JP2023514610A - スクロール圧縮機 - Google Patents

Abstract

【課題】圧縮室から吐出される冷媒吐出量を増加させることができるスクロール圧縮機を提供する。【解決手段】本発明のスクロール圧縮機は、ハウジング、と、ハウジング内に備えられるモーター、モーターにより回転される回転軸、と、回転軸に連動されて旋回運動される旋回スクロール旋回スクロールと共に圧縮室を形成する固定スクロール、及び固定スクロールの一面上に配置されて圧縮室で圧縮された冷媒が吐出される固定スクロールの１つ以上の吐出口を開閉する吐出バルブを含み、吐出バルブは、固定スクロールの一面上に配置される吐出リードプレート、及び吐出リードプレートを囲み、固定スクロールの一面とハウジング間に配置されるガスケットリテーナー、を含んで構成される。【選択図】図２

Description

本発明は、スクロール圧縮機に関し、より詳細には、固定スクロールと旋回スクロールで冷媒を圧縮できるスクロール圧縮機に関する。

一般に、自動車には室内の冷暖房のための空調装置（Ａｉｒ Ｃｏｎｄｉｔｉｏｎｉｎｇ； Ａ／Ｃ）が設置される。空調装置は冷房システムの構成として蒸発器から引入された低温低圧の気相冷媒を高温高圧の気相冷媒に圧縮させて凝縮機に送る圧縮機を含んでいる。圧縮機にはピストンの往復運動によって冷媒を圧縮する往復式と、回転運動をしながら圧縮を遂行する回転式がある。往復式には駆動源の伝達方式によってクランクを使用して複数個のピストンに伝達するクランク式、斜板が設置されたシャフトに伝達する斜板式などがあり、回転式には回転するロータリー軸とベインを使用するベインロータリー式、旋回スクロールと固定スクロールを使用するスクロール式がある。スクロール圧縮機は、他種類の圧縮機に比べて相対的に高い圧縮比を得ることができ、冷媒の吸入、圧縮、吐出行程がスムーズにつながり安定したトルクを得られるため、空調装置で冷媒圧縮用として広く使われている。

図１は、従来のスクロール圧縮機の断面図である。図１に示すように、従来のスクロール圧縮機は、ハウジング（１００）、ハウジング（１００）内に備えられるモーター（２００）、モーター（２００）により回転される回転軸（３００）、回転軸（３００）に連動されて旋回運動される旋回スクロール（４００）、及び旋回スクロール（４００）と共に圧縮室（Ｃ）を形成する固定スクロール（５００）を含む。このような従来のスクロール圧縮機は、モーター（２００）に電源が印加されると回転軸（３００）がモーター（２００）の回転子と共に回転し、旋回スクロール（４００）が回転軸（３００）に連動されて旋回運動され、旋回スクロール（４００）の旋回運動により冷媒は圧縮室（Ｃ）に吸入されて圧縮され、圧縮室（Ｃ）から吐出される、一連の過程が繰り返される。

しかしながら、従来のスクロール圧縮機は、圧縮室（Ｃ）から吐出される冷媒吐出量が決まっており、圧縮機の性能及び効率の向上に限界があるという問題点があった。

本発明は、圧縮室から吐出される冷媒吐出量を増加させて圧縮機の性能及び効率を向上できるスクロール圧縮機を提供することを目的とする。本発明の課題は、これに制限されず、他の課題は下記の記載から理解されるであろう。

本発明によるスクロール圧縮機は、ハウジング、ハウジング内に備えられるモーター、モーターにより回転される回転軸、回転軸に連動されて旋回運動される旋回スクロール、旋回スクロールと共に圧縮室を形成する固定スクロール、及び固定スクロールの一面上に配置されて圧縮室で圧縮された冷媒が吐出される固定スクロールの１つ以上の吐出口を開閉する吐出バルブ、を含み、吐出バルブは、固定スクロールの一面上に配置される吐出リードプレート、及び吐出リードプレートを囲んで固定スクロールの一面とハウジング間に配置されるガスケットリテーナーを含むことを特徴とする。

本発明の一実施例によれば、吐出リードプレートには１つ以上の吐出口をそれぞれ開閉するための１つ以上のリード部が備えられる。

本発明の一実施例によれば、リード部は、吐出口の位置に対応して吐出口を開閉する頭部、及び頭部から一方向に延長される脚部、を含む。

本発明の一実施例によれば、頭部及び脚部は、吐出リードプレート上に切開部により形成される。

本発明の一実施例によれば、ガスケットリテーナーには、１つ以上のリード部のそれぞれに対応する位置に傾斜加工される１つ以上のリテーナー部が備えられる。

本発明の一実施例によれば、リテーナー部の傾斜は、リード部が最大で開くことのできる位置を制限する。

本発明の一実施例によれば、ハウジングは、回転軸が貫通するセンターハウジング、センターハウジングと共にモーターが収容されるモーター収容空間を形成するフロントハウジング、及びセンターハウジングと共に旋回スクロールと固定スクロールが収容されるスクロール収容空間（Ｓ２）を形成するリアハウジングを含み、吐出バルブとリアハウジングとの間には、ハウジングの外部から中間圧の冷媒を圧縮室に案内する注入流路を開閉するための注入バルブ組立体が備えられる。

本発明の一実施例によれば、固定スクロールは、固定スクロールの一面から圧縮室に冷媒を案内するための１つ以上の注入口を含み、吐出リードプレートには、１つ以上の注入口に対応して貫通形成される１つ以上の連通口が備えられる。

本発明の一実施例によれば、連通口の内径は、注入口の内径より大きいか、注入口の内径と同一に形成される。

本発明の一実施例によれば、ガスケットリテーナーには、１つ以上の注入口に対応して貫通形成される１つ以上の挿入口が備えられる。

本発明の一実施例によれば、リアハウジングは、センターハウジングと締結されて旋回スクロールと固定スクロールが収容されるスクロール収容空間を形成する第１環形壁、第１環形壁に収容されて圧縮室から吐出される冷媒を収容する吐出室を形成する第２環形壁、及び第２環形壁に収容されて注入バルブ組立体により覆蓋される第３環形壁、を含み、ガスケットリテーナーの外周部は固定スクロールと第２環形壁との間で圧搾されて固定される。

本発明の一実施例によれば、ガスケットリテーナーの内側は注入バルブ組立体により固定スクロール側に圧搾されて固定される。

本発明の一実施例によれば、注入バルブ組立体は、第３環形壁を覆蓋して、中間圧の冷媒が流入する流入口を有するカバープレート、カバープレートの吐出バルブ側一面に結合されて、流入口を通じて流入する冷媒が吐出バルブ側に流出する流出口を有するバルブプレート、及びカバープレートとバルブプレートとの間に介在され、流入口と流出口を選択的に連通させる注入バルブを含む。

本発明の一実施例によれば、バルブプレートは、バルブプレートの吐出バルブ側一面から吐出バルブ側に突出して内部に流出口が延長形成される突出部を含み、突出部の少なくとも一部は挿入口に挿入される。

本発明の一実施例によれば、突出部は、バルブプレートの吐出バルブ側一面から吐出バルブ側に突出する大径部、及び大径部から吐出バルブ側に突出して、大径部の外径より小さな外径を有する小径部、を含み、挿入口には小径部が挿入される。

本発明の一実施例によれば、小径部の軸方向長さは、挿入口の軸方向長さより短かいか、挿入口の軸方向長さと同一に形成される。

本発明の一実施例によれば、連通口は、流出口と注入口を連通させる。

本発明によれば、スクロール圧縮機の圧縮室（Ｃ）に吸入圧の冷媒だけではなく中間圧の冷媒が導入されることによって圧縮室から吐出される冷媒吐出量を増加させることができ、圧縮機の性能及び効率を向上させることができる。また、吐出バルブにおいて、リード部が吐出リードプレート上で何れの方向でも形成されるので、リード部の位置設計の自由度が高く、連通口と干渉されないようにすることが容易である。本発明の効果は前述した効果に限定されず、詳細な説明または特許請求範囲に記載された発明の構成から推論可能な全ての効果を含むものと理解される。

