JP2023526683A - 有機発光素子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、有機発光素子を提供する。

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年8月6日付の韓国特許出願第10-2020-0098674号および2021年7月27日付の韓国特許出願第10-2021-0098389号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
本発明は、有機発光素子に関する。
一般的に、有機発光現象とは、有機物質を利用して電気エネルギーを光エネルギーに転換させる現象をいう。有機発光現象を利用する有機発光素子は、広い視野角、優れたコントラスト、速い応答時間を有し、輝度、駆動電圧および応答速度特性に優れて多くの研究が進められている。
有機発光素子は、一般的に正極と負極および前記正極と負極との間に有機物層を含む構造を有する。前記有機物層は、有機発光素子の効率と安全性を高めるために、それぞれ異なる物質で構成された多層の構造からなる場合が多く、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などからなる。このような有機発光素子の構造において、2つの電極の間に電圧をかけると、正極からは正孔が、負極からは電子が有機物層に注入され、注入された正孔と電子が接した時、エキシトン(exciton)が形成され、このエキシトンが再び基底状態に落ちる時、光が出るようになる。
このような有機発光素子に使用される有機物に対して新たな材料の開発が要求され続けている。
一方、最近では工程費用の節減のために既存の蒸着工程の代わりに溶液工程、特にインクジェット工程を利用した有機発光素子が開発されている。草創期にはすべての有機発光素子層を溶液工程でコーティングして有機発光素子を開発しようとしたが、現在の技術では限界があり、HIL、HTL、EMLのみを溶液工程で行い、その後の工程は、既存の蒸着工程を活用するハイブリッド(hybrid)工程が研究中である。
そこで本発明では、有機発光素子に用いられ、かつ溶液工程に使用可能な新規な有機発光素子の素材およびこれを利用した有機発光素子を提供する。
韓国特許公開第10-2000-0051826号
本発明は、有機発光素子を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、正極、負極、前記正極と負極との間の発光層、および前記正極と発光層との間の正孔伝達層を含み、前記正孔伝達層は、下記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子、および下記化学式2で表される陰イオン基を含むイオン性化合物を含む、有機発光素子を提供する:
Figure 2023526683000002
前記化学式1中、
は置換または非置換の炭素数6~60のアリーレンであり、
はそれぞれ独立して、置換または非置換の炭素数6~60のアリーレンであり、
Arはそれぞれ独立して、置換または非置換の炭素数6~60のアリールであり、
Rはそれぞれ独立して、水素、重水素、または置換または非置換の炭素数1~10のアルキルであり、
Figure 2023526683000003
前記化学式2中、
n1およびn2はそれぞれ独立して、1~3の整数であり、但し、n1+n2は4であり、
Ar’’は、
Figure 2023526683000004
であり、
R’’は光硬化性基;または熱硬化性基であり、
R’’はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、または炭素数1~60のハロアルキルであり、
n3は1~4の整数であり、
Ar’’は、
Figure 2023526683000005
であり、
R’’はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1~60のハロアルキル、光硬化性基、または熱硬化性基であり、
n4は1~5の整数である。
本発明に係る有機発光素子は、溶液工程で正孔伝達層を製造することができ、また、有機発光素子の効率向上、低い駆動電圧および/または寿命特性を向上させることができる。
基板1、正極2、正孔伝達層3、発光層4、負極5からなる有機発光素子の例を示す図である。 基板1、正極2、正孔伝達層3、発光層4、電子輸送層6、電子注入層7および負極5からなる有機発光素子の例を示す図である。
以下、本発明の理解を助けるためにより詳しく説明する。
(用語の定義)
本明細書において、
Figure 2023526683000006
および
Figure 2023526683000007
は、他の置換基に連結される結合を意味する。
本明細書において、「置換または非置換の」という用語は、重水素;ハロゲン基;シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルボニル基;エステル基;イミド基;アミノ基;ホスフィンオキシド基;アルコキシ基;アリールオキシ基;アルキルチオキシ基;アリールチオキシ基;アルキルスルホキシ基;アリールスルホキシ基;シリル基;ホウ素基;アルキル基;シクロアルキル基;アルケニル基;アリール基;アラルキル基;アラルケニル基;アルキルアリール基;アルキルアミン基;アラルキルアミン基;ヘテロアリールアミン基;アリールアミン基;アリールホスフィン基;またはN、OおよびS原子のうちの1個以上を含むヘテロアリールからなる群より選択される1個以上の置換基で置換または非置換されるか、前記例示された置換基のうちの2以上の置換基が連結された置換基で置換または非置換されることを意味する。例えば、「2以上の置換基が連結された置換基」は、ビフェニル基であってもよい。すなわち、ビフェニル基は、アリール基であってもよく、2個のフェニル基が連結された置換基と解釈されてもよい。
本明細書において、カルボニル基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1~40であることが好ましい。具体的には、下記のような構造の化合物であってもよいが、これらに限定されるものではない。
Figure 2023526683000008
本明細書において、エステル基は、エステル基の酸素が炭素数1~25の直鎖、分枝鎖もしくは環鎖アルキル基、または炭素数6~25のアリール基で置換されていてもよい。具体的には、下記構造式の化合物であってもよいが、これらに限定されるものではない。
Figure 2023526683000009
本明細書において、イミド基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1~25であることが好ましい。具体的には、下記のような構造の化合物であってもよいが、これらに限定されるものではない。
Figure 2023526683000010
本明細書において、シリル基は、具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルシリル基、フェニルシリル基などがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、ホウ素基は、具体的には、トリメチルホウ素基、トリエチルホウ素基、t-ブチルジメチルホウ素基、トリフェニルホウ素基、フェニルホウ素基などがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、ハロゲン基の例としては、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素がある。
