JP2023523976A - N,n’-ジアセチル-l-シスチンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

N,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)を製造する効果的な方法は、迅速で、環境に優しく、所望の比の生成物を生じることによって生成物の労働集約的な単離又は精製を必要とせず、改善された収率及び純度を有する。二塩酸化合物形態としてのシスチン誘導体ジ-tert-ブチル-L-シスチンから出発する反応混合物を形成する工程と、前記ジ-tert-ブチル-L-シスチンをアセチル化してN,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチンを得る工程と、続いて、前記N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチンから前記tert-ブチル基を除去して、N,N’-ジアセチル-L-シスチン生成物を得る工程と、前記反応混合物から前記N,N’-ジアセチル-L-シスチン生成物を単離する工程と、を含み、前記アセチル化剤が、無水酢酸である、方法。

Description

本発明は、N,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)を製造する効率的な方法に関する。
健康な外見は、普遍的な消費者のニーズであり、パーソナルケアは、日常生活の一態様である。健康に見える皮膚は、外観(グロー、輝度、色相の均一性、色素沈着スポット)、質感(平滑性、滑らかさ、凹凸及び細孔の欠如)、及び年齢(小じわ、しわ、弾力性、たるみ・弛緩)の属性の観点から説明することができる。異なるクラスの化合物が皮膚の外観に美容上の利点を主張しているが、システイン及びシスチン誘導体はあまり注目されていない。
β置換システイン/シスチン、シスチンジアミド、シスチンジアルキルエステル及びN-アルカノイルシステインを含むいくつかのシステイン/シスチン誘導体は、例えば腎結石予防において潜在的な治療上の利点を有する(Zhuら、「Rational Design of Novel Crystal Growth Inhibitors for Treatment of Cystinuria Kidney Stones」、2013 ProQuest Dissertation and Theses;CrystEngComm、2016、18、8587を参照されたい)。しかしながら、シスチンの最も単純な誘導体であるN,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)でさえ、特に美容及びパーソナルケア分野における工業的応用を欠いている。
ほとんど知られていない用途の結果として、NDACは商業規模では実用的に利用できない。ここで、NDACがシスチンに分解し、これが生物の細胞内でシステインに還元されること、すなわちシステインの細胞内形成が発見された。システイン及びその二量体シスチンはグルタチオン前駆体である。グルタチオン(GSH)は、グルタメート、システイン及びグリシンからなるトリペプチドである。それは、全ての哺乳動物組織に存在する。それは、活性酸素種(ROS)をクエンチ又は捕捉することによって酸化から細胞を保護する、生体内の主な抗酸化剤である。太陽光照射及び汚染物質によって引き起こされる皮膚の過剰なROSは、不均一な皮膚の色調などの臨床症状に関連する。メラニン形成の緩和におけるグルタチオンの役割は、以前に報告されている。加齢及びストレスへの曝露により、グルタチオンは減少する。したがって、皮膚のグルタチオンを増加させて、均一な皮膚色調などの利点を提供することが非常に望ましい。
細胞内グルタチオン産生を増強するための組成物が記載されている。例えば、Chibaらの米国特許第7,740,831号明細書、Crumらの(米国再発行特許出願第37934号明細書、米国再発行特許出願第42645号明細書、国際公開第2016/033183号パンフレット、及び米国特許出願公開第20050271726号明細書);Mammoneの米国特許第6,149,925号明細書及びPerriconeの米国特許出願公開第2006/0063718号明細書を参照されたい。GSHトリペプチドの細胞取り込み及び合成のための局所組成物及びその構成アミノ酸(グルタミン酸、システイン及び/又はグリシン、すなわちグルタチオン前駆体)からの皮膚におけるグルタチオンの生成の増強は、例えば、本出願人の米国特許出願公開第20/9034号明細書、米国特許出願公開第20/16059号明細書及び米国特許出願公開第19/328631号明細書で取り扱われた。
本出願人らは、NDACの性能が皮膚細胞内のグルタチオン合成を増強するためのシスチンの性能に匹敵するが、NDACはより可溶性であり、システインチオール(SH)含有誘導体又は他のシスチン誘導体と比較して不快な硫黄臭を発生せず、皮膚へのより良好な送達を有することができ、それによってより良好な性能をもたらすことができることを今回発見した。体内のプロテアーゼは、NDACのN-アセチル結合を切断(又は加水分解)して最終的にシスチンを生成することができ、したがって、NDACはシスチンの制御放出代替源としても機能することができる。
したがって、NDAC材料が必要とされている。
NDACよりも有利でない他のシスチン誘導体の例は、チオール(SH)基を含有するN-アセチルシステイン(「NACys」)及びSH基を含有しないL-シスチンジエチルエステル(「DEC」)である。NACysは、去痰剤として一般的に使用されるチオール薬物である(Cryst.Eng.Comm.、2016、18、8587、その中で「NACe」と呼ばれる)。NACysは不快な硫黄臭を提供し、これは化粧品では許容できない。さらに、硫黄臭(硫化水素又はHSとしてモニターされる)は、市販されている化粧品でも許容できないNACys分解と一致する。同様に、DECもまた、強い望ましくない硫黄臭を発生させ、配合された化粧品において安定ではない。
NDACは、アミド、すなわちシスチンのN,N’-ジアセチル誘導体である。NDACは、本発明の目的のために、以下の化学構造を有する。
Figure 2023523976000001
NDACの分子量=324.4。
本発明のNDAC立体異性体(窒素原子とカルボン酸部分のカルボニル基との間に位置するアルファ-炭素原子の立体異性を指す)としては、R,R(L-シスチン)、R,S、S,R及びS,S(D-シスチン)が挙げられる。好ましくは、L立体異性体が使用され、これは自然界で見られる最も豊富で天然の異性体である。
