JP2023529357A - パーソナルケア用途で皮膚軟化剤として使用するための、バイオベース原料からのポリオールエステル - Google Patents

パーソナルケア用途で皮膚軟化剤として使用するための、バイオベース原料からのポリオールエステル Download PDF

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Abstract

エステルポリオールエステルを含むパーソナルケア組成物、エステルポリオールエステル、その製造方法、およびパーソナルケア組成物におけるエステルポリオールエステルの使用について提供するものである。【選択図】なし

Description

本発明は、エステルポリオールエステルを含むパーソナルケア組成物、エステルポリオールエステル化合物、パーソナルケア組成物におけるエステルポリオールエステルの使用、およびエステルポリオールエステルの製造方法に関する。
本明細書中における公開先行文献の記載または議論は、必ずしもその文献が技術水準の一部であること、または一般常識であることを認めるものとして解されるべきではない。
皮膚軟化剤などのパーソナルケア組成物に関連する共通の問題は、皮膚軟化剤の適用後に人の皮膚に持続する望ましくない残留物、特に油状または脂状の残留物である。そのような残留物は、皮膚刺激を引き起こす可能性があり、ユーザーにとって不快である。
エステルポリオールエステルは、特許文献1に記載されているように、ポリオール中の2つ以上のヒドロキシル部分がエステル化されるような1当量を超えるエステルとのポリオールの反応から形成される生成物である。エステルポリオールエステルは、潤滑剤として一般的に使用されており、これまでは有用な皮膚軟化剤としては記載されていない。
米国特許第9,885,006号明細書
本発明者らは、驚くべきことに、エステルポリオールエステルが有効な皮膚軟化剤となるために必要な特性を有することができることを見出した。例えば、エステルポリオールエステルは、肌の潤いを保つが、油状残留物を残さない薄い油膜で人の肌をコーティングすることができる。エステルポリオールエステルはまた、非刺激性で安定であり、再生可能な原料から製造することができる。
従って、本発明は、以下を提供する。
1.式Ia:
Figure 2023529357000002
Ia
(式中、各R1aは、独立して、1~17個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキル鎖であり、
各R2aは、独立して、1つ以上のR1a’C(O)O‐基で置換された2~12個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキル鎖である。)
のエステルポリオールエステル、並びに
式Ib:
Figure 2023529357000003
Ib
(式中、Lは、1~18個の炭素原子を有する直鎖状アルキレン鎖であり、
各R2bは、独立して、1つ以上のR1a”C(O)O‐基で置換された2~12個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル鎖であり、
各R1a’およびR1a”は、独立して、1~17個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキル鎖である。)
のエステルポリオールエステルを含むパーソナルケア組成物。
2.式Iaのエステルポリオールエステルが、式Ic:
Figure 2023529357000004
Ic
(式中、各R1cは、独立して、酢酸、プロパン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、2‐エチルヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖であり、かつ
各R2cは、独立して、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2‐プロパンジオール、ビス(1,2‐プロパンジオール)、2‐メチル‐1,3‐プロパンジオール(2‐MePG)、トリメチロールプロパン(TMP)、ジトリメチロールプロパン(Di‐TMP)、ネオペンチルグリコール(NPG)、ペンタエリトリトール(PE)、ジペンタエリスリトール(diPE)およびソルビトールからなる群から選択される一級ポリオールから一級ヒドロキシル基を除去することによって形成される部分であり、
前記部分は、除去された一級ヒドロキシル基の位置で分子の残りに結合し、前記部分における残りの各ヒドロキシル官能基は、式R1c‐COOHのモノカルボン酸でエステル化される。)
のエステルポリオールエステルである、条項1に記載のパーソナルケア組成物。
3.各R1cが独立して、ヘキサン酸、ノナン酸、2‐エチルヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、およびラウリン酸からなる群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖であり、任意に各R1cが独立してオクタン酸およびデカン酸からなる群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖である、条項2によるパーソナルケア組成物。
4.R1cがオクタン酸のアルキル鎖である、条項3に記載のパーソナルケア組成物。
5.式Ibのエステルポリオールエステルが、式Id:
Figure 2023529357000005
Id
(式中、Lは、2~14個の炭素原子を有する直鎖状アルキレン鎖であり、
各R2dは、独立して、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2‐プロパンジオール、ビス(1,2‐プロパンジオール)、2‐メチル‐1,3‐プロパンジオール(2‐MePG)、トリメチロールプロパン(TMP)、ジトリメチロールプロパン(Di‐TMP)、ネオペンチルグリコール(NPG)、ペンタエリスリトール(PE)、ジペンタエリスリトール(diPE)およびソルビトールから成る群から選択される一級ポリオールから一級ヒドロキシル基を除去することによって形成される部分であり、前記部分は、除去された一級ヒドロキシル基の位置で分子の残りに結合し、前記部分における残りの各ヒドロキシル官能基は、式R1c‐COOHのモノカルボン酸でエステル化され、
各R1cは独立して、酢酸、プロパン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、2‐エチルヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖で、任意に各R1cは独立してオクタン酸およびデカン酸からなる群より選ばれるモノカルボン酸のアルキル鎖である。)
のエステルポリオールエステルである、条項1~4のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
6.Lが4~12の炭素原子を有する直鎖状アルキレン鎖である、条項5に記載のパーソナルケア組成物。
7.LがC直鎖状アルキレン鎖である、条項5に記載のパーソナルケア組成物。
8.R2cおよび/またはR2dが、以下の式:
Figure 2023529357000006
(式中、破線は分子の残りの部分との結合点を表し、各R1cは独立して、酢酸、プロパン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、2‐エチルヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖を表し、任意に各R1cは独立してオクタン酸およびデカン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖を表す。)
を有する部分である、条項2~7のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
9.R2cおよび/またはR2dが、以下の式:
Figure 2023529357000007
