JP2023521035A - ポンガミア油組成物、ならびに、その製造方法およびその使用方法 - Google Patents

ポンガミア油組成物、ならびに、その製造方法およびその使用方法 Download PDF

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Abstract

本明細書では、動物の摂取(特に、ヒトの摂取)に適したポンガミア油組成物、ならびに当該組成物を製造する方法が提供される。組成物は食用で苦味がなく、様々な食品および飲料製品として、および/または、それらの中において、使用に適した当該組成物を作る特定の特性を有する。本明細書ではまた、ポンガミア油を分析する方法も提供される。

Description

発明の詳細な説明
〔関連出願の相互参照〕
本願は、2020年4月3日に出願された米国仮特許出願第63/004,790号の優先権および利益を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
〔技術分野〕
本開示は一般に、ポンガミア組成物に関する。本開示はより具体的に、食用で苦味のないポンガミア油、ならびにその製造方法、ならびに食品および飲料製品におけるその使用方法に関する。
〔背景〕
人口増加、気候変動、および今後数十年間にわたる既存の農業慣行の持続可能性に関する懸念が高まっていることから、将来の世界的な食料安全保障を確保するための代替食料源の研究開発が急増している。世界的な食料供給に対する圧力を軽減するために、環境に優しく持続可能な手段として、再生可能な植物ベースの食料源が重要な関心を促してきた。
ミレティア ピナータ(Millettia pinnata)(ポンガミア ピナータ(Pongamia pinnata)またはポンガミア グラブラ(Pongamia glabra)としても知られている、または、より口語的にはポンガミア(pongamia)またはカランジャ(karanja)としても知られている)は、アジア全域で一般的な木である。また、ミレティア ピナータは、将来的に植物ベースの食品の主要な供給源を提供し得る。ポンガミアの木は、大豆植物が同量の豆を生産するために必要な土地の一部を使用する。ポンガミアの木は、劣化した土壌で成長することができ、大豆によって生じる森林破壊問題を回避させることができる。ポンガミアはまた、1エーカー(acre)当たり、大豆よりもはるかに多くのタンパク質および植物油を産生する。ポンガミア脂肪種子から抽出されたポンガミア油は、大豆に匹敵する、食品使用のための潜在的に再生可能な食料源を提供する。しかしながら、ポンガミア脂肪種子はまた、不快な味および臭いを有することが当該技術分野で公知の他の成分(カランジンおよびポンガモールが挙げられる)を有する。実現可能な食料源として用いるためには、油中のカランジンおよびポンガモールの量を最小限にすることが望ましい。
脂肪種子に固有の高栄養成分(タンパク質、炭水化物など)を維持しながら、低濃度のカランジンおよびポンガモールを有するポンガミア組成物を調製する方法は、存在しない。そのため、ポンガミア由来の食品を広範に使用することは、現在妨げられている。ポンガミアシードケーキおよび油の中のこれら望ましくない成分を除去するための既存の方法は不十分であり、しばしばポンガミアの栄養価が深刻な影響を受ける程度にまで栄養素を低減および分解する、厳しく破壊的な状態を必要とする。保存された栄養成分と十分に低濃度の抗栄養素とのクリティカルなバランスを有するポンガミア組成物を製造する方法は、存在しない。そのため、経済的な実現可能性を維持するのに十分に大きな規模のポンガミア由来の油の組み込みが妨げられている。
したがって、カランジンおよびポンガモールなどの成分を最小限に抑えながら、最適な栄養バランスを維持するポンガミア脂肪種子由来の食用組成物を得るための商業的に実現可能な方法が、当該技術分野で所望されている。
〔概要〕
いくつかの態様では、本明細書では、食用で苦味のないポンガミア油組成物が提供される。このようなポンガミア油組成物は、様々な食品および飲料製品における有用な成分としての役割を果たすことができ、新興の植物ベースの製品に対する業界での実質的に満たされていない必要性に対処する。
特定の態様では、固体-液体分離を用いてポンガミア油組成物を製造する方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、脱皮されたポンガミア脂肪種子を機械的に分離して、未精製(crude)のポンガミア油と少なくとも部分的に脱油されたシードケーキとを製造する工程であって、前記未精製のポンガミア油は、ポンガミア油、カランジン、ポンガモール、他のフラノフラボノイド、および他の不けん化物を含む、工程;ならびに、前記未精製のポンガミア油を高温で非混和性溶媒を用いて抽出して、前記ポンガミア油組成物を製造する工程であって、未精製のポンガミア油に対する溶媒の比率は1:1~20:1であり、前記組成物は、食用で苦味がなく、150ppm未満のカランジンおよび/またはポンガモールを有し、1%未満の不けん化物を有する、工程、を含む。
特定の実施形態では、本方法は、a)脱皮されたポンガミア脂肪種子を機械的に分離して、未精製のポンガミア油と少なくとも部分的に脱油されたシードケーキとを製造する工程であって、前記未精製のポンガミア油は、ポンガミア油、カランジン、ポンガモール、他のフラノフラボノイド、および他の不けん化物を含む、工程;b)前記未精製のポンガミア油を高温で非混和性溶媒と混合して、混合物を形成する工程;c)前記混合物を、高温で少なくともポンガミア油層と溶媒層とに安定化(settle)させる工程;d)高温で工程c)から前記溶媒層を除去して、前記ポンガミア油層を単離する工程であって、前記ポンガミア油層は食用で苦味のないポンガミア油を含む、工程、を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、工程c)由来の前記ポンガミア油層を冷却する工程;前記ポンガミア油層を、少なくともポンガミア層と溶媒層とに安定化させる工程;ならびに、前記溶媒層を除去して、前記ポンガミア油層を単離する工程であって、前記ポンガミア油層は食用で苦味のないポンガミア油を含む、工程、を含む。いくつかの態様では、本方法は、単離されたポンガミア油層を新鮮な非混和性溶媒と組み合わせることによって、工程b)~d)を繰り返す工程をさらに含む。
他の態様では、ポンガミア油組成物を製造するための連続的な向流方法(continuous countercurrent method)であって、a)脱皮されたポンガミア脂肪種子を機械的に分離して、未精製のポンガミア油と少なくとも部分的に脱油されたシードケーキとを製造する工程であって、前記未精製のポンガミア油は、ポンガミア油、カランジン、ポンガモール、他のフラノフラボノイド、および他の不けん化物を含む、工程;b)前記未精製のポンガミア油を、高温で非混和性溶媒を使用する液体-液体抽出によって、ラフィネ―トと溶媒に富んだ軽相(light phase)とに分離する工程であって、未精製のポンガミア油に対する溶媒の比率は、1:1~20:1であり、前記ラフィネ―トはポンガミア油および残留溶媒を含み、前記溶媒に富んだ軽相は溶媒および残留ポンガミア油を含む、工程;c)前記ラフィネートを冷却して、ポンガミア油から前記残留溶媒を分離する工程;d)前記冷却されたラフィネート中のポンガミア油の少なくとも一部を単離して、前記ポンガミア油組成物を製造する工程であって、前記組成物は、食用で苦味がなく、150ppm以下のカランジンおよび/またはポンガモールを有し、1%未満の不けん化物を有する、工程;e)前記溶媒に富んだ軽相から前記溶媒の少なくとも一部を単離する工程;ならびに、f)前記単離された溶媒を、液体-液体抽出のための追加の未精製のポンガミア油と組み合わせる工程、を含む、方法が提供される。
一態様では、本明細書に記載のいずれかの方法に従って製造されたポンガミア油組成物が提供される。他の態様では、食用で苦味のないポンガミア油組成物が提供される。
他の態様では、食品または飲料製品におけるポンガミア油組成物の使用が提供される。いくつかの態様では、ポンガミア油組成物は、サラダ油、フライ油、ソテー油、ビネグリット、ソース、ドレッシング、肉模倣品中の脂肪、飲料、または混合マーガリン、および他の固体脂肪の適用として、またはその中で使用され得る。
他の態様では、ポンガミア油サンプル中に存在し得るカランジンおよびポンガモールの含有量を測定するための分析方法が提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、ポンガミア油を抽出溶媒と組み合わせて、抽出混合物を提供する工程;前記抽出混合物を超音波処理する工程;前記超音波処理された混合物を、抽出されたポンガミア組成物と、カランジンもしくはポンガモール、またはその両方を含む抽出物とに分離する工程;ならびに、前記抽出物中に存在するカランジンもしくはポンガモール、またはその両方の濃度を測定する工程、を含む。いくつかの態様では、前記抽出溶媒はアルキルケトンを含む。いくつかの実施形態では、前記測定する工程は、紫外線検出器(例えば、HPLC-DADを使用する)を用いた高速液体クロマトグラフィーによって、カランジンおよび/またはポンガモールの濃度を測定する工程を含む。
一態様では、ポンガミア油組成物が提供される。当該ポンガミア油組成物は、ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約1000ppm以下のカランジンおよびポンガモールを合わせたもの;約1重量%以下の不けん化物;約5meq/kg以下の過酸化物価;約10以下のp-アニシジン価;ならびに、約5000ppm以下の残留溶媒であって、残留溶媒が存在する場合には、当該残留溶媒は食品グレードの溶媒である、残留溶媒、を有する。いくつかの態様では、前記ポンガミア油組成物は、前記ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約150ppm以下のカランジン;前記ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約150ppm以下のポンガモール;約1重量%以下の不けん化物;約5meq/kg以下の過酸化物価;約5以下のp-アニシジン価;ならびに、約5000ppm以下の残留溶媒であって、残留溶媒が存在する場合には、残留溶媒は食品グレードの溶媒である、残留溶媒、を有する。
別の態様では、ポンガミア油組成物を製造する方法であって、脱皮されたポンガミア脂肪種子を機械的に分離して、未精製のポンガミア油と少なくとも部分的に脱油されたシードケーキとを製造する工程、ここで、前記未精製のポンガミア油は、ポンガミア油、カランジン、ポンガモール、他のフラノフラボノイド、および他の不けん化物を含む、工程;ならびに、前記未精製のポンガミア油を高温でエタノールを使用して抽出し、前記ポンガミア油組成物を製造する工程であって、未精製のポンガミア油に対する溶媒の比率は、1:1~20:1であり、前記組成物は、食用で苦味がなく、前記ポンガミア油組成物から得られるアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約1000ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたもの;約1重量%以下の不けん化物;約5meq/kg以下の過酸化物価;ならびに、約10以下のp-アニシジン価を有する、工程、を含む、方法が提供される。
さらに別の態様では、ポンガミア油組成物を製造するための連続的な向流方法であって、a)脱皮されたポンガミア脂肪種子を機械的に分離して、未精製のポンガミア油と少なくとも部分的に脱油されたシードケーキとを製造する工程であって、前記未精製のポンガミア油は、ポンガミア油、カランジン、ポンガモール、他のフラノフラボノイド、および他の不けん化物を含む、工程;b)前記未精製のポンガミア油を、高温で非混和性溶媒を使用する液体-液体抽出によって、ラフィネ―トと溶媒に富んだ軽相とに分離する工程であって、未精製のポンガミア油に対する溶媒の比率は、1:1~20:1であり、前記ラフィネ―トはポンガミア油および残留溶媒を含み、前記溶媒はエタノールを含み、前記溶媒に富んだ軽相は溶媒および残留ポンガミア油を含む、工程;c)前記ラフィネートを冷却して、ポンガミア油から前記残留溶媒を分離する工程;d)前記冷却されたラフィネート中の前記ポンガミア油の少なくとも一部を単離して、前記ポンガミア油組成物を製造する工程であって、前記組成物は、食用で苦味がなく、ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約1000ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたもの;約1重量%以下の不けん化物;約5meq/kg以下の過酸化物値;ならびに、約10以下のp-アニシジン価を有する、工程;e)前記溶媒に富んだ軽相から前記溶媒の少なくとも一部を分離する工程;ならびに、f)前記単離された溶媒を、液体-液体抽出のための追加の未精製のポンガミア油と組み合わせる工程、を含む、方法が提供される。
他の態様では、本明細書に提供される方法によって得ることができるポンガミア油組成物を含む食品または飲料製品が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物は、Lovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、淡黄色であり;前記組成物は、ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約200ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたものを含み、前記組成物は薄い(neutral)風味を有する。他の実施形態では、ポンガミア油組成物は、Lovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、黄色であり;前記組成物は、ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約150ppm以下のカランジンおよび約150ppm以下のポンガモールを含み;ならびに、前記組成物は、ナッツ風味、バター風味、草風味、滑らかさ、および甘味、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の感覚特性を有する。
〔図面の説明〕
本出願は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって理解することができる。
図1は、ポンガミア油サンプル中のカランジンおよび/またはポンガモールの濃度を測定するための例示的な分析方法を示す。
図2は、未精製のポンガミア油混合物を精製して、食用で苦味のないポンガミア油組成物を製造するための例示的なバッチ処理を示す。
図3Aおよび3Bは、HPLCによって測定される、未精製のポンガミア油中に存在するフラノフラボノイド(図3A)と、例示的な精製されたポンガミア油組成物中に存在しないフラノフラボノイド(図3B)と、を比較する。
図4は、未精製のポンガミア油混合物を精製して、食用で苦味のないポンガミア油組成物を製造するための例示的な連続システムを示す。
〔詳細な説明〕
以下の説明は、例示的な方法、パラメータなどを説明する。しかしながら、当該説明は、本開示の範囲に対する限定として意図されず、代わりに、例示的な実施形態の説明として提供されることを認識されたい。
いくつかの態様では、ポンガミア油組成物、および当該組成物を製造する方法が本明細書に提供される。いくつかの態様では、ポンガミア油組成物はヒト味覚試験に合格する。特定の態様では、ポンガミア油組成物は食用で苦味がない。食用ポンガミア油を製造するために提供される方法は、存在するフラノフラボノイドおよび他の不けん化物の量を除去または低減させる(例えば、典型的には食用ではなく、ヒトに有害である可能性があると考えられる、カランジンおよび/またはポンガモールの量を除去または低減させる)。さらに、提供されるポンガミア油組成物は、当該組成物を食品および飲料製品での使用に適したものにする様々な特性を有する。例えば、特定の態様では、ポンガミア油組成物は、低不溶性不純物、低石けん含有量、高煙点、低モノ-グリセリドおよび低ジ-グリセリド、低グリセロール、より低い未同定脂肪酸、低総ステロール、ならびに明るい色(例えば、低クロロフィル含有量が挙げられる)を有する。
ポンガミア油組成物
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるポンガミア油組成物は、食用で苦味がなく、ヒトにおいて総合的に許容される感覚プロファイルを有する(例えば、味覚および嗅覚に関して)。
不けん化物
ポンガミア組成物中に存在する不けん化物は一般に、脂肪酸以外の化合物を含む。例えば、不けん化物は、フラノフラボノール、クロロフィル、トコフェロール、およびステロールを含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるポンガミア油組成物(本明細書の方法に従って製造されるものを含む)は、前記組成物が得られる未精製のポンガミア油と比較して、より低い不けん化物含有量を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるポンガミア油組成物(本明細書の方法に従って製造されるものを含む)は、低い不けん化物含有量を有する。いくつかの態様では、本明細書に提供されるポンガミア油組成物(本明細書の方法に従って製造されるものを含む)は、油中に5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、または0.5重量%以下の不けん化物を有する。いくつかの態様では、本明細書に提供されるポンガミア油組成物(本明細書の方法に従って製造されるものを含む)は、前記組成物が得られた未精製のポンガミア油と比較して、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%少ない不けん化物含有量を有する。当該技術分野で公知の任意の適切な方法または技術を使用して、本明細書の組成物中の不けん化物含有量を計量し得る。いくつかの態様では、不けん化物含有量は、AOCS Ca 6a-40によって測定される。