NDACは容易に市販されていないが、実験室規模で供給され得る。NDACは、Vandana Rathoreら、Organic Letters、20(19)、6274-6278;2018及びScott J.Pyeら、Green Chemistry、20(1)、118-124;2018に記載されているように、NACysから直接合成することができる。
Figure 2023523976000002
NDACを生成するためのNACys又は他のSH含有原料の酸化的二量体化を含むそのような化学的方法は、重大な欠点を被る。第1に、未反応のNACyは、所望のNDAC生成物から除去することが困難であり、極性溶媒系を使用するクロマトグラフィーなどの特殊な精製方法を必要とする。第2に、そのような精製方法は、非常に大規模(例えば、kg、トン)では、実用的ではない。第3に、最終的なNDAC生成物中の非常に少量のNACys不純物であっても、配合時にNACysなどのSH含有不純物が望ましくない硫黄臭を発生させるため、化粧品に使用できなくなる。第4に、NACysのNDACへの酸化中に、NACysの早すぎる酸化及びNDACの望ましくない及び除去が困難なスルフェン/スルホン酸、スルホン及び/又はスルホキシド不純物への過酸化をもたらす可能性がある。したがって、チオール含有原料及び/又は酸化条件の使用を回避する化学的方法が非常に望ましい。
NDACのようなシスチン誘導体を生成する可能性のあるチオール含有原料の使用を回避する賢明なアプローチは、シスチン又はシスチン由来原料の使用を含む。シスチンのNDACへの直接変換を含む実用的な方法は、主にシスチンの水及び有機溶媒への極めて低い溶解度(例えば、シスチンの水への溶解度は25℃で0.112mg/mlである。シスチンは、pH2未満又はpH8超を有する水溶液により可溶性である。シスチンは、アルコール、エーテル、エステル、ケトンなどの有機溶媒に実質的に不溶性である)のために、報告されていない。シスチン誘導体から出発するNDAC合成の代替方法は、保護-脱保護順序を伴う可能性が最も高い。例えば、L-シスチンジメチル(DMC)、ジエチル(DEC)又はジ-tert-ブチル(DTBC)エステルなどのL-シスチンジエステルは、二塩酸塩として容易に入手可能である。これらも水溶性が高い。N,N’-ジアルカノイルジアルキルシスチンエステルを生成するための塩基性条件下でのDMC及びDECなどの非ヒンダードアルキルエステルのN,N’-ジアセチル化は、望ましくない硫黄臭を有する副生成物へのDMC及びDECの部分的不均化のために実用的ではないが、DTBCのようなヒンダードアルキルジエステルは、より安定で魅力的である。さらに、穏やかな酸性条件下でのtert-ブチルエステル官能基の脱保護は、N,N’-ジアルカノイルシスチンを生成し、NDACはこのクラスの化合物内の代表である。
N,N’-ジアルカノイル-ジ-tert-ブチル-L-シスチンは、ジ-tert-ブチル-L-シスチン(1)及び酸塩化物(例えば、Liebigs Annalen der Chemie(1987)895-9;Journal of Inorganic Biochemistry(2011)105、880-886を参照のこと)、カルボン酸(例えば、Bioconjugate Chemistry(2004)15、541-553;Journal of the American Chemical Society(2001)123、1023-1035;Biochemistry(2005)、44、9971-9979;米国特許出願公開第20170342046号明細書を参照のこと)又は活性化カルボン酸(例えば、国際公開第2013002329号パンフレット参照のこと)から直接合成的に調製されている。また、ジ-tert-ブチル-L-シスチン(1)と無水酢酸から直接N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)を調製する化学的方法は、European Journal of Organic Chemistry(2008)26、4417-4425に記載されている。残念ながら、これらの方法は、望ましくない有機溶媒、例えばピリジン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、アセトニトリル及び/又は混合溶媒系を使用する。そのような有機溶媒は、毒性及び/又は可燃性であり、商業規模では実用的でなく、いずれにせよ、酸塩基抽出及びクロマトグラフィーなどの複雑な精製方法を必要とする。さらに、これらの方法のいくつかは、長い反応時間(例えば2日)を必要とし、成分認定に必要な高純度(例えば99%超)を達成するために追加の精製工程を必要とする収率を必要とする。したがって、当技術分野では、ジ-tert-ブチル-L-シスチン(1)、すなわち以下に示す化学構造を有する試薬から直接N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)を生成するための実用的で環境に優しい化学的方法が必要とされている。
Figure 2023523976000003
N,N’-ジアルカノイル-シスチンを生成するためのN,N’-ジアルカノイル-ジ-tert-ブチル-L-シスチンの直接脱保護が報告されている(例えば、Journal of Inorganic Biochemistry(2011)105、880-886;国際公開第2013002329号パンフレット;Journal of Enzyme Inhibition and Medicinal Chemistry(2018)33、1392-1404を参照のこと)。残念なことに、これらの方法は、DCM中のTFA又はジオキサン中のHClを使用するが、これらは商業規模では実用的又は環境に優しい方法ではない。したがって、当技術分野では、N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)から直接N,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)を特異的に調製するための実用的又は環境に優しい化学的方法が必要とされている。
Journal of Biological Chemistry(1931)243-252は、アセチル化試薬としてAc2Oを用いて水中のシスチンからのジアセチル-L-シスチン(NDAC)の調製を開示している。精製は、アセチルシスチンが可溶性であるアセトンと水の混合物を使用して行われる。