従来のスクロール圧縮機の断面図である。 本発明のスクロール圧縮機の断面図である。 図２のスクロール圧縮機でリアハウジング側を他の方向から図示する断面図である。 図２のスクロール圧縮機からリアハウジングを分離して図示する一部断面斜視図である。 図２のスクロール圧縮機からリアハウジングを分離して図示する正面図である。 図５の背面図である。 図２のスクロール圧縮機で固定スクロールの背面図である。 回転軸の回転角がそれぞれ第１、第２、第３及び第４角度である時、固定ラップ、旋回ラップ及び注入口の断面図である。 同上 同上 同上 注入口の開閉時期を示す図表である。 図２のスクロール圧縮機でリアハウジングとリアハウジングに収容される部品の分解斜視図である。 図１３の部品のうち、注入バルブ組立体の分解斜視図である。 注入バルブ組立体のカバープレートの背面斜視図である。 注入バルブ組立体のバルブプレートの背面の斜視図である。 図１４のＩ－Ｉ線に沿って切開した斜視図である。 図１３の部品のうち、吐出リードプレートが配置された状態の固定スクロールの正面図である。 図１３の部品のうち、ガスケットリテーナーの正面図である。 図３のＡ部分を拡大した断面図である。

以下、図面を参照して、本発明によるスクロール圧縮機の好ましい実施例を説明する。

本発明の実施例は、本発明の権利範囲を限定するのではなく、本発明の請求範囲に提示された構成要素を例示するものである。本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通して同一または類似する構成要素に対しては同じ参照符号を付けた。明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時は、これは特に記載がない限り、他の構成要素を除外するものではない。

図２乃至１２を参照して、本発明の一実施例によるスクロール圧縮機を説明する。図２に示すように、本発明の一実施例によるスクロール圧縮機は、ハウジング（１００）、ハウジング（１００）内に備えられるモーター（２００）、モーター（２００）により回転される回転軸（３００）、回転軸（３００）に連動されて旋回運動される旋回スクロール（４００）、旋回スクロール（４００）と共に圧縮室（Ｃ）を形成する固定スクロール（５００）及び固定スクロール（５００）の一面上に配置されて圧縮室（Ｃ）で圧縮された冷媒が吐出される固定スクロールの吐出口（５１２）を開閉する吐出バルブ（６００）を含むことができる。そして、本実施例による圧縮機は、ハウジング（１００）の外部（スクロール圧縮機、凝縮機、膨脹バルブ及び蒸発器を含む蒸気圧縮式冷凍サイクルで、例えば凝縮機の下流）から中間圧の冷媒を圧縮室（Ｃ）に案内する注入流路を形成して注入流路を開閉するための注入バルブ組立体（７００）をさらに含むことができる。

ここで、注入流路は後述する導入ポート（１３３）、導入室（Ｉ）、流入口（７１２）、傾斜空間（７３４）、連結流路（７３８）、流出口（７３６）、連通口（６１２）及び注入口（５１４）を含んでリアハウジング（１３０）から固定スクロール（５００）まで延長形成されて、注入バルブ組立体（７００）は流入口（７１２）、傾斜空間（７３４）、連結流路（７３８）及び流出口（７３６）を含んでリアハウジング（１３０）と固定スクロール（５００）との間、正確にはリアハウジング（１３０）と吐出バルブ（６００）との間に介在されることができる。具体的に、ハウジング（１００）は、回転軸（３００）が貫通するセンターハウジング（１１０）、センターハウジング（１１０）と共にモーター（２００）が収容されるモーター収容空間（Ｓ１）を形成するフロントハウジング（１２０）及びセンターハウジング（１１０）と共に旋回スクロール（４００）と固定スクロール（５００）が収容されるスクロール収容空間（Ｓ２）を形成するリアハウジング（１３０）を含むことができる。

センターハウジング（１１０）は、モーター収容空間（Ｓ１）とスクロール収容空間（Ｓ２）を区画して旋回スクロール（４００）及び固定スクロール（５００）を支持するセンターエンドプレート（１１２）及びセンターエンドプレート（１１２）の外周部からフロントハウジング（１２０）側に突出するセンター側板（１１４）を含むことができる。

センターエンドプレート（１１２）は略円板形に形成されて、センターエンドプレート（１１２）の中心部には回転軸（３００）の一端部が貫通する軸受孔（１１２ａ）及び旋回スクロール（４００）を固定スクロール（５００）側に加圧する背圧室（１１２ｂ）が形成される。ここで、回転軸（３００）の一端部には回転軸（３００）の回転運動を旋回スクロール（４００）の旋回運動に転換させる偏心ブッシュ（３１０）が形成されて、背圧室（１１２ｂ）は偏心ブッシュ（３１０）が回転されることのできる空間を提供する。そして、センターエンドプレート（１１２）の外周部には後述するようにモーター収容空間（Ｓ１）に流入する冷媒をスクロール収容空間（Ｓ２）に案内する吸入流路（図示しない）が形成される。

フロントハウジング（１２０）は、センターエンドプレート（１１２）に対向されて回転軸（３００）の他端部を支持するフロントエンドプレート（１２２）及びフロントエンドプレート（１２２）の外周部から突出してセンター側板（１１４）と締結されてモーター（２００）を支持するフロント側板（１２４）を含むことができる。ここで、センターエンドプレート（１１２）、センター側板（１１４）、フロントエンドプレート（１２２）及びフロント側板（１２４）がモーター収容空間（Ｓ１）を形成できる。そして、フロント側板（１２４）には外部から吸入圧の冷媒をモーター収容空間（Ｓ１）に案内する吸入ポート（図示しない）が形成される。

図３乃至６に示すように、リアハウジング（１３０）は、センターエンドプレート（１１２）に対向されるリアエンドプレート（１３２）、リアエンドプレート（１３２）から突出してリアハウジング（１３０）の円周方向上、最外郭側に位置される第１環形壁（１３４）、リアエンドプレート（１３２）から突出して第１環形壁（１３４）に収容される第２環形壁（１３６）及びリアエンドプレート（１３２）から突出して第２環形壁（１３６）に収容される第３環形壁（１３８）を含み、第１環形壁（１３４）、第２環形壁（１３６）及び第３環形壁（１３８）は互いに相違する高さを有するように形成される。

第１環形壁（１３４）はセンターエンドプレート（１１２）の外周部と略同等水準の直径を有する環形に形成されてセンターエンドプレート（１１２）の外周部に締結されて、スクロール収容空間（Ｓ２）を形成できる。第２環形壁（１３６）は第１環形壁（１３４）より小さい直径を有する環形に形成されて、後述する固定スクロール（５００）の固定エンドプレート（５１０）の外周部に接触されて、圧縮室（Ｃ）から吐出される冷媒を収容する吐出室（Ｄ）を形成できる。ここで、第２環形壁（１３６）は固定エンドプレート（５１０）に接触されるように形成されることによって、正確には後述する吐出バルブ（６００）のガスケットリテーナー（６３０）を間に置いて固定エンドプレート（５１０）に接触されるように形成されることによって、リアハウジング（１３０）がセンターハウジング（１１０）に締結される時、固定スクロール（５００）をセンターハウジング（１１０）側に加圧して固定スクロール（５００）とセンターハウジング（１１０）間の締結力を向上させて、固定スクロール（５００）とセンターハウジング（１１０）間の漏洩を防止できる。

第３環形壁（１３８）は第２環形壁（１３６）より小さな直径を有する環形に形成されて、固定エンドプレート（５１０）から離隔されて、後述の注入バルブ組立体（７００）のカバープレート（７１０）により覆蓋されて、導入ポート（１３３）を通じて導入される冷媒を収容する導入室（Ｉ）を形成できる。