前述のように、フラノフラボノールは、不けん化物の一種である。フラノフラボノイドはポンガミア脂肪種子中に典型的に存在する化合物のクラスであり、抗栄養素化合物(例えば、カランジンおよびポンガモールなど)を含む。いくつかの実施形態では、低く、無視できるか、または検出不可能なフラノフラボノイド含有量を有するポンガミア油組成物が提供される。いくつかの態様では、ポンガミア油組成物は、約1000ppm以下、約750ppm以下、約500ppm以下、約300ppm以下、約250ppm以下、または約200ppm以下のフラノフラボノイドを有する。いくつかの態様では、ポンガミア油組成物は、500ppm以下、450ppm以下、400ppm以下、350ppm以下、300ppm以下、250ppm以下、200ppm以下、150ppm以下、100ppm以下、50ppm以下、40ppm以下、30ppm以下、20ppm以下、または10ppm以下のフラノフラボノイドを有する。
いくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物は150ppm以下のカランジンおよび/またはポンガモールを有する。前述のいくつかの態様では、カランジンおよびポンガモールの濃度は、本明細書に記載の溶媒抽出分析方法によって測定される。
いくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物のカランジンおよびポンガモールの含有量は、ポンガミア油組成物から得られたアルキルケトン抽出物のHPLC分析によって測定される。さらに他の実施形態では、ポンガミア油組成物のカランジンおよびポンガモールの含有量は、本明細書に記載の分析方法に従ってポンガミア油組成物から得られたアルキルケトン抽出物のHPLC分析によって測定される。いくつかの実施形態では、アルキルケトンはアセトンである。特定の実施形態では、アルキルケトン抽出物のHPLC分析は、質量分析検出(mass spectrometry detection)または紫外線検出をさらに含む。さらに特定の他の実施形態では、ポンガミア油組成物のカランジンおよびポンガモールの含有量は、本明細書に記載の分析方法に従ってポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される。
いくつかの態様では、ポンガミア油組成物は、500ppm以下、400ppm以下、300ppm以下、250ppm以下、200ppm以下、150ppm以下、140ppm以下、130ppm以下、120ppm以下、110ppm以下、100ppm以下、90ppm以下、80ppm以下、70ppm以下、60ppm以下、50ppm以下、40ppm以下、30ppm以下、20ppm以下、または10ppm以下のカランジンを有する。
いくつかの態様では、ポンガミア油組成物は、500ppm以下、400ppm以下、300ppm以下、250ppm以下、200ppm以下、150ppm以下、140ppm以下、130ppm以下、120ppm以下、110ppm以下、100ppm以下、90ppm以下、80ppm以下、70ppm以下、60ppm以下、50ppm以下、40ppm以下、30ppm以下、20ppm以下、または10ppm以下のポンガモールを有する。
他の態様では、ポンガミア油組成物は、組み合わされたカランジンおよびポンガモールの濃度の観点から特徴付け得る。例えば、いくつかの態様では、ポンガミア油組成物は、約1000ppm以下、約750ppm以下、約500ppm以下、約300ppm以下、約250ppm以下、または約200ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたものを有する。特定の態様では、ポンガミア油組成物は、150ppm以下、140ppm以下、130ppm以下、120ppm以下、110ppm以下、100ppm以下、90ppm以下、80ppm以下、70ppm以下、60ppm以下、50ppm以下、40ppm以下、30ppm以下、20ppm以下、または10ppm以下のカランジンおよびポンガモールを有する。
さらに他の態様では、ポンガミア油組成物は、約1以上の、ポンガモールに対するカランジンの比率を有する。他の態様では、ポンガミア油組成物は、約1以下のポンガモールに対するカランジンの比率を有する。
一態様では、ポンガミア油組成物は、本明細書に記載の溶媒抽出分析方法に基づいて、検出不可能な量のカランジンおよび/またはポンガモールを有する。
他の態様では、本明細書に記載の方法に従って製造されたポンガミア油組成物(例えば、未精製のポンガミア油から得られる)は、前記組成物が得られた未精製のポンガミア油と比較して、100倍未満、500倍未満、または1000倍未満の量のカランジンを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法に従って製造されたポンガミア油組成物(例えば、未精製のポンガミア油から得られる)は、前記組成物が得られた未精製のポンガミア油と比較して、100倍未満、150倍未満、または200倍未満の量のポンガモールを有する。
脂肪酸
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポンガミア油組成物は、(例えば、本明細書に記載の方法に従って)ポンガミア油組成物が得られる未精製のポンガミア油と比較して、より少量のモノグリセリドおよびジグリセリド、低グリセロール、および/または、より少ない未同定脂肪酸を有する。ポンガミア油組成物は、特定の脂肪酸プロファイルを有する。
いくつかの実施形態では、ポンガミア組成物中の総同定脂肪酸の量は、少なくとも90%;または、80%~99%、もしくは85%~95%である。
ポンガミア油組成物は、様々な一価不飽和、多価不飽和、および/または、飽和脂肪酸の組み合わせを有する。いくつかの態様では、ポンガミア組成物は、多価不飽和脂肪酸よりも多い一価不飽和脂肪酸含有量を有する。いくつかの態様では、ポンガミア組成物は、多価不飽和脂肪酸よりも多い飽和脂肪酸含有量を有する。いくつかの態様では、ポンガミア組成物は、飽和脂肪酸よりも多い一価不飽和脂肪酸含有量を有する。
特定の態様では、ポンガミア組成物は、(例えば、本明細書に記載の方法に従って)ポンガミア油組成物が得られる未精製のポンガミア油と比較して、低トランス脂肪酸含有量、または、より低いトランス脂肪酸含有量を有する。いくつかの態様では、ポンガミア組成物中のトランス脂肪酸の量は、5%以下、1%以下、0.5%以下、または0.25%以下である。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される方法は、プラス(positive)の方法(例えば、%重量基準でオレイン酸含有量を増加させる)を除いて、健康的な脂肪酸プロファイルを変化させない。これは一般に、当該技術分野において公知の他の方法とは対照的であり、当該方法は、脂肪酸プロファイルを不利な方法で根本的に変化させる可能性がある(例えば、脂肪酸の収率がより低く、より健康的でないか、または機能的なバランスが悪い)。特定の実施形態では、ポンガミア油組成物は、オメガ6脂肪酸、もしくはオメガ9脂肪酸、またはそれらの任意の組み合わせを含む。特定の実施形態では、ポンガミア油組成物は、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ7脂肪酸、もしくはオメガ9脂肪酸、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様では、オメガ9脂肪酸の量はオメガ6脂肪酸よりも多い。特定の態様では、オメガ6脂肪酸およびオメガ9脂肪酸を組み合わせたものの量は、オメガ3脂肪酸およびオメガ7脂肪酸を組み合わせたものの量よりも多い。いくつかの態様では、オメガ6脂肪酸およびオメガ9脂肪酸を組み合わせたものの量は、少なくとも50%、もしくは少なくとも60%、または15%~80%、または20%~75%である。特定の態様では、オメガ3脂肪酸および/またはオメガ7脂肪酸の量は、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満である。
特定の実施形態では、ポンガミア油組成物は、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ヘプタデセン酸、ステアリン酸、バクセン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、ゴンド酸、エイコサジエン酸、ベヘン酸、エルカ酸、もしくはリグノセリン酸、またはそれらの任意の異性体、または前述の任意の組み合わせを含む。
なおさらなる実施形態では、ポンガミア油組成物は、組成物中に存在する個々の脂肪酸の量の観点から、存在する総脂肪酸の割合として記載され得る。
いくつかの態様では、ポンガミア油組成物はオレイン酸を含む。一態様では、ポンガミア油組成物中のオレイン酸の量は、少なくとも40%、もしくは少なくとも50%;または、30%~70%、30%~60%、もしくは45%~55%である。
特定の態様では、ポンガミア油組成物は、リノール酸またはその異性体を含む。一態様では、ポンガミア油組成物中のリノール酸またはその異性体の量は、少なくとも15%;または10%~20%である。特定の態様では、ポンガミア油組成物は、リノレン酸またはその異性体を含む。特定の態様では、リノレン酸はαリノレン酸である。一態様では、ポンガミア油組成物中のαリノレン酸の量は、1%~5%である。
特定の態様では、ポンガミア油組成物は、パルミチン酸を含む。一態様では、ポンガミア油組成物中のパルミチン酸の量は、少なくとも5%;または5%~10%である。
特定の態様では、ポンガミア油組成物は、ステアリン酸を含む。一態様では、ポンガミア油組成物中のステアリン酸の量は、少なくとも5%;または5%~10%である。
特定の態様では、ポンガミア油組成物は、ベヘン酸を含む。一態様では、ポンガミア油組成物中のベヘン酸の量は、1%~10%、または1%~5%である。
特定の態様では、ポンガミア油組成物は、アラキジン酸、ゴンド酸、もしくはリグノセリン酸、またはそれらの任意の組み合わせを含む。一態様では、ポンガミア油組成物中のアラキジン酸、ゴンド酸、またはリグノセリン酸の量は、独立して、1%~5%である。
特定の態様では、ポンガミア油組成物は、エルカ酸を含む。一態様では、エルカ酸の量は、少なくとも0.06%である。
当該技術分野で公知の任意の適切な方法または技術を使用して、本明細書の組成物中の脂肪酸含有量を計量し得る。例えば、いくつかの態様では、使用される試験方法は、AOAC 996.06である。
トコフェロール
いくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物はトコフェロールを含む。いくつかの態様では、トコフェロールは、α-トコフェロール、β-トコフェロール、δ-トコフェロール、γ-トコフェロール、またはそれらの任意の組み合わせである。特定の実施形態では、ポンガミア油組成物は、250ppm以下、300ppm以下、400ppm以下;または、100ppm~400ppmの総トコフェロール含有量を有する。
いくつかの態様では、α-トコフェロール含有量は、4つの前述のトコフェロールのうち最も高い。特定の態様では、α-トコフェロールおよびγ-トコフェロールを組み合わせたものの含有量は、β-トコフェロールおよびδ-トコフェロールを組み合わせたものの含有量よりも多い。
一実施形態では、ポンガミア油組成物は、200ppm以下、250ppm以下、もしくは300ppm以下;または、200ppm~500ppm、200ppm~400ppm、200ppm~350ppm、もしくは200ppm~300ppmのα-トコフェロール含有量を有する。
別の実施形態では、ポンガミア油組成物は、100ppm以下、もしくは150ppm以下;または、100~200ppmのγ-トコフェロール含有量を有する。
当該技術分野で公知の任意の適切な方法または技術を使用して、本明細書の組成物中のトコフェロール含有量を計量し得る。例えば、いくつかの態様では、使用される試験方法は、HPLCでAOAC 971.30である。
ステロール
いくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物は、ステロールを含む。いくつかの態様では、本明細書に記載のポンガミア油組成物は、(例えば、本明細書に記載の方法に従って)ポンガミア油組成物が得られる未精製のポンガミア油と比較して、より低い量のステロールを有する。
いくつかの態様では、ステロールは、24-メチレン-コレステロール、β-シトステロール、ブラシカステロール、カンペスタノール、コレステロール、クレロステロール、δ-5,23-スチグマスタジエノール、δ-5,24-スチグマスタジエノール、δ-5-アベナステロール、δ-7-アベナステロール、δ-7-カンペステロール、δ-7-スチグマステノール、シトスタノール、もしくはスチグマステロール、またはそれらの任意の組み合わせである。特定の実施形態では、ポンガミア油組成物は、2500ppm以下、2000ppm以下、1500ppm以下、1000ppm以下、750ppm以下、500ppm以下、または100ppm以下の総ステロール含有量を有する。
いくつかの態様では、ポンガミア油組成物は、β-シトステロールをさらに含む。前述の特定の態様では、ポンガミア油組成物は、カンペスタノール、スチグマステロール、もしくはδ-5-アベナステロール、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む。前述のさらに他の態様では、ポンガミア油組成物は、クレロステロール、δ-5,24-スチグマスタジエノール、もしくはシトスタノール、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む。
当該技術分野で公知の任意の適切な方法または技術を使用して、本明細書の組成物中のステロール含有量を計量し得る。例えば、いくつかの態様では、使用される試験方法は、COI/T.20/Doc No.10である。
残留溶媒
本明細書に提供されるポンガミア油組成物を製造する方法は、ポンガミア油組成物中の残留溶媒含有量の存在をもたらし得る。残留溶媒の存在がポンガミア油組成物の感覚プロファイルに影響し得るので、当該ポンガミア油組成物中の残留溶媒の濃度が低いことが望ましい場合がある。いくつかの態様では、ポンガミア油組成物を製造する本明細書の方法は、本明細書に記載される残留溶媒濃度を達成するために、処理技術に供してポンガミア油組成物から残留溶媒を除去するか、またはそれを脱溶媒し得る。
いくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物は残留溶媒を含む。特定の実施形態では、ポンガミア油組成物は残留溶媒を含み、残留溶媒が存在する場合には、残留溶媒は食品グレードの溶媒を含む。特定の実施形態では、ポンガミア油組成物は残留溶媒を含み、残留溶媒が存在する場合には、残留溶媒は食品グレードの溶媒である。特定の実施形態では、残留溶媒はエタノールである。なおさらなる実施形態では、ポンガミア油組成物は残留エタノールを含む。
いくつかの態様では、ポンガミア油組成物は、約5000ppm以下、約4000ppm以下、約3000ppm以下、約2000ppm以下、約1000ppm以下、または約500ppm以下の残留溶媒を有する。いくつかの態様では、ポンガミア油組成物は、5000ppm以下、約4000ppm以下、約3000ppm以下、約2000ppm以下、約1000ppm以下、または約500ppm以下の残留溶媒を有し、残留溶媒が存在する場合には、残留溶媒は食品グレードの溶媒である。いくつかの実施形態では、残留溶媒はエタノールを含む。特定の態様では、ポンガミア油組成物は、約5000ppm以下、約4000ppm以下、約3000ppm以下、約2000ppm以下、約1000ppm以下、または約500ppm以下の残留エタノールを有する。当該技術分野で公知の任意の適切な方法または技術を使用して、本明細書の組成物中の残留溶媒含有量を計量し得る。いくつかの態様では、残留溶媒はAOCS Cg 4-94によって測定される。
過酸化物価およびp-アニシジン価
いくつかの態様では、ポンガミア油組成物は、油中に存在する酸化製造物の濃度によってさらに特徴付けられ得る。酸素および/または熱に曝される場合には、脂肪および油は酸化反応を受け得る。酸化反応は、油に望ましくない酸敗した風味を発生させる。前述したように、ポンガミア油組成物を製造するための本開示の方法は、存在するフラノフラボノイドの量および他の不けん化物の量を除去または低減する手段を提供する。これらの成分を除去するための既存の方法はしばしば、過酷な状態(例えば、高度に苛性の試薬および最高温度(例えば、還流など))を利用する。
対照的に、本明細書に提供される方法は、より穏やかな温度および溶媒条件を用いて、未精製のポンガミア油を処理し、フラノフラボノイドおよび他の不けん化物を除去する。結果として、本明細書で得られるポンガミア油組成物は、低フラノフラボノイド含有量、および低不けん化物含有量、ならびに最小限の酸化を示す。
酸化の程度は、初期酸化の間に形成され得る一次酸化製造物の存在および濃度、ならびに一次酸化製造物が分解する間により広範な酸化で形成され得る二次酸化製造物によって特徴付けることができる。一次酸化の程度は、過酸化物価(ミリ当量/kg)を計量することによって評価し得る。過酸化物価は、油中に存在するヒドロキシペルオキシドの量を定量するために用いられる指標である。二次酸化の程度は、p-アニシジン価を測定することによって評価し得る。過酸化物価およびp-アニシジン価の両方を一緒にして、油中の酸化の完全な表出を提供する。