米国特許第7,740,831号明細書 米国再発行特許出願第37934号明細書、 米国再発行特許出願第42645号明細書、 国際公開第2016/033183号パンフレット 米国特許出願公開第20050271726号明細書 米国特許第6,149,925号明細書 米国特許出願公開第2006/0063718号明細書 米国特許出願公開第20/9034号明細書 米国特許出願公開第20/16059号明細書 米国特許出願公開第19/328631号明細書 米国特許出願公開第20170342046号明細書 国際公開第2013002329号パンフレット
Zhuら、「Rational Design of Novel Crystal Growth Inhibitors for Treatment of Cystinuria Kidney Stones」、2013 ProQuest Dissertation and Theses;CrystEngComm、2016、18、8587 Vandana Rathoreら、Organic Letters、20(19)、6274-6278;2018 Scott J.Pyeら、Green Chemistry、20(1)、118-124;2018 Liebigs Annalen der Chemie(1987)895-9 Journal of Inorganic Biochemistry(2011)105、880-886 Bioconjugate Chemistry(2004)15、541-553 Journal of the American Chemical Society(2001)123、1023-1035 Biochemistry(2005)、44、9971-9979 European Journal of Organic Chemistry(2008)26、4417-4425 Journal of Inorganic Biochemistry(2011)105、880-886 Journal of Enzyme Inhibition and Medicinal Chemistry(2018)33、1392-1404 Journal of Biological Chemistry(1931)243-252
本発明は、シスチン誘導体からN,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)を調製するための実用的な2工程の方法を提供する。
第1に、本発明は、溶媒として水を使用してN,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)を調製する化学的方法を提供することによって先行技術の必要性を排除し、16時間未満かかり、抽出ワークアップ又は精製を必要とせず、生成物は単純濾過によって単離され、収率は高い(88%超)。有利には、出発物質は、市販の白色固体であるジ-tert-ブチル-L-シスチン二塩酸化合物である。
さらに、本発明は、試薬及び溶媒の両方としてギ酸を使用してN,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)を調製する化学的方法を提供することによって従来技術の必要性を排除し、リサイクルすることができ、3時間未満かかり、抽出ワークアップ又は精製を必要とせず、生成物は精製の必要なく溶媒蒸発時に単離され、収率は高い(約97%)。ギ酸は、非毒性であり、生分解性であり、再使用可能である(Chinese Journal of Catalysis(2015)36、1461-1475を参照されたい)という点で、この目的のために使用される他の試薬(TFA及びHClなど)よりも大きな利点を有する。
本発明は、N-N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)を製造する化学的方法を含み、方法は、
二塩酸化合物形態としてのシスチン誘導体ジ-tert-ブチル-L-シスチンエステル(1)から出発する反応混合物を形成する工程と、
前記ジ-tert-ブチル-L-シスチンをアセチル化してN,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)を得る工程と、続いて、
前記N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチンから前記tert-ブチル基を除去して、N,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)生成物を単離する工程と、を含み、前記アセチル化剤が無水酢酸である。
本発明の方法は迅速であり、環境に優しい試薬(水及びギ酸)を使用し、単一の反応容器内で行うことができ、生成物NDACの労働集約的な単離又は精製を必要とせず、他の報告された方法よりも収率及び純度が改善されている。さらに、本発明の方法は、望ましくない硫黄臭を有する副生成物をもたらすチオール含有システイン誘導体又はシスチン誘導体を使用しない。手順は以下の通りである。
工程1-N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)
Figure 2023523976000004
一般的な手順として、本発明の方法の工程1は、
N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)、NDAC生成物のための中間体の調製である。
工程1は、5~50℃の範囲の温度(好ましくは5℃~35℃、最も好ましくは10~25℃)で水中の二塩酸塩からのジ-tert-ブチル-L-シスチン(1)(1モル当量)の溶液を調製することから始まる。
工程1は、次いで、アセチル化剤無水酢酸(2~5モル当量)を溶液に添加することを含む。
工程1は、塩基、好ましくは無機塩基(2~6モル当量)を溶液に添加して、ジ-tert-ブチル-L-シスチン(1)、アセチル化剤、及び塩基の混合物を形成することをさらに含む。無機塩基は、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の重炭酸塩又は炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムを含む。水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物又は水酸化カルシウム若しくは酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物若しくは酸化物、及びそれらの混合物も適している。重炭酸ナトリウムが好ましい。
