確には、治療有効量は、そのような治療を必要とする患者に投与された場合に、有意な数の対象において特定の望ましい薬理学的応答をもたらす量であってもよい。例えば、いくつかの態様において、用語「治療有効量」は、本発明が関係する治療において、それを必要とする個体に投与した場合に、当該個体において起きているがん増殖支持過程(cancer-supportive process)を遮断する、安定化させる、減弱させる若しくは逆行させる、又は、当該個体におけるがん抑制過程を強化又は増強させる量を指す。がん治療において、「治療有効量」は、がんと診断された個体に投与した場合に、その個体におけるがんの更なる進行を防止する、安定化させる、阻害する又は低減させる量である。この明細書に記載の組成物の特に好ましい「治療有効量」は、悪性腫瘍、例えば膵臓がんなどの進行を逆行させる(治療的処置において)、又は、悪性腫瘍の寛解若しくは安定を助ける。ある個体にその個体のがんを治療するために投与される治療有効量は、寛解を促進する又は転移を阻害するために投与される治療有効量と同じであっても異なっていてもよい。大半のがん療法がそうであるように、この明細書に記載の治療方法は、がんの「治癒」と解釈されたり、それに制限されたり、又は他の形でそれに限定されたりするべきではなく;むしろ、この治療方法は、がんを「治療」するため、すなわち、がんに罹患した個体の健康に望ましい又は有益な変化をもたらすための、この明細書に記載の組成物の使用を対象とする。そのような利益は、腫瘍学の分野における熟練の医療提供者には認識されており、例えば、患者状態の安定化、腫瘍サイズの減少(腫瘍退縮)、生体機能の改善(例.がん性組織又は器官の機能改善)、更なる転移の減少又は阻害、日和見感染の減少、生存性の増加、疼痛の減少、運動機能の改善、認知機能の改善、活動感(feeling of energy)(活力、倦怠感減少)の改善、幸福感の改善、正常な食欲の回復、健康な体重増加の回復及びこれらの組合せが挙げられるが、これらには限定されない。加えて、(例えばこの明細書に記載の処置の結果による)個体における特定の腫瘍の退縮は、腫瘍部位、例えば膵臓腺がんからがん細胞の試料を取得(例.処置過程にわたって)し、代謝及びシグナル伝達マーカーのレベルについてがん細胞を検査することでがん細胞の状況をモニタリングして、がん細胞からより悪性度の低い表現型への退縮を分子レベルで検証することによって、評価してもよい。例えば、本発明の方法を用いることによって誘導される腫瘍退縮は、血管新生促進マーカーの減少、血管新生抑制マーカーの増加、がんと診断された個体において異常な活性を呈する、代謝経路、細胞間シグナル伝達経路又は細胞内シグナル伝達経路の、正常化(すなわち、がんを患っていない正常な個体に見いだされる状態への変化)を見いだすことによって示される。当業者であれば、いくつかの態様において、治療有効量は、1回用量で製剤化及び/又は投与されてもよいことを理解する。いくつかの態様において、治療有効量は、複数回用量で、例えば投与計画の一部として、製剤化及び/又は投与されてもよい。
バリアント: この明細書では、核酸、タンパク質又は小分子のような分子について、用語「バリアント」は、参照分子との著しい構造的同一性は示すものの、参照実体と比較した場合には1つ以上の化学的部分の有無又はそのレベルなどの点で参照分子とは構造的に異なる分子を指す。いくつかの態様において、バリアントは、その参照分子とは機能的にも異なる。一般的に、ある特定の分子が参照分子の「バリアント」であると正確に判断されるかどうかは、その特定の分子の参照分子との構造的同一性の程度に基づく。当業者には理解されるが、生物学的又は化学的な参照分子は一定の特徴的な構造を有する。バリアントは、定義によれば、1つ以上のそのような特徴的な構造を共有するが、少なくとも1つの側面においては参照分子と異なる、別個の分子である。いくつか例を挙げると、ポリペプチドは、線形又は三次元空間において互いに対して相対的な指定位置を有する、及び/又は、特定の構造モチーフ及び/又は生物学的機能に寄与する、複数のアミノ酸から構成される特徴的な配列を有していてもよく;核酸は、線形又は三次元空間において互いに対して相対的な指定位置を有する複数のヌクレオチド残基から構成される特徴的な配列を有していてもよい。いくつかの態様において、バリアントポリペプチド又は核酸は、アミノ酸又はヌクレオチド配列に1つ以上の差異を有する結果として参照ポリペプチド又は核酸と異なっていてもよい。いくつかの態様において、バリアントポリペプチド又は核酸は、少なくとも、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%又は99%の、参照ポリペプチド又は核酸との全体的な配列同一性を示す。いくつかの態様において、バリアントポリペプチド又は核酸は、少なくとも1つの特徴的な配列を参照ポリペプチド又は核酸と共有しない。いくつかの態様において、参照ポリペプチド又は核酸は1つ以上の生物学的活性を有する。いくつかの態様において、バリアントポリペプチド又は核酸は、参照ポリペプチド又は核酸の生物学的活性のうち1つ以上を共有する。
ベクター: 用語「ベクター」は、この明細書では、自身と連結する別の核酸の輸送が可能な核酸分子を指す。ベクターの1つのタイプは「プラスミド」であり、これは、その中に追加のDNAセグメントがライゲートされうる環状二本鎖DNAループを指す。ベクターの別のタイプはウイルスベクターであり、これは、追加のDNAセグメントがウイルスゲノム中にライゲートされうるものである。ある種のベクターは、自身が導入された先の宿主細胞中で自律複製可能である(例.細菌の複製起点を有する細菌性ベクター、及び、エピソーム型哺乳動物ベクター)。他のベクター(例.非エピソーム型哺乳動物ベクター)は、宿主細胞中への導入時に宿主細胞のゲノム中に組み込むことが可能であり、それによって、宿主ゲノムと共に複製される。さらに、ある種のベクターは、自身と動作可能に連結している遺伝子の発現を指示できる。そのようなベクターを、この明細書では「発現ベクター」と呼ぶ。組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成及び組織培養並びに形質転換には、標準的な手段(例.電気穿孔法、リポフェクション)が使用されてもよい。酵素反応及び精製手段は、製造者の指示書に従って、又は、当技術分野において多く成功を収められているとおりに、又はこの明細書に記載のとおりに、実施されてもよい。前述の手段及び手順は、当技術分野において周知の従来法に従って、並びに、本明細書の全体にわたって引用及び議論されているさまざまな一般的及びより具体的な参考文献に記載されているとおりに、一般的には実施されてもよい。例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989))を参照されたい。同文献は、目的の如何を問わず、参照により本明細書に組み入れられる。
インターロイキン-2(IL-2)
インターロイキン-2(IL-2)は、免疫系におけるサイトカインシグナル伝達分子である。IL-2は、白色血液細胞(例.白血球、リンパ球)の活性を制御し、リンパ球が発現するIL-2受容体(例.IL2-RA、IL2-RB)と結合することで、当該細胞の機能発揮に介在する。さらに、免疫応答の間、活性化した抗原特異的CD4及びCD8T細胞はIL-2の主要な供給源であり、こうして供給されたIL-2は、その後、CD25エフェクターT細胞及びTReg細胞によって消費される。また、IL-2は、さまざまなIL-2受容体、例えば単量体、二量体及び三量体のIL-2受容体などと結合することによって、刺激性及び制御性の機能を発揮することが示されている。T細胞(例.TReg細胞)の中には、IL2-RA(CD25)、IL2-RB(CD122)及び共通のサイトカイン受容体γ鎖(CD132)サブユニットから構成される高親和性のヘテロ三量体受容体を発現するものがある。これに対し、ナイーブCD8T細胞、CD4/CD8メモリーT細胞及びNK細胞は、IL2-RAサブユニットを欠く親和性が低い二量体受容体を発現する。
