JP2023520321A - 食肉類似品の製造プロセス及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は食肉類似品の製造プロセスに関する。本食肉類似品の製造プロセスは、タンパク質を含むミート生地を加熱ユニットに投入し、ミート生地をタンパク質の融点より高い温度まで加熱して加熱処理品を製造するステップであって、加熱ユニットは、任意選択的にミート生地をオーム加熱で加熱するものである、ステップ(a)と、加熱処理品を冷却ユニットに通過させることによって、冷却ユニットを出るときに加熱処理品が常圧で水沸点より低い温度となるまで冷却するステップ(b)と、冷却済の加熱処理品を複数のピースに分割するステップ(c)と、平行な回転軸(10、12)を有する一対の逆回転円筒形ロール(2、4)間のロールニップ(14)にピースを通過させることによってピースを引裂くステップであって、ロール(2、4)の少なくとも一方の外表面に複数の突起(16)が配置されている、任意選択的なステップ(d)と、を含む。

Description

本発明は、食肉類似品の製造プロセス及び製造装置に関する。
ペットフードは古くから、ヒトの食品としての食肉需要と競合することなく、ペットに必要な栄養素を摂取させることのできる高品質なフードを調製するべく、動物由来製品の副産物や非動物由来原材料から製造されてきた。一方、世界的な人口増加に伴い、食肉を含む高タンパク食品の需要が世界的に増加することが予想され、ペットの栄養ニーズを満たす食肉類似品から調製したペットフードのニーズが高まることが予想されている。
食肉類似品は、通常、筋組織や食肉製品副産物から得られる牛、豚、羊、鶏などの食肉原材料を混ぜ合わせ、それを刻み、乳化することによって調製される。そして、これらの食肉原材料に、各種乾燥原材料(例えば、植物由来製品の副産物、デンプン、ビタミン、ミネラル、増粘剤、グルテンなど)を混合してミートエマルションを作る。得られたミートエマルションを、連続した厚板(slab)又は薄板(sheet)状に押し出し、さらにこのミートエマルションの厚板又は薄板をスチームトンネルに移して、熱に曝すことにより調理する。調理済の厚板又は薄板は、その後、複数のピースに切り分けられ、任意選択的にソース調製物などを添加し、食肉類似品として包装され、滅菌処理される。
特許文献1は、植物性タンパク質を含む乾燥原材料を、水と油の少なくともいずれかを含む湿潤原材料と混合して、非食肉生地を形成するステップと、この非食肉生地を110~180℃の温度で加圧加熱するステップと、加熱した非食肉生地を徐々に冷却して非食肉フード製品を形成するステップと、を含む、調理食肉の外観と質感とを有する非食肉フード製品の製造方法を開示している。特許文献2は、少なくとも29質量%のタンパク質、4~7質量%の脂肪、及び49~53質量%の水分を含むミートエマルションを形成するステップと、ミートエマルションを細砕して140~154℃の温度に加熱するステップと、ミートエマルションを処理ゾーンに投入して1380~2415kPaの圧力を加えるステップと、ミートエマルションを処理ゾーンから排出するステップと、を含む、ミートエマルション製品の製造方法を開示している。特許文献1及び特許文献2によれば、加熱ステップは、それぞれ180℃及び154℃の最終温度に到達するまで一段階で行われる。特許文献3は、少なくとも1241kPaの圧力とした第1の掻き取り式熱交換器にミートスラリーを投入し、第1の掻き取り式熱交換器を加熱して38~66℃の温度を有する第1の加熱処理済ミート製品を製造するステップと、次に、第1の加熱処理済ミート製品を第2の掻き取り式熱交換器に移し、第2の掻き取り式熱交換器を加熱して60~85℃の温度を有する第2の加熱処理済ミート製品を製造するステップと、を含む、食肉類似チャンクの製造方法を開示している。そして、第2の加熱処理済ミート製品は、次にスチームトンネルに移して、さらなる処理を行う。しかし、このプロセスでは、チャンクにおいて食肉に似た繊維質構造が十分に作られない。
特許文献4は、タンパク質を含むミート生地を、表面掻き取り式熱交換器(scraped surface heat exchanger:SSHE)によってタンパク質の融点以上に加熱する、食肉類似品の製造プロセスを開示している。このようなプロセスで使用されるSSHEは、金属刃を備えたシャフトを硬質クロム表面で回転させて、最も高温の製品面を硬質クロム表面から剥がして、より低温の製品面を硬質クロム表面に当てるものである。しかし、高速回転時の金属同士の接触により、ブレードの外表面が機械的な力によって摩耗することにより金属の破片が生じるリスクが確認されている。また、ミート生地の加熱をさらに改良して、せん断を回避することで、例えば色、香り、味などの点で、より良好な製品性能が得られることができることも分かってきた。また、SSHEを使用する場合に、時間-温度プロファイルのさらなる改善が可能であるとともに、システムの起動停止動作を向上することもできる。また、SSHEの洗浄や廃棄物処理に関する取り組みも行われる可能性がある。この点に関しては、プロセス内に、材料の流れが悪くなったり滞ったりする場所が生じる場合があり、その結果、製品溜まりが生じる恐れがあり、材料の流れが一定期間停止すると特にその恐れが高くなることがリスクとして認識されている。非特許文献1は、0.5~2A/mの高エネルギー密度のオーム加熱を用いたフード処理について記載している。
加熱処理は、現代において保存のために用いられる最も一般的な手法であり、そのため、ミート生地などのフード品内部への熱伝達の研究は非常に重要性を持っている。そして、この点に関して非常に高い関心を集めているプロセスが、マイクロ波、オーム加熱、パルス電界などの電気・電熱法である。オーム加熱は、電流を物質に流して加熱するという直接的な方法である。オーム加熱は、フード品に電流を流すことにより発生し、その結果、電気エネルギーが熱に変換される(ジュール効果)ことにより、製品の温度が上昇する。ミート生地などのほとんどのフード品は塩や酸などのイオン成分を含んでいるため、電流がフードを通過すると、フード内部で熱が発生し得る。導電性のあるフード品に交流電流を流すと、オーム加熱が起こる。熱は体積にわたって発生する。電気エネルギーが熱に直接変換されて、温度が上昇する。このシステムは、抵抗と電圧電流源とからなる電気回路に相当するものである。2本の電極間にフード製品を挟むと、フード製品が抵抗の働きをして、内部に電流が流れる。
特許文献5は、130~1000mmの直径を有する冷却ダイスを使用して押し出し成形したタンパク質製品を製造する方法を開示している。現在、本格的な筋肉類似品チャンクは、160℃までの温度範囲で溶融したタンパク質を用いて調製することができる。現在は、長方形の冷却ダイスを用いて冷却することで、短い繊維質の構造を製作している。
国際公開第2016/055940号 欧州特許第1231846号明細書 国際公開第2015/172002号 独国特許出願公開第102016125870号明細書 国際公開第2015/020873号
Jaeger, H., et al: Food Science and Technology, Vol. 55, 2016
改良した食肉類似品を設計するためには、冷却管理度を高めた食肉類似品の調製方法が必要とされており、理想的には、制御性が高くかつ製造現場における設計自由度を高めた調製方法が必要とされている。
本発明は、食肉類似品の新規な製造プロセスを提供するものである。本発明に係る各プロセスは、オーム加熱ユニットでミート生地を加熱する際に、時間-温度プロファイルを精密に制御することを可能とし、これにより、例えば、色、香り、味などの点でより良好な製品性能を提供することができる。さらに、本発明に係る各プロセスは、ミート生地の加熱を高速化することができ、そして、特に再生可能エネルギーの利用が可能である。この改良点は、特にオーム加熱ユニットのモジュール性に基づくものである。
本発明は、食肉類似品の新規な製造プロセスを提供するものである。本発明に係る各プロセスは、特別設計の管において外部冷却及び内部冷却により冷却を行うものであり、これにより既存の設計よりも長尺かつ信頼性の高い対称/共心の繊維質(線維質)デザインを実現している。冷却管をセグメント化する設計とすることにより、冷却経路に沿って各セグメント用の冷却パラメータを設定することが可能となるため、装置がとることのできる構造の幅を広げることができる。本発明に係る各プロセスは、食肉や魚のチャンクのようなリアルで本格的な外観を作ることを主な用途とすることができる。そのような製品は、本物の魚の身と一部置き換えて使用することができる(持続性)。また、例えば、融液を利用したチャンク製造における流動コストを大幅に削減することができる。また、運用設計や製品デザインの幅(質感形成(texturization))を広げることもできる。
本発明は、食肉類似品の製造プロセスを提供するものであり、当該食肉類似品の製造プロセスは、タンパク質を含むミート生地を加熱ユニットに投入し、ミート生地をタンパク質の融点より高い温度まで加熱して加熱処理品を製造するステップであって、加熱ユニットは、任意選択的にミート生地をオーム加熱で加熱するものである、ステップ(a)と、加熱処理品を冷却ユニットに通過させることによって、冷却ユニットを出るときに加熱処理品が常圧で水沸点より低い温度となるまで冷却するステップ(b)と、冷却済の加熱処理品を複数のピースに分割するステップ(c)と、平行な回転軸(10、12)を有する一対の逆回転円筒形ロール(2、4)間のロールニップ(14)にピースを通過させることによってピースを引裂くステップであって、ロール(2、4)の少なくとも一方の外表面に複数の突起(16)が配置されている、任意選択的なステップ(d)と、を含む。
加熱ユニットは、好適には、少なくとも2つの部分を備え、これらの部分が直列に接続され、各部分が少なくとも1つのモジュールを備えている。モジュールは、オーム加熱により動作可能に構成されている。加熱ユニットは、第1の部分と第2の部分の2つの部分を備えることができ、ミート生地を最初に投入する第1の部分が、1~10個のモジュールを備え、第1の部分からミート生地の移送を受ける第2の部分が、1~7個のモジュールを備え、複数の部分においてモジュールを直列に接続することができる。本発明の特定の実施形態では、少なくとも1つの保持管が、第1の部分と第2の部分との間及び/又は第2の部分の後に設けられ、この保持管には電気エネルギーが印加されない。さらなる実施形態において、好適には、本プロセスでミート生地に印加する全電力量の60~70%を第1の部分で印加し、本プロセスでミート生地に印加する全電力量の30~40%を第2の部分で印加する。好適には、ステップ(a)の加熱は電極を用いて行われ、電極は、加熱ユニット全体の平均電流密度として、電極表面積あたりの電流が100~5000A/mである電流密度を印加する。
ステップ(b)は、任意選択的に、加熱処理品を冷却ユニット(30)の冷却管(34)に通過させることにより、冷却ユニット(30)を出るときに加熱処理品が常圧で水沸点より低い温度となるまで、加熱処理品に対して外部冷却及び内部冷却を行うステップを含むことができ、内部冷却が、外部冷却管(34)と同心の内部冷却ランス(40)による冷却を含み、外部冷却が、任意選択的に外部ジャケット冷却を含んでよい。
冷却管(34)の入口における製品温度は、好適には、145~170℃の範囲である。冷却管(34)の出口における製品温度は、好適には、70~100℃の範囲である。冷却管(34)の入口における製品の圧力は、好適には、最大40バール(4MPa)までの範囲にある。製品の処理能力は、15~500kg/hの範囲であり、好適には約250kg/hである。冷却管(34)の入口における製品粘度は、好適には、約12Pasである。冷却管(34)の出口における製品粘度は、100℃未満の温度で、50Pas超、又は150Pas超、又は1000Pas超、又は5000Pas超、又は100000Pas超である。
また、本発明は、食肉類似品の製造装置を提供するものでもあり、当該食肉類似品の製造装置は、i)タンパク質を含むミート生地を加熱するように動作可能に構成された加熱ユニットと、ii)加熱ユニットの下流側に配置され、加熱ユニットから得た加熱処理品を、冷却ユニットを出るときに常圧で水沸点より低い温度となるまで冷却するように動作可能に構成された冷却ユニットと、iii)冷却ユニットの下流側に配置され、冷却ユニットから得た冷却済の加熱処理品を複数のピースに分割するのに適した分割ユニットと、任意選択的に、iv)ピースを引裂くための引裂きユニット(1)と、加熱ユニット、冷却ユニット、分割ユニット、及び引裂きユニット(1)を制御する制御ユニットと、を備える。引裂きユニット(1)は、互いから予め設定された距離(d)で配置した平行な回転軸(10、12)を有する一対の回転可能なロール(2、4)を備える。距離(d)は、ロール(2、4)間のロールニップ(14)の幅(W)を規定する。ロール(2、4)は、それぞれ、ロール(2、4)を逆回転に回転させるためのモータ(6、8)に連結されている。一対のロール(2、4)のうち第1のロール(2)の外表面に、複数の突起(16)が配置されている。
さらに、本発明は、食肉類似品のピースを引裂くための引裂き装置を提供するものでもあり、当該引裂き装置は、互いから予め設定された距離(d)で配置した平行な回転軸(10、12)を有する一対の回転可能なロール(2、4)を備える。距離(d)は、ロール(2、4)間のロールニップ(14)の幅(W)を規定する。ロール(2、4)は、それぞれ、ロール(2、4)を逆回転に回転させるためのモータ(6、8)に連結されている。各ロール(2、4)の外表面に、複数の突起(16)が配置されている。突起(16)は、円錐、円錐台、錐体又は錐台として形成され、突起(16)は、回転軸(10、12)と平行な複数の列に、かつ複数の周方向線に沿って配置されている。ロール(2、4)は、一方のロール(2)の突起(16)からなる隣接する2本の周方向線の間に、反対側のロール(4)の突起(16)からなる周方向線が位置するように、軸方向に配置されている。ロールニップ(14)の幅(W)を調整するために回転軸(10、12)間の距離(d)を調整する手段を備える、請求項7又は8に記載の装置。
好適には、各ロール(2、4)は別々のモータ(6、8)に駆動可能に接続されており、各モータ(6、8)はロール(2、4)を同一の速度又は異なる速度で回転させるように駆動可能に構成されている。
好適には、冷却ユニット(30)が、冷却管(34)と同心の内部冷却用の冷却ランス(40)を備えることができ、任意選択的に、冷却管(34)は円形の断面を有することができる。好適には、冷却管(34)は外部ジャケット冷却用の二重壁管であり、二重壁管の外径は、任意選択的に、40~70mmの範囲であり、二重壁管の内径は、任意選択的に、35~60mmの範囲であり、好ましくは約50mmである。好ましい実施形態では、冷却ランス(40)は冷却管(34)より短い。任意選択的に、冷却ランス(40)は、互いに流体連通する冷却液供給通路(43)及び冷却液戻り通路(45)と、冷却液供給通路(43)と流体連通する冷却液入口(42)と、冷却液戻り通路(45)と流体連通する冷却液出口(44)と、を備える。
冷却管(34)は、好適には、円形の断面を有している。冷却管(34)は、好適には、3~10mの範囲の長さを有している。冷却管(34)は、好適には、外部ジャケット冷却用の二重壁管である。二重壁管の外径は、好適には、40~70mmの範囲である。二重壁管の内径は、好適には、35~60mmの範囲であり、好ましくは約50mmである。二重壁管は、好適には、2つの壁の間の空間に、冷却液を案内するための螺旋状ガイド要素(48)を備えている。冷却ランス(40)は、冷却管(34)よりも短いことが好ましい。好適には、冷却ランス(40)は、互いに流体連通する冷却液供給通路(43)及び冷却液戻り通路(45)と、冷却液供給通路(43)と流体連通する冷却液入口(42)と、冷却液戻り通路(45)と流体連通する冷却液出口(44)と、を備える。
また、本発明は、本発明のプロセス及び/又は装置の、ペットフードの調製プロセスにおける使用を提供するものでもある。