リアエンドプレート（１３２）には吐出室（Ｄ）の冷媒をハウジング（１００）の外部に案内する吐出ポート（１３１）が形成されるが、吐出ポート（１３１）はリアエンドプレート（１３２）の中心部からリアエンドプレート（１３２）の外周部一側にリアエンドプレート（１３２）の半径方向に延長形成される。そして、リアエンドプレート（１３２）には吐出室（Ｄ）の冷媒を吐出ポート（１３１）に案内する吐出ポート入口（１３１ａ）が形成される。

一方、吐出ポート（１３１）の内部には冷媒からオイルを分離させる管形のオイルセパレーター（図示しない）が備えられ、オイルセパレーターは吐出ポート入口（１３１ａ）に流入した冷媒がオイルセパレーターの外周面と吐出ポート（１３１）の内周面間の空間に沿ってリアエンドプレート（１３２）の中心側に流動された後、転向されてオイルセパレーターの内周部に沿ってリアエンドプレート（１３２）の外周部一側に吐出される過程でオイルと分離されるように形成される。

また、リアエンドプレート（１３２）にはハウジング（１００）の外部から中間圧の冷媒が導入される導入ポート（１３３）も形成されるが、導入ポート（１３３）はリアエンドプレート（１３２）の外周部他側からリアエンドプレート（１３２）の中心部にリアエンドプレート（１３２）の半径方向に延長形成されて、導入室（Ｉ）と連通されることができる。このように、リアハウジング（１３０）には吐出室（Ｄ）、吐出ポート（１３１）、導入ポート（１３３）及び導入室（Ｉ）が形成されて、導入室（Ｉ）の少なくとも一部は吐出室（Ｄ）に収容されて、吐出ポート（１３１）の少なくとも一部は導入室（Ｉ）に収容されて、導入ポート（１３３）の少なくとも一部は吐出室（Ｄ）に収容されるように形成される。

具体的に、第３環形壁（１３８）が第２環形壁（１３６）に収容されるように形成されることによって、そして第３環形壁（１３８）が固定エンドプレート（５１０）と離隔されて注入バルブ組立体（７００）により覆蓋されることによって、導入室（Ｉ）の少なくとも一部が吐出室（Ｄ）に収容されることができる。即ち、導入室（Ｉ）の側部が第３環形壁（１３８）を間に置いてリアハウジング（１３０）の半径方向に吐出室（Ｄ）と重畳されるように形成されて、導入室（Ｉ）の先端部が注入バルブ組立体（７００）を間に置いてリアハウジング（１３０）の軸方向に吐出室（Ｄ）と重畳されるように形成される。

また、吐出ポート（１３１）がリアエンドプレート（１３２）の中心部からリアエンドプレート（１３２）の外周部一側にリアエンドプレート（１３２）の半径方向に延長形成されることによって、吐出ポート（１３１）の少なくとも一部が導入室（Ｉ）に収容されることができる。即ち、吐出ポート（１３１）の少なくとも一部が吐出ポート（１３１）の壁を間に置いてリアハウジング（１３０）の軸方向に導入室（Ｉ）と重畳されるように形成される。

また、導入ポート（１３３）がリアエンドプレート（１３２）の外周部他側からリアエンドプレート（１３２）の中心部にリアエンドプレート（１３２）の半径方向に延長形成されることによって、導入ポート（１３３）の少なくとも一部が吐出室（Ｄ）に収容されることができる。即ち、導入ポート（１３３）の少なくとも一部が導入ポート（１３３）の壁を間に置いてリアハウジング（１３０）の軸方向に吐出室（Ｄ）と重畳されるように形成される。

一方、吐出ポート（１３１）と導入ポート（１３３）は吐出ポート（１３１）の冷媒と導入ポート（１３３）の冷媒が互いにクロスフロー方向に流動されるように形成される。即ち、リアハウジング（１３０）の中心を基準に吐出ポート（１３１）の出口と導入ポート（１３３）の入口間角度）が０゜以上９０゜未満に形成される。そして、第３環形壁（１３８）には、注入バルブ組立体（７００）を第３環形壁（１３８）に締結させるための締結ボルト（７７０）が挿入される締結溝（１３８ａ）及び後述する注入バルブ組立体（７００）のカバープレート（７１０）、注入バルブ（７２０）及びバルブプレート（７３０）を事前に決定された位置に整列させるための位置決定ピン（７８０）が挿入される第１位置決定溝（１３８ｂ）が形成される。

図２に示すように、モーター（２００）は、フロント側板（１２４）に固定される固定子（２１０）及び固定子（２１０）の内部で固定子（２１０）との相互作用で回転される回転子（２２０）を含むことができる。回転軸（３００）は、回転子（２２０）に締結されるが、回転子（２２０）の中心部を貫通して、回転軸（３００）の一端部がセンターエンドプレート（１１２）の軸受孔（１１２ａ）を貫通して回転軸（３００）の他端部がフロントエンドプレート（１２２）に支持される。

旋回スクロール（４００）はセンターエンドプレート（１１２）と固定スクロール（５００）との間に介在されて、円板形の旋回エンドプレート（４１０）、旋回エンドプレート（４１０）の中心部から固定スクロール（５００）側に突出する旋回ラップ（４２０）及び旋回エンドプレート（４１０）の中心部から旋回ラップ（４２０）の反対側に突出して偏心ブッシュ（３１０）と締結されるボス部（４３０）を含むことができる。

図３及び７に示すように、固定スクロール（５００）は、円板形の固定エンドプレート（５１０）、固定エンドプレート（５１０）の中心部から突出して旋回ラップ（４２０）と噛み合う固定ラップ（５２０）及び固定エンドプレート（５１０）の外周部から突出してセンターエンドプレート（１１２）に締結される固定側板（５３０）を含むことができる。固定エンドプレート（５１０）は、圧縮室（Ｃ）の冷媒を吐出室（Ｄ）で吐出する吐出口（５１２）及び注入バルブ組立体（７００）から吐出される冷媒を圧縮室（Ｃ）に案内する注入口（５１４）を含むことができる。吐出口（５１２）は冷媒がと圧縮されることを防止するように複数に形成されて、複数の吐出口（５１２）は固定エンドプレート（５１０）と注入バルブ組立体（７００）間に介在される吐出バルブ（６００）により開閉されることができる。

具体的に、圧縮室（Ｃ）は、図８乃至１１に図示されるように、スクロール収容空間（Ｓ２）の半径方向上、遠心側に位置されて冷媒の圧力が第１圧力範囲である第１圧縮室（Ｃ１）、第１圧縮室（Ｃ１）よりスクロール収容空間（Ｓ２）の半径方向上、求心側に位置されて冷媒の圧力が第１圧力範囲より高い第２圧力範囲である第２圧縮室（Ｃ２）及び第２圧縮室（Ｃ２）よりスクロール収容空間（Ｓ２）の半径方向上、求心側に位置されて冷媒の圧力が第２圧力範囲より高い第３圧力範囲である第３圧縮室（Ｃ３）を含み、第１圧縮室（Ｃ１）、第２圧縮室（Ｃ２）及び第３圧縮室（Ｃ３）はそれぞれ２つ一対に形成される。

第１圧縮室（Ｃ１）は、旋回ラップ（４２０）の外周面と固定ラップ（５２０）の内周面により形成される第１外側圧縮室（Ｃ１１）及び旋回ラップ（４２０）の内周面と固定ラップ（５２０）の外周面により形成される第１内側圧縮室（Ｃ１２）を含むことができる。第２圧縮室（Ｃ２）は、旋回ラップ（４２０）の外周面と固定ラップ（５２０）の内周面により形成される第２外側圧縮室（Ｃ２１）及び旋回ラップ（４２０）の内周面と固定ラップ（５２０）の外周面により形成される第２内側圧縮室（Ｃ２２）を含むことができる。