いくつかの態様では、ポンガミア油組成物は、約5meq/kg以下、約4meq/kg以下、約3meq/kg以下、約2meq/kg以下、または約1meq/kg以下の過酸化物価を有する。特定の態様では、ポンガミア油組成物は、約5meq/kg以下の過酸化物価を有する。当該技術分野で公知の任意の適切な方法または技術を使用して、本明細書の組成物中の過酸化物価を測定し得る。いくつかの態様では、過酸化物価は、AOCS試験方法AOCS Cd 8-53によって測定される。
他の態様では、ポンガミア油組成物は、約15以下、約12以下、約10以下、約7以下、約5以下、約4以下、約3以下、または約2以下のp-アニシジン価を有する。特定の態様では、ポンガミア油組成物は、約10以下のp-アニシジン価を有する。特定の他の態様では、ポンガミア油組成物は、約5以下のp-アニシジン価を有する。当該技術分野で公知の任意の適切な方法または技術を使用して、本明細書の組成物中のp-アニシジンを計量し得る。いくつかの態様では、p-アニシジン価は、AOCS試験方法AOCS Cd 18-90によって測定される。
熱的特性および物理的性質
本明細書に提供されるポンガミア油組成物は、それらの熱的特性および物理的特性によってさらに特徴付けられ得る。異なる脂肪および異なる油に利用可能な一連の用途および使用は、主に特定の使用のための特定の温度条件下での脂肪または油の熱的反応および物理的反応によって決定される。次に、脂肪および油の熱的反応および物理的反応は、脂肪および油の脂肪酸プロファイルによって大きく影響される。前述のように、カランジン、ポンガモール、および他の不けん化物の濃度が低減されたポンガミア油組成物を製造するための本明細書に提供される方法は、当該技術分野における他の方法によって対比され、得られた油の脂肪酸含有量およびプロファイルに不利な方法で影響を及ぼし得る(例えば、脂肪酸の収率がより低く、より健康的でないか、または機能的なバランスが悪い)。
本明細書に提供されるポンガミア油組成物の熱的特性および物理的特性は、組成物を得るために使用されるフラノフラボノイドおよび他の不けん化物を除去するための非破壊的な方法を反映する。
いくつかの態様では、本開示のポンガミア油組成物は、所与の温度での物理的状態、またはそれらの温度依存性反応(例えば、融解プロファイルなど)によって特徴付け得る。いくつかの態様では、ポンガミア油組成物は、約10℃以上の温度で液体である。いくつかの態様では、ポンガミア油組成物は、室温で液体である。他の態様では、ポンガミア油組成物は、約0~10℃の温度で半固体である。いくつかの態様では、融解プロファイルは、示差走査熱量測定(DSC)によって測定される。
さらに他の実施形態では、本開示のポンガミア油組成物は、所与の温度でのそれらの固形脂肪含有量によって特徴付けられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、約0℃、約2℃、約5℃、または約10℃の温度で、約1%~約10%の固形脂肪含有量を有する。特定の態様では、組成物は、約5℃の温度で、約1%~約10%の固体脂肪含有量を有する。当該技術分野で公知の任意の適切な方法または技術を使用して、本明細書の組成物中の固体脂肪含有量を計量し得る。いくつかの態様では、固形脂肪含有量は、AOCS試験方法AOCS-Cd 16b-93によって測定される。
他の実施形態では、ポンガミア油組成物は、その滴点によって特徴付けられ得る。滴点は、脂肪(fat)または油脂(grease)が半固体構造を保持することができる上限温度である。滴点を超えると、脂肪または油脂は液体状態に変化する。いくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物は、約20℃以下、約15℃以下、または約10℃以下の滴点を有する。特定の実施形態では、ポンガミア油組成物は、約10℃以下の滴点を有する。当該技術分野で公知の任意の適切な方法または技術を使用して、本明細書の組成物中の滴点を計量し得る。いくつかの態様では、滴点は、AOCS試験方法AOCS Cc 18-80によって測定される。
いくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物は、その引火点によって特徴付けられ得る。引火点は、発火源の存在下で物質の蒸気が発火し得る最低温度である。いくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物は、少なくとも約200℃、少なくとも約220℃、または少なくとも約240℃の引火点を有する。当該技術分野で公知の任意の適切な方法または技術を使用して、本明細書の組成物中の引火点を測定し得る。いくつかの態様では、引火点は、AOCS試験方法AOCS Cc 9b-55によって測定される。
いくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物は、その煙点によって特徴付けられ得る。油の煙点は、定義された条件下で油が連続的に目に見える煙を発生し始める温度である。より高い煙点を有する油は、食品関連用途(例えば、高温が一般的である、鍋の中での加熱工程(frying)または炒める工程(sauteing)、高温での加熱工程(deep frying)または焼成工程(baking)など)において、向上した有用性を見出し得る。さらに他の実施形態では、ポンガミア油組成物は、少なくとも約180℃、少なくとも約190℃、少なくとも約195℃、少なくとも約200℃、または少なくとも約210℃の煙点を有する。さらに他の実施形態では、ポンガミア油組成物は、それが得られる未精製のポンガミア油よりも高い煙点を有する。当該技術分野で公知の任意の適切な方法または技術を使用して、本明細書の組成物中の煙点を計量し得る。いくつかの態様では、煙点は、AOCS試験方法AOCS Cc 9a-48によって測定される。
他の態様では、本明細書に提供されるポンガミア油組成物は、その粘度によって特徴付けられ得る。液体(例えば、油など)の粘度は、流動および/または変形に対する液体の抵抗の尺度である。いくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物は、約25℃で測定される場合には、少なくとも約30センチポアズ、少なくとも約40センチポアズ、または少なくとも約50センチポアズの粘度を有する。他の実施形態では、ポンガミア油組成物は、約25℃で測定される場合には、600センチポアズ以下、500センチポアズ以下、250センチポアズ以下、100センチポアズ以下、90センチポアズ以下、80センチポアズ以下、約70センチポアズ以下、または約60センチポアズ以下の粘度を有する。特定の実施形態では、ポンガミア油組成物は、約25℃で、約30センチポアズ~約600センチポアズの粘度を有する。さらに他の実施形態では、ポンガミア油組成物は、同じ温度で測定される場合には、ポンガミア油組成物が得られる未精製のポンガミア油よりも低い粘度を有する。
その他の特性
いくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物は、以下の(i)~(x)から選択される1つ以上の特性を有する:
(i)約1%以下の遊離脂肪酸含有量;
(ii)約0.1%以下の不溶性不純物;
(iii)約25ppm以下のリン;
(iv)約0.1ppm以下のクロロフィル;
(v)約5000ppm以下の残留溶媒;
(vi)約1%以下の水分含有量;
(vii)約1%以下のグリセロール;
(viii)約2%以下のモノグリセリド;
(ix)約5%以下のジグリセリド;および
(x)少なくとも約90%のトリグリセリド。
いくつかの実施形態では、遊離脂肪酸含有量は、AOCS試験方法AOCS Ca 5a-40によって測定される。いくつかの実施形態では、不溶性不純物含有量は、AOCS試験方法AOCS Ca 3a-46によって測定される。いくつかの実施形態では、リン含有量は、AOCS Ca 20-99、modによって測定される。いくつかの実施形態では、クロロフィル含有量は、AOCS Ch 4-91によって測定される。いくつかの実施形態では、水分含有量は、AOCS Ca 2b-38によって測定される。いくつかの実施形態では、グリセロール含有量は、AOCS Cd 11c-93によって測定される。いくつかの実施形態では、モノグリセリド含有量は、AOCS Cd 11c-93によって測定される。いくつかの実施形態では、ジグリセリド含有量は、AOCS Cd 11c-93によって測定される。いくつかの実施形態では、トリグリセリド含有量は、AOCS Cd 11c-93によって測定される。
特定の態様では、ポンガミア油組成物は、(例えば、本明細書に記載の方法に従って)前記組成物が得られる未精製のポンガミア油と比較して、より低い不けん化物含有量を有する。
組成物の含有量に加えて、本開示のポンガミア油組成物はまた、色および/または濁りを含むが、これらに限定されない物理的特性の観点から記載され得る。
特定の実施形態では、(例えば、本明細書に記載される方法に従って製造される)本明細書に提供されるポンガミア油組成物は、前記組成物が得られる未精製のポンガミア油と比較して、より明るい色を有する。特定の態様では、ポンガミア油組成物の最終色は、未精製のポンガミア油の初期色よりも明るい。一態様では、未精製のポンガミア油は、赤色および/または茶色(例えば、赤色、茶色、赤褐色、または茶褐色が挙げられる)であり;(例えば、本明細書に記載の方法に従って)それらから得られるポンガミア油組成物は、黄色および/または白色(例えば、黄色、淡黄色、白色、またはオフホワイトが挙げられる)である。特定の態様では、同じ色は、Lovibond Color-AOCS Scaleを用いて測定される。特定の実施形態では、色は、1インチのセルパスまたは5.25インチのセルパスを使用するLovibond Color-AOCS Scaleを用いて測定される。従って、一態様では、未精製のポンガミア油は、1.8R、70Yのロヴィボンド色(Lovibond Color)を有し;(例えば、本明細書に記載の方法に従って)それらから得られるポンガミア油組成物は、5.25インチのセルパスを使用するLovibond Color-AOCS Scale(AOCS法Cc 13b-45)による、1.4R、38Yのロヴィボンド色を有する。
いくつかの態様では、ポンガミア油組成物はロヴィボンド色を有し、ここで、1インチのセルパスを使用するLovibond Color-AOCS Scale(AOCS法Cc 13b-45)によって測定される場合には、Y値は25未満である。Y値が25未満である特定の態様では、1インチのセルパスを使用するLovibond Color-AOCS Scale(AOCS法Cc 13b-45)によって測定される場合には、ポンガミア油組成物は淡黄色である。他の実施形態では、1インチのセルパスを使用するLovibond Color-AOCS Scale(AOCS法Cc 13b-45)によって測定される場合には、Y値が25以上であるロヴィボンド色を有する。1インチのセルパスを使用するLovibond Color-AOCS Scale(AOCS法Cc 13b-45)によって測定される場合には、Y値が25以上である特定の他の態様では、ポンガミア油組成物は黄色である。
ポンガミア油組成物の色に加えて、ポンガミア油組成物は、当該技術分野で公知の方法によって、霞み(haziness)または濁り(turbidity)によって特徴付けられ得る。さらに他の態様では、本開示で提供されるポンガミア油組成物は、前記組成物が得られる未精製のポンガミア油と比較して、濁りが低減している。
前記特性を計量または測定するための当該技術分野で公知の任意の適切な方法を使用し得る。
感覚特性プロファイル
前述のように、フラノフラボノイドおよび他の不けん化物含有量が低減された本開示のポンガミア油組成物は、食用で苦味がなく、ヒトにおいて総合的に許容可能な感覚プロファイルを有する(例えば、味覚および嗅覚に関して)。
さらに他の態様では、本開示のポンガミア油組成物は、ポンガミアの風味/臭い(note)、ナッツ風味、バター風味、草風味、滑らかさ、甘味、油性、渋味、刺激性、苦味、および酸味を含むが、これらに限定されない1つ以上の感覚特性の存在または非存在によって特徴付けられ得る。いくつかの態様では、ポンガミア油組成物は、ポンガミアの風味/臭い、ナッツ風味、バター風味、草風味、滑らかさ、甘味、油性、渋味、刺激性、苦味、および酸味、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の感覚特性を有する。
いくつかの態様では、ポンガミア油組成物は、ポンガミアの風味/臭い、ナッツ風味、バター風味、草風味、滑らかさ、甘味、および油性からなる群から選択される1つ以上の感覚特性の存在によって特徴付けられ得る。
さらに他の態様では、ポンガミア油組成物は、渋味、刺激性、苦味、および酸味からなる群から選択される1つ以上の感覚特性の非存在によって特徴付けられ得る。
さらに他の態様では、ポンガミア油組成物は、感覚特性の穏やかさによって特徴付けられ得る。例えば、いくつかの態様では、ポンガミア油組成物は、苦くない味、薄い風味、淡白な味、すっきりした風味、もしくは後味がない、またはそれらの任意の組み合わせを有するものとして特徴付けられ得る。
一態様では、本明細書では、以下の(i)~(ix)を有するポンガミア油組成物が提供される:
(i)(例えば、ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、)約1000ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたもの;
(ii)(例えば、AOCS Ca 6a-40によって測定される場合には、)約1重量%以下の不けん化物;
(ii)(例えば、AOCS Cd 8-53によって測定される場合には、)約5meq/kg以下の過酸化物価;
(iv)(例えば、AOCS Cd 18-90によって測定される場合には、)約10以下のp-アニシジン価;
(v)(例えば、AOCS Cg 4-94によって測定される場合には、)約5000ppm以下の残留溶媒であって、残留溶媒が存在する場合には、残留溶媒は食品グレードの溶媒である、残留溶媒;
(vi)(例えば、AOAC 996.06によって測定される場合には、)総脂肪酸のうち少なくとも40%のオレイン酸が存在し;
(vii)(例えば、Lovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、)淡黄色または黄色;
(viii)薄い風味、または、ナッツ風味、バター風味、草風味、滑らかさ、および甘味、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の感覚特性;または
(ix)それら(i)~(viii)の任意の組み合わせ。
本態様のいくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物は以下を有する:
ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約1000ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたもの;
(例えば、AOCS Ca 6a-40によって測定される場合には、)約1重量%以下の不けん化物;
(例えば、AOCS Cd 8-53によって測定される場合には、)約5meq/kg以下の過酸化物価;
(例えば、AOCS Cd 18-90によって測定される場合には、)約10以下のp-アニシジン価;および
(例えば、AOCS Cg 4-94によって測定される場合には、)約5000ppm以下の残留溶媒であって、残留溶媒が存在する場合には、食品グレードの溶媒である、残留溶媒。
本態様の他の実施形態では、ポンガミア油組成物は以下を有する:
ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約1000ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたもの;
(例えば、AOCS Ca 6a-40によって測定される場合には、)約1重量%以下の不けん化物;
(例えば、AOCS Cd 8-53によって測定される場合には、)約5meq/kg以下の過酸化物価;
(例えば、AOCS Cd 18-90によって測定される場合には、)約10以下のp-アニシジン価;および
(例えば、AOAC 996.06によって測定される場合には、)総脂肪酸のうち少なくとも40%のオレイン酸が存在する。
さらに他の実施形態では、ポンガミア油組成物は、以下の(i)~(viii)を有する:
(i)(例えば、ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、)約1000ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたもの;
(ii)(例えば、AOCS Ca 6a-40によって測定される場合には、)約1重量%以下の不けん化物;
(ii)(例えば、AOCS Cd 8-53によって測定される場合には、)約5meq/kg以下の過酸化物価;
(iv)(例えば、AOCS Cd 18-90によって測定される場合には、)約10以下のp-アニシジン価;
(v)(例えば、AOCS Cg 4-94によって測定される場合には、)約5000ppm以下の残留溶媒であって、残留溶媒が存在する場合には、残留溶媒は食品グレードの溶媒である、残留溶媒;
(vi)(例えば、AOAC 996.06によって測定される場合には、)総脂肪酸のうち少なくとも40%のオレイン酸が存在し;