本発明のプロセス及び本発明の装置のさらなる実施形態については、従属請求項から汲み取ることが可能である。
一実施形態では、食肉類似品の製造装置は、ミート生地を調製し、ミート生地を加熱ユニットに投入するための装置をさらに備える。例えば、ミート生地の原材料を混合するミキサーや、ミート生地を加熱ユニットに移送する投入ポンプを設けることができる。
したがって、本発明に係る食肉類似品の製造プロセスは、ミート生地の原材料を混合するステップと、調製されたミート生地を、例えば投入ポンプなどの手段によって加熱ユニットに供給するステップとをさらに含むことができる。このプロセスは、好ましくは、最低でも約7~8バール(700~800kPa)の圧力下において閉鎖系で行われる。これにより、湿り気のあるミートエマルションを約170℃まで加熱する際に蒸気が発生するのを回避することができる。このプロセス中に蒸気が発生すると、質感の形成に悪影響を及ぼす恐れがある。したがって、重要なプロセスである加熱ユニットにおける加熱プロセスと冷却ユニットにおける冷却プロセスとは、それぞれポンプ、例えば回転ローブポンプによって、投入部から切り離されている。また、本装置は、加熱ユニットと冷却ユニットとの間に、加熱処理されたミート生地を冷却ユニットに搬送することをさらに支援するプロセスポンプをさらに備えることができる。これにより、内圧の管理と加工中の粘度上昇の管理とを確実に行うことができる。各ポンプは、加熱処理されたミート生地を、生地の固体化が起きる冷却ユニットを通過させて搬送するために必要な高い圧力を、必要に応じて、確実に供給することができる。短いライン停止後にラインをうまく起動させるためには、これらのポンプを使用することが好ましい。
a)加熱ステップ
加熱ステップ(a)では、単独の連続した加熱ユニットでタンパク質の融点より高い温度までミート生地を加熱することができる。また、加熱ステップをいくつかの部分に分け、複数のモジュールを使用して行う場合には、最適なプロファイルが得られるように、各部分の加熱ステップに所望の電力が分配されるように各モジュールの調整を行うことができる。加熱ユニットは、好適には、投入温度と搬出温度、さらには加熱ユニット内の温度(すなわち個々の部分やモジュールにおける温度)を常時監視する温度制御システムを備えることができる。さらに、流量をモニターすることもでき、ミート生地の比熱を測定して、システムに必要な電力を計算することもできる。
オーム加熱ステップ:オーム加熱ユニットの設計は、ミート生地に接触する電極からなる場合があり、これにより、様々な電圧と電流の組み合わせでミート生地に電気を流すことができる。オーム加熱ユニットの設計においては、電気を発生させるための電源(発電機)が必要となる。電源に接続された電極は、電流を通すためにミート生地に物理的に接触させる必要がある。
本明細書において、「オーム加熱により動作可能(operable by Ohmic heating)」という用語は、加熱ユニットにオーム加熱を行うことができる装置が設けられているという意味で理解すべきものである。例えば、十分な電気(電流密度)を発生させる発電機が設けられ、電極と接続されていることを指す。さらに、ミート生地と電極とが物理的に接触していることも意味している。また、「オーム加熱により動作可能」という用語を、処理ステップを説明するために使用する場合には、本用語は、好適には、「オーム加熱により動作する(operated by Ohmic heating)」又は「オーム抵抗を有する(comprising an Ohmic)」ことを意味すると見なすことができる。
加熱ステップにおいて、ミート生地全体への均一な電力の印加を容易に行うためには、ミート生地ができるだけ均質であることが有利である。ミート生地に印加する電流の密度は、所要の効果を得るために必要に応じて調整することができる。一実施形態では、加熱ユニットに印加する電流密度は、電極表面積1平方メートルあたり約100~約5000アンペア(100~5000A/m)とすることができ、好適には、約100~約4000、約100~約3000、約100~約2000、約100~約1000、約100~約900、約100~約800、約200~約5000、約200~約4000、約200~約3000、約200~約2000、約200~約1000、約200~約900、約200~約800、約300~約5000、約300~約4000、約300~約4000、約300~約3000、約300~約2000、約300~約1000、約300~約900、約300~約800、約400~約5000、約400~約4000、約400~約3000、約400~約2000、約400~約1000、約400~約900、約400~約800、約500~約5000、約500~約4000、約500~約3000、約500~約2000、約500~約1000、約500~約900、約500~約800、約600~約5000、約600~約4000、約600~約4000、約600~約3000、約600~約2000、約600~約1000、約600~約900、約600~約800とすることができる。これらの電流密度範囲であれば、安全にミート生地を加熱できることが確認されており、電極の汚損などの不具合も確認されていない。上記の電流密度は、(任意選択的に、部分やモジュールを含む)加熱ユニット全体の電流密度を測定した場合の平均電流密度を規定するものである。加熱ステップ(a)では、単独の連続した加熱ユニットでタンパク質の融点より高い温度までミート生地を加熱することができる。また、加熱ステップをいくつかの部分に分け、複数のモジュールを使用して行う場合には、最適なプロファイルが得られるように、各部分の加熱ステップに所望の電力が分配されるように各モジュールの調整を行うことができる。加熱ユニットは、投入温度と搬出温度、さらには加熱ユニット内の温度(すなわち個々の部分やモジュールにおける温度)を常時監視する温度制御システムを備えることができる。さらに、流量をモニターすることもでき、ミート生地の比熱を測定して、システムに必要な電力を計算することもできる。
本明細書において、「食肉類似品(meat analogue)」という用語は、食肉の代替物としてペットフード又は動物の餌に使用するのに適した食肉代替品を指し、好適には「チャンク(chunk)」とすることができる。食肉類似品は、調理済の食肉と同様の感覚的特性を有することができる。食肉類似品は、ペットフード製品やヒトの食品に配合することができる。特に、あらゆる種類のウェットタイプのペットフード製品に配合するのに適しており、例えば、パテ(pate)、ローフ(loaf)、ソースに入れたチャンク(chunk in sauce)形式の製品に配合することができる。とりわけ、「ソースに入れたチャンク」製品、例えば「チャンク及び肉汁ソース(chunk and gravy)」製品、「チャンク及びゼリー(chunk and jelly)」製品又は「チャンク及びムース(chunk and mousse)」製品に配合するのに適している。食肉類似品は、通常、最長寸法に沿った長さが約13mm~約20mmである。食肉類似品は、好適には、約45~約65%の水分、好ましくは約50%~約61%の水分、約25%~約36%のタンパク質、約4%~約13%の脂肪、及び約1%~約3%の灰分の栄養組成を有することができる。
本発明において、「ミート生地(meat batter)」とは、食肉を含む生地と、食肉以外のタンパク質を原材料とする食肉を含まない生地の両方を含むものである。本明細書において、「食肉類似品」という用語は、食肉の代替物としてペットフード又は動物の餌に使用するのに適した食肉代替品を指し、好適には「チャンク」とすることができる。食肉類似品は、調理済の食肉と同様の感覚的特性を有することができる。食肉類似品は、ペットフード製品やヒトの食品に配合することができる。特に、あらゆる種類のウェットタイプのペットフード製品に配合するのに適しており、例えば、パテ、ローフ、「ソースに入れたチャンク」形式の製品に配合することができる。とりわけ、「ソースに入れたチャンク」製品、例えば「チャンク及び肉汁ソース」製品、「チャンク及びゼリー」製品又は「チャンク及びムース」製品に配合するのに適している。食肉類似品は、通常、最長寸法に沿った長さが約13mm~約20mmである。食肉類似品は、好適には、約45~約65%の水分、好ましくは約50%~約61%の水分、約25%~約36%のタンパク質、約4%~約13%の脂肪、及び約1%~約3%の灰分の栄養組成を有することができる。
本明細書において、「ミート生地」という用語は、水分や食肉又は食肉製品副産物などの原材料に由来する他の物質の濃厚混合物を指す。ミート生地は、マヨネーズや牛乳のようなエマルションではなく、水、可溶化食肉タンパク質、細胞成分などの成分からなる複合相に脂肪の粒子や気泡が分散したものであり、ミートエマルション(meat emulsion)やミートスラリー(meat slurry)と呼ばれる場合もある。これらの用語は当技術分野で十分に理解された用語であり、同義的に用いられている。ミート生地は、通常、可溶性タンパク質、可溶性の筋肉構成要素、筋線維片、結合組織線維、骨などを含有する水媒体である連続相を含む。また、任意選択的に、タンパク質、デンプン、繊維、ミネラル及びこれらの任意の組み合わせなどの植物由来材料をさらに含有する。ミート生地(ミートエマルション、ミートスラリー)は、当技術分野で一般的なさらなる添加物を含有することもできる。ミート生地は、公知の方法で得られ、例えば、動物の骨格筋から得た冷凍食肉を断片化して食肉片を生成し、これに水、1種以上の結合剤、及び任意選択的に他の原材料を配合することによって得ることができる。冷凍食肉を適切に刻み、砕き、挽いて、ミート生地(ミートスラリー、ミートエマルション)を製造する。通常、挽きミートスラリーは、回転要素と静止要素とを含むシステム(例えば、ダイスプレートに回転ナイフを設けたシステム)によって細砕され、特性直径を有する穴を最後に通過する。種々の実施形態においては、この穴の最大径は、約0.5mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、及び/又は約10mmである。好適には、これにより得たよりきめの細かい挽きミートエマルションをミキサーに移し、任意選択的に、水や、乾燥原材料(例えば、植物由来のタンパク質粉末)、液体原材料(例えば、着色料)を添加して、ミート生地を得ることができる。
本明細書において、「タンパク質(protein)」という用語は、1種以上の原材料によって好適に得られる1種以上のタンパク質を指す。タンパク質は、好適には、動物性タンパク質、植物性タンパク質、又はそれらの任意の組み合わせとすることができる。動物性タンパク質は、任意の動物由来のタンパク質(脊椎動物や無脊椎動物のタンパク質を含む)を含み、例えば、哺乳類、家禽類、魚類、昆虫類に由来するタンパク質を含む。好適な動物性タンパク質の例としては、鶏、七面鳥、牛、羊、豚、鹿肉、水牛、鴨、カンガルー、貝類、甲殻類、鮭、マグロ、白身魚などに由来するタンパク質が挙げられる。好適には、筋肉(muscle meat)、臓器、腱、骨などに由来するタンパク質とすることができる。さらに好適な動物性タンパク質として、乳又は卵由来のタンパク質が挙げられる。一方、好適な植物性タンパク質としては、小麦グルテン、分離大豆タンパク質、トウモロコシ、エンドウ豆、米、ピーナッツ、麻、綿実、ルピナス、ジャガイモなどや、それらの混合物に由来するタンパク質が挙げられる。また、細菌、菌類、酵母、藻類を原材料としたタンパク質も使用することができる。タンパク質は、任意の適切な形態のものとすることができ、例えば、単離又は部分的に単離したタンパク質、濃縮タンパク質、粉砕したタンパク質などであってよい。一実施形態では、食肉類似品は、完全菜食主義に基づくものとすることができる。
いくつかの実施形態では、第1の部分において、ミート生地を約90℃~約120℃、約100℃~約120℃、約90℃~約115℃、約100℃~約115℃、約90℃~約110℃、又は約100℃~約110℃の温度まで加熱する。さらなる実施形態では、第2の部分において、この加熱処理品を約140℃~約170℃、約145℃~約170℃、約150℃~約170℃、約155℃~約170℃、約160℃~約170℃、約140℃~約165℃、約145℃~約165℃、約150℃~約165℃、155℃~約165℃、又は約160℃~約165℃の温度まで加熱する。
また、加熱ユニットの第1の部分におけるミート生地の滞留時間は180秒未満とすることができ、加熱ユニットの第2の部分におけるミート生地の滞留時間は110秒未満とすることができる。第1の部分では、ミート生地をタンパク質の変性温度より高い温度まで加熱し、第2の部分では、ミート生地をタンパク質の融点より高い温度まで加熱することができる。第1の部分の後に温度均一化用の保持管を設けることもできる。また、第2の部分の後に第2の保持管を設け、ここでも加熱処理品内の温度均一化をさらに高めることができる。加熱ステップを第1の部分における加熱ステップと第2の部分における加熱ステップという2つの異なる加熱ステップに分けることにより、プロセスの信頼性を向上させることができる。第1の部分と第2の部分におけるモジュールの数は、同一であっても異なっていてもよい。
いくつかの実施形態では、加熱ユニット内の圧力、第1の部分内の圧力、及び第2の部分内の圧力は、それぞれの局所温度における水蒸気圧を上回っている。加熱ユニット内の圧力は、800~約4000kPaの範囲内とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の部分の圧力と第2の部分の圧力は実質的に等しく、好ましくは、約800~約2000kPa、約800~約1800kPa、約1000~約1800kPa、約1000~約1500kPa、より好ましくは、約1000kPa~約1250kPaの範囲である。これは、効率的なエネルギー伝達を可能とする圧力範囲である。加熱処理品は、好適には、加熱処理品の中心部温度が約40℃~約100℃、約40℃~約70℃、約50℃~約80℃、約50℃~約70℃にある状態で、複数のピースに分割することができる。
本発明のプロセスで使用するミート生地は、通常、変性温度と融点が異なるタンパク質の混合物からなる。好ましくは、ミート生地中のタンパク質の総量を基準として、少なくとも35質量%、40質量%、50質量%、60質量%、70質量%、80質量%、又は90質量%のタンパク質が溶融する。最も好ましくは、実質的に全てのタンパク質が溶融する。一実施形態では、溶融していない他のタンパク質、繊維、骨の粒子などを担持することができる凝集性と連続性を備えた外相が加熱処理品に形成されるのに十分なタンパク質の溶融が起こりさえすればよい。
本明細書において、タンパク質に関して用いられる「変性(denaturation)」という用語は、タンパク質が変性によりその3次元構造を失うことを意味する。変性したタンパク質は、溶解性の低下からタンパク質の凝集まで、様々な特性を示す場合がある。当業者であれば、変性タンパク質について何を理解すべきかを十分に承知している。また、本明細書において、あるタンパク質の融点は、選択した圧力で固体から液体へとそのタンパク質の状態が変化する温度である。タンパク質の変性温度は、当技術分野で十分に公知の方法、例えば、ゴム加工性解析装置(rubber process analyzer)を用いて測定することができる。ゴム加工性解析装置としては、TA Instruments社(独ヴェッツラー)のRPA Eliteモデルの分析器を使用することができ、これにより、温度スイープ分析によりタンパク質の溶融範囲を求めてタンパク質/水分サンプルの粘弾性特性を測定する。タンパク質の溶融範囲としては、レオロジー測定値を用いることができ、タンパク質の変性(アンフォールディング)によって粘度が上昇してから、粘度が低下して固体の懸濁液から均一な液相への変化が観察されるまでの温度範囲のことをいう。また、タンパク質の融点は、当技術分野で十分に公知の方法、例えば、示差走査熱量測定(differential scanning calorimetry:DSC)法又はレオロジー法によって測定することができる。レオロジー法の場合、100℃超の温度において蒸気を発生させないため、密閉・加圧したセル内で粘度測定を行うことができる。適切なレオメータは、測定ボブB-CC25/PR/Tiを装着した磁気結合の加圧セルCC25/PR150/SSを備えるAnton Paar社のレオメータMCR301であり、これにより、一定のせん断速度で温度スイープを行う。また、個々のタンパク質についての変性温度や融点のデータは、科学文献からも入手することができる。