IL-2は、免疫系、寛容及び免疫の重要な機能における役割を有するが、この役割は主に、IL-2によるT細胞への直接的な作用によるものである。IL-2は、T細胞からエフェクターT細胞への、また、初期T細胞が抗原によっても刺激された際にはメモリーT細胞への、分化も促進する。いくつかの態様において、IL-2は、活性化したCD4T細胞によって二次リンパ器官において産生される。分泌されたIL-2は、その後、IL-2受容体サブユニットであるCD25(例.IL-2Rα)を発現する制御性T(TReg)細胞によって同一部位で消費される。いくつかの態様において、免疫応答の間、活性化した抗原特異的CD4及びCD8T細胞は大量のIL-2を産生し、このIL-2は、その後、CD25エフェクターT細胞及びTReg細胞によって消費される。
IL-2は、活性化したT細胞によって二次リンパ器官において産生され、ここでIL-2は、これらの細胞及び他のCD25細胞、例えばTReg細胞などによって消費されることが示されている。いくつかの態様においては、TReg細胞及び細胞傷害性リンパ球の両者を活性化するIL-2の能力は、低用量IL-2免疫療法を用いてTReg細胞数のみを増加させることによって、自己免疫、慢性炎症状態及び移植片拒絶において回避できる。いくつかの態様において、高用量IL-2投与は、転移がんの治療のために、細胞傷害性リンパ球集団の拡大に資することができる。選択的IL-2免疫療法の別のアプローチは、特定のIL-2特異的モノクローナル抗体と結合したIL-2、又は、CD25又はCD122に対する親和性が増加しているIL-2ムテイン(例.IL-2Rβ)といった改良されたIL-2製剤を使用する。いくつかの態様においては、IL-2への特異的変異を導入してIL-2バリアントを製造するが、この特異的変異は、IL2-RA又はIL2-RBのいずれかとの優先結合を誘導し、それにより、特異的免疫細胞サブセットを刺激するものである。
タンパク質
この出願では、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16又は配列番号18からなる群から選択される配列を含むタンパク質が提供される。いくつかの態様において、タンパク質は配列番号4を含む。いくつかの態様において、タンパク質は配列番号6を含む。いくつかの態様において、タンパク質は配列番号8を含む。いくつかの態様において、タンパク質は配列番号10を含む。いくつかの態様において、タンパク質は配列番号12を含む。いくつかの態様において、タンパク質は配列番号14を含む。いくつかの態様において、タンパク質は配列番号16を含む。いくつかの態様において、タンパク質は配列番号18を含む。いくつかの態様において、タンパク質は免疫グロブリンFc領域を更に含む。いくつかの態様において、免疫グロブリンFc領域は配列番号20を含む。いくつかの態様において、免疫グロブリンFc領域は、ペプチド結合によってタンパク質と連結している。いくつかの態様において、免疫グロブリンFc領域は、ペプチドリンカー配列によってタンパク質と連結している。いくつかの態様において、タンパク質は、免疫グロブリンFc領域のカルボキシ末端と連結している。いくつかの態様において、タンパク質は、1つ以上のドメイン(例.1つ以上の機能的ドメイン、例えばサイトカイン)を更に含む。
いくつかの態様において、タンパク質は、IL-2タンパク質である。いくつかの態様において、IL-2タンパク質は、ヒトインターロイキン-2(IL-2)タンパク質である。いくつかの態様において、IL-2タンパク質は、可溶性IL-2タンパク質である。いくつかの態様において、IL-2タンパク質は、タンパク質バインダーである。いくつかの態様において、IL-2タンパク質は別の抗体薬と組み合わせて使用可能である。いくつかの態様において、IL-2タンパク質は抗体薬と結合できる。いくつかの態様において、IL-2タンパク質は、IL-2融合タンパク質の形態で使用される。いくつかの態様において、IL-2融合タンパク質は、IL-2タンパク質及び免疫グロブリンFc領域を含むことができる。いくつかの態様において、融合タンパク質は、Fcドメイン及び特異的ペプチド又はタンパク質を一緒に融合させるリンカーを含む。いくつかの態様において、免疫グロブリンFc領域は、ペプチド結合によって特異的ペプチド又はタンパク質と連結している。いくつかの態様において、免疫グロブリンFc領域は、ペプチドリンカー配列によって特異的ペプチド又はタンパク質と連結している。いくつかの態様において、特異的ペプチド又はタンパク質は、免疫グロブリンFc領域のカルボキシ末端と連結している。いくつかの態様において、IL-2タンパク質は配列番号2を含む。いくつかの態様において、IL-2タンパク質は、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16又は配列番号18からなる群から選択される配列を含む。
この出願では、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16又は配列番号18からなる群から選択される配列を含むインターロイキン(IL)-2タンパク質が提供される。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は配列番号4を含む。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は配列番号6を含む。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は配列番号8を含む。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は配列番号10を含む。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は配列番号12を含む。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は配列番号14を含む。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は配列番号16を含む。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は配列番号18を含む。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は免疫グロブリンFc領域を更に含む。いくつかの態様において、免疫グロブリンFc領域は配列番号20を含む。いくつかの態様において、免疫グロブリンFc領域は、ペプチド結合によってヒトインターロイキン-2タンパク質と連結している。いくつかの態様において、免疫グロブリンFc領域は、ペプチドリンカー配列によってヒトインターロイキン-2タンパク質と連結している。いくつかの態様において、インターロイキン-2タンパク質は、免疫グロブリンFc領域のカルボキシ末端と連結している。
核酸
この明細書では、「核酸」は、ポリヌクレオチドを含む任意の化合物及び/又は物質を包含するために使用される。代表的な核酸又はポリヌクレオチドとしては、リボ核酸(RNA)及び/又はデオキシリボ核酸(DNA)を挙げることができるが、これらには限定されない。
この出願では、IL-2タンパク質をコードする配列を含む核酸であって、配列が、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15又は配列番号17の配列からなる群から選択される核酸が提供される。いくつかの態様において、核酸は、免疫グロブリンFc領域をコードする配列を更に含む。いくつかの態様において、免疫グロブリンFc領域をコードする配列は、配列番号19の配列を含む。いくつかの態様において、IL-2タンパク質をコードする配列は、配列番号3の配列を含む。いくつかの態様において、IL-2タンパク質をコードする配列は、配列番号5の配列を含む。いくつかの態様において、IL-2タンパク質をコードする配列は、配列番号7の配列を含む。いくつかの態様において、IL-2タンパク質をコードする配列は、配列番号9の配列を含む。いくつかの態様において、IL-2タンパク質をコードする配列は、配列番号11の配列を含む。いくつかの態様において、IL-2タンパク質をコードする配列は、配列番号13の配列を含む。いくつかの態様において、IL-2タンパク質をコードする配列は、配列番号15の配列を含む。いくつかの態様において、IL-2タンパク質をコードする配列は、配列番号17の配列を含む。
