JP2023526738A - タンパク質の単純化した高効率単離のための組成物および方法 - Google Patents

タンパク質の単純化した高効率単離のための組成物および方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023526738A
JP2023526738A JP2022562124A JP2022562124A JP2023526738A JP 2023526738 A JP2023526738 A JP 2023526738A JP 2022562124 A JP2022562124 A JP 2022562124A JP 2022562124 A JP2022562124 A JP 2022562124A JP 2023526738 A JP2023526738 A JP 2023526738A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
precipitate
interest
media
lipid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022562124A
Other languages
English (en)
Inventor
ズルロ、ユージーン
ピーター ラトケ、クラウス
カーティン、デニス
エル. ブリルハート、カート
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Plasma Technologies LLC
Original Assignee
Plasma Technologies LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Plasma Technologies LLC filed Critical Plasma Technologies LLC
Publication of JP2023526738A publication Critical patent/JP2023526738A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/16Extraction; Separation; Purification by chromatography
    • C07K1/22Affinity chromatography or related techniques based upon selective absorption processes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/06Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies from serum
    • C07K16/065Purification, fragmentation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/30Extraction; Separation; Purification by precipitation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/16Extraction; Separation; Purification by chromatography
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

血清または血漿からの目的タンパク質の単離を単純化する組成物および方法が提供される。微粉シリカまたは類似の脂質/リポタンパク質結合性固体が、タンパク質沈殿剤と組み合わせて使用されて、目的タンパク質を含み、媒体の重大なファウリングを生じることなくクロマトグラフィ媒体に適応できる溶液を生じさせる。本方法は、免疫グロブリンGの単離に特に適する。

Description

本発明の分野は、血液製剤からの免疫グロブリンGの調製、具体的にはアフィニティクロマトグラフィを利用した血液製剤からの免疫グロブリンGの調整である。
背景の説明は、本発明を理解することに有用であり得る情報を含む。本明細書中に提供される情報が、現在特許請求される発明に対する先行技術であるまたは現在特許請求される発明に関連することを認めるものではなく、あるいは、明確にまたは暗に参照される任意の刊行物が先行技術であることを認めるものではない。
感染症から回復した、又は回復期にある個体由来の血漿または血清の投与は、感染した個体に一時的に受動免疫を付与するために使用されている。このような受動免疫は、ワクチン接種された動物から得られた血清から特定の抗体が抽出されていた時代である、20世紀初期までさかのぼり得る。ヒト血液はまた、抗体供給源とみなされていた。このような受動免疫は、病原体特異的な抗体を付与することによって、病原体に対する即時的または短期的な免疫を付与する。その導入以来、このような受動免疫は、多くの深刻な感染症から命を救うものであることが証明されている。細菌感染症の治療では、大部分において、抗生物質が受動免疫に取って代わっているが、受動免疫は、ワクチンまたは他の特定の治療が利用可能でないときに多くのウイルス性病原体の治療において重要なツールのままである。とりわけ、このような受動免疫は、エボラ感染症およびコロナウイルス感染症のための治療として研究されている。
回復期血液製剤は、典型的に、問題となっている病気の原因となる病原体に対する効果的な体液性免疫を発達させた、以前感染した個体からの全血または血漿の回収を通して得られ、特定のヒト抗体の供給源を提供し得る。このような回復期血液製剤の注入により、病原体が効果的に無毒化され、血液循環から病原体を取り除くことが補助され得る。回復期全血、回復期血漿、および回復期血清を含む様々な回復期血液製剤または高免疫血液製剤が、このような受動免疫を付与するために使用されている。
回復期血漿は、例えばSARSおよび関連するコロナウイルスの治療において、ますます注目の対象となっている。セッションあたりにより大容量の回収が可能であり、より高頻度の献血が可能であり、かつ、ドナーのヘモグロビンレベルへの影響がほとんどない(赤血球の再注入による)ため、現在、アフェレーシスによって得られる血漿が好ましい。しかしながら、このような血液製剤による受動免疫は、受容者にリスクがないわけではない。これらのリスクは、血液物質の移植に関連し、他の感染性疾患因子による不注意の感染、および血清病などの免疫学的反応を含む血清成分への反応を含む。現代の血液貯蔵の慣行および血液型判定により、既知の感染因子を不注意で移植すること、または輸血反応を引き起こすことのリスクは低い。しかしながら、回復期の個体または回復した個体の数が限られる場合には、このような慣行は緩和され得る。加えて、受動免疫を付与するために使用される回復期血清または血漿は、肺疾患に罹患する個体に投与される可能性が高く、この個体において、血漿注入は輸血関連急性肺障害のリスクをもたらす。
したがって、回復期のまたは高免疫の供給源から得られた血液製剤から免疫グロブリン(典型的にはIgG)を単離し、その後に病気の個体に比較的純粋な(例えば95%より高い)免疫グロブリンを投与することへの関心は高まっている。このアプローチにより、他の血液製剤成分の導入によって引き起こされる合併症を避けつつ、所望の受動免疫が付与され得る。加えて、非常に単離されたIgGは、凍結乾燥して、使用の前に戻すことができ、これによって保存および流通が単純化される。
単離された高免疫の免疫グロブリンの使用におけるさらなる利点は、高免疫血漿注入よりも小容量で使用できることである。治療用血漿の投与は、必然的に、(患者の血漿が取り除かれる、すなわち血漿置換されない限り)血漿の量によって制限される。血漿の投与は、医学的に、特に血漿置換が使用される処置に関与し、それによって投与され得るIgGの用量が効果的に制限される。一方、単離された高免疫抗体の投与は、その濃度により、このように制限されない。それによってもたらされる小容量により、高免疫血清の注入によって達成され得るよりも高用量の治療用IgGの安全かつ使用しやすい投与が許容される。
残念なことに、血液製剤からのIgGの必要純度での単離は、複雑なプロセスである。典型的な方法は、その間にIgGを損失し得るいくつかの沈殿ステップを含んでおり、大規模生産に適合不可能なステップを含むことがある。例えば、アフィニティクロマトグラフィ(例えば、プロテインAまたはプロテインGアフィニティ媒体を使用する)は、限られた数のステップのうちに高純度IgGを提供するための魅力的なアプローチである。残念なことに、このようなアフィニティ媒体のクロマトグラフィカラムは、脂質、非IgG血液タンパク質などによってファウリングしやすい。このファウリングにより、高額なアフィニティ媒体の能力が大幅に低下するとともに、経時的に性能を低下させ、この高価な媒体が有用であるサイクルの数を減少させ得る冗長なカラム洗浄ステップが必要とされ得る。したがって、このようなIgG特異的アフィニティクロマトグラフィを利用する現在の方法は、典型的に、アフィニティ媒体への導入の前に血液製剤の冗長かつ複雑な処理を包含し、それによってその実用性が制限される。