第３圧縮室（Ｃ３）は、旋回ラップ（４２０）の外周面と固定ラップ（５２０）の内周面により形成される第３外側圧縮室（Ｃ３１）及び旋回ラップ（４２０）の内周面と固定ラップ（５２０）の外周面により形成される第３内側圧縮室（Ｃ３２）を含むことができる。この時、吐出口（５１２）は、第３外側圧縮室（Ｃ３１）と第３内側圧縮室（Ｃ３２）の冷媒を吐出するように固定エンドプレート（５１０）の中心側に形成されるメーン吐出口（５１２ａ）、第２外側圧縮室（Ｃ２１）の冷媒を吐出するようにメーン吐出口（５１２ａ）を基準に固定エンドプレート（５１０）の半径方向外側に形成される第１サブ吐出口（５１２ｂ）及び第２内側圧縮室（Ｃ２２）の冷媒を吐出するようにメーン吐出口（５１２ａ）を基準に固定エンドプレート（５１０）の半径方向外側に形成されるが、メーン吐出口（５１２ａ）を基準に第１サブ吐出口（５１２ｂ）の反対側に形成される第２サブ吐出口（５１２ｃ）を含むことができる。

注入口（５１４）は注入バルブ組立体（７００）から吐出される冷媒を２つ一対の第２圧縮室（Ｃ２）に全て供給するように複数に形成される。即ち、注入口（５１４）は第２外側圧縮室（Ｃ２１）と連通可能な第１注入口（５１４ａ）及び第２内側圧縮室（Ｃ２２）と連通可能な第２注入口（５１４ｂ）を含み、第１注入口（５１４ａ）と第２注入口（５１４ｂ）は第１サブ吐出口（５１２ｂ）と第２サブ吐出口（５１２ｃ）をつなぐ仮想の線を基準に互いに反対側に形成できる。しかしながら、これに限定されるのではなく、注入口（５１４）は第１サブ吐出口（５１２ｂ）と第２サブ吐出口（５１２ｃ）をつなぐ仮想の線を基準に同じ側に複数に形成できる。

ここで、注入口（５１４）は、第２外側圧縮室（Ｃ２１）と第２内側圧縮室（Ｃ２２）間の圧力不均衡が発生しないように、第２外側圧縮室（Ｃ２１）及び第２内側圧縮室（Ｃ２２）と同時に連通されるように形成される。即ち、図１２に図示されるように、第１注入口（５１４ａ）と第２外側圧縮室（Ｃ２１）間の連通が開始される時、第２注入口（５１４ｂ）と第２内側圧縮室（Ｃ２２）間の連通が開始されるように形成される。

また、好ましくは、注入口（５１４）は第２外側圧縮室（Ｃ２１）及び第２内側圧縮室（Ｃ２２）と同時に遮蔽されるように形成される。即ち、図１２に図示されるように、第１注入口（５１４ａ）と第２外側圧縮室（Ｃ２１）間の連通が終了する時、第２注入口（５１４ｂ）と第２内側圧縮室（Ｃ２２）間の連通が終了するように形成される。

注入口（５１４）は圧縮室（Ｃ）に注入される冷媒の流量増加のために長孔に形成できる。注入口（５１４）は、冷媒が注入口（５１４）を通過する過程で圧力損失及び流量損失が発生しないように、断面形状が一定に形成できる。即ち、注入口（５１４）の内径は注入口（５１４）の軸方向位置と関係なく事前に決定された値に形成できる。固定ラップ（５２０）は固定スクロール（５００）の中心側から外周部側に、例えば対数螺旋形に延長形成できる。固定側板（５３０）は固定エンドプレート（５１０）の外周部に沿って延びる環形に形成されて、一側に固定ラップ（５２０）と連結される固定ラップ初入部（５３２）を含むことができる。

固定ラップ初入部（５３２）の軸方向高さは、圧縮室（Ｃ）の冷媒が固定ラップ初入部（５３２）を通じて漏洩しないように、固定ラップ（５２０）の軸方向高さと同水準に形成できる。また、固定ラップ初入部（５３２）の半径方向厚さは、固定ラップ（５２０）の支持剛性が向上するように、固定ラップ（５２０）の半径方向厚さより厚く形成できる。この時、固定スクロール（５００）の重量及び原価削減のために、固定側板（５３０）は固定ラップ初入部（５３２）を除外した部位の半径方向厚さが固定ラップ初入部（５３２）の半径方向厚さより薄く形成できる。

次に、図１３乃至１７を参考して注入バルブ組立体（７００）に関して詳細に説明する。注入バルブ組立体（７００）は導入室（Ｉ）と注入口（５１４）間を連通及び遮蔽させるように第３環形壁（１３８）の先端面に形成できる。具体的に、注入バルブ組立体（７００）は、第３環形壁（１３８）の先端面に締結されて導入室（Ｉ）を覆蓋するカバープレート（７１０）、カバープレート（７１０）を基準に導入室（Ｉ）の反対側でカバープレート（７１０）に締結されるバルブプレート（７３０）及びカバープレート（７１０）とバルブプレート（７３０）間に介在される注入バルブ（７２０）を含むことができる。

カバープレート（７１０）は、図１４及び１５に図示されるように、第３環形壁（１３８）に対向されるカバープレート上面（７１０ａ）、バルブプレート（７３０）と注入バルブ（７２０）に対向されるカバープレート下面（７１０ｂ）及びカバープレート（７１０）の中心部でカバープレート下面（７１０ｂ）から凹んで形成される注入バルブ安着溝（７１０ｃ）を含む。また、カバープレート（７１０）は、導入室（Ｉ）と後述する傾斜空間（７３４）を連通させる流入口（７１２）、締結溝（１３８ａ）と連通されて締結ボルト（７７０）により貫通される第２締結ホール（７１４）及び第１位置決定溝（１３８ｂ）に連通されて位置決定ピン（７８０）により貫通される第１位置決定ホール（７１６）をさらに含むことができる。

流入口（７１２）はカバープレート（７１０）の中心部でカバープレート上面（７１０ａ）から注入バルブ安着溝（７１０ｃ）まで貫通形成される。第２締結ホール（７１４）はカバープレート（７１０）の外周部に形成されて、カバープレート上面（７１０ａ）からカバープレート下面（７１０ｂ）まで貫通形成される。また、第１位置決定ホール（７１６）はカバープレート（７１０）の半径方向相流入口（７１２）と第２締結ホール（７１４）との間に形成されて、カバープレート上面（７１０ａ）から注入バルブ安着溝（７１０ｃ）またはカバープレート下面（７１０ｂ）まで貫通形成される。

注入バルブ（７２０）は、図１４に図示されるように、流入口（７１２）を開閉する頭部（７２２）、頭部（７２２）を支持する脚部（７２４）及び脚部（７２４）を支持する周り部（７２６）を含むことができる。頭部（７２２）は外径が流入口（７１２）の内径より大きい円板形に形成される。脚部（７２４）は頭部（７２２）から周り部（７２６）の一側まで一方向に延びた板形に形成される。また、周り部（７２６）は注入バルブ安着溝（７１０ｃ）に収容されながら頭部（７２２）と脚部（７２４）を収容する輪状、例えば、本実施例では四角形の輪状に形成される。周り部（７２６）は第１位置決定ホール（７１６）に連通されて位置決定ピン（７８０）により貫通される第２位置決定ホール（７２６ａ）を含むことができる。

ここで、注入バルブ（７２０）は、注入バルブ（７２０）を固定させるための別途の締結部材なく、周り部（７２６）が注入バルブ安着溝（７１０ｃ）とバルブプレート（７３０）との間で圧搾されることによって固定される。このために、周り部（７２６）の軸方向厚さが注入バルブ安着溝（７１０ｃ）の軸方向深さ（さらに正確には、注入バルブ安着溝（７１０ｃ）の基底面と後述するバルブプレート上面（７３０ａ）間の距離）より大きいか、同じに形成される。この時、公差により周り部（７２６）が注入バルブ安着溝（７１０ｃ）とバルブプレート（７３０）間で圧搾されない場合を未然に防止するために、周り部（７２６）の軸方向厚さが注入バルブ安着溝（７１０ｃ）の軸方向深さより大きく設計されることが好ましい。