配列番号1 野生型ヒトIL-2
GCGCCGACCAGCTCATCTACAAAGAAGACTCAACTTCAACTGGAACATCTGCTGCTTGATCTCCAAATGATTCTCAACGGTATCAACAATTACAAAAACCCAAAATTGACCAGAATGTTGACATTTAAGTTTTACATGCCGAAAAAGGCAACAGAGCTGAAGCACTTGCAGTGTCTTGAAGAAGAGCTGAAACCACTTGAAGAGGTTCTGAACCTGGCACAGAGCAAAAATTTTCACCTTAGGCCGCGCGACCTCATTAGTAACATTAATGTCATTGTGCTTGAGCTGAAAGGTTCCGAGACGACTTTCATGTGCGAGTATGCCGACGAAACGGCAACAATAGTCGAATTTCTTAACCGATGGATTACGTTTTGTCAAAGTATAATAAGTACGCTCACA
配列番号2 野生型IL-2(アミノ酸)
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVENLAQSKNFHLRPRDLISNINYIVEELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT
配列番号3 IL2_V1
GCGCCGACCAGCAGCAGCACCAAAAAAACCCAGCTGCAGCTGGAACATCTGCTGCTGGATCTGCAGATGATTCTGAACGGCATTAACAACTATAAAAACCCGAAACTGACCGCGATGCTGACCAAAAAATTTTATATGCCGAAAAAAGCGACCGAACTGAAACATCTGCAGTGCCTGGAAGAAGAACTGAAACCGCTGGAAGAAGTGCTGAACCTGGCGCAGAGCAAAAACTTTCATctgGACCCGCGCGATGTGGTTAGCAACATTAACGTGTTTGTGCTGGAACTGAAAGGCAGCGAAACCACCTTTATGTGCGAATATGCGGATGAAACCGCGACCATTGTGGAATTTCTGAACCGCTGGATTACCTTTTGCCAGAGCATTATTAGCACCCTGACC
配列番号4 IL2_V1(アミノ酸)
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTAMLTKKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLDPRDVVSNINVFVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT
配列番号5 IL2_V2
GCGCCGACCAGCAGCAGCACCAAAAAAACCCAGCTGCAGCTGGAACATCTGCTGCTGGATCTGCAGATGATTCTGAACGGCATTAACAACTATAAAAACCCGAAACTGACCGCGATGCTGACCAAAAAATTTTATATGCCGAAAAAAGCGACCGAACTGAAACATCTGCAGTGCCTGGAAGAAGAACTGAAACCGCTGGAAGAAGTGCTGAACCTGGCGCAGAGCAAAAACTTTCATTTCcgcCCGCGCGATGTGGTTAGCAACATTAACGTGTTTGTGCTGGAACTGAAAGGCAGCGAAACCACCTTTATGTGCGAATATGCGGATGAAACCGCGACCATTGTGGAATTTCTGAACCGCTGGATTACCTTTTGCCAGAGCATTATTAGCACCCTGACC
配列番号6 IL2_V2(アミノ酸)
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTAMLTKKEYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHFRPRDWSNINYFVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT
配列番号7 IL2_V3
GCGCCGACCAGCAGCAGCACCAAAAAAACCCAGCTGCAGCTGGAACATCTGCTGCTGGATCTGCAGATGATTCTGAACGGCATTAACAACTATAAAAACCCGAAACTGACCGCGATGCTGACCAAAAAATTTTATATGCCGAAAAAAGCGACCGAACTGAAACATCTGCAGTGCCTGGAAGAAGAACTGAAACCGCTGGAAGAAGTGCTGAACCTGGCGCAGAGCAAAAACTTTCATTTCGACCCGCGCGATctgGTTAGCAACATTAACGTGTTTGTGCTGGAACTGAAAGGCAGCGAAACCACCTTTATGTGCGAATATGCGGATGAAACCGCGACCATTGTGGAATTTCTGAACCGCTGGATTACCTTTTGCCAGAGCATTATTAGCACCCTGACC
配列番号8 IL2_V3(アミノ酸)
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTAMLTKKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVENLAQSKNFHFDPRDLVSNINYFVEELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT
配列番号9 IL2_V4
GCGCCGACCAGCAGCAGCACCAAAAAAACCCAGCTGCAGCTGGAACATCTGCTGCTGGATCTGCAGATGATTCTGAACGGCATTAACAACTATAAAAACCCGAAACTGACCGCGATGCTGACCAAAAAATTTTATATGCCGAAAAAAGCGACCGAACTGAAACATCTGCAGTGCCTGGAAGAAGAACTGAAACCGCTGGAAGAAGTGCTGAACCTGGCGCAGAGCAAAAACTTTCATTTCGACCCGCGCGATGTGaTTAGCAACATTAACGTGTTTGTGCTGGAACTGAAAGGCAGCGAAACCACCTTTATGTGCGAATATGCGGATGAAACCGCGACCATTGTGGAATTTCTGAACCGCTGGATTACCTTTTGCCAGAGCATTATTAGCACCCTGACC
配列番号10 IL2_V4(アミノ酸)
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTAMLTKKEYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHFDPRDVISNINYFVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT
配列番号11 IL2_V5
GCGCCGACCAGCAGCAGCACCAAAAAAACCCAGCTGCAGCTGGAACATCTGCTGCTGGATCTGCAGATGATTCTGAACGGCATTAACAACTATAAAAACCCGAAACTGACCGCGATGCTGACCAAAAAATTTTATATGCCGAAAAAAGCGACCGAACTGAAACATCTGCAGTGCCTGGAAGAAGAACTGAAACCGCTGGAAGAAGTGCTGAACCTGGCGCAGAGCAAAAACTTTCATTTCGACCCGCGCGATGTGGTTAGCAACATTAACGTGaTTGTGCTGGAACTGAAAGGCAGCGAAACCACCTTTATGTGCGAATATGCGGATGAAACCGCGACCATTGTGGAATTTCTGAACCGCTGGATTACCTTTTGCCAGAGCATTATTAGCACCCTGACC