(式中、破線は分子の残りの部分との結合点を表し、各R1cは、独立して、酢酸、プロパン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、2‐エチルヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖を表し、任意に各R1cは、独立して、オクタン酸およびデカン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖を表す。)
を有する部分である、条項2~7のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
10.式Iaのエステルポリオールエステルが式IIa:
Figure 2023529357000008
IIa
(式IIa中、各Aは、独立して、直鎖状C5-9アルキル鎖、または直鎖状もしくは分枝状C14-17アルキル鎖を表す。)
のエステルポリオールエステルであり、および/または式Ibのエステルポリオールエステルが式IIb:
Figure 2023529357000009
IIb
(式IIb中、各Aは、独立して、直鎖状C5-9アルキル鎖、または直鎖状もしくは分枝状C14-17アルキル鎖を表し、かつnは、6~10の整数である。)
のエステルポリオールエステルである、条項1に記載のパーソナルケア組成物。
11.式IIaおよび/または式IIb中において、
(i)各Aが独立して、C6-8アルキル基、任意にCアルキル基を表すか、または
(ii)各Aが独立して、パルミチン酸およびステアリン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖、任意にイソステアリン酸またはステアリン酸のアルキル鎖、より任意にイソステアリン酸のアルキル鎖を表す、条項10に記載のパーソナルケア組成物。
12.nが7~9の整数であり、任意にnが8である、条項10または11に記載のパーソナルケア組成物。
13.各AがCアルキル基を表し、かつnが8である、条項10~12のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
14.式Iaのエステルポリオールエステルが式IIc:
Figure 2023529357000010
IIc
(式IIc中、各Aは、独立して、直鎖状C5-9アルキル鎖、または直鎖状もしくは分枝状C14-17アルキル鎖を表す。)
のエステルポリオールエステルであり、および/または式Ibのエステルポリオールエステルが式IId:
Figure 2023529357000011
IId
(式IId中、各Aが独立して、直鎖状のC5-9アルキル鎖、または直鎖状もしくは分枝状のC14-17アルキル鎖を表し;かつnは、6~10の整数である。)
のエステルポリオールエステルである、条項1に従うパーソナルケア組成物。
15.式IIcおよび/または式IId中において
(i)各Aが独立して、C6-8アルキル基、任意にCアルキル基を表すか;または
(ii)各Aが独立して、パルミチン酸およびステアリン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖、任意にイソステアリン酸またはステアリン酸のアルキル鎖、より任意にイソステアリン酸のアルキル鎖を表す、条項13に記載のパーソナルケア組成物。
16.nが7~9の整数であり、任意にnが8である、条項13または14に記載のパーソナルケア組成物。
17.(i)各AがCアルキル基を表し、かつnが8であるか、または
(ii)式IIcの化合物がトリイソステアリン酸トリメチロールプロパンである、条項13~15のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
18.式Ia、Ic、IIaまたはIIcのエステルポリオールエステルおよび式Ib、Id、IIbまたはIIdのエステルポリオールエステルの重量比が、95:5~30:70である、条項1~17のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
19.(a)式Ia、IcまたはIIaのエステルポリオールエステルおよび式Ibのエステルポリオールエステルの重量比が、90:10~80:20であるか、
(b)式Ia、IcまたはIIaのエステルポリオールエステルおよび式Ib、IdまたはIIbのエステルポリオールエステルの重量比が、60:40~70:30であるか、または
(c)式Ia、IcまたはIIaのエステルポリオールエステルおよび式Ib、IdまたはIIbのエステルポリオールエステルの重量比が、40:60~50:50である、条項18に記載のパーソナルケア組成物。
20.式Ia、Ib、Ic、Id、IIa、IIb、IIcまたはIIdのエステルポリオールエステルが、パーソナルケア組成物中に、
式R2a‐OHまたはR2b‐OHのポリオール、
式R1a‐COOHのモノカルボン酸、および
式HOOC‐L‐COOHのジカルボン酸
の間の反応によって生成される比率で存在し、
反応混合物中のモノカルボン酸およびジカルボン酸のモル比が、99.99:0.01~99:1(例えば、約99.97:0.03~約99.7:0.3、例えば約99.95:0.05、約99.875:0.125または約99.78:0.22)であり、かつ
反応混合物中のヒドロキシル基/カルボキシル基の比が、約0.940~約0.955である、条項1~19のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
21.酸価が20mgKOH/g未満の値に達し、かつ水酸基価が5mgKOH/g未満の値に達すると、反応が冷却される、条項20に記載のパーソナルケア組成物。
22.前記反応によって生成された式Ia、Ib、Ic、Id、IIa、IIb、IIcまたはIIdのエステルポリオールエステルの混合物が、20~90cpsの25℃における動的粘度、好ましくは
(a)20~30cps、
(b)35~45cps、または
(c)80~90cps
から選択される25℃における動的粘度を有する、条項20または21によるパーソナルケア組成物。
23.パーソナルケア組成物中の式Ia、Ic、IIaまたはIIcのエステルポリオールエステルおよび式Ib、Id、IIbまたはIIdのエステルポリオールエステルの合計の合わせた質量%が0.5~65重量%、好ましくは0.5~15重量%、例えば0.5~12重量%である、条項1~23のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
24.式Ia、Ib、Ic、Id、IIaまたはIIbのエステルポリオールエステルがバイオベース原料に由来し、任意に、バイオベース原料がパーム酸を含む、条項1、2、5、8および9のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
25.皮膚軟化剤組成物である、条項1~24のいずれか1項に記載のパーソナルケア組成物。
26.任意に、前記エステルポリオールエステルが式Ia、Ic、IIaまたはIIcの第1のエステルポリオールエステルおよび式Ib、Id、IIbまたはIIdの第2のエステルポリオールエステルを含んでなる、パーソナルケア組成物における条項1~25のいずれか1項に記載のエステルポリオールエステルの使用。
27.式IIa:
Figure 2023529357000012
IIa
または式IIc:
Figure 2023529357000013
IIc
(式IIaおよび式IIc中において、各Aは、独立して、C6-8アルキル基を表す。)の化合物。
28.以下の構造:
Figure 2023529357000014
または
Figure 2023529357000015
を有する、条項27に記載の化合物。
29.式IIb:
Figure 2023529357000016
IIb
または式IId:
Figure 2023529357000017
IId
(式IIbおよび式IId中において、各Aは独立してC6-8アルキル基を表し、かつnは6~10の整数である。)
の化合物。
30.以下の構造:
Figure 2023529357000018
または
Figure 2023529357000019
を有する、条項29に記載の化合物。
31.グリセリン、トリメチロールプロパンおよびこれらの組み合わせから成る群から選択されるポリオール、
セバシン酸、および
オクタン酸
を含む反応混合物を調製することを含み、
グリセリンをセバシン酸およびオクタン酸でエステル化する工程を含み、
反応混合物は、カルボキシル基のモル数に対するヒドロキシル基のモル数の比に対応するヒドロキシル基/カルボキシル基比(HCR)を有し、HCRは約1未満であり、