5~50℃(好ましくは5~35℃の間、最も好ましくは10~25℃の間)の範囲の温度で混合物を撹拌し続けることによって、反応が起こる。全てのジ-tert-ブチル-L-シスチン(出発物質)が消費され(典型的には1~24時間)、所望のN,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン生成物が溶液から沈殿するまで撹拌を続ける。
N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)生成物(NDACの中間体)は、濾別し、水で洗浄することによって得られる。
本発明の方法の工程2は、最終的なNDAC生成物であるN,N’-ジアセチル-L-シスチンの調製である。
工程2は、例えば、ギ酸、硫酸、リン酸又は塩酸、及びそれらの混合物を(好ましくは、その非毒性、生分解性及び再利用可能な特性並びに溶媒及び試薬の両方としての適合性のために、ギ酸)を含むがこれらに限定されない適切な酸を提供することを含む。適切な濃度は、N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン1mmol当たり0.5ml~10mlの酸である。
工程2は、N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)(1モル当量)を酸に懸濁させて懸濁液を形成することを含む。
工程2は、20℃~100℃の範囲の温度(好ましくは40~80℃の間、最も好ましくは50~70℃の間)で懸濁液を撹拌して、透明で無色の均一な溶液を生成することを含む。全てのN,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(工程2の出発物質)が消費され(典型的には1~24時間)、所望の生成物N,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)が生成されるまで撹拌を続ける。
N,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)は、溶媒を蒸発させることによって非晶質固体として得られる。溶媒を再循環させ、工程2のために無期限に再利用することができる。
さらに、工程2は、例えば酢酸エチルなどの水非混和性有機溶媒を非晶質N,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)に添加し、激しく撹拌して白色固体に沈殿/固化させることによる、N,N’-ジアセチル-L-シスチンの精製及び高品質結晶性白色固体としての単離を含み得る。方法の最後の工程は、遠心分離又は濾過、好ましくは濾過によって、沈殿したN,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)生成物を単離することを含み得る。
具体的な好ましい反応スキームの例を以下に示す。
Figure 2023523976000005
工程1-N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)-無水酢酸(0.55ml、5.9mmol)を、ジ-tert-ブチル-L-シスチン(1)二塩酸化合物(1g、2.4mmol)を含む水(10ml)の溶液に加えた後、重炭酸ナトリウム(790mg、9.4mmol)を加え、混合物を室温(R.T.)で16時間撹拌し、その時点で生成物が白色固体として沈殿した。この時点で、TLC(100%酢酸エチル溶出)は主要な生成物の清浄な形成を示した。生成物を濾別し、水(3×10ml)で洗浄し、真空下で乾燥させて純粋な
N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチンを白色固体として得た。これは、次の工程に十分に純粋であった(905mg、収率88%)。
工程2-N,N’-ジアセチル-L-シスチン(NDAC)-N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)(500mg、1.15mmol)をギ酸(1ml)に懸濁し、60℃で3時間加熱して、透明で無色の均一な溶液を生成した。この時点で、TLC(30:40:30 酢酸エチル:イソプロピルアルコール:水)は、単一の生成物の清浄な形成を示し、反応物/出発物質は示さなかった。溶媒を60℃で減圧下で除去して、無色のガラス状ゲルを得た。生成物を、酢酸エチルを添加することによって沈殿させ、濾別し、高真空下で乾燥させて、純粋なN,N’-ジアセチル-L-シスチンを白色固体として得てもよい(350mg、97%)。
別の好ましい実施形態において、本方法は、中間体(2)の単離なしで、単一の容器中で1つの全体的な工程で行われる。この方法は、全ての試薬を添加することと、工程1を生じさせることと、工程2の試薬を添加することと、加熱することと、アルコールを添加して塩を沈殿させることと、塩を濾別することと、アルコールを蒸発させてNDACを単離することと、を含む。
実施例、又は他に明示的に示されている場合を除いて、材料の量又は反応の条件、材料の物理的特性及び/又は使用を示す本明細書の全ての数字は、「約」という単語によって修飾されると理解されるべきである。
濃度又は量の任意の範囲を指定する際に、任意の特定の上限濃度を任意の特定の下限濃度又は量に関連付けることができることに留意されたい。
誤解を避けるために、「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」を意味することを意図しているが、必ずしも「からなる(consisting of)」又は「から構成される(composed of)」を意味するものではない。言い換えれば、列挙された工程又は選択肢は網羅的である必要はない。
本発明は、
シスチン誘導体由来のN,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)を調製するための2工程の方法を提供する。一般的な態様では、本方法は、
二塩酸化合物形態としてのシスチン誘導体ジ-tert-ブチル-L-シスチンエステル(1)から出発する反応混合物を形成する工程と、
アセチル化してN,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)を得る工程と、続いて、