したがって、血液タンパク質を単離するためにアフィニティクロマトグラフィが利用されるときに、上流の処理ステップを単純化かつ効率化する組成物および方法の需要が未だに存在する。
本発明事項は、クロマトグラフィ媒体に適用するための血液製剤の調製を単純化する装置、システム、および方法を提供する。シリカ顆粒またはシリカ粉末は、有機塩(例えば、クエン酸塩または酢酸塩)と共に血液製剤に添加され、沈殿物および上清画分を生じさせる。上清画分は、追加の処理なしでまたは少しの処理によって、クロマトグラフィによる分離ステップに直接適用され得る。
本発明概念の一実施形態は、微粉シリカ(例えば、ヒュームドシリカ)などの脂質/リポタンパク質吸着物質、ならびに/または他の脂溶性および/あるいは不活性タンパク質吸着性物質(例えば、荷電シリカ、木炭、活性炭、Al(OH)、ベントナイト、リン酸カルシウム/ヒドロキシアパタイト)に血液製剤を接触させつつ、血液製剤が第1の沈殿および第1の上清を生じさせる濃度の有機塩と混合されることによって、血液製剤からタンパク質(例えば、免疫グロブリンG/IgG)を単離する方法である。微粉シリカおよび有機塩は、任意の順または同時に添加されてよい。第1の上清が分離カラムに適用され、目的タンパク質(例えば、IgG)を含む画分が分離カラムから回収される。いくつかの実施形態では、追加のタンパク質(例えば、非IgGタンパク質など)が分離カラムからの通過画分から回収されてもよい。適切な分離カラムは、アフィニティ媒体、陰イオン交換媒体、陽イオン交換媒体、疎水性相互作用媒体、色素アフィニティ媒体、混合モード媒体、および/またはサイズ排除媒体を含んでもよい。
使用される有機塩の濃度は、血液製剤から非目的タンパク質(例えば、非IgGタンパク質)を沈殿させるために十分であり、例えば、約5重量%から約20重量%である。第1の沈殿物は、微粉シリカおよび非目的タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、第1の沈殿物は、再懸濁または再溶解されて第1の非IgGタンパク質を含む二次溶液を生じる。この二次溶液は、微粉シリカから分離され、二次溶液から非目的タンパク質を回収するためにさらに処理され得る。
別の実施形態は、微粉シリカ(例えば、ヒュームドシリカ)に血液製剤を接触させつつ、血液製剤が第1の沈殿物(微粉シリカおよび非目的タンパク質を含み得る)および第1の上清を生じさせる濃度の有機塩(例えば、クエン酸塩または酢酸塩)と混合することによって、血液製剤から目的タンパク質(例えば、IgG)を単離する方法である。いくつかの実施形態では、有機塩は、微粉シリカを添加する前に、血液製剤に添加される。有機塩のこの第1の濃度は、血液製剤から非目的タンパク質を沈殿させるために十分である(例えば、約5重量%から約15重量%)。さらなる量の有機塩が第1の上清に添加されて有機塩の第2の濃度を提供し、これによって、第2の沈殿物および第2の上清が生じる。いくつかの実施形態では、非目的タンパク質は、この第2の上清から単離される。第2の沈殿物は、再懸濁または再溶解されて再溶解済みの第2の沈殿物を生じ、これは次に分離カラムに適用される。このような分離カラムは、アフィニティ媒体、陰イオン交換媒体、陽イオン交換媒体、疎水性相互作用媒体、色素アフィニティ媒体、混合モード媒体、および/またはサイズ排除媒体を含んでよい。目的タンパク質(例えば、IgG)を含む画分は、その後、分離カラムから回収される。いくつかの実施形態では、通過画分が分離カラムから回収され、非目的タンパク質を単離するためにさらに処理される。
このような実施形態のいくつかは、第1の沈殿物を再懸濁して非目的タンパク質を含む二次溶液を生じさせること、および微粉シリカから二次溶液を分離することを含む。非目的タンパク質は、その後に、二次溶液から回収され得る。
発明概念の別の実施形態は、血液製剤を第1の濃度(血液製剤から非目的タンパク質を沈殿させるために十分であり、例えば、約5重量%から約15重量%)の有機塩(例えば、クエン酸塩または酢酸塩)に接触させて第1の沈殿物(非目的タンパク質を含み得る)および第1の上清を生じさせ、その後に微粉シリカ(例えば、ヒュームドシリカ)および追加の量の有機塩を第1の上清に添加して有機塩の第2の濃度を提供することによって、血液製剤から目的タンパク質(例えば、IgG)を単離する方法である。微粉シリカは、血液製剤への有機塩の添加後にまたは本質的にそれと同時に添加され得る。これにより、第2の沈殿物(目的タンパク質(例えば、IgG)および微粉シリカを含む)および第2の上清(非目的タンパク質を含み得る)が生じる。いくつかの実施形態では、非IgGタンパク質は、この第2の上清から回収される。第2の沈殿物は、再懸濁および再溶解されて再溶解済みの第2の沈殿物および残存沈殿物(微粉シリカを含む)を生じる。再溶解済みの第2の沈殿物が分離カラムに適用され、IgGを含む画分が分離カラムから回収される。いくつかの実施形態では、非目的タンパク質を含む通過画分が分離カラムから回収され、このような非目的タンパク質は、その後に、通過画分から単離され得る。適切な分離カラムは、アフィニティ媒体、陰イオン交換媒体、陽イオン交換媒体、疎水性相互作用媒体、色素アフィニティ媒体、混合モード媒体、および/またはサイズ排除媒体を含んでよい。
このような実施形態のうちいくつかでは、第1の沈殿物は再懸濁および再溶解されて非IgGタンパク質を含む二次溶液を生じる。非IgGタンパク質は、その後に、二次溶液から回収される。
本発明事項の様々な目的、特徴、態様、および利点が、添付の図面と共に、以下の望ましい実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろう。
本発明概念の典型的な方法を概略的に示す。図1Aは、目的タンパク質に対する正の選択を利用する方法を示す。 本発明概念の典型的な方法を概略的に示す。図1Bは、目的タンパク質に対する負の選択を利用する方法を示す。 本発明概念の方法の代替実施形態を概略的に示す。図2Aは、目的タンパク質に対する正の選択を利用する方法を示す。 本発明概念の代替実施形態を概略的に示す、図2Bは、目的タンパク質に対する負の選択を利用する方法を示す。 本発明概念の方法の代替実施形態を概略的に示す。図3Bは図3Aから続いており、図3Cは代替的な図3Aの続きを示す。図3Aは方法の初めの沈殿ステップを示す。 発明概念の方法の代替実施形態を概略的に示す。図3Bは図3Aから続いており、図3Cは代替的な図3Aの続きを示す。図3Bは図3Aから続いており、目的タンパク質に対する正の選択を利用する方法を示す。 発明概念の方法の代替実施形態を概略的に示す。図3Bは図3Aから続いており、図3Cは代替的な図3Aの続きを示す。図3Cは図3Aから続いており、目的タンパク質に対する負の選択を利用する方法を示す。 空のクロマトグラフィカラムを利用して中間生成物から固体を捕捉する本発明概念のプロセスを概略的に示す。
本発明主題は、例えば、そこからの溶出画分または通過画分のいずれか一方において目的タンパク質が得られるクロマトグラフィ分離ステップ(例えば、アフィニティクロマトグラフィステップ)から上流の処理ステップのような、脂質ならびに/またはリポタンパク質除去ステップ、およびタンパク質沈殿ステップが組み合されて血液製剤に適用される装置、システム、および方法を提供する。これにより、血液製剤の上流処理が単純化されつつ、クロマトグラフィ媒体(例えば、IgG特異的アフィニティ媒体など)のファウリングが減少および/または除去される。クロマトグラフィ媒体のファイリングの減少は、媒体の能力を維持し(減少した処理ステップで可能であるよりも少ない媒体の使用を可能にする)、かつ/またはクロマトグラフィ媒体の洗浄の必要性を低減する。
本発明主題の様々な目的、特徴、態様、および利点は、同様の番号は同様の構成要素を表す添付の図面と共に、以下の望ましい実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろう。