b)冷却ステップ
加熱処理品は、好適には、ステップ(b)で材料が冷却されることにより層及び/又は配向が形成されたものとなる。溶融した材料が固化すると、層状の繊維質の食肉類似品構造が形成される。ステップ(b)及び/又はステップ(c)は、任意選択的に約800~4000kPaの圧力下で行われ、タンパク質が段階的に固化して層をなすことにより、繊維質構造を形成する。このように、冷却ステップでタンパク質の凝集体は融液から固相に変化する。
換言すれば、溶融したタンパク質を制御した状態で流動させながら固化して、タンパク質を凝結(setting)させる。冷却を適切に制御することにより、その直接的結果として食肉に似た繊維が形成される。上述したように、タンパク質の融点より高い温度まで加熱した加熱処理品においては、そのタンパク質(又はタンパク質混合物)の少なくとも一部が溶融した状態となる。タンパク質は、一旦溶融させた状態にしてから冷却すると、革のような性質を持つ、丈夫で弾力性のある塊に固化する。この塊は再溶融しにくく、簡単に機械圧送することができない。そのため、一旦溶融したタンパク質は、冷却ユニットにおいて絶えず動かしながら冷却したうえで、固化した材料を冷却ユニットから連続的に排出できることが重要である。
加熱処理品は、例えば140℃~約170℃で加熱ユニットを出て、冷却ユニットにおいて(例えば、水冷式の管状の冷却ゾーンで)水沸点より低い温度まで冷却される。また、長方形の冷却ダイス設計を用いることもできる。加熱処理品は冷却ユニット内を(例えば、低温表面に沿って)移送され、融液の固化に伴い(製品の温度が融点を下回ると)、層状の繊維質構造体に成形される。これは、圧力下で動かしながら行われ、タンパク質が段階的に固化して層をなすことにより、繊維質構造を形成する。
c)分割ステップ
本明細書において、「分割(dividing)」という用語は、加熱処理品を細砕する任意の処理を指し、例えば、切断(cutting)、剥ぎ(ripping)、引裂き(tearing)、圧搾(squeezing)、ハンマーミルによる細砕などを指す。この処理は、好適には、格子状又は回転式の切断デバイスを用いて行う。分割は1段階で行っても多段階で行ってもよく、例えば、グリッドカッターで1回目の切断を行い、次にロータリーカッターで2回目の切断を行うことができる。これにより得られる食肉類似品は、例えば立方体や円筒形などの本質的に規則的な形状、又は不規則(不整形)、無秩序又は本質的に無秩序な形状を有している。任意選択的に、得られた食肉類似品を、目視検査用の検査ステーションに送って、(例えば、デジタルカメラと適切な画像認識ソフトウェアとを使用した)手動又は自動の品質管理を支援することができる。
d)引裂きステップ
引裂きステップは、分割ステップで生成したピース又はチャンクの内部質感を見えやすくするため、及び、特に、食肉類似品の製造に使用する材料(すなわち、ミート生地)が繊維を含む場合には、内部の繊維質感を露出させるためのステップである。
引裂く動作は、ピース又はチャンクを、2つの逆回転ロールの間の隙間(すなわちロールニップ)に通過させることによって行われる。逆回転ロールは、少なくとも一方のロールに突起(特に、尖った突起)が設けられ、好ましくは、両方のロールに尖った突起が設けられている。例えば、各突起は、正方形の底面と、4つの三角形の側面とを有する錐体状の形状を有することができる。ロールは好ましくは円筒形であり、同一の直径を有することができ、例えば、150mm~300mmの直径とすることができる。両ロールは同一のロールとすることができる。特定的には、本発明の装置の引裂きユニットは、本発明の引裂き装置を備えることができる。
従来は、引裂きステップをハンマーミルを使用して行っていたが、その場合、微粒子(「微粉末(fines)」)、すなわち5×5mmより細かい粒子が比較的高い割合で生成されてしまっていた。
本発明の装置、特に引裂きユニットによれば、ハンマーミルと比べて、微粉末の割合が著しく低減し、ピースの内部質感が見えやすくなる。これは、とりわけ、ハンマーミルにおける激しい処理、特にピースの速度の高さと硬い表面への衝突によって説明することができる。また、ロールニップを通過する際に、微粒子の少なくとも一部がピースに再結合されるとも考えられる。
以下、実施形態及び以下の図面を参照しながら本発明を説明する。
本発明のプロセスを概略的に示す図 本発明に係る引裂きユニットを示す図 図2に示す引裂きデバイスに使用されるロールを示す図 図2に示す引裂きデバイスに使用されるロールを示す図 図2に示す引裂きデバイスに使用されるロールを示す図 実施例及び比較例5~8に従って調製した食肉類似品の給餌試験結果を示す図 実施例及び比較例5~8に従って調製した食肉類似品の給餌試験結果を示す図 本発明の特別な実施形態に係る食肉類似品の製造プロセスを示すフロー図 本発明の特別な実施形態に係る装置の冷却ユニットを示す側面図 図8の冷却ユニットを示す正面図 図8の冷却ユニットを示す断面図 図8の冷却ユニットに含まれる冷却管の左端部における冷却ユニットの細部を示す図 図8の冷却ユニットの冷却管のさらに右側の細部を示す図 冷却管の右端部における図8の冷却ユニットの細部を示す図
図1は、本発明に係る食肉類似品の製造プロセスの一実施形態の概要を示す図である。混合ステップでは、特定の食肉類似品用のミート生地を調製するために使用される原材料を混合する。そのような原材料としては、例えば、小麦グルテン、(ミート)エマルション及び水が挙げられ、様々な乾燥原材料も含まれる。この材料を、圧送により搬送、加圧する。回転ローブポンプで、混合プロセスと高圧加熱処理ステップとを分けることができる。加熱ステップでは、タンパク質の溶融が起こる。約160℃~170℃までの温度において蒸気の発生を避けるため、圧力は7バール(700kPa)を上回ることが好ましい。
そして、さらなる圧送ステップで、加熱した材料をさらに搬送、加圧(例えば、8バール(800kPa)より高い圧力で加圧)し、冷却ユニットに送る。冷却ユニットでは、加熱処理を施した材料に質感を形成(texturize)し、固化する。材料を100℃以下に冷却し、切断などによって複数のピースに分割する。
最終の引裂きステップでは、この複数の材料ピース又は材料チャンクを引裂きユニットで引き裂く。本ステップは、内部の(繊維状の)質感をはっきりと見せるためや、個々のピースの不整形度を高めるため、すなわち、各ピースが、立方体や円筒形の要素などの規則的な幾何学的構造を持たないようにするために行われる。
図2は、引裂きユニット1の例示的な実施形態を示す図である。図2では、回転可能な一対のロール2、4を示すため、引裂きを行うピースを投入するためのホッパー20を折り畳んだ状態を示している。第1のロール2は、第1の電動モーター6により時計回りに回転駆動され、第2のロール4は、第2の電動モーター8により反時計回りに回転駆動される。
図3~図5は、一対のロール2、4の更なる詳細図である。
ロール2、4の回転軸10、12は互いに平行であり、互いから距離dの位置に配置されている。距離dは、詳細には図示していない機構によって調整可能とされる。距離dは、最小距離より少なくとも0.1mm、0.2mm、0.5mm、又は1mm大きい距離である。最小距離とは、両ロールが互いに接触する距離、すなわちそれ以上互いに向かって移動できない距離であり、ロールニップ14の幅Wが最小(特に、ゼロ)である距離である。好ましくは、距離dは、最小距離よりも0.2mm大きい距離であり、このときロールニップ14の隙間すなわち幅Wは0.2mmとなる。
両ロール2、4は、その外表面に配置された複数の突起16を備えている。各突起16は、正方形の底面と、尖った先端部18に収束する4つの三角形の側面とを有する錐体状の形状を有している。突起16は、回転軸に平行な複数の列と、列方向に垂直な複数の周方向線、すなわち複数の円と、に沿って配置されている。
ローラ2、4は、一方のロールの複数の突起16からなる各周方向線すなわち円が、軸方向において、反対側のロールの複数の突起からなる隣接する2本の周方向線の間に位置するように配置され、これにより、回転時には、突起が噛合(meshing/interlocking)しながら回転する(図4)。
本明細書においては、「ローラ(roller)」と「ロール(roll)」という用語を同義的に用いている。ローラは、同一の速度で回転するように制御することができ、異なる速度で回転するように制御することもできる。好ましくは、ローラは異なる速度で回転する。両ロールの毎分回転数の比率は、少なくとも0.01とすることができ、例えば、少なくとも0.03、0.1、0.5、0.7、0.8、0.9、0.95、0.98、0.99であってよく、これにより圧縮と引裂きの複合効果(せん断力の生成)を生み出すことができる。好適には、両ロールの毎分回転数の比率は、約1:1~約1:91、約1:1~約1:75、約1:1~約1:50、約1:1~約1:25、約1:1~約1:10、約1:1~約1:9、約1:1~約1:8、約1:1~約1:7、約1:1~約1:6、約1:1~約1:5、約1:1~約1:4、約1:1~約1:3、約1:1~約1:2、約1:1~約1:1.5である。好適な比率は、約1:10、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、及び1:90である。ローラが異なる速度で動作するプロセスでは、ローラが上記の比率で動作することが好ましい。また、異なる速度で動作するように設定できるローラを含む装置の場合にも、好ましくは、上記の比率で動作するようにローラを設定することができる。
図7は、本発明の特別な実施形態に係る食肉類似品の製造プロセスを示すフロー図である。このプロセスは、左から右の順に行われるいくつかのステップを含む。これらのステップの数や順序は、遂行する業務に応じて変更することができる。この特別な実施形態によれば、このプロセスは、粉末や流体などのレシピ原材料を混合するステップを含む。その後、混合したレシピ原材料を圧送により搬送、加圧する。次に、加熱によりタンパク質を溶融する。そして、この高温の製品融液を圧送により搬送、加圧する。その後、高温の製品融液を冷却して、質感形成と固化を行う。次に、冷却済の加熱処理品を切断によって複数のピースに分割する。そして、内部の繊維質感を見せたり、見えやすくしたりするためや、個々のピースの不整形度を高めるため、これらのピースを引き裂く。
図8~図11は、本発明の特別な実施形態に係る食肉類似品の製造装置の冷却ユニットを示す各種図である。本装置は、(例えばオーム加熱によって)タンパク質を含むミート生地を加熱するように動作可能な加熱ユニット(図示せず)と、加熱ユニットの下流に位置する冷却ユニット30であって、加熱ユニットから得た加熱処理品を、冷却ユニット30から出るときの加熱処理品の温度が常圧で水沸点より低い温度となるまで冷却するように動作可能な冷却ユニット30と、冷却ユニットの下流に位置する分割ユニット(図示せず)であって、冷却ユニット30から得た冷却済みの加熱処理品を複数のピースに分割するのに適した分割ユニットと、を含む。
冷却ユニット30は、フレーム32と、フレーム32に支持される冷却管34と、を含む。図11に詳細に示すように、冷却管34の入口端38には、供給ホッパー36が設けられている。プロセスポンプ(図示せず)と供給ホッパー36とによって、高温の製品融液が冷却管34内に搬送される。図11及び図12から分かるように、冷却管34は二重壁管である。2つの壁によって、冷却液(例えば水)用の環状断面領域が形成され、これにより、高温の製品融液に対して外部ジャケット冷却を行う。また、冷却管34の中心を長さ方向に延びる冷却ランス40によって、高温の製品融液の中心部も冷却する。本実施形態では、冷却ランス40は、冷却管34の長さ全体には延在していない。冷却ランス40(図13も参照)は、少なくとも1つのマウント(支持部)41によって、冷却管34内に冷却管34と同心に取り付けられている。冷却管34は、複数の冷却液セグメントに分割され、各冷却液セグメントが冷却液入口50と冷却液出口52とを有している。
図11から詳細に分かるように、一実施形態では、冷却ランス40は、冷却液供給用と冷却液戻り用の2つの通路に長さ方向に分割されている。また例えば、図11では、冷却液供給通路43に流体接続する上部冷却液入口42と、冷却液戻り通路45に流体接続する下部冷却液出口44とが設けられている。図12から詳細に分かるように、冷却管34内の高温の製品融液の温度及び/又は圧力を測定するための少なくとも1つの温度及び/又は圧力センサ46を設けることもできる。さらに、図11及び図12からも分かるように、冷却に関与するジャケット面積を拡大することによって冷却を強化するために、冷却液を螺旋状に案内するための螺旋状ガイド要素48が冷却管34の2つの壁の間に設けられている。冷却管34による外部ジャケット冷却用の冷却液及び/又は冷却ランス用の冷却液は、それぞれの冷却液ループを流れることができる。
図8~図12に示す実施形態において、フレーム32が、冷却ユニット30全体を移動するための車輪34をさらに備えている点では図7~図13に示す実施形態と同様だが、フレームは3つのサブフレーム36に分割されている。図11から特に分かるように、冷却管34は、複数の冷却管セグメント35に分割されている。これらの冷却管セグメント35は、保持プレート38を介して一体的に保持されている。特に図10及び図12から分かるように、冷却ランス40は、図7~図13に示す実施形態の冷却ランスとは異なる方法で構成されている。特に、冷却液供給通路43と冷却液戻り通路45は、パイプインパイプ(pipe-in-pipe)方式の組み立てにより実現されている。
特別な実施形態では、プロセスポンプは250kg/hの流量で冷却管への供給を行う。好ましくは、冷却管に沿って均一な冷却勾配を維持し、冷却管全体で一貫した制限をかけて、これにより冷却液の圧力や流れが選択的となる状態を避ける。これは、冷却パラメータ(冷却ユニットの部分ごとの冷却水の流量及び温度)を指定し、専用の冷却管を設計することによって実現することができる。さらなる特別な実施形態では、プロセスポンプは、加熱プロセスの出口での圧力に基づいて、制御ループ(PID)により加熱ユニットのシステム圧力を制御する。冷却時に蒸気が発生しないように圧力を管理することは、製品の質感形成において重要である。好ましくは、冷却管は、製品融液を製品の融点未満かつ100℃未満の温度に冷却して製品融液を一定の状態に保つことにより、冷却管内において選択的な製品融液の流れが生じるのを避けることができるとともに、設計出口温度未満に製品を冷却して、製品チャンクの品質に影響を与えてしまう製品の膨張を起こさないようにできるだけの十分な冷却性能を発揮できるように設計されている。
なお、大量の冷却水を使用するため、冷却水を再利用(例えば、レトルト処理用の水と共に循環させるなど)し、無駄にしないことが推奨される。好ましくは、冷却管は、外部ジャケット冷却用の少なくとも1つの冷却水ループからの供給を受ける。好ましくは、(1つ以上の)プロセスポンプの処理圧力は、7バール(700kPa)超であり、8バール~40バール(800kPa~4MPa)(最大値)である。それぞれの目標温度を達成するために、これに対応する最小圧力要件が設定されている。また、好ましくは、冷却管の入口圧力は40バール(4MPa)未満である。冷却管の入口圧力は、原則として、プロセスポンプの設定値以上である必要があり、流量の均一性に影響するものである。好ましくは、冷却管入口における高温の製品融液の粘度は、10~15Pas(例えば、160℃での融液の粘度が12Pas)であり、冷却管出口における製品の粘度は、100℃未満の温度で、50Pas超、又は150Pas超、又は1000Pas超、又は5000Pas超、又は100000Pas超である。例えば、冷却管出口では材料がほぼ固体となっている場合がある。好ましくは、高温の製品融液の移動速度は、2.95m/秒~3.25m/秒の範囲であり、より好ましくは3m/秒である。一例として、冷却管入口における高温の製品融液の温度は、150℃~170℃の範囲内であり、例えば157℃である。