本明細書において、前記アルキル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、1~40であることが好ましい。一実施形態によれば、前記アルキル基の炭素数は1~20である。さらに1つの実施形態によれば、前記アルキル基の炭素数は1~10である。さらに1つの実施形態によれば、前記アルキル基の炭素数は1~6である。アルキル基の具体的な例としては、メチル、エチル、プロピル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、1-メチル-ブチル、1-エチル-ブチル、ペンチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、ヘプチル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、オクチル、n-オクチル、tert-オクチル、1-メチルヘプチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルペンチル、n-ノニル、2,2-ジメチルヘプチル、1-エチル-プロピル、1,1-ジメチル-プロピル、イソヘキシル、2-メチルペンチル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、前記アルケニル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、2~40であることが好ましい。一実施形態によれば、前記アルケニル基の炭素数は2~20である。さらに1つの実施形態によれば、前記アルケニル基の炭素数は2~10である。さらに1つの実施形態によれば、前記アルケニル基の炭素数は2~6である。具体的な例としては、ビニル、1-プロペニル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、3-メチル-1-ブテニル、1,3-ブタジエニル、アリル、1-フェニルビニル-1-イル、2-フェニルビニル-1-イル、2,2-ジフェニルビニル-1-イル、2-フェニル-2-(ナフチル-1-イル)ビニル-1-イル、2,2-ビス(ジフェニル-1-イル)ビニル-1-イル、スチルベニル基、スチレニル基などがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、シクロアルキル基は特に限定されないが、炭素数3~60であることが好ましく、一実施形態によれば、前記シクロアルキル基の炭素数は3~30である。さらに1つの実施形態によれば、前記シクロアルキル基の炭素数は3~20である。さらに1つの実施形態によれば、前記シクロアルキル基の炭素数は3~6である。具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、3-メチルシクロペンチル、2,3-ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、3-メチルシクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、2,3-ジメチルシクロヘキシル、3,4,5-トリメチルシクロヘキシル、4-tert-ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、アリール基は特に限定されないが、炭素数6~60であることが好ましく、単環式アリール基または多環式アリール基であってもよい。一実施形態によれば、前記アリール基の炭素数は6~30である。一実施形態によれば、前記アリール基の炭素数は6~20である。前記単環式アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などであってもよいが、これらに限定されるものではない。前記多環式アリール基としては、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、フルオレニル基などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、フルオレニル基は置換されていてもよく、置換基2個が互いに結合してスピロ構造を形成してもよい。前記フルオレニル基が置換される場合、
Figure 2023526683000011
などであってもよい。但し、これらに限定されるものではない。
本明細書において、ヘテロアリールは、異種元素としてO、N、SiおよびSのうちの1個以上を含むヘテロアリールであって、炭素数は特に限定されないが、炭素数2~60であることが好ましい。ヘテロアリールの例としては、キサンテン(xanthene)、チオキサンテン(thioxanthen)、チオフェン基、フラニル基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、アクリジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、キノリニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ピリドピリミジニル基、ピリドピラジニル基、ピラジノピラジニル基、イソキノリル基、インドール基、カルバゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラニル基、フェナントロリン基(phenanthroline)、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、フェノチアジニル基、およびジベンゾフラニル基などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
本明細書において、アラルキル基、アラルケニル基、アルキルアリール基、アリールアミン基、アリールシリル基中のアリール基は、上述したアリール基に関する説明が適用可能である。本明細書において、アラルキル基、アルキルアリール基、アルキルアミン基中のアルキル基は、上述したアルキル基に関する説明が適用可能である。本明細書において、ヘテロアリールアミン基中のヘテロアリールは、上述したヘテロアリールに関する説明が適用可能である。本明細書において、アラルケニル基中のアルケニル基は、上述したアルケニル基に関する説明が適用可能である。本明細書において、アリーレンは、2価の基であることを除けば、上述したアリール基に関する説明が適用可能である。本明細書において、ヘテロアリーレンは、2価の基であることを除けば、上述したヘテロアリールに関する説明が適用可能である。本明細書において、炭化水素環は1価の基ではなく、2個の置換基が結合して形成したことを除けば、上述したアリール基またはシクロアルキル基に関する説明が適用可能である。本明細書において、ヘテロ環は1価の基ではなく、2個の置換基が結合して形成したことを除けば、上述したヘテロアリールに関する説明が適用可能である。
(正極および負極)
本発明に係る有機発光素子は正極および負極を含む。
前記正極物質としては、通常有機物層への正孔注入が円滑となるように仕事関数の大きい物質が好ましい。前記正極物質の具体的な例としては、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金などの金属、またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)などの金属酸化物;ZnO:AlまたはSnO:Sbなどの金属と酸化物との組み合わせ;ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ[3,4-(エチレン-1,2-ジオキシ)チオフェン](PEDOT)、ポリピロールおよびポリアニリンなどの導電性化合物などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
前記負極物質としては、通常有機物層への電子注入が容易となるように仕事関数の小さい物質であることが好ましい。前記負極物質の具体的な例としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズおよび鉛などの金属、またはこれらの合金;LiF/AlまたはLiO/Alなどの多層構造物質などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
(正孔伝達層)