いくつかの実施形態では、成分の量、濃度などの特性、反応状態などを表す、本発明の特定の実施形態を説明および特許請求するために使用される数字は、場合によっては、「約」という用語によって修飾されると理解されたい。したがって、いくつかの実施形態では、記述された説明および添付の特許請求の範囲において設定された数的パラメータは、特定の実施形態によって得ようとする所望の特性に依存して変更され得る近似値である。いくつかの実施形態では、数的パラメータは、報告された有効数字の数を考慮して、および通常の丸め方を適用することによって解釈されるのがよい。本発明のいくつかの実施形態の対象範囲を設定する数的範囲および数的パラメータは近似値であるが、特定の例において設定される数値は、実行可能ように厳密に報告される。本発明のいくつかの実施形態において表される数値は、それぞれの試験測定において見られる標準偏差に起因する特定の誤差が必然的に含まれることがある。
本明細書中の説明およびその後の特許請求の範囲を通して使用されるとき、「a」、「an」、および「the」の意味は、文脈により明らかに別段の指示がされない限り、複数の言及を含む。また、本明細書中の説明に使用されるとき、「中(in)」の意味は、文脈により明らかに別段の指示がされない限り、「中(in)」および「上(on)」を含む。
本明細書中の値の範囲の列挙は、単に、範囲内にある別個の各値に個々に言及する簡便な方法としての目的を果たすことが意図される。明細書中に別段の指示がない限り、別個の各値は、本明細書中に個々に列挙されているかのように、本明細書中に組み込まれる。本明細書中に記述される全ての方法は、明細書中に別段の指示があるか、または別に明らかに文脈に矛盾しない限り任意の適切な順番で実施されてよい。いくつかあるいは全ての例、または本明細書中の特定の実施形態に関して提供された典型的な言葉(例えば、「例えば~など」)の使用は、単に、本発明をより明らかにすることを意図し、別に特許請求された本発明の範囲の制限をもたらすものではない。明細書中にない言葉は、本発明の実行に不可欠な任意の特許請求されない要素を指すものとして解釈されるのがよい。
本明細書中に開示される本発明の代替的な要素または実施形態の分類は、制限として解釈されるべきでない。各群のメンバーは、個々に、または群の他のメンバーあるいは本明細書中に見出される他の要素との任意の組み合わせで言及および特許請求され得る。群の一つ以上のメンバーは、便宜および/または特許性の理由により、群に含まれても群から削除されてもよい。任意のこのような包含または削除が発生するとき、本明細書は、本明細書において修正された群を含むとみなされ、したがって、添付の特許請求の範囲において使用される全てのマーカッシュ群の記載を満たす。
開示された組成物および方法により、クロマトグラフィ分離ステップを利用すること、特に、治療目的のための特異的免疫IgGの大規模生産においてIgG特異的アフィニティクロマトグラフィを使用することの経済的影響を減少させることを含む、多くの有利な技術的効果が提供される。これは、より一般的に入手可能なこのような物質を作製するという利益を有する。
以下の記述は、本発明主題の多くの例示的な実施形態を提供する。各実施形態は発明の要素の単一の組み合わせを表すが、本発明主題は、開示される要素の全ての可能な組み合わせを含むとみなされる。したがって、一実施形態が要素A、B、およびCを備え、第2の実施形態が要素BおよびDを備えるならば、本発明事項は、たとえ明確に開示されなくとも、A、B、C、またはDの他の残りの組み合わせも含むと見なされる。
本発明概念の方法では、血液製剤はタンパク質沈殿剤に接触され、または接触しているのと同時に、血液製剤は脂質/リポタンパク質吸着性固体に接触している。適切な血液製剤は、血清、血漿(例えば、新鮮な血漿または非凍結血漿、クリオプレシピテートが取り除かれた脱クリオ血漿(cryo-poor plasma)、およびクリオプレシピテートが再溶解された以前凍結された血漿など)、および血液タンパク質分画法(例えば、コーン分画法、硫酸アンモニウム沈殿、有機塩沈殿など)からの中間生成物を含む。このような中間生成物は、沈殿ステップからの上清でもよく、または代替的に、沈殿ステップからの再懸濁および再溶解済みの沈殿物でもよい。
適切な沈殿剤は、限定されないが、有機溶媒(例えば、アルコール、アセトンなど)、親水性ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、デキストランなど)、無機塩(塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸アンモニウムなど)、および/または有機酸の塩(クエン酸塩、酢酸塩など)を含む。
適切な脂質/リポタンパク質吸着固体は、脂質、リポタンパク質、および/または他の夾雑物を吸着する能力を有し得、微粉形態(例えば、5mm、4mm、3mm、2mm、1mm、800μm、500μm、300μm、100μm、または50μm以下の平均直径を有する)で利用可能であり得る。このような固体の密度は、それらが使用される水溶液の密度より大きくても、小さくても、またはほぼ同じ(すなわち10%以内)でもよい。適切な脂質/リポタンパク質吸着性固体は、(限定されないが)疎水クロマトグラフィ媒体、疎水性相互作用クロマトグラフィ媒体、シリカ(例えば、ヒュームドシリカ、微粉シリカ、荷電シリカなど)、木炭、活性炭、Al(OH)、ベントナイト、および/あるいは、リン酸カルシウム/ヒドロキシアパタイトを含む。本発明概念の好ましい実施形態では、血液製剤は血漿であり、沈殿剤はクエン酸塩であり、脂質/リポタンパク質吸着性固体はヒュームドシリカである。
本発明概念の実施形態では、沈殿剤は、脂質/リポタンパク質吸着性固体の導入の前に血液製剤に添加されてもよい。例えば、このような実施形態では、沈殿剤は、(介在する分離ステップなく)脂質/リポタンパク質吸着性固体の添加の約5分から約1時間前に血液製剤に添加されてもよい。他の実施形態では、沈殿剤は、脂質/リポタンパク吸着性固体の導入とほぼ同時に血液製剤に添加されてもよい。例えば、このような実施形態では、沈殿剤は、(介在する分離ステップなく)脂質/リポタンパク質吸着性固体の添加の±約5分以内に添加されてもよい。さらに他の実施形態では、沈殿剤は、脂質/リポタンパク質吸着性固体の導入後に血液製剤に添加されてもよい。例えば、このような実施形態では、沈殿剤は、(介在する分離ステップなく)血液製剤への脂質/リポタンパク質吸着性固体の添加の約5分から約1時間後に血液製剤に添加されてもよい。
沈殿剤、および脂質/リポタンパク質吸着性固体は、別個の処方として提供されてもよい。これらは、個々に血液製剤に適用されてもよく、または選択的には、適用の直前に混合されてもよい。本発明概念の一実施形態は、これらの物質が適用されるプロセスステップ(以下参照)に適切な割合で、一つ以上の沈殿剤を一つ以上の脂質/リポタンパク質吸着性固体と組み合わせた処方である。これにより、単一の、組み合わせた処方をタンパク質沈殿と脂質および/またはリポタンパク質除去とを組み合わせたステップに提供することによって、本発明概念の方法がさらに単純化される。
沈殿剤は任意の適切な濃度で利用されてよく、濃度の範囲は、沈殿剤の性質、使用される血液製剤、使用される脂質/リポタンパク質吸着性固体、沈殿剤および脂質/リポタンパク質吸着性固体の添加の順番および/もしくはタイミング、ならびに/または、沈殿剤が導入される単離プロセスの段階に応じて変化し得る。例えば、クエン酸塩を血漿に適用して、IgGを溶液中に残しつつ非IgGタンパク質類のうちの少なくとも一部を沈殿させるとき、クエン酸塩は約5重量%から約15重量%にて提供され得る。代替的に、クエン酸塩を血漿に適用してIgG類のうちのほとんどまたは全てを沈殿させるとき、クエン酸塩は、約15重量%から約50重量%にて提供され得る。沈殿剤の濃度は、所望の画分(すなわち、プロセスによって上清または沈殿物のいずれか一方)にIgGを最大限保持しつつ、下流のアフィニティカラムのファウリングを最小化するように最適化され得る。
同様に、脂質および/またはリポタンパク質吸着性固体は任意の適切な濃度で利用されてよく、濃度の範囲は、脂質/リポタンパク質吸着性固体の性質、沈殿剤の性質、使用される血液製剤、沈殿剤および脂質/リポタンパク質吸着性固体の添加の順番および/もしくはタイミング、ならびに/または、脂質/リポタンパク質吸着性固体が導入される単離プロセスの段階に応じて変化し得る。いくつかの実施形態では、血液製剤の脂質および/またはリポタンパク質類は処理の前に特徴付けられ、脂質吸着性および/またはリポタンパク質吸着性固体の量はそれに従って調整される。例えば、ヒュームドシリカを典型的な脂質および/またはリポタンパク質含有量を有する血漿に適用するとき、その量は血漿1mLにつき約10mgから血漿1mLにつき約500mgの範囲であり得る。この量は、血漿が脂質および/またはリポタンパク質を多く含むとき、血漿1mLにつき最大750mg以上に調整され得る。
このような処理がIgGまたは他の目的タンパク質を単離またはさらに精製する働きをした後に実施されるクロマトグラフィ分離ステップは、所望のタンパク質種の正の選択または負の選択を利用し得る。