オクタン酸のセバシン酸に対するモル比は、99.99:0.01~99:1(例えば約99.97:0.03~約99.7:0.3、例えば約99.95:0.05、約99.875:0.125、または約99.78:0.22)である、エステルポリオールエステルを製造する方法。
32.反応混合物が、約0.97未満、好ましくは約0.92~約1、より好ましくは約0.92~約0.97、更に好ましくは約0.93~約0.95、更により好ましくは約0.940~約0.955のヒドロキシル/カルボキシル比(HCR)を有する、条項31に従った方法。
33.酸価が20mgKOH/g未満の値に達し、水酸基価が5mgKOH/g未満の値に達すると、反応が冷却される、条項31または32に記載の方法。
34.前記方法によって製造されたエステルポリオールエステルの混合物が、20~90cpsの25℃における動的粘度、好ましくは
(a)20~30cps、
(b)35~45cps、または
(c)80~90cps
から選択される25℃における動的粘度を有する、条項31~33のいずれか1項に記載の方法。
グリセリンおよびカプリル酸から形成されるエステルポリオールエステルの構造を示す図である。 グリセリン、セバシン酸、およびカプリル酸から形成されるエステルポリオールエステルの構造を示す図である。 OECD492を用いて試験された本発明の化合物の毒性データを示す図である。 OECD439を用いて試験された本発明の化合物の毒性データを示す図である。 本開示のいくらかの実施形態は、添付の図面を参照して、以下により十分に説明される。
本発明は、式Ia:
Figure 2023529357000020
Ia
(式中、各R1aは、独立して、1~17個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキル鎖であり、
各R2aは、独立して、1つ以上のR1a’C(O)O‐基で置換された2~12個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキル鎖である。)
のエステルポリオールエステル、並びに
式Ib:
Figure 2023529357000021
Ib
(式中、Lは、1~18個の炭素原子を有する直鎖状アルキレン鎖であり、
各R2bは、独立して、1つ以上のR1a”C(O)O‐基で置換された2~12個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル鎖であり、
各R1a’およびR1a”は、独立して、1~17個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキル鎖である。)
のエステルポリオールエステルを含むパーソナルケア組成物を提供する。
本明細書中の実施形態において、「~を含む(comprising)」の語は、言及された特徴を必要とするが、他の特徴の存在を限定するものではないと解釈され得る。或いは、「~を含む(comprising)」の語は、記載された成分/特徴のみが存在することを意図している状況に関するものであってもよい(例えば、「~を含む(comprising)」の語は、「~からなる(consists of)」または「~から本質的になる(consists essentially of)」というフレーズに置き換えてもよい)。より広い解釈とより狭い解釈の両方が、本発明のすべての態様および実施形態に適用され得ることが明示的に企図される。言い換えれば、「~を含む(comprising)」の語およびその同義語は、フレーズ「~からなる(consists of)」または「~から本質的になる(consists essentially of)」或いはその同義語に置き換えられてもよく、その逆もまた然りである。
本明細書の実施形態において、用語「エステルポリオールエステル」は、ポリオール中の少なくとも2つのヒドロキシル基のエステル化から形成される化合物を意味する。本発明の実施形態において、エステルポリオールエステルは、ポリオールヒドロキシル基の少なくとも90%のエステル化、例えば、ポリオールヒドロキシル基の少なくとも95%、少なくとも99%、約100%のエステル化などの少なくとも99.5%のエステル化を有する。本明細書中において、「ポリオールエステル」という用語は、「エステルポリオールエステル」と互換的に(または交換可能に;interchangeably)使用することができる。
本明細書の実施形態において、用語「アルキル」は、式‐C2n+1の一価の基を意味する。アルキル基は、直鎖状であっても分枝状であってもよい。本発明のいくつかの実施形態では、アルキル基は直鎖状であってもよい。本発明の他の実施形態では、アルキル基は、分枝状であってもよい。
本明細書の実施形態において、用語「アルキレン」は、式‐C2n‐の二価の基を意味する。アルキレン基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。本発明のいくつかの実施形態において、アルキレン基は、典型的には直鎖状である。
用語「配合物」および「組成物」は、本明細書中において互換的に使用され得る。
本発明のいくつかの実施形態において、式Iaのエステルポリオールエステルは、式Ic:
Figure 2023529357000022
Ic
(式中、各R1cは、独立して、酢酸、プロパン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、2‐エチルヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖であり、かつ
各R2cは、独立して、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2‐プロパンジオール、ビス(1,2‐プロパンジオール)、2‐メチル‐1,3‐プロパンジオール(2‐MePG)、トリメチロールプロパン(TMP)、ジトリメチロールプロパン(Di‐TMP)、ネオペンチルグリコール(NPG)、ペンタエリトリトール(PE)、ジペンタエリスリトール(diPE)およびソルビトールからなる群から選択される一級ポリオールから一級ヒドロキシル基を除去することによって形成される部分であり、
前記部分は、除去された一級ヒドロキシル基の位置で分子の残りに結合し、前記部分における残りの各ヒドロキシル官能基は、式R1c‐COOHのモノカルボン酸でエステル化される。)
のエステルポリオールエステルであってもよい。
これらの実施形態のいくつかの態様において、各R1cは独立して、ヘキサン酸、ノナン酸、2‐エチルヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、およびラウリン酸からなる群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖であってもよい。これらの実施形態の特定の態様において、各R1cは独立して、オクタン酸およびデカン酸からなる群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖であってもよい。例えば、R1cは、オクタン酸のアルキル鎖であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態では、式Ibのエステルポリオールエステルは、式Id:
Figure 2023529357000023
Id
(式中、Lは、2~14個の炭素原子を有する直鎖状アルキレン鎖であり、
各R2dは、独立して、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2‐プロパンジオール、ビス(1,2‐プロパンジオール)、2‐メチル‐1,3‐プロパンジオール(2‐MePG)、トリメチロールプロパン(TMP)、ジトリメチロールプロパン(Di‐TMP)、ネオペンチルグリコール(NPG)、ペンタエリスリトール(PE)、ジペンタエリスリトール(diPE)およびソルビトールから成る群から選択される一級ポリオールから一級ヒドロキシル基を除去することによって形成される部分であり、前記部分は、除去された一級ヒドロキシル基の位置で分子の残りに結合し、前記部分における残りの各ヒドロキシル官能基は、式R1c‐COOHのモノカルボン酸でエステル化され、