本発明に係る有機発光素子は、正極と発光層との間に正孔伝達層を含み、前記正孔伝達層は、前記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子、および前記化学式2で表される陰イオン基を含むイオン性化合物を含む。前記正孔伝達層は、正孔注入層、正孔輸送層、または正孔注入および輸送を同時に行う層であり得る。
好ましくは、前記正孔伝達層内において、前記高分子およびイオン性化合物の重量比は99:1~50:50、95:5~60:40、または90:10~70:30である。
以下、各物質別に詳しく説明する。
(化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子)
前記化学式1中、好ましくは、Lはフェニレン、ビフェニルジイル、またはビナフチルジイルであり、前記Lは非置換であるか、または1個または2個の炭素数1~10のアルキル、または1つ以上の重水素で置換される。
好ましくは、Lは下記のうちのいずれか1つで表され、
Figure 2023526683000012
前記中、R’はそれぞれ独立して、炭素数1~10のアルキルである。
好ましくは、R’はそれぞれ独立して、メチル、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘキシルである。
はそれぞれ独立して、フェニレン、またはビフェニルジイルであり、前記Lは非置換であるか、または1つ以上の重水素で置換される。より好ましくは、Lはそれぞれ独立して、1,4-フェニレン、または4,4’-ビフェニルジイルであり、前記Lは非置換であるか、または1つ以上の重水素で置換される。好ましくは、Lは互いに同一である。
好ましくは、Arはそれぞれ独立して、フェニル、またはビフェニリルであり、前記Arは非置換であるか、または炭素数1~10のアルキル、N(炭素数6~60のアリール)、または1つ以上の重水素で置換される。より好ましくは、Arはビフェニリルであり、前記Arは非置換であるか、またはプロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、N(フェニル)、または1つ以上の重水素で置換される。好ましくは、Arは互いに同一である。
好ましくは、Rはそれぞれ独立して、水素、重水素、またはメチルである。
好ましくは、前記化学式1は、下記で構成される群より選択されるいずれか1つである:
Figure 2023526683000013
Figure 2023526683000014
Figure 2023526683000015
また、前記化学式1で表される繰り返し単位は、下記化学式1-1で表される化合物に由来する。
Figure 2023526683000016
前記化学式1-1中、Xを除いた残りの定義は先に説明した通りであり、Xはハロゲンであり、より好ましくは、臭素または塩素である。
前記化学式1-1で表される化合物は、下記反応式1のような製造方法で製造することができる。
Figure 2023526683000017
前記反応式1中、Xを除いた残りの定義は先に説明した通りであり、Xはハロゲンであり、より好ましくは、臭素または塩素である。
前記反応式1中の段階1-1および1-2はそれぞれアミン置換反応であって、パラジウム触媒と塩基の存在下で反応させて製造する反応である。前記アミン置換反応のための反応基は当業界で公知のものによって変更可能である。前記製造方法は、後述する製造例でさらに具体化される。
前記高分子は、下記化学式1’で表される繰り返し単位をさらに含み得る:
Figure 2023526683000018
前記化学式1’中、
L’はそれぞれ独立して、単結合;または置換または非置換の炭素数6~60のアリーレンであり、
ZはC、Si、N、Si(フェニル)、またはn価の置換または非置換の炭素数6~60の芳香族環であり、
nは3または4であり、但し、ZがCまたはSiであれば、nは4であり、ZがNまたはSi(フェニル)であれば、nは3であり、
*は、高分子中の付着地点を示す。
前記化学式1’で表される繰り返し単位は分枝型の繰り返し単位であって、本発明に係る高分子構造内に含まれる場合、高分子の構造を分枝型で作り、溶媒に対する溶解度を向上させることができる。
好ましくは、L’はそれぞれ独立して、単結合;またはフェニレンである。
好ましくは、ZはC、N、Si、3価のベンゼンである。
好ましくは、前記化学式1’は、下記で構成される群より選択されるいずれか1つである:
Figure 2023526683000019
また、前記化学式1’で表される繰り返し単位は、下記化学式1’-1で表される化合物に由来する。
Figure 2023526683000020
前記化学式1’-1中、X’を除いた残りの定義は先に説明した通りであり、X’はハロゲンであり、より好ましくは、臭素または塩素である。
前記高分子は、下記化学式1’’で表される繰り返し単位をさらに含み得る:
Figure 2023526683000021
前記化学式1’’中、
Ar’’は、置換または非置換の炭素数6~60のアリールであり、
*は、高分子中の付着地点を示す。
前記化学式1’’で表される末端基は芳香族環状末端基であって、本発明に係る高分子構造内に含まれる場合、溶媒に対する溶解度を向上させることができる。
好ましくは、Ar’’はフェニル、またはビフェニリルであり、前記Ar’’は非置換であるか、または炭素数1~10のアルキル、光硬化性基、または熱硬化性基で置換される。
好ましくは、前記化学式1’’は、下記で構成される群より選択されるいずれか1つである:
Figure 2023526683000022
また、前記化学式1’’で表される繰り返し単位は、下記化学式1’’-1で表される化合物に由来する。
Figure 2023526683000023
前記化学式1’’-1中、X’’を除いた残りの定義は先に説明した通りであり、X’’はハロゲンであり、より好ましくは、臭素または塩素である。
本発明に係る高分子は、上述した化学式1-1で表される単量体を重合して製造することができる。また、本発明に係る高分子は、上述した化学式1-1で表される単量体および化学式1’-1で表される単量体を重合して製造することができる。また、本発明に係る高分子は、上述した化学式1-1で表される単量体、化学式1’-1で表される単量体および化学式1’’-1で表される単量体を重合して製造することができる。好ましくは、本発明に係る高分子は、前記繰り返し単位を含むランダム共重合体である。
本発明に係る高分子で、前記化学式1’の繰り返し単位が含まれる場合、好ましくは、前記化学式1で表される繰り返し単位100モルに対して前記化学式1’の繰り返し単位は10モル~50モル含まれる。より好ましくは、前記化学式1で表される繰り返し単位100モルに対して前記化学式1’の繰り返し単位は15モル以上、20モル以上、25モル以上、または30モル以上で含まれ;45モル以下、40モル以下、または35モル以下で含まれる。
本発明に係る高分子で、前記化学式1’’の繰り返し単位が含まれる場合、好ましくは、前記化学式1で表される繰り返し単位100モルに対して前記化学式1’’の繰り返し単位は20モル~65モルで含まれる。より好ましくは、前記化学式1で表される繰り返し単位100モルに対して前記化学式1’’の繰り返し単位は25モル以上、30モル以上、35モル以上、または40モル以上で含まれ;60モル以下、または55モル以下で含まれる。
また、上述した化学式1-1で表される単量体、化学式1’-1で表される単量体および/または化学式1’’-1で表される単量体の反応モル比を調節して、前記高分子のモル比を調節することができる。
好ましくは、前記高分子の重量平均分子量(Mw;g/mol)は3、000~1、000、000であり、より好ましくは10、000以上、20、000以上、30、000以上、40、000以上、50、000以上、60、000以上、70、000以上、または80、000以上であり;500、000以下、400、000以下、300、000以下、200、000以下、または150、000以下である。
好ましくは、前記高分子の分子量分布(PDI;Mw/Mn)は1~10であり、より好ましくは、1.5以上、2.0以上、2.1以上、2.2以上、2.3以上、2.4以上、または2.5以上であり;9.0以下、8.0以下、7.0以下、6.0以下、または5.0以下である。