配列番号12 IL2_V5(アミノ酸)
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTAMLTKKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHFDPRDWSNINYIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT
配列番号13 IL2_V4_R38A
GCGCCGACCAGCAGCAGCACCAAAAAAACCCAGCTGCAGCTGGAACATCTGCTGCTGGATCTGCAGATGATTCTGAACGGCATTAACAACTATAAAAACCCGAAACTGACCGCGATGCTGACCTTCAAATTTTATATGCCGAAAAAAGCGACCGAACTGAAACATCTGCAGTGCCTGGAAGAAGAACTGAAACCGCTGGAAGAAGTGCTGAACCTGGCGCGAGCAAAAACTTTCATTTCGACCCGCGCGATGTGaTTAGCAACATTAACGTGTTTGTGCTGGAACTGAAAGGCAGCGAAACCACCTTTATGTGCGAATATGCGGATGAAACCGCGACCATTGTGGAATTTCTGAACCGCTGGATTACCTTTTGCCAGAGCATTATTAGCACCCTGACC
配列番号14 IL2_V4_R38A(アミノ酸)
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTAMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEELKPLEEVLNLAQSKNFHFDPRDVISNINYFVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT
配列番号15 IL2_V4_F42A
GCGCCGACCAGCAGCAGCACCAAAAAAACCCAGCTGCAGCTGGAACATCTGCTGCTGGATCTGCAGATGATTCTGAACGGCATTAACAACTATAAAAACCCGAAACTGACCCGCATGCTGACCGCGAAATTTTATATGCCGAAAAAAGCGACCGAACTGAAACATCTGCAGTGCCTGGAAGAAGAACTGAAACCGCTGGAAGAAGTGCTGAACCTGGCGCAGAGCAAAAACTTTCATTTTGATCCGCGCGATGTGATTAGCAACATTAACGTGTTTGTGCTGGAACTGAAAGGCAGCGAAACCACCTTTATGTGCGAATATGCGGATGAAACCGCGACCATTGTGGAATTTCTGAACCGCTGGATTACCTTTTGCCAGAGCATTATTAGCACCCTGACC
配列番号16 IL2_V4_F42A(アミノ酸)
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHFDPRDVISNINYFVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT
配列番号17 IL2_V4_R38A_F42A
GCGCCGACCAGCAGCAGCACCAAAAAAACCCAGCTGCAGCTGGAACATCTGCTGCTGGATCTGCAGATGATTCTGAACGGCATTAACAACTATAAAAACCCGAAACTGACCGCGATGCTGACCGCGAAATTTTATATGCCGAAAAAAGCGACCGAACTGAAACATCTGCAGTGCCTGGAAGAAGAACTGAAACCGCTGGAAGAAGTGCTGAACCTGGCGCAGAGCAAAAACTTTCATTTCGACCCGCGCGATGTGaTTAGCAACATTAACGTGTTTGTGCTGGAACTGAAAGGCAGCGAAACCACCTTTATGTGCGAATATGCGGATGAAACCGCGACCATTGTGGAATTTCTGAACCGCTGGATTACCTTTTGCCAGAGCATTATTAGCACCCTGACC
配列番号18 IL2_V4_R38A_F42A(アミノ酸)
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTAMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHFDPRDVISNINVFVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT
配列番号19 Fc(207-230 IMGTアレルIGHG103、231-457 IMGTアレルIGHG201)
AGCAACACTAAAGTCGACAAGCGAGTAGAACCGAAATCATGCGACAAAACACATACGTGCCCTCCCTGCCCAGCACCACCTGTCGCGGGCCCCTCTGTTTTCCTGTTTCCACCCAAGCCAAAGGACACATTGATGATTTCCCGGACTCCTGAAGTCACCTGCGTGGTAGTAGATGTATCACATGAAGATCCAGAAGTCCAGTTCAACTGGTATGTGGACGGAGTAGAGGTACATAATGCCAAGACCAAACCACGGGAAGAGCAGTTCAACAGTACTTTCCGGGTAGTTAGCGTTTTGACTGTCGTACACCAAGACTGGCTTAATGGAAAAGAATACAAGTGTAAGGTAAGCAACAAGGGCCTGCCGGCTCCGATAGAGAAAACCATTAGCAAGACAAAGGGCCAACCACGCGAACCCCAGGTATATACCCTCCCACCGTCCCGCGAGGAGATGACTAAGAATCAAGTTTCTCTCACGTGCTTGGTAAAGGGCTTCTATCCGAGCGATATAGCCGTGGAGTGGGAGTCTAATGGTCAGCCCGAAAACAATTACAAAACTACGCCTCCTATGCTGGACAGTGATGGGAGCTTCTTTCTTTACAGTAAGCTTACCGTGGACAAGTCTCGGTGGCAACAAGGAAATGTTTTTAGTTGTTCTGTAATGCATGAAGCACTTCATAACCATTACACCCAGAAAAGTCTGAGCTTGTCCCCGGGAAAA
配列番号20 Fc (207-230 IMGTアレルIGHG103、231-457 IMGTアレルIGHG201)(アミノ酸)
SNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVWDVSHEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRWSVLTVVHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNYFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
ベクター
いくつかの態様において、先述の核酸構築物は、当技術分野に公知の方法によって発現ベクター又はウイルスベクター中に挿入されていてもよく、核酸分子は、発現コントロール配列と動作可能に連結していてもよい。発現ベクターの非限定的な例としては、プラスミドベクター、トランスポゾンベクター、コスミドベクター、並びにウイルス由来ベクター(例.任意のアデノウイルス(AV)由来ベクター、サイトメガロウイルス(CMV)由来ベクター、サルウイルス(SV40)由来ベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、レンチウイルスベクター及びレトロウイルスベクター)が挙げられる。いくつかの態様において、発現ベクターは、ウイルスベクターである。