冷却管の管外径は、好適には、約40~70mm、約40~65mm、約40~60mm、約40~55mm、約40~50mm、約40~45mm、約45~70mm、約45~65mm、約45~60mm、約45~55mm、約45~50mm、約50~70mm、約50~65mm、約50~60mm、約50~55mmである。冷却管の管内径は、好適には、約100mm未満、約90mm未満、約80mm未満、又は約70mm未満であり、例えば好適には、約60mm、約55mm、約55mm、約50mm、約45mm、約40mm、約35mm、又は約30mmであり、例えば、約35~60mm、約35~55mm、約35~40mm、約40~60mm、約40~55mm、約40~50mm、約40~45mm、約44~60mm、約45~55mm、約45~50mm、約50~60mm、約50~55mmである。
冷却管の長さは、好適には、約2~10m、約3~9m、約4~8m、又は約5~7mであり、例えば、約3m、約4m、約5m、約6m、約7m、又は約8mである。冷却ランスの直径は、好適には、10~30mm、10~25mm、10~20mm、15~30mm、25~25mm、15~20mmであり、例えば、約15mm、約20mm、又は約25mmである。冷却ランスの長さは、好適には、約2~4m、約2.5~4m、約3~4m、約3.5~4m、約2~3.5m、約2.5~3.5m、約3~3.5m、約3~4m、約3.5~4mであり、例えば、約2.5m、約2.6m、約2.7m、約2.8m、約2.9m、約3m、約3.1m、約3.2m、約3.3m、約3.4m、又は約3.5mであり、好ましくは約3.1mである。
プロセス(すなわち融液)ポンプ、好ましくはローブポンプ、は、融液の固体化が起きる冷却管を通過させて融液を搬送するために必要な高い圧力を確実に供給する。特に、短いライン停止後にラインをうまく起動させるためには、これらのポンプは欠かせない。
本発明を以下の実施例によってさらに説明する。なお、下記の実施例は限定を意図するものではない。
実施例1:ローラニップが約0.5mmとなるように配置したローラを有する引裂き装置
2つのローラを図3~図5に示すように配置した引裂き装置を製作した。互いに平行なロール2、4の回転軸10、12を、互いに接触するとともにローラニップが約0.5mmとなるように調整可能に配置した。ローラ2、4は、各ローラの外表面に配置された複数の突起16を有しており、各突起16は、正方形の底面と、尖った先端部18に収束する4つの三角形の側面とを有する錐体状の形状を有するものであった。突起16は、回転軸に平行な複数の列と、列方向に垂直な複数の周方向線、すなわち複数の円と、に沿って配置した。ローラ2、4は、図4に示すように、一方のロールの複数の突起16からなる各周方向線すなわち円が、軸方向において、反対側のロールの隣接する2本の(複数の突起からなる)周方向線の間に位置するように配置し、これにより、回転時には、突起が噛合しながら回転するようにした。ローラは異なる速度で回転するように設定した。両ロールの毎分回転数の比率は、約1:60に設定した。
実施例2:実施例1の引裂き装置を用いた改良型食肉類似品の調製プロセス
図1に示すプロセスにおいて実施例1の装置を使用して食肉類似品を調製した。この食肉類似品は、同様のプロセスにおいてハンマーミルを使用して調製した食肉類似品と比較して、目視による外観が改善されていた。本実施例において製造した食肉類似品の外観は、本物の食肉チャンクの外観に近いものであった。つまり、より非「人工的(synthetic)」な外観を持つ食肉類似品が製造された。さらに、このプロセスにより製造した材料は、微粉末(非常に細かい食肉類似品の断片)を少ししか含んでいないため、製品の外観がさらに向上していた。また、微粉末の発生を低減したため、微粉末が装置に干渉してしまう可能性が低減し、プロセス自体も改良した。したがって、本プロセスは、従来から公知のプロセスよりも連続的に行うことが可能であり、より効率的に装置の洗浄を行うこともできる。
実施例3:ローラニップが約0.7mmとなるように配置したローラを有する引裂き装置
実施例1に記載したものと同様の引裂き装置を、隙間(すなわちロールニップ)が約0.7mmとなるように配置したローラを有するように製作した。
実施例4:実施例3の引裂き装置を用いた改良型食肉類似品の調製プロセス
実施例2に記載のプロセスを、実施例3の装置を用いて再度行った。その結果、本物の食肉に近い外観を持ち、含まれる微粉末の量がさらに低減された食肉類似品が調製された。従来から公知のハンマーミルを使用したプロセスよりも、製品、プロセスともにさらに改良された。
実施例5
(実質的に鶏肉を原材料とする)食肉及び動物由来物質90.8%と、水4.7%と、ビタミン、ミネラル、旨味剤(palatant)、着色料などのうち少なくとも1つ4.5%と(百分率はすべて、スラリーの全質量に基づく質量百分率)を含む、最終製品としての完全栄養キャットフード製造用の生地3部を、最小75%のタンパク質(バイタル小麦グルテン)を含む野菜タンパク質粉末1部と混合し、30.5%の粗タンパク質と、59%の水分と、4.5%の脂肪と(これら半固形混合物のすべての百分率は、半固形混合物の総質量に基づく質量百分率)を含有する単一の固形混合物を生成した。
実施例6
(実質的にマグロを原材料とする)食肉及び動物由来物質90.8%と、水4.7%と、ビタミン、ミネラル、旨味剤、着色料などのうち少なくとも1つ4.5%と(百分率はすべて、スラリーの全質量に基づく質量百分率)を含む、最終製品としての完全栄養キャットフード製造用の生地3部を、最小75%のタンパク質(バイタル小麦グルテン)を含む野菜タンパク質粉末1部と混合し、30.5%の粗タンパク質と、59%の水分と、4.5%の脂肪と(これら半固形混合物のすべての百分率は、半固形混合物の総質量に基づく質量百分率)を含有する単一の固形混合物を生成した。
実施例7
実施例5及び実施例6で得た混合物をそれぞれ、第1の容積式ポンプでオーム加熱ユニットに供給した。この加熱ユニットでは、最大電力20kWのモジュール5台を使用した。このオーム加熱ユニットにおいて、直径52mm、長さ105mmの電極間に、表面積が171.5cmとなるようにミート生地を移した。5台のモジュールの平均電流密度は、650A/mであった。加熱ユニット内の圧力は1200kPaであった。このオーム加熱ユニットから出る材料の出口温度は、158~160℃であった。次に、材料を第2の容積式ポンプで冷却エリアに送り、80℃未満まで温度を下げた。これにより得た固形材料を切断し、内部に繊維質を有する食肉類似品/魚類似品を製造した。
比較例8
実施例5及び6の混合物を、第1の容積式ポンプで1台の加熱ユニットに個別に供給した。加熱ユニットは、約17Lの容積と、1200kPaの製品圧力下で60m/mの表面積対体積率を有する1台の表面掻き取り式熱交換器(SSHE)を備えるものであった。SSHEユニットには166~168℃の温度の蒸気を連続的に供給し、200rpm~300rpmでシャフトを動作させた。この加熱ユニットから出る材料の出口温度は、158~160℃であった。次に、材料を第2の容積式ポンプで冷却エリアに送り、80℃未満まで温度を下げた。これにより得た固形材料を切断し、内部に繊維質を有する食肉類似品/魚類似品を製造した。
鶏肉レシピ及びマグロレシピの両方について、本発明に係るオーム加熱ユニットと従来技術に係る表面掻き取り式熱交換器とを用いて調製を行い、給餌試験を実施した。その結果をまとめたものを、図6A(鶏肉レシピ)と図6B(マグロレシピ)に示す。図6Aにおいて、「OH」はオーム加熱で調製したキャットフード、「SSHE」はSSHEで調製した製品を示す。図6Bにおいて、「OH」はオーム加熱で得たキャットフード、「SSHE」はSSHEで得たキャットフードを示す。図6A及び図6Bから読み取れるように、オーム加熱で調製した場合もSSHEで調製した場合も、両レシピでほぼ同等の結果が得られた。
1 引裂きユニット
2 第1のロール
4 第2のロール
6 第1の電動モーター
8 第2の電動モーター
10 (第1のロール2の)回転軸
12 (第2のロール4の)回転軸
14 ロールニップ
16 突起
18 先端部
20 ホッパー
30 冷却ユニット
32 フレーム
34 冷却管
35 冷却管セグメント
36 供給ホッパー
38 入口端
40 冷却ランス
41 マウント(支持部)
42 冷却液入口
43 冷却液供給通路
44 冷却液出口
45 冷却液戻り通路
46 温度/圧力センサ
48 ガイド要素
50 冷却液入口
52 冷却液出口
54 車輪
56 サブフレーム
58 保持プレート
d (回転軸10と回転軸12の間の)距離
W (ロールニップ14の)幅
本発明は、食肉類似品の製造プロセス及び製造装置に関する。
ペットフードは古くから、ヒトの食品としての食肉需要と競合することなく、ペットに必要な栄養素を摂取させることのできる高品質なフードを調製するべく、動物由来製品の副産物や非動物由来原材料から製造されてきた。一方、世界的な人口増加に伴い、食肉を含む高タンパク食品の需要が世界的に増加することが予想され、ペットの栄養ニーズを満たす食肉類似品から調製したペットフードのニーズが高まることが予想されている。
食肉類似品は、通常、筋組織や食肉製品副産物から得られる牛、豚、羊、鶏などの食肉原材料を混ぜ合わせ、それを刻み、乳化することによって調製される。そして、これらの食肉原材料に、各種乾燥原材料(例えば、植物由来製品の副産物、デンプン、ビタミン、ミネラル、増粘剤、グルテンなど)を混合してミートエマルションを作る。得られたミートエマルションを、連続した厚板(slab)又は薄板(sheet)状に押し出し、さらにこの
ミートエマルションの厚板又は薄板をスチームトンネルに移して、熱に曝すことにより調理する。調理済の厚板又は薄板は、その後、複数のピースに切り分けられ、任意選択的にソース調製物などを添加し、食肉類似品として包装され、滅菌処理される。
特許文献1は、植物性タンパク質を含む乾燥原材料を、水と油の少なくともいずれかを含む湿潤原材料と混合して、非食肉生地を形成するステップと、この非食肉生地を110~180℃の温度で加圧加熱するステップと、加熱した非食肉生地を徐々に冷却して非食肉フード製品を形成するステップと、を含む、調理食肉の外観と質感とを有する非食肉フード製品の製造方法を開示している。特許文献2は、少なくとも29質量%のタンパク質、4~7質量%の脂肪、及び49~53質量%の水分を含むミートエマルションを形成するステップと、ミートエマルションを細砕して140~154℃の温度に加熱するステップと、ミートエマルションを処理ゾーンに投入して1380~2415kPaの圧力を加えるステップと、ミートエマルションを処理ゾーンから排出するステップと、を含む、ミートエマルション製品の製造方法を開示している。特許文献1及び特許文献2によれば、加熱ステップは、それぞれ180℃及び154℃の最終温度に到達するまで一段階で行われる。特許文献3は、少なくとも1241kPaの圧力とした第1の掻き取り式熱交換器にミートスラリーを投入し、第1の掻き取り式熱交換器を加熱して38~66℃の温度を有する第1の加熱処理済ミート製品を製造するステップと、次に、第1の加熱処理済ミート製品を第2の掻き取り式熱交換器に移し、第2の掻き取り式熱交換器を加熱して60~85℃の温度を有する第2の加熱処理済ミート製品を製造するステップと、を含む、食肉類似チャンクの製造方法を開示している。そして、第2の加熱処理済ミート製品は、次にスチームトンネルに移して、さらなる処理を行う。しかし、このプロセスでは、チャンクにおいて食肉に似た繊維質構造が十分に作られない。
特許文献4は、タンパク質を含むミート生地を、表面掻き取り式熱交換器(scraped surface heat exchanger:SSHE)によってタンパク質の融点以上に加熱する、食肉類似品の製造プロセスを開示している。このようなプロセスで使用されるSSHEは、金属刃を備えたシャフトを硬質クロム表面で回転させて、最も高温の製品面を硬質クロム表面から剥がして、より低温の製品面を硬質クロム表面に当てるものである。しかし、高速回転時の金属同士の接触により、ブレードの外表面が機械的な力によって摩耗することにより金属の破片が生じるリスクが確認されている。また、ミート生地の加熱をさらに改良して、せん断を回避することで、例えば色、香り、味などの点で、より良好な製品性能が得ら
れることができることも分かってきた。また、SSHEを使用する場合に、時間-温度プロファイルのさらなる改善が可能であるとともに、システムの起動停止動作を向上することもできる。また、SSHEの洗浄や廃棄物処理に関する取り組みも行われる可能性がある。この点に関しては、プロセス内に、材料の流れが悪くなったり滞ったりする場所が生じる場合があり、その結果、製品溜まりが生じる恐れがあり、材料の流れが一定期間停止すると特にその恐れが高くなることがリスクとして認識されている。非特許文献1は、0.5~2A/mの高エネルギー密度のオーム加熱を用いたフード処理について記載している。
加熱処理は、現代において保存のために用いられる最も一般的な手法であり、そのため、ミート生地などのフード品内部への熱伝達の研究は非常に重要性を持っている。そして、この点に関して非常に高い関心を集めているプロセスが、マイクロ波、オーム加熱、パルス電界などの電気・電熱法である。オーム加熱は、電流を物質に流して加熱するという直接的な方法である。オーム加熱は、フード品に電流を流すことにより発生し、その結果、電気エネルギーが熱に変換される(ジュール効果)ことにより、製品の温度が上昇する。ミート生地などのほとんどのフード品は塩や酸などのイオン成分を含んでいるため、電流がフードを通過すると、フード内部で熱が発生し得る。導電性のあるフード品に交流電流を流すと、オーム加熱が起こる。熱は体積にわたって発生する。電気エネルギーが熱に直接変換されて、温度が上昇する。このシステムは、抵抗と電圧電流源とからなる電気回路に相当するものである。2本の電極間にフード製品を挟むと、フード製品が抵抗の働きをして、内部に電流が流れる。
特許文献5は、130~1000mmの直径を有する冷却ダイスを使用して押し出し成形したタンパク質製品を製造する方法を開示している。現在、本格的な筋肉類似品チャンクは、160℃までの温度範囲で溶融したタンパク質を用いて調製することができる。現在は、長方形の冷却ダイスを用いて冷却することで、短い繊維質の構造を製作している。
国際公開第2016/055940号 欧州特許第1231846号明細書 国際公開第2015/172002号 独国特許出願公開第102016125870号明細書 国際公開第2015/020873号
Jaeger, H., et al: Food Science and Technology, Vol. 55, 2016
改良した食肉類似品を設計するためには、冷却管理度を高めた食肉類似品の調製方法が必要とされており、理想的には、制御性が高くかつ製造現場における設計自由度を高めた調製方法が必要とされている。
本発明は、食肉類似品の新規な製造プロセスを提供するものである。本発明に係る各プロセスは、オーム加熱ユニットでミート生地を加熱する際に、時間-温度プロファイルを精密に制御することを可能とし、これにより、例えば、色、香り、味などの点でより良好な製品性能を提供することができる。さらに、本発明に係る各プロセスは、ミート生地の
加熱を高速化することができ、そして、特に再生可能エネルギーの利用が可能である。この改良点は、特にオーム加熱ユニットのモジュール性に基づくものである。
本発明は、食肉類似品の新規な製造プロセスを提供するものである。本発明に係る各プロセスは、特別設計の管において外部冷却及び内部冷却により冷却を行うものであり、これにより既存の設計よりも長尺かつ信頼性の高い対称/共心の繊維質(線維質)デザインを実現している。冷却管をセグメント化する設計とすることにより、冷却経路に沿って各セグメント用の冷却パラメータを設定することが可能となるため、装置がとることのできる構造の幅を広げることができる。本発明に係る各プロセスは、食肉や魚のチャンクのようなリアルで本格的な外観を作ることを主な用途とすることができる。そのような製品は、本物の魚の身と一部置き換えて使用することができる(持続性)。また、例えば、融液を利用したチャンク製造における流動コストを大幅に削減することができる。また、運用設計や製品デザインの幅(質感形成(texturization))を広げることもできる。