(化学式2で表される陰イオン基)
前記化学式2中、好ましくは、R’’の光硬化性基;または熱硬化性基は、前記化学式1で定義したRの内容を適用することができる。
好ましくは、R’’はそれぞれ独立して、水素、フッ素、またはCFである。
好ましくは、Ar’’は、下記で構成される群より選択されるいずれか1つである:
Figure 2023526683000024
好ましくは、R’’はそれぞれ独立して、水素、フッ素、CF、CF(CF、CFCFCFCF、光硬化性基、または熱硬化性基である。この時、前記光硬化性基;または熱硬化性基は、前記化学式1で定義したRの内容を適用することができる。
好ましくは、Ar’’は、下記で構成される群より選択されるいずれか1つである:
Figure 2023526683000025
前記化学式2で表される陰イオン基の代表的な例は、以下の通りである:
Figure 2023526683000026
Figure 2023526683000027
(陽イオン基)
また、本発明に係るイオン性化合物は、陽イオン基をさらに含み得る。
好ましくは、前記陽イオン基は1価の陽イオン基、オニウム化合物または下記構造式の中から選択される:
Figure 2023526683000028
前記式中、
~X76はそれぞれ独立して、水素;シアノ;ニトロ;ハロゲン;-COOR104;置換または非置換の炭素数1~60のアルキル;置換または非置換の炭素数1~60のアルコキシ;置換または非置換の炭素数3~60のシクロアルキル;置換または非置換の炭素数1~60のフルオロアルキル;または置換または非置換の炭素数6~60のアリール;または硬化性基であり、
104は水素;重水素;または置換または非置換の炭素数1~60のアルキルであり、
pは0~10の整数であり、
aは1または2であり、bは0または1であり、a+b=2である。
好ましくは、前記陽イオン基は、下記構造式の中から選択される:
Figure 2023526683000029
前記式中、X47~X50、X100~X129およびX133~X142はそれぞれ独立して、水素;シアノ;ニトロ;ハロゲン;-COOR104;置換または非置換の炭素数1~60のアルキル;置換または非置換の炭素数1~60のアルコキシ;置換または非置換の炭素数3~60のシクロアルキル;置換または非置換の炭素数1~60のフルオロアルキル;または置換または非置換の炭素数6~60のアリール;または硬化性基であり、
104は置換または非置換のアルキル基である。
前記陽イオン基の代表的な例は、以下の通りである。
Figure 2023526683000030
一方、本発明に係る正孔伝達層の形成方法は後述する。
(発光層)
前記発光層は、ホスト材料およびドーパント材料を含むことができる。ホスト材料は、縮合芳香族環誘導体またはヘテロ環含有化合物などがある。具体的には、縮合芳香族環誘導体としては、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、ナフタレン誘導体、ペンタセン誘導体、フェナントレン化合物、フルオランテン化合物などがあり、ヘテロ環含有化合物としては、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ラダー型フラン化合物、ピリミジン誘導体などがあるが、これらに限定されない。
ドーパント材料としては、芳香族アミン誘導体、スチリルアミン化合物、ホウ素錯体、フルオランテン化合物、金属錯体などがある。具体的には、芳香族アミン誘導体としては、置換または非置換のアリールアミノ基を有する縮合芳香族環誘導体であって、アリールアミノ基を有するピレン、アントラセン、クリセン、ペリフランテンなどがあり、スチリルアミン化合物としては、置換または非置換のアリールアミンに少なくとも1個のアリールビニル基が置換されている化合物で、アリール基、シリル基、アルキル基、シクロアルキル基、およびアリールアミノ基からなる群より1または2以上選択される置換基が置換または非置換される。具体的には、スチリルアミン、スチリルジアミン、スチリルトリアミン、スチリルテトラアミンなどがあるが、これらに限定されない。また、金属錯体としては、イリジウム錯体、白金錯体などがあるが、これらに限定されない。
(電子輸送層)
本発明に係る有機発光素子は、前記発光層上に電子輸送層を含むことができる。
前記電子輸送層は、電子注入層から電子を受け取って発光層まで電子を輸送する層で、電子輸送物質としては、負極から電子注入をよく受けて発光層に移し得る物質であって、電子に対する移動性の大きい物質が好適である。具体的な例としては、8-ヒドロキシキノリンのAl錯体;Alqを含む錯体;有機ラジカル化合物;ヒドロキシフラボン-金属錯体などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。電子輸送層は、従来技術により使用されているような、任意の所望するカソード物質と共に使用可能である。特に、適切なカソード物質の例は、低い仕事関数を有し、アルミニウム層またはシルバー層が後に続く通常の物質である。具体的には、セシウム、バリウム、カルシウム、イッテルビウム、およびサマリウムであり、各場合、アルミニウム層またはシルバー層が後に続く。
(電子注入層)
本発明に係る有機発光素子は、必要に応じて、電子輸送層(または発光層)および負極の間に電子注入層を含むことができる。
前記電子注入層は電極から電子を注入する層で、電子を輸送する能力を有し、負極からの電子注入効果、発光層または発光材料に対して優れた電子注入効果を有し、発光層で生成された励起子の正孔注入層への移動を防止し、また、薄膜形成能力の優れた化合物が好ましい。具体的には、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フルオレニリデンメタン、アントロンなどとそれらの誘導体、金属錯体化合物、および含窒素5員環誘導体などがあるが、これらに限定されない。
前記金属錯体化合物としては、8-ヒドロキシキノリナトリチウム、ビス(8-ヒドロキシキノリナト)亜鉛、ビス(8-ヒドロキシキノリナト)銅、ビス(8-ヒドロキシキノリナト)マンガン、トリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム、トリス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム、トリス(8-ヒドロキシキノリナト)ガリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)亜鉛、ビス(2-メチル-8-キノリナト)クロロガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナト)(o-クレゾラート)ガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナト)(1-ナフトラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリナト)(2-ナフトラート)ガリウムなどがあるが、これらに限定されない。
上述した材料以外にも、前記発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および電子注入層には量子ドットなどの無機化合物または高分子化合物をさらに含み得る。
前記量子ドットは、例えば、コロイド量子ドット、合金量子ドット、コアシェル量子ドット、またはコア量子ドットであり得る。第2族および第16族に属する元素、第13族および第15族に属する元素、第13族および第17族に属する元素、第11族および第17族に属する元素、または第14族および第15族に属する元素を含む量子ドットであり得、カドミウム(Cd)、セレン(Se)、亜鉛(Zn)、硫黄(S)、リン(P)、インジウム(In)、テルル(Te)、鉛(Pb)、ガリウム(Ga)、砒素(As)などの元素を含む量子ドットを使用することができる。
(有機発光素子)