各R1cは独立して、酢酸、プロパン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、2‐エチルヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖である。これらの実施形態のいくつかの態様において、各R1cは独立してオクタン酸およびデカン酸からなる群より選ばれるモノカルボン酸のアルキル鎖であってもよい。)
のエステルポリオールエステルであってもよい。
これらの実施形態のいくつかの態様において、Lは、4~12個の炭素原子を有する直鎖状アルキレン鎖、例えばC直鎖状アルキレン鎖であってもよい。
本発明の上記実施形態のいくつかの態様において、R2cおよび/またはR2dは、以下の式:
Figure 2023529357000024
(式中、破線は分子の残りの部分との結合点を表し、各R1cは独立して、酢酸、プロパン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、2‐エチルヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖を表す。これらの実施形態のいくつかの態様において、各R1cは独立してオクタン酸およびデカン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖であってもよい。)
を有する部分であってもよい。
本発明の上記実施形態のいくつかの他の態様において、R2cおよび/またはR2dは、以下の式:
Figure 2023529357000025
(式中、破線は分子の残りの部分との結合点を表し、各R1cは、独立して、酢酸、プロパン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、2‐エチルヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖を表す。これらの実施形態のいくつかの態様において、各R1cは、独立して、オクタン酸およびデカン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖であってもよい。)
を有する部分であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態において、式Iaのエステルポリオールエステルは、式IIa:
Figure 2023529357000026
IIa
(式IIa中、各Aは、独立して、直鎖状C5-9アルキル鎖、または直鎖状もしくは分枝状C14-17アルキル鎖を表す。)
のエステルポリオールエステルであってもよく、および/または式Ibのエステルポリオールエステルが式IIb:
Figure 2023529357000027
IIb
(式IIb中、各Aは、独立して、直鎖状C5-9アルキル鎖、または直鎖状もしくは分枝状C14-17アルキル鎖を表し、かつnは、6~10の整数である。)
のエステルポリオールエステルである。
これらの実施形態のいくつかの態様において、各Aは、独立して、直鎖状C5-9アルキル基、例えば、直鎖状C6-8アルキル基、例えば、直鎖状Cアルキル基を表してもよい。これらの実施形態のいくつかの態様において、nは7~9の整数、例えば8である。これらの実施形態の特定の態様において、各AはCアルキル基を表し、nは8である。本明細書中に言及され得る式IIbの化合物の特定の例は、カプリロイルグリセリン/セバシン酸コポリマーである。
他の態様において、各Aは、独立して、直鎖状または分枝状のC14-17アルキル鎖、任意にパルミチン酸およびステアリン酸からなる群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖、より任意にイソステアリン酸またはステアリン酸のアルキル鎖、更に任意にイソステアリン酸のアルキル鎖を表してもよい。これらの態様において、nは6~10の整数であり、任意に7~9の整数、例えば8である。
本発明のいくつかの実施形態では、式Iaのエステルポリオールエステルは、式IIc:
Figure 2023529357000028
IIc
(式IIc中、各Aは、独立して、直鎖状C5-9アルキル鎖、または直鎖状もしくは分枝状C14-17アルキル鎖を表す。)
のエステルポリオールエステルであってもよく、および/または式Ibのエステルポリオールエステルは、式IId:
Figure 2023529357000029
IId
(式IId中、各Aが独立して、直鎖状のC5-9アルキル鎖、または直鎖状もしくは分枝状のC14-17アルキル鎖を表し;かつnは、6~10の整数である。)
のエステルポリオールエステルであってもよい。
これらの実施形態のいくつかの態様において、各Aは、独立して、直鎖状C5-9アルキル鎖、例えば、直鎖状C6-8アルキル基、例えば、直鎖状Cアルキル基を表してもよい。これらの実施形態のいくつかの態様において、nは7~9の整数、例えば8である。これらの実施形態の特定の態様において、各AがCアルキル基を表し、nは8である。
他の態様において、各Aは、独立して、直鎖状または分岐状のC14-17アルキル鎖、任意にパルミチン酸およびステアリン酸からなる群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖、より任意にイソステアリン酸またはステアリン酸のアルキル鎖、更に任意にイソステアリン酸のアルキル鎖を表してもよい。これらの態様において、nは6~10の整数であり、任意に7~9の整数、例えば8である。本明細書中で言及され得る式IIcの化合物の特定の例は、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンである。
式Ia、Ic、IIaまたはIIcのエステルポリオールエステルと、式Ib、Id、IIbまたはIIdのエステルポリオールエステルとの重量比は、95:5~30:70であってもよい。特定の重量比は、エステルポリオールエステルの混合物の特性、例えば粘度および表面張力に影響を与える。エステルポリオールエステルの上記比は、パーソナルケア組成物に所望の物理的特性を提供するために変化させてもよく、これはパーソナルケア組成物の種類に依存する。例えば、当業者には理解されるように、ヘアワックスに要求される物理的特性は、保湿クリームに要求される物理的特性と異なる。
本発明において有用であり得るエステルポリオールエステルの特定の重量比は、以下の通り提示される。
(a)式Ia、IcまたはIIaのエステルポリオールエステルと、式Ib、IdまたはIIbのエステルポリオールエステルとの重量比は、90:10~80:20である。
(b)式Ia、IcまたはIIaのエステルポリオールエステルと、式Ib、IdまたはIIbのエステルポリオールエステルとの重量比は、60:40~70:30である。
(c)式Ia、IcまたはIIaのエステルポリオールエステルと式Ib、IdまたはIIbのエステルポリオールエステルの重量比は、40:60から50:50である。
典型的には、パーソナルケア組成物中のエステルポリオールエステルの上記比は、それらが製造方法中に製造される比に対応する。反応によって生成される式Ia、Ic、IIaまたはIIcのエステルポリオールエステルと式Ib、Id、IIbまたはIIdのエステルポリオールエステルの上記比は、反応混合物中のモノカルボン酸(例えばオクタン酸)のジカルボン酸(例えばセバシン酸)の比に依存する。ジカルボン酸の量が多いほど、式Ib、Id、IIbまたはIIdのエステルポリオールエステルの割合が多くなる。ジカルボン酸の存在は、皮膚軟化剤において望ましくないオリゴマー(および十分に多くの量で存在する場合はポリマー)の形成をもたらし得るので、ジカルボン酸の濃度は典型的には低く保たれる。例えば、反応混合物中のモノカルボン酸のジカルボン酸に対するモル比は、典型的には99.99:0.01~99:1(例えば、約99.97:0.03~約99.7:0.3)である。本明細書中で言及され得る特定のモル比には、約99.95:0.05、約99.875:0.125、および約99.78:0.22が含まれる。
従って、本発明のいくつかの実施形態において、式Ia、Ib、Ic、Id、IIa、IIb、IIcまたはIIdのエステルポリオールエステルは、パーソナルケア組成物中に、
式R2a‐OHまたはR2b‐OHのポリオール、
式R1a‐COOHのモノカルボン酸、および
式HOOC‐L‐COOHのジカルボン酸
の間の反応によって生成される比率で存在し、