バルブプレート（７３０）は、図１４、１６及び１７に図示されるように、カバープレート（７１０）及び注入バルブ（７２０）に対向されるバルブプレート上面（７３０ａ）及びバルブプレート上面（７３０ａ）の背面を成しながら、固定スクロール（５００）に対向されるバルブプレート下面（７３０ｂ）を含むことができる。また、バルブプレート（７３０）は、バルブプレート下面（７３０ｂ）から第１注入口（５１４ａ）と第２注入口（５１４ｂ）側に突出する突出部（７３２）をさらに含むことができる。即ち、バルブプレート（７３０）は、バルブプレート下面（７３０ｂ）の一側から第１注入口（５１４ａ）側に突出する第１突出部（７３２ａ）及びバルブプレート下面（７３０ｂ）の他側から第２注入口（５１４ｂ）側に突出する第２突出部（７３２ｂ）を含むことができる。

この時、第１突出部（７３２ａ）は、バルブプレート下面（７３０ｂ）の一側から第１注入口（５１４ａ）側に突出する第１大径部（７３２ａａ）及び第１大径部（７３２ａａ）から第１注入口（５１４ａ）側により突出する第１小径部（７３２ａｂ）を含むことができる。第１大径部（７３２ａａ）の外径は第１小径部（７３２ａｂ）の外径より大きく形成される。

第２突出部（７３２ｂ）も同様に、バルブプレート下面（７３０ｂ）の他側から第２注入口（５１４ｂ）側に突出する第２大径部（７３２ｂａ）及び第２大径部（７３２ｂａ）から第２注入口（５１４ｂ）側により突出する第２小径部（７３２ｂｂ）を含むことができる。第２大径部（７３２ｂａ）の外径は第２小径部（７３２ｂｂ）の外径より大きく形成される。

また、バルブプレート（７３０）は、注入バルブ（７２０）のリテーナー（ｒｅｔａｉｎｅｒ）の役割を果たし、流入口（７１２）を通じて流入する冷媒を収容する傾斜空間（７３４）、第１突出部（７３２ａ）に形成されて第１注入口（５１４ａ）と連通される第１流出口（７３６ａ）、第２突出部（７３２ｂ）に形成されて第２注入口（５１４ｂ）と連通される第２流出口（７３６ｂ）、傾斜空間（７３４）の冷媒を第１流出口（７３６ａ）に案内する第１連結流路（７３８ａ）及び傾斜空間（７３４）の冷媒を第２流出口（７３６ｂ）に案内する第２連結流路（７３８ｂ）をさらに含むことができる。

バルブプレート上面（７３０ａ）はカバープレート下面（７１０ｂ）と注入バルブ（７２０）の周り部（７２６）に接触される平面に形成されることができ、傾斜空間（７３４）はバルブプレート上面（７３０ａ）から凹んで形成される。傾斜空間（７３４）は、注入バルブ（７２０）が流入口（７１２）を開放する時、即ち注入バルブ（７２０）の頭部（７２２）と脚部（７２４）が周り部（７２６）に対してバルブプレート（７３０）側に移動しながら開く時、注入バルブ（７２０）の頭部（７２２）と脚部（７２４）を支持するためのリテーナー面を含むことができる。

第１流出口（７３６ａ）は第１突出部（７３２ａ）の先端面、さらに正確には第１小径部（７３２ａｂ）の先端面から凹んで形成されて、第１大径部（７３２ａａ）まで延長形成される。第２流出口（７３６ｂ）は第２突出部（７３２ｂ）の先端面、さらに正確には第２小径部（７３２ｂｂ）の先端面から凹んで形成されて、第２大径部（７３２ｂａ）まで延長形成される。

第１連結流路（７３８ａ）はバルブプレート上面（７３０ａ）から凹んで形成されて、傾斜空間（７３４）の一側と第１流出口（７３６ａ）を連通させるように形成される。また、第２連結流路（７３８ｂ）はバルブプレート上面（７３０ａ）から凹んで形成されて、傾斜空間（７３４）の他側と第２流出口（７３６ｂ）を連通させるように形成される。

バルブプレート下面（７３０ｂ）は、吐出バルブ（６００）が固定エンドプレート（５１０）とバルブプレート下面（７３０ｂ）間に介在されるように、そして吐出口（５１２）から吐出される冷媒が吐出室（Ｄ）で流動されることができるように、固定エンドプレート（５１０）とこの離隔されるように形成される。バルブプレート（７３０）は、第２締結ホール（７１４）に連通されるように、そして締結ボルト（７７０）により貫通されるように、バルブプレート（７３０）の外周部でバルブプレート上面（７３０ａ）からバルブプレート下面（７３０ｂ）まで貫通形成される第１締結ホール（７３９ａ）をさらに含むことができる。また、バルブプレート（７３０）は、第２位置決定ホール（７２６ａ）に連通されるように、そして位置決定ピン（７８０）が挿入されるように、バルブプレート上面（７３０ａ）から凹んで形成される第２位置決定溝（７３９ｂ）をさらに含むことができる。

それにより、位置決定ピン（７８０）の一端部が第１位置決定ホール（７１６）を貫通して第１位置決定溝（１３８ｂ）に挿入されて、位置決定ピン（７８０）の他端部が第２位置決定ホール（７２６ａ）を貫通して第２位置決定溝（７３９ｂ）に挿入されることによって、注入バルブ組立体（７００）のカバープレート（７１０）、注入バルブ（７２０）及びバルブプレート（７３０）が整列されることができる。また、締結ボルト（７７０）が第１締結ホール（７３９ａ）と第２締結ホール（７１４）を貫通して締結溝（１３８ａ）に締結されることによって、注入バルブ組立体（７００）がリアハウジング（１３０）に締結されることができる。

一方、注入バルブ組立体（７００）がリアハウジング（１３０）に締結される時、カバープレート上面（７１０ａ）と第３環形壁（１３８）間に第１シーリング部材（７４０）が介在されて、バルブプレート上面（７３０ａ）とカバープレート下面（７１０ｂ）間に第２シーリング部材（７５０）が介在されることができる。一方、カバープレート（７１０）には第１グルーブ（７１８）と第２グルーブ（７１９）が形成される。

第１グルーブ（７１８）は注入バルブ（７２０）の頭部（７２２）とカバープレート（７１０）間の接触面積を減少させて衝突騷音を減少させるためのもので、そして異物を捕集及び排出させて注入バルブ（７２０）の頭部（７２２）とカバープレート（７１０）間に異物が混ざることを防止するためのもので、注入バルブ安着溝（７１０ｃ）から凹んで流入口（７１２）の周囲を囲む環形に形成される。第１グルーブ（７１８）の内周部は注入バルブ（７２０）の頭部（７２２）の外周部と軸方向に重畳されるように形成されて、第１グルーブ（７１８）の外周部は注入バルブ（７２０）の頭部（７２２）と軸方向に非重複されるように形成される。即ち、第１グルーブ（７１８）の内径は注入バルブ（７２０）の頭部（７２２）の外径より小さく形成されて、第１グルーブ（７１８）の外径は注入バルブ（７２０）の頭部（７２２）の外径より大きく形成される。これは、第１グルーブ（７１８）に捕集された異物が傾斜空間（７３４）側に排出するようにするためである。

第２グルーブ（７１９）は異物を捕集及び排出させて注入バルブ（７２０）の脚部（７２４）とカバープレート（７１０）間に異物が混ざることを防止するためのもので、注入バルブ（７２０）の脚部（７２４）に対向される位置で注入バルブ安着溝（７１０ｃ）から凹んで形成される。第２グルーブ（７１９）は長孔形に形成されるが、第２グルーブ（７１９）の中心部は注入バルブ（７２０）の脚部（７２４）と軸方向に重畳されるように形成されて、第２グルーブ（７１９）の両端部は注入バルブ（７２０）の脚部（７２４）と軸方向に非重複されるように形成される。即ち、第２グルーブ（７１９）の長軸方向と注入バルブ（７２０）の脚部（７２４）の幅方向が互いに平行して、第２グルーブ（７１９）の長軸長さが注入バルブ（７２０）の脚部（７２４）の幅より大きく形成できる。これは、第２グルーブ（７１９）に捕集された異物が傾斜空間（７３４）側に排出するようにするためである。