本発明は、食肉類似品の製造プロセスを提供するものであり、当該食肉類似品の製造プロセスは、タンパク質を含むミート生地を加熱ユニットに投入し、ミート生地をタンパク質の融点より高い温度まで加熱して加熱処理品を製造するステップであって、加熱ユニットは、任意選択的にミート生地をオーム加熱で加熱するものである、ステップ(a)と、加熱処理品を冷却ユニットに通過させることによって、冷却ユニットを出るときに加熱処理品が常圧で水沸点より低い温度となるまで冷却するステップ(b)と、冷却済の加熱処理品を複数のピースに分割するステップ(c)と、平行な回転軸(10、12)を有する一対の逆回転円筒形ロール(2、4)間のロールニップ(14)にピースを通過させることによってピースを引裂くステップであって、ロール(2、4)の少なくとも一方の外表面に複数の突起(16)が配置されている、任意選択的なステップ(d)と、を含む。
加熱ユニットは、好適には、少なくとも2つの部分を備え、これらの部分が直列に接続され、各部分が少なくとも1つのモジュールを備えている。モジュールは、オーム加熱により動作可能に構成されている。加熱ユニットは、第1の部分と第2の部分の2つの部分を備えることができ、ミート生地を最初に投入する第1の部分が、1~10個のモジュールを備え、第1の部分からミート生地の移送を受ける第2の部分が、1~7個のモジュールを備え、複数の部分においてモジュールを直列に接続することができる。本発明の特定の実施形態では、少なくとも1つの保持管が、第1の部分と第2の部分との間及び/又は第2の部分の後に設けられ、この保持管には電気エネルギーが印加されない。さらなる実施形態において、好適には、本プロセスでミート生地に印加する全電力量の60~70%を第1の部分で印加し、本プロセスでミート生地に印加する全電力量の30~40%を第2の部分で印加する。好適には、ステップ(a)の加熱は電極を用いて行われ、電極は、加熱ユニット全体の平均電流密度として、電極表面積あたりの電流が100~5000A/mである電流密度を印加する。
ステップ(b)は、任意選択的に、加熱処理品を冷却ユニット(30)の冷却管(34)に通過させることにより、冷却ユニット(30)を出るときに加熱処理品が常圧で水沸点より低い温度となるまで、加熱処理品に対して外部冷却及び内部冷却を行うステップを含むことができ、内部冷却が、外部冷却管(34)と同心の内部冷却ランス(40)による冷却を含み、外部冷却が、任意選択的に外部ジャケット冷却を含んでよい。
冷却管(34)の入口における製品温度は、好適には、145~170℃の範囲である。冷却管(34)の出口における製品温度は、好適には、70~100℃の範囲である。冷却管(34)の入口における製品の圧力は、好適には、最大40バール(4MPa)までの範囲にある。製品の処理能力は、15~500kg/hの範囲であり、好適には約250kg/hである。冷却管(34)の入口における製品粘度は、好適には、約12Pa
sである。冷却管(34)の出口における製品粘度は、100℃未満の温度で、50Pas超、又は150Pas超、又は1000Pas超、又は5000Pas超、又は100000Pas超である。
また、本発明は、食肉類似品の製造装置を提供するものでもあり、当該食肉類似品の製造装置は、i)タンパク質を含むミート生地を加熱するように動作可能に構成された加熱ユニットと、ii)加熱ユニットの下流側に配置され、加熱ユニットから得た加熱処理品を、冷却ユニットを出るときに常圧で水沸点より低い温度となるまで冷却するように動作可能に構成された冷却ユニットと、iii)冷却ユニットの下流側に配置され、冷却ユニットから得た冷却済の加熱処理品を複数のピースに分割するのに適した分割ユニットと、任意選択的に、iv)ピースを引裂くための引裂きユニット(1)と、加熱ユニット、冷却ユニット、分割ユニット、及び引裂きユニット(1)を制御する制御ユニットと、を備える。引裂きユニット(1)は、互いから予め設定された距離(d)で配置した平行な回転軸(10、12)を有する一対の回転可能なロール(2、4)を備える。距離(d)は、ロール(2、4)間のロールニップ(14)の幅(W)を規定する。ロール(2、4)は、それぞれ、ロール(2、4)を逆回転に回転させるためのモータ(6、8)に連結されている。一対のロール(2、4)のうち第1のロール(2)の外表面に、複数の突起(16)が配置されている。
さらに、本発明は、食肉類似品のピースを引裂くための引裂き装置を提供するものでもあり、当該引裂き装置は、互いから予め設定された距離(d)で配置した平行な回転軸(10、12)を有する一対の回転可能なロール(2、4)を備える。距離(d)は、ロール(2、4)間のロールニップ(14)の幅(W)を規定する。ロール(2、4)は、それぞれ、ロール(2、4)を逆回転に回転させるためのモータ(6、8)に連結されている。各ロール(2、4)の外表面に、複数の突起(16)が配置されている。突起(16)は、円錐、円錐台、錐体又は錐台として形成され、突起(16)は、回転軸(10、12)と平行な複数の列に、かつ複数の周方向線に沿って配置されている。ロール(2、4)は、一方のロール(2)の突起(16)からなる隣接する2本の周方向線の間に、反対側のロール(4)の突起(16)からなる周方向線が位置するように、軸方向に配置されている。ロールニップ(14)の幅(W)を調整するために回転軸(10、12)間の距離(d)を調整する手段を備える、請求項7又は8に記載の装置。
好適には、各ロール(2、4)は別々のモータ(6、8)に駆動可能に接続されており、各モータ(6、8)はロール(2、4)を同一の速度又は異なる速度で回転させるように駆動可能に構成されている。
好適には、冷却ユニット(30)が、冷却管(34)と同心の内部冷却用の冷却ランス(40)を備えることができ、任意選択的に、冷却管(34)は円形の断面を有することができる。好適には、冷却管(34)は外部ジャケット冷却用の二重壁管であり、二重壁管の外径は、任意選択的に、40~70mmの範囲であり、二重壁管の内径は、任意選択的に、35~60mmの範囲であり、好ましくは約50mmである。好ましい実施形態では、冷却ランス(40)は冷却管(34)より短い。任意選択的に、冷却ランス(40)は、互いに流体連通する冷却液供給通路(43)及び冷却液戻り通路(45)と、冷却液供給通路(43)と流体連通する冷却液入口(42)と、冷却液戻り通路(45)と流体連通する冷却液出口(44)と、を備える。
冷却管(34)は、好適には、円形の断面を有している。冷却管(34)は、好適には、3~10mの範囲の長さを有している。冷却管(34)は、好適には、外部ジャケット冷却用の二重壁管である。二重壁管の外径は、好適には、40~70mmの範囲である。二重壁管の内径は、好適には、35~60mmの範囲であり、好ましくは約50mmであ
る。二重壁管は、好適には、2つの壁の間の空間に、冷却液を案内するための螺旋状ガイド要素(48)を備えている。冷却ランス(40)は、冷却管(34)よりも短いことが好ましい。好適には、冷却ランス(40)は、互いに流体連通する冷却液供給通路(43)及び冷却液戻り通路(45)と、冷却液供給通路(43)と流体連通する冷却液入口(42)と、冷却液戻り通路(45)と流体連通する冷却液出口(44)と、を備える。
また、本発明は、本発明のプロセス及び/又は装置の、ペットフードの調製プロセスにおける使用を提供するものでもある。
本発明のプロセス及び本発明の装置のさらなる実施形態については、従属請求項から汲み取ることが可能である。
一実施形態では、食肉類似品の製造装置は、ミート生地を調製し、ミート生地を加熱ユニットに投入するための装置をさらに備える。例えば、ミート生地の原材料を混合するミキサーや、ミート生地を加熱ユニットに移送する投入ポンプを設けることができる。
したがって、本発明に係る食肉類似品の製造プロセスは、ミート生地の原材料を混合するステップと、調製されたミート生地を、例えば投入ポンプなどの手段によって加熱ユニットに供給するステップとをさらに含むことができる。このプロセスは、好ましくは、最低でも約7~8バール(700~800kPa)の圧力下において閉鎖系で行われる。これにより、湿り気のあるミートエマルションを約170℃まで加熱する際に蒸気が発生するのを回避することができる。このプロセス中に蒸気が発生すると、質感の形成に悪影響を及ぼす恐れがある。したがって、重要なプロセスである加熱ユニットにおける加熱プロセスと冷却ユニットにおける冷却プロセスとは、それぞれポンプ、例えば回転ローブポンプによって、投入部から切り離されている。また、本装置は、加熱ユニットと冷却ユニットとの間に、加熱処理されたミート生地を冷却ユニットに搬送することをさらに支援するプロセスポンプをさらに備えることができる。これにより、内圧の管理と加工中の粘度上昇の管理とを確実に行うことができる。各ポンプは、加熱処理されたミート生地を、生地の固体化が起きる冷却ユニットを通過させて搬送するために必要な高い圧力を、必要に応じて、確実に供給することができる。短いライン停止後にラインをうまく起動させるためには、これらのポンプを使用することが好ましい。
a)加熱ステップ
加熱ステップ(a)では、単独の連続した加熱ユニットでタンパク質の融点より高い温度までミート生地を加熱することができる。また、加熱ステップをいくつかの部分に分け、複数のモジュールを使用して行う場合には、最適なプロファイルが得られるように、各部分の加熱ステップに所望の電力が分配されるように各モジュールの調整を行うことができる。加熱ユニットは、好適には、投入温度と搬出温度、さらには加熱ユニット内の温度(すなわち個々の部分やモジュールにおける温度)を常時監視する温度制御システムを備えることができる。さらに、流量をモニターすることもでき、ミート生地の比熱を測定して、システムに必要な電力を計算することもできる。
オーム加熱ステップ:オーム加熱ユニットの設計は、ミート生地に接触する電極からなる場合があり、これにより、様々な電圧と電流の組み合わせでミート生地に電気を流すことができる。オーム加熱ユニットの設計においては、電気を発生させるための電源(発電機)が必要となる。電源に接続された電極は、電流を通すためにミート生地に物理的に接触させる必要がある。
本明細書において、「オーム加熱により動作可能(operable by Ohmic heating)」と
いう用語は、加熱ユニットにオーム加熱を行うことができる装置が設けられているという
意味で理解すべきものである。例えば、十分な電気(電流密度)を発生させる発電機が設けられ、電極と接続されていることを指す。さらに、ミート生地と電極とが物理的に接触していることも意味している。また、「オーム加熱により動作可能」という用語を、処理ステップを説明するために使用する場合には、本用語は、好適には、「オーム加熱により動作する(operated by Ohmic heating)」又は「オーム抵抗を有する(comprising an Ohmic)」ことを意味すると見なすことができる。
加熱ステップにおいて、ミート生地全体への均一な電力の印加を容易に行うためには、ミート生地ができるだけ均質であることが有利である。ミート生地に印加する電流の密度は、所要の効果を得るために必要に応じて調整することができる。一実施形態では、加熱ユニットに印加する電流密度は、電極表面積1平方メートルあたり約100~約5000アンペア(100~5000A/m)とすることができ、好適には、約100~約4000、約100~約3000、約100~約2000、約100~約1000、約100~約900、約100~約800、約200~約5000、約200~約4000、約200~約3000、約200~約2000、約200~約1000、約200~約900、約200~約800、約300~約5000、約300~約4000、約300~約4000、約300~約3000、約300~約2000、約300~約1000、約300~約900、約300~約800、約400~約5000、約400~約4000、約400~約3000、約400~約2000、約400~約1000、約400~約900、約400~約800、約500~約5000、約500~約4000、約500~約3000、約500~約2000、約500~約1000、約500~約900、約500~約800、約600~約5000、約600~約4000、約600~約4000、約600~約3000、約600~約2000、約600~約1000、約600~約900、約600~約800とすることができる。これらの電流密度範囲であれば、安全にミート生地を加熱できることが確認されており、電極の汚損などの不具合も確認されていない。上記の電流密度は、(任意選択的に、部分やモジュールを含む)加熱ユニット全体の電流密度を測定した場合の平均電流密度を規定するものである。加熱ステップ(a)では、単独の連続した加熱ユニットでタンパク質の融点より高い温度までミート生地を加熱することができる。また、加熱ステップをいくつかの部分に分け、複数のモジュールを使用して行う場合には、最適なプロファイルが得られるように、各部分の加熱ステップに所望の電力が分配されるように各モジュールの調整を行うことができる。加熱ユニットは、投入温度と搬出温度、さらには加熱ユニット内の温度(すなわち個々の部分やモジュールにおける温度)を常時監視する温度制御システムを備えることができる。さらに、流量をモニターすることもでき、ミート生地の比熱を測定して、システムに必要な電力を計算することもできる。
本明細書において、「食肉類似品(meat analogue)」という用語は、食肉の代替物と
してペットフード又は動物の餌に使用するのに適した食肉代替品を指し、好適には「チャンク(chunk)」とすることができる。食肉類似品は、調理済の食肉と同様の感覚的特性
を有することができる。食肉類似品は、ペットフード製品やヒトの食品に配合することができる。特に、あらゆる種類のウェットタイプのペットフード製品に配合するのに適しており、例えば、パテ(pate)、ローフ(loaf)、ソースに入れたチャンク(chunk in sauce)形式の製品に配合することができる。とりわけ、「ソースに入れたチャンク」製品、例えば「チャンク及び肉汁ソース(chunk and gravy)」製品、「チャンク及びゼリー(chunk and jelly)」製品又は「チャンク及びムース(chunk and mousse)」製品に配合するのに適している。食肉類似品は、通常、最長寸法に沿った長さが約13mm~約20mmである。食肉類似品は、好適には、約45~約65%の水分、好ましくは約50%~約61%の水分、約25%~約36%のタンパク質、約4%~約13%の脂肪、及び約1%~約3%の灰分の栄養組成を有することができる。
本発明において、「ミート生地(meat batter)」とは、食肉を含む生地と、食肉以外
のタンパク質を原材料とする食肉を含まない生地の両方を含むものである。本明細書において、「食肉類似品」という用語は、食肉の代替物としてペットフード又は動物の餌に使用するのに適した食肉代替品を指し、好適には「チャンク」とすることができる。食肉類似品は、調理済の食肉と同様の感覚的特性を有することができる。食肉類似品は、ペットフード製品やヒトの食品に配合することができる。特に、あらゆる種類のウェットタイプのペットフード製品に配合するのに適しており、例えば、パテ、ローフ、「ソースに入れたチャンク」形式の製品に配合することができる。とりわけ、「ソースに入れたチャンク」製品、例えば「チャンク及び肉汁ソース」製品、「チャンク及びゼリー」製品又は「チャンク及びムース」製品に配合するのに適している。食肉類似品は、通常、最長寸法に沿った長さが約13mm~約20mmである。食肉類似品は、好適には、約45~約65%の水分、好ましくは約50%~約61%の水分、約25%~約36%のタンパク質、約4%~約13%の脂肪、及び約1%~約3%の灰分の栄養組成を有することができる。