反応混合物中のモノカルボン酸およびジカルボン酸のモル比が、99.99:0.01~99:1(例えば、約99.97:0.03~約99.7:0.3、例えば約99.95:0.05、約99.875:0.125または約99.78:0.22)であり、かつ
反応混合物中のヒドロキシル基/カルボキシル基の比が、約0.940~約0.955である。
本発明のいくつかの実施形態では、酸価が20mgKOH/g未満の値に達し、水酸基価が5mgKOH/g未満の値に達すると、エステルポリオールエステルを生成する反応が冷却(または急冷もしくは停止;quench)される。これにより、遊離の酸およびヒドロキシル基の量が少なくなると反応を停止させる効果があり、反応はほとんど完了している。これにより、望ましくない副生成物の形成を低減するのに役立つ。
反応によって生成されるエステルポリオールエステルの混合物は、動的粘度を有する。これは、パーソナルケア組成物が人の肌にどのように感じるかに影響を与える重要な特性であり、反応混合物中の炭素鎖長および一塩基酸(mono-acid)/二塩基酸(di-acid)の比を変えることによって調整することができる。本発明のいくつかの実施形態において、前記反応によって生成される式Ia、Ib、Ic、Id、IIa、IIb、IIcまたはIIdのエステルポリオールエステルは、20~90cpsの25℃の動的粘度を有する。本明細書中で言及され得る25℃における特定の動的粘度には、20~30cps;35~45cps;および80~90cpsが含まれる。
パーソナルケア組成物中のエステルポリオールエステルの量は、パーソナルケア組成物の意図された用途に依存する。本明細書中において、「エステルポリオールエステルの量」は、組成物中の式Ia、Ib、Ic、Id、IIa、IIb、IIcおよびIIdのエステルポリオールエステルの合計量を意味する。典型的には、パーソナルケア組成物中のエステルポリオールエステルの量は、0.5~65重量%であってもよい。本明細書中で言及され得る本発明のいくつかの実施形態では、パーソナルケア組成物中のエステルポリオールエステルの量は、約0.5~約15重量%、例えば、0.5~12重量%であってもよい。本発明による特定のパーソナルケア組成物は、以下の実施例において説明される。
本明細書中で述べたように、本発明の優位点は、エステルポリオールエステルが様々な供給源から製造され得ることである。例えば、それらは、再生可能なバイオベース原料から製造されてもよい。また、それらは、合成または非バイオベース原料から製造されてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、特に長鎖の酸が所望される場合、エステルポリオールエステルは、パーム油から誘導され得るパーム酸を含むバイオベースの原料から形成されてもよい。
本発明のパーソナルケア組成物は、エステルポリオールエステルが有用であり得る如何なるパーソナルケア組成物であってもよい。例えば、パーソナルケア組成物は、ヘアケア組成物またはスキンケア組成物、特に皮膚軟化剤組成物(または柔軟化粧水組成物;emollient composition)であってもよい。ヘアケア組成物の例には、ヘアマスク、ヘアワックス、シャンプー、およびヘアコンディショナーが含まれる。スキンケア組成物の例には、ボディソープ(またはボディウォッシュ)、スキンローションまたはボディローション、およびボディミルクが含まれる。本発明のパーソナルケア組成物のいずれも、健康な大人の肌、赤ちゃんの肌、またはその他の敏感肌に対して最適化してもよい。特に、ボディソープ、スキンローションまたはボディローション、シャンプーおよびボディミルクは、赤ちゃんの肌またはユーザーの顔などの他の敏感肌に対して望ましいように最適化されてもよい。当業者であれば、いくつかのパーソナルケア組成物は、1つ以上の使用に好適であってもよく、ヘアケア組成物およびスキンケア組成物の両方として機能してもよく、ヘアケア組成物またはスキンケア組成物のクラス内で二重機能性を有することが理解される。二重機能性パーソナルケア組成物の例には、組み合わせたヘアおよびボディソープ、並びに「2イン1」のシャンプーおよびコンディショナーを組み合わせた組成物が含まれる。
誤解を避けるために、本明細書中において任意の数値範囲が使用される場合、任意の関連する範囲の高い値および低い値を組み合わせて新しい範囲を提供してもよく、これらは全て本明細書中において具体的に企図されたものである。例えば、パーソナルケア組成物に使用されるエステルポリオールエステルは、以下の範囲:
20~90cps、20~80cps、20~45cps、20~35cps、20~30cps;
30~90cps、30~80cps、30~45cps、30~35cps;
35~90cps、35~80cps、35~45cps;
45cps~90cps、45cps~80cps;
80cps~90cps
のいずれか1つから選択される25℃での動的粘度を有していてもよい。
本発明はまた、パーソナルケア組成物における、本明細書中に開示されるようなエステルポリオールエステルの使用も提供する。この使用は、式Ia、Ic、IIaまたはIIcの第1のエステルポリオールエステルおよび式Ib、Id、IIbまたはIIdの第2のエステルポリオールエステルの使用を含んでいてもよい。
本発明はまた、式IIa、IIb、IIcおよびIIdのいくらかの化合物を提供する。特に、本発明は、式IIa:
Figure 2023529357000030
IIa
または式IIc:
Figure 2023529357000031
IIc
(式中、各Aは独立して、C6-8アルキル基を表す。)
の化合物を提供する。
本発明のいくつかの実施形態では、式IIaの化合物は、以下の式:
Figure 2023529357000032
を有してもよい。
本発明のいくつかの実施形態では、式IIcの化合物は、以下の式:
Figure 2023529357000033
を有してもよい。
本発明は、式IIb:
Figure 2023529357000034
IIb
または式IId:
Figure 2023529357000035
IId
(式中、各Aは独立してC6-8アルキル基を表し、かつnは6~10の整数である。)
の化合物を提供する。
本発明のいくつかの実施形態では、式IIbの化合物は、以下の構造:
Figure 2023529357000036
を有する。
本発明のいくつかの実施形態において、式IIdの化合物は、以下の構造:
Figure 2023529357000037
を有する。
本発明はまた、エステルポリオールエステル(例えば、上記式IIa~IIdのエステルポリオールエステル)を製造する方法を提供し、上記方法は、
グリセリン、トリメチロールプロパンおよびこれらの組み合わせから成る群から選択されるポリオール、
セバシン酸、および
オクタン酸
を含む反応混合物を調製することを含み、
上記方法は、グリセリンをセバシン酸およびオクタン酸でエステル化する工程を含み、
上記反応混合物は、カルボキシル基のモル数に対するヒドロキシル基のモル数の比に対応するヒドロキシル基/カルボキシル基比(HCR)を有し、HCRは約1未満であり、
オクタン酸のセバシン酸に対するモル比は、99.99:0.01~99:1(例えば約99.97:0.03~約99.7:0.3、例えば約99.95:0.05、約99.875:0.125、または約99.78:0.22)である。
上記オクタン酸のセバシン酸に対するモル比は、約99.97:0.03~約99.7:0.3、例えば約99.95:0.05、約99.875:0.125、または約99.78:0.22であってもよい。酸価が20mgKOH/g未満の値に達し、水酸基価が5mgKOH/g未満の値に達すると、上記反応は停止されてもよい。典型的には、上記反応によって生成されるエステルポリオールエステルの混合物は、20~90cpsの25℃における動的粘度を有していてもよい。例えば、上記反応によって生成されるエステルポリオールエステルの混合物は、20~30cps、35~45cps、または80~90cpsの25℃における動的粘度を有していてもよい。
当業者には理解されるように、本発明のパーソナルケア組成物に有用な他のエステルポリオールエステルは、前述の方法に対応する方法によって製造されてもよい。エステルポリオールエステルを製造するための他の方法は、米国特許第9,885,006号明細書および以下の実施例に記載されている。