本発明に係る有機発光素子は、基板上に、正極、1層以上の有機物層、および負極が順次積層された構造(normal type)の有機発光素子であり得る。また、本発明に係る有機発光素子は、基板上に、負極、1層以上の有機物層、および正極が順次積層された逆方向構造(inverted type)の有機発光素子であり得る。例えば、本発明の一実施形態による有機発光素子の構造は、図1および図2に例示されている。
図1は、基板1、正極2、正孔伝達層3、発光層4、負極5からなる有機発光素子の例を示す図である。この構造において、前記正孔伝達層は、前記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子、および前記化学式2で表される陰イオン性化合物を含む。
図2は、基板1、正極2、正孔伝達層3、発光層4、電子輸送層6、電子注入層7および負極5からなる有機発光素子の例を示す図である。この構造において、前記正孔伝達層は、前記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子、および前記化学式2で表される陰イオン性化合物を含む。
本発明に係る有機発光素子は、上述した素材を使用したことを除けば、当該技術分野で知られている材料および方法で製造され得る。
例えば、本発明に係る有機発光素子は、基板上に、正極、有機物層、および負極を順次積層させて製造することができる。この時、スパッタリング法(sputtering)や電子ビーム蒸発法(e-beam evaporation)などのPVD(physical Vapor Deposition)方法を用いて、基板上に金属または導電性を有する金属酸化物またはこれらの合金を蒸着させて正極を形成し、その上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、および電子輸送層を含む有機物層を形成した後、その上に負極として用いられる物質を蒸着させて製造することができる。
この方法以外にも、基板上に、負極物質から有機物層、正極物質を順に蒸着させて有機発光素子を製造することができる(WO2003/012890)。但し、製造方法はこれに限定されるものではない。
本発明に係る有機発光素子は、使用される材料によって、前面発光型、後面発光型、または両面発光型であり得る。
(コーティング組成物)
一方、本発明に係る正孔伝達層は、溶液工程で形成することができる。そのため、本発明は、前記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子、および前記化学式2で表される陰イオン性化合物を含む正孔伝達層形成用コーティング組成物を提供する。
前記溶媒は、本発明に係る高分子および化合物を溶解または分散させることができる溶媒であれば特に限定されず、一例として、クロロホルム、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼンなどの塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、メシチレンなどの芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブアセテートなどのエステル系溶媒;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2-ヘキサンジオールなどの多価アルコールおよびその誘導体;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノールなどのアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒;およびN-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒;ブチルベンゾエート、メチル-2-メトキシベンゾエートなどのベンゾエート系溶媒;テトラリン;3-フェノキシトルエンなどの溶媒が挙げられる。また、上述した溶媒を1種単独でまたは2種以上の溶媒を混合して使用することができる。
また、前記コーティング組成物の粘度は1cP以上が好ましい。また、前記コーティング組成物のコーティングの容易性を考慮して、前記コーティング組成物の粘度は10cP以下が好ましい。また、前記コーティング組成物内の本発明に係る化合物の濃度は0.1wt/v%以上が好ましい。また、前記コーティング組成物が最適にコーティングされるように、前記コーティング組成物内の本発明に係る化合物の濃度は20wt/v%以下が好ましい。
また、前記コーティング組成物は、熱重合開始剤および光重合開始剤からなる群より選択される1種または2種以上の添加剤をさらに含み得る。
前記熱重合開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ビス-3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどの過酸化物、またはアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、およびアゾビスシクロヘキシルニトリルなどのアゾ系があるが、これらに限定されない。
前記光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタノン-1,2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-メチル-2-モルホリノ(4-メチルチオフェニル)プロパン-1-オン、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシムなどのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルなどのベンゾインエーテル系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ベンゾイルナフタレン、4-ベンゾイルビフェニル、4-ベンゾイルフェニルエーテルなどのベンゾフェノン系光重合開始剤;2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントンなどのチオキサントン系光重合開始剤;およびエチルアントラキノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシドなどのその他光重合開始剤があるが、これらに限定されない。
また、光重合促進効果を有するものを単独または前記光重合開始剤と併用して使用することもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2-ジメチルアミノ)エチル、4,4’-ジメチルアミノベンゾフェノンなどがあるが、これらに限定されない。
また、本発明は、上述したコーティング組成物を使用して正孔伝達層を形成する方法を提供する。具体的には、正極上に、前記正孔伝達層形成用コーティング組成物を溶液工程でコーティングする段階と、前記コーティングされたコーティング組成物を熱処理または光処理する段階と、を含む。
前記溶液工程は、上述した本発明に係るコーティング組成物を使用するもので、スピンコーティング、ディップコーティング、ドクターブレーディング、インクジェットプリンティング、スクリーンプリンティング、スプレー法、ロールコーティングなどを意味するが、これらにのみ限定されるものではない。
前記熱処理段階で熱処理温度は150~230℃が好ましい。また、前記熱処理時間は1分~3時間であり、より好ましくは10分~1時間である。また、前記熱処理は、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。また、前記コーティング段階と前記熱処理または光処理段階の間に溶媒を蒸発させる段階をさらに含み得る。
以下、本発明に係る有機発光素子の製造を実施例により具体的に説明する。しかし、下記の実施例は本発明を例示したものに過ぎず、本発明の範囲がこれらによって限定されるものではない。
製造例1-1:共重合体H1の製造
Figure 2023526683000031