前記tert-ブチル基を除去して、N,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)生成物を単離する工程と、を含み、前記アセチル化剤が無水酢酸である。
第1に、本発明は、溶媒として水を使用してN,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)を調製する化学的方法を提供することによって先行技術の必要性を排除し、16時間未満かかり、抽出ワークアップ又は精製を必要とせず、生成物は単純濾過によって単離され、収率は高い(88%超)。出発物質は、市販の白色固体であるジ-tert-ブチル-L-シスチン(1)である。
さらに、本発明は、リサイクル可能な試薬及び溶媒の両方としてギ酸を使用してN,N’-ジアセチル-L-シスチン(NDAC)を調製する化学的方法を提供することによって、従来技術の必要性を排除する。反応は3時間未満であり、抽出ワークアップ又は精製を必要とせず、生成物は精製を必要とせずに溶媒蒸発時に単離され、収率は高い(約97%)。
別の態様では、本発明は、N,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)を製造する化学的方法を含み、方法は、
市販されている二塩酸塩としてのL-シスチンの誘導体、ジ-tert-ブチルエステル(1)から出発する工程と、
無水酢酸及び重炭酸ナトリウムの存在下、水性媒体中で前駆体をアセチル化する工程と、
加熱条件下で試薬及び溶媒の両方としてギ酸を使用してtert-ブチル基を除去する工程と、
反応混合物からN,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)生成物を単離する工程と、を含む。
全てのアミノ酸は、L立体異性体であった。L-シスチン(98%超)は、Sigmaから購入した。N,N’-ジアセチル-L-シスチン(95%)は、CombiBlocksから購入した。ジ-tert-ブチル-L-シスチン二塩酸化合物(DTBC;98%)は、Bachemから購入した。
ジ-tert-ブチル-L-シスチン(「DTBC」)
本発明の方法の出発物質として、二塩酸化合物形態として白色粉末固体として大量に市販されているジ-tert-ブチル-L-シスチンエステル(1又は「DTBC」)を選択する。DTBCは、それ自体がグルタチオン前駆体である。しかしながら、DTBCは、NDACよりも反応性が高く、不安定な第一級遊離アミン官能基であるため、化粧品用途にあまり適しておらず、試薬としてより適している。この出発試薬は、本明細書ではジ-tert-ブチル-L-シスチン(1又は「DTBC」)又はジ-tert-ブチル-L-シスチン二塩酸化合物とも呼ばれる。
N,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)
出願人らは、N,N’-ジアセチル-L-シスチン(N,N’-ジアセチル-L-シスチン又はNDACとも呼ばれる)及びジナトリウム塩などのNDAC塩がパーソナルケア組成物中の有用なアミドであることを発見した。NDAC構造を以下に示す(C1016):
Figure 2023523976000006
NDACの分子量=324.4。
皮膚化粧品組成物において、NDAC及びそのジナトリウム塩は、皮膚に適用されると、細胞内でシスチン及びシステインに変換される。システインは、次に、グルタチオン前駆体としてなど、多くの化粧品用途を有する。NDACは、化粧品用途のためのシステインの最終的な送達を含む優れた機能的利点を有する。さらに、NDACは、DMC又はDECなどの単純な代替シスチンエステルよりも安定であり、不快な硫黄臭をもたらさない。
N,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)は、本発明の方法に従って調製することができる。
別の態様によれば、第1の工程において、DTBC(1)は、N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)が上記のように形成されるようにジアセチル化される。第2の工程において、N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)を、溶媒及び試薬の両方として働くギ酸の存在下で加熱し、それによってtert-ブチル基を除去し、NDAC生成物を得る。
本発明の方法は、NDACの合成に最も有用である。そのジ-tert-ブチル中間体を介してNDACを調製するための出発物質として、二塩酸塩として大量に市販されている一般的で安定な試薬であるDTBC(1)を使用する。DTBC(1)をアセチル化剤無水酢酸と反応させると、N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)が得られる。次に、N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)を、溶媒及び試薬の両方として働くギ酸の存在下で加熱し、それによってtert-ブチル基を除去し、NDAC生成物を得る。本発明の方法に従って調製されたNDACは、優れた機能的利点を有する。
本発明の手順
一般的な手順として、本発明の方法の工程1は、
N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)、NDAC生成物のための中間体の調製である。
工程1は、5~50℃の範囲の温度(好ましくは5~35℃、最も好ましくは10~25℃)で水中の二塩酸塩からのジ-tert-ブチル-L-シスチン(1)(1モル当量)の溶液を調製することから始まる。
工程1は、アセチル化剤無水酢酸(2~5モル当量)を溶液に添加することを含む。
工程1は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の重炭酸塩又は炭酸塩(2~6モル当量)を溶液に添加して、ジ-tert-ブチル-L-シスチン(1)、アセチル化剤、及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属の重炭酸塩又は炭酸塩の混合物を形成することをさらに含む。重炭酸ナトリウム又は水酸化ナトリウム(NaOH)などのアルカリ金属水酸化物、又は水酸化カルシウム若しくは酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物若しくは酸化物が、適している。重炭酸ナトリウムが好ましい。