本発明で使用されるエステルポリオールエステルは、向上された感覚特性(または官能特性;sensory characteristics)を有するパーソナルケア組成物を提供することができる。例えば、エステルポリオールエステルは、多くの既知の皮膚軟化剤よりも流動性があり、これにより、肌への刺激性がより低くなる、油分を抑えた軽い肌触りを提供する。また、エステルポリオールエステルは安定性が高く、パーソナルケア組成物の酸化安定性を向上させ、組成物に酸化防止剤を添加する必要がなく、長期間の保存に適したものとする。
グリセリンおよびTMPなどのポリオールから形成されるエステルポリオールエステルは高度に分岐しているため、分岐していないエステルポリオールエステルよりも粘度が低い高分子量の生成物を製造することができる。これにより、得られる組成物の展延性が改善され、前述した特性を提供する。エステルポリオールエステルはまた、より高い屈折率を有してもよく、その結果、ヘアケア製品において特に望ましい、より高い輝きをもたらす。
以下の実施例は、本発明を説明するものであり、限定的に解釈されるものではない。
材料および方法
セバシン酸は、Megachem社から購入し、純度は99.5%であった。カプリル酸は、KLK Oleochemicals社から購入し、純度は99%であった。グリセリンは、KLK Oleochemicals社からから購入し、純度は99.7%であった。
酸価はASTM D664に従って決定した。
実施例1:ポリオールエステルの合成のための反応手順
ポリオール、一塩基酸、二塩基酸、および酸化スズ触媒(以下の表1aおよび表1bに規定された量)を、酸素および湿気から保護された反応器内で混合した。反応装置は、オーバーヘッドスターラー、ブランケット用窒素ガスの入口、ディーンスターク装置を取り付けたコンデンサー、および熱電対/温度コントローラを備えた4つ口の丸底フラスコを含む。得られた混合物は、最初に115℃で均質化し、その後、内容物をサンプリングして酸価を決定した。反応器温度は115℃、180℃と段階的に上昇し、最終的に最高反応温度である210℃まで上昇させた。反応により水が発生したが、昇温により除去され、コンデンサーにより凝縮された。凝縮による水の生成速度が遅くなり、オーバーヘッド温度を下げたところで、反応器に窒素を0.2L/分の速度でスパージ(sparge)して水の除去を促進させた。酸価が20mgKOH/gに達するまで反応を進行させた。未反応の脂肪酸および触媒を、米国特許第9,885,006号明細書に記載されているように、アルカリ処理および白土処理(clay treatment)によって除去した。簡単に言えば、未反応の酸は、所望の酸価を達成するのに必要な最小量の最も弱い強度のアルカリ性材料によって除去された。残留触媒は、優れた吸着特性をもたらす高い表面積を有するモンモリロナイト粘土吸着剤を用いて除去された。エステルポリオールエステルの合成されたままの混合物に、表1aおよび表1bで特定される参照番号を割り当てた。PE25、PE50およびPE100は、図1および図2に示す2つの化合物を含む。EM25およびEM44は、Cの一塩基酸および二塩基酸であるアゼライン酸およびペラルゴン酸から形成される類似の化合物を含む。
グリセリンエステルポリオールエステルの調製に使用した各試薬の量を、以下の表1aに示す。
Figure 2023529357000038
トリメチロールプロパンから作製される対応するエステルは、以下の表1bに示す出発物質を用いて、同等の方法で製造した。
Figure 2023529357000039
実施例2:エステルポリオールエステルの物理的および化学的特性
表2に示すように、特定された規格および社内法を用いて、上記ポリオールエステルの基本的な物理的分析および化学的分析を実施した。分析結果は、表3以降に示した。
Figure 2023529357000040
Figure 2023529357000041
表面張力
合成したポリオールエステルと空気との間に働く弾性的な力(表面張力)を、Du Nouey Ring試験法を用いて測定した。この試験は、液体中にリングを通すのに必要な力が、液体の表面張力に関係するという原理に基づいている。簡単に説明すると、トルク計(またはトーションメータ:torsion meter)に取り付けたリングを合成したままのポリオールエステルの中に浸漬した。その後、リングを上記ポリオールエステルから引き抜き、液膜が引き裂かれる直前のリングにかかる力を測定した。そして、リングの直径と引き裂く力から、表面張力を算出した。その結果を表4に記録する。
表面張力は、材料の濡れ性に強い影響を与え、また、材料の展延性とも相関がある。一般的に、表面張力が低い皮膚軟化剤は、速い展延挙動を示し、その逆もまた然りである。このことは、PE50やPE100と比較して、表面張力の測定値が低く、展延が速いPE25によって示されている。
Figure 2023529357000042
TGA
反応物およびグレードの異なるポリオールエステル(PE25、PE50、PE100)の分解温度は、熱重量分析装置(TGA)を用いて測定した。TGAは、温度の上昇に伴う試料の質量変化を測定する熱分析方法である。
反応物であるカプリル酸とグリセリンについては、表5に示す温度範囲内において、99重量%以上の試料が分解された。しかしながら、セバシン酸については、95.24重量%の試料だけしか分解されず、分解温度も試験された他の原料より高かった。これは、他の反応物が液体の形態であるのに対し、セバシン酸が固体として存在する物理的な状態に起因するものである。すべての反応物の沸点は、その分解温度よりも高いことがわかった。
Figure 2023529357000043
また、ポリオールエステル試料PE25、PE50、PE100についても分析を行った。分解温度範囲が2つあることから、各試料に2つの異なるオリゴマー構造体が存在することがわかる。両試料の分解温度範囲はほぼ同じであり、両試料中のオリゴマーが同じ分子構造を有することを示唆している。一般的に、分解温度が高いほど、オリゴマーの分子量は高くなる。表6の結果から、PE100はPE25およびPE50と比較して、より高い分子量を有するオリゴマーを含む割合が高い(54.80重量%)ことがわかる。
Figure 2023529357000044
展延性
ポリオールエステル試料の展延性は、以下の方法で測定した。25℃において、無灰紙(Whatman濾紙)の平坦な水平面に、試料を1滴(20μL)塗布した。液状の皮膚軟化剤試料を10分間放置して展延させた(spread)。10分後、濡れ面積を測定し、その結果を表7に示す。
PE25は、10分間で最も大きい展延面積を記録し、次いでPE50およびPE100であった。PE50およびPE100がそれぞれ「中位」と「低い」展延性であるのに対して、PE25は「速い」展延性を示した。目視では、PE25は、PE50およびPE100よりも粘度が低いように見えた。
Figure 2023529357000045
誘導結合プラズマ-発光分光分析(ICP‐OES)
ICP‐OES(Perkin Elmer Optima DV 5300)を用いて、ポリオールエステル中の金属含有量を測定した。装置、規格および試料の準備は、標準操作手順書APHA 3120Bに従った。結果を表3に示す。
エステル化反応時に触媒として使用される錫の含有量が、全3試料とも1mg/kg未満であることから、精製工程での白土処理の有効性が確認された。
Figure 2023529357000046
毒性試験
ポリオールエステルEM25およびEM44の毒性は、以下に示す試験方法により評価した。結果を図3および図4に示す。OECD492では、平均組織生存率が60%以上であれば分類されず、非刺激性化合物を示し、組織生存率の平均値が60%未満であれば分類(カテゴリー1またはカテゴリー2)され、刺激性化合物を示す。OECD439では、平均組織生存率が50%以上であれば、分類されず、非刺激性化合物を示し、組織生存率の平均値が50%未満であれば、分類(カテゴリー1またはカテゴリー2)され、刺激性化合物を示す。
1.In Vitro Eye Irritation:OECD 492
2.Skin Irritation Test:OECD TG439
図3および図4の結果によって明らかなように、EM25およびEM44の両方は、OECD492およびOECD TG439の両方に従って、非刺激性化合物である。
実施例3:パーソナルケア配合物の例
ヘアケア配合物
Figure 2023529357000047
Figure 2023529357000048