正の選択では、IgGまたは他の目的タンパク質がクロマトグラフィ媒体に結合し、不要な種が通過画分内にクロマトグラフィ媒体を通過する。IgGまたは他の所望のタンパク質は、その後にクロマトグラフィ媒体から溶出画分内に溶出される(任意選択で、クロマトグラフィ媒体の洗浄またはフラッシングの後)。酸性バッファを使用するIgG画分の溶出前の、上述の方法による生成物のプロテインAまたはプロテインGアフィニティカラムへの適用は、IgGの正の選択の例である。いくつかの実施形態では、一つ以上の追加の目的タンパク質が通過画分から回収され得る。
負の選択では、不要な種がクロマトグラフィ媒体に結合し、IgGまたは別の目的タンパク質が通過画分内にクロマトグラフィを通過する。クロマトグラフィ媒体は、その後に不要な種の溶出によって再使用のために再生されてもよい。IgG含有通過画分の回収に適切なバッファ条件下での、上述の方法による生成物の陰イオン交換カラムへの適用は、IgGの負の選択の例である。いくつかの実施形態では、溶出によって放出された一つ以上の追加の目的タンパク質が結合物質から回収され得る。
本発明概念の方法における使用に適切なクロマトグラフィ媒体は、サイズ排除媒体、イオン交換媒体(例えば、陰イオン交換媒体、強陰イオン交換媒体、陽イオン交換媒体、または強陽イオン交換媒体)、疎水性相互作用媒体、色素アフィニティ媒体、混合モード媒体、およびアフィニティ媒体を含む。クロマトグラフィ媒体は、多孔性粒子もしくはビーズ、非多孔性粒子もしくはビーズ、多孔性膜、および/またはフィルタとして提供され得る。粒子もしくはビーズとして提供されるクロマトグラフィ媒体は、クロマトグラフィカラムの形式またはフロークロマトグラフィシステムで適用され得る。いくつかの実施形態では、二つ以上のクロマトグラフィステップが採用され得る。
いくつかの実施形態では、クロマトグラフィステップへの適用の前にバッファ交換ステップが採用され得る。適切なバッファ交換ステップは、サイズ排除クロマトグラフィ、透析、限外濾過、および沈殿ならびにその後の再懸濁ならびに再溶解を含む。
本発明概念の方法における使用に適切な様々なアフィニティクロマトグラフィ媒体は、溶液からIgGを単離するために利用可能である。これらは、IgG Fc領域の細菌受容体(プロテインA、プロテインG)、IgG軽鎖の細菌受容体(タンパク質L)、および抗体クラス特異的抗体(例えば、ヤギ抗ヒトIgG)と結合したクロマトグラフィ媒体を含む。次に、これらのリガンドは、アガロース、架橋アガロース、合成ポリマー、天然ポリマーと合成ポリマーとの混合物、多孔性ガラス、膜、およびフィルタを含む、多岐にわたる固相に結合され得る。IgG結合リガンドおよびそれが結合される媒体の選択は、濃度、ならびに使用される沈殿剤および/もしくは脂質/リポタンパク質吸着性固体に影響を与え得る。例えば、低非特異的結合媒体(例えば、合成媒体または一部合成媒体など)に結合された堅固なリガンド(例えば、プロテインAなど)の使用は、ファイリングにやや耐久性があり、厳しい洗浄プロセスの耐性があるアフィニティクロマトグラフィ媒体を生じさせ得る。例えば、このような媒体の使用は、ファウリングしやすい媒体に結合された比較的不安定なリガンド(例えば、免疫グロブリン特異的抗体)がアフィニティ分離ステップに使用される場合よりも少ない沈殿剤および/もしくは脂質/リポタンパク質吸着性固体の使用を許容し得る。
IgGの単離を対象にする実施形態では、免疫グロブリン特異的アフィニティクロマトグラフィ以外のクロマトグラフィ媒体が使用されてもよい。適切な代替クロマトグラフィ媒体は、限定されないが、陰イオン交換媒体、陽イオン交換媒体、疎水性相互作用媒体、色素アフィニティ媒体、混合モード媒体、およびサイズ排除媒体を含む。このような媒体は、IgGが媒体に結合し、その後に溶出画分内に回収されるように選択され得る。代替的に、このような媒体は、IgGが感知できるほどに媒体と相互作用せず、カラムからの通過画分のいずれかにおいて見られるように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、このような媒体は、IgGと相互作用するがIgGを保持しないように選択されるため、IgGはカラム流出液における明らかなピークとして回収される。
このような実施形態では、沈殿物の濃度は、上清中、あるいは再懸濁および再溶解済みの沈殿物中の残存沈殿物がIgGと非IgG特異的クロマトグラフィ媒体との間の相互作用(またはそれがないこと)を妨げないように選択され得る。いくつかの実施形態では、これを達成するために、希釈ステップが組み込まれ得る。
本発明概念の方法の例は、図1Aに示される。示されるように、沈殿剤(ここでは有機塩)および脂質/リポタンパク質吸着性固体(ここではシリカ)が血液製剤に添加される。上記で注意されるように、この添加は、順次的でも同時でもよい。生じた上清はIgGを含み、減少した量のファウリング非IgGタンパク質、および脂質/リポタンパク質を含み、IgGがクロマトグラフィ媒体に結合してその後に溶出されるIgGに対して正の選択をする下流のクロマトグラフィステップ(例えば、プロテインAクロマトグラフィ媒体またはプロテインGクロマトグラフィ媒体などのIgG結合媒体を利用するクロマトグラフィステップ)に移る。このような実施形態では、非IgGタンパク質は、任意選択でクロマトグラフィカラムの通過画分から回収されてもよい。好ましい実施形態では、沈殿剤の濃度は、IgGのクロマトグラフィ媒体への結合を妨げず、固体の除去の後に上清を直接適用できるように選択される。代替的に、沈殿剤の濃度は、上清画分の単純な希釈の後にIgGがクロマトグラフィ媒体に結合することを可能にするように選択されてもよい。クロマトグラフィ媒体はカラム容量内にIgGを濃縮する働きをするため、これは、精製済みIgG生成物の濃度に不利な影響を与えない。このような方法から生じる沈殿物は、シリカはもとより非IgGタンパク質を含む。このような非IgGタンパク質は、沈殿物を懸濁および溶解し、固体シリカ画分を取り除き、さらに溶解済み沈殿物を処理することによって回収され得る。
代替実施形態は、図1Bに示される。示されるように、沈殿剤(ここでは有機塩)、および脂質/リポタンパク質吸着性固体(ここではシリカ)が血液製剤に添加される。上記で注意されるように、この添加は、順次的でも同時でもよい。生じた上清はIgGを含み、減少した量のファウリング非IgGタンパク質および脂質/リポタンパク質を含み、IgGが通過画分(すなわち、非結合画分)に見られるIgGに対して負の選択をする下流のクロマトグラフィステップ(例えば、IgGに結合しないが夾雑非IgG成分に結合するクロマトグラフィ媒体を利用するクロマトグラフィステップ)に移る。このような実施形態では、非IgGタンパク質は、任意選択で、カラムを(例えば、低pHおよび/または高塩含有バッファを使用して)溶出して溶出画分を回収することによってクロマトグラフィ媒体から回収されてもよい。また、これはクロマトグラフィ媒体を再生する働きをし得る。好ましい実施形態では、沈殿剤の濃度は、適用される上清の非IgG成分のクロマトグラフィ媒体への結合を妨げず、固体の除去の後に上清を直接適用できるように選択される。代替的に、沈殿剤の濃度は、上清画分の単純な希釈の後に上清の非IgG成分がクロマトグラフィ媒体に結合できるように選択されてもよい。このような方法から生じる沈殿物は、シリカはもとより非IgGタンパク質を含む。このような非IgGタンパク質は、沈殿物を懸濁および溶解し、固体シリカ画分を取り除き、さらに溶解済み沈殿物を処理することによって回収され得る。
本発明概念の別の方法は、図2Aに示される。示されるように、沈殿剤(ここでは有機塩)および脂質/リポタンパク質吸着性固体(ここではシリカ)が血液製剤に添加される。上記で注意されるように、この添加は順次的でも同時でもよく、上清および沈殿物(吸着性固体および非IgGタンパク質を含む)を生じさせる。生じた上清はIgGを含み、減少した量のファウリング非IgGタンパク質および脂質/リポタンパク質を含む。この初めの上清は、追加の沈殿剤の適用によって実施される第2の沈殿ステップに進む。この追加のまたは第2の沈殿剤は、初めの沈殿ステップにおいて利用された沈殿剤と同じでも異なってもよい。示されるように、これにより、第2の上清および第2の沈殿物(他の非IgGタンパク質を含む)が生じ得る。この第2の上清は、その後に、IgGがクロマトグラフィ媒体(例えば、プロテインA媒体またはプロテインG媒体)に結合してその後に溶出される正の選択のクロマトグラフィステップに移る。非IgGタンパク質は、クロマトグラフィ媒体のカラムの通過画分から回収され得る。同様に、非IgGタンパク質は、上流の沈殿ステップにおいて生じた沈殿物から回収され得る。好ましい実施形態では、沈殿剤の濃度は、IgGのクロマトグラフィ媒体への結合を妨げず、固体の除去の後に第2の上清を直接適用できるように選択される。代替的に、沈殿剤の濃度は、第2の上清の単純な希釈の後にIgGがクロマトグラフィ媒体に結合できるように選択されてもよい。クロマトグラフィ媒体はクロマトグラフィ媒体の容量内でIgGを濃縮する働きをするため、これは、精製済みIgG生成物の濃度に不利な影響を与えない。