化合物M1(0.765mmol)、化合物B1(0.158mmol)および化合物E1(0.396mmol)をシンチレーションバイアルに添加してトルエン(11mL)に溶解して第1溶液を製造した。
50mLシュレンクチューブ(Schlenk tube)にビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0)(2.42mmol)を充填した。2,2’-ジピリジル(2.42mmol)および1,5-シクロオクタジエン(2.42mmol)をシンチレーションバイアルに称量して入れ、N,N’-ジメチルホルムアミド(5.5mL)およびトルエン(11mL)に溶解して第2溶液を製造した。
前記第2溶液をシュレンクチューブに投入し、50℃で30分間攪拌した。前記第1溶液をシュレンクチューブにさらに添加し、50℃で180分間攪拌した。次に、シュレンクチューブを常温に冷却した後、HCl/メタノール(5%v/v、濃HCl)に注いだ。45分間攪拌した後、真空ろ過によって重合体を収集して高真空下で乾燥した。重合体をトルエンに溶解し(1%wt/v)、シリカゲル(6g)上に層化された塩基性酸化アルミニウム(6g)を含有するカラムを通過させた。重合体/トルエンのろ液を濃縮し(2.5%wt/vトルエン)、3-ペンタノンでトリチュレーティング(triturating)した。トルエン/3-ペンタノン溶液を半固体重合体から傾斜分離し、トルエン(15mL)に溶解した後、攪拌条件下でメタノールに注いで共重合体H1を60%の収率で得た。
製造例1-2:共重合体H2の製造
Figure 2023526683000032
不活性気体条件下で、化合物M1(0.207mmol)、化合物B2(0.092mmol)、アリコート(Aliquat)336(0.041mmol)、1.24mLの炭酸カリウム水溶液(0.5M)、ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(0.1μmol)およびトルエン(6.0mL)を、磁石攪拌棒を備えたシンチレーションバイアルに添加した。隔膜を有するスクリューキャップでバイアルを密封し、アルミニウムブロックに挿入し、30分間にわたって105℃の外部温度に加熱し、該温度で温和な還流下で5時間攪拌した。次に、反応物にビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(0.05μmol)、化合物E2(0.138mmol)およびトルエン(0.9ml)を充填した。反応物を上記の温度で1.5時間再び加熱した。次に、ヨードベンゼン(0.092mmol)およびトルエン(0.6mL)を添加した。反応物をさらに1.5時間加熱し、次いで、室温に冷却させた。水性層を除去し、有機層を20mLずつの脱イオン水で2回洗浄した。トルエン層を10gのシリカゲルを通過させて乾燥し、シリカをトルエンで洗浄した。溶媒を除去して250mgの粗生成物を得た。トルエン溶液を、アルミナ、シリカゲルおよびフロリジル(登録商標)を通過させることによって、粗生成物をさらに精製した。濃縮後に、溶媒に浸した生成物をトルエン約14mLに希釈し、次いで、酢酸エチル(150mL)に添加して約200mgの共重合体を得た。生成物のトルエン溶液を3-ペンタノン中に再沈殿して145mgの最終共重合体H2を得た。
製造例1-3:共重合体H3の製造
Figure 2023526683000033
化合物M1およびE1の代わりにそれぞれ化合物M2およびE3を使用したことを除いては、前記共重合体H1の製造方法と同様の方法で、共重合体H3を製造した。
製造例1-4:共重合体H4の製造
Figure 2023526683000034
化合物M1、B2、およびE2の代わりにそれぞれ化合物M3、B3およびE3を使用したことを除いては、前記共重合体H2の製造方法と同様の方法で、共重合体H4を製造した。
製造例1-5:共重合体H5の製造
Figure 2023526683000035
化合物M1およびE1の代わりにそれぞれ化合物M4およびE4を使用したことを除いては、前記共重合体H1の製造方法と同様の方法で、共重合体H5を製造した。
製造例1-6:共重合体H6の製造
Figure 2023526683000036
化合物M1、およびE1の代わりにそれぞれ化合物M5、およびE5を使用したことを除いては、前記共重合体H1の製造方法と同様の方法で、共重合体H6を製造した。
製造例1-7:共重合体H7の製造
Figure 2023526683000037
化合物M1、B2、およびE2の代わりにそれぞれ化合物M6、B3およびE4を使用したことを除いては、前記共重合体H2の製造方法と同様の方法で、共重合体H7を製造した。
上記で製造した共重合体の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(PDI、Mw/Mn)は、Agilent 1200 seriesを用いてPSスタンダード(Standard)を用いたGPCで測定し、製造された共重合体をTHFに1mg/1mLの濃度に溶かした溶液を使用して測定した。その結果を下記表1に示す。
Figure 2023526683000038
製造例2-1:化合物D1の製造
段階1)化合物D1’の製造
Figure 2023526683000039
100mL丸底フラスコに窒素雰囲気下でMg(193mg、7.92mmol)、I(4mg)およびTHF(10mL)を入れ、30分間攪拌した。4-ブロモスチレン(1.04mL、7.92mmol)を入れ、30℃の水槽を丸底フラスコの下に置いて1日間攪拌した。反応溶液が黒色となり、Mgが溶解したことを確認した。エーテル(5mL)を添加して反応溶液を希釈した。
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(1g、3.96mmol)をエーテル(5mL)に溶かして30分間ゆっくり反応溶液に添加した。溶液を1日間攪拌した。NaCO(0.1M、80mL、8.0mmol)をゆっくり反応溶液に添加した。酢酸エチル(20mL×3)を使用して有機溶媒を抽出し、MgSOで残水を除去した。さらに、残水と不純物を除去するためにディーン-ストック(Dean-stock)を用いてベンゼンで蒸留した。溶媒が10mL程度残ったとき、溶液を冷却し、ろ過して化合物D1’(1.6g、収率64%)を得た。
段階2化合物D1の製造
Figure 2023526683000040
25mL丸底フラスコに化合物D1’(100mg、0.16mmol)、蒸留水(10mL)およびPhICl(60mg、0.19mmol)を入れ、1時間攪拌した。反応溶液にアセトン(15mL)を加えて沈殿が生じるようにし、前記沈殿物をろ過し、乾燥して化合物D1(140mg、収率100%)を得た。
MS:[M-H]=615(negative mode)
MS:[M+H]=281(positive mode)
製造例2-2:化合物D2の製造
段階1)化合物D2’の製造
Figure 2023526683000041
250mL丸底フラスコにメチルトリフェニルポタシウムブロマイド(13.90g、38.91mmol)とTHF(100mL)を入れ、0℃で30分間攪拌した。反応溶液にn-BuLi(15.6mL、38.91mmol、2.5M in Hexane)をゆっくり添加し、0℃で30分間攪拌した。0℃で反応溶液に4-ホルミル-2,3,5,6-テトラフルオロ-1-ブロモベンゼン(5.0g、19.47mmol、in 30mL THF)をゆっくり添加した。反応溶液をゆっくり常温に温度を上げながら攪拌した。3時間後、反応溶液にエーテル(100mL)とNHCl飽和溶液(400mL)を加えた。エーテル(200mL×2)を使用して有機溶媒を抽出し、MgSOで残水を除去した。酢酸エチル:ヘキサン=1:9(v:v)でカラムを用いて化合物D2’(1.29g、収率26%)を得た。
段階2)化合物D2’’の製造
Figure 2023526683000042