5~50℃(好ましくは5~35℃の間、最も好ましくは10~25℃の間)の範囲の温度で混合物を撹拌し続けることによって、反応を生じさせる。全てのジ-tert-ブチル-L-シスチン(出発物質)が消費され(典型的には1~24時間)、所望のN,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン生成物が溶液から沈殿するまで撹拌を続ける。
N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)生成物(NDACの中間体)を濾別し、水で洗浄する。
本発明の方法の工程2は、最終NDAC生成物であるN,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)の調製である。
工程2は、例えば、ギ酸、硫酸、リン酸又は塩酸、及びそれらの混合物を(好ましくは、その非毒性、生分解性及び再利用可能な特性並びに溶媒及び試薬の両方としての適合性のために、ギ酸)を含むがこれらに限定されない適切な酸を提供することを含む。適切な濃度は、N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)1mmol当たり0.5ml~10mlの酸である。
工程2は、N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)(1モル当量)を酸に懸濁させて懸濁液を形成することを含む。
工程2は、20~100℃の範囲の温度(好ましくは40~80℃の間、最も好ましくは50~70℃の間)で懸濁液を撹拌して、透明で無色の均一な溶液を生成することを含む。全てのN,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(工程2の出発物質)が消費され(典型的には1~24時間)、所望の生成物N,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)が生成されるまで撹拌を続ける。
溶媒を蒸発させて、N,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)を非晶質固体として得る。
さらに、工程2は、例えば酢酸エチルなどの水非混和性有機溶媒を非晶質N,N’-ジアセチル-L-シスチンに添加し、激しく撹拌して白色固体に沈殿/固化させることによる、N,N’-ジアセチル-L-シスチンの精製及び高品質結晶性白色固体としての単離を含み得る。方法の最後の工程は、遠心分離又は濾過、好ましくは濾過によって、沈殿したN,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)生成物を単離することを含み得る。
本発明の方法に適した全ての出発物質は、商業的供給源、例えばSigma-Aldrich、Bachemから入手可能である。
工程1では、濾過によって生成物から容易に分離される溶液中の副生成物として非毒性塩化ナトリウムを生成するので、重炭酸ナトリウムが特に好ましい。
相対量の試薬及び溶媒は、反応完了時の廃棄物の量を最小限に抑えるために過剰な出発成分を有さないようなものである。
好ましくは、本発明の方法はまた、任意選択の工程を含む。例えば、中間体N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)の濾過時に生成された酢酸ナトリウム及び塩化ナトリウム副生成物を含有する水濾液溶液を、工程1のさらなるサイクルに再利用するか、又は処理して水をリサイクルさせ、他の用途のために酢酸ナトリウム(又は酢酸)及び塩化ナトリウムを独立して単離することができる、任意選択の工程(1-A)。工程2で使用されるギ酸が回収され、工程2のさらなるサイクルのためにリサイクルされる、任意選択の工程(2-A)。これらの任意選択の工程の両方により、生成物ターンオーバーの改善及び廃棄物の削減が可能になる。
本発明の方法は、少なくとも、毒性の有害な又は可燃性の有機溶媒を使用せず、副生成物の形成を最小限に抑え、もしあれば、望ましくない硫黄臭を有する生成物を生成せず、両方の工程を単一の容器内で行うことができ、比較的速いため、有利である。また、90%~99.9%、好ましくは95~99.5%、最も好ましくは少なくとも95%の改善された純度、及び85%~95%、好ましくは90%、最も好ましくは少なくとも90%~95%の改善された全収率をもたらす。
[実施例]
実験方法
全ての試薬及び溶媒を商業的供給源から入手し、さらに精製なしで使用した。購入した全てのアミノ酸はL立体異性体であった。L-シスチン(98%超)は、Sigmaから購入した。N,N’-ジアセチル-L-シスチン(NDAC;95%)は、CombiBlocksから購入した。ジ-tert-ブチル-L-シスチン二塩酸化合物(DTBC;98%)は、Bachemから購入した。
反応モニタリングは、酢酸エチル、イソプロピルアルコール及び水の混合物を使用するシリカゲルの薄層クロマトグラフィー(TLC)を使用して行った。TLCプレートをエタノール中2%ニンヒドリンに供し、続いて加熱することによって、TLCプレートの可視化を行った。反応生成物の定性分析及び確認は、1H核磁気共鳴法(1H NMR)及び液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)を用いて行った。反応生成物の純度を、TLC、1H NMR及びLCMS法の組み合わせを使用して純粋な真正標準の比較によって評価した。
[実施例1]
本発明の範囲内の方法の例を実施した。
特定の非排他的な代表的な実験手順を以下の2つの工程で行った。
工程1-N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)-
無水酢酸(0.55ml、5.9mmol)を、ジ-tert-ブチル-L-シスチン(1)二塩酸化合物(1g、2.4mmol)を含む水(10ml)の溶液に加えた後、重炭酸ナトリウム(790mg、9.4mmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌すると、生成物が白色固体として沈殿した。
この時点で、TLC(100%酢酸エチル溶出)は主要な生成物の清浄な形成を示した。