上記で注意されるように、このような方法の第1の沈殿ステップから生じる第1の沈殿物は、シリカはもとより非IgGタンパク質を含む。このような非IgGタンパク質は、沈殿物を懸濁および溶解し、固体シリカ断片を取り除き、さらに溶解済み沈殿物を処理することによって回収され得る。同様に、第2の沈殿ステップから得られる第2の沈殿物は再懸濁および溶解され得、追加の非IgGタンパク質が溶解済みの第2の沈殿物から単離されてもよい。
代替的に、図2Aに示される第2の沈殿ステップにおいて使用される追加の沈殿剤の量は、第1の上清からIgGを沈殿させるように選択されてもよい。このような実施形態では、第2の沈殿物が回収され、再懸濁され、および再溶解される。この溶解済みの第2の沈殿物は、固体シリカの除去の後に、下流のIgG特異的アフィニティクロマトグラフィカラムに移る。このような実施形態では、追加の非IgGタンパク質は、第2の上清から、および/またはアフィニティカラムから得られる通過画分から回収され得る。
本発明概念の方法の代替実施形態は、図2Bに示される。示されるように、沈殿剤(ここでは有機塩)および脂質/リポタンパク質吸着性固体(ここではシリカ)が血液製剤に添加される。上記で注意されるように、この添加は、順次的でも同時でもよく、上清および沈殿物(吸着性固体および非IgGタンパク質を含む)を生じさせる。生じた上清は、IgGを含み、減少した量のファウリング非IgGタンパク質および脂質/リポタンパク質を含む。この初めの上清は、追加の沈殿剤の適用によって実施される第2の沈殿ステップに移る。この追加のまたは第2の沈殿剤は、初めの沈殿ステップにおいて利用される沈殿剤と同じでも異なってもよい。示されるように、これにより、第2の上清および第2の沈殿物(他の非IgGタンパク質を含む)が生じる。この第2の上清は、その後、非IgG成分がクロマトグラフィ媒体に結合し、IgGが非結合の通過画分に現れる負の選択のクロマトグラフィステップに移る。非IgGタンパク質は、クロマトグラフィ媒体から溶出画分として溶出することによって回収され得、溶出はまた、クロマトグラフィ媒体を再生する働きをし得る。同様に、非IgGタンパク質は、上流の沈殿ステップにおいて生じた沈殿物から回収され得る。好ましい実施形態では、沈殿剤の濃度は、非IgG夾雑物のクロマトグラフィ媒体への結合を妨げず、固体の除去の後に第2の上清を直接適用できるように選択される。代替的に、沈殿剤の濃度は、第2の上清の単純な希釈の後に非IgG夾雑物がクロマトグラフィ媒体に結合できるように選択されてもよい。
上記で注意されるように、このような方法の第1の沈殿ステップから生じる第1の沈殿物は、シリカはもとより非IgGタンパク質を含む。そのような非IgGタンパク質は、沈殿物を懸濁および溶解し、固体シリカ断片を取り除き、さらに溶解済み沈殿物を処理することによって回収され得る。同様に、第2の沈殿ステップから得られる第2の沈殿物は再懸濁および再溶解され得、追加の非IgGタンパク質は溶解済みの第2の沈殿物から単離されてもよい。
代替的に、図2Bに示される第2の沈殿ステップにおいて使用される追加の沈殿剤の量は、第1の上清からIgGを沈殿させるように選択されてもよい。このような実施形態では、第2の沈殿物は回収され、懸濁され、および溶解される。この溶解済みの第2の沈殿物は、固体シリカの除去の後に、非IgG夾雑物に結合してIgGが通過画分に通過することを許容するクロマトグラフィ媒体を利用する下流のクロマトグラフィステップに移る。このような実施形態では、追加の非IgGタンパク質は、第2の上清から、および/またはクロマトグラフィ媒体からの溶出によって回収され得る。
本発明概念の別の方法は、図3A、ならびに図3Bおよび図3C(図3Bおよび図3Cの各々は独立して図3Aから続く)に示される。図3Aに示すように、このような方法では、初めの沈殿ステップは、沈殿剤(この場合は有機塩)を血液製剤に適用して第1の沈殿物および第1の上清を生じさせることによって実施される。示されるように、沈殿剤の初めの濃度は、第1の上清中にIgGを保持するように選択される。生じた第1の沈殿物は、非IgGタンパク質を回収するためにさらに処理され得る。追加の沈殿剤および脂質/リポタンパク質吸着性固体(この場合はシリカ)が第1の上清に適用されて第2の上清および第2の沈殿物を生じさせる。この追加の沈殿剤は、初めの沈殿ステップにおいて利用された第1の沈殿剤と同じでも異なってもよい。追加の沈殿剤の量は、第2の上清からIgGを沈殿させるように選択され得る。このような実施形態では、第2の沈殿物はIgGおよび脂質/リポタンパク質吸着性固体も含む。追加の非IgGタンパク質は、第2の上清から回収され得る。
図3Bは図3Aから続く。図3Bに示すように、この第2の沈殿物は再懸濁および溶解されて、IgGを含む第3の上清、および脂質/リポタンパク質吸着固体を含む第3の沈殿物(非可溶性)を生じさせ得る。第3の上清は、IgGに結合し、非IgG成分を含む通過画分を生じさせるクロマトグラフィ媒体を使用する下流の正の選択のクロマトグラフィステップに移り得る。このような非IgG成分は、この通過画分から回収され得る。IgGは、溶出バッファ(例えば、低pHバッファ)をクロマトグラフィ媒体に添加することによって生じる溶出画分から回収される。
代替的に、沈殿剤濃度は、IgGが第2の上清中に保持されるように選択されてもよい。このような実施形態では、第2の上清は、IgG結合クロマトグラフィ媒体を利用する下流の正の選択のクロマトグラフィに移行され得るため、非IgG成分は通過画分としてクロマトグラフィ媒体を通過する。このような非IgG成分は、その後に、この通過画分から回収され得る。IgGは、溶出バッファ(例えば、低pHバッファなど)をクロマトグラフィ媒体に適用することによって生じる溶出画分内に回収され得る。上記で注意されるように、このような実施形態では、第2の上清における沈殿剤の濃度は、効果的な正の選択のクロマトグラフィステップを支援するように、または第2の上清の単純な希釈により沈殿剤濃度を調整して効果的な正の選択のクロマトグラフィを提供し得るように選択され得る。このような実施形態では、追加の非IgGタンパク質は、(再懸濁、溶解、および脂質/リポタンパク質吸着性固体の除去の後に)第2の沈殿物から回収され得る。
図3Cは図3Aから続く代替的な経路を示す。図3Cに示すように、この第2の沈殿物は、再懸濁および溶解されてIgGを含む第3の上清、および脂質/リポタンパク質吸着性固体を含む第3の沈殿物(非可溶性)を生じさせ得る。第3の上清は、非IgG成分に結合してIgGを含む通過画分を生じさせるクロマトグラフィ媒体を使用する下流の負の選択のクロマトグラフィステップに移る。このような非IgG成分は、溶出によってクロマトグラフィ媒体から回収され得、溶出はまた、クロマトグラフィ媒体を再生する働きをし得る。
代替的に、沈殿剤濃度は、IgGが第2の上清内に保持されるように選択されてもよい。このような実施形態では、第2の上清は、非IgG成分に結合するクロマトグラフィ媒体を利用する下流の負の選択のクロマトグラフィステップに移行され得るため、IgGは通過画分としてクロマトグラフィ媒体を通過する。非IgG成分は、その後に、クロマトグラフィ媒体を溶出することによってされ得、溶出はまた、クロマトグラフィ媒体を再生する働きをし得る。上記で注意されるように、このような実施形態では、第2の上清における沈殿剤の濃度は、効果的な負の選択のクロマトグラフィステップを支援するように、または第2の上清の単純な希釈により沈殿剤濃度を調整して効果的な負の選択のクロマトグラフィを提供し得るように選択され得る。このような実施形態では、追加の非IgGタンパク質は、(再懸濁、溶解、および脂質/リポタンパク質吸着性固体の除去の後に)第2の沈殿物から回収され得る。
免疫グロブリンGの単離が上記で言及されるが、本発明概念の方法は、血液製剤に見られる他のタンパク質に適用されてもよいことが理解されたい。このような目的タンパク質は、限定されないが、アルブミン、アルファ-1抗プロテイナーゼ阻害剤、フィブリノゲン、凝結因子、および治療目的の他の血液タンパク質を含む。
いくつかの実施形態では、本発明概念の方法は、他のタンパク質豊富な溶液(すなわち、0.1重量%、0.3重量%、1重量%、3重量%、10重量%以上のタンパク質類を有する溶液)に適用されてもよい。このようなタンパク質豊富な溶液は、細胞培養培地(例えば、細菌培養培地、ハイブリドーマ培地など)、ウイルスおよび/または細胞の溶解物(例えば、細菌溶解物、真核細胞溶解物)、卵製品(例えば、IgY含有卵白物質)、血清または血漿精製プロセスからのプロセス中間体(例えば、コーン画分、クロマトグラフィカラム流出液など)、無細胞合成の生成物、および化学合成の生成物を含む。