次では、図１３及び１８乃至２０を参考して、吐出バルブ（６００）に関して詳細に説明する。吐出バルブ（６００）は固定スクロール（５００）と注入バルブ組立体（７００）間に介在されて、吐出口（５１２）と吐出室（Ｄ）間を連通及び遮蔽させるためのものである。

具体的に、吐出バルブ（６００）は、固定スクロールの固定エンドプレート（５１０）上に位置される吐出リードプレート（６１０）及び吐出リードプレート（６１０）を囲み、リアハウジング（１３０）と固定スクロール（５００）間に配置されるガスケットリテーナー（ｇａｓｋｅｔ ｒｅｔａｉｎｅｒ）（６３０）を含むことができる。

図１８に示すように、吐出リードプレート（６１０）は固定エンドプレート（５１０）の一部領域上に位置するが、固定エンドプレート（５１０）の形状と略類似する模様に形成される。吐出リードプレート（６１０）には流出口（７３６）と注入口（５１４）を連通するための連通口（６１２）と、吐出口（５１２）を開閉するためのリード部（６２０）が形成される。

連通口（６１２）は注入口（５１４）の位置に対応して形成される。即ち、吐出リードプレート（６１０）には第１注入口（５１４ａ）に対応する第１連通口（６１２ａ）と、第２注入口（５１４ｂ）に対応する第２連通口（６１２ｂ）が形成される。この時、冷媒が注入バルブ組立体（７００）から注入口（５１４）に流動される過程で圧力損失及び流量損失が発生しないように、連通口（６１２）の内径は注入口（５１４）の内径より大きいか、同じに形成される。

リード部（６２０）は吐出口（５１２）を開閉するためのもので、吐出口（５１２）の位置に対応して形成される。即ち、吐出リードプレート（６１０）にはメーン吐出口（５１２ａ）を開閉するメーンリード部（６２２）、第１サブ吐出口（５１２ｂ）を開閉する第１サブリード部（６２４）及び第２サブ吐出口（５１２ｃ）を開閉する第２サブリード部（６２６）が形成される。リード部（６２２、６２４、６２６）のそれぞれは、吐出口（５１２）の位置に対応して吐出口（５１２）を開閉する頭部（６２２ａ、６２４ａ、６２６ａ）と、頭部（６２２ａ、６２４ａ、６２６ａ）から一方向に延長される脚部（６２２ｂ、６２４ｂ、６２６ｂ）を有し、頭部（６２２ａ、６２４ａ、６２６ａ）と脚部（６２２ｂ、６２４ｂ、６２６ｂ）は吐出リードプレート（６１０）上に切開部により形成される。頭部（６２２ａ、６２４ａ、６２６ａ）は外径がそれぞれ対応する吐出口（５１２）の内径より大きい円板形に形成されることができ、脚部（６２２ｂ、６２４ｂ、６２６ｂ）は頭部（６２２ａ、６２４ａ、６２６ａ）から一方向に延びた板形に形成される。それにより、リード部（６２０）は吐出リードプレート（６１０）に対して注入バルブ組立体（７００）方向に移動して開くことができ、吐出口（５１２）と吐出室（Ｄ）を連通させることができる。

この時、リード部（６２０）は吐出リードプレート（６１０）上で何れの方向にも形成されるので、位置設計の自由度が高い。即ち、リード部（６２０）が注入口（５１４）の位置に対応する連通口（６１２）と干渉されないように、リード部（６２０）の位置を設計することが容易である。ガスケットリテーナー（６３０）は吐出リードプレート（６１０）を囲み、固定エンドプレート（５１０）上に配置される。これに限定されるものではないが、ガスケットリテーナー（６３０）の外周部は固定エンドプレート（５１０）の外周部に形成された溝に対応する形状になることができる。

図１９に示すように、ガスケットリテーナー（６３０）は吐出リードプレート（６１０）と同様にプレート形状にでき、ガスケットリテーナー（６３０）にはリード部（６２０）が開かれる位置を案内すると同時に制限するためのリテーナー部（６４０）が形成される。リテーナー部（６４０）はリード部（６２０）の位置に対応して形成される。即ち、ガスケットリテーナー（６３０）には、メーンリード部（６２２）に対応するメーンリテーナー部（６４２）、第１サブリード部（６２４）に対応する第１サブリテーナー部（６４４）及び第２サブリード部（６２６）に対応する第２サブリテーナー部（６４６）が形成される。リテーナー部（６４０）はガスケットリテーナー（６３０）に傾斜加工を通じて形成されることができ、決まった傾斜によってリード部（６２０）が最大で開くことのできる位置を制限する。

ガスケットリテーナー（６３０）はこれを固定させるための別途の締結部材なく注入バルブ組立体（７００）とリアハウジング（１３０）により固定スクロール（５００）側に圧搾されることによって固定されることができる。具体的に、図３に図示されるように、ガスケットリテーナー（６３０）の外周部はリアハウジングの第２環形壁（１３６）により固定エンドプレート（５１０）に圧搾されて、ガスケットリテーナー（６３０）の内側は注入バルブ組立体（７００）により固定エンドプレート（５１０）側に圧搾される。

それにより、吐出リードプレート（６１０）またガスケットリテーナー（６３０）と共に圧搾されて固定されることができ、ガスケットリテーナー（６３０）が吐出リードプレート（６１０）を囲むように配置することによって吐出リードプレート（６１０）周囲をシーリングする役割を果たす。さらに、ガスケットリテーナー（６３０）が固定エンドプレート（５１０）とリアハウジング（１３０）、正確には第２環形壁（１３６）間で圧搾されることによって、固定エンドプレート（５１０）とリアハウジング（１３０）間をシーリングして吐出室（Ｄ）内部の冷媒が漏洩しないようにする。これによって、吐出リードプレート（６１０）周囲を密封するか、固定エンドプレート（５１０）とリアハウジング（１３０）間を密封するための別途のシーリング部材が不要である。

この時、ガスケットリテーナー（６３０）にはバルブプレート（７３０）の突出部（７３２）の少なくとも一部が挿入されるための挿入口（６３２）が貫通形成される。正確には、ガスケットリテーナー（６３０）には、第１突出部（７３２ａ）の位置に対応する第１挿入口（６３２ａ）と、第２突出部（７３２ｂ）の位置に対応する第２挿入口（６３２ｂ）が形成されるが、第１挿入口（６３２ａ）には第１突出部（７３２ａ）の第１小径部（７３２ａｂ）が挿入されて、第２挿入口（６３２ｂ）には第２突出部（７３２ｂ）の第２小径部（７３２ｂｂ）が挿入される。このために、第１挿入口（６３２ａ）の内径は第１小径部（７３２ａｂ）の外径と同じ水準に形成されて、第２挿入口（６３２ｂ）の内径は第２小径部（７３２ｂｂ）の外径と同じ水準に形成される。

それにより、図２０に示すように、小径部（７３２ａｂ、７３２ｂｂ）がガスケットリテーナー（６３０）を貫通して吐出リードプレート（６１０）と接触されることによって、連通口（６１２）と流出口（７３６）が連通できる。この時、大径部（７３２ａａ、７３２ｂａ）はガスケットリテーナー（６３０）を貫通せず接触してガスケットリテーナー（６３０）を固定エンドプレート（５１０）側に、即ち吐出リードプレート（６１０）に圧搾させることによって、連通口（６１２）と流出口（７３６）間で冷媒が漏洩しないように密封できる。このために、小径部（７３２ａｂ、７３２ｂｂ）の軸方向長さは挿入口（６３２）の軸方向長さより短かいか、これと同一であることが好ましい。