生成物を濾別し、水(3×10ml)で洗浄し、真空下で乾燥させて純粋なN,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチンを白色固体として得た。これは、次の工程に十分に純粋であった(905mg、収率88%)。様々な規模でのこの同じ方法の他の試みは、わずか1.5時間で完了し、最大95%の収率を与えた。生成物の同一性及び純度(95%超)を1H NMR及びLCMSによって確認した。
工程2-N,N’-ジアセチル-L-シスチン(NDAC)-
N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)(500mg、1.15mmol)をギ酸(1ml)に懸濁し、60℃で3時間加熱して、透明で無色の均一な溶液を生成した。
この時点で、TLC(30:40:30 酢酸エチル:イソプロピルアルコール:水)は、単一の生成物の清浄な形成を示し、反応物/出発物質は示さなかった。
溶媒を60℃で減圧下で除去して、無色のガラス状ゲルを得た。
生成物を、酢酸エチルを添加することによって沈殿させ、濾別し、高真空下で乾燥させると、純粋なN,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)が白色固体(350mg、収率97%)として得られてもよかった。ギ酸以外の酸性試薬(硫酸、酢酸及びAmberlyst(登録商標)15個の水素の形態)も試験し、NDACの変換に成功した。生成物の同一性及び純度(95%超)を、1H NMR及びLCMSによって、NDAC(純度95%)真正標準との比較によって確認した。
具体的な実験手順を以下の化学的流れ図に要約する。
Figure 2023523976000007
[実施例2]
本発明の範囲内の方法の例を実施した。
特定の非排他的な代表的な実験手順を、以下のように単一の容器内で1工程で行った。
Figure 2023523976000008
N,N’-ジアセチル-L-シスチン(NDAC)-
無水酢酸(0.28ml、2.9mmol)を、ジ-tert-ブチル-L-シスチン(1)二塩酸化合物(0.5g、1.2mmol)を含む水(5ml)の溶液に加えた後、重炭酸ナトリウム(395mg、4.7mmol)を加え、混合物を室温で1.5時間撹拌すると、生成物が白色固体として沈殿した。
この時点で、TLC(100%酢酸エチル溶出)は、中間体N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)の清浄な形成を示した。
ギ酸(3ml)を添加し、80℃で5時間加熱して、透明で無色の均一な溶液を生成した。
この時点で、TLC(30:40:30 酢酸エチル:イソプロピルアルコール:水)は、NDACの清浄な形成を示した。
溶媒を70~80℃の高真空下で除去し、固体残渣をエタノール(6mL)に懸濁し、10分間撹拌し、濾別し、エタノール(2×3ml)で洗浄した。
合わせたエタノール濾液を高真空下、50℃で蒸発させて、純粋なNDACを白色固体として得た(270mg、収率71%)。生成物の同一性及び純度(95%超)を、TLC、1H NMR及びLCMS法によって確認した。
上記の手順から実証されるように、2工程の本発明の方法は、中間体N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)を単離することなく、単一の容器でさらに単純化され、簡便に実施することができる。この場合、最終生成物NDACの単離は、(NaCl及び酢酸ナトリウム塩を沈殿させるために)アルコールを添加し、単純な濾過によって好都合に行うことができる。
[比較例A]
以下の範囲外の例は、本発明の条件下でのアセチル化試薬の臨界性を示す。この実施例では、無水酢酸の代わりに塩化アセチル(酸塩化物)を使用し、中間体N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン生成物の形成をもたらさなかった。
Figure 2023523976000009
比較例A
重炭酸ナトリウム(158mg、1.9mmol)を、ジ-tert-ブチル-L-シスチン(1)二塩酸化合物(0.2g、0.5mmol)を含む水(2ml)の溶液に加えた後、塩化アセチル(134uL、1.9mmol)を加え、混合物を室温で1.5時間撹拌したところ、溶液は透明で無色の均一な溶液のままであった。
この時点で、TLC(100%酢酸エチル溶出)は中間体N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)の形成を示さず、ジ-tert-ブチル-L-シスチン(1)二塩酸化合物の出発物質のみが存在した。
上記の例から実証されるように、アセチル化剤の性質は、本発明の方法の成功にとって絶対的に重要である。同様に重要なことに、この範囲外の例は、酸塩化物がジ-tert-ブチルシスチンから他のN,N’-ジアルカノイル-ジ-tert-ブチルシスチンを調製するためのアセチル化試薬として使用されていることを考慮して(例えば、Liebigs Annalen der Chemie(1987)895-9;Journal of Inorganic Biochemistry(2011)105、880-886を参照のこと)、本発明の方法の独自性をさらに示す。
[比較例B]
比較のために、European Journal of Organic Chemistry(2008)26、4417-4425に従って方法を行った。
比較例B-N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)
無水酢酸(2.7mL、29mmol)を、ピリジン(25mL;無水)中のジ-tert-ブチル-L-シスチン二塩酸化合物(2.48g、5.83mmol)の懸濁液に加え、0℃に冷却した。混合物を撹拌して均一な溶液を生成し、発熱反応を抑制した後、反応混合物を4℃で2日間置いた。氷を添加した後、塩酸(12.1M、25mL)を少しずつ添加して、温度を20℃未満に維持し、pH4~5に維持した。反応混合物をエーテル(4×100mL)で抽出し、合わせた有機層をpH2~3になるまで硫酸水溶液(0.5M)で洗浄し、続いて飽和重炭酸ナトリウムで洗浄した。有機層を乾燥させ、溶媒を除去した後、残渣をクロロホルム(20mL)に溶解し、濁りが持続するまでヘキサンを添加した。生成物を4℃で一晩結晶化させ、濾過し、乾燥させて、2.16g(85%)を得た。