上記で注意されるように、本発明概念の実施形態は、固体分離ステップを含んでもよい。適切な固体分離方法は、沈降、デカンテーション、濾過、および遠心分離を含む。固体が、沈殿タンパク質および脂質/リポタンパク質吸着性固体の両方を含む実施形態では、沈殿タンパク質と脂質/リポタンパク質吸着性固体との間に有意な密度差および/または流体力学的差があるならば、遠心分離は、有利には、固体成分のさらなる分離をもたらし得る。例えば、ヒュームドシリカは、脂質を吸着することに役立つ低密度物質であり、密度および/または流体力学的挙動に基づいて、比較的高密度のタンパク質沈殿物から分離され得る。このような遠心分離プロセスは、上清流、沈殿タンパク質流、および脂質/リポタンパク質吸着性固体流を生じさせ得る。このような遠心分離プロセスの使用により、上述の分離法が連続的な方法または少なくとも一部が連続的な方法で実施されることが許容され得る。
上記で注意されるように、固体はまた、濾過によってプロセス中間体から取り除かれてもよい。適切なフィルタは、膜フィルタ、繊維または微粒子のデプスフィルタ、および多孔性フィルタを含む。クロマトグラフィカラムにおいてフリットとして利用される多孔性材料は、本発明概念の方法においてフィルタとして利用されてもよいことを理解されたい。例えば、空またはバッファ充填済みのクロマトグラフィカラムが、本プロセスに利用されるアフィニティまたは非アフィニティ分離カラムの上流に直接に配置され得るため、空またはバッファ充填済みのカラムの媒体保持フリットは、アフィニティまたは非アフィニティ媒体の中に侵入する前に固体を捕捉し得る。このような配置は、図4に示される。同様に、アフィニティまたは非アフィニティ媒体を保持するために使用されるカラムは、オーバーサイズになるように、さらにアフィニティまたは非アフィニティ媒体の流入部分のすぐ上に上部フリットを配置して、カラム内にオープンヘッドスペースを残すように選択されてもよい。固体は、上部フリット上に保持されることにより、このヘッドスペースに蓄積し得、カラムの反転および/またはバッファの流れの方向を逆転することによって取り除かれ得る。
当業者には、本明細書中の本発明概念から逸脱することなく、すでに説明したもの以外の多くの修正が可能であることは明らかであろう。したがって、本発明主題は、添付の特許請求の範囲の主旨以外に制限されるべきではない。さらに、明細書および特許請求の範囲の両方を解釈する際、すべての用語は、文脈と一致する可能な限り広い方法で解釈されたい。特に、「備える(comprise)」および「備える(comprising)」という用語は、参照される要素、構成要素、あるいはステップが存在し、または利用され、または明示的に参照されない他の要素、構成要素、あるいはステップと組み合わされ得ることを示す、非排他的な方法で要素、構成要素、あるいはステップを指すと解釈されるべきである。明細書の特許請求の範囲が、A、B、C....、およびNからなる群から選択されたもののうちの少なくとも1つに言及している場合、本文は、AおよびN、またはBおよびNなどではなく、群から1つの要素のみを必要とすると解釈されたい。

Claims (47)

  1. 血液製剤から目的タンパク質を単離する方法であって、
    前記目的タンパク質を含む前記血液製剤を脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子に接触させつつ、前記血液製剤が、第1の沈殿物および第1の上清を生じさせる濃度の有機塩と混合されることと、
    前記第1の上清をクロマトグラフィ媒体に適用することと、
    前記クロマトグラフィ媒体から前記目的タンパク質を含む流出液を得ることと、を含み、
    前記有機塩の前記濃度は、前記血液製剤から第1の非目的タンパク質を沈殿させるために十分である、方法。
  2. 前記有機塩は、クエン酸塩または酢酸塩である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記濃度は、5重量%から20重量%である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子はヒュームドシリカである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第1の沈殿物は、前記脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子および前記第1の非目的タンパク質を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第1の沈殿物を再懸濁して前記第1の非目的タンパク質を含む二次溶液を生じさせることと、前記脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子から前記二次溶液を分離することとを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記第1の非目的タンパク質を前記二次溶液から回収することを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子は、本質的に、前記有機塩と同時に前記血液製剤に添加される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記有機塩は、前記脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子を添加する前に前記血液製剤に添加される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記クロマトグラフィ媒体は前記目的タンパク質に結合し、前記クロマトグラフィ媒体から前記目的タンパク質を含む溶出液を回収することを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記クロマトグラフィ媒体から通過画分を回収することと、任意選択で、前記通過画分から第2の非目的タンパク質を単離することとを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記クロマトグラフィ媒体は前記目的タンパク質に結合せず、前記方法が、前記クロマトグラフィから前記目的タンパク質を含む通過画分を回収することを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記クロマトグラフィ媒体を溶出して溶出画分を生じさせることと、任意選択で、前記溶出画分から第2の非目的タンパク質を単離することとを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 分離カラムは、アフィニティ媒体、陰イオン交換媒体、陽イオン交換媒体、疎水性相互作用媒体、色素アフィニティ媒体、混合モード媒体、およびサイズ排除媒体からなる群から選択されたクロマトグラフィ媒体を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記目的タンパク質は免疫グロブリンG(IgG)である、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 血液製剤から目的タンパク質を単離する方法であって、
    前記目的タンパク質を含む前記血液製剤を脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子と接触させつつ、前記血液製剤が、第1の沈殿物および第1の上清を生じさせる第1の濃度の有機塩と混合されることと、
    追加の量の前記有機塩を前記第1の上清に添加して第2の濃度の前記有機塩を提供することによって、第2の沈殿物および第2の上清を生じさせることと、
    前記第2の沈殿物を再懸濁および再溶解して再溶解済みの第2の沈殿物を生じさせることと、
    前記再溶解済みの第2の沈殿物をクロマトグラフィ媒体に適用することと、
    前記目的タンパク質を含む流出液を前記クロマトグラフィ媒体から回収することと、を含み、
    前記有機塩の前記第1の濃度は、前記血液製剤から第1の非目的タンパク質を沈殿させるために十分である、方法。
  17. 前記有機塩はクエン酸塩または酢酸塩である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記第1の濃度は、5重量%から15重量%である、請求項16または17に記載の方法。