そのようなクローニング及び/又は発現配列に新たな配列を付加して、クローニング及び/又は発現におけるこれらの配列の機能を最適化する、ポリヌクレオチドの単離に役立てる、又は、細胞中へのポリヌクレオチドの導入を改良する、ことができる。クローニングベクター、発現ベクター、アダプター及びリンカーの使用は、当技術分野において周知である。
いくつかの態様において、核酸分子は、適切な細胞中に導入されたときに本開示のIL-2タンパク質を発現できる、ベクター中に挿入される。いくつかの態様において、ベクターは、この明細書に記載の核酸のいずれかを含む。いくつかの態様において、ベクターは、核酸と動作可能に連結するプロモーターを更に含む。いくつかの態様において、プロモーターは、構成性プロモーターである。いくつかの態様において、プロモーターは、誘導性プロモーターである。いくつかの態様において、ベクターは、ウイルスベクターである。いくつかの態様において、ウイルスベクターは、レンチウイルスベクターである。
この出願では、この明細書に記載のタンパク質のいずれか及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物も提供される。いくつかの態様において、医薬組成物は、この明細書に記載の核酸のいずれか又はベクターのいずれかを含む。この出願では、この明細書に記載の核酸のいずれか又はベクターのいずれかを含む、細胞も提供される。いくつかの態様において、医薬組成物は、この明細書に記載の細胞のいずれか及び薬学的に許容される担体を含む。
この出願では、IL-2タンパク質の製造方法であって、(a)この明細書に記載の細胞のいずれかを、培地中でIL-2タンパク質を発現するのに十分な条件で培養すること、並びに、(b)細胞及び/又は培地からIL-2タンパク質を回収することを含む方法も提供される。
治療用途
いくつかの態様において、この明細書に記載のIL-2タンパク質又は核酸構築物は、それを必要とする対象を治療するために使用してもよい。いくつかの態様において、対象はIL-2に関連する疾患と診断されている。いくつかの態様において、対象はIL-2に関連するがんと診断されている。いくつかの態様において、IL-2タンパク質及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物は、IL-2に関連する疾患と診断されている対象に投与が可能である。いくつかの態様において、医薬組成物は、電離放射線、化学療法剤、治療用抗体及びチェックポイント阻害薬を非限定的に含む1つ以上の抗がん療法と併用して投与が可能である。
インターロイキン-2(IL-2)は、がん細胞に対する身体の応答を変化させる働きを有するサイトカインであり、IL-2は、免疫系の種々の成分(例.Tリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞)の産生の増加を助ける。加えて、IL-2は、がんの治療に役立つ他の免疫系細胞(例.リンホカイン活性化キラー細胞、腫瘍浸潤リンパ球)の機能も向上させる。いくつかの態様において、IL-2は、腎細胞(腎臓)がん、転移性黒色腫及び進行非ホジキンリンパ腫を非限定的に含みうるがんの治療に使用される。
がんは、身体における異常細胞の制御されていない増殖を特徴とする広範な疾患群を指す。制御されていない細胞分裂及び増殖が生じると、隣接組織に侵入し、更にはリンパ系又は血流を通して離れた身体部位に転移する可能性がある悪性腫瘍の形成を引き起こす。がん又はがん組織は、腫瘍を包含してもよい。
この出願では、対象におけるがんの治療方法であって、治療有効量のこの明細書に記載の医薬組成物のいずれかを対象に投与することを含む方法が提供される。いくつかの態様において、がんは、癌腫、リンパ腫(例.ホジキン及び非ホジキンリンパ腫)、芽細胞腫、肉腫、白血病、扁平上皮がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺腺がん、肺扁平上皮がん、腹膜がん、肝細胞がん、胃がん、膵臓がん、神経膠腫、子宮頚がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、乳がん、結腸がん、大腸がん、子宮内膜若しくは子宮のがん、唾液腺がん、腎臓がん、前立腺がん、外陰がん、甲状腺がん、肝臓がん、他のリンパ増殖性疾患、又は種々の頭頚部がんである。いくつかの態様において、がんは、固形腫瘍である。いくつかの態様において、がんは、大腸がんである。いくつかの態様において、対象は、電離放射線、化学療法剤、治療用抗体及びチェックポイント阻害薬からなる群から選択される1つ以上の抗がん療法を過去に受けたことがある。いくつかの態様において、対象は、がんに罹患していると特定又は診断されている。
本開示の方法による治療に好適ながんとしては、膀胱がん、乳がん、子宮頚がん、結腸がん、子宮内膜がん、食道がん、卵管がん、胆嚢がん、消化管がん、頭頚部がん、血液がん、喉頭がん、肝臓がん、肺がん、リンパ腫、黒色腫、中皮腫、卵巣がん、原発性腹膜がん、唾液腺がん、肉腫、胃がん、甲状腺がん、膵臓がん及び前立腺がんを挙げることができるが、これらには限定されない。いくつかの態様において、本開示の方法による治療の対象となるがんとしては、癌腫、リンパ腫(例.ホジキン及び非ホジキンリンパ腫)、芽細胞腫、肉腫及び白血病を挙げることができるが、これらには限定されない。いくつかの態様において、がんは、扁平上皮がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺腺がん、肺扁平上皮がん、腹膜がん、肝細胞がん、胃がん、膵臓がん、神経膠腫、子宮頚がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、肝細胞がん、乳がん、結腸がん、大腸がん、子宮内膜又は子宮のがん、唾液腺がん、腎臓がん、前立腺がん、外陰がん、甲状腺がん、肝臓がん、白血病及び他のリンパ増殖性疾患、並びに種々の頭頚部がんを包含しうる。いくつかの態様において、がんは、胎児性腫瘍(ウィルムス腫瘍、肝芽腫、ラブドイド、神経芽細胞腫)、胚細胞腫瘍(卵黄嚢腫瘍、未熟型奇形腫及び胎児性癌)、癌腫(肝細胞がん及び肺扁平上皮がん)、肉腫(悪性ラブドイド腫瘍及びRMS)又は悪性メラノーマである。
この出願では、対象におけるメモリーCD8+T細胞を増加させる方法であって、治療有効量のこの明細書に記載の医薬組成物のいずれかを対象(例.この明細書に記載のがんを有する対象)に投与することを含む方法も提供される。いくつかの態様において、本方法は、例えば投与実施前時点のメモリーCD8+T細胞のレベルと比較した場合、メモリーCD8+T細胞を、約1~約100%、約1~約80%、約1~約60%、約1~約40%、約1~約20%、約1~約15%、約1~約10%、約1~約5%、約5~約100%、約5~約80%、約5~約60%、約5~約40%、約5~約20%、約5~約15%、約5~約10%、約10~約100%、約10~約80%、約10~約60%、約10~約40%、約10~約20%、約10~約15%、約15~約100%、約15~約80%、約15~約60%、約15~約40%、約15~約20%、約20~約100%、約20~約80%、約20~約60%、約20~約40%、約40~約100%、約40~約80%、約40~約60%、約60~約100%、約60~約80%、又は約0~約100%増加させる結果をもたらす(例えば、実施例に記載のとおりに測定した場合)。
この出願では、対象におけるCD8+T細胞を増加させる方法であって、治療有効量のこの明細書に記載の医薬組成物のいずれかを対象(例.この明細書に記載のがんを有する対象)に投与することを含む方法も提供される。いくつかの態様において、本方法は、例えば投与実施前時点のCD8+T細胞のレベルと比較した場合、CD8+T細胞を、約1~約100%、約1~約80%、約1~約60%、約1~約40%、約1~約20%、約1~約15%、約1~約10%、約1~約5%、約5~約100%、約5~約80%、約5~約60%、約5~約40%、約5~約20%、約5~約15%、約5~約10%、約10~約100%、約10~約80%、約10~約60%、約10~約40%、約10~約20%、約10~約15%、約15~約100%、約15~約80%、約15~約60%、約15~約40%、約15~約20%、約20~約100%、約20~約80%、約20~約60%、約20~約40%、約40~約100%、約40~約80%、約40~約60%、約60~約100%、約60~約80%、又は約0~約100%増加させる結果をもたらす(例えば、実施例に記載のとおりに測定した場合)。