Figure 2023529357000049
Figure 2023529357000050
ボディケア配合物
Figure 2023529357000051
Figure 2023529357000052
ボディケア配合物
Figure 2023529357000053
Figure 2023529357000054
Figure 2023529357000055
実施例4:公知の皮膚軟化剤との各種化学的特性の比較
Figure 2023529357000056
エステルポリオールエステルEM25およびEM44は、その分子量に対して、粘度、展延性および屈折率が改善されている。その結果、感覚特性が改善され、つやが有利に向上する。

Claims (34)

  1. 式Ia:
    Figure 2023529357000057
    Ia
    (式中、各R1aは、独立して、1~17個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキル鎖であり、
    各R2aは、独立して、1つ以上のR1a’C(O)O‐基で置換された2~12個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキル鎖である。)
    のエステルポリオールエステル、並びに
    式Ib:
    Figure 2023529357000058
    Ib
    (式中、Lは、1~18個の炭素原子を有する直鎖状アルキレン鎖であり、
    各R2bは、独立して、1つ以上のR1a”C(O)O‐基で置換された2~12個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル鎖であり、
    各R1a’およびR1a”は、独立して、1~17個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキル鎖である。)
    のエステルポリオールエステルを含むパーソナルケア組成物。
  2. 式Iaのエステルポリオールエステルが、式Ic:
    Figure 2023529357000059
    Ic
    (式中、各R1cは、独立して、酢酸、プロパン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、2‐エチルヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖であり、かつ
    各R2cは、独立して、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2‐プロパンジオール、ビス(1,2‐プロパンジオール)、2‐メチル‐1,3‐プロパンジオール(2‐MePG)、トリメチロールプロパン(TMP)、ジトリメチロールプロパン(Di‐TMP)、ネオペンチルグリコール(NPG)、ペンタエリトリトール(PE)、ジペンタエリスリトール(diPE)およびソルビトールからなる群から選択される一級ポリオールから一級ヒドロキシル基を除去することによって形成される部分であり、
    前記部分は、除去された一級ヒドロキシル基の位置で分子の残りに結合し、前記部分における残りの各ヒドロキシル官能基は、式R1c‐COOHのモノカルボン酸でエステル化される。)
    のエステルポリオールエステルである、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
  3. 各R1cが独立して、ヘキサン酸、ノナン酸、2‐エチルヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、およびラウリン酸からなる群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖であり、任意に各R1cが独立してオクタン酸およびデカン酸からなる群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖である、請求項2に記載のパーソナルケア組成物。
  4. 1cがオクタン酸のアルキル鎖である、請求項3に記載のパーソナルケア組成物。
  5. 式Ibのエステルポリオールエステルが、式Id:
    Figure 2023529357000060
    Id
    (式中、Lは、2~14個の炭素原子を有する直鎖状アルキレン鎖であり、
    各R2dは、独立して、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2‐プロパンジオール、ビス(1,2‐プロパンジオール)、2‐メチル‐1,3‐プロパンジオール(2‐MePG)、トリメチロールプロパン(TMP)、ジトリメチロールプロパン(Di‐TMP)、ネオペンチルグリコール(NPG)、ペンタエリスリトール(PE)、ジペンタエリスリトール(diPE)およびソルビトールから成る群から選択される一級ポリオールから一級ヒドロキシル基を除去することによって形成される部分であり、前記部分は、除去された一級ヒドロキシル基の位置で分子の残りに結合し、前記部分における残りの各ヒドロキシル官能基は、式R1c‐COOHのモノカルボン酸でエステル化され、
    各R1cは独立して、酢酸、プロパン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、2‐エチルヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖で、任意に各R1cは独立してオクタン酸およびデカン酸からなる群より選ばれるモノカルボン酸のアルキル鎖である。)
    のエステルポリオールエステルである、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
  6. Lが4~12個の炭素原子を有する直鎖状アルキレン鎖である、請求項5に記載のパーソナルケア組成物。
  7. LがC直鎖状アルキレン鎖である、請求項5に記載のパーソナルケア組成物。
  8. 2cが、以下の式:
    Figure 2023529357000061
    (式中、破線は分子の残りの部分との結合点を表し、各R1cは独立して、酢酸、プロパン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、2‐エチルヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖を表し、任意に各R1cは独立してオクタン酸およびデカン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖である。)
    を有する部分である、請求項2に記載のパーソナルケア組成物。
  9. 2cが、以下の式:
    Figure 2023529357000062
    (式中、破線は分子の残りの部分との結合点を表し、各R1cは、独立して、酢酸、プロパン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、2‐エチルヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖を表し、任意に各R1cは、独立して、オクタン酸およびデカン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖である。)
    を有する部分である、請求項2に記載のパーソナルケア組成物。
  10. 式Iaのエステルポリオールエステルが式IIa:
    Figure 2023529357000063
    IIa
    (式IIa中、各Aは、独立して、直鎖状C5-9アルキル鎖、または直鎖状もしくは分枝状C14-17アルキル鎖を表す。)
    のエステルポリオールエステルであり、および/または式Ibのエステルポリオールエステルが式IIb:
    Figure 2023529357000064
    IIb
    (式IIb中、各Aは、独立して、直鎖状C5-9アルキル鎖、または直鎖状もしくは分枝状C14-17アルキル鎖を表し、かつnは、6~10の整数である。)
    のエステルポリオールエステルである、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
  11. 式IIaおよび/または式IIb中において、