本明細書において、「ミート生地」という用語は、水分や食肉又は食肉製品副産物などの原材料に由来する他の物質の濃厚混合物を指す。ミート生地は、マヨネーズや牛乳のようなエマルションではなく、水、可溶化食肉タンパク質、細胞成分などの成分からなる複合相に脂肪の粒子や気泡が分散したものであり、ミートエマルション(meat emulsion)
やミートスラリー(meat slurry)と呼ばれる場合もある。これらの用語は当技術分野で
十分に理解された用語であり、同義的に用いられている。ミート生地は、通常、可溶性タンパク質、可溶性の筋肉構成要素、筋線維片、結合組織線維、骨などを含有する水媒体である連続相を含む。また、任意選択的に、タンパク質、デンプン、繊維、ミネラル及びこれらの任意の組み合わせなどの植物由来材料をさらに含有する。ミート生地(ミートエマルション、ミートスラリー)は、当技術分野で一般的なさらなる添加物を含有することもできる。ミート生地は、公知の方法で得られ、例えば、動物の骨格筋から得た冷凍食肉を断片化して食肉片を生成し、これに水、1種以上の結合剤、及び任意選択的に他の原材料を配合することによって得ることができる。冷凍食肉を適切に刻み、砕き、挽いて、ミート生地(ミートスラリー、ミートエマルション)を製造する。通常、挽きミートスラリーは、回転要素と静止要素とを含むシステム(例えば、ダイスプレートに回転ナイフを設けたシステム)によって細砕され、特性直径を有する穴を最後に通過する。種々の実施形態においては、この穴の最大径は、約0.5mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、及び/又は約10mmである。好適には、これにより得たよりきめの細かい挽きミートエマルションをミキサーに移し、任意選択的に、水や、乾燥原材料(例えば、植物由来のタンパク質粉末)、液体原材料(例えば、着色料)を添加して、ミート生地を得ることができる。
本明細書において、「タンパク質(protein)」という用語は、1種以上の原材料によ
って好適に得られる1種以上のタンパク質を指す。タンパク質は、好適には、動物性タンパク質、植物性タンパク質、又はそれらの任意の組み合わせとすることができる。動物性タンパク質は、任意の動物由来のタンパク質(脊椎動物や無脊椎動物のタンパク質を含む)を含み、例えば、哺乳類、家禽類、魚類、昆虫類に由来するタンパク質を含む。好適な動物性タンパク質の例としては、鶏、七面鳥、牛、羊、豚、鹿肉、水牛、鴨、カンガルー、貝類、甲殻類、鮭、マグロ、白身魚などに由来するタンパク質が挙げられる。好適には、筋肉(muscle meat)、臓器、腱、骨などに由来するタンパク質とすることができる。
さらに好適な動物性タンパク質として、乳又は卵由来のタンパク質が挙げられる。一方、好適な植物性タンパク質としては、小麦グルテン、分離大豆タンパク質、トウモロコシ、エンドウ豆、米、ピーナッツ、麻、綿実、ルピナス、ジャガイモなどや、それらの混合物に由来するタンパク質が挙げられる。また、細菌、菌類、酵母、藻類を原材料としたタンパク質も使用することができる。タンパク質は、任意の適切な形態のものとすることができ、例えば、単離又は部分的に単離したタンパク質、濃縮タンパク質、粉砕したタンパク
質などであってよい。一実施形態では、食肉類似品は、完全菜食主義に基づくものとすることができる。
いくつかの実施形態では、第1の部分において、ミート生地を約90℃~約120℃、約100℃~約120℃、約90℃~約115℃、約100℃~約115℃、約90℃~約110℃、又は約100℃~約110℃の温度まで加熱する。さらなる実施形態では、第2の部分において、この加熱処理品を約140℃~約170℃、約145℃~約170℃、約150℃~約170℃、約155℃~約170℃、約160℃~約170℃、約140℃~約165℃、約145℃~約165℃、約150℃~約165℃、155℃~約165℃、又は約160℃~約165℃の温度まで加熱する。
また、加熱ユニットの第1の部分におけるミート生地の滞留時間は180秒未満とすることができ、加熱ユニットの第2の部分におけるミート生地の滞留時間は110秒未満とすることができる。第1の部分では、ミート生地をタンパク質の変性温度より高い温度まで加熱し、第2の部分では、ミート生地をタンパク質の融点より高い温度まで加熱することができる。第1の部分の後に温度均一化用の保持管を設けることもできる。また、第2の部分の後に第2の保持管を設け、ここでも加熱処理品内の温度均一化をさらに高めることができる。加熱ステップを第1の部分における加熱ステップと第2の部分における加熱ステップという2つの異なる加熱ステップに分けることにより、プロセスの信頼性を向上させることができる。第1の部分と第2の部分におけるモジュールの数は、同一であっても異なっていてもよい。
いくつかの実施形態では、加熱ユニット内の圧力、第1の部分内の圧力、及び第2の部分内の圧力は、それぞれの局所温度における水蒸気圧を上回っている。加熱ユニット内の圧力は、800~約4000kPaの範囲内とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の部分の圧力と第2の部分の圧力は実質的に等しく、好ましくは、約800~約2000kPa、約800~約1800kPa、約1000~約1800kPa、約1000~約1500kPa、より好ましくは、約1000kPa~約1250kPaの範囲である。これは、効率的なエネルギー伝達を可能とする圧力範囲である。加熱処理品は、好適には、加熱処理品の中心部温度が約40℃~約100℃、約40℃~約70℃、約50℃~約80℃、約50℃~約70℃にある状態で、複数のピースに分割することができる。
本発明のプロセスで使用するミート生地は、通常、変性温度と融点が異なるタンパク質の混合物からなる。好ましくは、ミート生地中のタンパク質の総量を基準として、少なくとも35質量%、40質量%、50質量%、60質量%、70質量%、80質量%、又は90質量%のタンパク質が溶融する。最も好ましくは、実質的に全てのタンパク質が溶融する。一実施形態では、溶融していない他のタンパク質、繊維、骨の粒子などを担持することができる凝集性と連続性を備えた外相が加熱処理品に形成されるのに十分なタンパク質の溶融が起こりさえすればよい。
本明細書において、タンパク質に関して用いられる「変性(denaturation)」という用語は、タンパク質が変性によりその3次元構造を失うことを意味する。変性したタンパク質は、溶解性の低下からタンパク質の凝集まで、様々な特性を示す場合がある。当業者であれば、変性タンパク質について何を理解すべきかを十分に承知している。また、本明細書において、あるタンパク質の融点は、選択した圧力で固体から液体へとそのタンパク質の状態が変化する温度である。タンパク質の変性温度は、当技術分野で十分に公知の方法、例えば、ゴム加工性解析装置(rubber process analyzer)を用いて測定することがで
きる。ゴム加工性解析装置としては、TA Instruments社(独ヴェッツラー
)のRPA Eliteモデルの分析器を使用することができ、これにより、温度スイー
プ分析によりタンパク質の溶融範囲を求めてタンパク質/水分サンプルの粘弾性特性を測定する。タンパク質の溶融範囲としては、レオロジー測定値を用いることができ、タンパク質の変性(アンフォールディング)によって粘度が上昇してから、粘度が低下して固体の懸濁液から均一な液相への変化が観察されるまでの温度範囲のことをいう。また、タンパク質の融点は、当技術分野で十分に公知の方法、例えば、示差走査熱量測定(differential scanning calorimetry:DSC)法又はレオロジー法によって測定することができ
る。レオロジー法の場合、100℃超の温度において蒸気を発生させないため、密閉・加圧したセル内で粘度測定を行うことができる。適切なレオメータは、測定ボブB-CC25/PR/Tiを装着した磁気結合の加圧セルCC25/PR150/SSを備えるAnton Paar社のレオメータMCR301であり、これにより、一定のせん断速度で
温度スイープを行う。また、個々のタンパク質についての変性温度や融点のデータは、科学文献からも入手することができる。
b)冷却ステップ
加熱処理品は、好適には、ステップ(b)で材料が冷却されることにより層及び/又は配向が形成されたものとなる。溶融した材料が固化すると、層状の繊維質の食肉類似品構造が形成される。ステップ(b)及び/又はステップ(c)は、任意選択的に約800~4000kPaの圧力下で行われ、タンパク質が段階的に固化して層をなすことにより、繊維質構造を形成する。このように、冷却ステップでタンパク質の凝集体は融液から固相に変化する。
換言すれば、溶融したタンパク質を制御した状態で流動させながら固化して、タンパク質を凝結(setting)させる。冷却を適切に制御することにより、その直接的結果として
食肉に似た繊維が形成される。上述したように、タンパク質の融点より高い温度まで加熱した加熱処理品においては、そのタンパク質(又はタンパク質混合物)の少なくとも一部が溶融した状態となる。タンパク質は、一旦溶融させた状態にしてから冷却すると、革のような性質を持つ、丈夫で弾力性のある塊に固化する。この塊は再溶融しにくく、簡単に機械圧送することができない。そのため、一旦溶融したタンパク質は、冷却ユニットにおいて絶えず動かしながら冷却したうえで、固化した材料を冷却ユニットから連続的に排出できることが重要である。
加熱処理品は、例えば140℃~約170℃で加熱ユニットを出て、冷却ユニットにおいて(例えば、水冷式の管状の冷却ゾーンで)水沸点より低い温度まで冷却される。また、長方形の冷却ダイス設計を用いることもできる。加熱処理品は冷却ユニット内を(例えば、低温表面に沿って)移送され、融液の固化に伴い(製品の温度が融点を下回ると)、層状の繊維質構造体に成形される。これは、圧力下で動かしながら行われ、タンパク質が段階的に固化して層をなすことにより、繊維質構造を形成する。
c)分割ステップ
本明細書において、「分割(dividing)」という用語は、加熱処理品を細砕する任意の処理を指し、例えば、切断(cutting)、剥ぎ(ripping)、引裂き(tearing)、圧搾(squeezing)、ハンマーミルによる細砕などを指す。この処理は、好適には、格子状又は回転式の切断デバイスを用いて行う。分割は1段階で行っても多段階で行ってもよく、例えば、グリッドカッターで1回目の切断を行い、次にロータリーカッターで2回目の切断を行うことができる。これにより得られる食肉類似品は、例えば立方体や円筒形などの本質的に規則的な形状、又は不規則(不整形)、無秩序又は本質的に無秩序な形状を有している。任意選択的に、得られた食肉類似品を、目視検査用の検査ステーションに送って、(例えば、デジタルカメラと適切な画像認識ソフトウェアとを使用した)手動又は自動の品質管理を支援することができる。
d)引裂きステップ
引裂きステップは、分割ステップで生成したピース又はチャンクの内部質感を見えやすくするため、及び、特に、食肉類似品の製造に使用する材料(すなわち、ミート生地)が繊維を含む場合には、内部の繊維質感を露出させるためのステップである。
引裂く動作は、ピース又はチャンクを、2つの逆回転ロールの間の隙間(すなわちロールニップ)に通過させることによって行われる。逆回転ロールは、少なくとも一方のロールに突起(特に、尖った突起)が設けられ、好ましくは、両方のロールに尖った突起が設けられている。例えば、各突起は、正方形の底面と、4つの三角形の側面とを有する錐体状の形状を有することができる。ロールは好ましくは円筒形であり、同一の直径を有することができ、例えば、150mm~300mmの直径とすることができる。両ロールは同一のロールとすることができる。特定的には、本発明の装置の引裂きユニットは、本発明の引裂き装置を備えることができる。
従来は、引裂きステップをハンマーミルを使用して行っていたが、その場合、微粒子(「微粉末(fines)」)、すなわち5×5mmより細かい粒子が比較的高い割合で生成さ
れてしまっていた。
本発明の装置、特に引裂きユニットによれば、ハンマーミルと比べて、微粉末の割合が著しく低減し、ピースの内部質感が見えやすくなる。これは、とりわけ、ハンマーミルにおける激しい処理、特にピースの速度の高さと硬い表面への衝突によって説明することができる。また、ロールニップを通過する際に、微粒子の少なくとも一部がピースに再結合されるとも考えられる。
以下、実施形態及び以下の図面を参照しながら本発明を説明する。
本発明のプロセスを概略的に示す図 本発明に係る引裂きユニットを示す図 図2に示す引裂きデバイスに使用されるロールを示す図 図2に示す引裂きデバイスに使用されるロールを示す図 図2に示す引裂きデバイスに使用されるロールを示す図 実施例及び比較例5~8に従って調製した食肉類似品の給餌試験結果を示す図 実施例及び比較例5~8に従って調製した食肉類似品の給餌試験結果を示す図 本発明の特別な実施形態に係る食肉類似品の製造プロセスを示すフロー図 本発明の特別な実施形態に係る装置の冷却ユニットを示す側面図 図8の冷却ユニットを示す正面図 図8の冷却ユニットを示す断面図 図8の冷却ユニットに含まれる冷却管の左端部における冷却ユニットの細部を示す図 図8の冷却ユニットの冷却管のさらに右側の細部を示す図 冷却管の右端部における図8の冷却ユニットの細部を示す図
図1は、本発明に係る食肉類似品の製造プロセスの一実施形態の概要を示す図である。混合ステップでは、特定の食肉類似品用のミート生地を調製するために使用される原材料を混合する。そのような原材料としては、例えば、小麦グルテン、(ミート)エマルショ
ン及び水が挙げられ、様々な乾燥原材料も含まれる。この材料を、圧送により搬送、加圧する。回転ローブポンプで、混合プロセスと高圧加熱処理ステップとを分けることができる。加熱ステップでは、タンパク質の溶融が起こる。約160℃~170℃までの温度において蒸気の発生を避けるため、圧力は7バール(700kPa)を上回ることが好ましい。
そして、さらなる圧送ステップで、加熱した材料をさらに搬送、加圧(例えば、8バール(800kPa)より高い圧力で加圧)し、冷却ユニットに送る。冷却ユニットでは、加熱処理を施した材料に質感を形成(texturize)し、固化する。材料を100℃以下に
冷却し、切断などによって複数のピースに分割する。
最終の引裂きステップでは、この複数の材料ピース又は材料チャンクを引裂きユニットで引き裂く。本ステップは、内部の(繊維状の)質感をはっきりと見せるためや、個々のピースの不整形度を高めるため、すなわち、各ピースが、立方体や円筒形の要素などの規則的な幾何学的構造を持たないようにするために行われる。
図2は、引裂きユニット1の例示的な実施形態を示す図である。図2では、回転可能な一対のロール2、4を示すため、引裂きを行うピースを投入するためのホッパー20を折り畳んだ状態を示している。第1のロール2は、第1の電動モーター6により時計回りに回転駆動され、第2のロール4は、第2の電動モーター8により反時計回りに回転駆動される。
図3~図5は、一対のロール2、4の更なる詳細図である。
ロール2、4の回転軸10、12は互いに平行であり、互いから距離dの位置に配置されている。距離dは、詳細には図示していない機構によって調整可能とされる。距離dは、最小距離より少なくとも0.1mm、0.2mm、0.5mm、又は1mm大きい距離である。最小距離とは、両ロールが互いに接触する距離、すなわちそれ以上互いに向かって移動できない距離であり、ロールニップ14の幅Wが最小(特に、ゼロ)である距離である。好ましくは、距離dは、最小距離よりも0.2mm大きい距離であり、このときロールニップ14の隙間すなわち幅Wは0.2mmとなる。
両ロール2、4は、その外表面に配置された複数の突起16を備えている。各突起16は、正方形の底面と、尖った先端部18に収束する4つの三角形の側面とを有する錐体状の形状を有している。突起16は、回転軸に平行な複数の列と、列方向に垂直な複数の周方向線、すなわち複数の円と、に沿って配置されている。
ローラ2、4は、一方のロールの複数の突起16からなる各周方向線すなわち円が、軸方向において、反対側のロールの複数の突起からなる隣接する2本の周方向線の間に位置するように配置され、これにより、回転時には、突起が噛合(meshing/interlocking)