この出願では、対象における固形腫瘍中のTreg細胞を減少させる方法であって、治療有効量のこの明細書に記載の医薬組成物のいずれかを対象(例.この明細書に記載のがんを有する対象)に投与することを含む方法も提供される。いくつかの態様において、本方法は、例えば投与実施前時点の対象における固形腫瘍中のTreg細胞のレベルと比較した場合、対象における固形腫瘍中のTreg細胞のレベルを、約1~約99%、約1~約80%、約1~約60%、約1~約40%、約1~約20%、約1~約15%、約1~約10%、約1~約5%、約5~約99%、約5~約80%、約5~約60%、約5~約40%、約5~約20%、約5~約15%、約5~約10%、約10~約99%、約10~約80%、約10~約60%、約10~約40%、約10~約20%、約10~約15%、約15~約99%、約15~約80%、約15~約60%、約15~約40%、約15~約20%、約20~約99%、約20~約80%、約20~約60%、約20~約40%、約40~約99%、約40~約80%、約40~約60%、約60~約99%、約60~約80%、約80~約99%減少させる結果をもたらす。Treg細胞を検出する非限定的な方法は、実施例に記載されている。
この出願では、対象における固形腫瘍の成長速度を減少させる方法であって、治療有効量のこの明細書に記載の医薬組成物のいずれかを対象(例.この明細書に記載のがんを有する対象)に投与することを含む方法も提供される。いくつかの態様において、本方法は、例えば投与実施前時点の固形腫瘍の成長率と比較した場合、対象における固形腫瘍の成長率を、約1~約99%、約1~約80%、約1~約60%、約1~約40%、約1~約20%、約1~約15%、約1~約10%、約1~約5%、約5~約99%、約5~約80%、約5~約60%、約5~約40%、約5~約20%、約5~約15%、約5~約10%、約10~約99%、約10~約80%、約10~約60%、約10~約40%、約10~約20%、約10~約15%、約15~約99%、約15~約80%、約15~約60%、約15~約40%、約15~約20%、約20~約99%、約20~約80%、約20~約60%、約20~約40%、約40~約99%、約40~約80%、約40~約60%、約60~約99%、約60~約80%、約80~約99%減少させる結果をもたらす。いくつかの態様において、固形腫瘍の成長率は、磁気共鳴画像化法又はコンピューター断層撮影法を用いて時間の経過に伴う固形腫瘍体積を複数回評価するという手段を用いて決定可能である。
この出願では、対象における固形腫瘍の体積を減少させる方法であって、治療有効量のこの明細書に記載の医薬組成物のいずれかを対象(例.この明細書に記載のがんを有する対象)に投与することを含む方法も提供される。いくつかの態様において、本方法は、例えば投与実施前時点の固形腫瘍の体積と比較した場合、対象における固形腫瘍の体積を、約1~約99%、約1~約80%、約1~約60%、約1~約40%、約1~約20%、約1~約15%、約1~約10%、約1~約5%、約5~約99%、約5~約80%、約5~約60%、約5~約40%、約5~約20%、約5~約15%、約5~約10%、約10~約99%、約10~約80%、約10~約60%、約10~約40%、約10~約20%、約10~約15%、約15~約99%、約15~約80%、約15~約60%、約15~約40%、約15~約20%、約20~約99%、約20~約80%、約20~約60%、約20~約40%、約40~約99%、約40~約80%、約40~約60%、約60~約99%、約60~約80%、約80~約99%減少させる結果をもたらす。いくつかの態様において、固形腫瘍の体積は、磁気共鳴画像化法又はコンピューター断層撮影法を用いて決定可能である。
本開示を以下の実施例において更に説明するが、これらの例は、「特許請求の範囲」に記載されている本開示の範囲を限定しない。
実施例1 IL-2のバリアント
IL-2タンパク質を、IL2-G4Sリンカー-Fc_pcDNA3.3プラスミドを用いて製造した。野生型IL-2及びIL-2タンパク質のバリアントの配列を表1に列挙する。具体的には、制限酵素部位に制限酵素EcoRI及びBamHIが挿入された動物細胞発現ベクターpcDNA3.3を用いて、IL-2タンパク質を製造した。シグナルペプチドにはヒトIL-2シグナルペプチド(UniPortKB: P60568)を使用し(P60568のlaa~20aa)、Fc領域には207aa~230aa IMGTアレルIGHG103、231aa~457aa IMGTアレルIGHG201を使用した。IL-2タンパク質をコードするDNA構築物を図1に示す。
実施例2 IL-2バリアントの分析及び特徴付け
IL-2バリアントをプラスミドに挿入し、これを使用して、Expi293発現系(Invitrogen)を用いてIL-2タンパク質を製造した。次いで、AktaPure(GE healthcare)、AktaPrime精製装置(GE healthcare)及びMabselectSUREカラム(GE healthcare, Cat#11-0034-95)を用いてタンパク質を精製した。精製したタンパク質を脱塩カラム(GE healthcare, Cat#17-1408-01)に通し、Multiskan GO(Thermo)を用いてタンパク質濃度を測定した。結果を表2に示す。
実施例3 SDS-PAGEでのタンパク質の分析
IL-2バリアントをLDS試料緩衝液(Invitrogen, Cat#B0007)に添加し、還元剤(Invitrogen, Cat#B0004)を還元条件群に添加し、70℃で10分間インキュベートした。調製した試料にSDS泳動用緩衝液(Bio-rad, Cat#1610732)を添加し、Mini-PROTEIN TGX Stain-Free Gel(Bio-rad, Cat#456-8096)を用いて試料を30分間泳動させた。Chemidoc(Bio-rad)を用いて結果を分析した(図2)。
実施例4 IL-2受容体との親和性の分析
IL-2受容体であるIL2-RA及びIL2-RBとIL-2バリアントとの親和性を、表面プラズモン共鳴(SPR)を用いて分析した。IL-2バリアントを濃度2μg/mLに希釈し、次いで、CM5チップ(GE Healthcare, Cat#BR-1005-30)上に固定した。受容体IL-2RA又はIL-2RB(Sino)を濃度100、50、25、12.5、6.25、3.125nMで注入し、会合時間(association time)を150秒、解離時間を240秒とした。Biacore T200(GE healthcare)を用いて各IL-2バリアントの親和性を測定し、結果をBIAevaluationソフトウェアによって1:1結合モデルで分析した。結果は、IL2_V4のIL2-RBに対する親和性が、野生型IL-2の値に最も近い値に維持されていることを示す(表3、表4)。
実施例5 サイズ排除クロマトグラフィー
IL-2バリアントを、HPLC(Agilent Technologies, 1260 infinity II LCシステム)及びサイズ排除カラム(Tosoh、TSKgel G3000 SWXL、7.8×300mm、Part No.0008541, Column No.004E04320E)を用いて分析した。HPLCの移動相は、PBS(pH7.4)を含む溶離液を用いた。対照にはゲルろ過標品(BIO-RAD, Cat. #151- 1901)を用いた(図3A~3G)。
実施例6 IL2_V4由来の別のIL-2バリアント
別のIL-2バリアントを実施例1の記載と同様に製造した。これらのIL-2バリアントの配列を表5に列挙する。
実施例7 別のIL-2バリアントの分析及び特徴付け