(vii)(例えば、Lovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、)淡黄色または黄色;および
(viii)薄い風味、または、ナッツ風味、バター風味、草風味、滑らかさ、および甘味、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の感覚特性。
いくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物は、Lovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、淡黄色であり、および薄い風味を有する。他の実施形態では、ポンガミア油組成物は、Lovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には黄色であり、ならびに、ナッツ風味、バター風味、草風味、滑らかさ、および甘味、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の感覚特性を有する。前述の実施形態のいずれかと組み合わせ得るいくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物は、Lovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には淡黄色であり、組成物は、ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約200ppm以下のカランジンおよびポンガモールを合わせたものを有する。
他の実施形態では、ポンガミア油組成物は以下の(i)~(v)、またはそれら(i)~(v)の任意の組み合わせを有する:
(i)室温で液体であり;
(ii)(例えば、25℃で測定される場合には、)約30センチポアズ~600センチポアズの粘度を有し;
(iii)(例えば、AOCS-Cd 16b-93によって測定される場合には、)約5℃の温度で、約1%~約10%の固形脂肪含有量を有し;
(iv)(例えば、AOCS Cc 9a-48によって測定される場合には、)少なくとも約195℃の煙点を有し;または
(v)(例えば、AOCS Cc 9b-55によって測定される場合には、)少なくとも約200℃の引火点を有する。
ポンガミア油組成物の分析方法
ポンガミア脂肪種子から得られる油およびシードケーキ中に存在する高濃度のカランジンおよびポンガモールは、一般的に、不都合な味、および臭い、ならびに毒性である可能性によって食用性が欠如しているため、食品中での油およびシードケーキの使用が妨げられている。これらの化合物により油およびシードケーキは食用に適さず、ヒトおよび動物に対して有害である可能性がある。食用ポンガミア組成物を開発するこれまでの試みは、一部には、カランジン濃度および摂取のための他の抗栄養素の一貫した許容可能な最大値がまだ明らかにされていないという事実のために、成功していない。さらに、ポンガミア組成物を分析するための既存の方法は、ポンガミア組成物中のカランジン濃度を評価する工程、言うまでもなく、さらに許容可能なカランジン濃度の最大値を測定する工程が難しい試みであるために、不正確で信頼性が低い。従って、ポンガミア組成物中に存在するカランジンおよび他の抗栄養素化合物の濃度を測定するためのより正確な方法が依然として必要とされている。
本開示は、ポンガミア油組成物を分析する方法、すなわち、既存の方法よりも高い正確性および精度で、ポンガミア脂肪種子に固有のカランジンおよび他の化学化合物の濃度を測定する方法を提供することによって、この必要性に対処する。従って、いくつかの態様では、溶媒抽出分析方法を用いてポンガミア油中のカランジンおよび/またはポンガモールの濃度を分析するための方法が、本明細書に提供される。
図1を参照すると、ポンガミア油サンプルを分析する例示的な処理100が提供される。工程102において、ポンガミア油を抽出溶媒と組み合わせることによって、抽出混合物が提供される。いくつかの実施形態では、抽出溶媒はアルキルケトンを含む。特定の態様では、抽出溶媒はメチルケトンを含む。一態様では、抽出溶媒はアセトンを含む。
再度図1を参照すると、工程104および106において、抽出混合物を超音波処理し、次いで抽出されたポンガミア組成物(例えば、油など)と、カランジンおよび/またはポンガモールを有する抽出物と、に分離する。
次いで、工程108において、抽出物中に存在するカランジンおよび/またはポンガモールの濃度を測定する。いくつかの態様では、カランジンおよび/またはポンガモールの濃度は、紫外線検出器(UV)を用いた高速液体クロマトグラフィーによって測定される。一態様では、紫外線検出器はダイオードアレイ検出器(すなわち、HPLC-DADが使用される)である。
いくつかの態様では、ポンガミア油を抽出溶媒と組み合わせて、抽出混合物を提供する工程であって、抽出溶媒はアルキルケトンを含み、ポンガミア油はカランジンもしくはポンガモール、またはその両方を含む、工程;抽出混合物を超音波処理して、超音波処理された混合物を製造する工程;超音波処理された混合物を抽出されたポンガミア組成物とアルキルケトン抽出物とに分離する工程であって、抽出物はカランジンもしくはポンガモール、またはその両方を含む、工程;および、抽出物中に存在するカランジンもしくはポンガモール、またはその両方の濃度を測定する工程、を含む分析方法が提供される。一態様では、アルキルケトンはアセトンである。前述のいくつかの実施形態では、測定する工程は、紫外線検出器を用いた高速液体クロマトグラフィーによって、カランジンもしくはポンガモール、またはその両方の濃度を測定する工程を含む。一態様では、紫外線検出器はダイオードアレイ検出器である。
特定の態様では、カランジンおよびポンガモールの濃度を検出するための本明細書に提供される分析方法は、当該技術分野で一般的に公知の分析方法(例えば、マススペクトロメトリー(MS)による検出を伴うHPLCの使用を含む方法、およびポンガミア粗びき粉サンプルを分析する工程を一般的に対照とする方法が挙げられる)を超えて改良されている。本明細書に提供される分析方法は、マススペクトロメトリー(例えば、HPLC-MS-MSなど)による検出を伴うHPLCとは対照的に、特定のサンプル調製物、および紫外線による検出を伴うHPLC(例えば、HPLC-DADなど)を使用することによって、ポンガミア油サンプルの正確な測定を可能にする。
ポンガミア油組成物の製造方法
いくつかの態様では、ポンガミアの木または植物(「Cytisus pinnatus」、「Dalbergia arborea」、「Derris indica」、「Galedupa pungum」、「karanj」、「Millettia pinnata」、「pongam」、「pongamia」、「pongamia glabra」、「Pterocarpus flavus」、「Pongamia pinnata」、および「Robinia mitis」、「Indian beech」、および「mempari」としても知られる)に由来する植物原料から得られる未精製のポンガミア油から食用ポンガミア油を得る方法が本明細書に提供される。いくつかの態様では、未精製のポンガミア油は、ポンガミア脂肪種子から得られる。
いくつかの態様では、ポンガミア油組成物を製造する方法であって、脱皮されたポンガミア脂肪種子を機械的に分離して、未精製のポンガミア油と少なくとも部分的に脱油されたシードケーキとを製造する工程;ならびに、前記未精製のポンガミア油を、高温で非混和性溶媒を使用して抽出し、ポンガミア油組成物を製造する工程、を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、未精製のポンガミア油は、ポンガミア油、カランジン、ポンガモール、他のフラノフラボノイド、および他の不けん化物を含む。いくつかの実施形態では、得られる組成物は、食用で苦味がなく、150ppm未満のカランジンおよび/またはポンガモールを有し、1%未満の不けん化物を有する。
バッチ液体-液体抽出のために、任意の適切な方法、技術または反応システムを使用し得る。
バッチ処理
いくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物を製造する方法が、バッチ処理として実施される。未精製のポンガミア油は、脱皮されたポンガミア脂肪種子を機械的に分離することによって得ることができる。得られた未精製のポンガミア油は、ポンガミア油、カランジン、ポンガモール、他のフラノフラボノイド、および他の不けん化物を含む。次いで、未精製のポンガミア油を、高温で非混和性溶媒と組み合わせて、混合物を形成する。いくつかの態様では、高温は非混和性溶媒の沸点未満である。いくつかの態様では、混合物は適切な時間撹拌される(例えば、かき混ぜる)。例えば、一態様では、混合物は、少なくとも5分間、少なくとも10分間、少なくとも15分間、少なくとも30分間、少なくとも45分間、もしくは少なくとも60分間;または、5分間~2時間、5分間~1時間、15分間~45分間、撹拌される。
高温である間、混合物は、少なくともポンガミア油層および溶媒層(例えば、本明細書に記載されるような非混和性溶媒から構成される)に安定化させられる。溶媒層は高温で除去され、ポンガミア油層は冷却される。冷却された層はまた、ポンガミア油層と溶媒層とにさらに安定化させられる。溶媒層は除去され、ポンガミア油層は高温で新鮮な非混和性溶媒と組み合わされて、混合物を形成する。混合物は、高温で適切な時間撹拌されて、次いで、高温で安定化およびデカントされる。続いて、混合物は、冷却、安定化およびデカントされて、高温で新鮮な非混和性溶媒とさらに組み合わせることができるポンガミア油層を得る。当該工程を繰り返して、単離された最後のポンガミア油層から、本明細書に記載の食用で苦味のないポンガミア油組成物を最終的に得る。
特定の態様では、ポンガミア油組成物を製造する方法であって、脱皮されたポンガミア脂肪種子を機械的に分離して、未精製のポンガミア油および少なくとも部分的に脱油されたシードケーキを製造する工程;前記未精製のポンガミア油を高温で非混和性溶媒と組み合わせて、混合物を形成する工程;前記混合物を、高温で少なくともポンガミア油層と溶媒層とに安定化させる工程;ならびに、前記溶媒層を高温で除去して、前記ポンガミア油層を単離する工程、を含む、方法が提供される。いくつかの態様では、未精製のポンガミア油を非混和性溶媒と組み合わせる工程は、撹拌を含む。
いくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物を製造する方法であって、脱皮されたポンガミア脂肪種子を機械的に分離して、未精製のポンガミア油および少なくとも部分的に脱油されたシードケーキを製造する工程;未精製のポンガミア油を、高温で非混和性溶媒と組み合わせて、混合物を形成する工程;混合物を高温で少なくともポンガミア油層と溶媒層とに安定化させる工程;溶媒層を高温で除去して、ポンガミア油層を単離する工程;ポンガミア油層を冷却する工程;冷却された層を少なくともポンガミア油層と溶媒層とに安定化させる工程;ならびに、溶媒層を除去して、ポンガミア油層を単離する工程を、含む、方法が提供される。
ポンガミア油層は、本明細書に記載の食用で苦味のないポンガミア油組成物を含む。
バッチ液体-液体抽出のために、任意の適切な方法、技術または反応システムを使用し得る。いくつかの実施形態では、バッチ液体-液体抽出は、静的反応器内(例えば、静的円錐ボトムタンクなど)で実施される。他の実施形態では、バッチ液体-液体抽出は、撹拌(振動、超音波処理、および/または機械的撹拌が挙げられる)のために構成された反応器中で実施される。例えば、一態様では、バッチ液体-液体抽出は、強制撹拌反応器を使用して実施される。いくつかの態様では、強制撹拌反応器は、トレイ、インペラー、および/またはプロペラを備える。強制撹拌反応器が1つ以上のインペラーを含む特定の態様では、1つ以上のインペラーは、ホモジナイザー、パドル、タービン、スクリュー、リボンブレード、アンカーブレード、撹拌機、またはスクレーパーである。
連続的な処理
いくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物を製造する方法が連続的な処理として実施される。いくつかの態様では、本方法は、連続的な向流処理(countercurrent process)として実施される。
未精製のポンガミア油は、脱皮されたポンガミア脂肪種子を機械的に分離することによって得られる。得られた未精製のポンガミア油は、ポンガミア油、カランジン、ポンガモール、他のフラノフラボノイド、および他の不けん化物を含む。次いで、連続的な液体-液体抽出が実施される。未精製のポンガミア油を、高温で非混和性溶媒を使用して、ラフィネートと溶媒に富んだ軽相とに分離する。ラフィネートは、ポンガミア油および残留溶媒を含み、溶媒に富んだ軽相は、溶媒および残留ポンガミア油を含む。
連続的な液体-液体抽出のために、任意の適切な方法、技術または反応システムを使用し得る。いくつかの実施形態では、連続的な液体-液体抽出は、撹拌(振動、超音波処理、および/または機械的撹拌が挙げられる)のために構成された反応器内で実施される。例えば、一態様では、連続的な液体-液体抽出は、強制撹拌反応器を用いて実施される。いくつかの態様では、強制撹拌反応器は、トレイ、インペラー、および/またはプロペラを備える。強制撹拌反応器が1つ以上のインペラーを含む特定の態様では、1つ以上のインペラーは、ホモジナイザー、パドル、タービン、スクリュー、リボンブレード、アンカーブレード、撹拌機、またはスクレーパーである。特定の態様では、強制撹拌反応器は強制撹拌トレードカラムである。ラフィネートは底部でカラムを出て、溶媒に富んだ軽相は上端部でカラムを出る。ラフィネートを冷却して、残留溶媒をポンガミア油から分離する。いくつかの態様では、全ての残留溶媒がポンガミア油から分離される。ポンガミア油を単離して、本明細書に記載のポンガミア油組成物を得る。
バッチ抽出および連続的な抽出の高温(elevated temperature)
いくつかの態様では、高温は、約25℃以上、約30℃以上、約35℃以上、約40℃以上、約45℃以上、約50℃以上、約55℃以上、約60℃以上、約65℃以上、または約70℃以上である。他の態様では、高温は、約75℃以下、約70℃以下、約65℃以下、約60℃以下、約55℃以下、約50℃以下、約45℃以下、約40℃以下、または約35℃以下である。いくつかの実施形態では、高温は、約30℃~約75℃、約30℃~約70℃、約30℃~約65℃、約30℃~約60℃、約30℃~約55℃、約30℃~約50℃、約30℃~約45℃、約30℃~約40℃、約30℃~約35℃、約35℃~約75℃、約35℃~約70℃、約35℃~約65℃、約35℃~約60℃、約35℃~約55℃、約35℃~約50℃、約35℃~約45℃、約35℃~約40℃、約40℃~約75℃、約40℃~約70℃、約40℃~約65℃、約40℃~約60℃、約40℃~約55℃、約40℃~約50℃、約40℃~約45℃、約45℃~約75℃、約45℃~約70℃、約45℃~約65℃、約45℃~約60℃、約45℃~約55℃、約45℃~約50℃、約50℃~約75℃、約50℃~約70℃、約50℃~約65℃、約50℃~約60℃、約50℃~約55℃、約55℃~約75℃、約55℃~約70℃、約55℃~約65℃、約55℃~約60℃、約60℃~約75℃、約60℃~約70℃、約60℃~約65℃、約65℃~約75℃、約65℃~約70℃、または約70℃~約75℃である。
いくつかの態様では、高温は非混和性溶媒の沸点未満である。例えば、非混和性溶媒がエタノールを含む特定の態様では、高温は大気圧で約78℃未満である。
他の例示的な実施形態では、処理は追加された工程または省略された工程を含み得ることを理解されたい。例えば、一実施形態では、ポンガミア油から分離された溶媒は凝縮され、(例えば、蓄積された水を除去するために)ストリッピングされ得る。いくつかの態様では、前述のことはストリッピングカラムまたは蒸留カラム中で実施され得る。別の実施形態では、溶媒に富んだ軽相中の残留ポンガミア油は単離され、蒸留され、追加のポンガミア油組成物を製造する。
非混和性溶媒
いくつかの実施形態では、使用される溶媒は、未精製のポンガミア油と非混和性である。いくつかの態様では、溶媒はアルコールを含む。特定の態様では、溶媒は少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約92%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%のアルコールを含む。特定の態様では、溶媒はC1-20アルコール、C1-10アルコール、またはC1-5アルコールを含む。一態様では、溶媒はエタノールを含む。特定の態様では、溶媒は少なくとも約90%のエタノールまたは少なくとも約95%のエタノールを含む。
いくつかの態様では、未精製のポンガミア油に対する溶媒の比率は、約20:1以下、約15:1以下、約10:1以下、または約5:1以下である。他の態様では、未精製のポンガミア油に対する溶媒の比率は、約1:1以上、または約5:1以上である。いくつかの態様では、未精製のポンガミア油に対する溶媒の比率は、約1:1~約20:1、約1:1~約15:1、約1:1~約10:1、または約1:1~約5:1である。
未精製のポンガミア油
いくつかの実施形態では、未精製のポンガミア油は、ポンガミア油、カランジン、ポンガモール、他のフラノフラボノイド、および他の不けん化物を含む。
特定の実施形態では、未精製のポンガミア油は、少なくとも500ppm、少なくとも10,000、もしくは少なくとも30,000ppm;または、10,000ppm~30,000ppmの不けん化物を有する。