しながら回転する(図4)。
本明細書においては、「ローラ(roller)」と「ロール(roll)」という用語を同義的に用いている。ローラは、同一の速度で回転するように制御することができ、異なる速度で回転するように制御することもできる。好ましくは、ローラは異なる速度で回転する。両ロールの毎分回転数の比率は、少なくとも0.01とすることができ、例えば、少なくとも0.03、0.1、0.5、0.7、0.8、0.9、0.95、0.98、0.99であってよく、これにより圧縮と引裂きの複合効果(せん断力の生成)を生み出すことができる。好適には、両ロールの毎分回転数の比率は、約1:1~約1:91、約1:1~約1:75、約1:1~約1:50、約1:1~約1:25、約1:1~約1:10、
約1:1~約1:9、約1:1~約1:8、約1:1~約1:7、約1:1~約1:6、約1:1~約1:5、約1:1~約1:4、約1:1~約1:3、約1:1~約1:2、約1:1~約1:1.5である。好適な比率は、約1:10、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、及び1:90である。ローラが異なる速度で動作するプロセスでは、ローラが上記の比率で動作することが好ましい。また、異なる速度で動作するように設定できるローラを含む装置の場合にも、好ましくは、上記の比率で動作するようにローラを設定することができる。
図7は、本発明の特別な実施形態に係る食肉類似品の製造プロセスを示すフロー図である。このプロセスは、左から右の順に行われるいくつかのステップを含む。これらのステップの数や順序は、遂行する業務に応じて変更することができる。この特別な実施形態によれば、このプロセスは、粉末や流体などのレシピ原材料を混合するステップを含む。その後、混合したレシピ原材料を圧送により搬送、加圧する。次に、加熱によりタンパク質を溶融する。そして、この高温の製品融液を圧送により搬送、加圧する。その後、高温の製品融液を冷却して、質感形成と固化を行う。次に、冷却済の加熱処理品を切断によって複数のピースに分割する。そして、内部の繊維質感を見せたり、見えやすくしたりするためや、個々のピースの不整形度を高めるため、これらのピースを引き裂く。
図8~図11は、本発明の特別な実施形態に係る食肉類似品の製造装置の冷却ユニットを示す各種図である。本装置は、(例えばオーム加熱によって)タンパク質を含むミート生地を加熱するように動作可能な加熱ユニット(図示せず)と、加熱ユニットの下流に位置する冷却ユニット30であって、加熱ユニットから得た加熱処理品を、冷却ユニット30から出るときの加熱処理品の温度が常圧で水沸点より低い温度となるまで冷却するように動作可能な冷却ユニット30と、冷却ユニットの下流に位置する分割ユニット(図示せず)であって、冷却ユニット30から得た冷却済みの加熱処理品を複数のピースに分割するのに適した分割ユニットと、を含む。
冷却ユニット30は、フレーム32と、フレーム32に支持される冷却管34と、を含む。図11に詳細に示すように、冷却管34の入口端38には、供給ホッパー36が設けられている。プロセスポンプ(図示せず)と供給ホッパー36とによって、高温の製品融液が冷却管34内に搬送される。図11及び図12から分かるように、冷却管34は二重壁管である。2つの壁によって、冷却液(例えば水)用の環状断面領域が形成され、これにより、高温の製品融液に対して外部ジャケット冷却を行う。また、冷却管34の中心を長さ方向に延びる冷却ランス40によって、高温の製品融液の中心部も冷却する。本実施形態では、冷却ランス40は、冷却管34の長さ全体には延在していない。冷却ランス40(図13も参照)は、少なくとも1つのマウント(支持部)41によって、冷却管34内に冷却管34と同心に取り付けられている。冷却管34は、複数の冷却液セグメントに分割され、各冷却液セグメントが冷却液入口50と冷却液出口52とを有している。
図11から詳細に分かるように、一実施形態では、冷却ランス40は、冷却液供給用と冷却液戻り用の2つの通路に長さ方向に分割されている。また例えば、図11では、冷却液供給通路43に流体接続する上部冷却液入口42と、冷却液戻り通路45に流体接続する下部冷却液出口44とが設けられている。図12から詳細に分かるように、冷却管34内の高温の製品融液の温度及び/又は圧力を測定するための少なくとも1つの温度及び/又は圧力センサ46を設けることもできる。さらに、図11及び図12からも分かるように、冷却に関与するジャケット面積を拡大することによって冷却を強化するために、冷却液を螺旋状に案内するための螺旋状ガイド要素48が冷却管34の2つの壁の間に設けられている。冷却管34による外部ジャケット冷却用の冷却液及び/又は冷却ランス用の冷却液は、それぞれの冷却液ループを流れることができる。
図8~図12に示す実施形態において、フレーム32が、冷却ユニット30全体を移動するための車輪34をさらに備えている点では図7~図13に示す実施形態と同様だが、フレームは3つのサブフレーム36に分割されている。図11から特に分かるように、冷却管34は、複数の冷却管セグメント35に分割されている。これらの冷却管セグメント35は、保持プレート38を介して一体的に保持されている。特に図10及び図12から分かるように、冷却ランス40は、図7~図13に示す実施形態の冷却ランスとは異なる方法で構成されている。特に、冷却液供給通路43と冷却液戻り通路45は、パイプインパイプ(pipe-in-pipe)方式の組み立てにより実現されている。
特別な実施形態では、プロセスポンプは250kg/hの流量で冷却管への供給を行う。好ましくは、冷却管に沿って均一な冷却勾配を維持し、冷却管全体で一貫した制限をかけて、これにより冷却液の圧力や流れが選択的となる状態を避ける。これは、冷却パラメータ(冷却ユニットの部分ごとの冷却水の流量及び温度)を指定し、専用の冷却管を設計することによって実現することができる。さらなる特別な実施形態では、プロセスポンプは、加熱プロセスの出口での圧力に基づいて、制御ループ(PID)により加熱ユニットのシステム圧力を制御する。冷却時に蒸気が発生しないように圧力を管理することは、製品の質感形成において重要である。好ましくは、冷却管は、製品融液を製品の融点未満かつ100℃未満の温度に冷却して製品融液を一定の状態に保つことにより、冷却管内において選択的な製品融液の流れが生じるのを避けることができるとともに、設計出口温度未満に製品を冷却して、製品チャンクの品質に影響を与えてしまう製品の膨張を起こさないようにできるだけの十分な冷却性能を発揮できるように設計されている。
なお、大量の冷却水を使用するため、冷却水を再利用(例えば、レトルト処理用の水と共に循環させるなど)し、無駄にしないことが推奨される。好ましくは、冷却管は、外部ジャケット冷却用の少なくとも1つの冷却水ループからの供給を受ける。好ましくは、(1つ以上の)プロセスポンプの処理圧力は、7バール(700kPa)超であり、8バール~40バール(800kPa~4MPa)(最大値)である。それぞれの目標温度を達成するために、これに対応する最小圧力要件が設定されている。また、好ましくは、冷却管の入口圧力は40バール(4MPa)未満である。冷却管の入口圧力は、原則として、プロセスポンプの設定値以上である必要があり、流量の均一性に影響するものである。好ましくは、冷却管入口における高温の製品融液の粘度は、10~15Pas(例えば、160℃での融液の粘度が12Pas)であり、冷却管出口における製品の粘度は、100℃未満の温度で、50Pas超、又は150Pas超、又は1000Pas超、又は5000Pas超、又は100000Pas超である。例えば、冷却管出口では材料がほぼ固体となっている場合がある。好ましくは、高温の製品融液の移動速度は、2.95m/秒~3.25m/秒の範囲であり、より好ましくは3m/秒である。一例として、冷却管入口における高温の製品融液の温度は、150℃~170℃の範囲内であり、例えば157℃である。
冷却管の管外径は、好適には、約40~70mm、約40~65mm、約40~60mm、約40~55mm、約40~50mm、約40~45mm、約45~70mm、約45~65mm、約45~60mm、約45~55mm、約45~50mm、約50~70mm、約50~65mm、約50~60mm、約50~55mmである。冷却管の管内径は、好適には、約100mm未満、約90mm未満、約80mm未満、又は約70mm未満であり、例えば好適には、約60mm、約55mm、約55mm、約50mm、約45mm、約40mm、約35mm、又は約30mmであり、例えば、約35~60mm、約35~55mm、約35~40mm、約40~60mm、約40~55mm、約40~50mm、約40~45mm、約44~60mm、約45~55mm、約45~50mm、約50~60mm、約50~55mmである。
冷却管の長さは、好適には、約2~10m、約3~9m、約4~8m、又は約5~7mであり、例えば、約3m、約4m、約5m、約6m、約7m、又は約8mである。冷却ランスの直径は、好適には、10~30mm、10~25mm、10~20mm、15~30mm、25~25mm、15~20mmであり、例えば、約15mm、約20mm、又は約25mmである。冷却ランスの長さは、好適には、約2~4m、約2.5~4m、約3~4m、約3.5~4m、約2~3.5m、約2.5~3.5m、約3~3.5m、約3~4m、約3.5~4mであり、例えば、約2.5m、約2.6m、約2.7m、約2.8m、約2.9m、約3m、約3.1m、約3.2m、約3.3m、約3.4m、又は約3.5mであり、好ましくは約3.1mである。
プロセス(すなわち融液)ポンプ、好ましくはローブポンプ、は、融液の固体化が起きる冷却管を通過させて融液を搬送するために必要な高い圧力を確実に供給する。特に、短いライン停止後にラインをうまく起動させるためには、これらのポンプは欠かせない。
本発明を以下の実施例によってさらに説明する。なお、下記の実施例は限定を意図するものではない。
実施例1:ローラニップが約0.5mmとなるように配置したローラを有する引裂き装置
2つのローラを図3~図5に示すように配置した引裂き装置を製作した。互いに平行なロール2、4の回転軸10、12を、互いに接触するとともにローラニップが約0.5mmとなるように調整可能に配置した。ローラ2、4は、各ローラの外表面に配置された複数の突起16を有しており、各突起16は、正方形の底面と、尖った先端部18に収束する4つの三角形の側面とを有する錐体状の形状を有するものであった。突起16は、回転軸に平行な複数の列と、列方向に垂直な複数の周方向線、すなわち複数の円と、に沿って配置した。ローラ2、4は、図4に示すように、一方のロールの複数の突起16からなる各周方向線すなわち円が、軸方向において、反対側のロールの隣接する2本の(複数の突起からなる)周方向線の間に位置するように配置し、これにより、回転時には、突起が噛合しながら回転するようにした。ローラは異なる速度で回転するように設定した。両ロールの毎分回転数の比率は、約1:60に設定した。
実施例2:実施例1の引裂き装置を用いた改良型食肉類似品の調製プロセス
図1に示すプロセスにおいて実施例1の装置を使用して食肉類似品を調製した。この食肉類似品は、同様のプロセスにおいてハンマーミルを使用して調製した食肉類似品と比較して、目視による外観が改善されていた。本実施例において製造した食肉類似品の外観は、本物の食肉チャンクの外観に近いものであった。つまり、より非「人工的(synthetic
)」な外観を持つ食肉類似品が製造された。さらに、このプロセスにより製造した材料は、微粉末(非常に細かい食肉類似品の断片)を少ししか含んでいないため、製品の外観がさらに向上していた。また、微粉末の発生を低減したため、微粉末が装置に干渉してしまう可能性が低減し、プロセス自体も改良した。したがって、本プロセスは、従来から公知のプロセスよりも連続的に行うことが可能であり、より効率的に装置の洗浄を行うこともできる。
実施例3:ローラニップが約0.7mmとなるように配置したローラを有する引裂き装置
実施例1に記載したものと同様の引裂き装置を、隙間(すなわちロールニップ)が約0.7mmとなるように配置したローラを有するように製作した。
実施例4:実施例3の引裂き装置を用いた改良型食肉類似品の調製プロセス
実施例2に記載のプロセスを、実施例3の装置を用いて再度行った。その結果、本物の食肉に近い外観を持ち、含まれる微粉末の量がさらに低減された食肉類似品が調製された。従来から公知のハンマーミルを使用したプロセスよりも、製品、プロセスともにさらに改良された。
実施例5
(実質的に鶏肉を原材料とする)食肉及び動物由来物質90.8%と、水4.7%と、ビタミン、ミネラル、旨味剤(palatant)、着色料などのうち少なくとも1つ4.5%と(百分率はすべて、スラリーの全質量に基づく質量百分率)を含む、最終製品としての完全栄養キャットフード製造用の生地3部を、最小75%のタンパク質(バイタル小麦グルテン)を含む野菜タンパク質粉末1部と混合し、30.5%の粗タンパク質と、59%の水分と、4.5%の脂肪と(これら半固形混合物のすべての百分率は、半固形混合物の総質量に基づく質量百分率)を含有する単一の固形混合物を生成した。
実施例6
(実質的にマグロを原材料とする)食肉及び動物由来物質90.8%と、水4.7%と、ビタミン、ミネラル、旨味剤、着色料などのうち少なくとも1つ4.5%と(百分率はすべて、スラリーの全質量に基づく質量百分率)を含む、最終製品としての完全栄養キャットフード製造用の生地3部を、最小75%のタンパク質(バイタル小麦グルテン)を含む野菜タンパク質粉末1部と混合し、30.5%の粗タンパク質と、59%の水分と、4.5%の脂肪と(これら半固形混合物のすべての百分率は、半固形混合物の総質量に基づく質量百分率)を含有する単一の固形混合物を生成した。
実施例7
実施例5及び実施例6で得た混合物をそれぞれ、第1の容積式ポンプでオーム加熱ユニットに供給した。この加熱ユニットでは、最大電力20kWのモジュール5台を使用した。このオーム加熱ユニットにおいて、直径52mm、長さ105mmの電極間に、表面積が171.5cmとなるようにミート生地を移した。5台のモジュールの平均電流密度は、650A/mであった。加熱ユニット内の圧力は1200kPaであった。このオーム加熱ユニットから出る材料の出口温度は、158~160℃であった。次に、材料を第2の容積式ポンプで冷却エリアに送り、80℃未満まで温度を下げた。これにより得た固形材料を切断し、内部に繊維質を有する食肉類似品/魚類似品を製造した。
比較例8
実施例5及び6の混合物を、第1の容積式ポンプで1台の加熱ユニットに個別に供給した。加熱ユニットは、約17Lの容積と、1200kPaの製品圧力下で60m/mの表面積対体積率を有する1台の表面掻き取り式熱交換器(SSHE)を備えるものであった。SSHEユニットには166~168℃の温度の蒸気を連続的に供給し、200rpm~300rpmでシャフトを動作させた。この加熱ユニットから出る材料の出口温度は、158~160℃であった。次に、材料を第2の容積式ポンプで冷却エリアに送り、80℃未満まで温度を下げた。これにより得た固形材料を切断し、内部に繊維質を有する食肉類似品/魚類似品を製造した。
鶏肉レシピ及びマグロレシピの両方について、本発明に係るオーム加熱ユニットと従来技術に係る表面掻き取り式熱交換器とを用いて調製を行い、給餌試験を実施した。その結果をまとめたものを、図6A(鶏肉レシピ)と図6B(マグロレシピ)に示す。図6Aにおいて、「OH」はオーム加熱で調製したキャットフード、「SSHE」はSSHEで調製した製品を示す。図6Bにおいて、「OH」はオーム加熱で得たキャットフード、「SSHE」はSSHEで得たキャットフードを示す。図6A及び図6Bから読み取れるように、オーム加熱で調製した場合もSSHEで調製した場合も、両レシピでほぼ同等の結果
が得られた。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