別のIL-2バリアントをプラスミドに挿入し、これを使用して、Expi293発現系(Invitrogen)を用いてIL-2タンパク質を製造した。タンパク質を分析し、実施例2の記載と同様に特徴付けを行った。結果を表6に示す。
実施例8 SDS-PAGEでのタンパク質の分析
別のIL-2バリアントをLDS試料緩衝液(Invitrogen, Cat#B0007)に添加し、還元剤(Invitrogen, Cat#B0004)を還元条件群に添加し、70℃で10分間インキュベートした。実施例3の記載と同様に調製した試料にSDS泳動用緩衝液(Bio-rad, Cat#1610732)を添加し、Mini-PROTEIN TGX Stain-Free Gel(Bio-rad, Cat#456-8096)を用いて試料を30分間泳動させた。Chemidoc(Bio-rad)を用いて結果を分析した(図4)。
実施例9 IL-2受容体との親和性の分析
IL-2受容体であるIL2-RA及びIL2-RBと別のIL-2バリアントとの親和性を、表面プラズモン共鳴(SPR)を用いて分析した。IL-2バリアントを濃度2μg/mLに希釈し、次いで、CM5チップ(GE Healthcare, Cat#BR-1005-30)上に固定した。実施例4の記載と同様に、Biacore T200(GE healthcare)を用いて各IL-2バリアントの親和性を測定し、結果をBIAevaluationソフトウェアによって1:1結合モデルで分析した。結果を表7及び表8に示す。
実施例10 サイズ排除クロマトグラフィー
実施例5の記載と同様に、別のIL-2バリアントを、HPLC(Agilent Technologies, 1260 infinity II LCシステム)及びサイズ排除カラム(Tosoh、TSKgel G3000 SWXL、7.8×300mm、Part No.0008541、Column No.004E04320E)を用いて分析し、HPLCの移動相には、PBS(pH7.4)を含む溶離液を用いた。対照にはゲルろ過標品(BIO-RAD, Cat. #151-1901)を用いた(図5A~5D)。
実施例11 in vivoマウスモデルにおけるIL-2バリアントの有効性の分析
C57/BL/6マウス結腸がん細胞由来のMC38細胞系細胞を、C57BL/6マウスに皮下注入し(0.5×10細胞/匹)、約2週間後、腫瘍が肉眼で視認可能なサイズに達した後、TM900腫瘍自動計算器ソフトウェアを用いて腫瘍のサイズを測定した(図6A~6G)。
IL2バリアント、すなわち、IL-2 WT、IL-2 V4、IL-2 V4_R38A、IL-2 V4_F42A及びIL-2 V4_R38A/F42Aによる処置を行う5つの群にマウスを分けた。IL2変異タンパク質は、腫瘍接種の2週間後、注入回数を合計3回として、第1日、第5日及び第10日に注入した(20μg/匹)。
最後の注入の4日後、マウスの後眼窩静脈叢から採血した。100μlの血液を採取し、50μlを5mL FACSチューブに入れ、蛍光抗体で30分間処理した。1.5mLの1× RBC溶解緩衝液を添加し、10分間インキュベートした。遠心分離器を用いて2,000rpmで4分間遠心分離した後、全ての上清を捨てた。2mLのFACS洗浄緩衝液をチューブに添加し、2,000rpmで4分間遠心分離した。次いで、この方法を更に2回繰り返し、FACSを用いて試料を分析した。
マウス制御性T細胞(Treg)の分析
血液からT細胞を得るために、300μLのFicoll-Paque培地を1.5mL遠心チューブに添加して、Ficoll分離を行った。採血した試料をFicoll-Paque培地溶液に慎重に重ね、次いで、8,000rpmで5分間遠心分離した。リンパ球を含有する不透明な白色の層を採取し、5mL FACSチューブに移し、3mLの1× DPBS緩衝液を添加し、次いで、2,000rpmで4分間遠心分離した。上清を捨てた後、試料を室温で30分間、表面マーカー蛍光抗体と共にインキュベートした。次いで、2mLのFACS緩衝液をチューブに添加し、2,000rpmで4分間遠心分離し、その上清を捨てた。1mLの1× 固定/透過処理用緩衝液(fix/perm buffer)を各チューブに分注し、暗所で30分間インキュベートした。次いで、3mLの1× 透過処理用緩衝液を各チューブに添加し、2,000rpmで4分間遠心分離した。上清を捨てた後、100μLの1× 透過処理用緩衝液及び3μLのマウス抗Foxp3抗体をチューブに添加し、室温で15分間反応させた。1× 透過処理用緩衝液の添加を再度繰り返した。次いで、FACSにより試料を分析し、血液中のCD3+T細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞及びTreg細胞の割合を測定した(図7A~7B、8A~8B、9A~9C、10A~10B、11A~11B及び17A)。
腫瘍採取及び腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の分析
腫瘍から組織を採取し、腫瘍解離キット(tumor dissociation kit)からの酵素ミックス及びRPMI1640培地を含有するgentleMACS Cチューブに移した。GentleMACSプログラム37C_h_TDK_1を1時間実行した後、試料を1× DPBS緩衝液に再懸濁させ、細胞懸濁液を、50mLチューブ上に置いた細胞ストレーナー(メッシュサイズ70μm)に適用した。次いで、試料を細胞ストレーナー(メッシュサイズ40μm)に適用し、腫瘍浸潤リンパ球のみが単離されるまで、上記工程を繰り返した。2,000rpmで4分間の遠心分離の後、上清を捨て、5mLのACK溶解緩衝液を添加し、室温で10分間インキュベートした。50μLのマウス血液を採取し、5mL FACSチューブに移し、2,000rpmで10分間遠心分離した。細胞を10mLのRPMI1640培地に再懸濁させた。次いで、血液試料をFicoll-Paque培地溶液に慎重に重ね、2,000rpmで30分間遠心分離した。腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を含有する不透明な白色の層を採取し、50mLチューブに移し、ここに20mLの1× DPBS緩衝液を添加し、次いで、2,000rpmで4分間遠心分離した。上清を捨てた後、試料を室温で30分間、表面マーカー蛍光抗体と共にインキュベートした。次いで、2mLのFACS緩衝液をチューブに添加し、2,000rpmで4分間遠心分離し、上清を捨て、FACSにより試料を分析し、腫瘍浸潤リンパ球の、CD3+T細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞及びTreg細胞の割合を測定した(図12A~12B、13A~13B、14A~14C、15A~15B、16A~16B及び17B)。
モデルマウスにおける毒性分析
肺水腫の発症はIL-2療法に関連しているため、マウスから肺組織及び血液を採取することによってIL2バリアントの毒性を分析した。肺組織重量を測定し、各群別に比較して毒性を分析した(図18A~18B)。さらに、マウスの血液を12,000rpmで10分間、4℃にて遠心分離して血清を分離した。分離した上清をFUJI DRI-CHEM NX500iチューブに移し、アラニンアミノトランスフェラーゼ(GPT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(GOT)、血中尿素窒素(BUN)及び総ビリルビン(T-BIL)を測定した(図19A~19D)。

Claims (47)

  1. 配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16又は配列番号18からなる群から選択される配列を含むインターロイキン(IL)-2タンパク質。
  2. 前記インターロイキン-2タンパク質が配列番号4の配列を含む、請求項1に記載のタンパク質。
  3. 前記インターロイキン-2タンパク質が配列番号6の配列を含む、請求項1に記載のタンパク質。