特定の実施形態では、未精製のポンガミア油は、少なくとも500ppm、少なくとも10,000、もしくは少なくとも30,000ppm;または、10,000ppm~30,000ppmのフラノフラボノイドを有する。特定の実施形態では、未精製のポンガミア油は、少なくとも10,000ppmのカランジンおよび/またはポンガモールを有する。前述のいくつかの態様では、カランジンおよびポンガモールの濃度は、本明細書に記載の溶媒抽出分析方法によって測定される。
いくつかの態様では、未精製のポンガミア油は、少なくとも500ppm、少なくとも10,000、もしくは少なくとも30,000ppm;または、10,000ppm~30,000ppmのカランジンを有する。他の態様では、未精製のポンガミア油は、少なくとも500ppm、少なくとも10,000、もしくは少なくとも30,000ppm;または、10,000ppm~30,000ppmのポンガモールを有する。他の態様では、未精製のポンガミア油は、少なくとも500ppm、少なくとも10,000、もしくは少なくとも30,000ppm;または、10,000ppm~30,000ppmのカランジンおよびポンガモールを組み合わせたものを有する。
本明細書に記載の方法に使用される未精製のポンガミア油は、当該技術分野で公知の様々な方法および技術から製造することができ、または任意の市販の供給源から得ることができる。いくつかの態様では、未精製のポンガミア油は、ポンガミア脂肪種子を機械的に分離する工程によって得られる。一態様では、未精製のポンガミア油は、ポンガミア脂肪種子を低温プレスする工程によって得られる。
任意に、ポンガミア脂肪種子を脱皮して、未精製のポンガミア油を得ることができる。したがって、いくつかの態様では、未精製のポンガミア油は、ポンガミア脂肪種子を脱皮して、脱皮された脂肪種子を製造する工程;および、脱皮された脂肪種子を機械的に分離して、未精製のポンガミア油と、少なくとも部分的に脱油されたシードケーキとを製造する工程によって得られる。他の態様では、未精製のポンガミア油は、25℃~200℃の温度で適切な時間、ポンガミア脂肪種子を加熱して、処理された脂肪種子を製造する工程;処理された脂肪種子を脱皮して、脱皮された脂肪種子を製造する工程;および、脱皮された脂肪種子を機械的に分離して、未精製のポンガミア油と、脱油されたシードケーキとを製造する工程によって得られる。
脱皮する工程は、典型的にはポンガミア豆を脱皮機に通して外皮および豆を緩める工程、ならびに2つの画分を分離する工程を含む。当該技術分野で公知の任意の適切な技術を使用して、外皮を和らげ外皮の分離を達成し得る。例えば、いくつかの態様では、脱皮する工程は、ポンガミア豆を衝撃型脱皮機に通す工程、および豆から外皮を緩める工程によって行われる。この目的のために、他の型の剥離装置(例えば、研磨材/ブラッシング型など)を使用し得る。外皮からの豆の分離は、例えば、重力テーブル(gravity table)または吸引器によって行うことができる。
次いで、豆を機械的にプレスする(例えば、低温プレスなど)が、これは、典型的には、圧搾機を用いて実施し、遊離油を除去して低脂肪(例えば、10~14%の脂肪)ポンガミア粗びき粉を製造し得る。低温プレスは、当該技術分野で公知の任意の適切な技術を使用して実施することができる。例えば、低温プレスは、様々な機器(例えば、Farmet FL-200 expeller pressなど)を用いて実施することができる。いくつかの態様では、プレスする工程は、脱皮された豆を装置に通過させて、遊離油および低脂肪粗びき粉を製造する工程を含むことができる。部分的に脱脂され、機械的にプレスされた豆は、元のポンガミア油含有量の約60~75%を除去することができる。
食品および飲料製品
特定の態様では、本明細書のポンガミア油組成物を組み込むか、またはそれを用いて製造される食品および飲料製品もまた提供される。当該ポンガミア油組成物は、サラダ油、フライ油、ソテー油、ビネグリット、ソース、ドレッシング、肉模倣品中の脂肪、飲料、または混合マーガリン、および他の固体脂肪の適用として使用され得る。
本明細書に提供されるポンガミア油組成物は、食品用途での使用に適したポンガミア油組成物を作るいくつかの好ましい組成物特性(例えば、低濃度のカランジン、低濃度のポンガモール、および低濃度の不けん化物、低過酸化物価、低p-アニシジン価、低残留溶媒含有量、および高オレイン酸含有量が挙げられる)を有する。これらの組成特性に加えて、本開示のポンガミア油組成物はまた、脂肪および/または油が望まれる様々な用途のために選択することができる様々な感覚特性および機能特性を有する。
いくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物を含む食品および飲料製品が本明細書に提供され、ポンガミア油組成物は、Lovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、淡黄色であり、薄い風味を有する。他の実施形態では、ポンガミア油組成物は、Lovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、黄色であり、ナッツ風味、バター風味、草風味、滑らかさ、および甘味、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の感覚特性を有する。前述の実施形態のいずれかと組み合わせ得るいくつかの実施形態では、ポンガミア油組成物は、Lovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、淡黄色であり、組成物は、ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約200ppm以下のカランジンおよびポンガモールを合わせたものを有する。
他の実施形態では、食品または飲料製品はポンガミア油組成物を含み、ポンガミア油組成物は以下の(i)~(vii)、またはそれら(i)~(vii)の任意の組み合わせを含む:
(i)Lovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、淡黄色または黄色であり;および
(ii)薄い風味、または、ナッツ風味、バター風味、草風味、滑らかさ、および甘味、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の感覚特性を有し
(iii)室温で液体であり;
(iv)25℃で測定される場合には、約30センチポアズ~600センチポアズの粘度を有し;
(v)AOCS-Cd 16b-93によって測定される場合には、約5℃の温度で約1%~約10%の固体脂肪含有量を有し;
(vi)AOCS Cc 9a-48によって測定される場合には、少なくとも約195℃の煙点を有し;または
(vii)AOCS Cc 9b-55によって測定される場合には、少なくとも約200℃の引火点を有する。
食品および飲料製品は、本明細書に記載のポンガミア油組成物以外の様々な他の成分を含むことができる。例えば、食品および飲料製品は、例えば、水、他の脂肪および油、甘味料(例えば、糖など)、塩、増粘剤(例えば、ペクチンおよび他のハイドロコロイドなど)、消泡剤、天然香味料および人工香味料、防腐剤、ならびに着色剤を含み得る。
別の態様では、食品および/または飲料製品を調製する方法が提供される。当該方法は、混合する工程/ブレンドする工程、低温殺菌する工程および/または滅菌する工程、ならびに包装する工程のうち1つ以上を含み得る。
〔列挙された実施形態〕
以下に列挙する実施形態は、本発明のいくつかの態様を代表するものである。
1.ポンガミア油組成物を製造する方法であって:
脱皮されたポンガミア脂肪種子を機械的に分離して、未精製のポンガミア油と少なくとも部分的に脱油されたシードケーキとを製造する工程であって、前記未精製のポンガミア油は、ポンガミア油、カランジン、ポンガモール、他のフラノフラボノイド、および他の不けん化物を含む、工程;ならびに
前記未精製のポンガミア油を、高温で非混和性溶媒を使用して抽出して、前記ポンガミア油組成物を製造する工程であって、未精製のポンガミア油に対する溶媒の比率は、1:1~20:1であり、前記組成物は、食用で苦味がなく、150ppm未満のカランジンおよび/またはポンガモールを有し、1%未満の不けん化物を有する、工程、を含む、方法。
2.ポンガミア油組成物を製造する方法であって:
a)脱皮されたポンガミア脂肪種子を機械的に分離して、未精製のポンガミア油と少なくとも部分的に脱油されたシードケーキとを製造する工程であって、前記未精製のポンガミア油は、ポンガミア油、カランジン、ポンガモール、他のフラノフラボノイド、および他の不けん化物を含む、工程;
b)前記未精製のポンガミア油を高温で非混和性溶媒と組み合わせて、混合物を形成する工程;
c)前記混合物を、高温で少なくともポンガミア油層と溶媒層とに安定化させる工程;
d)工程c)由来の前記溶媒層を高温で除去して、前記ポンガミア油層を単離する工程であって、前記ポンガミア油層は、食用で苦味のないポンガミア油を含む、工程、を含む、方法。
3.工程c)およびd)において、前記高温よりも低い第2の高温で工程c)およびd)を繰り返す工程、または任意に前記第2の高温は、前記溶媒の沸点よりも約5~10℃低いことをさらに含む、実施形態2に記載の方法。
4.以下をさらに含む、実施形態2に記載の方法:
工程c)由来の前記ポンガミア油層を冷却する工程;
前記ポンガミア油層を、少なくともポンガミア層と溶媒層とに安定化させる工程;および
前記溶媒層を除去して、前記ポンガミア油層を単離する工程であって、前記ポンガミア油層は食用で苦味のないポンガミア油を含む、工程。
5.前記単離されたポンガミア油層を、新鮮な非混和性溶媒と組み合わせることによって、工程b)~d)を繰り返す工程をさらに含む、実施形態2~4のいずれか1つに記載の方法。
6.以下e)~g)をさらに含む、実施形態2~4のいずれか1つに記載の方法:
e)工程d)における前記組成物を、高温で、新鮮な非混和性溶媒と組み合わせて、第2の混合物を形成する工程;
f)前記第2の混合物を、高温で、少なくともポンガミア油層と溶媒層とに安定化させる工程;および
g)工程f)由来の前記溶媒層を高温で除去して、前記ポンガミア油層を単離する工程であって、前記ポンガミア油層は食用で苦味のないポンガミア油を含む、工程。
7.以下e)~j)をさらに含む、実施形態2~4のいずれか1つに記載の方法:
e)工程d)における前記組成物を、高温で、新鮮な非混和性溶媒と組み合わせて、第2の混合物を形成する工程;
f)前記第2の混合物を、高温で、少なくともポンガミア油層と溶媒層とに安定化させる工程;
g)工程f)由来の前記溶媒層を高温で除去して、前記ポンガミア油層を単離する工程;
h)工程g)由来の前記ポンガミア油層を冷却する工程;
i)工程h)由来の前記冷却された層を、少なくともポンガミア油層と溶媒層とに安定化させる工程;および
j)工程i)由来の前記溶媒層を除去して、前記ポンガミア油層を単離する工程であって、前記ポンガミア油層は食用で苦味のないポンガミア油を含む、工程。
8.前記未精製のポンガミア油を前記非混和性溶媒と組み合わせる工程は、前記混合物を撹拌する工程を含む、実施形態2~7のいずれか1つに記載の方法。
9.ポンガミア油組成物を製造するための連続的な向流方法であって、以下a)~f)を含む、方法:
a)脱皮されたポンガミア脂肪種子を機械的に分離して、未精製のポンガミア油と少なくとも部分的に脱油されたシードケーキとを製造する工程であって、
前記未精製のポンガミア油は、ポンガミア油、カランジン、ポンガモール、他のフラノフラボノイド、および他の不けん化物を含む、工程;
b)前記未精製のポンガミア油を、高温で非混和性溶媒を使用する液体-液体抽出によって、ラフィネートと溶媒に富んだ軽相とに分離する工程であって、
未精製のポンガミア油に対する溶媒の比率は1:1~20:1であり、
前記ラフィネートは、ポンガミア油および残留溶媒を含み、ならびに
前記溶媒に富んだ軽相は、溶媒および残留ポンガミア油を含む、工程;
c)前記ラフィネートを冷却して、前記残留溶媒をポンガミア油から分離する工程;
d)前記冷却されたラフィネート中の前記ポンガミア油の少なくとも一部を単離して、前記ポンガミア油組成物を製造する工程であって、
前記組成物は、食用で苦味がなく、150ppm以下のカランジンおよび/またはポンガモールを有し、1%未満の不けん化物を有する、工程;
e)前記溶媒に富んだ軽相から前記溶媒の少なくとも一部を分離する工程;および
f)前記単離された溶媒を、液体-液体抽出のための追加の未精製のポンガミア油と組み合わせる工程。
10.前記連続的な液体-液体抽出は、強制撹拌トレードカラムを用いて行われる、実施形態9に記載の方法。
11.前記ラフィネートは底部で前記カラムを出て、前記溶媒に富んだ軽相は上端部で前記カラムを出る、実施形態10に記載の方法。
12.前記高温は、前記非混和性溶媒の沸点未満である、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
13.前記溶媒に富んだ軽相から分離された前記溶媒の少なくとも一部は、蒸発器中で実施される、実施形態9~12のいずれか1つに記載の方法。
14.前記溶媒は、真空下で前記残留ポンガミア油から蒸発させる、実施形態13に記載の方法。
15.前記溶媒を凝縮する工程、およびストリッピングカラム中に蓄積されたいずれかの水から前記溶媒をストリッピングする工程、をさらに含む、実施形態14に記載の方法。
16.前記溶媒に富んだ軽相中の前記残留ポンガミア油を単離する工程;および、前記単離された残留ポンガミア油から溶媒を蒸留して、追加のポンガミア油組成物を製造する工程をさらに含む、実施形態9~15のいずれか1つに記載の方法。
17.前記非混和性溶媒はアルコールを含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
18.前記非混和性溶媒はエタノールを含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
19.前記非混和性溶媒は少なくとも約60%のアルコールを含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の方法。
20.前記組成物は、前記未精製のポンガミア油よりも低い不けん化物含有量を有する、実施形態1~19のいずれか1つに記載の方法。
21.前記組成物は、前記未精製のポンガミア油よりも低いフラノフラボノイド含有量を有する、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法。
22.前記組成物は、150ppm以下のフラノフラボノイドを有する、実施形態1~21のいずれか1つに記載の方法。
23.前記フラノフラボノイドは、カランジンもしくはポンガモール、またはその両方を含む、実施形態1~22のいずれか1つに記載の方法。
24.前記組成物は、150ppm以下のカランジンおよび/またはポンガモールを含む、実施形態23に記載の方法。
25.前記未精製のポンガミア油は初期色を有し、製造される前記ポンガミア油組成物は最終色を有し、ここで、前記ポンガミア油組成物の前記最終色は前記未精製のポンガミア油の前記初期色よりも明るい、実施形態1~24のいずれか1つに記載の方法。
26.前記初期色は赤色および/または茶色であり、前記最終色は黄色である、実施形態25に記載の方法。
27.前記未精製のポンガミア油は、機械的に分離されたポンガミア油である、実施形態1~26のいずれか1つに記載の方法。
28.前述の実施形態のいずれか1つの方法に従って製造されたポンガミア油組成物。
29.150ppm未満のカランジンおよび/またはポンガモール、ならびに1%未満の不けん化物を有するポンガミア油組成物であって、前記組成物は食用で苦味がない、ポンガミア油組成物。
30.前記組成物は、他のフラノフラボノイドをさらに含む、実施形態29に記載の組成物。
31.前記組成物は、150ppm以下のフラノフラボノイドを有する、実施形態29に記載の組成物。
32.カランジンもしくはポンガモール、またはその両方の濃度は、実施形態1~4のいずれか1つの方法によって測定される、実施形態31に記載の組成物。
33.前記組成物は未精製のポンガミア油から得られ、前記組成物は前記未精製のポンガミア油の色よりも明るい色を有する、実施形態29~32のいずれか1つに記載の組成物。
34.前記組成物の色は黄色である、実施形態33に記載の組成物。
35.溶媒をさらに含む、実施形態29~34のいずれか1つに記載の組成物。
36.前記溶媒は5000ppm未満の濃度で存在する、実施形態35に記載の組成物。
37.前記組成物は脂肪酸を含む、実施形態29~36のいずれか1つに記載の組成物。
38.前記脂肪酸は、モノ不飽和脂肪酸、ポリ不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ7脂肪酸、もしくはオメガ9脂肪酸、またはそれらの任意の組み合わせである、実施形態37に記載の組成物。
39.前記組成物は、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アルファリノレン酸、リグノセリン酸、アラキジン酸、ゴンド酸、オレイン酸、バクセン酸、パルミトレイン酸、エイコサジエン酸、リノール酸、マルガリン酸、ゴンド酸、エルカ酸、パルミトレイン酸、ヘプタデセン酸、もしくはミリスチン酸、またはそれらの任意の異性体、または前述の任意の組み合わせを含む、実施形態29~36のいずれか1つに記載の組成物。
40.前記組成物は、以下の(xi)~(xx)または(i)~(x)の任意の組み合わせを有する、実施形態29~39のいずれか1つに記載の組成物:
(xi)1%以下の遊離脂肪酸含有量;
(xii)0.1%以下の不溶性不純物;
(xiii)25ppm以下のリン;
(xiv)0.1ppm以下のクロロフィル;
(xv)5000ppm以下の残留溶媒;
(xvi)1%以下の水分含有量;
(xvii)1%以下のグリセロール;
(xviii)2%以下のモノグリセリド;
(xix)5%以下のジグリセリド;または
(xx)少なくとも90%のトリグリセリド。