タンパク質を含むミート生地を加熱ユニットに投入し、前記ミート生地を前記タンパク質の融点より高い温度まで加熱して加熱処理品を製造するステップであって、前記加熱ユニットは、任意選択的に前記ミート生地をオーム加熱で加熱するものである、ステップ(a)と、
前記加熱処理品を冷却ユニットに通過させることによって、前記冷却ユニットを出るときに前記加熱処理品が常圧で水沸点より低い温度となるまで冷却するステップ(b)と、
冷却済の前記加熱処理品を複数のピースに分割するステップ(c)と、
平行な回転軸(10、12)を有する一対の逆回転円筒形ロール(2、4)間のロールニップ(14)に前記ピースを通過させることによって前記ピースを引裂くステップであって、前記ロール(2、4)の少なくとも一方の外表面に複数の突起(16)が配置されている、任意選択的なステップ(d)と、
を含む食肉類似品の製造プロセス。
実施形態2
前記加熱ユニットが少なくとも2つの部分を備え、
前記部分が直列に接続され、各部分が少なくとも1つのモジュールを備え、
前記モジュールは、オーム加熱により動作可能に構成されている、実施形態1に記載のプロセス。
実施形態3
前記加熱ユニットが第1の部分と第2の部分の2つの部分を備え、
前記ミート生地を最初に投入する前記第1の部分が、1~10個のモジュールを備え、
前記第1の部分から前記ミート生地の移送を受ける前記第2の部分が、1~7個のモジュールを備え、
前記複数の部分において前記モジュールが直列に接続されている、実施形態1又は2に記載のプロセス。
実施形態4
該食肉類似品の製造プロセスで前記ミート生地に印加する全電力量の60~70%を前記第1の部分で印加し、
該食肉類似品の製造プロセスで前記ミート生地に印加する全電力量の30~40%を前記第2の部分で印加する、実施形態1~3のいずれか1項に記載の食肉類似品の製造プロセス。
実施形態5
ステップ(a)の加熱が電極を用いて行われ、前記電極は、前記加熱ユニット全体の平均電流密度として、電極表面積あたりの電流が100~5000A/m である電流密度を印加する、請求項1~4のいずれか1項に記載の食肉類似品の製造プロセス。
実施形態6

ステップ(b)が、前記加熱処理品を冷却ユニット(30)の冷却管(34)に通過させることにより、前記冷却ユニット(30)を出るときに前記加熱処理品が常圧で水沸点より低い温度となるまで、前記加熱処理品に対して外部冷却及び内部冷却を行うステップを含み、
前記内部冷却が、外部冷却管(34)と同心の内部冷却ランス(40)による冷却を含み、
前記外部冷却が、任意選択的に外部ジャケット冷却を含む、実施形態1~5のいずれか1項に記載のプロセス。
実施形態7
i)タンパク質を含むミート生地を加熱するように動作可能に構成された加熱ユニットと、
ii)前記加熱ユニットの下流側に配置され、前記加熱ユニットから得た前記加熱処理品を、前記冷却ユニットを出るときに常圧で水沸点より低い温度となるまで冷却するよう
に動作可能に構成された冷却ユニットと、
iii)前記冷却ユニットの下流側に配置され、前記冷却ユニットから得た冷却済の前記加熱処理品を複数のピースに分割するのに適した分割ユニットと、
任意選択的に、iv)前記ピースを引裂くための引裂きユニット(1)と、
前記加熱ユニット、前記冷却ユニット、前記分割ユニット、及び前記引裂きユニット(1)を制御する制御ユニットと、
を備える食肉類似品の製造装置であって、
前記引裂きユニット(1)は、互いから予め設定された距離(d)で配置した平行な回転軸(10、12)を有する一対の回転可能なロール(2、4)を備え、
前記距離(d)が、前記ロール(2、4)間のロールニップ(14)の幅(W)を規定し、
前記ロール(2、4)が、それぞれ、前記ロール(2、4)を逆回転に回転させるためのモータ(6、8)に連結され、
前記一対のロール(2、4)のうち第1のロール(2)の外表面に複数の突起(16)が配置されている、食肉類似品の製造装置。
実施形態8
前記突起(16)は、円柱、先の尖った円柱、円錐、円錐台、錐体又は錐台として形成され、各錐体又は錐台が3つ、4つ、5つ、6つ又はそれ以上の側面を有しており、
任意選択的に、前記突起は、前記回転軸(10、12)に平行な少なくとも1列、5列、10列、20列、40列若しくは50列に、及び/又は少なくとも1本、2本、3本、5本、10本、15本若しくは20本の周方向線に沿って配置され、
任意選択的に、前記突起(16)は、前記ロール(2、4)の外径の1%~30%の高さ、又は5%~10%の高さを有しており、
任意選択的に、前記突起(16)の円錐の半頂角又は錐体の半頂角は、60°未満、50°未満、45°未満、30°未満、20°未満、又は10°未満であり、
任意選択的に、前記一対のロール(2、4)のうち第2のロール(4)が、該ロール(4)の外表面に複数の突起(16)を備え、
任意選択的に、前記突起(16)が請求項12に記載のように形成及び配置されている、実施形態7に記載の装置。
実施形態9
前記ロールニップ(14)の前記幅(W)を調整するために前記回転軸(10、12)間の距離(d)を調整する手段を備える、実施形態7又は8に記載の装置。
実施形態10
各ロール(2、4)が別々のモータ(6、8)に駆動可能に接続されており、
各モータ(6、8)が前記ロール(2、4)を同一の速度又は異なる速度で回転させるように駆動可能に構成されている、実施形態7~9のいずれか1項に記載の装置。
実施形態11
前記冷却ユニット(30)が、前記冷却管(34)と同心の内部冷却用の冷却ランス(40)を備えており、
任意選択的に、前記冷却管(34)が円形の断面を有している、実施形態7~10のいずれか1項に記載の装置。
実施形態12
前記冷却管(34)が外部ジャケット冷却用の二重壁管であり、
前記二重壁管の外径が、任意選択的に、40~70mmの範囲であり、
前記二重壁管の内径が、任意選択的に、35~60mmの範囲であり、好ましくは約50mmである、実施形態7~11のいずれか1項に記載の装置。
実施形態13
前記冷却ランス(20)が前記冷却管(34)より短い、実施形態7~12のいずれか1項に記載の装置。
実施形態14
前記冷却ランス(40)が、
互いに流体連通する冷却液供給通路(43)及び冷却液戻り通路(45)と、
前記冷却液供給通路(23)と流体連通する冷却液入口(42)と、
前記冷却液戻り通路(25)と流体連通する冷却液出口(24)と、を備える、実施形態1~13のいずれか1項に記載の装置。
実施形態15
互いから予め設定された距離(d)で配置した平行な回転軸(10、12)を有する一対の回転可能なロール(2、4)を備える、食肉類似品のピースを引裂くための引裂き装置であって、
前記距離(d)が、前記ロール(2、4)間のロールニップ(14)の幅(W)を規定し、
前記ロール(2、4)が、それぞれ、前記ロール(2、4)を逆回転に回転させるためのモータ(6、8)に連結されており、
各ロール(2、4)の外表面に複数の突起(16)が配置され、
前記突起(16)は、円錐、円錐台、錐体又は錐台として形成され、
前記突起(16)は、前記回転軸(10、12)と平行な複数の列に、かつ複数の周方向線に沿って配置され、
前記ロール(2、4)は、一方のロール(2)の前記突起(16)からなる隣接する2本の前記周方向線の間に、反対側のロール(4)の前記突起(16)からなる前記周方向線が位置するように、軸方向に配置されている、引裂き装置。
実施形態16
実施形態1~6のいずれか1項に記載のプロセス及び/又は実施形態7~15のいずれか1項に記載の装置の、ペットフードの調製プロセスにおける使用。
1 引裂きユニット
2 第1のロール
4 第2のロール
6 第1の電動モーター
8 第2の電動モーター
10 (第1のロール2の)回転軸
12 (第2のロール4の)回転軸
14 ロールニップ
16 突起
18 先端部
20 ホッパー
30 冷却ユニット
32 フレーム
34 冷却管
35 冷却管セグメント
36 供給ホッパー
38 入口端
40 冷却ランス
41 マウント(支持部)
42 冷却液入口
43 冷却液供給通路
44 冷却液出口
45 冷却液戻り通路
46 温度/圧力センサ
48 ガイド要素
50 冷却液入口
52 冷却液出口
54 車輪
56 サブフレーム
58 保持プレート
d (回転軸10と回転軸12の間の)距離
W (ロールニップ14の)幅

Claims (16)

  1. タンパク質を含むミート生地を加熱ユニットに投入し、前記ミート生地を前記タンパク質の融点より高い温度まで加熱して加熱処理品を製造するステップであって、前記加熱ユニットは、任意選択的に前記ミート生地をオーム加熱で加熱するものである、ステップ(a)と、
    前記加熱処理品を冷却ユニットに通過させることによって、前記冷却ユニットを出るときに前記加熱処理品が常圧で水沸点より低い温度となるまで冷却するステップ(b)と、
    冷却済の前記加熱処理品を複数のピースに分割するステップ(c)と、
    平行な回転軸(10、12)を有する一対の逆回転円筒形ロール(2、4)間のロールニップ(14)に前記ピースを通過させることによって前記ピースを引裂くステップであって、前記ロール(2、4)の少なくとも一方の外表面に複数の突起(16)が配置されている、任意選択的なステップ(d)と、
    を含む食肉類似品の製造プロセス。
  2. 前記加熱ユニットが少なくとも2つの部分を備え、
    前記部分が直列に接続され、各部分が少なくとも1つのモジュールを備え、
    前記モジュールは、オーム加熱により動作可能に構成されている、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記加熱ユニットが第1の部分と第2の部分の2つの部分を備え、
    前記ミート生地を最初に投入する前記第1の部分が、1~10個のモジュールを備え、
    前記第1の部分から前記ミート生地の移送を受ける前記第2の部分が、1~7個のモジュールを備え、
    前記複数の部分において前記モジュールが直列に接続されている、請求項1又は2に記載のプロセス。
  4. 該食肉類似品の製造プロセスで前記ミート生地に印加する全電力量の60~70%を前記第1の部分で印加し、
    該食肉類似品の製造プロセスで前記ミート生地に印加する全電力量の30~40%を前記第2の部分で印加する、請求項1~3のいずれか1項に記載の食肉類似品の製造プロセス。
  5. ステップ(a)の加熱が電極を用いて行われ、前記電極は、前記加熱ユニット全体の平均電流密度として、電極表面積あたりの電流が100~5000A/mである電流密度を印加する、請求項1~4のいずれか1項に記載の食肉類似品の製造プロセス。
  6. ステップ(b)が、前記加熱処理品を冷却ユニット(30)の冷却管(34)に通過させることにより、前記冷却ユニット(30)を出るときに前記加熱処理品が常圧で水沸点より低い温度となるまで、前記加熱処理品に対して外部冷却及び内部冷却を行うステップを含み、
    前記内部冷却が、外部冷却管(34)と同心の内部冷却ランス(40)による冷却を含み、
    前記外部冷却が、任意選択的に外部ジャケット冷却を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. i)タンパク質を含むミート生地を加熱するように動作可能に構成された加熱ユニットと、
    ii)前記加熱ユニットの下流側に配置され、前記加熱ユニットから得た前記加熱処理品を、前記冷却ユニットを出るときに常圧で水沸点より低い温度となるまで冷却するように動作可能に構成された冷却ユニットと、
    iii)前記冷却ユニットの下流側に配置され、前記冷却ユニットから得た冷却済の前記加熱処理品を複数のピースに分割するのに適した分割ユニットと、
    任意選択的に、iv)前記ピースを引裂くための引裂きユニット(1)と、
    前記加熱ユニット、前記冷却ユニット、前記分割ユニット、及び前記引裂きユニット(1)を制御する制御ユニットと、
    を備える食肉類似品の製造装置であって、
    前記引裂きユニット(1)は、互いから予め設定された距離(d)で配置した平行な回転軸(10、12)を有する一対の回転可能なロール(2、4)を備え、
    前記距離(d)が、前記ロール(2、4)間のロールニップ(14)の幅(W)を規定し、
    前記ロール(2、4)が、それぞれ、前記ロール(2、4)を逆回転に回転させるためのモータ(6、8)に連結され、
    前記一対のロール(2、4)のうち第1のロール(2)の外表面に複数の突起(16)が配置されている、食肉類似品の製造装置。
  8. 前記突起(16)は、円柱、先の尖った円柱、円錐、円錐台、錐体又は錐台として形成され、各錐体又は錐台が3つ、4つ、5つ、6つ又はそれ以上の側面を有しており、
    任意選択的に、前記突起は、前記回転軸(10、12)に平行な少なくとも1列、5列、10列、20列、40列若しくは50列に、及び/又は少なくとも1本、2本、3本、5本、10本、15本若しくは20本の周方向線に沿って配置され、
    任意選択的に、前記突起(16)は、前記ロール(2、4)の外径の1%~30%の高さ、又は5%~10%の高さを有しており、
    任意選択的に、前記突起(16)の円錐の半頂角又は錐体の半頂角は、60°未満、50°未満、45°未満、30°未満、20°未満、又は10°未満であり、
    任意選択的に、前記一対のロール(2、4)のうち第2のロール(4)が、該ロール(4)の外表面に複数の突起(16)を備え、
    任意選択的に、前記突起(16)が請求項12に記載のように形成及び配置されている、請求項7に記載の装置。
  9. 前記ロールニップ(14)の前記幅(W)を調整するために前記回転軸(10、12)間の距離(d)を調整する手段を備える、請求項7又は8に記載の装置。
  10. 各ロール(2、4)が別々のモータ(6、8)に駆動可能に接続されており、
    各モータ(6、8)が前記ロール(2、4)を同一の速度又は異なる速度で回転させるように駆動可能に構成されている、請求項7~9のいずれか1項に記載の装置。
  11. 前記冷却ユニット(30)が、前記冷却管(34)と同心の内部冷却用の冷却ランス(40)を備えており、
    任意選択的に、前記冷却管(34)が円形の断面を有している、請求項7~10のいずれか1項に記載の装置。
  12. 前記冷却管(34)が外部ジャケット冷却用の二重壁管であり、
    前記二重壁管の外径が、任意選択的に、40~70mmの範囲であり、
    前記二重壁管の内径が、任意選択的に、35~60mmの範囲であり、好ましくは約50mmである、請求項7~11のいずれか1項に記載の装置。
  13. 前記冷却ランス(20)が前記冷却管(34)より短い、請求項7~12のいずれか1項に記載の装置。
  14. 前記冷却ランス(40)が、
    互いに流体連通する冷却液供給通路(43)及び冷却液戻り通路(45)と、
    前記冷却液供給通路(23)と流体連通する冷却液入口(42)と、
    前記冷却液戻り通路(25)と流体連通する冷却液出口(24)と、を備える、請求項1~13のいずれか1項に記載の装置。
  15. 互いから予め設定された距離(d)で配置した平行な回転軸(10、12)を有する一対の回転可能なロール(2、4)を備える、食肉類似品のピースを引裂くための引裂き装置であって、
    前記距離(d)が、前記ロール(2、4)間のロールニップ(14)の幅(W)を規定し、
    前記ロール(2、4)が、それぞれ、前記ロール(2、4)を逆回転に回転させるためのモータ(6、8)に連結されており、
    各ロール(2、4)の外表面に複数の突起(16)が配置され、
    前記突起(16)は、円錐、円錐台、錐体又は錐台として形成され、
    前記突起(16)は、前記回転軸(10、12)と平行な複数の列に、かつ複数の周方向線に沿って配置され、
    前記ロール(2、4)は、一方のロール(2)の前記突起(16)からなる隣接する2本の前記周方向線の間に、反対側のロール(4)の前記突起(16)からなる前記周方向線が位置するように、軸方向に配置されている、引裂き装置。
  16. 請求項1~6のいずれか1項に記載のプロセス及び/又は請求項7~15のいずれか1項に記載の装置の、ペットフードの調製プロセスにおける使用。
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