  4. 前記インターロイキン-2タンパク質が配列番号8の配列を含む、請求項1に記載のタンパク質。
  5. 前記インターロイキン-2タンパク質が配列番号10の配列を含む、請求項1に記載のタンパク質。
  6. 前記インターロイキン-2タンパク質が配列番号12の配列を含む、請求項1に記載のタンパク質。
  7. 前記インターロイキン-2タンパク質が配列番号14の配列を含む、請求項1に記載のタンパク質。
  8. 前記インターロイキン-2タンパク質が配列番号16の配列を含む、請求項1に記載のタンパク質。
  9. 前記インターロイキン-2タンパク質が配列番号18の配列を含む、請求項1に記載のタンパク質。
  10. 免疫グロブリンFc領域を更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のタンパク質。
  11. 前記免疫グロブリンFc領域が配列番号20の配列を含む、請求項10に記載のタンパク質。
  12. 前記免疫グロブリンFc領域が、ペプチド結合によって前記インターロイキン-2タンパク質と連結している、請求項11に記載のタンパク質。
  13. 前記免疫グロブリンFc領域が、ペプチドリンカー配列によって前記インターロイキン-2タンパク質と連結している、請求項12に記載のタンパク質。
  14. 前記インターロイキン-2タンパク質が、前記免疫グロブリンFc領域のカルボキシ末端と連結している、請求項13に記載のタンパク質。
  15. 請求項1~14のいずれか一項に記載のタンパク質及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  16. IL-2タンパク質をコードする配列を含む核酸であって、前記配列が、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15又は配列番号17の配列からなる群から選択される、核酸。
  17. 免疫グロブリンFc領域をコードする配列を更に含む、請求項16に記載の核酸。
  18. 前記免疫グロブリンFc領域をコードする配列が配列番号19の配列を含む、請求項17に記載の核酸。
  19. 前記IL-2タンパク質をコードする配列が配列番号3の配列を含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の核酸。
  20. 前記IL-2タンパク質をコードする配列が配列番号5の配列を含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の核酸。
  21. 前記IL-2タンパク質をコードする配列が配列番号7の配列を含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の核酸。
  22. 前記IL-2タンパク質をコードする配列が配列番号9の配列を含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の核酸。
  23. 前記IL-2タンパク質をコードする配列が配列番号11の配列を含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の核酸。
  24. 前記IL-2タンパク質をコードする配列が配列番号13の配列を含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の核酸。
  25. 前記IL-2タンパク質をコードする配列が配列番号15の配列を含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の核酸。
  26. 前記IL-2タンパク質をコードする配列が配列番号17の配列を含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の核酸。
  27. 請求項16~26のいずれか一項に記載の核酸を含むベクター。
  28. 前記核酸と動作可能に連結するプロモーターを更に含む、請求項27に記載のベクター。
  29. 前記プロモーターが構成性プロモーターである、請求項28に記載のベクター。
  30. 前記プロモーターが誘導性プロモーターである、請求項28に記載のベクター。
  31. 前記ベクターがウイルスベクターである、請求項27~30のいずれか一項に記載のベクター。
  32. 前記ウイルスベクターがレンチウイルスベクターである、請求項31に記載のベクター。
  33. 請求項16~26のいずれか一項に記載の核酸又は請求項27~32のいずれか一項に記載のベクターを含む医薬組成物。
  34. 請求項16~26のいずれか一項に記載の核酸又は請求項27~32のいずれか一項に記載のベクターを含む細胞。
  35. 請求項34に記載の細胞及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  36. IL-2タンパク質の製造方法であって、
    (a)請求項34に記載の細胞を、培地中で前記IL-2タンパク質を発現するのに十分な条件で培養すること、
    (b)前記細胞及び/又は前記培地から前記IL-2タンパク質を回収すること
    を含む方法。
  37. 対象におけるがんの治療方法であって、治療有効量の請求項15、33又は35に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
  38. 前記がんが、癌腫、リンパ腫(例.ホジキン及び非ホジキンリンパ腫)、芽細胞腫、肉腫、白血病、扁平上皮がん、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺腺がん、肺扁平上皮がん、腹膜がん、肝細胞がん、胃がん、膵臓がん、神経膠腫、子宮頚がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、乳がん、結腸がん、大腸がん、子宮内膜若しくは子宮のがん、唾液腺がん、腎臓がん、前立腺がん、外陰がん、甲状腺がん、肝臓がん、他のリンパ増殖性疾患、又は種々の頭頚部がんである、請求項37に記載の方法。
  39. 前記がんが固形腫瘍である、請求項37に記載の方法。
  40. 前記がんが大腸がんである、請求項37に記載の方法。
  41. 前記対象が、電離放射線、化学療法剤、治療用抗体及びチェックポイント阻害薬からなる群から選択される1つ以上の抗がん療法を過去に受けたことがある、請求項37~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記対象が、前記がんに罹患していると特定又は診断されている、請求項37~41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 対象におけるメモリーCD8+T細胞を増加させる方法であって、治療有効量の請求項15、33又は35に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
  44. 対象におけるCD8+T細胞を増加させる方法であって、治療有効量の請求項15、33又は35に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
  45. 対象における固形腫瘍中のTreg細胞を減少させる方法であって、治療有効量の請求項15、33又は35に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
  46. 対象における固形腫瘍の成長速度を減少させる方法であって、治療有効量の請求項15、33又は35に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
  47. 対象における固形腫瘍の体積を減少させる方法であって、治療有効量の請求項15、33又は35に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
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