しかしながら、これに限定されるのではなく、ガスケットリテーナーの挿入口が連通口と流出口を互いに連通する役割を果たすこともできる。ここで、第３外側圧縮室（Ｃ３１）と第３内側圧縮室（Ｃ３２）の圧力が吐出圧水準に達すればメーンリード部（６２２）がメーン吐出口（５１２ａ）を開放するが、第２外側圧縮室（Ｃ２１）の圧力が第２圧力範囲を超過する場合、第１サブリード部（６２４）が第１サブ吐出口（５１２ｂ）を開放して第２外側圧縮室（Ｃ２１）の圧力を第２圧力範囲に含まれる水準に低くして、第２内側圧縮室（Ｃ２２）の圧力が第２圧力範囲を超過する場合、第２サブリード部（６２６）が第２サブ吐出口（５１２ｃ）を開放して第２内側圧縮室（Ｃ２２）の圧力を第２圧力範囲に含まれる水準に低くして、メーン吐出口（５１２ａ）から吐出される冷媒の圧力が吐出圧より過度に高くなることを防止できる。即ち、過圧縮が防止されることができる。

一方、第１サブ吐出口（５１２ｂ）と第２サブ吐出口（５１２ｃ）は第２外側圧縮室（Ｃ２１）と第２内側圧縮室（Ｃ２２）間の圧力不均衡が発生しないように、第２外側圧縮室（Ｃ２１）及び第２内側圧縮室（Ｃ２２）と同時に連通されるように形成できる。即ち、第１サブ吐出口（５１２ｂ）と第２外側圧縮室（Ｃ２１）間の連通が開始される時、第２サブ吐出口（５１２ｃ）と第２内側圧縮室（Ｃ２２）間の連通が開始されるように形成できる。

そして、好ましくは、第１サブ吐出口（５１２ｂ）と第２サブ吐出口（５１２ｃ）は第２外側圧縮室（Ｃ２１）及び第２内側圧縮室（Ｃ２２）と同時に遮蔽されるように形成される。即ち、第１サブ吐出口（５１２ｂ）と第２外側圧縮室（Ｃ２１）間の連通が終了する時、第２サブ吐出口（５１２ｃ）と第２内側圧縮室（Ｃ２２）間の連通が終了するように形成される。一方、固定エンドプレート（５１０）には吐出バルブ（６００）の頭部と脚部に対して第１グルーブ（７１８）及び第２グルーブ（７１９）と同じ役割を果たすグルーブが形成される。

以下、本実施例によるスクロール圧縮機の作用効果について説明する。モーター（２００）に電源が印加されれば回転子（２２０）と共に回転軸（３００）が回転して、旋回スクロール（４００）が偏心ブッシュ（３１０）を通じて回転軸（３００）から回転力の伝達を受けて旋回運動する。これによって、圧縮室（Ｃ）は中心側に向かって持続的に移動しながら体積が減少されることができる。それにより、圧縮室（Ｃ）に吸入された冷媒は圧縮室（Ｃ）の移動経路に沿って中心側に移動しながら圧縮されて吐出口（５１２）を通じて吐出室（Ｄ）に吐出されることができ、吐出室（Ｄ）に吐出された吐出圧の冷媒は吐出ポート（１３１）を通じて圧縮機の外部に排出されることができる。

この時、吸入圧の冷媒は吸入ポート（図示しない）、モーター収容空間（Ｓ１）、吸入流路（図示しない）及びスクロール収容空間（Ｓ２）を通じて圧縮室（Ｃ）に流入することができる。また、本実施例によるスクロール圧縮機は、中間圧の冷媒を圧縮室（Ｃ）に案内する注入流路（導入ポート（１３３）、導入室（Ｉ）、注入バルブ組立体（７００）、連通口（６１２）及び注入口（５１４））を含み、吸入圧の冷媒だけではなく中間圧の冷媒まで圧縮して吐出するによって、吸入圧の冷媒だけを吸入及び圧縮して吐出する時より冷媒吐出量が増加されることができる。これによって、圧縮機の性能及び効率が向上することができる。

また、リアハウジング（１３０）が吐出室（Ｄ）及び吐出ポート（１３１）だけではなく導入ポート（１３３）及び導入室（Ｉ）まで含むによって、即ち、吐出室（Ｄ）、吐出ポート（１３１）、導入ポート（１３３）及び導入室（Ｉ）を有するリアハウジング（１３０）が一体に形成されることによって、漏洩可能性が減少し、大きさ、原価及び重量が減少されることができる。

また、導入室（Ｉ）の少なくとも一部が吐出室（Ｄ）に収容されることによって、注入口（５１４）に案内される冷媒は第３環形壁（１３８）と注入バルブ組立体（７００）を通じて吐出室（Ｄ）の冷媒と熱交換される。即ち、導入室（Ｉ）の冷媒及び注入バルブ組立体（７００）を通過する冷媒が吐出室（Ｄ）の冷媒から熱の伝達を受けて加熱される。これによって、液冷媒が注入口（５１４）を通じて圧縮室（Ｃ）に注入されることが防止される。

また、吐出ポート（１３１）の少なくとも一部が導入室（Ｉ）に収容されることによって、導入室（Ｉ）の冷媒は導入室（Ｉ）に収容された吐出ポート（１３１）の壁部を通じて吐出ポート（１３１）の冷媒と熱交換される。即ち、導入室（Ｉ）の冷媒が吐出ポート（１３１）の冷媒から熱の伝達を受けて加熱される。これによって、液冷媒が注入口（５１４）を通じて圧縮室（Ｃ）に注入されることが防止される。

また、導入ポート（１３３）の少なくとも一部が吐出室（Ｄ）に収容されることによって、導入ポート（１３３）の冷媒は吐出室（Ｄ）に収容された導入ポート（１３３）の壁部を通じて吐出室（Ｄ）の冷媒と熱交換される。即ち、導入ポート（１３３）の冷媒が吐出室（Ｄ）の冷媒から熱の伝達を受けて加熱される。これによって、液冷媒が注入口（５１４）を通じて圧縮室（Ｃ）に注入されることが防止される。

また、吐出ポート（１３１）の冷媒と導入ポート（１３３）の冷媒が互いにクロスフロー方向に流動されることによって、導入ポート（１３３）の冷媒は吐出ポート（１３１）の冷媒と熱交換される。即ち、導入ポート（１３３）の冷媒が吐出ポート（１３１）の冷媒から熱の伝達を受けて加熱される。これによって、液冷媒が注入口（５１４）を通じて圧縮室（Ｃ）に注入されることが防止される。

本発明の注入バルブ組立体の構造は固定スクロールの注入口位置だけではなく吐出バルブの連通口及び挿入口の位置も変更できることは言うまでもない。そして、固定スクロールの吐出口位置によって吐出バルブのリード部及びリテーナー部の位置が変更できることは勿論である。

本発明によれば、スクロール圧縮機の圧縮室（Ｃ）に吸入圧の冷媒だけではなく中間圧の冷媒が導入されることによって圧縮室から吐出される冷媒吐出量を増加させることができ、圧縮機の性能及び効率を向上させることができる。また、吐出バルブにおいて、リード部が吐出リードプレート上で何れの方向にも形成されるのでリード部の位置設計の自由度が高く、連通口と干渉されないようにすることが容易である。本発明は、上記の実施例に限定されず、多様な変形実施が可能である。