上記の手順から分かるように、N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン(2)中間体を生成するための非水性方法は、本発明の方法(1.5時間~16時間)よりもはるかに長い(合計3日間)時間がかかり、本発明の方法(水)に対して毒性及び可燃性の有機溶媒(ピリジン、エーテル、クロロホルム及びヘキサン)の使用を伴い、本発明の方法(88時間~95%)に対してわずかに収率が低下し(85%)、本発明の方法(濾過及び水洗浄)に対して精製(抽出ワークアップ及び結晶化)が困難であった。

Claims (13)

  1. N-N’-ジアセチル-シスチン(「NDAC」)を製造する化学的方法であって、
    二塩酸化合物形態としてのシスチン誘導体ジ-tert-ブチル-L-シスチンから出発する反応混合物を形成する工程と、
    前記ジ-tert-ブチル-L-シスチンをアセチル化してN,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチンを得る工程と、続いて、
    前記N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチンからtert-ブチル基を除去して、N,N’-ジアセチル-L-シスチン生成物を得る工程と、
    前記反応混合物から前記N,N’-ジアセチル-L-シスチン生成物を単離する工程と、を含み、前記アセチル化の剤が、無水酢酸である、方法。
  2. 前記方法が、
    (1)中間体としてのN,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチンを、
    5~50℃、好ましくは5~35℃、最も好ましくは10~25℃の温度で、二塩酸化合物形態としてのジ-tert-ブチル-L-シスチンの1モル当量溶液を調製すること、
    2~5モル当量の無水酢酸であるアセチル化剤を前記溶液に添加すること、
    2~6モル当量の塩基を前記溶液に添加して、ジ-tert-ブチル-L-シスチン、アセチル化剤、及び塩基の混合物を形成すること、
    前記混合物を連続的に撹拌し、5~50℃、好ましくは5~35℃、最も好ましくは10~25℃の温度で反応を生じさせて、反応混合物からN,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン中間体生成物を沈殿させること、
    N,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチンを濾別し、水で洗浄すること、
    によって調製する工程と、
    (2)N,N’-ジアセチル-L-シスチン生成物を、
    1モル当量のN,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチンを酸中に懸濁させて懸濁液を形成することと、
    20℃~100℃、好ましくは40℃~80℃、最も好ましくは50℃~70℃の温度で前記懸濁液を撹拌して、透明で無色の均一な溶液を生成することと、
    溶液溶媒を蒸発させて、N,N’-ジアセチル-L-シスチンを非晶質固体として得ることと、を含む
    1mmolのN,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン当たり0.5ml~10mlの前記酸を提供すること、
    によって、調製する工程と、を含む、
    請求項1に記載のN,N’-ジアセチル-L-シスチンを製造する方法。
  3. 前記塩基が、無機塩基である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記塩基が、(i)アルカリ金属重炭酸塩又は炭酸塩、(ii)アルカリ土類金属重炭酸塩又は炭酸塩、(iv)アルカリ金属水酸化物、及び(iii)それらの混合物からなる群から選択される、請求項2~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記塩基が、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは重炭酸ナトリウムである、請求項2~3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記塩基の混合物の前記撹拌が、全てのジ-tert-ブチル-L-シスチン(出発物質)が消費されるまで、1時間~24時間、及びN,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチン生成物が溶液から沈殿するまで継続する、請求項2(1)に記載の方法。
  7. 前記酸が、ギ酸、硫酸、リン酸又は塩酸、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはギ酸である、請求項2に記載の方法。
  8. 前記酸の混合物の前記撹拌が、全てのN,N’-ジアセチル-ジ-tert-ブチル-L-シスチンが消費されるまで、1~24時間継続し、所望の生成物N,N’-ジアセチル-L-シスチンが生成される、請求項2(2)に記載の方法。
  9. 非晶質のN,N’-ジアセチル-L-シスチンに水非混和性有機溶媒を添加することによって、前記N,N’-ジアセチル-L-シスチンを、より高品質の結晶性白色固体として精製及び単離すること、および、
    激しく撹拌して、白色固体への沈殿/固化を達成すること、
    をさらに含む、請求項2~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記有機溶媒が、酢酸エチルである、請求項9に記載の方法。
  11. 遠心分離又は濾過、好ましくは濾過によって、前記沈殿したN,N’-ジアセチル-L-シスチン生成物を単離することを含む最後の工程をさらに含む、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 前記反応が、中間体(2)の単離なしで、単一の容器中で1工程で行われる、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 全ての試薬を添加することと、工程1を生じさせることと、工程2の試薬を添加することと、加熱することと、アルコールを添加して塩を沈殿させることと、塩を濾別することと、アルコールを蒸発させてNDACを単離することと、
    を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
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