41.前記組成物は、前記組成物が得られた前記未精製のポンガミア油と比較して、より低い不けん化物含有量を有する、実施形態29~41のいずれか1つに記載の組成物。
42.前記組成物は、前記組成物が得られた前記未精製のポンガミア油と比較して、少なくとも50%少ない不けん化物含有量を有する、実施形態41に記載の組成物。
43.前記組成物は、トコフェロールをさらに含む、実施形態29~42のいずれか1つに記載の組成物。
44.前記トコフェロールは、α-トコフェロール、β-トコフェロール、δ-トコフェロール、もしくはγ-トコフェロール、またはそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態43に記載の組成物。
45.前記組成物は、400ppm以下のトコフェロールを有する、実施形態29~44に記載の組成物。
46.前記組成物は、200ppm以下のα-トコフェロールを有する、実施形態43~45のいずれか1つに記載の組成物。
47.前記組成物は、ステロールをさらに含む、実施形態29~46のいずれか1つに記載の組成物。
48.前記ステロールは、β-シトステロール、カンペステロール、コレステロール、クレロステロール、δ-5,24-スチグマスタジエノール、δ-5-アベナステロール、シトスタノール、もしくはスチグマステロール、またはそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態47に記載の組成物。
49.前記組成物は、2500ppm未満のステロールを有する、実施形態47または48に記載の組成物。
50.サラダ油、フライ油、ソテー油、ビネグリット、ソース、ドレッシング、肉模倣品中の脂肪、飲料、または混合マーガリン、および他の固体脂肪の適用、またはそれらの任意の組み合わせとしての、実施形態29~49のいずれか1つに記載の前記ポンガミア油組成物の使用。
51.実施形態29~49のいずれか1つに記載の前記ポンガミア油組成物を含む、食品または飲料製品。
52.前記製品は、サラダ油、フライ油、ソテー油、ビネグリット、ソース、ドレッシング、肉模倣品中の脂肪、飲料、または混合マーガリン、および他の固体脂肪の適用である、実施形態51に記載の製品。
53.以下の工程を含む、分析方法:
ポンガミア油を抽出溶媒と組み合わせて、抽出混合物を提供する工程であって、前記抽出溶媒はアルキルケトンを含み、前記ポンガミア油はカランジンもしくはポンガモール、またはその両方を含む、工程;
前記抽出混合物を超音波処理して、超音波処理された混合物を製造する工程;
前記超音波処理された混合物を、抽出されたポンガミア組成物とアルキルケトン抽出物とに分離する工程であって、前記抽出物は、カランジンもしくはポンガモール、またはその両方を含む、工程;ならびに
前記抽出物中に存在するカランジンもしくはポンガモール、またはその両方の濃度を測定する工程。
54.前記アルキルケトンはアセトンである、実施形態53に記載の方法。
55.前記測定する工程は、紫外線検出器を用いた高速液体クロマトグラフィーによって、カランジンもしくはポンガモール、またはその両方の濃度を測定する工程を含む、実施形態53または54に記載の方法。
56.前記紫外線検出器はダイオードアレイ検出器である、実施形態55に記載の方法。
57.以下を有する、ポンガミア油組成物:
前記ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約1000ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたもの;
AOCS Ca 6a-40によって測定される場合には、約1重量%以下の不けん化物;
AOCS Cd 8-53によって測定される場合には、約5meq/kg以下の過酸化物価;
AOCS Cd 18-90によって測定される場合には、約10以下のp-アニシジン価;および
AOCS Cg 4-94によって測定される場合には、約5000ppm以下の残留溶媒であって、残留溶媒が存在する場合には、残留溶媒は食品グレードの溶媒である、残留溶媒。
58.以下を有する、実施形態57に記載の組成物:
前記ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約150ppm以下のカランジン;
前記ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約150ppm以下のポンガモール;
AOCS Ca 6a-40によって測定される場合には、約1重量%以下の不けん化物;
AOCS Cd 8-53によって測定される場合には、約5meq/kg以下の過酸化物価;
AOCS Cd 18-90によって測定される場合には、約5以下のp-アニシジン価;および
AOCS Cg 4-94によって測定される場合には、約5000ppm以下の残留溶媒であって、残留溶媒が存在する場合には、残留溶媒は食品グレードの溶媒である、残留溶媒。
59.前記組成物は、約1000ppm以下の残留溶媒を含む、実施形態57または58に記載の組成物。
60.前記残留溶媒はエタノールを含む、実施形態57~59のいずれか1つに記載の組成物。
61.前記組成物は室温で液体である、実施形態57~60のいずれか1つに記載の組成物。
62.前記組成物は、25℃で測定される場合には、約30センチポアズ~600センチポアズの粘度を有する、実施形態57~61のいずれか1つに記載の組成物。
63.前記組成物は、AOCS-Cd 16b-93によって測定される場合には、約5℃の温度で、約1%~約10%の固体脂肪含有量を有する、実施形態57~62のいずれか1つに記載の組成物。
64.前記組成物は、AOCS Cc 9a-48によって測定される場合には、少なくとも約195℃の煙点を有する、実施形態57~63のいずれか1つに記載の組成物。
65.前記組成物は、HPLCを用いたAOAC 971.30によって測定される場合には、約400ppm以下のトコフェロールを有する、実施形態57~64のいずれか1つに記載の組成物。
66.前記組成物は、COI/T.20/Doc No.10によって測定される場合には、2500ppm未満のステロールを有する、実施形態57~65のいずれか1つに記載の組成物。
67.前記組成物は、AOAC 996.06によって測定される場合には、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、αリノレン酸、リグノセリン酸、アラキジン酸、ゴンド酸、オレイン酸、バクセン酸、パルミトレイン酸、エイコサジエン酸、リノール酸、マルガリン酸、ゴンド酸、エルカ酸、パルミトレイン酸、ヘプタデセン酸、もしくはミリスチン酸、またはそれらの任意の異性体、または前述の任意の組み合わせを含む、実施形態57~66のいずれか1つに記載の組成物。
68.前記組成物は、AOAC 996.06によって測定される場合には、少なくとも40%のオレイン酸を含む、実施形態67に記載の組成物。
69.前記組成物の色は、1インチのセルパスを使用するLovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、黄色または淡黄色であり:
前記組成物が黄色である場合には、前記組成物は、25以上のロヴィボンド色Y値を有し;および
前記組成物が淡黄色である場合には、前記組成物は、25未満のロヴィボンド色Y値を有する、実施形態57~68のいずれか1つに記載の組成物。
70.前記組成物は、ナッツ風味、バター風味、草風味、滑らかさ、および甘味、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の感覚特性を有する、実施形態57~69のいずれか1つに記載の組成物。
71.前記組成は、約1より大きいポンガモールに対するカランジンの比率を有する、実施形態57~70のいずれか1つに記載の組成物。
72.前記組成物の色は淡黄色であり、前記組成物は、1インチのセルパスを使用するLovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、25未満のロヴィボンド色Y値を有する、実施形態57~69のいずれか1つに記載の組成物。
73.前記組成物の色は淡黄色であり、前記組成物は約200ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたものを含む、実施形態57~69および72のいずれか1つに記載の組成物。
74.前記組成物は薄い風味を有する、実施形態57~69、72および73のいずれか1つに記載の組成物。
75.前記組成物は、1以下のポンガモールに対するカランジンの比率を有する、実施形態57~69および72~74のいずれか1つに記載の組成物。
76.前記組成物は、以下の(i)~(x)を有する、実施形態57~75のいずれか1つに記載の組成物:
(i)AOCS Ca 5a-40によって測定される場合には、約1%以下の遊離脂肪酸含有量;
(ii)AOCS Ca 3a-46によって測定される場合には、約0.1%以下の不溶性不純物;
(iii)AOCS Ca 20-99,modによって測定される場合には、約25ppm以下のリン;
(iv)AOCS Ch 4-91によって測定される場合には、約0.1ppm以下のクロロフィル;
(v)AOCS Ca 2b-38によって測定される場合には、約1%以下の水分含有量;
(vi)AOCS Cd 11c-93によって測定される場合には、約1%以下のグリセロール;
(vii)AOCS Cd 11c-93によって測定される場合には、約2%以下のモノグリセリド;
(viii)AOCS Cd 11c-93によって測定される場合には、約5%以下のジグリセリド;および
(ix)AOCS Cd 11c-93によって測定される場合には、少なくとも約90%のトリグリセリド、
(x)または(i)~(ix)の任意の組み合わせ。
77.ポンガミア油組成物を製造する方法であって:
脱皮されたポンガミア脂肪種子を機械的に分離して、未精製のポンガミア油と少なくとも部分的に脱油されたシードケーキとを製造する工程であって、前記未精製のポンガミア油は、ポンガミア油、カランジン、ポンガモール、他のフラノフラボノイド、および他の不けん化物を含む、工程;ならびに
前記未精製のポンガミア油を、高温でエタノールを使用して抽出し、前記ポンガミア油組成物を製造する工程であって、未精製のポンガミア油に対する溶媒の比率は1:1~20:1であり、前記組成物は、食用で苦味がなく、前記ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約1000ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたもの;AOCS Ca 6a-40によって測定される場合には、約1重量%以下の不けん化物;AOCS Cd 8-53によって測定される場合には、約5meq/kg以下の過酸化物値;および、AOCS Cd 18-90によって測定される場合には、約10以下のp-アニシジン価、を有する、工程、を含む、方法。
78.前記未精製のポンガミア油および前記非混和性溶媒は混合物を形成し、前記混合物は少なくとも約30分間撹拌される、実施形態77に記載の方法。
79.ポンガミア油組成物を製造するための連続的な向流方法であって、以下a)~f)を含む、方法:
a)脱皮されたポンガミア脂肪種子を機械的に分離して、未精製のポンガミア油と少なくとも部分的に脱油されたシードケーキとを製造する工程であって、
前記未精製のポンガミア油は、ポンガミア油、カランジン、ポンガモール、他のフラノフラボノイド、および他の不けん化物を含む、工程;
b)前記未精製のポンガミア油を、高温で非混和性溶媒を使用する液体-液体抽出によって、ラフィネートと溶媒に富んだ軽相とに分離する工程であって、
未精製のポンガミア油に対する溶媒の比率は1:1~20:1であり、
前記ラフィネートは、ポンガミア油および残留溶媒を含み、
前記溶媒はエタノールを含み、ならびに
前記溶媒に富んだ軽相は、溶媒および残留ポンガミア油を含む、工程;
c)前記ラフィネートを冷却して、前記残留溶媒をポンガミア油から分離する工程;
d)前記冷却されたラフィネート中の前記ポンガミア油の少なくとも一部を単離して、前記ポンガミア油組成物を製造する工程であって、
前記組成物は、食用で苦味がなく、前記ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約1000ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたもの;AOCS Ca 6a-40によって測定される場合には、約1重量%以下の不けん化物;AOCS Cd 8-53によって測定される場合には、約5meq/kg以下の過酸化物価;および、AOCS Cd 18-90によって測定される場合には、約10以下のp-アニシジン価を有する、工程;
e)前記溶媒に富んだ軽相から前記溶媒の少なくとも一部を分離する工程;および
f)前記単離された溶媒を、液体-液体抽出のための追加の未精製のポンガミア油と組み合わせる工程。
80.前記連続的な液体-液体抽出は、強制撹拌カラムを使用して行われる、実施形態79に記載の方法。
81.前記強制撹拌カラムは強制撹拌トレードカラム(a forced agitated trayed column)であり、前記ラフィネ―トは底部で前記カラムを出て、前記溶媒に富んだ軽相は上端部で前記カラムを出る、実施形態80に記載の方法。
82.前記溶媒に富んだ軽相からの前記溶媒の少なくとも一部の分離は、蒸発器中で実施される、実施形態79~81のいずれか1つに記載の方法。
83.前記溶媒は、真空下で前記残留ポンガミア油から蒸発される、実施形態82に記載の方法。
84.前記溶媒を凝縮する工程、およびストリッピングカラム中に蓄積されたいずれかの水から前記溶媒をストリッピングする工程、をさらに含む、実施形態83に記載の方法。
85.前記溶媒に富んだ軽相中の前記残留ポンガミア油を単離する工程;および、前記単離された残留ポンガミア油から溶媒を蒸留して、追加のポンガミア油組成物を製造する工程、をさらに含む、実施形態79~84のいずれか1つに記載の方法。
86.前記高温は、前記非混和性溶媒の沸点未満である、実施形態77~85のいずれか1つに記載の方法。
87.前記高温は、約30℃~約75℃である、実施形態86に記載の方法。
88.未精製のポンガミア油に対する溶媒の比率は、約1:1~約5:1である、実施形態77~87のいずれか1つに記載の方法。
89.前記未精製のポンガミア油は初期色を有し、製造される前記ポンガミア油組成物は最終色を有し、ここで、前記ポンガミア油組成物の前記最終色は前記未精製のポンガミア油の前記初期色よりも明るい、実施形態77~88のいずれか1つに記載の方法。
90.前記初期色は赤色および/または茶色であり、前記最終色は黄色または淡黄色である、実施形態89に記載の方法。
91.前記未精製のポンガミア油は、機械的に分離されたポンガミア油である、実施形態77~90のいずれか1つに記載の方法。
92.前記組成物は、ナッツ風味、バター風味、草風味、滑らかさ、および甘味、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の感覚特性を有し、前記組成物は黄色である、実施形態77~91のいずれか1つに記載の方法。
93.前記ポンガミア油組成物は、約200ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたものを含み、前記組成物は薄い風味を有し、前記組成物は淡黄色である、実施形態77~91のいずれか1つに記載の方法。
94.実施形態77~93のいずれか1つに記載の方法に従って製造されたポンガミア油組成物。
95.サラダ油、フライ油、ソテー油、ビネグリット、ソース、ドレッシング、肉模倣品中の脂肪、飲料、または混合マーガリン、および他の固体脂肪の適用、またはそれらの任意の組み合わせとしての、実施形態57~76および94のいずれか1つに記載のポンガミア油組成物の使用。
96.実施形態57~76および94のいずれか1つに記載の前記ポンガミア油組成物を含む、食品または飲料製品。
97.前記組成物は淡黄色であり;前記組成物は約200ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたものを含み、前記組成物は薄い風味を有する、実施形態96に記載の製品。
98.前記ポンガミア油組成物は黄色であり;前記組成物は約150ppm以下のカランジンおよび約150ppm以下のポンガモールを含み;ならびに、前記組成物は、ナッツ風味、バター風味、草風味、滑らかさ、および甘味、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の感覚特性を有する、実施形態96に記載の製品。
99.前記製品は、サラダ油、フライ油、ソテー油、ビネグリット、ソース、ドレッシング、肉模倣品中の脂肪、飲料、または混合マーガリン、および他の固体脂肪の適用である、実施形態96~98のいずれか1つに記載の製品。
100.以下の(i)~(ix)を有する、ポンガミア油組成物:
(i)前記ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約1000ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたもの;
(ii)AOCS Ca 6a-40によって測定される場合には、約1重量%以下の不けん化物;
(ii)AOCS Cd 8-53によって測定される場合には、約5meq/kg以下の過酸化物価;
(iv)AOCS Cd 18-90によって測定される場合には、約10以下のp-アニシジン価;
(v)AOCS Cg 4-94によって測定される場合には、約5000ppm以下の残留溶媒であって、残留溶媒が存在する場合には、残留溶媒は食品グレードの溶媒である、残留溶媒;
(vi)AOAC 996.06によって測定される場合には、総脂肪酸のうち少なくとも40%のオレイン酸が存在し;