25mL丸底フラスコにMg(95mg、3.92mmol)、THF(10mL)およびI(4mg)を入れて攪拌した。化合物D2’(1.0g、3.92mmol)を反応溶液に入れ、常温で攪拌した。10時間後、溶液が黒色でMgが完全に溶解したことを確認し、エーテル(10mL)とBCl(1.3mL、1.3mmol、ヘキサン溶液中1M)を30分間にわたって添加した。反応溶液を1日間攪拌した後、NaCO(30mL、3.0mmol、0.1M in HO)を添加した。酢酸エチル(10mL×3)で合成物質を抽出した後、MgSOで残水を除去した。溶媒を全て除去した後、ベンゼンを使用してディーンストック(Dean-stock)で水を完全に除去し、固体をろ過して化合物D2’’(340mg、収率28%)を得た。
段階3)化合物D2の製造
Figure 2023526683000043
25mL丸底フラスコに化合物D2’’(200mg、0.27mmol)、1-(4-ビニルベンジル)ピリジン-1-イウムクロリド(69mg、0.30mmol)、HO(10mL)、メチレンクロライド(10mL)を入れて激しく30分間攪拌した。エーテル(10mL×3)を使用して有機溶媒抽出し、MgSOで残水を除去した。溶媒を除去し、真空乾燥して化合物D2(247mg、収率100%)を得た。
MS:[M-H]=711(negative mode)
MS:[M+H]=196(positive mode)
製造例2-3:化合物D3の製造
段階1)化合物D3’の製造
Figure 2023526683000044
50mL丸底フラスコに1-ブロモ-2,3,5,6-テトラフルオロ-4-(1,2,2-トリフルオロビニル)ベンゼン(2g、7.84mmol)をTHF(20mL)に入れ、-78℃で30分間攪拌した。溶液にゆっくりn-BuLi in hexane(3.45mL、8.63mmol、2.5M)を入れ、-78℃で30分間攪拌した。反応溶液にBCl(2.6mL、2.61mmol、ヘキサン溶液中1M)を-78℃で15分間にわたって添加した。常温にゆっくり昇温し、反応溶液を1日間攪拌した後、水(30mL)を添加した。酢酸エチル(10mL×3)で合成物質を抽出した後、溶媒を全て除去した。ベンゼンを使用してディーンストック(Dean-stock)で水を完全に除去し、固体をろ過して化合物D3’(800mg、収率43%)を得た。
段階2)化合物D3の製造
Figure 2023526683000045
25mL丸底フラスコに化合物D3’(400mg、0.56mmol)、ジフェニルヨードニウムクロリド(176mg、0.56mmol)、水(10mL)、アセトン(10mL)を入れ、激しく30分間攪拌した。ジクロロメタン(10mL×3)を使用して抽出して溶媒を除去し、乾燥して化合物D3(552mg、収率100%)を得た。
MS:[M-H]=711(negative mode)
MS:[M+H]=281(positive mode)
製造例2-4:化合物D4の製造
段階1)化合物D4’の製造
Figure 2023526683000046
500mL丸底フラスコに炭酸カリウム(10.4g、75.3mmol)を入れ、DMF(200ml)を入れた。フラスコに2,3,5,6-テトラフルオロフェノール(10.0g、60.22mmol)を入れ、60℃で30分間攪拌した。反応溶液に4-ビニルベンジルクロリド(7.66g、50.18mmol)をゆっくり添加し、60℃で16時間攪拌した。その後、水(300mL)、酢酸エチル(200ml)を加えた。酢酸エチル(200mL×2)を使用して有機層を抽出し、MgSOで残水を除去した。酢酸エチル:ヘキサン=1:9(v:v)でカラムを用いて化合物D4’(11.2g、収率79%)を得た。
段階2)化合物D4’’の製造
Figure 2023526683000047
250ml丸底フラスコに化合物D4’(10g、35.43mmol)を入れ、エーテル(130ml)を入れて攪拌した。-78℃で反応溶液を冷却させ、30分間攪拌した。n-BuLi(17ml、42.52mmol、2.5M in Hexane)を30分間にわたってゆっくり注入した。その後、1時間攪拌した。BCl(8.15ml、8.15mmol、1M in Hexane)を30分間にわたってゆっくり投入した。反応溶液をゆっくり常温に昇温させた。反応溶液を1日間攪拌した後、水(200ml)を添加した。エーテル(100mL×3)で合成物質を抽出した後、溶媒を全て除去した。その後、ベンゼンを使用してディーンストック(Dean-stock)で水を完全に除去し、固体をろ過して化合物D4’’(6.2g、収率66%)を得た。
段階3)化合物D4の製造
Figure 2023526683000048
25mL丸底フラスコに化合物D4’’(6.2g、5.42mmol)、ジフェニルヨードニウムクロリド(2.57g、8.13mmol)、水(50mL)、アセトン(10mL)を入れ、激しく30分間攪拌した。メチレンクロライド(20mL×3)を使用して有機溶媒を抽出し、溶媒を除去した。メチレンクロライド:アセトン=9:1(v:v)でカラムを用いて化合物D4(5.0g、収率65%)を得た。
MS:[M-H]=1135(negative mode)
MS:[M+H]=281(positive mode)
[素子例]
実施例1
ITOが1500Åの厚さに薄膜蒸着されたガラス基板を、アセトン溶剤を使用して10分間超音波洗浄した。その後、洗剤を溶かした蒸留水に入れて10分間超音波洗浄した後、蒸留水で超音波洗浄を10分間、2回繰り返して行った。蒸留水洗浄が終わった後、イソプロピルアルコールの溶剤で超音波洗浄を10分間行った後、乾燥した。その後、前記基板をグローブボックスに輸送した。
このように準備されたITO透明電極上に、上記で製造した共重合体H1と化合物D1を8:2の重量比で含む2wt%シクロヘキサノン溶液を、スピンコーティングし、230℃で30分間熱処理して厚さ600Åの正孔注入層を形成した。前記正孔注入層上に、下記高分子HTL(重量平均分子量:83、661;Agilent 1200 seriesを用いてPSスタンダード(Standard)を用いたGPCで測定)を0.8wt%で含むトルエン溶液をスピンコーティングして、厚さ140nmの正孔輸送層を形成した。
Figure 2023526683000049
その後、前記正孔輸送層上に、下記化合物Aと下記化合物Bを、9:1の重量比で、シクロヘキサノン中1.3wt%の溶液を作った後、溶液工程によって厚さ550Åの発光層を形成した。前記発光層上に、下記化合物Cを真空蒸着して厚さ400Åの電子注入および輸送層を形成した。前記電子注入および輸送層上に順次、厚さ5ÅのLiFと厚さ1000Åのアルミニウムを蒸着してカソードを形成した。
Figure 2023526683000050
上記の過程で有機物の蒸着速度は0.4~1.0Å/secを維持し、LiFは0.3Å/sec、アルミニウムは2Å/secの蒸着速度を維持し、蒸着時の真空度は2×10-8~5×10-6torrを維持した。
実施例2~12
正孔注入層の製造時、共重合体H1および/または化合物D1の代わりに下記表2に記載された化合物を使用したことを除いては、前記実施例1と同様の方法で有機発光素子を製造した。
比較例1および2
正孔注入層の製造時、共重合体H1および/または化合物D1の代わりに下記表2に記載された化合物を使用したことを除いては、前記実施例1と同様の方法で有機発光素子を製造した。下記表2に記載された比較化合物1は以下の通りである。
Figure 2023526683000051
前記実施例および比較例で製造した有機発光素子において10mA/cmの電流密度での駆動電圧、外部量子効率(EQE)および寿命を測定して下記表2に示す。前記外部量子効率は、(放出された光子数)/(注入された電荷運搬体数)から求め、前記寿命(T95)は、初期輝度が95%に低下するまでの時間を意味する。
Figure 2023526683000052
上記表2に示すように、本発明に係る化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子、および化学式2で表される陰イオン基を含むイオン性化合物を正孔伝達層に使用する場合、外部量子効率および寿命に優れていることを確認することができた。