    (i)各Aが独立して、C6-8アルキル基、任意にCアルキル基を表すか、または
    (ii)各Aが独立して、パルミチン酸およびステアリン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖、任意にイソステアリン酸またはステアリン酸のアルキル鎖、より任意にイソステアリン酸のアルキル鎖を表す、請求項10に記載のパーソナルケア組成物。
  12. nが7~9の整数であり、任意にnが8である、請求項10に記載のパーソナルケア組成物。
  13. 各AがCアルキル基を表し、かつnが8である、請求項10に記載のパーソナルケア組成物。
  14. 式Iaのエステルポリオールエステルが式IIc:
    Figure 2023529357000065
    IIc
    (式IIc中、各Aは、独立して、直鎖状C5-9アルキル鎖、または直鎖状もしくは分枝状C14-17アルキル鎖を表す。)
    のエステルポリオールエステルであり、および/または式Ibのエステルポリオールエステルが式IId:
    Figure 2023529357000066
    IId
    (式IId中、各Aが独立して、直鎖状のC5-9アルキル鎖、または直鎖状もしくは分枝状のC14-17アルキル鎖を表し;かつnは、6~10の整数である。)
    のエステルポリオールエステルである、請求項1記載のパーソナルケア組成物。
  15. 式IIcおよび/または式IId中において
    (i)各Aが独立して、C6-8アルキル基、任意にCアルキル基を表すか;または
    (ii)各Aが独立して、パルミチン酸およびステアリン酸から成る群から選択されるモノカルボン酸のアルキル鎖、任意にイソステアリン酸またはステアリン酸のアルキル鎖、より任意にイソステアリン酸のアルキル鎖を表す、請求項14に記載のパーソナルケア組成物。
  16. nが7~9の整数であり、任意にnが8である、請求項14に記載のパーソナルケア組成物。
  17. (i)各AがCアルキル基を表し、かつnが8であるか、または
    (ii)式IIcの化合物がトリイソステアリン酸トリメチロールプロパンである、請求項14に記載のパーソナルケア組成物。
  18. 式Iaのエステルポリオールエステルおよび式Ibのエステルポリオールエステルの重量比が、95:5~30:70である、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
  19. (a)式Iaのエステルポリオールエステルおよび式Ibのエステルポリオールエステルの重量比が、90:10~80:20であるか、
    (b)式Iaのエステルポリオールエステルおよび式Ibのエステルポリオールエステルの重量比が、60:40~70:30であるか、または
    (c)式Iaのエステルポリオールエステルおよび式Ibのエステルポリオールエステルの重量比が、40:60~50:50である、請求項18に記載のパーソナルケア組成物。
  20. 式IaまたはIbのエステルポリオールエステルが、パーソナルケア組成物中に、
    式R2a‐OHまたはR2b‐OHのポリオール、
    式R1a‐COOHのモノカルボン酸、および
    式HOOC‐L‐COOHのジカルボン酸
    の間の反応によって生成される比率で存在し、
    反応混合物中のモノカルボン酸およびジカルボン酸のモル比が、99.99:0.01~99:1(例えば、約99.97:0.03~約99.7:0.3、例えば約99.95:0.05、約99.875:0.125または約99.78:0.22)であり、かつ
    反応混合物中のヒドロキシル基/カルボキシル基の比が、約0.940~約0.955である、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
  21. 酸価が20mgKOH/g未満の値に達し、水酸基価が5mgKOH/g未満の値に達すると、反応が冷却される、請求項20に記載のパーソナルケア組成物。
  22. 前記反応によって生成される式IaまたはIbのエステルポリオールエステルの混合物が、20~90cpsの25℃における動的粘度、好ましくは
    (a)20~30cps、
    (b)35~45cps、または
    (c)80~90cps
    から選択される25℃における動的粘度を有する、請求項20に記載のパーソナルケア組成物。
  23. パーソナルケア組成物中の式Iaのエステルポリオールエステルおよび式Ibのエステルポリオールエステルの合計の合わせた質量%が、0.5~65重量%、好ましくは0.5~15重量%、例えば0.5~12重量%である、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
  24. 式IaまたはIbのエステルポリオールエステルがバイオベース原料に由来し、任意に、バイオベース原料がパーム酸を含む、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
  25. 皮膚軟化剤組成物である、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
  26. 任意に、前記エステルポリオールエステルが式Iaの第1のエステルポリオールエステルおよび式Ibの第2のエステルポリオールエステルを含んでなる、パーソナルケア組成物における請求項1に記載のエステルポリオールエステルの使用。
  27. 式IIa:
    Figure 2023529357000067
    IIa
    または式IIc:
    Figure 2023529357000068
    IIc
    (式IIaおよび式IIc中において、各Aは、独立して、C6-8アルキル基を表す。)の化合物。
  28. 以下の構造:
    Figure 2023529357000069
    または
    Figure 2023529357000070
    を有する、請求項27に記載の化合物。
  29. 式IIb:
    Figure 2023529357000071
    IIb
    または式IId:
    Figure 2023529357000072
    IId
    (式IIbおよび式IId中において、各Aは独立してC6-8アルキル基を表し、かつnは6~10の整数である。)
    の化合物。
  30. 以下の構造:
    Figure 2023529357000073
    または
    Figure 2023529357000074
    を有する、請求項29に記載の化合物。
  31. グリセリン、トリメチロールプロパンおよびこれらの組み合わせから成る群から選択されるポリオール、
    セバシン酸、および
    オクタン酸
    を含む反応混合物を調製することを含み、
    グリセリンをセバシン酸およびオクタン酸でエステル化する工程を含み、
    反応混合物は、カルボキシル基のモル数に対するヒドロキシル基のモル数の比に対応するヒドロキシル基/カルボキシル基比(HCR)を有し、HCRは約1未満であり、
    オクタン酸のセバシン酸に対するモル比は、99.99:0.01~99:1(例えば約99.97:0.03~約99.7:0.3、例えば約99.95:0.05、約99.875:0.125、または約99.78:0.22)である、エステルポリオールエステルを製造する方法。
  32. 反応混合物が、約0.97未満、好ましくは約0.92~約1、より好ましくは約0.92~約0.97、更に好ましくは約0.93~約0.95、更により好ましくは約0.940~約0.955のヒドロキシル/カルボキシル比(HCR)を有する、請求項31に記載の方法。
  33. 酸価が20mgKOH/g未満の値に達し、水酸基価が5mgKOH/g未満の値に達すると、反応が冷却される、請求項31に記載の方法。
  34. 前記方法によって製造されたエステルポリオールエステルの混合物が、20~90cpsの25℃における動的粘度、好ましくは
    (a)20~30cps、
    (b)35~45cps、または
    (c)80~90cps
    から選択される25℃における動的粘度を有する、請求項31に記載の方法。
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