(vii)淡黄色または黄色;
(viii)薄い風味、または、ナッツ風味、バター風味、草風味、滑らかさ、および甘味、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の感覚特性;または
(ix)それら(i)~(viii)の任意の組み合わせ。
〔実施例〕
本開示の主題は、以下の実施例を参考にすることによってよりよく理解されるであろう。以下の実施例は本発明の例示として提供されるものであり、限定するものではない。
〔実施例1〕
ポンガミア油の特性
本実施例は、ポンガミア油を特徴付けるための一般的なプロトコールを提供する。本明細書に提供され、図1に記載されるプロトコールを使用して、以下の実施例(実施例2を含む)に記載されるように未精製の油および精製された油を特徴付けた。
ポンガミア油サンプルをアセトンと組み合わせて抽出混合物を調製した。次いで、抽出混合物を超音波処理して、前記油から、カランジンおよび/またはポンガモールを有する液体部分を抽出した。この液体部分を、成分分析のために40%のアセトニトリルで平衡化したHPLCカラムに注入した。以下の表1は、使用したHPLC-DADの設定をまとめたものである。
Figure 2023521035000002
40%アセトニトリルで平衡化されたC18カラムにサンプル抽出物を充填した後、全体を通して流速0.8mL/分に維持しながら、アセトニトリルの相対濃度は、以下の表2に要約されるように、(i)18分間にわたって90%に直線的に増加させ、(ii)4分間、90%に維持し、(iii)1分間にわたって40%に直線的に減少させ、(iv)2分間、40%に維持した。
Figure 2023521035000003
カランジンは約9.6分で溶出することが観察された。これは約67%の相対アセトニトリル濃度に相当する。ポンガモールは、約80%の相対アセトニトリル濃度に相当する約14.4分で溶出することが観察された。カランジンおよびポンガモールに相当する溶出画分の分光分析に基づいて、各々の成分のppm濃度を測定した。
〔実施例2〕
ポンガミア油のバッチ製造
本実施例は、未精製の(例えば、苦味のある)ポンガミア油の液体-液体抽出による、食用(例えば、苦味のない)ポンガミア油の製造を説明する。カランジン、ポンガモール、および可能性のある他の抗栄養素ファクターおよび/または苦味化合物を、圧搾機でプレスされたポンガミア油から除去して、精製された油製品を得る。
実験室規模のバッチ製造
食用ポンガミア油を製造するために実験室規模の製造を行った。圧縮機でプレスされたポンガミア油を、珪藻土を通して濾過して、固体含有物または固体廃棄物を除去した。次いで、表3に示すように、未精製のポンガミア油を、50mLチューブ中で、固定体積比率で、新鮮な95%エタノール(5%水)と混合した。混合物を約65℃に加熱し、30分間撹拌した後、混合物を安定化させ、溶媒(エタノール)層をデカントした。混合物は溶媒の沸点より数度下にとどまるように、および/または溶媒蒸気の損失を制限するように加熱できることを理解されたい。残りの液体を20℃に冷却して安定化させた。溶媒層を再びデカントして、残りの油を、固定体積比率で新鮮な95%エタノールとの混合から、さらに2回同じ処理にかけた。
抽出係数は、所定の供給原料(例えば、この場合では、未精製のポンガミア油)由来の目的の不純物を抽出する抽出溶媒の能力を示す。
抽出係数は、以下のように算出される:
抽出係数=(ラフィネート中の不純物の濃度/供給原料中の不純物の濃度)。
本実験室規模の実験は、異なる溶媒対油の比率を調査し、以下の表3に要約するように、抽出係数は溶媒対油の比率に依存することを示した。
Figure 2023521035000004
大規模バッチ製造
大規模バッチ抽出はまた、図2に記載の手順に従って実施した。圧縮機でプレスされたポンガミア油は、珪藻土を通して濾過して、固体含有物または固体廃棄物を除去した。次いで、油を、プロペラ型撹拌機を備えた400Lステンレス鋼容器中で、5:1の溶媒対油の質量比率で、新鮮な95%エタノール(5%水)と混合した。混合物を65℃に加熱して、30分間撹拌した後、混合物を安定化させて、溶媒(エタノール)層をデカントした。混合物は溶媒の沸点より数度下にとどまるように、および/または溶媒蒸気の損失を制限するように加熱することができることを理解されたい。残りの液体を20℃に冷却して、安定化させた。溶媒層を再びデカントし、残りの油を、5:1の溶媒対油の質量比率で新鮮な95%エタノールと混合する工程から開始して、さらに2回同じ処理にかけた。
各々の抽出ラウンドでは、油層中のポンガモール含有量は、前記実施例1に記載の分析方法によって検出される場合には、2342ppmから650ppmに、192ppmに、そして最終的に54ppmに低減することが観察された。同様に、各々の抽出ラウンドでは、油層中のカランジン含有量は、11935ppmから2306ppmに、516ppmに、そして最終的に91ppmに低減することが観察された。カランジンの平均抽出係数は0.2であり、ポンガモールの平均抽出係数は0.28であった。3ラウンド全ての抽出後、ポンガミア油は、カランジンおよびポンガモールの濃度がそれぞれ100ppm未満である苦くない味を有することが観察された。以下の表4~8は、本実施例で製造された食用ポンガミア油の様々な組成物および特性を要約する。
前記実施例1に記載された分析方法はまた、本実施例の未精製の油および精製された油の中のカランジンおよびポンガモールを特徴付けるために使用された。大規模バッチ製造では、フラノフラボノイドクラスの化合物に生じた除去は、HPLCクロマトグラフィーによって明らかにされた。図3Aおよび3Bはまた、本実施例の未精製の油および精製された油の中の食用油由来のフラノフラボノイドおよび他の化学物質の除去を比較する。
以下の表4は、本実施例に記載の手順に従って精製されたポンガミア油(「精製された油」)と、未精製のポンガミア油(「未精製の油」)の脂肪酸組成の量とを比較する。計量された成分を測定するために使用された方法を、表4に示す。計量される成分を測定するために使用される方法を、表4に示す。ここで、AOACは公式分析化学者協会を指し、それらの試験方法は公に利用可能である。
Figure 2023521035000005
Figure 2023521035000006
以下の表5は、未精製の油中の脂肪酸クラスの量を精製された油と比較する。計量される成分を測定するために使用される方法を、表5に示す。
Figure 2023521035000007
以下の表6は、未精製の油の化学組成を、精製された油と比較する。計量された成分を測定するために使用される方法を、表6に示す。AOCSはアメリカ石油化学学会(the American Oil Chemists’Society)を指し、それらの試験方法は公に利用可能である。
Figure 2023521035000008
Figure 2023521035000009
以下の表7は、未精製の油中のトコフェロール含有量を、精製されたポンガミア油と比較する。計量された成分を測定するために使用される方法を、表7に示す。
Figure 2023521035000010
以下の表8は、未精製の油中のステロール含有量を、精製された油と比較する。計量された成分を測定するために使用される方法を、表8に示す。「COI/T.20/Doc No.10」は、国際オリーブ評議会(the International Olive Council)によって提示されている公に利用可能な試験方法である。
Figure 2023521035000011
Figure 2023521035000012
以下の表9は、未精製の油中のカランジンおよびポンガモールの含有量を、精製された油と比較する。カランジンおよびポンガモールの含有量は、前記実施例1に記載のプロトコールに従って測定した。
Figure 2023521035000013
以下の表10は、未精製の油の色を、精製された油と比較する。色を測定するために使用される方法を、表10に示す。
Figure 2023521035000014
〔実施例3〕
ポンガミア油の連続的な製造
本実施例は、機械的に分離された未精製のポンガミア油から食用ポンガミア油を製造するための連続的な向流処理を記載する。本実施例は、一般に図4に記載された例示的なシステムに従う。
食用ポンガミア油は、濾過された未精製のポンガミア油を、96%エタノールで連続的に液体-液体抽出することによって製造される。液体-液体抽出装置は、70℃の未精製の油および溶媒の流れがそれぞれ上部および底部でカラムに入る、強制撹拌トレードカラムを含む。ラフィネート(より重い油層)は底部でカラムを出て、より軽い溶媒層は上端部でカラムを出る。カラムは、理論段階数に等しい数の物理段階数と、理論上の油/溶媒平衡条件からの逸脱を説明(account for)するための追加の段階数とを含む。底部でカラムを出るラフィネート中に存在するカランジンおよびポンガモールの量は、前記実施例1に記載の分析方法に従って計量される。ラフィネートが150ppm未満のカランジンおよび/またはポンガモールと、混合温度でエタノールおよびポンガミア油の液体-液体平衡組成物と等価である%の溶媒とを含有する場合には、ラフィネートを冷却して(例えば、冷却塔という手段によって;CTWS=冷却塔水供給;CTWR=冷却塔水戻り)、溶媒を、デカンター中の油から、さらに分離およびデカントする。次いで、油は、ストリッパーカラムにおける真空蒸気ストリップによって、任意の残留溶媒をストリッピングされる。
カラムの上端部から出るより軽い溶媒層は蒸発器に送られる。溶媒は、蒸発器中にて、真空下で油から蒸発される。蒸発器からの溶媒は濃縮され、エタノール蒸留カラム中に蓄積されたいずれかの水からさらに95%エタノール純度にストリッピングされる。精製されたエタノールは、液体-液体抽出カラムに再循環される。溶媒回収蒸発器からの残留溶媒を含まない油は、未精製の油から除去された不純物を含有する。追加の油は、蒸留によって残留油流からさらに回収される。油からの不純物は、油を溶媒として液体流中で単離および濃縮され、さらなる処理のために貯蔵される。
〔実施例4〕
ポンガミア油のバッチ製造とポンガミア油の感覚評価
本実施例は、液体-液体抽出による精製されたポンガミア油のバッチ製造を詳述する。
本実施例において使用される未精製のポンガミア油は、実施例2において提示されるのと同じ未精製の油サンプル(未精製のポンガミア油、実施例2)から採取されたか、またはポンガミア豆(未精製のポンガミア油、実施例4)のプレスから得られた。実施例2の未精製のポンガミア油は、精製された油サンプル#1~#3の出発油として使用された。精製されたポンガミア油サンプル#1は、実施例2で得られたものと同じサンプルであった。
抽出タンクシステムは、4つのプロペラ型撹拌機が取り付けられた上端部に取り付けられた垂直シャフトを備えた、円錐形の底部ステンレス鋼反応容器から構成した。容器は、(例えば、蒸気を用いて)加熱または冷却するための密閉された内部コイルを備えていた。
以下の表11は、異なる精製されたポンガミア油サンプルを得るために使用される処理パラメータを示す。
Figure 2023521035000015
最初の洗浄:未精製のポンガミア油を最初に抽出タンクに移し、続いてエタノール(未精製の油の5倍重量)を移した。未精製の油およびエタノールを添加した後、撹拌を開始した。抽出のための目標温度が周囲温度を上回った試行については、タンク内容物を目標温度(例えば、70℃)まで加熱した。所望の温度になると、タンク内容物は30分間撹拌された。30分後、撹拌を停止し、油および溶媒を約3~5分間分散させずに分離させた。次いで、最初の洗浄からの油をタンク内のエタノールから注意深くデカントし、使用済みエタノールをタンクから排出した。洗浄手順をさらに2回繰り返した。洗浄された油および使用済みエタノールのサンプルを、第1の洗浄、第2の洗浄、および第3の洗浄の後に採取して、抽出処理中のカランジンおよびポンガモールの含有量、過酸化物価、ならびにp-アニシジン価をモニターした。
デカントおよび脱溶媒:所望回数の洗浄が完了したら、最終の洗浄から得られた油をデカントし、脱溶媒に供した。最終の洗浄から得られた油を容器に入れ、熱水浴(45℃)に少なくとも5分間浸漬して、相分離を誘導した;次いで、デカントすることによって油とエタノールとを分離した。デカント後、デカントされた油を、55℃に設定された水浴で最初の90分間、ロータリーエバポレーター(rotovap)によって、凝縮物(エタノール)水滴が観察されなくなるまで脱溶媒した。次いで、脱溶媒された油を、60℃で2回目の90分間、凝縮物(エタノール)水滴が観察されなくなるまで脱溶媒した。
抽出後、精製されたポンガミア油サンプルは、カランジンおよびポンガモールの含有量、残留溶媒の含有量、感覚プロファイル(味および匂いを含む)、過酸化物価、およびp-アニシジン価について分析された。表12は、各々の処理実験から採取した最終の精製されたポンガミア油サンプルのカランジン含有量、ポンガモール含有量、過酸化物価、およびp-アニシジン価を示す。
Figure 2023521035000016
ポンガミア油の感覚評価
内部でのポンガミア油の味見には、6人の個人が参加した。各々の参加者は、色、濁り、香り、味、および総合的な許容可能性に基づいて、各々の油サンプルを評価するよう求められた。味および香りの評価のために、参加者は各々の精製されたポンガミア油サンプルを盲目的に味見し、各々の油サンプルの風味を最も良く記載すると考える特性を割り当てることによって、自由選択プロファイリングを行う。
サンプル#1~3は淡黄色を有し、濁りがなく、臭いがないことが見出された。自由選択プロファイリングにおけるこれらの精製されたポンガミア油サンプルの味プロファイルに頻繁に現れる記述子は、すっきり(clean)、ナッツ風味、滑らかさ、バター風味、および、すっきり(clean)であった。追加の記述子は、苦味なし、ポンガミアの臭い、およびわずかな草風味を含む。以下の表13は、様々な処理実験から得られたポンガミア油サンプルの感覚特性を要約するものである。
Figure 2023521035000017
〔実施例5〕
ポンガミア油の連続的な製造およびポンガミア油の感覚評価
本実施例は、機械的に分離された未精製のポンガミア油から食用ポンガミア油を製造するための連続的な向流処理を記載する。高温、および未精製のポンガミア油に対する溶媒の比率を変化させた。得られた精製されたポンガミア油サンプルを、それらの最終的なカランジンおよびポンガミアの含有量、それらの色および匂いおよび味について評価した。
食用ポンガミア油は、濾過された未精製のポンガミア油をエタノールで連続的に液体-液体抽出することによって製造される。液体-液体抽出装置は、2つの型の強制撹拌トレードカラムのうちの1つを用いて実施した。両方のカラムの型について、カラムは最初に、所望の溶媒流速で供給入口位置まで溶媒で満たされた。次に、未精製の油を所望の速度でカラムに供給した。底部離脱チャンバーにおいてインターフェースが確立されると、底部離脱が開始され、インターフェースは、底部離脱速度を調整することによって制御された。1つのカラムターンオーバー(組み合わせた供給物および溶媒流速で割った総カラム体積)の後、所望のストローク速度/回転速度まで増加するようにカラム撹拌を調整した。撹拌は2つのカラムターンオーバーの前に設定した。カラムはラフィネート相および抽出相をサンプリングする前に、合計5回のターンオーバーの間に操作された。サンプリングの前に、抽出物の速度およびラフィネートの速度を、操作者によって手動で採取(taken)した。最初の実験の後、および技術者によって指定された変数の調整の後、合計3回のターンオーバーを、各々の実験をサンプリングする前に実施した。溶媒対供給物(S/F)の比率および容量の調整は、供給物および溶媒入口速度を増加または減少させることによって行った。温度の調整は、供給および溶媒予熱器への熱油の温度を上昇または低減させ、カラム上のヒートテープを調整することによって行った。
底部でカラムを出るラフィネート中に存在するカランジンおよびポンガモールの量は、前記実施例1に記載の分析方法に従って計量した。以下の表14は、処理パラメータおよび観察されたK+Pを示す。以下に示されるように、25℃(#4~#7)で行われた処理実験は、下流での使用のためのカランジンおよびポンガモールの十分な除去を達成しなかったことが観察された。しかし、高温(#8~#15)で実施した処理実験では、カランジンおよびポンガモールは十分に除去され、場合によっては検出不可能な濃度になった。
Figure 2023521035000018
以下の表15は、出発物質である未精製のポンガミア油と比較した、本明細書で得られた1つの精製されたポンガミア油組成物(処理実験#13)の組成を示す。表16は、実験#13から得られた精製されたポンガミア油の脂肪酸組成を示す。
Figure 2023521035000019
Figure 2023521035000020
ポンガミア油の感覚評価
内部でのポンガミア油の味見には、6人の個人が参加する。各々の参加者は、色、濁り、香り、味、および総合的な許容可能性に基づいて、各々の油サンプルを評価するよう求められる。味および香りの評価のために、参加者は各々の精製されたポンガミア油サンプルを盲目的に味見し、各々の油サンプルの風味を最も良く記載すると考える特性を割り当てることによって、自由選択プロファイリングを行う。自由選択記述子は、各々のサンプルについて集約される。結果を、表17に示す。
Figure 2023521035000021
Figure 2023521035000022
〔実施例6〕
精製されたポンガミア油の熱的特性
本実施例は、精製されたポンガミア油の熱的特性および温度依存性の物理特性の評価を詳述する。