  19. 前記脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子はヒュームドシリカである、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記第1の沈殿物は、前記脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子および前記非目的タンパク質を含む、請求項16から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記第1の沈殿物を再懸濁して前記第1の非目的タンパク質を含む二次溶液を生じさせることと、前記脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子から前記二次溶液を分離することとを含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記第1の非目的タンパク質を前記二次溶液から回収することを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子は、本質的に、前記有機塩と同時に前記血液製剤に添加される、請求項16から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記有機塩は、前記脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子を添加する前に前記血液製剤に添加される、請求項16から22のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記クロマトグラフィ媒体は前記目的タンパク質に結合し、前記流出液は前記目的タンパク質を含む前記クロマトグラフィ媒体からの溶出液である、請求項16から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記クロマトグラフィ媒体から通過画分を回収することと、任意選択で、前記通過画分から第2の非目的タンパク質を単離することとを含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記クロマトグラフィ媒体は前記目的タンパク質に結合せず、前記流出液は前記クロマトグラフィ媒体からの前記目的タンパク質を含む通過画分である、請求項16から24のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記クロマトグラフィ媒体を溶出して溶出画分を生じさせることと、任意選択で、前記溶出画分から第2の非目的タンパク質を単離することとを含む、請求項27に記載の方法。
  29. 前記第2の上清から第3の非目的タンパク質を単離することを含む、請求項16から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 分離カラムは、アフィニティ媒体、陰イオン交換媒体、陽イオン交換媒体、疎水性相互作用媒体、色素アフィニティ媒体、混合モード媒体、およびサイズ排除媒体からなる群から選択されるクロマトグラフィ媒体を含む、請求項16から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記目的タンパク質はIgGである、請求項16から30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 血液製剤から目的タンパク質を単離する方法であって、
    前記目的タンパク質を含む前記血液製剤を、第1の沈殿物および第1の上清を生じさせる第1の濃度の有機塩と接触させることと、
    脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子および追加の量の前記有機塩を前記第1の上清に添加して前記有機塩の第2の濃度を提供することによって、第2の沈殿物および第2の上清を生じさせることであって、前記第2の沈殿物は前記目的タンパク質および前記脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子を含む、第2の沈殿物および第2の上清を生じさせることと、
    前記第2の沈殿物を再懸濁および溶解して、溶解済みの第2の沈殿物、および前記脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子を含む残存沈殿物を生じさせることと、
    前記溶解済みの第2の沈殿物を分離カラムに適用することと、
    前記分離カラムから前記目的タンパク質を含む流出液を回収することと、を含み、
    前記有機塩の前記第1の濃度は、前記血液製剤から前記目的タンパク質を沈殿させるために十分である、方法。
  33. 前記有機塩はクエン酸塩または酢酸塩である、請求項32に記載の方法。
  34. 前記第1の濃度は5重量%から15重量%である、請求項32または33に記載の方法。
  35. 前記脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子はヒュームドシリカである、請求項32から34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記第1の沈殿物は第1の非目的タンパク質を含む、請求項32から35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記第1の沈殿物を再懸濁して前記第1の非目的タンパク質を含む二次溶液を生じさせることを含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記二次溶液から前記第1の非目的タンパク質を回収することを含む、請求項37に記載の方法。
  39. 前記脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子は、本質的に、前記有機塩と同時に前記第1の上清に添加される、請求項32から38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記有機塩は、前記脂質吸着性またはリポタンパク質吸着性微粒子を添加する前に前記第1の上清に添加される、請求項32から38のいずれか一項に記載の方法。
  41. クロマトグラフィ媒体は前記目的タンパク質に結合し、前記流出液は前記クロマトグラフィ媒体からの前記目的タンパク質を含む溶出液である、請求項32から40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記クロマトグラフィ媒体から通過画分を回収することと、任意選択で、前記通過画分から第2の非目的タンパク質を単離することとを含む、請求項41に記載の方法。
  43. クロマトグラフィ媒体は前記目的タンパク質に結合せず、前記流出液は前記クロマトグラフィ媒体からの前記目的タンパク質を含む通過画分である、請求項32から40のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記クロマトグラフィ媒体を溶出して溶出画分を生じさせることと、任意選択で、前記溶出画分から第2の非目的タンパク質を単離することとを含む、請求項43に記載の方法。
  45. 前記第2の上清から第3の非目的タンパク質を単離することを含む、請求項32から44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記分離カラムは、アフィニティ媒体、陰イオン交換媒体、陽イオン交換媒体、疎水性相互作用媒体、色素アフィニティ媒体、混合モード媒体、およびサイズ排除媒体からなる群から選択されたクロマトグラフィ媒体を含む、請求項32から45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記目的タンパク質はIgGである、請求項32から46のいずれか一項に記載の方法。
JP2022562124A 2020-04-10 2021-04-08 タンパク質の単純化した高効率単離のための組成物および方法 Pending JP2023526738A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202063008365P 2020-04-10 2020-04-10
US63/008,365 2020-10-04
PCT/US2021/026462 WO2022071990A1 (en) 2020-04-10 2021-04-08 Compositions and methods for simplified high efficiency isolation of proteins

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023526738A true JP2023526738A (ja) 2023-06-23