本発明は、固定スクロールと旋回スクロールで冷媒を圧縮できるスクロール圧縮機として好適である。

１００ ハウジング
１１０ センターハウジング
１１２ センターエンドプレート
１１２ａ 軸受孔
１１２ｂ 背圧室
１１４ センター側板
１２０ フロントハウジング
１２２ フロントエンドプレート
１２４ フロント側板
１３０ リアハウジング
１３１ 吐出ポート
１３１ａ 吐出ポート入口
１３２ リアエンドプレート
１３３ 導入ポート
１３４ 第１環形壁
１３６ 第２環形壁
１３８ 第３環形壁
１３８ａ 締結溝
１３８ｂ 第１位置決定溝
２００ モーター
２１０ 固定子
２２０ 回転子
３００ 回転軸
３１０ 偏心ブッシュ
４００ 旋回スクロール
４１０ 旋回エンドプレート
４２０ 旋回ラップ
４３０ ボス部
５００ 固定スクロール
５１０ 固定エンドプレート
５１２ 吐出口
５１２ａ メーン吐出口
５１２ｂ 第１サブ吐出口
５１２ｃ 第２サブ吐出口
５１４ 注入口
５１４ａ 第１注入口
５１４ｂ 第２注入口
５２０ 固定ラップ
５３０ 固定側板
５３２ 固定ラップ初入部
６００ 吐出バルブ
６１０ 吐出リードプレート
６１２ 連通口
６１２ａ 第１連通口
６１２ｂ 第２連通口
６２０ リード部
６２２ メーンリード部
６２２ａ 頭部
６２２ｂ 脚部
６２４ 第１サブリード部
６２４ａ 頭部
６２４ｂ 脚部
６２６ 第２サブリード部
６２６ａ 頭部
６２６ｂ 脚部
６３０ ガスケットリテーナー
６３２ 挿入口
６３２ａ 第１挿入口
６３２ｂ 第２挿入口
６４０ リテーナー部
６４２ メーンリテーナー部
６４４ 第１サブリテーナー部
６４６ 第２サブリテーナー部
７００ 注入バルブ組立体
７１０ カバープレート
７１０ａ カバープレート上面
７１０ｂ カバープレート下面
７１０ｃ 注入バルブ安着溝
７１２ 流入口
７１４ 第２締結ホール
７１６ 第１位置決定ホール
７１８ 第１グルーブ
７１９ 第２グルーブ
７２０ 注入バルブ
７２２ 頭部
７２４ 脚部
７２６ 周り部
７２６ａ 第２位置決定ホール
７３０ バルブプレート
７３０ａ バルブプレート上面
７３０ｂ バルブプレート下面
７３２ 突出部
７３２ａ 第１突出部
７３２ａａ 大径部
７３２ａｂ 小径部
７３２ｂ 第２突出部
７３２ｂａ 大径部
７３２ｂｂ 小径部
７３４ 傾斜空間
７３６流出口
７３６ａ 第１流出口
７３６ｂ 第２流出口
７３８ 連結流路
７３８ａ 第１連結流路
７３８ｂ 第２連結流路
７３９ａ 第１締結ホール
７３９ｂ 第２位置決定溝
７４０ 第１シーリング部材
７５０ 第２シーリング部材
７７０ 締結ボルト
７８０ 位置決定ピン
Ｃ 圧縮室
Ｃ１ 第１圧縮室
Ｃ１１ 第１外側圧縮室
Ｃ１２ 第１内側圧縮室
Ｃ２ 第２圧縮室
Ｃ２１ 第２外側圧縮室
Ｃ２２ 第２内側圧縮室
Ｃ３ 第３圧縮室
Ｃ３１ 第３外側圧縮室
Ｃ３２ 第３内側圧縮室
Ｄ 吐出室
Ｉ 導入室
Ｓ１ モーター収容空間
Ｓ２ スクロール収容空間

Claims (17)

1. ハウジング、
   前記ハウジング内に備えられるモーター、
   前記モーターにより回転される回転軸、
   前記回転軸に連動されて旋回運動される旋回スクロール、
   前記旋回スクロールと共に圧縮室を形成する固定スクロール、及び
   前記固定スクロールの一面上に配置されて前記圧縮室で圧縮された冷媒が吐出される固定スクロールの１つ以上の吐出口を開閉する吐出バルブを含み、
   前記吐出バルブは、
   前記固定スクロールの一面上に配置される吐出リードプレート、及び
   前記吐出リードプレートを囲み、前記固定スクロールの一面と前記ハウジング間に配置されるガスケットリテーナーを含むことを特徴とするスクロール圧縮機。
2. 前記吐出リードプレートには前記１つ以上の吐出口をそれぞれ開閉するための１つ以上のリード部が備えられることを特徴とする請求項１に記載のスクロール圧縮機。
3. 前記リード部は、
   前記吐出口の位置に対応して吐出口を開閉する頭部、及び
   前記頭部から一方向に延長される脚部を含むことを特徴とする請求項２に記載のスクロール圧縮機。
4. 前記頭部及び前記脚部は前記吐出リードプレート上に切開部により形成されることを特徴とする請求項３に記載のスクロール圧縮機。
5. 前記ガスケットリテーナーには、前記１つ以上のリード部のそれぞれに対応する位置に傾斜加工される１つ以上のリテーナー部が備えられることを特徴とする請求項２に記載のスクロール圧縮機。
6. 前記リテーナー部の傾斜は前記リード部が最大で開くことのできる位置を制限することを特徴とする請求項５に記載のスクロール圧縮機。
7. 前記ハウジングは、前記回転軸が貫通するセンターハウジング、前記センターハウジングと共に前記モーターが収容されるモーター収容空間を形成するフロントハウジング、及び前記センターハウジングと共に前記旋回スクロールと前記固定スクロールが収容されるスクロール収容空間（Ｓ２）を形成するリアハウジング、を含み、
   前記吐出バルブと前記リアハウジング間には、前記ハウジングの外部から中間圧の冷媒を前記圧縮室に案内する注入流路を開閉するための注入バルブ組立体が備えられることを特徴とする請求項１に記載のスクロール圧縮機。
8. 前記固定スクロールは、固定スクロールの一面から前記圧縮室に冷媒を案内するための１つ以上の注入口を含み、
   前記吐出リードプレートには、前記１つ以上の注入口に対応して貫通形成される１つ以上の連通口が備えられることを特徴とする請求項７に記載のスクロール圧縮機。
9. 前記連通口の内径は、前記注入口の内径より大きいか、前記注入口の内径と同一に形成されることを特徴とする請求項８に記載のスクロール圧縮機。
10. 前記ガスケットリテーナーには、前記１つ以上の注入口に対応して貫通形成される１つ以上の挿入口が備えられることを特徴とする請求項８に記載のスクロール圧縮機。
11. 前記リアハウジングは、
    前記センターハウジングと締結されて前記旋回スクロールと前記固定スクロールが収容されるスクロール収容空間を形成する第１環形壁、
    前記第１環形壁に収容されて前記圧縮室から吐出される冷媒を収容する吐出室を形成する第２環形壁、及び
    前記第２環形壁に収容されて前記注入バルブ組立体により覆蓋される第３環形壁を含み、
    前記ガスケットリテーナーの外周部は前記固定スクロールと前記第２環形壁間で圧搾されて固定されることを特徴とする請求項１０に記載のスクロール圧縮機。
12. 前記ガスケットリテーナーの内側は前記注入バルブ組立体により前記固定スクロール側に圧搾されて固定されることを特徴とする請求項１１に記載のスクロール圧縮機。
13. 前記注入バルブ組立体は、
    前記第３環形壁を覆蓋して、前記中間圧の冷媒が流入する流入口を有するカバープレート、
    前記カバープレートの吐出バルブ側一面に結合されて、前記流入口を通じて流入する冷媒が前記吐出バルブ側に流出する流出口を有するバルブプレート、及び
    前記カバープレートと前記バルブプレート間に介在されて、前記流入口と前記流出口を選択的に連通させる注入バルブを含むことを特徴とする請求項１２に記載のスクロール圧縮機。
14. 前記バルブプレートは、前記バルブプレートの吐出バルブ側一面から前記吐出バルブ側に突出して内部に前記流出口が延長形成される突出部を含み、
    前記突出部の少なくとも一部は前記挿入口に挿入されることを特徴とする請求項１３に記載のスクロール圧縮機。
15. 前記突出部は、前記バルブプレートの吐出バルブ側一面から前記吐出バルブ側に突出する大径部、及び前記大径部から前記吐出バルブ側に突出して、前記大径部の外径より小さな外径を有する小径部、を含み、
    前記挿入口には前記小径部が挿入されることを特徴とする請求項１４に記載のスクロール圧縮機。
16. 前記小径部の軸方向長さは、前記挿入口の軸方向長さより短かいか、前記挿入口の軸方向長さと同一に形成されることを特徴とする請求項１５に記載のスクロール圧縮機。
17. 前記連通口は前記流出口と前記注入口を連通することを特徴とすることを特徴とする請求項１４に記載のスクロール圧縮機。

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