これに対し、本発明に係る化学式2で表される陰イオン基を含むイオン性化合物を正孔伝達層に使用しない比較例1は寿命が極めて少ないので、実質的に有機発光素子に使用できず、また、本発明に係る化学式2で表される陰イオン基を含むイオン性化合物とは異なり、光硬化性基または熱硬化性基が存在しない比較化合物1を正孔伝達層のドーパントとして使用した比較例2は、外部量子効率および寿命が顕著に低下することを確認することができた。
[硬化転換率の測定]
下記表3の通り上記で製造した共重合体を単独で作った2wt%シクロヘキサノン溶液、または上記で製造した共重合体とドーパント化合物を80:20の重量比で含む2wt%シクロヘキサノン溶液を製造した後、これをそれぞれをスピンコーティングし、230℃で30分間熱処理して薄膜を得た。前記薄膜をUV-visで吸収スペクトルを測定し、最大吸収が現れた地点の吸光指数(a1)を測定した。その後、シクロヘキサノンに前記薄膜を10分間浸した後、取り出してUV-visで吸収スペクトルを測定し、最大吸収が現れた地点の吸光指数(a2)を測定した。前記測定された2つの値から下記数式1のように硬化転換率を算出した。
[数式1]
硬化転換率(%)=(a2/a1)×100
Figure 2023526683000053
上記表3に示すように、共重合体単独の場合に比べてドーパントと共に使用した場合、硬化転換率が顕著に上昇し、理論により限定されるものではないが、前記の結果から本発明に係る化学式2で表される陰イオン基を含むイオン性化合物の光硬化性基または熱硬化性基によって硬化がさらにうまく進行することに起因することを確認することができた。
1・・・基板
2・・・正極
3・・・正孔伝達層
4・・・発光層
5・・・負極
6・・・電子輸送層
7・・・電子注入層

Claims (16)

  1. 正極、
    負極、前記正極と負極との間の発光層、および
    前記正極と発光層との間の正孔伝達層を含み、
    前記正孔伝達層は、下記化学式1で表される繰り返し単位を含む高分子、および下記化学式2で表される陰イオン基を含むイオン性化合物を含む、有機発光素子:
    Figure 2023526683000054
    前記化学式1中、
    は置換または非置換の炭素数6~60のアリーレンであり、
    はそれぞれ独立して、置換または非置換の炭素数6~60のアリーレンであり、
    Arはそれぞれ独立して、置換または非置換の炭素数6~60のアリールであり、
    Rはそれぞれ独立して、水素、重水素、または置換または非置換の炭素数1~10のアルキルであり、
    Figure 2023526683000055
    前記化学式2中、
    n1およびn2はそれぞれ独立して、1~3の整数であり、但し、n1+n2は4であり、
    Ar’’は、
    Figure 2023526683000056
    であり、
    R’’は光硬化性基;または熱硬化性基であり、
    R’’はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、または炭素数1~60のハロアルキルであり、
    n3は1~4の整数であり、
    Ar’’は、
    Figure 2023526683000057
    であり、
    R’’はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1~60のハロアルキル、光硬化性基、または熱硬化性基であり、
    n4は1~5の整数である。
  2. はフェニレン、ビフェニルジイル、またはビナフチルジイルであり、
    前記Lは非置換であるか、または1個または2個の炭素数1~10のアルキル、または1つ以上の重水素で置換されている、請求項1に記載の有機発光素子。
  3. は下記構造式のうちのいずれか1つで表され、
    Figure 2023526683000058
    前記構造式中、
    R’はそれぞれ独立して、炭素数1~10のアルキルである、請求項1または2に記載の有機発光素子。
  4. R’はそれぞれ独立して、メチル、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘキシルである、請求項3に記載の有機発光素子。
  5. はそれぞれ独立して、フェニレン、またはビフェニルジイルであり、
    前記Lは非置換であるか、または1つ以上の重水素で置換されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  6. Arはそれぞれ独立して、フェニル、またはビフェニリルであり、
    前記Arは非置換であるか、または炭素数1~10のアルキル、N(炭素数6~60のアリール)、または1つ以上の重水素で置換されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  7. Arはビフェニリルであり、
    前記Arは非置換であるか、またはプロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、N(フェニル)、または1つ以上の重水素で置換されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  8. Rはそれぞれ独立して、水素、重水素、またはメチルである、請求項1~7のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  9. 前記化学式1は、下記で構成される群より選択されるいずれか1つで表される、請求項1に記載の有機発光素子:
    Figure 2023526683000059
    Figure 2023526683000060
    Figure 2023526683000061
  10. R’’はそれぞれ独立して、水素、フッ素、またはCFである、請求項1~9のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  11. Ar’’は、下記で構成される群より選択されるいずれか1つである、請求項1~10のいずれか一項に記載の有機発光素子:
    Figure 2023526683000062
  12. R’’はそれぞれ独立して、水素、フッ素、CF、CF(CF、CFCFCFCF、光硬化性基、または熱硬化性基である、請求項1~11のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  13. Ar’’は、下記で構成される群より選択されるいずれか1つである、請求項1~12のいずれか一項に記載の有機発光素子:
    Figure 2023526683000063
  14. 前記化学式2で表される陰イオン基は、下記で構成される群より選択されるいずれか1つである、請求項1に記載の有機発光素子:
    Figure 2023526683000064
    Figure 2023526683000065
  15. 前記イオン性化合物は陽イオン基を含み、前記陽イオン基は、1価の陽イオン基、オニウム化合物または下記構造式の中から選択される、請求項1~14のいずれか一項に記載の有機発光素子:
    Figure 2023526683000066
    前記構造式中、
    ~X76はそれぞれ独立して、水素;シアノ;ニトロ;ハロゲン;-COOR104;置換または非置換の炭素数1~60のアルキル;置換または非置換の炭素数1~60のアルコキシ;置換または非置換の炭素数3~60のシクロアルキル;置換または非置換の炭素数1~60のフルオロアルキル;または置換または非置換の炭素数6~60のアリール;または硬化性基であり、
    104は水素;重水素;または置換または非置換の炭素数1~60のアルキルであり、
    pは0~10の整数であり、
    aは1または2であり、bは0または1であり、a+b=2である。
  16. 前記陽イオン基は、下記構造式で構成される群より選択されるいずれか1つである、請求項15に記載の有機発光素子:
    Figure 2023526683000067
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