精製されたポンガミア油を実施例4に記載のプロトコールに従って得た。固形脂肪含有量(SFC)は、AOCS-Cd 16b-93に従って、核磁気共鳴(NMR)を用いて計量した。さらに、引火点、滴点(dropping point)、および煙点を、それぞれAOCS Cc 9b-55、AOCS Cc 18-80、およびAOCS Cc 9a-48に従って、同じサンプルについて測定した。表18は、様々な測定基準について記録された結果を要約する。
Figure 2023521035000023
固体脂肪含有量の計量では、ポンガミア油は2.5~10℃で1~10%の固体脂肪含有量、および21.1℃以上で0%の固体脂肪含有量を有することが観察された。ポンガミア油の融解(加熱)および結晶化(冷却)プロファイルを、示差走査熱量測定(DSC)を用いて研究した。ポンガミア油は、異なる熱的特性を有する2つの画分を含有することが観察された。
〔実施例7〕
食品
本実施例は、前記実施例1~5に記載のプロトコールに従って得られたポンガミア油組成物を用いて製造することができる食品の様々な例を示す。表19は、ポンガミア油マヨネーズの例示的な組成を示す。表20は、ポンガミア油マーガリンおよびポンガミア油スプレッドの例示的な組成を示す。表21は、ポンガミア油サラダドレッシングの例示的な組成を示す。
Figure 2023521035000024
Figure 2023521035000025
Figure 2023521035000026
本明細書で使用される用語「約(about)」は、当業者に容易に知られている各々の値の通常の誤差範囲を指す。本明細書において、値またはパラメータの「約」への言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(かつ記載する)。例えば、「約x」は「x」自体を含み、記載する。いくつかの実施形態では、用語「約」が測定値と関連して使用される場合、または、値、単位、定数、もしくは値の範囲を修正するために使用される場合は、記載された値またはパラメータの+/2%の変動を指す。
本明細書において、2つの値またはパラメータの「間(between)」への言及は、それら2つの値またはパラメータ自体を含む実施形態を含む(かつ記載する)。例えば、「xとyとの間」に言及する記述は、「x」および「y」自体の記述を含む。
図1は、ポンガミア油サンプル中のカランジンおよび/またはポンガモールの濃度を測定するための例示的な分析方法を示す。 図2は、未精製のポンガミア油混合物を精製して、食用で苦味のないポンガミア油組成物を製造するための例示的なバッチ処理を示す。 図3Aは、HPLCによって測定された、未精製のポンガミア油中に存在するフラノフラボノイド(図3A)を比較する。 図3Bは、HPLCによって測定された、例示的な精製されたポンガミア油組成物中に存在しないフラノフラボノイド(図3B)を比較する。 図4は、未精製のポンガミア油混合物を精製して、食用で苦味のないポンガミア油組成物を製造するための例示的な連続システムを示す。

Claims (44)

  1. 以下を有するポンガミア油組成物:
    約1000ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたもの;
    約1重量%以下の不けん化物;
    約5meq/kg以下の過酸化物価;
    約10以下のp-アニシジン価;および
    約5000ppm以下の残留溶媒であって、残留溶媒が存在する場合には、残留溶媒は食品グレードの溶媒である、残留溶媒。
  2. 以下を有する、請求項1に記載の組成物:
    約150ppm以下のカランジン;
    約150ppm以下のポンガモール;
    約1重量%以下の不けん化物;
    約5meq/kg以下の過酸化物価;
    約5以下のp-アニシジン価;および
    約5000ppm以下の残留溶媒であって、残留溶媒が存在する場合には、残留溶媒は食品グレードの溶媒である、残留溶媒。
  3. 前記組成物は、約1000ppm以下の残留溶媒を含む、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記残留溶媒はエタノールを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記組成物は、室温で液体である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記組成物は、25℃で測定される場合には、約30センチポアズ~600センチポアズの粘度を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記組成物は、約5℃の温度で、約1%~約10%の固体脂肪含有量を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記組成物は、少なくとも約195℃の煙点を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 前記組成物は、約400ppm以下のトコフェロールを有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 前記組成物は、2500ppm未満のステロールを有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 前記組成物は、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アルファリノレン酸、リグノセリン酸、アラキジン酸、ゴンド酸、オレイン酸、バクセン酸、パルミトレイン酸、エイコサジエン酸、リノール酸、マルガリン酸、ゴンド酸、エルカ酸、パルミトレイン酸、ヘプタデセン酸、もしくはミリスチン酸、またはそれらの任意の異性体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 前記組成物は、少なくとも40%のオレイン酸を含む、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記組成物の色は、1インチのセルパスを使用するLovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、黄色または淡黄色であり:
    前記組成物が黄色である場合には、前記組成物は25以上のロヴィボンド色Y値を有し;および
    前記組成物が淡黄色である場合には、前記組成物は25未満のロヴィボンド色Y値を有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 前記組成物は、ナッツ風味、バター風味、草風味、滑らかさ、および甘味、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の感覚特性を有する、請求項1~13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 前記組成物は、約1よりも大きいポンガモールに対するカランジンの比率を有する、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物。
  16. 前記組成物の色は、1インチのセルパスを使用するLovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、淡黄色であり、前記組成物は、25未満のロヴィボンド色Y値を有する、請求項1~13のいずれか1項に記載の組成物。
  17. 前記組成物の色は、Lovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、淡黄色であり、前記組成物は、前記ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約200ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたものを含む、請求項1~13および16のいずれか1項に記載の組成物。
  18. 前記組成物は、薄い風味を有する、請求項1~13、16および17のいずれか1項に記載の組成物。
  19. 前記組成物は、1以下のポンガモールに対するカランジンの比率を有する、請求項1~13および16~18のいずれか1項に記載の組成物。
  20. 前記組成物は、以下の(xi)~(xx)を有する、請求項1~19のいずれか1項に記載の組成物:
    (xi)約1%以下の遊離脂肪酸含有量;
    (xii)約0.1%以下の不溶性不純物;
    (xiii)約25ppm以下のリン;
    (xiv)約0.1ppm以下のクロロフィル;
    (xv)約1%以下の水分含有量;
    (xvi)約1%以下のグリセロール;
    (xvii)約2%以下のモノグリセリド;
    (xviii)約5%以下のジグリセリド;および
    (xix)少なくとも約90%のトリグリセリド
    (xx)または(i)~(ix)の任意の組み合わせ。
  21. 前記カランジンおよびポンガモールの濃度は、前記ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される、請求項1~20のいずれか1項に記載の組成物。
  22. 以下の工程を含む、ポンガミア油組成物の製造方法:
    脱皮されたポンガミア脂肪種子を機械的に分離して、未精製のポンガミア油と少なくとも部分的に脱油されたシードケーキとを製造する工程であって、前記未精製のポンガミア油は、ポンガミア油、カランジン、ポンガモール、他のフラノフラボノイド、および他の不けん化物を含む、工程;および
    前記未精製のポンガミア油を高温でエタノールを用いて抽出し、前記ポンガミア油組成物を製造する工程であって、未精製のポンガミア油に対する溶媒の比率は1:1~20:1であり、前記組成物は食用で苦味がなく、前記組成物は、前記ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約1000ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたもの;約1重量%以下の不けん化物;約5meq/kg以下の過酸化物価;ならびに、約10以下のp-アニシジン価を有する、工程。
  23. 前記未精製のポンガミア油と、混合物を形成する前記非混和性溶媒と、前記混合物とが少なくとも約30分間撹拌される、請求項22に記載の方法。
  24. 以下のa)~f)を含む、ポンガミア油組成物を製造するための連続的な向流方法:
    a)脱皮されたポンガミア脂肪種子を機械的に分離して、未精製のポンガミア油と少なくとも部分的に脱油されたシードケーキとを製造する工程であって、
    前記未精製のポンガミア油は、ポンガミア油、カランジン、ポンガモール、他のフラノフラボノイド、および他の不けん化物を含む、工程;
    b)高温で非混和性溶媒を使用する液体-液体抽出によって、前記未精製のポンガミア油をラフィネートと溶媒に富んだ軽相とに分離する工程であって、
    未精製のポンガミア油に対する溶媒の比率は、1:1~20:1であり、
    前記ラフィネートは、ポンガミア油および残留溶媒を含み、
    前記溶媒はエタノールを含み、ならびに
    前記溶媒に富んだ軽相は、溶媒および残留ポンガミア油を含む、工程;
    c)前記ラフィネートを冷却して、ポンガミア油から前記残留溶媒を分離する工程;
    d)前記冷却されたラフィネート中の前記ポンガミア油の少なくとも一部を単離して、前記ポンガミア油組成物を製造する工程であって、
    前記組成物は食用で苦味がなく、前記組成物は、前記ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析により測定される場合には、約1000ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたもの;約1重量%以下の不けん化物;約5meq/kg以下の過酸化物価;ならびに、約10以下のp-アニシジン価を有する、工程;
    e)前記溶媒に富んだ軽相から前記溶媒の少なくとも一部を分離する工程;および
    f)前記単離された溶媒を、液体-液体抽出のための追加の未精製のポンガミア油と合わせる工程。
  25. 前記連続的な液体-液体抽出は、強制撹拌カラムを使用して実施される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記強制撹拌カラムは強制撹拌トレードカラムであり、前記ラフィネートは底部で前記カラムから出て、前記溶媒に富んだ軽相は上端部で前記カラムから出る、請求項25に記載の方法。
  27. 前記溶媒に富んだ軽相から分離された前記溶媒の少なくとも一部は、蒸発器中で実施される、請求項24~26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記溶媒は、真空下で前記残留ポンガミア油から蒸発される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記方法は、前記溶媒を凝縮する工程、およびストリッピングカラム中に蓄積されたいずれかの水から前記溶媒をストリッピングする工程をさらに含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記方法は、前記溶媒に富んだ軽相中の前記残留ポンガミア油を単離する工程;および前記単離された残留ポンガミア油から溶媒を蒸留して、さらなるポンガミア油組成物を製造する工程をさらに含む、請求項24~29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記高温は、前記非混和性溶媒の沸点未満である、請求項22~30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記高温は、約30℃~約75℃である、請求項31に記載の方法。
  33. 未精製のポンガミア油に対する溶媒の比率は、約1:1~約5:1である、請求項22~32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 前記未精製のポンガミア油は初期色を有し、製造される前記ポンガミア油組成物は最終色を有し、ここで、前記ポンガミア油組成物の前記最終色は、Lovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、前記未精製のポンガミア油の前記初期色よりも明るい、請求項22~33のいずれか1項に記載の方法。
  35. Lovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、前記初期色は赤色および/または茶色であり、前記最終色は黄色または淡黄色である、請求項34に記載の方法。
  36. 前記未精製のポンガミア油は、機械的に分離されたポンガミア油である、請求項22~35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記組成物は、ナッツ風味、バター風味、草風味、滑らかさ、および甘味、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の感覚特性を有し、前記組成物は、Lovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、黄色である、請求項22~36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記ポンガミア油組成物は、前記ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約200ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたものを含み;前記組成物は薄い風味を有し、前記組成物はLovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、淡黄色である、請求項22~36のいずれか1項に記載の方法。
  39. 前記22~38のいずれか1項に記載の方法に従って製造されたポンガミア油組成物。
  40. サラダ油、フライ油、ソテー油、ビネグリット、ソース、ドレッシング、肉模倣品中の脂肪、飲料、または混合マーガリン、および他の固体脂肪の適用、またはそれらの任意の組み合わせとしての、請求項1~21および39のいずれか1項に記載のポンガミア油組成物の使用。
  41. 請求項1~21および39のいずれか1項に記載の前記ポンガミア油組成物を含む、食品または飲料製品。
  42. 前記組成物は、Lovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、淡黄色であり;前記組成物は、前記ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約200ppm以下のカランジンおよびポンガモールを組み合わせたものを含み、前記組成物は、薄い風味を有する、請求項41に記載の製品。
  43. 前記ポンガミア油組成物は、Lovibond Color-AOCS Scaleによって測定される場合には、黄色であり;前記組成物は、前記ポンガミア油組成物から得られたアセトン抽出物のHPLC-DAD分析によって測定される場合には、約150ppm以下のカランジンおよび約150ppm以下のポンガモールを含み;ならびに、前記組成物は、ナッツ風味、バター風味、草風味、滑らかさ、および甘味、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の感覚特性を有する、請求項41に記載の製品。
  44. 前記製品は、サラダ油、フライ油、ソテー油、ビネグリット、ソース、ドレッシング、肉模倣品中の脂肪、飲料、または混合マーガリン、および他の固体脂肪の適用である、請求項41~43のいずれか1項に記載の製品。
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