Family

ID=78007128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022562124A Pending JP2023526738A (ja) 2020-04-10 2021-04-08 タンパク質の単純化した高効率単離のための組成物および方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US11732004B2 (ja)
EP (1) EP4118108A4 (ja)
JP (1) JP2023526738A (ja)
KR (1) KR20230024885A (ja)
CN (1) CN117355538A (ja)
AU (1) AU2021355325A1 (ja)
CA (1) CA3179750A1 (ja)
WO (1) WO2022071990A1 (ja)

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55124719A (en) * 1979-03-22 1980-09-26 Kowa Co Preparation of immune globulin administrable by intravenous injection
US4639513A (en) * 1984-02-02 1987-01-27 Cuno Inc. Intravenously injectable immunoglobulin G (IGG) and method for producing same
TW491855B (en) * 1996-08-07 2002-06-21 Csl Ltd Purification of immunoglobulins
KR100924523B1 (ko) * 2002-06-11 2009-11-02 굿 바이오텍 코포레이션 안세리폼 조류의 난황으로부터 IgY 항체를 선택적으로분리하는 방법 및 이에 의하여 얻어진 IgY 항체
US8796430B2 (en) * 2010-05-26 2014-08-05 Baxter International Inc. Method to produce an immunoglobulin preparation with improved yield
AU2010202125B1 (en) * 2010-05-26 2010-09-02 Takeda Pharmaceutical Company Limited A method to produce an immunoglobulin preparation with improved yield
US9901597B2 (en) * 2011-02-04 2018-02-27 Octapharma Ag Method for inactivation/removal of coagulation factors by precipitation
TWI629283B (zh) * 2012-02-23 2018-07-11 巴克斯歐塔公司 來自血漿中的免疫球蛋白之i-iv-1部分沉澱
EP3116891B1 (en) * 2014-03-10 2020-02-12 Richter Gedeon Nyrt. Immunoglobulin purification using pre-cleaning steps
KR20180101583A (ko) * 2016-02-03 2018-09-12 플라즈마 테크놀로지스, 엘엘씨 혈액 기반 물질로부터 단백질을 추출하기 위한 방법(methods for extracting proteins from a blood-based material)
EP3275897A1 (en) * 2016-07-27 2018-01-31 Biotest AG Process for preparing immunoglobulin compositions
CN110872345B (zh) * 2019-08-20 2020-09-01 中科世生(北京)医药科技有限公司 一种高纯免疫球蛋白g的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
US11732004B2 (en) 2023-08-22
EP4118108A1 (en) 2023-01-18
CA3179750A1 (en) 2022-04-07
KR20230024885A (ko) 2023-02-21
EP4118108A4 (en) 2024-05-15
WO2022071990A1 (en) 2022-04-07
US20210317163A1 (en) 2021-10-14
CN117355538A (zh) 2024-01-05
AU2021355325A1 (en) 2022-11-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3094167B2 (ja) 免疫血清グロブリンの精製方法
JP2000513377A (ja) プリオンのクロマトグラフィー除去方法
US4216205A (en) Process of preparing a serum protein composition for intravenous application
JP2008500959A (ja) ウイルスについて安全な免疫グロブリンの製造方法
WO2018103619A1 (zh) 一种口蹄疫疫苗的制备方法
KR100273010B1 (ko) 혈액-유래조성물로부터 응고인자를 보존시키며 항체를 제거하는 방법
JPH0231689A (ja) 百日咳トキシンの精製法
JP2016532100A (ja) アフィニティークロマトグラフィーマトリックス
EP0168234B1 (en) Purification process for hepatitis surface antigen and product thereof
US4493825A (en) Purified and antigenically selective vaccines for domestic animals
JP2952572B2 (ja) ヒト血漿の分別中に得られる画分から免疫グロブリンを回収する方法
CN112225799B (zh) 自动化分离系统快速提取covid-19患者康复期血浆的方法
CN112010968B (zh) 快速提取covid-19患者康复期血浆用于制备免疫球蛋白g的方法
MXPA96004256A (en) Method of recovery of immunoglobulin from fractions produced during the fractionation of plasma sanguineo hum
Sueoka Present status of apheresis technologies: Part 2. Membrane plasma fractionator
WO1981000050A1 (en) Process for producing hepatitis b vaccine
JP2023526738A (ja) タンパク質の単純化した高効率単離のための組成物および方法
CN114736294A (zh) 一种破伤风免疫球蛋白的纯化方法及其亲和层析填料
CN115010804A (zh) 一种在线分离高纯度免疫球蛋白的生产方法及设备
CN110804578B (zh) 一种牛血清去除IgG的生产方法
WO2011161107A1 (en) Small-pool fractionation of immunoglobulin g using caprylic acid and disposable equipment
Takamori et al. Specific removal of antiacetylcholine receptor antibodies in patients with myasthenia gravis
JP2721961B2 (ja) 血液製剤
JPH0723319B2 (ja) 血液製剤から血液型抗体を除去する方法
AU2021471146A1 (en) Compositions and methods for isolating proteins

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221109

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231226

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240621